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図面 (4)

課題

水素発生量及び発生時間を増加させることができる水素発生装置用電解質溶液及びこれを用いる水素発生装置を提供する。

解決手段

水と、イオン化化合物と、金属ボロハイドライドと、キレート剤とを含有する水素発生装置用電解質溶液及びこれを用いる水素発生装置を提供する。この水素発生装置用電解質溶液は、水素発生速度を調節することができ、水素発生量及び発生時間を増加させることができる。

概要

背景

燃料電池は、純粋な水素またはメタノール天然ガスなどの炭化水素系燃料中に含まれている水素と空気中の酸素とを電気化学反応により直接電気エネルギーに変換させる装置である。

図1は燃料電池の作動原理を示す図である。

図1を参照すると、燃料電池10の燃料極11はアノードであり、空気極13はカソードである。燃料極11は水素(H2)の供給を受けて水素イオン(H+)と電子(e−)とに分解される。前記水素イオンは膜12を経て空気極13に移動する。前記膜12は電解質層に該当する。電子は外部回路14を経て電流を発生させる。そして、空気極13にて水素イオンと電子、そして空気中の酸素が結合して水になる。前記電解質膜を隔てて燃料極11と空気極13とが位置し膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、MEA)を構成する。前述した燃料電池10における化学反応式は下記反応式1で表される。

すなわち、燃料極11から分離された電子が外部回路を経て電流を発生させることにより電池の機能を果たすことになる。このような燃料電池10はSOxとNOxなどの環境有害物質をほとんど排出しなく二酸化炭素の発生も少ないため、無公害発電であり、低騷音、無振動などの長所がある。

高性能燃料電池を得るためには燃料として水素を用いることが最も好ましい。特に、携帯電話ノートパソコンなどのような携帯用電子機器においてはマイクロ燃料電池を適用して電源として用いることがよい。このようなマイクロ燃料電池に適するものは比較的低温で作動し出力密度の大きい高分子電解質型燃料電池PEMFC)であって、これに対する開発が活発に行われている。前記燃料電池を商用化するためには水素の貯蔵及び供給する技術が先決されるべき重要な技術的問題である。

前記マイクロ燃料電池に体積/重みの比が高い水素を有する水素貯蔵物質を直接用いる場合、水素発生の効率が非常に低い。従って、前記水素貯蔵物質を使用するための材料や技術の開発がさらに必要な状況である。このほかにも水素を圧縮してマイクロ燃料電池に供給する方法があるが、水素を圧縮して貯蔵できる材料や技術が確保されていないという問題点がある。

前述した方法などの問題点を解決するために、マイクロ燃料電池の前部に燃料プロセッサーを設置する方法が研究されている。前記燃料プロセッサーは、メタノール、エタノールなどのような燃料を改質して水素を発生させる装置である。しかし、このような燃料プロセッサーシステムは高い改質温度が要求され、システムが複雑になり、追加電力を消耗するという問題点がある。また改質ガスは純粋水素以外に約25%の不純物(CO2、COなど)を含むという問題点がある。

よって、前記燃料プロセッサーを用いて水素を発生させる方法の問題点を解決しかつ効率的に水素を発生させる水素発生装置の必要性が高まっている。

概要

水素発生量及び発生時間を増加させることができる水素発生装置用電解質溶液及びこれを用いる水素発生装置を提供する。水と、イオン化化合物と、金属ボロハイドライドと、キレート剤とを含有する水素発生装置用電解質溶液及びこれを用いる水素発生装置を提供する。この水素発生装置用電解質溶液は、水素発生速度を調節することができ、水素発生量及び発生時間を増加させることができる。

目的

本発明は前述した問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は純粋な水素を生産できる水素発生装置用電解質溶液及びこれを用いる水素発生装置を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

前記金属ボロハイドライドがリチウムボロハイドライドナトリウムボロハイドライドカリウムボロハイドライドアンモニウムボロハイドライドテトラメチルアンモニウムボロハイドライド及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項1に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項3

前記金属ボロハイドライドの濃度が前記電解質溶液の総重量に対して5重量%ないし50重量%である請求項1又は2に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項4

前記イオン化化合物が塩化リチウム塩化カリウム塩化ナトリウム塩化カルシウム硝酸カリウム硝酸ナトリウム硫酸カリウム硫酸ナトリウム及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項5

前記イオン化化合物の濃度が前記電解質溶液の総重量に対して5重量%ないし35重量%である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項6

前記キレート剤がカルボン酸塩である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項7

前記カルボン酸塩がクエン酸カリウムクエン酸ナトリウム酢酸ナトリウム酢酸カリウム酢酸アンモニウム及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項6に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項8

前記キレート剤の濃度が前記電解質溶液の総重量に対して5重量%ないし30重量%である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項9

前記電解質溶液がアルコールをさらに含む請求項1ないし8のいずれか1項に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項10

前記アルコールがエチレングリコールグリセロールメタノールエタノールブタノールプロパノール及びこれらの混合物からなる群より選択される請求項9に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項11

前記アルコールの濃度が前記電解質溶液の総重量に対して2.5重量%ないし15重量%である請求項9又は10に記載の水素発生装置用電解質溶液。

請求項12

請求項1ないし11のいずれか1項に記載の電解質溶液を収容する電解槽と、前記電解槽内に位置し、前記電解質溶液に浸けられて電子を発生させる第1金属電極と、前記電解槽内に位置し、前記電解質溶液に浸けられて前記電子を受けて水素を発生させる第2金属電極とを有する水素発生装置

請求項13

前記第1金属電極と前記第2金属電極との間に位置するスイッチをさらに有する請求項12に記載の水素発生装置。

請求項14

前記第1金属電極がマグネシウムからなる請求項12又は13に記載の水素発生装置。

請求項15

前記水素発生装置が燃料電池に結合され水素を供給するものである請求項12ないし14のいずれか1項に記載の水素発生装置。

請求項16

前記第1金属電極及び前記第2金属電極が前記電解槽内にそれぞれ複数個設置される請求項12ないし15のいずれか1項に記載の水素発生装置。

請求項17

請求項12ないし16のいずれか1項に記載の水素発生装置と、前記水素発生装置から生成された水素の供給を受け、前記水素の化学エネルギー電気エネルギーに変換して直流電流生産する膜電極接合体とを備える燃料電池システム

技術分野

0001

本発明は水素発生装置用電解質溶液及びこれを用いる水素発生装置に関する。

背景技術

0002

燃料電池は、純粋な水素またはメタノール天然ガスなどの炭化水素系燃料中に含まれている水素と空気中の酸素とを電気化学反応により直接電気エネルギーに変換させる装置である。

0003

図1は燃料電池の作動原理を示す図である。

0004

図1を参照すると、燃料電池10の燃料極11はアノードであり、空気極13はカソードである。燃料極11は水素(H2)の供給を受けて水素イオン(H+)と電子(e−)とに分解される。前記水素イオンは膜12を経て空気極13に移動する。前記膜12は電解質層に該当する。電子は外部回路14を経て電流を発生させる。そして、空気極13にて水素イオンと電子、そして空気中の酸素が結合して水になる。前記電解質膜を隔てて燃料極11と空気極13とが位置し膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、MEA)を構成する。前述した燃料電池10における化学反応式は下記反応式1で表される。

0005

すなわち、燃料極11から分離された電子が外部回路を経て電流を発生させることにより電池の機能を果たすことになる。このような燃料電池10はSOxとNOxなどの環境有害物質をほとんど排出しなく二酸化炭素の発生も少ないため、無公害発電であり、低騷音、無振動などの長所がある。

0006

高性能燃料電池を得るためには燃料として水素を用いることが最も好ましい。特に、携帯電話ノートパソコンなどのような携帯用電子機器においてはマイクロ燃料電池を適用して電源として用いることがよい。このようなマイクロ燃料電池に適するものは比較的低温で作動し出力密度の大きい高分子電解質型燃料電池PEMFC)であって、これに対する開発が活発に行われている。前記燃料電池を商用化するためには水素の貯蔵及び供給する技術が先決されるべき重要な技術的問題である。

0007

前記マイクロ燃料電池に体積/重みの比が高い水素を有する水素貯蔵物質を直接用いる場合、水素発生の効率が非常に低い。従って、前記水素貯蔵物質を使用するための材料や技術の開発がさらに必要な状況である。このほかにも水素を圧縮してマイクロ燃料電池に供給する方法があるが、水素を圧縮して貯蔵できる材料や技術が確保されていないという問題点がある。

0008

前述した方法などの問題点を解決するために、マイクロ燃料電池の前部に燃料プロセッサーを設置する方法が研究されている。前記燃料プロセッサーは、メタノール、エタノールなどのような燃料を改質して水素を発生させる装置である。しかし、このような燃料プロセッサーシステムは高い改質温度が要求され、システムが複雑になり、追加電力を消耗するという問題点がある。また改質ガスは純粋水素以外に約25%の不純物(CO2、COなど)を含むという問題点がある。

0009

よって、前記燃料プロセッサーを用いて水素を発生させる方法の問題点を解決しかつ効率的に水素を発生させる水素発生装置の必要性が高まっている。

発明が解決しようとする課題

0010

本発明は前述した問題点を解決するために案出されたもので、本発明の目的は純粋な水素を生産できる水素発生装置用電解質溶液及びこれを用いる水素発生装置を提供することである。

0011

本発明の他の目的は前記水素発生装置を用いた燃料電池システムを提供することである。

課題を解決するための手段

0012

本発明の一構成によれば、本発明は水と、金属ボロハイドライドと、イオン化化合物(ionic compound)と、キレート剤とを含有する水素発生装置用電解質溶液が提供される。

0013

本発明の一構成によれば、前記金属ボロハイドライドはリチウムボロハイドライドナトリウムボロハイドライドカリウムボロハイドライドアンモニウムボロハイドライドテトラメチルアンモニウムボロハイドライド及びこれらの混合物からなる群より選択されることができる。

0014

前記金属ボロハイドライドの濃度は、前記電解質溶液の総重量に対して5重量%50重量%であることが好ましい。

0015

前記イオン化化合物は、塩化リチウム塩化カリウム塩化ナトリウム塩化カルシウム硝酸カリウム硝酸ナトリウム硫酸カリウム硫酸ナトリウム及びこれらの混合物からなる群より選択されることができる。

0016

前記イオン化化合物の濃度は、前記電解質溶液の総重量に対して5重量%ないし35重量%であることが好ましい。

0017

前記キレート剤はカルボン酸塩(carboxylate)であることができ、具体的にクエン酸カリウムクエン酸ナトリウム酢酸ナトリウム酢酸カリウム酢酸アンモニウム及びこれらの混合物からなる群より選択されることができる。

0018

前記キレート剤の濃度は、前記電解質溶液の総重量に対して5重量%ないし30重量%であることが好ましい。

0019

本発明の一構成によれば、前記電解質溶液はアルコールをさらに含むことができ、具体的に前記アルコールはエチレングリコールグリセロール、メタノール、エタノール、ブタノールプロパノーる及びこれらの混合物からなる群より選択されることができる。

0020

前記アルコールの濃度は、電解質溶液の総重量に対して2.5重量%ないし15重量%であることが好ましい。

0021

本発明の他の構成によれば、水、金属ボロハイドライド、イオン化化合物、及びキレート剤を含有する電解質溶液を収容する電解槽と、前記電解槽内に位置し前記電解質溶液に浸けられて電子を発生させる第1金属電極と、前記電解槽内に位置し前記電解質溶液に浸けられて前記電子を受けて水素を発生させる第2金属電極とを有する水素発生装置が提供される。

0022

本発明の一構成によれば、前記水素発生装置は前記第1金属電極と前記第2金属電極との間にスイッチをさらに有することができる。

0023

前記水素発生装置は燃料電池に結合され水素を供給することができ、前記第1金属電極及び前記第2金属電極は前記電解槽内にそれぞれ複数個設置されることもできる。

0024

本発明のさらに他の構成によれば、本発明は前記の水素発生装置と、前記水素発生装置から生成された水素の供給を受け、前記水素の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して直流電流を生産する膜電極接合体(MEA)とを備える燃料電池システムが提供される。

発明の効果

0025

本発明によれば、金属ボロハイドライド、イオン化化合物、及びキレート剤を含有する水素発生装置用電解質溶液を用いて水素発生速度を調節し、水素の発生量及び発生時間を増加させることができる。

発明を実施するための最良の形態

0026

図2は本発明の一実施形態による水素発生装置の概略的な断面図である。本発明の水素発生装置20は電解槽21、第1金属電極23、第2金属電極24を含んでなる。

0027

以下では、本発明の理解と説明の便宜のために第1金属電極23がマグネシウム(Mg)から構成され、第2金属電極24がステンレススチールから構成されたことを中心にして説明する。

0028

また、図2を参照すると、電解槽21内には電解質溶液22が収容される。また、前記電解槽21内には第1金属電極23及び第2金属電極24が含まれている。前記第1金属電極23及び第2金属電極24は全体またはその一部が電解質溶液内に浸けられていてもよい。

0029

前記第1金属電極23は活性電極であり、マグネシウム(Mg)電極と水(H2O)とのイオン化エネルギーの差のため、マグネシウム電極が水中に電子(e−)を出してマグネシウムイオン(Mg2+)に酸化される。このとき、生成される電子は電線25を通して第2金属電極24に移動することになる。

0030

前記第2金属電極24は非活性電極である。前記第2金属電極24においては、水が第1金属電極23から移動してきた電子を受けて水素に分解される。

0031

前述した化学反応式を示すと反応式2の通りである。

0032

本発明の電解質溶液は金属ボロハイドライドを還元剤として含有する。前記第1金属電極と第2金属電極との間の酸化−還元ポテンシャルにより前記ボロハイドライドから水素の放出が促進されることができる。具体的に、前記ボロハイドライドが水と反応して水素とホウ酸塩とを発生させて水素発生量を増加させることができる。これを化学反応式で示すと下記反応式3の通りである。

0033

本発明によれば、前記金属ボロハイドライドはリチウムボロハイドライド(LiBH4)、ナトリウムボロハイドライド(NaBH4)、カリウムボロハイドライド(KBH4)、アンモニウムボロハイドライド(NH4BH4)、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド((CH3)4NBH4)及びこれらの混合物からなる群より選択されることができるが、これに限られない。

0034

前記金属ボロハイドライドの濃度は、電解質溶液の総重量に対して5重量%ないし50重量%であることが好ましい。金属ボロハイドライドの濃度が5重量%未満であると水素発生量が少ないので金属ボロハイドライドの添加効果がなく、50重量%を超過すると水素の生成量は増加できるが反応速度が落ちるので水素流量の調節が困難になることもある。

0035

水及びボロハイドライドだけからなる電解質溶液は、イオン伝導度が小さく、電気化学反応条件で化学的分解反応速度が遅いため、結果的に水素の発生速度も遅くなる可能性がある。また、反応時間の経過に従い溶液内のボロハイドライドの濃度が次第に減少して使用可能な水素流量を得られないこともある。使用可能な水素流量が得られなかった場合、前記第1金属電極はほとんど消耗されない。また、前記水素発生反応が行われると水素の流量が急激に増加して電解槽内の水が溢れる問題点が発生することもある。従って、金属電極を用いた電気化学反応システムでは水素発生反応速度を調節する必要がある。

0036

また、前記反応の結果より発生するホウ酸塩(例えば、ナトリウムボロハイドライドを用いた場合のホウ酸ナトリウムなど)は水によく溶けない。そして他の反応副産物である金属水酸化物(例えば、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)など)も水に対する溶解度が僅か約12mg/Lに過ぎない。よって、前記反応が続くと電解槽内に水酸化マグネシウムやホウ酸ナトリウムがスラリー状態で存在して水を吸収する。前記水酸化マグネシウムやホウ酸ナトリウムに吸収された水は水素を発生させる電気化学/化学反応に参加できなくなることもある。そして、前記水酸化マグネシウムやホウ酸ナトリウムが第1金属電極及び第2金属電極の間にスラリー状態で存在して水素を発生させうる反応面積が減ることとなる。

0037

本発明の実施形態による水素発生装置用電解質溶液は、使用可能な水素流量を得ることは勿論水素発生の反応速度を調節することや、前記水酸化マグネシウム及びホウ酸塩のような反応副産物を部分的にまたは完全に溶解させるためにイオン化化合物及び/またはキレート剤を含有することができる。

0038

前記電解質溶液に含まれるイオン化化合物は電解質溶液の伝導性を増加させ、かつボロハイドライドの加水分解反応を促進する。従って、前記イオン化化合物及びボロハイドライドを含んだ電解質溶液はボロハイドライドだけを含んだ電解質溶液より水素発生の初期駆動時間(Induction Time)がより短いという長所がある。

0039

本発明で使用できるイオン化化合物の例には、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム及びこれらの混合物などがあるが、これに限られない。本発明で最も好ましいものは塩化カリウムである。

0040

前記イオン化化合物の濃度は、電解質溶液の総重量に対して5重量%ないし35重量%であることが好ましく、10重量%ないし30重量%が最も好ましい。前記イオン化化合物の濃度が5重量%未満であると電解質溶液の伝導性が充分に増加しなく、35重量%を超過すると急激な水素発生が起きたり水に対する溶解度を超過して固体状態で残るという問題点が発生することもある。

0041

本発明による水素発生装置において水を十分に用いるためには固体状態の反応副産物の生成を抑制させたり、生成された反応副産物を部分的にまたは完全に溶解させる必要がある。

0042

本発明の実施例によるキレート剤は水素発生の反応副産物である金属水酸化物の生成を抑制させる役割を果たす。具体的に、前記キレート剤は前記第1金属電極23のマグネシウム電極から発生するマグネシウムイオン(Mg2+)と結合して水溶性キレート化合物を生成する。このようなキレート剤の反応により金属水酸化物である水酸化マグネシウムの発生量が低減するので水素発生効率が急激に低下しない。

0043

本発明において前記キレート剤の例にカルボン酸塩が挙げられる。具体的に、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム及びこれらの混合物などを使用することができるが、これに限られない。

0044

下記の反応式4は前記クエン酸ナトリウムとマグネシウムイオン(Mg2+)が結合し水溶性キレート化合物を作る反応を示している。

0045

前記の反応式4で、マグネシウムイオンが水酸化マグネシウムとして析出する前にクエン酸ナトリウムと反応して水溶性キレート化合物を形成することが分かる。従って、本発明において前記キレート剤は水素発生を妨げる要因である水酸化マグネシウムの発生量を減少させ水の利用率を増加させることにより結果的に水素発生効率を増加させる役割を果たすことが分かる。

0046

前記水溶性キレート化合物が溶解された電解質溶液は、pHが7〜9であるのでマグネシウム電極が腐食される恐れもない。よって前記キレート剤を用いる場合、水素の発生効率が増加するだけでなく、安定的に水素を生産できるという長所がある。

0047

前記キレート剤の濃度は、電解質溶液の総重量に対して5重量%ないし30重量%であることが好ましく、5重量%ないし15重量%が最も好ましい。前記キレート剤の濃度が5重量%未満であったり30重量%を超過する場合には移動性が減少しうる。

0048

また、本発明によれば、水素発生反応を促進するためにアルコールをさらに添加することができる。前記アルコールは反応副産物であるホウ酸塩を部分的または完全に溶解させる役割も果たす。具体的に、前記アルコールはエチレングリコール、グリセロール、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール及びこれらの混合物からなる群より選択されることができる。

0049

前記アルコールの濃度は、電解質溶液の総重量に対して2.5重量%ないし15重量%であることが好ましい。前記範囲を脱する場合には電気化学反応だけでなく化学反応によっても水素が発生しうるからである。

0050

前記キレート剤及び/またはイオン化化合物を使用しない水素発生装置の場合、水素の流量が急激に増加して反応器内の水が溢れる問題点が発生しうる。本発明において前記キレート剤及び/またはイオン化化合物は水素の発生速度を調節する役割を果たす。

0051

本発明は前記電解質溶液に安定剤をさらに添加することができる。本発明では、この技術分野において安定剤として広く知られている物質(例えば、水酸化ナトリウムなど)を用いることができる。

0052

本発明による水素発生装置は、互いに異なる二つの金属電極が金属ボロハイドライド、イオン化化合物及びキレート剤を含有する電解質溶液に浸けられ連結された形態である。このような本発明の水素発生装置は水の電気分解(自動電気分解(auto−electrolysis))反応(電気化学反応)とボロハイドライドの化学的加水分解反応により水素を発生させる装置である。

0053

本発明の一実施形態によれば、本発明は前述した金属ボロハイドライド、イオン化化合物、キレート剤を含有する電解質溶液を収容する電解槽を備える水素発生装置を提供することができる。具体的に水、イオン化化合物及びキレート剤を含有する電解質溶液を収容する電解槽と、前記電解槽内に位置し前記電解質溶液に浸けられて電子を発生させる第1金属電極と、前記電解槽内に位置し前記電解質溶液に浸けられて前記電子を受けて水素を発生させる第2金属電極とを有する水素発生装置を提供することができる。

0054

図3に示すように、前記水素発生装置は前記第1金属電極23と前記第2金属電極24との間にスイッチ26をさらに備えることができる。前記したスイッチがオン(on)になると第1金属電極23から発生された電子を第2金属電極24に移動させ、オフ(off)になると第1金属電極23から発生された電子が第2金属電極24に移動できない。本発明の水素発生装置の場合、水素発生のための初期駆動時間が短く水素発生量が増加するのでon/offスイッチの応答時間は早いはずである。

0055

前記第1金属電極23はマグネシウム以外にアルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)などのアルカリ金属系列元素、鉄(Fe)など相対的にイオン化傾向の大きい金属からなることができる。そして、第2金属電極24はステンレススチール以外の白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)などの第1金属電極23をなす金属と比して相対的にイオン化傾向の小さい金属からなることができる。

0056

本発明において前記第1金属電極23及び/または第2金属電極24はそれぞれ二つ以上ずつ複数個が前記電解槽21の内に設置されることもできる。前記第1金属電極23及び/または第2金属電極24の個数が増加する場合同一の時間の間の水素発生量は増加するので、より短い時間内に所望する量の水素を発生させることが可能となる。

0057

また、本発明による水素発生装置は燃料電池に結合され水素を供給することができる。前記燃料電池には制限はないが、特にマイクロ燃料電池である高分子電解質型燃料電池(PEMFC)が好ましい。

0058

一方、本発明による水素発生装置は燃料電池に水素を供給して前記水素の化学エネルギ電気エネルギに変換して直流電流を生産する膜電極接合体(MEA)を備える燃料電池システムにも用いることができる。

0059

本発明は下記の実施例を通してより詳しく理解できるが、下記実施例は単に本発明の例示のためのものであって、添付された特許請求の範囲に限定される保護範囲を制限するものではない。

0060

下記のような条件で水素発生量が42cc/minである水素発生装置を構成した。

0061

第1金属電極23:3gのマグネシウム
第2金属電極24:ステンレススチール
電極間の距離:1mm
電極使用個数:マグネシウム4つ、ステンレススチール4つ
電極連結方式:直列連結
水溶液の体積:60cc
電極の大きさ:24mm×85mm×1mm
前記した水素発生装置に下記の表1のような塩化カリウム、ナトリウムボロハイドライド、クエン酸ナトリウム及び/またはエチレングリコールを添加し、電気化学反応をして流量測定係(Mass Flow Meter、MFM)を用いて水素発生を確認し、水素発生(42cc/min)の持続時間を測定した。そして、その結果を下記表1に示した。

0062

前記表1の結果から本発明による実施例1ないし2の電解質溶液の場合、比較例1ないし3と比して水素発生時間及び発生量が増加することが分かる。また、実施例1ないし2の電解質溶液の場合、水素流量が急激に増加することはないので水素発生速度を調節して安定的に水素を生産できることが分かる。

0063

本発明の単純な変形ないし変更は、この分野の通常の知識を有する者により容易に実施されることができ、このような変形や変更は、すべて本発明の領域に含まれるものとして見られる。

図面の簡単な説明

0064

典型的な燃料電池の作動原理を示す図である。
本発明の一実施形態による水素発生装置の概略的な断面図である。
本発明の他の実施形態による水素発生装置の概略的な断面図である。

符号の説明

0065

10燃料電池
11燃料極
12 膜
13空気極
14外部回路
20水素発生装置
21電解槽
22電解質溶液
23 第1金属電極
24 第2金属電極
25電線
26 スイッチ

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