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技術 熱電発電装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 岩本昭一
出願日 2007年7月24日 (12年2ヶ月経過) 出願番号 2007-192512
公開日 2009年2月12日 (10年8ヶ月経過) 公開番号 2009-033806
状態 未査定
技術分野 排気消音装置 熱電素子 特殊な電動機、発電機
主要キーワード 圧力伝達経路 嵌め込み接合 前後他方 モジュール電極 ジャバラ管 熱エネルギ量 入側ハウジング 進退制御
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

熱媒体熱エネルギ量増減に応じた適切な熱発電が可能であり、しかも、熱エネルギを無駄なく活用することができる熱電発電装置を提供する。

解決手段

高温側フィン付熱流板21の温度が例えば300℃未満の低温域内のときには、低温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nが接触状態にあり、高温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nが遮断状態にあるため、低温型熱電発電素子群のみによって効率良く熱発電される。そして、高温側フィン付熱流板21の温度が300℃以上の高温域内となると、高温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nが接触状態に切り換えられるため、高温型熱電発電素子群によって効率良く熱発電されると共に、低温型熱電発電素子群によって熱エネルギを無駄にすることなく熱発電される。

概要

背景

熱回収部材放熱部材との間の温度差により熱発電する熱電発電装置として、内燃機関排気熱回収して熱発電する車両用の熱電発電装置が従来一般に知られている。この種の熱電発電装置は、ゼーベック効果により温度差に応じた熱起電力を発生する熱電発電素子を備えている(例えば特許文献1、2参照)。

ここで、特許文献1には、内燃機関の排気流通する排気管(熱回収部材)と、その両側に配置された冷却ジャケット(放熱部材)との間に複数の熱電素子熱電発電素子群)が挟み込まれ、その高温端が排気管(熱回収部材)の外表面に接触し、その低温端が冷却ジャケット(放熱部材)に接触する構造の自動車用排熱発電装置が開示されている。

一方、特許文献2には、高温排熱回収手段(熱電発電装置)が装着された第1の排ガス流路と、低温排熱回収手段(熱電発電装置)が装着された第2の排ガス流路と、各排ガス流路を流れる排ガスの温度に応じて第1の排ガス流路または第2の排ガス流路に排ガスの流路切り換え切換えルブとを備えた排ガスエネルギ回収装置が開示されている。
特開2000−297699号公報(段落0023、0024)
特開平5−195765号公報(段落0009〜0011、0014)

概要

熱媒体熱エネルギ量増減に応じた適切な熱発電が可能であり、しかも、熱エネルギを無駄なく活用することができる熱電発電装置を提供する。高温側フィン付熱流板21の温度が例えば300℃未満の低温域内のときには、低温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nが接触状態にあり、高温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nが遮断状態にあるため、低温型熱電発電素子群のみによって効率良く熱発電される。そして、高温側フィン付熱流板21の温度が300℃以上の高温域内となると、高温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nが接触状態に切り換えられるため、高温型熱電発電素子群によって効率良く熱発電されると共に、低温型熱電発電素子群によって熱エネルギを無駄にすることなく熱発電される。

目的

そこで、本発明は、熱媒体の熱エネルギ量の増減に応じた適切な熱発電が可能であり、しかも、熱エネルギを無駄なく活用することができる熱電発電装置を提供することを課題とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

熱媒体から熱エネルギ回収する熱回収部材高温端が接触し、低温端放熱部材に接触する接触状態熱発電可能な熱電発電素子群を備えた熱電発電装置であって、前記熱電発電素子群は、作動温度域の異なる第1の熱電発電素子群および第2の熱電発電素子群で構成されており、前記熱回収部材の温度に応じて前記第1の熱電発電素子群および第2の熱電発電素子群の少なくとも一方を接触状態または遮断状態切り換え切換手段を備えていることを特徴とする熱電発電装置。

請求項2

前記第1の熱電発電素子群が作動温度域の低い低温型熱電発電素子群で構成され、前記第2の熱電発電素子群が作動温度域の高い高温型熱電発電素子群で構成されており、前記切換手段は、前記熱回収部材の温度が所定の低温域内にあるときには、前記低温型熱電発電素子群を接触状態として前記高温型熱電発電素子群を遮断状態とすると共に、前記熱回収部材の温度が所定の高温域内にあるときには、前記低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群を接触状態とするように切り換えることを特徴とする請求項1に記載の熱電発電装置。

請求項3

前記第1の熱電発電素子群が作動温度域の低い低温型熱電発電素子群で構成され、前記第2の熱電発電素子群が作動温度域の高い高温型熱電発電素子群で構成されており、前記切換手段は、前記熱回収部材の温度が所定の低温域に達するまでは、前記低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群を遮断状態とし、前記熱回収部材の温度が所定の低温域内にあるときには、前記低温型熱電発電素子群を接触状態として前記高温型熱電発電素子群を遮断状態とし、前記熱回収部材の温度が所定の高温域内にあるときには、前記低温型熱電発電素子群を遮断状態として前記高温型熱電発電素子群を接触状態とすると共に、前記熱回収部材の温度が所定の高温域を超えると、前記低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群を接触状態とするように切り換えることを特徴とする請求項1に記載の熱電発電装置。

請求項4

前記切換手段は、前記低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群を接触状態とする際、低温型熱電発電素子群の熱抵抗が増大するように低温型熱電発電素子群の接触状態を調整することを特徴とする請求項2または3に記載の熱電発電装置。

技術分野

0001

本発明は、熱回収部材放熱部材との間の温度差により熱発電する熱電発電装置に関し、詳しくは、内燃機関排気熱回収して熱発電するのに好適な熱電発電装置に関するものである。

背景技術

0002

熱回収部材と放熱部材との間の温度差により熱発電する熱電発電装置として、内燃機関の排気熱を回収して熱発電する車両用の熱電発電装置が従来一般に知られている。この種の熱電発電装置は、ゼーベック効果により温度差に応じた熱起電力を発生する熱電発電素子を備えている(例えば特許文献1、2参照)。

0003

ここで、特許文献1には、内燃機関の排気流通する排気管(熱回収部材)と、その両側に配置された冷却ジャケット(放熱部材)との間に複数の熱電素子熱電発電素子群)が挟み込まれ、その高温端が排気管(熱回収部材)の外表面に接触し、その低温端が冷却ジャケット(放熱部材)に接触する構造の自動車用排熱発電装置が開示されている。

0004

一方、特許文献2には、高温排熱回収手段(熱電発電装置)が装着された第1の排ガス流路と、低温排熱回収手段(熱電発電装置)が装着された第2の排ガス流路と、各排ガス流路を流れる排ガスの温度に応じて第1の排ガス流路または第2の排ガス流路に排ガスの流路切り換え切換えルブとを備えた排ガスエネルギ回収装置が開示されている。
特開2000−297699号公報(段落0023、0024)
特開平5−195765号公報(段落0009〜0011、0014)

発明が解決しようとする課題

0005

ここで、熱電発電装置を構成する熱電発電素子の熱電変換効率は、その作動温度に応じて変化し、また、高い熱電変換効率を示す作動温度域は、熱電発電素子の種類に応じて異なることが一般に知られている。

0006

このような前提において、特許文献1に記載の自動車用排熱発電装置では、作動温度域の同じ1種類の熱電発電素子で熱電発電装置が構成されているため、排気熱の温度が低い内燃機関の低負荷運転領域から、排気熱の温度が高い内燃機関の高負荷運転領域にわたって効率良く熱発電するには無理がある。

0007

一方、特許文献2に記載の排ガスエネルギの回収装置では、第1の排ガス流路に装着された高温排熱回収手段(熱電発電装置)と、第2の排ガス流路に装着された低温排熱回収手段(熱電発電装置)とが全く独立しているため、その一方の排熱回収手段(熱電発電装置)に蓄熱された熱エネルギを他方の排熱回収手段(熱電発電装置)に活用することができない。

0008

そこで、本発明は、熱媒体熱エネルギ量増減に応じた適切な熱発電が可能であり、しかも、熱エネルギを無駄なく活用することができる熱電発電装置を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明に係る熱電発電装置は、熱媒体から熱エネルギを回収する熱回収部材に高温端が接触し、低温端が放熱部材に接触する接触状態で熱発電可能な熱電発電素子群を備えた熱電発電装置であって、熱電発電素子群は、作動温度域の異なる第1の熱電発電素子群および第2の熱電発電素子群で構成されており、熱回収部材の温度に応じて第1の熱電発電素子群および第2の熱電発電素子群の少なくとも一方を接触状態または遮断状態に切り換える切換手段を備えていることを特徴とする。

0010

本発明に係る熱電発電装置では、熱回収部材の温度に応じて切換手段が作動温度域の異なる第1の熱電発電素子群および第2の熱電発電素子群の少なくとも一方を接触状態または遮断状態に切り換えるため、熱媒体の熱エネルギ量の増減に応じた効率の良い適切な熱発電が可能となる。また、第1の熱電発電素子群および第2の熱電発電素子群は、接触状態において共通の熱回収部材に高温端が接触する構造であるため、遮断状態から接触状態に切り換えられると、熱回収部材に回収された熱エネルギを無駄なく活用して即座に熱発電を開始する。

0011

本発明の熱電発電装置においては、第1の熱電発電素子群を作動温度域の低い低温型熱電発電素子群で構成し、第2の熱電発電素子群を作動温度域の高い高温型熱電発電素子群で構成することができる。これに対応して、切換手段は、熱回収部材の温度が所定の低温域内にあるときには、低温型熱電発電素子群を接触状態として高温型熱電発電素子群を遮断状態とすると共に、熱回収部材の温度が所定の高温域内にあるときには、低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群を接触状態とするように切り換える構成とすることができる。

0012

この場合、熱回収部材の温度が所定の低温域内にあるときには、切換手段が作動温度域の低い低温型熱電発電素子群を接触状態とし、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群を遮断状態とするため、作動温度域の低い低温型熱電発電素子群のみによって効率良く熱発電される。一方、熱回収部材の温度が所定の高温域内にあるときには、切換手段が作動温度域の低い低温型熱電発電素子群および作動温度域の高い高温型熱電発電素子群を共に接触状態とするため、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群によって効率良く熱発電されると共に、低温型熱電発電素子群によって熱エネルギを無駄にすることなく熱発電される。

0013

また、第1の熱電発電素子群を作動温度域の低い低温型熱電発電素子群で構成し、第2の熱電発電素子群を作動温度域の高い高温型熱電発電素子群で構成した本発明の熱電発電装置において、切換手段は、熱回収部材の温度が所定の低温域に達するまでは、低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群を遮断状態とし、熱回収部材の温度が所定の低温域内にあるときには、低温型熱電発電素子群を接触状態として高温型熱電発電素子群を遮断状態とし、熱回収部材の温度が所定の高温域内にあるときには、低温型熱電発電素子群を遮断状態として高温型熱電発電素子群を接触状態とすると共に、熱回収部材の温度が所定の高温域を超えると、低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群を接触状態とするように切り換える構成とすることができる。

0014

この場合、熱回収部材の温度が所定の低温域に達するまでは、切換手段が低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群を遮断状態とするため、熱媒体の熱エネルギ量が熱回収部材に蓄熱される。また、熱回収部材の温度が所定の低温域内にあるときには、切換手段が作動温度域の低い低温型熱電発電素子群を接触状態とし、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群を遮断状態とするため、作動温度域の低い低温型熱電発電素子群のみによって効率良く熱発電される。

0015

一方、熱回収部材の温度が所定の高温域内にあるときには、切換手段が作動温度域の低い低温型熱電発電素子群を遮断状態として作動温度域の高い高温型熱電発電素子群を接触状態とするため、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群のみによって効率良く熱発電される。そして、熱回収部材の温度が所定の高温域を超えると、切換手段が作動温度域の低い低温型熱電発電素子群および作動温度域の高い高温型熱電発電素子群を共に接触状態とするため、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群によって効率良く熱発電されると共に、低温型熱電発電素子群によって熱エネルギを無駄にすることなく熱発電される。

0016

ここで、第1の熱電発電素子群を作動温度域の低い低温型熱電発電素子群で構成し、第2の熱電発電素子群を作動温度域の高い高温型熱電発電素子群で構成した本発明の熱電発電装置において、切換手段は、低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群を接触状態とする際、作動温度域の低い低温型熱電発電素子群の熱抵抗が増大するように低温型熱電発電素子群の接触状態を調整するのが好ましい。

0017

この場合、作動温度域の低い低温型熱電発電素子群の熱抵抗が増大すると、その高温端と低温端との温度差が小さくなるため、作動温度域の低い低温型熱電発電素子群が効率良く熱発電するようになる。同時に、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群への熱流量が増大するため、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群も効率良く熱発電するようになる。

発明の効果

0018

本発明に係る熱電発電装置によれば、熱回収部材の温度に応じて切換手段が作動温度域の異なる第1の熱電発電素子群および第2の熱電発電素子群の少なくとも一方を接触状態または遮断状態に切り換えるため、熱媒体の熱エネルギ量の増減に応じた効率の良い熱発電が可能となり、十分な発電量を得ることができる。また、第1の熱電発電素子群および第2の熱電発電素子群は、接触状態において共通の熱回収部材に高温端が接触する構造であるため、遮断状態から接触状態に切り換えられる際に、熱回収部材に回収された熱エネルギを無駄なく活用ことができ、即座に熱発電を開始することができる。

発明を実施するための最良の形態

0019

以下、図面を参照して本発明に係る熱電発電装置の最良の実施形態を説明する。参照する図面において、図1は一実施形態に係る熱電発電装置が介設された内燃機関の排気系の概略構造を示す平面図、図2図1に示した熱電発電装置の外観を示す斜視図、図3図2に示した熱電発電装置の側面図、図4図3に示した熱電発電装置の正面図、図5図2に示した熱電発電装置の内部構造を示す断面斜視図、図6図5に示した熱電発電装置の分解斜視図、図7図5に示した熱電発電装置の内部構造を示す縦断面図である。

0020

一実施形態に係る熱電発電装置は、車両に搭載された内燃機関の排気系に排出される排気から排気熱を回収して熱発電するように構成されている。すなわち、図1に示すように、一実施形態の熱電発電装置1は、内燃機関(図示省略)の排気系において、例えば、排気上流側排気マニホールド2に接続された触媒コンバータ3と、排気下流側マフラー4との間に介設されている。

0021

一実施形態の熱電発電装置1により熱発電される電気エネルギーは、ECU(Electric Control Unit)5によってオンオフ制御されるDC−DCコンバータ6を介してバッテリー7に充電されるように構成されている。

0022

なお、車両の登運転時のような内燃機関の高負荷運転領域で熱電発電装置1の回収熱量を一時的に低減させたり、あるいは熱電発電装置1のシステム異常の際に熱回収を停止させるため、熱電発電装置1の中心部には、触媒コンバータ3からマフラー4側に排気を直接流通させるバイパス管8が貫通して設置されている。そして、このバイパス管8の排気流入口には、ECU5によって開閉制御されるバイパスバルブ9が付設されている。

0023

ECU5は、入出力インターフェースI/O、A/Dコンバータプログラムおよびデータを記憶したROM(Read Only Memory)、入力データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等をハードウェアとして備えたマイクロコンピュータであり、後述する切換手段の制御装置を構成する。

0024

図2図7に示すように、熱電発電装置1は、その外周部を構成する中空円筒状の冷却水ケース10、排気の流入部を構成する筒状の流入側ハウジング11、排気の流出部を構成する筒状の流出側ハウジング12、流入側ハウジング11を覆う流入側ジャバラ管13、流出側ハウジング12を覆う流出側ジャバラ管14等の部材を備えて構成されている。

0025

冷却水ケース10の後端部には、冷却水が流入する流入側ニップル10Aが接続され、前端部には冷却水が流出する流出側ニップル10Bが接続されている。これらの流入側ニップル10Aおよび流出側ニップル10Bは、図1に示したECU5によりオン・オフ制御される冷却水循環ポンプ15およびラジエータ16を備えた冷却水の循環管路に接続されており、冷却水循環ポンプ15がECU5によりオン制御されると、ラジエータ16で冷却された冷却水が冷却水ケース10内を流通して循環するようになっている。

0026

筒状の流入側ハウジング11は、図5図7に示すように、筒状のハウジング本体11Aと、このハウジング本体11Aの内端部に同心状にインロー嵌合するリング状の流入側挟持部材11Bとの組み合わせ構造とされており、ハウジング本体11Aの内端部には、複数本放射状連結部11Cを介して連続する小径のリング状支持部11Dが形成されている。

0027

同様に、流入側挟持部材11Bには、ハウジング本体11Aの各放射状連結部11Cおよびリング状支持部11Dに重なる複数本の放射状連結部11Eおよびリング状支持部11Fが形成されている。そして、ハウジング本体11Aおよび流入側挟持部材11Bは、それぞれリング状支持部11Dおよびリング状支持部11Fがバイパス管8の外周に摺動自在に嵌合することでバイパス管8に同芯状に支持されている。

0028

流出側ハウジング12も流入側ハウジング11と同様に、複数本の放射状連結部12Cおよび小径のリング状支持部12Dを有する筒状のハウジング本体12Aと、複数本の放射状連結部12Eおよび小径のリング状支持部12Fを有するリング状の流出側挟持部材12Bとの組み合わせ構造とされている。そして、この流出側ハウジング12のハウジング本体12Aおよび流出側挟持部材12Bは、それぞれリング状支持部12Dおよびリング状支持部12Fがバイパス管8の外周に摺動自在に嵌合することでバイパス管8に同芯状に支持されている。

0029

ここで、流入側ハウジング11内に臨むバイパス管8の前端部には大径部8Aが形成されている。この大径部8Aの段部には、流入側ハウジング11を構成するハウジング本体11Aのリング状支持部11Dを介して流入側挟持部材11Bのリング状支持部11Fが係止されている。

0030

一方、流出側ハウジング12内に臨むバイパス管8の後端部には小径部8Bが形成されており、この小径部8Bには複数の皿ばね17および押しナット18が装着されている。そして、押しナット18のねじ込みにより、皿ばね17が流出側ハウジング12を構成するハウジング本体12Aのリング状支持部12Fを介して流出側挟持部材12Bのリング状支持部12Fを前方に押圧している。

0031

流入側ジャバラ管13は、その外端部に固定された接続リング13Aが流入側ハウジング11のハウジング本体11Aの外端部に気密状態で嵌合固定され、その内端部に固定された接続リング13Bが冷却水ケース10の前端部に気密状態で嵌合固定されている。同様に、流出側ジャバラ管14は、その外端部に固定された接続リング14Aが流出側ハウジング12のハウジング本体12Aの外端部に気密状態で連結され、その内端部に固定された接続リング14Bが冷却水ケース10の他端部に気密状態で連結されている。

0032

ここで、流入側ハウジング11を構成する流入側挟持部材11Bの外周部の側面と、流出側ハウジング12を構成する流出側挟持部材12Bの外周部の側面との間には、バイパス管8の外周および冷却水ケース10の内周に摺動自在に嵌合するドーナツ状に組み立てられた熱電発電ユニット20が排気流入側から排気流出側に向かって例えば12段に配置されている。

0033

各熱電発電ユニット20は、図5に示すように、熱回収部材としてバイパス管8の外周に嵌合されるリング状の高温側フィン付熱流板21と、放熱部材として冷却水ケース10の内周に嵌合されるリング状の低温熱流板22と、両者の間に介設される熱電発電素子モジュール23とで構成されている。

0034

図7に示すように、各熱電発電ユニット20を構成する各高温側フィン付熱流板21の外周部付近は、流入側挟持部材11Bの外周部側面と流出側挟持部材12Bの外周部側面との間に所定の押付け荷重で挟持されている。この押付け荷重は、バイパス管8の小径部8Bに装着された押しナット18のねじ込み量により皿ばね17の反発力を調整することで最適化されている。

0035

また、各熱電発電ユニット20を構成する各低温側熱流板22の外周面は、熱伝導性の高いシリコングリース層を介して冷却水ケース10の内周面密着している。そして、流入側ジャバラ管13および流出側ジャバラ管14により外気遮断された冷却水ケース10の内側空間には、熱電発電素子モジュール23の酸化を防止するための窒素ガスなどの適宜の不活性ガス充填されている。

0036

ここで、図8の分解斜視図に示すように、熱電発電ユニット20を構成する高温側フィン付熱流板21は、相互に対向して組み合わされる左右一対で構成されている。各高温側フィン付熱流板21は、耐熱性のある絶縁性セラミックスにより一体に成形されており、リング状の本体21Aと、この本体21Aの左右方向の外端側に形成された大径のフランジ部21Bと、フランジ部21Bと反対側に突出する状態で本体21Aの内周側に放射状に配列されて形成された多数のくし歯状のフィン21Cとを有する。

0037

左右一対の高温側フィン付熱流板21,21のフランジ部21B,21Bにおける相互に対面する内側面には、熱電発電素子モジュール23を構成する小判形一群高温側電極23Aが環状に配列されてそれぞれ嵌め込み接合される。

0038

そして、各高温側フィン付熱流板21,21は、くし歯状の多数のフィン21C,21C同士が所定のクリアランスをあけて交互に噛み合わされ、この状態で本体21A,21A同士が突当てられて組み合わされる。そして、この高温側フィン付熱流板21,21のくし歯状の多数のフィン21C,21Cがバイパス管8を囲んでその外周に嵌合されることにより(図5参照)、バイパス管8の周囲には、バイパス管8の軸方向に沿って排気が流通する所定のクリアランスが形成される。

0039

熱電発電ユニット20を構成する低温側熱流板22は、絶縁性セラミックスにより一体に成形されており、外周面が冷却水ケース10の内周面に嵌合する幅の広い環状の嵌合部22Aと、内周部が左右一対の高温側フィン付熱流板21,21のフランジ部21B,21B間に臨む幅の狭い環状の装着部22Bとを有する。

0040

熱電発電ユニット20を構成する熱電発電素子モジュール23は、前述したように環状に配列される一群の高温側電極23A,23Aと、低温側熱流板22の装着部22Bの内周部に装着されて環状に配列される一群の低温側電極23Bと、各低温側電極23Bに予めPNパイ接合されてそれぞれ環状に配列される複数のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nを有する。

0041

低温側電極23Bは、図9に示すように、左右方向中央部に湾曲したばね部23B1が形成された正面視U字形クリップ状に形成されており、その左右の挟持片部23B2,23B2は、ばね部23B1付近までの切欠きによりそれぞれ前後に分割されている。

0042

そして、低温側電極23Bの左右の挟持片部23B2,23B2のうち、例えば右側の前後の挟持片部23B2,23B2の外面には、第1の熱電発電素子群である低温型熱電発電素子群を構成する作動温度域の低い一組のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nの低温端がハンダ層拡散層を介してPNパイ型接合されている。一方、低温側電極23Bの左側の前後の挟持片部23B2,23B2の外面には、第2の熱電発電素子群である高温型熱電発電素子群を構成する作動温度域の高い一組のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nの低温端がハンダ層や拡散層を介してPNパイ型接合されている。

0043

ここで、図10に示すように、一群の低温側電極23Bの一つは、ばね部23B1を含めて左右の挟持片部23B2,23B2が完全に前後に分割されており、その前後一方の左右一側の挟持片部23B2には、例えばマイナスリード片23B3が連続して形成され、その前後他方の左右他側の挟持片部23B2には、プラス側リード片23B4が連続して形成されている。

0044

マイナス側リード片23B3は、図11および図12に示すように、正面視U字状に外側に屈曲している。一方、プラス側リード片23B4は、同様に正面視U字状に外側に屈曲し、さらにその先端部が他段の熱電発電素子モジュール23のマイナス側リード片23B3に向けて屈曲している。そして、各段の熱電発電素子モジュール23は、プラス側リード片23B4とマイナス側リード片23B3とが接触することで交互に直列に接続されており、各段の熱電発電素子モジュール23で熱発電された電気エネルギがその一端部および他端部から取り出されるようになっている。

0045

ここで、図13に示すように、一つの熱電発電ユニット20を構成する左右一対の高温側フィン付熱流板21,21の本体21A,21Aの対向面間には、冷却水ケース10で覆われた空間に充填される不活性ガスを封止するためにリング状のガスケットG1が挟持されている。このガスケットG1は、一対の高温側フィン付熱流板21,21間の熱流動を可能とするため、例えば、銅にニッケルメッキを施した熱伝導性の良好な材料で構成されている。

0046

また、隣接する熱電発電ユニット20,20の一方の高温側フィン付熱流板21のフランジ部21Bと、他方の高温側フィン付熱流板21のフランジ部21Bとの対向面間には、ガスケットG1と同様の機能を有するリング状のガスケットG2が挟持されている。このガスケットG2は、流入側ハウジング11の流入側挟持部材11Bと、これに対面する高温側フィン付熱流板21のフランジ部21Bとの間にも挟持されている。なお、図13に図示されていない流出側ハウジング12の流出側挟持部材12Bと、これに対面する高温側フィン付熱流板21のフランジ部21Bとの間にもガスケットG2が挟持されている。

0047

一方、図13および図14に示すように、低温側熱流板22の嵌合部22Aにおける幅方向両端部付近の外周面には、冷却水ケース10の内周面との間をシールする一対のオーリングO,Oの装着溝22Cが形成されている。また、低温側熱流板22の装着部22Bの右側の側面には、環状に配列されて開口する一群のピストン室22Dが形成されており、各ピストン室22Dにはそれぞれピストン24が摺動自在に嵌挿されている。

0048

ここで、後述する切換手段の一部の構成として、低温側熱流板22の嵌合部22Aの外周面における一対のオーリングO,Oの間の幅方向中央部には、圧縮空気の圧力を導入するための環状溝32Aが形成されている。また、低温側熱流板22の装着部22Bの左側の側面には、環状に配列されて開口する一群のピストン室32Bが形成されており、各ピストン室32Bには、一群のピストン31が摺動自在に嵌挿されている。そして、このような各ピストン室32Bの奥部が低温側熱流板22の嵌合部22Aに形成された環状溝32Aにそれぞれ連通孔32Cを介して連通している。

0049

さらに、図15に示すように、冷却水ケース10の後端部には、圧力導入プラグ32Dが装着されており、この圧力導入プラグ32Dに連通する圧力導入通路32Eが冷却水ケース10内に形成されている。そして、この圧力導入通路32Eは、冷却水ケース10の内周面に開口する複数の連通孔32Fを介して各低温側熱流板22の嵌合部22Aに形成された各環状溝32Aに連通している。

0050

なお、冷却水ケース10の後端部には、熱電発電装置1の一方のモジュール電極23Cが絶縁部材19を介して支持されており、このモジュール電極23Cには、最後段の熱電発電素子モジュール23のプラス側リード片23B4が接続されている。

0051

図13および図14に示した一方のピストン24および他方のピストン31は、図16に示すように、それぞれカップ状に形成されている。一方のピストン24には、その内側に圧縮コイルばね24Aが装着され、外周にオーリング24Bが装着されている。また、他方のピストン31には、その内側に引張りコイルばね31Aが装着され、外周にオーリング31Bが装着されている。引張りコイルばね31Aは、一端部がピストン31に係止され、他端部がピストン室32B(図13参照)の奥部に係止されることで、ピストン31をピストン室32B内に引き込むように構成されている。

0052

ここで、一実施形態の熱電発電装置1は、図13に示した他方のピストン31側に環状に配列された第2の熱電発電素子群、すなわち、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群を構成するp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nの高温端と、これに対面する一群の高温側電極23Aとを接触状態または離間状態に切り換える切換手段を備えている。

0053

図17は切換手段の一例を示しており、この切換手段30は、前述したECU5によって作動がオン・オフ制御される圧力バルブ33と、この圧力バルブ33を介して圧力タンク34内に蓄圧された圧縮空気の圧力が伝達される圧力伝達経路32と、この圧力伝達経路32を介して伝達される圧力に応じて進退作動する前述の一群のピストン31とを主体に構成されている。

0054

圧力伝達経路32は、冷却水ケース10に装着された圧力導入プラグ32Dから冷却水ケース10内に形成された圧力導入通路32Eおよび各連通孔32F、低温側熱流板22に形成された環状溝32Aおよび各連通孔32Cを介して各ピストン室32Bに至る伝達経路を有する(図13図15参照)。

0055

圧力バルブ33は、ECU5によってオン制御されると、圧力タンク34内に蓄圧された圧縮空気の圧力を圧力伝達経路32に伝達することで、ピストン室32B内に引き込まれている一群のピストン31(図18参照)をそれぞれ引張りコイルばね31Aに抗してピストン室32Bから進出させる(図19参照)。一方、ECU5によってオフ制御されると、圧力バルブ33は、圧力伝達経路32内の圧力を大気開放することで、一群のピストン31をそれぞれ引張りコイルばね31Aの付勢力によりピストン室32B内に退入させる(図18参照)。

0056

圧力タンク34は、圧力ポンプ35から供給される圧縮空気の圧力を蓄圧する。この圧力タンク34には、蓄圧された圧縮空気の圧力を検出してその検出信号をECU5に出力する圧力センサ36が付設されている。そして、この圧力センサ36の検出信号に基づいて、ECU5が圧力ポンプ35の作動をオン・オフ制御するようになっている。

0057

ここで、ECU5には、排気の熱回収部材である高温側フィン付熱流板21のフィン温度を検出する温度センサ37からその検出温度の信号が入力される。このECU5は、温度センサ37の検出信号に基づき、熱媒体である排気の熱エネルギ量の増減に対応して圧力バルブ33の作動をオン・オフ制御する。

0058

すなわち、ECU5は、温度センサ37が例えば300℃以上の温度を検出すると、圧力バルブ33の作動をオン制御する。一方、温度センサ37が300℃未満の温度を検出すると、ECU5は、圧力バルブ33の作動をオフ制御する。

0059

以上のように構成された一実施形態の熱電発電装置1では、図18および図19に示すように、低温側熱流板22の各ピストン室22Dに嵌挿されている一群のピストン24は、圧縮コイルばね24Aの付勢力により、各ピストン室22Dから常時進出した状態となっている。

0060

その結果、一群のピストン24が接合された低温側電極23Bの右側の挟持片部23B2は、各ピストン24に押圧されて弾性変形しており、その外面にPNパイ型接合された低温型熱電発電素子群を構成する作動温度域の低いp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nは、その高温端が高温側フィン付熱流板21のフランジ部21Bに接合された高温側電極23Aに常時接触した状態となっている。

0061

一方、低温側熱流板22の環状溝32Aに各連通孔32Cを介して連通された各ピストン室32Bに嵌挿されている一群のピストン31は、図17に示した切換手段30により、車両の走行状態等に対応して内燃機関の排気系に排出される排気の熱エネルギの増減に応じて進退制御される。

0062

ここで、切換手段30では、車両の走行状態が市外走行等の内燃機関の低負荷運転時であって、排気系に排出される排気の熱エネルギが小さく、高温側フィン付熱流板21のフィン温度が例えば300℃未満の場合、300℃未満の温度を検出した温度センサ37の検出信号に基づき、ECU5が圧力バルブ33にオフ信号を出力し、圧力バルブ33が圧力伝達経路32内の圧力を大気に開放している。

0063

このため、図18に示すように、低温側熱流板22の環状溝32Aに各連通孔32Cを介して連通された各ピストン室32Bに嵌挿されている一群のピストン31は、引張りコイルばね31Aの付勢力により、各ピストン室32B内に退入した状態に制御される。

0064

その結果、一群のピストン31が接合された低温側電極23Bの左側の挟持片部23B2は、各ピストン31に追従して弾性復帰し、その外面にPNパイ型接合された高温型熱電発電素子群を構成する作動温度域の高いp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nは、その高温端が他方の高温側フィン付熱流板21のフランジ部21Bに接合された高温側電極23Aから離間した遮断状態に制御される。

0065

すなわち、車両の市外地走行等の内燃機関の低負荷運転時においては、図18に示すように、低温側電極23Bの右側の挟持片部23B2の外面にPNパイ型接合された作動温度域の低い低温型熱電発電素子群を構成するp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nのみが接触状態にあり、低温側電極23Bの左側の挟持片部23B2の外面にPNパイ型接合された作動温度域の高い高温型熱電発電素子群を構成するp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nは遮断状態となる。

0066

そして、この場合、低温型熱電発電素子群を構成するp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nの高温端には、一方の高温側フィン付熱流板21から直接排気の熱エネルギが供給されると共に、他方の高温側フィン付熱流板21からも熱伝導性の良好なガスケットG1を介して排気の熱エネルギが供給される。

0067

従って、車両の市外地走行等の内燃機関の低負荷運転時においては、図20に示すように、各熱電発電ユニット20を構成する各熱電発電素子モジュール23における作動温度域の低い低温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nのみによって効率良く熱発電され、その総発電量が増大する。

0068

ここで、車両の走行状態が高速巡航等の内燃機関の高負荷運転となって、排気系に排出される排気の熱エネルギが増大し、高温側フィン付熱流板21のフィン温度が例えば300℃以上に達すると、切換手段30では、300℃以上の温度を検出した温度センサ37の検出信号に基づき、ECU5が圧力バルブ33にオン信号を出力するため、圧力バルブ33が圧力タンク34内に蓄圧された圧縮空気の圧力を圧力伝達経路32に伝達する。

0069

このため、図19に示すように、低温側熱流板22の環状溝32Aに各連通孔32Cを介して連通された各ピストン室32Bに嵌挿されている一群のピストン31は、引張りコイルばね31Aの付勢力に抗して各ピストン室32B内から進出するように制御される。

0070

その結果、一群のピストン31が接合された低温側電極23Bの左側の挟持片部23B2は、各ピストン31に押圧されて弾性変形し、その外面にPNパイ型接合された高温型熱電発電素子群を構成する作動温度域の高いp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nは、その高温端が他方の高温側フィン付熱流板21のフランジ部21Bに接合された高温側電極23Aに接触した状態に制御される。

0071

すなわち、車両の高速巡航等の内燃機関の高負荷運転時においては、図19に示すように、低温側電極23Bの右側の挟持片部23B2の外面にPNパイ型接合された作動温度域の低い低温型熱電発電素子群を構成するp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nが接触状態にあり、低温側電極23Bの左側の挟持片部23B2の外面にPNパイ型接合された作動温度域の高い高温型熱電発電素子群を構成するp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nも接触状態となる。

0072

そして、この場合、他方の高温側フィン付熱流板21は、排気の熱エネルギにより既に昇温されているため、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群を構成するp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nは、図18に示す遮断状態から図19に示す接触状態に切り換えられると、他方の高温側フィン付熱流板21に回収された熱エネルギにより即座に熱発電を開始する。

0073

従って、車両の高速巡航等の内燃機関の高負荷運転時においては、図20に示すように、各熱電発電ユニット20を構成する各熱電発電素子モジュール23における作動温度域の高い高温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nによって効率良く熱発電されると共に、作動温度域の低い低温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nによっても熱エネルギを無駄にすることなく熱発電されるようになり、その総発電量が増大する。

0074

このように、一実施形態の熱電発電装置1によれば、車両の市外地走行等の内燃機関の低負荷運転時から高速巡航等の内燃機関の高負荷運転時にわたり、排気の熱エネルギ量の増減に応じて効率の良い熱発電を応答性よく行うことができ、十分な発電量を得ることができる。

0075

また、高温型熱電発電素子群の遮断状態では、高温型熱電発電素子群の低温端が低温側熱流板22側の低い温度に維持されるため、高温型熱電発電素子群の低温端と低温側電極23Bとをハンダ接合することが可能となる。このため、高温型熱電発電素子群の低温端と低温側電極23Bとの間の熱抵抗および電気抵抗を低下させることができる。

0076

本発明に係る熱電発電装置は、前述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、図17に示した切換手段30が図18に示したピストン31に作用させる作動圧は、圧縮空気の圧力に限らず、その他の気体液体の圧力であってもよい。

0077

ここで、図17に示した切換手段30は、第2の熱電発電素子群である高温型熱電発電素子群を接触状態または離間状態に切り換えると共に、第1の熱電発電素子群である低温型熱電発電素子群をも接触状態または離間状態に切り換えるように構成することができる。

0078

この場合、切換手段30は、ECU5によりそれぞれ独立してオン・オフ制御される2つの圧力バルブ33と、この2つの圧力バルブ33によりそれぞれ独立して開閉される2系統の圧力伝達経路32とを備えるものに変更する(図示省略)。

0079

また、図18に示した低温側熱流板22は、図21図24に示すように、相互に独立した2系統の連通孔32G,32Hと、これらの連通孔32G,32Hにそれぞれ連通する左右のピストン室32B,32Bとを有する構造に変更する。そして、左右のピストン室32B,32Bには、それぞれ引張りコイルばね31Aにより引き込まれるピストン31(図18参照)を嵌挿する。

0080

ここで、切換手段30のECU5は、温度センサ37が例えば100℃未満の温度を検出しているときには、図21に示すように、左右のピストン31,31が共にピストン室32B,32B内に退入した状態となるように2つの圧力バルブ33をオフ制御し、温度センサ37が例えば100℃以上、300℃未満の温度を検出しているときには、図22に示すように、右側のピストン31のみがピストン室32Bから進出した状態となるように一方の圧力バルブ33のみをオン制御するように構成する。

0081

また、ECU5は、温度センサ37が例えば300℃以上、700℃未満の温度を検出しているときには、図23に示すように、左側のピストン31のみがピストン室32Bから進出した状態となるように他方の圧力バルブ33のみをオン制御し、温度センサ37が700℃以上の温度を検出しているときには、図24に示すように、左右のピストン31,31が共にピストン室32B,32Bから進出した状態となるように2つの圧力バルブ33をオン制御するように構成する。

0082

このように切換手段30が変更された熱電発電装置1では、図25に示すように車両の内燃機関の始動直後などの冷間時であって、高温側フィン付熱流板21のフィン温度が例えば100℃未満の場合、図21に示すように、左右のピストン31,31が共にピストン室32B,32B内に退入した状態に制御されるため、右側の低温型熱電発電素子群および左側の高温型熱電発電素子群の高温端が高温側電極23A,23Aから離間して低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群が何れも遮断状態となる。

0083

従って、車両の内燃機関の始動直後などの冷間時においては、高温側フィン付熱流板21,21のフランジ部21B,21Bから低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群の高温端への無駄な熱流入が遮断されて排気熱が高温側フィン付熱流板21,21に蓄熱される。その結果、以後の内燃機関の低負荷運転時などの排気熱量が小さいときにも、熱電発電素子1は、高温側フィン付熱流板21,21に蓄熱された排気熱のエネルギにより十分な発電量をもって迅速に熱発電を開始することができる。

0084

また、図25に示すように車両の走行状態が市外地走行等の内燃機関の低負荷運転時であって、高温側フィン付熱流板21のフィン温度が例えば100℃以上、300℃未満の場合には、図22に示すように、右側のピストン31のみがピストン室32Bから進出した状態に制御されるため、右側の低温型熱電発電素子群の高温端のみが高温側電極23Aに接触して低温型熱電発電素子群のみが接触状態となる。

0085

すなわち、車両の市外地走行等の内燃機関の低負荷運転時においては、左側の高温型熱電発電素子群が遮断状態に保持され、右側の低温型熱電発電素子群のみが接触状態となるため、作動温度域の低い低温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nのみによって効率良く熱発電され、その総発電量が増大する。

0086

さらに、図25に示すように車両の走行状態が高速巡航等の内燃機関の高負荷運転時であって、高温側フィン付熱流板21のフィン温度が例えば300℃以上、700℃未満の場合には、図23に示すように、左側のピストン31のみがピストン室32Bから進出した状態に制御されるため、左側の高温型熱電発電素子群の高温端のみが高温側電極23Aに接触して高温型熱電発電素子群のみが接触状態となる。

0087

すなわち、車両の高速巡航等の内燃機関の高負荷運転時においては、右側の低温型熱電発電素子群が遮断状態に保持され、左側の高温型熱電発電素子群のみが接触状態となるため、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nのみによって効率良く熱発電され、その総発電量が増大する。

0088

そして、図25に示すように車両の走行状態が高速加速や登坂等の内燃機関の高負荷運転時であって、高温側フィン付熱流板21のフィン温度が例えば700℃以上の場合には、図24に示すように、左右のピストン31,31が共にピストン室32B,32Bから進出した状態に制御されるため、右側の低温型熱電発電素子群および左側の高温型熱電発電素子群の高温端が高温側電極23A,23Aにそれぞれ接触して低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群が共に接触状態となる。

0089

従って、車両の高速加速や登坂等の内燃機関の高負荷運転時においては、作動温度域の高い高温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nによって効率良く熱発電されると共に、作動温度域の低い低温型熱電発電素子群のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nによっても熱エネルギを無駄にすることなく熱発電されるようになり、その総発電量が増大する。

0090

ここで、図21図24に示した低温側熱流板22の連通孔32G,32Hにそれぞれ圧縮空気の圧力を伝達する圧力バルブ33(図17参照)は、ECU5によってディティ制御される構造のものに変更し、ピストン31,31に作用させる圧力値可変に制御するようにしてもよい。

0091

この場合、図24に示すように右側の低温型熱電発電素子群および左側の高温型熱電発電素子群が共に接触状態にあるとき、右側の連通孔32Hから右側のピストン室32Bに伝達する圧力を低く調整することで、右側の低温型熱電発電素子群の高温端と高温側電極23Aとの間の熱抵抗を増大させることができる。

0092

そして、このように右側の低温型熱電発電素子群の高温端の熱抵抗を増大させると、作動温度域の低い右側の低温型熱電発電素子群は、高温側フィン付熱流板21からの流入熱量が減少して高温端と低温端との温度差が小さくなるため、効率良く熱発電するようになる。また、作動温度域の高い左側の高温型熱電発電素子群は、高温側フィン付熱流板21からの流入熱量が増大して効率良く熱発電するようになる。

0093

ここで、一実施形態の熱電発電装置1において、例えば、図12に示した熱電発電素子モジュール23は、図26に示すようにそれぞれ環状に独立して構成された熱電発電素子モジュール25,25に変更し、これに対応して高温側フィン付熱流板21および低温側熱流板22は、図26に示すような構造に変更することができる。

0094

図26に示す熱電発電素子モジュール25は、各一組のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nの高温端に跨って小判形の一群の高温側電極25Aが拡散接合ハンダ付けで接合され、各一組のn型熱電発電素子Nおよびp型熱電発電素子Pの低温端に跨って小判形の一群の低温側電極25Bが同様に接合されている。

0095

この接合構造により、第1の熱電発電素子群である低温型熱電発電素子群を構成する複数のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子NがPNパイ型接合されて電気的に相互に直列に接続され、同様に、第2の熱電発電素子群である高温型熱電発電素子群を構成する複数のp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子NがPNパイ型接合されて電気的に相互に直列に接続されている。

0096

これに対応して、図27に示すように、高温側フィン付熱流板21のフランジ部21Bの内面には、小判形の一群の高温側電極25Aが押し込まれて接触する一群の接触凹部21Dが形成されている。また、低温側熱流板22の装着部22Bの側面には、小判形の一群の低温側電極25Bが収容される一群の収容凹部22Dが形成されている。なお、各低温側電極25Bには、図18に示した各ピストン24,31の外端面または図21に示したピストン31,31の外端面が予め接合されている。

0097

このように変更された熱電発電素子モジュール25を備える熱電発電装置1では、例えば図19に示すように、低温側熱流板22の各ピストン室22D,32Bから各ピストン24,31が進出すると、熱電発電素子モジュール25を構成する一群の高温側電極25Aが高温側フィン付熱流板21のフランジ部21Bに形成された一群の接触凹部21Dに押し込まれて接触することで、高温側フィン付熱流板21のフランジ部21B,21Bからp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nの高温端へ熱入力される接触状態となる。

0098

反対に、低温側熱流板22の各ピストン室22D,32B内に各ピストン24,31が退入すると、熱電発電素子モジュール25を構成する一群の高温側電極25Aが高温側フィン付熱流板21側の一群の接触凹部21Dから離間することで、高温側フィン付熱流板21のフランジ部21B,21Bからp型熱電発電素子Pおよびn型熱電発電素子Nの高温端への熱入力が遮断される遮断状態となる。

0099

さらに、一実施形態の熱電発電装置1において、図5および図7に示すように排気の上流側から下流側に向かって多段に配列される熱電発電ユニット20は、個々に独立して熱発電し、あるいは数個づつのグループ毎に熱発電するように構成してもよい。これに対応して、図17に示した切換手段30は、個々の熱電発電ユニット20あるはいグループ毎の熱電発電ユニット20を制御対象とするように構成する。

0100

この場合、排気の上流側に配置された熱電発電ユニット20の高温側フィン付熱流板21の温度と、排気の下流側に配置された熱電発電ユニット20の高温側フィン付熱流板21の温度との差が大きいときにも、各段の熱電発電ユニット20を的確に制御することができ、内燃機関の低負荷運転時の発電量の増大が期待できる。

図面の簡単な説明

0101

本発明の一実施形態に係る熱電発電装置が介設された内燃機関の排気系の概略構造を示す平面図である。
図1に示した熱電発電装置の外観を示す斜視図である。
図2に示した熱電発電装置の側面図である。
図3に示した熱電発電装置の正面図である。
図2に示した熱電発電装置の内部構造を示す断面斜視図である。
図5に示した熱電発電装置の分解斜視図である。
図5に示した熱電発電装置の内部構造を示す縦断面図である。
図5に示した熱電発電ユニットの構造を示す分解斜視図である。
図8に示した低温側電極の構造を拡大して示す斜視図である。
図8に示した熱電発電素子モジュールの正面図である。
図10に示した熱電発電素子モジュールの側面図である。
図11に示した熱電発電素子モジュールの斜視図である。
図7に示した熱電発電装置の前部の内部構造の一部を拡大して示す部分断面図である。
図13に示した低温側熱流板の一部を拡大して示す斜視図である。
図7に示した熱電発電装置の後部の内部構造の一部を拡大して示す部分断面図である。
図14に示したピストンの構造を示す分解斜視図である。
一実施形態の熱電発電装置における切換手段の構成を示すブロック図である。
図13に示した高温型熱電発電素子群の遮断状態を示す部分拡大断面図である。
図18に示した高温型熱電発電素子群の接続状態を示す図18に対応した部分拡大断面図である。
図8に示した熱電発電素子モジュールを構成する低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群の発電効率を示すグラフである。
図18に示した低温型熱電発電素子群も接続状態または遮断状態に切換え可能に可能に構成した変形例を示す部分拡大断面図であって、低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群が共に遮断された状態を示す部分拡大断面図である。
図21に示した低温型熱電発電素子群のみが接続された状態を示す部分拡大断面図である。
図21に示した高温型熱電発電素子群のみが接続された状態を示す部分拡大断面図である。
図21に示した低温型熱電発電素子群および高温型熱電発電素子群が共に接続された状態を示す部分拡大断面図である。
図21図24に示した切換え状態と高温側フィン付熱流板の温度との関係を示すグラフである。
図12に示した熱電発電素子モジュールの変形例を示す斜視図である。
図26に示した熱電発電素子モジュールに対応する高温側フィン付熱流板および低温側熱流板の構造を示す部分斜視図である。

符号の説明

0102

1…熱電発電装置、2…排気マニホールド、3…触媒コンバータ、4…マフラー、5…ECU、6…DC−DCコンバータ、7…バッテリー、8…バイパス管、9…バイパスバルブ、10…冷却水ケース、11…流入側ハウジング、12…流出側ハウジング、13…流入側ジャバラ管、14…流出側ジャバラ管、15…冷却水循環ポンプ、16…ラジエータ、17…皿ばね、18…押しナット、19…絶縁部材、
20…熱電発電ユニット、21…高温側フィン付熱流板(熱回収部材)、21A…本体、21B…フランジ部、21C…フィン、22…低温側熱流板(放熱部材)、22A…嵌合部、22B…装着部、22C…装着溝、23…熱電発電素子モジュール、23A…高温側電極、23B…低温側電極、23B1…ばね部、23B2…挟持片部、23C…モジュール電極、
24…ピストン、24A…圧縮コイルばね、24B…オーリング、
30…切換手段、31…ピストン、31A…引張りコイルばね、31B…オーリング、32…圧力伝達経路、32A…環状溝、32B…ピストン室、32C…連通孔、32D…圧力導入プラグ、32E…圧力導入通路、32F…連通孔、33…圧力バルブ、34…圧力タンク、35…圧力ポンプ、36…圧力センサ、37…温度センサ、
G1,G2…ガスケット、N…n型熱電発電素子、P…p型熱電発電素子。

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