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技術 接着性細胞培養用袋状容器

出願人 株式会社フコクコージンバイオ株式会社
発明者 矢野間俊介山田進一田口裕子吉田孝夫森村孝史酒井賢志
出願日 2007年7月25日 (12年11ヶ月経過) 出願番号 2007-193045
公開日 2009年2月12日 (11年4ヶ月経過) 公開番号 2009-027944
状態 特許登録済
技術分野 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 容器壁間 ポートシール 物理的数値 通気性フィルター スチレン樹脂製 評価目的 真空放電 多層押出し成形
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年2月12日)のものです。
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図面 (3)

課題

接着性細胞の培養に使用した時に、培養中の細胞が細菌に汚染される機会が少なく、培養性能が良好で且つばらつきが少なく、経時的にも安定していて、取扱い易く、容易に培養状態が観察できる培養容器を提供する。

解決手段

周縁密封された対面する第1の容器壁3及び第2の容器壁4と、第1の容器壁3と第2の容器壁4との間に形成された空間に連通するポート5とを備え、容器壁が柔軟性を有するとともに、酸素および二酸化炭素透過性を有し、易親水化樹脂6により形成された細胞培養面の全部が紫外線により親水化処理がされている。

概要

背景

従来、実験室レベルでの培養、例えば、研究目的の培養、検査目的の培養、評価目的の培養の何れにおいても、シャーレフラスコ等(以下、「シャーレ等」という。)が使用されてきた。さらに、近年、細胞医療発展もあって、治療目的の培養も頻繁に行われるようになってきたが、これに使用される培養用容器も、ほとんどの場合において、実験室レベルの試験と同じようにシャーレ等が、そのまま使用されているのが現状である。

これらの治療目的の培養には、例えば、患者角膜細胞の培養、皮膚細胞の培養、軟骨細胞の培養等があり、患者の細胞を培養・増殖し、膜状、または、板状に再生して患者に移植するものがある。

また、患者から採取した血球系細胞、例えば、T細胞、NK細胞樹状細胞等を培養し、すなわち、細胞を活性化、誘導、または、変異させ、さらには、増殖させてから、患者の体内に戻し、抗ウィルス治療抗がん治療等を行うものもある。

このように、培養細胞等を医療目的に使用する場合、特に、培養によって得られた細胞、蛋白質、その他の成分を体内に戻すような場合には、その工程に使用される培養用の容器は、培養性能が良く、容易に培養状態が観察でき、培養中の細胞が細菌に汚染される機会が少なく、取扱い易いものでなければならない。すなわち、無菌操作性が良いものでなければならない。

ところが、一般に使用されているシャーレ等は、無菌操作性が良いものとは言えない。

例えば、細胞培養においては、培養開始時に、培地、培養細胞、添加物等を容器内に導入する操作と、終了時に、培養細胞や細胞が合成したタンパク質等の収穫物を取り出す操作が必ず必要であり、さらに、培養期間中においても、培地や添加物等を補充する操作を繰り返し行う必要がある場合が多いが、シャーレ等では、通常、この作業を、蓋を開けて開口部を大気中に開放したまま、ピペット等で繰り返し行わなければならないので、開口部から細菌が進入する機会が頻繁に生じることになる。このような操作を必要とする容器は、細菌汚染の危険性の高い容器と言わざるを得ない。

通常、この操作は無菌室無菌ブース内で行われるので、汚染される危険性は少ないとはいうものの、無菌室や無菌ブース内といわれる空間は、管理により、空間の単位体積あたりの菌数を一定数以下に抑えているだけであって、無菌室や無菌ブース内の空間に細菌等が存在しないわけではなく、開口部が開放されている時間が長ければ長いほど、開放時の操作が複雑になればなるほど、汚染される危険性が増すことになる。

実際にも、培養操作中に細菌に汚染されてしまうケースも多く報告されており、特に、培養経験の少ない未熟作業者、緻密な作業が苦手な作業者等に発生する頻度が高く、作業者を選んで作業にあたらせなければならないことも多い。

さらに、シャーレ等を使用する培養システムにおいては、単に、シャーレ等の取扱いだけでなく、これらの容器を使うシステム全体の無菌操作性をも悪くしていると考えられる。すなわち、シャーレ等を使用して培養を行う場合、培養容器の取扱いだけでなく、培養用具、例えば、ピペット等の取扱いについても、熟練が要求されることになる。

作業者に熟練が要求されることは、熟練者からみれば問題ない作業であっても、その操作が煩雑で、操作ミスが発生しやすく、その操作ミスが大きなリスクに繋がることを意味するものであり、その操作性が改善されるべきものであることは明らかである。

また、通気性無菌フィルターを備えたフラスコに、前もってチューブまたは連結用アダプターを接続しておき、これをよりサイトカイン等の追加、培地の追加、他の容器への移し変え等を行うことによって、無菌操作性を向上させようとする試みもある。

しかし、フラスコは、空の容器であっても培養時の容積と変わらないばかりか、培養時の容積も、必要とする培地の容積よりも2倍またはそれ以上大きい容積のフラスコを使用せざるを得ない場合も多い。さらに、フラスコは、前記の理由に加え、構造を維持するために容器壁に強度を持たせる必要があり、容器壁の肉厚を厚くせざるを得ないので、重量も大きくなり、特に、複数の容器を連結するような場合には、連結操作性が悪く、トータル的閉鎖システム構築することが困難であった。

ここで、閉鎖システムとは無菌的な閉鎖系をいい、内容物が、無菌的に製造された複数の容器間を、汚染された外気に晒されることなく、すなわち、無菌的に移動し、必要な処理が行われることを言う。

さらに、通気性フィルターは、その表面が培地で覆われてしまった場合には、通気性が著しく低下してしまうので、培地がフィルター表面に触れないように注意して取り扱う必要があった。

また、培養容器をフラスコではなく、容器内への内容液充填・排出用として、ポート及びポートに連結するチューブを設けた袋状の容器に替えて、前記問題点を改善しようとする試みも行われている。

例えば、ガス透過性の良い容器壁を有する袋状容器の中で細胞を培養し、細胞の成育に必要な酸素の供給と、細胞の代謝産物の一つである二酸化炭素の排出を、容器壁を介して行おうとするものである。

袋状の容器は、内容液の量によって内容積が変わるので、容器内の空気を排出したり、容器内に空気を供給することなく、付属のチューブから内容液を充填・排出することができ、すなわち、排気用または給気用の無菌フィルターなしに、ポートに連結するチューブから無菌的に培地の充填、排出ができる。さらに、空容器の占める容積は、必要培地量に比べて、著しく少なくて済み、培養時の容積についても、必要培地量より若干容積が大きくなる程度で済むので、フラスコにおける前記問題点は改善される。

ところが、単に、ガス透過性の良い袋状容器だけでは、浮遊性の細胞については、良好な結果が得られるものの、接着性細胞については、新たに、例えば、以下のような不具合が生じてしまう。

袋状容器の容器壁に、酸素および二酸化炭素のような非極性分子からなるガス透過性を期待すると、通常、それらの気体溶解性の高い非極性高分子からなる素材選定せざるを得ないので、自ずと、その表面は、疎水性表面にならざるを得ない。

これに対し、接着性細胞は足場依存性細胞であり、足場が確保できないと増殖できないばかりか、細胞死に至り、培養することができない場合が多いが、この接着性細胞の足場となる表面は、通常、親水性の表面であり、単に、ガス透過性だけを改善した従来の袋状容器では、一般に、接着性細胞の増殖は期待できないものであった。

上記袋状容器の問題点を解決すべく、袋状容器の容器壁を、ガス透過性を有する樹脂で作製し、且つ、バッグ内面すなわち容器壁の細胞が封入される側の面にコロナ放電処理を施して、バッグ内面を親水化することによって、細胞の付着性を向上させた培養バッグが知られている(特許文献1、2)。

これらの培養バッグは、何れもコロナ放電処理によりバッグの内面を親水化しようとするものであるが、コロナ放電処理は、経時劣化が著しいため、細胞の成育・増殖性に安定したデータが得難く、また、一旦成型物に付着した細胞が成育途中で剥落する等の欠点を有しているだけでなく、親水化処理容易性や安定性、さらには、ガス透過性を考慮した素材の選定、容器壁を形成するシートの構成の選定等がなされていないため、親水性の経時変化、培養の安定性等を維持できないものであった(特許文献3)。
特開平03−160984
特開平06−98756
特開昭57−146568

概要

接着性細胞の培養に使用した時に、培養中の細胞が細菌に汚染される機会が少なく、培養性能が良好で且つばらつきが少なく、経時的にも安定していて、取扱い易く、容易に培養状態が観察できる培養容器を提供する。周縁密封された対面する第1の容器壁3及び第2の容器壁4と、第1の容器壁3と第2の容器壁4との間に形成された空間に連通するポート5とを備え、容器壁が柔軟性を有するとともに、酸素および二酸化炭素の透過性を有し、易親水化樹脂6により形成された細胞培養面の全部が紫外線により親水化処理がされている。

目的

本発明が解決しようとする課題は、接着性細胞の培養に使用した時に、培養中の細胞が細菌に汚染される機会が少なく、培養性能が良好で且つばらつきが少なく、同性能が経時的にも安定しており、取扱い易く、さらに望ましくは、容易に培養状態が観察できる接着性細胞培養袋状用容器を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
4件
牽制数
4件

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請求項1

周縁密封された対面する第1の容器壁及び第2の容器壁と、前記第1の容器壁と前記第2の容器壁との間に形成された空間に連通するポートとを備え、前記第1の容器壁および/または前記第2の容器壁が柔軟性を有し、前記第1の容器壁および/または前記第2の容器壁が酸素および二酸化炭素透過性を有し、前記第1の容器壁の細胞封入される側の面の一部または全部が易親水化樹脂により形成され、前記易親水化樹脂により形成された面の一部または全部に親水化処理が施されていることを特徴とする接着性細胞培養用袋状容器

請求項2

前記第1の容器壁が、前記易親水化樹脂により形成された層と柔軟性を有する樹脂層を含む多層シートにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接着性細胞培養用袋状容器。

請求項3

前記易親水化樹脂がシクロオレフィン樹脂であって、前記第2の容器壁を形成する樹脂の少なくともシクロオレフィン樹脂と接着される面を形成する樹脂がオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接着性細胞培養用袋状容器。

請求項4

前記親水化処理が、前記第1の容器壁の細胞が封入される側の面に対する紫外線照射により施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の接着性細胞培養用袋状容器。

請求項5

前記紫外線発生源低圧水銀ランプであることを特徴とする請求項4に記載の接着性細胞培養用袋状容器。

請求項6

25℃における前記第1の容器壁の実効面積あたりの酸素透過性と前記第2の容器壁の実効面積あたりの酸素透過性の和を、容器標準充填培養液量で割った数値が、0.2cc/atm・day・ml以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の接着性細胞培養用袋状容器。

技術分野

0001

本発明は、細胞刺激分化誘導、変異、または、増殖(以下、これらを総称して「培養」という。)するに好適な容器に関し、さらに詳しくは、接着性細胞を培養するのに適した接着性細胞培養用袋状容器に関する。

背景技術

0002

従来、実験室レベルでの培養、例えば、研究目的の培養、検査目的の培養、評価目的の培養の何れにおいても、シャーレフラスコ等(以下、「シャーレ等」という。)が使用されてきた。さらに、近年、細胞医療発展もあって、治療目的の培養も頻繁に行われるようになってきたが、これに使用される培養用容器も、ほとんどの場合において、実験室レベルの試験と同じようにシャーレ等が、そのまま使用されているのが現状である。

0003

これらの治療目的の培養には、例えば、患者角膜細胞の培養、皮膚細胞の培養、軟骨細胞の培養等があり、患者の細胞を培養・増殖し、膜状、または、板状に再生して患者に移植するものがある。

0004

また、患者から採取した血球系細胞、例えば、T細胞、NK細胞樹状細胞等を培養し、すなわち、細胞を活性化、誘導、または、変異させ、さらには、増殖させてから、患者の体内に戻し、抗ウィルス治療抗がん治療等を行うものもある。

0005

このように、培養細胞等を医療目的に使用する場合、特に、培養によって得られた細胞、蛋白質、その他の成分を体内に戻すような場合には、その工程に使用される培養用の容器は、培養性能が良く、容易に培養状態が観察でき、培養中の細胞が細菌に汚染される機会が少なく、取扱い易いものでなければならない。すなわち、無菌操作性が良いものでなければならない。

0006

ところが、一般に使用されているシャーレ等は、無菌操作性が良いものとは言えない。

0007

例えば、細胞培養においては、培養開始時に、培地、培養細胞、添加物等を容器内に導入する操作と、終了時に、培養細胞や細胞が合成したタンパク質等の収穫物を取り出す操作が必ず必要であり、さらに、培養期間中においても、培地や添加物等を補充する操作を繰り返し行う必要がある場合が多いが、シャーレ等では、通常、この作業を、蓋を開けて開口部を大気中に開放したまま、ピペット等で繰り返し行わなければならないので、開口部から細菌が進入する機会が頻繁に生じることになる。このような操作を必要とする容器は、細菌汚染の危険性の高い容器と言わざるを得ない。

0008

通常、この操作は無菌室無菌ブース内で行われるので、汚染される危険性は少ないとはいうものの、無菌室や無菌ブース内といわれる空間は、管理により、空間の単位体積あたりの菌数を一定数以下に抑えているだけであって、無菌室や無菌ブース内の空間に細菌等が存在しないわけではなく、開口部が開放されている時間が長ければ長いほど、開放時の操作が複雑になればなるほど、汚染される危険性が増すことになる。

0009

実際にも、培養操作中に細菌に汚染されてしまうケースも多く報告されており、特に、培養経験の少ない未熟作業者、緻密な作業が苦手な作業者等に発生する頻度が高く、作業者を選んで作業にあたらせなければならないことも多い。

0010

さらに、シャーレ等を使用する培養システムにおいては、単に、シャーレ等の取扱いだけでなく、これらの容器を使うシステム全体の無菌操作性をも悪くしていると考えられる。すなわち、シャーレ等を使用して培養を行う場合、培養容器の取扱いだけでなく、培養用具、例えば、ピペット等の取扱いについても、熟練が要求されることになる。

0011

作業者に熟練が要求されることは、熟練者からみれば問題ない作業であっても、その操作が煩雑で、操作ミスが発生しやすく、その操作ミスが大きなリスクに繋がることを意味するものであり、その操作性が改善されるべきものであることは明らかである。

0012

また、通気性無菌フィルターを備えたフラスコに、前もってチューブまたは連結用アダプターを接続しておき、これをよりサイトカイン等の追加、培地の追加、他の容器への移し変え等を行うことによって、無菌操作性を向上させようとする試みもある。

0013

しかし、フラスコは、空の容器であっても培養時の容積と変わらないばかりか、培養時の容積も、必要とする培地の容積よりも2倍またはそれ以上大きい容積のフラスコを使用せざるを得ない場合も多い。さらに、フラスコは、前記の理由に加え、構造を維持するために容器壁に強度を持たせる必要があり、容器壁の肉厚を厚くせざるを得ないので、重量も大きくなり、特に、複数の容器を連結するような場合には、連結操作性が悪く、トータル的閉鎖システム構築することが困難であった。

0014

ここで、閉鎖システムとは無菌的な閉鎖系をいい、内容物が、無菌的に製造された複数の容器間を、汚染された外気に晒されることなく、すなわち、無菌的に移動し、必要な処理が行われることを言う。

0015

さらに、通気性フィルターは、その表面が培地で覆われてしまった場合には、通気性が著しく低下してしまうので、培地がフィルター表面に触れないように注意して取り扱う必要があった。

0016

また、培養容器をフラスコではなく、容器内への内容液充填・排出用として、ポート及びポートに連結するチューブを設けた袋状の容器に替えて、前記問題点を改善しようとする試みも行われている。

0017

例えば、ガス透過性の良い容器壁を有する袋状容器の中で細胞を培養し、細胞の成育に必要な酸素の供給と、細胞の代謝産物の一つである二酸化炭素の排出を、容器壁を介して行おうとするものである。

0018

袋状の容器は、内容液の量によって内容積が変わるので、容器内の空気を排出したり、容器内に空気を供給することなく、付属のチューブから内容液を充填・排出することができ、すなわち、排気用または給気用の無菌フィルターなしに、ポートに連結するチューブから無菌的に培地の充填、排出ができる。さらに、空容器の占める容積は、必要培地量に比べて、著しく少なくて済み、培養時の容積についても、必要培地量より若干容積が大きくなる程度で済むので、フラスコにおける前記問題点は改善される。

0019

ところが、単に、ガス透過性の良い袋状容器だけでは、浮遊性の細胞については、良好な結果が得られるものの、接着性細胞については、新たに、例えば、以下のような不具合が生じてしまう。

0020

袋状容器の容器壁に、酸素および二酸化炭素のような非極性分子からなるガス透過性を期待すると、通常、それらの気体溶解性の高い非極性高分子からなる素材選定せざるを得ないので、自ずと、その表面は、疎水性表面にならざるを得ない。

0021

これに対し、接着性細胞は足場依存性細胞であり、足場が確保できないと増殖できないばかりか、細胞死に至り、培養することができない場合が多いが、この接着性細胞の足場となる表面は、通常、親水性の表面であり、単に、ガス透過性だけを改善した従来の袋状容器では、一般に、接着性細胞の増殖は期待できないものであった。

0022

上記袋状容器の問題点を解決すべく、袋状容器の容器壁を、ガス透過性を有する樹脂で作製し、且つ、バッグ内面すなわち容器壁の細胞が封入される側の面にコロナ放電処理を施して、バッグ内面を親水化することによって、細胞の付着性を向上させた培養バッグが知られている(特許文献1、2)。

0023

これらの培養バッグは、何れもコロナ放電処理によりバッグの内面を親水化しようとするものであるが、コロナ放電処理は、経時劣化が著しいため、細胞の成育・増殖性に安定したデータが得難く、また、一旦成型物に付着した細胞が成育途中で剥落する等の欠点を有しているだけでなく、親水化処理容易性や安定性、さらには、ガス透過性を考慮した素材の選定、容器壁を形成するシートの構成の選定等がなされていないため、親水性の経時変化、培養の安定性等を維持できないものであった(特許文献3)。
特開平03−160984
特開平06−98756
特開昭57−146568

発明が解決しようとする課題

0024

本発明が解決しようとする課題は、接着性細胞の培養に使用した時に、培養中の細胞が細菌に汚染される機会が少なく、培養性能が良好で且つばらつきが少なく、同性能が経時的にも安定しており、取扱い易く、さらに望ましくは、容易に培養状態が観察できる接着性細胞培養袋状用容器を提供することにある。

0025

すなわち、接着性細胞の培養に使用した場合に、無菌操作が容易で、トータル的な閉鎖システムの構築が容易で、バッグ内面が接着細胞の足場になる表面性能を安定して有し、且つ、その性能が保管中および培養中の経時的な劣化が少なく、さらに望ましくは、倒立顕微鏡による培養細胞等の観察が容易な接着性細胞培養袋状用容器を提供することにある。

0026

さらに詳しく述べると、容器壁が、細胞培養に必要な酸素及び二酸化炭素の外界とのガス交換が可能なガス透過性を有し、容器内からの空気を排出または容器内への空気の供給を伴なわずに、付属のチューブから内容液を充填・排出することが可能で、バッグ内面が経時的にも安定した親水性を有し、少なくとも親水化された側の容器壁が透明で、倒立顕微鏡下で細胞の状態を容易に観察できる容器を提供することにある。

課題を解決するための手段

0027

請求項1に係る発明は、周縁密封された対面する第1の容器壁及び第2の容器壁と、第1の容器壁と第2の容器壁との間に形成された空間に連通するポートとを備え、
第1の容器壁および/または第2の容器壁が柔軟性を有し、
第1の容器壁および/または第2の容器壁が酸素および二酸化炭素の透過性を有し、
第1の容器壁の細胞が封入される側の面の一部または全部が易親水化樹脂により形成され、
易親水化樹脂により形成された面の一部または全部に親水化処理が施されていることを特徴とする。

0028

請求項2に係る発明は、第1の容器壁が、易親水化樹脂により形成された層と柔軟性を有する樹脂層を含む多層シートにより形成されていることを特徴とする。

0029

請求項3に係る発明は、易親水化樹脂がシクロオレフィン樹脂であって、第2の容器壁を形成する樹脂の少なくともシクロオレフィン樹脂と接着される面を形成する樹脂がオレフィン系樹脂であることを特徴とする。

0030

請求項4に係る発明は、親水化処理が、第1の容器壁の細胞が封入される側の面に対する紫外線照射により施されていることを特徴とする。

0031

請求項5に係る発明は、紫外線発生源低圧水銀ランプであることを特徴とする。

0032

請求項6に係る発明は、25℃における第1の容器壁の実効面積あたりの酸素透過性と第2の容器壁の実効面積あたりの酸素透過性の和を、容器の標準充填培養液量で割った数値が、0.2cc/atm・day・ml以上であることを特徴とする。

発明の効果

0033

請求項1に係る発明によると、第1の容器壁および/または第2の容器壁が柔軟性を有すことによって、袋状の容器またはバッグの性能であるところの、容器内からの空気を排出または容器内への空気の供給を伴わずに、付属のチューブから内容液を充填・排出することが可能となり、さらに、第1の容器壁および/または第2の容器壁が酸素および二酸化炭素の透過性を有することによって、密封したまま、細胞の培養が可能となるので、結果として、無菌操作が容易で、トータル的な閉鎖システムの構築が容易な細胞培養用袋状容器が得られる。

0034

さらに、第1の容器壁の細胞が封入される側の面の一部または全部を易親水化樹脂により形成し、この面を親水化することによって、容器の内面に容易に安定した親水性表面を得ることが可能で、結果として、安定した接着性細胞の培養が可能となり、接着性細胞培養用袋状容器が得られる。なお、本接着性細胞培養用袋状容器は、培養時には、通常、第1の容器壁を下にして、すなわち、親水化された面が下に来るようにして使用される。

0035

ここで、易親水化樹脂とは、高エネルギーを有する電磁波または粒子線照射し、又は、高エネルギーを有するプラズマに接触させることにより、例えば、紫外線照射処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理等の親水化処理において、親水化され易く、且つ、その安定性が得られ易い樹脂をいい、硬質の樹脂が多く、例えば、シクロオレフィン樹脂、スチレン樹脂ポリエステル樹脂ポリカーボネート樹脂ポリメチルメタクリル樹脂等が挙げられる。ここでいうプラズマ放電処理とは、真空放電中のプラズマに被処理物を接触させる狭義のプラズマ放電処理をいう。

0036

また、柔軟性とは、空気の出入り無しに内容液が容器内に流入または流出できる程度に変形して容積を確保する容器壁の追従性をいう。この追従性は、単に、容器壁を形成する材料の物理的数値によって決まるのではなく、容器形態、容器内に存在する空気量等によっても変わるので、一概に、容器壁を形成する材料の物理的数値で制限することは適切ではない。

0037

本発明の用途を考慮すれば、容器の柔軟性は、内溶液落差程度の圧力、例えば、50cm水柱程度の圧力で、必要量の内容液が、ほぼ全て流入または流出する程度の柔軟性を有すれば良い。具体的に言えば、例えば、5000Paで容器内を吸引した時に対面する容器壁が密着するような容器においては、5000Paの圧力をかけた時に、対面する容器壁間が、対面する周縁シール間の2分の1以上になる程度に柔軟性を有すれば良い。

0038

なお、前記の定義に従えば、二つの容器壁が何れも柔軟性を有する必要はなく、容器形態によっては、二つの容器壁のうち、何れか一方の容器壁が柔軟性を有すれば良い。

0039

請求項2に係る発明によると、請求項1に記載の構成に加え、第1の容器壁が易親水化樹脂により形成された層(以下、「易親水化樹脂層」という。)と柔軟性を有する樹脂層を含む多層シートにより形成されているため、二つの容器壁が何れも柔軟性を有する。

0040

本発明の接着性細胞培養用袋状容器においては、上記のように、二つの容器壁のうち、何れか一方の容器壁が柔軟性を有すれば良いが、その場合にはどうしても形態が複雑になるので、二つの容器壁が何れも柔軟性を有するほうが好ましい。

0041

ところが、第1の容器壁に使用される易親水化樹脂は、同容器壁を硬くする方向に働くので、第1の容器壁にも柔軟性を持たせるためには、易親水化樹脂層を薄くして、他の層に柔軟性を有する樹脂層を設けた多層シートを用いることが好ましい。

0042

このように、第1の容器壁に多層シートを用いることによって、さらに、酸素透過の面も改善することが出来る。すなわち、気体透過性が比較的低い易親水化樹脂層を薄くして、気体透過性の高い柔軟性を有する樹脂層を設けることによって、本発明の接着性細胞培養用袋状容器内に十分な酸素を供給することができる。

0043

ここで、多層シートの柔軟性を有する樹脂層を形成する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂エチレン酢酸ビニル共重合体ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂ポリブタジエン樹脂スチレンブタジエン共重合樹脂及びそれらの水素添加樹脂ポリウレタン樹脂等、及び、それらの樹脂の混合物が挙げられる。

0044

低密度ポリエチレンとしては、一般の低密度ポリエチレンはもちろんのこと直鎖状低密度ポリエチレン樹脂メタロセン触媒系低密度ポリエチレン樹脂が含まれる。また、ポリプロピレン樹脂には、ステレオブロックポリプロピレン樹脂及びポリプロピレン樹脂とステレオブロックポリプロピレン樹脂の混合物も含まれる。多層シートを形成する方法としては、共押出し成形ラミネートコーティング印刷等が上げられる。

0045

なお、第2の容器壁を形成する樹脂は、柔軟性を有し、且つ、酸素および二酸化炭素の透過性の良い樹脂から選定されるが、多層シートの柔軟性を有する樹脂層を形成する樹脂として挙げた樹脂と同じ樹脂が採用できる。また、多層シートとは、2つ以上の層を有するシートをいう。

0046

請求項3に係る発明によると、請求項1または請求項2の構成に加え、易親水化樹脂がシクロオレフィン樹脂であって、第2の容器壁を形成する樹脂の少なくともシクロオレフィン樹脂と接着される面を形成する樹脂が、オレフィン系樹脂であるため、樹脂相互の良好な接着性が得られる。
尚、上記の接着は、熱接着が好ましい。ここで、熱接着とは、加熱する手段の如何を問わず、また、接着面の双方が溶け合っているか否かを問わず、熱を与えることによって接着面が一体化し、通常の使用状態の範囲内では容易に離れない状態になることをいい、接着面の少なくとも一方が溶融して一体化する溶着も含むものである。また、加熱する手段としては、例えば、超音波を用いるものも含まれる。

0047

一般に、第1の容器壁と第2の容器壁は前記周縁において熱接着されるが、易親水化樹脂は、柔軟性と気体透過性両方を有する樹脂と熱接着し難い傾向があるが、シクロオレフィン樹脂とオレフィン系樹脂との組み合わせでは、良好な接着性が得られる。

0048

ここで、シクロオレフィン樹脂としては、シクロオレフィン樹脂としてシクロオレフィンコポリマー(アペル、三井化学社製)、シクロオレフィンポリマーゼオノアまたはゼオネックス、日本ゼオン社製)が挙げられる。

0049

オレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂及びそれらの水素添加樹脂、及び、それらの樹脂の混合物が挙げられる。

0050

シクロオレフィン樹脂は、オレフィン系樹脂であって、且つ、環状構造を有するので、熱安定性が良好であり、また、溶出物も少なく、生体に対して安全性が高い樹脂であるため、医療用細胞培養容器に適している。

0051

請求項4に係る発明によると、請求項1乃至請求項3に記載の構成に加え、親水化処理が、第1の容器壁の細胞が封入される側の面に対する紫外線照射により施されているから、被処理物の材質の制限はあるものの、材質を適宜選定すれば、親水性の経時的劣化が少なく、接着性細胞の培養適正の良い接着性細胞培養用袋状容器が得られる。

0052

ここで、照射される紫外線は、オゾンを生成、分解するエネルギーを有する185nmおよび254nmの波長、または、それより短波長領域の波長を含む紫外線である。

0053

請求項5に係る発明によると、請求項4に記載の構成に加え、紫外線の発生源が低圧水銀ランプであることから、容器壁を袋状容器の形態にする前、すなわち、シート状の時に、容器内面になる面に紫外線照射すれば、シートを紫外線ランプの下を通過させるだけで、容易に、安価な設備で、しかも、連続的に、容器壁を親水化処理することが出来る。

0054

請求項6に係る発明によると、請求項1ないし請求項5に記載の構成に加え、25℃における第1の容器壁の実効面積あたりの酸素透過性と第2の容器壁の実効面積あたりの酸素透過性の和を、容器の標準充填培養液量で割った数値が、0.2cc/atm・day・ml以上であることから、十分に細胞の培養が可能な細胞培養用袋状容器が得られる。ここでいう実効面積とは、実際に酸素が透過してバッグ内に酸素を供給する容器壁の面積を言う。

0055

一般に、プラスチックフィルムに対する酸素と二酸化炭素の気体透過性には相関関係があり、酸素透過性が高いものは、通常、二酸化炭素の透過性も高い。また、二酸化炭素の透過性は酸素の透過性に比べて著しく高いので、容器壁の酸素と二酸化炭素の気体透過性を評価する場合には、細胞培養を目的とする場合については、酸素の透過性について評価すれば良い。

0056

容器壁は、培養細胞が要求する酸素を、全ての容器壁を透過して容器内に供給される酸素で補える透過性を有すれば良い。

0057

培養細胞が要求する酸素量は、最適な培養条件下であれば培養液量に比例するので、容器として必要な酸素量は、培養のために同容器に標準的に充填される最大の培養液量、すなわち、容器の標準充填培養液量に比例する。
通常、この容器の標準充填培養液量は、容量、充填液量、培地量、培養液量等の表現で、カタログ取扱説明書等に記載されている。

0058

また、全ての容器壁を透過して容器内に供給される酸素量は、酸素が透過する容器壁の酸素透過性から求めた酸素透過量を、それぞれの酸素透過性を有する容器壁ごとに算出し、合計した総酸素透過量で表すことが出来る。そこで、総酸素透過量を容器の標準充填培養液量で割れば、容器の寸法にかかわらない容器の必要酸素透過性を限定できる。

0059

これまでの、経験上、同数値が、0.2cc/atm・day・mlであれば、十分に細胞の培養が可能であることが確認されている。

0060

一般に、培養細胞等の顕微鏡観察は、倒立顕微鏡によって、細胞の形、色等を観察して、培養の進み具合、細胞の状態を観察して、次の処置を施すことが一般に行われているため、顕微鏡観察側の容器壁、すなわち、第1の容器壁は、顕微鏡で細胞が観察できる程度、すなわち、光線透過率が80%以上であることが好ましい。

0061

以上のとおり本発明によれば、接着性細胞の培養に使用した時に、培養中の細胞が細菌に汚染される機会が少なく、培養性能が良好で且つばらつきが少なく、同性能が経時的にも安定しており、取扱い易く、さらに、容易に培養状態が観察できる接着性細胞培養袋状用容器を提供することができる。

0062

すなわち、接着性細胞の培養に使用した場合に、無菌操作が容易で、トータル的な閉鎖システムの構築が容易で、バッグ内面が接着細胞の足場になる表面性能を安定して有し、且つ、その性能が保管中および培養中の経時的な劣化が少なく、さらに望ましくは、倒立顕微鏡による培養細胞等の観察が容易な接着性細胞培養袋状用容器を提供することができる。

0063

さらに詳しく述べると、容器壁が、細胞培養に必要な酸素及び二酸化炭素の外界とのガス交換が可能なガス透過性を有し、容器内からの空気を排出または容器内への空気の供給を伴わずに、付属のチューブから内容液を充填・排出することが可能で、バッグ内面が経時的にも安定した親水性を有し、少なくとも親水化された側の容器壁が透明で、倒立顕微鏡下で細胞の状態を容易に観察できる容器を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0064

本発明の実施の形態を実施例1,2に基づき、比較例1〜4と共に、図1,2を参照しながら説明する。

0065

実施例1の接着性細胞培養用袋状容器1は、周縁が周縁シール2によりシール、密封された対面する二つの容器壁、すなわち、容器壁3(第1の容器壁)及び容器壁4(第2の容器壁)と、容器壁3と容器壁4との間に形成される空間に連通し、内容液を充填または排出するためのポート5とからなる容器であって、容器壁3が内面を易親水化樹脂6で形成された、ガス透過性を有し、柔軟性を有する多層シートからなり、容器壁4が、容器壁3よりもさらにガス透過性が高く、柔軟性も高い単層樹脂シートで形成されている。容器壁3は、さらに、内面、すなわち、易親水性樹脂層表面7に、紫外線が照射され、表面が親水化されている。

0066

ポート5の開口端に接続されたチューブ11の先端には、培養容器1を密封するためにキャップ8が設けられており、培養容器1のポート5と反対側の周縁シール2の部分には、内容液を排出する時に培養容器1を吊るして排出するための懸垂口9が設けられている。

0067

容器壁3には、柔軟性と酸素透過性を付与する基材の樹脂層10として、ステレオブロック共重合体からなるポリプロピレン樹脂層の130μmと、易親水化樹脂層6としてシクロオレフィン樹脂40μm(シクロオレフィンポリマー、ゼオノア1420、ゼオン社製)の多層シートを用い、容器壁4には、酢酸ビニル含有率10%のエチレン-酢酸ビニル共重合体(ウルトラセン540、東ソー株式会社)からなる単層シートを用いた。

0068

容器壁3を形成する多層シートには、ポリプロピレン樹脂層とシクロオレフィン樹脂層間の密着度を向上させるために、中間層として、エチレン−プロピレン共重合体の樹脂層が配置されている。

0069

実施例1の接着性細胞培養用袋状容器1を製造する工程を説明すると、容器壁3に用いられる多層シートを多層押出し成形機により成形し、同シートのシクロオレフィン樹脂面を、低圧紫外線ランプ光表面処理実験装置PL16−110、セン特殊光源株式会社製)下に4分間さらして紫外線照射をすることによって、シクロオレフィン樹脂面を親水化した。

0070

なお、後工程で熱接着される部分、すなわち、周縁シール部等は、紫外線照射により、熱接着性が著しく低下するので、マスクキングして紫外線が当らないようにした。紫外線照射はランプ下10mm、すなわち、ランプの最下面から被処理物の表面までの距離が10mmの位置で行った。

0071

次に、親水化した多層シートの親水化された面の側に、すなわち、易親水化表面7側に、別途インフレーション成形機で成形した単層シートを重ね合わせ、両シートの間に、別途、射出成形により形成したポート5を挟み、一般に知られる方法である上下より熱盤で、ポートシール部51および周縁シール部を挟んで加熱することによって、ポート5および周縁をシールし、余分な部分をトリミングして除去後、ポート5に柔軟性のある軟質塩化ビニル樹脂製のチューブ11を繋いでポート機能を延長し、片面の容器壁の面積が225cm2の取扱い性の良い実施例1の接着性細胞培養用袋状容器1を得た。
尚、周縁シール部は、最終製品において周縁シール2を得るために熱接着される部分全体をいい、具体的にはトリミングにより除去される周縁シール2の外側の余剰部分と周縁シール2を併せた部分をいう。

0072

実施例1の接着性細胞培養用袋状容器1は、培地の充填、排出が、空気の出入りなしに容易に行える柔軟性、倒立顕微鏡で細胞を容易に観察できる透明性、さらに、第1の容器壁3の実効面積あたりの酸素透過性と第2の容器壁4の実効面積あたりの酸素透過性の和を、容器の標準充填培養液量で割った数値が、0.2cc/atm・day・mlより十分に大きい酸素透過性を有するものであった。

0073

ここで接着性細胞とは、培養時に、すなわち、細胞が増殖、分化等するときに、容器壁等を足場として必要とする細胞をいう。一般に、上皮系細胞間質系細胞、株化細胞がん細胞等が上げられるが、例えば樹状細胞のように、血球系の細胞の中にも、分化の段階により、足場を必要とする時期を有するものがあるが、それらの細胞も、ここでいう接着性細胞にあたる。

0074

実施例2では、シクロオレフィン樹脂に、シクロオレフィンコポリマー(アペル、三井化学社製)を用いた以外は、実施例1と同様に作製し、実施例2の接着性細胞培養用袋状容器1を得た。実施例2の接着性細胞培養用袋状容器1も、柔軟性、透明性、酸素透過性について、実施例1と同様の性能を有していた。

比較例1

0075

比較例1では、容器壁3にインフレーション成形機により成形したポリエチレン樹脂製の200μmシートを用いた以外は、実施例1と同様に作製し、実施例2の接着性細胞培養用袋状容器1を得た。比較例2の接着性細胞培養用袋状容器1も、柔軟性、透明性、酸素透過性について、実施例1と同様の性能を有していた。

比較例2

0076

比較例1では、容器壁3にインフレーション成形機により成形したエチレン-酢酸ビニル共重合体製の200μmシートを用いた以外は、比較例1と同様に作製し、実施例2の接着性細胞培養用袋状容器を得た。比較例2接着性細胞培養用袋状容器1も、柔軟性、透明性、酸素透過性について、実施例1と同様の性能を有していた。

比較例3

0077

比較例3では、多層シートのシクロオレフィン樹脂面に、紫外線を照射しなかった以外は、実施例1と同様に作製し、比較例3の接着性細胞培養用袋状容器1を得た。比較例3の接着性細胞培養用袋状容器1も、柔軟性、透明性、酸素透過性について、実施例1と同様の性能を有していた。

比較例4

0078

比較例4では、細胞培養性能比較のため、市販の培養面積225cm2のスチレン樹脂製のフラスコ(T225:コーニング社製)をコントロールとした。

0079

次に、各実施例および各比較例について、接着性細胞培養用袋状容器1の培養性能、すなわち、細胞の増殖性をついて確認したところ、表1に示す結果が得られた。

0080

0081

表1によれば、シクロオレフィン樹脂であるシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー何れについても、内面を紫外線照射により親水化処理することにより、市販の組織培養用フラスコと同等またはそれ以上の増殖性能が得られたことが分かる。

0082

しかし、シクロオレフィン樹脂であっても、紫外線照射により親水化していないものは、増殖率が格段に劣っており、紫外線照射しても、親水化処理が効率よく施されないエチレン-酢酸ビニル共重合体およびポリエチレン樹脂を内面に有する培養容器も、市販のフラスコに比べて、格段に劣っていた。

0083

なお、培養評価の手順は以下の通りである。
試料等)
細胞:ヒト繊維芽細胞
培養容器:実施例1−2および比較例1−3
試薬:D−MEM和光純薬社製)
+FBS(Cell Culture Technologies)
PBS(−)(和光純薬社製)
EDTAトリプシン

0084

(培養および評価手順
1.T225フラスコに継代培養したヒト繊維芽細胞に、PBS(−)5mlを添加し、直ちに除去し洗浄する。同じ操作をもう一度繰り返す。EDTAトリプシン液5mlを添加して5分間放置後、ピペッティングにより細胞を剥離する。
2.前記細胞浮遊液を50mlの遠心管移し替え、1200rpmで3分間遠心して、培地を除去後、D−MEM20mlで洗浄する。
3.洗浄液遠心除去後、D−MEM5ml細胞を分散させ、細胞懸濁液を得る。
4.細胞数を測定後、予め培地50mlを充填した前記培養容器に、1容器あたり46×10の4剰個に相当する懸濁液を入れる。

0085

5.インキュベータ内(温度:37℃、湿度:98%、二酸化炭素濃度:5%)で、10日間培養する。なお、培養中、各培養容器は、容器壁3を下側にして平ら静置し、培養した。
6.各培養容器にPBS(−)5mlを添加し、直ちに除去し洗浄する。同じ操作をもう一度繰り返す。EDTAトリプシン液5mlを添加して5分間放置後、ピペッティング(フラスコの場合)、または、撹拌(袋状容器の場合)して、培養した細胞を浮遊させ、細胞懸濁液としてから、細胞数を測定する。

0086

以上のように、本発明に係る接着性細胞培養用袋状容器は、接着性細胞の培養に使用した場合に、接着性細胞の培養が可能で、培養中の細胞が細菌に汚染される機会が極めて少なく、容易に培養状態も観察でき、取扱い易いといった効果を有し、接着性細胞の培養用容器として、極めて好適である。

図面の簡単な説明

0087

本発明の一実施例に係る培養容器を示す平面図である。
図1の培養容器の側面を示す部分断面図である。

符号の説明

0088

1接着性細胞培養用袋状容器
2周縁シール
3容器壁(第1の容器壁)
4 容器壁(第2の容器壁)
5ポート
6易親水化樹脂
7 易親水性樹脂層表面
8キャップ
9懸垂口
10基材の樹脂層
11チューブ
51ポートシール部

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