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技術 白血球の体積当たりの計数を行うための方法、デバイス及びシステム

出願人 ヘモクアクチボラゲット
発明者 リンドベルグ、ステランスヴェンソン、ジョニー
出願日 2006年3月10日 (12年9ヶ月経過) 出願番号 2008-500674
公開日 2008年8月21日 (10年3ヶ月経過) 公開番号 2008-533466
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析 粒子の特徴の調査 自動分析、そのための試料等の取扱い
主要キーワード 胴体部材 拡大システム 体積計 ディジタル画像内 画像解析機 光学計測 自動分析法 ガロシアニン
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重要な関連分野

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図面 (6)

課題・解決手段

血液試料中白血球体積計数のための試料獲得デバイスは、血液試料を受け取るための計測空洞を含む。この計測空洞は、固定された所定の厚さを有する。この試料獲得デバイスはさらに、計測空洞を画定する表面上に乾燥した形態で配置された試薬を含む。この試薬は、血液試料中の赤血球を溶解させる溶血剤と、血液試料中の白血球を選択的に染色する染色剤とを含む。システムは、試料獲得デバイスと計測装置とを含む。計測装置は、試料獲得デバイスホルダと、光源と、試料拡大像ディジタル画像を獲得するための画像化システムとを含む。この計測装置はさらに、獲得されたディジタル画像を解析して、血液試料中の白血球数を決定するように構成された画像解析機を含む。

概要

背景

白血球数の決定は、患者治療との関連においてしばしば重要である。この分析は、例えば白血病又は感染性若しくは炎症性疾患診断するために、或いは治療を監視するために必要となることがある。患者の待ち時間をできるだけ短くするために、並びに患者の最初の診察のときに医師が治療及び診断の決定を直ちに下すことを可能にするために、分析結果をできるだけ速く得ることを可能にすることが望まれる。したがって、医師又は看護士が迅速に実行することができ、検査室検査に出す必要のない分析法を提供することは好ましいであろう。

現在、白血球数は通常、血液試料を染色し、この試料を、特殊な計算盤、例えばバーカー(Barker)計算盤に入れて顕微鏡で見ることにより、手作業で得られている。この計算盤は、計算盤を、明確に画定された複数の小体積に区切る格子を含む。計算盤内の全ての細胞に顕微鏡の焦点を合わせることを可能にして、計数を容易にするため、白血球を計算盤の底に沈降させる。従って、計数を実行する前に、試料を数分間静置する必要がある。その後、格子中の1枡あたりの血球数を計数することによって白血球数を決定することができる。白血球数は分析者の手作業によって得られており、分析者が信頼できる分析を実行することができるためには、その分析者が分析を実行する経験を多く積む必要がある。

この分析には時間がかかる。また、この分析は手作業で実行されるため、分析を実行する人によって分析結果が異なる可能性がある。

白血球数を決定する既存の自動分析法がいくつかある。白血球数は、コールター(Coulter)の原理によって決定することができ、この原理は、インピーダンス感知することによって細胞サイズを決定し、それによって細胞タイプを決定することに基づく。コールターの原理によって白血球を計数する方法が米国特許第5262302号に記載されている。

コールターの原理は、現在使用されている支配的な自動分析法である。しかし、他の方法もいくつか記述されている。白血球数を決定するこのような方法の1つが、米国特許第5585246号に開示されている。この方法では、血液試料を、白血球を標識する蛍光染料リガンドとの複合体と混合することによって、血液試料を調製しなければならない。この試料を毛細管に導入し、毛細管内の試料の上をスキャンするレーザ源によって試料にレーザ照射する。蛍光を測定して白血球数を決定する。蛍光染料と毛細管の上をスキャンするレーザ源とを使用する同様の方法がWO97/02482に開示されている。この方法は、少数の白血球を含むアフェレーシス製品中の白血球の計数に対して適合されている。この方法では毛細管がかなり太く、毛細管をスキャンする前に毛細管の底に白血球が沈むのを待つ必要がある。

WO99/45384には、試料を含み、厚さが変化する室が示されている。この変化する厚さは、血液のさまざまな化合物を分離する。この血液試料を着色剤で染色して、血液試料中の少なくとも3種の異なる白血球型示差的に際立たせる。光学スキャニング機器を使用してこの室の一部を見ることによって、白血球を計数することができる。

治療の現場で(at point of care)分析を提供できるように、白血球数を決定する既存の自動分析法をスピードアップし、単純にすることが依然として求められている。さらに、白血球数は、このように一般的に実行されている分析であるため、この分析法に対する改良はどんなものであれ、患者治療に対して大きな影響を有するであろう。患者治療の現場で結果を得る可能性を提供する分析法は特に有利であろう。

概要

血液試料中の白血球の体積計数のための試料獲得デバイスは、血液試料を受け取るための計測空洞を含む。この計測空洞は、固定された所定の厚さを有する。この試料獲得デバイスはさらに、計測空洞を画定する表面上に乾燥した形態で配置された試薬を含む。この試薬は、血液試料中の赤血球を溶解させる溶血剤と、血液試料中の白血球を選択的に染色する染色剤とを含む。システムは、試料獲得デバイスと計測装置とを含む。計測装置は、試料獲得デバイスホルダと、光源と、試料の拡大像ディジタル画像を獲得するための画像化システムとを含む。この計測装置はさらに、獲得されたディジタル画像を解析して、血液試料中の白血球数を決定するように構成された画像解析機を含む。

目的

本発明の目的は、白血球の体積当たり計数値を決定する簡易な分析を提供することにある。本発明の他の目的は、複雑な装置又は大掛かりな試料調製を必要としない迅速な分析を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

血液試料中白血球体積当たり計数(volumetricenumeration)を行うための試料獲得デバイスにおいて、血液試料を受け取るための計測空洞であって、固定された所定の厚さを有する計測空洞と、該計測空洞を画定する表面上に乾燥した形態で配置された試薬であって、該血液試料中の赤血球を溶解させる溶血剤、及び該血液試料中の白血球を選択的に染色する染色剤を含む試薬とを含む試料獲得デバイス。

請求項2

前記計測空洞を画定する2つの平面を有する胴体部材を含む、請求項1に記載の試料獲得デバイス。

請求項3

前記平面が、互いから所定の距離のところに配置されて、光学計測のための試料厚さが決定されている、請求項2に記載の試料獲得デバイス。

請求項4

前記計測空洞が50〜170マイクロメートルの均一な厚さを有する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の試料獲得デバイス。

請求項5

前記計測空洞が少なくとも100マイクロメートルの均一な厚さを有する、請求項4に記載の試料獲得デバイス。

請求項6

前記計測空洞が150マイクロメートル以下の均一な厚さを有する、請求項4又は5に記載の試料獲得デバイス。

請求項7

揮発性液体に溶解させた前記試薬が前記表面に供給され、前記揮発性液体蒸発して、前記試薬が乾燥した形態で残っている、請求項1から6までのいずれか一項に記載の試料獲得デバイス。

請求項8

前記染色剤が、白血球の核を選択的に染色するように構成された、請求項1から7までのいずれか一項に記載の試料獲得デバイス。

請求項9

前記染色剤が、ヘマトキシリンメチレンブルーメチレングリーンメチレンアズール酢酸クレシルバイオレットトルイジンブルーゲンチアナバイオレット、スダン類似体ガロシアニン及びフクシン類似体の群のうちのいずれか1つ、又はこれらの任意の組合せである、請求項1から8までのいずれか一項に記載の試料獲得デバイス。

請求項10

前記溶血剤が、第四級アンモニウム塩サポニン胆汁酸ジギトキシンヘビ毒グルコピラノシド又はトリトン(Triton)型の非イオン性界面活性剤である、請求項1から9までのいずれか一項に記載の試料獲得デバイス。

請求項11

前記計測空洞を試料獲得デバイスの外部に連絡する試料入口をさらに含み、前記入口が、血液試料を獲得するように構成された、請求項1から10までのいずれか一項に記載の試料獲得デバイス。

請求項12

使い捨てである、請求項1から11までのいずれか一項に記載の試料獲得デバイス。

請求項13

血液試料中の白血球の体積当たりの計数を行うための方法において、試料獲得デバイスの計測空洞の中に血液試料を獲得することを含み、該計測空洞が、溶血剤、及び白血球が染色されるように該試料と反応する染色剤を含む試薬を保持し、さらに、染色された該白血球を含む該試料に照射し、該計測空洞の中の照射された該試料の拡大像ディジタル画像を獲得することを含み、該白血球が、該染色剤の選択的な染色によって区別され、さらに、該ディジタル画像をディジタル方式解析して、該白血球を識別し、該試料中の白血球数を決定することを含む方法。

請求項14

前記血液試料が、前記計測空洞内の前記試薬と混合される、請求項13に記載の方法。

請求項15

前記計測空洞が50〜170マイクロメートルの厚さを有し、前記ディジタル画像が、少なくとも該計測空洞の厚さに対応する被写界深度で獲得される、請求項13又は14に記載の方法。

請求項16

分析される試料の体積が、前記計測空洞の厚さ及び画像化される前記試料の面積によって明確に画定される、請求項15に記載の方法。

請求項17

前記試料が、前記染色剤の吸光度ピークに対応する波長の光によって照射される、請求項13から16までのいずれか一項に記載の方法。

請求項18

前記照射がレーザ源によって実行される、請求項13から17までのいずれか一項に記載の方法。

請求項19

前記照射が発光ダイオードによって実行される、請求項13から17までのいずれか一項に記載の方法。

請求項20

前記ディジタル画像が、3〜200倍、より好ましくは3〜10倍の倍率を使用して獲得される、請求項13から19までのいずれか一項に記載の方法。

請求項21

前記解析が、前記ディジタル画像内の高吸光度の領域を識別することを含む、請求項13から20までのいずれか一項に記載の方法。

請求項22

前記解析が、前記ディジタル画像内の黒いドットを識別することを含む、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記解析が、前記獲得されたディジタル画像を電子的に拡大することを含む、請求項13から22までのいずれか一項に記載の方法。

請求項24

血液試料中の白血球の体積当たりの計数を行うためのシステムにおいて、請求項1から12までのいずれか一項に記載の試料獲得デバイスと、計測装置とを含み、該計測装置が、計測空洞の中に血液試料を保持する該試料獲得デバイスを受け取るように構成された試料獲得デバイスホルダと、該血液試料に照射するように構成された光源と、拡大システム、及び該計測空洞の中の照射された前記試料の拡大像のディジタル画像を獲得するためのディジタル画像獲得手段を含む画像化システムであって、染色剤の選択的な染色によって、ディジタル画像内の白血球が区別される画像化システムと、獲得されたディジタル画像を解析して、血液試料中の白血球を識別し、白血球数を決定するように構成された画像解析機とを含む、システム。

請求項25

前記拡大システムが、少なくとも試料獲得デバイスの計測空洞の厚さの被写界深度を有するように構成された、請求項24に記載のシステム。

請求項26

分析される試料の体積が、前記計測空洞の厚さ及び画像化される前記試料の面積によって明確に画定される、請求項24又は25に記載のシステム。

請求項27

前記光源が、前記染色剤の吸光度のピークに対応する波長の光を照射するように構成された、請求項24から26までのいずれか一項に記載のシステム。

請求項28

前記光源がレーザ源を含む、請求項24から27までのいずれか一項に記載のシステム。

請求項29

前記光源が発光ダイオードを含む、請求項24から27までのいずれか一項に記載のシステム。

請求項30

前記拡大システムが、3〜200倍、より好ましくは3〜10倍の倍率を有する、請求項24から29までのいずれか一項に記載のシステム。

請求項31

前記画像解析機が、ディジタル画像の高吸光度の領域を識別するように構成された、請求項24から30までのいずれか一項に記載のシステム。

請求項32

前記画像解析機が、ディジタル画像内の黒いドットを識別するように構成された、請求項31に記載のシステム。

請求項33

前記画像解析機が、獲得されたディジタル画像を電子的に拡大するように構成された、請求項24から32までのいずれか一項に記載のシステム。

技術分野

0001

本発明は、血液試料中白血球体積当たり計数(volumetric enumeration)を行うための試料獲得デバイス(sample acquiring device)、方法及びシステムに関する。

背景技術

0002

白血球数の決定は、患者治療との関連においてしばしば重要である。この分析は、例えば白血病又は感染性若しくは炎症性疾患診断するために、或いは治療を監視するために必要となることがある。患者の待ち時間をできるだけ短くするために、並びに患者の最初の診察のときに医師が治療及び診断の決定を直ちに下すことを可能にするために、分析結果をできるだけ速く得ることを可能にすることが望まれる。したがって、医師又は看護士が迅速に実行することができ、検査室検査に出す必要のない分析法を提供することは好ましいであろう。

0003

現在、白血球数は通常、血液試料を染色し、この試料を、特殊な計算盤、例えばバーカー(Barker)計算盤に入れて顕微鏡で見ることにより、手作業で得られている。この計算盤は、計算盤を、明確に画定された複数の小体積に区切る格子を含む。計算盤内の全ての細胞に顕微鏡の焦点を合わせることを可能にして、計数を容易にするため、白血球を計算盤の底に沈降させる。従って、計数を実行する前に、試料を数分間静置する必要がある。その後、格子中の1枡あたりの血球数を計数することによって白血球数を決定することができる。白血球数は分析者の手作業によって得られており、分析者が信頼できる分析を実行することができるためには、その分析者が分析を実行する経験を多く積む必要がある。

0004

この分析には時間がかかる。また、この分析は手作業で実行されるため、分析を実行する人によって分析結果が異なる可能性がある。

0005

白血球数を決定する既存の自動分析法がいくつかある。白血球数は、コールター(Coulter)の原理によって決定することができ、この原理は、インピーダンス感知することによって細胞サイズを決定し、それによって細胞タイプを決定することに基づく。コールターの原理によって白血球を計数する方法が米国特許第5262302号に記載されている。

0006

コールターの原理は、現在使用されている支配的な自動分析法である。しかし、他の方法もいくつか記述されている。白血球数を決定するこのような方法の1つが、米国特許第5585246号に開示されている。この方法では、血液試料を、白血球を標識する蛍光染料リガンドとの複合体と混合することによって、血液試料を調製しなければならない。この試料を毛細管に導入し、毛細管内の試料の上をスキャンするレーザ源によって試料にレーザ照射する。蛍光を測定して白血球数を決定する。蛍光染料と毛細管の上をスキャンするレーザ源とを使用する同様の方法がWO97/02482に開示されている。この方法は、少数の白血球を含むアフェレーシス製品中の白血球の計数に対して適合されている。この方法では毛細管がかなり太く、毛細管をスキャンする前に毛細管の底に白血球が沈むのを待つ必要がある。

0007

WO99/45384には、試料を含み、厚さが変化する室が示されている。この変化する厚さは、血液のさまざまな化合物を分離する。この血液試料を着色剤で染色して、血液試料中の少なくとも3種の異なる白血球型示差的に際立たせる。光学スキャニング機器を使用してこの室の一部を見ることによって、白血球を計数することができる。

0008

治療の現場で(at point of care)分析を提供できるように、白血球数を決定する既存の自動分析法をスピードアップし、単純にすることが依然として求められている。さらに、白血球数は、このように一般的に実行されている分析であるため、この分析法に対する改良はどんなものであれ、患者治療に対して大きな影響を有するであろう。患者治療の現場で結果を得る可能性を提供する分析法は特に有利であろう。

発明が解決しようとする課題

0009

本発明の目的は、白血球の体積当たりの計数値を決定する簡易な分析を提供することにある。本発明の他の目的は、複雑な装置又は大掛かりな試料調製を必要としない迅速な分析を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

これらの目的は、独立請求項に基づく試料獲得デバイス、方法及びシステムによって部分的に又は完全に達成される。好ましい実施形態は従属請求項から明白である。

0011

かくして、血液試料中の白血球の体積当たりの計数のための試料獲得デバイスを提供する。この試料獲得デバイスは、血液試料を受け取るための計測空洞を含む。この計測空洞は、固定された所定の厚さを有する。この試料獲得デバイスはさらに、計測空洞を画定する表面上に乾燥した形態で配置された試薬を含み、この試薬は、血液試料中の赤血球を溶解させる溶血剤と、血液試料中の白血球を選択的に染色する染色剤とを含む。

0012

この試料獲得デバイスは、計測空洞の中に全血試料を直接に獲得し、それを分析に供する可能性を提供する。試料調製の必要はない。実際、刺し傷をつけた患者の指から計測空洞の中へ血液試料を直接に吸い上げることができる。この試料獲得デバイスに試薬を加えることは、試料を分析の準備が整った状態にする試料獲得デバイス内での反応を可能にする。この反応は、血液試料が試薬と接触したときに開始される。したがって、試料を手作業で調製する必要がなく、これにより、この分析は、患者が待っている間に診察室で直接に実行するのに特に適したものとなる。

0013

この試薬は乾燥した形態で提供されるため、試料獲得デバイスのユーザビリティ(usability)に影響を及ぼすことなく試料獲得デバイスを輸送し、長期にわたって貯蔵することができる。したがって、試薬を含む試料獲得デバイスは、血液試料の分析を実施するはるか以前に製造し、調製することができる。

0014

多くの既存の方法が、異なる血球を計数し、血球のサブグループまでも計数することができるが、本発明に基づく試料獲得デバイスは特に、白血球の体積計数を実行するように適合されている。前記試薬は、血液試料中の赤血球を溶解させる溶血剤を含む。これは、試料中の赤血球を計数する可能性を排除する。他方で、赤血球の溶解は、血液試料中の白血球の区別及び識別を単純にする。

0015

染色剤は、個々の白血球の標識付けを提供する。これは、白血球を個別に見、又は検出することを可能にする。白血球は例えば、計測空洞をスキャンし、又は計測空洞の画像を得ることによって検出することができる。したがって、画定された体積中の個別に検出された白血球の数を合計することによって白血球数を得ることができる。

0016

本発明はさらに、血液試料中の白血球の体積当たりの計数のための方法を提供する。この方法は、試料獲得デバイスの計測空洞であって、溶血剤と染色剤とを含む試薬を保持する計測空洞の中に血液試料を獲得し、試料を反応させて、白血球を染色し、染色された白血球を含む試料に照射し、計測空洞の中の照射された試料の拡大像ディジタル画像を獲得して、白血球を、染色剤の選択的な染色によって区別し、ディジタル画像をディジタル方式解析して、白血球を識別し、試料中の白血球数を決定することを含む。

0017

本発明はさらに、血液試料中の白血球の体積計数のためのシステムを提供する。このシステムは、上述の試料獲得デバイスを含む。このシステムはさらに計測装置を含み、この計測装置は、計測空洞の中に血液試料を保持した試料獲得デバイスを受けるように構成された試料獲得デバイスホルダと、血液試料に照射するように構成された光源とを含む。この計測装置はさらに、拡大システムと、計測空洞の中の照射された試料の拡大像のディジタル画像を獲得するためのディジタル画像獲得手段とを含む画像化システムであって、染色剤の選択的な染色によって、ディジタル画像で白血球が区別される画像化システムを含む。この計測装置はさらに、獲得されたディジタル画像を解析して、血液試料中の白血球を識別し、白血球数を決定するように構成された画像解析機を含む。

0018

本発明のこれらの方法及びシステムは、白血球数を決定する血液試料の非常に単純な分析を提供する。この分析は、複雑な計測装置を必要とせず、又は先進のステップ操作者が実行することを要求しない。したがって、この分析は、患者の診察に関連して直ちに実行することができ、資格を持つ技術者を必要としない。この計測装置は、試料獲得デバイスのこれらの特性を利用して、計測空洞の中に直接に獲得された無希釈の全血試料の分析を実行する。この計測装置は、ある体積の試料を画像化して、その1つの画像から白血球の体積当たりの計数を実行するように構成される。

0019

この血液試料を、計測空洞内の試薬と混合させることができる。数分のうちに、血液試料と試薬の反応によって赤血球が溶血し、白血球が染色され、その結果、試料を光学計測に供する準備が整う。血液試料は、例えば血液試料中への試薬の分散又は拡散によって、或いは、試料獲得デバイスを能動的に振動又は移動させて計測空洞内で撹拌が起こるようにすることによって、試薬と混合することができる。

0020

この試料獲得デバイスは、前記計測空洞を画定する2つの平面を有する胴体部材を含むことができる。これらの平面は、光学計測のための試料厚さを決定するために、互いから所定の距離のところに配置することができる。このことは、試料獲得デバイスが、血液試料の単位体積あたりの白血球数を正確に決定するために使用することができる明確に画定された厚さを光学計測に提供することを意味する。分析される試料の体積は、計測空洞の厚さ及び画像化される試料の面積によって明確に画定される。したがって、この明確に画定された体積を使用して白血球数を血液試料の体積に関連付け、体積当たりの白血球数を決定することができる。

0021

この計測空洞は、50〜170マイクロメートルの均一な厚さを有することが好ましい。少なくとも50マイクロメートルの厚さは、計測空洞が、血液試料を単一層として拡散することを強制しないことを意味し、このことは、小さな断面積でより大きな体積の血液を分析することを可能にする。したがって、信頼できる白血球数値を与える十分に大きな体積の血液試料を、比較的に小さな血液試料画像を使用して分析することができる。この厚さは、少なくとも100マイクロメートルであることがより好ましく、この厚さは、よりいっそう小さな断面積を分析し、又はより大きな試料体積を分析することを可能にする。さらに、少なくとも50マイクロメートル、より好ましくは少なくとも100マイクロメートルの厚さはまた、2つの平面間の明確に画定された厚さを有する計測空洞の製造を単純化する。

0022

170マイクロメートル以下の厚さを有する空洞内に配置された大部分の試料では、白血球数が非常に少なく、そのため、互いに重なり合って配置されている白血球に起因する偏差はわずかでしかない。しかし、このような偏差の影響は白血球数に関連するだろう。したがって、少なくとも大きな白血球数値については、この影響を、結果を統計的に補正することによって、少なくてもある程度までは、処理することができる。この統計的補正は計測装置の較正に基づくことができる。この偏差は、厚さ150マイクロメートル以下の計測空洞ではよりいっそう小さく、それにより、より単純な較正を使用することができる。この厚さでは、重なり合った血球に対する較正を必要としない可能性さえある。

0023

さらに、計測空洞の深さ全体を同時に分析することができるディジタル画像を計測装置が得ることができる程に、計測空洞のこの厚さは十分に小さい。この計測装置では拡大システムが使用されるため、大きな被写界深度を得ることは単純ではない。したがって、1つのディジタル画像内で計測空洞の厚さ全体を同時に分析するためには、計測空洞の厚さが、150マイクロメートルを超えないことが好ましいといえる。被写界深度は、170マイクロメートルの計測空洞厚を処理するように構成することができる。

0024

このディジタル画像は、少なくとも計測空洞の厚さに対応する被写界深度で獲得することができる。このことは、試料の厚さ全体の十分な焦点合わせが得られ、その結果、試料の1つのディジタル画像内で計測空洞の厚さ全体を同時に分析することができることを意味する。したがって、計測空洞内で白血球が沈降するのを待つ必要はなく、それによって分析を実施する時間が低減される。試料の特定の部分にあまりシャープに焦点を合わせないことを選択することによって、試料中の白血球数を識別することを可能にする試料の厚さ全体の十分な焦点合わせが得られる。このことは、白血球がいくぶんかぼやける可能性があるが、それでも、その被写界深度で焦点が合っているとみなすことができることを意味する。

0025

この試料獲得デバイスは、揮発性液体に溶解した状態で表面に供給され、蒸発して乾燥した形態の試薬を残す試薬を含むことができる。

0026

この試薬は、計測空洞に挿入する前に揮発性液体に溶解すると有利なことが認識された。このことは、試料獲得デバイスの製造及び調製中に計測空洞の幅の狭い空間から揮発性液体が効果的に蒸発することができることを意味する。

0027

この試薬は、好ましくは有機溶媒に溶解することができ、より好ましくはメタノールに溶解することができる。このような溶媒は揮発性であり、このような溶媒を適当に使用して、計測空洞の表面で試薬を乾燥させることができる。

0028

染色剤は、白血球の核を選択的に染色するように構成することができる。このことは、白血球を、着色されたドットとして識別することができ、したがってディジタル画像内で容易に計数できることを意味する。

0029

この染色剤は、ヘマトキシリンメチレンブルーメチレングリーンメチレンアズール酢酸クレシルバイオレットトルイジンブルーゲンチアナバイオレット、スダン類似体ガロシアニン及びフクシン類似体のグループのうちのいずれか1つ、又はこれらの任意の組合せとすることができる。しかし、染色剤はこのグループに限定されず、多くの他の物質企図することができることを理解されたい。

0030

溶血剤は、第四級アンモニウム塩サポニンデオキシコール酸などの胆汁酸ジギトキシンヘビ毒グルコピラノシド又はトリトン(Triton)型の非イオン性界面活性剤とすることができる。しかし、溶血剤はこのグループに限定されず、多くの他の物質を企図することができることを理解されたい。

0031

この試料獲得デバイスはさらに、計測空洞を試料獲得デバイスの外部に連絡する試料入口を含み、この入口は、血液試料を獲得するように構成されている。試料入口は、毛管力によって血液試料を引き上げるように構成することができ、さらに、計測空洞は、この入口から空洞内に血液を引き入れることができる。その結果、この試料入口を血液と接触するように単純に移動させることによって、計測空洞の中に血液試料を容易に獲得することができる。次いで、試料入口及び計測空洞の毛管力が、明確に画定された量の血液を計測空洞の中へ引き上げる。或いは、試料獲得デバイスに外部からポンピング力を加えることによって、計測空洞の中へ血液試料を吸い込み又は引き入れることができる。他の代替法によれば、血液試料をピペットの中へ獲得し、次いで、このピペットによって血液試料を計測空洞の中に導入することもできる。

0032

この試料獲得デバイスは使い捨てとすることができる。すなわち、1度しか使用されないように構成される。この試料獲得デバイスは血液試料を受け取ることができ、試料を細胞の計数に供するのに必要な全ての試薬を保持しているので、この試料獲得デバイスは、白血球の計数を実行するためのキットを構成する。このことが可能なのは特に、この試料獲得デバイスは1度しか使用されないように適合され、試料獲得デバイスをクリーニングし、試薬を再び与える可能性を考慮せずに形成することができるためである。さらに、この試料獲得デバイスはプラスチック材料から成形することができ、それによって安い価格レートで製造することができる。したがって、使い捨ての試料獲得デバイスを使用することはそれでもなお、費用面から効率的である可能性がある。

0033

この試料は、染色剤の吸光度ピークに対応する波長の光によって照射することができる。その結果、光の低い透過率によって、染色剤の蓄積を含む染色された白血球が検出される。

0034

この照射はレーザ源によって実行することができる。このレーザ源は、染色剤の吸光度に適合した明確に画定された波長の光を提供することができる。さらに、このレーザ源は平行光を提供し、迷光外乱を最小限に抑え、その結果、光の透過率が低い点がシャープに区別される。

0035

この照射は或いは、発光ダイオードによって実行することもできる。この光源もやはり、試料中の他の物質から白血球を適切に区別する十分な照射条件を提供することができる。

0036

このディジタル画像は、3〜200倍、より好ましくは3〜10倍の倍率を使用して獲得することができる。これらの倍率範囲において、白血球は十分に検出されるように拡大され、被写界深度は、試料の厚さをカバーするように構成することができる。低い倍率は、大きな被写界深度を得ることができることを意味する。しかし、低い倍率が使用される場合、白血球が検出されにくくなる可能性がある。獲得された画像内の画素数を増大させることによって、すなわちディジタル画像の分解能を向上させることによって、より低い倍率を使用することができる。このようにして、3〜4倍の倍率を使用し、なおかつ白血球を検出することができた。

0037

この解析は、ディジタル画像内の高吸光度の領域を識別することを含む。この解析はさらに、ディジタル画像内の黒いドット又は暗いドットを識別することを含むことができる。染色剤は白血球の核内に蓄積することができるため、光の吸光度は、分離した別々の点にピークを有することができる。これらの点は、ディジタル画像上に黒いドットを形成する。

0038

この解析はさらに、獲得されたディジタル画像を電子的に拡大することを含むことができる。試料の拡大されたディジタル画像を獲得するために試料を拡大し、その一方で、獲得されたディジタル画像内で互いの非常に近くに画像化された物体間の区別を単純化するために、獲得されたディジタル画像を電子的に拡大することができる。

0039

次に、添付図面を参照して、本発明を例を挙げてより詳細に説明する。

発明を実施するための最良の形態

0040

次に、図1を参照して、本発明の一実施形態に基づく試料獲得デバイス10を説明する。試料獲得デバイス10は使い捨てであり、分析に使用された後は廃棄される。このことは、試料獲得デバイス10が複雑な取扱いを要求しないことを意味する。試料獲得デバイス10はプラスチック材料から形成されることが好ましく、射出成形によって製造することができる。このことは、試料獲得デバイス10の製造を単純且つ安価にし、それによって試料獲得デバイス10の費用を抑制することができる。

0041

試料獲得デバイス10は胴体部材12を含み、胴体部材12は、分析結果に影響を及ぼすことなく操作する者が触れることができるベース14を有する。ベース14はさらに、分析装置のホルダにぴったり合うことができる突起16を有することができる。突起16は、試料獲得デバイス10が分析装置内に正確に配置されるように構成することができる。

0042

試料獲得デバイス10はさらに試料入口18を含む。試料入口18は、試料獲得デバイス10内の対向した壁と壁の間に画定され、これらの壁は、互いにごく近くに配置され、その結果、試料入口18において毛管力を生み出すことができる。試料獲得デバイス10内に血液を引き入れることを可能にするため、試料入口18は試料獲得デバイス10の外部と連絡している。試料獲得デバイス10はさらに、試料獲得デバイス10内の対向した壁と壁の間に配置された計測空洞20の形態の白血球を計数するための室を含む。計測空洞20は、試料入口18と連絡するように構成される。試料入口18から計測空洞20内へ毛管力によって血液を引き入れることができるように、計測空洞20を画定する壁は、試料入口18の壁よりも互いにより近くに配置される。

0043

計測空洞20の壁は、互いから50〜170マイクロメートルの距離に配置される。計測空洞20の厚さが少なくとも100マイクロメートルであるとより好ましい。さらに、計測空洞20の厚さが150マイクロメートル以下であるとより好ましい。この距離は、計測空洞20の全体にわたって均一である。この計測空洞20の厚さが、検査される血液の体積を画定する。分析結果は、検査される血液試料の体積と比較されるので、計測空洞20の厚さは非常に正確である必要があり、すなわち、同じ計測空洞20内の厚さの変動、及び異なる試料獲得デバイス10の計測空洞20間の厚さの変動はごくわずかしか許されない。この厚さは、この小面積の空洞の中で比較的に大きな試料体積を分析することを可能にする。理論的にこの厚さは、計測空洞20内で白血球が互いに重なり合って配置されることを可能にする。しかし、血液中の白血球の量は非常に小さく、そのため、このことが起こる確率は非常に低い。

0044

試料獲得デバイス10は一般に、0.5×109細胞/リットル(血液)を超える白血球数を計測するように適合される。白血球数がこれよりも少ないと、試料体積が小さすぎて、統計学的に有意な白血球量を計数することができない。さらに、白血球数が12×109細胞/リットル(血液)を超えるときには、血球が互いに重なり合って配置されている影響が、計測される白血球数に対して意味を持ち始める。この白血球数では、計測空洞の厚さが140マイクロメートルである場合、白血球が、照射されている試料の断面積の約8%をカバーする。したがって、正確な白血球数を得るためには、この影響を考慮する必要がある。したがって、12×109細胞/リットル(血液)を超える白血球数値の統計的補正を使用することができる。白血球数が大きいほど、血球の重なり合いの影響も大きいため、この統計的補正は、白血球数が大きいほど大きくなる。この統計的補正は、計測装置の較正によって決定することができる。或いはこの統計的補正は、試料獲得デバイス10に関連して使用される計測装置をセットアップする全般的なレベルで決定することもできる。この統計的補正の大きさは、コールターの原理を使用する分析装置において現在実行されている統計的補正と同様の大きさである。試料獲得デバイス10を使用して、50×109細胞/リットル(血液)もの大きな白血球数を分析することができることも企図される。

0045

計測空洞20の壁の表面は、少なくとも部分的に試薬22で覆われている。試薬22は、凍結乾燥加熱乾燥又は真空乾燥させ、計測空洞20の表面に付着させることができる。計測空洞20の中に血液試料が獲得されると、血液は乾燥試薬22と接触し、試薬22と血液の間の反応を開始する。

0046

試薬22は、ピペット又はディスペンサを使用して計測空洞20内に試薬22を注入することによって供給される。計測空洞20内に注入されるとき、試薬22は、揮発性の液体、例えばメタノールなどの有機溶媒に溶解される。試薬22を含むこの溶媒を計測空洞20に満たすことができる。次いで、溶媒が蒸発し、試薬22が計測空洞20の表面に付着するように、乾燥を実行する。

0047

この試薬は幅の狭い空間の表面で乾燥されるため、周囲の大気と接触したこの液体試薬の表面は非常に小さく、それにより液体試薬の蒸発はより難しくなる。したがって、計測空洞の幅の狭い空間から液体試薬が効果的に蒸発することを可能にするメタノールなどの揮発性液体を使用したほうが有利である。

0048

代替製造法によれば、2片を互いに張り合わせ、それによって一方の片が計測空洞20の底面壁を形成し、もう一方の片が計測空洞20の上面壁を形成するようにすることによって、試料獲得デバイス10が形成される。こうすることによって、これらの2片を互いに張り合わせる前に、開放表面上で試薬22を乾燥させることができる。したがって、溶媒が揮発性である必要がないため、試薬22を水に溶解することができる。

0049

試薬22は、溶血剤及び染色剤を含む。溶血剤は、第四級アンモニウム塩、サポニン、デオキシコール酸などの胆汁酸、ジギトキシン、ヘビ毒、グルコピラノシド又はトリトン(Triton)型の非イオン性界面活性剤とすることができる。染色剤は、ヘマトキシリン、メチレンブルー、メチレングリーン、メチレンアズール、酢酸クレシルバイオレット、トルイジンブルー、ゲンチアナバイオレット、スダン類似体、ガロシアニン又はフクシン類似体、或いはこれらの任意の組合せとすることができる。血液試料が試薬22と接触すると、溶血剤は、赤血球を溶解するように作用し、その結果、溶解した赤血球が血漿と混合される。さらに、白血球の核内に染色剤が蓄積する。試薬22は、白血球の全ての核をはっきりと染色する十分な量の染色剤を含んでいなければならない。したがって、しばしば過剰な染色剤が存在し、それらは血漿中に混在する。この過剰の染色剤は、血漿中の染色剤の均質で低いバックグラウンドレベルを与える。白血球内に蓄積した染色剤は、この染色剤のバックグラウンドレベルを上回り、区別可能である。

0050

試薬22は他の成分を含むこともでき、それらは活性でも、すなわち血液試料との化学反応に参加しても、又は不活性でも、すなわち血液試料との化学反応に参加しなくてもよい。活性成分は例えば、溶血作用又は染色作用を触媒するように構成することができる。不活性成分は例えば、計測空洞20の壁面への試薬22の付着を改善するように構成することができる。

0051

血液試料は数分のうちに試薬22と反応し、その結果、赤血球が溶解し、白血球の核内に染色剤が蓄積する。

0052

図2を参照して、試料獲得デバイスの他の実施形態を説明する。試料獲得デバイス110は、計測空洞を形成する室120を含む。試料獲得デバイス110は、室120内に血液を運ぶための室120内へ通じる入口118を有する。室120は、吸引管121を介してポンプ(図示せず)に接続されている。このポンプは、吸引管121を介して室120内に吸引力を加えることができ、その結果、入口118を通して室120の中に血液を吸い込むことができる。計測を実行する前にポンプから試料獲得デバイス110を分離することができる。第1の実施形態に基づく試料獲得デバイス10の計測空洞20と同様に、室120は、検査される試料の厚さを画定する明確に画定された厚さを有する。さらに、室120の壁には、血液試料と反応させるための試薬122が付着される。

0053

次に図3を参照して、白血球の体積計数のための装置30を説明する。装置30は、血液試料を含む試料獲得デバイス10を受け取るための試料ホルダ32を含む。試料ホルダ32は、試料獲得デバイス10の計測空洞20が装置30内に正確に配置されるように試料獲得デバイス10を受け取るよう構成される。装置30は、試料獲得デバイス10内の血液試料を照明するための光源34を含む。光源34は、可視スペクトル全体の光を照射する白熱電球とすることができる。白血球の核内に蓄積した染色剤は、特定の波長の光を吸収し、その結果、試料のディジタル画像中に白血球の核が出現する。カラー画像を獲得する場合、白血球は、特定の色に着色されたドット(dot)として現れる。白黒画像を獲得する場合、白血球は、より明るい背景の中の暗いドットとして現れる。

0054

或いは、光源34をレーザ又は発光ダイオードとすることもできる。これを使用して、画像のコントラストを増大させ、その結果、白血球をより検出しやすくすることができる。この場合、光源34は、染色剤の吸収ピークに対応する波長の電磁放射放射するように構成される。この波長はさらに、この血液化合物の吸収が比較的に低いように選択されなければならない。さらに、試料獲得デバイス10の壁は、その波長に対して実質上透過性でなければならない。例えば、メチレンブルーを染色剤として使用する場合には、波長667nmの光を照射するように光源34を構成することができる。

0055

装置30はさらに、光源34に関して試料ホルダ32の反対側に配置された画像化システム36を含む。したがって、画像化システム36は、血液試料を透過した放射を受け取るように配置される。画像化システム36は、拡大システム38及び画像獲得手段40を含む。拡大システム38は、3〜200倍、より好ましくは3〜100倍、最も好ましくは3〜4倍の倍率を提供するように構成される。これらの倍率範囲では白血球を区別することが可能である。より低い倍率を使用することを可能にするために、この画像を、分解能を高めて獲得することができる。さらに、それにもかかわらず、拡大システム38の被写界深度を、少なくとも計測空洞20の厚さに一致するように構成することができる。

0056

拡大システム38は、試料ホルダ32の近くに配置された対物レンズ又は対物レンズ系42、及び対物レンズ42からある距離を置いて配置された接眼レンズ又は接眼レンズ系44を含む。対物レンズ42は、試料の最初の拡大像を提供し、これはさらに接眼レンズ44によって拡大される。拡大システム38は、試料の適当な拡大及び画像化を達成するための追加のレンズを含むことができる。拡大システム38は、試料ホルダ32の中に配置されたときに計測空洞20内の試料が、画像獲得手段40の画像平面上で像を結ぶように構成される。

0057

画像獲得手段40は、試料のディジタル画像を獲得するように構成される。画像獲得手段40は、CCDカメラなどの任意の種類のディジタルカメラとすることができる。ディジタルカメラの画素サイズは、被写界深度内において画像平面内の錯乱円が画素サイズを超えることができないという制約を画像化システム36に課す。しかし、たとえいくらかぼやけるとしても、白血球は依然として検出することができ、したがって、被写界深度内で考える限り、錯乱円が画素サイズを超えることを許すことができる。ディジタルカメラ40は、計測空洞20内の試料のディジタル画像を獲得し、このディジタル画像内では、白血球を計数するために試料の厚さ全体に十分に焦点が合っている。画像化システム36は、ディジタル画像内に画像化される計測空洞20の面積を画定する。画像化される面積は、計測空洞20の厚さとともに、画像化される試料の体積を画定する。画像化システム36は、試料獲得デバイス10内の血液試料の画像化に適合するようにセットアップされる。画像化システム36のこのセットアップを変更する必要はない。このセットアップが偶然に変更されないように、画像化システム36はハウジングの中に配置されることが好ましい。

0058

装置30はさらに画像解析機46を含む。画像解析機46はディジタルカメラ40に接続されて、ディジタルカメラ40が獲得したディジタル画像を受け取る。画像解析機46は、ディジタル画像中の白血球に対応するパターンを識別して、ディジタル画像中に存在する白血球の数を計数するように構成される。したがって、画像解析機46は、より明るい背景の中の暗いドットを識別するように構成することができる。画像解析機46は、ディジタル画像を解析する前に最初にディジタル画像を電子的に拡大するように構成することができる。このディジタル画像の電子拡大はディジタル画像をややぼやけさせはするものの、このことは、画像解析機46が、互いの近くに画像化された白血球を区別しやすくすることができることを意味する。

0059

画像解析機46は、そのディジタル画像内で識別された白血球の数を血液試料の体積で割ることによって、血液の体積あたりの白血球数を計算することができる。血液試料の体積は前述のとおり明確に画定されている。この体積白血球数を装置30のディスプレイ上に表示してもよい。

0060

画像解析機46は、画像解析を実行するためのコードを含む処理ユニットとして実現することができる。

0061

図4を参照して、白血球の体積計数のための方法を説明する。この方法は、試料獲得デバイスの中に血液試料を獲得することを含む(ステップ102)。無希釈の全血試料を試料獲得デバイスの中に獲得する。この試料は、毛細管血又は静脈血から獲得することができる。毛細管血の試料は、刺し傷をつけた患者の指から計測空洞の中へ直接に引き入れることができる。この血液試料は試料獲得デバイス内の試薬と接触し、反応を開始する。赤血球が溶解し、白血球の核内に染色剤が蓄積する。血液試料の獲得から数分のうちに、試料は分析できる状態になる。分析装置の中に試料獲得デバイスを配置する(ステップ104)。分析装置のボタンを押すことによって分析を開始することができる。或いは、分析装置が試料獲得デバイスの存在を検出することによって、分析が自動的に開始される。

0062

試料に照射し(ステップ106)、試料の拡大像のディジタル画像を獲得する(ステップ108)。試料には、染色剤の吸収ピークに対応する波長の電磁放射が照射される。このことは、ディジタル画像が、白血球の核の位置に、黒いドット又はより暗いドットを含むことを意味する。

0063

獲得されたディジタル画像は画像解析機に転送され、画像解析機は、ディジタル画像中の黒いドットの数を計数するための画像解析を実行する(ステップ110)。

0064

図5に、溶血され、染色された血液試料中の白血球を識別する可能性を指示するディジタル画像の一例を示す。このディジタル画像は、空洞厚140μmの試料獲得デバイスから、倍率50倍を使用して得られたものである。光源は白色光を照射しており、このことは、たとえ照射が染色剤の吸収ピークに厳密に適合されていなくても白血球を識別することができることを示している。使用した染色剤はメチレンブルーである。図5では、白血球を指示するはっきり識別可能な黒いドットが見える。図5に示した画像はカラー画像を白黒にしたものである。白血球と背景の間のコントラストは、この図に再現された白黒画像よりもカラー画像のほうがより明瞭に見える。これらの黒いドットは、画像解析機によって容易に計数することができる。

0065

白血球を手作業で計数する方法では、血液試料の白血球数を決定するために一般に約200個の細胞が計数される。本明細書に提示した方法及び装置は例えば、約2000個の細胞を計数するように構成することができ、このことは、得られた結果の統計的確実性をより良好にする。普通の健康な成人の白血球数は4〜5×109細胞/リットル(血液)である。このことは、体積0.4〜0.5μlの試料中に2000個の細胞が見いだされることを意味する。例えば、厚さ140μmの計測空洞内の1.5×1.5mmの領域を画像化する場合、画像化される体積は0.315μlである。獲得された画像の一部分を選択して分析することができる。したがって、白血球数を決定するために使用されている部分に異常が許されないように、獲得した画像を最初に粗く分析することができる。分析のために選択された獲得された画像の部分は、十分な体積の血液試料が分析されるよう適当なサイズを有するように選択することができる。

0066

本明細書に記載された好ましい実施形態は決して本発明を限定するものではないこと、及び添付の特許請求の範囲によって定義された保護の範囲に含まれる多くの代替実施形態が可能であることを強調しておかなければならない。

図面の簡単な説明

0067

本発明の一実施形態に基づく試料獲得デバイスの概略図である。
本発明の他の実施形態に基づく試料獲得デバイスの概略図である。
本発明の一実施形態に基づく計測装置の概略図である。
本発明の一実施形態に基づく方法の流れ図である。
白血球の体積計数に使用される血液試料のディジタル画像である。

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