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技術 酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体およびその製造方法

出願人 日本軽金属株式会社
発明者 大平重男新井直樹
出願日 2007年7月6日 (12年11ヶ月経過) 出願番号 2007-178600
公開日 2009年1月22日 (11年5ヶ月経過) 公開番号 2009-013028
状態 未査定
技術分野 結晶、結晶のための後処理 重金属無機化合物(I)
主要キーワード ラバーチューブ 単結晶サンプル ドライエア雰囲気 酸化アルミニウム量 光吸収端波長 状態分析 酸化アルミニウム焼結体 電流注入発光
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

短波長での光吸収が向上した酸化ガリウムを含む固溶体およびその製造方法を提供すること。

解決手段

230nm以上255nm未満の光吸収端波長を有することを特徴とする酸化アルミニウム酸化ガリウム固溶体酸化ガリウム粉末および酸化アルミニウム粉末原料とした焼結体を用い、酸化ガリウム単結晶種結晶とした浮遊帯域溶融法により酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を得る工程を有する前記固溶体を製造する方法。

概要

背景

III族窒化物AlGaInN系混晶は、青色、紫外発光が可能であり、蛍光体を利用することで、可視域全域発光を実現することができるようになった。しかしながら、深紫外域の発光は未だ困難な状況にある。その原因として、単結晶基板の作製難、高温成長による熱歪、深いアクセプター準位不純物酸素などがあげられる。
また、現在までに、AlNを活性層としたLEDが作製され、波長210nmからの電流注入発光が実現しているが、その発光効率は1%に満たない(非特許文献1)。

このIII族窒化物に対抗して、ダイヤモンド酸化物半導体であるZnMgO混晶系を用いて深紫外発光を目指す研究もなされている。ダイヤモンドはバンドギャップが〜5.5eVと深紫外発光できる特性を有するが、ダイヤモンド基板の使用など製造コスト的に実用化には課題がある。これに対し、ZnMgO混晶は窒化物と異なり反応性の高い酸素不純物とならない、酸化物であるため多くの成長方法が選択できる、などの利点がある。しかし、ZnO、MgOの結晶構造がそれぞれ異なり高Mg組成では相分離を引き起こし、そのためバンドギャップは最大で4.5eV(〜280nm)までしか拡大できない(非特許文献2,3)。

一方、酸化ガリウム単結晶は、無色透明でバンドギャップが4.8eVと大きいため、紫外領域の光学材料、LEDやLDなどの窒化物半導体用基板、酸化物透明導電体高温酸素ガスセンサ材料電界効果型トランジスタ(FET)用材料、深紫外受光素子などのデバイス応用が検討されている。また、酸化ガリウム単結晶のバンドギャップ4.8eV(〜260nm)は、その発光波長が水銀の輝線(254nm)に対応するため、発光デバイスの最大の市場である照明産業において、現行蛍光灯代替励起光源としての応用も考えられる。光デバイスにおいては、紫外域で透明であることが必要であり、光吸収短波長化が求められている。
Y.Taniyasuら、Nature 441(2006)325.
Koizumiら、 Science 292(2001)1899.
T.Takagiら、Jpn. J. Appl. Phys. 42(2003)L401.

概要

短波長での光吸収が向上した酸化ガリウムを含む固溶体およびその製造方法を提供すること。 230nm以上255nm未満の光吸収端波長を有することを特徴とする酸化アルミニウム酸化ガリウム固溶体酸化ガリウム粉末および酸化アルミニウム粉末原料とした焼結体を用い、酸化ガリウム単結晶を種結晶とした浮遊帯域溶融法により酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を得る工程を有する前記固溶体を製造する方法。

目的

本発明の目的は、短波長での光吸収が向上した酸化ガリウムを含む固溶体を提供することにある。
また本発明の別の目的は、前記酸化ガリウムを含む固溶体を製造する方法を提供することにある。
さらに本発明の別の目的は、前記酸化ガリウムを含む固溶体の光吸収端波長を調節する方法を提供することにある。
さらにまた本発明の別の目的は、前記酸化ガリウムを含む固溶体を用いた窒化物半導体膜成長用あるいは酸化物半導体膜成長用の基板を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

230nm以上255nm未満の光吸収端波長を有することを特徴とする酸化アルミニウム酸化ガリウム固溶体

請求項2

前記酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体中の酸化アルミニウムの割合が、酸化ガリウムに対して40モル%以下であることを特徴とする請求項1に記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体。

請求項3

前記酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体のカソードルミネッセンス発光が、酸化ガリウム単結晶より短波長側での発光であることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体。

請求項4

酸化ガリウム粉末および酸化アルミニウム粉末原料とした焼結体を用い、酸化ガリウム単結晶を種結晶とした浮遊帯域溶融法により酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を得る工程を有する請求項1〜3のいずれかに記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を製造する方法。

請求項5

前記浮遊帯域溶融法における雰囲気ガスとして、酸素窒素混合ガスまたはドライエアを用いることを特徴とする請求項4に記載の製造方法。

請求項6

請求項1〜3のいずれかに記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体中の、前記酸化アルミニウム量を調整し、前記固溶体の光吸収端波長を調節する方法。

請求項7

請求項1〜3のいずれかに記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を用いた窒化物半導体膜成長用の基板

請求項8

請求項1〜3のいずれかに記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を用いた酸化物半導体膜成長用の基板。

技術分野

0001

本発明は、酸化アルミニウム酸化ガリウム固溶体およびその製造方法に関するものであり、詳しくは、表示、通信記録機器などの各分野に用いられる発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)などの半導体発光素子用基板として有用な酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

III族窒化物AlGaInN系混晶は、青色、紫外発光が可能であり、蛍光体を利用することで、可視域全域発光を実現することができるようになった。しかしながら、深紫外域の発光は未だ困難な状況にある。その原因として、単結晶基板の作製難、高温成長による熱歪、深いアクセプター準位不純物酸素などがあげられる。
また、現在までに、AlNを活性層としたLEDが作製され、波長210nmからの電流注入発光が実現しているが、その発光効率は1%に満たない(非特許文献1)。

0003

このIII族窒化物に対抗して、ダイヤモンド酸化物半導体であるZnMgO混晶系を用いて深紫外発光を目指す研究もなされている。ダイヤモンドはバンドギャップが〜5.5eVと深紫外発光できる特性を有するが、ダイヤモンド基板の使用など製造コスト的に実用化には課題がある。これに対し、ZnMgO混晶は窒化物と異なり反応性の高い酸素不純物とならない、酸化物であるため多くの成長方法が選択できる、などの利点がある。しかし、ZnO、MgOの結晶構造がそれぞれ異なり高Mg組成では相分離を引き起こし、そのためバンドギャップは最大で4.5eV(〜280nm)までしか拡大できない(非特許文献2,3)。

0004

一方、酸化ガリウム単結晶は、無色透明でバンドギャップが4.8eVと大きいため、紫外領域の光学材料、LEDやLDなどの窒化物半導体用基板、酸化物透明導電体高温酸素ガスセンサ材料電界効果型トランジスタ(FET)用材料、深紫外受光素子などのデバイス応用が検討されている。また、酸化ガリウム単結晶のバンドギャップ4.8eV(〜260nm)は、その発光波長が水銀の輝線(254nm)に対応するため、発光デバイスの最大の市場である照明産業において、現行蛍光灯代替励起光源としての応用も考えられる。光デバイスにおいては、紫外域で透明であることが必要であり、光吸収短波長化が求められている。
Y.Taniyasuら、Nature 441(2006)325.
Koizumiら、 Science 292(2001)1899.
T.Takagiら、Jpn. J. Appl. Phys. 42(2003)L401.

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、短波長での光吸収が向上した酸化ガリウムを含む固溶体を提供することにある。
また本発明の別の目的は、前記酸化ガリウムを含む固溶体を製造する方法を提供することにある。
さらに本発明の別の目的は、前記酸化ガリウムを含む固溶体の光吸収端波長を調節する方法を提供することにある。
さらにまた本発明の別の目的は、前記酸化ガリウムを含む固溶体を用いた窒化物半導体膜成長用あるいは酸化物半導体膜成長用の基板を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

本発明者は、上記課題を解決するために、酸化物の利点を活かし、なおかつバンドギャップが大きな酸化ガリウムに着目し、酸化ガリウムを用いた深紫外域発光の実現可能性について鋭意検討を行なった。その結果、酸化ガリウムに酸化アルミニウムを添加することで、酸化ガリウム単結晶中に酸化アルミニウムが均一に固溶した単結晶を得ることができ、しかも得られた単結晶の光吸収端波長は酸化ガリウム単結晶のそれより短波長化できることを見出し、本発明に至った。

0007

すなわち本発明は、以下のとおりである。
1.230nm以上255nm未満の光吸収端波長を有することを特徴とする酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体。
2.前記酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体中の酸化アルミニウムの割合が、酸化ガリウムに対して40モル%以下であることを特徴とする前記1に記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体。
3.前記酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体のカソードルミネッセンス発光が、酸化ガリウム単結晶より短波長側での発光であることを特徴とする前記1または2に記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体。
4.酸化ガリウム粉末および酸化アルミニウム粉末原料とした焼結体を用い、酸化ガリウム単結晶を種結晶とした浮遊帯域溶融法により酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を得る工程を有する前記1〜3のいずれかに記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を製造する方法。
5.前記浮遊帯域溶融法における雰囲気ガスとして、酸素—窒素混合ガスまたはドライエアを用いることを特徴とする前記4に記載の製造方法。
6.前記1〜3のいずれかに記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体中の、前記酸化アルミニウム量を調整し、前記固溶体の光吸収端波長を調節する方法。
7.前記1〜3のいずれかに記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を用いた窒化物半導体膜成長用の基板。
8.前記1〜3のいずれかに記載の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を用いた酸化物半導体膜成長用の基板。

発明の効果

0008

本発明によれば、短波長での光吸収が向上した酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体およびその製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、酸化アルミニウムの添加量を調整するという簡易な方法で酸化ガリウム固溶体の光吸収端波長を調節する方法を提供することができる。
さらに本発明によれば、前記酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を用いた窒化物半導体膜成長用あるいは酸化物半導体膜成長用の基板を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0009

以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体)
本発明の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体は、230nm以上255nm未満の光吸収端波長を有することを特徴としている。上記本発明の固溶体は、酸化ガリウム粉末および酸化アルミニウム粉末を原料とした焼結体を用い、酸化ガリウム単結晶を種結晶とした浮遊帯域溶融法により固溶体の単結晶を育成させることにより得ることができる。

0010

浮遊帯域溶融法(フローティングゾーン法FZ法)は、溶融帯を形成する際に容器を使わないため、育成して得られる固溶体は容器に由来する汚染心配がなく、高品質な固溶体を得ることができる。FZ法で用いる装置については特に制限されず、例えば、加熱手段としては、必要によりサセプターを併用した高周波による電磁誘導加熱電気抵抗加熱赤外線電子ビームアーク、又はランプを用いた集光加熱、あるいはレーザー火炎による加熱等を用いることができるが、安定した加熱条件が確保できると共に加熱に際しての不純物導入のおそれがないランプを用いた集光加熱であるのが好ましい。

0011

FZ法における原料棒は、酸化ガリウム粉末および酸化アルミニウム粉末を原料とした焼結体である。酸化ガリウム粉末および酸化アルミニウム粉末は純度が99.99%(4N)以上であるのが好ましい。また、酸化ガリウム粉末は、β- Ga2O3粉末であることが熱的に最も安定であるという理由から好ましい。
前記焼結体は、酸化ガリウム粉末および酸化アルミニウム粉末をラバーチューブ等に封じ、静水圧50〜600MPa、好ましくは100〜500MPaで5分間程度ラバープレスし、円柱状に成型した後、1500〜1700℃、好ましくは1550〜1650℃の焼結温度で10〜20時間、好ましくは12〜15時間焼結させるのがよい。この焼結温度が1500℃より低いと酸化ガリウムより融点が高い酸化アルミニウムを混合して焼結する場合、焼結が不足して十分なかさ密度の焼結体を得ることが困難になり、反対に1700℃より高温になると酸化ガリウムの融点(〜1740℃)に近づいてしまい好ましくない。また、焼結時間が10時間より短いと焼結が十分に行えないおそれがあり、反対に20時間を越えると効果が飽和する。一方、焼結雰囲気については特に制限はされず、大気中で行ってもよい。このようにして得られた酸化ガリウム−酸化アルミニウム焼結体は円柱状の形状となる。

0012

続いて、上記で得た焼結体を原料棒としてFZ法で用いる加熱炉上軸に設置し、下軸には種結晶として酸化ガリウム単結晶を取り付けて、本発明における固溶体の単結晶を育成させる。この際、種結晶については、好ましくは予め酸化ガリウム粉末を焼成して得た酸化ガリウム焼結体を原料としてFZ法により製造した酸化ガリウム単結晶であるのがよい。また、原料棒及び種結晶の回転速度については、それぞれ10〜30rpm、好ましくは15〜20rpmであるのがよく、互いに逆向きに回転させるのが好ましい。酸化ガリウム−酸化アルミニウム焼結体を融解させるために加熱する温度は、酸化ガリウムの融点である1740℃以上であることが好ましく、添加した酸化アルミニウムの融点が〜2050℃であることから、1740℃以上2100℃にすることが好ましい。

0013

固溶体の単結晶の育成雰囲気については、窒素、アルゴンヘリウム等の不活性ガスの1種以上と酸素との混合ガスを用いて、不活性ガスの総量に対する酸素の流量比(O2/不活性ガス総量)が1〜20vol%、好ましくは2〜5vol%となるように加熱炉に供給するのがよい。不活性ガスの総量に対する酸素の流量比が1vol%より小さいと酸素の比率が少な過ぎて原料棒からの蒸発が顕著となり、固溶体の単結晶が十分に成長しなくなる。反対にこの流量比が20vol%より大きくなると融液内バブリングが発生して得られる単結晶に閉じ込められクラック発生誘因となるおそれがある。また、上記の好適な育成雰囲気となるように、酸素と不活性ガスとの混合ガスを加熱炉の石英管内に200〜600ml/minで供給するのがよい。本発明において好ましい育成雰囲気は、酸素-窒素の混合ガス、水分が0.1%以下に除去されたドライエアである。

0014

固溶体の単結晶の結晶成長速度については、2.5〜20mm/h、好ましくは5〜15mm/hであるのがよい。FZ法では、一般には、成長速度が比較的遅いほうが得られる結晶の品質が良いとされている。しかしながら、本発明においては、従来の方法よりも結晶成長速度を上げても優れた品質の固溶体の単結晶を得ることができる。また、結晶成長の際の圧力については、大気圧であってもよく、加圧した状態で行ってもよい。加圧する効果としては、単結晶育成中の原料棒からの蒸発を抑制することができて、雰囲気ガスを流す透明石英管内壁くもりを抑えて石英管外部からの加熱の効率を低下させることなく操作できる等が考えられる。

0015

本発明において、酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体中の酸化アルミニウムの割合は、酸化ガリウムに対して40モル%以下であることが好ましい。酸化アルミニウムの添加量の下限は、目的とする光吸収端波長に依存するが、例えば5モル%である。この酸化アルミニウムの添加量により、230nm以上255nm未満の光吸収端波長を有する酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体が得られる。そして本発明によれば、酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体中の酸化アルミニウム量を適宜調整することにより、固溶体の光吸収端波長を調節することができる。
例えば、230nmの光吸収端波長を有する固溶体を得るためには、酸化アルミニウムを酸化ガリウムに対して約40モル%添加すればよい。
例えば、240nmの光吸収端波長を有する固溶体を得るためには、酸化アルミニウムを酸化ガリウムに対して約25モル%添加すればよい。
例えば、250nmの光吸収端波長を有する固溶体を得るためには、酸化アルミニウムを酸化ガリウムに対して約5モル%添加すればよい。
なお、酸化アルミニウムの添加量を多くする場合は、上記結晶成長速度を速めに設定するのが好ましい(例えば、酸化アルミニウムを酸化ガリウムに対して約40モル%添加する場合は、結晶成長速度は12.5mm/hまで速くするのが好ましい。)

0016

こうして得られた本発明の酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体は、切断等により形状を整え、主面に研磨を行って平坦にすることで、窒化物半導体膜成長用あるいは酸化物半導体膜成長用の基板として有用である。本発明の基板を用いて窒化物半導体膜あるいは酸化物半導体膜を成長させる方法は、とくに限定されず、公知の成長方法を適用することができる。例えばMOCVD法HVPE法、MBE法分子線エピタキシー法)、PLD法パルスレーザ蒸着法)などを用いることが好ましい。

0017

以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。

0018

例1(酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体の調製例)
出発原料としてβ- Ga2O3粉末(純度4N)とα-Al2O3粉末(純度4N)を混合した。なお、β- Ga2O3粉末とα-Al2O3粉末との混合比率は、β- Ga2O3に対しα-Al2O3が10モル%である。混合粉末をラバーチューブに封入後、静水圧でプレス成形し、直径約10mmφ、長さ約8cmのロッド状の成形体を作製した。このようにして混合した成形体を大気中、電気炉中で加熱、焼結し焼結体を作製した。焼結条件は、温度1600℃、焼結時間は10時間である。この焼結体を原料棒として、種結晶には予めFZ法で作製したβ- Ga2O3単結晶(種結晶)を用いてFZ法により酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を調製した。FZ法条件は以下のとおりである。装置としては、市販の光FZ装置(キャノンマシナリー社製商品名iAce)を用い、酸素を20vol%含む窒素—酸素の混合ガス雰囲気下、圧力1気圧、種結晶と原料棒の回転数を20rpmとし、固溶体の単結晶を成長させた。該単結晶の成長速度は7.5mm/hであった。
図1は、上記の調製例で得られた固溶体の単結晶を粉末X線回折分析した結果を示す図である。図1の固溶体の単結晶の回折パターンから、α-Al2O3添加の影響を受けてピーク高角度側に多少シフトしているのがわかるが、β- Ga2O3と同定された。α-Al2O3添加によるGa2O3との反応生成物として考えられるGaAlO3は検出されなかった。

0019

また、上記調製例において、酸化アルミニウムの添加量を酸化ガリウムに対して0モル%(nonDope)、1モル%(Al 1%)、5モル%(Al 5%)に変更した場合の、固溶体の単結晶の格子定数の変化をX線回折により測定した。その結果を図2に示す。なお、図2では、上記調製例の場合(酸化アルミニウムの添加量=10モル%(Al 10%))も併せて示した。図2(a)〜(b)において、縦軸は、a軸、b軸またはc軸の長さ(Å)を表し、横軸は、酸化アルミニウムの添加量を表している。また図2(c)において、縦軸は、ユニットセル堆積(Å3)を表し、横軸は、酸化アルミニウムの添加量を表している。図2から、サンカアルミニウムの添加量が多くなるほどa,b,cの各軸の長さが短くなり、従ってユニットセル体積も減少しているのがわかる。これは、Gaのイオン半径が0.62Åに対し、Alのイオン半径は0.54Åと小さいため、GaサイトにAlが置換したためと考えられる。この格子定数の変化から、添加したAlはGaサイトに置換し、固溶体(混晶)を形成したことが示唆される。
これを確認するため、さらに固溶体の単結晶中の固溶状態電子線プローブ顕微鏡(EPMA)を用いて分析した。図3は、EPMAによるGa、O、Al、の各元素マッピング分析結果を示す図である。Al元素をみると(図中右下)、ほぼ均一に分布しているのがわかる。
さらにこの酸化ガリウム中に固溶したAlの状態分析をEPMAで行なった。その結果を図4に示す。一般にAlKαのスペクトルピークの形状、強度比からAlとAl化合物の状態が識別できることが知られており、AlとAl2O3ではスペクトル形状が異なる(図5参照)。図4に示すEPMA状態分析によるスペクトル形状をみると、AlよりAl2O3を示す形状に近い。このことから酸化ガリウム中のAlはAl2O3として固溶していることがわかる。すなわち、酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体が得られたと考えられる。

0020

例2
出発原料としてβ- Ga2O3粉末(純度4N)とα-Al2O3粉末(純度4N)を乳鉢中で混合した。なお、β- Ga2O3粉末とα-Al2O3粉末との混合比率は、β- Ga2O3に対しα-Al2O3が0モル%、5モル%または10モル%とした。この混合粉末をラバーチューブに封入し、静水圧でプレス成形し、大気中1600℃、10時間で焼結した。この焼結体を原料棒として、種結晶には予めFZ法で作製したβ- Ga2O3単結晶(種結晶)を用いてFZ法により酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体を調製した。FZ法条件は以下のとおりである。装置としては、市販の光FZ装置(キャノンマシナリー社製商品名iAce)を用い、水分が0.1%以下であるドライエア雰囲気下、圧力1気圧、種結晶と原料棒の回転数を20rpmとし、固溶体の単結晶を成長させた。該単結晶の成長速度は7.5mm/hであった。得られた固溶体の単結晶を切断し、CMP(化学機械)研磨により厚さ0.4mmのウエハ状に加工した。この場合の結晶方位は(100)面である。
これをサンプルとして、透過率を測定した結果を図6に示す。破線(3)は酸化アルミニウムを含まない無添加の酸化ガリウム単結晶であり、その光吸収端波長は255nmであるが、実線(2)で示す酸化アルミニウムを5モル%添加した固溶体の単結晶では光吸収端波長が250nm、実線(1)で示す酸化アルミニウムを10モル%添加した固溶体の単結晶では光吸収端波長が245nmであり、酸化アルミニウムの添加量が多くなるほど、光吸収端波長が短波長側にシフトしているのがわかる。この結果は、酸化アルミニウムを添加することで光吸収端波長を短波長側に調整できることを示している。

0021

例3
例2で調製した酸化アルミニウムの添加量が5モル%(5mol Al2O3)および10モル%(10mol Al2O3)の固溶体の単結晶のカソードルミネッセンス(CL)測定を行ない、発光特性を評価した。図7は(100)面に対して室温測定したCLスペクトル結果を示す図である。図7において、実線(4)は酸化アルミニウムの添加量が5モル%(5mol Al2O3)のCL測定結果、実線(5)は10モル%(10mol Al2O3)のCL測定結果、実線(6)は酸化アルミニウムを含まない無添加の酸化ガリウム単結晶(nonドープ)のCL測定結果である。酸化アルミニウムの添加量が多くなるほど、発光波長は低エネルギー側にシフトしているのがわかる。これは例2の光吸収端波長の短波長化に対応した結果を示すものである。

0022

以上の実施例からも分かるように、酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体の単結晶中の酸化アルミニウム量を調整することで、その光吸収端波長およびCL発光波長位置を調節することができる。具体的には、酸化アルミニウムの添加量が多くなるほど、光吸収端波長が短波長化するとともに、CL発光波長位置も低エネルギー側にシフトし、該単結晶の短波長化が実現できる。本発明の固溶体は、今後の光デバイスの短波長化に対応した材料として有用である。

0023

本発明によれば、表示、通信、記録機器などの各分野に用いられる発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)などの半導体発光素子用基板として有用な酸化アルミニウム−酸化ガリウム固溶体およびその製造方法を提供できる。

図面の簡単な説明

0024

調製例で得られた固溶体の単結晶を粉末X線回折で分析した結果を示す図である。
X線回折により測定された、調製例で得られた固溶体の単結晶の格子定数の変化を示す図である。
EPMAによるGa、O、Al、の各元素マッピング分析結果を示す図である。
EPMAによる酸化ガリウム中に固溶したAlの状態分析の結果を示す図である。
AlとAl2O3のAlKαのスペクトル形状の相違を説明するための図である。
例2で調製された固溶体の単結晶サンプルの透過率を示す図である。実線(1)は酸化アルミニウムを10モル%添加した固溶体の単結晶、実線(2)は酸化アルミニウムを5モル%添加した固溶体の単結晶、破線(3)は酸化アルミニウムを含まない無添加の酸化ガリウム単結晶の例である。
例3で調製された固溶体の単結晶サンプルのCLスペクトル結果を示す図である。実線(4)は酸化アルミニウムの添加量が5モル%(5mol Al2O3)のCL測定結果、実線(5)は10モル%(10mol Al2O3)のCL測定結果、実線(6)は酸化アルミニウムを含まない無添加の酸化ガリウム単結晶のCL測定結果である。

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