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技術 アスベスト処理方法

出願人 株式会社亀屋産業
発明者 大田展久
出願日 2007年7月18日 (12年11ヶ月経過) 出願番号 2007-186729
公開日 2009年2月5日 (11年4ヶ月経過) 公開番号 2009-022846
状態 特許登録済
技術分野 消化剤;有害な化学剤の無害化 固体廃棄物の処理 人造石、天然石の後処理
主要キーワード 補助施設 資源環境 非飛散性 廃アスベスト 飛散性アスベスト 針状形状 残存繊維 低濃度化
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年2月5日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

安価に導入でき、十分に無害化可能なアスベスト処理方法を提供すること。

解決手段

アスベスト所定温度以上で所定濃度以上の酸に所定時間以上浸漬し、溶液を除去した後、残っている繊維状物質を所定濃度のアルカリに浸漬して、繊維状物質を溶解することを特徴とするアスベスト処理方法である。また、アスベストを酸に浸漬してMgを溶出させ、次いで、溶液を除去した後、得られた繊維状物質をアルカリに浸漬してSiを溶出させて当該繊維状物質を溶解することを特徴とするアスベスト処理方法である。

概要

背景

近年、古い建築物解体リフォームがされつつあり、人体に悪影響を及ぼすアスベストを、大量に処理しなくてはならない状況が生じている。アスベストの無害化処理はいくつかの技術が知られているが、現実に広く導入されているものは、溶融方法である。

溶融方法は、アスベストを1500℃以上の高温溶融し、本来の針状形状からガラス状に変質させる技術である。これにより、無害化が可能となり、埋設なども可能となっている。

また、酸処理して、アスベストほど超安定でない物質に変質させる方法も知られている。

特開2007−113175
特開2007−144251
特開平08−141537
資源環境技術総合研究所報告第18号(平成9年1月) 第2章「非晶質シリカの作成と特性評価」(第3頁〜第11頁)

概要

安価に導入でき、十分に無害化可能なアスベスト処理方法を提供すること。アスベストを所定温度以上で所定濃度以上の酸に所定時間以上浸漬し、溶液を除去した後、残っている繊維状物質を所定濃度のアルカリに浸漬して、繊維状物質を溶解することを特徴とするアスベスト処理方法である。また、アスベストを酸に浸漬してMgを溶出させ、次いで、溶液を除去した後、得られた繊維状物質をアルカリに浸漬してSiを溶出させて当該繊維状物質を溶解することを特徴とするアスベスト処理方法である。

目的

本発明は上記に鑑みてなされたものであって、安価に導入でき、十分に無害化可能なアスベスト処理方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

アスベスト所定温度以上で所定濃度以上の酸に所定時間以上浸漬し、次いで溶液を除去し、その後残っている繊維状物質を所定濃度のアルカリに浸漬し、当該繊維状物質を溶解することを特徴とするアスベスト処理方法

請求項2

アスベストを酸に浸漬してMgを溶出させ、次いで、溶液を除去した後、得られた繊維状物質をアルカリに浸漬してSiを溶出させて当該繊維状物質を溶解することを特徴とするアスベスト処理方法。

請求項3

アスベストを酸に浸漬するにあたり、アスベスト中のMgを83wt%以上溶出させることを特徴とする請求項1または2に記載のアスベスト処理方法。

請求項4

酸が、100℃以下で濃度が5M以下の塩酸であることを特徴とする請求項3に記載のアスベスト処理方法。

請求項5

アルカリ濃度が1M以下の水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のアスベスト処理方法。

技術分野

0001

本発明は、アスベスト処理方法に関し、特に、アスベスト特有性状を無くして最終的には溶解してしまうアスベスト無害化処理方法に関する。

背景技術

0002

近年、古い建築物解体リフォームがされつつあり、人体に悪影響を及ぼすアスベストを、大量に処理しなくてはならない状況が生じている。アスベストの無害化処理はいくつかの技術が知られているが、現実に広く導入されているものは、溶融方法である。

0003

溶融方法は、アスベストを1500℃以上の高温溶融し、本来の針状形状からガラス状に変質させる技術である。これにより、無害化が可能となり、埋設なども可能となっている。

0004

また、酸処理して、アスベストほど超安定でない物質に変質させる方法も知られている。

0005

特開2007−113175
特開2007−144251
特開平08−141537
資源環境技術総合研究所報告第18号(平成9年1月) 第2章「非晶質シリカの作成と特性評価」(第3頁〜第11頁)

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
すなわち、溶融法は、炉の原理自体は簡単であるが、アスベストは飛散性が問題となるので、固形化して炉に投入したり、飛散防止補助施設増設したりする必要がある。この結果、導入コストが高くなり、処理量が排出量に追いついていないのが現状である。

0007

また、酸で処理する方法は、処理前とほぼ同様の繊維状物質が残存し、これが、人体に与える影響は必ずしも医学的に十分解明されていないのが実情で、処理としては不十分であるという問題点があった。

0008

本発明は上記に鑑みてなされたものであって、安価に導入でき、十分に無害化可能なアスベスト処理方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記の目的を達成するために、請求項1に記載のアスベスト処理方法は、アスベストを所定温度以上で所定濃度以上の酸に所定時間以上浸漬し、次いで溶液を除去し、その後残っている繊維状物質を所定濃度のアルカリに浸漬し、当該繊維状物質を溶解することを特徴とする。

0010

また、請求項2に記載のアスベスト処理方法は、アスベストを酸に浸漬してMgを溶出させ、次いで、溶液を除去した後、得られた繊維状物質をアルカリに浸漬してSiを溶出させて当該繊維状物質を溶解することを特徴とする。

0011

また、請求項3に記載のアスベスト処理方法は、請求項1または2に記載のアスベスト処理方法において、アスベストを酸に浸漬するにあたり、アスベスト中のMgを83wt%以上溶出させることを特徴とする。

0012

また、請求項4に記載のアスベスト処理方法は、請求項3に記載のアスベスト処理方法において、酸が、100℃以下で濃度が5M以下の塩酸であることを特徴とする。なお、適宜圧力容器を用いることができる。

0013

また、請求項5に記載のアスベスト処理方法は、請求項1〜4のいずれか一つに記載のアスベスト処理方法において、アルカリ濃度が1M以下の水酸化ナトリウムであることを特徴とする。

0014

なお、酸やアルカリのMは、mol/リットルを表す。

発明の効果

0015

本発明によれば、投入エネルギーの多い溶融方法によらず、科学的な反応により処理するため、安価に導入でき、十分に無害化可能なアスベスト処理方法を提供することが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0016

以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
クリソタイル(Mg6Si4O10(OH)8)は、アスベストのうち、過去に最も多く使用され(使用率95%)、廃棄物として大量に排出される。本発明ではクリソタイルを無害化する方法について説明する。

0017

発明の理解のため、ここでは、実験の経緯も含めて説明する。
まず、純正試料(クリソタイル:和光純薬工業株式会社製化学用)を用いて酸処理とアルカリ処理を検討した。

0018

具体的には、以下のとおりである。
(A)酸処理:試料と種々の濃度の塩酸水溶液オートクレーブに入れ、100℃または130℃で十分な時間加熱処理をした。
(B)アルカリ処理:試料と種々の濃度の水酸化ナトリウム水溶液をオートクレーブに入れ、130℃で十分な時間加熱した。
(C)酸処理→アルカリ処理:酸処理を十分おこなった後の試料を種々の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ処理した。

0019

各処理が終わったとき、酸処理である場合も、アルカリ処理である場合も繊維状固形物が残存していた。一方、酸処理→アルカリ処理の場合は、減容固形物が残っていた。そこで、アスベストを無害化するため、処理後のそれぞれの性状を調べ最適化を図ることとした。図1は、処理前後のXRD測定結果を示した図である。なお、線源にはCu−Kα線を用い、測定条件は、管電圧30kV、管電流15mAとし2θを5〜70°の範囲で測定した。

0020

図1から明らかなように、クリソタイルは、酸処理をすると結晶構造崩れアモルファスになることが分かった。すなわち、クリソタイルでなくなっていることが確認できた。アルカリ処理の場合は、処理後も依然としてクリソタイルであることが確認できた。一方、酸処理→アルカリ処理の場合の減容して残った残渣は、クリソタイルとは異なる別の結晶であることが確認できた。

0021

酸処理後およびアルカリ処理前後の繊維状固形物をSEMにより表面状態を観察した。図2は、クリソタイルを酸処理またはアルカリ処理する前後の2000倍のSEM像である。図から明らかなように、結合は見られるものの、依然として繊維質であることが確認できた。

0022

また、酸処理→アルカリ処理後の残渣についてもSEMにより表面状態を観察した。図3は、酸処理→アルカリ処理した後の残渣の表面写真である。図から明らかなように、固形残渣は、明らかに繊維状ではなくなり、別の結晶となっていることが確認できた。

0023

アスベスト由来肺疾患は、主として針状微細繊維結晶に由来するものであるため、本願発明者は、酸処理→アルカリ処理を詳細に検討することとした。

0024

クリソタイルはアルカリ処理により変化しないので、まず、酸処理→アルカリ処理における前段塩酸処理について、クリソタイルの残存という観点から、塩酸濃度と温度と処理時間を変化させて検討することとした。クリソタイルが残存しているか否かはXRDにより判定した。また、酸処理により、水溶液中へ主としてMgが溶出することが別途実験で判明していたため、Mgの溶出量も測定した。この測定も、ICP測定によった(セイコー電子工業製:SPS−1200A,RFパワー=1.31kW,測光高さ=12.9mm)。結果を表1に示す。

0025

0026

表から明らかなように、Mgの溶出量が83wt%を超えると残存繊維はクリソタイルでなくなることが分かった。なお、試験番号Z6の結果はこれと反するが、試験番号Z3に比して塩酸濃度が低いことから、いまだ塩酸と反応していない繊維部分が残っていると考えられる。

0027

また、反応に際しては圧力容器を用いたが、100℃以下の加熱であれば必ずしも圧力容器が必要でなくなる。更に、圧力容器を用いる場合は導入コストが著しく高くなり、加熱のエネルギーが増大してしまう。このほか、工業用の圧力容器は、定期的な検査が必要であり効率性に劣ってしまう。

0028

以上を総合的に判断すると、前段の塩酸処理は、100℃以下5Mで24時間以上浸漬させる方法が好ましいといえる。なお、場合によっては、適宜攪拌するなどし、処理を、低温化、低濃度化短時間化することも可能である。

0029

次に、試験番号Z5で得られた繊維状物質を、酸処理→アルカリ処理における後段のアルカリ処理に関して、分解減容という観点から、水酸化ナトリウム濃度反応温度と反応時間を変化させて検討することとした。また、アルカリ処理により、水溶液中へ主としてSiが溶出することが別途実験で判明していたため、Siの溶出量も測定した。この測定も、ICP測定によった。結果を表2に示す。

0030

0031

表から明らかなように、アルカリ処理に関しては、加熱しなくとも減容効率が高く、常温で処理可能であることが確認できた。なお、ここでは示さないが、加熱すると、水熱反応により新たな結晶が析出してきた。繊維状物質を溶解するには、反応時間にもよるが、常温であれば1Mで24時間で十分であるといえる。なお、残渣は、図3に示したとおりであり、アスベストではない。

0032

以上の実施例から、アスベスト試料を処理する際には、はじめに100℃程度の5M塩酸に24時間浸漬し、残った繊維状物質を室温で1Mの水酸化ナトリウム溶液に24時間浸漬することにより、無害化できることが確認できた。

0033

なお、本発明者は、実際に廃アスベストを用いて処理してみたところ、溶液に浸漬する前に1cm以下の塊状ないし粉状に粉砕すれば、ほぼ同様の条件で無害化できることを確認できた。なお、廃アスベストは、コンクリートはぎ取り剤などが付着しているため、アルカリ濃度は1Mより低くても無害化できる場合があることを確認した。

0034

本発明によれば、ボード様の非飛散性アスベストのみならず、吹きつけなどによる飛散性アスベストを処理することも可能である。

図面の簡単な説明

0035

アスベストの処理前後のXRD測定結果を示した図である。
クリソタイルを酸処理またはアルカリ処理する前後の2000倍のSEM像である。
クリソタイルを酸処理→アルカリ処理した後の残渣の表面写真である。

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