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技術 マイクロエマルジョンの制御された不安定化からの固体粒子

出願人 オーストラリアンニュークリアサイエンスアンドテクノロジーオーガニゼーション
発明者 コング,リンギーンバルベ,クリストフ,ジーン,アレクサンドレ
出願日 2005年11月15日 (15年0ヶ月経過) 出願番号 2007-540458
公開日 2008年6月12日 (12年5ヶ月経過) 公開番号 2008-519774
状態 特許登録済
技術分野 ナノ構造物 医薬品製剤 珪素及び珪素化合物
主要キーワード 微細孔サイズ 凝縮液滴 シリカオリゴマー 凝縮速度 加水分解性物質 増加比率 フッ素溶液 サブミクロン粉末
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図面 (20)

課題

マイクロエマルジョンの制御された不安定化からの固体粒子の提供。

解決手段

本発明は、粒子状物質の製造方法に関する。該方法は、連続液相中に分散された液滴を含むエマルジョン、所望によりマイクロエマルジョンを得ることからなる。該エマルジョンの少なくともいくつかの液滴は核を含む。その後、該液滴を少なくとも部分的に不安定化して、粒子状物質を形成する。

概要

背景

発明の背景
例えば、腫瘍治療のための薬剤の制御された供給は、様々な方法によって行われてきた。1つの方法は、固体粒子中に薬剤をカプセル化し、それを腫瘍等の作用部位に供給し得、そこで制御された速度において該薬剤を放出することである。

効果的であるために、このような粒子は、腫瘍部位にとどまるために適当なサイズのものでなければならない。粒径が約300nmより大きい粒子は、一般に、肝臓脾臓及び他の臓器によって捕捉されるため、作用部位に選択的にとどまらない。粒径約50nm未満の粒子は、血管壁を通して浸透することができるため、体中に分配される。それ故、この用途のためには、粒径約50ないし300nmの粒子を有することが望ましい。カプセル化された薬剤が適当な放出速度を有するために、粒子はナノスケール微細孔を有するべきである。微細孔のサイズは、放出速度を左右する。適当な放出速度を達成するために、微細孔は直径約2nm以下、好ましくは約1.5nmであるべきである。更なる要求は、薬剤を有する粒子の製造条件を、薬剤を著しく分解しないようなものとするべきことである。一般に、抗癌剤、例えばドキソルビシンは、塩基性溶液においては不安定であるため、いかなる粒子も、中性又は酸性条件下で製造することが好ましい。

シリカナノ粒子は、生体内用途において、薬剤担体としていくつかの固有の利点を有する。特に、それらは生物学的に不活性で、本質的に親水性網内系によるそれらの検出を減少する)であり、かつそれらのペイロードに対して長い保存寿命を与える。更に、適当な物理化学特性を有する粒径50−250nmの範囲の球状粒子は、静脈注射後、1日ないし2日間かけて、全身循環により腫瘍塊中に選択的に分配され得ることが立証されている。

シリカナノ粒子はまた、他の物質、例えば触媒酵素等の放出を制御するために使用され得る。

マイクロエマルジョンにおいて塩基触媒を用いたゾルゲル化学反応を使用したシリカナノ粒子の製造は、広範囲にわたって研究されている。しかしながら、該塩基触媒作用の化学反応は、生物活性物質のカプセル化において、
塩基条件下で、多くの薬剤(例えば、ドキソルビシン)が分解/変性する、及び、
・塩基触媒作用が、あらゆる実用途において、あまりにも急速に含有物を放出するメソ多孔性粒子を生じさせる、という2つの欠点を有する。

対照的に、酸触媒作用は、カプセル化された物質を非常にゆっくりと放出する微小孔性粒子をもたらす。しかしながら、酸環境における粒子発生内在機構のために、酸触媒作用によって形成されるシリカ粒子の粒径は30nm未満であるか、又は1ミクロンより大きい。

それ故、徐放性を有する50−500nmの範囲の粒子を製造するための方法が必要とされている。粒子は、腫瘍の受動的ターゲティングのために適当な粒径(約30nmない
し1μm、所望により約50ないし250nm)及び微細孔サイズ(例えば、微小孔)を有し得、粒子中にカプセル化される薬剤を分解しない条件下で製造され得る。

概要

マイクロエマルジョンの制御された不安定化からの固体粒子の提供。本発明は、粒子状物質の製造方法に関する。該方法は、連続液相中に分散された液滴を含むエマルジョン、所望によりマイクロエマルジョンを得ることからなる。該エマルジョンの少なくともいくつかの液滴は核を含む。その後、該液滴を少なくとも部分的に不安定化して、粒子状物質を形成する。

目的

発明の目的
本発明の目的は、上記欠点の少なくとも1つを解消又は著しく改善することにある。更なる目的は、上記要求を少なくとも部分的に満たすことにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

粒子状物質の製造方法であって、−連続液相中に分散された液滴を含むエマルジョンであって、該液滴の少なくともいくつかは核を含むところのエマルジョンを得ること、及び−該液滴を少なくとも部分的に不安定化して、複数の粒子を含む粒子状物質を形成すること、を含む方法。

請求項2

前記液滴を少なくとも部分的に不安定化する工程が、液滴を少なくとも部分的に融合することを含む請求項1に記載の方法。

請求項3

前記液滴を少なくとも部分的に不安定化する工程が、融合液体とエマルジョンを組み合わせることを含む請求項1に記載の方法。

請求項4

前記融合液体が、不安定化液体及び非極性液体を含む請求項3に記載の方法。

請求項5

前記不安定化液体が、アセトン又はエタノール又はアセトンとエタノールの混合物である請求項4に記載の方法。

請求項6

前記液滴の少なくともいくつかが凝縮性物質を含む請求項1に記載の方法。

請求項7

前記凝縮性物質が、テトラアルコキシシラントリアルコキシシラン又はそれらの混合物から誘導される、又は、シリケートポリシリケート又はそれらの混合物を含む請求項6に記載の方法。

請求項8

前記液滴が放出性物質を含み、かつ前記方法が、該放出性物質を含む粒子状物質を製造する請求項1に記載の方法。

請求項9

以下の工程:−連続液相中に分散された液滴を含む第二エマルジョンを得る工程であって、前記液滴の少なくともいくつかは核を含み、該液滴が第二放出性物質を含むところの工程及び、−前記エマルジョンと前記第二エマルジョンを組み合わせる工程、を含み、前記工程は、前記液滴を少なくとも部分的に不安定化する工程の前に行われる請求項8に記載の方法であって、前記部分的に不安定化する工程は、前記エマルジョンの液滴及び前記第二エマルジョンの液滴を少なくとも部分的に不安定化することを含み、前記方法は前記粒子状物質をつくり、前記粒子状物質は前記放出性物質及び前記第二放出性物質を含む粒子を含むところの方法。

請求項10

前記放出性物質が薬剤である請求項8に記載の方法。

請求項11

前記薬剤が抗癌剤である請求項10に記載の方法。

請求項12

前記エマルジョンがマイクロエマルジョンである請求項1に記載の方法。

請求項13

前記エマルジョンが油中水エマルジョンである請求項1に記載の方法。

請求項14

前記エマルジョンを得る工程が、−連続液相中に分散された液滴を含む前駆エマルジョンであって、該液滴の少なくともいくつかは凝縮性物質を含むところのエマルジョンを得ること、及び、−該液滴の少なくともいくつかが該凝縮性物質又はその少なくとも部分的な凝縮物を含むように、該液滴内の該凝縮性物質から核を形成すること、を含む請求項1に記載の方法。

請求項15

前記核を形成する工程が、前記凝縮性物質から前記核を形成するために十分な時間、前記前駆エマルジョンを老化することを含む請求項14に記載の方法。

請求項16

前記前駆エマルジョンを得る方法が、−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を含むエマルジョンを得る工程、−該エマルジョンに加水分解性物質を添加する工程、及び、−該エマルジョン液滴内で該加水分解性物質を少なくとも部分的に加水分解し、前記凝縮性物質を形成する工程、を含む請求項14に記載の方法

請求項17

前記加水分解性物質がテトラアルコキシシランを含む請求項16に記載の方法。

請求項18

前記加水分解性物質がテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランである請求項16に記載の方法。

請求項19

前記エマルジョンを得る方法が、−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を含む塩基性エマルジョンを得る工程、−該エマルジョンに第一加水分解性物質を添加する工程、−該エマルジョン液滴内で該第一加水分解性物質を少なくとも部分的に加水分解し、前記凝縮性物質を形成する工程、−該エマルジョンを酸性化し、酸性化エマルジョンを形成する工程、及び、−該酸性化エマルジョンに第二加水分解性物質を添加し、前記エマルジョンを形成する工程、を含む請求項1に記載の方法。

請求項20

更に、前記酸性化エマルジョンに界面活性剤及び溶媒を添加することを含む請求項19に記載の方法。

請求項21

更に、前記第二加水分解性物質を少なくとも部分的に加水分解するために十分な時間、前記酸性化エマルジョンを老化することを含む請求項19に記載の方法。

請求項22

前記液滴が酸性である請求項1に記載の方法。

請求項23

前記核が多孔性である請求項1に記載の方法。

請求項24

放出性物質を含む微小孔性粒子状物質であって、前記粒子状物質の粒子は粒径約30ないし約1000nmであり、前記粒子が約1ないし50nmのメソ細孔と共に、直径約1nm未満の微小孔を有する微小孔性粒子状物質。

請求項25

−連続液相中に分散された液滴を含むエマルジョンであって、前記液滴の少なくともいくつかは核を含み、該液滴が放出性物質を含むところのエマルジョンを得ること、及び、−該液滴を少なくとも部分的に不安定化し、前記微小孔性粒子状物質の粒子を複数形成すること、を含む方法によって製造された請求項24に記載の微小孔性粒子状物質。

請求項26

前記放出性物質が、粒子の分解、溶解又は浸食なく放出可能である請求項24に記載の微小孔性粒子状物質。

請求項27

哺乳動物の疾患を治療するための方法であって、該哺乳動物に、請求項24に記載の微小孔性粒子状物質の治療有効量を投与することを含み、前記放出性物質が該疾患の治療に使用されるところの方法。

請求項28

放出性物質を供給するための方法であって、前記放出性物質を放出可能な媒体に請求項24に記載の粒子状物質を曝露することを含み、前記粒子状物質の粒子が前記放出性物質を含むところの方法。

請求項29

前記放出性物質の放出が前記粒子状物質の粒子からの拡散によって起こる請求項28に記載の方法。

請求項30

前記放出性物質が蛍光染料放射性医薬品、薬剤、酵素ホルモン殺生物剤及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される請求項28に記載の方法。

技術分野

0001

技術分野
本発明は、固体粒子を形成するための、マイクロエマルジョンの制御された不安定化法に関する。

背景技術

0002

発明の背景
例えば、腫瘍治療のための薬剤の制御された供給は、様々な方法によって行われてきた。1つの方法は、固体粒子中に薬剤をカプセル化し、それを腫瘍等の作用部位に供給し得、そこで制御された速度において該薬剤を放出することである。

0003

効果的であるために、このような粒子は、腫瘍部位にとどまるために適当なサイズのものでなければならない。粒径が約300nmより大きい粒子は、一般に、肝臓脾臓及び他の臓器によって捕捉されるため、作用部位に選択的にとどまらない。粒径約50nm未満の粒子は、血管壁を通して浸透することができるため、体中に分配される。それ故、この用途のためには、粒径約50ないし300nmの粒子を有することが望ましい。カプセル化された薬剤が適当な放出速度を有するために、粒子はナノスケール微細孔を有するべきである。微細孔のサイズは、放出速度を左右する。適当な放出速度を達成するために、微細孔は直径約2nm以下、好ましくは約1.5nmであるべきである。更なる要求は、薬剤を有する粒子の製造条件を、薬剤を著しく分解しないようなものとするべきことである。一般に、抗癌剤、例えばドキソルビシンは、塩基性溶液においては不安定であるため、いかなる粒子も、中性又は酸性条件下で製造することが好ましい。

0004

シリカナノ粒子は、生体内用途において、薬剤担体としていくつかの固有の利点を有する。特に、それらは生物学的に不活性で、本質的に親水性網内系によるそれらの検出を減少する)であり、かつそれらのペイロードに対して長い保存寿命を与える。更に、適当な物理化学特性を有する粒径50−250nmの範囲の球状粒子は、静脈注射後、1日ないし2日間かけて、全身循環により腫瘍塊中に選択的に分配され得ることが立証されている。

0005

シリカナノ粒子はまた、他の物質、例えば触媒酵素等の放出を制御するために使用され得る。

0006

マイクロエマルジョンにおいて塩基触媒を用いたゾルゲル化学反応を使用したシリカナノ粒子の製造は、広範囲にわたって研究されている。しかしながら、該塩基触媒作用の化学反応は、生物活性物質のカプセル化において、
塩基条件下で、多くの薬剤(例えば、ドキソルビシン)が分解/変性する、及び、
・塩基触媒作用が、あらゆる実用途において、あまりにも急速に含有物を放出するメソ多孔性粒子を生じさせる、という2つの欠点を有する。

0007

対照的に、酸触媒作用は、カプセル化された物質を非常にゆっくりと放出する微小孔性粒子をもたらす。しかしながら、酸環境における粒子発生内在機構のために、酸触媒作用によって形成されるシリカ粒子の粒径は30nm未満であるか、又は1ミクロンより大きい。

0008

それ故、徐放性を有する50−500nmの範囲の粒子を製造するための方法が必要とされている。粒子は、腫瘍の受動的ターゲティングのために適当な粒径(約30nmない
し1μm、所望により約50ないし250nm)及び微細孔サイズ(例えば、微小孔)を有し得、粒子中にカプセル化される薬剤を分解しない条件下で製造され得る。

発明が解決しようとする課題

0009

発明の目的
本発明の目的は、上記欠点の少なくとも1つを解消又は著しく改善することにある。更なる目的は、上記要求を少なくとも部分的に満たすことにある。

課題を解決するための手段

0010

発明の概要
本発明の第一観点において、粒子状物質の製造方法であって、
連続液相中に分散された液滴を含むエマルジョンであって、該液滴の少なくともいくつかは核を含むところのエマルジョンを得ること、及び
−該液滴を少なくとも部分的に不安定化して、複数の粒子を含む粒子状物質を形成すること、を含む方法が提供される。

0011

粒子状物質は、核によって播種され得るか、又は他の方法により核から誘導され得る。

0012

核は一次粒子であり得る。核は、一次粒子の形成のための核であり得る。核は、固体粒子(多孔性の固体粒子を含む)又はゲル粒子の形成のための核であり得る。該方法は、核からの一次粒子の形成工程を含み得る。粒子状物質の粒子は液滴から誘導され得る。粒子状物質の粒子は一次粒子から誘導され得(例えば、一次粒子による播種)、そして一次粒子は核から誘導され得るか(例えば、核による播種)、又は核に相当する。核は、固体核であり得るか、又は、ゲル核又はそれらの組み合わせであり得る。核は、ポリマー状シリケート分子を含み得る。核は、プレセラミックポリマーを含み得る。プレセラミックポリマーは、セラミック材料、例えばシリカ転換することが可能であり得る。液滴を少なくとも部分的に不安定化する工程は、液滴を少なくとも部分的に融合することを含み得る。それは、融合液体とエマルジョンを組み合わせることを含み得る。粒子状物質の粒子は、核又は一次粒子の結合、融合又は凝集によって核から形成又は誘導され得る。液滴の少なくともいくつかは、凝縮性物質を含み得る。凝縮性物質は、一次粒子又は核と反応することが可能であり得、かつ一次粒子又は核を融合又は凝集することが可能であり得る。凝縮性物質は、テトラアルコキシシラン(例えば、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシラン)又はアルキルトリアルコキシシラン(例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン)又はそれらの混合物から誘導され得るか、又は、それはシリケート又はポリシリケート又はそれらの混合物を含み得る。液滴は、放出性物質を含み得、該方法は、放出性物質を含む粒子状物質を製造し得る。液滴はまた、1種以上の非放出性物質を含み得、かつ該方法は、放出性物質及び非放出性物質を含む粒子状物質を製造し得る。核及び一次粒子(存在するならば)は、放出性物質(及び所望による非放出性物質)を含み得るか、又は放出性物質(及び所望による非放出性物質)を含み得ない。放出性物質は粒子から放出され得る。放出性物質は、1種の放出性物質を含み得るか、又は個々の放出性物質2種以上を含み得る。

0013

方法は、更に、以下の工程:
−連続液相中に分散された液滴を含む第二エマルジョンを得る工程であって、前記液滴の少なくともいくつかは核を含み、該液滴が第二放出性物質を含むところの工程及び、
−前記エマルジョンと前記第二エマルジョンを組み合わせる工程、
を含み得、
前記工程は、前記液滴を少なくとも部分的に不安定化する工程の前に行われる。この場合、少なくとも部分的に不安定化する工程は、エマルジョン及び第二エマルジョンの液滴
を少なくとも部分的に不安定化することを含み得る。もたらされる方法は、放出性物質及び第二放出性物質を含む粒子状物質の製造に適当であり得る。

0014

エマルジョンを得る工程は、液滴の少なくともいくつかが核を含むところのマイクロエマルジョンを得ることを含み得る。核は、予め形成され得るか、又はその場で形成され得る。

0015

エマルジョンを得る工程は、
−連続液相中に分散された液滴を含む前駆エマルジョンであって、該液滴の少なくともいくつかは凝縮性物質を含むところのエマルジョンを得ること、及び、
−該液滴の少なくともいくつかが該凝縮性物質又はその少なくとも部分的な凝縮物を含むように、該液滴内の該凝縮性物質から核を形成すること、
を含み得る。

0016

核を形成する工程は、凝縮性物質から核を形成するために十分な時間、前駆エマルジョンを老化することを含み得る。

0017

前駆エマルジョンを得る方法は、
−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を含むエマルジョンを得る工程、
−該エマルジョンに加水分解性物質を添加する工程、及び、
−該エマルジョン液滴内で該加水分解性物質を少なくとも部分的に加水分解し、前記凝縮性物質を形成する工程、
を含み得る。

0018

加水分解性物質は、テトラアルコキシシラン、例えばテトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランを含み得る。

0019

1つの態様において、放出性物質を含む粒子状物質の製造方法であって、
−連続液相中に分散された液滴を含むエマルジョンであって、前記液滴の少なくともいくつかは核を含み、該液滴が放出性物質を含むところのエマルジョンを得ること、及び、
−該液滴を少なくとも部分的に不安定化して、粒子が放出性物質を含むところの複数の粒子を含む粒子状物質を形成すること、
を含む方法が提供される。

0020

複数の粒子は、播種され得るか、又は他の方法により核から誘導され得る。複数の粒子は、液滴から誘導され得る。

0021

放出性物質は、粒子状物質中及び/又は粒子状物質上に少なくとも部分的に固定され得、その中及び/又はその上に放出可能なように固定され得る。放出性物質は、有機化合物又は有機金属化合物であり得、かつ薬剤であり得る。それは、抗癌剤、例えばドキソルビシンであり得る。放出性物質は、蛍光染料放射性医薬品、酵素、ホルモン殺生物剤又は特定の他の物質であり得る。放出性物質は、水又は水性液体又は何らかの他の溶媒中に放出可能であり得る。それは、粒子状物質が水又は水性液体又は他の溶媒にさらされた時に、又は、粒子が水又は水性液体に浸された時に、又は、粒子が水又は水性液体又は他の溶媒中に撹拌された時に、放出可能であり得る。

0022

他の態様において、第一放出性物質及び第二放出性物質を含む粒子状物質の製造方法であって、該方法は、
−連続液相中に分散された液滴を含む第一エマルジョンであって、該液滴の少なくともいくつかは核を含み、前記第一エマルジョンが第一放出性物質を含むところの第一エマル
ョンを得ること、
−連続液相中に分散された液滴を含む第二エマルジョンであって、該液滴の少なくともいくつかは核を含み、前記第二エマルジョンが第二放出性物質を含むところの第二エマルジョンを得ること、
−該第一エマルジョンと該第二エマルジョンを組み合わせること、及び、
−該第一エマルジョンと該第二エマルジョンの液滴を少なくとも部分的に不安定化し、複数の粒子を含む粒子状物質を形成すること、
を含む方法を提供する。
粒子は、核によって播種され得るか、又は他の方法によって核から誘導され得る。

0023

組み合わせることは、混合、かき混ぜ、撹拌、均一化等を含み得る。第一エマルジョンと第二エマルジョンは、あらゆる所望の割合で組み合わせられ得る。それらは、粒子状物質が、所望の割合の第一放出性物質と第二放出性物質を含むような割合で組み合わせられ得る。

0024

他の態様において、粒子状物質の製造方法であって、
−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を含むエマルジョンを得ること、
−該エマルジョンに加水分解性物質を添加すること、
−該エマルジョン液滴内で該加水分解性物質を少なくとも部分的に加水分解し、凝縮性物質を形成すること、
−液滴の少なくともいくつかが一次粒子を含み、かつ液滴の少なくともいくつかが凝縮性物質又はその少なくとも部分的な凝縮物を含むように、該エマルジョン液滴内で凝縮性物質から核を形成すること、及び、
−融合液体及びエマルジョンを組み合わせ、粒子状物質を形成すること
を含む方法を提供する。

0025

粒子状物質は、連続液相中に懸濁され得るか、又は連続液相から沈殿され得る。エマルジョンはマイクロエマルジョンであり得、かつ油中水(w/o)マイクロエマルジョンであり得る、即ちエマルジョン液滴は水性であり得、連続液相は疎水性であり得る(w/o)。エマルジョン液滴の条件(例えば、pH)は、加水分解性物質の少なくとも部分的な加水分解を促進するような条件であり得、エマルジョン液滴は、加水分解性物質の加水分解のための触媒、例えばフッ化物を含み得る。液滴の条件は、凝縮性物質からの核の形成のために適当な条件であり得る。液滴は、非塩基性であり得、酸性であり得、0ないし7のpHを有し得る。核は、固体であり得るか、又はゲルであり得る。核は、多孔性であり得るか、又は微小孔性であり得る。それらは、直径約0.5ないし5nmの微細孔を有し得る。核は、直径約1ないし50nmであり得る。加水分解性物質は、加水分解により凝縮性物質を形成し得る物質であり得る。それは、例えばアルコキシシランであり得、ジ−、トリ−又はテトラ−アルコキシシラン又はそれらの2つ以上の混合物であり得る。凝縮性物質は、自己凝縮性であり得、かつ重縮合性(poly−condensable)及び/又は架橋性であり得る。それは、加水分解性物質の加水分解物を1種以上を含み得、かつシラノールを含み得る。それは、1分子当りに1つ、2つ、3つ又は4つのシラノール基を有し得る。それは、モノマー状シラン及び/又はシランオリゴマーを含み得る。

0026

組み合わせ工程は、エマルジョンに融合液体を添加すること、又は融合液体にエマルジョンを添加することを含み得る。それは、エマルジョン又は融合液体又はその両方を、撹拌すること、かき混ぜること、超音波処理すること又は他の方法により撹拌することを含み得る。組み合わせ工程は、液滴及び/又はエマルジョンを不安定化し得る。組み合わせ工程は、粒子状物質の形成をもたらし得る。粒子状物質は、複数の粒子を含み得、粒子の各々は、例えば、複数の核の融合又は核の成長によって、1つ以上の核から形成される。組み合わせ工程は、粒子状物質を形成するために十分な時間行われる。十分な時間は約1
0時間までであり得る。粒子状物質の形成は、凝縮性物質の少なくとも部分的な凝縮重縮合又は架橋を含み得る。粒子状物質の形成は、凝縮性物質と核の反応を含み得る。粒子状物質の粒子は、多孔性であり、かつ微小孔性及び/又はメソ多孔性であり得る。それらは、直径約0.5ないし5nmの微細孔を有し得る。それらは、球状であり得るか、又は不規則な形状又は他の何らかの形状であり得る。粒子は、約30ないし約5000nm、又は約30ないし約1000nm、又は約50ないし約300nmの粒径を有し得る。融合液体は、連続液相と混和され得、かつ不安定化液体を含み得、かつ非極性の液体からもなり得る。不安定化液体は、極性の液体であり得、アセトン又はエタノール又はアセトンとエタノールの混合物であり得る。

0027

他の態様において、核を含む液滴は7より高いpHを有し、エマルジョンを得る工程は、液滴を少なくとも部分的に不安定化する工程の間、粒子を形成するために、凝縮性物質が凝縮するように、液滴を酸性化し、そこに凝縮性物質又は前駆体を添加する工程を併う。前駆体は、本願明細書に記載される加水分解性シラン、例えばテトラアルコキシシランを含み得る。エマルジョンを得る工程は、界面活性剤、疎水性の液体、塩基水溶液及び凝縮性物質又は前駆体を組み合わせ(所望により、混合又は撹拌し)、凝縮性物質を凝縮させ、核を形成すること(又は、前駆体から凝縮性物質を形成し、その後、凝縮性物質を凝縮させ、核を形成すること)を含み得る。エマルジョンは、マイクロエマルジョンであり得る。核のための前駆体又は凝縮性物質は、上記した粒子のための前駆体又は凝縮性物質と同じあり得るか、又は異なり得る。典型的な前駆体は、凝縮して、核を形成し得るか又は粒子を形成し得る凝縮性物質であり、加水分解して、少なくとも部分的に加水分解された及び/又は部分的に凝縮されたシランを形成し得る加水分解性シランを含む。

0028

他の態様において、エマルジョンを得る方法は、
−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を含む塩基性エマルジョンを得る工程、
−該エマルジョンに第一加水分解性物質を添加する工程、
−該エマルジョン液滴内で該第一加水分解性物質を少なくとも部分的に加水分解し、凝縮性物質を形成する工程、
−該エマルジョンを酸性化し、酸性化エマルジョンを形成する工程、及び、
−該酸性化エマルジョンに第二加水分解性物質を添加する工程、
を含む。

0029

少なくとも部分的に加水分解する工程は、核の形成を含み得る。塩基性エマルジョンは、油中水エマルジョンであり得、マイクロエマルジョンであり得る。

0030

方法はまた、以下の1つ以上の工程から
−連続液相から粒子状物質を分離する工程、
−該粒子状物質を洗浄する工程、及び、
−該粒子状物質を乾燥及び/又は凍結乾燥する工程
を含み得る。

0031

他の態様において、エマルジョン液滴は放出性物質を含み、方法は粒子状物質中及び/又は粒子状物質上に放出性物質を少なくとも部分的に固定する。放出性物質は、粒子状物質中及び/又は粒子状物質上に、一時的に又は放出可能に固定され得る。即ち、放出性物質は、粒子状物質上に固定され得るが、適当な放出条件にさらされる場合、例えば放出性物質が放出可能な液体中に浸される場合、そこから少なくとも部分的に放出され得る。液体は、例えば放出性物質のための溶媒であり得る。放出性物質は、有機化合物又は有機金属化合物であり得、薬剤であり得る。それは、抗癌剤、例えばドキソルビシンであり得る。放出性物質は前記方法前又は前記方法の間、エマルジョン液滴に適切な条件において安定であり得る。

0032

他の態様において、粒子状物質の製造方法であって、該方法は、
−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を有する油中水マイクロエマルジョンを得る工程であって、前記エマルジョン液滴がアルコキシシランの加水分解のための触媒を含むところの工程、
−該エマルジョンにアルコキシシランを添加する工程、
−該エマルジョン液滴内でアルコキシシランを少なくとも部分的に加水分解し、少なくとも1つのシラノールを形成する工程、
−液滴の少なくともいくつかが粒径約1ないし50nmの一次粒子を含み、液滴の少なくともいくつかがシラノールを含むように、該エマルジョン液滴内のシラノールから核を形成する工程、及び、
−融合液体及びエマルジョンを組み合わせ、約30ないし1000nm、又は約50ないし300nmの粒径を有する粒子状物質を形成する工程
を含む方法を提供する。

0033

他の態様において、放出性物質を含む粒子状物質の製造方法であって、
−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を有する油中水マイクロエマルジョンを得る工程であって、前記エマルジョン液滴は、約1ないし7のpHを有し、かつ、放出性物質及びアルコキシシランの加水分解のための触媒を含むところの工程、
−該エマルジョンにアルコキシシランを添加する工程、
−該エマルジョン液滴内でアルコキシシランを少なくとも部分的に加水分解し、少なくとも1つのシラノールを形成する工程、
−液滴の少なくともいくつかが粒径約1ないし50nmの一次粒子を含み、液滴の少なくともいくつかがシラノールを含むように、該エマルジョン液滴内のシラノールから核を形成する工程、及び、
−融合液体とエマルジョンを組み合わせ、放出性物質を含み、約30ないし1000nm、又は約50ないし300nmの粒径を有する粒子状物質を形成する工程
を含む方法を提供する。

0034

他の態様において、放出性物質を含む粒子状物質の製造方法であって、
−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を有する油中水マイクロエマルジョンを得る工程であって、前記エマルジョン液滴は約1ないし7のpHを有し、かつ、放出性物質及びアルコキシシランの加水分解のための触媒を含むところの工程、
−該エマルジョンにアルコキシシランを添加する工程、
−該エマルジョン液滴内でアルコキシシランを少なくとも部分的に加水分解し、少なくとも1つのシラノールを形成する工程、
−液滴の少なくともいくつかが粒径約1ないし50nmの一次粒子を含み、液滴の少なくともいくつかがシラノールを含むように、該エマルジョン液滴内のシラノールから核を形成する工程、
−融合液体とエマルジョンを組み合わせ、放出性物質を含み、約30ないし1000nm、又は約50ないし300nmの粒径を有する粒子状物質を形成する工程、
−該連続液相から該粒子状物質を分離する工程、
−該粒子状物質を洗浄する工程、及び、
−該粒子状物質を乾燥させる工程
を含む方法を提供する。

0035

他の態様において、粒子状物質の製造方法であって、
−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を含むエマルジョンを得ること、
−該エマルジョン液滴に入ることができる凝縮性物質を該エマルジョンに添加すること、−液滴の少なくともいくつかが一次粒子を含み、液滴の少なくともいくつかが凝縮性物質
を含むように、該エマルジョン液滴内で凝縮性物質から核を形成すること、及び、
−融合液体とエマルジョンを組み合わせ、粒子状物質を形成すること
を含む方法を提供する。

0036

凝縮性物質は、シリケートであり得、溶解性シリケート、例えばケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムであり得る。方法はまた、凝縮性物質と共に金属酸化物を添加することを含み得る。金属は、遷移金属、例えばチタンジルコニウム、鉄、亜鉛バナジウムクロム又はハフニウムであり得る。錫、アルミニウムゲルマニウムカルシウム又はリン等の他の酸化物もまた使用され得る。酸化物は、凝縮性物質に対して、約0ないし80%、又は約0ないし75%、0ないし60%、0ないし50%、0ないし40%、0ないし30%、0ないし20%、0ないし10%、20ないし80%、50ないし80%、50ないし75%、25ないし75%又は25ないし50%(%はモル%又は質量%を表わす。)の割合で添加され得、かつ約0、10、20、30、40、50、60、70又は80%(%はモル%又は質量%を表わす。)の割合で添加され得る。生分解性粒子及び/又はアパタイト形成を促進するために、例えば整形外科用途において適当な粒子は、本発明の方法で製造され得る。

0037

本発明の第二観点において、粒子状物質の製造方法であって、
−連続液相中に分散された液滴を含むエマルジョンであって、該液滴の少なくともいくつかが凝縮性物質を含むところのエマルジョンを得ること、
−該エマルジョンを少なくとも1分間老化すること、及び、
−該液滴を少なくとも部分的に不安定化し、凝縮性物質から誘導された粒子を含む粒子状物質を形成すること
を含む方法を提供する。

0038

老化は、少なくとも1、2、5、10、20又は30分間、又は1、2、3、4、5又は6時間行われ得る。それは、約1分ないし6時間、又は約1分ないし1時間、1ないし30分間、1ないし10分間、10分ないし6時間、1ないし6時間、10分ないし1時間、又は10ないし30分間行われ得、約1、2、5、10、20又は30分間、又は、1、2、3、4、5又は6時間行われ得る。老化は、凝縮性物質から核を形成するために十分な時間行われ得る。

0039

本発明の第一観点又は第二観点の方法によって製造する場合、本発明は、粒子状物質又は放出性物質を含む粒子状物質も提供する。存在するならば、放出性物質は、少なくとも部分的に固定され得、かつ少なくとも部分的に放出可能に固定され得る。

0040

本発明の第三観点において、放出性物質を含む微小孔性の粒子状物質を提供する。放出性物質は、微小孔性の粒子状物質上及び/又は微小孔性の粒子状物質中に放出可能に固定され得る。粒子状物質の粒子は、約30ないし約5000nm、又は約30ないし約1000nm、又は約50ないし約300nmの平均粒径を有し得る。粒子状物質は、直径約0.5ないし50nmの平均微細孔サイズを有し得る。それは、約1ないし50nm、例えば約1ないし10nmのメソ細孔と共に、直径約1nm未満の微小孔を有し得る。粒子状物質の粒子は、一緒に結合した核を含み得る。それらは、核の凝集物を含み得る。核は、約1ないし50nmの平均径を有し得る。粒子状物質は、本発明の第一観点又は第二観点の方法によって製造され得る。

0041

放出性物質は、塩基環境において不安定であり得、酸環境において安定であり得、かつ薬剤、例えば、癌の治療薬であり得る。放出性物質は、蛍光染料、放射性医薬品、酵素、ホルモン、殺生物剤又は他の何らかの物質であり得る。放出性物質は、水又は水性液体又は他の何らかの溶媒中に放出可能であり得る。それは、粒子状物質が水又は水性液体又は
他の溶媒にさらされた時に、又は、粒子が水又は水性液体又は他の溶媒に浸された時に、又は、粒子が水又は水性液体又は他の溶媒中に撹拌された時に、放出可能であり得る。放出性物質は、粒子状物質の粒子の本質的な分解又は溶解又は浸食なく放出され得る。長期間、例えば約6ヶ月間、粒子の分解がほとんど起こり得ない。これは放出プロフィールに影響又は寄与し得る。放出性物質の放出は、粒子状物質の粒子からの拡散によって起こり得る。

0042

本発明の第四観点において、哺乳動物、例えばヒトの疾患を治療するための方法であって、該哺乳動物に、本発明に従った微小孔性粒子状物質の治療有効量を投与することを含み、前記粒子が放出性物質を含み、かつ前記放出性物質が該疾患の治療に使用されるところの方法を提供する。放出性物質は薬剤であり得、薬剤は抗癌剤であり得る。疾患は疾病であり得る。疾患は、例えば癌、糖尿病、ホルモン機能障害高血圧症、痛み(例えば、モルヒネ及び/又は鎮静剤によって治療可能な痛み)又は喘息であり得る。

0043

哺乳動物、例えばヒトの疾患の治療薬の製造において使用するための、本発明に従った粒子状物質であって、前記粒子状物質が放出性物質を含み、かつ前記放出性物質が該疾患の治療に使用されるところの粒子状物質も提供する。疾患は、例えば癌、糖尿病、ホルモン機能障害、高血圧症、痛み(例えば、モルヒネ及び/又は鎮静剤によって治療可能な痛み)又は喘息であり得る。

0044

更に、哺乳動物、例えばヒトの疾患の治療のための、本発明に従った粒子状物質の使用であって、前記粒子が放出性物質を含み、かつ前記放出性物質が該疾患の治療に使用されるるところの使用も提供する。疾患は、例えば癌、糖尿病、ホルモン機能障害、高血圧症、痛み(例えば、モルヒネ及び/又は鎮静剤によって治療可能な痛み)又は喘息であり得る。

0045

本発明の第五観点において、放出性物質を供給するための方法であって、前記放出性物質を放出可能な媒体に本発明に従った粒子状物質を曝露することを含み、前記粒子が前記放出性物質を含むところの方法を提供する。曝露は、媒体中に粒子を浸すことを含み得、更に、粒子を有する媒体の撹拌、振盪、かき混ぜ、又は、他の方法による撹拌の1つ以上を含み得る。さもなくば、曝露は、粒子を通り越して及び/又は通して、媒体を通過させることを含み得る。媒体は、流体であり得、液体であり得る。媒体は、血液等の体液であり得る。それは、水又は水溶液等の水性液体であり得る。媒体は、放出性物質を溶解可能であり得る。放出性物質は、例えば蛍光染料、放射性医薬品、薬剤、酵素、ホルモン、殺生物剤又は他の何らかの物質であり得、それは、これらの2種以上の混合物であり得る。曝露は、媒体中への放出性物質の放出のために適当な条件下で行われ得る。方法はまた、媒体中に放出性物質を放出させる工程を含み得る。

0046

図面の簡単な説明
今や、本発明の好ましい形態は、添付した図面を参照として、実施例により説明され得る:
図1は、本発明に従った方法のフローチャート図を示す。
図2は、最終粒子形態に対する最初の界面活性剤[NP−5]濃度の影響を示す透過電子顕微鏡写真TEM)を示す:(a)0.2mol/L;(b)0.4mol/L;(c)0.6mol/L;(d)0.8mol/L。
図3は、水/TMOSのモル比が10:(a)TMOS 4mmol;(b)TMOS
6mmol;(c)TMOS 8mmol;(d)TMOS 12mmolでの、最終粒径に対する最初のTMOS(テトラメトキシシラン)濃度の影響を示すTEMを示す。
図4は、最終粒径及び最終粒子形態に対する界面活性剤の性質の影響を示すTEMを示す([界面活性剤]=0.2mol/L):(a)ブリジ 30、(b)NP−5、(c
)NP−6、(d)1−ペンタノール10mmolを有するトリトンX−114、(e)1−ペンタノール 10mmolを有するNP−9、(f)1−ペンタノール 10mmolを有するトリトン X−100。
図5は、最終粒径及び最終粒子形態に対する界面活性剤の性質の影響を示すTEMを示す([界面活性剤]=0.4mol/L):(a)ブリジ 30、(b)NP−5、(c)NP−6、(d)1−ペンタノール 10mmolを有するトリトン X−114、(e)1−ペンタノール 10mmolを有するNP−9、(f)1−ペンタノール 10mmolを有するトリトン X−100。
図6は、最終粒径及び最終粒子形態に対する補助界面活性剤の影響を示すTEMを示す:(a)NP−5 0.2mol/L;(b)NP−5 0.4mol/L;(c)NP−5 0.2mol/L、1−ペンタノール 0.2mol/L。
図7は、(アセトン100mL/以下の溶媒100mLで不安定化した後の)最終粒子形態に対するマイクロエマルジョン溶媒の影響を示す透過電子顕微鏡写真を示す:(a)石油ベンゼン1−ヘキサノール20mmol;(b)ヘキサン、1−ヘキサノール 20mmol;(c)オクタン、1−ヘキサノール 20mmol;(d)デカン、1−ヘキサノール 20mmol;(e)ドデカン、1−ヘキサノール 40mmol;(f)トルエン
図8は、(エタノール50mL/以下の溶媒100mLで不安定化した後の)最終粒子形態に対するマイクロエマルジョン溶媒の影響を示す、TEM及び結果報告を示す:(a)石油ベンゼン、1−ヘキサノール 20mmol;(b)ヘキサン、1−ヘキサノール
20mmol;(c)オクタン、1−ヘキサノール 20mmol;(d)デカン、1−ヘキサノール 20mmol;(e)ドデカン、1−ヘキサノール 40mmol;(f)トルエン。
図9は、界面活性剤として(a)NP−5;(b)トリトン X−114;(c)NP−9を使用したトルエンベースのマイクロエマルジョンの不安定化を示すTEMを示す。
図10は、最終粒子形態に対する不安定化前の老化時間の影響を示すTEMを示す:(a)老化 24時間;(b)老化 48時間;(c)老化 120時間;(d)老化 168時間。
図11は、最初の種及び最終粒径及び最終粒子形態に対するシリコンアルコキシドの性質の影響を示すTEMを示す:(a)不安定化前にTMOS 6mmol;(b)不安定化後にTMOS 6mmol;(c)不安定化前にTEOS 6mmol;(d)不安定化後にTEOS 6mmol。
図12は、以下の方法によって得られた粒子を用いた、不安定化剤を添加する方法による最終粒径に対する影響を示すTEMを示す:(a)マイクロエマルジョン中にアセトン
50mLを注ぐことによって;(b)アセトン 50mL中にマイクロエマルジョンを注ぐことによって;(c)アセトン 100mL中にマイクロエマルジョンを注ぐことによって;(d)アセトン 100mLとシクロヘキサン100mLの混合物中にマイクロエマルジョンを注ぐことによって。
図13は、最終粒径に対するアセトンの添加量の影響を示すTEMを示す:(a)アセトン 50mL+シクロヘキサン 50mL;(b)アセトン 100mL+シクロヘキサン 100mL;(c)アセトン 150mL+シクロヘキサン 150mL;(d)アセトン 200mL+シクロヘキサン 200mL。
図14は、最終粒径及び最終粒子形態に対する混合条件の影響を示すTEMを示す:(a)1Lビーカー、‘/’バー;(b)250mLビーカー、‘+’バー;(c)250mLビーカー、‘/’バー;(d)超音波処理;(e)水プールNaCl 0.2mol/L、250mLビーカー、‘/’バー。
図15は、最終粒径及び最終粒子形態に対する水プール(不連続相)のpHの影響を示すTEMを示す:(a)pH=7.0;(b)3.54;(c)3.04;(d)2.70;(e)1.80;(f)1.50。
図16は、最終粒子形態に対するアセトンの量の影響を示すTEM及び結果報告を示す
:(a)10mL;(b)20mL;(c)50mL;(d)100mL;(e)200mL。
図17は、最終粒子形態に対するエタノールの量の影響を示すTEM及び結果報告を示す:(a)5mL;(b)10mL;(c)20mL;(d)35mL;(e)50mL;(f)80mL;(g)100mL。
図18は、最終粒子形態に対するエタノール/アセトンを混合した不安定化混合物の組成物の影響を示すTEM及び結果報告を示す:(a)シクロヘキサン 100mL、アセトン 80mL、エタノール 20mL;(b)シクロヘキサン 100mL、アセトン
60mL、エタノール 40mL;(c)シクロヘキサン 100mL、アセトン 40mL、エタノール 60mL;(d)シクロヘキサン 100mL、アセトン 20mL、エタノール 80mL。
図19は、最終粒子形態に対する融合液体の性質の影響を示すTEMを示す:(a)イソプロパノール;(b)1−プロパノール;(c)メチルエチルケトン;(d)クロロホルム;(e)トルエン;(f)ベンゼン;(g)THF;(h)DMF;(i)ピリジン;及び(j)1−ブタノール
図20は、最終粒子形態に対するマイクロエマルジョンへ添加した融合液体の組成の影響を示すTEMを示す:(a)アセトン 40mL+1−プロパノール 10mL;(b)アセトン 30mL+1−プロパノール 20mL;(c)アセトン 20mL+1−プロパノール 30mL;(d)アセトン 10mL+1−プロパノール 40mL、と混合したシクロヘキサン。
図21は、添加したドキソルビシンの量に対するドキソルビシンのカプセル化効率グラフを示す。
図22は、37℃においてPBS(pH 6.9/25℃)中での純粋なドキソルビシンの分解を示すグラフを示す。
図23は、37℃において、PBS(pH 6.9/25℃)中での本発明に従ったシリカナノ粒子からのドキソルビシンの短期間における放出速度のグラフを示す。
図24は、37℃において、PBS(pH 6.9/25℃)中での本発明に従ったシリカナノ粒子からのドキソルビシンの長期間における放出のグラフを示す。
図25は、本発明に従ったマイクロエマルジョン系のアセトン不安定化によって製造したシリカ粒子の窒素吸着脱着等温線のグラフを示す(NP−5/シクロヘキサン/水、pH=1及びpH=7)。
図26は、マイクロエマルジョンにおける様々な粒子成長プロセスの略図である。
図27は、本願明細書に記載した更なる実験からの典型的な粒子合成を示すフローチャートである。
図28は、本願明細書に記載した更なる実験における粒子形態に対する有機的に変性された前駆体の性質の影響を示すTEMを示す:(a)MTMS;(b)PTMS;(c)OTES;(d)GTES;(e)CheeTES;(f)APTMS;(ORMOCER(25mol%)とTMOS(75mol%)及び[N−57]=0.4mol/L)。
図29は、本願明細書に記載した更なる実験における粒子形態に対するAPTMSの影響を示すTEMを示す(APTMS(25mol%)とTMOS(75mol%)及び[N−57]=0.4mol/L)。
図30は、本願明細書に記載した更なる実験におけるORMOCERの性質及び比率の影響を示す透過電子顕微鏡写真を示す:(a)GTMS 5mol%+TMOS 95mol%;(b)GTMS 10mol%+TMOS 90mol%;(c)GTMS 15mol%+TMOS 85mol%;(d)APTMS 5mol%+TMOS 95mol%;(e)APTMS 10mol%+TMOS 90mol%;(f)APTMS 15mol%+TMOS 85mol%。
図31は、本願明細書に記載した更なる実験における粒子形態に対するTMOS及びTEOSの比率の影響を示す透過電子顕微鏡写真を示す:(a)TEOS 25mol%+
TMOS 75mol%;(b)TEOS 50mol%+TMOS 50mol%;(c)TEOS 75mol%+TMOS 25mol%。
図32は、本願明細書に記載した更なる実験に記載した多くのエマルジョン系の不安定化法を示すフローチャートである。
図33は、様々なカプセル化染料を用いたマイクロエマルジョンの不安定化によって合成されたサブミクロン粉末紫外可視ドリフトスペクトルを示す:(A)ローダミン−B;(B)メチルバイオレット;(C)2種のエマルジョンの混合によってドープされた2種の染料;(D)エマルジョンへ添加前の2種の染料混合物
図34は、本願明細書に記載した更なる実験において混合した種及びオリゴマー状系の不安定化を示す透過電子顕微鏡写真を示す:(a)塩基中で合成された種粒子;(b)1.00M HNO3 1.269mL、F- 0.024mmol及びTEOS 1.2mmolを添加し、その後、不安定化;(c)1.50M HNO3 1.269mL、F-
0.024mmol及びTEOS 1.2mmolを添加し、その後、不安定化;(d)1.00M HNO3 1.269mL、F- 0.024mmol及びTMOS 1.2mmolを添加し、その後、不安定化;(e)1.50M HNO3 1.269mL、F- 0.024mmol及びTMOS 1.2mmolを添加し、その後、不安定化。
図35は、塩基触媒を使用して合成したナノ粒子(即ち、種)及び酸媒体中で加水分解されたモノマーを含むエマルジョンの不安定化法を示すフローチャートである。
図36は、本願明細書に記載した更なる実験における、種が以下のものから製造されるところのハイブリッド種粒子を含むマイクロエマルジョンの不安定化を示す透過電子顕微鏡写真を示す;(a):TMOS 100%;(b):TMOS 75%+VTMS 25%;(c):TMOS 75%+MTMS 25%;(d):TMOS 75%+PTMS 25%;(e):TMOS 75%+OTES 25%;(f):TMOS 75%+APTMS 25%;(g):TMOS 75%+DATMS 25%;(h):TMOS 75%+MPTMS 25%。
図37は、シクロヘキサン100mL及び(a)アセトン 100mL;(b)エタノール 100mL;(c)イソプロパノール100mL;(d)1−プロパノール 100mLを使用した、本願明細書に記載した更なる実験における多くのエマルジョンの不安定化を示す透過電子顕微鏡写真を示す。
図38は、図25等温線に対応するサンプルLK−425及びLK−428の微細孔サイズ分布のグラフを示す。
図39は、不安定化の間、超音波処理なしで合成したサンプルの粒子径分布のグラフを示す。
図40は、不安定化の間、超音波処理を用いて合成したサンプルの粒子径分布のグラフを示す。
図41は、37℃、pH<4における、ドキソルビシンを含む粒子の放出プロフィールを示すグラフを示す。
図42は、ドキソルビシンの放出と分解物の形成の比較を示す。
図43は、pH=7.4におけるナノ粒子からのドキソルビシンの放出を示すグラフを示す。
図44は、pH<4及びpH=7.4におけるドキソルビシンのサンプルの分解の比較を示す。
図45は、本発明に従った微粒子から放出したドキソルビシンの総量を示すグラフを示す。
図46は、本発明に従った微粒子からのドキソルビシンの累積放出量を示すグラフを示す。
図47は、本発明に従ったナノ粒子からのカンプトセシンの連続放出を示すグラフを示す。
図48は、各データポイントにおいて水相換えられたところの、本発明に従ったナノ
粒子からのカンプトセシンの連続放出を示すグラフを示す。
図49は、アセトンによる不安定化前及び不安定化後の粒径形態に対する界面活性剤の性質の影響を示すTEMを示す([界面活性剤]=0.2mol/L)。(a)トゥイーン(Tween) 21;(b)トゥイーン 61;(c)トゥイーン 81;(d)AOT。

0047

好ましい態様の詳細な説明
本発明は、所望の粒径の粒子の製造方法を記載する。1つの観点において、該方法は、最初に、よく知られた方法により、よく制御された粒径を有するエマルジョン、例えばマイクロエマルジョンを製造し、該エマルジョンのエマルジョン液滴に加水分解性物質を注入し、該エマルジョン液滴内で該加水分解性物質を加水分解して凝縮性物質を形成し、よく知られたゾル−ゲル化学反応を使用して該エマルジョン液滴内で該凝縮性物質を凝縮することを含む。結果として生じた粒子は、その後、所望の粒径を有する粒子状物質を製造するために、エマルジョンの制御された不安定化を開始することによって融合される。制御された微細孔サイズを有する粒子の製造において必要とされる化学技術は、既知であり、該技術と制御された不安定化のための本発明の方法を組み合わせることによって、制御された微細孔サイズを有する所望の平均粒径の粒子を含む粒子状物質を製造することができる。そのため、これまで製造が困難であった粒径と微細孔サイズ特定の組み合わせを達成することができる。薬剤等の放出性物質がマイクロエマルジョンのエマルジョン液滴中に配合される場合、その後、放出性物質は粒子状物質中及び/又は粒子状物質上に放出可能に固定され得、そして、その後、放出性物質は(放出性物質が薬剤であるならば)治療目的のために使用され得る。粒径の適当な制御によって、粒子状物質は患者の体の特定部分ターゲットとし得、かつ微細孔サイズの適当な制御によって、放出性物質の放出速度を所望の速度に制御し得る。

0048

本発明の方法は、哺乳動物、例えばヒトの癌等の疾患の治療のための放出物質を含み得る微小孔性粒子状物質を製造するために使用され得る。放出性物質は、微小孔性粒子状物質上及び/又は微小孔性粒子状物質中に放出可能に固定され得る。微小孔性粒子状物質は、粒径約30ないし約1000nm、又は約30ないし500nm、又は約30ないし100nm、又は約50ないし1000nm、又は約100ないし1000nmであるか、又は約500ないし1000nm、又は約50ないし500nm、又は約50ないし300nm、又は約50ないし250nm、又は約100ないし400nm、又は約100ないし300nm、又は約100ないし250nm、又は約150ないし250nm、及び約30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900又は1000nmであり得る粒子を含み得る。粒子状物質の粒子はナノ粒子であり得る。粒子状物質の粒子は微小孔性(即ち、それらは約1.7nm未満の孔径を有し得る)及び/又はメソ多孔性であり得る。それらは、微小孔性及びメソ多孔性であり得る。それらは、約50nm未満の、又は約40、30、20、10、5、4、3、2、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1、0.9、0.8、0.7、0.6又は0.5nm未満の平均孔径を有し得る。それらは、約0.5ないし5nm、又は約0.5ないし2nm、又は約0.5ないし1nm、又は約1ないし5nm、又は約2ないし5nm、又は約1ないし2nm、又は約4ないし5nm、又は約5ないし50nm、10ないし50nm、20ないし50nm、10ないし20nm、5ないし20nm又は5ないし10nmの平均孔径を有し得、約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45又は50nmの平均孔径を有し得る。それらは、約1ないし約50nmのメソ細孔及び約1nm以下の微細孔を有し得る。微細孔サイズは、本発明の粒子の製造の条件を変えることによって調整され得る。本発明の方法において、これらの粒子は核から製造
され得る。核は、一次粒子であり得る。核は、約1ないし50nm、又は約1ないし20nm、又は約1ないし10nm、又は約1ないし5nm、又は約1ないし2nm、又は約2ないし50nm、又は約5ないし50nm、又は約10ないし50nm、又は約20ないし50nm、又は約2ないし20nm、又は約2ないし10nm、又は約5ないし10nmの平均粒径を有し得、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45又は50nmの平均粒径を有し得る。放出性物質の質量は、薬剤の性質及び粒子状物質の性質に依存し得、粒子状物質1g当り約0.01ないし100mg、又は約0.01ないし20mg、又は約0.01ないし10mg、又は約0.01ないし5mg、又は約0.01ないし1mg、又は約0.01ないし0.5mg、又は約0.01ないし0.1mg、又は約0.01ないし0.05mg、又は約1ないし100mg、又は約10ないし100mg、又は約50ないし100mg、又は約1ないし10mg、又は約5ないし10mg、又は約0.1ないし1mg、又は約0.1ないし0.5mgであり得、粒子状物質1g当り約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100mgであり得るか、又は粒子状物質1g当り0.01mg未満又は100mg以上であり得る。

0049

本発明の方法は、エマルジョン液滴内に凝縮性物質を有する前駆エマルジョンを得ることを含み、エマルジョン液滴がエマルジョンの不連続相を含むところの前駆エマルジョンを得ることを含み得る。エマルジョンは、凝縮性物質が水性エマルジョン液滴(‘水プール’)内に存在するため、w/oマイクロエマルジョンであり得る。エマルジョンは、
−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を含むエマルジョンを得ること、
−該エマルジョンのエマルジョン液滴(即ち、不連続相)中に加水分解性物質を注入すること、及び、
−該エマルジョン液滴内で該加水分解性物質を加水分解し、凝縮物質を形成すること、によって製造され得る。

0050

さもなくば、凝縮性物質がエマルジョン液滴中に注入され得る。エマルジョンを得る工程は、エマルジョンを製造するために適当な量で及び撹拌条件下で、疎水性液体、水性液体及び界面活性剤を組み合わせることを含み得る。界面活性剤は、例えばNP−5及びNP−6又はトゥイーン21又はこれらの2種又は3種の混合物であり得る。撹拌は、かき混ぜ、振盪、音波処理、超音波処理の1種以上を含み得、弱く、穏やかに又は強く行われ得る。水性液体は、水性溶液であり得、エマルジョンの不連続相において必要とされる成分を含み得る。水性液体は、加水分解性物質の加水分解のための触媒及び所望により、凝縮性物質の凝縮のための触媒を含み得る。触媒は、ドキソルビシンのためのものであり得るか、又はそれは、蛍光染料、放射性医薬品、酵素、ホルモン、殺生物剤又は特定の他の物質のためのものであり得る。水性液体は、放出性物質の分解を促進しないpHであり得る。pHは、約1ないし8、又は1ないし7、又は約2ないし7、約3ないし7、約4ないし7、約5ないし7、約6ないし7、約1ないし6、約2ないし6、約3ないし6、約4ないし6、約5ないし6、約1ないし5、約2ないし5、約3ないし5、約4ないし5、約1ないし4、約2ないし4、約3ないし4、約1ないし3、約2ないし3又は約1ないし2又は約7ないし8であり得、約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5又は8であり得る。加水分解性物質は、凝縮性物質を製造するために加水分解可能な物質であり得る。それは、例えば加水分解性シランであり得る。それは、シリコンに結合した加水分解可能な基を1、2、3又は4つ有する加水分解性シランを含み得るか、又はこのようなシランの混合物を含み得る。適当なシランは、トリ−及びテトラ−アルコキシシラン、例えばテトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラブトキシシラン(TBOS)、テトラプロポキシシランTPOS)、メチルトリメトキシシラン(MTMS)、メチルトリエトキシ
シラン(MTES)、エチルトリエトキシシラン(ETES)、オクチルトリエトキシシラン(OTES)、オクチトリメトキシシラン(OTMS)、ヘキサデシルトリメトキシシラン(HDTMS)及びヘキサデシルトリエトキシシラン(HDTES)、オクタデシルトリメトキシシランODTMS)、オクタデシルトリエトキシシラン(ODTES)、並びにメチルポリシリケート(MPS)、エチルポリシリケートEPS)、ポリジエトキシシラン(PDES)、ヘキサメチルジシリケート、ヘキサエチルジシリケート又は官能トリルコキシシラン(例えば、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランフェニルトリエトキシシラン(PTES)、フェニルトリメトキシシラン(PTMS)、グリドキプロポキシルトリメトキシシラン(GLYMO)、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GLYEO)、メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MPTES)、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTMS)、アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)、アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(DATMS)、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン(TATMS)、[2−(シクロヘキセニルエチル]トリエトキシシラン(CHEETES)、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、ビニルトリエトキシシラン(VTES)又は上記したものの2種以上の混合物を含むが、これらに限定されない。凝縮性物質は、少なくとも80%のテトラアルコキシシラン、又は少なくとも85、90又は95%のテトラアルコキシシランを含み得、約80、85、90、95、96、97、98、99又は100%のテトラアルコキシシランを含み得る。それは、約20%未満のテトラアルコキシシラン、例えば約15、10又は5%未満のテトラアルコキシシランを含み得、約20、15、10、5、4、3、2、1又は0%のテトラアルコキシシランを含み得る。特定のトリアルコキシシラン低濃度における方法においてのみ使用可能であり得る。加水分解性物質は、凝縮性物質を製造するために加水分解可能であり得る。凝縮性物質はシラノール物質であり得、1分子当り1、2、3又は4つのシラノール基を有し得る。それは、1分子当り1つ以上のシラノール基を有する少なくとも部分的に凝縮した物質であり得る。それは、シラノール物質の混合物であり得る。

0051

加水分解性物質は、エマルジョンへ添加され得、エマルジョン液滴中に注入され得る。一般に、エマルジョン中の物質は、2相のエマルジョンに分配され得、該分配は2相に対する該物質の相対的親和性に依存する。そのため、親水性が高い物質は主に水相中に置かれ得、一方、疎水性が高い物質は主に疎水性相中に置かれ得る。物質が水相中に分配され、そこで反応するならば、その後、更なる物質が該水相中に分配され得る。連続(疎水性)相への加水分解性物質の添加は、水相(エマルジョン液滴)中への加水分解性物質の分配をもたらし得、ここで、加水分解性物質の加水分解を促進する条件は凝縮性物質の形成及びその後の核の形成に関連する。核の形成は凝縮性物質の少なくとも部分的な凝縮を含み得る。凝縮性物質の添加は、所望により、すくなくともある程度の撹拌又はかき混ぜを併い得る。ブラウン運動が、外部からの混合の適用なく、混合のために十分なエネルギーを与え得る。本発明の方法は、加水分解性物質を加水分解し、結果として生じた凝縮性物質を凝縮し、エマルジョン液滴内で核を形成することを含み得る。加水分解性物質がアルコキシシランであり、かつエマルジョン液滴が酸性のフッ素溶液を含む場合、その後の工程は、アルコキシシランを加水分解し、かつ結果として生じる凝縮性物質を凝縮し核を形成するために十分な時間を含み得る。

0052

さもなくば、核及び/又は一次粒子は、塩基条件下で形成し得、その後、酸性化し、結果として生じたエマルジョンを不安定化し、粒子状物質を形成し得る。

0053

さもなくば、、核及び/又は一次粒子は予め形成され得る。例えば、核は、何らかの他のコロイド物質コロイダルシリカ又はヒュームドシリカの粒子であり得るか、又は適当な粒径の何らかの他の粒子であり得る。凝縮性物質は、例えば、核の存在下における凝縮
により核を凝集することによって、核から粒子状物質の粒子を形成可能であり得る。凝縮性物質は、核と相溶性であり得、かつ核と反応可能であり得る。

0054

本発明の一つの態様において、エマルジョンを得る方法は、
−連続液相中に分散されたエマルジョン液滴を含む塩基性エマルジョンを得る工程、
−該エマルジョンに第一加水分解性物質を添加する工程、
−該エマルジョン液滴内で該第一加水分解性物質を少なくとも部分的に加水分解し、凝縮性物質を形成する工程、
−該エマルジョンを酸性化し、酸性化エマルジョンを形成する工程、及び、
−該酸性化エマルジョンに第二加水分解性物質を添加する工程、を含む。

0055

塩基性エマルジョンは、油中水エマルジョンであり得、かつマイクロエマルジョンであり得る。それは、界面活性剤、例えばNP9を含み得、更に補助界面活性剤、例えば1−ペンタノールも含み得る。連続液体は、炭化水素、例えばシクロヘキサンであり得る。第一加水分解性物質及び第二加水分解性物質は、本願明細書の他の部分に記載したようなアルコキシシラン、例えばテトラアルコキシシランを含み得る。それらは、同じであり得るか又は異なり得る。塩基性エマルジョンのpHは、約8ないし13、又は約8ないし10、又は約8ないし10、8ないし9、9ないし13、11ないし13、又は9ないし11であり得、約8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5又は13であり得るか、又は13以上であり得る。第一加水分解性物質の添加後、エマルジョンは、エマルジョン液滴内で第一加水分解性物質を少なくとも部分的に加水分解するために十分な時間、老化することにより、凝縮性物質及び核、例えば一次粒子を形成し得る。老化時間は、約5ないし100時間、又は約5ないし80時間、5ないし60時間、5ないし40時間、5ないし20時間、10ないし100時間、20ないし100時間、50ないし100時間、10ないし50時間、20ないし50時間、又は40ないし50時間であり得、約6、12、18、24、30、36、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、60、66、72、78、84、92又は96時間であり得る。時間は、老化温度に依存し得、そして該温度は、約15ないし95℃、又は他の何らかの温度、例えば室温又は周囲温度であり得る。温度は、例えば約20ないし80℃、50ないし80℃、10ないし50℃、又は30ないし70℃であり得、約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85又は90℃であり得る。エマルジョンを酸性化した後、酸性化エマルジョンは、少なくとも約1時間、又は少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9又は10時間、例えば約1ないし10時間、又は約1ないし8時間、1ないし6時間、1ないし4時間、2ないし10時間、5ないし10時間、2ないし8時間又は4ないし6時間、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10時間撹拌又は老化され得る。老化は、約30ないし90℃、又は約30ないし70℃、30ないし50℃、50ないし90℃、70ないし90℃、40ないし80℃、又は30ないし70℃、例えば約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85又は90℃で行われ得る。第二加水分解性物質の添加は、撹拌又は老化工程中に又は撹拌又は老化工程の直後に行われ得る。第二加水分解性物質の添加前に又は添加と同時に、界面活性剤、所望により塩基性エマルジョンの製造において使用した界面活性剤と同じものが、溶媒及び所望による補助界面活性剤(塩基性エマルジョンにおいて使用したものと同じもの又は異なるものであり得る)と一緒に、添加され得る。溶媒は、連続液相と混和され得、かつ連続液相と同じものであり得る。溶媒、界面活性剤及び補助界面活性剤(存在するならば)の割合は、塩基性エマルジョンにおける割合と同じであるか、又は異なり得る。第二加水分解性物質の添加後、酸性化エマルジョンは、第二加水分解性物質を少なくとも部分的に加水分解するために十分な時間、老化され得る。これは、少なくとも約24時間、又は少なくとも約30、36、42、48、54又は60時間であり得、約24ないし60時間、又は約24ないし48時間、48ないし60時間、36ないし54時間、又は40ないし50時間
であり得、約30、36、42、48、54又は60時間であり得る。

0056

核の形成工程後、本発明の方法は、融合液体とエマルジョンを組み合わせて粒子状物質を形成する工程を含む。組み合わせ工程は、融合液体にエマルジョンを添加することを含み得るか、又はエマルジョンに融合液体を添加することを含み得る。添加は、滴下、注入又は他の方法による添加を含み得、撹拌、かき混ぜ、混合、振盪等によって行われ得、かつ急速に又はゆっくりと行われ得る。添加は、約1ないし1000ml/分、又は約1ないし500ml/分、1ないし200ml/分、1ないし100ml/分、1ないし50ml/分、100ないし1000ml/分、500ないし1000ml/分、10ないし500ml/分又は100ないし500ml/分の速度で行われ得、約1、2、5、10、25、50、100、200、300、400、500、600、700、800、900又は1000ml/分の速度で行われ得るか、又は他の何らかの速度で行われ得る。添加後、更なる時間で核の融合を進めさせ得る。更なる時間は、約10時間まで、又は約5、2又は1時間まで、又は約30、20、10、5、2、1又は0.5分間までであり得、約0、0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、40又は50分間、又は約1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10時間であり得る。融合液体は、連続相及びエマルジョン液滴と混和性の液体であり得る。それは、極性の液体を含み得、例えば、アセトン又はエタノールであり得る。それは、液体の混合物を含み得る。それは、例えば不安定な液体、例えば極性の液体と非極性の液体の混合物を含み得る。非極性の液体は、エマルジョンの連続相と同じであり得るか又は異なり得る。例えば、融合液体は、アセトンとシクロヘキサンの混合物又はエタノールとシクロヘキサンの混合物であり得る。不安定な液体と非極性の液体の割合は、約1:3ないし3:1(w/w又はv/v)であり得、約1:3ないし2:1、1:3ないし1:1、1:3ないし1:2、1:2ないし3:1、1:1ないし3:1又は2:1ないし3:1(w/w又はv/v)であり得、約3:1、2:1、1:1、1:2又は1:3(w/w又はv/v)であり得る。融合液体の量は、粒子状物質の形成を生じさせるのに十分な量であり得る。それは、核の融合を生じさせるのに十分な量であり得る。融合液体は、ゲルの形成をもたらさない量であり得る。融合液体の量はエマルジョン1mL当り約2ないし6mLの量であり得、エマルジョン1mL当り約3ないし5mL、又は2ないし4mL、又は4ないし6mLの量であり得、エマルジョン1mL当り約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5又は6mLの量であり得、連続相及び融合液体の性質に依存した他の何らかの量であり得る。

0057

方法はまた、以下の1つ以上の工程、
−連続液相から粒子状物質を分離すること、
−該粒子状物質を洗浄すること、及び、
−該粒子状物質を乾燥及び/又は凍結乾燥すること、
を含み得る。

0058

分離は、沈殿、遠心分離、デカンテージョン、超遠心分離濾過マイクロ濾過又は何らかの他の適当な分離方法の1つ以上を含み得る。洗浄は、所望により溶媒を撹拌しながら、適当な溶媒に粒子状物質を曝露し、その後、粒子状物質から溶媒を分離することを含み得る。それは、溶媒中で粒子状物質を懸濁することを含み得るか、又は溶媒を、粒子状物質中を通過させることを含み得る。洗浄は、粒子状物質から界面活性剤を少なくとも部分的に除去し得る。溶媒は、界面活性剤のための溶媒であり得る。粒子洗浄のための溶媒は、ドーパントの溶解性及び分子サイズに依存し得る。ドーパントがアセトン等の極性溶媒又はクロロホルム等の極性の低い溶媒に高い溶解性を有するならば、非極性溶媒が粒子洗浄のために使用され得る。界面活性剤のHLBが、一般に約10であるので、該界面活性剤は、通常、極性溶媒又は非極性溶媒に溶解性である。乾燥は、粒子状物質をガス、例えば空気、窒素二酸化炭素又はこれらの混合物に曝露することを含み得る。ガスは、乾燥ガスであり得、使用前に乾燥させられ得る。曝露は、粒子状物質の上を又は中を、ガス
を通過させることを含み得、粒子状物質を経てガスを吸引することを含み得る。さもなくば、乾燥は、不完全真空に粒子状物質を曝露することを含み得る。不完全真空は、約0.5バール未満、又は約0.2、0.1、0.05、0.01、0.005又は0.001バール未満の絶対圧力を有し得、約0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.02、0.01、0.005、0.002又は0.001バールの絶対圧力を有し得る。乾燥は、放出性物質の分解温度未満の温度で行われ得るため、放出性物質の性質に依存し得る。乾燥は、例えば、約100℃未満、又は約90、80、70、60、50、40、30又は20℃未満の温度で行われ得、約20、30、40、50、60、70、80、90又は100℃の温度、又は他の何らかの適当な温度で行われ得る。

0059

粒子中に配合されなかった放出性物質は、融合液体から回収され、必要に応じて再利用され得る。

0060

粒子状物質の製造方法の例は、図1にまとめられ、以下のように記載され得る:
1.安定なマイクロエマルジョンを、界面活性剤、非極性溶媒、放出性物質(例えば、薬剤)を含む水性溶液及びゾル−ゲル反応のための触媒(例えば、酸、F-)を混合することによって調製する。
2.その後、加水分解性物質(例えば、TMOS:テトラメトキシシラン)を該マイクロエマルジョンに添加し、水プール(即ち、エマルジョン液滴の中心)にゆっくりと拡散させ、そこで加水分解を受けさせ、核、例えば固体一次粒子を形成させる。
3.核の形成後、所望により非極性溶媒(例えば、シクロヘキサン)と混合した極性溶媒(例えば、アセトン)を該混合物と組み合わせ、エマルジョンを不安定化し、固体核を融合し、このようにして大きな粒子を生じさせ、そしてそれを連続相から沈殿させる。この工程において、溶媒が混合物に添加され得るか、又は混合物が溶媒に添加され得る。
4.その後、粒子を洗浄し、凍結乾燥させる。

0061

エマルジョンのパラメーター(界面活性剤/水の割合、TMOS/水の割合)並びに性質、その量及び融合液体の添加方法は、最終粒子の粒径及び分布を制御し得る。

0062

エマルジョン液滴内の固体前駆粒子の成長は、コロイド懸濁液と同じ機構(凝集又は凝固熟成することによる核形成及び成長)によって決定し得る。

0063

コロイド懸濁液において見られるように、油中水エマルジョンの核形成は、液滴(不連続相)中に存在する凝縮性物質の濃度が核形成閾値[Cn]を超える場合に起こる。該エマルジョンと典型的なコロイド懸濁液の差は、エマルジョン中では、溶液が小さな液滴に区分されることのみである。そのため、凝縮性物質の濃度は、水プール毎に(即ち、液滴毎に)変化し得る。言い換えれば、1プール当りの平均濃度が[Cn]より大きくなるまで、エマルジョン中において、凝縮性物質の分子数は平均過飽和と共に増加する。

0064

これらの考えに基づき、核の数は、凝縮性物質の濃度の増加と共に増加し、液滴の数と共に減少する。凝縮性物質の分子数は、1ミセル当りの利用可能な遊離水の量に比例するため、核の数は遊離水の含有量の増加と共に増加する。言い換えれば、核の数は、水と界面活性剤の割合と共に増加する。(遊離水は、結合水、即ち界面活性剤の親水性ヘッドを溶解し、かつ加水分解性物質、例えばシリコンアルコキシドの加水分解に加わらない水と対比され得る。遊離水の量は界面活性剤の性質(親水性ヘッドのサイズ及び性質)及び水と界面活性剤の割合に依存する。)。

0065

エマルジョンの他の特異的な特性は、エマルジョン液滴が、衝突中、それらのコア交換可能なことにある。相互ミセル交換の割合の増加は、過飽和が核形成閾値に達する前に、凝縮性物質の再分布を生じさせ得る。そのため、ミセルの衝突の増加は、核形成速度
減少をもたらし得る。

0066

水性コロイド懸濁液と同様に、エマルジョン中の固体粒子の成長は、核形成に続く。まず概略すると、水プール(不連続相の液滴)は、核への粒子成長が凝縮性物質の添加によって起こるところの微量反応器として考えられ得る。そのため、核の数が多いほど、核は小さくなる。同様に、一定数の核の場合、水プール中の過飽和が高いほど、結果として生じる核は大きくなる。

0067

上記したように、エマルジョンは動的系であり、かつエマルジョン液滴は、互いに絶えず衝突し、そのプロセス中でそれらの水性コアの内容物を交換する。その後、液滴の成長は、個体核又は核を含有するプールと凝縮性物質のみを含む不飽和プールの衝突によって行われ得る。言い換えれば、成長は、(融合と同様のプロセスにおける)不飽和ミセルの消費によって行われ得る。そのため、液滴の最終粒径は、衝突又はミセル交換の数と共に増加する。

0068

ゾル−ゲル反応の塩基触媒は、加水分解/凝集、及びより重要には、溶解を促進する。マイクロエマルジョンと組み合わせた場合、塩基触媒によるゾル−ゲル化学反応は、高い加水分解速度のため、急速な核形成をもたらす。急速な凝縮は、ミセル内の凝縮物質全ての急速な消費をもたらし、かつ、他のミセルプールの老化及び掃去によって、更なる成長がもたらされる。高い溶解速度は、核を含む液滴の衝突中に形成された凝集物の成熟により、球状粒子の製造を確実にする(図26参照)。図26を参照すると、一旦、核がエマルジョンの液滴内で形成されれば、塩基触媒は急速な加水分解及び粒子の成長をもたらすが、酸触媒は成長を促進しない。エマルジョンが、本発明に記載するような制御された方法で不安定化されるならば、極性チャネルが形成され、コロイドの成長をもたらし、粒径約30ないし1000nm、又は約50ないし500nmの範囲のナノ多孔性粒子を形成する。

0069

酸触媒は、加水分解は促進するが、凝縮及び溶解は妨げる(非常に低いpH、即ちpH≦0を除いて)。従って、酸触媒を使用したシリカ粒子のエマルジョン合成においては、多くの核が生成するが、非常に少しの成長しか観察されない。実際、酸触媒を使用したエマルジョンにおいては、48時間の老化後でも固体粒子は観察されなかった。フッ化物等の凝縮触媒は、固体粒子を製造するために導入されるべきである。この場合においてでさえも、核は、不安定化前のエマルジョンの直接TEM解析によって明らかになるように、非常に小さいまま(即ち、約10nm)である(図11参照)。この段階において、核は、線状ポリマーの弱い凝集物であり得る。それは、サンプル調製物に固有の乾燥のために、TEMにより観察すると、固体であると思われる。これは、塩基触媒と比べて、相互ミセル衝突中に、液滴間で融合が起こらないことを示唆する。粒子は、プール中に存在する全ての凝縮性物質をゆっくりと消費することによって、液滴コアを満たすまで成長する。これは、老化5日後の粒径が最初の粒径と同じままであることを示す、小角中性子錯乱SANS(結果を表1にまとめる。)によって確認されている。
表1:SANSデータ

0070

本発明の基本は、水性エマルジョン液滴の融合を生じさせることにより核の成長及び凝集を起こすための、融合液体として又はその成分として極性の液体を使用したエマルジョンの不安定化にある。

0071

水(極性の高い溶媒)の添加は、エマルジョン液滴を膨張させ、より大きな粒子を製造させることが知られている。この作用は、特定量の水まで起こり、その後、多相領域(例えば、水相及びエマルジョン相)が形成さる。アセトンの場合、SANS実験は、少量のアセトンの添加が液滴コアの著しい膨張をもたらすことを示す(表1参照)。これは、アセトン投与が、小さい液滴の融合を生じさせ、より大きな液滴をもたらすことを示唆する。水と比較して、多量のアセトンの添加は、2つの異なる相(例えば、水及び逆エマルジョン)の形成をもたらさない。実際に、不安定化が成功した場合に観察されるのは、この単相(即ち、アセトン+シクロヘキサン+水+界面活性剤)系からの粒子のゆっくりとした沈殿である。

0072

エマルジョン系の不安定化は、以下の工程を経るようである:
・工程1:アセトンを添加した時、液滴の膨張が開始する。
・工程2:より多くのアセトンが添加されると、開口チャネルが液滴のコア間につくられ、関連したラメラ様相又は二連続構造を形成する。この現象は、高い、水と界面活性剤の比において、NP5/水/ヘプタン溶液で観察される(C−L Chang,HS Fogler,Langmuir 1997,13,3295−3307)。
・工程3:アセトンの更なる添加は、該チャネルを膨張させ、最終的には、エマルジョン構造破壊し、該系を、界面活性剤が、真溶液において見られるように、分子的に分散するところの混合溶媒(シクロヘキサン+水+アセトン)の単相に戻す。水性チャネルの膨張は、核及び他の凝縮性物質を自由に反応させ、典型的なコロイド成長(即ち、核への加水分解されたモノマーの添加)によって粒子を形成させる。

0073

この不安定化法は、エマルジョン液滴融合速度(及び結果として起こる開口チャネルの形成)とゾル−ゲル反応速度(即ち、シリカの生成速度)との競合を用いた反応速度法(kinetic process)でもあることに注目することが重要である。

0074

上記した機構モデルを使用して、エマルジョンの不安定化及び最終粒子形態に対する様々な加工パラメーターの影響を理論的に説明することができる。
融合液体の添加後、4つの異なる種類の挙動が観察され得る:
・懸濁液は透明なままである。粒子が形成されず、不安定化の効果がない。
・懸濁液は、最初は透明なままであり、ゲルが非常にゆっくりと形成する。最終ゲルは、コロイドゲルと比較して、粒子が接着糸(glued string)として現れるところのスポンジ様構造として現れる。非常にゆっくりとした不安定化は、3次元スポンジ様ゲル構造において、直径約10nmの核のゆっくりとした凝集をもたらす。
・懸濁液が、すぐにゲルを形成する。最終ゲルは、コロイド状、即ち3次元ネットワークにおいて共に結合した粒子である。エマルジョンの部分的な不安定化は、水チャネルの形成をもたらし、そしてそれは、いくつかの粒子の成長をもたらすが、不安定化は、十分に‘‘強く’’又は速くなく、部分的に成長した粒子が一緒に凝集する。
・懸濁液は、約30ないし1000nm、又は約50ないし300nm、又は約150ないし500nmの平均粒径を有するサブミクロンサイズの粒子を形成する。チャネルは、膨張し(又は、破壊され、1つの単相を形成する事さえある。)、それによりミセルコアを放出し、それらの凝縮性物質を粒子成長に参与させ得る。

0075

これらの機構を使用して、様々な加工パラメーターの影響の説明を仮定することができる。

0076

界面活性剤の濃度の増加は、マイクロエマルジョンの安定性を増加させることが知られている。従って、一定量の融合液体(例えば、アセトン)については、より増加した界面活性剤の濃度を有するエマルジョンを不安定化することはより困難であり、ゆっくりとした核のゲル化が生じる(図2のc及びd参照)。

0077

予期されるように、シリコン前駆体の量の増加は、粒径の増大をもたらす。酸性のpHにおいて、アルコキシドの加水分解速度は速く、凝縮速度は遅く、そしてそれは、モノマー分子の数が多く、核の数が少ないままであることを意味する。シリコン前駆体の量が増加するほど、加水分解された前駆体分子の数は、新しい核の数以上に著しく増加する。不安定化が起こる場合、モノマーの核に対する比率が高くなるため、より大きな粒子がもたらされる。

0078

不安定化前に粒子を形成するトリトンX−100の場合は別として、サブミクロン粒子を製造する2種の界面活性剤はNP5及びNP6であり、そして該界面活性剤は、約10の中間HLBを有する。10のHLBは、強い両親媒性(即ち、バランスのとれた親水性と疎水性)を示し、界面活性剤の極性ヘッドと液滴からの水間に中強度分子相互作用を示す。このような中程度の相互作用は、水とのより弱い又は強い相互作用を有する界面活性剤では分散した液滴として残るけれども、高い水含有量では、液滴の融合及び開口チャネルの形成をもたらす。これは、未反応の加水分解前駆体がそれらの元来のミセル‘‘プリズン(prison)’’から核に向けて移動するための経路を与え、それにより粒子の成長のための材料が与えられるため、不安定化中の水チャネルの形成の重要性を高める。HLB<10については、粒子は検出されず、アセトンの添加によりエマルジョンの不安定化が上手くいかなかったことを示唆する。対照的に、HLB>10では、トゥイーン21(HLB 13.3)が使用可能であることが分かっているとはいえ、不安定化があまりにも速すぎて、成長が起こり得る前に、核が凝集し、ゲルを形成する。それ故、約10ないし約14のHLBが界面活性剤の適当な指標であり得る。極性ヘッド基中に約4ないし6のオキシエチレン単位を有する界面活性剤が本発明の使用において適当であり得ることも明らかである。

0079

界面活性剤の濃度が増加すると、ブリジ 30による不安定化が融合粒子を有するコロイドゲルを生成するという違いがあるが、同様の傾向が観察され、水滴の部分的な不安定化及び融合を示唆する。NP6を用いて得られた平均粒径の重要な縮小は、界面活性剤濃度の増加に起因した、エマルジョン安定性の増加によって説明され得る。

0080

TMOSは、TEOSよりも急速に加水分解するため、液滴内のアルコキシド同一濃度において、TMOS系は、核形成閾値により速く達し得、より多くの核の生成をもたらす。TMOSエマルジョン系におけるより多くの核は、不安定化後、より小さな粒子の製造をもたらす(同量の加水分解モノマーにおけるより多くの核はより多くのより小さい粒子を与えるため)。

0081

NP5エマルジョンを不安定化し、かつサブミクロン粒子を製造するために、様々な誘電率及び極性を有する広範囲の有機液体が、それら自体を又はシクロヘキサンとの組み合わせによって使用される(表2参照、該表は、それらの誘電率に従って液体を示す)。エマルジョン系及び最終粒子形態に対する効果は、それらの極性、及び、水及びシクロヘキサンの双方に対するそれらの混和性に依存して、劇的に異なる。
表2:それらの誘電率に従って分類された融合液体
実験パラメーター:NP−5:10mmol/pH 1 HNO3,水60mmol/F-:0.06mmol/シクロヘキサン:50mL/TMOS:6mmol/老化48時間/以下の溶媒100mL及びシクロヘキサン100mLによる不安定化

0082

それらは、3つの異なる種類に分類され得る:
・水のみに混和性の極性溶媒(例えば、アセトニトリルメタノール)。このような溶媒の添加は、系がW/O相領域から2相領域に移るまで、ミセルの膨張をもたらす(水相:W/Oエマルジョン)。
・シクロヘキサンのみに混和性の非極性溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、クロロホルム)。このような溶媒の添加は、ミセルの縮小をもたらすが、多量の二相混合物の生成をもたらす。
・水及びシクロヘキサンの双方に混和性の中位の極性溶媒(エタノールないしメチルエチルケトン)。多量の添加でさえ、常に、一相系の生成をもたらす。

0083

上記したように、不安定化を成功させる鍵は、液滴コアの含有物をコロイド成長において自由に沈殿させ、その後、サブミクロン粒子を製造させ得る単相系の形成にある。現象学的に、これは、極性相チャネルの実質的な膨張及び二連続相の形成によって、又は、単純にエマルジョンを破壊し、典型的な溶液にすることによって為され得る。言い換えれば、サブミクロン粒子を製造するために、融合液体の添加が単相(又は二連続)系を形成すべきである。これは、水及びシクロヘキサンの双方に混和性の融合液体を必要とする。

0084

該混和性の要求は必須であるが、十分ではないことを強調することが重要である。不安定化液体(非極性の液体と混合され、融合液体を生じる)の使用量並びに誘電率は、サブミクロン粒子の形成の制御のために重要である。7種類の異なる液体(表2参照)を試験したところ、該液体は、添加後、単相エマルジョンを生成することが分かったが、2種類の不安定化液体(エタノール及びアセトン)がサブミクロン粒子を製造するために上手く使用されてきた。これは、連続相及び水の双方における混和性並びに不安定化後の単相系の生成では、サブミクロン粒子の製造を確実にするためには十分ではないという事実を明確に示す。

0085

本発明者達は、不安定化液体の極性又は誘電率が、上手なエマルジョンの不安定化及びサブミクロン粒子の製造において重要な役割を果たすと仮定する。図20は、不安定化剤の極性が、徐々にアセトンをn−プロパノール代替することによって低くなる場合、最終生成物の形態が、ゆっくりと球状サブミクロン粒子から、‘‘パール(pearl)’’の融合糸に徐々に分解され、最終的に凝縮ゲルとなる凝集サブミクロン粒子に発達することを示す。この発達は、混合物の誘電率が低められた場合、不安定化液体が不安定化する力も減少することを示唆する。

0086

現象学的に、それは、不安定化中に形成された水相チャネルが、ミセル含有物が自由に動き、粒子成長に参与するほど十分に大きくないと考えられる。言い換えれば、不安定化力が減少する場合、加水分解前駆体の移動性はそれらの凝縮速度よりも低くなるため、粒子成長よりもむしろゲル化が起こり、水チャネル又は二連続相の含有物のゲル化がもたらされる。この仮説は、更に、TEMにおいて観察されたゲルの非常に開放的な構造によって確認される(図20c及びdと図19d、e及びfの比較)。

0087

他方、アセトンがエタノールに置き換えられる場合、形態は、徐々に、サブミクロン及びミクロンサイズの粒子が密集した凝集物に発達する。この傾向は、過剰なエタノールの存在下における加水分解シリケートの再エステル化による不安定化速度の増加及び凝縮速度の更なる減少によって説明され得る。この凝縮速度の減少は、ブラウン運動により、凝集し、密集した凝集塊となる‘‘弱い(soft)’’不十分に凝縮したサブミクロン粒子の製造をもたらし得る。

0088

上記で討論した‘‘不安定化力’’の概念に従って、エマルジョン液滴の含有物(即ち、加水分解アルコキシド)を自由にし、それらを粒子成長に参与させるために、不安定化力の量(即ち、量及び誘電率の組み合わせ)は、エマルジョンを十分に不安定化するのに十分に高い必要があることが考えられる。

0089

不十分な融合液体が導入される場合、核の衝突によって、ゲルが徐々に形成される。あまりにも多くの融合液体が使用される場合、その後、系はゲルを形成し得る(図17f(エタノール)で見られるように)。

0090

表3及び図7から分かり得るように、融合液体の非極性液体の誘電率が減少するにつれ、最終生成物の形態は、シクロヘキサン中の十分に形成された球状粒子(図6参照)からドデカン及びデカン中の凝集サブミクロン粒子(図7e及びd)、オクタン中の糸状の融合粒子及びヘキサン及び石油エーテル中の粒子状の凝縮ゲルへと悪化する。それ故、一定の不安定化力(即ち、同量のアセトン)においては、不安定化は、不安定化液体の誘電率の減少と共に減少し、それにより徐々に(アセトンをより極性の低い溶媒に置き換えた場合に、上記で観察されたように)3−次元ネットワークの形成がもたらされる。
表3:様々な非極性液体の影響



*石油エーテルはアルカンの混合物であり、その誘電率はそれらの各々の体積分率に依存して変化するため、適用不能である。

0091

融合液体はシクロヘキサン100mLを含んだため、添加によって油相の平均極性は変化したことに注目することが重要である。

0092

図25は、pH=1において製造されたサブミクロン粒子のサンプルのN2吸着等温線を示す。キー値表面積及び細孔容積)も表4にまとめる。微細孔サイズ分布のピーク図38から決定した。等温線は、粒子内の2つの多孔性領域の存在を明らかにした。
表4:サブミクロンシリカ粒子のBET法による結果

0093

粒子の表面積が粒径約6nmの密集シリカ粒子の表面に相当することに注目することが重要である。これは、表面積が粒子の内部表面に関連し、従ってサブミクロン粒子が非常に多孔性であることを裏付ける。更に、微小孔体積の比率は不安定化前の液滴の滴定によるpHの増加と共に減少する。塩基の添加が液滴内の凝縮を促進し得り、それにより固体粒子の数が増加することが知られている。これは、不安定化後、メソ細孔の比率を増加させ得る。これは、粒子内部構造の制御及びそれによるカプセル化分子の放出運動の制御の例を与える。

0094

エマルジョンの不安定化及び極性相チャネルを介したコアの含有物の移動によるコロイド成長がもたらす更なる結果は、放出性物質、例えば薬剤の低いカプセル化効率である(
図21参照)。最初のエマルジョンにおいて、薬剤は水滴内に区画される。核形成及び成長が不安定化前に液滴コア内で起こる場合、薬剤は、シリカ中にカプセル化される。不安定化後、非凝縮液滴(即ち、加水分解シリコンアルコキシド+遊離薬剤)の含有物はアセトン中で希釈される。シリコンアルコキシドは核に向かって移動し、サブミクロン粒子の成長を導き得るが、この段階において、多くの薬剤がカプセル化され得ることはありそうもない。

0095

要するに、サブミクロン粒子は、酸触媒を用いたゾル−ゲルエマルジョンの不安定化によって製造され得る。結果として生じる粒子は、カプセル化のために使用され、長期間(6ヶ月間までの)にわたり、制御された方法によって小さい分子を放出し得る。サブミクロンシリカ粒子の内部構造、及びそれによる放出速度は、pH等の最初のゾル−ゲルパラメーターによって制御され得る。カプセル化効率は、不安定化する混合物における薬剤の溶解性に依存すると思われる。

0096

首尾よい不安定化を達成するために必要な条件は以下の通りである:
・10ないし14のHLB(親水性/親油性バランス)を有する界面活性剤。これは、界面活性剤の親油性領域親水性領域のバランスを良好にし、そしてそれは二連続相又は液体結晶の形成のために必要であり、核への加水分解アルコキシドの移動及び粒子成長過程への参与を可能にする。上手く不安定化を達成するために、界面活性剤は、その極性ヘッドと水プール間に中強度の分子相互作用を有するべきである。この分子相互作用は界面活性剤フットプリント(foot print)によって特徴付けられ得、そしてそれは、水滴表面の表面積を界面活性剤の凝集数で割ることによって計算される。中程度の相互作用は、1分子当り界面活性剤フットプリント1.5ないし10nm2に相当する。本発明において使用可能な界面活性剤のために適当な界面活性剤フットプリントは、約1.5ないし約10nm2/分子、又は約1.5ないし5、2ないし5、3ないし5、1.5ないし3、5ないし10、2ないし10、2ないし8、2ないし6又は2ないし4nm2/分子であり得、約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9又は10nm2/分子であり得る。
・エマルジョン系に添加した場合、2相(例えば、水及び油中水エマルジョン)を形成しない融合液体。2相の形成は、不均一な核形成及び異なる物理相における粒子の分離をもたらし得る。溶解性要件に関して、これは、融合液体が油相及び水相の双方に混和性であるべきであること、即ち適当な極性を有するべきであることを意味する。
・‘‘不安定化力’’(即ち、極性及び添加量の組み合わせ)は、チャネル形成及び液滴コア含有物の自由な動きを生じさせ、サブミクロン粒子への核の成長に加わらせるために十分に高くあるべきである。不安定化力が減少する場合、それは、極性相チャネル内の移動性を減少させ、徐々に、別個のサブミクロン粒子から融合粒子及び微小孔性凝縮ゲルの糸への最終微細構造の発達をもたらす。これは、二連続/チャネル構造の段階的な凝固として見られ得る。

0097

本発明の方法は、マイクロエマルジョンにおけるゾル−ゲル機構の使用によって、酸環境中でのサブミクロン粒子の製造が可能である。酸触媒作用は、ドキソルビシン等の小さな分子をカプセル化し、制御された方法においてそれらを放出し得る微小孔性粒子の製造において重要である。本発明は、エマルジョン中におけるサブミクロン(即ち、大きなナノ)粒子の構築のための新たな試みを使用する。所望の最終粒径を生じさせる正確な液滴サイズのエマルジョンを得るために、界面活性剤/溶媒を選別する必要があった従来技術(国際公開第01/62332号パンフレット、Barbe&Bartlett ‘‘Controlled release ceramic particles,compositions thereof,processes of preparation and methodsof use’’)とは対照的に、本発明の方法は、粒径約5ないし10nmの液滴を有する安定なマイクロエマルジョンを用いて開始し、その後
、該マイクロエマルジョンを不安定化し、約30ないし100nm、又は約50ないし500nm、又は約100ないし400nmの粒子を製造する。

0098

その中に及び/又は上に放出可能に固定された薬剤を有する本発明の粒子状物質は、哺乳動物の疾患治療において使用され得る。哺乳動物は、ヒト、ヒト以外の霊長類ウマ科動物ネズミ科の動物、ウシ科の動物、ウサギ科の動物、ヒツジ科の動物、ヤギ科の動物、ネコ科の動物及びイヌ科の動物からなる群から選択され得る。哺乳動物は、例えば、ヒト、小さなサル、大きなサル、ウマウシ、ヒツジ、イヌネコ、ヤギ、ラマ、ウサ及びラクダから選択され得る。疾患は疾病であり得る。疾患は、例えば、癌、糖尿病、ホルモン機能障害、高血圧症、痛み(例えば、モルヒネ及び/又は鎮静剤によって治療可能な痛み)又は喘息であり得る。

0099

ドキソルビシンは、サブミクロン粒子内にカプセル化され、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)溶液中に徐々に放出され得る。

0100

本発明はまた、他の物質、例えば、蛍光染料、放射性医薬品、酵素、触媒、ホルモン、殺生物剤及び/又は他の物質の制御された放出のために使用され得る。用途は、診断放射性診断、放射線治療バイオテクノロジーバイオリアクターイメージング等を含み得る。

0101

以下の一般的な実験方法は、個々の実験のために詳述したこの一般的な方法からの変更を併い、ドキソルビシンを含むナノ粒子の製造のために以下に詳述した実験において使用される。
1.シクロヘキサン50mL中にNP−5[ノニルフェノキシポリエトキシエタノール、C9H19C6H4(OCH2CH2)nOH、n=5]4.40−8.80g(10−20mmol)を溶解した。
2.NaF0.06mmol及びドキソルビシン0.1−1.0mgを含む、pH 1(水60mmolに相当)の希硝酸1.08mLを添加した。20分間撹拌し、マイクロエマルジョンを生成した。
3.上記系中にTMOS(テトラメトキシシラン)0.911mL(6mmol)を添加した。
4.24ないし48時間の撹拌によって老化した。
5.結果として生じたエマルジョンを乾燥アセトン(100mL)とシクロヘキサン(100mL)の撹拌混合物中に注ぎ、10分間撹拌してエマルジョンを不安定化し、粒子を融合した。
6.沈殿後、有機(液体)相から固体粒子を分離し、各回、アセトン50mLで3回、粒子を洗浄した。さもなくば、粒子は、国際公開第01/62332号パンフレット(Barbe&Bartlett,‘‘Controlled Release Ceramic Particles,Compositions Thereof,Processes of Preparation and Methodsof Use’’)に記載された方法を使用して洗浄され得る。
7.(任意に)固体粒子と、全ての固体(即ち、シリカ及びNaCl)の乾燥質量の少なくとも85%となるように計算した濃度を有する水性NaCl溶液5−10mLを混合し、その後、該溶液を凍結乾燥して最終乾燥生成物を製造した。

0102

この方法は、以下の変更を用いて行われた(工程1ないし6):
1.NP−5濃度の影響:
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、シクロヘキサン(工程1において)
50mL、老化48時間及びアセトン100mL/シクロヘキサン100mLの混合物を用いた不安定化。工程1における界面活性剤(NP−5)の濃度は、0.2mol/Lないし0.8mol/Lで変更した。結果として生じた粒子のTEM顕微鏡写真図2に示す。
結果:粒径は、界面活性剤濃度の増加と共に縮小した。0.4mol/L以上では、融合は観察されなかった。

0103

2.TMOS濃度の影響:
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:界面活性剤NP−5 0.4mol/L、F-/TMOSのモル比0.01、pH 1の水、シクロヘキサン(工程1において) 50mL、老化48時間及びアセトン100mL/シクロヘキサン100mLの混合物を用いた不安定化。工程3におけるTMOSの濃度は、水とTMOSのモル比を10に維持しながら、4mmolから12mmolに増加させた。結果として生じた粒子のTEM顕微鏡写真を図3に示す。
結果:粒径は、TMOS含有量と共に増加することが分かった。[TMOS]=12mmolにおける粒子の融合/結合が有意である。

0104

3.界面活性剤の種類の影響
低濃度:
以下の界面活性剤を、工程1におけるNP−5の代わりに使用した:(a)ブリジ 30(HLB=9)、(b)NP−5(HLB=10)、(c)NP−6(HLB=10.9)、(d)1−ペンタノール20mmolを有するトリトンX−114(HLB=12.4)、(e)1−ペンタノール 20mmolを有するNP−9(HLB=13)、(f)1−ペンタノール 20mmolを有するトリトン X−100(HLB=13.5)。粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:シクロヘキサン(工程1において) 50mL中、界面活性剤 0.2mol/L、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、老化48時間及びアセトン100mL/シクロヘキサン100mLの混合物を用いた不安定化。結果として生じた粒子のTEM顕微鏡写真を図4に示す。
結果:サブミクロンサイズの球体を形成する唯一の系は、NP−5及びNP−6を用いたものであった。サンプル(a)において、不安定化は起こらなかった。サンプル(f)の‘‘融合液滴’’形態は、その合成において使用されたマイクロエマルジョンの不安定な性質の結果であった。

0105

高濃度
工程1における界面活性剤の濃度を0.4mol/Lに増加し、低濃度における実験(上記)と同様の実験を行った。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図5に示す。
結果:この界面活性剤濃度においてサブミクロン球体を形成する唯一の系は、NP−5を用いたものであった。NP−6を用いたものを除いた他の全てのものは、粒径20nm未満の粒子を製造し、マイクロエマルジョンが不安定化されてなく、かつ粒子がアセトンの添加により融合しないことを示唆する。NP−6を用いた系において観察されたわずかな成長は、不安定化の低下を示唆する。

0106

4.補助界面活性剤の影響:
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、シクロヘキサン(工程1において) 50mL、老化48時間及びアセトン100mL/シクロヘキサン100mLの混合物を用いた不安定化。工程1における界面活性剤は、(a)NP−5 0.2mol/L;(b)NP−5 0.4mol/L;(c)NP−5 0.2mol/L、1−ペンタノール0.2mol/Lである。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図6に示す。
結果:エマルジョンへ補助界面活性剤(即ち、界面活性剤)を添加することによって、明らかな改善は起こらなかった。界面活性剤濃度の増加(実験4(b))は、粒径分布を狭くすることにおいて、効果的であった。

0107

5.マイクロエマルジョン溶媒の影響
アセトン100mL/様々な非極性溶媒100mLを用いた不安定化
粒子を以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 10mmol(0.2mol/L)、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、非極性溶媒(工程1において) 50mL、老化48時間及びアセトン100mL/非極性溶媒100mLの混合物を用いた不安定化。いくつかの溶媒を、マイクロエマルジョンを形成するための連続相として使用した:(a)石油ベンゼン、1−ヘキサノール20mmol;(b)ヘキサン、1−ヘキサノール 20mmol;(c)オクタン、1−ヘキサノール 20mmol;(d)デカン、1−ヘキサノール 20mmol;(e)ドデカン、1−ヘキサノール 40mmol;(f)トルエン。安定なマイクロエマルジョンを得るために、ヘキサノールを補助界面活性剤として添加した。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図7に示す。
結果:いくつかのサブミクロン粒子が実験6d及び6eにおいて得られ、部分的に制御された不安定化(即ち、粒子融合)がデカン及びドデカン中で合成されたエマルジョンにおいて達成されたことを示唆する。

0108

エタノール50mL/シクロヘキサン100mLによる不安定化
実験6で記載したのと同様のエマルジョンを製造し、工程5においてエタノール50mL/シクロヘキサン100mLの混合物を使用して不安定化した。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図8に示す。
結果:(a)石油ベンジン/1−ヘキサノール20mmol及び(b)ヘキサン/1−ヘキサノール 20mmol系は、サブミクロン粒子を形成した。オクタン/1−ヘキサノール 20mmol(実験c)の融合はゲルをもたらし、デカン又はドデカン(実験d及びe)においては、融合は起こらなかった。

0109

トルエンマイクロエマルジョン
以下の界面活性剤を、NP−5の代わりに使用した:(a)NP−5、(b)トリトン
X−114及び(c)NP−9。粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:界面活性剤 20mmol(0.2mol/L)、水(pH 1)40mmol、F-
0.06mmol、TMOS 6mmol、トルエン(工程1においてシクロヘキサンの代わりに) 100mL、老化24時間及びアセトン100mL/シクロヘキサン100mLの混合物を用いた不安定化。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図9に示す。
結果:合成の間、シリカ粒子は時間と共にエマルジョンから単離し、それらは、最終的には10−50nmの平均粒径を有するゲルを形成した。

0110

6.老化時間の影響
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 10mmol(0.2mol/L)、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol及びシクロヘキサン50mL。このエマルジョンを、アセトン100mL/シクロヘキサン100mLの混合物を用いて不安定化する前に、(a)24時間、(b)48時間、(c)120時間、(d)168時間老化した。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図10に示す。
結果:老化時間は最終粒径に対して顕著な影響を及ぼさなかった。

0111

加水分解性物質の影響:
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 10mmol(0.
2mol/L)、TMOS又はTEOS 6mmol、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、シクロヘキサン(工程1において) 50mL、老化48時間及びアセトン100mL/シクロヘキサン100mLの混合物を用いた不安定化。不安定化前及び不安定化後の粒子のTEM顕微鏡写真を図11に示す。
結果:不安定化前と不安定化後の粒子の比較は、巨視規模において、安定なマイクロエマルジョンを破壊し、白色沈殿物をもたらすアセトンの添加が、巨視的規模の実質的な粒子成長を生じさせることを明らかに示す。最終粒子は、TEOSが加水分解性物質として使用される場合、わずかに大きな粒径を示す。

0112

8.沈殿条件の影響:
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 10mmol(0.2mol/L)、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、シクロヘキサン(工程1において) 50mL、老化48時間。
その後、工程5の不安定化を、様々な方法で行った。

0113

8−1添加順序
(a)マイクロエマルジョン中にアセトン50mLを注ぐことによって;(b)アセトン 50mL中にマイクロエマルジョンを注ぐことによって;(c)アセトン 100mL中にマイクロエマルジョンを注ぐことによって;(d)アセトン100mLとシクロヘキサン100mLの混合物中にマイクロエマルジョンを注ぐことによって。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図12に示す。
結果:サブミクロン粒子は全ての場合において得られたが、アセトンの希釈溶液中へのマイクロエマルジョンの注入(実験11−1d)は、最も均一で、かつあまり凝集していないサンプルを製造させたようである。

0114

8−2融合液体の量
マイクロエマルジョンを(a)アセトン50mLとシクロヘキサン50mLの混合物中に;(b)アセトン100mLとシクロヘキサン100mLの混合物中に;(c)アセトン150mLとシクロヘキサン150mLの混合物中に;(d)アセトン200mLとシクロヘキサン200mLの混合物中に注ぐことによって。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図13に示す。
結果:アセトン50mL/シクロヘキサン50mLの混合物を用いた不安定化(実験11−2a)はサブミクロン粒子を製造するが、該粒子は大部分が凝集し、共に結合していた。不安定化混合物の量の増加は、低い凝集をもたらすが、多分散性を増加させる。

0115

8−3.沈殿条件の影響:
粒子を、アセトン100mL/シクロヘキサン100mLの混合物を使用して不安定化した。不安定化(工程5)は、(a)ロッド形状磁気撹拌棒を使用して撹拌した1Lビーカーに;(b)十字磁気撹拌棒を使用して撹拌した250mLビーカーに;(c)ロッド形状撹拌棒を使用して撹拌した250mLビーカーに;(d)5分間、超音波処理した250mLビーカーに;及び、(e)NaCl(0.2M)と共に、マイクロエマルジョンを注ぐことによって行った。(e)において、1mol/L NaCl溶液0.135mLをマイクロエマルジョン中に添加し、その後、それを透明になるまで振盪し、そして、その後、ロッド形状撹拌棒を用い、穏やかな撹拌速度で撹拌した250mLビーカー中のアセトン及びシクロヘキサンの撹拌混合物中に注ぐことによって不安定化した。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図14に示す。
結果:容器の容量、磁気撹拌棒の形状、超音波処理又は塩の添加は最終粒径に顕著な影響を及ぼさなかった。

0116

9.エマルジョン液滴のpHの影響
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 10mmol(0.2mol/L)、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、シクロヘキサン(工程1において) 50mL、老化48時間。水滴のpHは、アセトン100mL/シクロヘキサン100mLの混合物中で不安定化する前に、塩基(1M水性NaOH溶液)を添加することによって、1.5ないし7に調整した。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図15に示す。
結果:最終粒子形態に対する顕著なpHの影響は観察されなかった。

0117

10.不安定化液体の性質及び添加量の影響
10−1アセトン
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 10mmol(0.2mol/L)、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、シクロヘキサン(工程1において) 50mL及び老化48時間。その後、工程5において、マイクロエマルジョンを、シクロヘキサン100mLと様々な量のアセトン(a)10mL、(b)20mL、(c)50mL、(d)100mL及び(e)200mLの混合物を使用して不安定化した。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図16に示す。
結果:実験10−1a及び10−1b(アセトン10mL又は20mL)において、即座の沈殿は観察されなかったが、時間と共に、ゲルが徐々に形成した。実験10−1c(アセトン50mL)において、ゲルは即座に形成した。実験10−1d及び10−1e(アセトン100mL又は200mL)において、球状のサブミクロン粒子が形成した。

0118

10−2エタノール
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 10mmol(0.2mol/L)、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、シクロヘキサン(工程1において) 50mL、老化48時間。その後、工程5において、マイクロエマルジョンを、シクロヘキサン100mLと様々な量のエタノール(a)5mL;(b)10mL;(c)20mL;(d)35mL;(e)50mL;(f)80mL;(g)100mLの混合物を使用して不安定化した。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図17に示す。
結果:エタノールの量が5mL又は10mLである場合(実験10−2a及び10−2b)、即座の沈殿は観察されなかったが、時間と共に、ゲルが徐々に形成した。エタノール20mLを用いた場合(実験10−2c)、シクロヘキサン/エタノール混合物中にエマルジョンを注いだ直後にゲルが形成した。エタノールを35mLないし80mLを用いた場合(実験10−2dないし10−2f)、球状のサブミクロン粒子が形成したが、エタノールの量と共に凝集が増加し、エタノール80mLを用いて不安定化したサンプルにおいて粒子及びゲルの混合物が生じた(実験10−2f)。エタノール量の更なる増加(実験10−2g)は、ゲル化をもたらした。

0119

10−3アセトンとエタノールの混合物
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 10mmol(0.2mol/L)、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、シクロヘキサン(工程1において) 50mL、老化48時間。その後、工程5において、マイクロエマルジョンを、(a)シクロヘキサン100mL、アセトン80mL、エタノール20mLの混合物;(b)シクロヘキサン100mL、アセトン60mL、エタノール40mLの混合物;(c)シクロヘキサン100mL、アセトン40mL、エタノール60mLの混合物;(d)シクロヘキサン100mL、アセトン20mL、エタノール80mLの混合物、を使用して不安定化した。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図18に示す。
結果:サブミクロン粒子は、シクロヘキサン、アセトン及びエタノールの混合物で形成
した。凝集は、エタノールの増加比率と共に増加し、エタノール対アセトンの体積比が20/80より高い場合にゲル構造が生じた(実験10−3bないし10−3d)。

0120

10−4他の溶媒
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 10mmol(0.2mol/L)、水(pH 1)60mmol、F- 0.06mmol、TMOS 6mmol、シクロヘキサン(工程1において) 50mL、老化48時間。その後、工程5において、マイクロエマルジョンを、シクロヘキサン100mLと以下の溶媒の様々な量の混合物を使用して不安定化した:
(a)イソプロパノール:10mL、25mL、50mL、100mL。
(b)1−プロパノール:25mL、50mL、100mL、200mL。
(c)メチルエチルケトン:25mL、50mL、100mL、200mL。
(d)クロロホルム:25mL、50mL、100mL。
(e)トルエン:100mL。
(f)ベンゼン:100mL。
(g)テトラヒドロフラン(THF):100mL。
(h)ジメチルホルムアルデヒド(DMF):100mL。
(i)ピリジン:100mL。
(j)1−ブタノール:100mL。
(k)アセトニトリル:2mL、5mL、10mL、20mL。
(l)メタノール:2mL、5mL、10mL、20mL。
(m)ジメチルスルホキシドDMSO):2mL、5mL、10mL、20mL。
(n)第三ブタノール:100mL。
(o)1−ペンタノール:100mL。
(p)1−ヘキサノール:100mL。
(q)ジクロロメタン:100mL。
対応する粒子のいくつかのTEM顕微鏡写真を図19に示す。図19における全てのサンプルは、適当な溶媒100mLとシクロヘキサン100mLの混合物を用いてマイクロエマルジョンを不安定化することによって得られた。
結果:イソプロパノール及びn−プロパノールを使用した不安定化は、時間と共にゲルの形成をもたらした。アセトニトリル又はメタノールを使用した場合、不安定化は起こらなかった:粒子は形成しなかった。クロロホルムは、融合ゲル構造の形成をもたらし、トルエン、ベンゼン又はTHFの使用は微細なゲル構造の生成をもたらした。

0121

10−5他の混合物
粒子を、以下の実験パラメーターを使用して合成した:NP−5 5mmol、シクロヘキサン(工程1において) 25mL、水30mmolを有するHNO3 pH=1、F- 0.03mmol、TMOS 3mmol及び老化48時間。その後、マイクロエマルジョンを、シクロヘキサン50mLと以下の溶媒の様々な量の混合物を使用して不安定化した:



説明のために、LNK752ないしLNK755の形態を図20に示す。

0122

11.ドキソルビシンのカプセル化及び放出
図21は、工程1の溶液へ添加したドキソルビシンの量に対するドキソルビシンのカプセル化効率を示す。約30%のドキソルビシンがカプセル化されたままであり、残りは不安定化工程(アセトンに対するドキソルビシンの高い溶解性のために)及び洗浄中に損失した。

0123

図22に示すように、正リン酸緩衝液中で、ドキソルビシンは最初の10日間で急激に分解し、約4.5日で半減(T1/2)する。分解速度は、10日後にゆっくりとなる:約74%のドキソルビシンが2週間でなくなる。ナノ粒子からのドキソルビシンの放出を図23及び24にまとめる。図23は、本発明の方法を使用して合成したナノ粒子の短期間放出挙動を示す。下の曲線は、時間に対する活性(非変性)ドキソルビシンを示し、準一定濃度の活性ドキソルビシンが30日間にわたり維持され得ることを示す。上の曲線は放出されたドキソルビシンの総量(即ち、活性ドキソルビシン+不活性ドキソルビシン)を示す。図24は、本発明の方法を使用して合成したナノ粒子が6ヶ月以上の期間にわたりドキソルビシンを放出し、生体外において活性濃度を維持し得ることを示す。

0124

更なる実験
1)典型的な合成条件
0.2M界面活性剤溶液をシクロヘキサン50mL中で製造した。NaF 0.06mmolを含む0.1M尿酸1.08mLを界面活性剤溶液に添加し、結果として生じた混合物を20分間撹拌してマイクロエマルジョンを生成した。その後、TMOS 6mmolを、48時間撹拌した上記系に添加した。その後、エマルジョンをアセトン100mL及びシクロヘキサン100mLからつくられた撹拌混合物中に注ぎ、10分間以上撹拌したままにした。沈殿後、粒子を有機相から分離し、アセトンで3度洗浄した。その後、粒子をNaCl水溶液約10mL中に再懸濁し、クロロホルムを用いたデカンテーションによって更に洗浄し、最後に凍結乾燥させた。粒子は、シリカと塩化ナトリウム質量比が約85%で、NaClマトリックス中に均一に分布していることが分かった。粒子はまた、凍結乾燥前の洗浄後に、水性懸濁液の形態で直接使用され得る。該方法を図27図式的に示す。

0125

2)界面活性剤の性質の影響:これは15節で討論する。
3)ORMOCER/TMOS混合物の不安定化
シリカ前駆体としてORMOSIL及びTMOSの混合物を使用したこと以外は、典型的な方法(図27参照)に従って粒子を合成した。双方を、同じ時間、不安定化の48時間前に、マイクロエマルジョン中に導入した。対応するTEM顕微鏡写真を図28及び29に示す。2つのハイブリッド系のみ粒子を製造した(即ち、GTMS及びAPTMS、それぞれ、図28−d及び29)。25%のGTMS(グリシドプロポキシトリメトキシシラン)の導入は、強く凝集したサブミクロン粒子をもたらし、25%のAPTMS(アミノプロピルトリメトキシシラン)は、不安定化後、大粒子及び小粒子二峰性分布をもたらす。両方の系を、低い比率(5−15%)のORMOSILを使用して研究した。対応するTEM顕微鏡写真を図30に示す。それらは、該系に導入されるGTMSの量の増加に伴い、サブミクロン粒子の凝集が増加することを示す。対照的に、APTMSの量が増加するに伴い、粒径は縮小する。

0126

4)TEOS/TMOS混合物の不安定化:
アルコキシドの代わりにシリカ前駆体としてTMOS/TEOS混合物を使用し、典型的な方法に従って、粒子を合成した。対応するTEM顕微鏡写真を図31に示す。TMOS/TEOSの比率を変えても、顕著な差は観察されなかった。

0127

5)複数のエマルジョン系の不安定化:
典型的な合成条件に従って、2つのエマルジョンを製造した。エマルジョン−Aは染料−Aを含み、エマルジョン−Bは染料−bを含む。不安定化の直前に、2つのエマルジョンを簡単に混合し、10分間撹拌した(図32参照)。アセトン/シクロヘキサン混合物による不安定化は、サブミクロンシリカ粒子を製造した。結果として生じた粉末を、紫外/可視ドリフト(拡散反射赤外フーリエ変換分光法を使用して特徴付けた(図33参照)。比較のために、個々の染料を含む粉末も合成し、分析した。

0128

6)塩基触媒(即ち、種)を使用して合成したナノ粒子及び酸媒体中で加水分解されたモノマーを含むエマルジョンの不安定化
塩基触媒を使用して製造したシリカナノ粒子を以下のように合成した。NP−9(6mmol)、1−ペンタノール(6mmol)及びシクロヘキサン(30mL)を一緒に混合した。水36mmol相当を示す水性アンモニアNH4OH(1.333M)0.648mLを前の溶液と組み合わせ、マイクロエマルジョンを形成した。その後、TEOS(1.2mmol)を該マイクロエマルジョン中に添加し、該系を48時間老化した。その後、酸性の水相を、50nmのシリカ粒子を含むマイクロエマルジョンに添加し、該系を更に、60℃において5時間撹拌した。その後、NP−9(12mmol)、1−ペンタノール(12mmol)及びシクロヘキサン(60mL)を添加し、シリコンアルコキシドを添加した。該混合物を、更に48時間老化し、その後、アセトン及びシクロヘキサンの混合物を使用して不安定化した。対応するTEM画像を図34に示す。合成法の概要を図35に示す。

0129

塩基中で合成した元々の種もハイブリッド材料からつくられ得る(即ち、ORMOSIL及びTMOSの混合物を使用して)。これらの種の典型的な合成法は、NP−5(5mmol)及びシクロヘキサン(25mL)及び1.333M NH4OH 0.54mLを混合し、TMOS又は混合シリカ前駆体を添加し、24時間老化することを含む。対応する種粒子のTEM顕微鏡写真を図36(第一欄)に示す。その後、F- 0.03mmolを有する1.5M硝酸0.54mLを混合物に添加し、該系を更に、60℃において5時間撹拌した。NP−5(5mmol)及びシクロヘキサン(25mL)を添加し、その後、TMOS 3mmolを添加した。該系を更に、アセトン及びシクロヘキサンの
混合物を用いた不安定化の前に24時間老化した。結果として生じた粒子のTEM顕微鏡写真を図36の右欄に示す。

0130

7)1方がナノ粒子(塩基中で合成された)を含み、かつ他方がオリゴマー(酸中で合成された)を含むところの2つのエマルジョン系の不安定化:
合成法は、図32スキーム通りであり、エマルジョン1には塩基触媒を使用し及びエマルジョン2には酸触媒を使用した。
・エマルジョン1は、NP−9(6mmol)、1−ペンタノール(6mmol)、シクロヘキサン(30mL)及び1.333M NH4OH(水36mmolに相当) 0.648mLを混合することによって製造した。その後、TEOS(1.2mmol)をマイクロエマルジョン中に添加し、該系を48時間老化した。粒子のTEMを図33aに示す。
・エマルジョン2は、NP−5(6mmol)及びシクロヘキサン(30mL)及びF- 0.036mmolを有するpH1のHNO3 0.648mLを混合することによって製造した。その後、TMOS(3.6mmol)をマイクロエマルジョン中に添加し、結果として生じた混合物を48時間老化した。
その後、2つのエマルジョンを混合し、シクロヘキサン100mLと様々な極性溶媒100mLの混合物を使用して不安定化した。対応する粒子のTEM顕微鏡写真を図37に示す。

0131

8)マイクロエマルジョンの不安定化によって合成したサブミクロンシリカ粒子の微細孔サイズ分布
2つの異なるpHにおいて合成した2つのサンプルの窒素吸着−脱着等温線を上記で討論した。図38において(pH1において合成したLK−425及びpH7(不安定化前に中和)において合成したLK−428)、対応する微細孔サイズ分布を示した。これらは、円筒形状微細孔の密度汎関数理論DFTモデルを使用して計算した(P.webb,C.Orr in‘‘Analytical Methodsin Fine Particles Technology’’,pp81−87,Micromeretics Corporation Norcross GA,USA,1997)。

0132

9)粒径分布に対する不安定化中の超音波処理の影響
粒径分布を、マルバーンHPPS機器を使用した、動的光散乱(DLS)によって測定した。シリカ粒子懸濁液を、水槽中で10分間、超音波処理した。結果として生じた懸濁液0.5mLをpH9のNaOH溶液5mLで希釈し、0.8μmのフィルターを通してガラスキュベット中に濾過した。測定は25℃において行った。結果として生じた粒径分布を図39に示す。粒径は、約38nmを中心とする小さなピークと約255nmを中心とするより大きなピークを有する二峰性である。溶液が、不安定化工程中に50%負荷サイクルサイクル時間2秒間の超音波探触子ソニケーター超音波処理装置ヒート
ステムウルトラソニックインコーポレーテッド)を使用して超音波処理された場合、38nmにおける小さなピークは消え(図40)、220nmの平均粒径を中心とする一峰性粒径分布を生じた。

0133

10)異なるpHにおいて合成したシリカ粒子中へのドキソルビシンのカプセル化
ドキソルビシンを含むシリカナノ粒子を以下の方法に従って製造した。NP−5 20mmolを、シクロヘキサン100mL、pH1のHNO3 2.16mL、F- 0.12mmol及びドキソルビシン1.5mg(オーストラリアファーマシューティカル
イングレジエンツ株式会社から購入したドキソルビシン−HCl)と混合した。その後、TMOS 12mmolを添加し、マイクロエマルジョンを3日間老化した。その後、0.5M NaOH 0.432mLを添加し、水プールをpH=7にした。

0134

塩基を添加した後、アセトン200mL及びシクロヘキサン150mLで不安定化する前に、サンプルを更に2時間撹拌した。ビーカーの底に粒子が沈降した後、それらをアセトン100mLで3回洗浄した。その後、粒子を、脱イオン水20mL中にNaCl 4.80gを溶解した溶液中に再懸濁させた。懸濁液を、各回100mLのクロロホルムを使用したデカンテーションにより3回洗浄し、凍結乾燥させた。

0135

11)HPLCを使用したシリカ粒子からのドキソルビシンの放出特性
使用した全ての溶媒はHPLC等級であり、かつ超音波処理による脱気の前に、0.45μmのフィルターを通して濾過した。HPLCシステムは、ウォーターズ1525バイナリーHPLCポンプとウォーターズ 717 プラスオートサンプラー、ウォーターズ 2487デュアルλ吸光度検出器(480nm)及びウォーターズ 2475マルチλ蛍光検出器励起λ:363nm、放射λ:550nm)の組み合わせからなる。使用したHPLCカラムは、ウォーターズアトランティック登録商標:Atlantic)dC−18ガードカラム付属したウォーターズ アトランティック(登録商標:Atlantic)dC−18、5μm、4.6mm×150mmカラムである。移動相は、水中酢酸1%及びアセトニトリルからなり、20分間で5%ないし95%のアセトニトリルの勾配及び0.8mL/分の流速を有する。ドキソルビシンの濃度は、曲線下の面積の積分及び0.4、0.8、2、4及び10μg/mLにおける標準ドキソルビシンサンプルの濃度との比較によって決定した。標準曲線における最小の許容可能なR2は、0.9であった。吸光度及び蛍光性HPLCスペクトルの処理を、ウォーターズブリーズ(登録商標:Breeze)ソフトウェアを使用して行った。

0136

11.1)pH<4における放出
pH<4(pH〜3.4)において、ドキソルビシンが最も安定であるため、該pHにおけるドキソルビシンの放出を研究した。放出実験は、ドキソルビシンをドープしたナノ粒子(1g)を使用して行った。粒子を、Milli−Q水(30mL)中1%酢酸溶液に懸濁させた。サンプルを、撹拌しながら37℃においてインキュベートした。5000rpmにおいて5分間遠心分離した後、一定分量(100μL)を採取した。サンプルを、前記したようにHPLCによって分析した。

0137

図41は、9日間の放出プロフィールを示す。pH=1において合成したサンプルは、初期バーストから2日の間にドキソルビシンの放出の増加を示した。2日以降、試験した双方の系とも、ドキソルビシン濃度のゆっくりとした減少を示した。この減少は、水性条件におけるドキソルビシンのゆっくりとした分解のためである。図42は、分解物の形成(正方形記号)に対するpH=3において合成したサンプルの放出プロフィール(菱形の記号)の比較を示す。2ないし9日間で、ドキソルビシン及び分解物の双方の濃度変化が約0.2μg/mLであることから、ドキソルビシンの濃度の減少が、HPLCトレースにおいて検出された分解物の量に非常に類似しているということがこのグラフから分かり得る。9日以降の分析は、放出が分解量の増加によってはっきりとしなくなり、かつオレンジ色の生成物の沈殿がサンプル中で明らかとなったため、報告データに含めなかった。沈殿物は、水性溶液中におけるドキソルビシン及び分解物の溶解性の制限に起因する。

0138

11.2)pH=7.4における放出
生理的なpH(7.4)におけるドキソルビシンの放出の研究を行った。放出の研究は、pH<4において使用したのと同様の方法で、37℃において0.02Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で行った。図43は、pH7.4において得られた放出曲線を示す。pH=1において合成したサンプルでは、最初の24時間から48時間において、ドキソルビシン濃度の明らかな増加があった。48時間後、濃度において顕著な減少が見られた。4日以降の結果の分析は、分解物が、11.7−11.8分の保持時間において、ドキソルビシンのピークと重複し始めたため、困難であった。5日以降は、分解物に関連
したピークがドキソルビシンのピークを圧倒し始め、それを識別することが不可能となったため、分析できなかった。

0139

pH<4におけるドキソルビシンの分解速度に対する生理的なpH(pH7.4)におけるドキソルビシンの分解速度は、系の分析を困難にする。図44は、pH7.4及びpH<4における既知のドキソルビシン濃度の分解の比較を示す。生理的なpHにおける分解の増加は明白であり、分解物がドキソルビシンそれ自体の保持時間と同様の保持時間を有するため、系の研究を困難にする。

0140

11.3)累積放出
この問題を解消するために、別の実験方法が開発された。一定分量の液体が総量から分離されるところの前の方法とは対照的に、新規方法は、各時点における上澄みの完全除去を含む。ドキソルビシンをドープしたナノ粒子(35mg)をPBS緩衝液(1mL)中に懸濁し、室温において振盪した。必要時点(1時間、1、2、6及び9日)において、サンプルを遠心分離し(12000rpm、30分間)、上澄みを除去した。粒子を、新たなPBS緩衝液(1mL)中に再懸濁し、撹拌を続けた。その後、除去した上澄みを、上記方法に従ってHPLCを使用して分析した。図45は、時点間に微粒子から放出されたドキソルビシンの総量を示す。表は、水への最初の曝露により、ドキソルビシン0.9mgがドープ粒子35mgから放出されたことを示す。24時間後、更に0.7μgが放出された。2ないし3日間及び3ないし6日間に、それぞれ、約0.3μg及び0.2μgのドキソルビシンが放出された。図46は、ナノ粒子からのドキソルビシンの累積放出量を示し、9日間まで、ドキソルビシンが放出され、約0.8μgの初期バーストは別として、放出が示した時間期間にわたり継続的であったことを示した。

0141

12)カンプトセシンのカプセル化
カンプトセシンは2つの形態をとる:1)高い抗癌効果を有するが、水にやや溶解し難いラクトン形態、及び2)水に高い溶解性を有するが、臨床的に不活性なカルボキシレート形態。一方の形態から他の形態への転換は、pHによる。pHが4より高い場合、ラクトン形態はヒドロキシ酸(カルボキシレート)形態に転換し、pHが4以下では、逆反応が起こる。

0142

本発明は、実用的な薬剤供給系の製造に関する。高い治療指数を達成するために、疎水性のラクトン形態のカンプトセシンをカプセル化することが望まれる。しかしながら、本発明は親水性分子のみをカプセル化するように設計されている。この限定を解消するため
に、本発明者達は、以下の別のカプセル化法を設計した。

0143

カンプトセシンを2mg/mLの濃度を有する0.1mol/Lの水酸化ナトリウム溶液中に溶解した。上記溶液1.08mLを、シクロヘキサン50mLと混合したNP−5
10mmol中に添加し、水プール中にカルボキシレート形態でカンプトセシンを有するマイクロエマルジョンを製造した。第二マイクロエマルジョンを第1段落及び図27に記載した典型的な合成方法を使用して製造した。48時間の老化後、2つのエマルジョンを混合し、その後、10分間撹拌した。その後、混合したエマルジョンを、シクロヘキサン100mLとアセトン100mLの混合物によって不安定化した。結果として生じたサブミクロン粒子がフラスコの底に沈降した後、それらをシクロヘキサン50mL及びアセトン50mLを使用して4回洗浄した。その後、NaClを含むHNO3の0.5M又は0.1M溶液50mL(SiO2とNaClの質量比が15:85となるような)をシリカ粒子と混合し、該混合物を30分間撹拌した。この酸性化は、シリカサブミクロン粒子の微細孔内で、カプセル化されたカルボキシレート形態のカンプトセシンをラクトン形態に転換するために設計された。結果として生じた懸濁液を凍結乾燥し、ラクトン形態のカンプトセシンの存在を示唆する淡黄色の生成物を得た。

0144

13)カンプトセシン放出の特性
カンプトセシンの放出をHPLCを用いて分析した。HPLCシステムは、ウォーターズ1525バイナリーHPLCポンプとウォーターズ 717 プラスオートサンプラー及びウォーターズ 2475マルチλ蛍光検出器(励起λ:363nm、放射λ:550nm)の組み合わせからなる。使用したHPLCカラムは、ウォーターズアトランティック(登録商標:Atlantic)dC−18ガードカラムが付属したウォーターズ アトランティック(登録商標:Atlantic)dC−18、5μm、4.6mm×150mmカラムである。移動相は、アイクラチックであり、第三ブチルアンモニウムホスフェート(TBAP)が5mMの最終濃度に添加されるところの70% 0.075M酢酸アンモニウム緩衝液(pH6.4)及び30%アセトニトリルからなる。使用した流速は0.8mL/分である。カンプトセシンの濃度は、曲線下の面積の積分及び0.4、0.8、2、4及び10μg/mLにおける標準カンプトセシンサンプルの濃度との比較によって決定した。標準曲線における最小の許容可能なR2は、0.9であった。HPLCスペクトルの処理を、ウォーターズブリーズ(登録商標:Breeze)ソフトウェアを使用して行った。

0145

累積放出
カンプトセシンの初期放出の研究を累積放出手法を使用して行った。カンプトセシンをカプセル化したナノ粒子のサンプル(1g)を、TBAPを添加しないHPLC移動相(30mL)中に懸濁し、継続して撹拌した。必要時点において、サンプルを遠心分離し、一定分量(100μL)の上澄みを分離した。上澄みをHPLCを用いて分析し、カンプトセシンの濃度を決定した。図47は、カンプトセシンの累積放出を示す。

0146

図47に示した結果から、3日間にわたり持続して放出されたカンプトセシンの総量が約3μgであることが分かり得る。粒子から放出されたカンプトセシンの量は、水性条件におけるカンプトセシンの溶解性によって制限されることが示唆される。カンプトセシンが水にやや溶解し難いことは知られている。

0147

水性相置換を用いた放出
カンプトセシンが水にやや溶解し難いことが分かっているので、溶解性の限界によって、カンプトセシンの飽和が引き起こされることを防止するために、各時点において水相を置換するところの実験を行った。カンプトセシンのサンプル(33mg)を、TBAPを添加しないHPLC移動相中に懸濁した。必要時点において、粒子を遠心分離によってペ
レット化し、上澄みを完全に除去し、HPLCを使用してカンプトセシンの濃度を分析した。その後、粒子を新たな移動相(1mL)中に再懸濁し、撹拌を必要時間続けた。

0148

図48は、粒子から放出されたカンプトセシンの累積量を示す。この実験において粒子から放出された総量は、上記で詳述した実験における放出量のほぼ2倍であった。これは、カンプトセシンの放出が液体媒体におけるその溶解性に依存していることを示す。

0149

14)他の分子のカプセル化
以下の分子を、酸不安定化法を使用してシリカ粒子中にカプセル化した:オレンジII(O−II);ローダミン−B(R−B);ローダミン−6G(R−6G);メチル−バイオレット(M−V);銅(II)フタロシアニン−テトラスルホン酸ナトリウム塩(CuPC);(トリス(2,2−ビピリジルジクロルテニウム(II)ヘキサヒドレート(Rubpy);ローダミン−BイソチオシアネートPBITC)。
各物質のカプセル化効率は以下の1つ以上に依存し得る:
1.物質の極性、即ち水、シクロヘキサン、アセトン及びクロロホルムへの溶解性。
2.シリカマトリックスとの相互作用。
3.分子サイズ。
4.シリカ表面と結合する水素原子を形成し得るヒドロキシル基等の親水性官能基の存在。
5.例えば、活性物質の量、各溶媒の容量等の他の加工パラメーター。

0150

活性物質は、以下の工程の2段階において損失し得る:不安定化中、アセトン中への溶解のために、及び粒子の洗浄中。後者は、親水性分子を含む粒子の洗浄において、非極性溶媒を使用することによって最小化され得る。

0151

15)別の界面活性剤
合成を、いくつかの別の界面活性剤を用いて行った。対応するTEM顕微鏡写真を図49に示す。サブミクロン粒子は、トゥイーン界面活性剤においては製造されたが、AOT(HLB10−15)においては製造されず、これはHLB及びPEG単位の存在の双方がエマルジョンの不安定化の成功に影響を及ぼすことを示唆する。トゥイーン界面活性剤は不安定なエマルジョンを製造したので、不安定化前の粒子のTEMも記録し、図49の第1欄に示す。

0152

検討:
1)ORMOSIL/TMOS混合物の不安定化
粒子構造中へのORMOSILの組み込みは、別のハイブリッドトリックを与えることに加えて、粒子の微細孔サイズ及び内部構造の変化並びにカプセル化される分子のための化学アンカー(例えば、ドーパント内でカルボキシレート基と反応し得るAPTMS由来アミノ基)の提供によって、カプセル化効率の増加を可能とするため、重要である。しかしながら、図29及び30に示すように、2つのORMOSIL系(GTES及びAPTMS)は、サブミクロン粒子を製造することが分かり、かつこれらは比較的に低いモル分率(15%未満)を有した。

0153

2つの成功した系は、シリコンに結合した親水性有機基を有する:アミノプロピル基及びグリシドキシプロピル基。酸中で、グリシドキシプロピル基のエポキシ環は以下の反応に従って加水分解され、開環する。

0154

アルキル及びアリール置換アルコキシド(メチル(MTMS)、フェニル(PTMS)、オクチル(OTES))が如何なる粒子も製造しないという事実は、有機基がエマルジョンを安定化し(おそらく、補助界面活性剤として作用する)、その不安定化を防止することを示唆する。CHEETESを使用して得られたゲルは、シクロヘキセニルエチル配位子が、エマルジョンの安定性を減少させ、非常に急速でかつ制御されない不安定化及び密集したゲルの製造をもたらすことを示唆する。

0155

有機的に変性されたシランの量は、粒子の最終形態に影響を及ぼす。図30は、GTMSの量の増加がネッキングの増加及び不安定化後の粒子間の凝集をもたらすことを示す。これは、増加した数の開いたグリシジル環が粒子間の潜在的な凝縮点として作用し、凝集の増加をもたらすからであると考えられ得る。

0156

APTMSにおいて、粒径は、導入されたAPTMSの量の増加に伴い減少する。この傾向の起こる理由は、より速い核形成及びそれによるより少ない成長及びより小さな粒子をもたらすゾル−ゲル凝縮に対するアミノ基の触媒効果に関連していると考えられ得る。

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