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技術 固定ディスク装置およびその組立方法

出願人 パナソニック株式会社
発明者 桃井香充増田勝義熊村昭治高田照久
出願日 2007年7月6日 (13年5ヶ月経過) 出願番号 2007-177844
公開日 2009年1月22日 (11年11ヶ月経過) 公開番号 2009-015985
状態 未査定
技術分野 特殊記録再生装置の構造
主要キーワード 半径方向回転 薄板状部品 半径変動 画像認識センサ 隙間計測 隙間変化 低減板 分割平面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年1月22日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

全てのディスクに対してディスクの振動を良好に低減することができ、また、実用化が容易である固定ディスク装置およびおよびその組立方法を提供する。

解決手段

ディスク1と、スピンドルモータ5と、ヘッドアクチュエータアセンブリと、ディスク1に対向するディスク振動低減板部8aを有する振動低減体8と、これらを格納する筐体10とを備えた固定ディスク装置において、筐体10は、スピンドルモータ5とヘッドアクチュエータアセンブリとを搭載したベース31と、枠形状の側壁体32と、筐体10の内部を覆うカバーとを備え、少なくともベース31と側壁体32とが個別の構造体である。これによって、ディスク1の大部分を囲う側壁体との狭い隙間に、従来は設けることが困難であった面積(ディスクに対する覆う角度)の大きなディスク振動低減板部8aを有する整流体(振動低減体)8を設けることが可能となり、良好に振動の低減を図れる。

概要

背景

図11は、一般的に用いられている従来の固定ディスク装置の構成を示す斜視図である。
図11に示すように、固定ディスク装置において、スピンドルモータ5に一枚または複数枚(図11においては2枚)の情報記録保存を担うディスク1が、等間隔に積層されて(複数枚設けられている場合)固定されている。ディスク1の両面または片面に情報の記録再生を行う磁気ヘッド41が、回転中心軸51a回りに回動可能に配置されている。スピンドルモータ5が回転すると、ディスク1の表面と磁気ヘッド41との間に生じる空気流によって、磁気ヘッド41はディスク1からわずかに浮上する。この磁気ヘッド41はヘッドアクチュエータアセンブリ(以下、HAAと称す)51の先端部に固定され、HAA51の他端にはボイスコイルモータ46(以下、VCMと略す)のコイル47が設けられている。一方、磁気ヘッド41はVCM46の駆動力によりHAA51の回転中心軸51aを中心として回動自在に支持され、ディスク1上をその半径方向に移動可能である。データはディスク1上の同芯状に描かれたデータトラック上に磁気情報として記録されており、ディスク1の回転と磁気ヘッド41の回動とにより、磁気ヘッド41はディスク1上の任意のデータトラックの任意位置アクセスすることができる。

データを正確に読み書きするには、データトラックに正確に追従する必要がある。磁気ヘッド41のデータトラックへの追従は、データトラック上の等角度間隔で、離散的複数箇所に描かれたサーボ情報から現在位置を検出し、データトラックからのズレ補正する方向に、HAA51すなわち磁気ヘッド41を動かすことにより行う。磁気ヘッド41の浮上量は数十nm程度であり、磁気ヘッド41とディスク1との間への塵、埃の介入が磁気ヘッド41やディスク1にダメージを与えて故障の原因となるため、固定ディスク装置の組み立てはクリーンルームで行い、組み立て後は、カバー(図示せず)と気密部材(図示せず)とで密封されている。

なお、図11において、52は、これらのディスク1、スピンドルモータ5、ヘッドアクチュエータアセンブリ51を格納した略直方体形状の筐体で、この筐体52は、スピンドルモータ5とヘッドアクチュエータアセンブリ51などを搭載したベース52aと、枠形状の側壁52bと、筐体52の内部を覆うカバー(図示せず)とから構成され、ベース52aと側壁52bとは一体形成されている。

固定ディスク装置を含めた情報記録装置には、大容量(高密度)、高転送速度、高信頼性低消費電力低コスト、小型、軽量、可搬性等さまざまな特性が求められる。この種の情報記録装置において、固定ディスク装置は、特に容量と転送速度の面においてユーザの利便性を満たせる点に優位性が有り、コンピュータ等にとって不可欠な物となっている。今後も更なる大容量化高速化、すなわち高密度化と高速化とが進行すると考えられており、それに伴い、それぞれを実現する有力手段であるデータトラック間隔の狭化とスピンドルモータ5の高速回転化も今後ますます進行すると考えられる。

データトラック間隔の狭化を実現するには磁気ヘッド41のデータトラックへの位置決め精度を向上させる必要がある。高精度の位置決めを阻害している機構要因として代表的なものは、HAA51の構成部品固有振動、スピンドルモータ5およびディスク1の固有振動、スピンドルモータ5の軸受けの非回転同期振動による位置誤差がある。

スピンドルモータ5の軸受けの非回転同期振動の低減に関しては、近年導入が図られている流体軸受けを採用することで大幅に小さくすることができる。
一方、HAA51やスピンドルモータ5およびディスク1の固有振動を低減するには、振動しにくい構造にすること、または励振力を小さくすることが考えられる。前者の振動しにくい構造にする手法としては、高剛性あるいは高減衰材料に変更によって制振することや、固有振動のモードを位置誤差が発生しにくいモードに最適化する方法がある。HAA51ではこれらの設計開発が行われ、位置誤差の低減が行われている。しかしながら、ディスク1については形状が平板であることが求められているので、実用的な手法としては、厚みを増加させることが一般的に行われているだけであり、これは、軸方向の厚さ制限に対して相反することであるため、理想的な方法ではない。また、ディスク1の材質を高剛性あるいは高減衰材料に変更する方法も考えられているが、大幅なコストアップが伴うため実用されていない状況である。よって、ディスク1の振動に関しては、他の方法で、ディスク1の制振を行うか、励振力を低減させる方法を考える必要がある。

励振力として挙げられるのは、ディスク1の回転による空気流に関する圧力変動であり、具体的には、ディスク1の回転によって発生する剥離や渦などに伴う圧力の変動である。つまり、ディスク1の表面の圧力分布がディスク1の一方の面と他方の面とで異なり、これが時間とともに激しく移り変わることによってスピンドルモータ5およびディスク1の固有振動を励起している。HAA51についても同様にディスク1の回転によって発生する乱流によって固有振動が励起される。他の原因としては、スピンドルモータ5やVCM46の電磁力が励振力として働くが、これらは空気励振力にくらべて比較的小さい。

また、今後のスピンドルモータ5の高速回転化が進むと、乱流の発生による圧力の変動が増加して空気励振力が増加することから、スピンドルモータ5およびディスク1さらにはHAA51の固有振動振幅は大きくなる傾向にある。データトラック間隔の狭化とスピンドルモータ5の高速回転化は、それぞれが相反する方向性を持ち、両立が困難な技術課題である。

このような問題に着目して、従来の固定ディスク装置における空気励振力に対するスピンドルモータ5およびディスク1の固有振動による振動低減方法の1つとして、整流板を付加することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

この特許文献1に記載の方法は、ディスク回転方向の下流側の直後に一定間隔をあけて、断面が流線型の空気整流翼を設けるものであり、これを実現するために、空気整流翼を筐体の側面部に設けた孔から内部に挿入するものである。この空気整流翼によって、ディスク間の空気流を整流化できる。

次に、より大きな効果を得るための方法の1つとして、制振板を付加することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この方法は、ディスクに制振板を対向させ、ディスク面と制振板との間隔を0.3(mm)以下とするものである。制振板はディスク面に平滑板を対向させる技術であり、ディスク面と制振板との距離が小さいほど、またディスクに対して対向している角度(面積)が大きいほど振動低減効果が大きくなるから、隙間を0.3(mm)以下にすることによって、ディスク振動低減効果を増加させることが可能である。

また、具体的に制振板をとりつける構造についての提案が、例えば、特許文献3に記載されている。
この方法は、最上面または最下面のディスクに制振板を対向させ、制振板とディスク間との隙間を微調整するための薄板状部品を介在させると共に、このディスク面をデータ記録面として使用しないことである。制振板はディスク面に平滑板を対向させてスクイーズ空気膜減衰効果を生じさせる技術であり、ディスク面と制振板との距離が小さいほど、またディスクに対して対向している角度(面積)が大きいほど振動低減効果が大きくなる。この構成によると、ディスクのほぼ全域を覆うことも可能となるため、大きな効果を得ることができる。

次に、整流板や制振板とは異なる方法として、ディスク側面とそれに対向する側壁との隙間を減少させることにより、空気励振力を低減させる方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。

この方法は、ヘッドアクチュエータアセンブリの挿入部を除いて、ディスク外周の端面とそれを囲む側壁との間隔を0.1(mm)より大きく、0.6(mm)以下としたものであり、ディスク側面と側壁との隙間を小さくするほどディスク振動が小さくなる。

実際に、側壁との隙間をパラメータとして、3.5inchのディスク振動振幅を測定したところ、図12に示すような結果が得られた。図12は固定ディスク装置の軸方向ディスク振動振幅と、ディスクの外周側面とそれを囲む側壁との間の隙間と、の関係を示す図である。横軸がディスク外周側面と側壁との間の隙間であり、縦軸が軸方向ディスク振幅である。なお、縦軸は、ディスク外周側面と側壁との間の隙間が1.5(mm)の時の振幅を100(%)とした百分率で示している。振動振幅データは0〜2kHzまでのディスクを含むスピンドル系振動モードの平均値で示している。ディスクとの隙間を小さくするほどディスク振動は小さくなり、0.5(mm)より小さくなったあたりから特に振動振幅が小さくなる結果が得られた。
特開2001−23347公報(第5頁、第4図)
特開2000−331460公報(第5頁、第3図)
特開2002−157858公報(第6頁、第1図)
特開平11−232866公報(第5頁、第2図)

概要

全てのディスクに対してディスクの振動を良好に低減することができ、また、実用化が容易である固定ディスク装置およびおよびその組立方法を提供する。ディスク1と、スピンドルモータ5と、ヘッドアクチュエータアセンブリと、ディスク1に対向するディスク振動低減板部8aを有する振動低減体8と、これらを格納する筐体10とを備えた固定ディスク装置において、筐体10は、スピンドルモータ5とヘッドアクチュエータアセンブリとを搭載したベース31と、枠形状の側壁体32と、筐体10の内部を覆うカバーとを備え、少なくともベース31と側壁体32とが個別の構造体である。これによって、ディスク1の大部分を囲う側壁体との狭い隙間に、従来は設けることが困難であった面積(ディスクに対する覆う角度)の大きなディスク振動低減板部8aを有する整流体(振動低減体)8を設けることが可能となり、良好に振動の低減をれる。

目的

本発明は上記問題等の各種課題を解決するもので、シール構造の追加などを行わないで済みながら、全てのディスクに対してディスクの振動を良好に低減することができ、また、実用化が容易であり、コストアップも最小限に済ますことができる固定ディスク装置およびその組立方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

少なくとも1枚のディスクと、前記ディスクを搭載するスピンドルモータと、前記ディスクに情報の記録または再生を行うヘッドを備えたヘッドアクチュエータアセンブリと、前記ディスクに対向するディスク振動低減板部を有する振動低減体と、これらのディスク、スピンドルモータ、ヘッドアクチュエータアセンブリ、振動低減体を格納する略直方体形状の筐体とを備えた固定ディスク装置であって、前記筐体は、前記スピンドルモータと前記ヘッドアクチュエータアセンブリとを搭載したベースと、枠形状の側壁体と、筐体の内部を覆うカバーとを備え、少なくとも前記ベースと前記側壁体とが個別の構造体であることを特徴とする固定ディスク装置。

請求項2

ベースと側壁体とを分割する分割平面はディスクの最下面よりも下方に形成されていることを特徴とする請求項1記載の固定ディスク装置。

請求項3

振動低減体は、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を有し、振動低減体が、そのディスク振動低減板部がディスクのディスク面に臨む姿勢で配設された状態で、ディスク囲い部においてベースに固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の固定ディスク装置。

請求項4

側壁体の一方の面とディスクとの間にヘッドアクチュエータアセンブリが配設され、振動低減体は前記側壁体の他の3面の少なくとも何れかの1面と前記ディスクとの間の領域に配設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の固定ディスク装置。

請求項5

請求項1〜4の何れか1項に記載の固定ディスク装置を組み立てる固定ディスク装置の組立方法であって、スピンドルモータをベースに搭載した後、スピンドルモータにディスクを取り付け、この後、振動低減体を、そのディスク振動低減板部がディスクのディスク面に臨む姿勢となるよう配置してベースに固定し、この後、側壁体を前記ベースに取り付けることを特徴とする固定ディスク装置の組立方法。

請求項6

請求項1〜4の何れか1項に記載の固定ディスク装置を組み立てる固定ディスク装置の組立方法であって、ディスクをスピンドルモータに搭載してなるディスクモータアセンブリをベースに取り付けた後、振動低減体を、そのディスク振動低減板部がディスクのディスク面に臨む姿勢となるよう配置してベースに固定し、この後、側壁体を前記ベースに取り付けることを特徴とする固定ディスク装置の組立方法。

請求項7

請求項1〜4の何れか1項に記載の固定ディスク装置を組み立てる固定ディスク装置の組立方法であって、振動低減体をベースに取り付けた後、前記振動低減体がディスクのディスク面に臨む姿勢となるように、ディスクをスピンドルモータに搭載してなるディスクモータアセンブリをベースに取り付け、この後、側壁体を前記ベースに取り付けることを特徴とする固定ディスク装置の組立方法。

請求項8

請求項1〜4の何れか1項に記載の固定ディスク装置を組み立てる固定ディスク装置の組立方法であって、振動低減体は、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を有し、このディスク囲い部とディスクの外周側面との間の隙間を、隙間計測手段と隙間調整手段とを用いて、所定の値に設定することを特徴とする固定ディスク装置の組立方法。

請求項9

振動低減体は、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を有し、このディスク囲い部に、ディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面との間の隙間寸法を計測可能にする孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の固定ディスク装置。

請求項10

孔が、振動低減体の上面部から下方に形成され、かつ、ディスク回転軸心方向に沿って平面視した場合に、ディスクの外周側面からディスク囲い部の内周面までを含む領域に形成されていることを特徴とする請求項9記載の固定ディスク装置。

請求項11

孔が、振動低減体のディスク囲い部における外周からディスク半径方向内側に向けて貫通するように形成され、かつ、前記孔を通してディスクの外周側面の一部を臨むように形成されていることを特徴とする請求項9に記載の固定ディスク装置。

請求項12

請求項11に記載の固定ディスク装置を組み立てる固定ディスク装置の組立方法であって、ディスク囲い部の内周面が所定位置となるように配置した状態で、ディスクの外周側面の位置をセンサで測定することで、ディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面との間の隙間寸法を算出することを特徴とする固定ディスク装置の組立方法。

請求項13

振動低減体は、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を有し、振動低減体のディスク囲い部における外周面の一部に平滑面が形成され、前記平滑面は、ディスク囲い部の内周面を基準として加工されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の固定ディスク装置。

請求項14

請求項13に記載の固定ディスク装置を組み立てる固定ディスク装置の組立方法であって、ベースに、ディスクが取り付けられたスピンドルモータを設置し、このディスクの外周側面の側方に設置したセンサにより、ディスクの外周側面までの距離を測定し、この後、振動低減体をベースに対して移動可能な状態で取り付け、前記センサにより、前記平滑面までの位置を計測することで、前記平滑面までの位置に基づいてディスク囲い部の内周面の位置を算出し、これにより、ディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面との間の隙間寸法を計測することを特徴とする固定ディスク装置の組立方法。

請求項15

振動低減体は、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を有し、振動低減体の上面部の少なくとも一部における、ディスク回転軸心方向に沿って平面視した場合にディスクの外周側面からディスク囲い部の内周面までを含む領域が、光透過性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の固定ディスク装置。

請求項16

請求項15に記載の固定ディスク装置を組み立てる固定ディスク装置の組立方法であって、振動低減体のディスク囲い部とディスクの外周側面とを接触させて隙間をにした後、離間方向に相対的に移動させて、ディスク囲い部とディスクの外周側面との間の隙間を隙間計測手段により計測することを特徴とする固定ディスク装置の組立方法。

請求項17

請求項9、11、13、15の何れか1項に記載の固定ディスク装置を組み立てる固定ディスク装置の組立方法であって、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の隙間調整を、ディスクの半径方向回転同期振れによる隙間変動範囲のうちの最大の場所または最小の場所で行うことを特徴とする固定ディスク装置の組立方法。

請求項18

請求項9、11、13、15の何れか1項に記載の固定ディスク装置を組み立てる固定ディスク装置の組立方法であって、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の隙間調整を、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の隙間をC、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の必要最小隙間をCmin、ディスクの振れ回りによる半径変動最大値をRmax、前記ディスクが静止している状態での隙間調整位置における半径をRrealとした場合に、C=Cmin+Rmax−Rrealで示される値であるとして調整することを特徴とする固定ディスク装置の組立方法。

請求項19

側壁体とカバーとが一体的に構成されていることを特徴とする請求項1〜4、9、11、13、15の何れか1項に記載の固定ディスク装置。

請求項20

振動低減体のディスク振動低減板部が、空気流整流する整流板部であることを特徴とする請求項1〜4、9、11、13、15の何れか1項に記載の固定ディスク装置。

請求項21

振動低減体のディスク振動低減板部が、ディスク面との対向面積が大きいほど振動低減効果が大きくなる制振板であることを特徴とする請求項1〜4、9、11、13、15の何れか1項に記載の固定ディスク装置。

技術分野

0001

本発明は、固定ディスク装置およびその組立方法に関するものである。

背景技術

0002

図11は、一般的に用いられている従来の固定ディスク装置の構成を示す斜視図である。
図11に示すように、固定ディスク装置において、スピンドルモータ5に一枚または複数枚図11においては2枚)の情報記録保存を担うディスク1が、等間隔に積層されて(複数枚設けられている場合)固定されている。ディスク1の両面または片面に情報の記録再生を行う磁気ヘッド41が、回転中心軸51a回りに回動可能に配置されている。スピンドルモータ5が回転すると、ディスク1の表面と磁気ヘッド41との間に生じる空気流によって、磁気ヘッド41はディスク1からわずかに浮上する。この磁気ヘッド41はヘッドアクチュエータアセンブリ(以下、HAAと称す)51の先端部に固定され、HAA51の他端にはボイスコイルモータ46(以下、VCMと略す)のコイル47が設けられている。一方、磁気ヘッド41はVCM46の駆動力によりHAA51の回転中心軸51aを中心として回動自在に支持され、ディスク1上をその半径方向に移動可能である。データはディスク1上の同芯状に描かれたデータトラック上に磁気情報として記録されており、ディスク1の回転と磁気ヘッド41の回動とにより、磁気ヘッド41はディスク1上の任意のデータトラックの任意位置アクセスすることができる。

0003

データを正確に読み書きするには、データトラックに正確に追従する必要がある。磁気ヘッド41のデータトラックへの追従は、データトラック上の等角度間隔で、離散的複数箇所に描かれたサーボ情報から現在位置を検出し、データトラックからのズレ補正する方向に、HAA51すなわち磁気ヘッド41を動かすことにより行う。磁気ヘッド41の浮上量は数十nm程度であり、磁気ヘッド41とディスク1との間への塵、埃の介入が磁気ヘッド41やディスク1にダメージを与えて故障の原因となるため、固定ディスク装置の組み立てはクリーンルームで行い、組み立て後は、カバー(図示せず)と気密部材(図示せず)とで密封されている。

0004

なお、図11において、52は、これらのディスク1、スピンドルモータ5、ヘッドアクチュエータアセンブリ51を格納した略直方体形状の筐体で、この筐体52は、スピンドルモータ5とヘッドアクチュエータアセンブリ51などを搭載したベース52aと、枠形状の側壁52bと、筐体52の内部を覆うカバー(図示せず)とから構成され、ベース52aと側壁52bとは一体形成されている。

0005

固定ディスク装置を含めた情報記録装置には、大容量(高密度)、高転送速度、高信頼性低消費電力低コスト、小型、軽量、可搬性等さまざまな特性が求められる。この種の情報記録装置において、固定ディスク装置は、特に容量と転送速度の面においてユーザの利便性を満たせる点に優位性が有り、コンピュータ等にとって不可欠な物となっている。今後も更なる大容量化高速化、すなわち高密度化と高速化とが進行すると考えられており、それに伴い、それぞれを実現する有力手段であるデータトラック間隔の狭化とスピンドルモータ5の高速回転化も今後ますます進行すると考えられる。

0006

データトラック間隔の狭化を実現するには磁気ヘッド41のデータトラックへの位置決め精度を向上させる必要がある。高精度の位置決めを阻害している機構要因として代表的なものは、HAA51の構成部品固有振動、スピンドルモータ5およびディスク1の固有振動、スピンドルモータ5の軸受けの非回転同期振動による位置誤差がある。

0007

スピンドルモータ5の軸受けの非回転同期振動の低減に関しては、近年導入が図られている流体軸受けを採用することで大幅に小さくすることができる。
一方、HAA51やスピンドルモータ5およびディスク1の固有振動を低減するには、振動しにくい構造にすること、または励振力を小さくすることが考えられる。前者の振動しにくい構造にする手法としては、高剛性あるいは高減衰材料に変更によって制振することや、固有振動のモードを位置誤差が発生しにくいモードに最適化する方法がある。HAA51ではこれらの設計開発が行われ、位置誤差の低減が行われている。しかしながら、ディスク1については形状が平板であることが求められているので、実用的な手法としては、厚みを増加させることが一般的に行われているだけであり、これは、軸方向の厚さ制限に対して相反することであるため、理想的な方法ではない。また、ディスク1の材質を高剛性あるいは高減衰材料に変更する方法も考えられているが、大幅なコストアップが伴うため実用されていない状況である。よって、ディスク1の振動に関しては、他の方法で、ディスク1の制振を行うか、励振力を低減させる方法を考える必要がある。

0008

励振力として挙げられるのは、ディスク1の回転による空気流に関する圧力変動であり、具体的には、ディスク1の回転によって発生する剥離や渦などに伴う圧力の変動である。つまり、ディスク1の表面の圧力分布がディスク1の一方の面と他方の面とで異なり、これが時間とともに激しく移り変わることによってスピンドルモータ5およびディスク1の固有振動を励起している。HAA51についても同様にディスク1の回転によって発生する乱流によって固有振動が励起される。他の原因としては、スピンドルモータ5やVCM46の電磁力が励振力として働くが、これらは空気励振力にくらべて比較的小さい。

0009

また、今後のスピンドルモータ5の高速回転化が進むと、乱流の発生による圧力の変動が増加して空気励振力が増加することから、スピンドルモータ5およびディスク1さらにはHAA51の固有振動振幅は大きくなる傾向にある。データトラック間隔の狭化とスピンドルモータ5の高速回転化は、それぞれが相反する方向性を持ち、両立が困難な技術課題である。

0010

このような問題に着目して、従来の固定ディスク装置における空気励振力に対するスピンドルモータ5およびディスク1の固有振動による振動低減方法の1つとして、整流板を付加することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0011

この特許文献1に記載の方法は、ディスク回転方向の下流側の直後に一定間隔をあけて、断面が流線型の空気整流翼を設けるものであり、これを実現するために、空気整流翼を筐体の側面部に設けた孔から内部に挿入するものである。この空気整流翼によって、ディスク間の空気流を整流化できる。

0012

次に、より大きな効果を得るための方法の1つとして、制振板を付加することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この方法は、ディスクに制振板を対向させ、ディスク面と制振板との間隔を0.3(mm)以下とするものである。制振板はディスク面に平滑板を対向させる技術であり、ディスク面と制振板との距離が小さいほど、またディスクに対して対向している角度(面積)が大きいほど振動低減効果が大きくなるから、隙間を0.3(mm)以下にすることによって、ディスク振動低減効果を増加させることが可能である。

0013

また、具体的に制振板をとりつける構造についての提案が、例えば、特許文献3に記載されている。
この方法は、最上面または最下面のディスクに制振板を対向させ、制振板とディスク間との隙間を微調整するための薄板状部品を介在させると共に、このディスク面をデータ記録面として使用しないことである。制振板はディスク面に平滑板を対向させてスクイーズ空気膜減衰効果を生じさせる技術であり、ディスク面と制振板との距離が小さいほど、またディスクに対して対向している角度(面積)が大きいほど振動低減効果が大きくなる。この構成によると、ディスクのほぼ全域を覆うことも可能となるため、大きな効果を得ることができる。

0014

次に、整流板や制振板とは異なる方法として、ディスク側面とそれに対向する側壁との隙間を減少させることにより、空気励振力を低減させる方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。

0015

この方法は、ヘッドアクチュエータアセンブリの挿入部を除いて、ディスク外周の端面とそれを囲む側壁との間隔を0.1(mm)より大きく、0.6(mm)以下としたものであり、ディスク側面と側壁との隙間を小さくするほどディスク振動が小さくなる。

0016

実際に、側壁との隙間をパラメータとして、3.5inchのディスク振動振幅を測定したところ、図12に示すような結果が得られた。図12は固定ディスク装置の軸方向ディスク振動振幅と、ディスクの外周側面とそれを囲む側壁との間の隙間と、の関係を示す図である。横軸がディスク外周側面と側壁との間の隙間であり、縦軸が軸方向ディスク振幅である。なお、縦軸は、ディスク外周側面と側壁との間の隙間が1.5(mm)の時の振幅を100(%)とした百分率で示している。振動振幅データは0〜2kHzまでのディスクを含むスピンドル系振動モードの平均値で示している。ディスクとの隙間を小さくするほどディスク振動は小さくなり、0.5(mm)より小さくなったあたりから特に振動振幅が小さくなる結果が得られた。
特開2001−23347公報(第5頁、第4図)
特開2000−331460公報(第5頁、第3図)
特開2002−157858公報(第6頁、第1図)
特開平11−232866公報(第5頁、第2図)

発明が解決しようとする課題

0017

しかしながら、前記特許文献1に記載の方法は、筐体の側壁に孔を設け、筐体剛性低下による振動増加、空気整流翼と筐体との隙間をふさぐ構造であるため、シール構造の追加を行わなくてはならず、このシール構造の追加が、どのようにすれば良好にシールを行えるかなどの点で問題となる。これらの問題との引き換えに、ディスク振動およびアクチュエータ振動を低減できたとしても、より大きな効果を得るためにディスクに対向する空気整流翼の角度を大きくすると、さらに前述の問題(筐体剛性低下による振動増加、空気整流翼と筐体との隙間をふさぐためのシール構造の追加)が大きくなり、これによってさらに良好な構成に対処することが困難になる。よって、この構成によれば、ディスクやアクチュエータ振動低減に対して、比較的小さな効果を得ることができるが、より大きな効果を得るために適している構造とするための課題が残っている。

0018

また、前記特許文献2のように、ディスクに制振板を対向させ、ディスク面と制振板との間隔を0.3(mm)以下とすると、ディスク面と制振板との距離が小さいほど振動低減効果が大きくなるから、隙間を0.3(mm)以下にすることによって、ディスク振動低減効果を増加させることが可能である。しかしながら、振動や衝撃が加わった際のディスクの変形や部品加工誤差を考慮すると、隙間を0.3(mm)以下にすることは、困難な場合が多く、実用性に問題がある。

0019

また、前記特許文献3に示されているように、最上面または最下面のディスクに制振板を対向させ、制振板とディスク間との隙間を微調整するための薄板状部品を介在させると共にこのディスク面をデータ記録面として使用しない構成では、ディスク振動モードにおける振動振幅を低減させる場合の制振板効果は、制振板が対向するディスクのみに得られるものであり、制振板が対向しないディスクに対する効果がほとんど得られない欠点がある。また、制振板を対向させた部分のディスクを記録面として使用しないため、データ領域の減少によって、記録容量が低下してしまうという問題がある。

0020

また、前記特許文献4に示されているように、整流板や制振板とは異なる方法として、ディスク外周側面とそれに対向する側壁との隙間を減少させることにより、空気励振力を低減させる技術の実用化を考えた場合、固定ディスク装置の側壁は、ベースと一体的にアルミダイカスト製作されていることが多く、側壁には抜き勾配による傾斜が例えば0.4(mm)程度設けられている。これにディスクの取付け誤差や、ディスク寸法誤差、側壁の寸法誤差も含めて考えた場合、ディスク外周側面と側壁との隙間を0.6(mm)以下にすることは困難である。これを実現するためには、側壁を機械加工することが必要となり、コストアップを招く。

0021

また、図12に示す結果から隙間が0.5(mm)以下では、ディスク振動低減効果が大きいが、隙間変化に対するディスク振幅への影響が大きいため、前述のディスク取り付け誤差、ディスク寸法誤差、側壁の寸法誤差によって、振動低減効果への悪影響も大きくなる。隙間のばらつきを小さくするために部品公差をさらに向上させる必要が生じる。このように大きな振動低減効果を得るためは、より高価な部品を使用しなければならないといった問題がある。

0022

このように、更なる大容量化と高速化とを進行するにあたって、相反する2つの条件である高密度化とスピンドルモータの高速回転化とを実現させるためにさまざまな技術が提案されているが、何れの技術も実用化に向けての問題点を含んでおり、固定ディスク装置の設計に容易に対応できる実用的なディスク振動低減手段を提案する必要がある。

0023

本発明は上記問題等の各種課題を解決するもので、シール構造の追加などを行わないで済みながら、全てのディスクに対してディスクの振動を良好に低減することができ、また、実用化が容易であり、コストアップも最小限に済ますことができる固定ディスク装置およびその組立方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0024

前記課題を解決するために、本発明の固定ディスク装置は、少なくとも1枚のディスクと、前記ディスクを搭載するスピンドルモータと、前記ディスクに情報の記録または再生を行うヘッドを備えたヘッドアクチュエータアセンブリと、前記ディスクに対向するディスク振動低減板部を有する振動低減体と、これらのディスク、スピンドルモータ、ヘッドアクチュエータアセンブリ、振動低減体を格納する略直方体形状の筐体とを備えた固定ディスク装置であって、前記筐体は、前記スピンドルモータと前記ヘッドアクチュエータアセンブリとを搭載したベースと、枠形状の側壁体と、筐体の内部を覆うカバーとを備え、少なくとも前記ベースと前記側壁体とが個別の構造体であることを特徴とし、また、ベースと側壁体とを分割する分割平面はディスクの最下面よりも下方に形成されていることを特徴とする。また、振動低減体は、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を有し、振動低減体が、そのディスク振動低減板部がディスクのディスク面に臨む姿勢で配設された状態で、ディスク囲い部においてベースに固定されていることを特徴とし、さらに、側壁体の一方の面とディスクとの間にヘッドアクチュエータアセンブリが配設され、振動低減体は前記側壁体の他の3面の少なくとも何れかの1面と前記ディスクとの間の領域に配設されていることを特徴とする。

0025

上記構成によれば、側壁体とベースとが個別の構造体であるので、ベースに側壁体を配設していない状態で、ディスクを前記ベースに搭載し、この後に、振動低減体のディスク振動低減板部をディスク面に臨むように、したがってディスクが複数枚ある場合には、ディスク間に挿入するようにして組付けることが容易にでき、この後に、側壁体を組付ける。これによって、ディスクの大部分を囲う側壁体との狭い隙間に、従来は設けることが困難であった面積(ディスクに対する覆う角度)の大きなディスク振動低減板部を有する振動低減体を設けることが可能となり、良好に振動の低減を図ることができる。

0026

なお、この固定ディスク装置の組立方法としては、スピンドルモータをベースに搭載した後、スピンドルモータにディスクを取り付け、この後、振動低減体を、そのディスク振動低減板部がディスクのディスク面に臨む姿勢となるよう配置してベースに固定し、この後、側壁体を前記ベースに取り付けたり、または、ディスクをスピンドルモータに搭載してなるディスクモータアセンブリをベースに取り付けた後、振動低減体を、そのディスク振動低減板部がディスクのディスク面に臨む姿勢となるよう配置してベースに固定し、この後、側壁体を前記ベースに取り付けたり、あるいは、振動低減体をベースに取り付けた後、前記振動低減体がディスクのディスク面に臨む姿勢となるように、ディスクをスピンドルモータに搭載してなるディスクモータアセンブリをベースに取り付け、この後、側壁体を前記ベースに取り付けたりすることで、前記固定ディスク装置を良好に組み立てることができる。

0027

また、本発明の固定ディスク装置の組立方法は、振動低減体が、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を有し、このディスク囲い部とディスクの外周側面との間の隙間(詳しくはディスク半径方向の隙間)を、隙間計測手段と隙間調整手段とを用いて、所定の値に設定することを特徴とする。

0028

より具体的には、振動低減体に、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を設け、このディスク囲い部に、ディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面との間の隙間寸法を計測可能にする孔を形成する。1例としては、孔を、振動低減体の上面部から下方に形成し、かつ、ディスク回転軸心方向に沿って平面視した場合に、ディスクの外周側面からディスク囲い部の内周面までを含む領域に形成する。他の例としては、孔を、振動低減体のディスク囲い部における外周からディスク半径方向内側に向けて貫通するように形成し、かつ、前記孔を通してディスクの外周側面の一部を臨むように形成する。さらに他の例としては、振動低減体のディスク囲い部における外周面の一部に平滑面を形成し、前記平滑面は、ディスク囲い部の内周面を基準として加工する。これらの方法によれば、ディスク囲い部とディスク外周側面とのディスク半径方向隙間を、隙間計測手段と隙間調整手段とを用いて、正確かつ容易に調整することが可能となる。

0029

また、振動低減体の上面部の少なくとも一部における、ディスク回転軸心方向に沿って平面視した場合にディスクの外周側面からディスク囲い部の内周面までを含む領域を、光透過性を有する材料で構成することでも、ディスクの外周側面からディスク囲い部の内周面までの隙間寸法を認識することが可能となり、この場合に、振動低減体のディスク囲い部とディスクの外周側面とを接触させて隙間をにした後、離間方向に相対的に移動させて、ディスク囲い部とディスクの外周側面との間の隙間を隙間計測手段により計測することで、ディスク囲い部とディスクの外周側面との間の隙間を良好に設定できる。

0030

また、固定ディスク装置の組立方法として、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の隙間調整を、ディスクの半径方向回転同期振れによる隙間変動範囲のうちの最大の場所または最小の場所で行ってもよい。

0031

また、本発明の他の固定ディスク装置の組立方法は、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の隙間調整を、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の隙間をC、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の必要最小隙間をCmin、ディスクの振れ回りによる半径変動最大値をRmax、前記ディスクが静止している状態での隙間調整位置における半径をRrealとした場合に、C=Cmin+Rmax−Rrealで示される値であるとして調整することを特徴とし、前記隙間はディスクと囲い部との接触を避けるためにあるから、この方法によれば、ディスクを回転させて半径方向回転同期振れを計測した後に、いずれの位置に前記ディスクが停止しても、ディスクの半径方向回転同期振れによる隙間調整誤差を除いた正確な隙間の設定を容易に行うことが可能となる。

発明の効果

0032

以上のように、本発明におけるディスク装置によれば、側壁体とベースとを個別の構造体としたので、ディスクの大部分を囲う側壁体との狭い隙間に、従来は設けることが困難であった面積(ディスクに対する覆う角度)の大きなディスク振動低減板部を有する振動低減体を設けることが可能となり、良好に振動の低減を図ることができる。すなわち、空気流による圧力変動を低減して、従来の固定ディスク装置における課題であったスピンドルモータ固有振動とディスク振動の低減によって、高記録密度化が実現できるディスク装置を提供することができる。

0033

また、本発明によれば、ディスク囲い部とディスクの外周側面との間の隙間が極めて小さい姿勢に良好に、高価な部品などを用いることなく、設定でき、ディスクの振動を良好に低減することができる。

発明を実施するための最良の形態

0034

本発明の請求項1に記載の固定ディスク装置は、少なくとも1枚のディスクと、前記ディスクを搭載するスピンドルモータと、前記ディスクに情報の記録または再生を行うヘッドを備えたヘッドアクチュエータアセンブリと、前記ディスクに対向するディスク振動低減板部を有する振動低減体と、これらのディスク、スピンドルモータ、ヘッドアクチュエータアセンブリ、振動低減体を格納する略直方体形状の筐体とを備えた固定ディスク装置であって、前記筐体は、前記スピンドルモータと前記ヘッドアクチュエータアセンブリとを搭載したベースと、枠形状の側壁体と、筐体の内部を覆うカバーとを備え、少なくとも前記ベースと前記側壁体とが個別の構造体であることを特徴とする。

0035

上記構成によれば、側壁体とベースとが個別の構造体であるので、ベースに側壁体を配設していない状態で、ディスクを前記ベースに搭載し、この後に、振動低減体のディスク振動低減板部をディスク間に挿入するようにして組付けることが容易にでき、これによって、ディスクの大部分を囲う側壁体との狭い隙間に、従来は設けることが困難であった面積(ディスクに対する覆う角度)の大きなディスク振動低減板部を有する振動低減体を設けることが可能となる。振動低減板部は、ディスク表面に設ける角度が大きいほど効果が大きくなることから、ディスク振動低減効果の増加を図ることができ、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0036

本発明の請求項2に記載の固定ディスク装置は、ベースと側壁体とを分割する分割平面はディスクの最下面よりも下方に形成されていることを特徴とし、これにより、振動低減体のディスク振動低減板部をディスク間に挿入するように容易に組付けることができる。

0037

本発明の請求項3に記載の固定ディスク装置は、振動低減体は、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を有し、振動低減体が、そのディスク振動低減板部がディスクのディスク面に臨む姿勢で配設された状態で、ディスク囲い部においてベースに固定されていることを特徴とする。

0038

本発明の請求項4に記載の固定ディスク装置は、側壁体の一方の面とディスクとの間にヘッドアクチュエータアセンブリを備え、振動低減体は前記側壁体の他の3面の少なくとも何れかの1面と前記ディスクとの間の領域に配設されていることを特徴とする。

0039

また、この固定ディスク装置の組立方法としては、請求項5に記載のように、スピンドルモータをベースに搭載した後、スピンドルモータにディスクを取り付け、この後、振動低減体を、そのディスク振動低減板部がディスクのディスク面に臨む姿勢となるよう配置してベースに固定し、この後、側壁体を前記ベースに取り付けたり、請求項6に記載のように、ディスクをスピンドルモータに搭載してなるディスクモータアセンブリをベースに取り付けた後、振動低減体を、そのディスク振動低減板部がディスクのディスク面に臨む姿勢となるよう配置してベースに固定し、この後、側壁体を前記ベースに取り付けたり、請求項7に記載のように、振動低減体をベースに取り付けた後、前記振動低減体がディスクのディスク面に臨む姿勢となるように、ディスクをスピンドルモータに搭載してなるディスクモータアセンブリをベースに取り付け、この後、側壁体を前記ベースに取り付けたりすることで、前記固定ディスク装置を良好に組み立てることができる。

0040

また、本発明の請求項8に記載の固定ディスク装置の組立方法は、振動低減体が、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を有し、このディスク囲い部とディスクの外周側面との間の隙間(詳しくはディスク半径方向の隙間)を、隙間計測手段と隙間調整手段とを用いて、所定の値に設定することを特徴とする。

0041

より具体的には、請求項9に記載のように、振動低減体に、ディスクを外周側から囲むディスク囲い部を設け、このディスク囲い部に、ディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面との間の隙間寸法を計測可能にする孔を形成する。1例としては、請求項10に記載のように、孔を、振動低減体の上面部から下方に形成し、かつ、ディスク回転軸心方向に沿って平面視した場合に、ディスクの外周側面からディスク囲い部の内周面までを含む領域に形成する。これによれば、孔を通して、ディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面との間の隙間寸法を容易に計測することができる。

0042

他の例としては、請求項11に記載のように、孔を、振動低減体のディスク囲い部における外周からディスク半径方向内側に向けて貫通するように形成し、かつ、前記孔を通してディスクの外周側面の一部を臨むように形成する。これによれば、請求項12に記載のように、ディスク囲い部の内周面が所定位置となるように配置した状態で、ディスクの外周側面の位置をセンサなどで測定することで、ディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面との間の隙間寸法を算出することができる。

0043

さらに他の例としては、請求項13に記載のように、振動低減体のディスク囲い部における外周面の一部に平滑面を形成し、前記平滑面は、ディスク囲い部の内周面を基準として加工する。この構成において、請求項14に記載のように、まず、ベースに、ディスクが取り付けられたスピンドルモータを設置し、このディスクの側面の側方に設置したセンサにより、ディスクの外周側面までの距離を測定し、この後、振動低減体をベースに対して移動可能な状態で取り付け、前記センサにより、前記平滑面までの位置を計測することで、前記平滑面までの位置に基づいてディスク囲い部の内周面の位置を算出でき、ひいては、ディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面との間の隙間寸法を計測することができる。

0044

また、本発明の請求項15記載の固定ディスク装置は、振動低減体の上面部の少なくとも一部における、ディスク回転軸心方向に沿って平面視した場合にディスクの外周側面からディスク囲い部の内周面までを含む領域が、光透過性を有する材料で構成されていることを特徴とし、この構成において、請求項16に記載のように、振動低減体のディスク囲い部とディスクの外周側面とを接触させて隙間を零にした後、離間方向に相対的に移動させて、ディスク囲い部とディスクの外周側面との間の隙間を隙間計測手段により計測することにより、ディスク囲い部とディスクの外周側面との間の隙間を容易かつ確実に計測することができる。

0045

これらにより、ディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面とが、回転等により接触子ない範囲でディスクの外周側面とディスク囲い部の内周面とを近づけることができ、この隙間が小さいほど、ディスク振動低減効果を良好に得ることができて、ディスク振動低減効果の増加を図り、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0046

また、本発明の請求項17記載の固定ディスク装置の組立方法は、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の隙間調整を、ディスクの半径方向回転同期振れによる隙間変動範囲のうちの最大の場所または最小の場所で行うことを特徴とし、ディスクの半径方向回転同期振れが隙間調整の際の誤差となるため、その誤差を排除することによって、正確な隙間の調整を容易に行うことが可能である。これによって、ディスク振動低減効果の増加を図ることができ、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0047

また、本発明の請求項18記載の固定ディスク装置の組立方法は、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の隙間調整を、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の隙間をC、振動低減体のディスク囲い部とディスク外周側面との間の必要最小隙間をCmin、ディスクの振れ回りによる半径変動の最大値をRmax、前記ディスクが静止している状態での隙間調整位置における半径をRrealとした場合に、C=Cmin+Rmax−Rrealで示される値であるとして調整することを特徴とし、ディスクの半径方向の回転同期振れが隙間調整の際の誤差となるため、その誤差を排除することができて、正確な隙間の調整を容易に行うことが可能である。さらに、ディスクを回転させて半径方向の回転同期振れを計測した後に、いずれの位置にディスクが停止しても正確な隙間調整が可能となる。これによって、ディスク振動低減効果の増加を図ることができ、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0048

また、本発明の請求項19記載の固定ディスク装置は、側壁体とカバーとが一体的に構成されていること特徴とし、部品点数と組み立て手段の増加を防ぎつつ、面積(角度)の大きな振動低減体を設けることが可能となり、この振動低減体は、ディスク表面に対応する面積が大きいほど効果が大きくなることから、ディスク振動低減効果の増加を図ることができ、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0049

また、本発明の請求項20記載の固定ディスク装置は、振動低減体のディスク振動低減板部が、空気流を整流する整流板部であることを特徴とし、また、本発明の請求項21記載の固定ディスク装置は、振動低減体のディスク振動低減板部が、ディスク面との対向面積が大きいほど振動低減効果が大きくなる制振板であることを特徴とする。

0050

以下、本発明の実施の形態について、図1から図10を用いて説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1(請求項1〜請求項4に対応する固定ディスク装置の構造と、請求項5に対応する固定ディスク装置の組立方法)について、図1図3を用いて説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態1に係る固定ディスク装置の斜視図、図2はこの固定ディスク装置に設けられる振動低減体としての整流体の斜視図、図3(a)〜(d)はそれぞれ本発明の実施の形態1に係る固定ディスク装置の組立工程を示す斜視図である。

0051

図1図2に示すように、固定ディスク装置は、2枚のディスク1と、これらのディスク1を搭載するスピンドルモータ5と、ディスク1に情報の記録または再生を行うヘッドを備えたヘッドアクチュエータアセンブリ(なお、図1においては図示していないため、図11に示すヘッドアクチュエータアセンブリ51を参照のこと)と、ディスク1に対向するディスク振動低減板部としての整流板部8a(8a1、8a2、8a3)が設けられた振動低減体としての整流体8と、これらのディスク1、スピンドルモータ5、ヘッドアクチュエータアセンブリ、整流体8を格納した略直方体形状の筐体10とを備えている。

0052

筐体10は、スピンドルモータ5と前記ヘッドアクチュエータアセンブリとを搭載したベース31と、矩形枠形状の側壁体32と、筐体10の内部を覆うカバー(図示せず)とを備えている。そして、特に、ベース31と側壁体32とが個別の構造体で(すなわち、別体で)構成されている。なお、各ディスク1は両面のディスク面とも情報が記録再生可能に構成されており、図示しないが、各ディスク面に対応してヘッドアクチュエータアセンブリが設けられている。

0053

また、ベース31と側壁体32とを分割する分割平面31aはディスク1の最下面よりも下方に形成されており、整流体8の整流板部8aをディスク1間に支障無く挿入できるように図られている。さらに、細かくは図示しないが、整流体8の挿入の際に、整流体8がベース31に干渉することを避けるため、ベース31における整流体8の挿入移動経路に相当する領域の高さは、ベース31における整流体8の取り付け箇所の高さ(整流体8が取り付けられた際の、整流体8の最も下方の整流板部8a3の下面の高さ)よりも低く構成されている。

0054

また、図示しないが、この実施の形態では、側壁体32の一方の面とディスク1との間にヘッドアクチュエータアセンブリ(以下、HAAと称す。このHAAの配置箇所は、上述したように、図11に示す従来の固定ディスク装置を同じである)を備え、整流体8は側壁体32の他の3面にまたがってディスク1との間の領域に配設されている。

0055

この実施の形態では、2枚のディスク1を、図示しないディスクスペーサを介して、固定手段としてのクランプディスク3とネジ4を用いて、スピンドルモータ5に一体的に回転可能に固定している。なお、スピンドルモータ5の非回転部分はベース31と一体的に固定されており、ベース31がスピンドルモータベースとしても機能している。

0056

図2に示すように、この実施の形態1では、整流体8には上下方向に間隔をあけて、3枚の整流板部8a(8a1、8a2、8a3)が、ディスク1の上方位置および下方位置で略平行になるように突出して形成されており、これらの整流板部8aは各ディスク1の表面に対向してディスク1の上下の空気流を整流する。なお、図2における8hは、整流体8をベース31に固定するためのねじ9を挿通させる取り付け孔、8bは、整流体8の外周部分をなしてディスクを外周から囲むように配置されるディスク囲い部である。

0057

この固定ディスク装置は以下のようにして組み立てられる。
図3(a)に示すように、まず、スピンドルモータ5をベース31に搭載した後、図3(b)に示すように、スピンドルモータ5に、2枚のディスク1を、図示しないディスクスペーサを介して、クランプディスク3とネジ4を用いて一体的に回転可能に固定する。

0058

次に、図3(c)に示すように、整流体8を、その整流板部8aがディスク1のディスク面に対向するようにベース31に取り付ける。すなわち、整流体8の下部の整流板部8a3をベース31と下側のディスク1との間に挿入し、整流体8の高さ方向中央部の整流板部8a2を上下のディスク1の間に挿入し、整流体8の上部の整流板部8a1を上側のディスク1の上にディスク半径方向外側から挿入してベース31上に設置した後、取付け孔8h(図2参照)にネジ9を挿入し、ベース31、詳しくは、ベース31のディスク囲い部8bに締め付けて固定する。

0059

この後、図3(d)に示すように、側壁体32をベース31に取り付ける。ベース31にスピンドルモータ5やディスク1などが取り付けられてヘッドディスクアセンブリ(図示せず)が構成された際に、側壁体32とベース31との間で空気漏れや外部からの空気の侵入が無いよう、側壁体32とベース31との間にパッキン33が設けられている。この後の、HAA(図示せず)やカバー(図示せず)の組み立て手段については従来と同様であるので、ここでは省略する。

0060

この構成により、側壁体32とベース31とを個別に設けて別体構造にしているので、ディスク1やスピンドルモータ5をベース31に搭載した後に、整流体8の整流板部8aを、予め、ディスク1に対向する位置、すなわち、ディスク1間あるいはディスク1とベース31との間に挿入することが容易にできる。これによって、ディスク1の大部分を囲う側壁体32との狭い隙間に、従来は設けることが困難であった対向する面積(対向する角度)が極めて大きな(例えば、略180度の角度範囲の)整流体8を設けることが可能となる。整流板部8aは、ディスク表面に対向して設ける面積(角度)が大きいほど効果が大きくなることから、ディスク振動低減効果の増加を良好に図ることができ、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。なお、カバー(図示せず)と側壁体32は一体的に構成されていてもよく、ディスク1やスピンドルモータ5、HAA、並びに整流体8を取り付けた後に、一体化されたカバーおよび側壁体32を支障無く取り付けることができる。

0061

(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2(請求項6に対応する固定ディスク装置の第1の組立方法)について、図4を参照しながら説明する。図4(a)〜(d)は、本発明の実施の形態2に係る固定ディスク装置と第1の組立工程を示す斜視図である。なお、固定ディスク装置の基本的な構造は前記実施の形態1と同じであるため、その説明は省略する。

0062

固定ディスク装置の基本的な構造は前記実施の形態1と同じであり、前記実施の形態1においては、まず、ベース31にスピンドルモータ5を固定した後にディスク1を搭載していたが、本実施の形態2では、予め、単体のスピンドルモータ5に対して、2枚のディスク1を、図示しないディスクスペーサを介して、クランプディスク3とネジ4を用いて一体的に回転可能に固定して、ディスクモータアセンブリ52を構成する(図4(a)参照)。

0063

次に、図4(b)に示すように、ディスクモータアセンブリ52をベース31に取り付け、この後、図4(c)に示すように、整流体8をベース31に取り付け、さらに、図4(d)に示すように、側壁体32をベース31に取り付ける。この後の、HAA(図示せず)やカバー(図示せず)の組み付け工程は、前記実施の形態1や従来と同様であるので、ここではその説明を省略する。

0064

これによっても、側壁体32とベース31とを個別に設けて別体構造にしているので、ディスク1やスピンドルモータ5をベース31に搭載した後に、整流体8の整流板部8aを予めディスク1間あるいはディスク1とベース31との間に挿入することが容易にでき、これによって、ディスク1の大部分を囲う側壁体32との狭い隙間に、従来は設けることが困難であった対向する面積(対向する角度)の大きな整流体8を設けることが可能となり、ディスク振動低減効果の増加を良好に図ることができ、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0065

次に、図5は本発明の実施の形態2に係る固定ディスク装置と第2の組立方法を説明する斜視図である。
なお、固定ディスク装置の構造は、図4に示す固定ディスク装置と同様であり、予め、単体のスピンドルモータ5に対して、2枚のディスク1を、図示しないディスクスペーサを介して、クランプディスク3とネジ4を用いて一体的に回転可能に固定して、ディスクモータアセンブリ52が構成されている(図4(a)参照)。また、この実施の形態では、詳しくは図示していないが、後述するように、整流体8をベース31に取り付けた後に、ディスクモータアセンブリ52をベース31に取り付けるため、このベース31への取り付けの際に、ディスクモータアセンブリ52がベース31に干渉しないように、ディスクモータアセンブリ52が挿入の際に移動する領域において、ベース31の高さが、ディスク1およびスピンドルモータ5の配設時の高さより低く構成されている。

0066

この固定ディスク装置の組立方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、整流体8をベース31に取り付ける。整流体8は図2に示したものと同様であり、ベース31への取り付けもネジ9を用いて行う。

0067

次に、図5(b)に示すように、ディスクモータアセンブリ52をベース31に取り付る。ディスクモータアセンブリ52は図4に示したものと同様であり、整流体8の各整流板部8aの間にディスク1を挿入させるようにしてディスク半径方向外側から挿入した後、スピンドルモータ5の固定部をベース31に固定する。上述したように、ディスクモータアセンブリ52が挿入の際に移動する領域において、ベース31の高さは、ディスクモータアセンブリ52との干渉を避けるように、それぞれディスク1およびスピンドルモータ5の高さより低く構成されている。

0068

次に、図5(c)に示すように、側壁体32をベース31に取り付ける。また、ヘッドディスクアセンブリ(HAA(図示せず))が構成されて取り付けられた際に、側壁体32とベース31との間で空気漏れが無いよう、パッキン33が設けられている。この後の、HAA(図示せず)やカバー(図示せず)の組み立て手段については従来と同様であるので、ここでは省略する。

0069

以上が本発明の実施の形態2における第2の組立方法であり、整流体8をディスクモータアセンブリ52よりも先にベース31に取り付ける点を除いては、本発明の実施の形態2において先に述べた構造および第1の組立方法(図4に沿って説明した組立方法)と同様であり、その作用および効果についても同様であるから、ここでは省略する。

0070

なお、この実施の形態2においてもカバー(図示せず)と側壁体32は一体的に構成されていても良い。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3(請求項8〜請求項15に対応する固定ディスク装置およびその組立方法)について、図6図7を用いて説明する。固定ディスク装置の基本的な構造は前記実施の形態1、2と同じであるため、同様な部分についての説明は省略する。なお、以下の説明において半径方向とはディスク1の半径方向に沿う方向を称す。

0071

図6は本発明の実施の形態3に係る第1の固定ディスク装置とその組立工程を示す側面断面図である。図6に示すように、本発明の実施の形態3においては、整流体8の最上面に、上部の整流板部8a1とこれに続く囲い部8bの内周側面8c1の一部を切り欠いた孔8gが設けられている。詳しくは、この孔8gが、整流体8の上面部から下方に形成され、かつ、ディスク回転軸心方向に沿って平面視した場合に、ディスク1の外周側面1aからディスク囲い部8bの内周面8c1までを含む領域に形成されている。そして、孔8gを通じて、囲い部内周側面8cを、この囲い部内周側面8cとディスク外周側面1aとの間の隙間を計測する隙間計測手段としてのセンサ20を用いて、視覚的に検知可能とする構成となっている。センサ20は光センサやCCDなどを用いた画像認識センサ使用可能であり、この実施の形態では、センサ20は計測時に、整流体8のディスク囲い部8bの上方箇所に配設される。なお、孔8gを設ける代わりに整流体8の最上面全体、若しくは、最上面における前記孔よりも広い領域が、光透過性を有する樹脂ガラスで構成されていても良い。また、図6における7は、ディスク1間に介装されるディスクスペーサ、19は、計測時に固定ディスク装置が載せられる保持台である。

0072

この固定ディスク装置の組立方法について説明する。
図6に示すように、孔8gからセンサ20を用いてディスク外周側面1aと囲い部内周側面8cとの間の隙間寸法を計測しながら、整流体8を半径方向に移動させる。所定の隙間が得られた位置で、整流体8をベース31に固定する。

0073

以上が本発明の実施の形態3における第1の構成および組立方法であり、以下にその作用および効果について述べる。
ディスク外周側面1aとそれを囲む部材との隙間を小さくするほどディスク振動が小さくなる(図12参照)。したがって、整流体8の囲い部内周側面8cとディスク外周側面1aとの半径方向の隙間が小さいほど、ディスク振動の要因となっている風乱による圧力変動を小さくすることができるが、隙間の誤差がディスク振動低減効果に与える影響は大きい。これに対して、上記構成のように、隙間計測用の孔8gを設けることによって、大幅なコストの増加を招くこと無く、正確な隙間調整を容易に行うことが可能である。本構成および組立方法によれば、整流体8の面積(角度)増加と、ディスク囲い部8bとディスク外周側面1aとの間の隙間減少によって、ディスク振動低減効果の増加を図り、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0074

次に、図7(a)は、本発明の実施の形態3に係る第2の固定ディスク装置とその組立工程を示す側面断面図である。
図7(a)に示すように、本発明の実施の形態3に係る第2の固定ディスク装置おいては、整流体8のディスク囲い部8bにおける外周から半径方向内側に向けて貫通するように孔8gが形成され、かつ、この孔8gを通してディスク外周側面1aの一部を臨むように形成されている。すなわち、この孔8gは、少なくともディスク外周側面1aの一部と重なる高さにあり、孔8gを通じてディスク1を、計測時にこの孔8gの側方となる位置に配設される計測手段としてのセンサ20で視覚的に検知可能とする構成となっている。なお、センサ20としては光センサが好適であるが、これに限るものではなく、距離を測定できるものであればよい。

0075

また、前記センサ20での計測時には、この固定ディスクは、保持台19上に載せられるよう構成され、また、整流体8の上面部外周の一部に形成された被保持部8eが、保持治具25によって半径方向に移動可能な状態で保持される。

0076

この固定ディスク装置の組立方法について説明する。
図7(a)に示すように、整流体8のディスク囲い部8bにおける囲い部内周側面8c(8c1、8c2)と保持治具25までの距離が一定となるように囲い部内周側面8cを前記保持治具25等(図示せず)で受けるなどして基準を取りながら保持部8eを保持する。保持治具25との位置を計測するセンサ20までの距離を予め一定の値に設定しておけば、囲い部内周側面8cとセンサ20までの距離を検出することができる。一方、孔8gからセンサ20を用いてセンサ20からディスク外周側面1aまでの距離を計測する。このようにして、ディスク外周側面1aから囲い部内周側面8cまでの距離を間接的に計測することができる。

0077

次に、ディスク外周側面1aと囲い部内周側面8cとの間の隙間が所定の値になる位置まで保持治具25を移動させて、ベース31に固定する。
これによっても、大幅なコストの増加を招くこと無く正確な隙間調整を容易に行うことが可能であり、整流体8の面積(角度)増加と、ディスク囲い部8b(詳しくは囲い部内周側面8c)とディスク外周側面1aとの間の隙間減少によって、ディスク振動低減効果の増加を図り、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0078

次に、図7(b)は本発明の実施の形態3に係る第3の固定ディスク装置とその組立工程を示す側面断面図である。
図7(b)に示すように、本発明の実施の形態3に係る第3の固定ディスク装置おいては、整流体8のディスク囲い部8bにおける外周面8dの一部に平滑面8fが形成されている。この平滑面8fは、ディスク囲い部7bの内周面8cを基準として加工されており、囲い部内周側面8cからの寸法誤差は±0.05mm程度である。

0079

この固定ディスク装置の組立方法について説明する。
予め、整流体8をまだベース31に取り付けていない状態で、ベース31に固定したスピンドルモータ5にディスク1を一体的に回転可能に固定しておき、センサ20からディスク外周側面1aまでの距離を計測する。次に、図6(b)に示すように、整流板部8aの間に、各ディスク1が挿入されるようにしながら、整流体8をベース31上に配設する。この時、センサ20と平滑面8fまでの距離が計測可能になる。そして、平滑面8fから囲い部内周側面8cまでの距離は予め±0.05mm程度の誤差範囲で設計的に分かっているから、センサ20から平滑面8fまでの距離を計測することによって、囲い部内周側面8cとディスク外周側面1aとの距離を±0.05mm程度の精度で間接的に計測できる。この距離が所定の値になるように整流体8を移動し、所定の値になった位置で整流体8をベース31に固定する。

0080

これによっても、大幅なコストの増加を招くこと無く正確な隙間調整を容易に行うことが可能であり、整流体8の面積(角度)増加と、ディスク囲い部8bとディスク外周側面1aとの間の隙間減少によって、ディスク振動低減効果の増加を図り、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0081

なお、ディスク外周側面1aを囲う従来の側壁は、一般的にアルミダイカストで製作されていることが多く、その抜き方向は軸方向である。よって下側のディスク1と側壁との間の隙間と、上側のディスク1と側壁との間の隙間とは異なるため、機械加工を行って抜き勾配を除くなどの処理を行わなければ、両方のディスク1と側壁との間の隙間を共に同じ値に減少させることは困難であった。

0082

これに対して、本発明における整流体8は、例えばアルミダイカストや樹脂成型で製作されており、整流板部8aを構成するための抜き方向は半径方向である。この構成によれば、下ディスク1に対向する囲い部内周側面8c2と、上ディスク1に対向する囲い部内周側面8c1とは、同じ寸法で製作することができる。よって、整流体8の最上面にのみ孔8gを設けて、上側のディスク1に対向する囲い部内周側面8c1との間の隙間を計測・調整することで、下側のディスク1と囲い部内周側面8c2との隙間も、同様に調整することができる。

0083

(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4(請求項16〜請求項18に対応する固定ディスク装置およびその組立方法)について、図8および図9を用いて説明する。

0084

図8は本発明の実施の形態4に係る第1の固定ディスク装置とその組立方法を示す側面断面図である。この固定ディスク装置の構造は図1図5に示す固定ディスクと同様の構成であり、孔8gなどは形成されていない。

0085

この固定ディスク装置の組立方法について説明する。
上記実施の形態と同様にして、整流体8をベース31上に載置した状態で、整流体8をスピンドルモータ5の回転中心軸5aに対して近づけていく。すなわち、整流体8の囲い部内周側面8cをディスク外周側面1aに対して近づけていく。図8(a)に示すように、囲い部内周側面8cとディスク外周側面1aとが軽く接触した時に、両者の隙間は零になっている。次に、図8(b)に示すように、整流体8をスピンドルモータ回転中心軸5aから所定距離だけ離す。この時、ディスク外周側面1aと囲い部内周側面8cとの間の間には、所定距離だけ隙間が設けられている。ここで、整流体8をベース1に対して固定する。なお、整流体8の移動距離を測定する方法としては、図示していないが、例えば、前記センサ20を、整流体8の上方や側方に配置すればよい。

0086

以上が本発明の実施の形態4に係る第1の固定ディスク装置における構成および組立方法であり、以下にその作用および効果について述べる。
図12において上述したように、ディスク外周側面1aとそれを囲む部材との隙間を小さくするほどディスク振動が小さくなる。したがって、整流体8の囲い部内周側面8cとディスク外周側面1aとの半径方向隙間が小さいほど、ディスク振動の要因となっている風乱による圧力変動を小さくすることができるが、隙間の誤差がディスク振動低減効果に与える影響は大きい。

0087

本構成および組立方法によれば、整流体8の移動距離を測定するセンサ20等を設けるだけで済むので、大幅なコストの増加を招くこともなく隙間調整を容易に行うことが可能であり、ディスク1に対向する整流体8の面積(角度)を増加させることができ、かつ囲い部8とディスク外周側面1aのとの間の隙間を減少することができるので、ディスク振動低減効果の増加を図ることができ、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0088

図9は本発明の実施の形態4に係る第2の固定ディスク装置とその組立工程を示す側面断面図である。図9における固定ディスク装置の構造は図8に示した本発明の実施の形態4に係る第1の固定ディスク装置と同様の構成であるので、ここでの説明は省略する。

0089

この固定ディスク装置の組立方法について説明する。
整流体8をベース31に搭載する前に、スピンドルモータ5に一体的に搭載したディスク1を回転させながら、整流体8の隙間調整を行う位置での、隙間調整方向におけるディスク外周側面1aの半径方向振れを、センサ20を用いて計測する。計測方法は、図9においてスピンドルモータ5の回転中心軸5aより左半分の箇所に示すように、軸方向から計測しても、右半分の箇所に示すように半径方向から計測しても良い。

0090

図10は、ディスク回転角度と、整流体8の囲い部内周側面8cとディスク外周側面1aとの間の隙間との関係を示す図である。ディスク1の回転時から停止時までの間に、ディスク外周側面1aの半径方向振れの最大値Rmaxと、ディスク1が停止した時の振れ位置Rrealとを計測する。図10に示すように、ディスク外周側面1aと整流体8の囲い部内周側面8cとの間に設ける所定の最小隙間をCminとすると、整流体8の隙間調整を行う位置におけるディスク停止時の隙間調整値Cを、Cmin+Rmax−Rrealで表すことができる。

0091

この後、整流体8をベース31に搭載し、整流体8の各整流板部8aが、下側のディスク1とベース31との間、上下のディスク1の間、上側のディスク1の上に位置するように挿入すると共に、隙間Cの調整を行う。隙間調整の方法は、本実施の形態3や本実施の形態4に係る第1の固定ディスク装置において示した方法と同様であるので、ここではその説明は省略する。

0092

以上が本発明の実施の形態4に係る第2の固定ディスク装置における構成および組立方法であり、以下にその作用および効果について述べる。
整流体8をベース31に搭載した際に、ディスク外周側面1aと整流体8の囲い部内周側面8cとの隙間は、ディスク外周側面1aの半径方向振れに対応して変化する。この隙間が小さいほどディスク振動振幅が小さくなるが、小さくしすぎると振動や衝撃が加わった際の変位が生じた際に、囲い部内周側面8cとディスク外周側面1aとが接触することがある。よって、この隙間は、固定ディスク装置に加わる振動や衝撃の外乱等のあらゆる使用条件下において、両者が接触しないような最小の隙間Cminに調整することが望ましい。隙間調整を行う際に、隙間調整を行う位置におけるディスク外周側面1aの半径方向振れが前記したRmaxとRminの間のどこに位置しているかを検出すれば、半径方向振れが生じて隙間が最小になった際に隙間がCminになる様に隙間調整を行うことが可能である。

0093

本構成並びに本方法によれば、ディスク1に対向する整流体8の面積(角度)を増加させることと、整流体8のディスク囲い部8bとディスク1の外周側面1aとの間の隙間減少によって、ディスク振動低減効果の増加を図ることができ、高密度化が可能な固定ディスク装置を実現することができる。

0094

なお、本実施の形態4において、整流体8を予めベース31に固定しておいて、ディスクモータアセンブリ52を移動させて、囲い部内周側面8cとディスク外周側面1aとの隙間を調整してもよい。

0095

また、本実施の形態1から実施の形態4において、振動低減体として、整流板部8aを有する整流体8を用いた場合を述べたが、これに限るものではなく、空気膜の減衰効果を生じさせる制振板部(この制振板部は、ディスク面との対向面積が大きいほど、ディスク面との隙間が小さいほど、振動低減効果が大きくなる)を有する制振体を用いても良い。

0096

また、本実施の形態1から実施の形態4において、ディスク1の枚数が2枚である場合を例に挙げて説明したがこれに限定したものでは無く、ディスク1とベース31との間に整流板部を挿入する構成であればディスク1の枚数は何枚でも良い。

0097

本発明は、各種の固定ディスク装置に適用可能である。

図面の簡単な説明

0098

本発明の実施の形態1に係る固定ディスク装置の斜視図
本発明の実施の形態1に係る整流体の斜視図
(a)〜(d)はそれぞれ本発明の実施の形態1に係る固定ディスク装置の組立工程を示す斜視図
(a)〜(d)はそれぞれ本発明の実施の形態2に係る固定ディスク装置(図4(d)参照)とその第1の組立工程を示す斜視図
(a)〜(c)はそれぞれ本発明の実施の形態2に係る固定ディスク装置(図5(c)参照)とその第2の組立工程を示す斜視図
本発明の実施の形態3に係る第1の固定ディスク装置とその組立工程を示す側面断面図
(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施の形態3に係る第2および第3の固定ディスク装置とその組立方法を示す側面断面図
(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施の形態4に係る第1の固定ディスク装置とその組立工程を示す側面断面図
本発明の実施の形態4に係る第2の固定ディスク装置とその組立工程を示す側面断面図
ディスク回転角度と囲い部内周側面とディスクの外周側面の隙間との関係を示す図
固定ディスク装置において広く一般的に用いられている構成を示す斜視図
固定ディスク装置の軸方向ディスク振動振幅と側壁との間の隙間の関係を示す図

符号の説明

0099

1ディスク
5スピンドルモータ
8整流体(振動低減体)
8a(8a1、8a2、8a3)整流板部(ディスク振動低減板部)
8b ディスク囲い部
8c 囲い部内周側面
8d 囲い部外周側面
8e 保持部
8f 平滑面
8g 孔
10筐体
20センサ
25保持治具
31ベース
31a分割平面
32側壁体
52ディスクモータアセンブリ

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