図面 (/)

技術 有機薄膜受光素子、その有機薄膜受光素子を用いた有機薄膜受発光素子、その有機薄膜受発光素子を用いた脈拍センサー、および、その脈拍センサーをステアリングに配設した車両

出願人 日産自動車株式会社
発明者 熊沢金也岡田順
出願日 2007年7月27日 (13年3ヶ月経過) 出願番号 2007-196575
公開日 2009年2月12日 (11年9ヶ月経過) 公開番号 2009-032983
状態 未査定
技術分野 受光素子1(共通事項、放射線検出)
主要キーワード 字状構造 メッシュ状構造 アルミニウムナノ粒子 スペクトルピーク波長 脈拍センサー 発射光 電極ライン間 受光波長領域
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年2月12日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (19)

課題

光導電性有機半導体を用いながら微弱光を検出する能力が優れた有機薄膜受光素子を提供する。

解決手段

基板上に、形成された第1の電極1と、前記第1の電極1上に、形成された第2の電極2と、前記第1の電極1と前記第2の電極2との間の挟持された領域に光導電性有機半導体材料から成る光導電性有機半導体層4と、を備え、前記第1の電極1または前記第2の電極2のうち少なくとも一方の電極は、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対して光透過性を有し、前記光導電性有機半導体層4内には、さらに第3の電極3を配する。

概要

背景

従来、微弱光を検出するシステムとしては、例えば、太陽電池光電子増倍管フォトマルチプライヤー)、光電素子光センサー)が挙げられる。近年、微弱光を、高感度かつ低電圧で検出したいという要望が高まってきている。このため、微弱光を検出するシステムの開発に当たり、外部光を効率的に取り入れるための各種素子の開発、光透過性を有する電極の開発、光起電力を発生させるメカニズムの理解が進められている。

微弱光を検出するシステムの開発に対し、光導電性有機半導体と電極との界面で生じるキャリアトラップを利用した新しい原理に基づく「光電流倍増現象」が見出されている。光電流倍増現象の原理は以下のように理解されている。

有機半導体層を2つの電極間に設け、直流電圧を電極に印加した状態にする。光が有機半導体層に入射することによって光キャリア電子正孔)が発生する。その後、電界により光キャリアを電極に誘導する。光キャリアのうちの正孔(ホール)は電界下陰極側輸送する。

しかし、正孔の一部は光導電性有機半導体層陰極界面近傍に存在する界面準位トラップ)に捕捉(トラップ)されて蓄積される。その結果、光導電性有機半導体層と陰極との界面に高電界が発生し、陰極から電子が大量にトンネル注入されて光電流倍増現象が発現すると考えられている。

また、光電流倍増素子として、有機顔料(低分子)からなる光導電性有機半導体を樹脂に分散させた樹脂分散型光電流倍増素子が開発され、光導電性有機半導体としてペリレン顔料、樹脂としてポリカーボネート提示されている。(下記特許文献1参照)
光電流倍増素子においても数十ボルト印加電圧で10−5W/cm2程度の微弱光を検出する能力を有している。しかし、従来の光電流増倍素子では、要望されている微弱光を検出する能力を有していない。
特開2002−76430号公報

概要

光導電性有機半導体を用いながら微弱光を検出する能力が優れた有機薄膜受光素子を提供する。基板上に、形成された第1の電極1と、前記第1の電極1上に、形成された第2の電極2と、前記第1の電極1と前記第2の電極2との間の挟持された領域に光導電性有機半導体材料から成る光導電性有機半導体層4と、を備え、前記第1の電極1または前記第2の電極2のうち少なくとも一方の電極は、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対して光透過性を有し、前記光導電性有機半導体層4内には、さらに第3の電極3を配する。

目的

本発明は、上記問題を解決するために成されたものであって、光導電性有機半導体を用いながら微弱光を検出する能力が優れた有機薄膜受光素子、その有機薄膜受光素子を用いた有機薄膜受発光素子、さらに、その有機薄膜受発光素子を用いた脈拍センサー、および、その脈拍センサーをステアリングに配設した車両の提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

基板上に、第1の電極光導電性有機半導体材料から成る光導電性有機半導体層、および第2の電極が順次積層された有機薄膜受光素子であって、前記第1の電極または前記第2の電極のうち少なくとも一方の電極は、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対して光透過性を有し、前記光導電性有機半導体層内に第3の電極を配したことを特徴とする有機薄膜受光素子。

請求項2

前記第3の電極は、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対して光透過性を有することを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜受光素子。

請求項3

前記第3の電極の仕事関数をWmとし、前記光導電性有機半導体層のイオン化ポテンシャルをIpとしたとき、Wm/Ip≧0.94の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の有機薄膜受光素子。

請求項4

前記第3の電極に印加する電圧をV3とし、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加する電圧をV12としたとき、V3≦V12の関係を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の有機薄膜受光素子。

請求項5

前記第3の電極は、十字型状、くし型状、メッシュ状、渦巻き状、またはこれらの形状の組合せから選択された一つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の有機薄膜受光素子。

請求項6

前記光導電性有機半導体層は、外部電圧を印加しない状態でも、内部電場を有する内部電場発生体を含むことを特徴とする請求項1〜5に記載の有機薄膜受光素子。

請求項7

前記内部電場発生体は、強誘電性高分子材料により構成されていることを特徴とする請求項6に記載の有機薄膜受光素子。

請求項8

前記内部電場発生体は、強誘電性高分子材料と強誘電性無機材料とにより構成されていることを特徴とする請求項6に記載の有機薄膜受光素子。

請求項9

前記強誘電性高分子材料の電気双極子は、分極処理により前記第1の電極と前記第2の電極による電界に対し、平行に向くように調製されていることを特徴とする請求項7または8に記載の有機薄膜受光素子。

請求項10

前記光導電性有機半導体層は、前記強誘電性高分子材料内に前記光導電性有機半導体材料を分散させた構成からなることを特徴とする請求項7および9のいずれか1つに記載の有機薄膜受光素子。

請求項11

前記強誘電性高分子材料は、ポリフッ化ビニリデンもしくはポリフッ化ビニリデン共重合体、又はこれらの複合体であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1つに記載の有機薄膜受光素子。

請求項12

前記強誘電性無機材料は、ペロブスカイト型結晶構造を有する材料であることを特徴とする請求項8または9に記載の有機薄膜受光素子。

請求項13

前記光導電性有機半導体材料は、オキサジアゾール誘導体トリアゾール誘導体シロール誘導体ペリレン誘導体ナフタレン誘導体フタロシアニン誘導体トリフェニルアミン誘導体ベンジジン誘導体ポリアニリン誘導体ピラゾリン誘導体スチリスアミン誘導体フラーレン誘導体からなる誘導体群から選択された一つの誘導体、又は選択された一つの誘導体を含む混合物であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の有機薄膜受光素子。

請求項14

フレキシブルな基板上に、請求項1から請求項13のいずれか1つに記載の有機薄膜受光素子と、近紫外光域から近赤外光領域までの任意の波長の光を発光する有機薄膜発光素子と、を離隔して備える、ことを特徴とする有機薄膜受発光素子

請求項15

前記有機薄膜発光素子は、基板上に形成した第1の電極と、前記第1の電極上に形成した有機発光層と、前記有機発光層上に形成した第2の電極と、を備える、ことを特徴とする請求項14に記載の有機薄膜受発光素子。

請求項16

フレキシブルな基板上に、湿式薄膜形成法により第1の電極層を形成する工程と、前記第1の電極層上に、有機エレクトロルミネッセンス層を形成する工程と、前記第1の電極層上に、前記有機エレクトロルミネッセンス層と隔離して光導電性有機半導体層を形成する工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス層上および前記光導電性有機半導体層上に、第2の電極層を形成する工程と、からなることを特徴とする有機薄膜受発光素子の製造方法。

請求項17

請求項14〜16のいずれか1つに記載の有機薄膜受発光素子を用いて、人体からの光を検出し、脈拍を測定することを特徴とする脈拍センサー

請求項18

請求項17に記載の脈拍センサーをステアリングに配設することを特徴とする車両。

技術分野

0001

本発明は、有機薄膜受光素子、その有機薄膜受光素子を用いた有機薄膜受発光素子、その有機薄膜受発光素子を用いた脈拍センサー、および、その脈拍センサーをステアリングに配設した車両に関する。

背景技術

0002

従来、微弱光を検出するシステムとしては、例えば、太陽電池光電子増倍管フォトマルチプライヤー)、光電素子光センサー)が挙げられる。近年、微弱光を、高感度かつ低電圧で検出したいという要望が高まってきている。このため、微弱光を検出するシステムの開発に当たり、外部光を効率的に取り入れるための各種素子の開発、光透過性を有する電極の開発、光起電力を発生させるメカニズムの理解が進められている。

0003

微弱光を検出するシステムの開発に対し、光導電性有機半導体と電極との界面で生じるキャリアトラップを利用した新しい原理に基づく「光電流倍増現象」が見出されている。光電流倍増現象の原理は以下のように理解されている。

0004

有機半導体層を2つの電極間に設け、直流電圧を電極に印加した状態にする。光が有機半導体層に入射することによって光キャリア電子正孔)が発生する。その後、電界により光キャリアを電極に誘導する。光キャリアのうちの正孔(ホール)は電界下陰極側輸送する。

0005

しかし、正孔の一部は光導電性有機半導体層陰極界面近傍に存在する界面準位トラップ)に捕捉(トラップ)されて蓄積される。その結果、光導電性有機半導体層と陰極との界面に高電界が発生し、陰極から電子が大量にトンネル注入されて光電流倍増現象が発現すると考えられている。

0006

また、光電流倍増素子として、有機顔料(低分子)からなる光導電性有機半導体を樹脂に分散させた樹脂分散型光電流倍増素子が開発され、光導電性有機半導体としてペリレン顔料、樹脂としてポリカーボネート提示されている。(下記特許文献1参照)
光電流倍増素子においても数十ボルト印加電圧で10−5W/cm2程度の微弱光を検出する能力を有している。しかし、従来の光電流増倍素子では、要望されている微弱光を検出する能力を有していない。
特開2002−76430号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、従来の技術は、光電流倍増素子においても数十ボルトの印加電圧で10−5W/cm2程度の微弱光を検出する能力しか有しておらず、微弱光を検出する能力を有していないという問題があった。

0008

本発明は、上記問題を解決するために成されたものであって、光導電性有機半導体を用いながら微弱光を検出する能力が優れた有機薄膜受光素子、その有機薄膜受光素子を用いた有機薄膜受発光素子、さらに、その有機薄膜受発光素子を用いた脈拍センサー、および、その脈拍センサーをステアリングに配設した車両の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記目的を達成するための本発明に係る有機薄膜受光素子は、次のような構成を特徴としている。基板上に、第1の電極、光導電性有機半導体材料から成る光導電性有機半導体層、および第2の電極を順次積層し形成する。前記第1の電極または前記第2の電極のうち少なくとも一方の電極は、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対して光透過性を有する電極を用いる。前記光導電性有機半導体層内には、さらに第3の電極を配する。

0010

また、上記目的を達成するための本発明に係る有機薄膜受発光素子は、次のような構成を特徴としている。基板上に、前記有機薄膜受光素子および有機薄膜発光素子を離隔して配する。前記有機薄膜発光素子として、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光を発光することができる有機薄膜発光素子を用いる。

0011

また、上記目的を達成するための本発明に係る脈拍センサーは、基板上に、前記有機薄膜受発光素子を配する構成を特徴としている。

0012

最後に、上記目的を達成するための本発明に係る車両は、次のような構成を特徴としている。車両のステアリングに前記脈拍センサーを配する。

発明の効果

0013

以上のように構成された本発明に係る有機薄膜受光素子によれば、前記第1の電極と前記第2の電極間に電圧を印加した状態で、前記第3の電極に電圧を印加すると、第3の電極への印加は低電圧にもかかわらず光誘起電流増倍する。よって、有機薄膜受光素子に入射する光が微弱光でも検出することができる。

0014

以上のように構成された本発明に係る有機薄膜受発光素子によれば、前記有機薄膜発光素子からの出射光被験体当り、前記出射光による被験体からの反射光を前記有機薄膜受光素子で検出できる。

0015

以上のように構成された本発明に係る脈拍センサーによれば、人体からの光を直接、有機薄膜受光素子で検出することができる。

0016

以上のように構成された本発明に係る車両によれば、車両内でのドライバーの各種生態情報非侵襲、かつリアルタイムに、脈拍センサーで検出することができる。

発明を実施するための最良の形態

0017

以下に、本発明に係る有機薄膜受光素子、その有機薄膜受光素子を用いた有機薄膜受発光素子、さらに、その有機薄膜受発光素子を用いた脈拍センサー、および、その脈拍センサーをステアリングに配設した車両について、第1実施形態〜第5実施形態に分けて、図面を参照しながら詳細に説明する。

0018

[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る有機薄膜受光素子の説明に供する図である。図1は本発明の第1実施形態に係る有機薄膜受光素子の外観を示す斜視図である。

0019

図1に示すように、本実施の形態に係る有機薄膜受光素子10は、基板5、基板5上に形成された第1の電極1、第1の電極1上に形成された光導電性有機半導体材料から成る光導電性有機半導体層4、光導電性有機半導体層4上に形成された第2の電極2を備えている。光導電性有機半導体層4には第3の電極3を配している。

0020

また、基板5の種類については、基板5としての諸機能を有すれば何ら制限されるものではない。しかし、基板5の種類として、基板5を通して光を発光したり、受光したりする場合には、近紫外線領域から近赤外線領域の任意の波長の光に対して光透過性を有していることが望まれる。そのような基板5としては、例えば、石英ガラスポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)等を挙げることができる。

0021

図2に示すように、第1の電極1または第2の電極2は、少なくとも一方の電極が近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対して光透過性を有する電極である。

0022

また、第1の電極1や第2の電極2の材料も特に限定されないが、近紫外線から、可視光線を含み、近赤外線までの領域の微弱光を検出するという目的から、両電極のいずれか一方は、近紫外線〜可視光線〜近赤外線領域で光透過性を有することが望ましい。

0023

そのような材料としては、例えば、無機透明電極材であるITO(酸化インジウム錫)の他に、SnO2(酸化錫)、ZnO(酸化亜鉛)、FTO(Fドープ酸化錫)などの無機系酸化物を適用しても構わない。あるいは、各種導電性高分子である、ポリピロールポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)、ポリチオフェンカーボンナノチューブ分散体などの適用も可能である。

0024

図3図1に示した有機薄膜受光素子の概略的な構成を示す概略図である。

0025

図3に示すように、第1の電極1と第2の電極2との間に直流電圧6を印加し、第3の電極3と第2の電極2との間に直流電圧7を印加する。

0026

図3において、まず、第3の電極3に直流電圧7を印加しない条件、つまり第3の電極3が設けられていない場合と同等の条件での光誘起電流発生の動作機構について説明する。

0027

第1の電極1側にマイナス(−)の電位、第2の電極2側にプラス(+)の電位が付与されるように、第1の電極1と第2の電極2との間に直流電圧6を印加する。そして、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光を、第2の電極2側から入射する。入射した光により、光導電性有機半導体層4で光吸収が起こり、光キャリアが発生する。光キャリアの正孔が第1の電極1へ移動し、また光キャリアの電子が第2の電極2へ移動することにより、光誘起電流が発現する。光誘起電流の大きさは、一般的に、第1の電極1と第2の電極2の間に印加される電圧、即ち、電界強度に依存し、比例関係を示す。

0028

次に、有機薄膜受光素子10の第3の電極3に電圧を印加することで光誘起電流を増倍させる動作機構について説明する。本発明を用いた光誘起電流の増大は、現在のところ次のような機構に基づいていると考えている。

0029

図3において、第1の電極1側にマイナス(−)の電位、第2の電極2側にプラス(+)の電位が付与されるように、第1の電極1と第2の電極2の間に直流電圧6を印加する。そして、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光が、第2の電極2側から入射し、光導電性有機半導体層4に入り、光導電性有機半導体層4内で光を吸収することによって、光キャリア(電子、正孔)が発生する。光キャリアの正孔は第1の電極1へ移動し、光キャリアの電子は第2の電極2へ移動する。ここまでの過程は、第3の電極3に電圧を印加しない場合と同様である。

0030

第3の電極3側にプラス(+)の電位が付与されるように、第3の電極3に直流電圧7を印加する。すると、第3の電極3は、印加電圧の大きさに比例して光導電性有機半導体層4に正孔を注入する。第1の電極1は、第3の電極3から発生した正孔を新たに追加して、集中捕捉することになる。また、局所的な電界集中が第1の電極1で発生することで、第1の電極1からは逆に過剰の電子が発生する。したがって、過剰に発生した電子が、第2の電極2に向かって移動するので、光誘起電流が増倍する。

0031

図4は、図1および図3における本発明の第1実施形態に係る有機薄膜受光素子を作動させた結果の説明に供する図である。詳細には、第3の電極3に印加する電圧V3の大きさを変えた場合の、有機薄膜受光素子10の第1の電極1と第2の電極2との間に印加する電圧V12に対する光誘起電流特性の効果を示している。また、V3=0(V)の曲線は、第3の電極3に電圧を印加しない場合の光誘起電流の関係を示している。

0032

有機薄膜受光素子10の測定時の構成は、基板5上に、第1の電極1、光導電性有機半導体材料から成る光導電性有機半導体層4、第3の電極3、光導電性有機半導体層4および第2の電極2を順次積層し設けた構成であった。また、第1の電極1としてAl、光導電性有機半導体層4としてそれぞれ100nmの厚みの銅フタロシアニン(CuPc)薄膜、第3の電極3としてAuおよび第2の電極2としてITOを用いて測定を行った。

0033

図4によると、例えば、第1の電極1と第2の電極2との間に印加する電圧V12を10Vと一定とし、第3の電極3への印加電圧V3を0Vから1V、2V、5Vと増加させていくと、光誘起電流は急激に増大している。また、第3の電極3への印加電圧V3=0(V)のときに比べ、V3=5(V)のときの光誘起電流は2桁も増大していることがわかる。このように、光導電性有機半導体層4内に第3の電極3を設け、第3の電極3へ電圧を印加することにより、光誘起電流が増倍することがわかる。

0034

さらに、次のような特性も副次的に発現している。本発明の有機薄膜受光素子10において、第1の電極1と第2の電極2との間に電圧V12を印加した状態にしておく。そして、第3の電極3へ電圧V3を印加つまりOFFからONへの動作をすると、光有機電流が増倍する。反対に、印加をやめる、つまりONからOFFへの動作をすると、光有機電流が増倍しなくなる。つまり、電圧V3を印加させる動作でONとOFFの切り替えをすることは、入射光受光レベルスイッチング制御できるという機能も兼ね備えていることになる。すなわち、第3の電極3を設けることにより、トランジスタ機能を持つことになる。

0035

このトランジスタ機能の発現は、従来、有機薄膜受光素子駆動のための回路を外部に設けていたものが、有機薄膜受光素子自身で駆動回路としての機能をも発現するという一台二役の効果を生むことを意味する。

0036

このような第3の電極3による、(1)光誘起電流の増倍作用と、(2)スイッチング(トランジスタ)作用、の効果を顕著に発現させるための最適な条件について、さらに詳細に説明する。

0037

まず、本発明で用いる第3の電極3について詳細に説明する。

0038

第3の電極3の仕事関数をWm、光導電性有機半導体層4のイオン化ポテンシャルをIpとしたとき、Wm/Ip≧0.94、となる関係を満たすことにより、光誘起電流の増倍作用の効果が最大となる。

0039

前述の図4において、第3の電極3としてAu電極を用いた際の特性を示したが、素材としてAuの代わりに、ITOやAlを用いた際の特性についても鋭意検討した。第3の電極3としてITO電極またはAl電極を用い、V3=5(V)の電圧を印加した際の光誘起電流の増減についての測定をした。その結果、V3=0(V)での光誘起電流と比較してITO電極ではやや増大、Al電極では逆に一桁ほど減少した。このように、第3の電極3の種類により光誘起電流の大きさに差異が生じる結果を得たが、この現象について次のようなメカニズム案を考えることができる。

0040

図5は、第3の電極3の仕事関数をWm、光導電性有機半導体層4のイオン化ポテンシャルをIpとした時の、エネルギーバンド構造を示している。第3の電極3と光導電性有機半導体層4との界面を考えると、電位障壁Φが両者の界面において生じる。電位障壁Φの高さは、第3の電極3の仕事関数Wmと光導電性有機半導体層4のイオン化ポテンシャルIpの大きさにより変化する。第3の電極3へ+の電位がかかるようにすると、第3の電極3側から、光導電性有機半導体層4側へキャリア(正孔)が移動する。しかし、その際、キャリア(正孔)の生成と移動は、電位障壁Φの高さの変化に依存する。

0041

すなわち、WmとIpとの差が小さいと、キャリア(正孔)側からみると電位障壁Φの高さが低くなるため、容易に光導電性有機半導体層4へ移動し易くなり、光誘起電流は多くなると考えられる。具体的には、ポリフェニレンビニレン(PPV)のイオン化ポテンシャルIpは5.2eV、Auの仕事関数Wmは4.6eV、ITOの仕事関数Wmは4.9eVであるので、PPV(Ip=5.2eV)とITO(Wm=4.9eV)の組合せの場合、Wm/Ip=0.94となり、よりWm/Ipが1に近くなる。すなわち、Wm/Ip≧0.94なる関係を満足することにより、光導電性有機半導体層4と電極3との間の電位障壁高さを容易に低くすることが可能となる。このようにすることにより、正孔が発生かつ移動しやすくなり、光誘起電流も増加する。

0042

一方、Wm<0.94Ipの場合、電位障壁Φの高さが高くなるため、第3の電極3から光導電性有機半導体層4へのキャリア(正孔)の移動がしにくくなると考えられる。ポリフェニレンビニレンPPVのイオン化ポテンシャルIpは5.2eV、Alの仕事関数Wmは3.5eVなので、正孔が発生しにくく、光誘起電流は増加しない。

0043

なお、第3の電極3への電圧V3として、マイナス(−)電位が付与された場合は、第3の電極3からのキャリア(正孔)は発生しにくいので、光誘起電流の増倍はほとんど測定されなかった。

0044

第1の電極1と第2の電極2の間に印加される電圧V12により、光導電性有機半導体層4内に電界が発生し、その層で発生した光キャリアは移動する。そのためには、発生する電界を、光導電性有機半導体層4内に均一に形成する必要がある。さらに、第3の電極3が配置されることがあっても、均一な電界を形成する必要がある。よって、V12≧V3、となる関係を満たす必要がある。

0045

なお、実際にV12<V3として、光誘起電流を連続モニターすると、光誘起電流変動が確認された。光誘起電流変動が発生する原因として、第3の電極近傍での電界の乱れ不均一電界)が起因すると推察される。よって、V12<V3の条件では、実用に供することが極めて困難となる。

0046

よって、第1の電極と第2の電極との間に印加する電圧をV12、第3の電極に印加する電圧をV3としたとき、V12≧V3、となる関係を満たすことにより、均一な電界が形成でき、光誘起電流の増倍作用の効果が最大となる。

0047

第3の電極3は、図2に示したように、第1の電極1または第2の電極2と同様に、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対し、光透過性を有する必要がある。少なからずとも光透過性を有していない第3の電極3では、光導電性有機半導体層4内に入ってきた近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光をブロックする。つまり、第3の電極3と第1の電極1の間には光は入らず、光キャリアが発生しないため、光誘起電流発生に寄与しないことになってしまう。したがって、第3の電極3が近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対し、光透過性を有することによって、入射光をブロックせずに多くの光を、第3の電極3と第1の電極1との間の光導電性有機半導体層4へ透過させることができる。光導電性有機半導体層4では透過した入射光分の光キャリアが更に発生することになり、光誘起電流は多くなる。

0048

なお、光透過性の程度は、第3の電極3及び光導電性有機半導体層4の屈折率や厚さにも依存するため、一義的には決定はできない。しかし、有機薄膜受光素子10で受光する近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対し、50%以上、さらには80%以上あることが好ましい。

0049

第1の電極1と第2の電極2の間で発生した光キャリア(電子、正孔)は、電界によりそれぞれ、電子は第2の電極2側へ、正孔は第1の電極1側へ移動する機構となっている。もし、第3の電極3が面内の全面に連続した電極形態を形成していると、発生した光キャリアは、この第3の電極でブロックされ失活してしまう。それ故、第3の電極の形状の条件は、光キャリアが通過可能な領域を持ち、かつ、光導電性有機半導体層4の面に対し、均一なキャリア注入を可能とする形状が望まれる。

0050

図6A〜Dには、条件を満たす電極の形状の一例が示されているが、特にこれに限定するものではない。図6Aには十字型状、図6Bはくし型状、図6Cにはメッシュ状、および図6Dには渦巻型状をした第3の電極の形状を例示している。

0051

なお、光キャリアが第3の電極3でブロックされ難くするため、電極ライン間スペース長Lは、入射光の光透過性や、第3の電極3へ印加される電圧等により必ずしも一義的には決定できないが、入射光の波長λよりも大きいことが望ましい。例えば、可視光線の波長の10倍程度のスペース長Lであることが望ましい。

0052

次に、本発明で用いる光導電性有機半導体層4について詳細に説明する。

0053

光導電性有機半導体とは、光照射により導電率が向上する有機半導体を意味するものである。受光素子として、特定波長(近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長)の光に対して高感度で受光可能なものであれば、光導電性有機半導体の材料としては特に限定せず、各種有機半導体を適宜適用することができる。

0055

しかし、上記で記載のように、第3の電極3と光導電性有機半導体層4との界面で形成される電位障壁Φの高さを念頭においた選択が必要である。したがって、上記で挙げた光導電性半導体を第3の電極3に対して適宜適用することによって、電位障壁Φの高さを低くすることができ、光キャリアを多く発生させて、光誘起電流を多くすることができる。

0056

最後に、本発明の第1実施形態によれば次のような効果が挙げられる。

0057

(1)基板上の第1の電極と第2の電極との間に形成された光導電性有機半導体層4内に第3の電極3を設け、第3の電極3へ電圧を印加すると、過剰に電子が発生するために、光誘起電流が増倍する。

0058

(2)第3の電極3が近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光に対し、光透過性を有するため、入射光をブロックせずに多く光導電性有機半導体層4へ透過させることができる。したがって、光導電性有機半導体層4では第3の電極3を透過した入射光分の光キャリアが更に発生することになり、光誘起電流は多くなる。

0059

(3)第3の電極の仕事関数Wmが光導電性有機半導体層のイオン化ポテンシャルIp以上となる関係を満たすことによって、電位障壁Φの高さが低くなるため、キャリア(正孔)は容易に光導電性有機半導体層4へ移動し易くなり、光誘起電流は多くなる。

0060

(4)第3の電極の印加電圧V3が第1の電極と前記第2の電極との間の印加電圧V12以下となる関係を満たすので、第3の電極近傍での電界の乱れがなくなり、光誘起電流の増倍作用の効果は大きくなる。

0061

(5)第3の電極の形状を、十字型状、くし型状、メッシュ状、渦巻き状、またはこれらの形状の組合せから選択された一つの形状とすることによって、均一なキャリア注入が可能となり、光誘起電流は多くなる。

0062

(6)第3の電極として光導電性有機半導体材料に、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、シロール誘導体、ペリレン誘導体、ナフタレン誘導体、フタロシアニン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリアニリン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチリスアミン誘導体、及びフラーレン誘導体からなる誘導体群から選択された一つの誘導体、又は選択された一つの誘導体を含む混合物を適宜適用することによって、電位障壁Φの高さを低くすることができる。したがって、光キャリアが多く発生するので、光誘起電流を多くすることができる。

0063

(7)また、副次的に、第3の電圧を印加させる動作でONとOFFの切り替えをすることによって、入射光の受光レベルをスイッチング制御できる。すなわち、第3の電極3を設けることにより、トランジスタ機能を持つことになる。

0064

[第2実施形態]
図7Aおよび図7Bは、本発明の第2実施形態に係る有機薄膜受光素子の説明に供する図である。

0065

有機薄膜受光素子10の光導電性有機半導体層4としてさらに好ましい様態としては、光導電性有機半導体層4に外部電圧を印加しない状態においても、内部電場を有する機構、つまり自発分極を有する機構を具備したものが効果的である。

0066

図7Aおよび図7Bは、内部電場を有する機構を持つ内部電場発生体を示している。外部に設けられている直流電源6から第1の電極1と第2の電極2との間に電圧V12=0を印加し、外部電場をEe=0である状態にしたとする。しかし、外部電場が無い状態においても、光導電性有機半導体を含む層の内部の電界が一定方向に形成されている状況、即ち、内部電場Eiを形成していることを示している。

0067

より詳細に内部電場を有する機構を持つ内部電場発生体について説明する。内部電場発生体は、分子構造中の任意の分子間に、電気的な力で双極子ダイポール)を発生させ、双極子の向きを積極的に揃えることができる。本発明により、圧電性焦電性を発現することで知られている強誘電性高分子材料のポリフッ化ビニリデン(PVDF)やこれらの共重合体を用いて鋭意研究した結果、上記のような内部電場Eiが顕著に発現することを示すことに成功した。この内部電場Eiの発現原因は定かではない。

0068

しかし、強誘電性高分子材料のポリフッ化ビニリデン(PVDF)においては、水素原子Hが正に帯電、そしてフッ素原子Fが負に帯電することから、フッ素原子Fから水素原子Hに向かって双極子(ダイポール)が存在することになる。それ故、図7Aに示すように、外部電場Egがない状態でも、この双極子が一定方向に揃うことにより、マクロ的に見ることによって、内部電場Eiの存在により、電場Eを形成していると考える。

0069

なお、図7Aおよび図7Bにおいては、個々の双極子を表記するのではなく、ドメイン状の領域(分子集合体)で双極子が形成されるとして矢印(→)で表記した。

0070

このように、強誘電性高分子を構成する分子の双極子の向きを利用した内部電場Eiの発生と、第1の電極1と第2の電極2との間に印加する電圧V12による外部電場Eeとの総和を考える。図7Bに示すように、外部電場Egがある状態では、総和である電場Eは大きくなる。よって、強誘電性高分子材料を用いることにより、電圧V12に印加する電圧は低くても、入射してくる微弱光は増倍可能である。

0071

なお、本願における光誘起電流の大きさは、光キャリアの数とその光キャリアの移動のしやすさ(移動度)の積で与えられる。したがって、この内部電場Eiを利用することにより、発生した光キャリアをそれぞれの電極面へより早く移動させることが可能となる。つまり、光キャリアの移動度が大きいので、光誘起電流は多くなる。

0072

ところで、このような内部電場Eiの大きさは、内部電場発生体を構成する分子の電荷Qの偏りに大きく依存する。さらに偏りは、熱的、電磁界的(電子線やx線照射を含む)、光学的に処理することにより、積極的に形成することができる。例えば、分極ポーリング)処理を施すことにより、双極子を強制的に一定方向に揃えることができる。つまり、分極処理により第1の電極と第2の電極による電界に対し、平行に向くように調製することも可能である。電気双極子の偏りを大きくすることによって、さらに内部電場が大きくなるので、光キャリアの移動度が大きくなり、光誘起電流は多くなる。

0073

具体的な分極処理の一つの方法としては、例えば、本発明の有機薄膜受光素子10を形成した後に、光導電性有機半導体4を含む層のガラス転移点以上の温度に保った状態下で、第1の電極1と第2の電極2との間に高電圧を一定時間印加する。その後、急冷電圧印加をOFFすることにより、分極処理を行う方法がある。

0074

分極処理の方法により、双極子は、光導電性有機半導体を含む層の厚み方向に凍結し、一定方向に揃うことになる。この一定方向に配列した双極子は、半ば、半永久的に自発分極を保持した状態を保つことができる。

0075

また、第1の電極1や第2の電極2のような電極を設けずとも、光導電性有機半導体を含む層内に、電子がトラップした状態を積極的に作り上げ、空間電荷を形成することにより、双極子が配列するような処理方法もある。例えば、(1)常温下でのコロナ放電処理、あるいは(2)電子線やx線の照射処理によっても、同様な効果が発現する。

0076

さらに、強誘電性高分子材料の一種である強誘電性高分子樹脂と強誘電性無機材料である強誘電性無機物質とから構成された系とすることにより、強誘電性高分子樹脂単体の場合に比べ、内部電場をより大きくすることが可能である。内部電場をより大きくすることによって、光キャリアの移動度を大きくすることができ、光誘起電流を多くすることができる。

0077

ここで、強誘電性高分子樹脂と強誘電性無機物質とから構成された具体的に次のような系が挙げられる。

0078

(1)として、強誘電性高分子樹脂中に適量の光導電性有機半導体材料である強誘電性無機物質を分散した系を挙げることができる。

0079

(2)として、強誘電性高分子樹脂の薄膜層と強誘電性無機物質の薄膜層を多層膜化した系を挙げることができる。

0080

それらの系で構成した光導電性有機半導体層でも同様に、内部電場をより大きくすることによって、光キャリアの移動度を大きくすることができ、光誘起電流を多くすることができる。これら具体的な他の系とすることも可能である。

0081

なお、強誘電性無機物質として、結晶構造中に正イオン負イオンを有し、電気双極子が形成されるものであれば特に限定しない。より好ましくは、一般にABO3と表記されるペロブスカイト型結晶構造を有する群を挙げることができる。特に、PZTやPbTiO3、BaTiO3などを代表として例示できる。ペロブスカイト型結晶構造で構成した光導電性有機半導体層でも同様に、内部電場をより大きくすることによって、光キャリアの移動度を大きくすることができ、光誘起電流を多くすることができる。

0082

なお、強誘電性高分子樹脂と強誘電性無機物質との組合せにおいて、使用する強誘電性無機物質の種類や形(微粒子、薄膜など)、サイズ、さらに両者の含有比率等を適宜設定することにより、最適な内部電場の形成をすることができる。

0083

次に、強誘電性高分子樹脂について説明する。上記でも触れたように、強誘電性高分子樹脂として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリフッ化ビニリデン共重合体、あるいはそれらの複合体を挙げることができる。ポリフッ化ビニリデン共重合体の具体的例として、ポリフッ化ビニリデン−3フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン−4フッ化エチレン等を挙げることができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン−3フッ化エチレンの場合、ポリフッ化ビニリデンを60〜90モル%、3フッ化エチレンを40〜10モル%の割合で共重合すると、光透過率が大きく、しかも大きな電気双極子を有する樹脂体を形成することができる。したがって、光誘起電流をさらに多くすることができる。

0084

次に、強誘電性高分子樹脂と強誘電性無機物質とから構成される具体的な系について説明する。そのような系として、例えば、強誘電性高分子樹脂としてはポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、また、強誘電性無機物質としてはチタン酸バリウム(BaTiO3)の微粒子を挙げることができる。

0085

また、そのような系を用いた具体的な双極子を形成する方法について説明する。第1の電極1(陽極)として透明電極(ITO)が形成されたガラス基板の透明電極面上に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とチタン酸バリウム(BaTiO3)微粒子を適量含有させた溶液を塗布してフィルムを形成する。例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)微粒子を含有させた溶液として、数十nm〜数μmサイズのチタン酸バリウム(BaTiO3)微粒子を数wet%含有させた溶液が最適である。その後、フィルム面上に、第2の電極2(陰極)として、例えば金(Au)蒸着膜を数十nm厚になるように形成したサンドイッチ型の系を作製する。その後、このサンドイッチ型の系に対し、蒸気記述した分極処理(例えば、温度80度、電界強度105/cm、処理時間2hr)を施して両電極による電界に対し平行に配列するような双極子を形成することができる。

0086

強誘電性高分子樹脂と強誘電性無機物質とから構成される系とすることにより、その内部電場Eiは、概ね、102〜107V/cm程度が発現可能である。なお、強誘電性高分子樹脂と強誘電性無機物質との組合せについては、使用する強誘電性無機物質の種類や形状、サイズ、さらに両者の含有比率等が、内部電場Eiの大きさに影響を及ぼすので十分な留意が必要である。

0087

最後に、本発明の第2実施形態によれば次のような効果が挙げられる。

0088

(1)光導電性有機半導体層内に内部電場を形成することにより、発生した光キャリアをそれぞれの電極面へより早く移動させることができる。つまり、光キャリアの移動度が大きくなるので、光誘起電流が多くなる。

0089

(2)内部電場を発生する強誘電性高分子材料を用いることにより、電性高分子を構成する分子の双極子の向きを利用することができる。したがって、内部電場と外部電場との総和の電場が増すことになり、光キャリアの移動度は大きくなるので、光誘起電流は多くなる。

0090

(3)強誘電性高分子材料の一種である強誘電性高分子樹脂と強誘電性無機材料である強誘電性無機物質とから構成された系とすることにより、強誘電性高分子樹脂単体の場合に比べ、内部電場をより大きくすることが可能である。内部電場をより大きくすることによって、光キャリアの移動度を大きくすることができ、光誘起電流を多くすることができる。

0091

(4)光導電性有機半導体層の電気双極子を外部電界に平行に向くように分極処理を行い調製することによって、内部電場をより大きくすることができる。つまり、光キャリアの移動度は大きくなるので、光有機電流は多くなる。

0092

(5)ポリフッ化ビニリデンもしくはポリフッ化ビニリデン共重合体、又はこれらの複合体を適宜適用することによって、光透過率が大きく、しかも大きな電気双極子を有する樹脂体を形成することができる。よって、光誘起電流をさらに多くすることができる。

0093

(6)強誘電性高分子樹脂中に適量の光導電性有機半導体材料である強誘電性無機物質を分散した系で構成した光導電性有機半導体層でも同様に、内部電場をより大きくすることができる。よって、光キャリアの移動度を大きくすることができ、光誘起電流を多くすることができる。

0094

(7)ペロブスカイト型結晶構造で構成した光導電性有機半導体層でも同様に、内部電場をより大きくすることによって、光キャリアの移動度を大きくすることができ、光誘起電流を多くすることができる。

0095

[第3実施形態]
図8Aは本発明の第3実施形態に係る有機薄膜受発光素子の説明に供する図である。

0096

前述してきた本発明の有機薄膜受光素子10をフレキシブルな基板5上に隔離して形成し、かつ、有機薄膜発光素子20も同一の基板5上に設けることにより、優れた有機薄膜受発光素子30を提供することができる。有機薄膜発光素子20は、有機薄膜受光素子10の受光波長領域に適している波長の光、つまり、近紫外光域から近赤外光領域までの任意の波長の光を発光する有機薄膜発光素子が望まれる。

0097

ここで、有機薄膜発光素子20として、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子や有機レーザーなど公知の薄膜発光素子を適用することができる。EL素子は、基板上の第1の電極と第2の電極間に形成される有機発光層の材料として用いられ、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することによって発光する。EL素子は、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光を発光する。

0098

さらに、このような有機薄膜受発光素子30を、フレキシブルな基板5上に複数アレイ状に配置することも可能であり、大面積有機薄膜受発光体を構成することが可能である。

0099

本発明の第3実施形態によれば、有機薄膜発光素子20から出射された光を、被験体(例えば、人体の手足等)に照射し、その被験体からの微弱な反射光を有機薄膜受光素子10により低電圧かつ高感度で受光できるようになるものである。

0100

また、これらの生体情報としての光は、光強度として10−5W/cm2〜10−15W/cm2と極めて微弱光である。現在、本発明の第3実施形態の有機薄膜受光素子30では10−6W/cm2の検出が可能である。

0101

次に、本願の有機薄膜受発光素子30の代表的な作製法について説明する。ここで、有機薄膜受光素子10及び有機薄膜発光素子20は、いずれもフレキシブルな樹脂の基板5上の同一面上に設けられ、しかも、発光面及び受光面が同一面上になる構造とする(図8Aの構造)。フレキシブルな樹脂の基板5として、厚さ200μm、可視光領域で光透過率85%(波長596nm)のポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを準備する。次に、基板5のフィルムの片面上に、アルミニウムナノ粒子を分散させた溶液をインクジェット印刷により、第1の電極を10行×10列の電極パターンに形成する。

0102

上記第1の電極1の奇数行奇数列の上に、例えば、溶媒希釈されたポリフェニレンビニレン(PPV)溶液をインクジェット印刷により200nmの厚みで塗布して有機発光層を形成する。さらに、この有機発光層上に発光を取り出すため、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)の水分散溶液を有機透明電極(第2の電極)として、インクジェット印刷により100nmの厚みで塗布して有機薄膜発光素子20を作製する。また、第2の電極層を形成した上に、さらに、防湿と保護を兼ねた樹脂組成物印刷等でコーティングすることや、カバーレイフィルム等を貼り付けることは可能である。

0103

一方、第1の電極1の偶数行偶数列の上には、溶媒希釈された銅フタロシアニン(CuPc)溶液をインクジェット印刷により100nmの厚みで塗布して光導電性有機半導体層4の一部を形成する。さらに、この光導電性有機半導体層4上に、金ナノ粒子分散溶液をくし型状パターンとしてインクジェット印刷することにより第3の電極3を形成する。さらに、その上に再度、銅フタロシアニン溶液をインクジェット印刷により100nmの厚みで塗布して残りの光導電性有機半導体層4を形成し、光導電性有機半導体層4内に第3の電極3を含む状態にする。最後に受光面となる有機透明電極(第2の電極)として、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)の水分散溶液を、インクジェット印刷により100nmの厚みで塗布し、有機薄膜受光素子10を作製する。また、第2の電極層を形成した上に、さらに、防湿と保護を兼ねた樹脂組成物を印刷等でコーティングすることや、カバーレイフィルム等を貼り付けることは可能である。

0104

ここで、有機薄膜発光素子20を作製するための有機発光層を形成する工程と、有機薄膜受光素子10を作製するための第3の電極3および光導電性有機半導体層4を形成する工程とを同時に行うことも可能であり、同時に形成する工程を行うことで安価に構成できる。

0105

なお、フレキシブルな樹脂の基板5の電極パターン形成面に対しては、粉塵等の付着によるピンホール発生防止や、樹脂基材との密着性アップのため、ドライあるいはウェット法による前処理(プラズマ処理、酸あるいはアルカリ処理)を適宜施しても構わない。

0106

また、光導電性有機半導体層4を薄膜形成する湿式方式としては、使用する溶液系の種類や作製する素子の大きさ(面積)、連続プロセスまたはバッチプロセス等を考慮し、各種公知の方法(スピンコート法キャスティング法ディップ法バーコート法グラビア印刷スクリーン印刷インクジェット法などの印刷技術)を適宜適用することができる。また、有機薄膜受光素子10、有機薄膜発光素子20とも、湿度酸素下での製造プロセスは劣化を促進することになるので、一連の工程は不活性ガス中で実施されることが好ましい。

0107

次に、有機薄膜受光素子10および有機薄膜受発光素子20の基板5への配置位置について説明する。

0108

図8Aに示すように、基板5上の片面に有機薄膜受発光素子30の有機薄膜受光素子及び有機薄膜発光素子を形成し、発射光や入射光が基板5を通過しない構造を例に説明してきたが、何らこれに限定した構造とする必要はない。

0109

図8Bおよび図8Cは本発明の第3実施形態に係る有機薄膜受発光素子による他の配置位置の説明に供する図である。

0110

図8Bに示すように、基板5上の片面に有機薄膜受発光素子30の有機薄膜受光素子10及び有機薄膜発光素子20を形成し、発射光や入射光が基板5を通過する構造とすることも可能である。

0111

また、図8Cに示すように、基板5上の両面に有機薄膜受発光素子30の有機薄膜受光素子10及び有機薄膜発光素子20をそれぞれ形成し、入射光が基板5を通過する構造とすることも可能である。

0112

図示はしないが、基板5上の両面に有機薄膜受発光素子の有機薄膜受光素子及び有機薄膜発光素子をそれぞれ形成し、発射光が基板を通過する構造とすることも可能である。

0113

しかし、基板5の表裏に有機薄膜受光素子及び有機薄膜発光素子をそれぞれ配置しても構わないが、受発光素子の性能及び製造プロセス的には、有機薄膜受光素子及び有機薄膜発光素子が同一面になっていることが好ましい。

0114

よって、湿式薄膜形成方法によって、フレキシブル基板上に有機薄膜受発光素子が製造される。

0115

最後に、本発明の第3実施形態によれば次のような効果が挙げられる。

0116

(1)有機薄膜受発光素子30の有機薄膜発光素子20から出射された光を、被験体に照射し、その被験体からの反射光を有機薄膜受光素子10で受光することによって、低電圧かつ高感度で微弱光を検出できる。

0117

(2)有機薄膜受発光素子30の有機薄膜発光素子20は、基板上の2つの電極間に設置する有機発光層を備えることで形成するので、有機発光層にEL素子を用いることにより、近紫外線領域から近赤外線領域までの任意の波長の光を発光することができる。よって、被写体に応じた光を発光する有機薄膜受発光素子を提供することができる。

0118

(3)湿式薄膜形成方法によって、フレキシブル基板上に有機薄膜受発光素子30が製造されるので、被写体に応じた有機薄膜受発光素子を提供することができる。

0119

[第4実施形態]
図9は本発明の第4実施形態に係る有機薄膜受発光素子からなる脈拍センサーの説明に供する図である。

0120

有機薄膜受発光素子30を用いた脈拍センサーについて説明する。上記の有機薄膜受発光素子30の説明内容踏まえることにより、人体の手や足などの皮膚から直接、動脈血変動(脈動成分)を光学的に高感度で検出しうる脈拍センサーとして開発し、使用できることがわかる。図9は、フレキシブルな樹脂フィルムの基板5の同一面上に、有機薄膜受光素子10と有機薄膜発光素子20を設けた構成の脈拍センサーの概略図を示したものである。

0121

人体の指に脈拍センサーを装着し、有機薄膜発光素子20からの出射光を指の動脈血に照射し、その脈動成分を微弱反射光として有機薄膜受光素子10で検出できるようにしたものである。なお、脈拍センサーとして使用する際、有機薄膜発光素子20の発光波長は特に限定しないが、動脈血内のヘモグロビン吸収係数を十分考慮した上で選択する必要がある。そこで、本願は、高輝度発光が基本的に可能で、動脈血ヘモグロビンが比較的多く反射することが可能な、波長480nmの光を発光する有機ELを有機薄膜発光素子20として検討した。

0122

最後に、本発明の第4実施形態によれば次のような効果が挙げられる。

0123

(1)有機薄膜受発光素子30からなる脈拍センサーにより人体の指の動脈血変動を高感度で直接検出できる。

0124

[第5実施形態]
図10A〜Cは本発明の第5実施形態に係る有機薄膜受発光素子からなる脈拍センサーを用いた車両の説明に供する図である。

0125

図10Aは、多数、アレイ状に形成した有機薄膜受発光素子30を車両のステアリング40の表皮上に、つまりドライバーが運転する際に握る部分に設置した概略図である。ドライバーが曲面形状の車両のステアリング40のどこを握っても、有機薄膜発光素子20からの出射光(発光波長480nm)が手の平の動脈血ヘモグロビンに照射することができる。その脈動成分が微弱反射光として有機薄膜受光素子10で検出できるようにした車両の脈拍センサーである。なお、両素子ではいずれも有機トランジスタ機能を持ち合わせているため、手の平で握っていない受発光素子の部分では、発光および受光機能をOFFの状態に制御することが可能である。

0126

図10Bは、図10Aで示した有機薄膜受発光素子30の一部の実物写真である。図10Bで示す有機薄膜受発光素子30は、フレキシブルな樹脂の基板上へ、印刷手法を使って多数、アレイ状に形成したものである。

0127

図10Cは、図10Bで示した有機薄膜受発光素子30の拡大図である。アレイ状に形成した交差部分がそれぞれ有機薄膜受光素子10の領域と有機薄膜発光素子20の領域を示している。

0128

最後に、本発明の第5実施形態によれば次のような効果が挙げられる。

0129

(1)有機薄膜受発光素子30を使った脈拍センサーをステアリングに設置した車両は、ドライバーのステアリングを握った手から各種生体情報をリアルタイムに計測することができる。また、有機薄膜受発光素子30を使った脈拍センサーは、その握った手からの微弱光を有機薄膜受光素子10が検出するので、人体になんら悪影響を及ぼすことなく、安全に生体情報を検出できる。つまり、各種生体情報の疲労やストレス等の健康状態、さらには快適度等を検知する極めて有用なデバイスを設置した車両を提供することができる。さらに具体的には、ステアリングを握った際に、トランジスタからの信号で発光素子がONし、発光素子からの光が手の動脈血に入射し、反射して受光素子に戻ってくるというステップを踏む。次に、受光素子用のトランジスタは、発光素子からの光が出射したときだけ、受光素子がONとなるように制御される車両を提供することができる。

0130

0131

(実施例)
以下、本実施に関わる有機薄膜受発光素子について、実施例に基づいて具体的に説明するが、例示した実施例により本発明は限定されるものではない。

0132

(実施例1)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。以下、有機薄膜受光素子10と有機薄膜発光素子20の記載を説明の都合上、別個に記載するが、同一プロセスで両素子を形成できることは言うまでもない。

0133

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈された銅フタロシアニン(CuPc)溶液を100nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4とした。次に、金ナノ粒子分散溶液を使い、くし型形状(図6B参照)で厚みが20nmの第3の電極3を形成した。なお、くし型電極の寸法は、L1=100μm、L2=50μm、L3=50μmであった。以下、他の実施例においても寸法は同一である。さらに、その上に銅フタロシアニン(CuPc)溶液を再度、100nmの厚みで形成して覆うことにより、光導電性有機半導体層4を完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0134

なお、各層の形成にはいずれもインクジェット印刷法を用いた。

0135

(2)有機薄膜発光素子20
上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリフェニレンビニレン(PPV)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0136

(3)評価
作成した有機薄膜受発光素子30に関し、次の2特性を評価した。(1)有機薄膜発光素子20から出射される光のスペクトルピーク波長λmax、(2)有機薄膜発光素子20から発光輝度1,000cd/m2で被験体(アルミニウム標準反射板)へ出射された際の有機薄膜受光素子10における光誘起電流値(第3の電極電圧:V3=1V、5Vのとき)を計測した。なお、第1の電極1と第2の電極2の間に印加される電圧V12は、いずれも10V一定とした。以下の実施例の場合も同一である。また、各実施例及び比較例における有機薄膜受光素子10の受光感度併記する。表1にはこれら結果が示されている。

0137

(実施例2)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。

0138

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈された銅フタロシアニン(CuPc)溶液を100nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4とした。次に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)水分散溶液を使い、くし型形状で厚みが20nmの第3の電極3を形成した。さらに、その上に銅フタロシアニン(CuPc)溶液を再度、100nmの厚みで形成して覆うことにより、光導電性有機半導体層4を完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0139

(2)有機薄膜発光素子20
実施例1と同様に、上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリフェニレンビニレン(PPV)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0140

(実施例3)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。

0141

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈されたペリレン溶液を100nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4とした。次に、金ナノ粒子分散溶液を使い、くし型形状で厚みが20nmの第3の電極3を形成した。さらに、その上にペリレン溶液を再度、100nmの厚みで形成して覆うことにより、光導電性有機半導体層4を完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0142

(2)有機薄膜発光素子20
実施例1と同様に、上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリフェニレンビニレン(PPV)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0143

(実施例4)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。

0144

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈されたペリレン溶液を100nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4とした。次に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)水分散溶液を使い、くし型形状で厚みが20nmの第3の電極3を形成した。さらに、その上にペリレン溶液を再度、100nmの厚みで形成して覆うことにより、光導電性有機半導体層4を完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0145

(2)有機薄膜発光素子20
実施例1と同様に、上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリフェニレンビニレン(PPV)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0146

(実施例5)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。

0147

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈されたペリレン溶液を100nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4とした。次に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)水分散溶液を使い、くし型形状で厚みが20nmの第3の電極3を形成した。さらに、その上にペリレン溶液を再度、100nmの厚みで形成して覆うことにより、光導電性有機半導体層4を完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0148

(2)有機薄膜発光素子20
上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリトリフェニレン(PTP)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0149

(比較例1−1)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。

0150

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈された銅フタロシアニン(CuPc)溶液を200nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4として完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0151

(2)有機薄膜発光素子20
上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリフェニレンビニレン(PPV)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0152

(3)評価
作成した有機薄膜受発光素子30に関し、次の2特性を評価した。(1)有機薄膜発光素子20から出射される光のスペクトルピーク波長λmax、(2)有機薄膜発光素子20から発光輝度1,000cd/m2で被験体(アルミニウム標準反射板)へ出射された際の有機薄膜受光素子10における光誘起電流値を計測した。なお、第1の電極1と第2の電極2の間に印加される電圧V12は、いずれも10V一定とした。以下の比較例の場合も同一である。

0153

(比較例2−1)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。

0154

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈された銅フタロシアニン(CuPc)溶液を200nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4として完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0155

(2)有機薄膜発光素子20
比較例1−1と同様に、上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリフェニレンビニレン(PPV)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0156

(3)評価
比較例1−1と同様に、作成した有機薄膜受発光素子30に関し、次の2特性を評価した。(1)有機薄膜発光素子20から出射される光のスペクトルピーク波長λmax、(2)有機薄膜発光素子20から発光輝度1,000cd/m2で被験体(アルミニウム標準反射板)へ出射された際の有機薄膜受光素子10における光誘起電流値を計測した。

0157

(比較例3−1)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。

0158

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈されたペリレン溶液を200nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4として完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0159

(2)有機薄膜発光素子20
実施例1−1と同様に、上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリフェニレンビニレン(PPV)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0160

(3)評価
比較例1−1と同様に、作成した有機薄膜受発光素子30に関し、次の2特性を評価した。(1)有機薄膜発光素子20から出射される光のスペクトルピーク波長λmax、(2)有機薄膜発光素子20から発光輝度1,000cd/m2で被験体(アルミニウム標準反射板)へ出射された際の有機薄膜受光素子10における光誘起電流値を計測した。

0161

(比較例4−1)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。

0162

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈されたペリレン溶液を200nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4として完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0163

(2)有機薄膜発光素子20
比較例1−1と同様に、上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリフェニレンビニレン(PPV)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0164

(3)評価
比較例1−1と同様に、作成した有機薄膜受発光素子30に関し、次の2特性を評価した。(1)有機薄膜発光素子20から出射される光のスペクトルピーク波長λmax、(2)有機薄膜発光素子20から発光輝度1,000cd/m2で被験体(アルミニウム標準反射板)へ出射された際の有機薄膜受光素子10における光誘起電流値を計測した。

0165

(比較例5−1)
図8Aに示すように、有機薄膜受発光素子30を形成すべく、各層の材料として次のものを選択した。まず、厚み250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた基板5を準備した。

0166

(1)有機薄膜受光素子10
上記基板5上に、膜の厚みが100nmのアルミニウムを電極パターン(第1の電極1)として形成した。アルミニウム電極パターン(第1の電極1)上に、溶媒希釈されたペリレン溶液を200nmの厚みで形成し、光導電性有機半導体層4として完成した。最後に、有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極2を形成し、有機薄膜受光素子10を作製した。

0167

(2)有機薄膜発光素子20
上記アルミニウム電極パターン(第1の電極)上に、溶媒希釈されたポリトリフェニレン(PTV)溶液を100nmの厚みで形成し、有機発光層とした。引き続き、その上に有機透明導電膜のポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルフォン酸(PSS)を100nmの厚みで塗布して第2の電極を形成し、有機薄膜発光素子20を作製した。

0168

(3)評価
比較例1−1と同様に、作成した有機薄膜受発光素子30に関し、次の2特性を評価した。(1)有機薄膜発光素子20から出射される光のスペクトルピーク波長λmax、(2)有機薄膜発光素子20から発光輝度1,000cd/m2で被験体(アルミニウム標準反射板)へ出射された際の有機薄膜受光素子10における光誘起電流値を計測した。

0169

有機薄膜受光素子、その有機薄膜受光素子を用いた有機薄膜受発光素子、さらに、その有機薄膜受発光素子を用いた脈拍センサー、および、その脈拍センサーをステアリングに配設した車両により、低電圧で微弱光を高感度で検出できる。

図面の簡単な説明

0170

本発明の第1実施形態に係る有機薄膜受光素子構造を示す斜視図である。
本発明の第1実施形態に係る有機薄膜受光素子の電極が光透過性を有する領域を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る有機薄膜受光素子構造を示す概略図である。
本発明の第1実施形態に係る有機薄膜受光素子の第3の電極の印加電圧に対する光誘起電流−電圧特性グラフである。
第3の電極と光導電性有機半導体層の界面におけるエネルギーバンド構造を示す概略図である。
本発明の十字状構造をした第3の電極の形状を示す概略図である。
本発明のくし型状構造をした第3の電極の形状を示す概略図である。
本発明のメッシュ状構造をした第3の電極の形状を示す概略図である。
本発明の渦巻き状構造をした第3の電極の形状を示す概略図である。
本発明の第2実施形態に係る有機薄膜受光素子が、外部電圧を印加しない状態でも、強誘電性高分子樹脂による分極効果で内部電場を発生し、電界を形成することを示す概略図である。
本発明の第2実施形態に係る有機薄膜受光素子が、外部電圧を印加する状態では、強誘電性高分子樹脂による分極効果で内部電場を発生し、さらに強い電界を形成することを示す概略図である。
本発明の第3実施形態に係る有機薄膜受発光素子の概略図である。
本発明の第3実施形態に係る有機薄膜受発光素子による他の配置位置を示す概略図である。
本発明の第3実施形態に係る有機薄膜受発光素子による他の配置位置を示す概略図である。
本発明の第4実施形態に係る有機薄膜受発光素子を用いた脈拍センサーを示す概略図である。
本発明の第5実施形態に係る車両の、有機薄膜受発光素子を用いた脈拍センサーを車両のステアリング上に形成する概略図である。
本発明の第5実施形態に係る車両の、有機薄膜受発光素子のサンプルの写真である。
本発明の第5実施形態に係る車両の、有機薄膜受発光素子のサンプルの写真を拡大した概略図である。

符号の説明

0171

1 第1の電極、
2 第2の電極、
3 第3の電極、
4光導電性有機半導体層、
5基板、
6 第1の直流電圧、
7 第2の直流電圧、
10有機薄膜受光素子、
20有機薄膜発光素子、
30有機薄膜受発光素子、
40 車両のステアリング。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • ソニー株式会社の「 固体撮像素子および固体撮像装置」が 公開されました。( 2019/08/08)

    【課題】電気特性を向上させることが可能な固体撮像素子および固体撮像装置を提供する。【解決手段】本開示の一実施形態の固体撮像素子は、対向配置された下部電極および上部電極と、下部電極と上部電極との間に設け... 詳細

  • パナソニックIPマネジメント株式会社の「 光電変換装置およびコネクタ」が 公開されました。( 2018/08/02)

    【課題】コネクタを大型にすることなく、光ファイバ心線の断線の可能性を低減させる光電変換装置を提供する。【解決手段】光電変換装置1は、コネクタ2と、光ファイバ3とを備える。コネクタ2は、ハウジング6と、... 詳細

  • 株式会社三技協の「 光通信装置」が 公開されました。( 2018/07/05)

    【課題】送信系統において発光素子から送信側レンズまでの距離(光路長)を長くすることにより、優れたSNRを達成しつつ小型化を図ることができる光通信装置を提供する。【解決手段】光通信装置(1)は、発光素子... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ