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技術 パワーモジュールとその放熱板・セラミック層接合基板の製造方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 平野雅揮矢崎智仁
出願日 2007年7月4日 (13年7ヶ月経過) 出願番号 2007-176074
公開日 2009年1月22日 (12年1ヶ月経過) 公開番号 2009-016527
状態 特許登録済
技術分野 半導体または固体装置のマウント 半導体または固体装置の組立体
主要キーワード 通電層 側金属層 反り状態 コールドスプレー バイメタル効果 コールドスプレー法 シリコン素子 溶射材料
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この項目の情報は公開日時点(2009年1月22日)のものです。
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課題

冷却器の上に固定された放熱板に、上に凸の反りを発生しないようにして放熱板と冷却器との間の密着性を確保することで優れた放熱性能を有し、更に、十分な接合強度と優れた導電性のあるパワーモジュールを提供すること。

解決手段

放熱板の上にセラミック窒化珪素窒化アルミニウムアルミナ、又はジルコニア)を溶射して絶縁層が形成され、前記の絶縁層の上に、金属(純銅又は銅合金)を被覆して通電層が形成されたパワーモジュール。

概要

背景

従来のパワーモジュールでは、はんだ結合が用いられているが、回路基板放熱板熱膨張係数が互いに異なるので、バイメタル効果により、反りが発生するという問題がある。これは、回路基板と放熱板との間にある「はんだ」が加熱により溶解し、その後に冷却される際にはんだが硬化してゆくため、収縮しようとする放熱板との間において応力干渉が発生し、冷却が完了する時には中央部が盛り上がるような反り、すなわち上に凸の反りが発生する。

図7は、従来のパワーモジュールの冷却器の上に固定された放熱板に生じた反りを撮影した写真であり、上に凸の反りが発生していることが示されている。図8は、従来のパワーモジュールの放熱板に生じた上に凸の反りについて、説明の便宜上、誇張して描いた説明図である。放熱板に上に凸の反りが発生すると、この放熱板と冷却器との間に空間が発生するので、グリースを厚くしてこれを埋める。しかし、グリースの熱伝導率は、約2.0W/(m・K)程度であるのに対し、冷却器の熱伝導率は、約100W/(m・K)程度であり、両者に大きな差があるので、グリースの厚みが増すと放熱性が低下するという問題がある。

特許文献1は、上記の問題点を解決するために、回路基板を放熱板にはんだ付けした半導体モジュールにおいて、放熱板を三層とし、該放熱板の基板取付け側金属層熱膨張率を反対側金属層の熱膨張率より小さくして、反りの発生を防止する発明を開示している。

しかし、特許文献1の発明では、放熱板を三層構造としなければならないので、手間とコストがかかるという問題点があった。

図8は、従来例のパワーモジュールの一例を示すもので、冷却器10の上に固定された放熱板20に、DBA(Direct Brazing Aluminum)により製造されたDBA積層基板30がはんだ層40を介して固定され、このDBA積層基板30の上には、更にはんだ層40を介してシリコン素子50が固定されている。上に凸の反りが発生して放熱板20と冷却器10の表面との間は、グリース60で埋められている。

図9は、図8が示す従来例のDBA基板積層構造を示している。窒化アルミニウム基板70の上下には、ろう材層80を介してニッケルメッキ層90が形成されている。

上記のDBA積層基板を使用する理由は、基板であるAlN(窒化アルミニウム)に接合する際に、純銅の場合には、ろう付け温度が高くなり残留応力が大きくなって剥離が生じやすいので、ろう材の融点が低いアルミニウムを使うのであるが、純アルミニウムは、純銅と比較して電気抵抗が高いという問題が発生する。
特開2004−327711号公報

概要

冷却器の上に固定された放熱板に、上に凸の反りを発生しないようにして放熱板と冷却器との間の密着性を確保することで優れた放熱性能を有し、更に、十分な接合強度と優れた導電性のあるパワーモジュールを提供すること。放熱板の上にセラミック窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、又はジルコニア)を溶射して絶縁層が形成され、前記の絶縁層の上に、金属(純銅又は銅合金)を被覆して通電層が形成されたパワーモジュール。

目的

本発明は、このような事情を鑑みなされたもので、放熱板に上に凸の反りが発生しないようにすることで放熱板と冷却器との間に空間を発生させないようにして、パワーモジュールの放熱板とセラミック層接合基板を製造することと共に、放熱性と接合強度に優れたパワーモジュールを提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

放熱板の上にセラミック溶射して絶縁層を形成する成膜工程において、該絶縁層の膜厚を調節することにより、該放熱板の反り状態を制御することを特徴とするパワーモジュールの製造方法。

請求項2

請求項1に記載された製造方法において、前記セラミックは、窒化珪素窒化アルミニウムアルミナ又はジルコニアであることを特徴とするパワーモジュールの製造方法。

請求項3

請求項1又は2に記載された製造方法において、前記絶縁層の膜厚は、0.8mm以上、2.0mm以下であることを特徴とするパワーモジュールの製造方法。

請求項4

請求項1から3のいずれかの請求項に記載された製造方法において、前記絶縁層の上に、金属を被覆して通電層を形成することを特徴とするパワーモジュールの製造方法。

請求項5

請求項4に記載された製造方法において、前記通電層を形成する前記金属は、純銅又は銅合金であることを特徴とするパワーモジュールの製造方法。

請求項6

請求項5に記載された製造方法において、前記純銅又は銅合金の前記通電層は、コールドスプレー又は摩擦肉盛又は溶射により形成されることを特徴とするパワーモジュールの製造方法。

請求項7

放熱板の上にセラミックの溶射により形成された絶縁層を有し、該絶縁層の上に金属を被覆して形成された通電層を有し、該通電層の上にシリコン素子が載置されていることを特徴とするパワーモジュール。

請求項8

請求項7に記載されたパワーモジュールにおいて、前記セラミックは、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ又はジルコニアであることを特徴とするパワーモジュール。

請求項9

請求項7又は8に記載されたパワーモジュールにおいて、前記絶縁層の膜厚は、0.8mm以上、2.0mm以下であることを特徴とするパワーモジュール。

請求項10

請求項7から9のいずれかの請求項に記載されたパワーモジュールにおいて、前記通電層を形成する前記金属は、純銅又は銅合金であることを特徴とするパワーモジュール。

技術分野

0001

本発明は、電気自動車電車工作機械等の大電流を制御するためのパワーモジュールに関し、特に冷却器の上に固定された放熱板に上に凸の反りを発生させないことで放熱性接合強度に優れたパワーモジュールと、その放熱板・セラミック層接合基板の製造方法に関する。

背景技術

0002

従来のパワーモジュールでは、はんだ結合が用いられているが、回路基板と放熱板の熱膨張係数が互いに異なるので、バイメタル効果により、反りが発生するという問題がある。これは、回路基板と放熱板との間にある「はんだ」が加熱により溶解し、その後に冷却される際にはんだが硬化してゆくため、収縮しようとする放熱板との間において応力干渉が発生し、冷却が完了する時には中央部が盛り上がるような反り、すなわち上に凸の反りが発生する。

0003

図7は、従来のパワーモジュールの冷却器の上に固定された放熱板に生じた反りを撮影した写真であり、上に凸の反りが発生していることが示されている。図8は、従来のパワーモジュールの放熱板に生じた上に凸の反りについて、説明の便宜上、誇張して描いた説明図である。放熱板に上に凸の反りが発生すると、この放熱板と冷却器との間に空間が発生するので、グリースを厚くしてこれを埋める。しかし、グリースの熱伝導率は、約2.0W/(m・K)程度であるのに対し、冷却器の熱伝導率は、約100W/(m・K)程度であり、両者に大きな差があるので、グリースの厚みが増すと放熱性が低下するという問題がある。

0004

特許文献1は、上記の問題点を解決するために、回路基板を放熱板にはんだ付けした半導体モジュールにおいて、放熱板を三層とし、該放熱板の基板取付け側金属層熱膨張率を反対側金属層の熱膨張率より小さくして、反りの発生を防止する発明を開示している。

0005

しかし、特許文献1の発明では、放熱板を三層構造としなければならないので、手間とコストがかかるという問題点があった。

0006

図8は、従来例のパワーモジュールの一例を示すもので、冷却器10の上に固定された放熱板20に、DBA(Direct Brazing Aluminum)により製造されたDBA積層基板30がはんだ層40を介して固定され、このDBA積層基板30の上には、更にはんだ層40を介してシリコン素子50が固定されている。上に凸の反りが発生して放熱板20と冷却器10の表面との間は、グリース60で埋められている。

0007

図9は、図8が示す従来例のDBA基板積層構造を示している。窒化アルミニウム基板70の上下には、ろう材層80を介してニッケルメッキ層90が形成されている。

0008

上記のDBA積層基板を使用する理由は、基板であるAlN(窒化アルミニウム)に接合する際に、純銅の場合には、ろう付け温度が高くなり残留応力が大きくなって剥離が生じやすいので、ろう材の融点が低いアルミニウムを使うのであるが、純アルミニウムは、純銅と比較して電気抵抗が高いという問題が発生する。
特開2004−327711号公報

発明が解決しようとする課題

0009

本発明は、このような事情を鑑みなされたもので、放熱板に上に凸の反りが発生しないようにすることで放熱板と冷却器との間に空間を発生させないようにして、パワーモジュールの放熱板とセラミック層接合基板を製造することと共に、放熱性と接合強度に優れたパワーモジュールを提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

上記の課題を解決するために、本発明のパワーモジュールの製造方法は、放熱板の上にセラミック溶射して絶縁層を形成する成膜工程において、該絶縁層の膜厚を調節することにより、該放熱板の反り状態を制御することを特徴とする製造方法である。

0011

また、本発明のパワーモジュールの製造方法は、上記の特徴に加えて、前記セラミックは、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ又はジルコニアであることを特徴とする製造方法である。

0012

また、本発明のパワーモジュールの製造方法は、上記の特徴に加えて、前記絶縁層の膜厚は、0.8mm以上、2.0mm以下であることを特徴とする製造方法である。

0013

また、本発明のパワーモジュールの製造方法は、上記の特徴に加えて、前記絶縁層の上に、金属を被覆して通電層を形成することを特徴とする製造方法である。

0014

また、本発明のパワーモジュールの製造方法は、上記の特徴に加えて、前記通電層を形成する前記金属は、純銅又は銅合金であることを特徴とする製造方法である。

0015

また、本発明のパワーモジュールの製造方法は、上記の特徴に加えて、前記純銅又は銅合金の前記通電層は、コールドスプレー又は摩擦肉盛又は溶射により形成されることを特徴とする製造方法である。

0016

さらに、本発明のパワーモジュールは、放熱板の上にセラミックの溶射により形成された絶縁層を有し、該絶縁層の上に金属を被覆して形成された通電層を有し、該通電層の上にシリコン素子が載置されていることを特徴とするものである。

0017

また、本発明のパワーモジュールは、上記の特徴に加えて、前記セラミックは、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ又はジルコニアであることを特徴とするものである。

0018

また、本発明のパワーモジュールは、上記の特徴に加えて、前記絶縁層の膜厚は、0.8mm以上、2.0mm以下であることを特徴とするものである。

0019

また、本発明のパワーモジュールは、上記の特徴に加えて、前記通電層を形成する前記金属は、純銅又は銅合金であることを特徴とするものである。

発明の効果

0020

本発明によれば、パワーモジュールの冷却器の上に固定された放熱板に、上に凸の反りを発生しないようにして放熱板と冷却器との間に空間を発生させることなく、放熱板を冷却器の表面に密着して固定できるので、接合強度と放熱性能に優れたパワーモジュールを製造することができる。また、従来の絶縁基板の積層構造を省略できるので、パワーモジュールの加工工程を簡素化したり短縮化したりすることができる。

0021

本発明は、接合強度と導電性に優れ、かつ製造工程が簡素化されるパワーモジュールの簡素な構造を提供する。

発明を実施するための最良の形態

0022

本発明を実施するための最良の形態は、パワーモジュールの放熱板の上に、セラミックを溶射して絶縁層を形成することにより、この放熱板の反りを抑えることである。

0023

本発明の実施例を、以下、添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るパワーモジュールの一実施例を示す。冷却器1の上に固定された放熱板2の上にセラミックを溶射して絶縁層3を形成している。セラミックとしては、例えば、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミナ、又はジルコニアを用いる。このようにすると、溶射された材料が凝固する際の収縮力により、放熱板2には、図1に示すように、下に凸の反りが生じるのである。

0024

図2は、図1に示されたところの下に凸の反りを生じた放熱板をボルト7によりグリス6を挿んで冷却器の表面に固定した状態を示す。

0025

図3は、溶射膜厚に対する(下に凸の)反り量の関係を調べた実験結果を示す。溶射材料には窒化アルミニウムを、放熱板には銅モリブデン合金の141×73×3mmのものを使った。溶射して形成する膜厚が大きい程、放熱板の反りはより大きくなることが示されている。これは、膜厚が厚いほど溶射材料の収縮力が大きくなるためと考えられる。

0026

この膜厚が2.0mm以上では、上記の反りが大きくなって、上記したボルトによる締結の際にも放熱板の下に空間が残り、グリースを厚く用いることとなる。その結果、前記したとおり、グリースの熱伝導率が冷却器と比較して格段に低いため、放熱性が低下するという問題が発生する。

0027

図4は、溶射膜厚に対する絶縁耐圧の関係を調べた実験結果を示す。パワーモジュールでは、絶縁耐圧目標値は8kv以上とすることが望まれており、その際の膜厚は、0.8mm以上となる。そのため、この厚さが、0.8mm未満であると、絶縁性に問題が発生するおそれがある。

0028

以上の実験結果により、溶射して形成する絶縁膜の膜厚は、0.8mm以上、2.0mm以下であることが望ましい。

0029

図5は、通電層の製法別に窒化アルミニウム基板に対する接合強度を調べた実験結果を示す。材料中の残留応力の大小が接合力の大小に関係するものと考えられるが、実験結果によれば、接合強度が最も大きいのは純銅コールドスプレーであり、以下、純銅摩擦肉盛、純銅溶射、純銅ろう付けの順となる。通常、接合強度は30MPa以上が望まれており、この条件を満たすものは、純銅コールドスプレー、純銅摩擦肉盛、純銅溶射の三者である。

0030

図6は、通電層の製法別に電気抵抗率を調べた実験結果を示す。純銅溶射の電気抵抗率が高いのは、大気中で溶融させて吹き付けるプロセスであるため、通電部が酸化されやすいためと考えられ、純アルミニウムのバルクより高くなっている。これに対し、コールドスプレー法や摩擦肉盛法では、粉末を溶融するものではないので、通電部が酸化されにくいので、純アルミニウムのバルクより低い電気抵抗率を示している。

0031

以上の実験結果によれば、接合強度と電気抵抗率の両者に面で好ましいものは、純銅コールドスプレーと純銅摩擦肉盛であることがわかる。

図面の簡単な説明

0032

図1は、本発明に係るパワーモジュールの一実施例を示す。
図2は、本発明に係るパワーモジュールの一実施例の放熱板が冷却器に締結された状態を示す。
図3は、溶射膜厚と(下に凸の)反り量の関係を調べた実験結果を示す。
図4は、溶射膜厚と絶縁耐圧の関係を調べた実験結果を示す。
図5は、通電層の製法別に窒化アルミニウム基板に対する接合強度を調べた実験結果を示す。
図6は、通電層の製法別に電気抵抗率を調べた実験結果を示す。
図7は、従来のパワーモジュールの冷却器の上に固定された放熱板に生じた反りを撮影した写真である。
図8は、従来例のパワーモジュールの一例を示す。
図9は、図8が示す従来例のDBA基板の積層構造を示す。

符号の説明

0033

1冷却器、
2放熱板、
3絶縁層(溶射膜)、
4通電層、
5シリコン素子、
6グリース、
7ボルト、
10 冷却器、
20 放熱板、
30 DBA積層基板、
40はんだ層、
50 シリコン素子、
70窒化アルミニウム(AlN)基板、
80ろう材層、
90ニッケル(Ni)メッキ層

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