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技術 免疫系を調整するためにB7ファミリーメンバーであるpNKp30を使用する方法

出願人 ザイモジェネティクス,インコーポレイテッド
発明者 ガオゼレンレヴィンスティーブンディー.クレッグクリストファーエイチ.グロスジェーンエイ.シュウェンフェンラムスデルフレデリックジェイ.ブラントキャメロンエス.
出願日 2006年5月12日 (12年7ヶ月経過) 出願番号 2008-511432
公開日 2008年11月20日 (10年0ヶ月経過) 公開番号 2008-540569
状態 未査定
技術分野 ペプチド又は蛋白質 突然変異または遺伝子工学 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 不適合度 アテニュエータ 経時測定 バイナリパターン 隣接構造 機能効果 産業プロセス ゲート対
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この項目の情報は公開日時点(2008年11月20日)のものです。
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図面 (1)

課題・解決手段

pNKp30タンパク質について、単離されたポリペプチド、該ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、および関連組成物を用いる方法を開示する。この方法は、インビトロおよびインビボでのT細胞の増殖の調整ならびに免疫応答の調整に関連する。本発明はまた、可溶性分子を含むpNKp30を産生する方法、その使用、およびそれに対する抗体を含む。

概要

背景

発明の背景
B7およびB7リガンドタンパク質ファミリーは、T細胞活性化および寛容の調節において重要な役割を果たしている。これらの経路は、T細胞応答を促進および持続する重要な正のシグナルを供給するだけでなく、T細胞応答をダウンレギュレートする重要な負の二次シグナルをもたらす(Greenwald et al. Annu. Rev. Immunol., 23:515-548 (2005)(非特許文献1)によって概説されている)。これらの負のシグナルは、T細胞応答を限定、終結、および/または減弱するように機能し、特に、T細胞寛容および自己免疫の調節に重要であるように思われる。従って、このファミリーのメンバーは、アップレギュレートシグナルおよびダウンレギュレートシグナルをもたらす免疫系の制御因子として働く実質的な可能性を持っている。さらに、このタンパク質ファミリー抗原提示細胞ならびに非リンパ系器官内の細胞において発現し、免疫系および末梢組織においてT細胞の活性化および寛容を調節する手段を示している。

B7ファミリーメンバーは、構造的には、1つの細胞外免疫グロブリン可変領域様(IgV)ドメインとそれに続く短い細胞質テールを特徴とする。B7ファミリーおよびB7リガンドファミリーと名付けられているが、これらのファミリーとの結合活性関与する両タンパク質膜貫通タンパク質である傾向があり、相互作用は、細胞表面上にタンパク質を発現する2つの細胞が近接することに依存すると理解されるはずである。これらの2つのファミリーのいくつかのメンバー、具体的にはCD28および誘導性共刺激分子(ICOS)は、T細胞増殖の増大に及ぼす、これらのモノクローナル抗体機能効果によって発見された(Hutloff et al. Nature 397:263-266 (1999)(非特許文献2)およびHansen et al. Nucleic AcidsRes. 22:4673-4680 (1980)(非特許文献3))。細胞傷害性Tリンパ球結合抗原4(CTLA-4)、プログラム死-1(PD-1)、ならびにBリンパ球Tリンパ球アテニュエータ(BTLA)などの他のメンバーは、それぞれ、異なって、細胞傷害性Tリンパ球において発現する遺伝子、アポトーシスを受けている細胞において発現する遺伝子、またはTヘルパー1細胞において過剰発現する遺伝子のスクリーニングによって発見された。

pNKp30などの、このファミリーのさらなるメンバーがホモロジー検索によって発見されている。このファミリーの共刺激機能または共抑制機能と関連付けられてきたIgVドメインなどの特定のモチーフは、以下で広範囲にわたって述べる。これらの構造モチーフの存在と、関連する機能データは、この分子が免疫系において調節的な役割で働く能力、ならびに同様の調節作用を有する抗体を産生する抗原として役立つ能力を裏付けている。

本発明は、本明細書の教示から当業者に明らかなはずな、これらの使用および他の使用のためのこのようなポリペプチドを提供する。

Greenwald et al. Annu. Rev. Immunol., 23:515-548 (2005)
Hutloff et al. Nature 397:263-266 (1999)
Hansen et al. Nucleic AcidsRes. 22:4673-4680 (1980)

概要

pNKp30タンパク質について、単離されたポリペプチド、該ポリペプチドをコードする単離されたポリヌクレオチド、および関連組成物を用いる方法を開示する。この方法は、インビトロおよびインビボでのT細胞の増殖の調整ならびに免疫応答の調整に関連する。本発明はまた、可溶性分子を含むpNKp30を産生する方法、その使用、およびそれに対する抗体を含む。

目的

本発明は、本明細書の教示から当業者に明らかなはずな、これらの使用および他の使用のためのこのようなポリペプチドを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

SEQID NO:1のアミノ酸残基17〜アミノ酸残基201またはその断片を含む有効量のpNKp30アンタゴニスト;および薬学的に許容されるビヒクルを含む、免疫細胞を調整する組成物

請求項2

アンタゴニストが可溶性pNKp30タンパク質である、請求項1記載の方法。

請求項3

アンタゴニストが、SEQID NO:1のアミノ酸残基17〜アミノ酸残基201またはその断片に特異的に結合するpNKp30抗体である、請求項1記載の方法。

請求項4

炎症応答阻害する組成物であって:SEQID NO:1のアミノ酸残基17〜アミノ酸残基201またはその断片を含む有効量のpNKp30アンタゴニスト;および薬学的に許容されるビヒクルを含み、pNKp30アンタゴニストが炎症応答を阻害する組成物。

請求項5

アンタゴニストが可溶性pNKp30タンパク質である、請求項4記載の方法。

請求項6

アンタゴニストがpNKp30抗体である、請求項4記載の方法。

請求項7

抗原または病原体曝露された哺乳動物において免疫応答を調整する方法であって、以下の工程を含む方法:(a)哺乳動物に存在する抗原または病原体のレベルを直接的または間接的に決定する工程;(b)pNKp30アンタゴニストを薬学的に許容されるビヒクルの中に含む組成物を投与する工程;(c)哺乳動物における抗原または病原体のレベルを直接的または間接的に決定する工程;および(d)工程(a)における抗原または病原体のレベルと、工程(c)における抗原または病原体のレベルとを比較する工程であって、レベルの変化が免疫応答の調整を示す工程。

請求項8

アンタゴニストが可溶性pNKp30タンパク質である、請求項7記載の方法。

請求項9

アンタゴニストがpNKp30抗体である、請求項7記載の方法。

請求項10

以下の工程をさらに含む、請求項7記載の方法:(e) pNKp30アンタゴニストを薬学的に許容されるビヒクルの中に含む組成物を再投与する工程;(f)哺乳動物における抗原または病原体のレベルを直接的または間接的に決定する工程;および(g)工程(a)における抗原または病原体のレベルの数値と、工程(f)における抗原レベルとを比較する工程であって、レベルの変化が免疫応答の調整を示す工程。

請求項11

生物学的試料中のpNKp30タンパク質の存在を検出する方法であって、以下の工程を含む方法:(a)生物学的試料と、pNKp30に特異的に結合する抗体または抗体断片とを接触させる工程であって、接触が、抗体または抗体断片と生物学的試料との結合を可能にする条件下で行われる工程;および(b)任意の結合した抗体または結合した抗体断片を検出する工程。

請求項12

癌細胞死滅させる方法であって、以下の工程を含む方法:患者から癌細胞を含有する組織もしくは生物学的試料をエクスビボで得る工程、または癌細胞をインビボで特定する工程;pNKp30タンパク質を産生する工程;pNKp30タンパク質を薬学的に許容されるビヒクルに入れて処方する工程;およびpNKp30タンパク質製剤を患者に投与する工程、または癌細胞をpNKp30タンパク質製剤に曝露する工程であって、pNKp30タンパク質が細胞を死滅させる工程。

請求項13

pNKp30タンパク質が毒素とさらに結合される、請求項12記載の癌細胞を死滅させる方法。

請求項14

pNKp30タンパク質に特異的に結合する抗体。

請求項15

(a)ポリクローナル抗体、(b)マウスモノクローナル抗体、(c)(b)に由来するヒト化抗体、(d)抗体断片、および(e)ヒトモノクローナル抗体の群からのものである、請求項14記載の抗体。

請求項16

放射性核種酵素基質補因子蛍光マーカー化学発光マーカーペプチドタグ磁気粒子、薬物、または毒素をさらに含む、請求項14記載の抗体。

請求項17

T細胞のpNKp30誘導性増殖を阻害するための方法であって、可溶性pNKp30タンパク質の非存在下で培養されたT細胞と比較してT細胞増殖を減らすのに十分な量の、SEQID NO:1のアミノ酸残基17〜アミノ酸残基201またはその断片を含む可溶性pNKp30タンパク質を投与する工程を含む方法。

請求項18

pNKp30誘導性炎症を軽減する方法であって、炎症を軽減するのに十分な量の、SEQID NO:1のアミノ酸残基19〜アミノ酸残基201またはその断片を含む組成物を、炎症を有する哺乳動物に投与する工程を含む方法。

請求項19

炎症を有する哺乳動物における炎症応答を抑制する方法であって、以下の工程を含む方法:(1)炎症性分子レベルを決定する工程;(2) SEQID NO:1のアミノ酸残基19〜アミノ酸残基201またはその断片を薬学的に許容されるビヒクルの中に含む組成物を投与する工程;(3)投与後の炎症性分子レベルを決定する工程;(4)工程(1)における炎症性分子レベルと、工程(3)における炎症性分子レベルとを比較する工程であって、炎症性分子レベルの増加または減少の欠如が炎症応答の抑制を示す工程。

請求項20

pNKp30が役割を果たしている炎症疾患罹患している哺乳動物を処置する方法であって、以下の工程を含む方法:炎症が軽減するようにpNKp30アンタゴニストを哺乳動物に投与する工程であって、アンタゴニストが、SEQID NO:1のアミノ酸残基17〜アミノ酸残基201またはその断片を薬学的に許容されるビヒクルの中に含む可溶性pNKp30タンパク質である工程。

請求項21

疾患が移植片対宿主病である、請求項20記載の方法。

請求項22

疾患が慢性炎症疾患である、請求項20記載の方法。

請求項23

疾患が、以下:(a)炎症性腸疾患;(b)潰瘍性大腸炎;(c)クローン病;(d)アトピー性皮膚炎;(e)湿疹;および(f)乾癬からなる群より選択される慢性炎症疾患である、請求項22記載の方法。

請求項24

疾患が急性炎症疾患である、請求項20記載の方法。

請求項25

疾患が、以下:(a)内毒血症;(b)敗血症;(c)毒素性ショック症候群;および(d)感染症からなる群より選択される急性炎症疾患である、請求項24記載の方法。

請求項26

疾患が自己免疫疾患である、請求項20記載の方法。

請求項27

自己免疫疾患が、SLE多発性硬化症、またはリウマチ性関節炎からなる群より選択される、請求項26記載の方法。

請求項28

患者における炎症を検出するための方法であって、以下の工程を含む方法:患者から組織または生物学的試料を得る工程;組織または生物学的試料を、SEQID NO:1のアミノ酸残基19〜アミノ酸残基201またはその断片を含む可溶性pNKp30タンパク質とインキュベートする工程であって、可溶性pNKp30タンパク質が、組織または生物学的試料中の可溶性pNKp30タンパク質に相補的ポリペプチドに結合する工程;組織または生物学的試料中の結合した可溶性pNKp30タンパク質を視覚化する工程;および患者からの組織または生物学的試料中の結合した可溶性pNKp30タンパク質のレベルと、正常な対照組織または対照生物学的試料とを比較する工程であって、患者の組織または生物学的試料に結合した可溶性pNKp30タンパク質のレベルが正常な対照組織または対照生物学的試料と比較して増加していることが患者における炎症を示す工程。

請求項29

SEQID NO:1のアミノ酸残基19〜アミノ酸残基201またはその断片を含む、可溶性pNKp30タンパク質。

背景技術

0001

発明の背景
B7およびB7リガンドタンパク質ファミリーは、T細胞活性化および寛容の調節において重要な役割を果たしている。これらの経路は、T細胞応答を促進および持続する重要な正のシグナルを供給するだけでなく、T細胞応答をダウンレギュレートする重要な負の二次シグナルをもたらす(Greenwald et al. Annu. Rev. Immunol., 23:515-548 (2005)(非特許文献1)によって概説されている)。これらの負のシグナルは、T細胞応答を限定、終結、および/または減弱するように機能し、特に、T細胞寛容および自己免疫の調節に重要であるように思われる。従って、このファミリーのメンバーは、アップレギュレートシグナルおよびダウンレギュレートシグナルをもたらす免疫系の制御因子として働く実質的な可能性を持っている。さらに、このタンパク質ファミリー抗原提示細胞ならびに非リンパ系器官内の細胞において発現し、免疫系および末梢組織においてT細胞の活性化および寛容を調節する手段を示している。

0002

B7ファミリーメンバーは、構造的には、1つの細胞外免疫グロブリン可変領域様(IgV)ドメインとそれに続く短い細胞質テールを特徴とする。B7ファミリーおよびB7リガンドファミリーと名付けられているが、これらのファミリーとの結合活性関与する両タンパク質膜貫通タンパク質である傾向があり、相互作用は、細胞表面上にタンパク質を発現する2つの細胞が近接することに依存すると理解されるはずである。これらの2つのファミリーのいくつかのメンバー、具体的にはCD28および誘導性共刺激分子(ICOS)は、T細胞増殖の増大に及ぼす、これらのモノクローナル抗体機能効果によって発見された(Hutloff et al. Nature 397:263-266 (1999)(非特許文献2)およびHansen et al. Nucleic AcidsRes. 22:4673-4680 (1980)(非特許文献3))。細胞傷害性Tリンパ球結合抗原4(CTLA-4)、プログラム死-1(PD-1)、ならびにBリンパ球Tリンパ球アテニュエータ(BTLA)などの他のメンバーは、それぞれ、異なって、細胞傷害性Tリンパ球において発現する遺伝子、アポトーシスを受けている細胞において発現する遺伝子、またはTヘルパー1細胞において過剰発現する遺伝子のスクリーニングによって発見された。

0003

pNKp30などの、このファミリーのさらなるメンバーがホモロジー検索によって発見されている。このファミリーの共刺激機能または共抑制機能と関連付けられてきたIgVドメインなどの特定のモチーフは、以下で広範囲にわたって述べる。これらの構造モチーフの存在と、関連する機能データは、この分子が免疫系において調節的な役割で働く能力、ならびに同様の調節作用を有する抗体を産生する抗原として役立つ能力を裏付けている。

0004

本発明は、本明細書の教示から当業者に明らかなはずな、これらの使用および他の使用のためのこのようなポリペプチドを提供する。

0005

Greenwald et al. Annu. Rev. Immunol., 23:515-548 (2005)
Hutloff et al. Nature 397:263-266 (1999)
Hansen et al. Nucleic AcidsRes. 22:4673-4680 (1980)

0006

発明の概要
本発明は、SEQID NO:1、SEQ ID NO:3、またはSEQ ID NO:5と少なくとも90パーセント配列同一性を有する少なくとも1つのポリペプチドを含むB7ファミリータンパク質pNKp30を提供する。

0007

単離されたB7ファミリータンパク質pNKp30はT細胞増殖を調整し、この作用によって免疫系を調整することができる。単離されたpNKp30タンパク質は可溶性でもよい。単離されたpNKp30タンパク質は、アフィニティタグ、例えば、ポリヒスチジンプロテインAグルタチオンSトランスフェラーゼ、Glu-Glu、サブスタンスP、Flag(商標)ペプチドストレプトアビジン結合ペプチド、および免疫グロブリンFcポリペプチド、または細胞傷害分子、例えば、毒素もしくは放射性核種をさらに含んでもよい。単離されたpNKp30タンパク質をコードするポリペプチドは、SEQID NO:1と少なくとも90パーセントの同一性を有し、SEQ ID NO:2のアミノ酸1〜アミノ酸残基201、アミノ酸残基19〜アミノ酸残基201、アミノ酸残基19〜アミノ酸残基138、アミノ酸残基32〜アミノ酸残基201、SEQ ID NO:2のアミノ酸残基139〜アミノ酸残基201、アミノ酸残基160〜アミノ酸残基201を含むアミノ酸残基をコードする。さらなるタンパク質は、SEQ ID NO:2のアミノ酸1〜アミノ酸160、アミノ酸32〜アミノ酸186を含む。

0008

本発明はまた、単離されたpNKp30タンパク質をコードするポリペプチドがSEQID NO:3と少なくとも90パーセントの同一性を有し、SEQ ID NO:4のアミノ酸1〜アミノ酸残基177を含むアミノ酸残基をコードする、単離されたpNKp30タンパク質を提供する。アミノ酸19〜アミノ酸138、アミノ酸19〜アミノ酸177、およびアミノ酸139〜アミノ酸177を含むタンパク質が意図される。単離されたpNKp30タンパク質をコードするポリペプチドがSEQ ID NO:5と少なくとも90パーセントの同一性を有し、SEQ ID NO:6のアミノ酸残基1〜190を含むアミノ酸残基をコードする、単離されたpNKp30タンパク質も提供される。アミノ酸19〜アミノ酸138、アミノ酸19〜アミノ酸190、およびアミノ酸139〜アミノ酸190を含むタンパク質が意図される。

0009

本発明はまた、SEQID NO:2のアミノ酸残基19〜アミノ酸残基138を含む可溶性pNKp30タンパク質、SEQ ID NO:2のアミノ酸残基32〜アミノ酸残基160を含む可溶性pNKp30タンパク質、またはSEQ ID NO:4のアミノ酸32〜アミノ酸177を含む可溶性pNKp30タンパク質を提供する。本発明はまた、SEQ ID NO:5のアミノ酸残基19〜アミノ酸残基138を含む可溶性pNKp30タンパク質、SEQ ID NO:5のアミノ酸残基32〜アミノ酸残基160を含む可溶性pNKp30タンパク質、SEQ ID NO:6のアミノ酸残基19〜アミノ酸残基138を含む可溶性pNKp30タンパク質、またはSEQ ID NO:6アミノ酸32〜アミノ酸160を含む可溶性pNKp30タンパク質を提供する。

0010

本発明はまた、以下の機能的に結合されたエレメント:転写プロモーター;SEQID NO:1、SEQ ID NO:3、またはSEQ ID NO:5と少なくとも90パーセントの配列同一性を有するpNKp30ポリペプチドコードDNAセグメント;および転写ターミネーターを含む発現ベクターを提供する。

0011

本発明の発現ベクターは、第1および第2のDNAセグメントと連結された分泌シグナル配列をさらに含んでもよい。産生されたpNKp30タンパク質は可溶性でもよく、膜結合性でもよく、固体支持体に取り付けられてもよい。産生されたpNKp30タンパク質は、本明細書に記載のアフィニティタグまたは細胞傷害分子をさらに含んでもよい。本発明はまた、本明細書に記載の発現ベクターを含む培養細胞を提供する。ここで、培養細胞は、DNAセグメントによってコードされるポリペプチドを発現する。培養細胞は、産生されたpNKp30タンパク質を分泌してもよく、産生されたpNKp30タンパク質が宿主細胞膜から単離されてもよい。

0012

本発明はまた、pNKp30タンパク質に対する抗体を産生する方法を提供する。この方法は、pNKp30タンパク質に特異的に結合する抗体を産生するように動物において免疫応答を誘発するタンパク質を、動物に接種する工程、および動物から抗体を単離する工程を含む。抗体は任意にモノクローナル抗体でもよい。抗体は任意に中和抗体でもよい。抗体は、本明細書に記載のpNKp30タンパク質に特異的に結合してもよい。

0013

本発明はまた、有効量の可溶性pNKp30タンパク質を含む組成物を提供する。組成物は、T細胞の増殖を変えることによって免疫応答を調整することができる。本発明はまた、本明細書に記載のように細胞を培養する工程、および細胞によって産生されたpNKp30タンパク質を単離する工程を含む、pNKp30タンパク質を産生する方法を提供する。

0014

本発明はまた、抗原または病原体曝露された哺乳動物において免疫応答を阻害する方法を提供する。この方法は、(a)哺乳動物に存在する抗原または病原体のレベルを直接的または間接的に決定する工程;(b)可溶性pNKp30タンパク質を薬学的に許容されるビヒクルの中に含む組成物を投与する工程;(c)哺乳動物における抗原または病原体のレベルを直接的または間接的に決定する工程;および(d)工程(a)における抗原または病原体のレベルと、工程(c)における抗原または病原体のレベルとを比較する工程であって、レベルの変化が免疫応答の阻害を示す工程を含む。この方法は、(e)可溶性pNKp30タンパク質を薬学的に許容されるビヒクルの中に含む組成物を再投与する工程;(f)哺乳動物における抗原または病原体のレベルを直接的または間接的に決定する工程;および(g)工程(a)における抗原または病原体のレベルの数値と、工程(f)における抗原レベルとを比較する工程であって、レベルの変化が免疫応答の阻害を示す工程をさらに含んでもよい。

0015

本発明はまた、生物学的試料中のpNKp30タンパク質の存在を検出する方法を提供する。この方法は、生物学的試料と、本明細書に記載の抗体または抗体断片を接触させる工程であって、接触が、抗体または抗体断片と生物学的試料との結合を可能にする条件下で行われる工程;および任意の結合した抗体または結合した抗体断片を検出する工程を含む。

0016

本発明はまた、癌細胞死滅させる方法を提供する。この方法は、患者から癌細胞を含有する組織もしくは生物学的試料をエクスビボで得る工程、または癌細胞をインビボで特定する工程;本明細書に記載の方法によってpNKp30タンパク質を産生する工程; pNKp30タンパク質を薬学的に許容されるビヒクルに入れて処方する工程;およびpNKp30タンパク質製剤を患者に投与する工程、または癌細胞をpNKp30タンパク質製剤に曝露する工程であって、pNKp30タンパク質が細胞を死滅させる工程を含む。pNKp30タンパク質は毒素とさらに結合されてもよい。

0017

本発明はまた、本明細書に記載のようにpNKp30タンパク質に特異的に結合する抗体を提供する。この抗体は、ポリクローナル抗体マウスモノクローナル抗体、マウスモノクローナル抗体に由来するヒト化抗体、抗体断片、中和抗体、またはヒトモノクローナル抗体でもよい。抗体または抗体断片は、SEQID NO:1のアミノ酸1〜アミノ酸201、またはSEQ ID NO:3のアミノ酸1〜アミノ酸177を含んでもよい本発明のpNKp30タンパク質に特異的に結合してもよい。抗体は、放射性核種、酵素基質補因子蛍光マーカー化学発光マーカーペプチドタグ磁気粒子、薬物、または毒素をさらに含んでもよい。

0018

本発明はまた、炎症を有する哺乳動物における炎症応答を抑制する方法を提供する。この方法は、(1)炎症性分子レベルを決定する工程;(2)pNKp30タンパク質またはpNKp30タンパク質に特異的に結合する抗体を薬学的に許容されるビヒクルの中に含む組成物を投与する工程;(3)投与後の炎症性分子レベルを決定する工程;(4)工程(1)における炎症性分子レベルと、工程(3)における炎症性分子レベルとを比較する工程であって、炎症性分子レベルの増加または減少の欠如が炎症応答の抑制を示す工程を含む。

0019

本発明はまた、pNKp30が役割を果たしている炎症疾患罹患している哺乳動物を処置する方法を提供する。この方法は、炎症が軽減するようにpNKp30アンタゴニストを哺乳動物に投与する工程であって、アンタゴニストが、薬学的に許容されるビヒクルの中に入れた可溶性pNKp30タンパク質である工程を含む。炎症疾患は、例えば、炎症性腸疾患潰瘍性大腸炎クローン病アトピー性皮膚炎湿疹、または乾癬などの慢性炎症疾患でもよい。炎症疾患は、例えば、内毒血症敗血症毒素性ショック症候群移植片対宿主反応、または感染症などの急性炎症疾患でもよい。任意に、可溶性pNKp30タンパク質は、放射性核種、酵素、基質、補因子、蛍光マーカー、化学発光マーカー、ペプチドタグ、磁気粒子、薬物、または毒素をさらに含んでもよい。

0020

本発明はまた、患者における炎症を検出するための方法を提供する。この方法は、患者から組織または生物学的試料を得る工程;組織または生物学的試料を、可溶性pNKp30タンパク質またはpNKp30タンパク質に特異的な抗体とインキュベートする工程であって、可溶性pNKp30タンパク質またはpNKp30抗体が、組織または生物学的試料中のその相補的なポリペプチドに結合する工程;組織または生物学的試料中の結合した可溶性pNKp30タンパク質または抗体を視覚化する工程;および患者からの組織または生物学的試料中の結合した可溶性pNKp30タンパク質または抗体のレベルと、正常な対照組織または対照生物学的試料とを比較する工程であって、患者の組織または生物学的試料に結合した可溶性pNKp30タンパク質または抗体のレベルが正常な対照組織または対照生物学的試料と比較して増加していることが患者における炎症を示す工程を含む。

0021

発明の詳細な説明
定義
本発明を詳述する前に、以下の用語を定義することが本発明の理解に役立つと考えられる。

0022

他で特定しない限り「a」、「an」、「the」、および「少なくとも1つの」は同義に用いられ、1つまたは複数を意味する。

0023

「アフィニティタグ」という用語は、第2のポリペプチドを精製もしくは検出するために、または第2のポリペプチドを基質に取り付ける部位を提供するものとして、第2のポリペプチドに取り付けることができるポリペプチドセグメントを指すために本明細書において用いられる。原則的に、抗体または他の特異的な結合剤利用可能な任意のペプチドまたはタンパク質をアフィニティタグとして使用することができる。アフィニティタグには、ポリヒスチジントラクト、プロテインA(Nilsson et al.,EMBO J. 4:1075, 1985; Nilsson et al., MethodsEnzymol. 198:3, 1991)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(Smith and Johnson, Gene 67:31, 1988)、Glu-Gluアフィニティタグ(Grussenmeyer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:7952-4, 1985)、サブスタンスP、Flag(商標)ペプチド(Hopp et al., Biotechnology 6:1204-10, 1988)、ストレプトアビジン結合ペプチド、または他の抗原性エピトープもしくは結合ドメインが含まれる。一般的には、Ford et al., Protein Expression and Purification 2: 95-107, 1991を参照されたい。アフィニティタグをコードするDNAは市販業者(例えば、Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)から入手することができる。

0024

対立遺伝子変異体」という用語は、同じ染色体遺伝子座占有する遺伝子の2つまたはそれ以上の代替型を指すために本明細書において用いられる。対立遺伝子の変化は天然では突然変異によって生じ、集団内に表現型多型をもたらすことがある。遺伝子突然変異サイレント(コードされるポリペプチドが変化しない)でもよく、アミノ酸配列が変化したポリペプチドをコードしてもよい。対立遺伝子変異体という用語はまた、遺伝子の対立遺伝子変異体によってコードされるタンパク質を指すために本明細書において用いられる。

0025

アミノ末端の」および「カルボキシル末端の」という用語は、ポリペプチド内での位置を指すために本明細書において用いられる。状況が許す場合、これらの用語は、ポリペプチドの特定の配列または位置に関して、近接していること、または相対的な位置を指すために用いられる。例えば、ポリペプチド内の参照配列のカルボキシル末端側に位置する特定の配列は、参照配列のカルボキシル末端の近くに位置するが、必ずしも、完全なポリペプチドのカルボキシル末端にあるとは限らない。

0026

相補体/抗相補体対」という用語は、非共有結合した安定な対を適切な条件下で形成する非同一部分を指す。例えば、ビオチンおよびアビジン(またはストレプトアビジン)は相補体/抗相補体対の典型的なメンバーである。他の例示的な相補体/抗相補体対には、受容体/および対、抗体/抗原(またはハプテンまたはエピトープ)対、センスポリヌクレオチド/アンチセンスポリヌクレオチド対などが含まれる。相補体/抗相補体対が後で解離することが望ましい場合、相補体/抗相補体対の結合親和性は、好ましくは、<3M-1である。

0027

ポリヌクレオチド分子の相補体」という用語は、相補的な塩基配列および参照配列と比較して逆方向を有するポリヌクレオチド分子を指す。例えば、配列5'ATGCACGGG3'は5'CCCGTGCAT3'に相補的である。

0028

コンティグ」という用語は、別のポリヌクレオチドと同一のまたは相補的な配列からなる隣接領域を有するポリヌクレオチドを指す。隣接配列は、ポリヌクレオチド配列の特定の領域を全て、またはポリヌクレオチドの部分領域に沿って「重複」しているといわれる。例えば、ポリヌクレオチド配列5'-ATGGCTTAGCTT-3'に対する代表的なコンティグは、5'-TAGCTTgagtct-3'および3'-gtcgacTACCGA-5'である。

0029

縮重ヌクレオチド配列」という用語は、(ポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチド分子と比較して)1つまたは複数の縮重コドンを含むヌクレオチド配列を指す。縮重コドンは異なるヌクレオチドトリプレットを含有するが、同じアミノ酸残基をコードする(すなわち、GAUトリプレットおよびGACトリプレットはそれぞれAspをコードする)。

0030

「発現ベクター」という用語は、関心対象のポリペプチドをコードするセグメントがそのセグメントを転写させるさらなるセグメントに機能的に連結している線状または環状のDNA分子を指すのに用いられる。このようなさらなるセグメントはプロモーター配列およびターミネーター配列を含み、1つまたは複数の複製起点、1つまたは複数の、選択マーカーエンハンサーポリアデニル化シグナルなども含んでもよい。発現ベクターは、一般的に、プラスミドまたはウイルスDNAから得られるか、両方のエレメントを含んでもよい。

0031

「単離された」という用語は、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオチドが天然の遺伝子環境から取り出されており、従って、他の無関係のまたは望ましくないコード配列を含まず、遺伝子操作タンパク質産生系内で使用するのに適した形をしていることを指す。このような単離された分子は天然環境から分離された分子であり、cDNAおよびゲノムクローンを含む。本発明の単離されたDNA分子は、通常関連している他の遺伝子を含まないが、プロモーターおよびターミネーターなどの天然の5'非翻訳領域および3'非翻訳領域を含んでもよい。関連領域の特定は当業者に明らかであると考えられる(例えば、Dynan and Tijan, Nature 316:714-78, 1985を参照されたい)。

0032

「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、天然環境以外の、例えば、血液および動物組織とは別の条件で見られるポリペプチドまたはタンパク質である。好ましい形態において、単離されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に、動物由来の他のポリペプチドを実質的に含まない。ポリペプチドを高度に精製された形で、すなわち、95%超の純度で、より好ましくは99%超の純度で提供することが好ましい。この文脈で使用する場合、「単離された」という用語は、二量体またはグリコシル化型または誘導体化型などの他の物理形態の同じポリペプチドの存在を排除しない。

0033

新生物の」という用語は、細胞を指している場合、新しく異常な増殖を起こしている細胞、特に、増殖が無秩序進行性である組織において新しく異常な増殖を起こして新生物をもたらす細胞を示す。新生細胞悪性、すなわち、浸潤性および転移性でもよく、または良性でもよい。

0034

「機能的に連結された」という用語は、DNAセグメントを指している場合、セグメントが本来の目的のために協調して機能するように、例えば、転写が、プロモーターで開始し、コードセグメントからターミネーターまで進むように並べられていることを示す。

0035

オルソログ」という用語は、異なる種に由来するポリペプチドまたはタンパク質の機能的対応物である、ある種から得られたポリペプチドまたはタンパク質を指す。オルソログ間の配列の違いは種分化の結果である。

0036

パラログ」とは、ある生物によって作成された、別個のものであるが、構造的に関連するタンパク質である。パラログは遺伝子複製によって生じると考えられている。例えば、αグロビン、βグロビン、およびミオグロビンが互いのパラログである。

0037

「ポリヌクレオチド」とは、5'末端から3'末端へ読まれる、デオキシリボヌクレオチド塩基またはリボヌクレオチド塩基の一本鎖ポリマーまたは二本鎖ポリマーである。ポリヌクレオチドはRNAおよびDNAを含み、天然の供給源から単離されてもよく、インビトロで合成されてもよく、天然分子および合成分子の組み合わせから調製されてもよい。ポリヌクレオチドのサイズは、塩基対(「bp」と略す)、ヌクレオチド(「nt」)、またはキロベース(「kb」)で表される。文脈が許す場合、後ろ2つの用語は一本鎖または二本鎖のポリヌクレオチドを表すことがある。この用語が二本鎖分子に適用される場合、全長を指すのに用いられ、「塩基対」という用語と等しいことが理解されると考えられる。二本鎖ポリヌクレオチドの2本の鎖は長さがわずかに異なる場合があり、その末端は酵素的切断の結果として付着末端であってもよく、従って、二本鎖ポリヌクレオチド分子内の全てのヌクレオチドは対になっていなくてもよいことが当業者に理解されると考えられる。

0038

「ポリペプチド」とは、天然に産生されるか、合成により産生されるかに関係なく、ペプチド結合によって接続されたアミノ酸残基のポリマーである。約10個未満のアミノ酸残基からなるポリペプチドが一般的に「ペプチド」と呼ばれる。

0039

「プロモーター」という用語は、RNAポリメラーゼの結合および転写開始をもたらすDNA配列を含有する遺伝子の一部を指すために、当技術分野において認められる意味で本明細書において用いられる。プロモーター配列は、一般的に、遺伝子の5'非コード領域に見出されるが、常に、遺伝子の5'非コード領域に見出されるとは限らない。

0040

「タンパク質」とは、1つまたは複数のポリペプチド鎖を含む高分子である。タンパク質はまた、炭水化物基などの非ペプチド成分を含んでもよい。タンパク質が産生される細胞によって、炭水化物および他の非ペプチド置換基がタンパク質に付加されることがあり、それらは細胞タイプにより異なる。タンパク質は、アミノ酸バックボーン構造に関して本明細書において規定される。炭水化物基などの置換基は一般的に指定されないが、それでもなお存在してもよい。

0041

「受容体」という用語は、生理活性分子に結合し、細胞に対する効果を媒介する細胞関連タンパク質を指す。膜結合受容体は、細胞外結合ドメインと、典型的にシグナル伝達に関与する細胞内エフェクタードメインとを含む多ペプチド構造を特徴とする。リガンドまたは共刺激分子もしくは共抑制分子と受容体が結合すると受容体の高次構造が変化し、それによって、エフェクタードメインと細胞内の他の分子が相互作用する。次に、この相互作用によって細胞の代謝が変化する。受容体-リガンド相互作用に関係する代謝事象には、遺伝子転写リン酸化脱リン酸サイクリックAMP産生の増加、細胞カルシウム動員膜脂質動員細胞接着イノシトール脂質の加水分解、およびリン脂質の加水分解が含まれる。一般的に、受容体は、膜結合受容体、サイトゾル受容体、または核受容体でもよく、単量体受容体(例えば、甲状腺刺激ホルモン受容体、βアドレナリン作動性受容体)でもよく、多量体受容体(例えば、PDGF受容体、成長ホルモン受容体IL-3受容体、GM-CSF受容体、G-CSF受容体、エリスロポエチン受容体、およびIL-6受容体)でもよい。

0042

「分泌シグナル配列」という用語は、大きなポリペプチドの一成分として、大きなポリペプチドを、それが合成される細胞の分泌経路へ導くポリペプチド(「分泌ペプチド」)をコードするDNA配列を指す。大きなポリペプチドは、一般的に、分泌経路を通過する間に分泌ペプチドを除去するように切断される。

0043

可溶性受容体」とは、細胞膜に結合していない受容体ポリペプチドである。可溶性受容体は、最も一般的には、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメイン欠くリガンド結合受容体ポリペプチドである。可溶性受容体は、ポリペプチドを精製する、もしくはポリペプチドを基質に取り付ける部位を提供する親和性タグなどのさらなるアミノ酸残基、または免疫グロブリン定常領域配列を含んでもよい。多くの細胞表面受容体は、タンパク質分解によって産生される天然の可溶性対応物を有する。可溶性受容体ポリペプチドは、膜貫通ポリペプチドセグメントの膜固定または細胞内ポリペプチドセグメントのシグナル伝達に十分な部分を欠く場合、これらのセグメントを実質的に含まないと考えられる。

0044

スプライス変異体」という用語は、遺伝子から転写されるRNAの代替形態を指すために本明細書において用いられる。スプライスの違いは、天然では、転写されたRNA分子の中にあるか、またはあまり一般的ではないが別々に転写されたRNA分子の間にある選択的スプライシング部位を用いることよって生じ、同じ遺伝子から転写される数種類mRNAをもたらし得る。スプライス変異体は、アミノ酸配列が異なるポリペプチドをコードしてもよい。スプライス変異体という用語はまた、本明細書において、遺伝子から転写されたmRNAのスプライス変異体によってコードされるタンパク質を指すのにも用いられる。

0045

厳密でない分析法(例えば、ゲル電気泳動)によって求められたポリマーの分子量および長さは概算値であることが理解されると考えられる。このような値が「約」Xまたは「およそ」Xで表される場合、述べられた値Xが±10%内の正確さであることが理解されると考えられる。

0046

本発明は、B7ファミリーにおける特定の機能と関連付けられたいくつかの配列モチーフを含む独特変異体を有するタンパク質を発見したことに一部基づいている。このタンパク質の3つの特定の変異体は開示されている。変異体x1(pNKp30x1, SEQID NO:1)は、201個のアミノ酸を有するポリペプチドをコードする。配列相同性から、これは、細胞外領域にあるシグナル配列(約1〜18アミノ酸)、IgV領域(約26〜128アミノ酸)、および膜貫通ドメイン(約139〜160アミノ酸)、ならびに細胞質ドメイン(約161〜201アミノ酸)を含むI型膜貫通タンパク質であると考えられる。この分子はまた、約183〜186アミノ酸および約196〜199アミノ酸にSH3キナーゼ結合のための2つのモチーフを含む。これらのドメインは概算であり、当業者に理解されるように、アミノ酸6個までの逸脱が許容され得る。

0047

開示された第2のスプライス変異体(pNKp30x2, SEQID NO:3)は、177個のアミノ酸(SEQ ID NO:4)のタンパク質をコードする。このタンパク質は、細胞質ドメインが約161〜177アミノ酸であり、SH3キナーゼ結合モチーフを含まないことを除けばx1変異体と同じドメインを含む。開示された第3のスプライス変異体(pNKp30x3, SEQ ID NO:5)は、190個のアミノ酸(SEQ ID NO:6)のタンパク質をコードする。このタンパク質は、細胞質ドメインが約161〜190アミノ酸であり、唯一のSH3キナーゼ結合部位が約187〜190アミノ酸に存在することを除けばx1変異体と同じドメインを含む。従って、これらの変異体は、pNKp30 B7ファミリータンパク質のさらなる型をコードすると考えられる。

0048

代表的なpNKp30コードDNAのヌクレオチド配列をSEQID NO:1(ヌクレオチド209〜814)に示し、その推定201個のアミノ酸の配列をSEQ ID NO:2に示し、代表的なpNKp30コードDNAのヌクレオチド配列をSEQ ID NO:3(ヌクレオチド264〜797)に示し、その推定177個のアミノ酸の配列をSEQ ID NO:4に示し、代表的なpNKp30コードDNAのヌクレオチド配列をSEQ ID N0:5(ヌクレオチド238〜810)に示し、その推定190個のアミノ酸の配列をSEQ ID NO:6に示した。pNKp30ポリペプチドのドメインおよび構造特徴を以下でさらに説明する。

0049

SEQID NO:1のDNA配列によってコードされるpNKp30x1ポリペプチドの分析から、18個のアミノ酸残基の推定分泌シグナルペプチドおよび185個のアミノ酸の成熟ポリペプチド(SEQ ID NO:2の残基19(Leu)〜残基201(Gly))を含む、201個のアミノ酸(SEQ ID NO:2)をコードするオープンリーディングフレームが明らかになった。SEQ ID NO:3のDNA配列によってコードされるpNKp30x2ポリペプチドの分析から、18個のアミノ酸残基の推定分泌シグナルペプチドおよび155個のアミノ酸の成熟ポリペプチドを含む、177個のアミノ酸(SEQ ID NO:4)をコードするオープンリーディングフレームが明らかになった。SEQ ID NO:5のDNA配列によってコードされpNKp30x3ポリペプチドの分析から、18個のアミノ酸残基の推定分泌シグナルペプチドおよび174個のアミノ酸の成熟ポリペプチドを含む、190個のアミノ酸(SEQ ID NO:4)をコードするオープンリーディングフレームが明らかになった。

0050

膜貫通領域および保存モチーフの存在は、一般的に、タンパク質の重要な構造領域相関関係があるか、またはタンパク質の重要な構造領域を規定する。変化が少ない領域(例えば、疎水性クラスター)は、一般的に、構造的に重要な領域に存在する。変化が少ないこのような領域は、トリプトファンなどの稀な、または低頻度のアミノ酸を含むことが多い。このような保存モチーフおよび変化が少ないモチーフに隣接する、および間にある領域は変化しやすい場合があるが、結合ドメイン、生物学的活性および酵素活性、シグナル伝達、細胞間相互作用、組織局在化ドメインなどの重要な構造および活性に関連するか、またはこれらを規定することがあるため機能的に重要なことが多い。

0051

前記のpNKp30における保存アミノ酸残基の領域は、新たなファミリーメンバーを特定するツールとして使用することができる。例えば、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を使用して、様々な組織供給源または細胞株から得られたRNAから、保存領域をコードする配列を増幅することができる。この目的のためには、pNKp30配列から設計された高縮重プライマーが特に有用である。このような縮重プライマーの設計および使用は当業者によって容易に実施することができる。

0052

さらに、本発明は、可溶性のpNKp30タンパク質を意図する。例えば、可溶性B7ファミリータンパク質は、例えば、ヘテロ二量体、例えば、イムノグロブリンFcポリペプチドを含むヘテロ二量体でもよい。可溶性pNKp30は、2つの定常領域ドメインを含有し、可変領域を欠くFc断片などの免疫グロブリン重鎖定常領域との融合として発現することができる。このような融合は、典型的に、Fc部分が互いとジスルフィド結合し、2つの非Igポリペプチドが互いに密接して並べられている分子として分泌される。このタイプの融合は、例えば、二量体化、安定性の増大およびインビボ半減期延長のために、アフィニティ精製のために、ならびにインビトロアッセイ法ツールまたはアンタゴニストとして、使用することができる。

0053

pNKp30陽性クローンが単離され、配列分析から、プラスミドDNA内に含まれるポリヌクレオチド配列が新規であることが明らかになった。(SEQID NO:2に示したように)分泌シグナル配列はアミノ酸残基1(Met)〜18(Ala)からなり、成熟ポリペプチドはアミノ酸残基19(Leu)〜201(Gly)からなる。

0054

本発明は、サイトカイン受容体に含めることができる本明細書において開示されたpNKp30ポリペプチドをコードする、DNA分子およびRNA分子を含むポリヌクレオチド分子を提供する。当業者であれば、遺伝コードの縮重を考慮して、これらのポリヌクレオチド分子の間で、多くの配列変化が可能であることを認識すると考えられる。SEQID NO:12、SEQ ID NO:13、およびSEQ ID NO:14は、それぞれ、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:7のpNKp30ポリペプチドをコードする全てのDNAならびにそれらの断片を含む縮重DNA配列である。当業者であれば、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、およびSEQ ID NO:12の縮重配列はまた、Tの代わりにUを用いることによって、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:7をコードする全てのRNA配列を提供することも認識すると考えられる。従って、SEQ ID NO:12のヌクレオチド1〜ヌクレオチド780、SEQ ID NO:13のヌクレオチド1〜ヌクレオチド594、SEQ ID NO:11のヌクレオチド1〜ヌクレオチド594、およびSEQ ID NO:12のヌクレオチド1〜ヌクレオチド789、ならびにこれらのRNA等価物を含む、pNKp30ポリペプチドコードポリヌクレオチドが、本発明によって意図される。表2は、縮重ヌクレオチドの位置を指すために、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:13およびSEQ ID NO:11、ならびにSEQ ID NO:12の中で用いられる1文字コードを示す。「解(Resolution)」はコード文字で示されるヌクレオチドである。「相補体(Complement)」は相補ヌクレオチドのコードを示す。例えば、コードYはCまたはTを示し、その相補体RはAまたはGを示し、AはTに相補的であり、GはCに相補的である。

0055

0056

ある特定のアミノ酸に対する可能な限りのコドンを含む、SEQID NO:12、SEQ ID NO:13、およびSEQ ED NO:14において用いられる縮重コドンを表3に示した。

0057

0058

当業者であれば、各アミノ酸をコードする可能な限りのコドンを表す縮重コドンの決定において、ある程度のあいまい性が生じることを認識すると考えられる。例えば、セリンの縮重コドン(WSN)は、場合によっては、アルギニン(AGR)をコードし、アルギニンの縮重コドン(MGN)は、場合によっては、セリン(AGY)をコードする。同様の関係がフェニルアラニンをコードするコドンとロイシンをコードするコドンの間に存在する。従って、縮重配列に含まれるポリヌクレオチドの中には変異体アミノ酸配列をコードするものもあり得るが、当業者であれば、SEQID NO:12、SEQ ID NO:13、およびSEQ ID NO:14のアミノ酸配列を参照することによって、このような変異体配列を容易に特定することができる。変異体配列は、本明細書に記載のように機能性について容易に試験することができる。

0059

当業者であれば、異なる種が「優先的コドン使用頻度」を示すことがあることも認識すると考えられる。一般的には、Grantham, et al., Nuc. AcidsRes. 8:1893- 912, 1980; Haas, et al. Curr. Biol. 6:315-24, 1996; Wain-Hobson et al., Gene 13:355-64, 1981; Grosjean and Fiers, Gene 18:199-209, 1982; Holm, Nuc. Acids Res. 14:3075-87, 1986; Ikemura, J. Mol. Biol. 158:573-97, 1982を参照されたい。本明細書で使用する「優先的コドン使用頻度」または「優先的コドン」という用語は、ある特定の種の細胞において最も頻繁に用いられるタンパク質翻訳コドンについて言及した、従って、各アミノ酸をコードする可能なコドン(表3を参照されたい)の好ましい1個または数個の代表的なコドンについて言及した技術用語である。例えば、アミノ酸スレオニン(Thr)はACA、ACC、ACG、またはACTによってコードされ得るが、哺乳動物細胞では、ACCが最も一般的に用いられるコドンであり、他の種、例えば、昆虫細胞酵母、ウイルス、または細菌では、異なるThrコドンが優先されることがある。当技術分野において公知の様々な方法によって、ある特定の種の優先的コドンを本発明のポリヌクレオチドに導入することができる。組換えDNAに優先的コドン配列を導入すると、例えば、ある特定の細胞タイプまたは種の中でのタンパク質翻訳をより効率的にすることによって、タンパク質の産生を増強することができる。従って、SEQID NO:12、SEQ ID NO:13、およびSEQ ID NO:14に開示される縮重コドン配列は、当技術分野において一般的に用いられ、本明細書において開示される様々な細胞タイプおよび種においてpNKp30ポリヌクレオチドの発現を最適化するためのテンプレートとして役立つ。優先的コドンを含有する配列は、本明細書において開示されるように、様々な種における発現について試験および最適化することができ、機能性について試験することができる。

0060

前述のように、本発明の単離されたポリヌクレオチドはDNAおよびRNAを含む。DNAおよびRNAを調製する方法は当技術分野において周知である。一般的に、RNAは、多量のpNKp30 RNAを産生する組織または細胞から単離される。このような組織および細胞はノーザンブロッティングによって特定され(Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:5201, 1980)、PBL脾臓胸腺骨髄前立腺、およびリンパ組織ヒト赤白血病細胞株、急性単球性白血病細胞株、他のリンパ系細胞株および造血細胞株などを含む。総RNAは、グアニジウムイソチオシアネート抽出の後に、CsCl勾配中での遠心分離による単離を用いて調製することができる(Chirgwin et al., Biochemistry 18:52-94, 1979)。ポリ(A) +RNAは、Aviv and Leder (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69:1408-12, 1972)の方法を用いて総RNAから調製される。相補的DNA(cDNA)は、公知の方法を用いてポリ(A) +RNAから調製される。代替法では、ゲノムDNAを単離することができる。次いで、例えば、ハイブリダイゼーションまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって、pNKp30ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが特定および単離される(Mullis、米国特許第4,683,202号)。

0061

pNKp30をコードする完全長クローンは従来のクローニング手順によって得ることができる。相補的DNA(cDNA)クローンが好ましいが、用途によっては(例えば、トランスジェニック動物での発現)、ゲノムクローンを使用するか、または少なくとも1つのゲノムイントロンを含めるようにcDNAクローンを改変することが好ましいことがある。cDNAおよびゲノムクローンを調製する方法は周知であり、当技術分野の通常の技術の水準内であり、ライブラリープロービングおよびプライミングのために、本明細書において開示される配列またはその一部を使用することを含む。pNKp30に対する抗体、受容体断片、または他の特異的結合パートナーを用いて、発現ライブラリープローブすることができる。

0062

本発明のポリヌクレオチドはDNA合成機を用いて合成することもできる。現在、最適な方法はホスホルアミダイト法である。遺伝子または遺伝子断片の合成などの用途に化学合成二本鎖DNAが必要とされる場合、それぞれの相補鎖が別々に作成される。短いポリヌクレオチド(60〜80bp)の作成は技術的に単純であり、相補鎖を合成し、次いで、それらをアニールすることによって達成することができる。しかしながら、より長いポリヌクレオチド(>300bp)の作成には、通常、特別な方法が用いられる。なぜなら、DNA化学合成中の各サイクルカップリング効率が100%であることはほとんどないためである。この問題を克服するために、長さが20〜100ヌクレオチドの一本鎖断片から、合成遺伝子(二本鎖)がモジュールの形で組み立てられる。

0063

完全長遺伝子を調製する代替法は、特定の重複オリゴヌクレオチドセット(40〜100ヌクレオチド)を合成することである。3'側および5'側の短い重複する相補領域(6〜10ヌクレオチド)がアニールされた後、大きなギャップが依然として残っているが、塩基対形成した短い領域は両方とも構造を保持するのに十分に長く、かつ十分に安定している。ギャップは充填され、大腸菌DNAポリメラーゼIによる酵素的DNA合成によってDNA二重鎖が完成する。酵素的合成が完了した後、ニックがT4DNAリガーゼによってふさがれる。遺伝子配列全体を形成するように二本鎖構築物は連続して互いに連結され、DNA配列分析によって確認される。Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology, Principles & Applications of Recombinant DNA, (ASMPress, Washington, D.C. 1994); Itakura et al., Annu. Rev. Biochem. 53: 323-56, 1984、およびClimie et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:633-7, 1990を参照されたい。さらに、一般的に、転写および翻訳の適切な開始および終結のためのシグナルを含む他の配列が付加される。

0064

本発明はまた、診断用途において用いられる試薬を提供する。例えば、pNKp30遺伝子が6番染色体などのヒト染色体に存在するかどうか確かめるために、または遺伝子突然変異が生じたかどうか確かめるために、pNKp30遺伝子、pNKp30 DNAもしくはpNKp30 RNAまたはその部分配列を含むプローブを使用することができる。pNKp30は、6番染色体のp21.33領域に位置する。pNKp30遺伝子遺伝子座における検出可能な染色体異常性は、異数性遺伝子コピー数変化、ヘテロ接合性消失(LOH)、転座、挿入、欠失制限部位変化、および再配列を含むが、これに限定されない。このような異常性は、本発明のポリヌクレオチドを使用し、制限断片長多型(RFLP)分析などの分子遺伝学技法PCR法を用いた短いタンデム反復(STR)分析、および当技術分野において公知の他の遺伝連鎖分析法を用いて検出することができる(Sambrook et al.,同書; Ausubel et. al., 同書; Marian, Chest 108:255-65, 1995)。

0065

遺伝子の位置の正確な知識は、(1)配列が既存のコンティグの一部かどうか確かめ、さらなる周囲の遺伝子配列を、YAC、BAC、またはcDNAクローンなどの様々な形状で得ること;(2)同じ染色体領域との連鎖を示す、遺伝性疾患の可能な候補遺伝子を提供すること;および(3)ある特定の遺伝子がどのような機能を有する可能性があるか確かめるのに役立ち得る、マウスなどのモデル生物相互参照することを含む、多くの目的に有用であり得る。

0066

診断薬は、疾患のタイプおよび適切な関連する療法の決定、または遺伝カウンセリング補助において医師を手助けする可能性がある。従って、本発明の抗pNKp30抗体、ポリヌクレオチド、およびポリペプチドは、本明細書に記載のように、当技術分野において公知の方法および本明細書に記載の方法を用いてpNKp30ポリペプチド、mRNA、または抗pNKp30抗体の検出に使用することができ、従って、マーカーとして役立ち、遺伝病または癌の検出に直接使用することができる。さらに、pNKp30ポリヌクレオチドプローブは、ヒト疾患と関連する染色体6p21.33欠失および転座、あるいは腫瘍の悪性進行に関与する他の転座、または悪性腫瘍もしくは他の癌における染色体再配列に関与すると予想される他の6p21.33突然変異と関連する異常または遺伝子型を検出するのに使用することができる。同様に、pNKp30ポリヌクレオチドプローブは、6番染色体トリソミーと関連する異常または遺伝子型、およびヒト疾患または自然流産と関連する染色体消失を検出するのに使用することができる。従って、pNKp30ポリヌクレオチドプローブは、これらの欠陥と関連する異常または遺伝子型を検出するのに使用することができる。

0067

当業者であれば、pNKp30ポリヌクレオチドプローブが、異質性(LOH)、染色体の増加(例えば、トリソミー)、転座、DNA増幅などに関連する重大な染色体異常の診断に特に有用であることを認識すると考えられる。本発明のpNKp30ポリヌクレオチドプローブは、前記の6p21.33転座、欠失、およびトリソミーなどに関連する異常または遺伝子型を検出するのに使用することができる。

0068

前記のように、pNKp30遺伝子それ自体の欠陥が遺伝性のヒト疾患状態をもたらすことがある。本発明のポリペプチド、アンタゴニスト、アゴニスト、ポリヌクレオチド、および抗体などの本発明の分子は、pNKp30遺伝子欠陥に関連する検出、診断、予防、および処置に役立つと考えられる。さらに、pNKp30ポリヌクレオチドプローブは、罹患個体と非罹患個体とのpNKp30染色体遺伝子座における対立遺伝子の違いを検出するのに使用することができる。従って、pNKp30配列は、法医学DNAプロファイリングにおける診断薬として使用することができる。

0069

一般的に、患者の遺伝的な異常(abnormality)または異常性(aberration)を検出するために遺伝連鎖分析において用いられる診断法は当技術分野において公知である。分析用プローブは、一般的に、長さが少なくとも20ntであるが、いくらか短いプローブ(例えば、14〜17nt)を使用することができる。PCRプライマーは、長さが少なくとも5nt、好ましくは15ntまたはそれ以上、より好ましくは20〜30ntである。遺伝子または染色体DNAの全体分析のために、pNKp30ポリヌクレオチドプローブは1つのエキソン全体またはそれ以上を含んでもよい。エキソンは、pNKp30配列(SEQID NO:1)とpNKp30ゲノムDNAとを比較することによって、当業者によって容易に決定される。一般的に、患者の遺伝的な異常または異常性を検出するために遺伝連鎖分析において用いられる診断法は当技術分野において公知である。多くの診断法は、(a)疾患に罹患している可能性のある患者、罹患患者、または劣性遺伝病対立遺伝子の潜在的な非罹患キャリアから遺伝子試料を得る工程;(b)例えば、RFLP分析において、遺伝子試料をpNKp30ポリヌクレオチドプローブとインキュベートすることによって第1の反応産物を産生する工程であって、ポリヌクレオチドが相補的ポリヌクレオチド配列ハイブリダイズする工程、またはPCR反応において適切なPCR反応条件下で遺伝子試料をセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーとインキュベートすることによって第1の反応産物を産生する工程;(iii)ゲル電気泳動および/または第1の反応産物の視覚化などの他の公知の方法によって、pNKp30ポリヌクレオチドプローブを用いて第1の反応産物を視覚化する工程であって、ポリヌクレオチドが第1の反応の相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズする工程;ならびに(iv)視覚化された第1の反応産物と、野生型患者、または正常個体もしくは対照個体からの遺伝子試料の第2の対照反応産物とを比較する工程を含む。第1の反応産物と対照反応産物との差は、罹患患者もしくは疾患に罹患している可能性のある患者における遺伝子異常、または非罹患患者の場合、ヘテロ接合性劣性キャリア表現型の存在、または罹患患者からの腫瘍における遺伝子欠陥の存在、または胎児もしくは着床前胚における遺伝子異常の存在を示している。例えば、制限断片パターンPCR産物の長さ、pNKp30遺伝子座における反復配列の長さなどの違いは、正常な野生型対照と比較した遺伝子異常、遺伝子異常性、または対立遺伝子の違いを示している。対照は、試験および試料入手可能性に応じて非罹患の家族または血縁関係のない個体からのものでよい。本発明の中で用いられる遺伝子試料には、患者からの任意の組織または他の生物学的試料から単離されたゲノムDNA、mRNA、およびcDNAが含まれる。生物学的試料には、血液、唾液精液胚細胞羊水などが含まれるが、これに限定されない。ポリヌクレオチドプローブまたはプライマーはRNAまたはDNAでもよく、SEQ ID NO:1の一部、SEQ ID NO:1の相補体、またはそのRNA等価物を含む。ヒト疾患表現型に対する遺伝連鎖分析を示す、このような方法は、当技術分野において周知である。診断におけるPCRに基づく方法の参考文献については、一般的には、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Press, Inc. 1991)、White (ed.), PCR Protocols: Current Methodsand Applications (Humana Press, Inc. 1993)、Cotter (ed.), Molecular Diagnosis of Cancer (Humana Press, Inc. 1996)、Hanausek and Walaszek (eds.), Tumor Marker Protocols (Humana Press, Inc. 1998)、Lo (ed.), Clinical Applications of PCR (Humana Press, Inc. 1998)、およびMeltzer (ed.), PCR in Bioanalysis (Humana Press, Inc. 1998)を参照されたい。

0070

pNKp30遺伝子座に関連する突然変異は、本発明の核酸分子を使用し、直接的な突然変異分析のための標準的な方法、例えば、制限断片長多型分析、PCR法を用いた短いタンデム反復分析、ARMS(amplification-refractory mutation system)分析、一本鎖高次構造多型検出、RNase切断法変性勾配ゲル電気泳動蛍光補助ミスマッチ(fluorescence-assisted mismatch)分析、および当技術分野において公知の他の遺伝子分析を用いることによって検出することができる(例えば、Mathew (ed.), Protocols in Human Molecular Genetics (Humana Press, Inc. 1991)、Marian, Chest 108:255 (1995、Coleman and Tsongalis, Molecular Diagnostics (Human Press, Inc. 1996)、Elles (ed.) Molecular Diagnosis of Genetic Diseases (Humana Press, Inc. 1996)、Landegren (ed.), Laboratory Protocols for Mutation Detection (Oxford University Press 1996)、Birren et al. (eds.), Genome Analysis, Vol. 2: Detecting Genes (Cold Spring Harbor Laboratory Press 1998)、Dracopoli et al. (eds.), Current Protocols in Human Genetics (John Wiley & Sons 1998)、およびRichards and Ward, 「Molecular Diagnostic Testing」, Principles of Molecular Medicine, 83〜88頁(Humana Press, Inc. 1998)を参照されたい)。pNKp30遺伝子の突然変異の直接分析は、被験体のゲノムDNAを用いて実施することができる。例えば、末梢血リンパ球から得られたゲノムDNAを増幅する方法は当業者に周知である(例えば、Dracopoli et al. (eds.), Current Protocols in Human Genetics, 7.1.6〜7.1.7頁(John Wiley & Sons 1998)を参照されたい)。

0071

本発明は、他の種に由来するポリペプチド対応物およびポリヌクレオチド対応物(オルソログ)をさらに提供する。これらの種は、哺乳動物、鳥類両生類爬虫類魚類昆虫、ならびに他の脊椎動物種および無脊椎動物種を含むが、これに限定されない。特に関心があるものは、マウス、ブタヒツジウシイヌネコウマ、および他の霊長類ポリペプチドを含む他の哺乳動物種に由来するpNKp30ポリペプチドである。ヒトpNKp30オルソログは、本発明によって提供される情報および組成物と、従来のクローニング技法を用いてクローニングすることができる。例えば、cDNAは、本明細書において開示されるpNKp30を発現する組織または細胞タイプから得られるmRNAを用いてクローニングすることができる。適切なmRNA供給源は、本明細書において開示された配列から設計されたプローブを用いて、ノーザンブロットをプローブすることによって特定することができる。次いで、陽性の組織または細胞株のmRNAからライブラリーが調製される。次いで、完全なもしくは部分的なヒトcDNAまたは開示された配列に基づく1つもしくは複数の縮重プローブセットを用いてプローブするなど様々な方法によって、pNKp30コードcDNAを単離することができる。cDNAはまた、PCR(Mullis、前記)を用いて、本明細書において開示された代表的なヒトpNKp30配列から設計されたプライマーを用いてクローニングすることもできる。さらなる方法の中では、cDNAライブラリーを使用して、宿主細胞を形質転換およびトランスフェクトすることができ、pNKp30ポリペプチドに対する抗体を用いて、関心対象のcDNAの発現を検出することができる。同様の技法をゲノムクローンの単離にも適用することができる。

0072

当業者であれば、SEQID NO:2、SEQ ID NO:4、およびSEQ ID NO:6に開示される配列がヒトpNKp30の対立遺伝子である可能性が高く、対立遺伝子の変化および選択的スプライシングが生じうることを認識すると考えられる。この配列の対立遺伝子変異体は、標準的な手順に従って、様々な個体からのcDNAライブラリーまたはゲノムライブラリーをプローブすることによってクローニングすることができる。サイレント突然変異を含むもの、および突然変異によってアミノ酸配列が変化するものを含む、SEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:4に示したDNA配列の対立遺伝子変異体は本発明の範囲内であり、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、またはSEQ ID NO:8の対立遺伝子変異体であるタンパク質も同様である。pNKp30ポリペプチドの特性を保持している、選択的にスプライスされたmRNAから作成されたcDNAは本発明の範囲内に含まれ、このようなcDNAおよびmRNAによってコードされるポリペプチドも同様である。これらの配列の対立遺伝子変異体およびスプライス変異体は、当技術分野において公知の標準的な手順に従って、様々な個体または組織からのcDNAライブラリーまたはゲノムライブラリーをプローブすることによってクローニングすることができる。例えば、前記ならびにSEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:4に示した短い型および長い型の可溶性pNKp30受容体は、pNKp30の対立遺伝子変異体またはスプライス変異体とみなすことができる。

0073

本発明はまた、SEQID NO:1、SEQ ID NO:3、およびこれらのオルソログ、例えば、SEQ ID NO:5およびSEQ ID NO:7のポリペプチドと実質的に類似する、単離されたpNKp30ポリペプチドを提供する。「実質的に類似する」という用語は、示された配列に対して少なくとも32%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%;少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%を超える配列同一性を有するポリペプチドを指すために本明細書において用いられる。このようなポリペプチドは、より好ましくは、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、またはそのオルソログと少なくとも90%同一であり、最も好ましくは95%またはそれ以上同一である。配列同一性のパーセントは従来法によって決定される。例えば、Altschul et al., Bull. Math. Bio. 48: 603-616, 1986およびHenikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 315-319, 1992を参照されたい。簡単に述べると、2つのアミノ酸配列が、アラインメントスコアを最適化するように、ギャップオープニングペナルティ10、ギャップエクステンションペナルティ1、および表4(アミノ酸が標準的な1文字コードによって示されている)に示したHenikoff and Henikoff(同書)の「blosum62」スコアリングマトリクスを用いて整列される。次いで、同一性のパーセントを以下のように計算する。

0074

0075

ポリヌクレオチド分子の配列同一性は、前記で開示した比を用いて類似の方法によって決定される。

0076

当業者であれば、2つのアミノ酸配列を整列するのに利用可能な多くの確立されたアルゴリズムがあることを認識する。Pearson and Lipmanの「FASTA」類似性検索アルゴリズムは、本明細書において開示されるアミノ酸配列と推定変異体pNKp30のアミノ酸配列が共有する同一性のレベルを調べるのに適したタンパク質アラインメント法である。FASTAアルゴリズムは、Pearson and Lipman, Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)およびPearson, Meth. Enzymol. 183:63 (1990)に記載されている。

0077

簡単に述べると、FASTAは、まず最初に、保存的アミノ酸置換、挿入、または欠失を考慮することなく、最高密度の同一性(ktup変数が1の場合)または同一性対(ktup=2の場合)を有する、クエリー配列(例えば、SEQID NO:1またはSEQ ID NO:3)と試験配列が共有する領域を特定することによって配列類似性特徴付ける。次いで、アミノ酸置換マトリクスを用いて、対となる全てのアミノ酸の類似性を比較することによって、最高密度の同一性を有する10個の領域を再びスコア付けし、最高スコアに寄与する残基のみを含めるように領域の末端を「切り落とす(trimmed)」。(配列の長さおよびktup値に基づいて所定の式によって計算された)「カットオフ(cutoff)」値より大きなスコアを有する領域がいくつかある場合には、切り落とされた初期領域をつなげて、ギャップを有する概算のアラインメントを形成できるかどうか確かめるために、領域を調べる。最後に、アミノ酸の挿入および欠失を可能にするNeedleman-Wunsch-Sellersアルゴリズムの修正版(Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48:444 (1970); Sellers, SIAM J. Appl. Math. 26:787 (1974))を用いて、2つのアミノ酸配列の最も高いスコアの領域を整列する。FASTA分析に好ましいパラメータは、ktup=1、ギャップオープニングペナルティ=10、ギャップエクステンションペナルティ=1、および置換マトリクス=BLOSUM62であり、他のパラメータはデフォルトとして設定する。これらのパラメータは、Pearson, Meth. Enzymol. 183:63 (1990)の付録2において説明されたスコアリングマトリクスファイル(「SMATRIX」)を修正することによってFASTAプログラムに導入することができる。

0078

FASTAはまた、前記で開示された比を用いて、核酸分子の配列同一性を決定するのにも使用することができる。ヌクレオチド配列比較の場合、ktup値は1〜6でもよく、好ましくは3〜6、最も好ましくは3であり、他のFASTAプログラムパラメータはデフォルトとして設定する。

0079

BLOSUM62表(表4)は、関連するタンパク質からなる320を超えるグループの高度に保存された領域に相当するタンパク質配列セグメントの約2,000の局所的な複数のアラインメントから得られたアミノ酸置換マトリクスである(Henikoff and Henikoff, Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 89: 315 (1992))。従って、BLOSUM62置換頻度は、本発明のアミノ酸配列に導入され得る保存的アミノ酸置換を規定するのに使用することができる。(以下で議論するように)化学的特性にのみ基づいてアミノ酸置換を設計することが可能であるが、「保存的アミノ酸置換」という言葉は、好ましくは、-1より大きなBLOSUM62値によって表される置換を指している。例えば、アミノ酸置換が0、1、2、または3のBLOSUM62値によって特徴付けられれば、保存的である。この規則によれば、好ましい保存的アミノ酸置換は、1以上(例えば、1、2、または3)のBLOSUM62値によって特徴付けられるのに対して、さらに好ましい保存的アミノ酸置換は、2以上(例えば、2または3)のBLOSUM62値によって特徴付けられる。

0080

変異体pNKp30ポリペプチドまたは実質的に相同なpNKp30ポリペプチドは、1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失、または付加を有すると特徴付けられる。これらの変化は、好ましくは、軽微性質の変化、すなわち、保存的アミノ酸置換(表5を参照されたい)およびポリペプチドのフォールディングまたは活性に重大な影響を及ぼさない他の置換;少量の欠失、典型的には、1〜約30アミノ酸の欠失;および少量のアミノ末端伸長もしくはカルボキシル末端伸長、例えば、アミノ末端メチオニン残基、約20〜25残基までの小さなリンカーペプチド、またはアフィニティタグである。従って、本発明は、タグ、伸張、リンカー配列などを除く、SEQID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5の対応する領域に対して少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%またはそれ以上同一の配列を含むポリペプチドを含む。アフィニティタグを含むポリペプチドは、pNKp30ポリペプチドとアフィニティタグの間にタンパク質分解切断部位をさらに含んでもよい。適切な部位には、トロンビン切断部位およびXa因子切断部位が含まれる。

0081

(表5)
保存的アミノ酸置換
塩基性:
アルギニン
リジン
ヒスチジン
酸性:
グルタミン酸
アスパラギン酸
極性:
グルタミン
アスパラギン
疎水性:
ロイシン
イソロイシン
バリン
芳香族:
フェニルアラニン
トリプトファン
チロシン
小型:
グリシン
アラニン
セリン
スレオニン
メチオニン

0082

さらに、本発明は、様々な他のポリペプチド融合、および1つまたは複数のポリペプチド融合を含む関連タンパク質を提供する。例えば、pNKp30ポリペプチドは、米国特許第5,155,027号および同第5,567,584号に開示される二量体化タンパク質との融合として調製することができる。この点に関して好ましい二量体化タンパク質には免疫グロブリン定常領域ドメインが含まれる。免疫グロブリン-pNKp30ポリペプチド融合は、様々なpNKp30類似体を産生するように遺伝子操作された細胞において発現させることができる。pNKp30ポリペプチドを特定の細胞、組織、または高分子(例えば、コラーゲン)に標的化するために、補助ドメインをpNKp30ポリペプチドに融合することができる。pNKp30ポリペプチドを、2つまたはそれ以上の部分、例えば、精製用のアフィニティタグおよび標的化ドメインに融合することができる。ポリペプチド融合はまた1つまたは複数の切断部位を含んでもよく、特にドメインの間に1つまたは複数の切断部位を含んでもよい。Tuan et al., Connective Tissue Research 34:1-9, 1996を参照されたい。さらに、可溶性分子はアフィニティタグをさらに含んでもよい。アフィニティタグは、例えば、ポリヒスチジン、プロテインA、グルタチオンSトランスフェラーゼ、Glu-Glu、サブスタンスP、Flag(商標)ペプチド、ストレプトアビジン結合ペプチド、および免疫グロブリンFcポリペプチドの群より選択されるタグでもよい。

0083

本発明のタンパク質はまた非天然アミノ酸残基も含んでよい。非天然アミノ酸には、trans-3-メチルプロリン、2,4-メタノプロリン、cis-4-ヒドロキシプロリン、trans-4-ヒドロキシプロリン、N-メチルグリシンアロスレオニン、メチルスレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステインニトログルタミン、ホモグルタミンピペコリン酸チアゾリジンカルボン酸デヒドロプロリン、3-および4-メチルプロリン、3,3-ジメチルプロリン、tert-ロイシン、ノルバリン、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、ならびに4-フルオロフェニルアラニンが含まれるが、それに限定されるわけではない。非天然アミノ酸残基をタンパク質に組み込むための、いくつかの方法が当技術分野において公知である。例えば、化学的アミノアシル化されたサプレッサーtRNAを用いてナンセンス突然変異が抑制されるインビトロ系を使用することができる。アミノ酸を合成する方法およびtRNAをアミノアシル化する方法は当技術分野において公知である。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写および翻訳は、大腸菌S30抽出物ならびに市販の酵素および他の試薬を含む無細胞系において行われる。タンパク質はクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Robertson et al., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman et al., MethodsEnzymol. 202:301, 1991; Chung et al., Science 259:806-9, 1993;およびChung et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:10145-9, 1993)を参照されたい。第2の方法では、アフリカツメガエル(Xenopus)卵母細胞において、突然変異mRNAおよび化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAをマイクロインジェクションすることによって、翻訳が行われる(Turcatti et al., J. Biol. Chem. 271:19991-8, 1996)。第3の方法では、置換しようとする天然アミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の非存在下および望ましい非天然アミノ酸(例えば、2-アザフェニルアラニン、3-アザフェニルアラニン、4-アザフェニルアラニン、または4-フルオロフェニルアラニン)の存在下で、大腸菌細胞が培養される。非天然アミノ酸は、その天然対応物の代わりにタンパク質に組み込まれる。Koide et al., Biochem. 33:7470-7476, 1994を参照されたい。インビトロ化学修飾によって天然アミノ酸残基を非天然種に変換することができる。置換の範囲をさらに広げるために、化学修飾と部位特異的突然変異誘発を組み合わせることができる(Wynn and Richards, Protein Sci.2:395-403, 1993)。

0084

pNKp30アミノ酸残基の代わりに、限られた数の非保存的アミノ酸、遺伝コードによってコードされないアミノ酸、非天然アミノ酸、および人為的なアミノ酸を用いてもよい。

0085

本発明のポリペプチドにおける必須のアミノ酸は、当技術分野において公知の手順、例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニンスキャニング突然変異誘発に従って特定することができる(Cunningham and Wells, Science 244: 1081-5, 1989; Bass et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:4498-322, 1991)。後者の技法では、1つのアラニン突然変異を分子の残基ごとに導入し、結果として得られた突然変異体分子を、分子の活性に重要なアミノ酸残基を特定するために、以下で開示するように生物学的活性(例えば、リガンド結合およびシグナル伝達)について試験する。Hilton et al., J. Biol. Chem. 271:4699-4708, 1996も参照されたい。リガンド-受容体相互作用、タンパク質-タンパク質相互作用、または他の生物学的相互作用の部位もまた、核磁気共鳴クリスタログラフィー、電子回折、または光親和性標識などの技法によって決定される物理的構造分析と、推定接触部位アミノ酸の突然変異を組み合わせて決定することができる。例えば、de Vos et al., Science 255:306-312, 1992; Smith et al., J. Mol. Biol. 224:899-904, 1992; Wlodaver et al., FEBSLett. 309:59-64, 1992を参照されたい。必須のアミノ酸の同一性は、関連受容体との相同性分析からも推論することできる。

0086

構造完全性の維持に重要な領域内またはドメイン内のアミノ酸残基を決定することができる。これらの領域内で、変化にある程度寛容性があり、分子の三次構造全体を維持する特定の残基を決定することができる。配列構造を分析する方法には、アミノ酸同一性またはヌクレオチド同一性の高い複数の配列のアラインメント、および利用可能なソフトウェア(例えば、Insight(登録商標)ビューアおよびホモロジーモデリングツール;MSI, San Diego, CA)を用いたコンピュータ分析二次構造傾向、バイナリパターン、相補的パッキング(complementary packing)、および埋め込み極性相互作用(buried polar interaction)(Barton, Current Opin. Struct. Biol. 5:372-376, 1995およびCordes et al., Current Opin. Struct. Biol. 6:3-10, 1996)が含まれるが、これに限定されない。一般的に、分子に対する改変を設計する時、または特定の断片を特定する時には、構造の決定と、改変される分子の活性の評価が伴う。

0087

生物学的活性に必須の高次構造の破壊を最小限にするように、pNKp30ポリペプチドのアミノ酸配列に変化が加えられる。例えば、pNKp30ポリペプチドが1つまたは複数のへリックスを含む場合、コンホメーション変化が重要な機能、例えば、分子とその結合パートナーとの結合を弱めるヘリックス形状および分子の他の成分を破壊しないように、アミノ酸残基に変化が加えられる。アミノ酸配列変化の影響は、例えば、前記で開示されたようにコンピュータモデリングによって予測されてもよく、または結晶構造分析によって決定されるように予測されてもよい(例えば、Lapthorn et al., Nat. Struct. Biol. 2:266-268, 1995を参照されたい)。当技術分野において周知の他の技法は、変異体タンパク質のフォールディングと標準分子(例えば、ネイティブなタンパク質)のフォールディングを比較する。例えば、変異体分子のシステインパターンと標準分子のシステインパターンとを比較することができる。質量分析、ならびに還元およびアルキル化を用いた化学修飾によって、ジスルフィド結合と関連する、またはこのような結合を含まないシステイン残基を決定する方法が得られる(Bean et al., Anal. Biochem. 201:216-226, 1992; Gray, Protein Sci. 2:1732-1748, 1993;およびPatterson et al., Anal. Chem. 66:3727-3732, 1994)。改変された分子は、標準的な分子フォールディングと同じジスルフィド結合パターンを有さなければ影響を受けないと一般的に考えられている。別の周知の、一般に許容されたフォールディング測定法は、円二色性(CD)である。改変された分子および標準分子が生じるCDスペクトルの測定および比較は日常的なものである(Johnson, Protein 7:205-214, 1990)。クリスタログラフィーは、フォールディングおよび構造を分析する別の周知の方法である。核磁気共鳴(NMR)、消化ペプチドマッピング、およびエピトープマッピングもまた、フォールディングならびにタンパク質およびポリペプチド間の構造類似性を分析する公知の方法である(Schaanan et al., Science 257:961-964, 1992)。

0088

SEQID NO:2、SEQ ID NO:4、またはSEQ ID NO:6に示したpNKp30タンパク質配列のHopp/Woods親水性プロファイルを作成することができる(Hopp et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 78:3824-3828, 1981; Hopp, J. Immun. Meth. 88:1-18, 1986、およびTriquier et al., Protein Engineering 11:153-169, 1998)。このプロファイルは、スライドする6残基ウィンドウに基づいている。埋もれているG残基、S残基、およびT残基、ならびに露出しているH残基、Y残基、およびW残基は無視した。pNKp30の場合、上位の抗原性位置は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、およびSEQ ID NO:6の、アミノ酸63、98、126、127、および128にあった。

0089

当業者であれば、構造プロファイル全体および生物学的プロファイル全体を破壊しないように、pNKp30ポリペプチドのアミノ酸配列への改変を設計する場合に、親水性または疎水性が考慮に入れられることを認識すると考えられる。置換について特に関心があるものは、Val、Leu、およびIleからなる群またはMet、Gly、Ser、Ala、Tyr、およびTrpからなる群より選択される疎水性残基である。しかしながら、システイン残基は、比較的、置換を受け入れることができない。

0090

必須のアミノ酸の同一性は、他のB7ファミリーメンバーとpNKp30との配列類似性の分析からも推論することができる。前記の「FASTA」分析などの方法を用いて、高類似性の領域がタンパク質ファミリー内で特定され、保存領域のアミノ酸配列を分析するのに用いられる。構造に基づいて変異体pNKp30ポリヌクレオチドを特定する別のアプローチは、潜在的な変異体pNKp30ポリヌクレオチドをコードする核酸分子が、前記のSEQID NO:1またはSEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:5のヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズできるかどうか確かめることである。

0091

本発明のポリペプチドにおける必須のアミノ酸を特定する他の方法は、当技術分野において公知の手順、例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニンスキャニング突然変異誘発である(Cunningham and Wells, Science 244:1081 (1989)、Bass et al., Proc. Natl Acad. Sci. USA 88:4498 (1991)、Coombs and Corey, 「Site-Directed Mutagenesis and Protein Engineering」, Proteins: Analysis and Design, Angeletti (ed.), 259〜311頁(Academic Press, Inc. 1998))。後者の技法では、1つのアラニン突然変異を分子の残基ごとに導入し、結果として得られた突然変異体分子を、分子の活性に重要なアミノ酸残基を特定するために、以下で開示するように生物学的活性について試験する。Hilton et al., J. Biol. Chem. 271:4699 (1996)も参照されたい。

0092

本発明はまた、pNKp30ポリペプチドの機能的断片を含む分子およびこのような機能的断片をコードする核酸分子も含む。本明細書において定義される「機能的な」pNKp30またはその断片は、増殖活性もしくは分化活性を媒介する能力、特殊な細胞機能誘導もしくは阻害する能力、または(可溶性の、もしくは固定化された)抗pNKp30抗体もしくはpNKp30に特異的に結合する能力によって特徴付けられる。さらに、機能的断片はまた、シグナルペプチド、細胞内シグナル伝達ドメインなども含む。従って、本発明は、(a)本明細書に記載の細胞外ドメインサイトカイン結合ドメイン、または細胞内ドメインを含むポリペプチド分子、および(b)これらのドメインの1つまたは複数を含む機能的断片を含む融合タンパク質をさらに提供する。

0093

pNKp30ポリペプチドをコードする核酸分子の機能的断片を得るために、核酸分子の日常的な欠失分析を行うことができる。一例として、SEQID NO:1もしくはSEQ ID NO:3のヌクレオチド配列またはそれらの断片を有するDNA分子をBal31ヌクレアーゼ消化して、一連入れ子状欠失を得ることができる。次いで、これらのDNA断片を発現ベクターに適切な読み枠で挿入し、発現したポリペプチドを単離し、pNKp30活性またはpNKp30抗体に結合する能力について試験する。エキソヌクレアーゼ消化の代替法の1つは、望ましいpNKp30断片の作成を指定するように欠失または停止コドンを導入するオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発を使用することである。あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて、pNKp30ポリヌクレオチドの特定の断片を合成することができる。

0094

機能的ドメインを特定する標準的な方法は当業者に周知である。例えば、Horisberger and Di Marco, Pharmac. Ther. 66:327 (1995)によって、インターフェロンの一端または両端での切断に関する研究がまとめられている。さらに、標準的なタンパク質機能分析法が、例えば、Treuter et al., Molec. Gen. Genet. 240:113 (1993); Content et al., 「Expression and preliminary deletion analysis of the 42 kDa 2-5A synthetase induced by human interferon」, Biological Interferon Systems, Proceedings ofISIR-TNO Meeting on Interferon Systems, Cantell (ed.), 65〜72頁(Nijhoff 1987); Herschman, 「The EGF Receptor」, Control of Animal Cell Proliferation 1, Boynton et al., (eds.) 169〜199頁(Academic Press 1985); Coumailleau et al., J. Biol. Chem. 201:29201 (1995); Fukunaga et al., J. Biol. Chem. 201:25291 (1995); Yamaguchi et al., Biochem. Pharmacol. 32:1295 (1995);およびMeisel et al., Plant Molec. Biol. 30:1 (1996)によって述べられている。

0095

公知の突然変異誘発法およびスクリーニング法、例えば、Reidhaar-Olson and Sauer (Science 241:53-57, 1988)またはBowie and Sauer (Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:2152-2156, 1989)によって開示された突然変異誘発法およびスクリーニング法を用いて、複数のアミノ酸置換を加え、試験することができる。簡単に述べると、これらの著者らは、同時にポリペプチドの2つまたはそれ以上の位置を無作為化し、機能的ポリペプチドを選択し、次いで、各位置での許容可能な置換の範囲を決定するために突然変異誘発ポリペプチドを配列決定する方法を開示している。使用することができる他の方法には、ファージディスプレイ(例えば、Lowman et al., Biochem. 30:10832-10837, 1991; Ladner et al., 米国特許第5,223,409号; Huse, WIPO国際公開公報第92/062045)、および領域特異的突然変異誘発(Derbyshire et al., Gene 46:145, 1986; Ner et al., DNA 7:127, 1988)が含まれる。

0096

開示されたpNKp30DNA配列およびポリペプチド配列の変異体は、Stemmer, Nature 370:389-91, 1994, Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-51, 1994、およびWIPO国際公開公報第97/20078に開示されたDNAシャッフリングによって作成することができる。簡単に述べると、変異体DNAは、親DNAを無作為断片化した後に、PCRを用いて再構築して、無作為に導入された点突然変異を生じさせることによるインビトロ相同組換えによって作成される。この技法は、このプロセスにさらなる変化を導入するために、対立遺伝子変異体または異なる種に由来するDNAなどの親DNAファミリーを用いて変更することができる。望ましい活性の選択またはスクリーニング、それに続く、突然変異誘発およびアッセイ法のさらなる反復は、望ましい突然変異を選択すると同時に有害な変化を排除することによって配列の迅速な「進化」をもたらす。

0097

本明細書において開示された突然変異誘発法は、クローニングされた突然変異誘発pNKp30受容体ポリペプチドの活性を宿主細胞において検出する自動ハイスループットスクリーニング法と組み合わせることができる。この点に関して好ましいアッセイ法には、以下で説明する細胞増殖アッセイ法およびバイオセンサーに基づくリガンド結合アッセイ法が含まれる。活性受容体またはその一部(例えば、リガンド結合断片、シグナル伝達ドメインなど)をコードする突然変異誘発DNA分子を宿主細胞から回収し、現代的な装置を用いて迅速に配列決定することができる。これらの方法は、関心対象のポリペプチドにおける個々のアミノ酸残基の重要性の迅速な決定を可能にし、構造が未知のポリペプチドに適用することができる。

0098

本発明はまた、pNKp30ドメイン、例えば、分泌ドメイン、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内ドメインの1つまたは複数の少なくとも一部を含むセグメントが別のポリペプチド、例えば、CD28、ICOS、PD-1、またはBTLAの細胞外ドメインと融合している新規のB7ファミリーメンバーを提供する。組換え産生系でのキメラ分子の発現を可能にするために、融合は、好ましくは、DNAレベルでのスプライシングによって行われる。次いで、結果として得られた分子は、溶解度の改善、安定性の改善、クリアランス半減期の延長、発現レベルおよび分泌レベルの改善、ならびに薬力学的特性などの特性についてアッセイされる。このようなキメラB7ファミリー分子は、成分タンパク質または成分ポリペプチドの間に、さらなるアミノ酸残基(例えば、ポリペプチドリンカー)をさらに含んでもよい。ドメインリンカーは、約3〜約20アミノ酸長、約5〜15約アミノ酸長、約8〜約12アミノ酸長、および約10アミノ酸長のアミノ酸配列を含んでもよい。リンカー機能の1つは、活性タンパク質領域を分離して、これらの独立した生理活性を促進し、隣接構造からの妨害とは無関係に各領域がその生理活性コンホメーションをとるようにすることである。

0099

本明細書において議論する方法を用いて、当業者であれば、シグナル伝達またはリガンド結合活性を保持している、かつ野生型pNKp30タンパク質のリガンド結合活性を保持している、SEQID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:7の様々なポリペプチド断片または変異体を特定および/または調製することができる。さらに、変異体pNKp30可溶性受容体、例えば、SEQ ID NO:5に示した変異体pNKp30可溶性受容体を単離することができる。このようなポリペプチドは、例えば、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインの一部または全てに由来する、さらなるアミノ酸を含んでもよい。このようなポリペプチドは、本明細書において一般的に開示された、さらなるポリペプチドセグメント、例えば、標識、アフィニティタグなどを含んでもよい。

0100

変異体、可溶性受容体、および融合ポリペプチドまたは融合タンパク質を含む任意のpNKp30ポリペプチドについて、当業者であれば、前記の表1および表2に示した情報を用いて、その変異体をコードする完全縮重ポリヌクレオチド配列を容易に作成することができる。

0101

完全長ポリペプチド、生物学的に活性な断片、および融合ポリペプチドを含む本発明のpNKp30タンパク質は、従来法に従って遺伝子操作宿主細胞において産生することができる。適切な宿主細胞は、外因性DNAで形質転換またはトランスフェクトし、培養増殖することができる細胞タイプであり、細菌、真菌細胞、および培養された高等真核細胞を含む。真核細胞、特に、多細胞生物の培養細胞が好ましい。クローニングされたDNA分子を操作する技法および外因性DNAを様々な宿主細胞に導入する技法が、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989、およびAusubel et al., eds., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Inc., NY, 1987によって開示されている。

0102

本発明はまた、以下の機能的に結合されたエレメント:第1の転写プロモーター、SEQID NO:1と少なくとも90パーセントの配列同一性を有するポリペプチドをコードする第1のDNAセグメントを含む、単離および精製されたDNA分子を含む発現ベクターを提供する。DNA分子は、第1および第2のDNAセグメントに機能的に連結された分泌シグナル配列をさらに含んでもよい。本発明はまた、前記発現ベクターを含む培養細胞を提供する。

0103

一般的に、DNA配列、例えば、pNKp30ポリペプチドをコードするDNA配列は、発現ベクター内で、その発現に必要とされる他の遺伝因子、一般的に、転写プロモーターおよび転写ターミネーターを含む遺伝因子に機能的に連結される。ベクターはまた、一般的に、1つまたは複数の選択マーカーおよび1つまたは複数の複製起点を含むが、当業者であれば、ある特定の系の中で、選択マーカーが別々のベクターに設けられてもよく、外因性DNAの複製は宿主細胞ゲノムへの組込みによってもたらされてもよいことを認識すると考えられる。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー、ベクター、および他のエレメントの選択は、当技術分野の通常の技術の水準内の日常的な設計の事項である。多くのこのようなエレメントは文献において述べられており、市販業者から入手することができる。

0104

例えば、pNKp30ポリペプチドを宿主細胞の分泌経路へ導くために、分泌シグナル配列(リーダー配列プレプロ配列、またはプレ配列としても知られる)が発現ベクターに設けられる。分泌シグナル配列はpNKp30のものでもよく、別の分泌タンパク質(例えば、t-PA)から得られてもよく、新規に合成されてもよい。分泌シグナル配列は、pNKp30DNA配列に機能的に連結される。すなわち、2つの配列は正しい読み枠でつながれ、新たに合成されたポリペプチドを宿主細胞の分泌経路へ導くように配置される。分泌シグナル配列は、一般的に、関心対象のポリペプチドをコードするDNA配列の5'側に配置されるが、ある特定の分泌シグナル配列は、関心対象のDNA配列の他の場所に配置されてもよい(例えば、Welch et al., 米国特許第5,037,716号; Holland et al., 米国特許第5,116,830号を参照されたい)。

0105

あるいは、本発明のポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は、他のポリペプチドを分泌経路へ導くのに用いられる。本発明は、このような融合ポリペプチドを提供する。当技術分野において公知の、および本明細書において開示された方法を用いて、SEQID NO:1、SEQ ID NO:3、およびSEQ ID NO:5のアミノ酸1(Met)〜アミノ酸18から得られる分泌シグナル配列が別のポリペプチドに機能的に連結された、シグナル融合ポリペプチドを作成することができる。本発明の融合ポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は、好ましくは、さらなるペプチドを分泌経路へ導くために、さらなるペプチドのアミノ末端において融合される。このような構築物は、当技術分野において公知の非常に多くの用途を有する。例えば、これらの新規の分泌シグナル配列融合構築物は、通常は非分泌のタンパク質の活性成分の分泌を導くことができる。このような融合は、ペプチドを分泌経路へ導くためにインビボまたはインビトロで用いられてもよい。

0106

哺乳動物培養細胞は本発明の中で適切な宿主である。外因性DNAを哺乳動物宿主細胞に導入する方法には、リン酸カルシウムを介したトランスフェクション(Wigler et al., Cell 14:725, 1978; Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7:603, 1981: Graham and Van der Eb, Virology 52:456, 1973)、エレクトロポレーション(Neumann et al.,EMBO J. 1:841-845, 1982)、DEAE-デキストランを介したトランスフェクション(Ausubel et al.,同書)、およびリポソームを介したトランスフェクション(Hawley-Nelson et al., Focus 15:73, 1993;Ciccarone et al., Focus 15:80, 1993、ならびにウイルスベクター(Miller and Rosman, BioTechniques 7:980-90, 1989; Wang and Finer, Nature Med. 2:714-716, 1996)が含まれる。哺乳動物培養細胞における組換えポリペプチドの産生は、例えば、Levinson et al., 米国特許第4,713,339号; Hagen et al., 米国特許第4,784,932号; Palmiter et al., 米国特許第4,579,821号;およびRingold, 米国特許第4,656,134号によって開示されている。適切な哺乳動物培養細胞には、COS-1(ATCC番号CRL 1632)、COS-7(ATCC番号CRL 1651)、BHK(ATCC番号CRL 1632)、BHK570(ATCC番号CRL 10314)、293(ATCC番号CRL 1573; Graham et al., J. Gen. Virol. 36:59-72, 1977)、およびチャイニーズハムスター卵巣(例えば、CHO-K1; ATCC番号CCL 61)細胞株が含まれる。さらなる適切な細胞株は当技術分野において公知であり、米国菌株保存機関ATCC:American Type Culture Collection, Rockville, Maryland)などの公的な寄託機関から入手することができる。一般的に、SV-40またはサイトメガロウイルスに由来するプロモーターなどの強力な転写プロモーターが好ましい。例えば、米国特許第4,956,288号を参照されたい。他の適切なプロモーターには、メタロチオネイン遺伝子に由来するプロモーター(米国特許第4,579,821号および同第4,601,978号)ならびにアデノウイルス主要後期プロモーターが含まれる。

0107

薬物選択は、一般的に、外来DNAが挿入された哺乳動物培養細胞を選択するのに用いられる。このような細胞は一般的に「トランスフェクタント」と呼ばれる。選択薬剤の存在下で培養され、関心対象の遺伝子を子孫に伝えることができる細胞は「安定なトランスフェクタント」と呼ばれる。好ましい選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性をコードする遺伝子である。選択は、G-418などのネオマイシン型薬物の存在下で行われる。選択系はまた、関心対象の遺伝子の発現レベルを高めるのにも使用することができ、このプロセスは「増幅」と呼ばれる。増幅は、低レベルの選択薬剤の存在下でトランスフェクタントを培養し、次いで、導入された遺伝子の高レベルの産物を産生する細胞を選択するために選択薬剤の量を増やすことによって行われる。好ましい増幅可能な選択マーカーは、メトトレキセート耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。他の薬物耐性遺伝子(例えば、ハイグロマイシン耐性、多剤耐性ピューロマイシンアセチルトランスフェラーゼ)も使用することができる。FACSソーティングまたは磁気ビーズ分離技術などの手段によって非トランスフェクト細胞からトランスフェクト細胞を選別するために、緑色蛍光タンパク質などの変化した表現型、またはCD4、CD8、クラスIMHC胎盤アルカリホスファターゼなどの細胞表面タンパク質を導入する別のマーカーが用いられてもよい。

0108

植物細胞、昆虫細胞、および鳥類細胞を含む他の高等真核細胞も宿主として使用することができる。植物細胞における遺伝子発現用ベクターとしてのアグロバクテリウムリゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)の使用が、Sinkar et al., J. Biosci. (Bangalore) 11:47-58, 1987によって概説されている。昆虫細胞の形質転換および昆虫細胞における外来ポリペプチドの産生が、Guarino et al., 米国特許第5,162,222号およびWIPO国際公開公報第94/06463号によって開示されている。昆虫細胞は、一般的にオートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角体ウイルス(AcNPV)から得られる組換えバキュロウイルスに感染させることができる。King, L.A. and Possee, R.D., The Baculovirus Expression System: A Laboratory Guide, London, Chapman & Hall; O'Reilly, D.R. et al., Baculovirus Expression Vectors: A Laboratory Manual, New York, Oxford University Press., 1994;およびRichardson, C. D., Ed., Baculovirus Expression Protocols. Methods in Molecular Biology, Totowa, NJ, Humana Press, 1995を参照されたい。組換えpNKp30バキュロウイルスを作成する第2の方法は、Luckow (Luckow, V.A, et al., J Virol 67:4566-79, 1993)に記載のトランスポゾンに基づく系を用いる。この系はトランスファーベクターを使用し、Bac-to-Bac(商標)キット(Life Technologies, Rockville, MD)で売られている。この系は、pNKp30ポリペプチドをコードするDNAを、「バクミド」と呼ばれる大きなプラスミドとして大腸菌内で維持されているバキュロウイルスゲノムに動かすために、Tn7トランスポゾンを含有するトランスファーベクターpFastBac1(商標)(Life Technologies)を使用する。Hill-Perkins, M.S. and Possee, R.D., J Gen Virol 71:971-6, 1990; Bonning, B.C. et al., J Gen Virol 75:1551-6, 1994;およびChazenbalk, G.D., and Rapoport, B., J Biol Chem 201:1516-9, 1995を参照されたい。さらに、トランスファーベクターは、発現されるpNKp30ポリペプチドのC末端またはN末端において、エピトープタグ、例えば、Glu-GluエピトープタグをコードするDNAとのインフレーム融合を含んでもよい(Grussenmeyer, T. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 82:7952-4, 1985)。当技術分野において公知の技法を用いて、pNKp30を含有するトランスファーベクターは形質転換によって大腸菌に導入され、組換えバキュロウイルスを示す中断lacZ遺伝子を含有するバクミドについてスクリーニングされる。組換えバキュロウイルスゲノムを含有するバクミドDNAは一般的な方法を用いて単離され、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞、例えば、Sf9細胞をトランスフェクトするのに用いられる。その後に、pNKp30を発現する組換えウイルスが産生される。組換えウイルスストックは、当技術分野において一般的に用いられる方法によって作成される。

0109

組換えウイルスは、宿主細胞、典型的に、ツマジロクサヨトウ(fall armyworm)、すなわちスポドプテラ・フルギペルダに由来する細胞株に感染させるのに用いられる。一般的には、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology: Principles and Applications of Recombinant DNA, ASMPress, Washington, D.C. 1994を参照されたい。別の適切な細胞株は、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)に由来するHigh FiveO(商標)細胞株(Invitrogen)である(米国特許第5,300,165号)。細胞を増殖および維持するために市販の無血清培地が用いられる。適切な培地は、Sf9細胞用にはSf900II(商標)(Life Technologies)またはESF921(商標)(Expression Systems);およびイラクサギンウワバ細胞用にはEx-cellO405(商標)(JRH Biosciences, Lenexa, KS)またはExpress FiveO(商標)(Life Technologies)である。使用される手順は、利用可能な実験マニュアル(King, L. A. and Possee, R.D.,同書; O'Reilly, D.R. et al., 同書; Richardson, C. D., 同書)に概説されている。続いて、本明細書に記載の方法を用いて、上清からpNKp30ポリペプチドを精製することができる。

0110

酵母細胞を含む真菌細胞も本発明の中で使用することができる。この点に関して特に関心のある酵母種には、サッカロマイセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピチアパストリス(Pichia pastoris)、およびピチア・メタノリカ(Pichia methanolica)が含まれる。サッカロマイセス・セレビシエ細胞を外因性DNAで形質転換し、組換えポリペプチドを産生する方法は、例えば、Kawasaki, 米国特許第4,599,311号; Kawasaki et al., 米国特許第4,931,373号; Brake, 米国特許第4,870,008号; Welch et al., 米国特許第5,037,716号;およびMurray et al., 米国特許第4,845,075号に開示されている。形質転換細胞は、選択マーカーによって決定される表現型、一般的に、薬物耐性または特定の栄養素(例えば、ロイシン)の非存在下で増殖する能力によって選択される。サッカロマイセス・セレビシエにおいて使用するのに好ましいベクター系は、Kawasaki et al. (米国特許第4,931,373号)によって開示されたPOT1ベクター系である。POT1ベクター系を用いると、形質転換細胞を、グルコース含有培地において増殖させることによって選択することが可能になる。酵母において使用するのに適したプロモーターおよびターミネーターには、解糖酵素遺伝子に由来するプロモーターおよびターミネーター(例えば、Kawasaki, 米国特許第4,599,311号;Kingsman et al., 米国特許第4,615,974号;およびBitter, 米国特許第4,977,092号を参照されたい)、ならびにアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子に由来するプロモーターおよびターミネーターが含まれる。米国特許第4,990,446号;同第5,063,154号;同第5,139,936号、および同第4,661,454号も参照されたい。ハンセヌラポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカロミセスポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis)、ウスティラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ピチア・パストリス、ピチア・メタノリカ、ピチア・グイレルモンジ(Pichia guillermondii)、およびカンジタ・マルトサ(Candida maltosa)を含む他の酵母の形質転換系は当技術分野において公知である。例えば、Gleeson et al., J. Gen. Microbiol. 132:3459-3465, 1986、およびCregg, 米国特許第4,882,279号を参照されたい。McKnight et al., 米国特許第4,935,349号の方法に従って、アスペルギルス属(Aspergillus)細胞が用いられてもよい。Sumino et al., 米国特許第5,162,228号によって、アクレモニウムクリソゲナム(Acremonium chrysogenum)を形質転換する方法が開示されている。Lambowitz, 米国特許第4,486,533号によって、パンカビ属(Neurospora)を形質転換する方法が開示されている。

0111

組換えタンパク質を産生するための宿主としてピチア・メタノリカを使用することが、WIPO国際公開公報第97/17432号、国際公開公報第97/17451号、国際公開公報第98/02536号、および国際公開公報第98/02565号に開示されている。ピチア・メタノリカの形質転換に使用するためのDNA分子は、一般的に、二本鎖環状プラスミドとして調製される。この二本鎖環状プラスミドは、好ましくは、形質転換前に直線化される。ピチア・メタノリカにおけるポリペプチド産生のために、プラスミド内のプロモーターおよびターミネーターは、ピチア・メタノリカ遺伝子、例えば、ピチア・メタノリカのアルコール利用遺伝子(AUG1またはAUG2)のプロモーターおよびターミネーターであることが好ましい。他の有用なプロモーターには、ジヒドロキシアセトン合成酵素(DHAS)遺伝子、ギ酸デヒドロゲナーゼ(FMD)遺伝子、およびカタラーゼ(CAT)遺伝子のプロモーターが含まれる。宿主染色体へのDNAの組込みを容易にするために、プラスミドの発現セグメント全体の両端に宿主DNA配列が隣接していることが好ましい。ピチア・メタノリカにおける使用に好ましい選択マーカーは、ホスホリボシル-5-アミノイミダゾールカルボキシラーゼ(AIRC;EC4.1.1.21)をコードするピチア・メタノリカADE2遺伝子である。ピチア・メタノリカADE2遺伝子がにより、ade2宿主細胞がアデニンの非存在下で増殖することが可能になる。メタノールの使用を最小限にすることが望ましい大規模産業プロセスの場合、メタノール利用遺伝子(AUG1およびAUG2)が欠失した宿主細胞を使用することが好ましい。分泌タンパク質の産生の場合、液胞プロテアーゼ遺伝子(PEP4およびPRB1)が欠損している宿主細胞が好ましい。関心対象のポリペプチドをコードするDNAを含むプラスミドの、ピチア・メタノリカ細胞への導入を容易にするために、エレクトロポレーションが用いられる。電界強度2.5〜4.5kV/cm、好ましくは約3.75kV/cm、時定数(t)1〜40ミリ秒、最も好ましくは約20ミリ秒の指数関数的に減衰するパルス電界を用いたエレクトロポレーションによって、ピチア・メタノリカ細胞を形質転換することが好ましい。

0112

細菌大腸菌、バチルス属(Bacillus)、および他の属の株を含む原核生物宿主細胞もまた本発明の中で有用な宿主細胞である。これらの宿主を形質転換し、宿主内にクローニングされた外来DNA配列を発現させる技法は当技術分野において周知である(例えば、Sambrook et al.,同書を参照されたい)。大腸菌などの細菌においてpNKp30ポリペプチドを発現させる時、ポリペプチドは細胞質内に、典型的には、不溶性顆粒として保持されてもよく、細菌分泌配列によって細胞周辺腔へ導かれてもよい。前者の場合、細胞は溶解され、顆粒は回収されて例えば、グアニジンイソチオシアネートまたは尿素を用いて変性される。次いで、変性されたポリペプチドは、変性剤希釈によって、例えば、尿素ならびに還元型グルタチオンおよび酸化型グルタチオンの組み合わせの溶液に対する透析、それに続く緩衝生理食塩溶液に対する透析によってリフォールディングおよび二量体化することができる。後者の場合、ポリペプチドは、細胞周辺腔の内容物を放出させるために(例えば、超音波処理または浸透圧衝撃によって)細胞を破壊し、タンパク質を回収して、変性およびリフォールディングの必要を無くすことによって、可溶性かつ機能的な形状で細胞周辺腔から回収することができる。

0113

形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞は、選択された宿主細胞の増殖に必要な栄養素および他の成分を含有する培地において従来の手順に従って培養される。合成培地(defined media)および0020複合培地を含む適切な様々な培地が当技術分野において公知であり、一般的に、炭素源窒素源必須アミノ酸ビタミン、および無機質を含む。培地はまた、必要に応じて、増殖因子または血清などの成分を含んでもよい。増殖培地は、一般的に、外因的に添加されたDNAを含む細胞を、例えば、発現ベクターが有する選択マーカーによって補われる、または宿主細胞に同時トランスフェクトされた、薬物選択または必須栄養素欠乏によって選択する。ピチア・メタノリカ細胞は、炭素窒素、および微量栄養素の適切な供給源を含む培地において、約25℃〜35℃の温度で培養される。液体培養には、小型のフラスコ振盪またはファーメンタースパージ(sparging)などの従来の手段によって十分な通気がなされる。ピチア・メタノリカに好ましい培地は、YEPD(2%D-グルコース、2%Bacto(商標)ペプトン(Difco Laboratories, Detroit,MI)、1%Bacto(商標)酵母抽出物(Difco Laboratories)、0.004%アデニン、および0.006%L-ロイシン)である。

0114

本発明の1つの局面の中で、pNKp30分子(膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを含む)は培養細胞によって産生され、細胞は、天然リガンド(SEQID NO:2)を含む受容体リガンドならびに天然リガンドのアゴニストおよびアンタゴニストについてスクリーニングするのに用いられる。このアプローチをまとめるために、受容体をコードするcDNAまたは遺伝子を、その発現に必要とされる他の遺伝因子(例えば、転写プロモーター)と組み合わせ、結果として生じた発現ベクターを宿主細胞に挿入する。DNAを発現し、機能的受容体を産生する細胞を選択し、様々なスクリーニング系の中で使用する。

0115

本発明の新規の受容体の発現および受容体を介したシグナルの伝達において使用するのに適した哺乳動物細胞には、βサブユニット、例えば、gp130を発現する細胞、ならびにgp130およびLIF受容体の両方を同時発現する細胞が含まれる(Gearing et al.,EMBO J. 10:2839-2848, 1991; Gearing et al., 米国特許第5,284,755号)。この点に関して、一般的に、同じサブファミリーの受容体に結合する他のサイトカイン、例えば、IL-6またはLIFに応答する細胞を使用することが好ましい。なぜなら、このような細胞は、必要なシグナル伝達経路を含んでいるためである。このタイプの好ましい細胞には、BaF3細胞(Palacios and Steinmetz, Cell 41: 727-734, 1985; Mathey-Prevot et al., Mol. Cell. Biol. 6: 4133-4135, 1986)、ヒトTF-1細胞株(ATCC番号CRL-2003)、およびDA-1細胞株(Branch et al., Blood 69:1782, 1987; Broudy et al., Blood 75:1622-1626, 1990)が含まれる。代替法では、β-サブユニットまたは望ましい細胞応答に必要な他の細胞成分を産生するように、適切な宿主細胞を操作することができる。例えば、マウス細胞株BaF3(Palacios and Steinmetz, Cell 41:727-734, 1985; Mathey-Prevot et al., Mol. Cell. Biol. 6: 4133-4135, 1986)、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞株、またはCTLL-2細胞株(ATCCTIB-214)を、pNKp30に加えてマウスgp130サブユニット、またはマウスgp130およびLIF受容体を発現するようにトランスフェクトすることができる。一般的に、同じ種に由来する宿主細胞および受容体を使用することが好ましい。しかしながら、このアプローチを用いると、任意の種に由来する複数の種類の受容体サブユニットを発現するように細胞株を操作することが可能になり、それによって、種特異性から生じる潜在的な限界が克服される。代替法では、ヒト受容体cDNAの種ホモログをクローニングし、同じ種に由来する細胞株内で、例えば、マウスcDNAをBaF3細胞株において使用することができる。従って、IL-3などの造血成長因子に依存する細胞株を、pNKp30依存性および/または抗pNKp30抗体依存性になるように操作することができる。

0116

スクリーニングアッセイ法において、機能的pNKp30を発現する細胞が用いられる。様々な適切なアッセイ法が当技術分野において公知である。これらのアッセイ法は、標的細胞における生物学的応答の検出に基づいている。このようなアッセイ法の1つが細胞増殖アッセイ法である。細胞を試験化合物の存在下および非存在下で培養し、細胞増殖を、例えば、トリチウム標識チミジンの取り込みを測定することによって、またはAlymar Blue(商標)(AccuMed, Chicago,IL)もしくは3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)(Mosman, J. Immunol. Meth. 65:55-63, 1983)の還元もしくは代謝的分解に基づく比色アッセイ法によって検出する。代替のアッセイ法形式では、レポーター遺伝子を発現するようにさらに操作された細胞が用いられる。レポーター遺伝子は受容体関連経路に応答性プロモーターエレメントと連結され、アッセイ法は、レポーター遺伝子の転写の活性化を検出する。この点に関して好ましいプロモーターエレメントは、血清応答性エレメントSTATまたはSREである(例えば、Shaw et al., Cell 56:563-572, 1989を参照されたい)。好ましいこのようなレポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ遺伝子(de Wet et al., Mol. Cell. Biol. 7:725, 1987)である。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、当技術分野において公知の方法を用いて発光によって検出される(例えば、Baumgartner et al., J. Biol. Chem. 269:19094-29101, 1994; Schenborn and Goiffin, Promega Notes 41:11, 1993)。ルシフェラーゼアッセイ法キットは、例えば、Promega Corp., Madison, WIから市販されている。このタイプの標的細胞株は、化学物質、細胞条件培地真菌ブロス土壌試料水試料などのライブラリーをスクリーニングするのに使用することができる。例えば、リガンドを産生する細胞を特定するために、標的細胞において細胞条件培地試料バンクまたは組織条件培地試料バンクをアッセイすることができる。次いで、陽性細胞を用いて、哺乳動物細胞発現ベクターの中にcDNAライブラリーを作成し、cDNAライブラリーを複数のプールに分け、宿主細胞にトランスフェクトし、発現させる。次いで、トランスフェクトされた細胞からの培地試料をアッセイし、その後に、複数のプールに分け、再度、トランスフェクトし、サブクローニングし、クローン細胞株を単離するために陽性細胞を再アッセイする。腎臓、肝臓、脾臓、胸腺、他のリンパ組織、またはT細胞によって改良された培地試料が、スクリーニング手順における使用に好ましい供給源である。

0117

さらに、pNKp30共刺激分子を単離するために、pNKp30可溶性受容体を用いた分泌トラップ法(secretion trap method)を使用することができる(Aldrich, et al, Cell 87: 1161-1169, 1996)。公知の、または疑わしい共刺激分子供給源から調製されたcDNA発現ライブラリーをCOS-7細胞にトランスフェクトする。このcDNAライブラリーベクターは、一般的に、COS-7細胞のSV40増幅起点、および高発現のためのCMVプロモーターを有する。トランスフェクトされたCOS-7細胞を単層において増殖させ、次いで、固定し、透過処理する。次いで、本明細書に記載のタグ化またはビオチン標識pNKp30可溶性分子を細胞層と接触させ、抗相補分子を発現する単層内の細胞に結合させる。従って、共刺激分子を発現する細胞はpNKp30に結合する。タグ化またはビオチン標識pNKp30可溶性分子が結合しているこれらの細胞を視覚化するために、西ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と結合している抗タグ抗体(Ig融合の場合、抗Ig;FLAGタグ化融合の場合、M2または抗FLAG;ストレプトアビジン;抗Glu-Gluタグなど)が用いられる。HRPは、チラミド試薬、例えば、チラミド-FTTC沈着触媒する。この検出には、市販のキットを使用することができる(例えば、RenaissanceTSA-Direct(商標)キット;NENLife Science Products, Boston, MA)。pNKp30分子を発現する細胞は、蛍光顕微鏡下で緑色細胞として特定され、続いて、Aldrich, et al, 前記に概説されるようなプラスミドレスキュー手順を用いてリガンドをクローニングするために採取され、次に、シングルクローンが特定されるまで、後続の回の分泌トラップアッセイ法、またはcDNAライブラリープールの従来のスクリーニングが行われる。

0118

受容体複合体として、受容体結合およびその後の生理学的細胞応答に関連する細胞外酸性化率またはプロトン排出を測定する、ケイ素ベースとするバイオセンサーであるマイクロフィジオメーターによって、pNKp30ポリペプチドの活性を測定することができる。例示的な装置は、Molecular Device, Sunnyvale, CA製のCytosensor(商標) マイクロフィジオメーターである。この方法によって、細胞増殖、イオン輸送エネルギー生産、炎症応答、調節活性化および受容体活性化などの様々な細胞応答を測定することができる。例えば、McConnell, H.M. et al., Science 257:1906-1912, 1992; Pitchford, S. et al., Meth. Enzymol. 228:84-108, 1997; Arimilli, S. et al., J. immunol. Meth. 212:49-59, 1998; Van Liefde, I. Et al., Eur. J. Pharmacol. 346:87-95, 1998を参照されたい。マイクロフィジオメーターは、真核細胞、原核細胞付着細胞、または非付着細胞をアッセイするのに使用することができる。マイクロフィジオメーターは、細胞培地の細胞外酸性化変化を経時測定することによって、pNKp30ポリペプチドのアゴニスト、リガンド、またはアンタゴニストを含む様々な刺激に対する細胞応答を直接測定する。好ましくは、マイクロフィジオメーターは、pNKp30ポリペプチドを発現しない対照真核細胞と比較して、pNKp30発現真核細胞の応答を測定するのに用いられる。PNKP30発現真核細胞は、本明細書に記載のように、pNKp30調整刺激に応答する細胞を生じるように、アデノウイルスベクターなどを介してpNKp30がトランスフェクトされた、またはpNKp30に感染した細胞を含むか、リンパ、脾臓、胸腺組織、またはPBLに由来するpNKp30発現細胞などのpNKp30を天然に発現する細胞である。細胞外酸性化の増加または減少によって測定される、pNKp30発現細胞の応答における対照との違いは、pNKp30によって調整される細胞応答を直接測定したものである。さらに、このようなpNKp30によって調整される応答は様々な刺激の下でアッセイすることができる。また、マイクロフィジオメーターを使用すると、pNKp30サイトカイン受容体のアゴニストおよびアンタゴニストを特定する方法が提供される。この方法は、pNKp30サイトカイン受容体発現細胞を得る工程、細胞の第1の部分を試験化合物の非存在下で培養する工程、細胞の第2の部分を試験化合物の存在下で培養する工程、および細胞の第1の部分と比較した細胞の第2の部分の細胞応答の増加または減少を検出する工程を含む。pNKp30サイトカイン受容体の天然リガンドを含むアンタゴニストおよびアゴニストは、この方法を用いて迅速に特定することができる。

0119

pNKp30分子は、免疫グロブリン重鎖定常領域、典型的には、Fc断片との融合として発現させることができる。Fc断片は、2つの定常領域ドメインを含み、可変領域を欠いている。このような融合を調製する方法は、米国特許第5,155,027号および同第5,567,584号に開示されている。このような融合は、典型的に、Fc部分が互いとジスルフィド結合し、2つの非Igポリペプチドが互いに密接して並べられている分子として分泌される。このタイプの融合は、例えば、二量体化、安定性の増大およびインビボ半減期の延長のために、アフィニティ精製のために、ならびにインビトロアッセイ法ツールまたはアンタゴニストとして、使用することができる。アッセイ法において使用するために、キメラはFc領域を介して支持体に結合され、ELISA形式で用いられる。

0120

本発明はまた、本明細書に記載のポリペプチド、または分子の少なくとも一部に特異的に結合する抗体を提供する。

0121

pNKp30タンパク質はまた、そのエピトープ、ペプチド、またはポリペプチドに結合する抗体を調製するのに使用することができる。分子またはその断片は、動物に接種し、免疫応答を誘発するための抗原(免疫原)として役立つ。当業者であれば、抗原性エピトープを有するポリペプチドが、pNKp30(SEQID NO:1)などのタンパク質のポリペプチドの少なくとも6個、好ましくは少なくとも9個、より好ましくは少なくとも15〜約30個の連続したアミノ酸残基の配列を含んでもよいことを認識すると考えられる。サイトカイン受容体のより大きな部分、すなわち、アミノ酸配列の30〜100残基から全長までを含むポリペプチドが含まれる。抗原または免疫原性エピトープにはまた、本明細書に記載のように、タグ、アジュバント担体、およびビヒクルが取り付けられてもよい。

0122

これらの抗原を動物に接種することによって生じる免疫応答からの抗体は、本明細書に記載のように単離および精製することができる。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を調製および単離する方法は当技術分野において周知である。例えば、Current Protocols in Immunology, Coo an, et al. (eds.), National Institutes of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995; Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, NY, 1989;およびHurrell, J. G. R., Ed., Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques and Applications,CRCPress, Inc., Boca Raton,FL, 1982を参照されたい。

0123

当業者に明らかなように、ポリクローナル抗体は、分子またはその断片を、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリウサギ、マウス、およびラットなどの様々な温血動物に接種することによって作成することができる。分子の免疫原性は、ミョウバン(水酸化アルミニウム)またはフロイント完全アジュバントもしくはフロイント不完全アジュバントなどのアジュバントを使用することによって高めることができる。免疫化に有用なタンパク質には、融合ポリペプチド、例えば、pNKp30および他のB7ファミリーメンバーまたはその一部と、免疫グロブリンポリペプチドまたはマルトース結合タンパク質との融合も含まれる。ポリペプチド免疫原は完全長分子でもよく、その一部でもよい。ポリペプチド部分が「ハプテン様」であれば、このような部分は、免疫化のために、高分子担体(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、または破傷風トキソイド)と有利に結合または連結されてもよい。

0124

本明細書で使用する「抗体」という用語には、ポリクローナル抗体、アフィニティ精製ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および抗原結合断片、例えば、F(ab') 2およびFabタンパク質分解断片が含まれる。遺伝子操作されたインタクトな抗体または抗体断片、例えば、キメラ抗体、Fv断片、単鎖抗体など、ならびに合成抗原結合ペプチドおよびポリペプチドも含まれる。非ヒト抗体は、非ヒトCDRをヒトフレームワークおよび定常領域に移植するか、非ヒト可変ドメイン全体を組み込むことによってヒト化されてもよい(任意に、露出している残基の置換によって、非ヒト可変ドメイン全体をヒト様表面で「覆う(cloaking)」ことによってヒト化されてもよい。この結果は「ベニヤ(veneered)」抗体である)。場合によっては、ヒト化抗体は、適切な結合特性を高めるために、ヒト可変領域フレームワークドメイン内に非ヒト残基を保持してもよい。抗体をヒト化することによって、生物学的半減期が延びる場合があり、ヒトへの投与の際の有害な免疫反応の可能性が少なくなる。さらに、ヒト抗体は、WIPO国際公開公報第98/24893号に開示されるように、ヒト免疫グロブリン遺伝子を含むように操作されているトランスジェニック非ヒト動物において作成することができる。これらの動物の内因性免疫グロブリン遺伝子は、例えば、相同組換えによって不活化または排除されることが好ましい。

0125

抗体は、以下の場合:(1)閾値レベルの結合活性を示す場合、および(2)関連ポリペプチド分子と有意に交差反応しない場合に、特異的に結合するとみなされる。結合の閾値レベルは、本明細書の抗分子抗体が、対照タンパク質との結合親和性より少なくとも10倍大きな親和性で受容体、ペプチド、またはエピトープに結合する場合に求められる。抗体は、106 M-1またはそれ以上、好ましくは107 M-1またはそれ以上、より好ましくは108 M-1またはそれ以上、最も好ましくは3 M-1またはそれ以上の結合親和性(Ka)を示すことが好ましい。抗体の結合親和性は、当業者によって、例えば、スキャッチャード分析(Scatchard, G., Ann. NY Acad. Sci. 51: 660-672, 1949)によって容易に決定することができる。

0126

作成された抗体が関連ポリペプチド分子と有意に交差反応するかどうかは、例えば、標準的なウェスタンブロット分析を用いて、pNKp30タンパク質を検出するが、公知の関連ポリペプチドを検出しない抗体によって示される(Ausubel et al.,同書)。公知の関連ポリペプチドの例は、先行技術に開示されるポリペプチド、例えば、公知のオルソログおよびパラログ、ならびに類似する公知のタンパク質ファミリーメンバーである。さらに、サイトカイン受容体に特異的に結合する集団を単離するために、抗体を、公知の関連ポリペプチド「に対してスクリーニング」することができる。例えば、分子に対して産生された抗体を、不溶性マトリクスに付着させた関連ポリペプチドに吸着させる。分子に特異的な抗体は、適切な緩衝条件下ではマトリクス内を流れる。スクリーニングによって、公知の密接に関連するポリペプチドと交差反応しないポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を単離することができる(Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow and Lane (eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988; Current Protocols in Immunology, Coo an, et al. (eds.), National Institutes of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995)。特異的抗体のスクリーニングおよび単離は当技術分野において周知である。Fundamental Immunology, Paul (eds.), Raven Press, 1993; Getzoff et al., Adv. Immunol. 16: 1-98, 1988; Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, Goding, J.W. (eds.), Academic Press Ltd., 1996; Benjamin et al., Ann. Rev. Immunol. 2: 67-101, 1984を参照されたい。特異的に結合する抗体は、当技術分野の、および以下に開示される、多くの方法によって検出することができる。

0127

pNKp30タンパク質またはポリペプチドに結合する抗体を検出するために、当業者に公知の様々なアッセイ法を使用することができる。例示的なアッセイ法が、Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow and Lane (Eds.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988に詳述されている。このようなアッセイ法の代表例には、同時免疫電気泳動法(concurrent immunoelectrophoresis)、ラジオイムノアッセイ放射性免疫沈降法、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ドットブロット法またはウェスタンブロット法、阻害アッセイ法または競合アッセイ法、およびサンドイッチアッセイ法が含まれる。さらに、野生型pNKp30タンパク質またはポリペプチドとの結合対突然変異体pNKp30タンパク質またはポリペプチドとの結合について、抗体をスクリーニングすることができる。

0128

別の局面の中で、本発明は、前記で開示された方法によって作成された抗体を提供する。ここで、抗体は、SEQID NO:1、SEQ ID NO:3、またはSEQ ID NO:5の少なくとも一部を含む分子の少なくとも一部に結合する。1つの態様において、前記で開示された抗体は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、またはSEQ ID NO:5に示したポリペプチドに特異的に結合する。別の態様において、抗体はモノクローナル抗体でもよく、ポリクローナル抗体でもよい。

0129

分子に対する抗体は、受容体を発現する細胞のタグ化のために;アフィニティ精製による分子の単離のために;サイトカイン受容体の循環レベルを決定する診断アッセイ法のために;基礎となる病理または疾患のマーカーとしての可溶性分子の検出または定量のために;FACSを用いた分析法において;発現ライブラリーのスクリーニングのために;抗イディオタイプ抗体の作成のために;および分子活性をインビトロおよびインビボでブロックするための中和抗体またはアンタゴニストとして、使用することができる。適切な直接的なタグまたは標識には、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子などが含まれる。間接的なタグまたは標識は、中間体としてビオチン-アビジンまたは他の相補体/抗相補体対の使用を特徴としてもよい。本明細書の抗体はまた、薬物、毒素、放射性核種などと直接的または間接的に結合されてもよく、これらの結合体はインビボでの診断用途または治療用途に用いられてもよい。さらに、分子またはその断片に対する抗体は、アッセイ法、例えば、ウェスタンブロットまたは当技術分野において公知の他のアッセイ法において、変性された分子またはその断片を検出するのにインビトロで用いられてもよい。

0130

分子または抗体には、適切な検出可能な分子が直接的または間接的に取り付けられてもよく、放射性核種、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子などを含む。ポリペプチドまたは抗体には、適切な細胞傷害分子が直接的または間接的に取り付けられてもよく、細菌毒素または植物毒素(例えば、ジフテリア、毒素、サポリン(saporin)、シュードモナス属(Pseudomonas)エキソトキシンリシンアブリンなど)、ならびに治療用放射性核種、例えば、ヨウ素-131、レニウム-188、またはイットリウム-90(ポリペプチドもしくは抗体に直接に取り付けられるか、または例えば、キレート化部分によって間接的に取り付けられる)を含む。サイトカイン受容体または抗体はまた、アドリアマイシンなどの細胞傷害薬物に結合されてもよい。検出可能な分子または細胞傷害分子を間接的に取り付けるために、検出可能な分子または細胞傷害分子は、相補体/抗相補体対のメンバーと、他のメンバーがポリペプチドまたは抗体部分に結合している場合に、結合することができる。これらの目的のために、ビオチン/ストレプトアビジンが例示的な相補体/抗相補体対である。

0131

可溶性分子はまた、インビトロおよびインビボでpNKp30の結合およびシグナル伝達をブロックするpNKp30「アンタゴニスト」として作用することができる。これらの抗pNKp30結合タンパク質は、pNKp30活性またはタンパク質結合の阻害に有用であろう。

0132

ポリペプチド-毒素融合タンパク質または抗体-毒素融合タンパク質は、(例えば、癌細胞または癌組織治療するための)標的化された細胞または組織の阻害または切除に使用することができる。あるいは、ポリペプチドが複数の機能的ドメイン(すなわち、活性化ドメインまたは受容体結合ドメイン、さらに標的化ドメイン)を有する場合、標的化ドメインのみを含む融合タンパク質は、検出可能な分子、細胞傷害分子、または相補分子を関心対象の細胞タイプまたは組織タイプに向けるのに適している可能性がある。ドメインのみの融合タンパク質が相補タンパク質を含む場合、抗相補分子は、検出可能な分子または細胞傷害分子に結合することができる。従って、このようなドメイン-相補分子融合タンパク質は、一般的な抗相補分子-検出可能な分子/細胞傷害分子結合体の細胞/組織特異的送達のための一般的な標的化ビヒクルである。

0133

さらに、炎症は、侵入する因子をかわすための、生物による防御応答である。炎症は、多くの細胞性メディエータおよび体液性メディエータが関与するカスケード事象である。一方で、炎症応答の抑制は宿主を免疫無防備状態のままにすることができる。しかしながら、炎症が妨げられなければ、慢性炎症疾患(例えば、リウマチ性関節炎多発性硬化症、炎症性腸疾患など)、移植片対宿主病敗血症ショック、および多臓器不全を含む重篤合併症につながる可能性がある。重要なことに、これらの多様な疾患状態は共通の炎症メディエータを有する。炎症を特徴とする疾患集合はヒトの罹患率および死亡率に大きな影響を及ぼす。従って、本明細書に記載の抗pNKp30抗体および結合ポリペプチドなどの抗炎症性抗体および結合ポリペプチドが、喘息およびアレルギーから自己免疫および敗血症ショックまで多数のヒトおよび動物の疾患に対して重大な治療可能性を有し得ることは明らかである。従って、本明細書に記載の抗炎症性抗pNKp30抗体および結合ポリペプチドの使用は、本明細書に記載のpNKp30アンタゴニストとして、特に、関節炎、内毒血症、炎症性腸疾患、乾癬、関連疾患などの疾患における治療に使用することができる。

0134

1.関節炎
変形性関節症、リウマチ性関節炎、損傷の結果として関節炎にかかった関節などを含む関節炎は、抗炎症性抗体および結合ポリペプチド、例えば、本発明の抗pNKp30抗体および結合ポリペプチドの治療的使用から利益を得る一般的な炎症状態である。例えば、リウマチ性関節炎(RA)は身体全体に罹患する全身疾患であり、関節炎の最も一般的な形の1つである。RAは、関節の内側を覆う膜の炎症を特徴とし、炎症は、疼痛硬直、熱っぽさ、赤み、および腫脹を引き起こす。炎症細胞は、骨および軟骨を消化し得る酵素を放出する。リウマチ性関節炎の結果として、炎症をおこした関節内層である滑膜が骨および軟骨に浸潤し、骨および軟骨を傷つけて、他の生理学的影響の中でも特に関節の劣化および重篤な疼痛を引き起こすことがある。関与している関節は形状および配列を失って、疼痛および運動喪失をもたらすことがある。

0135

リウマチ性関節炎(RA)は免疫を介した疾患であり、特に、重篤な障害および高い死亡率につながる炎症およびその後の組織損傷を特徴とする。リウマチ関節において様々なサイトカインが局所的に産生される。非常に多くの研究から、プロトタイプの2つの炎症誘発性サイトカインであるIL-1およびTNF-αが、滑膜炎症および進行性関節破壊に関与する機序において重要な役割を果たしていることが証明されている。実際に、TNF-α阻害剤およびIL-1阻害剤をRA患者に投与すると、炎症の臨床徴候および生物学的徴候が劇的に改善し、骨びらんおよび軟骨破壊放射線学的徴候が減少した。しかしながら、これらの期待の持てる結果にもかかわらず、これらの薬剤に対して有意なパーセントの患者が応答しない。このことは、他のメディエーターも関節炎の病態生理に関与していることを示唆している(Gabay, Expert. Opin. Biol. Ther. 2(2): 135-149, 2002)。メディエーターの1つがpNKp30である可能性があり、従って、pNKp30に結合またはpNKp30を阻害する分子、例えば、抗pNKp30抗体または結合パートナーが、リウマチ性関節炎および他の関節炎疾患における炎症を軽減する、有益な治療剤として働き得る。

0136

当技術分野において公知のリウマチ性関節炎動物モデルがいくつかある。例えば、コラーゲン誘導性関節炎(CIA)モデルでは、マウスは、ヒトのリウマチ性関節炎によく似た慢性炎症性関節炎を発症する。CIAは、RAと似た免疫学的特徴および病理学的特徴を共有し、このために、潜在的なヒト抗炎症化合物のスクリーニングに理想的なモデルとなっている。CIAモデルは、発生のために免疫応答および炎症応答の両方に依存する、マウスの周知のモデルである。免疫応答は、コラーゲンに応答したB細胞とCD4+ T細胞の相互作用を含む。コラーゲンは抗原として与えられ、抗コラーゲン抗体の産生を引き起こす。炎症期は、これらの抗体の一部がマウスのネイティブなコラーゲンに交差反応し、補体カスケードを活性化した結果である炎症メディエーターによる組織応答の結果である。CIAモデルを使用する利点は、基本的な発病機序が既知であることである。関連するT細胞およびB細胞のII型コラーゲンエピトープが特定され、免疫を介した関節炎に関連する様々な免疫学的パラメータ(例えば、遅延型過敏および抗コラーゲン抗体)ならびに炎症パラメータ(例えば、サイトカイン、ケモカイン、およびマトリクス分解酵素)が決定されており、従って、CIAモデルにおける試験化合物の効力を評価するのに使用することができる(Wooley, Curr. Opin. Rheum. 3:407-20, 1999; Williams et al., Immunol. 89:9784-788, 1992; Myers et al., Life Sci. 61:1861-78, 1997;およびWang et al., Immunol. 92:8955-959, 1995)。

0137

疾患の症状を寛解させ、経過を変えるためのpNKp30の使用を評価するために、これらのCIAモデルマウスへの、可溶性pNKp30含有ポリペプチド(本明細書に記載のヘテロ二量体および受容体を含む)、例えば、pNKp30-Fc4、または他のpNKp30可溶性タンパク質および融合タンパク質の投与を使用した。免疫応答および炎症応答を調整する分子として、pNKp30は、リウマチ性関節炎の発生に関与するSAAの産生を誘導し得る。pNKp30アンタゴニストは、インビトロおよびインビボでのSAA活性を軽減する可能性がある。抗pNKp30抗体または結合パートナー、pNKp30含有ポリペプチド(本明細書に記載のヘテロ二量体および受容体を含む)、例えば、pNKp30-Fc4、または他のpNKp30可溶性タンパク質および融合タンパク質などのpNKp30アンタゴニストの全身投与または局所投与は、RAにおける炎症応答を潜在的に抑制することができる。他の潜在的な治療剤には、本発明のpNKp30ポリペプチド、可溶性ヘテロ二量体ポリペプチドおよび受容体ポリペプチド、または抗pNKp30抗体もしくは結合パートナーなどが含まれる。

0138

2.内毒血症
内毒血症は、一般的に、細菌および他の感染症因子などの感染因子、敗血症、毒素性ショック症候群に起因する重篤な状態、または日和見感染にかかった免疫無防備状態の患者などにおける重篤な状態である。抗炎症性抗体および結合ポリペプチド、例えば、本発明の抗pNKp30抗体および結合ポリペプチドの治療上の有用性は、ヒトおよび動物における内毒血症の予防および治療の助けとなり得る。他の潜在的な治療剤は、本発明のpNKp30ポリペプチド、可溶性ヘテロ二量体および受容体ポリペプチド、または抗pNKp30抗体もしくは結合パートナーなどを含み、内毒血症における炎症および病理学的影響を軽減する、有益な治療剤として働き得る。

0139

リポ多糖(LPS)誘導性内毒血症は、感染症において病理学的影響を生じる炎症誘発性メディエーターの多くに関与する。げっ歯類のLPS誘導性内毒血症は、潜在的な炎症促進剤または免疫調整剤薬理学的作用を研究するための広く用いられ、許容可能なモデルである。グラム陰性細菌において産生されるLPSは敗血症ショック発生の主因となる因子である(Glausner et al., Lancet 338:732, 1991)。実際に、LPSを動物に1回注射することによって、ショック様状態を実験的に誘導することができる。LPSに応答する細胞によって産生される分子は、直接的または間接的に病原体を標的とすることができる。これらの生物学的応答は侵入する病原体から宿主を守るが、害も加えることがある。このように、重篤なグラム陰性細菌感染の結果として生じる強力な自然免疫刺激は、サイトカインおよび他の分子の過剰な産生、ならびに発熱低血圧散在性血管内凝固および多臓器不全を特徴とする、致死的な症候群である敗血症ショック症候群の発症につながる(Dumitru et al. Cell 103:1071-1083, 2000)。

0140

LPSのこれらの毒性作用は、主に、複数の炎症メディエーターの放出につながるマクロファージ活性化に関連している。これらのメディエーターの中でTNFは、抗TNF中和抗体の投与によるLPS毒性の阻止によって示されたように重大な役割を果たしているように見える(Beutler et al., Science 229:869, 1985)。大腸菌LPS 1μgをG57B1/6マウスに注射すると、注射の約2時間後に、循環中のIL-6、TNF-α、IL-1、および急性期タンパク質(例えば、SAA)が有意に増加することが十分に実証されている。これらのメディエーターに対する受動免疫が低死亡率をもたらしうるため、LPSの毒性は、これらのサイトカインによって媒介されると考えられる(Beutler et al., Science 229:869, 1985)。敗血症ショックの予防および/または治療のための潜在的な免疫介入(immunointervention)法には、抗TNF mAb、IL-1受容体アンタゴニスト、LIF、IL-10、およびG-CSFが含まれる。LPSは、内毒血症の発生に寄与する可能性のある炎症誘発因子の産生を誘導するため、pNKp30ポリペプチドの拮抗によるpNKp30活性、SAA、または他の炎症誘発因子の中和は、内毒血症の症状、例えば、内毒素ショックにおいて見られる症状を軽減するのに使用することができる。他の潜在的な治療剤には、本発明のpNKp30ポリペプチド、可溶性ヘテロ二量体ポリペプチドおよび受容体ポリペプチド、または抗pNKp30抗体もしくは結合パートナーなどが含まれる。

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