図面 (/)

技術 嗜好性飲料抽出用フィルターをおよびこれを用いてなる嗜好性飲料抽出用バッグ

出願人 帝人株式会社
発明者 池亀緑豊原清綱菊池勝志北川元洋
出願日 2008年5月28日 (11年11ヶ月経過) 出願番号 2008-139258
公開日 2009年1月15日 (11年3ヶ月経過) 公開番号 2009-006135
状態 拒絶査定
技術分野 織物 環境に敏感な生物、食品又は薬品の包装 飲料を作る装置 コーヒーメーカー 包装体 合成繊維
主要キーワード パターン柄 メッシュ編物 斜め格子 抽出用フィルター 縦横格子 シール方向 粉漏れ 立体網目状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2009年1月15日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

既存のポリアミドフィラメントや、芳香族ポリエステルモノフィラメントからなる嗜好性飲料抽出用フィルターと同等の製糸性製織製、加工性を有し、かつ生分解性をも有する嗜好性飲料抽出用フィルターおよびそれよりなる嗜好飲料抽出用バッグを提供すること。

解決手段

DSC測定による融点が195℃以上である、ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントから構成され、織物組織または編物組織を有する嗜好性飲料抽出用フィルター。

概要

背景

従来、緑茶紅茶などの嗜好性飲料を飲む際に使用される嗜好性飲料抽出用フィルターとしては、ポリオレフィン系繊維ポリエステル系繊維からなる不織布や紙などで構成したものが主として使用されてきた。

近年では、ポリアミドモノフィラメント芳香族ポリエステルモノフィラメントを用いて平織組織製織したメッシュ織物で嗜好性飲料抽出用フィルターを構成することが提案されている。かかるメッシュ織物からなるフィルターを用いた嗜好性飲料抽出用バッグは、バッグ内部の茶葉が外部から見えるため高級感があり、さらには、香り抽出性に優れるという特徴を有している。

しかしながら、嗜好性飲料抽出後のバッグの処理に目を向けると、ポリアミドモノフィラメントや芳香族ポリエステルモノフィラメントなどの従来から使用されている合成繊維には使用後の廃棄に問題があり、ゴミとして廃棄され埋め立て処分されると、生分解性がないために自然環境中では殆ど分解せず、近年問題となっているゴミ増加の一因となっている。また、焼却をすると高熱二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを発し、近年問題視されている地球温暖化を引き起こす要因となっている。
このため、嗜好性飲料抽出用フィルターの素材としてポリ乳酸繊維を用いることが提案されている(例えば、特許文献1、2、3等参照)。

確かにポリ乳酸繊維は生分解性を有するという長所があるが、ポリアミドモノフィラメントや芳香族ポリエステルモノフィラメントなどの従来から使用されている合成繊維に比べて耐熱性が低いため実用性という点では問題が多い。例えば、嗜好性飲料抽出用フィルターにより嗜好性飲料抽出用バッグを形成するにあたって、超音波溶着より糸タグを付ける際に、該フィルターと糸タグをしっかり溶着させようとすると溶着部分に穴が開き易く、穴を開けない様にしようとすると、糸タグが外れやすいという問題があった。また、抽出用バッグ製袋する際の製袋性や保形性を向上させ、織物の形状くずれによる織目開きや茶葉漏れという問題に対応するため、抽出用フィルターの糸の交差部の少なくとも一部を溶着させることがあるが、その際にも耐熱性が低いために、交差部の溶着がうまくいかず穴が開きやすいという問題が指摘されている。さらには、かかる抽出用フィルターを用いて成型された、最近流行しているテトラ形状などの抽出用バッグを使用する際においても、嗜好性飲料を抽出するために熱湯に長時間浸漬したり、煮出したりすると、耐熱性が低く、従来から使用されている合成繊維に比べて、熱湯での熱収縮率が高いため、抽出用バッグの変形を引き起こし外観性が悪くなるという問題もあった。そのため、耐熱性があり、合成繊維並みの実用性がある、生分解性繊維が求められている。

特許第3770833号公報
特開2002−104506号公報
特開2006−34683号公報

概要

既存のポリアミドフィラメントや、芳香族ポリエステルモノフィラメントからなる嗜好性飲料抽出用フィルターと同等の製糸性、製織製、加工性を有し、かつ生分解性をも有する嗜好性飲料抽出用フィルターおよびそれよりなる嗜好飲料抽出用バッグを提供すること。DSC測定による融点が195℃以上である、ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントから構成され、織物組織または編物組織を有する嗜好性飲料抽出用フィルター。

目的

本発明の目的は、上記の従来技術が有していた問題点を解消し、既存のポリアミドフィラメントや、芳香族ポリエステルモノフィラメントからなる嗜好性飲料抽出用フィルターと同等の製糸性、製織製、加工性を有し、かつ生分解性をも有する嗜好性飲料抽出用フィルターおよびそれよりなる嗜好飲料抽出用バッグを提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

請求項2

ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントが、(i)重量平均分子量5万〜30万のポリL−乳酸(A成分)、(ii)重量平均分子量5万〜30万のポリD−乳酸(B成分)および(iii)A成分とB成分との合計100重量部当たり0.05〜5重量部の式(1)または(2)で表される燐酸エステル金属塩を含有するフィラメントである、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項3

ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントがポリL−乳酸成分とポリD−乳酸成分との合計100重量部当たり0.1〜5重量部のカルボジイミド化合物を含有してなり、100℃の沸水中30分間の処理後の分子量保持率が95%以上である、請求項1または2に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項4

ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントの繊度が10〜50dtexの範囲内である、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項5

ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントの強度が3.5cN/dtex以上である、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項6

嗜好性飲料抽出用フィルターが織物組織を有し、かつ経糸密度が30〜300本/2.54cm、かつ緯糸密度が30〜300本/2.54cmの範囲内である、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項7

嗜好性飲料抽出用フィルターが平織物組織を有する、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項8

嗜好性飲料抽出用フィルターがメッシュ編物組織を有する、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項9

嗜好性飲料抽出用フィルターの開口率が40〜75%の範囲内である、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項10

嗜好性飲料抽出用フィルターにおいて、フィルターを構成するフィラメントの交差部の少なくとも一部が融着している、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項11

フィラメントの交差部が格子パターンで融着している、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項12

嗜好性飲料抽出用フィルターにおいて、フィルターの少なくとも一部に図柄を有した、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項13

ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントがステレオコンプレックスポリ乳酸モノフィラメントである、請求項1に記載の嗜好性飲料抽出用フィルター。

請求項14

請求項1〜13のいずれかに記載の嗜好性飲料抽出用フィルターを用いてなる嗜好性飲料抽出用バッグ

請求項15

嗜好性飲料抽出用バッグがテトラ形状を有する、請求項14に記載の嗜好性飲料抽出用バッグ。

技術分野

0001

本発明は、緑茶紅茶ウーロン茶麦茶ジャスミン茶アップ出し汁コーヒーココアなどの嗜好性飲料の抽出用として使用される嗜好性飲料抽出用フィルターおよび該嗜好性飲料抽出用フィルターを用いてなる嗜好性飲料抽出用バッグに関するものである。

背景技術

0002

従来、緑茶や紅茶などの嗜好性飲料を飲む際に使用される嗜好性飲料抽出用フィルターとしては、ポリオレフィン系繊維ポリエステル系繊維からなる不織布や紙などで構成したものが主として使用されてきた。

0003

近年では、ポリアミドモノフィラメント芳香族ポリエステルモノフィラメントを用いて平織組織製織したメッシュ織物で嗜好性飲料抽出用フィルターを構成することが提案されている。かかるメッシュ織物からなるフィルターを用いた嗜好性飲料抽出用バッグは、バッグ内部の茶葉が外部から見えるため高級感があり、さらには、香り抽出性に優れるという特徴を有している。

0004

しかしながら、嗜好性飲料抽出後のバッグの処理に目を向けると、ポリアミドモノフィラメントや芳香族ポリエステルモノフィラメントなどの従来から使用されている合成繊維には使用後の廃棄に問題があり、ゴミとして廃棄され埋め立て処分されると、生分解性がないために自然環境中では殆ど分解せず、近年問題となっているゴミ増加の一因となっている。また、焼却をすると高熱二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスを発し、近年問題視されている地球温暖化を引き起こす要因となっている。
このため、嗜好性飲料抽出用フィルターの素材としてポリ乳酸繊維を用いることが提案されている(例えば、特許文献1、2、3等参照)。

0005

確かにポリ乳酸繊維は生分解性を有するという長所があるが、ポリアミドモノフィラメントや芳香族ポリエステルモノフィラメントなどの従来から使用されている合成繊維に比べて耐熱性が低いため実用性という点では問題が多い。例えば、嗜好性飲料抽出用フィルターにより嗜好性飲料抽出用バッグを形成するにあたって、超音波溶着より糸タグを付ける際に、該フィルターと糸タグをしっかり溶着させようとすると溶着部分に穴が開き易く、穴を開けない様にしようとすると、糸タグが外れやすいという問題があった。また、抽出用バッグ製袋する際の製袋性や保形性を向上させ、織物の形状くずれによる織目開きや茶葉漏れという問題に対応するため、抽出用フィルターの糸の交差部の少なくとも一部を溶着させることがあるが、その際にも耐熱性が低いために、交差部の溶着がうまくいかず穴が開きやすいという問題が指摘されている。さらには、かかる抽出用フィルターを用いて成型された、最近流行しているテトラ形状などの抽出用バッグを使用する際においても、嗜好性飲料を抽出するために熱湯に長時間浸漬したり、煮出したりすると、耐熱性が低く、従来から使用されている合成繊維に比べて、熱湯での熱収縮率が高いため、抽出用バッグの変形を引き起こし外観性が悪くなるという問題もあった。そのため、耐熱性があり、合成繊維並みの実用性がある、生分解性繊維が求められている。

0006

特許第3770833号公報
特開2002−104506号公報
特開2006−34683号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明の目的は、上記の従来技術が有していた問題点を解消し、既存のポリアミドフィラメントや、芳香族ポリエステルモノフィラメントからなる嗜好性飲料抽出用フィルターと同等の製糸性、製織製、加工性を有し、かつ生分解性をも有する嗜好性飲料抽出用フィルターおよびそれよりなる嗜好飲料抽出用バッグを提供することにある。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、
DSC測定による融点が195℃以上であるステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントから構成され、織物組織または編物組織を有する嗜好性飲料抽出用フィルターによって達成することができる。

0009

更に、本発明の他の目的は、
DSC測定による融点が195℃以上であるステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントから構成され、織物組織または編物組織を有する嗜好性飲料抽出用フィルターを用いてなる嗜好性飲料抽出用バッグによって達成することができる。

発明の効果

0010

本発明の嗜好性飲料抽出用フィルターは、既存のポリアミドフィラメントや、芳香族ポリエステルモノフィラメントからなる嗜好性飲料抽出用フィルターと同等の製糸性、製織製、加工性を有し、かつ生分解性をも有するものであり、これから得られる嗜好飲料抽出用バッグも含めて、実用性が高いものである。

0011

また、本発明の嗜好性飲料抽出用バッグは、耐熱性を有することから、嗜好性飲料抽出バッグをそのまま沸騰水中に投入することも可能であり、さらに、万が一、高温に熱っせられたヤカン等の金属容器と嗜好性飲料抽出用バッグとが一時的に直接接触したとしても、バッグ形状を保持することが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるポリ乳酸フィラメントは、ポリL‐乳酸成分及びポリD‐乳酸成分よりなるステレオコンプレックスポリ乳酸繊維からなるフィラメントであり、特に、結晶性のあるポリL‐乳酸成分、ポリD‐乳酸成分を用いることが好ましく、光学純度の高いポリL‐乳酸成分、ポリD‐乳酸成分よりのステレオコンプレックスポリ乳酸繊維からなるフィラメントが好ましい。
とりわけ好ましくは、融点が160℃以上の結晶性のポリL‐乳酸成分、ポリD‐乳酸成分を好適に用いることができる。

0013

本発明で用いるポリL‐乳酸成分は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%のL‐乳酸単位、さらに高融点を実現するためには99〜100モル%、くわえステレオ化度優先するならば95〜99モル%のL−乳酸単位から構成されることがさらに好ましい。他の単位としては、D‐乳酸単位乳酸以外の共重合成分単位が挙げられる。D‐乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。

0014

ポリD−乳酸成分は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%のD−乳酸単位、さらに高融点を実現するためには99〜100モル%、加えてステレオ化度を優先するならば95〜99モル%のD−乳酸単位から構成されることがさらに好ましい。他の単位としては、L−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位が挙げられる。L−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位は、0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。

0015

共重合成分単位は、2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸多価アルコールヒドロキシカルボン酸ラクトン由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位が例示される。

0017

ポリL‐乳酸成分およびポリD‐乳酸成分は、共に重量平均分子量が、好ましくは10万〜50万、より好ましくは15万〜35万である。
ポリL‐乳酸およびポリD‐乳酸は、公知の方法で製造することができる。

0018

例えば、L‐またはD‐ラクチド金属重合触媒の存在下、加熱し開環重合させ製造することができる。また、金属重合触媒を含有する低分子量のポリ乳酸結晶化させた後、減圧下または不活性ガス気流下で加熱し固相重合させ製造することができる。さらに、有機溶媒の存在/非存在下で、乳酸を脱水縮合させる直接重合法で製造することができる。

0019

重合反応は、従来公知の反応容器で実施可能であり、例えばヘリカルリボン翼等、高粘度用攪拌翼を備えた縦型反応器あるいは横型反応器を単独、または並列して使用することができる。また、回分式あるいは連続式あるいは半回分式のいずれでも良いし、これらを組み合わせてもよい。

0020

重合開始剤としてアルコールを用いてもよい。かかるアルコールとしては、ポリ乳酸の重合阻害せず不揮発性であることが好ましく、例えばデカノールドデカノールテトラデカノールヘキサデカノールオクタデカノールなどを好適に用いることができる。

0021

固相重合法では、前述した開環重合法や乳酸の直接重合法によって得られた、比較的低分子量の乳酸ポリエステルをプレポリマーとして使用する。プレポリマーは、そのガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度範囲にて予め結晶化させることが、融着防止の面から好ましい形態と言える。結晶化させたプレポリマーは固定された縦型或いは横型反応容器、またはタンブラーキルンの様に容器自身が回転する反応容器(ロータリーキルン等)中に充填され、プレポリマーのガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度範囲に加熱される。重合温度は、重合の進行に伴い段階的に昇温させても何ら問題はない。また、固相重合中に生成する水を効率的に除去する目的で前記反応容器類の内部を減圧することや、加熱された不活性ガス気流を流通する方法も好適に併用される。

0022

ポリ乳酸重合時使用された金属含有触媒は従来公知の失活剤不活性化しておくのが好ましい。かかる失活剤としてはたとえば例えばイミノ基を有し且つ重合金触媒配位し得るキレート配位子の群からなる有機リガンド及びジヒドリドオキソリン(I)酸、ジヒドリドテトラオキソ二リン(II,II)酸、ヒドリドトリオキソリン(III)酸、ジヒドリドペンタオキソ二リン(III)酸、ヒドリドペンタオキソ二(II,IV)酸、ドデカオキソ六リン(III)III、ヒドリドオクタオキソ三リン(III,IV,IV)酸、オクタオキソ三リン(IV,III,IV)酸、ヒドリドヘキサオキソ二リン(III,V)酸、ヘキサオキソ二リン(IV)酸、デカオキソ四リン(IV)酸、ヘンデカオキソ四リン(IV)酸、エネアオキソ三リン(V,IV,IV)酸等の酸価数5以下の低酸化数リン酸、式、xH2O・yP2O5で表され、x/y=3のオルトリン酸、2>x/y>1であり、縮合度より二リン酸三リン酸四リン酸五リン酸等と称せられるポリリン酸及びこれらの混合物、x/y=1で表されるメタリン酸、なかでもトリメタリン酸、テトラメタリン酸、1>x/y>0で表され、五酸化リン構造の一部をのこした網目構造を有するウルトラリン酸(これらを総称してメタ燐酸系化合物と呼ぶことがある。)、及びこれらの酸の酸性塩一価、多価のアルコール類、あるいはポリアルキレングリコール類部分エステル、完全エステルホスホノ置換低級脂肪族カルボン酸誘導体などが例示される。

0023

触媒失活能から、式、xH2O・yP2O5で表され、x/y=3のオルトリン酸、2>x/y>1であり、縮合度より二リン酸、三リン酸、四リン酸、五リン酸等と称せられるポリリン酸及びこれらの混合物、x/y=1で表されるメタリン酸、なかでもトリメタリン酸、テトラメタリン酸、1>x/y>0で表され、五酸化リン構造の一部をのこした網目構造を有するウルトラリン酸(これらを総称してメタ燐酸系化合物と呼ぶことがある。)、及びこれらの酸の酸性塩、一価、多価のアルコール類、あるいはポリアルキレングリコール類の部分エステルリンオキソ酸あるいはこれらの酸性エステル類、ホスホノ置換低級脂肪族カルボン酸誘導体及び上記のメタ燐酸系化合物が好適に使用される。

0024

本発明で使用するメタ燐酸系化合物は、3から200程度の燐酸単位が縮合した環状のメタ燐酸あるいは立体網目状構造を有するウルトラ領域メタ燐酸あるいはそれらのアルカリ金属塩アルカリ土類金属塩オニウム塩包含する。

0025

なかでも環状メタ燐酸ナトリウムやウルトラ領域メタ燐酸ナトリウム、ホスホノ置換低級脂肪族カルボン酸誘導体のジヘキシルホスホノエチルアセテート(以下DHPAと略称することがある)などが好適に使用される。

0026

本発明で用いるステレオコンプレックスポリ乳酸組成物ラクチド含有量は0から700ppmの範囲が選択される。さらに好ましくは0から500ppm、より好ましくは0から200ppm、特段に好ましくは0から100ppmの範囲が選択される。

0027

ステレオコンプレックスポリ乳酸樹脂組成物がかかる範囲のラクチド含有量を有することにより、溶融時の安定性を向上せしめ、効率よく安定に紡糸できる利点及び繊維製品耐加水分解性を高めることが出来るからである。

0028

ラクチド含有量をかかる範囲に低減させるには、ポリL‐乳酸及びポリD‐乳酸の重合時点からステレオコンプレックスポリ乳酸樹脂製造の終了までの任意の段階において、従来公知のラクチド軽減処理あるいはこれらを組み合わせて実施することによって達成することが可能である。

0029

本発明で用いるステレオコンプレックスポリ乳酸組成物の重量平均分子量は、10万〜50万である。より好ましくは10万〜30万である。さらにより好ましくは10.5万から25万である。

0030

ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比を分子量分散(Mw/Mn)という。分子量分散が大きいことは、平均分子量に比較し、大きな分子や小さな分子の割合が多いことを意味する。

0031

即ち、分子量分散の大きなステレオコンプレックスポリ乳酸組成物、例えば重量平均分子量が25万程度で、分子量分散が3超の組成物では、重量平均分子量値25万より大きい分子の割合が大きくなる場合があり、この場合、溶融粘度が大きくなり、紡糸、延伸工程上好ましくない。また10万程度の比較的小さい重量平均分子量で分子量分散の大きなポリ乳酸組成物では、重量平均分子量値10万より小さい分子の割合が大きくなる場合があり、この場合、繊維の機械的物性耐久性が小さくなり、使用上好ましくない。かかる観点より分子量分散の範囲は、好ましくは1.5〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5、さらに好ましくは1.6〜2.5の範囲である。

0032

重量平均分子量、数平均分子量は溶離液クロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量値である。

0033

ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物におけるポリL−乳酸成分とポリD−乳酸成分との重量比は、90:10〜10:90の範囲である。75:25〜25:75の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは60:40〜40:60の範囲であり、できるだけ50:50に近いことが好ましい。

0034

ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物は、ポリL−乳酸成分およびポリD−乳酸成分からなり、ステレオコンプレックス結晶を含有するが、ステレオコンプレックス結晶の含有率、すなわちステレオ化度は、示差走査熱量計DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、ステレオコンプレックス結晶の融解に対応するピークの割合であり、下記式(a)で表され80〜100%、より好ましくは95〜100%である。

0035

ステレオコンプレックス結晶融解温度は、195〜250℃の範囲、より好ましくは200〜240℃、結晶融解エンタルピーは、20J/g以上、好ましくは30J/g以上である。

0036

[数1]
ステレオ化度=
[(ΔHms/ΔHms0)/(ΔHmh/ΔHmh0+ΔHms/ΔHms0)] (a)
(ただし、ΔHms0=203.4J/g、ΔHmh0=142J/g、ΔHms=ステレオコンプレックス融点の融解エンタルピー、ΔHmh=ホモ結晶の融解エンタルピー)

0037

ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物は、ポリL‐乳酸成分とポリD‐乳酸成分とを所定の重量比で共存させ混合することにより製造することができる。
混合は、溶媒の存在下で行うことができる。溶媒は、ポリL−乳酸とポリD−乳酸が溶解するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレンジクロロエタンテトラクロロエタンフェノールテトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ブチロラクトン、トリオキサンヘキサフルオロイソプロパノール等の単独あるいは2種以上混合したものが好ましい。

0038

また混合は、溶媒の非存在下で行うことができる。即ち、ポリL‐乳酸とポリD‐乳酸とを所定量混合した後に溶融混練する方法、いずれか一方を溶融させた後に残る一方を加えて混練する方法を採用することができる。
あるいは、ポリL‐乳酸セグメントとポリD‐乳酸セグメントが結合している、ステレオブロックポリ乳酸も本発明のポリ乳酸組成物として好適に用いることが出来る。

0039

ステレオブロックポリ乳酸はポリL‐乳酸セグメントとポリD‐乳酸セグメントが分子内で結合してなる、ブロック重合体である。
このようなブロック重合体は、たとえば、逐次開環重合によって製造する方法や、ポリL‐乳酸とポリD‐乳酸を重合しておいてあとで鎖交換反応鎖延長剤で結合する方法、ポリL‐乳酸とポリD‐乳酸を重合しておいてブレンド後固相重合して鎖延長する方法、立体選択開環重合触媒を用いてラセミラクチドから製造する方法など上記の基本的構成を持つブロック共重合体であれば製造法によらず用いることができる。
しかしながら、逐次開環重合によって得られる高融点のステレオブロック重合体、固相重合法によって得られる重合体を用いることが製造の容易さからより好ましい。

0040

本発明で用いるポリ乳酸組成物およびステレオブロックポリ乳酸は、そのステレオ化度が、90%以上であることが好ましく、より好ましくは100%である。ステレオ化度は、DSC測定において融点のエンタルピーを比較することによって上記数式(a)によって決定することができる。

0041

本発明で用いるポリ乳酸成分には、ステレオコンプレックス結晶の形成を安定的且つ高度に進めるために特定の添加物を添加することが好ましい。
たとえば、下記式(1)及びまたは(2)に示す燐酸金属塩が好ましい例として挙げることができる。

0042

0043

0044

式(2)で表される燐酸エステル金属塩のうち好ましいものとしては、R4、R6がメチル基、R5がtert−ブチル基のものが挙げられる。株式会社ADEKA製の商品名、「アデカスタブ」NA−10、NA−11、NA−21、NA−71、NA−30、NA−35等が燐酸エステル金属塩として用いることができるし、公知の方法により合成することができる。

0045

これらの金属塩は、ポリ乳酸成分に対して、好ましくは0.05wt%から5wt%、より好ましくは0.05wt%から0.5wt%、さらに好ましくは0.05wt%から0.2wt%用いることが好ましい。少なすぎる場合には、ステレオ化度を向上する効果が小さく、多すぎると樹脂自体を劣化させるので好ましくない。

0046

本発明に用いるポリ乳酸成分には、耐湿熱性改善剤として、特定官能基を有するカルボキシル基封止剤が好適に適用できる。中でも、特定官能基がカルボジイミド基であるカルボジイミド化合物カルボキシル基を効果的に封止できるとともに、ポリ乳酸繊維構造物色相、ステレオコンプレックス相の形成促進、耐湿熱性等の観点より好ましく選択される。

0047

すなわち、カルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミドジイソプロピルカルボジイミドジメチルカルボジイミド、ジイソブイチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、オクチデシルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジベンジルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−トリルカルボジイミド、ジ−o−トルイルカルボジイミド、ジ−p−トルイルカルボジイミド、ビス(p−ニトロフェニル)カルボジイミド、ビス(p−アミノフェニル)カルボジイミド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)カルボジイミド、ビス(p−クロロフェニル)カルボジイミド、ビス(o−クロロフェニル)カルボジイミド、ビス(o−エチルフェニル)カルボジイミド、ビス(p−エチルフェニル)カルボジイミドビス(o−イソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(p−イソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(o−イソブチルフェニル)カルボジイミド、ビス(p−イソブチルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,5−ジクロロフェニル)カルボジイミド、p−フェニレンビス(o−トルイルカルボジイミド)、p−フェニレンビス(シクロヘキシルカルボジイミド、p−フェニレンンビス(p−クロロフェニルカルボジイミド)、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミド、ヘキサメチレンビス(シクロヘキシルカルボジイミド)、エチレンビス(フェニルカルボジイミド)、エチレンビス(シクロヘキシルカルボジイミド)、ビス(2,6−ジメチルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,6−ジエチルフェニル)カルボジイミド、ビス(2−エチル−6−イソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(2−ブチル−6−イソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,4,6−トリイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(2,4,6−トリブチルフェニル)カルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボイミド、N−トリル−N’−シクロヘキシルカルボシイミド、N−トリル−N’−フェニルカルボシイミド等のモノまたはジカルボジイミド化合物が例示される。

0048

なかでも反応性、安定性の観点からビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カーボジイミド、2,6,2’,6’−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドが好ましい。またこれらのうち工業的に入手可能なジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミドの使用も好適である。

0049

また、ポリ(1,6−シクロヘキサンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−メチレンビスシクロヘキシルカルボジイミド)、ポリ(1,3−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(p−トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルカルボジイミド)、ポリ(メチルジソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)等のポリカルボジイミド等が挙げられる。

0050

市販のポリカルボジイミド化合物としては例えば日清紡績株式会社より市販されている「カルボジライト」を用いることができ、具体的にはポリ乳酸樹脂改質剤として販売されている「カルボジライト」LA−1、あるいはポリエステル樹脂改質剤として販売されている「カルボジライト」HMV−8CA等を例示することができる。

0051

カルボジイミド化合物は、従来公知の方法により製造することもできる。例えば触媒として有機リン化合物または有機金属化合物を使用して、有機イソシアネートを70℃以上の温度で無溶媒あるいは不活性溶媒中で脱炭酸縮合反応に附することにより製造することができる。またポリカルボジイミド化合物は、従来公知のポリカルボジイミド化合物の製造法、例えば米国特許2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.28, 2069−2075(1963)、Chemical Review 1981,Vol.81 No.4、p619−621等により製造することができる。

0052

カルボジイミド化合物の含有量は、ポリ乳酸組成物100重量部当たり、好ましくは0.1〜5.0重量部、さらに好ましくは0.5〜2.0重量部である。かかる範囲のカルボジイミド化合物を含有するステレオコンプレックスポリ乳酸繊維は、100℃の沸水中30分間の処理後の分子量保持率が95%以上となり、さらに好ましい繊維を得ることができる。

0053

また従来公知のカルボキシ末端封止剤の適用も好ましく選択される。
本発明においてかかるカルボキシル基反応性の末端封止剤はポリ乳酸樹脂の末端カルボキシル基を封止するのみでなく、ポリ乳酸樹脂や各種添加剤分解反応で生成するカルボキシ基や乳酸、ギ酸等の低分子化合物のカルボキシル基を封止することができる。また上記封止剤はカルボキシル基のみならず熱分解により酸性低分子化合物が生成する水酸基末端、あるいは樹脂組成物中に侵入する水分を封止できる化合物であることが好ましい。

0054

カルボキシ末端封止剤としては、エポキシ化合物オキサゾリン化合物オキサジン化合物イソシアネート化合物から選択される少なくとも1種の化合物を使用することが好ましく、なかでもエポキシ化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート化合物が好ましい。

0055

エポキシ化合物として、グリシジルエーテル化合物グリシジルエステル化合物グリジジルアミン化合物、グリシジルイミド化合物、グリシジルアミド化合物脂環式エポキシ化合物を好ましく使用することができる。

0056

末端カルボキシル基末端封止剤を含有することで、カルボジイミド化合物の作用を向上させることができるのみならず、紡糸性、力学特性、耐熱性、耐久性に優れた繊維を得ることができる。

0057

本発明ポリ乳酸組成物中、上記の剤及び後述する各種添加剤剤の配合方法は、開環重合法においては重合の任意の段階で、好ましくは重合後期直接反応容器内に添加混練することもできる。ポリ乳酸組成物中の均一分散、色相悪化防止能を考慮すると、エクストルーダーニーダーでの混練が好ましい。すなわち反応器ポリマー吐出口を一軸、あるいは多軸のエクストルーダーに連結し、添加することもできる。また重合後チップ化されたポリ乳酸組成物あるいは固相重合後のポリ乳酸粉粒体に各種剤を添加、エクストルーダーやニーダーで混練する方法などが例示される。

0058

このとき各種添加剤は、溶融液体水溶液あるいは有機溶媒溶液あるいは分散液として直接エクストルーダーやニーダー中計量添加するか、あるいはいわゆるサイドフィーダーよりポリ乳酸中に添加することもできる。
またチップあるいは微粉状マスターバッチとしてエクストルーダーやニーダーでポリ乳酸組成物と混練することも好ましい実施態様である。

0059

本発明において、ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントの繊度が10〜50dtexの範囲内であることが好ましい。より好ましくは、10〜40dtex、さらに好ましくは20〜35dtexである。
上記の範囲内にあるときには、フィルターの厚さを抑えることができるので一層ソフトな風合いとなり、また、フィラメントの強力としても、十分なものが得られる。
さらに、フィルターの製織あるいは製編密度を高くしなくても嗜好性飲料粉末が漏れにくいので、製織あるいは製編が容易となり、製造コストも低くすることができる。

0060

本発明において、ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントの強度は3.5cN/dtex以上であることが好ましい。より好ましくは、3.5cN/dtex〜4.5cN/dtexの範囲である。上記の範囲にあるときには、紡糸工程、延伸工程、製織工程での工程通過性が良好である。

0061

本発明においては嗜好性飲料抽出用フィルターが織物組織を有し、かつ経糸密度が30〜300本/2.54cm、かつ緯糸密度が30〜300本/2.54cmの範囲内であることが好ましい。

0062

編組織の密度としては、経糸密度は好ましくは60〜180本/2.54cm、より好ましくは80〜130本/2.54cmであり、かつ緯糸密度は好ましくは50〜170本/2.54cm、より好ましくは60〜120本/2.54cmの範囲内である。
密度が上記の範囲内にあるときには、ソフトな風合いと嗜好性飲料粉末の漏れにくさとを高い水準兼備することができる。

0063

本発明の嗜好性飲料抽出用フィルターにおいて、フィルターが織物組織または編物組織を有しておればよく、その織編組織は特に限定されないが、嗜好性飲料粉末の粉漏れ防止や嗜好性飲料の均一な抽出性、成型された嗜好性飲料抽出用バッグ内部の茶葉等がよく見えるための透明性を付与するという観点からは、織物の織組織としては、平織組織が好ましい。また、編物の編組織としてはメッシュ編物組織が好ましい。

0064

また、嗜好性飲料用フィルターの開口率としては、40〜75%の範囲内であることが好ましい。該開口率が上記範囲内にあるときには、ソフトな風合いと嗜好性飲料粉末の漏れにくさとを高い水準で兼備することができる。

0065

また、製編織された嗜好性飲料抽出用フィルターにおいて、フィルターを構成するフィラメントの交差部の少なくとも一部が融着していることが好ましい。例えば、フィルターが織物組織を有している場合、経糸緯糸との交点の少なくとも一部が融着していることが好ましい。また、フィルターが編物組織を有している場合、隣り合うループ同士が少なくとも一部融着していることが好ましい。このようにフィラメントの交差部の少なくとも一部が融着していると、嗜好性飲料抽出用フィルターを用いて嗜好性飲料抽出用バッグを製袋する際、製袋性や保形性が向上し、また、切断された端面においてほつれが発生しにくく好ましい。

0066

このようなフィラメントの交差部における融着は、全ての交差部が融着していてもよいし、縦横格子斜め格子など所定のパターンで融着していてもよい。なかでも、よりソフトな風合いを得る上で、格子状のパターンで融着していることが好ましい。なお、全ての交差部を融着させるには、所定の温度に加熱された加熱空気中でフィルターを熱処理すればよい。また、所定のパターンで交差部を融着させるには、所定のパターン柄を有する熱ロールによりフィルターを加熱すればよい。

0067

本発明の嗜好性飲料抽出用フィルターは、フィルターの少なくとも一部にロゴマーク記号、図形、数字文字等の図柄を有することもできる。具体的には、プリントや図柄を彫刻した熱ロールによるプレスなどの操作によって容易に図柄を付与することができる。

0068

本発明において、ステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントは、マルチフィラメントであっても、モノフィラメントであってもどちらでもよいが、フィルターの組織を均一なものとしやすいという観点からはモノフィラメントを用いることが好ましい。

0069

本発明における嗜好性飲料抽出用バッグは、上述した嗜好性飲料抽出用フィルターを用いてなる嗜好性飲料抽出用バッグである。かかる嗜好性飲料抽出用バッグには、お湯や冷水に浸漬させて使用するバッグやドリップ式のバッグが含まれる。

0070

特に図1に示すようなテトラ形状を有するバッグが好ましく、例えば、特許第3432833号公報に記載のように、嗜好性飲料抽出用フィルターを筒状に形成したのち長手方向2箇所に対して相互に直交する方向の第1および第2の横シールを行うと共に、前記各横シールに先立って、そのシール方向に対応した方向のガスを前記筒内に噴射することで容易に製造することが可能である。

0071

次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。

0072

(1)重量平均分子量(Mw):
ポリマーの重量平均分子量はGPC(カラム温度40℃、クロロホルム)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。

0073

(2)融点、ステレオ化度:
TAインストルメンツ製 TA−2920示差走査熱量測定計DSCを用いた。
測定は、試料10mgを窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分で室温から260℃まで昇温した。第一スキャンで、ホモ結晶融解温度、ステレオコンプレックス結晶融解温度を求めた。ステレオ化度は、数1により算出した。
[数1]
S(%)=[(ΔHms/ΔHms0)/(ΔHmh/ΔHmh0+ΔHms/ΔHms0)]
(ただし、ΔHms0=203.4J/g、ΔHmh0=142J/g、ΔHms=ステレオコンプレックス融点の融解エンタルピー、ΔHmh=ホモ結晶の融解エンタルピー)

0074

(3)風合いのソフト性
試験者3人が官能評価により、(4級)非常にソフトである、(3級)ソフトである、(2級)普通である、(1級)硬い、の4段階に評価した。

0075

(4)嗜好性飲料粉末の漏れにくさ
嗜好性飲料粉末の漏れにくさを評価する指標として、粒径が250〜355μmのAl2O3からなる粉末(三昌研磨材株式会社製セラミック系研磨材ホワイトアランダムAF54)を嗜好性飲料粉末に見立てて嗜好性飲料抽出用バッグ内部に一定量入れ、該バッグをお湯に浸漬させ、粉末の漏れにくさを(4級)粉末がほとんど漏れない(漏れ0〜10%)、(3級)少し漏れる(10〜25%)、(2級)漏れる(25〜50%)、(1級)かなり漏れる(50%以上)の4段階に評価した。

0076

(5)フィルターの開口率(%)
フィルターの開口率(%)を下記式により算出した。なお、開口部面積とは経糸と緯糸とで形成される開口部の総面積である。
開口率(%)=開口部面積(mm2)/試料総面積(mm2)×100

0077

(6)保形性
フィルターに力を加えた際、目開きが起こりやすいかどうかにより(3級)目開きが起こりにくく保形性が良好である、(2級)普通、(1級)目開きが起こりやすく保形性が不良である、の3段階に保形性を評価した。

0078

(7)製袋性
フィルターを用いて嗜好性飲料抽出用バッグを得る際、フィルターが変形しやすいかどうかにより(3級)フィルターが変形しにくく製袋性が良好である、(2級)普通、(1級)フィルターが変形しやすく製袋性が不良である、の3段階に保形性を評価した。

0079

(8)フィラメント強伸度測定方法
JIS−L−1013に基づいて定速伸長引張試験機であるオリエンテック(株)社製テンシロンを用いて、つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分にて測定した。

0080

[製造例1](ポリL−乳酸の製造)
Lラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下、攪拌翼のついた反応機にて、180℃で2時間反応し、オクチル酸スズに対し1.2倍当量の燐酸を添加しその後、13.3kPaで残存するラクチドを除去し、チップ化し、ポリL−乳酸を得た。
得られたL−乳酸の重量平均分子量は15万、ガラス転移点(Tg)63℃、融点は180℃であった。

0081

[製造例2](ポリD−乳酸の製造)
Dラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製、光学純度100%)100重量部に対し、オクチル酸スズを0.005重量部加え、窒素雰囲気下、攪拌翼のついた反応機にて、180℃で2時間反応し、オクチル酸スズに対し1.2倍当量の燐酸を添加しその後、13.3kPaで残存するラクチドを除去し、チップ化し、ポリD−乳酸を得た。得られたポリD−乳酸の重量平均分子量は15万、ガラス転移点(Tg)63℃、融点は180℃であった。

0082

[製造例3](ステレオコンプレックスポリ乳酸樹脂の製造)
製造例1で得られたポリL−乳酸ならびに製造例2のポリD−乳酸を各50重量部と、リン酸エステル金属塩(株式会社ADEKA製「アデカスタブ」NA−11)0.1重量部を230℃で溶融混練し、ポリL−乳酸ならびにポリD‐乳酸の合計100重量部あたりカルボジイミドとして日清紡績株式会社製「カルボジライト」LA−1を0.7重量部、第一供給口より供給しシリンダー温度230℃で混練押出して、水槽中にストランドを取り、チップカッターにてチップ化してステレオコンプレックスポリ乳酸樹脂を得た。得られたステレオコンプレックスポリ乳酸樹脂のMwは13.5万、融点(Tm)は217℃、ステレオ化度は100%であった。

0083

[実施例1]
前記、製造例3で得られたステレオコンプレックスポリ乳酸樹脂を110℃で2時間、150℃で5時間乾燥し樹脂の水分率を80ppmとしたあと0.32φmmの吐出孔ホールを有する紡糸口金を用いて、紡糸温度220℃で6.5g/分の吐出量で紡糸した後に650m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。巻き取られた未延伸糸を延伸機にて4.4倍に延伸し延伸糸を巻き取った。紡糸工程、延伸工程での工程通過性は良好であり、巻き取られた延伸糸は繊度23dtexのモノフィラメントであり、強度3.8cN/dtex、伸度36%の製織に対応できる物性値であった。
得られたステレオコンプレックスポリ乳酸モノフィラメントを経糸および緯糸に配して、平織物組織の織物を製織した後、該織物を、温度90℃の温浴中で浸漬処理により精練した後、水洗、乾燥した。

0084

次いで、織物の経緯の密度を均一にし、目曲がりをなくすため、加熱空気中で、該織物にテンションをかけたまま熱処理することにより、経密度105本/2.54cm、緯密度107本/2.54cmの密度を有する平組織織物からなる嗜好性飲料抽出用フィルターを得た。なお、熱処理温度としては、通常の芳香族ポリエステルモノフィラメント等で用いられている条件である、160℃に設定した。
かくして得られた嗜好性飲料抽出用フィルターにおいて、開口率64%、風合いのソフト性は3級とソフト性に優れるものであった。

0085

次いで、該嗜好性飲料抽出用フィルターを用いて、超音波シール法にて溶着させることにより、図1に示すようなテトラ形状を有する嗜好性飲料抽出用バッグを得た。また、超音波溶着機によるポリプロピレンからなる糸タグの溶着性も良好であった。そして、嗜好性飲料粉末の代替として粒径が250〜355μmのAl2O3からなる粉末(三昌研磨材株式会社製セラミック系研磨材ホワイトアランダムWAF54)を内部に入れたバッグをお湯に浸漬させ、嗜好性飲料粉末の漏れにくさを評価したところ4級と粉末がほとんど漏れないものであった。
また、保形性3級、製袋性3級と保形性および製袋性がともに良好であった。

0086

[製造例4](ポリL−乳酸モノフィラメントの製造)
製造例1で得られたポリL−乳酸樹脂を110℃で2時間、150℃で5時間乾燥し樹脂の水分率を80ppmとしたあと0.32φmmの吐出孔1ホールを有する紡糸口金を用いて、紡糸温度220℃で6.5g/分の吐出量で紡糸した後に650m/分の速度で未延伸糸を巻き取った。
巻き取られた未延伸糸を延伸機にて4.4倍に延伸し延伸糸を巻き取った。紡糸工程、延伸工程での工程通過性は良好であり、巻き取られた延伸糸は繊度22dtexのモノフィラメントであり、強度3.5cN/dtex、伸度37%の製織に対応できる物性値であった。このポリL−乳酸モノフィラメントを経糸および緯糸に配して、平織物組織の織物を製織した後、該織物を、温度90℃の温浴中で浸漬処理により精練した後、水洗、乾燥した。

0087

[比較例1]
製造例4の操作により得られたポリL−乳酸モノフィラメントを経糸および緯糸に配して、平織物組織の織物を製織した後、該織物を、温度90℃の温浴中で浸漬処理により精練した後、水洗、乾燥した。
次いで、実施例1と同様に加熱空気中で、該織物にテンションをかけたまま熱処理(160℃)を行ったところ、該織物が収縮して硬くなってしまい、嗜好性飲料抽出用フィルターとして使用できるようなものが得られず、通常の芳香族ポリエステルモノフィラメント等で用いられている条件をそのまま適用することはできなかった。

0088

[比較例2]
製造例4の操作により得られたポリL−乳酸モノフィラメントを経糸および緯糸に配して、平織物組織の織物を製織した後、該織物を、温度90℃の温浴中で浸漬処理により精練した後、水洗、乾燥した。
次いで、加熱空気中で、該織物にテンションをかけたまま熱処理することにより、経密度105本/2.54cm、緯密度107本/2.54cmの密度を有する平組織織物からなる嗜好性飲料抽出用フィルターを得た。
なお、熱処理温度としては、比較例1の結果に基づき、通常の芳香族ポリエステルモノフィラメント等で用いられている条件(160℃)から代えて、130℃に設定した
かくして得られた嗜好性飲料抽出用フィルターにおいて、開口率64%、風合いのソフト性は3級とソフト性に優れるものであった。

0089

次いで、該嗜好性飲料抽出用フィルターを用いて、超音波シール法にて溶着させることにより、図1に示すようなテトラ形状を有する嗜好性飲料抽出用バッグを得ることができたが、超音波溶着機によるポリプロピレンからなる糸タグの溶着では該嗜好性飲料抽出用フィルターの糸を溶着させた部分に穴が開き、嗜好性飲料抽出用バッグとして完全なものが得られなかった。

0090

本発明によるステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントを用いることにより、既存のポリエステルモノフィラメントナイロンモノフィラメント並みの製糸性、製織製、加工性を有し、なおかつ耐熱性や寸法安定性が良好で、ソフトな風合いを有しかつ嗜好性飲料粉末の漏れにくい嗜好性飲料抽出用フィルター、および該嗜好性飲料抽出用フィルターを用いてなる嗜好性飲料抽出用バッグが提供され、これらは高い実用性を有するものである。

0091

また、本発明のステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントを使用した嗜好性飲料抽出用バッグは、使用後に微生物が存在する環境下に放置しておけば、一定期間後には中身ごと完全に分解するため、このステレオコンプレックスポリ乳酸フィラメントを使用した嗜好性飲料抽出用バッグは特別な廃棄物処理を必要とすることなく、廃棄処理による公害を防止することが可能となる。

図面の簡単な説明

0092

本発明の嗜好性飲料抽出用バッグの一例(テトラ形状)を示した模式図である。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 株式会社TreeFieldの「 装置、方法、およびプログラム」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】飲料の提供を受けるユーザに、ユーザの嗜好を把握させることができる装置を提供すること。【解決手段】ユーザは、カフェに訪問する前に、携帯端末上でコーヒーの味等を好みの値に調整しておくことができる。... 詳細

  • 株式会社TreeFieldの「 飲料製造装置および方法」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】専用の操作によって試飲を指示可能な飲料製造装置を提供する。【解決手段】受け付けたユーザからの操作に応じて、飲料の材料を用いて飲料の調製を行う。ユーザから第一の操作を受け付けると本飲用の調製を行... 詳細

  • 帝国繊維株式会社の「 消防用ホース及びその製造方法」が 公開されました。( 2020/02/13)

    【課題】その強度を維持しながら、軽量かつ優れた収納性を有する消防用ホース及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る消防用ホースは、ポリエステル繊維からなる経糸とパラ系アラミド繊維からなる緯糸... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ