図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2008年6月19日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (14)

課題・解決手段

本発明は、軽鎖領域および重鎖領域ジスルフィド結合により連結されている、軽鎖領域、重鎖領域、ならびに、軽鎖領域および重鎖領域を接続する中間領域を有する、単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドに関する。クロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする単離された核酸分子もまた開示されている。クロストリジウム神経毒プロペプチドを切断することにより生成される、単離された生理学的活性クロストリジウム神経毒、そのワクチンまたは解毒剤、およびクロストリジウム神経毒の毒性作用に対して免疫する、または処置する方法もまた開示されている。組換え生理学的活性クロストリジウム神経毒を発現させる方法もまた開示されている。クロストリジウム神経毒の重鎖領域を有するキメラタンパク質、および治療的機能性を有するタンパク質も開示されている。処置方法もまた開示されている。

概要

背景

発明の背景
クロストリジウム神経毒は、シナプス小胞エキソサイトーシスニューロン機構を標的にする構造的に類似したタンパク質ファミリーである。クロストリジウム(Clostridium)属の嫌気性菌により産生される、ボツリヌス(botulinum)神経毒(「BoNT」、7つの免疫学的別個サブタイプA〜G)および破傷風(Tetanus)神経毒(「TeNT」)は、重量あたりで公知の最も有毒物質であり、静脈内または筋肉経路により投与される場合、0.5〜2.5ng/kgの範囲のLD50を有する(National Institute of Occupational Safety and Health,「Registry of Toxic Effects of Chemical Substances(R-TECS),」Cincinnati, Ohio: National Institute of Occupational Safety and Health (1996))。BoNTは、コリン作動性神経をそれらの神経筋接合部においてターゲットし、アセチルコリン放出を阻害し、末梢神経遮断を引き起こす(Simpson,「Identification of the Major Steps in Botulinum Toxin Action,」Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 44:167-193 (2004))。BoNT血清型A、BおよびEは特に、それらが噴霧され、吸入により送達され得るため、隊および一般市民にとって最も多大なる脅威を示すと考えられる(Arnon et al.,「Botulinum Toxin as a Biological Weapon: Medical and Public Health Management,」JAMA 285:1059-1070 (2001))。

クロストリジウム神経毒での中毒に対して効果的であるワクチンまたは抗体を開発するために多くの努力がなされてきたが、利用できる不活性化毒素調製物が、最適には天然毒素を模倣しないため、利用できる製品の有効性は限られている。広範な使用が認可されている治療用抗体またはワクチンはないが、いくつかの調製物は、特定の状況下での限定的使用に利用できる。NIAID Biodefense Research Agendaは、クロストリジウム神経毒に対する防衛手段の開発を最も緊急の目標の一つと認定した(National Institute of Allergy and Infectious Diseases,「NIAID Biodefence Research Agenda for CDC category A Agents」NIH Publication #03-5308 (2002))。第一の標的は、標的細胞への神経毒侵入を理解し、防ぐことである。免疫学的アプローチは、抗毒素としての抗体の注入を介しての消極防護、またはトキソイド、それらを非毒性だが免疫原性を維持するように化学的にまたは遺伝子的に形質転換された毒素での、ワクチン接種を介する能動免疫を利用する(Ramon et al.,「Sur L'immunization Antitetanique et sur la Production de L'antitoxine Tetanique,」Compt. Rend. Soc. Biol. 93:508-598 (1925))。抗体に基づいた抗毒素は、限定的量で利用できるが、認可されているクロストリジウム神経毒に対する防御ワクチンはない。温度により不活性化された、またはホルムアルデヒド架橋結合された毒素からなる、五価のボツリヌストキソイド(ABCDE)は、限定された量で利用でき、実験室研究者および軍人において抗体を誘導することが示される(National Institute of Allergy and Infectious Diseases,「NIAID Biodefence Research Agenda for CDC category A Agents. Progress Report,」NIH Publication #03-5435 (2003))。吸入により投与された不活性化重鎖トキソイドは、LD50の104倍の吸入された毒素用量から動物を防御することが見出された(Park et al.,「Inhalational Poisoning by Botulinum Toxin and Inhalation Vaccination with Its Heavy-Chain Component,」Infect. Immun. 71:1147-1154 (2003))。治験中のBoNTに対する七価抗毒素(A〜G反応性ウマ起源)は、米国国防総省(U.S. Department of Defense)により開発中であり、現在試験されている。最初のデータは、この抗毒素の一般的安全性を実証するが、ヒトにおけるいくつかの異種間反応原性を示す。もう一つの治験中のBoNT抗毒素は、高効力でBoNTを中和する3つの組換えモノクローナル抗体の組み合わせに基づいている(Nowakowski et al.,「Potent Neutralization of Botulinum Neurotoxin by Recombinant Oligoclonal Antibody,」Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:11346-11350 (2002))。BoNT B〜Gに対するヒトモノクローナル抗体の開発および試験もまた、最近進行中であり、NIAIDにより支援されている(National Institute of Allergy and Infectious Diseases,「NIAID Biodefence Research Agenda for CDC category A Agents. Progress Report,」NIH Publication #03-5435 (2003))。

いくつかの研究所は、組換えクロストリジウム毒素遺伝子またはその断片を開発しようと試みている。米国国防総省は、BoNTA重鎖の受容体結合ドメイン発現に基づくワクチンを開発した(National Institute of Allergy and Infectious Diseases,「NIAID Biodefence Research Agenda for CDC Category A Agents. Progress Report,」NIH Publication #03-5435 (2003); Byrne et al.,「Purification, Potency, and Efficacy of the Botulinum Neurotoxin Type A Binding Domain from Pichia pastoris as a Recombinant Vaccine Candidate,」Infect. Immun. 66:4817-4822 (1998);およびPless et al.,「High-Affinity, Protective Antibodies to the Binding Domain of Botulinum Neurotoxin Type A,」Infect. Immun. 69:570-574 (2001))。ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)に発現された組換えBoNT F断片による類似したアプローチは、毒素に対する動物の部分的防御を与えることを見出した(Foynes et al.,「Vaccination Against Type F Botulinum Toxin Using Attenuated Salmonella enterica var Typhimurium Strains Expressing the BoNT/F HC Fragment,」Vaccine 21:1052-1059 (2003))。大腸菌(E. coli)に発現されたBoNT Aの触媒活性の非毒性誘導体は、毒素中和抗体を誘導し、動物をBoNT攻撃から防御することが報告された(Chaddock et al.,「Expression and Purification of Catalytically Active, Non-Toxic Endopeptidase Derivatives of Clostridium botulinum Toxin Type A,」Protein Expr. Purif. 25:219-228 (2002))。大腸菌で発現されたBoNT Cの触媒的不活性の完全長誘導体は、マウスにおいて免疫原性であったが、この系の制限は、完全長の未変性で活性のある組換え毒素の発現を妨害する(Kiyatkin et al.,「Induction of an Immune Response by Oral Administration of Recombinant Botulinum Toxin,」Infect. Immun. 65:4586-4591 (1997))。Rummel et al.(「Synaptotagmins I and II Act as Nerve Cell Receptors for Botulinum Neurotoxin G,」J. Biol. Chem. 279:30865-30870 (2004) (「Rummel I」)およびRummel et al.(「The HCC-domain of Botulinum Neurotoxins A and B Exhibit a Singular Ganglioside Binding Site Displaying Serotype-Specific Carbohydrate Interaction,」Mol. Microbiol. 51:631-643 (2004)(「Rummel II」)は、それぞれの完全長遺伝子をコードするプラスミドから大腸菌において発現された完全長BoNT A、BおよびG神経毒を報告している。Rummel IおよびRummel IIはまた、BoNT遺伝子のいくつかの誘導体を報告している。Rummel IおよびRummel IIに記載された神経毒は、非常に高い濃度でのみ活性である。これは、Rummel IおよびRummel IIにより発現された神経毒が、大腸菌からの発現、抽出および精製中に変性し、より不適当ジスルフィド結合により一本鎖BoNTプロペプチドの低い生理学的活性をもたらすという事実による可能性が高い。従って、Rummel IおよびRummel IIは、実際、血清型A、BおよびGの完全長組換えBoNTペプチドを産生した可能性があるが、記載された神経毒の性質は、天然の構造および生理学的活性を有しない。

広く用いられる大腸菌発現系は、大腸菌サイトゾルが、天然毒素構造に絶対不可欠なジスルフィド架橋の維持に必要な非還元性環境を提供し得ないため、いくつかのタンパク質について問題がある可能性がある(Alberts et al., Molecular Biology of the Cell, 第3版, Garland Publishing Inc., 112, 113, 488, 589)。さらに、大腸菌に基づく発現系はまた、内毒素除去に関連した実施上の問題を示す。これらの制限は、天然の毒素構造および生物活性を保持する組換え分子を産生する能力がある発現系を選択する重要性を強調する。

発現された、もしくは天然毒素からの還元/変性により調製したクロストリジウム毒素重鎖のC末端部分(「Hc」)または無傷の重鎖(「HC」)は、機能的に変化しており、それゆえ毒素誘発性麻痺発症を遅らせるために〜10,000倍のモル過剰を必要とすることを複数の研究所からのデータが示唆している(Li et al.,「Recombinant Forms of Tetanus Toxin Engineered for Examining and Exploiting Neuronal Trafficking Pathways,」J. Biol. Chem. 276:31394-31401 (2001); Lalli et al.,「Functional Characterization of Tetanus and Botulinum Neurotoxins Binding Domains,」J. Cell Sci. 112:2715-2724 (1999))。これらの調製物の一部は、このアッセイにおいて完全に不活性であった(Daniels-Holgate et al.,「Productive and Non-Productive Binding of Botulinum Neurotoxin A to Motor Nerve Endings are Distinguished by Its Heavy Chain,」J. Neurosci. Res. 44:263-271 (1996))。HCおよびHcの低効力は、通常は毒素輸送を媒介する細胞上の非生産的部位への結合親和性の増加か、または結果として、標的細胞における特異的結合部位に対する低い結合親和性を生じる、天然毒素との高次構造的差異のいずれかによる可能性がある。いずれの場合においても、不正確な折り畳み、変化した翻訳後修飾、分子のN末端部分の必要条件(Koriazova et al.,「Translocation of Botulinum Neurotoxin Light Chain Protease through the Heavy Chain Channel,」Nat. Struct. Biol. 10:13-18 (2003))、または多数の他の変化が、これらの機能的に重要な欠損の原因である可能性がある。これらの事実は、BoNTまたはその誘導体の現在利用可能な調製物が、それらの治療的能力を制限し得る、天然毒素の不十分な模倣体であることを示唆している。

BoNT中毒に対するワクチンまたは抗体としてBoNTの不活性化誘導体を作製するための現在利用可能な方法は、限られた成功例しかない。これは、いくつかの因子により得る。第一に、クロストリジウム培養物から調製されたBoNTを不活性化するために用いられる方法は厳しく、その免疫原性または輸送および吸収に影響を及ぼし得るようなやり方で毒素の天然の高次構造を変化させ得る。第二に、組換え毒素を産生することに基づく方法は、不活性毒素分子またはそのタンパク質ドメインの断片のいずれかを産生することに成功しただけである。どちらの場合においても、産生される組換え分子は、定義により、特に翻訳後プロセシングおよびジスルフィド結合に関して、天然毒素とは有意に異なる。不活性化毒素および毒素断片は免疫原性であることが示されているが、それらが産生したポリクローナル抗体プールは、誤って折り畳まれた毒素上においてのみ存在するエピトープを認識する画分を含む。

クロストリジウム神経毒が広範に研究されているもう一つの領域は、ジストニア処置するため、および皮膚における審美的欠陥を一時的に修正するためのそれらの臨床的使用に関する。これらの適応症は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の菌株により産生される神経毒(BoTox)に特有であるが、なぜならそれらは、特定の筋肉を局所的に麻痺させ、それにより治療的目的を達成するのに極めて低用量で用いることができるからである。この適応症に用いられる現行の製品のすべては、クロストリジウム培養物から作製されており、遺伝子操作技術のいずれかの型を用いて作製された活性BoTox分子の報告はない。

対象となるさらなる領域は、分解されずに経細胞輸送により上皮バリアを通過し、神経組織を特異的にターゲットし得るクロストリジウム神経毒の能力から導かれる。これは、クロストリジウム神経毒が、通常はこれらの投与経路を介して送達することができない治療剤のための経口および吸入担体、ならびに末梢および中枢神経系を特異的にターゲットすることができる送達媒体を可能にするために用いることができるという示唆へと導く。

本発明は、これらを始めとする当技術分野における制限を克服するために向けられる。

概要

本発明は、軽鎖領域および重鎖領域がジスルフィド結合により連結されている、軽鎖領域、重鎖領域、ならびに、軽鎖領域および重鎖領域を接続する中間領域を有する、単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドに関する。クロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする単離された核酸分子もまた開示されている。クロストリジウム神経毒プロペプチドを切断することにより生成される、単離された生理学的活性クロストリジウム神経毒、そのワクチンまたは解毒剤、およびクロストリジウム神経毒の毒性作用に対して免疫する、または処置する方法もまた開示されている。組換え生理学的活性クロストリジウム神経毒を発現させる方法もまた開示されている。クロストリジウム神経毒の重鎖領域を有するキメラタンパク質、および治療的機能性を有するタンパク質も開示されている。処置方法もまた開示されている。

目的

それらは、大量の、かつワクチンおよび毒素解毒剤の作製に特異的に向けられた突然変異を有する、カスタマイズされた毒素誘導体を生産することができる新しいアプローチを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

以下を含む、単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチド軽鎖領域;軽鎖領域および重鎖領域ジスルフィド結合により連結されている、重鎖領域;ならびに軽鎖領域および重鎖領域を接続し、かつ高度に特異的なプロテアーゼ切断部位を含む中間領域であって、該高度に特異的なプロテアーゼ切断部位が、切断を可能にするために高度に特異的なプロテアーゼにより認識される3つまたはそれ以上の特異的な隣接したアミノ酸残基を有する、中間領域。

請求項2

プロペプチドボツリヌス菌(Clostridium botulinum)由来である、請求項1記載のプロペプチド。

請求項3

ボツリヌス菌が、ボツリヌス菌血清型A、ボツリヌス菌血清型B、ボツリヌス菌血清型C、ボツリヌス菌血清型D、ボツリヌス菌血清型E、ボツリヌス菌血清型F、およびボツリヌス菌血清型Gからなる群より選択される血清型を有する、請求項2記載のプロペプチド。

請求項4

高度に特異的なプロテアーゼ切断部位がエンテロキナーゼ切断部位である、請求項1記載のプロペプチド。

請求項5

プロペプチドが中間領域に低特異性プロテアーゼ切断部位を有さず、該低特異性プロテアーゼ切断部位が、切断を可能にするためにプロテアーゼにより認識される2つまたはそれ未満の隣接したアミノ酸残基を有する、請求項1記載のプロペプチド。

請求項6

軽鎖領域および重鎖領域が切り詰められていない、請求項1記載のプロペプチド。

請求項7

プロペプチドが、プロペプチドの活性メタロプロテアーゼ部位において無能にする突然変異を有する、請求項1記載のプロペプチド。

請求項8

請求項1記載のプロペプチドをコードする、単離された核酸分子

請求項9

核酸分子がボツリヌス菌のプロペプチドをコードする、請求項8記載の核酸分子。

請求項10

ボツリヌス菌が、ボツリヌス菌血清型A、ボツリヌス菌血清型B、ボツリヌス菌血清型C、ボツリヌス菌血清型D、ボツリヌス菌血清型E、ボツリヌス菌血清型F、およびボツリヌス菌血清型Gからなる群より選択される血清型を有する、請求項9記載の核酸分子。

請求項11

コードされたプロペプチドを低特異性タンパク分解に対して耐性にする突然変異、推定上の内部DNA制御エレメント不活性化する1つもしくは複数の沈黙突然変異、および1つもしくは複数の固有制限部位からなる群より選択される1つまたは複数の特徴をさらに含む、請求項8記載の核酸分子。

請求項12

プロペプチドの活性メタロプロテアーゼ部位をコードする領域における無能にする突然変異をさらに含む、請求項8記載の核酸分子。

請求項13

異種性ベクター内に請求項8記載の核酸分子を含む発現系。

請求項14

核酸分子が、本来のセンス配向および正しいリーディングフレームでベクターへ挿入されている、請求項13記載の発現系。

請求項15

請求項8記載の異種性核酸分子を含む宿主細胞

請求項16

核酸分子が異種性発現系へ挿入されている、請求項15記載の宿主細胞。

請求項17

中間領域が、発現系または宿主細胞に内因性のプロテアーゼにより切断されない、請求項16記載の宿主細胞。

請求項18

宿主細胞が、植物細胞哺乳動物細胞昆虫細胞、および細菌細胞からなる群より選択される、請求項15記載の宿主細胞。

請求項19

宿主細胞が大腸菌(Escherichia coli)細胞である、請求項18記載の宿主細胞。

請求項20

宿主細胞が昆虫細胞である、請求項18記載の宿主細胞。

請求項21

宿主細胞がピチアパストリス(Pichia pastoris)細胞である、請求項18記載の宿主細胞。

請求項22

軽鎖領域および重鎖領域がジスルフィド結合により連結されている、請求項1記載のプロペプチドを高度に特異的なプロテアーゼ切断部位で切断することにより生成される、単離された生理学的活性クロストリジウム神経毒

請求項23

神経毒がボツリヌス菌由来である、請求項22記載の単離されたクロストリジウム神経毒。

請求項24

ボツリヌス菌が、ボツリヌス菌血清型A、ボツリヌス菌血清型B、ボツリヌス菌血清型C、ボツリヌス菌血清型D、ボツリヌス菌血清型E、ボツリヌス菌血清型F、およびボツリヌス菌血清型Gからなる群より選択される血清型を有する、請求項23記載の単離されたクロストリジウム神経毒。

請求項25

生理学的活性が、毒素免疫原性経細胞および細胞内輸送、ならびに細胞認識からなる群より選択される、請求項22記載の単離されたクロストリジウム神経毒。

請求項26

神経毒が毒性である、請求項22記載の単離されたクロストリジウム神経毒。

請求項27

神経毒が無毒である、請求項22記載の単離されたクロストリジウム神経毒。

請求項28

神経毒が、活性メタロプロテアーゼ部位において無能にする突然変異を有する、請求項27記載の単離されたクロストリジウム神経毒。

請求項29

軽鎖領域が、毒性クロストリジウム神経毒において軽鎖メタロプロテアーゼ活性を不活性化する能力がある非天然モチーフを含む、請求項27記載の単離されたクロストリジウム神経毒。

請求項30

請求項27記載の単離されたクロストリジウム神経毒を含むワクチンまたは解毒剤

請求項31

神経毒がボツリヌス菌由来である、請求項30記載のワクチンまたは解毒剤。

請求項32

ボツリヌス菌が、ボツリヌス菌血清型A、ボツリヌス菌血清型B、ボツリヌス菌血清型C、ボツリヌス菌血清型D、ボツリヌス菌血清型E、ボツリヌス菌血清型F、およびボツリヌス菌血清型Gからなる群より選択される血清型を有する、請求項31記載のワクチンまたは解毒剤。

請求項33

神経毒が、活性メタロプロテアーゼ部位において無能にする突然変異を有する、請求項30記載のワクチンまたは解毒剤。

請求項34

生理学的活性が、毒素免疫原性、経細胞および細胞内輸送、ならびに細胞認識からなる群より選択される、請求項30記載のワクチンまたは解毒剤。

請求項35

クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を免疫するのに効果的な条件下で被験体に請求項30記載のワクチンを投与する段階を含む、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を免疫する方法。

請求項36

神経毒がボツリヌス菌由来である、請求項35記載の方法。

請求項37

ボツリヌス菌が、ボツリヌス菌血清型A、ボツリヌス菌血清型B、ボツリヌス菌血清型C、ボツリヌス菌血清型D、ボツリヌス菌血清型E、ボツリヌス菌血清型F、およびボツリヌス菌血清型Gからなる群より選択される血清型を有する、請求項36記載の方法。

請求項38

神経毒が活性メタロプロテアーゼ部位において無能にする突然変異を有する、請求項35記載の方法。

請求項39

被験体の免疫化を増強するのに効果的な条件下で被験体にワクチンのブースターを投与する段階をさらに含む、請求項35記載の方法。

請求項40

クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を処置するのに効果的な条件下で被験体に請求項30記載の解毒剤を投与する段階を含む、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を処置する方法。

請求項41

神経毒がボツリヌス菌由来である、請求項40記載の方法。

請求項42

ボツリヌス菌が、ボツリヌス菌血清型A、ボツリヌス菌血清型B、ボツリヌス菌血清型C、ボツリヌス菌血清型D、ボツリヌス菌血清型E、ボツリヌス菌血清型F、およびボツリヌス菌血清型Gからなる群より選択される血清型を有する、請求項41記載の方法。

請求項43

神経毒が活性メタロプロテアーゼ部位において無能にする突然変異を有する、請求項40記載の方法。

請求項44

以下を含むキメラタンパク質:クロストリジウム神経毒の重鎖領域を含む第一タンパク質またはタンパク質断片、および第一タンパク質またはタンパク質断片に連結した第二タンパク質またはタンパク質断片。

請求項45

神経毒がボツリヌス菌由来である、請求項44記載のキメラタンパク質。

請求項46

ボツリヌス菌が、ボツリヌス菌血清型A、ボツリヌス菌血清型B、ボツリヌス菌血清型C、ボツリヌス菌血清型D、ボツリヌス菌血清型E、ボツリヌス菌血清型F、およびボツリヌス菌血清型Gからなる群より選択される血清型を有する、請求項45記載のキメラタンパク質。

請求項47

第二タンパク質またはタンパク質断片が生理学的に活性である、請求項44記載のキメラタンパク質。

請求項48

第二タンパク質またはタンパク質断片が、クロストリジウム神経毒の輸送経路における特定の段階をターゲットできる治療的機能性を有する、請求項44記載のキメラタンパク質。

請求項49

以下の段階を含む、組換え生理学的活性クロストリジウム神経毒を発現させる方法:以下を含む核酸構築物を提供する段階:請求項8記載の核酸分子;核酸分子へ機能的に連結される異種性プロモーター;および核酸分子へ機能的に連結される3'制御領域、ならびに生理学的活性クロストリジウム神経毒を発現させるのに効果的な条件下で宿主細胞へ核酸分子を導入する段階。

請求項50

神経毒がボツリヌス菌由来である、請求項49記載の方法。

請求項51

ボツリヌス菌が、ボツリヌス菌血清型A、ボツリヌス菌血清型B、ボツリヌス菌血清型C、ボツリヌス菌血清型D、ボツリヌス菌血清型E、ボツリヌス菌血清型F、およびボツリヌス菌血清型Gからなる群より選択される血清型を有する、請求項50記載の方法。

請求項52

中間領域が宿主細胞に内因性のプロテアーゼにより切断されない、請求項49記載の方法。

請求項53

核酸が、コードされた神経毒を低特異性タンパク分解に対して耐性にする突然変異、推定上の内部DNA制御エレメントを不活性化する1つもしくは複数の沈黙突然変異、および1つもしくは複数の固有制限部位からなる群より選択される1つまたは複数の特徴をさらに含む、請求項49記載の方法。

請求項54

神経毒が毒性である、請求項49記載の方法。

請求項55

神経毒が無毒である、請求項54記載の方法。

請求項56

核酸分子が、活性メタロプロテアーゼ部位において無能にする突然変異をさらに含む、請求項55記載の方法。

請求項57

核酸分子が、本来のセンス配向および正しいリーディングフレームでベクターへ挿入される、請求項49記載の方法。

請求項58

宿主細胞が、植物細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、および細菌細胞からなる群より選択される、請求項49記載の方法。

請求項59

宿主細胞が大腸菌細胞である、請求項58記載の方法。

請求項60

宿主細胞が昆虫細胞である、請求項58記載の方法。

請求項61

宿主細胞がピチア・パストリス細胞である、請求項58記載の方法。

請求項62

中間領域で切断をもたらすのに効果的な条件下で、発現された神経毒を高度に特異的なプロテアーゼと接触させる段階をさらに含む、請求項49記載の方法。

請求項63

高度に特異的なプロテアーゼがエンテロキナーゼである、請求項62記載の方法。

請求項64

発現された神経毒が1つまたは複数のジスルフィド架橋を有する、請求項62記載の方法。

請求項65

患者を処置するのに効果的な条件下で、患者を請求項26記載の単離されたクロストリジウム神経毒と接触させる段階を含む、処置方法

技術分野

0001

発明の分野
本発明は、単離されたクロストリジウムプロペプチドおよび神経毒、そのワクチンまたは抗体、被験体を免疫して処置する方法、クロストリジウムのプロペプチドおよび神経毒をコードする単離された核酸分子発現の方法、キメラタンパク質、ならびに処置方法に関する。

0002

本出願は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、2004年11月22日に出願された、米国仮特許出現第60/630,175号の優先権恩典を主張する。

背景技術

0003

発明の背景
クロストリジウム神経毒は、シナプス小胞エキソサイトーシスニューロン機構を標的にする構造的に類似したタンパク質ファミリーである。クロストリジウム(Clostridium)属の嫌気性菌により産生される、ボツリヌス(botulinum)神経毒(「BoNT」、7つの免疫学的別個サブタイプA〜G)および破傷風(Tetanus)神経毒(「TeNT」)は、重量あたりで公知の最も有毒物質であり、静脈内または筋肉経路により投与される場合、0.5〜2.5ng/kgの範囲のLD50を有する(National Institute of Occupational Safety and Health,「Registry of Toxic Effects of Chemical Substances(R-TECS),」Cincinnati, Ohio: National Institute of Occupational Safety and Health (1996))。BoNTは、コリン作動性神経をそれらの神経筋接合部においてターゲットし、アセチルコリン放出を阻害し、末梢神経遮断を引き起こす(Simpson,「Identification of the Major Steps in Botulinum Toxin Action,」Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 44:167-193 (2004))。BoNT血清型A、BおよびEは特に、それらが噴霧され、吸入により送達され得るため、隊および一般市民にとって最も多大なる脅威を示すと考えられる(Arnon et al.,「Botulinum Toxin as a Biological Weapon: Medical and Public Health Management,」JAMA 285:1059-1070 (2001))。

0004

クロストリジウム神経毒での中毒に対して効果的であるワクチンまたは抗体を開発するために多くの努力がなされてきたが、利用できる不活性化毒素調製物が、最適には天然毒素を模倣しないため、利用できる製品の有効性は限られている。広範な使用が認可されている治療用抗体またはワクチンはないが、いくつかの調製物は、特定の状況下での限定的使用に利用できる。NIAID Biodefense Research Agendaは、クロストリジウム神経毒に対する防衛手段の開発を最も緊急の目標の一つと認定した(National Institute of Allergy and Infectious Diseases,「NIAID Biodefence Research Agenda for CDC category A Agents」NIH Publication #03-5308 (2002))。第一の標的は、標的細胞への神経毒侵入を理解し、防ぐことである。免疫学的アプローチは、抗毒素としての抗体の注入を介しての消極防護、またはトキソイド、それらを非毒性だが免疫原性を維持するように化学的にまたは遺伝子的に形質転換された毒素での、ワクチン接種を介する能動免疫を利用する(Ramon et al.,「Sur L'immunization Antitetanique et sur la Production de L'antitoxine Tetanique,」Compt. Rend. Soc. Biol. 93:508-598 (1925))。抗体に基づいた抗毒素は、限定的量で利用できるが、認可されているクロストリジウム神経毒に対する防御ワクチンはない。温度により不活性化された、またはホルムアルデヒド架橋結合された毒素からなる、五価のボツリヌストキソイド(ABCDE)は、限定された量で利用でき、実験室研究者および軍人において抗体を誘導することが示される(National Institute of Allergy and Infectious Diseases,「NIAID Biodefence Research Agenda for CDC category A Agents. Progress Report,」NIH Publication #03-5435 (2003))。吸入により投与された不活性化重鎖トキソイドは、LD50の104倍の吸入された毒素用量から動物を防御することが見出された(Park et al.,「Inhalational Poisoning by Botulinum Toxin and Inhalation Vaccination with Its Heavy-Chain Component,」Infect. Immun. 71:1147-1154 (2003))。治験中のBoNTに対する七価抗毒素(A〜G反応性ウマ起源)は、米国国防総省(U.S. Department of Defense)により開発中であり、現在試験されている。最初のデータは、この抗毒素の一般的安全性を実証するが、ヒトにおけるいくつかの異種間反応原性を示す。もう一つの治験中のBoNT抗毒素は、高効力でBoNTを中和する3つの組換えモノクローナル抗体の組み合わせに基づいている(Nowakowski et al.,「Potent Neutralization of Botulinum Neurotoxin by Recombinant Oligoclonal Antibody,」Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99:11346-11350 (2002))。BoNT B〜Gに対するヒトモノクローナル抗体の開発および試験もまた、最近進行中であり、NIAIDにより支援されている(National Institute of Allergy and Infectious Diseases,「NIAID Biodefence Research Agenda for CDC category A Agents. Progress Report,」NIH Publication #03-5435 (2003))。

0005

いくつかの研究所は、組換えクロストリジウム毒素遺伝子またはその断片を開発しようと試みている。米国国防総省は、BoNTA重鎖の受容体結合ドメインの発現に基づくワクチンを開発した(National Institute of Allergy and Infectious Diseases,「NIAID Biodefence Research Agenda for CDC Category A Agents. Progress Report,」NIH Publication #03-5435 (2003); Byrne et al.,「Purification, Potency, and Efficacy of the Botulinum Neurotoxin Type A Binding Domain from Pichia pastoris as a Recombinant Vaccine Candidate,」Infect. Immun. 66:4817-4822 (1998);およびPless et al.,「High-Affinity, Protective Antibodies to the Binding Domain of Botulinum Neurotoxin Type A,」Infect. Immun. 69:570-574 (2001))。ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)に発現された組換えBoNT F断片による類似したアプローチは、毒素に対する動物の部分的防御を与えることを見出した(Foynes et al.,「Vaccination Against Type F Botulinum Toxin Using Attenuated Salmonella enterica var Typhimurium Strains Expressing the BoNT/F HC Fragment,」Vaccine 21:1052-1059 (2003))。大腸菌(E. coli)に発現されたBoNT Aの触媒活性の非毒性誘導体は、毒素中和抗体を誘導し、動物をBoNT攻撃から防御することが報告された(Chaddock et al.,「Expression and Purification of Catalytically Active, Non-Toxic Endopeptidase Derivatives of Clostridium botulinum Toxin Type A,」Protein Expr. Purif. 25:219-228 (2002))。大腸菌で発現されたBoNT Cの触媒的不活性の完全長誘導体は、マウスにおいて免疫原性であったが、この系の制限は、完全長の未変性で活性のある組換え毒素の発現を妨害する(Kiyatkin et al.,「Induction of an Immune Response by Oral Administration of Recombinant Botulinum Toxin,」Infect. Immun. 65:4586-4591 (1997))。Rummel et al.(「Synaptotagmins I and II Act as Nerve Cell Receptors for Botulinum Neurotoxin G,」J. Biol. Chem. 279:30865-30870 (2004) (「Rummel I」)およびRummel et al.(「The HCC-domain of Botulinum Neurotoxins A and B Exhibit a Singular Ganglioside Binding Site Displaying Serotype-Specific Carbohydrate Interaction,」Mol. Microbiol. 51:631-643 (2004)(「Rummel II」)は、それぞれの完全長遺伝子をコードするプラスミドから大腸菌において発現された完全長BoNT A、BおよびG神経毒を報告している。Rummel IおよびRummel IIはまた、BoNT遺伝子のいくつかの誘導体を報告している。Rummel IおよびRummel IIに記載された神経毒は、非常に高い濃度でのみ活性である。これは、Rummel IおよびRummel IIにより発現された神経毒が、大腸菌からの発現、抽出および精製中に変性し、より不適当ジスルフィド結合により一本鎖BoNTプロペプチドの低い生理学的活性をもたらすという事実による可能性が高い。従って、Rummel IおよびRummel IIは、実際、血清型A、BおよびGの完全長組換えBoNTペプチドを産生した可能性があるが、記載された神経毒の性質は、天然の構造および生理学的活性を有しない。

0006

広く用いられる大腸菌発現系は、大腸菌サイトゾルが、天然毒素構造に絶対不可欠なジスルフィド架橋の維持に必要な非還元性環境を提供し得ないため、いくつかのタンパク質について問題がある可能性がある(Alberts et al., Molecular Biology of the Cell, 第3版, Garland Publishing Inc., 112, 113, 488, 589)。さらに、大腸菌に基づく発現系はまた、内毒素除去に関連した実施上の問題を示す。これらの制限は、天然の毒素構造および生物活性を保持する組換え分子を産生する能力がある発現系を選択する重要性を強調する。

0007

発現された、もしくは天然毒素からの還元/変性により調製したクロストリジウム毒素重鎖のC末端部分(「Hc」)または無傷の重鎖(「HC」)は、機能的に変化しており、それゆえ毒素誘発性麻痺発症を遅らせるために〜10,000倍のモル過剰を必要とすることを複数の研究所からのデータが示唆している(Li et al.,「Recombinant Forms of Tetanus Toxin Engineered for Examining and Exploiting Neuronal Trafficking Pathways,」J. Biol. Chem. 276:31394-31401 (2001); Lalli et al.,「Functional Characterization of Tetanus and Botulinum Neurotoxins Binding Domains,」J. Cell Sci. 112:2715-2724 (1999))。これらの調製物の一部は、このアッセイにおいて完全に不活性であった(Daniels-Holgate et al.,「Productive and Non-Productive Binding of Botulinum Neurotoxin A to Motor Nerve Endings are Distinguished by Its Heavy Chain,」J. Neurosci. Res. 44:263-271 (1996))。HCおよびHcの低効力は、通常は毒素輸送を媒介する細胞上の非生産的部位への結合親和性の増加か、または結果として、標的細胞における特異的結合部位に対する低い結合親和性を生じる、天然毒素との高次構造的差異のいずれかによる可能性がある。いずれの場合においても、不正確な折り畳み、変化した翻訳後修飾、分子のN末端部分の必要条件(Koriazova et al.,「Translocation of Botulinum Neurotoxin Light Chain Protease through the Heavy Chain Channel,」Nat. Struct. Biol. 10:13-18 (2003))、または多数の他の変化が、これらの機能的に重要な欠損の原因である可能性がある。これらの事実は、BoNTまたはその誘導体の現在利用可能な調製物が、それらの治療的能力を制限し得る、天然毒素の不十分な模倣体であることを示唆している。

0008

BoNT中毒に対するワクチンまたは抗体としてBoNTの不活性化誘導体を作製するための現在利用可能な方法は、限られた成功例しかない。これは、いくつかの因子により得る。第一に、クロストリジウム培養物から調製されたBoNTを不活性化するために用いられる方法は厳しく、その免疫原性または輸送および吸収に影響を及ぼし得るようなやり方で毒素の天然の高次構造を変化させ得る。第二に、組換え毒素を産生することに基づく方法は、不活性毒素分子またはそのタンパク質ドメインの断片のいずれかを産生することに成功しただけである。どちらの場合においても、産生される組換え分子は、定義により、特に翻訳後プロセシングおよびジスルフィド結合に関して、天然毒素とは有意に異なる。不活性化毒素および毒素断片は免疫原性であることが示されているが、それらが産生したポリクローナル抗体プールは、誤って折り畳まれた毒素上においてのみ存在するエピトープを認識する画分を含む。

0009

クロストリジウム神経毒が広範に研究されているもう一つの領域は、ジストニアを処置するため、および皮膚における審美的欠陥を一時的に修正するためのそれらの臨床的使用に関する。これらの適応症は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)の菌株により産生される神経毒(BoTox)に特有であるが、なぜならそれらは、特定の筋肉を局所的に麻痺させ、それにより治療的目的を達成するのに極めて低用量で用いることができるからである。この適応症に用いられる現行の製品のすべては、クロストリジウム培養物から作製されており、遺伝子操作技術のいずれかの型を用いて作製された活性BoTox分子の報告はない。

0010

対象となるさらなる領域は、分解されずに経細胞輸送により上皮バリアを通過し、神経組織を特異的にターゲットし得るクロストリジウム神経毒の能力から導かれる。これは、クロストリジウム神経毒が、通常はこれらの投与経路を介して送達することができない治療剤のための経口および吸入担体、ならびに末梢および中枢神経系を特異的にターゲットすることができる送達媒体を可能にするために用いることができるという示唆へと導く。

0011

本発明は、これらを始めとする当技術分野における制限を克服するために向けられる。

0012

発明の概要
本発明の一つの局面は、単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドに関する。プロペプチドは、軽鎖領域および重鎖領域がジスルフィド結合により連結されている、軽鎖領域、重鎖領域、ならびに軽鎖領域および重鎖領域を接続する中間領域を有する。中間領域は、切断を可能にするために高度に特異的なプロテアーゼにより認識される3つまたはそれ以上の特定の隣接するアミノ酸残基を有する高度に特異的なプロテアーゼ切断部位を有する。

0013

本発明のもう一つの局面は、上記のクロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする単離された核酸分子、加えて、この核酸分子を含む発現系および宿主細胞に関する。

0014

本発明のさらなる局面は、上記のクロストリジウム神経毒プロペプチドを切断することにより生成される単離された、生理学的活性クロストリジウム神経毒に関する。プロペプチドは、高度に特異的なプロテアーゼ切断部位で切断される。軽鎖領域および重鎖領域は、ジスルフィド結合により連結されている。

0015

本発明のさらにもう一つの局面は、単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドを高度に特異的なプロテアーゼ切断部位で切断することにより生成される、上記の生理学的活性の、無毒の、クロストリジウム神経毒を含むワクチンまたは解毒剤に関する。軽鎖領域および重鎖領域は、ジスルフィド結合により連結されている。

0016

本発明のまだもう一つの局面は、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を免疫する方法に関する。この方法は、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を免疫するのに有効な条件下で被験体へ上記ワクチンを投与する段階を含む。

0017

さらに、本発明のさらなる局面は、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を処置する方法に関する。この方法は、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を処置するのに有効な条件下で単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドを切断することにより生成される上記の生理学的活性の、無毒の、クロストリジウム神経毒を含む解毒剤を投与する段階を含む。

0018

なお、本発明のさらなる局面は、クロストリジウム神経毒の重鎖領域を有する第一タンパク質またはタンパク質断片、および第一タンパク質もしくはタンパク質断片に連結した第二タンパク質またはタンパク質断片を含むキメラタンパク質に関する。

0019

本発明のもう一つの局面は、組換え生理学的活性クロストリジウム神経毒を発現させる方法に関する。この方法は、単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする核酸分子を有する核酸構築物を供給する段階を含む。核酸構築物は、核酸分子に機能的に連結される異種性プロモーター、および核酸分子に機能的に連結される3'制御領域を有する。核酸構築物は、生理学的活性クロストリジウム神経毒を発現させるのに有効な条件下で宿主細胞へ導入される。

0020

本発明のさらなる局面は、処置方法に関する。この方法は、上記の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドを切断することにより生成される、単離された、生理学的活性の、毒性のクロストリジウム神経毒に患者を接触させる段階を含む。

0021

本発明は、クロストリジウム毒素遺伝子に基づいた治療剤の合理的設計を可能にする遺伝子操作プラットフォームに関する。遺伝子操作スキームは、2段階アプローチに基づいている。各クロストリジウム毒素血清型について、生理学的活性の組換えクロストリジウム神経毒を産生する遺伝子構築物、発現系、および精製スキームが、設計される。これは、組換え毒素誘導体が、治療用候補または有用な生物学的試薬を開発するために重要な構造的特徴を保持することを保証する。このパラダイムにより開発された遺伝子構築物および発現系を用いて、選択的点突然変異が、その後、無毒の組換え誘導体を生じるように導入される。この2段階アプローチは、組換え毒素誘導体が、天然毒素の免疫原性、吸収プロフィール、および輸送経路を保持し、無毒誘導体が最適化された治療的および生物的性質を有することを可能にすることを保証するように設計される。それらはまた、有用なキメラタンパク質が作製されるのを可能にする。

0022

天然毒素を構造的および機能的に模倣する組換え毒素の遺伝子操作された型は、治療的目的として現在開発中のトキソイドより優れている。それらは、大量の、かつワクチンおよび毒素解毒剤の作製に特異的に向けられた突然変異を有する、カスタマイズされた毒素誘導体を生産することができる新しいアプローチを提供する。生理学的活性である組換え毒素を産生することに関連した問題を解決することに焦点を合わせることにより、本発明の不活性化毒素誘導体は、現在利用可能な代替物を超える明確な利点を有する。これは、それらの免疫原性活性、および天然毒素と細胞の結合部位において競合するそれらの能力に関して特に、真実である。

0023

本明細書に記載された方法は、それが、クロストリジウム毒素遺伝子の容易な操作および発現を可能にする幅広いプラットフォームを提供することから、追加の科学的および実践的価値を有する。これは、クロストリジウム毒素作用、それらの細胞内輸送の機構、および活性化または毒性結果なしに特定の細胞型を通過するそれらの能力に関与する因子の研究を促進する。さらに、作製されたBoNT構築物は、経口または吸入経路を介して、または特に末梢神経へ、特定の試薬または薬物を送達するための新しいツールを提供し、かつ意図された作用の部位でのそれらの制御された活性化を可能にすることができる。クロストリジウム神経毒由来化学修飾された重鎖に基づく送達ツールを操作するための他のアプローチは、おそらく、毒素を不活性化するために用いられる方法がタンパク質空間的構造干渉するため、限られた成功例しかない(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Goodnough et al.,「Development of a Delivery Vehicle for Intracellular Transport of botulinum Neurotoxin Antagonists,」FEBSLett. 513:163-168 (2002))。

0024

発明の詳細な説明
本発明の一つの局面は、単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドに関する。プロペプチドは、軽鎖領域および重鎖領域がジスルフィド結合により連結されている、軽鎖領域、重鎖領域、ならびに軽鎖領域および重鎖領域を接続する中間領域を有する。中間領域は、切断を可能にするために高度に特異的なプロテアーゼにより認識される3つまたはそれ以上の特定の隣接するアミノ酸残基を有する高度に特異的なプロテアーゼ切断部位を有する。

0025

好ましい態様において、単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドは、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)由来である。ボツリヌス菌は、複数の血清型(A〜G)を有する。本発明のクロストリジウム神経毒プロペプチドは、ボツリヌス菌血清型のいずれか由来であり得るが、好ましい血清型は、血清型A、血清型Bおよび血清型Eである。

0026

野生型ボツリヌス菌神経毒プロペプチドの一般的な構造的特徴は、図1に示されている。これらの構造的特徴は、例としてBoNTAプロペプチドを用いて示され、すべてのボツリヌス菌血清型の間で一般化されている。BoNT Aプロペプチドは、Cys429とCys453の間のジスルフィド結合により連結された、2つの鎖、Mr〜50,000の軽鎖(「LC」)およびMr〜100,000の重鎖(「HC」)を有する。図1に示されているように、すべての7つのBoNT血清型プロペプチドは、ジスルフィド結合により連結した軽鎖領域および重鎖領域を有する。2つの必須のCys残基、軽鎖のC末端に隣接した1つおよび重鎖のN末端に隣接した2つ目は、すべての7つのBoNT血清型に存在する。これらの2つのCys残基は、成熟神経毒においてHCおよびLCポリペプチドを共に保持する一重ジスルフィド結合を形成する。このジスルフィド結合は、HCおよびLCが協調してそれらのそれぞれの生物学的役割を実行するのを可能にすることにより、成熟神経毒がその天然の生理学的活性に達するのを可能にする。すべての7つの血清型におけるHCポリペプチドとLCポリペプチドの間のジスルフィド結合は、含まれるCys残基を結ぶ実線により図1に示されている。図1における外枠は、BoNT Aのアミノ酸残基Lys438〜Lys448により限定された中間領域を示す。この中間領域は、野生型BoNT Aの成熟中に除去されるアミノ酸を同定し、宿主微生物内因性のプロテアーゼにより切除されると考えられている。以下に記載されるこの切断事象は、生物活性のあるBoNT HC-LC二量体を生じる。すべての7つのBoNT血清型についておよそ420位〜450位の範囲で番号が付けられたアミノ酸残基を表す、図1における外形線で示されたアミノ酸残基は、毒素の生理学的活性に「非必須な」領域とみなすことができ、それゆえに、すべての7つのBoNT血清型において定方向突然変異誘発のための標的を代表する。

0027

すべての7つのBoNT血清型は、プロペプチドをトリプシンによる活性化に対して感受性にさせる、図1におけるボックスにより限定される中間領域にLysまたはArg残基を含む。幼若細菌培養物から回収された天然のBoNTAプロペプチドは、トリプシン分解により活性化することができ、無傷のS-S結合した軽鎖および重鎖を生成する。複数のさらなるトリプシン感受性部位がプロペプチドに存在するが、それらは、天然毒素分子内でのそれらの空間的位置のせいでタンパク分解耐性である(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Dekleva et al.,「Nicking of Single Chain Clostridium botulinum Type A Neurotoxin by an Endogenous Protease,」Biochem. Biophys. Res. Commun. 162:767-772 (1989); Lacy et al.,「Crystal Structure of Botulinum Neurotoxin Type A and Implications for Toxicity,」Nat. Struct. Biol. 5:898-902 (1998))。いくつかのBoNT血清型の天然プロペプチドにおける他の部位は、より高い酵素濃度またはインキュベーション時間に曝露された場合、トリプシン切断に対して感受性であり得る(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Chaddock et al.,「Expression and Purification of Catalytically Active, Non-Toxic Endopeptidase Derivatives of Clostridium botulinum Toxin Type A,」Protein Expr. Purif. 25:219-228 (2002))。このトリプシン感受性部位は、毒素受容体結合ドメインに隣接した領域に位置している。HCペプチドのこの領域は、BoNT血清型において溶媒に曝露されることが分かっており、それについての情報は、それらの3-D結晶構造上で入手できる(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Lacy et al.,「Crystal Structure of Botulinum Neurotoxin Type A and Implications for Toxicity,」Nat. Struct. Biol. 5:898-902 (1998); Swaminathan et al.,「Structural Analysis of the Catalytic and Binding Sites of Clostridium botulinum Neurotoxin B,」Nat. Struct. Biol. 7:693-699 (2000))。

0028

好ましい態様において、本発明のプロペプチドは、高度に特異的なプロテアーゼ切断部位を有し、かつ低特異性プロテアーゼ切断部位を有さない、軽鎖および重鎖を接続する中間領域を有する。本発明の目的として、高度に特異的なプロテアーゼ切断部位は、切断を可能にするために高度に特異的なプロテアーゼにより認識される3つまたはそれ以上の特定の隣接するアミノ酸残基を有する(例えば、エンテロキナーゼ切断部位)。対照的に、低特異性プロテアーゼ切断部位は、切断を可能にするためにプロテアーゼにより認識される2つまたはそれ未満の隣接したアミノ酸残基を有する(例えば、トリプシン切断部位)。

0029

すべての7つのBoNT血清型において、重鎖のN末端に先行するアミノ酸は、トリプシンでのタンパク分解に感受性のあるLysまたはArg残基である。このトリプシン感受性部位は、図2に7つの血清型について示されているように、重鎖のN末端の上流で5つのアミノ酸のエンテロキナーゼ切断部位(すなわち、DDDDK(SEQID NO:24))と置換され得る。この改変は、エンテロキナーゼでの標準化活性化を可能にする。血清型AおよびCにおいて、この領域内のさらなるLys残基は、GlnかまたはHisのいずれかへ突然変異され、それにより、結果として、毒素の望ましくない非特異的活性化を生じる可能性があるさらなるトリプシン感受性部位を排除する。トリプシン感受性認識配列はまた、血清型A、EおよびFにおいて、重鎖の受容体結合ドメインの上流に存在する。この領域のタンパク分解に対する感受性は、X線結晶学分析により示されているように、毒素の3-D構造における溶媒へのその曝露と一致している。それゆえに、血清型A、EおよびFにおいて、感受性残基は、Asnに改変される(図2)。シグナルペプチドおよびN末端アフィニティータグもまた、好ましくは、必要に応じて、分泌および回収を可能にするために、導入される。

0030

好ましい態様において、本発明の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドは、切り詰められていない軽鎖領域および重鎖領域を有する。

0031

以下により詳細に記載するように、本発明の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドは、プロペプチドの活性メタロプロテアーゼ部位に無能にする突然変異を含み得る。プロペプチドの軽鎖の最小触媒ドメインを構成するアミノ酸残基は、図1および図2において網掛けにより示されている。メタロプロテアーゼの触媒ドメインの活性部位を構成する特定のアミノ酸残基は、図1および図2において星により印を付けられている。

0032

本発明のクロストリジウム神経毒プロペプチドはまた、毒性クロストリジウム神経毒において軽鎖メタロプロテアーゼ活性を不活性化する能力がある軽鎖領域における非天然モチーフを有する。毒性クロストリジウム神経毒の軽鎖メタロプロテアーゼ活性を不活性化する能力がある適した非天然モチーフは、非限定的に、SNAREモチーフ、メタロプロテアーゼの組織インヒビター(Tissue Inhibitors of Metalloprotease)(TIMP)(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Mannello et al.,「Matrix Metalloproteinase Inhibitors as Anticancer Therapeutics,」Curr. Cancer Drug Targets 5:285-298 (2005); Emonard et al.,「Regulation of Matrix Metalloproteinase(MMP) Activity by the Low-Density Lipoprotein Receptor-Related Protein(LRP). A New Function for an‘Old Friend,'」Biochimie 87:369-376 (2005); Maskos,「Crystal Structures of MMPs in Complex with Physiological and Pharmacological Inhibitors,」Biochimie 87:249-263 (2005))として公知のタンパク質ファミリーに存在するもののようなメタロプロテアーゼインヒビターモチーフ、活性LCメタロプロテアーゼへのキメラアンタゴニストの結合で曝露されるようになる、適切に位置するスルフヒドリル(好ましくはメチオニン)および酸性アミノ酸に基づいた亜鉛キレートモチーフ、ならびに切断部位の遷移状態類似体を含む、LCメタロプロテアーゼの基質上の切断部位に対応するペプチドモチーフ(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Sukonpan et al.,「Synthesis of Substrates and Inhibitors of Botulinum Neurotoxin Type A Metalloprotease,」J. Peptide Res. 63:181-193 (2004); Hayden et al.,「Discovery and Design of Novel Inhibitors of Botulinus Neurotoxin A: Targeted‘Hinge' Peptide Libraries,」Journal of Applied Toxicology 23:1-7 (2003); Oost et al.,「Design and Synthesis of Substrate-Based Inhibitors of Botulinum Neurotoxin Type B Metalloprotease,」Biopolymers(Peptide Science) 71:602-619 (2003))を含む。

0033

SNAREモチーフペプチドは、アメフラシ(Aplysia)ニューロンにおけるシナプス複合体成分の切断を妨げることが示されている(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Rosetto et al.,「SNARE Motif and Neurotoxins,」Nature 372:415-416 (1994))。SNAREモチーフペプチドは、公知のBoNT血清型の基質結合部位に共通であり、BoNTに冒されたニューロンへ注入された場合、毒性LCを阻害することが示されている(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Rosetto et al.,「SNARE Motif and Neurotoxins,」Nature 372:415-416 (1994))。

0034

好ましい態様において、クロストリジウム神経毒プロペプチド軽鎖領域は、天然プロペプチドの表面α-ヘリックスドメインを置換する、1つまたは複数の非天然のモチーフ(例えば、SNAREモチーフペプチド)を有する。ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)血清型の軽鎖領域における7つの表面α-ヘリックスドメインは、図11に同定されている。

0035

表面α-ヘリックスドメインの代わりに非天然モチーフ(例えば、SNAREモチーフペプチド)を含む軽鎖領域を有する、様々なクロストリジウム神経毒プロペプチドが作製され得る。以下により詳細に記載するように、これらの非天然モチーフを有するプロペプチドは、クロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする核酸ヌクレオチド配列を変化させることにより作製される。

0036

本発明のもう一つの局面は、本発明の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする単離された核酸分子に関する。

0037

完全長毒性クロストリジウム神経毒をコードする核酸分子は、当技術分野において周知である(例えば、GenBankアクセッション番号M81186(BoNTB);D90210(BoNT C);S49407(BoNT D);D90210(BoNT E);X81714(BoNT F);およびX74162(BoNT G))。

0038

本発明の核酸分子は、好ましくは、図2のアミノ酸配列をコードする。特に、本発明の核酸分子は、コードされたプロペプチドを低特異性タンパク分解に対して耐性にする突然変異、推定上の内部DNA制御エレメントを不活性化する1つまたは複数の沈黙突然変異、および1つまたは複数の固有制限部位からなる群より選択される1つまたは複数の特性を有するように、野生型BoNT血清型配列から改変される。特に、図2に各BoNT血清型について示されているように、成熟神経毒安定性および収率は、プロペプチドの中間領域内の残基の部位特異的突然変異により最適化され、それにより、成熟神経毒による発現に用いられる宿主生物体の非特異的タンパク分解および中毒に対するプロペプチドの感受性を低減する。また、沈黙突然変異が、最適な系においてクロストリジウム神経毒プロペプチドのRNA転写または発現に影響を及ぼすことができるDNA制御エレメントへ導入される。さらに、固有のエンドヌクレアーゼ制限部位が、キメラタンパク質の作製を可能にするために導入される。

0039

本発明の核酸分子はまた、上記のように、プロペプチドの活性メタロプロテアーゼ部位をコードする領域に無能にする突然変異を有し得る。

0040

本発明の核酸分子はまた、核酸分子が、軽鎖領域において、毒性クロストリジウム神経毒における軽鎖メタロプロテアーゼ活性を不活性化する能力がある非天然モチーフをコードするように、軽鎖領域をコードする領域に突然変異を有し得る。適した非天然モチーフは上記されている。

0041

本発明のさらなる局面は、異種性ベクターにおいて本発明の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする核酸分子を有する発現系に関する。

0042

本発明のさらにもう一つの局面は、本発明の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする異種性核酸分子を有する宿主細胞に関する。

0043

本発明のなおもう一つの局面は、本発明の組換えの生理学的活性クロストリジウム神経毒を発現させる方法に関する。この方法は、本発明の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする核酸分子を有する核酸構築物を提供する段階を含む。核酸構築物は、核酸分子に機能的に連結される異種性プロモーターおよび核酸分子に機能的に連結される3'制御領域を有する。核酸構築物は、その後、生理学的活性クロストリジウム神経毒を発現させるのに有効な条件下で宿主細胞へ導入される。

0044

好ましい態様において、発現された神経毒を、中間領域で切断をもたらすのに有効な条件下で、高度に特異的なプロテアーゼと接触させる。好ましくは、クロストリジウム神経毒プロペプチドの中間領域は、発現系または宿主細胞に内因性のプロテアーゼにより切断されない。

0045

本発明のクロストリジウム神経毒の発現は、通常の組換えテクノロジーを用いてクロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする核酸分子を最適な発現系へ導入することにより行われ得る。一般的に、これは、発現系に対して分子が異種性である(すなわち、通常は存在しない)、発現系へ核酸分子を挿入する段階を含む。特定の外来または天然の遺伝子の哺乳動物への導入は、最初に、遺伝子配列を適した核酸ベクターへ導入することにより促進される。「ベクター」とは、適切な調節エレメントと結合している場合、複製の能力がある、かつ遺伝子配列を細胞間で移行させる能力がある、プラスミド、ファージトランスポゾンコスミド染色体ウイルスビリオンなどのような任意の遺伝要素を意味するように本明細書で用いられる。従って、その用語は、クローニングベクターおよび発現ベクター、加えてウイルスベクターを含む。異種性核酸分子は、適切なセンス(5'→3')配向かつ正しいリーディングフレームで発現系またはベクターへ挿入される。ベクターは、挿入されたクロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする配列の転写および翻訳に必要な要素を含む。

0046

その全体が参照により本明細書に組み入れられる、CohenおよびBoyerの米国特許第4,237,224号は、制限酵素切断およびDNAリガーゼでのライゲーションを用いて組換えプラスミドの形をとる発現系の作製を記載している。これらの組換えプラスミドは、その後、組織培養で増殖した原核生物および真核細胞を含む単細胞培養物において、形質転換を用いて導入され、複製される。

0047

組換え遺伝子はまた、ワクシニアウイルスアデノウイルス、およびレンチウイルスを含むレトロウイルスを含む、ウイルスへ導入され得る。組換えウイルスは、ウイルスに感染した細胞へのプラスミドのトランスフェクションにより作製され得る。

0048

適切なベクターは、限定されるわけではないが、以下のウイルスベクター、例えば、ラムダベクター系gt11、gtWES.tB、Charon 4、およびpBR322、pBR325、pACYC177、pACYC184、pUC8、pUC9、pUC18、pUC19、pLG339、pR290、pKC37、pKC101、SV40、pBluescript IISK+/-またはKS+/-(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Stratagene, La Jolla, CAからの「Stratagene Cloning Systems」Catalog (1993)を参照)、pQE、pIH821、pGEX、pFastBacシリーズ(Invitrogen)、pETシリーズ(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、F.W. Studier et al.,「Use of T7 RNA Polymerase to Direct Expression of Cloned Genes,」Gene Expression Technology Vol. 185 (1990)を参照)、ならびにそれらの誘導体を含む。組換え分子は、形質転換、特に、形質導入接合起動(mobilization)、またはエレクトロポレーションにより細胞へ導入することができる。DNA配列は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Laboratory, Cold Springs Harbor, New York (1989)により記載されているように、当技術分野における標準クローニング手順を用いてベクターへクローニングされる。

0049

様々な宿主-ベクター系は、細胞においてクロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする配列を発現させるために利用され得る。第一に、ベクター系は、用いられる宿主細胞と適合性でなければならない。宿主-ベクター系は、限定されるわけではないが、以下を含む:バクテリオファージDNAで形質転換された細菌、プラスミドDNAまたはコスミドDNA;酵母ベクターを含む酵母のような微生物;ウイルス(例えば、ワクシニアウイルス、アデノウイルスなど)に感染した哺乳動物細胞系;ウイルス(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;および細菌に感染した植物細胞。これらのベクターの発現エレメントは、それらの強度および特異性の点で異なる。利用される宿主-ベクター系に依存して、いくつかの適した転写および翻訳のいずれか1つが用いられ得る。

0050

異なる遺伝的シグナルおよびプロセシング事象は、遺伝子発現の多くのレベル(例えば、DNA転写およびメッセンジャーRNA(「mRNA」)翻訳)を制御する。

0051

DNAの転写は、RNAポリメラーゼの結合を配向し、それによりmRNA合成を促進するDNA配列であるプロモーターの存在に依存する。真核生物のプロモーターのDNA配列は、原核生物のプロモーターのそれらと異なる。さらになお、真核生物のプロモーターおよび付随の遺伝的シグナルは、原核生物系において、認識されないか、または機能しない場合があり、さらに原核生物のプロモーターは、真核生物細胞において認識されず、かつ機能しない。

0052

同様に、原核生物におけるmRNAの翻訳は、真核生物のそれらと異なる適切な原核生物のシグナルの存在に依存する。原核生物におけるmRNAの効率的な翻訳は、mRNA上にシャイン-ダルガノ(「SD」)配列と呼ばれるリボソーム結合部位を必要とする。この配列は、通常はAUGである、タンパク質のアミノ末端メチオニンをコードする開始コドンの前に位置するmRNAの短いヌクレオチド配列である。SD配列は、16SrRNA(リボソームRNA)の3'末端相補的であり、おそらくリボソームの正しい位置決めを可能にするようにrRNAと二重鎖形成することにより、mRNAのリボソームへの結合を促進する。遺伝子発現を最大にすることに関する概説について、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Roberts and Lauer, Methodsin Enzymology, 68:473 (1979)を参照。

0053

プロモーターは、それらの「強度」(すなわち、転写を促進するそれらの能力)の点で異なる。クローニングした遺伝子を発現させる目的として、遺伝子の高レベルの転写およびその結果の発現を得るために強いプロモーターを用いることが望ましい。利用される宿主細胞系に依存して、いくつかの適したプロモーターのいずれか1つが用いられ得る。例えば、大腸菌においてクローニングする場合、そのバクテリオファージ、またはプラスミド、限定されるわけではないが、lacUV5、ompF、bla、lppなどを含む、PHプロモーター、T7ファージプロモーター、lacプロモーター、trpプロモーター、recAプロモーター、リボソームRNAプロモーター、大腸菌ファージラムダのPRおよびPLプロモーターなどのようなプロモーターを、隣接するDNAセグメントの高レベルの転写を指揮するために用いてもよい。加えて、組換えDNAまたは他の合成DNA技術により作製される、ハイブリッドtrp-lacUV5(tac)プロモーターまたは他の大腸菌プロモーターを、挿入された遺伝子の転写を与えるために用いてもよい。

0054

特異的に誘導されない限り、プロモーターの作用を阻害する、細菌宿主細胞株および発現ベクターが選択され得る。ある特定のオペロンにおいて、特異的な誘導物質の付加が、挿入されたDNAの効率的な転写に必要とされる。例えば、lacオペロンは、ラクトースまたはIPTG(イソプロピルチオ-β-D-ガラクトシド)の付加により誘導される。trp、proなどのような様々な他のオペロンは、異なる制御下にある。

0055

特異的な開始シグナルもまた、原核細胞における効率的な遺伝子転写および翻訳に必要とされる。これらの転写および翻訳開始シグナルは、それぞれ、合成される、遺伝子特異的なメッセンジャーRNAおよびタンパク質の量により測定されるような「強度」の点において異なり得る。プロモーターを含むDNA発現ベクターはまた、様々な「強い」転写および/または翻訳開始シグナルの任意の組み合わせを含み得る。例えば、大腸菌における効率的な翻訳は、リボソーム結合部位を提供するために、開始コドン(ATG)の約7〜9塩基5'側にシャイン-ダルガノ(「SD」)配列を必要とする。従って、宿主細胞リボソームにより利用することができる任意のSD-ATG組み合わせが用いられ得る。そのような組み合わせは、限定されるわけではないが、cro遺伝子もしくは大腸菌ファージラムダのN遺伝子由来、または大腸菌トリプトファンE、D、C、BもしくはA遺伝子由来のSD-ATG組み合わせを含む。加えて、組換えDNAまたは合成ヌクレオチドの取り込みを含む他の技術により作製した任意のSD-ATG組み合わせが用いられ得る。

0056

利用されるベクター系および宿主に依存して、構成的プロモーター誘導性プロモーターおよび抑制プロモーター、加えて最小5'プロモーターエレメントを含む、適した転写および/または翻訳要素のいくつでも用いてよい。

0057

クロストリジウム神経毒をコードする核酸、最適なプロモーター分子、適した3'制御領域、および必要に応じて、レポーター遺伝子は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第3版, Cold Spring Harbor: Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (2001)により記載されるような当技術分野において公知の標準クローニング手順を用いて核酸構築物を調製するために、最適なベクター-発現系へ組み入れられる。

0058

クロストリジウム神経毒をコードする核酸分子は、オープンリーディングフレームが、最適なプロモーターの制御下でのコードされたクロストリジウム神経毒プロペプチドの発現のために正しく配向されるように、センス(すなわち、5'→3')方向でベクターに挿入される。単一または複数の核酸が、核酸構築物を調製するために、適したプロモーターの制御下に、このように、適切なベクターへライゲーションされ得る。

0059

一旦クロストリジウム神経毒プロペプチドをコードする単離された核酸分子が、発現ベクターへ挿入されたら、いつでも宿主細胞へ組み入れられ得る。組換え分子は、形質転換、特に、形質導入、接合、リポフェクションプロトプラスト融合、起動(mobilization)、微粒子銃、またはエレクトロポレーション、により細胞へ導入され得る。DNA配列は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Cold Springs Laboratory, Cold Springs Harbor, New York (1989)により記載されるような当技術分野において公知の標準クローニング手順を用いて宿主細胞へ組み入れられる。適した宿主は、限定されるわけではないが、細菌、ウイルス、酵母、真菌、哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞などを含む。本発明の好ましい宿主細胞は、限定されるわけではないが、大腸菌、昆虫細胞、およびピチアパストリス(Pichia pastoris)細胞を含む。

0060

典型的には、形質転換された細胞のみの選択的増殖に有用な抗生物質または他の化合物が、サプリメントとして培地へ添加される。用いられ得る化合物は、宿主細胞が形質転換された、そのプラスミドに存在する選択マーカーエレメントにより決定される。適した遺伝子は、ゲンタマイシン、G418、ハイグロマイシンピューロマイシンストレプトマイシンスペクチノマイシンテトラサイクリンクロラムフェニコールなどに対する耐性を与えるものである。同様に、同定可能な化合物の産生を提供する酵素をコードする「レポーター遺伝子」、または遺伝子送達の結果に関する関連情報を示す他のマーカーが適している。例えば、様々なルミネセンスまたはリン光のレポーター遺伝子もまた適切であり、異種性遺伝子の存在が視覚的に確かめられ得る。

0061

本発明の好ましい態様において、発現された神経毒プロペプチドは、本発明のプロペプチドの中間領域での切断を可能にするのに有効な条件下で、高度に特異的なプロテアーゼ(例えば、エンテロキナーゼ)と接触させられる。好ましくは、発現された神経毒プロペプチドは、1つまたは複数のジスルフィド結合を有する。

0062

本発明のもう一つの局面は、本発明の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドを切断することにより生成される、単離された生理学的活性クロストリジウム神経毒に関する。プロペプチドは、高度に特異的なプロテアーゼ切断部位で切断される。軽鎖領域および重鎖領域は、ジスルフィド結合により連結されている。

0063

上で考察されているように、クロストリジウム神経毒は単鎖プロペプチドとして合成され、後に特異的なタンパク分解切断事象により活性化され、ジスルフィド結合により結ばれた二量体を生成する。これらの構造的特徴は、例としてBoNTAを用いて図解することができ、一般的に、すべてのボツリヌス菌(Clostridium botulinum)血清型に当てはまる。成熟BoNT Aは、Mr〜50,000の3つの機能ドメインで構成され(図3A)、毒性の原因である触媒機能は軽鎖(残基1位〜437位)に限局され、転位置活性は重鎖のN末端側半分(残基448位〜872位)に関連し、細胞結合はそのC末端側半分(残基873位〜1,295位)と関連する(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Johnson,「Clostridial Toxins as Therapeutic Agents: Benefits of Nature's Most Toxic Proteins,」Annu. Rev. Microbiol. 53:551-575 (1999); Montecucco et al.,「Structure and Function of Tetanus and Botulinum Neurotoxins,」Q. Rev. Biophys. 28:423-472 (1995))。

0064

天然かつ生理学的活性の状態での、BoNT血清型についての組換え神経毒の最適化発現および回収は、上で考察されているように、BoNTプロペプチドをコードするヌクレオチド配列への1つまたは複数の変化の導入により達成される。これらの突然変異は、天然の毒素構造および生物活性を保持しながら、組換えクロストリジウム神経毒の収率を最大にするように設計される。

0065

本発明の単離された、完全長クロストリジウム神経毒は、生理学的に活性である。この生理学的活性は、限定されるわけではないが、毒素免疫原性、経細胞および細胞内輸送、および細胞認識を含む。

0066

クロストリジウム毒素の細胞結合および内部移行の機構は、まだ十分に理解されていない。明確に同定されている特異的な受容体はなく、結合定数特徴付けられていない。すべてのクロストリジウム神経毒の重鎖のC末端部分は、ガングリオシド(シアル酸含有糖脂質)に結合し、G1bシリーズのガングリオシドを優先する(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Montecucco et al.,「Structure and Function of Tetanus and Botulinum Neurotoxins,」Q. Rev. Biophys. 28:423-472 (1995); Montecucco,「How Do Tetanus and Botulinum Toxins Bind to Neuronal Membranes?」TIBS11:314-317 (1986);およびVan Heyningen et al.,「The Fixation of Tetanus Toxin by Ganglioside,」J. Gen. Microbiol. 24:107-119 (1961))。ガングリオシド結合に関与する配列は、構造的に類似したTeNT分子について同定されており、その重鎖の34個のC末端アミノ酸残基内に位置している。BoNT A、B、C、E、およびFは、この領域においてTeNTと高程度の相同性共有する(図1)(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Shapiro et al.,「Identification of a Ganglioside Recognition Domain of Tetanus Toxin Using a Novel Ganglioside Photoaffinity Ligand,」J. Biol. Chem. 272:30380-30386 (1997))。多数の型の証拠が、クロストリジウム神経毒のニューロン膜への結合に関与する、少なくとも1つの追加の成分の存在を示唆している(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Montecucco et al.,「Structure and Function of Tetanus and Botulinum Neurotoxins,」Q. Rev. Biophys. 28:423-472 (1995); Montecucco,「How Do Tetanus and Botulinum Toxins Bind to Neuronal Membranes?」TIBS 11:314-317 (1986))。2つの報告において(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Nishiki et al.,「The High-Affinity Binding of Clostridium Botulinum Type B Neurotoxin to Synaptotagmin II Associated with GangliosidesGT1b/GD1a,」FEBS Lett. 378:253-257 (1996); Dong et al.,「Synaptotagmins I and II Mediate Entry of Botulinum Neurotoxin B into Cells,」J. Cell Biol. 162:1293-1303 (2003))、シナプトタグミンが、補助的なBoNT B受容体に対する可能性のある候補として同定され、シナプトタグミンIおよびIIは、BoNT Gに対するニューロン受容体として関係付けられた(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Rummel et al.,「Synaptotagmins I and II Act as Nerve Cell Receptors for Botulinum Neurotoxin G,」J. Biol. Chem. 279:30865-30870 (2004))。しかしながら、クロストリジウム神経毒の推定上の受容体結合ドメインにおける構造的類似性にも関わらず、他の毒素サブタイプは、シナプトタグミンまたはシナプトタグミン関連分子に対する親和性を示さない。脂質ラフト(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Herreros et al.,「Lipid Rafts Act as Specialized Domains for Tetanus Toxin Binding and Internalization into Neurons,」Mol. Biol. Cell 12:2947-2960 (2001))は、TeNT結合およびニューロンへの内部移行に関与する特定化されたドメインと関係付けられるが、これらのドメインは、多数の細胞型上に広範に分布しており、そのため毒素のニューロンに対する高い特異性は簡単に説明することができない。

0067

クロストリジウム神経毒は、エネルギー依存性機構によりシナプス前膜を通って内部移行し(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Montecucco et al.,「Structure and Function of Tetanus and Botulinum Neurotoxins,」Q. Rev. Biophys. 28:423-472 (1995); Matteoli et al.,「Synaptic Vesicle Endocytosis Mediates the Entry of Tetanus Neurotoxin into Hippocampal Neurons,」Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:13310-13315 (1996);およびMukherjee et al.,「Endocytosis,」Physiol. Rev. 77:759-803 (1997))、それらが分解から少なくとも部分的に保護される小胞に急速に現れる(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Dolly et al.,「Acceptors for Botulinum Neurotoxin Reside on Motor Nerve Terminals and Mediate Its Internalization,」Nature 307:457-460 (1984); Critchley et al.,「Fate of Tetanus Toxin Bound to the Surface of Primary Neurons in Culture: Evidence for Rapid Internalization,」J. Cell Biol. 100:1499-1507 (1985))。軽鎖および重鎖のBoNT複合体は、シャペロン様様式でエンドサイトーシス小胞膜と相互作用し、滑面ERミトコンドリアおよび葉緑体のタンパク質伝導/転位置チャネルに類似した様式で、凝集を防ぎ、軽鎖の転位置を促進する(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Koriazova et al.,「Translocation of Botulinum Neurotoxin Light Chain Protease through the Heavy Chain Channel,」Nat. Struct. Biol. 10:13-18 (2003))。エンドソーム酸性化は、孔形成を誘導すると考えられており、鎖間ジスルフィド結合の還元による軽鎖のサイトゾルへの転位置を可能にする(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Hoch et al.,「Channels Formed by Botulinum, Tetanus, and Diphtheria Toxins in Planar Lipid Bilayers: Relevance to Translocation of Proteins Across Membranes,」Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:1692-1696 (1985))。サイトゾル内で、軽鎖は、シナプス小胞エキソサイトーシス装置のタンパク質成分に特異的な亜鉛エンドペプチダーゼ活性を示す。TeNTならびにBoNT B、D、FおよびGは、VAMP/シナプトブレビンを認識する。シナプス小胞膜のこの複合的なタンパク質は、各神経毒について異なる、一重ペプチド結合で切断される。BoNT A、CおよびEは、SNAP-25、シナプス前膜のタンパク質をカルボキシル末端内の2つの異なる部位で認識し切断する。BoNT Cはまた、神経原形質膜のもう一つのタンパク質であるシンタキシンも切断する(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Montecucco et al.,「Structure and Function of Tetanus and Botulinum Neurotoxins,」Q. Rev. Biophys. 28:423-472 (1995); Sutton et al.,「Crystal Structure of a SNARE Complex Involved in Synaptic Exocytosis at 2.4Å Resolution,」Nature 395:347-353 (1998))。シナプス放出機構の任意の成分の切断は、結果として、アセチルコリン放出の阻害を生じ、最終的に神経筋麻痺へと導く。

0068

本発明の一つの態様において、単離されたクロストリジウム神経毒は毒性である。クロストリジウム神経毒の毒性は、多段階機構の結果である。循環から、BoNTは、神経筋接合部のシナプス前膜をターゲットし、それは内部移行して、末梢神経系へその毒性作用を直接的に発揮する(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Dolly et al.,「Acceptors for Botulinum Neurotoxin Reside on Motor Nerve Terminals and Mediate Its Internalization,」Nature 307:457-460 (1984))。神経筋接合部における毒性は、ニューロン結合;シナプス小胞リサイクリングに関与するものと類似したエンドサイトーシス小胞への内部移行;その後ニューロン細胞質へ侵入する、タンパク分解活性の毒素への酸性コンパートメント内での活性化;ならびにシナプス小胞エキソサイトーシスについてのニューロン機構における標的認識および基質の触媒的切断を含む。

0069

本発明の他の態様において、単離されたクロストリジウム神経毒は、生理学的に活性でかつ無毒である。クロストリジウム神経毒毒性の原因であるエンドペプチダーゼ活性は、メタロプロテアーゼに特有な、軽鎖におけるHExxHxxH(SEQID NO:25)の存在と関連していると考えられる(図1)。BoNTA軽鎖の突然変異誘発、次いでカリフォルニアアメフラシ(Aplysia californica)のシナプス前コリン作動性ニューロンへの対応するmRNAの微量注入は、毒性の原因である最小の必須ドメインを同定するのを可能にした(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Kurazono et al.,「Minimal Essential Domains Specifying Toxicity of the Light Chains of Tetanus Toxin and Botulinum Neurotoxin Type A,」J. Biol. Chem. 267:14721-14729 (1992))。BoNT A軽鎖の部位特異的突然変異誘発は、Zn2+配位、およびSNAP-25を切断する活性メタロエンドプロテアーゼコアの形成に関与するアミノ酸残基をピンポイントした(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Rigoni et al.,「Site-Directed Mutagenesis Identifies Active-Site Residues of the Light Chain of Botulinum Neurotoxin Type A,」Biochem. Biophys. Res. Commun. 288:1231-1237 (2001))。クロストリジウム神経毒およびそれらの誘導体の3次元構造は、突然変異誘発結果を確認し、タンパク質ドメインの空間的構成を詳述した。BoNT Aホロ毒素について、結晶構造は、3.3Åの分解能まで得られた(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Lacy et al.,「Crystal Structure of Botulinum Neurotoxin Type A and Implications for Toxicity,」Nat. Struct. Biol. 5:898-902 (1998))。BoNT Bホロ毒素結晶構造を、1.8Åおよび2.6Å分解能において決定した(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Swaminathan et al.,「Structural Analysis of the Catalytic and Binding Sites of Clostridium Botulinum Neurotoxin B,」Nat. Struct. Biol. 7:693-699 (2000))。最近、BoNT E触媒ドメインの結晶構造が、2.1Å分解能まで決定された(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Agarwal et al.,「Structural Analysis of Botulinum Neurotoxin Type E Catalytic Domain and Its Mutant Glu212>Gln Reveals the Pivotal Role of the Glu212 Carboxylate in the Catalytic Pathway,」Biochemistry 43:6637-6644 (2004))。その後の研究は、多数の興味深い構造的詳細を提供し、BoNT E LC E212>Q突然変異体におけるメタロエンドタンパク分解活性の完全喪失を説明する助けとなる。クロストリジウム毒素のアミノ酸配列と生物活性の間の関係に関するこの詳細な情報を入手できることは、治療目的として特異的に変化させた性質を有する改変毒素遺伝子の設計を可能にする。

0070

従って、好ましい態様において、本発明の生理学的活性で、かつ無毒のクロストリジウム神経毒は、活性メタロプロテアーゼ部位において無能にする突然変異を有する。

0071

本発明の生理学的活性でかつ無毒のクロストリジウム神経毒はまた、毒性クロストリジウム神経毒における軽鎖メタロプロテアーゼ活性を不活性化する能力がある軽鎖領域における非天然モチーフ(例えば、SNAREモチーフ)を有し得る。図11は、毒性クロストリジウム神経毒における軽鎖メタロプロテアーゼ活性を不活性化する能力がある軽鎖領域における、少なくとも1つの非天然モチーフを含む生理学的活性でかつ無毒のクロストリジウム神経毒である、9つのキメラタンパク質の配列を示している。非天然モチーフは、α-ヘリックスドメインと置換される。生理学的活性でかつ無毒のクロストリジウム神経毒に存在する場合、非天然タンパク質モチーフは、神経毒に冒されたニューロンのサイトゾルからの排出のために、神経毒が、野生型クロストリジウム神経毒の毒性軽鎖領域を結合し、不活性化し、または他の方法でマークするのを可能にする。そのように、毒性クロストリジウム神経毒における軽鎖メタロプロテアーゼ活性を不活性化する能力がある軽鎖領域における非天然モチーフを有する生理学的活性でかつ無毒のクロストリジウム神経毒は、神経毒に冒されたニューロンの細胞質を効果的にターゲットし得る解毒剤として有用である。そのような解毒剤の投与は、以下により詳細に記載する。

0072

本発明のなおさらなる局面は、本発明の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドを切断することにより生成される、単離された、生理学的活性で無毒のクロストリジウム神経毒を有するワクチンまたは解毒剤に関する。プロペプチドは、高度に特異的なプロテアーゼ切断部位で切断される。軽鎖領域および重鎖領域は、ジスルフィド結合により連結されている。

0073

クロストリジウム神経毒に対する効果的なワクチンおよび解毒剤を開発することは、毒素輸送および免疫原性に重要な構造的特徴の保存を必要とする。実践的観点から、これは最初に天然毒素の構造的特徴および毒性を保持する組換え分子を産生し、その後毒性を排除し、かつ治療的有用性を導入するために選択的改変を行うことにより、最も容易に達成される。この目的を達成するために、クロストリジウム毒素遺伝子の遺伝子操作のため、およびそれらの選択的改変のための多用途のプラットフォームが開発された(以下に記載する)。遺伝子操作スキームは、野生型毒素の自然構造の重要な局面を保持する、BoNTAの完全長の毒性および無毒の誘導体を作製することができる。この方法は、構造的類似性のため、クロストリジウム神経毒のファミリー全体に渡って一般化することができる(図1〜2参照)。

0074

従って、好ましい態様において、本発明のワクチンまたは解毒剤は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)血清型A〜G由来のようなボツリヌス菌(Clostridium botulinum)由来の、生理学的活性でかつ無毒のクロストリジウム神経毒である。上記のように、ワクチンまたは解毒剤は、活性が、限定されないが、毒素免疫原性、経細胞および細胞内輸送、ならびに細胞認識を含む、野生型クロストリジウム神経毒の生理学的活性を有する。ワクチンまたは解毒剤のクロストリジウム神経毒は、上記のように、その活性メタロプロテアーゼ部位における突然変異により無毒にされる。さらなる突然変異が、ワクチンまたは解毒剤の全身輸送および細胞ターゲティングを保存しながら、無毒性を保証しかつ新しい生物活性を導入するために導入され得る。やはり記載されていることだが、ワクチンまたは解毒剤は、毒性クロストリジウム神経毒における軽鎖メタロプロテアーゼ活性を不活性化する能力がある、軽鎖領域における非天然モチーフを有し得る。

0075

無毒性クロストリジウム神経毒は、BoNT中毒に対する候補ワクチンおよび解毒剤として試験することができる。無毒性誘導体は、下記の方法の下で開発されたBoNT毒性派生的構築物を用いて作製される。点突然変異は、天然毒素の構造、免疫原性、経細胞および細胞内輸送、ならびに細胞認識を維持しながら、毒性を排除するために毒素の活性メタロプロテアーゼ部位へ導入される。発現系および精製スキームは、下記のように最適化される。毒性を完全に欠くが、天然毒素の関連した生物活性を保持することが見出された誘導体は、BoNT中毒に対するワクチンかまたは抗体のいずれかとしてのそれらの可能性について評価される。非経口の投与経路が最初に試験され、次いで規定どおりに経口および吸入経路の評価が行われる。ワクチンとしての有用性は、マウスにおける免疫原性研究および負荷研究により測定される。解毒剤としての有用性は、最初マウス横隔神経片側横隔膜における神経筋遮断を防ぎ、かつ経細胞輸送アッセイにおいて天然毒素輸送を阻害する、無毒性誘導体の能力を試験することにより、インビトロで評価される。効果的なインビトロアンタゴニストは、インビボ解毒剤として試験され、それらは天然毒素の吸収および輸送経路をより効果的に模倣することから、抗体に基づいた解毒剤より優れている可能性がある。インビボの解毒剤効力は、最初に同時投与を用いて評価される。危機的状況下で解毒剤を用いることに関する追加の用量およびタイミングのパラメーターは、毒素と同時に投与した場合に有効であることが見出された無毒性誘導体についてさらに評価される。これらの手順を用いて、一連の無毒性誘導体および融合タンパク質が作製され、それらの生物活性は、体系的に目録を作成される。これらの十分特徴付けられたBoNT遺伝子構築物および毒素誘導体を入手できることは、新しいBoNT治療用物質の合理的設計を可能にする。用量応答分析および活性神経毒に対する負荷研究は、最良の候補ワクチンおよび解毒剤がさらなる開発のために選択されるのを可能にするデータを提供する。

0076

本発明のさらなる局面は、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を免疫する方法に関する。この方法は、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を免疫するのに有効な条件下で、本発明のワクチンを被験体に投与する段階を含む。

0077

ワクチンを投与される被験体に、被験体の免疫化を促進するのに有効な条件下でワクチンのブースターをさらに投与してもよい。

0078

本発明のもう一つの局面は、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を処置する方法に関する。この方法は、クロストリジウム神経毒の毒性作用に対して被験体を処置するのに有効な条件下で、本発明の単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドを切断することにより生成される単離された、生理学的活性で無毒のクロストリジウム神経毒を含む解毒剤を被験体に投与する段階を含む。

0079

本発明のワクチンまたは解毒剤は、経口、非経口、例えば、皮下に、静脈内に、筋肉内に、腹腔内に、鼻腔滴下により、またはおよび気管支粘膜のような粘膜投与により、被験体に投与することができる。ワクチンまたは解毒剤は、単独で、または適した薬学的担体と共に、投与してもよく、錠剤カプセル粉末溶液、懸濁液もしくは乳濁液のような固体または液体の形をとり得る。

0080

本発明のワクチンまたは解毒剤は、例えば不活性希釈剤もしくは同化可能な可食性担体と共に、経口で投与され得る、または硬カプセルもしくは軟カプセル封入され得る、または錠剤へ圧縮され得る、または食事食物と直接的に組み合わせられ得る。経口治療投与について、ワクチンまたは解毒剤は、賦形剤と組み合わせられ、錠剤、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップなどの形で用いられ得る。そのような組成物および調製物は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。これらの組成物における化合物のパーセンテージは、もちろん変動してもよく、簡便には単位量の重量の約2%〜約60%の間であり得る。そのような治療的に有用な組成物における活性化合物の量は、適切な用量を得るためである。本発明による好ましい組成物は、経口用量単位が活性化合物の約1mgと250mgの間を含むように、調製される。

0081

錠剤、カプセルなどはまた、トラガカントゴムアラビアゴムコーンスターチ、またはゼラチンのような結合剤リン酸二カルシウムのような賦形剤;コーンスターチ、ジャガイモデンプンアルギン酸のような崩壊剤ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;およびスクロース、ラクトースまたはサッカリンのような甘味剤を含み得る。単位剤形がカプセルである場合、それは、上記の型の材料に加えて、脂肪油のような液体担体を含み得る。

0082

様々な他の材料は、コーティング剤として、または用量単位物理的形態を改変するために存在し得る。例えば、錠剤は、セラック、糖、または両方でコーティングされ得る。シロップは、活性成分に加えて、甘味剤としてスクロース、保存剤としてメチルパラベンおよびプロピルパラベン色素、ならびにサクランボまたはオレンジフレーバーのような香味剤を含み得る。

0083

ワクチンまたは解毒剤はまた、非経口で投与してもよい。溶液または懸濁液を、ヒドロキシプロピルセルロースのような界面活性剤と適切に混合した水において調製することができる。分散液もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および油中でのそれらの混合物において調製することができる。実例となる油は、石油、動物、植物または合成起源の油、例えば、ピーナッツ油大豆油、または鉱油である。一般的に、水、生理食塩水水性デキストロースおよび関連糖溶液、ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのようなグリコールが、特に注射用溶液として好ましい液体担体である。保存および使用の通常の条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐ保存剤を含む。

0084

注射用に適した薬学的形態は、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射用溶液または分散液の即時調製物のための滅菌粉末を含む。すべての場合において、形態は、滅菌されていなければならず、容易な注射針通過性が存在する程度まで流動性でなければならない。それは、製造および保存の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌のような微生物の汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノールポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、適したそれらの混合物、および植物油を含む溶媒または分散媒であり得る。

0085

本発明のワクチンまたは解毒剤はまた、エアゾールの形態で気道へ直接投与してもよい。エアゾールとしての使用について、溶液もしくは懸濁液における本発明のワクチンまたは解毒剤は、通常のアジュバントと共に、適した噴射剤、例えば、プロパンブタンまたはイソブタンのような炭化水素噴射剤と共に加圧エアゾール容器に詰めてもよい。本発明のワクチンまたは解毒剤はまた、ネブライザーまたはアトマイザーのような非加圧の形態で投与され得る。

0086

本発明のさらなる局面は、クロストリジウム神経毒の重鎖領域を有する第一タンパク質またはタンパク質断片、および第一タンパク質もしくはタンパク質断片に連結した第二タンパク質またはタンパク質断片を有するキメラタンパク質に関する。

0087

好ましい態様において、第二タンパク質またはタンパク質断片は、クロストリジウム神経毒の輸送経路における特定の段階を標的化することができる治療的機能性を有する。

0088

BoNTは、破壊されるまたは局所的毒性を引き起こすことなく、上皮表面を通過する。上皮の通過は、特異的な結合および経細胞輸送により起こると考えられている。上皮を通過しタンパク分解性不活性化に抵抗する無傷BoNT Aの能力は、ラット一次肺胞上皮細胞において、および不死化ヒト肺腺癌(Calu-3)細胞において実証された。輸送の速度は、側底から頂端への方向においてよりも頂端から側底への方向において大きく、血清型特異的毒素抗体により遮断された(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Park et al.,「Inhalational Poisoning by Botulinum Toxin and Inhalation Vaccination with Its Heavy-Chain Component,」Infect. Immun. 71:1147-1154 (2003))。

0089

経細胞輸送により分解されずに上皮バリアを通過し、神経組織を特異的にターゲットする、クロストリジウム神経毒の能力は、これらの投与経路を経由して通常では送達することができない治療剤のための経口および吸入担体の開発において、ならびに末梢および中枢神経系を特異的にターゲットすることができる送達媒体として、クロストリジウム神経毒を有用にする。

0090

本発明のさらにもう一つの局面は、処置方法に関する。この方法は、患者を処置するのに有効な条件下で、本発明により単離されたクロストリジウム神経毒プロペプチドを切断することにより生成される単離された、生理学的活性で毒性のクロストリジウム神経毒に患者を接触させる段階を含む。

0091

処置とは、審美的処置(例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Carruthers et al.,「Botulinum Toxin A in the Mid and Lower Face and Neck,」Dermatol. Clin. 22:151-158 (2004); Lang,「History and Uses of BOTOX(Botulinum Toxin Type A),」Lippincotts Case Manag. 9:109-112 (2004); Naumann et al.,「Safety of Botulinum Toxin Type A: A Systematic Review and Meta-Analysis,」Curr. Med. Res. Opin. 20:981-990 (2004); Vartanian et al.,「Facial Rejuvenation Using Botulinum Toxin A: Review and Updates,」Facial Plast. Surg. 20:11-19 (2004)を参照)、および治療的処置(例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Bentsianov et al.,「Noncosmetic Uses of Botulinum Toxin,」Clin. Dermatol. 22:82-88 (2004); Carruthers et al.,「Botox: Beyond Wrinkles,」Clin. Dermatol. 22:89-93 (2004); Jankovic,「Botulinum Toxin In Clinical Practice,」J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry 75:951-957 (2004); Klein,「The Therapeutic Potential of Botulinum Toxin,」Dermatol. Surg. 30:452-455 (2004); Schurch,「The Role of Botulinum Toxin in Neurology,」Drugs Today(Barc) 40:205-212 (2004)を参照)を意味する。

0092

本発明の好ましい処置方法は、限定されるわけではないが、皮膚科的胃腸病学的、および神経学的処置を含む。

0093

皮膚科的処置は、限定されるわけではないが、眉間(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Carruthers et al.,「Botulinum Toxin type A for the Treatment of Glabellar Rhytides,」Dermatol. Clin. 22:137-144 (2004); Ozsoy et al.,「Two-Plane Injection of Botulinum Exotoxin A in Glabellar Frown Lines,」Aesthetic Plast. Surg. 28:114-115 (2004))、襟ぐり(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Brandt et al.,「Botulinum Toxin for the Treatment of Neck Lines and Neck Bands,」Dermatol. Clin. 22:159-166 (2004))、目尻しわ(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Levy et al.,「Botulinum Toxin A: A 9-Month Clinical and 3D In Vivo Profilometric Crow's Feet Wrinkle Formation Study,」J. Cosmet. Laser Ther. 6:16-20 (2004))、および額輪郭(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Chen et al.,「Altering Brow Contour with Botulinum Toxin,」Facial Plast. Surg. Clin. North Am. 11:457-464 (2003))を含むRhtyiddess(しわ)に対する処置(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Sadick et al.,「Comparison of Botulinum Toxins A and B in the Treatment of Facial Rhytides,」Dermatol. Clin. 22:221-226 (2004))を含む。他の皮膚科的処置は、アジア人における肥大性咬筋(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Ahn et al.,「Botulinum Toxin for Masseter Reduction in Asian Patients,」Arch. Facial Plast. Surg. 6:188-191 (2004))、ならびに腋窩(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、「Botulinum Toxin(Botox) for Axillary Hyperhidrosis,」Med. Lett. Drugs Ther. 46:76 (2004))および性器(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Lee et al.,「A Case of Foul Genital Odor Treated with Botulinum Toxin A,」Dermatol. Surg. 30:1233-1235 (2004))を含む限局性多汗症(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Glogau,「Treatment of Hyperhidrosis with Botulinum Toxin,」Dermatol. Clin. 22:177-185, vii (2004))に対する処置を含む。

0094

胃腸病学的処置は、限定されるわけではないが、食道運動障害(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Achem,「Treatment of Spastic Esophageal Motility Disorders,」Gastroenterol. Clin. North Am. 33:107-124 (2004))、咽頭-食道痙攣(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Bayles et al.,「Operative Prevention and Management of Voice-Limiting Pharyngoesophageal Spasm,」Otolaryngol. Clin. North Am. 37:547-558 (2004); Chao et al.,「Management of Pharyngoesophageal Spasm with Botox,」Otolaryngol. Clin. North Am. 37:559-566 (2004))、および裂肛(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Brisinda et al.,「Botulinum Neurotoxin to Treat Chronic Anal Fissure: Results of a Randomized 'Botox vs. Dysport' Controlled Trial,」Ailment Pharmacol. Ther. 19:695-701 (2004); Jost et al.,「Botulinum Toxin A in Anal Fissure: Why Does it Work?」Dis. Colon Rectum 47:257-258 (2004))に対する処置を含む。

0095

泌尿生殖器処置は、限定されるわけではないが、尿路神経性機能不全(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、「Botulinic Toxin in Patients with Neurogenic Dysfunction of the Lower Urinary Tracts,」Urologia Jul-Aug:44-48 (2004); Giannantoni et al.,「Intravesical Resiniferatoxin Versus Botulinum-A Toxin Injections for Neurogenic Detrusor Overactivity: A Prospective Randomized Study,」J. Urol. 172:240-243 (2004); Reitz et al.,「Intravesical Therapy Options for Neurogenic Detrusor Overactivity,」Spinal Cord 42:267-272 (2004))、過活動膀胱(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Cruz,「Mechanisms Involved in New Therapies for Overactive Bladder,」Urology 63:65-73 (2004))、および急迫性尿失禁神経調節(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Abrams,「The Role of Neuromodulation in the Management of Urinary Urge Incontinence,」BJU Int. 93:1116(2004))に対する処置を含む。

0096

神経学的処置は、限定されるわけではないが、トゥレット症候群(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Porta et al.,「Treatment of Phonic Tics in Patients with Tourette's Syndrome Using Botulinum Toxin Type A,」Neurol. Sci. 24:420-423 (2004))、ならびに、限定されるわけではないが、頸部ジストニア(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Haussermann et al.,「Long-Term Follow-Up of Cervical Dystonia Patients Treated with Botulinum Toxin A,」Mov. Disord. 19:303-308 (2004))、原発性眼瞼痙攣(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Defazio et al.,「Primary Blepharospasm: Diagnosis and Management,」Drugs 64:237-244 (2004))、脳卒中後片側顔面痙攣(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Bakheit,「Optimising the Methodsof Evaluation of the Effectiveness of Botulinum Toxin Treatment of Post-Stroke Muscle Spasticity,」J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry 75:665-666 (2004))、痙攣性発声障害(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Bender et al.,「Speech Intelligibility in Severe Adductor Spasmodic Dysphonia,」J. Speech Lang. Hear Res. 47:21-32 (2004))、顔面神経障害(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Finn,「Botulinum Toxin Type A: Fine-Tuning Treatment of Facial Nerve Injury,」J. Drugs Dermatol. 3:133-137 (2004))、およびラスムッセン症候群(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Lozsadi et al.,「Botulinum Toxin A Improves Involuntary Limb Movements in Rasmussen Syndrome,」Neurology 62:1233-1234 (2004))に対する処置を含む、限局性筋痙直またはジストニア(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、MacKinnon et al.,「Corticospinal Excitability Accompanying Ballistic Wrist Movements in Primary Dystonia,」Mov. Disord. 19:273-284 (2004))に対する処置を含む。他の神経学的処置は、切断痛(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Kern et al.,「Effects of Botulinum Toxin Type B on Stump Pain and Involuntary Movements of the Stump,」Am. J. Phys. Med. Rehabil. 83:396-399 (2004))、声振戦(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Adler et al.,「Botulinum Toxin Type A for Treating Voice Tremor,」Arch. Neurol. 61:1416-1420 (2004))、ワニ症候群(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Kyrmizakis et al.,「The Use of Botulinum Toxin Type A in the Treatment of Frey and Crocodile Tears Syndrome,」J. Oral Maxillofac. Surg. 62:840-844 (2004))、下顎神経麻痺、ならびに、限定されるわけではないが、乳房切除後の痛み(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Layeeque et al.,「Botulinum Toxin Infiltration for Pain Control After Mastectomy and Expander Reconstruction,」Ann. Surg. 240:608-613 (2004))および食道起源の胸痛(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Schumulson et al.,「Current and Future Treatment of Chest Pain of Presumed Esophageal Origin,」Gastroenterol. Clin. North Am. 33:93-105 (2004))を含む疼痛コントロール(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Cui et al.,「Subcutaneous Administration of Botulinum Toxin A Reduces Formalin-Induced Pain,」Pain 107:125-133 (2004))に対する処置を含む。本発明の方法に従う他の神経病学処置は頭痛である(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Blumenfeld et al.,「Botulinum Neurotoxin for the Treatment of Migraine and Other Primary Headache Disorders,」Dermatol. Clin. 22:167-175 (2004))。

0097

本発明の方法はまた、脳性麻痺(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Balkrishnan et al.,「Longitudinal Examination of Health Outcomes Associated with Botulinum Toxin Use in Children with Cerebral Palsy,」J. Surg. Orthop. Adv. 13:76-80 (2004); Berweck et al.,「Use of Botulinum Toxin in Pediatric Spasticity(Cerebral Palsy),」Mov. Disord. 19:S162-S167 (2004); Pidcock,「The Emerging Role of Therapeutic Botulinum Toxin in the Treatment of Cerebral Palsy,」J. Pediatr. 145:S33-S35 (2004))、多発性硬化症における臀部内転筋機能障害(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Wissel et al.,「Botulinum Toxin Treatment of Hip Adductor Spasticity in Multiple Sclerosis,」Wien Klin Wochesnchr 4:20-24 (2001))、関節炎医原性耳下腺唾液腺腫(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Capaccio et al.,「Diagnosis and Therapeutic Management of Iatrogenic Parotid Sialocele,」Ann. Otol. Rhinol. Laryngol. 113:562-564 (2004))および慢性TMJ転位(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Aquilina et al.,「Reduction of a Chronic Bilateral Temporomandibular Joint Dislocation with Intermaxillary Fixation and Botulinum Toxin A,」Br. J. Oral Maxillofac. Surg. 42:272-273 (2004))を含む、神経原性疼痛および炎症の処置に適している。薬学的活性のある毒素の局所制御性送達により処置され得る他の状態は、関節炎状態の処置のための関節内投与(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Mahowald et al.,「Long Term Effects of Intra-Articular BoNTA for Refractory Joint Pain,」Annual Meeting of the American College of Rheumatology (2004))、および関節性拘縮の処置のための局所投与(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Russman et al.,「Cerebral Palsy: A Rational Approach to a Treatment Protocol, and the Role of Botulinum Toxin in Treatment,」Muscle Nerve Suppl. 6:S181-S193 (1997); Pucinelli et al.,「Botulinic Toxin for the Rehabilitation of Osteoarthritis Fixed-Flexion Knee Deformity,」Annual Meeting of the Osteoarthitis Research Society International (2004))を含む。本発明の方法はまた、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Bach-Rojecky et al.,「Antinociceptive Effect of Botulinum Toxin Type A In Rat Model of Carrageenan and Capsaicin Induced Pain,」Croat. Med. J. 46:201-208 (2005); Aoki,「Evidence for Antinociceptive Activity of Botulinum Toxin Type A in Pain Management,」Headache 43 Suppl 1:S9-15 (2003); Kramer et al.,「Botulinum Toxin A Reduces Neurogenic Flare But Has Almost No Effect on Pain and Hyperalgesia in Human Skin,」J. Neurol. 250:188-193 (2003); Blersch et al.,「Botulinum Toxin A and the Cutaneous Nociception in Humans: A Prospective, Double-Blind, Placebo-Controlled, Randomized Study,」J. Neurol. Sci. 205:59-63 (2002))に記載されるような、侵害受容器感作により特徴付けられる様々な状態およびそれらの関連する臨床的症候群に関連した疼痛の処置に適している。

0098

本発明の方法および産物は、治療的性質を最適化するためにカスタマイズされ得る(例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Chaddock et al.,「Retargeted Clostridial Endopeptidases: Inhibition of Nociceptive Neurotransmitter Release In Vitro, and Antinociceptive Activity in In Vivo Models of Pain,」Mov. Disord. 8:S42-S47 (2004); Finn,「Botulinum Toxin Type A: Fine-Tuning Treatment of Facial Nerve Injury,」J. Drugs Dermatol. 3:133-137 (2004); Eleopra et al.,「Different Types of Botulinum Toxin in Humans,」Mov. Disord. 8:S53-S59 (2004); Flynn,「Myobloc,」Dermatol. Clin. 22:207-211 (2004);およびSampaio et al.,「Clinical Comparability of Marketed Formulations of Botulinum Toxin,」Mov. Disord. 8:S129-S136 (2004)参照)。

0099

実施例
以下の実施例は、本発明の態様を例証するために提供されるが、決してその範囲を限定することを意図するものではない。

0100

実施例1 - SDS PAGE
すべての中間精製段階由来の試料、および純粋な組換えタンパク質を、日常的に分離し、Laemmli手順(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Laemmli,「Cleavage of Structural Proteins During the Assembly of the Head of Bacteriophage T4,」Nature 227:680-685 (1970))に従って8%分離ポリアクリルアミドゲル上で可視化した。タンパク質バンドを、Bio-Safe Coomassie G-250 Stain(Bio-Rad,カタログ#161-0786)により可視化した。

0101

実施例2 -ウェスタンブロッティング
ウェスタンブロット分析のための試料を、8%SDS-ポリアクリルアミドゲル上で分離した。分離後、タンパク質を、20%メタノールを追加した1xTris/グリシン緩衝液(Bio-Rad,カタログ#161-0734)において、100ボルト、4℃で2時間、Hybond-Cニトロセルロース膜(Amersham Biosciences, カタログ#RPN303C)へ転写した。転写後、膜を蒸留水リンスし、タンパク質バンドを1%酢酸中の0.2% Ponceau Sで1分間、染色することにより可視化した。膜由来の色素を、Tris緩衝食塩水/0.1% Tween-20緩衝液、pH7.5中で洗い流し、続いてブロッキング試薬(Tris緩衝食塩水/0.1% Tween-20緩衝液、pH7.5中の5%無脂肪粉乳)中で膜を、4℃で16時間、インキュベーションした。免疫検出のために、膜を1:7,000希釈一次抗体/免疫血清と、Tris緩衝食塩水/0.1% Tween-20緩衝液、pH7.5中の0.5%無脂肪乳において、室温で2時間インキュベートした。膜を洗浄し(6x5 min)、1:10,000希釈の二次抗体と室温で25分間、インキュベートした。一連のさらなる洗浄(6x5 min)後、免疫反応性バンドECL(増強化学ルミネセンス(enhanced chemiluminescence)) Plus Western Blotting Reagent(Amersham Biosciences, カタログ#RPN2124)を用いて、製造会社の使用説明書に従って可視化した。Hyperfilm ECL(Amersham Biosciences, カタログ#RPN1674K)を、化学ルミネセンスバンドを可視化するのに十分な曝露時間でのオートラジオグラフィーに用いた。タンパク質を、陽性対照および分子量タンパク質標準との比較により同定した。

0102

実施例3 -組換え毒素収率の評価
製組換えタンパク質画分タンパク質濃度を、標準として用いたウシ血清アルブミンと共に、BCA Proteinアッセイ試薬(Pierce,カタログ#23225)を用いて測定した。

0103

実施例4 -マウス横隔神経-片側横隔膜調製物におけるインビトロ毒性アッセイ
様々な組換えタンパク質の毒性を、マウス横隔神経-片側横隔膜調製物においてバイオアッセイした(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Simpson et al.,「Isolation and Characterization of a Novel Human Monoclonal Antibody that Neutralizes Tetanus Toxin,」J. Pharmacol. Exp. Ther. 254:98-103 (1990))。組織を切除し、生理的緩衝液に懸濁し、95% O2、5% CO2で通気し、35℃で保持した。生理的溶液は、以下の組成物を有する:137mM NaCl、5mM KCl、1.8mM CaCl2、1mM MgSO4、24mM NaHCO3、1mM NaH2PO4、11mM D-グルコース、および0.01%ゼラチン。横隔神経を連続的に刺激し(1.0 Hz; 0.1〜0.3 msec持続時間)、筋収縮を記録する。毒素誘発性麻痺を、神経性刺激への筋収縮応答における50%低下として測定した。

0104

実施例5 -インビトロ経細胞輸送アッセイ
細胞を、Transwell(登録商標)多孔性底部インサート(Corning-Costar)において0.4μm細孔サイズを有するポリカーボネート膜上で増殖させた(図10)(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Zweibaum et al.,「Use of Cultured Cell Lines in Studies of Intestinal Cell Differentiation and Function,」Schulz et al.,により編集されたHandbook of Physiology, Section 6:「The Gastrointestinal System,」American Physiological Society, Bethesda, Vol. IV, 223-255において; Dharmsathaphorn et al.,「A Human Colonic Tumor Cell Line that Maintains Vectorial Electrolyte Transport,」Am. J. Physiol. 246:G204-G208 (1984);およびDharmsathaphorn et al.,「Established Intestinal Cell Lines as Model Systems for Electrolyte Transport Studies,」MethodsEnzymol. 192:354-389 (1990)) 。各インサート内での細胞増殖領域は、1cm2と等しい。細胞を蒔く前に、インサート膜を10μg/cm2ラット尾コラーゲンI型でコーティングした。コラーゲン原液(6.7mg/ml)を、滅菌1%酢酸に調製し、4℃で保存した。コラーゲン原液を、氷冷60%エタノール中に必要に応じて希釈し、10μgの希釈したコラーゲンを含む結果として生じた溶液の150μlを各ウェル(cm2)へ添加する。

0105

コラーゲン溶液を、室温で一晩(約18時間)乾燥させる。乾燥後、ウェルをUV光下で1時間滅菌し、続いて、細胞培地プレインキュベーションする(30分間)。プレインキュベーション培地を、細胞および新鮮な培地の添加の直前に除去する。細胞を、Transwells(登録商標)において集密的密度で蒔く。添加した培地の容量は、上部チャンバーへ0.5ml、および下部チャンバーへ1.0mlである。培地を隔日で交換する。12ウェルプレートに維持する培養物を、使用の最低10日前に分化するようにしておく。細胞単層完全性および密着結合の形成を、底部ウェルと比較してインサートにおけるわずかに高いメニスカスの維持をモニターすることにより可視化する。

0106

密着結合の形成を、上端ウェルから底部チャンバーへの[3H]-インスリン拡散の率のアッセイにより、または単層を渡る経上皮耐性の測定により、実験的に確認する。経細胞輸送を、通常は上端ウェルにおける、対象となる[125I]-標識タンパク質の様々な濃度を含む培地の適切な容量との培地の交換によりアッセイする。ヨウ素化は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Park et al.,「Inhalational Poisoning by Botulinum Toxin and Inhalation Vaccination with Its Heavy-Chain Component,」Infect. Immun. 71:1147-1154 (2003)に従って行われる。放射標識タンパク質の輸送を、通常は底部ウェルである反対側のウェルの全内容物サンプリングすることによりモニターする。サンプリングされた培地のアリコート(0.5ml)を、Sephadex G-25カラムを通して濾過し、0.5mlの画分を収集する。画分における放射能量をγ-カウンターにおいて測定する。経細胞輸送されたタンパク質の量を標準化し、fmole/hr/cm2として表す。条件あたり最低2つの複製が各実験に含まれ、実験は典型的に、少なくとも3回再現される。

0107

実施例6 -マウスにおけるインビボ毒性アッセイ
対象となるタンパク質の毒性を、マウスにおいてバイオアッセイする。タンパク質を、1mg/mlウシ血清アルブミンを含むリン酸緩衝食塩水中で希釈し、動物へ腹腔内に(i.p.)に注射する。タンパク質を、動物(平均体重〜25g)あたり1〜100ngの濃度の溶液の100μlのアリコートで投与する。毒性誘導体への曝露にも関わらず生きている任意の動物を、いずれの非特異的毒性も検出するように、合計2週間モニターする。

0108

実施例7 - BoNT基質切断アッセイ
操作したタンパク質を、BoNT AおよびBoNT Eについての基質の供給源として、マウス脳シナプトソームならびに組換えSNAP-25のいずれかを用いてエンドプロテアーゼ活性についてアッセイする。天然または還元型タンパク質を、50mMHEPES、pH7.1、20μM ZnCl2、および1%N-オクチル-β-D-グルコピラノシドを含む反応緩衝液においてシナプトソーム膜の10〜50μgとインキュベートする。還元型タンパク質を、リン酸緩衝食塩水におけるDTT(20mM;1hr;室温)とのインキュベーションにより調製する。切断反応は、操作されたタンパク質の基質への添加(200nM最終濃度)により開始され、反応を、37℃で3時間進行するようにさせる。エンドプロテアーゼ活性を、ウェスタンブロット分析および基質の免疫検出のための抗C末端SNAP-25抗体(StressGen)を用いてアッセイする。SNAP-25の可視化のために、試料を16.5% Tris-トリシン(tricine)ゲル上で分離する。分離後、タンパク質を、Tris-グリシントランスファー緩衝液において50ボルトで1時間、ニトロセルロース膜(Micron Separations)へ転写する。ブロットされた膜を、蒸留水中でリンスし、1%酢酸中の0.2% Ponceau Sで1min、染色する。蒸留水での短時間リンスの後、分子量マーカーおよび転写されたタンパク質を可視化する。膜を、リン酸緩衝食塩水-Tween(pH7.5;0.1% Tween 20)中で脱染し、その後、リン酸緩衝食塩水-Tweenにおける5%無脂肪粉乳で、室温で1hr、ブロッキングする。その後、膜を、0.5%乳において、抗SNAP-25ポリクローナル抗体の1:5,000希釈とインキュベートする。二次抗体を、1:20,000希釈で用いる。膜を再び洗浄し(5X)、増強化学ルミネセンス(SuperSignal(登録商標)West Pico, Pierce)を用いて製造会社の使用説明書に従って可視化する。膜を、化学ルミネセンスバンドを可視化するのに十分な時間、フィルム(HyperfilmECL, Amersham Biosciences)へ感光させる。ペプチドを、既知の標準との比較により同定する。BoNT B基質切断アッセイを、公表されたプロトコール(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Caccin et al.,「VAMP/Synaptobrevin Cleavage by Tetanus and Botulinum Neurotoxins is Strongly Enhanced by Acidic Liposomes,」FEBSLett. 542:132-136 (2003))に従って行う。

0109

実施例8 -クローニング手順:PCRのためのDNA鋳型の調製
BoNTA誘導体を操作するために用いる手順を、以下に詳細に概説する。すべてのBoNT誘導体を操作するための同様のストラテジーを実行することができる。

0110

25μgの純粋なボツリヌス菌(Clostridium botulinum)A型(Hall株)ゲノムDNAを、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版, Plainview, New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)に従って、100mlの培養物から分離された細菌ペレットから単離した。DNAを沈殿させ、濃度〜0.8mg/mlで1xTE、pH8.0に溶解した。

0111

土壌由来嫌気性細菌の混合物から単離されたゲノムDNAを、以下のプロトコールに従って調製した:Central Park, New Yorkから採取された1000gの土壌を、2リットルのDulbeccoのリン酸緩衝食塩水(DPBS)(Invitrogen,カタログ#14190-144)中で粉砕した。粗抽出物を、Kimwipes EX-Lワイプ(Kimberly-Clark, Neenah, WI)を通して濾過し、Ultracel 100-KDaカットオフ膜(Millipore, カタログ#14432)を有する撹拌限外濾過セル(Millipore(Billerica, MA), カタログ#5123)上に5mlの最終容量まで濃縮した。製造会社のプロトコールに従って調製された4リットルの加熱肉培地(Difco(Franklin Lakes, NJ), カタログ#226720)に、5mlの濃縮土壌抽出物接種した。撹拌または通気なしの37℃での168時間のインキュベーション後、嫌気性細菌の混合物を、Sorwall GS3ローター上での遠心分離(7000rpm, 25min, 4℃)により上清から分離し、全ゲノムDNAの単離のために、Qiagen(Valencia, CA)Genomicチップ(カタログ#10262)上で、同じくQiagenから購入された成分(カタログ#19060、カタログ#19133、カタログ#19101)を加えて、製造会社のプロトコール(Qiagen Genomic DNA Handbook)に従って処理した。10個のQiagen Genomicチップ上の4リットルの培地から回収した細胞から、6mgのゲノムDNAを単離した。DNAを沈殿させ、濃度〜1mg/mlで1xTE、pH8.0に溶解した。

0112

実施例9 - BoNTDNAのPCR増幅
1つの100μlPCR反応設定あたり、25μgの混合ゲノムDNAまたは5μgの純粋ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)A型ゲノムDNAを用いた。反応条件は、Platinum(登録商標)Pfxポリメラーゼ(Invitrogen,カタログ#11708-021)と共に供給された製造会社のプロトコールに従って設計した。すべてのオリゴヌクレオチドおよびリンカーは、Genebank(アクセッション番号:M30196)から得られたボツリヌス(botulinum)神経毒A型cDNAの配列により設計した。アニーリング温度は、PCRに用いる各セットのオリゴヌクレオチドの構造から推論した。

0113

実施例10 - BoNTA tdのコード部分を有する非発現ベクターpLitBoNTAの操作
ボツリヌス(botulinum)神経毒A軽鎖(pLitBoNTALC)をコードするプラスミドは、以下のプロトコールにより得られた:アニールしたリン酸化リンカー:

をベクターpcDNA3.1/Zeo(+)(Invitrogen,カタログ#V86020)へサブクローニングし、制限エンドヌクレアーゼNheIおよびBamHIで前消化し、脱リン酸して、結果として、プラスミドpcDBoNTALC1を生じた。オリゴヌクレオチド:

を用いて鋳型としてゲノムDNAにおいて得られた620b.p.PCR産物を、制限エンドヌクレアーゼBamHIおよびEcoRI消化し、前消化したプラスミドpcDBoNTALC1へサブクローニングし、結果として、プラスミドpcDBoNTALC2を生じた。オリゴヌクレオチド:

を用いて鋳型としてゲノムDNAにおいて得られた630b.p. PCR産物を、制限エンドヌクレアーゼSacIIおよびEcoRIで消化し、前消化したプラスミドpcDBoNTLC2へサブクローニングし、結果として、プラスミドpcDBoNTLC3を生じた。アニールしたリン酸化リンカー:

をベクターpcDBoNTLC3へサブクローニングし、制限エンドヌクレアーゼEcoRおよびXbaIで前消化し、脱リン酸して、結果として、プラスミドpcDBoNTALCを生じた。アニールしたリン酸化リンカー:

をベクターpLitmus38i(New England Biolabs, カタログ#N3538S)へサブクローニングし、制限エンドヌクレアーゼMluIおよびNheIで前消化し、脱リン酸して、結果として、プラスミドpLit38iModを生じた。制限エンドヌクレアーゼNheIおよびApaIでの消化後、プラスミドpcDBoNALCから単離された1230b.p.DNA断片を、前消化かつ脱リン酸されたベクターpLit38iModへサブクローニングし、結果として、プラスミドpLitBoNTALCを生じた。

0114

ボツリヌス(botulinum)神経毒A重鎖(pLitBoNTAHC)をコードするプラスミドは、以下のプロトコールにより得られた:オリゴヌクレオチド:

を用いて鋳型としてゲノムDNAにおいて得られた1450b.p.PCR産物を、制限エンドヌクレアーゼApaIおよびPstIで消化し、前消化かつ脱リン酸されたベクターpLitmus38iへサブクローニングし、結果として、プラスミドpLitBoNTAHC1を生じた。2つのPCR産物、オリゴヌクレオチド:

を用いて鋳型としてゲノムDNAにおいて得られた490b.p.、ならびにオリゴヌクレオチド:

を用いて鋳型としてゲノムDNAにおいて得られた720b.p.を、モル比1:1で混合し、オリゴヌクレオチドCBA14およびCBA17を用いて再PCRし、結果として、1170b.p. PCR産物を生じ、それを制限エンドヌクレアーゼPstIおよびKpnIで消化し、前消化かつ脱リン酸されたベクターpLitBoNTAHC1へサブクローニングし、プラスミドpLitBoNTAHCへ導いた。

0115

BoNTAの全配列をコードするプラスミドpLitBoNTAを、制限エンドヌクレアーゼXbaIおよびApaIで消化した、ベクターpLitBoNTAHC由来の2615b.p.DNA断片を、前消化かつ脱リン酸されたベクターpLitBoNTALCへライゲーションすることにより得られた。pLitBoNTAのサイズは、BoNT Aコード配列の3900b.p.を含む6712b.p.である。

0116

実施例11 -大腸菌におけるBoNTA td発現のための操作されたプラスミドpETcBoNTA
pETCBoNTAは、pLitBoNTAベクターのNheIおよびNotIでの消化後に得られたDNA断片を、前消化かつ脱リン酸された発現ベクターpETcoco2(Novagen(San Diego, CA),カタログ#71148-3)へサブクローニングすることにより得られ、結果として、16,194b.p. BoNT A td発現ベクターpETCBoNTAを生じた。

0117

実施例12 -昆虫細胞におけるBoNTA tdの発現のための操作されたドナープラスミドpFBSecBoNTA
pFBSecBoNTAを、以下のプロトコールにより得た:オリゴヌクレオチド:

を用いてプラスミドpBac-3(Novagen,カタログ#70088-3)において合成し、かつ制限エンドヌクレアーゼBssHIIおよびNheIで消化した、112b.p.PCR産物を、前消化かつ脱リン酸されたベクターpLitBoNTAへサブクローニングし、結果として、プラスミドpLitSecBoNTAを生じた。BssHIIおよびNotIで消化されてpLitSecBoNTAから単離されたDNA断片を、前消化かつ脱リン酸されたベクターpFastBac(商標)1(Invitrogen, カタログ#10360-014)へサブクローニングし、結果として、8764b.p.プラスミドpFBSecBoNTAを生じた。

0118

実施例13 -毒素誘導体の発現を可能にするためのBoNTAコード配列の操作
DNA鋳型は、ボツリヌス菌A型培養物から単離された純粋なゲノムDNAとして、または土壌の嫌気性細菌から単離された混合ゲノムDNAとしてのいずれかで得られた。BoNT A DNAを、高忠実性Platinum Pfxポリメラーゼ(Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いるPCRより増幅した。BoNT A毒性誘導体(td)の完全長コード配列は、5つのPCR断片および2つのリン酸化リンカーの改変ベクターpLitmus38i(New England Biolabs, Beverly, MA)への連続的サブクローニング後に得られ、結果として、プラスミドpLitBoNTAを生じた。このストラテジーは、PCR反応中の不忠実性を最小限にするため、ならびに発現された毒素産物のその後の操作のための標的突然変異およびエンドヌクレアーゼ制限部位の導入を可能にするために用いられた。

0119

天然BoNTA(wt)と比較しての最終構築物(td)の詳細は、図3に示されており、新しい制限部位、除去された選択的翻訳部位、および挿入または置換されたアミノ酸を図示している。完全長BoNT A tdをコードする構築物は、毒素重鎖(「HC」)をコードするプラスミド由来のDNA挿入物の、毒素軽鎖(「LC」)をコードするプラスミドへのライゲーションにより得られた。BoNT A tdのLCをコードするプラスミドを、2つのPCR産物および2つのリン酸化リンカーのベクターpLitmus38iへの連続的ライゲーションにより作製した。それは、LC配列の5'末端から上流に複数の固有制限部位、最初のメチオニンコドンから上流に固有エンドヌクレアーゼ制限部位NheI、ならびにLys11およびPhe425のコドンにおいてタンパク質の最小触媒ドメイン(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Kadkhodayan et al.,「Cloning, Expression, and One-Step Purification of the Minimal Essential Domain of the Light Chain of Botulinum Neurotoxin Type A,」Protein Expr. Purif. 19:125-130 (2000))に隣接する沈黙突然変異により導入されたBamHIおよびEcoRIについてのエンドヌクレアーゼ制限部位を含む。置換Lys438>HisおよびLys440>Glnをコードする2つの追加の突然変異は、発現中のBoNT A tdプロペプチドの非特異的タンパク分解を最小限にするために導入された。XbaIについての固有制限部位は、コドンにおける沈黙突然変異により導入された。BoNT A tdのHCをコードするプラスミドを、2つのPCR産物のpLitmus38iベクターへの連続的ライゲーションにより作製した。まず、BoNT Aの受容体結合ドメインをコードするPCR産物を、ベクターpLitmus38iへサブクローニングした。次に、2つのより小さいPCR産物の再PCRにより得られた、毒素の転位置ドメインをコードするPCR産物を、毒素の受容体結合ドメインをコードするプラスミドへサブクローニングした。最終プラスミドは、コドンAsp443の沈黙突然変異により導入されたコード配列の5'末端における固有XbaI部位、BoNT A tdプロペプチドの非特異的タンパク分解を最小限にするためのLys444>Glnの突然変異、エンテロキナーゼ切断部位を作製するためのAsn447とLys448の間の4つのアスパラギン酸残基のコドンの挿入、推定内部DNA制御エレメントを不活性化するためのAla597、Thr598、Glu599およびAla600における4つの沈黙突然変異、沈黙突然変異によりGly829のコドンに導入された固有KpnI部位、ならびに、終止コドン後の構築物の3'末端における複数の固有制限部位を含む。試験され得る発現系についての第一の選択である大腸菌で発現される組換えタンパク質の同時翻訳混入をもたらし得る内部メチオニンコドンから上流の、内部シャイン-ダルガノ配列を含むことから、Ala597-Ala600をコードするDNA配列を変異させた(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Lacy et al.,「Recombinant Expression and Purification of the Botulinum Neurotoxin Type A Translocation Domain,」Protein Expr. Purif. 11:195-200 (1997))。

0120

第二完全長BoNTA遺伝子誘導体を、BoNT Aを無毒にするように設計した(ad、無毒誘導体)。2つの合成オリゴヌクレオチドでの部位特異的突然変異誘発を用いて、単一の点突然変異、E224>Aが、結果としてプラスミドpLitBoNTAME224Aを生じるBoNT A神経毒性の原因であるタンパク分解活性を不活性化するためにプラスミドpLitBoNTAへ導入された(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Kurazono et al.,「Minimal Essential Domains Specifying Toxicity of the Light Chains of Tetanus Toxin and Botulinum Neurotoxin Type A,」J. Biol. Chem. 267:14721-14729 (1992); Lacy et al.,「Crystal Structure of Botulinum Neurotoxin Type A and Implications for Toxicity,」Nat. Struct. Biol. 5:898-902 (1998); Agarwal et al.,「Structural Analysis of Botulinum Neurotoxin Type E Catalytic Domain and Its Mutant Glu212>Gln Reveals the Pivotal Role of the Glu212 Carboxylate in the Catalytic Pathway,」Biochemistry 43:6637-6644 (2004))。このようにして作製した無毒性誘導体は、毒素免疫原性、輸送および細胞認識部位に関与する構造的部分をより良く保存する。

0121

第三の完全長BoNTA誘導体を、例としてGFPを用いる、融合タンパク質を作製するための遺伝子操作方法の有用性を試験するために設計した。BoNT A LCの最小触媒ドメインをコードする配列(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Kadkhodayan et al.,「Cloning, Expression, and One-Step Purification of the Minimal Essential Domain of the Light Chain of Botulinum Neurotoxin Type A,」Protein Expr. Purif. 19:125-130 (2000))を、プラスミドpLitBoNTAから切除し、GFPコード配列と置換し、BoNT AのGFP誘導体(gfpd)をコードするプラスミドpLitGFPBoNTAHCを作製した。GFPコード配列は、プラスミドpEGFP-N3(Clontech, Palo Alto, CA)において2つの合成オリゴヌクレオチドを用いるPCRにより得られた。融合タンパク質を、細胞結合および細胞内輸送に関与する構造的特徴を保存するように特異的に設計した。

0122

すべての中間DNA構築物、加えて、プラスミドpLitBoNTA、pLitBoNTAME224A、およびpLitGFPBoNTAHCは、複数の制限消化によりチェックされた。pLitBoNTAおよびpLitBoNTAME224Aは、プライマーとして、12個のBoNT A特異的合成オリゴヌクレオチドを用いてシーケンシングされ、一方、pLitGFPBoNTAHCは、10個のBoNT A特異的合成オリゴヌクレオチドおよび2個のGFP特異的オリゴヌクレオチドを用いてシーケンシングされ、結果として、すべての上記プラスミドのすべてのコード部分を網羅する一組の重複配列を生じた。すべての配列は、予想外の突然変異を含まないことが実証された。

0123

実施例14 -大腸菌における組換えBoNTA誘導体の発現
発現プラスミドを、大腸菌Rosetta-gami B(DE3)コンピテント細胞(Novagen,カタログ#71136-3)へ製造会社のプロトコールに従って熱ショック方法によりトランスフェクションさせた。細菌培養物を、50mg/lカルベニシリン、15mg/lカナマイシン、12.5mg/lテトラサイクリン、および34mg/lクロラムフェニコールを含むLB培地で増殖させた。細菌培地へのL-アラビノース(0.01%最終濃度)の添加無しおよび有りでの、細胞あたりのプラスミドコピー数に影響を及ぼす様々な条件を試験した。タンパク質発現に用いられるすべての細菌培養物を、OD@600nm 〜0.3-0.4に達するまで37℃で増殖させた。発現の誘導の前に、細菌培養物を、発現された産物の収率および品質への温度の影響を試験するために分割した。誘導されると(OD@600nm 〜0.5-0.7)、培養物を、37℃、25℃および12℃において増殖させた。誘導に用いられた増殖培地における最終IPTG濃度は、0.5mMであった。経時的研究について、誘導後1時間目、3時間目、6時間目、9時間目および12時間目における培養物の試料を収集し、分析した。最適な条件下で、大腸菌培養物を、OD 〜0.4@600nmに達するまで37℃でL-アラビノースの存在下で一晩、インキュベートした。細菌懸濁液の温度を、その後、1時間かけて12℃まで低下させ、IPTGを、0.5mMの最終濃度まで添加した。誘導後、培養増殖を、振盪インキュベーターにおいて12℃でもう6時間、継続するようにさせておいた。細菌ペレットをその後、Sorwall GS3ローターにおける遠心分離(7000rpm、25min、4℃)により収集し、組換えタンパク質単離のために処理した。上に保たれた細胞を、BugBuster溶解試薬(Novagen, カタログ#70584-4)に、容量比細胞ペースト:BugBuster可溶化試薬1:5で再懸濁した。混合物超音波処理の代わりに用いられる、核酸分解試薬ベンゾナーゼ(Novagen, カタログ#70746-3)、1000U/ml最終濃度、組換えリゾチーム(Novagen, カタログ#71110-4)、50U/ml最終濃度、およびプロテアーゼ阻害剤カクテル「Complete」(Roche(Switzerland), カタログ#1697498)、1タブレット/50ml最終濃度を、再懸濁の過程ペーストへ同時に添加した。再懸濁から約30分後、非粘稠性可溶化液をSorwallSS34ローターにおける遠心分離(17000rpm、25min、4℃)により透明にし、さらなるタンパク質精製のために処理した。

0124

いくつかの理由により、大腸菌発現系を最初に試験した。第一に、他の研究所が、この系における組換え部分長BoNTAドメインの発現を報告している(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Rigoni et al.,「Site-Directed Mutagenesis Identifies Active-Site Residues of the Light Chain of Botulinum Neurotoxin Type A,」Biochem. Biophys. Res. Commun. 288:1231-1237 (2001); Chaddock et al.,「Expression and Purification of Catalytically Active, Non-Toxic Endopeptidase Derivatives of Clostridium Botulinum Toxin Type A,」Protein Expr. Purif. 25:219-228 (2002); Lalli et al.,「Functional Characterization of Tetanus and Botulinum Neurotoxins Binding Domains,」J. Cell Sci. 112:2715-2724 (1999); Kadkhodayan et al.,「Cloning, Expression, and One-Step Purification of the Minimal Essential Domain of the Light Chain of Botulinum Neurotoxin Type A,」Protein Expr. Purif. 19:125-130 (2000); Lacy et al.,「Recombinant Expression and Purification of the Botulinum Neurotoxin Type A Translocaion Domain,」Protein Expr. Purif. 11:195-200 (1997))。大腸菌発現系を選択する第二の理由は、多数の組換えタンパク質が、良い収率および安定性を以て大腸菌で発現され得ることである。第三の理由は、BoNT A配列における非正準大腸菌コドンが、まれなコドンのtRNAをコードするプラスミドを有する細菌株を利用することにより克服され得ることである。第四の理由は、完全長BoNT Aの宿主への毒性が、低位から中位へのプラスミドコピー数の移行の制御を可能にする発現プラスミドを用いることにより最小限にされ得ることである。第五に、組換えタンパク質における正しいジスルフィド架橋形成が、trxB-gor-突然変異を有する大腸菌株を利用することにより最適化され得る。第六に、宿主における組換えタンパク質の分解が、2つの主なタンパク分解性酵素が不活性化されている、lon-ompT-突然変異を有する大腸菌Rosetta-gami株を利用することにより最小限にされ得る。

0125

発現プラスミドは、BoNTA誘導体−td、adおよびgfpd、のコード部分の発現ベクターpETcoco2(Novagen, San Diego, CA)への単一段階サブクローニングにより得られた。結果として生じた構築物は、配列MHHHHHHGAS...(SEQID NO:44)をコードし、かつ最初の天然メチオニンコドンの直前でNheI固有制限部位に隣接したDNAを含む。pETcoco系は、プラスミドコピー数を制御する能力を有するT7プロモーター作動性タンパク質発現の利点を兼ね備える。pETcocoベクターは、通常は、細胞あたり1コピーで維持する。単一コピー状態において、pETcocoクローンは、極めて安定であり、それは、宿主に毒性である標的遺伝子にとって特に重要である。コピー数は、L-アラビノースの培地への添加により細胞あたり20〜50コピーへ増幅され得る。λDE3溶原性宿主におけるpETcocoベクターは、IPTGを培地へ添加した場合、バックグラウンドに対して多くも2,500倍、標的遺伝子の発現を増加させるように誘導され得る。6-Hisタグを、アフィニティー精製を可能にするために各組換えタンパク質へ付加した。以前の研究より、アフィニティータグのC末端への付加が、結果として毒素の生理学的活性の損失を生じるが(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Shapiro et al.,「Identification of a Ganglioside Recognition Domain of Tetanus Toxin Using a Novel Ganglioside Photoaffinity Ligand,」J. Biol. Chem. 272:30380-30386 (1997))、ヘプタヒスチジンタグをN末端へ付加することが、酵素活性を保持しながら軽鎖ドメインの発現および精製を可能にした(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Kadkhodayan et al.,「Cloning, Expression, and One-Step Purification of the Minimal Essential Domain of the Light Chain of Botulinum Neurotoxin Type A,」Protein Expr. Purif. 19:125-130 (2000))ことが見出されたため、アフィニティータグをN末端に付加した。

0126

すべての発現構築物を、大腸菌Rosetta-gami B(DE3)コンピテント細胞(Novagen)へ形質転換し、アンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、およびクロラムフェニコールを含むLB培地で増殖させた。アンピシリンを、pETcoco由来blaマーカーを有するコロニーについて選択するために添加し、カナマイシンおよびテトラサイクリンを、大腸菌細胞質における正しいジスルフィド結合形成の可能性を向上させる、チオレドキシン(trxB)およびグルタチオンレダクターゼ(gor)突然変異(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Derman et al.,「Mutations that Allow Disulfide Bond Formation in the Cytoplasm of Escherichia Coli,」Science 262:1744-1747 (1993); Prinz et al.,「The Role of the Thioredoxin and Glutaredoixn Pathways in Reducing Protein Disulfide Bondsin the Escherichia Coli Cytoplasm,」J. Biol. Chem. 272:15661-15667 (1997))について選択するために添加した。まれなコドンのtRNAを供給し、それにより大腸菌にとって非正準のコドンを有するDNAによりコードされるBoNTAのようなタンパク質の発現を増加させる、ヘルパープラスミドを含むコロニーについて選択するために、クロラムフェニコールを培地へ添加した。

0127

複数の条件を、BoNTA完全長誘導体の発現を最適化するために試験した。培養物を、培地においてL-アラビノース有りおよび無しで増殖させ、異なるIPTG濃度を誘導について評価した。インキュベーション温度および時間もまた、BoNT誘導体発現について最適化した。最適な条件下で、大腸菌培養物をL-アラビノースの存在下、37℃で一晩、600nmにおいてOD〜0.4に達するまで、インキュベートした。細菌懸濁液の温度を、その後、1時間かけて12℃まで低下させ、IPTGを最終濃度0.5mMまで添加した。誘導後、培養増殖を、振盪インキュベーターにおいて12℃でもう6時間、継続するようにさせておいた。細菌ペレットをその後、遠心分離により収集し、核酸分解試薬ベンゾナーゼ(Novagen)、リゾチーム、およびプロテアーゼ阻害剤のカクテルの存在下でBugBuster溶解試薬(Novagen)で溶解した。可溶化液を遠心分離により透明にし、Ni-NTAアフィニティー樹脂とのインキュベーションにより精製した。Ni-NTAアガロースからの上清および溶出液を、8%SDS PAGEゲル上に流し、完全長BoNT A不活性化トキソイドに対して産生されたポリクローナル抗体でのウェスタンブロッティングにより分析した。空のベクターで形質転換されたRosetta-gami B(DE3)大腸菌は、陰性対照として用いられた。SDS-PAGEローディング緩衝液における天然BoNT Aは、陽性対照として用いられた。

0128

図4は、BoNTA tdについての大腸菌発現および精製プロトコールの結果を示している。発現されたタンパク質は可溶性であり、キレートアフィニティータグを用いて精製され得る。しかしながら、発現された組換えBoNT A td完全長プロペプチドの分子量は、天然の完全長BoNT Aプロペプチドのそれより有意に低かった。広範なタンパク分解が、毒素誘導体が単一コピープラスミド状態で細胞により発現された場合でさえも、大腸菌で試験したすべての精製および発現プロトコールで観察された。この不安定性は、不適当な折り畳みおよびジスルフィド結合が組換え毒素を分解されやすくする、タンパク質の翻訳後プロセシングについての大腸菌で有効な系に関連している可能性がある。同様の結果は、大腸菌においてBoNT Aの無毒性(ad)およびGFP-(gfpd)誘導体を発現させようと試みた場合に、得られた。天然タンパク質折り畳みおよび組換え産物の広範なタンパク分解に関して、大腸菌に基づいた発現系で遭遇する問題は、大腸菌発現系の改変および最適化により解決され得る。

0129

実施例15 -バキュロウイルスに基づいた系におけるBoNTA誘導体の発現
Bac-to-Bac(登録商標)バキュロウイルス発現系(Invitrogen,カタログ#10359-016)が、組換えバキュロウイルスの作製のために用いられた。昆虫細胞培養についてのプロトコールは、キットと共に供給されたマニュアルから採られた。組換えドナープラスミドを、Max Efficiency DH10Bac(商標)コンピテント細胞(Invitrogen, カタログ#10361-012)へ形質転換した。組換えバクミドを含むコロニーは、lacZαの破壊により同定され、色素生産性基質Bluo-gal(Invitrogen, カタログ#15519-028)を含むプレート上で増殖するが、青色の発色の欠如により選択された。高分子量DNAを、DNAプラスミド精製系(Qiagen, カタログ#12245)における選択されたコロニーから単離した。対象となるDNAのバキュロウイルスゲノムへの転位は、結果として、転位が起こった試料における1170b.p. DNAバンドの増幅を生じる、オリゴヌクレオチドCBA14およびCBA17を用いての高分子量DNAにおけるPCRにより確認された。バクミドは、無血清培地適応Sf9昆虫細胞(Invitrogen, カタログ#11496-015)をトランスフェクションして、バキュロウイルスを作製するために用いられた。トランスフェクションは以下のプロトコールにより行われた:2mlの補充されていないGraceの昆虫細胞培地(Invitrogen, カタログ#11595-030)において1個の35mmのウェルあたり9x105細胞を蒔いた。>97%の生存度を有する対数期の中間部における3〜4日経った懸濁培養物由来の細胞が、実験に用いられた。細胞を、前もって、27℃で少なくとも1時間、プラスチックに付着させ、製造会社により供給されたプロトコールに従って、バクミドをCellfectin(登録商標)トランスフェクション試薬(Invitrogen, カタログ#10362-010)と混合した後に形成された親油性複合体をトランスフェクションした。トランスフェクションから72時間後、組換えバキュロウイルスを含む上清を採取し、低速度遠心分離(Sorwall GS 3 Rotor、2000rpm、20min、4℃)により細胞から分離した。上清は、一次バキュロウイルス系統を示す。このバキュロウイルス系統の増幅およびウイルスプラークアッセイは、製造会社により供給されたプロトコールに従って行われた。最適MOIの同定および組換えタンパク質発現の経時的研究に関する実験もまた、製造会社の推奨に従って行われた。

0130

タンパク質発現を目的として、Sf9細胞を、湿気のある環境における27℃でのSF900 II無血清培地(Invitrogen,カタログ#10902-088)での振盪培養として増殖させた。細胞培養の密度〜1.2x106個/mlにおいて、同じ培地におけるバキュロウイルス系統を、MOI〜0.1で懸濁液へ加えた。インキュベーションはもう〜50時間、継続し、その後、培地を遠心分離(Sorwall GS 3 Rotor、2000rpm、20min、4℃)により細胞から分離し、以下で概略を説明した手順によりタンパク質精製のためにさらに処理した。Sf9細胞は、増殖条件に対して非常に高い感受性がある。それらは、27±1℃の一定温度、振盪培養の十分な通気、および無菌環境を必要とする。周囲温度が27℃より上に上昇した場合には、冷却が、用いられるインキュベーターに必要とされる。生物学的試験のためのBoNT誘導体の十分な量を産生するのに十分大きいインキュベーターが推奨される。

0131

昆虫細胞宿主の中毒を避けるために、組換えタンパク質の培地への分泌を与え得るシグナルペプチドを付加することにより、BoNTA td構築物を改変した。組換え毒素を分泌のためにターゲットすることはまた、結果として、毒素の軽鎖と重鎖の間の正しいジスルフィド結合形成を生じた。この発現系の改良を、下記のように試験した。

0132

組換えタンパク質の全収率を増加させるために、ドナー組換えバキュロウイルスプラスミドおよびバクミドは、組換えタンパク質の発現が2つの別々で独立したプロモーターにより同時に作動するのを可能にする発現カセットで作製した、p10およびPH(ドナープラスミドpFastBac(商標)Dual, Invitrogen,カタログ#10712-024)。

0133

組換えバキュロウイルス系統の力価を安定かつ増加させるために、時間が経つにつれて増幅された系統に現れる傾向にある非組換えバキュロウイルスを排除するためのネガティブ選択を可能にする、BaculoDirect(登録商標)Expression Systemプロトコール(Invitrogen(Carlsbad, CA),カタログ#12562-021)において概説されたアプローチが用いられた。毒素の精製を向上させるために、組換えで発現されたタンパク質のNi-NTA樹脂に対する親和性を、より長いN末端Hisタグを有する追加のBoNT構築物を作製することにより増加させた。

0134

バキュロウイルス発現系の利点は、この系において多数の組換えタンパク質について実証されている正しいジスルフィド架橋形成;無血清培地が利用され、かつ発現されたタンパク質が短い分泌シグナルおよびアフィニティータグを含む場合に促進される、タンパク質精製;発現された産物において保持され得る、天然前駆体に類似した生理学的活性;ならびに、発現されたタンパク質の生物学的試験および治療的使用を容易にする、大腸菌に内在性の内毒素の欠如を含む(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Allen et al.,「Recombinant Human Nerve Growth Factor for Clinical Trials: Protein Expression, Purification, Stability and Characterisation of Binding to Infusion Pumps,」J. Biochem. Biophys. Methods. 47:239-255 (2001); Curtis et al.,「Insect Cell Production of a Secreted form of Human Alpha(1)-Proteinase Inhibitor as a Bifunctional Protein which Inhibits Neutrophil Elastase and has Growth Factor-Like Activities,」J. Biotechnol. 93:35-44 (2002))。この系の欠点は、その費用、時間のかかる手順であり、一般的に、タンパク質の収率は、大腸菌においてほど高くない。さらに、制御されたエキソサイトーシス機構は、酵母から哺乳動物までの真核生物種に渡って良く保存されているため、この系におけるBoNTAの発現は、宿主中毒および細胞死へと導き得る可能性がある。とはいえ、クロストリジウム神経毒は、少しの毒性作用もなく経細胞輸送により上皮細胞を通過することは知られており(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Simpson,「Identification of the Major Steps in Botulinum Toxin Action,」Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol. 44:167-193 (2004); Park et al.,「Inhalational Poisoning by Botulinum Toxin and Inhalation Vaccination with Its Heavy-Chain Component,」Infect. Immun. 71:1147-1154 (2003))、かつ本明細書に記載した毒性構築物は、エンテロキナーゼにより二鎖(dichain)成熟型へプロセシングされるまで、単鎖プロペプチド型のままであるように設計されているため、この系はさらに試験する価値がある。

0135

この系におけるBoNTA誘導体の発現のためのプラスミド構築体を、ドナーベクターpFastBac(商標)1(Invitrogen)へサブクローニングした。組換えタンパク質の培地への分泌を促進するため、および組換えタンパク質のNi-NTAアガロース上での精製を可能にするために、最初の天然のメチオニンコドンの直前で固有のNheI制限部位に隣接した、gp64シグナルペプチドおよびヘプタヒスチジンアフィニティータグをコードするDNA配列

が、PCR産物のすべての構築物へのクローニングにより導入された。図5は、バキュロウイルス系における発現に向けられたBoNT A誘導体の概略図を提供する。図解した組換えタンパク質に示されたシグナルペプチドは、細胞内輸送中にセクレターゼプロセシングにより除去される(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、von Heijne,「Signals for Protein Targeting Into and Across Membranes,」Subcell. Biochem. 22:1-19 (1994))。ベクターpFastBac(商標)1における遺伝子の発現は、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)多核多角体病ウイルス(AcMNPV)ポリドリン(PH)プロモーターにより制御される。組換えドナープラスミドをDH10Bac(登録商標)大腸菌コンピテント細胞へ形質転換した。一旦pFastBac(商標)に基づいた発現プラスミドが細胞質に存在すれば、pFastBac(商標)に基づいたベクターにおける発現カセットに隣接するmini-Tn7エレメントと、すでに細胞に存在するバキュロウイルスシャトルベクター(バクミド)上のmini-attTn7標的部位アーム間で転位が起こる。この事象は、組換えバクミドを生じる。転位は、同じくコンピテント細胞に存在するヘルパープラスミドにより供給される追加のタンパク質を必要とする。組換えバクミドクローンの選択は、視覚的に(サイズおよび色により)行われた。単離されたDNAの分子性質は、特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いるPCRにより確認された。

0136

組換えバクミドおよび陰性対照バクミド(空のドナープラスミドでの転位の結果として得られた)を、親油性試薬Cellfectin(Invitrogen)を用いてSf9昆虫細胞へトランスフェクションした。96時間後、組換えバキュロウイルス系統を収集し、新しく蒔かれたSf9細胞の感染に用いた。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ