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技術 光透過部材

出願人 ウシオ電機株式会社
発明者 森本幸裕矢野一晃平本立躬
出願日 2008年11月6日 (12年1ヶ月経過) 出願番号 2008-285028
公開日 2009年2月19日 (11年10ヶ月経過) 公開番号 2009-035483
状態 特許登録済
技術分野 ガラスの溶融、製造 放電灯用うつわ・被膜
主要キーワード 表面層領域 酸素欠陥構造 溶融石英ガラス製 受光用開口 特定時間経過後 初期放射 板状サンプル バルク濃度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

溶融石英ガラスよりなるものであるにもかかわらず、放射照度維持特性に優れた光透過部材を提供すること。

解決手段

この光透過部材は、チタンを含有する溶融石英ガラスよりなる光透過部材であって、当該光透過部材は、光入射面から100μmの表面層領域において、波長163nmに吸収を示す酸素欠陥構造の濃度が6×10-3mol/L以下であることを特徴とする。

概要

背景

例えば、映写機または分光器光源ランプとして用いられるキセノンランプ半導体集積回路パターニングなどのための光リソグラフィ用の光源ランプとして用いられる超高圧水銀ランプ光硬化樹脂硬化させるための照射光源としてのフラッシュランプなどにおいて、種々の放電ガス充填するための発光空間を気密に区画し、当該発光空間からの紫外線を含む光をその外部へ透過させるための発光管としては、現在、合成石英ガラスよりなるものが広く用いられており、その製造方法も種々のものが提案されている(例えば特許文献1および特許文献2参照。)。

特許第3292016号公報
特開2001−180944号公報

一方、種々の用途に係る光透過部材形成材料としては、一般に溶融石英ガラスが広く用いられており、その理由は、溶融石英ガラスは、合成シリカガラスまたは結晶材料と同等の耐久性を有すると共に、入手が容易であって安価であるからである。

また、基本発振波長が700〜800nm付近であるTi:サファイアレーザーフェムト秒レーザー)光、およびその2倍高調波発振するレーザー発振装置において、発振装置内部の気密を維持した状態で当該発振装置の外部にレーザー光導光するための窓板部材としても、溶融石英ガラスよりなるものが広く用いられている。

溶融石英ガラスは、以上のような実用上の利点を有する反面、原料および製造上の理由から、石英ガラスを構成するシリカ(SiO2 )結合中における酸素原子欠落して一般式(1)に示すように珪素原子同士が直接的に結合した状態の酸素欠陥構造が比較的高い濃度で含有されたものとなる。このため、溶融石英ガラスにより形成された光透過部材を用いた場合には、特定の波長の紫外線に係る放射照度維持特性が劣ったものとなる、という問題がある。

具体的には、溶融石英ガラスよりなる光透過部材においては、酸素欠陥構造が波長163nmの紫外線を吸収することによって、一般式(2)に示すようにイープライムセンター(E’center)と呼ばれる色中心が生成され、このイープライムセンターが波長200〜380nmの紫外線を吸収するため、光透過部材を透過して外部に放射された後の光(以下、単に「外部放射光」ともいう。)は、当該波長領域における光の放射照度減衰したものとなってしまう。

この一般式(2)に示される反応の進行によって、溶融石英ガラス製の光透過部材は、使用を続けると経時的に次第に波長380nm以下の紫外線が多く吸収されることとなって、当該波長の紫外線に係る放射照度の減退が顕著となり、結局、長期間にわたって高い放射照度維持特性を得ることができない、という問題がある。

概要

溶融石英ガラスよりなるものであるにもかかわらず、放射照度維持特性に優れた光透過部材を提供すること。この光透過部材は、チタンを含有する溶融石英ガラスよりなる光透過部材であって、当該光透過部材は、光入射面から100μmの表面層領域において、波長163nmに吸収を示す酸素欠陥構造の濃度が6×10-3mol/L以下であることを特徴とする。 なし

目的

本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、溶融石英ガラスよりなるものであるにもかかわらず、放射照度維持特性に優れた光透過部材を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

チタンを含有する溶融石英ガラスよりなる、紫外線を含む光を透過する光透過部材であって、当該光透過部材は、光入射面から100μmの表面層領域において、波長163nmに吸収を示す酸素欠陥構造の濃度が6×10-3mol/L以下であることを特徴とする光透過部材。

技術分野

0001

本発明は、紫外線を含む光または紫外線を含むレーザー光を透過させるための溶融石英ガラスよりなる光透過部材に関する。この光透過部材は、例えば、紫外線を含む光を放射する光源ランプ発光管レーザー発振装置に係る導光窓板部材を形成するものとして用いられる。

背景技術

0002

例えば、映写機または分光器の光源ランプとして用いられるキセノンランプ半導体集積回路パターニングなどのための光リソグラフィ用の光源ランプとして用いられる超高圧水銀ランプ光硬化樹脂硬化させるための照射光源としてのフラッシュランプなどにおいて、種々の放電ガス充填するための発光空間を気密に区画し、当該発光空間からの紫外線を含む光をその外部へ透過させるための発光管としては、現在、合成石英ガラスよりなるものが広く用いられており、その製造方法も種々のものが提案されている(例えば特許文献1および特許文献2参照。)。

0003

特許第3292016号公報
特開2001−180944号公報

0004

一方、種々の用途に係る光透過部材の形成材料としては、一般に溶融石英ガラスが広く用いられており、その理由は、溶融石英ガラスは、合成シリカガラスまたは結晶材料と同等の耐久性を有すると共に、入手が容易であって安価であるからである。

0005

また、基本発振波長が700〜800nm付近であるTi:サファイアレーザーフェムト秒レーザー)光、およびその2倍高調波発振するレーザー発振装置において、発振装置内部の気密を維持した状態で当該発振装置の外部にレーザー光を導光するための窓板部材としても、溶融石英ガラスよりなるものが広く用いられている。

0006

溶融石英ガラスは、以上のような実用上の利点を有する反面、原料および製造上の理由から、石英ガラスを構成するシリカ(SiO2 )結合中における酸素原子欠落して一般式(1)に示すように珪素原子同士が直接的に結合した状態の酸素欠陥構造が比較的高い濃度で含有されたものとなる。このため、溶融石英ガラスにより形成された光透過部材を用いた場合には、特定の波長の紫外線に係る放射照度維持特性が劣ったものとなる、という問題がある。

0007

0008

具体的には、溶融石英ガラスよりなる光透過部材においては、酸素欠陥構造が波長163nmの紫外線を吸収することによって、一般式(2)に示すようにイープライムセンター(E’center)と呼ばれる色中心が生成され、このイープライムセンターが波長200〜380nmの紫外線を吸収するため、光透過部材を透過して外部に放射された後の光(以下、単に「外部放射光」ともいう。)は、当該波長領域における光の放射照度減衰したものとなってしまう。

0009

0010

この一般式(2)に示される反応の進行によって、溶融石英ガラス製の光透過部材は、使用を続けると経時的に次第に波長380nm以下の紫外線が多く吸収されることとなって、当該波長の紫外線に係る放射照度の減退が顕著となり、結局、長期間にわたって高い放射照度維持特性を得ることができない、という問題がある。

発明が解決しようとする課題

0011

本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、溶融石英ガラスよりなるものであるにもかかわらず、放射照度維持特性に優れた光透過部材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0012

本発明の光透過部材は、チタンを含有する溶融石英ガラスよりなる、紫外線を含む光を透過する光透過部材であって、
当該光透過部材は、光入射面から100μmの表面層領域において、波長163nmに吸収を示す酸素欠陥構造の濃度が6×10-3mol/L以下であることを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明の光透過部材は、チタンを含有する溶融石英ガラスよりなるものであって、酸素欠陥構造の濃度が低い表面層を有するものであり、当該溶融石英ガラス中に含有されるチタンによって波長163nmの紫外線が酸素欠陥構造に対して優位性をもって吸収されるため、酸素欠陥構造による当該波長の紫外線の吸収量が低減することとなる。その結果、酸素欠陥構造に由来するイープライムセンターの生成が確実に抑制されることとなり、結局、更に優れた放射照度維持特性を備えてなる光透過部材が得られる。

0014

なお、溶融石英ガラスは、これを製造する工程において、還元雰囲気下で加熱されること、表面研磨を実行する場合に用いられる研磨剤および研磨剤の分散用溶液化学的に反応することなどが原因となって、その表面において酸素欠陥構造を多く含有するものと推測される。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明の光透過部材を利用した放電ランプの一例における構成を示す説明用断面図、図2は、本発明の光透過部材を利用した放電ランプの他の例における構成を示す説明用断面図、図3は、本発明の光透過部材を利用した放電ランプの更に他の例における構成を示す説明用断面図である。

0016

図1に示す放電ランプは、円筒状の外管1aおよび外管1aの内径より小さな外径を有する内管1bよりなる、二重管構造を有する放電容器と、この内管1bの内周壁面に配設されたコイル状または網状の内部電極2と、外管1aの外周壁面に配設された金属膜よりなる外部電極3とからなり、この放電容器は、その一方の端部が円盤状の封止部材4により気密に封止されていると共に、その他方の端部が円盤状の窓部材5により気密に封止された構成とされている。そして、外管1aおよび内管1bにより円筒状の放電空間Sが区画されており、当該放電空間Sからの光が、窓部材5を透過して放電容器の外部へ放射される。

0017

図2に示す放電ランプは、楕円球形の発光管部11を有する放電容器10を備えてなり、この放電容器10の発光管部11内には、放電容器10の管軸上において、電極棒12aの先端に設けられた陽極13および電極棒12bにより形成された陰極14が、互いに近接した状態で対向するよう配置されており、陽極13と、陰極14との間のアークよりの光が、発光管部11を透過して外部に放射される。

0018

図3に示す放電ランプは、基本的に図2に示す放電ランプと同様の構成を有するものであるが、発光管部11から管軸に垂直な方向に突出する円筒状の光取出用突出部16を備えると共に、この光取出用突出部16の端部に形成された板状窓15を備えてなり、アークよりの光は、板状窓15を透過して外部に放射される。

0019

以上の各放電ランプにおいて、放電容器によって気密に区画された内部空間には、適宜の量の水銀、ハロゲン、および、例えばアルゴンなどの希ガスよりなる封入ガス封入されている。
そして、図1に示す放電ランプにおける窓部材5、図2に示す放電ランプにおける放電容器10、および図3に示す放電ランプにおける板状窓15が、光透過部材によって形成されている。

0020

本明細書において、光透過部材の放射照度維持特性とは、光が光透過部材を透過した場合に、当該光透過部材から放射される外部放射光の照度が経時的に維持される当該光透過部材の性質をいい、具体的には、任意の基準時における外部放射光の初期放射照度を基準とした場合における、特定時間経過後の放射照度の割合を示す放射照度維持率によって表される。

0021

<放射照度の測定>
光透過部材について、外部放射光の放射照度は、図4に示す構成の測定器具を用いて測定することができる。
測定器具20は黒色筒状の器具本体23よりなり、その一端面にはピンホール21が形成され、他端面には受光用開口22が形成されている。この受光用開口22には、分光器の受光部24が当該受光用開口22を塞ぐように配設されている。図4においてPは照度測定対象である光の光源であるランプである。

0022

この測定器具20をランプPの光透過部材に対向するよう配設することにより、当該ランプPから放射された光がピンホール21を介して器具本体の内部に導入され、その後、受光用開口22を介して受光部24において受光され、分光器によって分光された、例えば波長200〜380nmの紫外線の照度が測定される。
このような測定器具20における寸法例は、ランプPに係る光透過部材の外面からピンホール21までの距離aが20mm、器具本体23の全長(図において左右方向の長さ)bが180mm、ピンホール21の直径cが5mm、そして、受光用開口22の直径dが8mmである。

0023

本発明において、光透過部材は、溶融石英ガラスよりなる光透過部材用原材の少なくとも特定の表面を形成する表面層に対して、下記(A)表面層除去処理、または(B)表面加熱処理の方法による酸素欠陥低減化処理を施すことにより形成される。ここに、特定の表面とは、得られる光透過部材において光入射面となる表面である。
ここで、光透過部材用原材とは、溶融石英ガラスよりなるものであって、上記酸素欠陥低減化処理が行われていない状態のものをいう。

0024

(A)表面層除去処理
この表面層除去処理は、光透過部材用原材における特定の表面を形成する表面層を、例えば研磨法、化学エッチング法などの適宜の手法によって除去し、これによって、表面を新たに形成する処理である。
この表面層除去処理においては、除去される表面層の厚さは少なくとも100μm以上である。

0025

(B)表面加熱処理
この表面加熱処理は、光透過部材用原材における特定の表面を形成する表面層を、酸素若しくは水素を含む雰囲気下で加熱する処理である。
具体的には、特定の表面から、少なくとも100μm以上の深さの表面層に対して、酸素を大気より高い濃度、具体的には20%以上含有する雰囲気下において900℃以上の条件で、例えば6〜12時間処理することにより、または、水素を99%以上含有する雰囲気下において800〜900℃の条件で、1〜7時間処理することが行われる。

0026

以上の処理により、光透過部材用原材における酸素欠陥構造が高濃度に含有される表面層に対して酸素欠陥低減化処理が行われることにより、全体に酸素欠陥構造が低濃度の光透過部材が提供される。

0027

すなわち、表面層除去処理によれば、酸素欠陥構造を高濃度で含有する光透過部材用原材の表面層が除去されることにより、イープライムセンター生成の基因である酸素欠陥構造の含有濃度が低い新たな表面層が露出され、この新たな表面層により、光透過部材において光入射面となる新たな表面が形成される。従って、当該新たな表面層による光入射面に対して波長163nmの紫外線が照射された場合においても、当該表面層において多量のイープライムセンターが生成されることがなく、その結果、波長200〜380nmの紫外線に対して優れた放射照度維持特性が実現された光透過部材が製造される。

0028

表面加熱処理によれば、酸素欠陥構造を高濃度で含有する光透過部材用原材の表面層が酸素または水素が含有される雰囲気中において加熱されることにより、下記一般式(3)による反応に従って、当該表面層に含有される酸素欠陥構造が消失されて、当該表面層が、その含有濃度が低減されるよう改質される。従って、当該表面層による光入射面に対して波長163nmの紫外線を含む光が照射された場合においても、当該表面層において多量のイープライムセンターが生成されることがなく、その結果、波長200〜380nmの紫外線に対して優れた放射照度維持特性が実現された光透過部材が製造される。

0029

0030

本発明の光透過部材は、チタンが含有された溶融石英ガラスにより形成された光透過部材用原材からなるものである。
具体的には、例えばケイ砂天然水晶などの原材料に、予め、二酸化チタンなどのチタン金属化合物を混合し、その後に溶融する方法などによりチタンが含有された溶融石英ガラスを得、この溶融石英ガラスよりなる光透過部材用原材の光入射面となる表面を形成する表面層に対して前記酸素欠陥低減化処理が実行されることによって光透過部材が製造される。

0031

以上において、チタンは、例えば2.0×10-4〜2.0×10-2mol/Lの割合で溶融石英ガラス中に含有されていればよい。
そして、チタンが含有された溶融石英ガラスよりなる本発明の光透過部材は、光源からの光が入射する、当該光透過部材の入射面から100μmの表面層領域において、波長163nmに吸収を示す酸素欠陥構造の濃度が、例えば6×10-3mol/L以下であればよい。

0032

このようにチタンが含有された溶融石英ガラスよりなる光透過部材によれば、光透過部材用原材に対して酸素欠陥低減化処理が行われることにより、当該表面層における酸素欠陥構造の含有濃度が低いものとなり、しかも、チタンの作用によって前記酸素欠陥構造による波長163nmの紫外線の吸収が抑制されるため、当該酸素欠陥構造に由来するイープライムセンターの生成が確実に抑制され、その結果、更に優れた放射照度維持特性を有する光透過部材を得ることができる。

0033

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、酸素欠陥低減化処理を、チタンが含有された溶融石英ガラスよりなる光透過部材用原材の、光入射面となる表面を形成する表面層および光放射面となる他面を形成する表面層の両方に対して実施することも可能であり、この場合には、光透過部材について更に好ましい放射照度維持特性を達成することが可能である。

0034

以下、本発明に係る光透過部材の具体的な実施例について説明する。
<参考例1A>
溶融石英ガラスよりなり、厚み方向の全体における酸素欠陥構造の平均濃度(以下、単に「酸素欠陥バルク濃度」ともいう。)が1.5×10-4mol/Lである厚さ2.2mmの光透過部材用原材に対してふっ酸水溶液を用いた化学エッチング処理を行うことにより、その光入射面となる表面を形成する厚さ100μmの表面層を除去して表面層除去処理を行うことにより、光透過部材を得た。

0035

得られた表面層除去処理後の光透過部材から小片切り出し、この小片における光入射面である表面を形成する、厚さ100μmの表面層以外の部分を除去し、当該厚さ100μmの表面層のみからなる板状サンプル片を形成し、これを後述する酸素欠陥表面濃度測定方法における測定用サンプルとして用いることにより、当該厚さ100μmの表面層における厚み方向の酸素欠陥構造の平均濃度(以下、単に「酸素欠陥表面濃度」ともいう。)を測定した。
結果を表1に示す。

0036

また、上記において得られた光透過部材を用いることにより、図2に示す構成を有する、その内部空間にキセノンガスが充填された、当該光透過部材よりなる放電容器(10)を備えた放電ランプを作製した。

0037

そして、上記放電ランプを点灯し、点灯を開始してから100時間後および1000時間後における外部放射光の放射照度を図4に示す測定器具を用いて測定し、当該放電ランプに係る放射照度維持特性を評価した。
結果を図5および図6に示す。

0038

対照例1A>
参考例1Aで用いたものと同様の光透過部材用原材について、当該参考例1Aと同様に酸素欠陥表面濃度を測定した。
また、当該光透過部材用原材を、表面層除去処理をせずにそのまま用いて放電容器を形成したこと以外は参考例1Aと同様にして放電ランプを得ると共に、その放射照度を測定して、当該放電ランプに係る放射照度維持特性を評価した。
結果を表1、図5および図6に示す。図5においては、参考例1Aに係る結果を四角で、対照例1Aを丸で示す。また、図6においては、各参考例に係る結果を四角で、各対照例に係る結果を黒丸で示す。

0039

<酸素欠陥構造濃度(酸素欠陥バルク濃度)の測定方法>
光透過部材における酸素欠陥構造の濃度は、下記の一般式(4)に従って求めた。

0040

0041

一般式(4)において、Cは酸素欠陥構造の濃度(mol/L)を示し、Δαは常用対数であって、下記一般式(5)により導かれる値を示し、εは一般式(1)に示す酸素欠陥構造のモル吸光係数を示し、tは前記波長163nmの紫外線の溶融石英ガラス中の透過距離(cm)を示すものである。ここで、モル吸光係数εとしては、「H. Hosono, Y. Abe, H. Imagawa, H. Imai and K. Arai, Physical Review B 44 (1991)12043」内に出典の論文値を採用した。具体的には、本参考例および対照例において、モル吸光係数εの値としては、2×104 L/mol/cmを使用した。

0042

0043

一般式(5)において、TA は水素中加熱後の波長163nmの紫外線の透過率であって、TB は水素中加熱前の波長163nmの紫外線の透過率であり、測定対象である光透過部材または光透過部材用原材から切り出した測定用サンプルについて、水素を99%含有する950℃の雰囲気中で2時間加熱する前と加熱した後に、当該溶融石英ガラスに係る波長163nmの紫外線透過率を測定することにより得られる。

0044

図5に示す通り、参考例1Aに係る放電ランプにおいては、放射照度維持率は、点灯を開始してから100時間後において90%、また、点灯を開始してから1000時間後においても85%と高く、対照例1Aに係る放電ランプに比して優れた放射照度維持特性を有しているものであることが確認された。
また、表1に示す通り、参考例1Aに係る光透過部材の酸素欠陥表面濃度は、対照例1Aに係る光透過部材用原材の酸素欠陥表面濃度と比して低減されており、この酸素欠陥表面濃度の低減により、優れた放射照度維持特性が得られることが明らかである。

0045

<参考例1B>
光透過部材用原材として、表1に示す酸素欠陥バルク濃度を有するものを用いたこと以外は参考例1Aと同様にして光透過部材を得ると共に、この光透過部材について酸素欠陥表面濃度を測定した。
また、参考例1Aと同様に、得られた光透過部材を用いて放電ランプを得、この放電ランプについて点灯開始から100時間後の時点の放射照度維持率を測定した。
結果を表1および図6に示す。

0046

<対照例1B>
参考例1Bで用いたものと同様の光透過部材用原材を用いたこと以外は対照例1Aと同様にして、酸素欠陥表面濃度を測定すると共に、当該光透過部材用原材を用いて放電ランプを得、この放電ランプについて点灯開始から100時間後の時点の放射照度維持率を測定した。
結果を表1および図6に示す。

0047

<参考例2A>
光透過部材用原材として、表1に示す酸素欠陥バルク濃度を有するものを用いたこと以外は参考例1Aと同様にして厚さ2.2mmの光透過部材を得ると共に、この光透過部材について酸素欠陥表面濃度を測定した。
また、得られた光透過部材を用いることにより、図3に示す構成を有する、当該光透過部材よりなる板状窓(15)を備え、放電容器(10)の内部空間にキセノンガスが充填された放電ランプを作製した。得られた放電ランプについて、参考例1Bと同様に、点灯開始から100時間後の時点の放射照度維持率の測定を行った。
結果を表1および図6に示す。

0048

<対照例2A>
参考例2Aで用いたものと同様の光透過部材用原材について、当該参考例1Aと同様に酸素欠陥表面濃度を測定した。
また、当該光透過部材用原材を、表面層除去処理をせずにそのまま用いて板状窓を形成したこと以外は参考例2Aと同様にして放電ランプを得ると共に、点灯開始から100時間後の時点の放射照度維持率の測定を行った。
結果を表1および図6に示す。

0049

<参考例2B>
光透過部材用原材として、表1に示す酸素欠陥バルク濃度を有するものを用いたこと以外は参考例1Aと同様にして光透過部材を得ると共に、この光透過部材について酸素欠陥表面濃度を測定した。
また、参考例2Aと同様に、得られた光透過部材を用いて放電ランプを得、この放電ランプについて点灯開始から100時間後の時点の放射照度維持率を測定した。
結果を表1および図6に示す。

0050

<対照例2B>
参考例2Bで用いたものと同様の光透過部材用原材を用いたこと以外は対照例2Aと同様にして、酸素欠陥表面濃度を測定すると共に、当該光透過部材用原材を用いて放電ランプを得、この放電ランプについて点灯開始から100時間後の時点の放射照度維持率の測定を行った。
結果を表1および図6に示す。

0051

0052

<実施例1A>
光透過部材用原材として、チタンを7.1×10-3mol/Lの割合で含有する溶融石英ガラスよりなるものを用いたこと以外は参考例1Aと同様にして光透過部材を得ると共に、この光透過部材について酸素欠陥表面濃度を測定したところ、3.0×10-3mol/Lであった。
また、参考例1Aと同様に、得られた光透過部材を用いて放電ランプを得、この放電ランプについて点灯開始から100時間後の時点の放射照度維持率を測定したところ、95%であった。
ここで、この光透過部材用原材においては、全体厚での波長163nmの紫外線の透過率はほぼであり、当該光透過部材用原材に係る酸素欠陥バルク濃度は測定できなかった。

0053

<実施例1B>
光透過部材用原材として、チタンを7.1×10-3mol/Lの割合で含有する他の溶融石英ガラスよりなるものを用いたこと以外は参考例1Aと同様にして光透過部材を得ると共に、この光透過部材について酸素欠陥表面濃度を測定したところ、5.0×10-3mol/Lであった。
また、実施例1Aと同様に、得られた光透過部材を用いて放電ランプを得、この放電ランプについて点灯開始から100時間後の時点の放射照度維持率を測定したところ、93%であった。

0054

以上の結果から明らかなように、光透過部材の製造工程において、溶融石英ガラスよりなる光透過部材用原材に対して適宜の酸素欠陥低減化処理を施すことにより、光入射面となる表面を形成する表面層に含有される、波長163nmに吸収を示す酸素欠陥構造の濃度を確実に低減させることが可能であり、これにより、斯かる光透過部材の放射照度維持特性を、確実に向上させることが可能である。

0055

そして、光透過部材がチタンが含有された溶融石英ガラスよりなるものであることにより、光入射面となる表面を形成する、当該表面から100μmの表面層に含有される酸素欠陥構造の濃度が、6×10-3mol/L以下であれば、優れた放射照度維持特性を有するものであることが理解される。

図面の簡単な説明

0056

本発明の光透過部材を利用した放電ランプの一例における構成を示す説明用断面図である。
本発明の光透過部材を利用した放電ランプの他の例における構成を示す説明用断面図である。
本発明の光透過部材を利用した放電ランプの更に他の例における構成を示す説明用断面図である。
光透過部材に係る外部放射光の放射照度を測定するための測定器具の構成を示す説明用断面図である。
本発明の光透過部材に係る放射照度維持特性を評価するためのグラフ図である。
本発明の光透過部材に係る放射照度維持特性を評価するためのグラフ図である。

符号の説明

0057

1a外管
1b内管
2内部電極
3外部電極
4封止部材
5窓部材
10放電容器
11発光管部
12a電極棒
12b 電極棒
13陽極
14陰極
15 板状窓
16 光取出用突出部
20測定器具
21ピンホール
22受光用開口
23器具本体
24受光部

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