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技術 ユニバーサルデザイン総合評価装置

出願人 清水建設株式会社
発明者 沢田英一
出願日 2007年8月9日 (13年4ヶ月経過) 出願番号 2007-208658
公開日 2009年2月12日 (11年10ヶ月経過) 公開番号 2009-032215
状態 拒絶査定
技術分野 特定用途計算機
主要キーワード 遮断帯 防災性能 空き家 医療施設用 区域分け 全評価点 車寄せ 総合指標
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年2月12日)のものです。
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図面 (14)

課題

複数の施設用途別に建築物ユニバーサルデザイン度を総合的に評価することができることを目的とする。

解決手段

本発明にかかるUD総合評価装置1は、各種情報を入力する入力部2と、建築物のUDの評価項目群を設定する項目設定部7aと、建築物のUD度を総合的に評価する評価処理部7cと、建築物のUD総合評価結果を出力する表示部3とを備える。入力部2は、所望の建築物の施設用途を選択する選択情報と該選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するUDの評価点情報とを入力する。項目設定部7aは、前記選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するUDの評価項目群を選択的に設定する。評価処理部7cは、前記評価項目群内の評価項目毎に入力部2が入力した前記評価点情報をもとに、前記評価項目群内の各評価項目項目別総合評価点を算出する。

概要

背景

従来から、障害者または高齢者等を含む全ての人にとって利用し易い建築物デザイン、所謂ユニバーサルデザイン(以下、UDという場合がある)をどの程度取り入れた建築物であるか、すなわち建築物のUD度は、建築物の重要な性能の1つであり、UDの観点から建築物の性能を総合的に評価する上で重要視されている。ところで、従来の技術には、複数の機能項目毎に建築物の性能を評価して、事務所等の特定の建築物全体の性能を評価する建物性能総合評価ステムがある(特許文献1参照)。また、建築物の総合的な環境性能を評価する手法が提案されている(非特許文献1参照)。

特開2004−157788号公報
著者伊香賀俊治、その他6名 「建築物の総合環境性能評価手法に関する研究(その3)」日本建築学大会学術講演梗概集1047頁−1048頁 2002年8月

概要

複数の施設用途別に建築物のユニバーサルデザイン度を総合的に評価することができることを目的とする。本発明にかかるUD総合評価装置1は、各種情報を入力する入力部2と、建築物のUDの評価項目群を設定する項目設定部7aと、建築物のUD度を総合的に評価する評価処理部7cと、建築物のUD総合評価結果を出力する表示部3とを備える。入力部2は、所望の建築物の施設用途を選択する選択情報と該選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するUDの評価点情報とを入力する。項目設定部7aは、前記選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するUDの評価項目群を選択的に設定する。評価処理部7cは、前記評価項目群内の評価項目毎に入力部2が入力した前記評価点情報をもとに、前記評価項目群内の各評価項目項目別総合評価点を算出する。

目的

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の施設用途別に建築物のユニバーサルデザイン度を総合的に評価することができるユニバーサルデザイン総合評価装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

所望の建築物施設用途を選択する選択情報と該選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するユニバーサルデザイン評価点情報とを入力する入力手段と、前記選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するユニバーサルデザインの評価項目群を設定する項目設定手段と、前記評価項目群内の評価項目毎に前記入力手段が入力した前記評価点情報をもとに、前記評価項目群内の各評価項目項目別総合評価点を算出する評価処理手段と、前記評価処理手段によって算出された前記各評価項目の項目別総合評価点を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とするユニバーサルデザイン総合評価装置

請求項2

前記入力手段は、街区全体または歩道属性情報と前記街区全体または前記歩道に関するユニバーサルデザインの評価点情報とを入力し、前記項目設定手段は、前記属性情報によって選択される前記街区全体または前記歩道に関するユニバーサルデザインの評価項目群を設定し、前記評価処理手段は、前記評価項目群内の評価項目毎に前記入力手段が入力した前記評価点情報をもとに、前記街区全体または前記歩道に関する各評価項目の項目別総合評価点を算出し、前記出力手段は、前記評価処理手段によって算出された前記街区全体または前記歩道に関する各評価項目の項目別総合評価点を出力することを特徴とする請求項1に記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

請求項3

前記評価処理手段は、前記評価項目群内の評価項目毎に前記評価点情報の合計得点を算出し、この算出した合計得点を所定のレンジ内の数値に変換して前記項目別総合評価点を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

請求項4

建築物の施設用途別に異なる複数種類のユニバーサルデザインの評価項目群を記憶する記憶手段を備え、前記項目設定手段は、前記複数種類のユニバーサルデザインの評価項目群の中から前記選択情報に対応する施設用途の建築物に関するユニバーサルデザインの評価項目群を選択し、この選択した評価項目群を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

請求項5

前記項目設定手段は、前記選択情報によって選択される施設用途の建築物のユニバーサルデザインに関する上位評価項目群と該上位評価項目群の下位に属する下位評価項目群とを含む階層構造の前記評価項目群を設定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

請求項6

前記評価項目群の同一階層内に含まれる各評価項目間の重み付けを行う重み係数を評価項目毎に算出する係数算出手段を備え、前記評価処理手段は、前記下位評価項目群内の各評価項目の項目別総合評価点と該各評価項目の重み係数とをそれぞれ乗算した各乗算値を合計して、前記上位評価項目群内の各評価項目の項目別総合評価点を算出することを特徴とする請求項5に記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

請求項7

前記評価処理手段は、前記上位評価項目群内の各評価項目の項目別総合評価点と該各評価項目の重み係数とをそれぞれ乗算した各乗算値を合計して、前記選択情報によって選択される施設用途の建築物のユニバーサルデザイン総合評価点を算出することを特徴とする請求項6に記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

請求項8

前記評価処理手段によって算出された前記ユニバーサルデザイン総合評価点をグラフ化するグラフ化処理手段を備え、前記出力手段は、前記グラフ化処理手段によってグラフ化された前記ユニバーサルデザイン総合評価点のグラフを出力することを特徴とする請求項7に記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

請求項9

前記グラフ化処理手段は、前記評価処理手段によって算出された前記各評価項目の項目別総合評価点をグラフ化し、前記出力手段は、前記グラフ化処理手段によってグラフ化された前記各評価項目の項目別総合評価点のグラフを出力することを特徴とする請求項8に記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

請求項10

ユニバーサルデザインの事例データベースを有する外部のサーバネットワークを介してデータ通信する通信手段と、前記通信手段を制御して前記外部のサーバにアクセスし、このアクセスした前記外部サーバの前記事例データベースの中から所望の事例データ検索し、検索した該事例データを前記出力手段に出力させる検索制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

請求項11

前記外部のサーバによる前記事例データベースの生成に必要なデータを入力するデータ入力手段を備え、前記評価処理手段は、前記データ入力手段が入力した前記必要なデータに関連した前記評価項目群内の評価項目と前記必要なデータとを対応付け、前記通信手段は、前記評価処理手段が対応付けた少なくとも前記評価項目と前記必要なデータとを前記外部のサーバに送信することを特徴とする請求項10に記載のユニバーサルデザイン総合評価装置。

技術分野

背景技術

0002

従来から、障害者または高齢者等を含む全ての人にとって利用し易い建築物のデザイン、所謂ユニバーサルデザイン(以下、UDという場合がある)をどの程度取り入れた建築物であるか、すなわち建築物のUD度は、建築物の重要な性能の1つであり、UDの観点から建築物の性能を総合的に評価する上で重要視されている。ところで、従来の技術には、複数の機能項目毎に建築物の性能を評価して、事務所等の特定の建築物全体の性能を評価する建物性能総合評価システムがある(特許文献1参照)。また、建築物の総合的な環境性能を評価する手法が提案されている(非特許文献1参照)。

0003

特開2004−157788号公報
著者伊香賀俊治、その他6名 「建築物の総合環境性能評価手法に関する研究(その3)」日本建築学大会学術講演梗概集1047頁−1048頁 2002年8月

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上述した従来の技術は、UDの観点から建築物を評価するものではないため、建築物のUD度を総合的に評価することが困難である。また、事務所(オフィス)等の特定の建築物に限らず、複数の施設用途別に建築物のUD度を総合的に評価できることが要望されている。

0005

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の施設用途別に建築物のユニバーサルデザイン度を総合的に評価することができるユニバーサルデザイン総合評価装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、所望の建築物の施設用途を選択する選択情報と該選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するユニバーサルデザインの評価点情報とを入力する入力手段と、前記選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するユニバーサルデザインの評価項目群を設定する項目設定手段と、前記評価項目群内の評価項目毎に前記入力手段が入力した前記評価点情報をもとに、前記評価項目群内の各評価項目項目別総合評価点を算出する評価処理手段と、前記評価処理手段によって算出された前記各評価項目の項目別総合評価点を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。

0007

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、前記入力手段は、街区全体または歩道属性情報と前記街区全体または前記歩道に関するユニバーサルデザインの評価点情報とを入力し、前記項目設定手段は、前記属性情報によって選択される前記街区全体または前記歩道に関するユニバーサルデザインの評価項目群を設定し、前記評価処理手段は、前記評価項目群内の評価項目毎に前記入力手段が入力した前記評価点情報をもとに、前記街区全体または前記歩道に関する各評価項目の項目別総合評価点を算出し、前記出力手段は、前記評価処理手段によって算出された前記街区全体または前記歩道に関する各評価項目の項目別総合評価点を出力することを特徴とする。

0008

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、前記評価処理手段は、前記評価項目群内の評価項目毎に前記評価点情報の合計得点を算出し、この算出した合計得点を所定のレンジ内の数値に変換して前記項目別総合評価点を算出することを特徴とする。

0009

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、建築物の施設用途別に異なる複数種類のユニバーサルデザインの評価項目群を記憶する記憶手段を備え、前記項目設定手段は、前記複数種類のユニバーサルデザインの評価項目群の中から前記選択情報に対応する施設用途の建築物に関するユニバーサルデザインの評価項目群を選択し、この選択した評価項目群を設定することを特徴とする。

0010

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、前記項目設定手段は、前記選択情報によって選択される施設用途の建築物のユニバーサルデザインに関する上位評価項目群と該上位評価項目群の下位に属する下位評価項目群とを含む階層構造の前記評価項目群を設定することを特徴とする。

0011

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、前記評価項目群の同一階層内に含まれる各評価項目間の重み付けを行う重み係数を評価項目毎に算出する係数算出手段を備え、前記評価処理手段は、前記下位評価項目群内の各評価項目の項目別総合評価点と該各評価項目の重み係数とをそれぞれ乗算した各乗算値を合計して、前記上位評価項目群内の各評価項目の項目別総合評価点を算出することを特徴とする。

0012

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、前記評価処理手段は、前記上位評価項目群内の各評価項目の項目別総合評価点と該各評価項目の重み係数とをそれぞれ乗算した各乗算値を合計して、前記選択情報によって選択される施設用途の建築物のユニバーサルデザイン総合評価点を算出することを特徴とする。

0013

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、前記評価処理手段によって算出された前記ユニバーサルデザイン総合評価点をグラフ化するグラフ化処理手段を備え、前記出力手段は、前記グラフ化処理手段によってグラフ化された前記ユニバーサルデザイン総合評価点のグラフを出力することを特徴とする。

0014

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、前記グラフ化処理手段は、前記評価処理手段によって算出された前記各評価項目の項目別総合評価点をグラフ化し、前記出力手段は、前記グラフ化処理手段によってグラフ化された前記各評価項目の項目別総合評価点のグラフを出力することを特徴とする。

0015

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、ユニバーサルデザインの事例データベースを有する外部のサーバネットワークを介してデータ通信する通信手段と、前記通信手段を制御して前記外部のサーバにアクセスし、このアクセスした前記外部サーバの前記事例データベースの中から所望の事例データ検索し、検索した該事例データを前記出力手段に出力させる検索制御手段と、を備えたことを特徴とする。

0016

また、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、上記の発明において、前記外部のサーバによる前記事例データベースの生成に必要なデータを入力するデータ入力手段を備え、前記評価処理手段は、前記データ入力手段が入力した前記必要なデータに関連した前記評価項目群内の評価項目と前記必要なデータとを対応付け、前記通信手段は、前記評価処理手段が対応付けた少なくとも前記評価項目と前記必要なデータとを前記外部のサーバに送信することを特徴とする。

発明の効果

0017

本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、建築物の施設用途を選択する選択情報を入力手段によって入力し、この入力した選択情報に対応する施設用途の建築物に関するUDの評価項目群を項目設定手段によって選択的に設定し、この設定したUDの評価項目群内の評価項目毎に、UD度の総合的な評価結果を示す項目別総合評価点を評価処理手段によって算出するように構成している。このため、オフィスに限らず、医療施設および商業施設等の複数種類の施設用途の建築物のUD度を施設用途別に容易に総合評価することができるUD総合評価装置を実現できるという効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0018

以下、図面を参照しつつ、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

0019

(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置(UD総合評価装置)の一構成例を示すブロック図である。図1に示すように、この実施の形態1にかかるUD総合評価装置1は、建築物のUDの評価点等の各種情報を入力する入力部2と、建築物のUD総合評価結果等を表示する表示部3と、建築物のUD総合評価結果等を記録媒体に記録するドライブ4と、建築物のUD総合評価結果等をプリント出力するプリンタ5と、建築物のUD総合評価に関する各種データを記憶する記憶部6と、かかるUD総合評価装置1の各構成部を制御する制御部7とを備える。

0020

入力部2は、キーボードおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、ユーザによる入力操作によって、制御部7に各種情報および各種データを入力する。かかる入力部2が制御部7に入力する情報として、例えば、UD評価対象の建築物の施設用途を選択する選択情報、この選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するUDの評価点情報、および制御部7に対して指示する指示情報等が挙げられる。また、かかる入力部2が制御部7に入力するデータとして、例えば、建築物のUD総合評価を行うための各評価項目と評価項目毎の評価尺度とを含む評価シートデータ、建築物の施設用途別に異なる複数種類のUDの評価項目群を含む評価項目データ、およびこの評価項目データ内の各評価項目の重要度を規定するための一対比較データ等が挙げられる。

0021

表示部3は、CRTディスプレイまたは液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイを用いて実現され、制御部7によって表示指示された各種データ等を表示する。具体的には、表示部3は、上述した施設用途の選択情報またはUDの評価点情報等を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。また、表示部3は、この選択情報によって選択された施設用途の建築物のUD総合評価結果等を表示する。すなわち、表示部3は、建築物のUD総合評価結果を出力する出力手段の一例である。

0022

ドライブ4は、可搬型の記録媒体を着脱可能に挿着され、制御部7によって記録指示された各種データ等をこの記録媒体内に記録する。具体的には、ドライブ4は、上述した選択情報によって選択される施設用途の建築物のUD総合評価結果等を記録媒体内に記録する。かかるドライブ4によって記録媒体内に記録されたUD総合評価結果は、この記録媒体を媒介して外部に出力される。すなわち、ドライブ4は、建築物のUD総合評価結果を出力する出力手段の一例である。一方、ドライブ4は、制御部7によって読取指示された各種データ等をこの記録媒体から読み取り、この読み取ったデータ等を制御部7に転送する。かかるドライブ4は、上述した評価シートデータ、評価項目データ、および一対比較データ等を記録媒体から読み取り、入力部2の代わりに、これらのデータを制御部7に転送(入力)してもよい。なお、かかるドライブ4に着脱可能に挿着される記録媒体として、例えば、フレキシブルディスクCD−ROMMOディスクDVDディスク光磁気ディスク、またはICカード等が挙げられる。

0023

プリンタ5は、制御部7によってプリント指示された各種データ等を紙またはフィルム等の印刷媒体にプリント出力する。具体的には、プリンタ5は、上述した選択情報によって選択される施設用途の建築物のUD総合評価結果等を所望の印刷媒体にプリント出力する。すなわち、プリンタ5は、建築物のUD総合評価結果を出力する出力手段の一例である。

0024

記憶部6は、RAM、EEPROM、またはハードディスク等の記録媒体を用いて実現され、制御部7によって記憶指示された各種データ等を記憶し、制御部7によって読み出し指示された記憶データを制御部7に送信する。かかる記憶部6は、評価項目データ6a、一対比較データ6b、重み係数データ6c、および評価シートデータ6dを記憶する。

0025

評価項目データ6aは、建築物の施設用途別に異なる複数種類のUDの評価項目群を含むデータである。かかる評価項目データ6aは、複数種類のUDの評価項目群として、例えば、施設用途が事務所である建築物に関するUDの評価項目群を含むオフィス用データD1と、施設用途が医療施設である建築物に関するUDの評価項目群を含む医療施設用データD2と、施設用途が商業施設である建築物に関するUDの評価項目群を含む商業施設用データD3とを含む。かかる評価項目データ6aに含まれるUDの評価項目群、すなわち、オフィス用データD1内の評価項目群、医療施設用データD2内の評価項目群、および商業施設用データD3内の評価項目群は、建築物のUDに関する上位評価項目群と、この上位評価項目群の下位に属する下位評価項目群とを含む階層構造の評価項目群である。なお、かかる評価項目群の階層構造については、後述する。

0026

一対比較データ6bは、評価項目データ6a内に含まれる階層構造の評価項目群における同一階層内の各評価項目を一対比較した結果を示すデータであり、かかる同一階層内の各評価項目間の重み付けを行う重み係数をAHP法(階層分析法)に基づいて評価項目毎に算出するためのデータ(例えば一対比較行列等)を含む。重み係数データ6cは、この一対比較データ6bを用いて算出された各評価項目の重み係数を含むデータである。評価シートデータ6dは、上述した入力部2によって入力される各評価項目の評価点情報の規準となるデータであり、建築物のUD総合評価を行うための各評価項目と評価項目毎の評価尺度とを含む。かかる評価シートデータ6dの詳細については、後述する。

0027

制御部7は、処理プログラムを実行するCPUと、CPUが実行する処理プログラム等が予め記録されたROMと、各処理の演算パラメータ等を一時的に記憶するRAMとを用いて実現され、UD総合評価装置1の各構成部を制御する。具体的には、制御部7は、入力部2、表示部3、ドライブ4、プリンタ5、および記憶部6をそれぞれ制御し、且つこれら各構成部との間の信号の入出力を制御する。かかる制御部7は、入力部2によって入力された指示情報に基づいて、表示部3、ドライブ4、プリンタ5、および記憶部6の各動作を制御する。例えば、制御部7は、入力部2によって入力された指示情報に基づいて、建築物のUD総合評価結果を表示部3に表示出力させ、ドライブ4の記録媒体内に建築物のUD総合評価結果を記録させ、または建築物のUD総合評価結果をプリンタ5にプリント出力させる。また、制御部7は、入力部2によって入力された各種データ等を記憶部6に記憶させる。

0028

また、制御部7は、建築物のUDの評価項目群を設定する項目設定部7aと、UDの各評価項目間の重み付けを行う重み係数を算出する係数算出部7bと、建築物のUD度を総合的に評価する評価処理部7cと、建築物のUD総合評価結果をグラフ化するグラフ化処理部7dとを有する。

0029

項目設定部7aは、建築物の施設用途別に異なる複数種類のUDの評価項目群の中からUD評価対象の施設用途の建築物に関するUDの評価項目群を選択し、この選択した評価項目群を設定する。具体的には、項目設定部7aは、上述した入力部2が入力した選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するUDの評価項目群を記憶部6内の評価項目データ6aの中から選択する。この場合、項目設定部7aは、この評価項目データ6aに含まれるオフィス用データD1、医療施設用データD2、および商業施設用データD3の中から、この選択情報に対応する施設用途の建築物に関するUDの評価項目群を選択する。項目設定部7aは、このように選択した評価項目群をUD評価対象の建築物の評価項目群として設定する。

0030

係数算出部7bは、項目設定部7aによって設定されたUDの評価項目群における同一階層内の各評価項目間の重み付けを行う重み係数を評価項目毎に算出する。この場合、係数算出部7bは、記憶部6内の一対比較データ6bを用い、AHP法に基づいて各評価項目の重み係数を算出する。なお、制御部7は、かかる係数算出部7bによって算出された各評価項目の重み係数を重み係数データ6cとして記憶部6に記憶させる。

0031

評価処理部7cは、入力部2によって入力された選択情報に対応する施設用途の建築物のUD度を総合的に評価するための各種演算処理を行う。具体的には、評価処理部7cは、項目設定部7aが設定した評価項目群内の評価項目毎に入力部2が入力した評価点情報をもとに、この評価項目群内の各評価項目の項目別総合評価点を算出する。なお、かかる評価処理部7cが評価項目別に算出する項目別総合評価点は、上述した入力部2からの選択情報によって選択される施設用途の建築物(すなわちUD評価対象の建築物)のUD度を総合的に評価した結果(UD総合評価結果)を示すデータの一つであり、このUD評価対象の建築物の性能および機能等をUDの観点から多面的に評価した結果を評価項目別に示す数値データである。また、評価処理部7cは、かかる各評価項目の項目別総合評価点と上述した係数算出部7bが算出した各評価項目の重み係数とをもとに、このUD評価対象の建築物の総合指標UDindexを算出する。この総合指標UDindexは、UD評価対象の建築物のUD度を総合的に評価したUD総合評価結果を示すデータの一つであり、この建築物のUD評価の総合評価点を示す数値データである。

0032

グラフ化処理部7dは、評価処理部7cによって評価処理された建築物のUD総合評価結果をグラフ化する。具体的には、グラフ化処理部7dは、UD評価対象の建築物の評価項目毎に評価処理部7cが算出した各項目別総合評価点を棒グラフまたはレーダチャート等のグラフ形式にグラフ化処理する。また、グラフ化処理部7dは、評価処理部7cが算出した総合指標UDindexを所定のグラフ形式にグラフ化処理する。

0033

つぎに、上述した項目設定部7aによって施設用途別に設定される建築物のUDの評価項目群について詳細に説明する。図2は、建築物の施設用途別に異なるUDの評価項目群の階層構造の一例を示す模式図である。なお、図2には、建築物の施設用途がオフィスである場合のUDの評価項目群の階層構造が例示されている。

0034

図2に示すように、UD評価対象の建築物の評価項目群は、UDの観点から建築物を総合的に評価するための各種評価項目を階層的に連結した階層構造を有し、この階層構造の各階層として、建築物の評価項目を大きく区分けした大項目と、かかる大項目の下位に属する中項目と、かかる中項目の下位に属する小項目と、かかる小項目の下位に属する細項目とを有する。すなわち、かかる評価項目群の階層構造は、建築物のUDに関する上位評価項目群である大項目と、この上位評価項目群の下位に属する下位評価項目群である中項目、小項目、および細項目とを含む。

0035

具体的には、かかる評価項目群のうちの大項目は、UDの観点から建築物の物的環境を評価するための評価項目である「全体計画」および「機能別計画」と、UDの観点から建築物の運営および維持を評価するための評価項目である「運営・維持」とを含む。かかる大項目のうち、「全体計画」の下位には、UDの観点から建築物内区域分けを評価するための評価項目である「ゾーニング」と、UDの観点から建築物内の区域の配置を評価するための評価項目である「レイアティング」とが中項目として属する。一方、「機能別計画」の下位には、建築物の敷地内において不特定多数のユーザが利用する区域をUDの観点から評価するための評価項目である「パブリックゾーン」と、建築物の敷地内において特定のユーザが利用する区域をUDの観点から評価するための評価項目である「プライベートゾーン」とが中項目として属する。なお、ここでいう特定のユーザとは、上述した選択情報によって選択される施設用途の建築物を通常利用するユーザであり、具体的には、オフィスの職員、医療施設の職員、または商業施設の職員等である。

0036

また、かかる中項目のうち、「パブリックゾーン」の下位には、不特定多数のユーザが利用する建築物の外構動線共用部、および専有部をUDの観点から各々評価するための評価項目である「外構」、「動線」、「共用部」、および「専有部」が小項目として属する。一方、「プライベートゾーン」の下位には、特定のユーザが利用する建築物の外構、動線、共用部、および専有部をUDの観点から各々評価するための評価項目である「外構」、「動線」、「共用部」、および「専有部」が小項目として属する。

0037

さらに、かかる「パブリックゾーン」の下位に属する小項目のうち、「外構」の下位には、建築物の敷地出入口敷地内通路駐車場、および駐車場からの歩道をUDの観点から各々評価するための評価項目である「敷地出入口」、「敷地内通路」、「駐車場」、および「駐車場からの歩道」が細項目として属し、「動線」の下位には、建築物の廊下階段エレベータ、およびエスカレータをUDの観点から各々評価するための評価項目である「廊下」、「階段」、「エレベータ」、および「エスカレータ」が細項目として属する。一方、「共用部」の下位には、建築物の車寄せ建物出入口エントランスホール待合スペース、およびトイレをUDの観点から各々評価するための評価項目である「車寄せ」、「建物出入口」、「エントランスホール」、「待合スペース」、および「トイレ」が細項目として属し、「専有部」の下位には、建築物の会議室応接室、および受付をUDの観点から各々評価するための評価項目である「会議室」、「応接室」、および「受付」が細項目として属する。

0038

また、上述した「プライベートゾーン」の下位に属する小項目のうち、「外構」の下位には、建築物の職員用駐車場および職員用駐車場からの歩道をUDの観点から各々評価するための評価項目である「職員用駐車場」および「職員用駐車場からの歩道」が細項目として属し、「動線」の下位には、建築物の廊下、階段、および職員用エレベータをUDの観点から各々評価するための評価項目である「廊下」、「階段」、および「職員用エレベータ」が細項目として属する。一方、「共用部」の下位には、建築物の倉庫湯沸室、トイレ、職員通用口施設管理室、およびメールセンタをUDの観点から各々評価するための評価項目である「倉庫」、「湯沸室」、「トイレ」、「職員通用口」、「施設管理室」、および「メールセンタ」が細項目として属し、「専有部」の下位には、建築物の執務室、社員食堂サーバールーム、会議室(打ち合わせスペース)、更衣室、およびリフレッシュルームをUDの観点から各々評価するための評価項目である「執務室」、「社員食堂」、「サーバールーム」、「会議室(打ち合わせスペース)」、「更衣室」、および「リフレッシュルーム」が細項目として属する。

0039

なお、図2に示す階層構造の評価項目群は、施設用途がオフィスである建築物(以下、オフィス用途の建築物という)の評価項目群の一例であり、かかるオフィス用途の建築物の評価項目群に含まれる各評価項目は、図2に示したものに限らず、UDの観点からオフィスを総合的に評価するに適した所望の評価項目であればよい。

0040

また、かかるオフィス用途の建築物の評価項目群のうち、「パブリックゾーン」の下位に属する「共用部」および「専有部」と、「プライベートゾーン」の下位に属する「共用部」および「専有部」とは、施設用途(オフィス)に特有な評価項目である。したがって、施設用途が医療施設である建築物(以下、医療用途の建築物という)の評価項目群は、図2に示す小項目のうちの「共用部」および「専有部」に代えて医療施設に特有な評価項目である「外来部門」、「病棟部門」、「診療部門」、「管理部門」、および「供給部門」を有する。この場合、かかる医療施設に特有な小項目の下位には、「外来部門」、「病棟部門」、「診療部門」、「管理部門」、および「供給部門」を各々細分化した各評価項目が細項目として属してもよい。一方、施設用途が商業施設である建築物(以下、商業用途の建築物という)の評価項目群は、図2に示す小項目のうちの「共用部」および「専有部」に代えて商業施設に特有な評価項目である「商品部門」および「事務管理部門」を有する。この場合、かかる商業施設に特有な小項目の下位には、「商品部門」および「事務管理部門」を各々細分化した各評価項目が細項目として属してもよい。

0041

ここで、上述した項目設定部7aは、入力部2が入力した選択情報によって選択される施設用途がオフィスである場合、記憶部6内のオフィス用データD1をもとに、図2に示したオフィス用途の建築物の評価項目群をUD評価対象の建築物の評価項目群として設定する。一方、項目設定部7aは、入力部2が入力した選択情報によって選択される施設用途が医療施設である場合、記憶部6内の医療施設用データD2をもとに、上述した医療用途の建築物の評価項目群をUD評価対象の建築物の評価項目群として設定し、この選択情報によって選択される施設用途が商業施設である場合、記憶部6内の商業施設用データD3をもとに、上述した商業用途の建築物の評価項目群をUD評価対象の建築物の評価項目群として設定する。

0042

つぎに、オフィス用途の建築物の評価項目群に含まれる細項目のうちの「敷地出入口」に関する評価シートデータを具体的に例示して、上述した記憶部6内の評価シートデータ6dについて詳細に説明する。図3は、評価シートデータ6dの一具体例を模式的に示す模式図である。

0043

評価シートデータ6dは、上述したように、入力部2によって入力される各評価項目の評価点情報の規準となるデータであり、建築物のUD総合評価を行うための各評価項目と評価項目毎の評価尺度とを含む。具体的には、図3に示すように、評価シートデータ6dのうちの「敷地出入口」に関する評価シートデータは、「敷地出入口」に関する各種評価項目と、これら各種評価項目の各々について入力される評価点情報の規準となる評価尺度とを含む。かかる評価尺度は、評価項目に応じて最大5段階に設定される。なお、この5段階の評価点(レベル)のうち、評価点「3」は、現状において一般的な技術・社会水準に相当するレベルとして設定され、評価点「1」は、建築基準法等の最低限の必須条件満足するレベルとして設定され、評価点「5」は、現状において最高の技術・社会水準に相当するレベルとして設定される。また、評価点「2」は、かかる評価点「1」と評価点「3」との中間のレベルとして設定され、評価点「4」は、かかる評価点「3」と評価点「5」との中間のレベルとして設定される。

0044

また、かかる「敷地出入口」の評価シートデータは、図3に示すように、最大5段階の評価点に対応して評価項目毎に設定された評価結果を含む。例えば、「敷地出入口」の評価シートデータは、評価項目「人と車との出入り口の分離」の評価結果として、評価点「1」に対応する評価結果「分離していない」と、評価点「3」に対応する評価結果「分離している」とを含む。ここで、かかる評価シートデータに設定された各評価結果は、入力部2が評価点情報を入力する際にユーザによって評価項目毎に選択される。この場合、ユーザは、UD評価対象の建築物に該当する評価結果を評価シートデータの中から選択する。かかる評価シートデータ内の評価項目毎に選択された各評価点は、評価点情報として入力部2によって入力される。すなわち、入力部2は、かかる評価シートデータ内の評価項目毎に選択された各評価結果の評価点を評価点情報として制御部7に順次入力する。例えば、UD評価対象の建築物の敷地出入口において人と車との出入り口の分離がなされていない場合、入力部2は、評価結果「分離していない」に対応する評価点「1」を示す評価点情報を選択的に入力し、人と車との出入り口の分離がなされている場合、入力部2は、評価結果「分離している」に対応する評価点「3」を示す評価点情報を選択的に入力する。

0045

かかる各評価項目と評価項目毎の評価尺度とを含む「敷地出入口」の評価シートデータは、上述した評価シートデータ6dの一部として記憶部6に記憶される。すなわち、評価シートデータ6dは、各施設用途の建築部の評価項目群内の各評価項目のうちの下位の階層に評価項目を有していない評価項目(以下、末端評価項目という)毎に、図3に例示した「敷地出入口」の評価シートデータと略同様な形式の評価シートデータを含む。なお、建築物の評価項目群が上述した図2に示した階層構造を有する場合、かかる評価項目群のうちの末端評価項目は、下位の階層に評価項目を有していない「運営・維持」、「ゾーニング」、「レイアウティング」、および細項目内の全評価項目である。

0046

つぎに、本発明の実施の形態1にかかるUD総合評価装置1の動作について説明する。図4は、施設用途別に建築物のUD総合評価を行う際の制御部7の処理手順を例示するフローチャートである。制御部7は、施設用途別に建築物のUDを総合的に評価する場合、UD評価対象の建築物に関するUDの評価項目群を設定し、この設定したUDの評価項目群についてUDの評価処理を行って、この建築物のUD総合評価結果を生成する。

0047

具体的には、図4に示すように、制御部7は、まず、UD評価対象の建築物の施設用途を選択する選択情報の入力受付を行う(ステップS101)。このステップS101において、制御部7は、かかる施設用途の選択情報を入力するためのGUIとユーザに対して選択情報の入力を促すメッセージ等の情報とを表示部3に表示させる。

0048

つぎに、制御部7は、かかる施設用途の選択情報が入力されたか否かを判断する(ステップS102)。このステップS102において、制御部7は、施設用途の選択情報を入力部2から取得していなければ、選択情報の入力なしと判断し(ステップS102,No)、このステップS102の処理手順を繰り返す。一方、制御部7は、入力部2によって入力された施設用途の選択情報を取得した場合、選択情報の入力ありと判断し(ステップS102,Yes)、この選択情報によって選択される施設用途の建築物の評価項目群を設定する(ステップS103)。

0049

このステップS103において、項目設定部7aは、入力部2が入力した選択情報によって選択される施設用途の建築物に関するUDの評価項目群を記憶部6内の評価項目データ6aの中から選択し、この選択した評価項目群をUD評価対象の建築物の評価項目群として設定する。具体的には、項目設定部7aは、この施設用途の選択情報によってオフィスが選択された場合、評価項目データ6a内のオフィス用データD1をもとに、オフィス用途の建築物に関するUDの評価項目群(図2参照)を設定する。一方、項目設定部7aは、この施設用途の選択情報によって医療施設が選択された場合、評価項目データ6a内の医療施設用データD2をもとに、医療用途の建築物に関するUDの評価項目群を設定し、商業施設が選択された場合、評価項目データ6a内の商業施設用データD3をもとに、商業用途の建築物に関するUDの評価項目群を設定する。

0050

つぎに、制御部7は、ステップS103において設定した評価項目群内の全評価項目の重み係数を算出する(ステップS104)。このステップS104において、係数算出部7bは、評価項目群内の階層毎に設定された各評価項目の一対比較行列等の一対比較データ6bを用い、AHP法に基づいて各評価項目の重み係数Wh,Whi,Whij,Whijk(h,i,j,k;整数)を算出する。なお、重み係数Whは、この評価項目群内の大項目の階層内に含まれる各評価項目間の重み付けを行う重み係数であり、重み係数Whiは、この評価項目群内の中項目の階層内に含まれる各評価項目間の重み付けを行う重み係数である。また、重み係数Whijは、この評価項目群内の小項目の階層内に含まれる各評価項目間の重み付けを行う重み係数であり、重み係数Whijkは、この評価項目群内の細項目の階層内に含まれる各評価項目間の重み付けを行う重み係数である。

0051

その後、制御部7は、UD評価対象の建築物の評価項目群内の全評価項目についてUDの評価処理を行い(ステップS105)、このUD評価対象の建築物に関するUDの総合指標UDindexを算出する(ステップS106)。具体的には、評価処理部7cは、このステップS105において、上述した係数算出部7bが算出した各評価項目の重み係数Wh,Whi,Whij,Whijkと入力部2が入力した各評価点情報とをもとに全評価項目の項目別総合評価点を算出し、このステップS106において、大項目内の各評価項目の項目別総合評価点と重み係数Whとをもとに総合指標UDindexを算出する。

0052

つぎに、制御部7は、このUD評価対象の建築物のUD総合評価結果をグラフ化し(ステップS107)、このUD総合評価結果のグラフを出力する(ステップS108)。このステップS107において、グラフ化処理部7dは、評価項目毎に評価処理部7cが算出した各項目別総合評価点を棒グラフまたはレーダチャート等のグラフ形式にグラフ化処理し、評価処理部7cが算出した総合指標UDindexを所定のグラフ形式にグラフ化処理する。制御部7は、かかるグラフ化処理部7dによってグラフ化処理された各評価項目の項目別総合評価点および総合指標UDindex、すなわちUD総合評価結果のグラフを表示部3、ドライブ4、またはプリンタ5の少なくとも一つに出力させて、本処理を終了する。

0053

つぎに、上述したステップS105において制御部7が行う全評価項目の評価処理について詳細に説明する。図5は、UDの評価項目群内の全評価項目の評価処理を行う制御部7の処理手順を例示するフローチャートである。

0054

図5に示すように、制御部7は、まず、UD評価対象の建築物に関連する各評価シートデータに設定された各評価項目の評価点情報の入力受付を行う(ステップS201)。このステップS201において、制御部7は、記憶部6内の評価シートデータ6dに基づいて、UD評価対象の建築物に関連する各評価シートデータに設定された評価尺度の評価点情報を評価項目毎に選択入力または数値入力するためのGUIと、ユーザに対して評価点情報の入力を促すメッセージ等の情報とを表示部3に表示させる。

0055

つぎに、制御部7は、UD評価対象の建築物に関連する各評価シートデータの全評価項目について評価点情報が入力されたか否かを判断する(ステップS202)。このステップS202において、制御部7は、UD評価対象の建築物に関連する各評価シートデータに設定された全評価項目の評価点情報、すなわちこの建築物の評価項目群に含まれる末端評価項目に関連する全ての評価点情報を取得していなければ、全評価点情報の入力が完了していないと判断し(ステップS202,No)、このステップS202の処理手順を繰り返す。

0056

一方、制御部7は、UD評価対象の建築物に関連する各評価シートデータに設定された全評価項目の評価点情報を取得した場合、全評価点情報の入力完了と判断し(ステップS202,Yes)、取得した全評価点情報と上述した重み係数Wh,Whi,Whij,Whijkとを必要に応じて用いて、UD評価対象の建築物の評価項目群に含まれる全評価項目の項目別総合評価点を算出する(ステップS203)。

0057

このステップS203において、評価処理部7cは、入力部2によって入力された各評価項目の評価点情報と評価シートデータ6dとをもとに、UD評価対象の建築物の評価項目群に含まれる末端評価項目、例えば、この建築物の評価項目群における大項目のうちの「運営・維持」の項目別総合評価点と、中項目のうちの「ゾーニング」および「レイアウティング」の各項目別総合評価点と、細項目内の全評価項目の項目別総合評価点とを算出する。また、評価処理部7cは、このように算出した細項目内の各評価項目の項目別総合評価点と評価項目毎の重み係数Whijkとをもとに、かかる細項目内の各評価項目の上位に属する小項目内の各評価項目の項目別総合評価点を算出する。また、評価処理部7cは、このように算出した小項目内の各評価項目の項目別総合評価点と評価項目毎の重み係数Whijとをもとに、かかる小項目内の各評価項目の上位に属する中項目内の各評価項目の項目別総合評価点を算出する。さらに、評価処理部7cは、上述したように算出した中項目内の各評価項目の項目別総合評価点と評価項目毎の重み係数Whiとをもとに、かかる中項目内の各評価項目の上位に属する大項目内の各評価項目の項目別総合評価点を算出する。

0058

その後、制御部7は、UD評価対象の建築物の評価項目群に含まれる全評価項目について項目別総合評価点を算出したか否かを判断し(ステップS204)、この建築物の評価項目群内に項目別総合評価点を算出していない評価項目が1以上残っている場合、全評価項目の算出処理が完了していないと判断し(ステップS204,No)、上述したステップS203に戻り、このステップS203以降の処理手順を繰り返す。一方、制御部7は、UD評価対象の建築物の評価項目群に含まれる全評価項目の項目別総合評価点を取得した場合、全評価項目の算出処理完了と判断し(ステップS204,Yes)、上述したステップS105にリターンする。

0059

つぎに、上述した評価処理部7cが行う項目別総合評価点および総合指標UDindexの算出処理について説明する。評価処理部7cは、上述したように、入力部2によって入力された各評価項目の評価点情報と評価シートデータ6dとをもとに、UD評価対象の建築物の評価項目群における細項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shijkを算出する。この場合、評価処理部7cは、細項目内の評価項目毎に評価点情報の合計得点を算出し、この算出した合計得点を所定のレンジ内の数値、例えば評価シートデータに設定された5段階の評価尺度内の数値(すなわち1から5までの連続値)に変換して、細項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shijkを算出する。すなわち、評価処理部7cは、細項目内の評価項目毎の評価点情報の合計得点Tkと、評価シートデータに設定された評価点の最大合計得点Vkmaxおよび最小合計得点Vkminとを用い、次式(1)に基づいて算出する。

0060

0061

ここで、評価処理部7cが細項目内の評価項目「敷地出入口」(図2参照)の項目別総合評価点S2111を算出する場合を例示して、かかる評価処理部7cによる項目別総合評価点Shijkの算出処理を具体的に説明する。評価処理部7cは、評価シートデータ6d内の「敷地出入口」の評価シートデータ(図3参照)をもとに、この「敷地出入口」の評価シートデータに設定された評価点の最大合計得点Vkmax(=62点)と最小合計得点Vkmin(=14点)とを取得する。また、評価処理部7cは、この「敷地出入口」の評価シートデータに設定された各評価項目の評価点情報を入力部2によって順次入力され、かかる評価点情報の合計得点Tk(例えば37点)を算出する。かかる評価処理部7cは、このように算出した合計得点Tkを式(1)に基づいて所定のレンジ内(1から5まで)の連続値に変換することによって、「敷地出入口」の項目別総合評価点S2111(=2.92点)を得る。

0062

評価処理部7cは、かかる「敷地出入口」の項目別総合評価点S2111と同様の演算処理を行って、細項目内の残りの各評価項目の項目別総合評価点Shijkと、末端評価項目である「運営・維持」、「ゾーニング」、および「レイアウティング」の各項目別総合評価点S3,S11,S12とを順次算出する。

0063

つぎに、評価処理部7cは、上述したように、細項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shijkと評価項目毎の重み係数Whijkとをもとに、かかる細項目の上位に属する小項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shijを算出する。この場合、評価処理部7cは、細項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shijkと評価項目毎の重み係数Whijkとをそれぞれ乗算した各乗算値を合計して、この細項目の上位に属する小項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shijを順次算出する。すなわち、評価処理部7cは、次式(2)に基づいて、小項目内の評価項目毎に項目別総合評価点Shijを算出する。

0064

0065

具体的には、評価処理部7cは、細項目内の「敷地出入口」の項目別総合評価点S2111と重み係数W2111との乗算値と、細項目内の「敷地内通路」の項目別総合評価点S2112と重み係数W2112との乗算値と、細項目内の「駐車場」の項目別総合評価点S2113と重み係数W2113との乗算値と、細項目内の「駐車場からの歩道」の項目別総合評価点S2114と重み係数W2114との乗算値とを加算することによって、「敷地出入口」、「敷地内通路」、「駐車場」、および「駐車場からの歩道」の上位に属する小項目内の「外構」の項目別総合評価点S211を算出する。評価処理部7cは、かかる「外構」の項目別総合評価点S211と同様の演算処理を行って、小項目内の残りの各評価項目の項目別総合評価点Shijを順次算出する。

0066

つぎに、評価処理部7cは、上述したように、小項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shijと評価項目毎の重み係数Whijとをもとに、かかる小項目の上位に属する中項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shiを算出する。この場合、評価処理部7cは、小項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shijと評価項目毎の重み係数Whijとをそれぞれ乗算した各乗算値を合計して、この小項目の上位に属する中項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shiを順次算出する。すなわち、評価処理部7cは、次式(3)に基づいて、中項目内の評価項目毎に項目別総合評価点Shiを算出する。

0067

0068

具体的には、評価処理部7cは、中項目内の「パブリックゾーン」の下位に属する小項目内の「外構」の項目別総合評価点S211と重み係数W211との乗算値と、「動線」の項目別総合評価点S212と重み係数W212との乗算値と、「共用部」の項目別総合評価点S213と重み係数W213との乗算値と、「専有部」の項目別総合評価点S214と重み係数W214との乗算値とを加算することによって、この「パブリックゾーン」の項目別総合評価点S21を算出する。また、評価処理部7cは、かかる「パブリックゾーン」の項目別総合評価点S21と同様の演算処理を行って、中項目内の「プライベートゾーン」の項目別総合評価点S22を算出する。

0069

つぎに、評価処理部7cは、上述したように、中項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shiと評価項目毎の重み係数Whiとをもとに、かかる中項目の上位に属する大項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shを算出する。この場合、評価処理部7cは、中項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shiと評価項目毎の重み係数Whiとをそれぞれ乗算した各乗算値を合計して、この中項目の上位に属する大項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shを順次算出する。すなわち、評価処理部7cは、次式(4)に基づいて、大項目内の評価項目毎に項目別総合評価点Shを算出する。

0070

0071

具体的には、評価処理部7cは、大項目内の「全体計画」の下位に属する中項目内の「ゾーニング」の項目別総合評価点S11と重み係数W11との乗算値と、「レイアウティング」の項目別総合評価点S12と重み係数W12との乗算値とを加算することによって、この「全体計画」の項目別総合評価点S1を算出する。また、評価処理部7cは、大項目内の「機能別計画」の下位に属する中項目内の「パブリックゾーン」の項目別総合評価点S21と重み係数W21との乗算値と、「プライベートゾーン」の項目別総合評価点S22と重み係数W22との乗算値とを加算することによって、この「機能別計画」の項目別総合評価点S2を算出する。

0072

一方、評価処理部7cは、上述したように算出した大項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shと評価項目毎の重み係数Whとをもとに、UD評価対象の建築物のUD総合評価点である総評指標UDindexを算出する。この場合、評価処理部7cは、大項目内の各評価項目の項目別総合評価点Shと評価項目毎の重み係数Whとをそれぞれ乗算した各乗算値を合計して、この総評指標UDindexを算出する。すなわち、評価処理部7cは、次式(5)に基づいて、建築物のUDの総評指標UDindexを算出する。

0073

0074

具体的には、評価処理部7cは、大項目内の「全体計画」の項目別総合評価点S1と重み係数W1との乗算値と、「機能別計画」の項目別総合評価点S2と重み係数W2との乗算値と、「運営・維持」の項目別総合評価点S3と重み係数W3との乗算値とを加算することによって、このUD評価対象の建築物の総合指標UDindexを算出する。

0075

つぎに、上述した図2に示した階層構造の評価項目群を設定してオフィス用途の建築物のUD度を総合的に評価する場合を例示して、UD評価対象の建築物に関するUD総合評価結果のグラフ化処理および出力結果を具体的に説明する。図6は、UD評価対象の建築物に関するUDの項目別総合評価点のグラフの一具体例を示す模式図である。図7は、UD評価対象の建築物に関するUDの総合指標のグラフの一具体例を示す模式図である。図8は、UD評価対象の建築物のUD総合評価結果の一出力例を示す模式図である。

0076

グラフ化処理部7dは、上述したように、図2に示した階層構造の評価項目群内の評価項目毎に評価処理部7cが算出した各項目別総合評価点Sh,Shi,Shij,Shijkを所望のグラフ形式にグラフ化処理して、かかる各項目別総合評価点Sh,Shi,Shij,Shijkのグラフを生成する。この場合、グラフ化処理部7dは、入力部2によって入力された指示情報に基づいて、かかる階層構造の評価項目群の中から選択される1以上の所望の評価項目の項目別総合評価点を所望のグラフ形式によってグラフ化する。かかるグラフ化処理部7dは、例えば図6に示すように、かかる階層構造の評価項目群内の所望の細項目の項目別総合評価点をグラフ化したレーダチャート(各項目別総合評価点の数値データを含む)を生成する。なお、グラフ化処理部7dは、評価項目群の大項目、中項目、小項目、および細項目の各階層別に項目別総合評価点のグラフを作成してもよいし、かかる評価項目群の階層別に分類せずに所望の各評価項目の項目別総合評価点をグラフ化したものを生成してもよい。

0077

また、グラフ化処理部7dは、かかる階層構造の評価項目群のうちの大項目の各評価項目(「全体計画」、「機能別計画」、「運営・維持」)の項目別総合評価点S1,S2,S3と総合指標UDindexとをグラフ化する。具体的には、図7に示すように、グラフ化処理部7dは、「全体計画」の項目別総合評価点S1(例えば4.55点)と、「機能別計画」の項目別総合評価点S2(例えば3.42点)と、「運営・維持」の項目別総合評価点S3(例えば4.33点)とを含む棒グラフを生成し、この生成した棒グラフに、UD評価の総合指標UDindexのグラフを重畳する。この場合、グラフ化処理部7dは、「全体計画」の棒グラフに項目別総合評価点S1の数値データ(4.55)を付加し、「機能別計画」の棒グラフに項目別総合評価点S2の数値データ(3.42)を付加し、「運営・維持」の棒グラフに項目別総合評価点S3の数値データ(4.33)を付加する。また、グラフ化処理部7dは、UD評価の総合指標UDindexのグラフに総合指標UDindexの数値データ(3.83)を付加する。

0078

制御部7は、かかるグラフ化処理部7dによってグラフ化処理された所望の各評価項目の項目別総合評価点および総合指標UDindexのグラフ、すなわちUD評価対象の建築物のUD総合評価結果のグラフを表示部3、ドライブ4、またはプリンタ5の少なくとも一つに出力させる。具体的には、評価処理部7cは、上述したグラフ化処理部7dによって生成されたUD総合評価結果のグラフを含むUD総合評価出力データを生成し、制御部7は、かかる評価処理部7cによって生成されたUD総合評価出力データを表示部3に表示出力させ、ドライブ4内の記録媒体に記録させ、またはプリンタ5にプリント出力させる。

0079

ここで、かかるUD総合評価出力データは、例えば図8に示すように、UD評価対象の建築物の施設用途および名称等の概要を示す建物概要と、グラフ化処理部7dによって生成されたUD総合評価結果のグラフとを含む。具体的には、図8に示すUD総合評価出力データは、かかるUD総合評価結果のグラフとして、例えば、「パブリックゾーン」の下位に属する細項目に含まれる所望の各評価項目の項目別総合評価点をグラフ化したレーダチャートと、「プライベートゾーン」の下位に属する細項目に含まれる所望の各評価項目の項目別総合評価点をグラフ化したレーダチャートと、「全体計画」、「機能別計画」、および「運営・維持」の各項目別総合評価点と総合指標UDindexとをグラフ化した棒グラフとを含む。なお、かかる建物概要は、入力部2によって制御部7に入力される。

0080

本発明の実施の形態1にかかるUD総合評価装置1は、このようなUD総合評価結果を含むUD総合評価出力データを出力することによって、UD評価対象の建築物のUD度を総合的に評価した結果を出力することができる。また、かかるUD総合評価装置1は、建築物の施設用途別にUD総合評価出力データを出力することができ、これによって、複数種類の施設用途の建築物のUD度を施設用途別に総合評価した結果を出力することができる。この結果、UD総合評価装置1は、UDの観点から改善すべき建築物の課題の明確化を施設用途別に支援することができる。

0081

以上、説明したように、本発明の実施の形態1では、建築物の施設用途を選択する選択情報を入力し、この入力した選択情報に対応する施設用途の建築物に関するUDの評価項目群を選択的に設定し、この設定したUDの評価項目群内の評価項目毎に、UD度の総合的な評価結果を示す項目別総合評価点を算出するように構成している。このため、複数種類の施設用途の建築物のUD度を施設用途別に容易に総合評価することができるUD総合評価装置を実現できる。

0082

このようなUD総合評価装置を用いることによって、オフィス用途の建築物に限らず、医療用途の建築物および商業用途の建築物等の各種施設用途の建築物のUD度を総合的に評価することができる。

0083

また、かかる建築物のUD度を総合的に評価した結果をUD総合評価出力データとして出力するので、UDの観点から改善すべき建築物の課題を施設用途別の建築物毎に明確化することができる。この結果、既存または設計段階の建築物におけるUD上の問題点を容易に抽出することができ、これによって、各種施設用途の建築物毎にUDの観点から実行すべき建築物の対策優先度を明らかにすることができる。

0084

さらに、建築物の評価項目毎に評価点情報を入力し、この入力した評価点情報を評価項目毎に合計した合計値を所定のレンジ内の連続値に換算して、建築物のUDに関する各項目別総合評価点を算出しているので、各種施設用途の建築物のUD度をより緻密に総合評価することができる。

0085

また、施設用途毎に建築物のUDの評価項目群に関する評価シートデータを用いているので、この評価項目群内の各評価項目の評価点情報を容易に入力することができ、この結果、建築物に関する専門的な知識を有していないユーザであっても、短時間且つ容易に各種施設用途の建築物のUD評価を短時間且つ容易に行うことができる。

0086

さらに、かかる建築物のUD総合評価結果をグラフ形式に変換して出力することができるので、このグラフをもとに各種施設用途の建築物のUDを容易且つ多面的に評価できるとともに、建築物全体または評価項目毎のUD総合評価結果を容易に把握することができる。

0087

また、新築建物または既存建物のUDのラベリングツールとして、本発明の実施の形態1にかかるUD総合評価装置を活用することによって、UDに関して各種施設用途の建築物を格付けすることが可能となる。

0088

さらに、新築建物のUD計画ツールとして本発明の実施の形態1にかかるUD総合評価装置を活用することによって、UDに関して豊富な知識を有していない設計者であっても、各種施設用途の建築物のUD設計を容易に行うことができる。

0089

(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、建築物のUD度を総合的に評価していたが、この実施の形態2では、建築物のUD度のみならず、複数の建築物を含む街区全体のUD度および複数の建築物を繋ぐ街路(歩道)のUD度をさらに評価して、街区レベルのUD度を総合的に評価している。

0090

図9は、本発明の実施の形態2にかかるUD総合評価装置の一構成例を示すブロック図である。図9に示すように、この実施の形態2にかかるUD総合評価装置21は、上述した実施の形態1にかかるUD総合評価装置1の制御部7bに代えて制御部27を備え、ネットワーク50を介して外部のサーバ(後述する)と通信する通信インターフェース(以下、I/Fという)25をさらに備える。また、このUD総合評価装置21の記憶部6は、上述した実施の形態1における評価項目データ6aに代えて街区レベルの評価項目データ26aを記憶し、一対比較データ6bに代えて街区レベルの一対比較データ26bを記憶し、重み係数データ26cに代えて街区レベルの重み係数データ26cを記憶し、評価シートデータ6dに代えて街区レベルの評価シートデータ26dを記憶する。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。

0091

通信I/F25は、ネットワーク50を介して外部のサーバ(後述する)と通信接続され、制御部27の制御に基づいて、この外部のサーバとデータの送受信を行う。この場合、通信I/F25は、街区レベルのUD度を総合的に評価したUD総合評価結果をネットワーク50を介して外部のサーバに送信する。また、通信I/F25は、ネットワーク50を介して外部のサーバからUDの改善策に有用な事例データを受信し、受信した事例データを制御部27に転送する。なお、ここでいう街区レベルのUD総合評価結果は、上述した各種施設用途の建築物の項目別総合評価点および総合指標UDindex等を含む建築物のUD総合評価結果と、住宅等の建築物が群化した街区全体のUD度を総合的に評価した項目別総合評価点等を含む街区のUD総合評価結果と、複数の建築物を繋ぐ歩道のUD度を総合的に評価した項目別総合評価点等を含む歩道のUD総合評価結果との少なくとも一つを含む。

0092

制御部27は、処理プログラムを実行するCPUと、CPUが実行する処理プログラム等が予め記録されたROMと、各処理の演算パラメータ等を一時的に記憶するRAMとを用いて実現され、UD総合評価装置21の各構成部を制御する。具体的には、制御部27は、入力部7によって入力された指示情報に基づいて、街区レベルのUD総合評価結果を表示部3に表示出力させ、ドライブ4の記録媒体内に街区レベルのUD総合評価結果を記録させ、または街区レベルのUD総合評価結果をプリンタ5にプリント出力させる。一方、制御部27は、通信I/F25を制御して、外部のサーバに街区レベルのUD総合評価結果を送信し、この外部のサーバから検索したUDに関する事例データを取得する。また、制御部27は、上述した実施の形態1にかかる制御部7の項目設定部7aに代えて項目設定部27aを有し、係数算出部7bに代えて係数算出部27bを有し、評価処理部7cに代えて評価処理部27cを有し、グラフ化処理部7dに代えてグラフ化処理部27dを有し、UDに関する事例データを検索する検索制御部27eを有する。かかる制御部27が有する他の機能は、上述した実施の形態1にかかるUD総合評価装置1の制御部7と同じである。

0093

項目設定部27aは、複数種類のUDの評価項目群の中からUD評価対象の街区全体または歩道に関するUDの評価項目群を選択し、この選択した評価項目群を設定する項目設定機能をさらに有する。具体的には、項目設定部27aは、上述した入力部2が入力したUD評価対象の属性情報をもとにUD評価対象(街区全体、歩道、または建築物)を選択し、この選択したUD評価対象に関するUDの評価項目群を記憶部6内の評価項目データ26aの中から選択する。例えば、項目設定部27aは、UD評価対称として街区全体を選択した場合、評価項目データ26aの中から街区用データD4を選択し、この選択した街区用データD4に含まれる街区全体に関するUDの評価項目群をUD評価対象の評価項目群として設定する。一方、項目設定部27aは、UD評価対称として歩道を選択した場合、評価項目データ26aの中から歩道用データD5を選択し、この選択した歩道用データD5に含まれる歩道に関するUDの評価項目群をUD評価対象の評価項目群として設定する。かかる項目設定部27aが有する他の機能は、上述した実施の形態1にかかるUD総合評価装置1の項目設定部7aと同じである。

0094

係数算出部27bは、上述した建築物に関する各評価項目の重み係数の場合と同様に、項目設定部27aが設定した街区全体または歩道に関するUDの評価項目群における同一階層内の各評価項目間の重み付けを行う重み係数を評価項目毎に算出する。具体的には、係数算出部27bは、項目設定部27aが街区全体に関するUDの評価項目群を設定した場合、この街区全体の評価項目群内の各評価項目の重み係数を算出し、項目設定部27aが歩道に関するUDの評価項目群を設定した場合、この歩道の評価項目群内の各評価項目の重み係数を算出する。かかる係数算出部27bは、記憶部6内の一対比較データ26bを用い、AHP法に基づいて各評価項目の重み係数を算出する。かかる係数算出部27bが有する他の機能は、上述した実施の形態1にかかるUD総合評価装置1の係数算出部7bと同じである。なお、制御部27は、かかる係数算出部27bによって算出された各評価項目の重み係数を重み係数データ26cとして記憶部6に記憶させる。

0095

評価処理部27cは、街区レベルのUD度を総合的に評価するための各種演算処理を行う。具体的には、評価処理部27cは、項目設定部7aが街区全体に関するUDの評価項目群を設定した場合、この街区全体の評価項目群内の評価項目毎に入力部2が入力した評価点情報をもとに、この街区全体の評価項目群内の各評価項目の項目別総合評価点を算出する。一方、評価処理部27cは、項目設定部7aが歩道に関するUDの評価項目群を設定した場合、この歩道の評価項目群内の評価項目毎に入力部2が入力した評価点情報をもとに、この歩道の評価項目群内の各評価項目の項目別総合評価点を算出する。ここで、かかる街区全体の項目別総合評価点は、上述した入力部2が入力した属性情報に対応するUD評価対象の街区全体のUD度を総合的に評価したUD総合評価結果を示すデータの一つであり、このUD評価対象の街区全体の性能および機能等をUDの観点から多面的に評価した結果を評価項目別に示す数値データである。同様に、かかる歩道の項目別総合評価点は、上述した入力部2が入力した属性情報に対応するUD評価対象の歩道のUD度を総合的に評価したUD総合評価結果を示すデータの一つであり、このUD評価対象の歩道の性能および機能等をUDの観点から多面的に評価した結果を評価項目別に示す数値データである。

0096

なお、かかる評価処理部27cは、上述した建築物の場合と同様に、街区全体に関する各評価項目の項目別総合評価点と係数算出部27bが算出した街区全体に関する各評価項目の重み係数とをもとに街区全体の総合指標UDindexを算出してもよいし、歩道に関する各評価項目の項目別総合評価点と係数算出部27bが算出した歩道に関する各評価項目の重み係数とをもとに歩道の総合指標UDindexを算出してもよい。この場合、かかる街区全体の総合指標UDindexは、UD評価対象の街区全体のUD度を総合的に評価したUD総合評価結果を示すデータの一つであり、この街区全体のUD評価の総合評価点を示す数値データである。また、かかる歩道の総合指標UDindexは、UD評価対象の歩道のUD度を総合的に評価したUD総合評価結果を示すデータの一つであり、この歩道のUD評価の総合評価点を示す数値データである。

0097

また、評価処理部27cは、入力部2またはドライブ4等によって入力された事例の写真またはコメント等のデータをUD評価対象の評価項目に対応付ける。具体的には、評価処理部27cは、街区全体、歩道、または建築物に関するUDの評価項目について入力部2が入力した評価点情報(1〜5点)の根拠となった事例の写真データをこの評価項目にリンクさせる。さらに、評価処理部27cは、この事例の写真データに関するコメントが入力部2によって入力された場合、このコメントをこの評価項目にさらにリンクさせる。すなわち、評価処理部27cは、街区全体、歩道、または建築物に関するUDの各評価項目と、評価項目毎に入力された各評価点情報と、評価項目毎に入力された各事例の写真データと、事例の写真データ毎に入力された各コメントとを各々対応付ける。この場合、かかる事例の写真データおよびコメントは、評価項目を特定する番号または項目名等の評価項目情報、評価点情報、およびUD評価対象の属性(街区全体、歩道、建築物等)と対応付けられる。制御部27は、かかる評価処理部27cが対応付けた評価項目情報、事例の写真データ、コメント、および評価点情報をネットワーク50を介して外部のサーバに順次送信するように通信I/F25を制御する。なお、かかる評価処理部27cが有する他の機能は、上述した実施の形態1にかかるUD総合評価装置1の評価処理部7cと同じである。

0098

グラフ化処理部27dは、評価処理部27cによって評価処理された街区レベルのUD総合評価結果をグラフ化する。具体的には、グラフ化処理部27dは、UD評価対象の街区全体の評価項目毎に評価処理部27cが算出した各項目別総合評価点をグラフ化し、UD評価対象の歩道の評価項目毎に評価処理部27cが算出した各項目別総合評価点をグラフ化する。この場合、グラフ化処理部27dは、かかる各項目別総合評価点を棒グラフまたはレーダチャート等のグラフ形式にグラフ化処理する。なお、グラフ化処理部27dは、評価処理部27cが街区全体または歩道の総合指標UDindexを算出した場合、かかる総合指標UDindexを所定のグラフ形式にグラフ化処理する。かかるグラフ化処理部27dが有する他の機能は、上述した実施の形態1にかかるUD総合評価装置1のグラフ化処理部7dと同じである。

0099

検索制御部27eは、ネットワーク50を介して外部のサーバ(後述するサーバ51)からUDの事例データを検索する。具体的には、検索制御部27eは、通信I/F25を制御し、ネットワーク50を介して外部のサーバにアクセスし、入力部2が入力した指示情報によって指示されたUDの事例データをこの外部のサーバのデータベースから検索する。かかる検索制御部27eは、このデータベースから検索したUDの事例データをネットワーク50を介して取得する。この場合、通信I/F25は、検索制御部27eの制御に基づき、ネットワーク50を介して外部のサーバからUDの事例データを受信し、この受信した事例データを制御部27に転送する。検索制御部27eは、このように取得(検索)したUDの事例データを表示部3に表示させ、ドライブ4内の記録媒体に記録させ、あるいはプリンタ5にプリント出力させる。

0100

なお、この実施の形態2において、記憶部6は、上述したように、評価項目データ26a、一対比較データ26b、重み係数データ26c、および評価シートデータ26dを記憶する。かかる評価項目データ26a、一対比較データ26b、および評価シートデータ26dは、例えば入力部2によって制御部27に入力され、制御部27の制御に基づいて記憶部6に保存される。

0101

評価項目データ26aは、UD評価対象の属性(街区全体、歩道、建築物)別に異なる複数種類のUDの評価項目群を含む街区レベルのデータである。具体的には、評価項目データ26aは、複数種類のUDの評価項目群として、上述したオフィス用データD1と医療施設用データD2と商業施設用データD3とを含み、さらに、街区全体に関するUDの評価項目群を含む街区用データD4と、歩道に関するUDの評価項目群を含む歩道用データD5とを含む。なお、この街区用データD4に含まれる評価項目群は、街区全体のUDに関する上位評価項目群と、この上位評価項目群の下位に属する下位評価項目群とを含む階層構造の評価項目群である。また、この歩道用データD5に含まれる評価項目群は、歩道のUDに関する上位評価項目群と、この上位評価項目群の下位に属する下位評価項目群とを含む階層構造の評価項目群である。

0102

一対比較データ26bは、評価項目データ26a内に含まれる階層構造の評価項目群における同一階層内の各評価項目を一対比較した結果を示すデータであり、かかる同一階層内の各評価項目間の重み付けを行う重み係数をAHP法(階層分析法)に基づいて評価項目毎に算出するためのデータ(例えば一対比較行列等)を含む。重み係数データ26cは、この一対比較データ26bを用いて算出された各評価項目の重み係数を含むデータである。評価シートデータ26dは、上述した入力部2によって入力される各評価項目の評価点情報の規準となるデータであり、上述した建築物のUD総合評価を行うための各評価項目および評価項目毎の評価尺度と、街区全体のUD総合評価を行うための各評価項目および評価項目毎の評価尺度と、歩道のUD総合評価を行うための各評価項目および評価項目毎の評価尺度とを含む。

0103

つぎに、上述した項目設定部27aによって設定されるUDの評価項目群について詳細に説明する。図10は、街区全体に関するUDの評価項目群の一部を例示する模式図である。以下では、まず街区全体に関するUDの評価項目群について説明し、つぎに歩道に関する評価項目群について説明する。なお、項目設定部27aによって施設用途別に設定される建築物のUDの評価項目群は、上述した実施の形態1の場合と同様の階層構造を有する。

0104

UD評価対象の街区全体の評価項目群は、UDの観点から街区全体を総合的に評価するための各種評価項目を階層的に連結した階層構造を有し、この階層構造の各階層として、街区全体の評価項目を大きく区分けした大項目と、かかる大項目の下位に属する中項目と、かかる中項目の下位に属する小項目と、かかる小項目の下位に属する細項目とを有する。すなわち、かかる街区全体の評価項目群の階層構造は、街区全体のUDに関する上位評価項目群である大項目と、この上位評価項目群の下位に属する下位評価項目群である中項目、小項目、および細項目とを含む。

0105

具体的には、かかる街区全体の評価項目群のうちの大項目は、UDの観点から街区全体の安全性および安心生を評価するための評価項目である「安全・安心性」と、UDの観点から街区全体の公平性を評価するための評価項目である「公平性」と、UDの観点から街区全体の認知性を評価するための評価項目である「認知性」と、UDの観点から街区全体の利便性を評価するための評価項目である「利便性」と、UDの観点から街区全体の快適性を評価するための評価項目である「快適性」とを含む。

0106

かかる街区全体に関する大項目のうちの「安全・安心性」の下位には、図10に示すように、UDの観点から街区全体の防犯性能を評価するための評価項目である「防犯性能」と、UDの観点から街区全体の防災性能を評価するための評価項目である「防災性能」とが中項目として属する。

0107

また、かかる街区全体に関する中項目のうち、「防犯性能」の下位には、UDの観点から街区全体における監視性の確保を評価するための評価項目である「監視性の確保」と、UDの観点から街区全体における接近の制御を評価するための評価項目である「接近の制御」と、UDの観点から街区内の被害対象の回避および強化を評価するための評価項目である「被害対象の回避・強化」と、UDの観点から街区内の領域性の強化を評価するための評価項目である「領域性の強化」とが小項目として属する。一方、「防災性能」の下位には、UDの観点から街区内の土地利用における配慮を評価するための評価項目である「土地利用における配慮」と、UDの観点から街区全体の避難危険度を評価するための評価項目である「避難危険度」と、UDの観点から街区内の自主防災組織の有無を評価するための評価項目である「自主防災組織の有無」とが小項目として属する。

0108

さらに、かかる「防犯性能」の下位に属する小項目のうち、「監視性の確保」の下位には、監視カメラの設置、周辺からの監視性、交番警察署等までの距離、住民等によるパトロールの実施、角地隅切り等による交差点の見通し確保、および見通しのよいの設置をUDの観点から各々評価するための評価項目である「監視カメラの設置」、「周辺からの監視性」、「交番・警察署等までの距離」、「住民等によるパトロールの実施」、「角地の隅切り等による交差点の見通し確保」、および「見通しのよい塀・柵の設置」が細項目として属する。また、「接近の制御」の下位には、侵入のための足場(塀や屋外階段等)の有無と通過車両の通り抜けとをUDの観点から各々評価するための評価項目である「侵入のための足場の有無」および「通過車両の通り抜け」が細項目として属し、「被害対象の回避・強化」の下位には、放置されている空き家の有無をUDの観点から評価するための評価項目である「放置されている空き家の有無」が細項目として属し、「領域性の強化」の下位には、ゴミ落書きの放置状況と入場者の制限とをUDの観点から各々評価するための評価項目である「ゴミや落書きの放置状況」および「入場者の制限」が細項目として属する。

0109

また、かかる「防災性能」の下位に属する小項目のうち、「土地利用における配慮」の下位には、街区内の地震地すべり洪水等への土地利用計画的な配慮と、避難場所としての防災空地の適切な規模および配置と、延焼遮断帯による都市防火区画の形成とをUDの観点から各々評価するための評価項目である「土地利用計画的な配慮」、「防災空地の適切な規模と配置」、および「都市防火区画の形成」が細項目として属する。さらに、「避難危険度」の下位には、2方向避難等のネットワークの形成、道路閉塞の可能性、および一次避難の困難性をUDの観点から各々評価するための評価項目である「ネットワークの形成」、「道路閉塞の可能性」、および「一次避難の困難性」が細項目として属し、「自主防災組織の有無」の下位には、住民等による防災組織設立をUDの観点から評価するための評価項目である「防災組織の設立」が細項目として属する。

0110

一方、特に図示しないが、上述した街区全体に関する大項目のうちの「公平性」の下位には、様々年齢層または世帯層に配慮された住宅が供給されているか、賃貸または分譲等の多様な住宅供給方式が取られているか等をUDの観点から各々評価するための各評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属する。また、街区全体に関する「認知性」の下位には、案内板またはサインによる判り易さ等をUDの観点から評価するための評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属し、街区全体に関する「利便性」の下位には、生活関連施設までの道のり等をUDの観点から評価するための評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属し、街区全体に関する「快適性」の下位には、緑または水等の自然環境からの快適性や町並景観への配慮の度合い等をUDの観点から評価するための評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属する。

0111

つぎに、歩道に関するUDの評価項目群について説明する。UD評価対象の歩道の評価項目群は、UDの観点から歩道を総合的に評価するための各種評価項目を階層的に連結した階層構造を有し、この階層構造の各階層として、歩道の評価項目を大きく区分けした大項目と、かかる大項目の下位に属する中項目と、かかる中項目の下位に属する小項目と、かかる小項目の下位に属する細項目とを有する。すなわち、かかる歩道の評価項目群の階層構造は、歩道のUDに関する上位評価項目群である大項目と、この上位評価項目群の下位に属する下位評価項目群である中項目、小項目、および細項目とを含む。

0112

具体的には、かかる歩道の評価項目群のうちの大項目は、UDの観点から歩道の安全性および安心生を評価するための評価項目である「安全・安心性」と、UDの観点から歩道の公平性を評価するための評価項目である「公平性」と、UDの観点から歩道の認知性を評価するための評価項目である「認知性」と、UDの観点から歩道の利便性を評価するための評価項目である「利便性」と、UDの観点から歩道の快適性を評価するための評価項目である「快適性」とを含む。

0113

かかる歩道に関する大項目のうちの「安全・安心性」の下位には、図10に例示したような評価項目「防犯性能」およびその下位の評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属する。さらに、この歩道に関する「安全・安心性」の下位には、歩行者と車両との分離等の日常災害に対する安全性能をUDの観点から評価するための評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属する。

0114

また、歩道に関する「公平性」の下位には、障害者への配慮および歩行者と自転車との分離等をUDの観点から各々評価するための各評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属する。この場合、障害者への配慮を評価する評価項目の下位には、例えば、段差の有無および誘導用のブロックの敷設等をUDの観点から各々評価する各評価項目が属する。

0115

さらに、歩道に関する「認知性」の下位には、歩行空間または誘導用ブロックが認識され易いか否か等をUDの観点から評価するための評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属し、歩道に関する「利便性」の下位には、歩道の勾配または高さ、ベンチ等の付帯設備の設置等をUDの観点から各々評価するための各評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属し、歩道に関する「快適性」の下位には、ライトアップによる演出ファチュアの設置等による街路景観への配慮等をUDの観点から評価するための評価項目が中項目、小項目、または細項目として適宜属する。

0116

なお、上述した街区全体または歩道に関するUDの評価項目群の大項目は、例えばロン・メイスのUD7原則(公平な利用、利用における柔軟性、単純で直感的な利用、認知できる情報、失敗に関する大さ、少ない身体的な努力、接近や利用のためのサイズと空間)、住環境を評価する視点(安全性、保健性、利便性、快適性、持続可能性等)、および地区を評価する視点(信頼性、柔軟性、利便性、安全性、防災・防犯性、快適性等)を参考にして共通の観点に決定した。これによって、街区レベルのUDを共通の観点から評価でき、この結果、街区レベルでのUD上の問題点および改善案等を容易に抽出できるようになる。

0117

ここで、上述した項目設定部27aは、入力部2が入力した属性情報に対応するUD評価対象が街区全体である場合、記憶部6内の街区用データD4をもとに、上述した街区全体に関する大項目、中項目、小項目、および細項目を含む階層構造の評価項目群を街区全体の評価項目群として設定する。一方、項目設定部27aは、入力部2が入力した属性情報に対応するUD評価対象が歩道である場合、記憶部6内の歩道用データD5をもとに、上述した歩道に関する大項目、中項目、小項目、および細項目を含む階層構造の評価項目群を歩道の評価項目群として設定する。

0118

つぎに、上述した記憶部6内の評価シートデータ26dについて詳細に説明する。評価シートデータ26dは、上述したように、入力部2によって入力される各評価項目の評価点情報の規準となるデータであり、建築物のUD総合評価を行うための各評価項目および評価項目毎の評価尺度と、街区全体のUD総合評価を行うための各評価項目および評価項目毎の評価尺度と、歩道のUD総合評価を行うための各評価項目および評価項目毎の評価尺度とを含む。

0119

かかる評価シートデータ26dに含まれる街区全体、歩道、および建築物の各評価尺度は、評価項目に応じて最大5段階に設定される。この場合、かかる街区全体および歩道の各評価尺度における5段階の評価点(レベル)の設定は、上述した建築物の評価尺度と同じである。具体的には、評価点「3」は、現状において一般的な技術・社会水準に相当するレベルとして設定され、評価点「1」は、建築基準法等の最低限の必須条件を満足するレベルとして設定され、評価点「5」は、現状において最高の技術・社会水準に相当するレベルとして設定される。例えば、ハートビル法における利用円滑化基準に相当するレベルは評価点「3」であり、利用円滑化誘導基準に相当するレベルは評価点「5」である。一方、評価点「2」は、かかる評価点「1」と評価点「3」との中間のレベルとして設定され、評価点「4」は、かかる評価点「3」と評価点「5」との中間のレベルとして設定される。なお、かかる街区全体、歩道、および建築物の各評価尺度において、5段階の評価点設定が困難な評価項目の評価尺度は、3段階(評価点「1」〜「3」)とした。

0120

つぎに、本発明の実施の形態2にかかるUD総合評価装置21の動作について説明する。このUD総合評価装置21の制御部27は、実施の形態1の場合と同様にステップS101〜S108の処理手順(図4参照)を行って、施設用途別に建築物のUD総合評価結果を生成する。この場合、評価処理部27cは、上述したステップS201〜S204の処理手順(図5参照)を行って、UD評価対象の建築物に関する評価項目毎に項目別総合評価点を算出し、グラフ化処理部27dは、このUD評価対象の建築物に関するUD総合評価結果をグラフ化処理する。以下、UD評価対象である街区全体または歩道に関するUD総合評価結果を生成するまでの制御部27の処理手順について説明する。

0121

制御部27は、上述したステップS101〜S108と略同様の処理手順を行って、UD評価対象の街区全体または歩道に関するUD総合評価結果を生成する。この場合、制御部27は、上述したステップS101において、UD評価対象を選択するための属性情報の入力受付を行う。具体的には、制御部27は、かかるUD評価対象の属性情報を入力するためのGUIとユーザに対して属性情報の入力を促すメッセージ等の情報とを表示部3に表示させる。

0122

また、制御部27は、上述したステップS102において、かかるUD評価対象の属性情報が入力されたか否かを判断し、属性情報が入力されるまで、このステップS102の処理手順を繰り返す。制御部27は、入力部2によって入力されたUD評価対象の属性情報を取得した場合、属性情報の入力ありと判断する。

0123

さらに、制御部27は、上述したステップS103において、この属性情報に対応するUD評価対象の評価項目群を設定する。具体的には、項目設定部27aは、この属性情報をもとに街区全体をUD評価対象として選択した場合、記憶部6内の街区用データD4をもとに、上述した街区全体に関するUDの大項目、中項目、小項目、および細項目の各評価項目を含む階層構造の評価項目群を設定する。一方、項目設定部27aは、この属性情報をもとに歩道をUD評価対象として選択した場合、記憶部6内の歩道用データD5をもとに、上述した歩道に関するUDの大項目、中項目、小項目、および細項目の各評価項目を含む階層構造の評価項目群を設定する。

0124

また、制御部27は、上述したステップS105,S106において、建築物に関するUDの評価処理と同様に、UD評価対象である街区全体または歩道の評価項目群内の全評価項目についてUDの評価処理を行い、このUD評価対象(街区全体または歩道)に関するUDの総合指標UDindexを算出する。

0125

さらに、制御部27は、上述したステップS107において、このUD評価対象のUD総合評価結果をグラフ化する。この場合、グラフ化処理部27dは、UD評価対象(街区全体または歩道)の評価項目毎に評価処理部27cが算出した各項目別総合評価点を棒グラフまたはレーダチャート等のグラフ形式にグラフ化処理し、評価処理部27cが算出したUD評価対象(街区全体または歩道)の総合指標UDindexを所定のグラフ形式にグラフ化処理する。

0126

なお、かかるグラフ化処理部27dによってグラフ化処理された各評価項目の項目別総合評価点および総合指標UDindex、すなわちUD総合評価結果のグラフは、上述した建築物の場合と略同様にステップS108において表示部3、ドライブ4、またはプリンタ5の少なくとも一つに出力される。

0127

ここで、制御部27が建築物に代えて街区全体または歩道に関するUDの全評価項目の評価処理を行う場合、UD評価対象の建築物を街区全体または歩道に置き換えて、上述したステップS201〜S204の処理手順を行えばよい。

0128

すなわち、制御部27は、上述したステップS201において街区全体または歩道に関連する各評価シートデータに設定された各評価項目の評価点情報の入力受付を行い、上述したステップS202において街区全体または歩道に関連する各評価シートデータの全評価項目について評価点情報が入力されたか否かを判断し、上述したステップS203において街区全体または歩道の評価項目群に含まれる全評価項目の項目別総合評価点を算出し、上述したステップS204においてUD評価対象(街区全体または歩道)の評価項目群に含まれる全評価項目について項目別総合評価点を算出したか否かを判断する。この場合、評価処理部27cは、上述した建築物の場合と同様に、式(1)〜(4)に基づいてUD評価対象(街区全体または歩道)全評価項目の項目別総合評価点を算出し、式(5)に基づいてUD評価対象(街区全体または歩道)の総合指標UDindexを算出する。

0129

つぎに、街区全体、歩道、または建築物のいずれかであるUD評価対象の評価項目に関する情報(すなわち評価項目情報、評価点情報、UD評価対象の属性)と、評価点情報の根拠になった事例の写真データを含む各種データとの対応付けについて説明する。図11は、UD評価対象の評価点情報を入力するための入力画面の一例を示す模式図である。

0130

制御部27は、上述した評価点情報の入力受付(ステップS201)において、図11に示すように、評価点情報等を入力するための入力画面を表示部3に表示させる。この場合、表示部3は、制御部27の制御に基づいて、評価項目を特定する番号(質問ID)を選択するためのGUIであるID選択部101a,101bと、ID選択部101a,101bによって選択された質問IDに対応する評価項目の評価点情報を入力するためのGUIである評価点入力部104と、この評価点入力部104によって入力される評価点情報の根拠となる事例の写真データを選択するためのGUIである写真選択部105と、この写真データに関するコメントを入力するためのGUIであるコメント入力部107とを表示する。

0131

ID選択部101a,101bは、入力部2の操作(例えばマウスを用いたクリック操作等)によって選択された所望の質問IDを選択する。評価点入力部104は、評価点「1」〜「5」の中から入力部2の操作によって選択された評価点を示す評価点情報を入力する。

0132

写真選択部105は、予め入力された事例の写真データをサムネイル画像等の縮小写真の形式で表示する。例えば、写真選択部105は、所定の表示領域内に縮小写真SP1〜SP6を表示し、スクロール操作によって表示写真を順次切り替える。かかる写真選択部105は、例えば縮小写真SP1〜SP6の中から入力部2の操作によって選択された縮小写真に対応する事例の写真データを選択する。

0133

コメント入力部107は、かかる写真選択部105によって選択された写真データ(すなわち後述する選択写真表示部106に表示された事例の写真)に関するコメントを入力部2の操作に基づいて入力する。なお、かかるコメント入力部107に入力されるコメントとして、例えば、事例の写真によって示されるUD評価対象(街区全体、歩道、建築物)がUDの観点から優れている点または劣っている点等が挙げられる。

0134

一方、表示部3は、属性表示部102、項目表示部103、および選択写真表示部106を有する。属性表示部102は、上述した入力部2によって入力された属性情報(すなわちUD評価対象の属性)を表示する。項目表示部103は、ID選択部101a,101bによって選択された質問IDに対応する評価項目を表示する。この場合、項目表示部103は、必要に応じて大項目、中項目、小項目、細項目に分けて評価項目を表示する。

0135

選択写真表示部106は、写真選択部105によって選択された写真データを表示する。具体的には、写真選択部105が入力部2の操作に基づいて縮小写真SP1〜SP6の中から縮小写真SP1を選択した場合、選択写真表示部106は、この縮小写真SP1に対応する事例の写真データである写真P1を表示する。

0136

ここで、上述した評価処理部27cは、属性表示部102に表示されたUD評価対象の属性と、ID選択部101a,101bによって選択された質問IDすなわちUD評価対象の評価項目情報と、評価点入力部104によって入力された評価点情報と、写真選択部105によって選択された写真データすなわち選択写真表示部106に表示された事例の写真と、コメント入力部107によって入力されたコメントとを対応付ける。評価処理部27cは、上述した街区全体、歩道、および建築物に関するUDの全評価項目について、このようなデータの対応付け処理を実行する。この結果、評価処理部27cは、全てのUD評価対象(街区全体、歩道、建築物)について、評価項目情報と、評価点情報と、UD評価対象の属性と、この評価点情報の根拠になった事例の写真データと、この事例の写真データに関するコメントとの対応付け処理を評価項目毎に達成する。

0137

制御部27は、このように評価処理部27cが評価項目毎に対応付けた各種データを、UD評価対象の属性と、評価項目情報と、評価点情報と、この評価点情報の根拠になった事例の写真データと、この事例の写真データに関するコメントとを含む事例データとして纏めて外部に送信するように通信I/F25を制御する。この場合、かかる事例データは、ネットワーク50を介して外部のサーバ(後述するサーバ51)に送信される。

0138

つぎに、上述した街区全体および歩道に関する各UD総合評価結果のグラフ化処理について説明する。図12は、街区全体および歩道の各UD総合評価結果を示すグラフの一具体例を示す模式図である。

0139

グラフ化処理部27dは、上述したように、評価処理部7cが評価項目毎に算出した街区全体の各項目別総合評価点と歩道の各項目別総合評価点とを所望のグラフ形式にグラフ化処理して、かかる街区全体および歩道の各項目別総合評価点を示すグラフを生成する。この場合、グラフ化処理部27dは、例えば図12に示すように、街区全体に関する大項目の各項目別総合評価点を示す折れ線L1と、歩道に関する大項目の各項目別総合評価点を示す折れ線L2とを含むレーダチャートを作成する。なお、かかる街区全体および歩道の各大項目は、上述したように、5つの共通な評価項目「安全・安心性」、「公平性」、「認知性」、「利便性」、「快適性」である。

0140

かかるグラフ化処理部27dは、上述した建築物の場合と同様に、入力部2が入力した指示情報に基づいて評価項目群の中から選択される1以上の所望の評価項目の項目別総合評価点を所望のグラフ形式(棒グラフまたはレーダチャート)によってグラフ化してもよいし、各項目別総合評価点の数値データをグラフに重畳してもよい。また、かかるグラフ化処理部27dは、評価項目群の大項目、中項目、小項目、および細項目の各階層別に項目別総合評価点のグラフを作成してもよいし、かかる評価項目群の階層別に分類せずに所望の各評価項目の項目別総合評価点をグラフ化したものを生成してもよい。

0141

また、かかるグラフ化処理部27dは、上述した建築物の場合と同様に、これら5つの大項目の各項目別総合評価点を示す棒グラフを生成し、この生成した棒グラフにUD評価の総合指標UDindexを重畳したグラフを作成してもよい。この場合、グラフ化処理部27dは、かかるグラフに各項目別総合評価点の数値データと総合指標UDindexの数値データとを付加してもよい。

0142

ここで、制御部27は、かかるグラフ化処理部27dによってグラフ化処理された所望の各評価項目の項目別総合評価点および総合指標UDindexのグラフ、すなわち街区レベル(街区全体、歩道、建築物)のUD総合評価結果のグラフを表示部3、ドライブ4、またはプリンタ5の少なくとも一つに出力させる。具体的には、評価処理部27cは、上述したグラフ化処理部27dによって生成された街区レベルのUD総合評価結果のグラフを含むUD総合評価出力データを生成し、制御部27は、かかる評価処理部27cによって生成された街区レベルのUD総合評価出力データを表示部3に表示出力させ、ドライブ4内の記録媒体に記録させ、またはプリンタ5にプリント出力させる。

0143

また、制御部27は、通信I/F25を制御して、上述した街区全体の各項目別総合評価点と歩道の各項目総合評価点と建築物の各項目別総合評価点とを各評価項目情報等と対応付けて外部に送信する。この場合、かかる街区全体、歩道、および建築物の各項目別総合評価点は、評価項目情報等とともにネットワーク50を介して外部のサーバに受信され、街区レベルのUD総合評価結果のデータとして、この外部のサーバに蓄積される。

0144

つぎに、上述したUDの事例データの検索について説明する。図13は、本発明の実施の形態2にかかるUD総合評価システムの一構成例を示す模式図である。図13に示すように、この実施の形態2にかかるUD総合評価システムは、クライアント側のコンピュータである複数のUD総合評価装置21と、これら複数のUD総合評価装置21とネットワーク50を介して通信接続されるサーバ51(上述した外部のサーバ)とを備える。

0145

サーバ51は、UDに関する事例データベース52aを記憶する記憶部52と、ネットワーク50を介して上述したUD総合評価装置21とデータ通信する通信部53と、ネットワーク50を介してUD総合評価装置21から取得した事例データを収集してUDの事例データベース52aを生成する収集処理部54と、UD総合評価装置21側から検索要求された事例データを事例データベース52aの中から抽出するデータ抽出部55とを備える。

0146

ここで、サーバ51は、ネットワーク50を介して複数のUD総合評価装置21から上述した事例データを順次取得し、取得した事例データ群をUDの事例データベース52aとして記憶部52に蓄積する。この場合、通信部53は、ネットワーク50を介して複数のUD総合評価装置21とデータ通信を行って、上述した事例データを受信する。なお、かかる通信部53が受信する事例データは、街区レベルすなわち街区全体、歩道、および建築物の少なくとも一つに関する事例データであり、上述したように、UD評価対象の属性と、評価項目情報と、評価点情報と、この評価点情報の根拠になった事例の写真データと、この事例の写真データに関するコメントとを含む。

0147

収集処理部54は、かかる通信部53が受信した事例データ群を纏めてUDの事例データベースを作成する。この場合、収集処理部54は、クライアント側のUD総合評価装置21から取得した事例データ群をUD評価対象の属性別、評価項目情報別、または評価点情報のレベル(評価点「1」〜「5」)別に纏めて事例データベース52aを作成する。サーバ51は、かかる収集処理部54が作成した事例データベース52aを記憶部52に蓄積する。

0148

一方、サーバ51は、クライアント側のUD総合評価装置21から事例データの検索要求を受けた場合、この検索要求に従った事例データを要求元のUD総合評価装置21に送信する。この場合、通信部53は、ネットワーク50を介してUD総合評価装置21からの検索要求を受信する。データ抽出部55は、かかる通信部53が受信した検索要求によって従った事例データを記憶部52内の事例データベース52aの中から抽出する。

0149

ここで、データ抽出部55は、かかるUD総合評価装置21からの検索要求によって街区全体に関するUDの事例データが要求された場合、事例データベース52aの中から街区全体の属性と対応付けられた事例データを抽出し、歩道に関するUDの事例データが要求された場合、事例データベース52aの中から歩道の属性と対応付けられた事例データを抽出し、建築物に関するUDの事例データが要求された場合、事例データベース52aの中から建築物の属性と対応付けられた事例データを施設用途別に抽出する。また、データ抽出部55は、かかるUD総合評価装置21からの検索要求によって所定の評価点以上(例えば評価点「4」以上)に評価されたUDの事例データが要求された場合、事例データベース52aの中から所定の評価点以上のUDの事例データを抽出し、所定の評価点以下(例えば評価点「2」以下)に評価されたUDの事例データが要求された場合、事例データベース52aの中から所定の評価点以下のUDの事例データを抽出する。この所定の評価点以上のUDの事例データは、UDの観点から優れていると評価されたUD評価対象の事例データであり、UDの改善策の検討に有効なデータである。一方、この所定の評価点以下のUDの事例データは、UDの観点から劣っていると評価されたUD評価対象の事例データであり、UD上の問題点の明確化に有効なデータである。

0150

なお、かかるデータ抽出部55は、事例データベース52aの中から抽出するUDの事例データを複数の検索要求によって絞り込むことができる。具体的には、データ抽出部55は、UD評価対象の属性と評価点情報とを指定する検索要求を受けた場合、この検索要求によって要求される属性および評価点情報をともに満足するUDの事例データを事例データベース52aの中から抽出する。この場合、データ抽出部55は、例えば、評価点「4」以上に評価された街区全体のUDの事例データを抽出する。

0151

通信部53は、かかるデータ抽出部55によって抽出されたUDの事例データをネットワーク50を介して検索要求元のUD総合評価装置21に送信する。これによって、このUD総合評価装置21は、UDに関する所望の事例データの検索処理を達成する。かかるUD総合評価装置21は、このように検索したUDの事例データをもとに、街区全体、歩道、および建築物のUD上の問題点に対する改善案を容易に取得できる。具体的には、サーバ51の事例データベース52aの中から検索した評価点「4」以上の事例データに含まれる写真データおよびコメント等は、この事例データに類似した属性または評価項目に関するUD上の問題点に対する改善案の検討に有効であり、UD総合評価装置21は、かかるサーバ51から検索したUDの事例データを掲示(例えば表示部3に表示あるいはプリンタ5によってプリント出力)することによって、このUD上の問題点に対する有効な改善案の検討を容易に支援できる。その際、UD総合評価装置21は、UD評価対象の属性を考慮して、UD上の問題点に対する改善案の有効度を定量化し、この有効度の高い順に改善案を掲示する。この結果、UD総合評価装置21は、より効果的に改善案の検討を支援できる。なお、かかる改善案の有効度として、例えば、現UD評価対象の属性と事例データの元となったUD評価対象の属性との類似性、他用途への適用可能性などを考慮した指標等が考えられる。

0152

ここで、近年、UDによる街づくり重要性は、バリアフリー新法の施行に伴って高まっている。このUDによる街づくりとは、障害者または高齢者などを含む全ての人にとって住みやすい街、来訪者によって訪れやすい街にしていくことである。このようなUDによる街づくりを実現するためには、どの程度住みやすい街であるか、あるいはどの程度訪れやすい街であるかを総合的且つ定量的に評価して、UD上の問題点を明確化し、さらには、この問題点に対する有効な改善策を検討する必要がある。なお、従来から、街区の環境性能を評価する評価技術または建築物のUD性能を評価する評価技術は登場している。しかしながら、かかる従来の評価技術では、建築物が群化した街区レベルのUD度を総合的に評価することは困難であり、このため、街区レベルのUD上の問題点を明確化して、この問題点に対する有効な改善策を検討することは困難である。

0153

これに対し、本発明の実施の形態2にかかるUD総合評価装置21は、このようなUD総合評価結果を含むUD総合評価出力データを出力することによって、上述した施設用途別の建築物のUD度のみならず、街区全体および歩道の各UD度を各々総合的に評価した結果を出力することができる。すなわち、かかるUD総合評価装置21は、街区レベルのUD度を総合的に評価した結果を出力することができる。また、UD総合評価装置21は、街区全体、歩道、および建築物の各評価項目群のうちの所定の評価点(例えば評価尺度における最高点)に達しなかった評価項目と対応付けたコメント(具体的には上述した写真データに関するコメント)をUD上の問題点として容易に抽出することができる。この結果、UDの観点から改善すべき街区レベルの問題点の明確化を容易に支援することができる。特に、街区全体および歩道においては、5つの共通な観点(「安全・安心性」、「公平性」、「認知性」、「利便性」、「快適性」)に分類してUD上の問題点を抽出でき、これによって、UD上の問題点の明確化をより容易に支援することができる。

0154

また、かかるUD総合評価装置21は、サーバ51に蓄積された事例データベース52aの中から検索したUDの事例データをもとに、街区全体、歩道、および建築物のUD上の問題点に対する改善案を容易に見出すことができ、この改善案として有用な事例の写真データおよびコメント等を容易に掲示することができる。この結果、UD総合評価装置21は、街区レベルでのUD上の問題点に対する有効な改善案の検討を容易に支援できる。

0155

以上、説明したように、本発明の実施の形態2では、UD評価対象の属性を指定する属性情報を入力し、この入力した属性情報に対応する街区全体または歩道に関するUDの評価項目群を選択的に設定し、この設定した街区全体または歩道に関するUDの評価項目群内の評価項目毎に、UD度の総合的な評価結果を示す項目別総合評価点を算出するようにし、その他を上述した実施の形態1と同様に構成している。このため、複数種類の施設用途の建築物のUD度のみならず、建築物が群化した街区全体のUD度および歩道のUD度を容易に総合評価でき、上述した実施の形態1と同様の作用効果を享受するとともに、街区レベルのUD度を容易に総合評価することができる。

0156

また、街区レベルのUD度を総合的に評価した結果をもとに、街区全体、歩道、および建築物の各評価項目群のうちの所定の評価点に達しなかった評価項目のUD上の問題点を容易に抽出でき、この結果、UDの観点から改善すべき街区レベルの問題点の明確化を容易に支援することができる。

0157

さらに、外部のサーバに蓄積された事例データベースの中からUDに関する所望の事例データを検索でき、この検索したUDの事例データをもとに、街区全体、歩道、および建築物のUD上の問題点に対する改善案を容易に見出すことができる。この結果、この改善案として有用な事例データを容易に掲示することができ、街区レベルでのUD上の問題点に対する有効な改善案の検討を容易に支援できる。これによって、UDの観点から実行すべき街区全体、歩道、または建築物の対策の優先度を明らかにすることができる。

0158

また、街区全体または歩道の評価項目毎に評価点情報を入力し、この入力した評価点情報を評価項目毎に合計した合計値を所定のレンジ内の連続値に換算して、街区全体または歩道のUDに関する各項目別総合評価点を算出しているので、街区全体のUD度および歩道のUD度をより緻密に総合評価することができる。

0159

さらに、街区全体および歩道の各々についてUDの評価項目群に関する評価シートデータを用いているので、この評価項目群内の各評価項目の評価点情報を容易に入力することができ、この結果、街区全体および歩道のUDに関する専門的な知識を有していないユーザであっても、短時間且つ容易に街区全体および歩道のUD評価を短時間且つ容易に行うことができる。

0160

また、かかる街区全体および歩道の各UD総合評価結果をグラフ形式に変換して出力することができるので、このグラフをもとに街区全体および歩道の各UDを容易且つ多面的に評価できるとともに、街区レベルのUD総合評価結果を容易に把握することができる。

0161

なお、上述した実施の形態1では、建築物の施設用途としてオフィス、医療施設、および商業施設の3種類を例示したが、これに限らず、工業施設、遊戯施設、および住宅施設等の各種施設用途の建築物のUD度を総合評価することができる。また、UD評価対象の建築物の施設用途は上述した3種類に限らず、複数種類(例えば4種類以上)の施設用途の建築物のUD度を総合評価することもできる。

0162

また、上述した実施の形態2では、クライアント側のUD総合評価装置21によって処理されたUD総合評価結果またはUDの事例データをネットワーク50を介してサーバ51に送信していたが、これに限らず、上述したUD総合評価装置21と同様のUD総合評価機能をサーバ51に持たせ、このサーバ51が、ネットワーク50を介してクライアント側のコンピュータから街区全体、歩道、および建築物の各評価項目の評価点情報、UD評価対象の属性情報、建築物の施設用途の選択情報等を取得して、クライアント側のコンピュータから評価要求されたUD評価対象のUD度を総合評価し、このUD評価対象のUD総合評価結果をネットワーク50を介してクライアント側のコンピュータに提供してもよい。この場合、サーバ51は、上述した項目設定部27a、係数算出部27b、評価処理部27c、およびグラフ化処理部27dを備え、記憶部52に評価項目データ26a、一対比較データ26b、重み係数データ26c、および評価シートデータ26dを記憶すればよい。

0163

以上のように、本発明にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置は、建築物のユニバーサルデザイン評価に有用であり、特に、オフィスまたは医療施設等の各種施設用途の建築物のユニバーサルデザインを施設用途別に総合評価できるユニバーサルデザイン総合評価装置に適している。

図面の簡単な説明

0164

本発明の実施の形態1にかかるユニバーサルデザイン総合評価装置の一構成例を示すブロック図である。
建築物の施設用途別に異なるユニバーサルデザインの評価項目群の階層構造の一例を示す模式図である。
評価シートデータの一具体例を模式的に示す模式図である。
施設用途別に建築物のユニバーサルデザイン総合評価を行う際の制御部の処理手順を例示するフローチャートである。
ユニバーサルデザインの評価項目群内の全評価項目の評価処理を行う制御部の処理手順を例示するフローチャートである。
評価対象の建築物に関するユニバーサルデザインの項目別総合評価点のグラフの一具体例を示す模式図である。
評価対象の建築物に関するユニバーサルデザインの総合指標のグラフの一具体例を示す模式図である。
評価対象の建築物のユニバーサルデザイン総合評価結果の一出力例を示す模式図である。
本発明の実施の形態2にかかるUD総合評価装置の一構成例を示すブロック図である。
街区全体に関するUDの評価項目群の一部を例示する模式図である。
UD評価対象の評価点情報を入力するための入力画面の一例を示す模式図である。
街区全体および歩道の各UD総合評価結果を示すグラフの一具体例を示す模式図である。
本発明の実施の形態2にかかるUD総合評価システムの一構成例を示す模式図である。

符号の説明

0165

1,21 UD総合評価装置
2 入力部
3 表示部
4ドライブ
5プリンタ
6 記憶部
6a,26a評価項目データ
6b,26b一対比較データ
6c,26c重み係数データ
6d,26d評価シートデータ
7,27 制御部
7a,27a項目設定部
7b,27b係数算出部
7c,27c評価処理部
7d,27dグラフ化処理部
25通信I/F
27e検索制御部
50ネットワーク
51サーバ
52 記憶部
52a事例データベース
53 通信部
54収集処理部
55データ抽出部
101a,101b ID選択部
102属性表示部
103項目表示部
104評価点入力部
105写真選択部
106選択写真表示部
107コメント入力部
D1オフィス用データ
D2医療施設用データ
D3商業施設用データ
D4街区用データ
D5歩道用データ

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