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課題・解決手段

染色されたミクロスフェアを形成させるための各種の方法が提供される。一つの方法には、熱または光を用いて染料カップリングさせた化学構造活性化させて、ミクロスフェアの存在下に反応中間体を形成させることを含む。その反応中間体は、ミクロスフェアのポリマー共有結合的に付加し、それによって、染料をポリマーにカップリングさせて、染色されたミクロスフェアを形成させる。さらなる方法では、分子にカップリングさせた染色されたミクロスフェアを形成させることを提供する。これらの方法には、染色されたミクロスフェアの外側表面上に分子を合成することに加えて、上述のようにミクロスフェアを染色することが含まれる。染色されたミクロスフェアの集合体も提供される。その集合体の染色ミクロスフェアのそれぞれには、化学的な構造によって、染色されたミクロスフェアのそれぞれのポリマーに付加された染料が含まれる。染料が原因の、染色されたミクロスフェアの集合体の染色特性における変動係数は、約10%未満である。

概要

背景

以下の記述および実施例は、このセクションの中に含まれているからといって、従来技術であるとみなしてはならない。

化学的および生物学的な系を分析するのに、分光学的な技術が広く採用されている。それらの技術に最もしばしば含まれているのが、対象とする物質による電磁放射線の吸収または放出を測定することである。そのような応用の一つは、マイクロアレイの分野にあるが、これは、コンビナトリアルケミストリーや生物学的アッセイ業界を含めた、多くの学問分野によって開発された技術である。ある会社、すなわちテキサス州オースチン(Austin,Texas)のルミネックス・コーポレーション(Luminex Corporation)が、各種に着色した蛍光性ミクロスフェアの表面において生物学的アッセイを実施するシステムを開発した。そのようなシステムの一例は、特許文献1(チャンドラー(Chandler)ら)に説明されている。この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。そのような流体流動デバイスにおいては、ミクロスフェアは、レーザー励起させ、個々のミクロスフェアが検出ゾーンを比較的高速で通過している際に、それの蛍光を検出することによって、調べている。そのようなシステムで得られた測定データは、簡単にデータベースエクスポートして、さらなる分析を行うことができる。

多重分析のための蛍光性ミクロスフェアをベースとするアッセイは、下記のようないくつかのグループ個人によっても報告されてきた:非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;特許文献2(フルトン(Fulton)),特許文献3(チャンドラー(Chandler)),特許文献4(フルトン(Fulton)),特許文献5(チャンドラー(Chandler)),特許文献6(チャンドラー(Chandler)ら),特許文献7(チャンドラー(Chandler)),特許文献8(チャンドラー(Chandler))、特許文献9(チャンドラー(Chandler)ら)。これらは、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

上述のシステムにおいては、蛍光染料はミクロスフェアの中に吸収されるか、および/またはミクロスフェアの表面に結合される。染料は、システムの選択された検出ウィンドウ波長にある光を発する性能を基準にして選択する。さらに、検出ウィンドウは、複数の波長に間隔を空けて配置されており、また染料は、隣接した検出ウィンドウ内での染料の蛍光信号オーバーラップが最小となるように設計しておく。二つの検出ウィンドウと、10の異なる濃度を有する2種の染料とを用いれば、100種の蛍光的に区別可能なミクロスフェアのセットが得られることになる。

この30年の間に、アフィニティクロマトグラフィー固相合成、生体高分子たとえばタンパク質オリゴヌクレオチドなどの固定化の分野における進歩によって、ミクロスフェアをベースとした生物医学的な応用分野がもたらされるようになった。たとえば、1種または複数の生体分子を、ミクロスフェアの表面に結合させることができる。その1種または複数の生体分子は、実施する具体的なアッセイに応じて選択する。たとえば、ミクロスフェアの一つの集団に、それぞれが異なった抗原カップリングされたミクロスフェアの異なったサブセットが含まれる。それらのサブセットがサンプルと組み合わされ、そしてアッセイを実施して、そのサンプル中にどの抗体が存在するかを求めることができる。ミクロスフェアに結合された(1種または複数の)生体分子には、当業者公知の各種生体分子が含まれる。

生体分子またはその他のそのようなエンティティを固定化することは、下記を用いたカップリングによって達成することができる:(a)イオン的相互作用;(b)吸着;(c)錯化(たとえば、「金属配位」媒介カップリング);(d)表面上の活性/安定反応性基と、固定化されるエンティティの上の特定の官能基との間における共有結合の生成。たとえば、粒子(たとえば、ミクロスフェアやナノスフェアナノチューブ;各種のサイズ、形状、または組成を有する1種または複数の金属を含む金属粒子半導体粒子分子インプリテッドポリマー(Molecularly imprinted polymer、MIPS);磁性粒子;およびその他の染色材料);マイクロタイタープレートは、多くの固定化システムにおける一般的な固相マトリックスである。活性があり、官能化された固相表面を調整し、維持することは、充分に感度の高いアッセイを展開する目的で、生物学的物質を確実に固定するためには重要である。固相表面の上に生体分子を固定化するために現在使用されている手順には一般に、固相表面の上の活性化されたカルボキシルアミノヒドロキシルまたはチオール基を生体分子と反応させることが含まれる。それらの基を活性化させるか、またはそれらの基に官能化されたスペーサーを導入した後では、その活性化された基によって、生体分子を直接付加させるための、固相表面の上のサイトが与えられる。

しかしながら、直接付加させるサイトを得るために現在使用されている基は、いくつかの欠点を有している。たとえば、それらの官能基の多くのもの(たとえばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルイソチオシアネートなど)は、水性環境においては加水分解を受けやすく、1時間足らずの間に反応性を失ってしまう(すなわち、化学的に不活性となる)。したがって、そのような官能基は、望ましくないことには、それらの官能基を使用して固相の表面へ生体分子を付加させる場合の、量、再現性、均一性が時間の経過によって変化を示す可能性がある。

反応性または官能化ミクロスフェアは従来から、適切に官能化されたモノマーを共重合させるか、あるいは、予備形成させたミクロスフェアを化学変性するかによって製造されている。後官能化は、反応性の粒子を調製するのにはよく用いられる方法であり、たとえば非特許文献6に記載がある。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

各種のテーラーメードの粒子の製造と評価に関するさらに最近の研究は、たとえば以下のようないくつかのグループによって報告されている:非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10、非特許文献11;非特許文献12。これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。非特許文献13による総説(この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、反応性で、ラベル化したミクロスフェアの合成と物理化学的性質が記載されている。

非特許文献14(この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、加水分解抵抗性アルデヒド官能基を用いて、粒子を予め活性化する戦術についての報告があるが、それらのミクロスフェアでは、8%未満の低い反応収率しか観察されなかった。特許文献10(ミルトン(Milton))(この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、フッ化アシルで活性化されたポリマー表面と、アミノ誘導体化生体分子との間の室温における反応が記載されている。アミドペプチドヒドロキサム酸アミンウレタンカーボネートスルホンアミドアルファ置換カルボニル化合物を固相合成する際にフルオロフェニル樹脂を使用することが、特許文献11(クラーク(Clerc)ら)に記載されている。この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

非特許文献15(この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、ペプチド合成においてスルホテトラフルオロフェニルで活性化させたエステルを使用することについての説明があり、水性貯蔵条件下における良好な安定性と関連づけて、それらの反応性を示している。この反応剤を用いてポリスチレンの表面を前もって活性化させることは、明らかに、まだ報告されていない。

ヘキスト(Hoechst)は1950年に、特許文献12(ヘイナ(Heyna)ら)(この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)において、セルロース羊毛繊維を染色するために反応性ビニルスルホン(VS)変性染料を使用することを特許請求している。シーゲル(Siegel)による総説に、VSとその保護された2−スルファトエチルおよび2−チオスルファトエチルスルホンをベースとして反応性染料に関する完璧な説明がある(非特許文献16)、この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。特許文献13(スノー(Snow)ら)(この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、PEG−担持VSを用いたタンパク質の変性が記載されている。

最も頻繁に使用される、生体分子(たとえば、オリゴヌクレオチド、タンパク質、炭水化物)を蛍光性ミクロスフェアの上に固定化させる方法は、ミクロスフェアの表面上に存在するカルボキシ基を活性化させることによる。その活性化には、過剰のN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC)と、4〜6のカップリングpHとが必要である。カルボジイミドとカルボキシル官能基との間の反応によって、活性化されたO−アシル尿素誘導体反応中間体が生成する。次いでその反応中間体が、ミクロスフェアに付加された生体分子のアミノ基の一級窒素による求核的なアタックを受けて、置換尿素を放出し、その反応中間体とその生体分子との間にアミド結合を形成する。

しかしながら、カルボキシ基をそのようにして活性化させることには、いくつかの欠点が存在する。たとえば、その反応中間体の半減期が極めて短く、急速に加水分解を受けたり、あるいは転位してN−アシル尿素アダクトを形成したりする。さらに、O−アシル尿素を形成させるのに最適なpHは、約4〜5である。しかしながら、その求核試薬一級アミノ基は、約4〜5のpHでは大部分がプロトン付加されてしまうので、ほとんど非反応性となる。これらのように反応中間体に限度があるので、生体分子とミクロスフェアとのカップリング収率が厳しく抑制されてしまう可能性がある。さらに、低pHでは、生体分子の核酸塩基が強いプロトン付加を受けることもある。そのようなプロトン付加があるとDNAの融解誘起し、それによってへリックス疎水性コア暴露され、そのため、ヘリックスとミクロスフェアの固相マトリックスとの間で、非特異的な疎水的相互作用が起きやすくなる。

これらの欠点があるものの、EDC−媒介カップリングは現在のところ、生体分子を固相表面に共有結合的に固定化させるための主流となっており、それについては下記の文献を参照されたい:非特許文献17;非特許文献18;非特許文献19;非特許文献20;非特許文献21。これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

コンビナトリアルライブラリーのための、ビルディングブロックとしては、たとえばマロン酸ジヒドロキシ安息香酸ヒドロキシフェニル酢酸ピロリンカルボン酸ブロモジヒドロキシ安息香酸、3−オキソ−1−インダンカルボン酸、3−ニトロフェニル酢酸、3,4−ジフルオロ安息香酸などが、たとえば非特許文献22に記載されている。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

ポリマーの表面特性を変性するためにポリマーの中に組み入れることが可能ないくつかの分子が報告されており、それらを以下に示す。



ポリマー担持触媒、反応剤または基質を使用した有機反応が公知であり、たとえば下記の文献に記載がある。非特許文献23。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

ポリマー担持フェノール性化合物は公知である。たとえば、ポリマー担持テトラフルオロフェノールは、ケミカル・ライブラリー合成のための活性化樹脂として現在使用されており、これについては下記の文献に記載がある。非特許文献24。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

ボロン酸は、1,2および1,3ジオール官能性を有するサッカライドとその他のゲスト化合物を錯化させるための合成レセプターの中に決まり切ったように組み入れられており、それについては下記の文献に記載がある。非特許文献25,非特許文献26、非特許文献27。これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。ボロン酸は、タンパク質を精製するための化学親和力システム(chemical affinity system)の中にも組み入れられており、それについては下記の文献に記載がある、非特許文献28。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。2種のエンティティを共に結合させるために各種のボロン酸を使用することについては、下記の特許に記載がある、特許文献14(ストロビッツ(Stolowitz)),特許文献15(ストロビッツ(Stolowitz)ら),特許文献16(ストロビッツ(Stolowitz)ら),特許文献17(ストロビッツ(Stolowitz)ら)、特許文献18(ストロビッツ(Stolowitz)ら)。これらの特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする

酸性の官能基をガラス表面に添加することも行われてきたが、それについてはたとえば下記の文献に記載がある、非特許文献29。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

米国特許第5,981,180号明細書
米国特許第5,736,330号明細書
米国特許第6,046,807号明細書
米国特許第6,057,107号明細書
米国特許第6,139,800号明細書
米国特許第6,268,222号明細書
米国特許第6,366,354号明細書
米国特許第6,411,904号明細書
米国特許第6,449,562号明細書
米国特許第6,146,833号明細書
国際公開第99/67228号パンフレット
独国特許第960,534号明細書
米国特許第5,414,135号明細書
米国特許第6,008,406号明細書
米国特許第6,075,126号明細書
米国特許第6,124,471号明細書
米国特許第6,462,179号明細書
米国特許第6,630,577号明細書
フルトン(Fulton)ら、クリニカルケミストリー(Clinical Chemistry)、1997、43、1749〜1756
ケットマン(Kettman)ら、サイトメトリー(Cytometry)、1998、33、234〜243
マックデード(McDade)ら、メディカルデバイスアンドディアグノスティックインダストリー(Med.Dev.Diag.Indust.)、1997、19(4)、75〜82
マックヒュー(McHugh)、メソッズ・インセルバイオロジー(Methodsin Cell Biology)、1994,42、575〜595
ニキフォロフ(Nikiforov)ら、ニュークレイック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Res.)、1994、22、4167〜4175
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ベルサイド(Bergseid),M.ら、バイオテクニックス(Biotechniques)、2000、29、1126
ガイガー(Geiger),F.M.ら、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、2004、126、11754

概要

染色されたミクロスフェアを形成させるための各種の方法が提供される。一つの方法には、熱または光を用いて染料にカップリングさせた化学構造を活性化させて、ミクロスフェアの存在下に反応中間体を形成させることを含む。その反応中間体は、ミクロスフェアのポリマーに共有結合的に付加し、それによって、染料をポリマーにカップリングさせて、染色されたミクロスフェアを形成させる。さらなる方法では、分子にカップリングさせた染色されたミクロスフェアを形成させることを提供する。これらの方法には、染色されたミクロスフェアの外側表面上に分子を合成することに加えて、上述のようにミクロスフェアを染色することが含まれる。染色されたミクロスフェアの集合体も提供される。その集合体の染色ミクロスフェアのそれぞれには、化学的な構造によって、染色されたミクロスフェアのそれぞれのポリマーに付加された染料が含まれる。染料が原因の、染色されたミクロスフェアの集合体の染色特性における変動係数は、約10%未満である。

目的

それらの技術に最もしばしば含まれているのが、対象とする物質による電磁放射線の吸収または放出を測定することである

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

ミクロスフェア表面特性を変化させるための方法であって、前記ミクロスフェアの表面特性を変性するために、前記ミクロスフェアに、親水性基を含むように変性するジメトキシトリアジンメチルモルホリンカップリングさせることを含み、ここで、前記ミクロスフェアに、前記ジメトキシトリアジンメチルモルホリンを介して反応剤をカップリングさせることが可能である、方法。

請求項2

前記カップリングが、変性された表面特性を有するミクロスフェアを形成させるために、ビニル基を含むモノマーとジメトキシトリアジンメチルモルホリンとを別なモノマーと共重合させることを含む請求項1に記載の方法。

請求項3

前記カップリングが、ジメトキシトリアジンメチルモルホリンをミクロスフェアの表面に付加させることを含む請求項1に記載の方法。

請求項4

前記変性された表面特性が、前記反応剤を前記ミクロスフェアにカップリングさせたときに、前記反応剤の安定性を向上させる請求項1に記載の方法。

請求項5

前記変性された表面特性が、前記ミクロスフェアを用いて実施するアッセイの性能を改良する請求項1に記載の方法。

請求項6

前記反応剤が生体分子を含む請求項1に記載の方法。

請求項7

前記ジメトキシトリアジンメチルモルホリンが、前記ミクロスフェアの異なった位置にカップリングされた1種または複数のジメトキシトリアジンメチルモルホリン分子を含む請求項1に記載の方法。

請求項8

前記表面特性が電荷密度を含む請求項1に記載の方法。

請求項9

前記表面特性がpKaを含む請求項1に記載の方法。

請求項10

ミクロスフェアのポリマーコアにカップリングされた親水性基を含むように変性されたジメトキシトリアジンメチルモルホリンを含み、それによって、前記ジメトキシトリアジンメチルモルホリンがミクロスフェアの表面特性を変性し、ここで、前記ミクロスフェアに、前記ジメトキシトリアジンメチルモルホリンを介して反応剤をカップリングさせることが可能である、ミクロスフェア。

請求項11

前記ジメトキシトリアジンメチルモルホリンが、ビニル基を含むモノマーとジメトキシトリアジンメチルモルホリンとを他のモノマーと共重合させることにより、前記ポリマーコアにさらにカップリングされる請求項10に記載のミクロスフェア。

請求項12

前記ジメトキシトリアジンメチルモルホリンが、ジメトキシトリアジンメチルモルホリンのポリマーコアの表面への付加により、ポリマーコアにさらにカップリングされる請求項10に記載のミクロスフェア。

請求項13

前記変性された表面特性が、前記反応剤を前記ミクロスフェアにカップリングさせたときに、前記反応剤の安定性を向上させる請求項10に記載のミクロスフェア。

請求項14

前記変性された表面特性が、前記ミクロスフェアを用いて実施するアッセイの性能を改良する請求項10に記載のミクロスフェア。

請求項15

前記反応剤が生体分子を含む請求項10に記載のミクロスフェア。

請求項16

前記ジメトキシトリアジンメチルモルホリンが、前記ミクロスフェアの異なった位置にカップリングされた1種または複数のジメトキシトリアジンメチルモルホリン分子を含む請求項10に記載のミクロスフェア。

請求項17

前記表面特性が電荷密度を含む請求項10に記載のミクロスフェア。

請求項18

前記表面特性がpKaを含む請求項10に記載のミクロスフェア。

請求項19

ミクロスフェアと、親水性基を含むように変性されたジメトキシトリアジンメチルモルホリンを含む活性化剤と、前記ジメトキシトリアジンメチルモルホリンがミクロスフェアの表面特性を変性させるように、ジメトキシトリアジンメチルモルホリンを前記ミクロスフェアのポリマーコアにカップリングさせるために使用することが可能な、1種または複数の化学物質、1種または複数のデバイス、またはそれらのいくつかの組合せとを含み、、1種または複数の反応剤が、前記ジメトキシトリアジンメチルモルホリンを介して前記ミクロスフェアにカップリングさせられる、キット

請求項20

ミクロスフェアの表面特性を変化させるための方法であって、前記ミクロスフェアの表面特性を変性させるために、ケイ酸またはケイ酸誘導体を前記ミクロスフェアにカップリングさせることを含み、反応剤が、前記ケイ酸またはケイ酸誘導体を介して前記ミクロスフェアにカップリングされることが可能な、方法。

請求項21

ミクロスフェアの表面特性を変化させるための方法であって、スルホン基と共役しているイオン性極性基をミクロスフェアにカップリングさせて、前記ミクロスフェアの表面特性を変性することを含み、反応剤が、スルホン基と共役しているイオン性極性基を介して前記ミクロスフェアにカップリングされることが可能な、方法。

請求項22

前記スルホン基と共役しているイオン性極性基がミクロスフェアの表面特性を変性させるように、ミクロスフェアのポリマーコアにカップリングされた、スルホン基と共役しているイオン性極性基を含み、反応剤が、スルホン基と共役しているイオン性極性基を介して前記ミクロスフェアにカップリングされることが可能な、ミクロスフェア。

請求項23

ミクロスフェアと、スルホン基と共役しているイオン性極性基を含む活性化剤と、前記スルホン基と共役しているイオン性極性基をミクロスフェアのポリマーコアにカップリングさせることに使用でき、それによって前記スルホン基と共役しているイオン性極性基がミクロスフェアの表面特性を変性させる、1種または複数の化学物質、1種または複数のデバイス、またはそれらのいくつかの組合せとを含み、1種または複数の反応剤を、前記スルホン基と共役しているイオン性極性基を介してミクロスフェアにカップリングさせることが可能な、キット。

請求項24

ミクロスフェアの表面特性を変化させるための方法であって、5−置換ヒドロキシトロポロンを前記ミクロスフェアにカップリングさせて、前記ミクロスフェアの表面特性を変性させることを含み、反応剤が、前記5−置換ヒドロキシルトロポロンを介して前記ミクロスフェアにカップリングされることが可能である、方法。

請求項25

ミクロスフェアの表面特性を変化させるための方法であって、前記ミクロスフェアの表面特性を変性させるために、シアヌル酸またはシアヌル酸誘導体を前記ミクロスフェアにカップリングさせることを含み、反応剤が、前記シアヌル酸またはシアヌル酸誘導体を介して前記ミクロスフェアにカップリングされることが可能な、方法。

請求項26

ミクロスフェアの表面特性を変化させるための方法であって、前記ミクロスフェアの表面特性を変性させるために、ボロン酸またはボロン酸誘導体を含む混合官能基を前記ミクロスフェアにカップリングさせることを含み、前記ミクロスフェアに、前記混合官能基を介して反応剤をカップリングさせることが可能である、方法。

請求項27

ミクロスフェアの表面特性を変化させるための方法であって:エノール酸エノール誘導体、またはエノール酸を含む混合官能基をミクロスフェアの表面にカップリングさせることと、ミクロスフェアの表面上のエノール酸、エノール誘導体、または混合官能基を変換させてフッ化エノール酸とすることとを含み、反応剤を、前記フッ化エノール酸を介してミクロスフェアにカップリングさせることが可能な、方法。

請求項28

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が、デルタ酸、スクアリン酸クロコン酸、またはロジゾン酸を含む請求項27に記載の方法。

請求項29

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が、5−置換ヒドロキシトロポロンを含む請求項27に記載の方法。

請求項30

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が、シアヌル酸またはシアヌル酸誘導体を含む請求項27に記載の方法。

請求項31

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が、親水性基を含むために変性されるジメトキシトリアジンメチルモルホリンを含む請求項27に記載の方法。

請求項32

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が、混合官能基を含み、そして、前記混合官能基が、ボロン酸またはボロン酸誘導体を含む請求項27に記載の方法。

請求項33

ミクロスフェアを形成させるための方法であって、2種の異なったモノマーを共重合させて、前記ミクロスフェアの外部表面にカップリングさせた、エノール酸、エノール誘導体、またはエノール酸を含む混合官能基を有するミクロスフェアを形成させる工程を含み、前記モノマーの一つが、ビニル基とエノール酸、エノール誘導体、または混合官能基を含む、方法。

請求項34

前記他のモノマーが、スチレンを含む請求項33に記載の方法。

請求項35

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が、デルタ酸、スクアリン酸、クロコン酸、またはロジゾン酸を含む請求項33に記載の方法。

請求項36

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が、5−置換ヒドロキシトロポロンを含む請求項33に記載の方法。

請求項37

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が、シアヌル酸またはシアヌル酸誘導体を含む請求項33に記載の方法。

請求項38

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が、親水性基を含ませるために、変性されたジメトキシトリアジンメチルモルホリンを含む請求項33に記載の方法。

請求項39

前記エノール酸、エノール誘導体、または混合官能基が混合官能基を含み、かつ、前記混合官能基がボロン酸またはボロン酸誘導体を含む請求項33に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は一般に、ミクロスフェア表面特性を変化させるための方法に関する。ある種の実施態様には、ミクロスフェアにエノール酸カップリングさせて、ミクロスフェアの表面特性を変性して、エノール酸を介してミクロスフェアに反応剤がカップリングできるようにすることが含まれる。

背景技術

0002

以下の記述および実施例は、このセクションの中に含まれているからといって、従来技術であるとみなしてはならない。

0003

化学的および生物学的な系を分析するのに、分光学的な技術が広く採用されている。それらの技術に最もしばしば含まれているのが、対象とする物質による電磁放射線の吸収または放出を測定することである。そのような応用の一つは、マイクロアレイの分野にあるが、これは、コンビナトリアルケミストリーや生物学的アッセイ業界を含めた、多くの学問分野によって開発された技術である。ある会社、すなわちテキサス州オースチン(Austin,Texas)のルミネックス・コーポレーション(Luminex Corporation)が、各種に着色した蛍光性のミクロスフェアの表面において生物学的アッセイを実施するシステムを開発した。そのようなシステムの一例は、特許文献1(チャンドラー(Chandler)ら)に説明されている。この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。そのような流体流動デバイスにおいては、ミクロスフェアは、レーザー励起させ、個々のミクロスフェアが検出ゾーンを比較的高速で通過している際に、それの蛍光を検出することによって、調べている。そのようなシステムで得られた測定データは、簡単にデータベースエクスポートして、さらなる分析を行うことができる。

0004

多重分析のための蛍光性ミクロスフェアをベースとするアッセイは、下記のようないくつかのグループ個人によっても報告されてきた:非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;特許文献2(フルトン(Fulton)),特許文献3(チャンドラー(Chandler)),特許文献4(フルトン(Fulton)),特許文献5(チャンドラー(Chandler)),特許文献6(チャンドラー(Chandler)ら),特許文献7(チャンドラー(Chandler)),特許文献8(チャンドラー(Chandler))、特許文献9(チャンドラー(Chandler)ら)。これらは、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0005

上述のシステムにおいては、蛍光染料はミクロスフェアの中に吸収されるか、および/またはミクロスフェアの表面に結合される。染料は、システムの選択された検出ウィンドウ波長にある光を発する性能を基準にして選択する。さらに、検出ウィンドウは、複数の波長に間隔を空けて配置されており、また染料は、隣接した検出ウィンドウ内での染料の蛍光信号オーバーラップが最小となるように設計しておく。二つの検出ウィンドウと、10の異なる濃度を有する2種の染料とを用いれば、100種の蛍光的に区別可能なミクロスフェアのセットが得られることになる。

0006

この30年の間に、アフィニティクロマトグラフィー固相合成、生体高分子たとえばタンパク質オリゴヌクレオチドなどの固定化の分野における進歩によって、ミクロスフェアをベースとした生物医学的な応用分野がもたらされるようになった。たとえば、1種または複数の生体分子を、ミクロスフェアの表面に結合させることができる。その1種または複数の生体分子は、実施する具体的なアッセイに応じて選択する。たとえば、ミクロスフェアの一つの集団に、それぞれが異なった抗原にカップリングされたミクロスフェアの異なったサブセットが含まれる。それらのサブセットがサンプルと組み合わされ、そしてアッセイを実施して、そのサンプル中にどの抗体が存在するかを求めることができる。ミクロスフェアに結合された(1種または複数の)生体分子には、当業者公知の各種生体分子が含まれる。

0007

生体分子またはその他のそのようなエンティティを固定化することは、下記を用いたカップリングによって達成することができる:(a)イオン的相互作用;(b)吸着;(c)錯化(たとえば、「金属配位」媒介カップリング);(d)表面上の活性/安定反応性基と、固定化されるエンティティの上の特定の官能基との間における共有結合の生成。たとえば、粒子(たとえば、ミクロスフェアやナノスフェアナノチューブ;各種のサイズ、形状、または組成を有する1種または複数の金属を含む金属粒子半導体粒子分子インプリテッドポリマー(Molecularly imprinted polymer、MIPS);磁性粒子;およびその他の染色材料);マイクロタイタープレートは、多くの固定化システムにおける一般的な固相マトリックスである。活性があり、官能化された固相表面を調整し、維持することは、充分に感度の高いアッセイを展開する目的で、生物学的物質を確実に固定するためには重要である。固相表面の上に生体分子を固定化するために現在使用されている手順には一般に、固相表面の上の活性化されたカルボキシルアミノヒドロキシルまたはチオール基を生体分子と反応させることが含まれる。それらの基を活性化させるか、またはそれらの基に官能化されたスペーサーを導入した後では、その活性化された基によって、生体分子を直接付加させるための、固相表面の上のサイトが与えられる。

0008

しかしながら、直接付加させるサイトを得るために現在使用されている基は、いくつかの欠点を有している。たとえば、それらの官能基の多くのもの(たとえばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルイソチオシアネートなど)は、水性環境においては加水分解を受けやすく、1時間足らずの間に反応性を失ってしまう(すなわち、化学的に不活性となる)。したがって、そのような官能基は、望ましくないことには、それらの官能基を使用して固相の表面へ生体分子を付加させる場合の、量、再現性、均一性が時間の経過によって変化を示す可能性がある。

0009

反応性または官能化ミクロスフェアは従来から、適切に官能化されたモノマーを共重合させるか、あるいは、予備形成させたミクロスフェアを化学変性するかによって製造されている。後官能化は、反応性の粒子を調製するのにはよく用いられる方法であり、たとえば非特許文献6に記載がある。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0010

各種のテーラーメードの粒子の製造と評価に関するさらに最近の研究は、たとえば以下のようないくつかのグループによって報告されている:非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10、非特許文献11;非特許文献12。これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。非特許文献13による総説(この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、反応性で、ラベル化したミクロスフェアの合成と物理化学的性質が記載されている。

0011

非特許文献14(この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、加水分解抵抗性アルデヒド官能基を用いて、粒子を予め活性化する戦術についての報告があるが、それらのミクロスフェアでは、8%未満の低い反応収率しか観察されなかった。特許文献10(ミルトン(Milton))(この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、フッ化アシルで活性化されたポリマー表面と、アミノ誘導体化生体分子との間の室温における反応が記載されている。アミドペプチドヒドロキサム酸アミンウレタンカーボネートスルホンアミドアルファ置換カルボニル化合物を固相合成する際にフルオロフェニル樹脂を使用することが、特許文献11(クラーク(Clerc)ら)に記載されている。この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0012

非特許文献15(この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、ペプチド合成においてスルホテトラフルオロフェニルで活性化させたエステルを使用することについての説明があり、水性貯蔵条件下における良好な安定性と関連づけて、それらの反応性を示している。この反応剤を用いてポリスチレンの表面を前もって活性化させることは、明らかに、まだ報告されていない。

0013

ヘキスト(Hoechst)は1950年に、特許文献12(ヘイナ(Heyna)ら)(この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)において、セルロース羊毛繊維を染色するために反応性ビニルスルホン(VS)変性染料を使用することを特許請求している。シーゲル(Siegel)による総説に、VSとその保護された2−スルファトエチルおよび2−チオスルファトエチルスルホンをベースとして反応性染料に関する完璧な説明がある(非特許文献16)、この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。特許文献13(スノー(Snow)ら)(この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、PEG−担持VSを用いたタンパク質の変性が記載されている。

0014

最も頻繁に使用される、生体分子(たとえば、オリゴヌクレオチド、タンパク質、炭水化物)を蛍光性ミクロスフェアの上に固定化させる方法は、ミクロスフェアの表面上に存在するカルボキシ基を活性化させることによる。その活性化には、過剰のN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC)と、4〜6のカップリングpHとが必要である。カルボジイミドとカルボキシル官能基との間の反応によって、活性化されたO−アシル尿素誘導体反応中間体が生成する。次いでその反応中間体が、ミクロスフェアに付加された生体分子のアミノ基の一級窒素による求核的なアタックを受けて、置換尿素を放出し、その反応中間体とその生体分子との間にアミド結合を形成する。

0015

しかしながら、カルボキシ基をそのようにして活性化させることには、いくつかの欠点が存在する。たとえば、その反応中間体の半減期が極めて短く、急速に加水分解を受けたり、あるいは転位してN−アシル尿素アダクトを形成したりする。さらに、O−アシル尿素を形成させるのに最適なpHは、約4〜5である。しかしながら、その求核試薬一級アミノ基は、約4〜5のpHでは大部分がプロトン付加されてしまうので、ほとんど非反応性となる。これらのように反応中間体に限度があるので、生体分子とミクロスフェアとのカップリング収率が厳しく抑制されてしまう可能性がある。さらに、低pHでは、生体分子の核酸塩基が強いプロトン付加を受けることもある。そのようなプロトン付加があるとDNAの融解誘起し、それによってへリックス疎水性コア暴露され、そのため、ヘリックスとミクロスフェアの固相マトリックスとの間で、非特異的な疎水的相互作用が起きやすくなる。

0016

これらの欠点があるものの、EDC−媒介カップリングは現在のところ、生体分子を固相表面に共有結合的に固定化させるための主流となっており、それについては下記の文献を参照されたい:非特許文献17;非特許文献18;非特許文献19;非特許文献20;非特許文献21。これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0017

コンビナトリアルライブラリーのための、ビルディングブロックとしては、たとえばマロン酸ジヒドロキシ安息香酸ヒドロキシフェニル酢酸ピロリンカルボン酸ブロモジヒドロキシ安息香酸、3−オキソ−1−インダンカルボン酸、3−ニトロフェニル酢酸、3,4−ジフルオロ安息香酸などが、たとえば非特許文献22に記載されている。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0018

ポリマーの表面特性を変性するためにポリマーの中に組み入れることが可能ないくつかの分子が報告されており、それらを以下に示す。



ポリマー担持触媒、反応剤または基質を使用した有機反応が公知であり、たとえば下記の文献に記載がある。非特許文献23。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0019

ポリマー担持フェノール性化合物は公知である。たとえば、ポリマー担持テトラフルオロフェノールは、ケミカル・ライブラリー合成のための活性化樹脂として現在使用されており、これについては下記の文献に記載がある。非特許文献24。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0020

ボロン酸は、1,2および1,3ジオール官能性を有するサッカライドとその他のゲスト化合物を錯化させるための合成レセプターの中に決まり切ったように組み入れられており、それについては下記の文献に記載がある。非特許文献25,非特許文献26、非特許文献27。これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。ボロン酸は、タンパク質を精製するための化学親和力システム(chemical affinity system)の中にも組み入れられており、それについては下記の文献に記載がある、非特許文献28。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。2種のエンティティを共に結合させるために各種のボロン酸を使用することについては、下記の特許に記載がある、特許文献14(ストロビッツ(Stolowitz)),特許文献15(ストロビッツ(Stolowitz)ら),特許文献16(ストロビッツ(Stolowitz)ら),特許文献17(ストロビッツ(Stolowitz)ら)、特許文献18(ストロビッツ(Stolowitz)ら)。これらの特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする

0021

酸性の官能基をガラス表面に添加することも行われてきたが、それについてはたとえば下記の文献に記載がある、非特許文献29。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0022

米国特許第5,981,180号明細書
米国特許第5,736,330号明細書
米国特許第6,046,807号明細書
米国特許第6,057,107号明細書
米国特許第6,139,800号明細書
米国特許第6,268,222号明細書
米国特許第6,366,354号明細書
米国特許第6,411,904号明細書
米国特許第6,449,562号明細書
米国特許第6,146,833号明細書
国際公開第99/67228号パンフレット
独国特許第960,534号明細書
米国特許第5,414,135号明細書
米国特許第6,008,406号明細書
米国特許第6,075,126号明細書
米国特許第6,124,471号明細書
米国特許第6,462,179号明細書
米国特許第6,630,577号明細書
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発明が解決しようとする課題

0023

したがって、生体分子を付加させるために使用される官能基の加水分解のために、ミクロスフェアの表面への生体分子の付加が経時的に変化するといったような、前述の欠点の一つまたは複数を有さない、ミクロスフェアの表面特性を変化させるための方法を開発できれば、有益となるであろう。

課題を解決するための手段

0024

各種の方法、ミクロスフェア、キットの実施態様に関する以下の記述は、いかなる点においても、添付された特許請求項の主題を限定するものと受け取ってはならない。

0025

一つの実施態様は、クロスフェアの表面特性を変化させるための方法に関する。その方法には、エノール酸をミクロスフェアにカップリングさせて、ミクロスフェアの表面特性を変性することが含まれる。そのエノール酸には、ミクロスフェアの異なった位置にカップリングされた1種または複数のエノール酸分子が含まれる。エノール酸を介して、反応剤をミクロスフェアにカップリングさせることができる。他の実施態様においては、エノール酸をエノール酸誘導体または混合官能基と置き換えてもよい。さらなる実施態様においては、エノール酸は、より一般的には、化学基共役関係にあるイオン化可能な極性基として表すことができる。その化学基としては、たとえば、スルホン基またはカルボニル基を挙げることができる。

0026

一つの実施態様においては、エノール酸には少なくとも1個の親水性基を含む。また別な実施態様においては、エノール酸には、デルタ酸、スクアリン酸クロコン酸、もしくはロジゾン酸、またはその他の同族体が含まれる。別の実施態様においては、エノール酸には、5−置換ヒドロキシトロポロンが含まれる。他の実施態様においては、エノール酸には、シアヌル酸またはシアヌル酸誘導体が含まれる。代わりの実施態様においては、エノール酸には、親水性基を含むように変性されたジメトキシトリアジンメチルモルホリンが含まれる。さらなる実施態様においては、エノール酸には混合官能基が含まれる。その混合官能基には、ボロン酸またはボロン酸誘導体が含まれる。いくつかの実施態様においては、エノール酸には、ケイ酸またはケイ酸誘導体が含まれる。

0027

ある実施態様においては、エノール酸をミクロスフェアにカップリングさせるということには、ビニル基を含むモノマーとエノール酸を別なモノマーと共重合させて、変性された表面特性を有するミクロスフェアを形成することが含まれる。別の実施態様においては、エノール酸をミクロスフェアにカップリングさせるということには、エノール酸をミクロスフェアの表面に付加させるということが含まれる。

0028

表面特性を変性することによって、反応剤をミクロスフェアにカップリングさせたときに、その反応剤の安定性を向上させることができる。表面特性を変性することによってさらに、そのミクロスフェアを用いて実施するアッセイの性能を改良することもできる。その反応剤には、たとえば生体分子が含まれる。

0029

表面特性には、電荷密度が含まれる。さらに、あるいは別なこととして、表面特性にpKaが含まれる。上述の方法のそれぞれの実施態様には、本明細書に記載された各種その他の(一つまたは複数の)工程が含まれる。さらに、その方法には、複数のミクロスフェアの上述のような表面特性を同時に(すなわち、同一工程において)変化させることが明らかに含まれる。

0030

また別な実施態様は、ミクロスフェアのポリマーコアにエノール酸をカップリングさせて、エノール酸がミクロスフェアの表面特性を変性するようにしたミクロスフェアに関する。そのエノール酸には、ミクロスフェアの異なった位置にカップリングされた1種または複数のエノール酸分子が含まれる。エノール酸を介して、反応剤をミクロスフェアにカップリングさせることができる。他の実施態様においては、エノール酸をエノール酸誘導体または混合官能基と置き換えてもよい。さらなる実施態様においては、エノール酸は、より一般的には、化学基と共役関係にあるイオン化可能な極性基として表すことができる。その化学基としては、スルホン基またはカルボニル基を挙げることができる。

0031

一つの実施態様においては、エノール酸には少なくとも1個の親水性基を含む。また別な実施態様においては、エノール酸には、デルタ酸、スクアリン酸、クロコン酸、もしくはロジゾン酸、またはその他の同族体が含まれる。別の実施態様においては、エノール酸には、5−置換ヒドロキシトロポロンが含まれる。他の実施態様においては、エノール酸には、シアヌル酸またはシアヌル酸誘導体が含まれる。さらなる実施態様においては、エノール酸には、親水性基を含むように変性されたジメトキシトリアジンメチルモルホリンが含まれる。代わりの実施態様においては、エノール酸には、混合官能基が含まれる。その混合官能基には、ボロン酸またはボロン酸誘導体が含まれる。別な実施態様においては、エノール酸には、ケイ酸またはケイ酸誘導体が含まれる。

0032

一つの実施態様においては、ビニル基を含むモノマーとエノール酸を用いて、別なモノマーと共重合させることにより、エノール酸をポリマーコアにカップリングさせる。別の実施態様においては、エノール酸をポリマーコアの表面に付加させることによって、エノール酸をポリマーコアにカップリングさせる。

0033

表面特性を変性することによって、反応剤をミクロスフェアにカップリングさせたときに、その反応剤の安定性を向上させることができる。表面特性を変性することによってさらに、そのミクロスフェアを用いて実施するアッセイの性能を改良することもできる。その反応剤は、生体分子であってもよい。表面特性には、電荷密度が含まれる。さらに、表面特性にpKaが含まれる。ミクロスフェアのそれぞれの実施態様は、本明細書の記載に従って、さらなる配置、構成、および/または形態がとられていてもよい。

0034

それらに加えての実施態様は、キットに関する。そのキットにはミクロスフェアを含む。そのキットにはさらに、エノール酸を含む活性化剤も含まれる。さらに、そのキットには、1種または複数の化合物、1種または複数のデバイス、あるいはそれらのいくつかの組合せが含まれていて、それらを使用することで、エノール酸をミクロスフェアのポリマーコアにカップリングさせて、そのエノール酸がミクロスフェアの表面特性を変性できるようにする。1種または複数の反応剤を、エノール酸を介してミクロスフェアにカップリングさせることができる。

0035

そのキットとキットのそれらの要素に、本明細書の記載に従って、さらなる配置をとらせることも可能である。たとえば、いくつかの実施態様においては、エノール酸をエノール酸誘導体または混合官能基と置き換えてもよい。さらなる実施態様においては、エノール酸は、より一般的には、化学基と共役関係にあるイオン化可能な極性基として表すことができる。その化学基としては、たとえば、スルホン基またはカルボニル基を挙げることができる。

0036

本発明のその他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照することにより明らかになるであろう。

0037

本発明は、各種の修正または置き換えをすることが容易であるが、その具体的な実施態様を、例として図面で示し、本明細書において詳しく説明する。しかしながら、図面とそれに対する詳しい説明は、本発明をその開示された特定の形態に限定することを目的としているのではなく、それとは逆に、添付された特許請求項によって定義される本発明の精神と範囲に入る、すべての修正、等価物代替物を対象に含めることを目的としたものであることは、理解しておかれたい。

発明を実施するための最良の形態

0038

本明細書においては、「ミクロスフェア」、「粒子」、「ビーズ」という用語は、相互に交換可能に使用され、当業者に公知の各種適切なサイズと形状を有し、本明細書に記載される1種または複数の表面変性剤をカップリングさせることが可能な表面を有する、ばらばらになった固体物質を指す。

0039

本明細書で使用するとき、「表面変性剤」という用語は一般に、ミクロスフェアの表面上にカップリングされるか別な方法で配置されることが可能であり、ミクロスフェアの表面の特性を変化させることが可能な、1種または複数の分子を指す。

0040

本明細書で使用するとき、「反応剤」という用語は一般に、ミクロスフェアにカップリングされ、それによって、その反応剤が、アッセイまたはそのミクロスフェアを用いて実施する他の実験の際に、分析対象物と反応することができるような分子を指す。適切な反応剤の例としては、生体分子たとえば、タンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素、抗原、抗体、もしくはヒト、動物、植物などの生体機能中または生体機能に関連して含まれるその他各種の分子、医薬品候補化合物、染料などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。

0041

通常ではない酸性を有する表面(たとえば、ポリスチレン表面)を有するミクロスフェアを形成させる方法を、本明細書においては一般的に記述する。たとえば、それらの方法は、たとえばエノール酸誘導体のような、1種または複数の表面変性剤をミクロスフェアにカップリングさせるためのものとして、本明細書では記述されている。一つの実施形態においては、クロスフェアの表面特性を変化させるための方法には、エノール酸をミクロスフェアにカップリングさせて、ミクロスフェアの表面特性を変性することが含まれる。エノール酸を介して、反応剤をミクロスフェアにカップリングさせることができる。その方法の実施形態は本明細書においてはミクロスフェアに関連させて記述されているが、エノール酸を複数のミクロスフェアに、同時に(すなわち、その方法の同一の、単一または複数の工程において)カップリングさせることも可能であることは理解されたい。

0042

ポリマーミクロスフェアの表面特性は、バイオアッセイの広汎なスペクトルも含めて、多くの用途において重要な役割を果たす。たとえば、ミクロスフェアの表面特性によって、ミクロスフェアに付加させることが可能かどうか、およびどの反応剤が可能か、が決まってくる。さらに、ミクロスフェアの表面特性によって、反応剤がミクロスフェアにカップリングされるときの、量、予測可能性、再現性、均一性なども決まる可能性がある。市販されているミクロスフェアのほとんどのものにおいては、COOHまたはSO3H基の末端を有する官能性モノマーを使用して、ミクロスフェアのポリマーコアの活性化された(または、官能化された)表面が形成されてきた。現在のところ、酸性のミクロスフェア表面は、カルボキシル、スルホキシドヒドロキシド、ボロン酸、ケイ酸のような基を用いて作られている。

0043

しかしながら、本明細書に記載される方法には、スルホン基またはカルボニル基のような化学基と共役したイオン性極性基のような表面修飾剤を使用して、ミクロスフェア表面を修飾することが含まれる。たとえば、本明細書に記述するように、ミクロスフェア表面は、以下の基を用いて荷電されて(または官能化されて)いてもよい(これらに限定される訳ではない):隣接した炭素原子の上にあり、二重結合によるかまたはその他の共役結合により分離されたカルボニルおよびOHと共役しているカルボニルおよびOH、カルボニルおよびCOOHと共役しているスルホンおよびOH、スルホンおよびCOOH、ボロン酸およびOH、ならびにケイ酸およびCOOH。これとは対照的に、表面修飾剤として現在使用されている酸には、炭素ホウ素、硫黄またはケイ素原子に配置されたイオン性基が含まれている。

0044

エノール酸には、1個または複数の二重結合によって分断された、別な原子の上に位置するオキソ基ヒドロキシル基が含まれている。そのミクロスフェアが置かれた溶液のpHに依存して、ミクロスフェアの表面の上にあるエノール酸基がイオン化され、ミクロスフェアの表面電荷(たとえば、電荷密度)や界面電荷(すなわち、水溶液とミクロスフェア表面との界面における電荷)に影響を与える。別の言い方をすれば、エノール酸をミクロスフェアにカップリングさせることにより、ミクロスフェアの表面電荷や界面電荷のような表面特性を変性することができる。表面電荷や界面電荷におけるそのような変化の結果として、ミクロスフェアの表面に対する化学結合性(またはカップリング)、特に生体分子のような反応剤と固相表面との間のカップリングを調節することが可能となる。(1種または複数の)反応剤を、エノール酸を介してミクロスフェアにカップリングさせることも可能である。

0045

本明細書に記載された方法は、下記のエノール酸、エノール酸誘導体、混合官能基を使用して実施することができる。たとえば、本明細書に記載された方法は、エノール酸たとえばスクアリン酸、シアヌール酸、ボロン酸、さらには7員環ヒドロキシ−トロポロン、ならびにトリアルキルシリル化合物を用いて実施することができる。

0046

米国特許出願公開第2004/0039201号明細書(ルゲード(Lugade)ら)(この特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)には、生体分子のアミノ基を共有結合的にカップリングさせるために、予備活性化フッ化エノール酸として、フッ化スクアリン酸を使用することが記載されている。明細書に記載された方法では、いくつかのエノール酸とそれらの誘導体を利用して、一連生物医学的用途のためのさらなる反応剤を開発している。

0047

一つの実施形態においては、たとえばスクアリン酸またはその誘導体のようなエノール酸を使用して、本明細書に記載された方法を実施してもよい。スクアリン酸は、約2〜約3.5の範囲のpKaを有する、実質的に強い二塩基酸である。2個の水素を移動させることによって、スクアリン酸はスクアレートジアニオンを発生させることが可能であり、そのものは、水素結合の強力な受容体として機能することが可能な、比較的剛直で非局在化平面芳香族ジアニオンである。この酸のその他の同族体たとえば、デルタ酸、クロコン酸、ロジゾン酸も、本明細書に記載された方法の実施形態において使用することができる。追記されたスクアリン酸エステルを有する(アミン含有表面から作られた)表面が、アミン含有分子と共役させるために使用されてきた。スクアリン酸を含む方法の例は、ブリクスト(Blixt),O.らの『エニマティック・グリコソイレーション・オブ・リデュシングオリゴサッカライズリンクド・トゥ・ア・ソリッドフェースオアリピッド・ヴィア・ア・クリーバブル・スクアレート・リンカー(Enymatic glycosoylation of reducing oligosaccharides linked to a solid phase or a lipid via a cleavable squarate linker)』(カーボハイドレート・リサーチ(Carbohydrate Research)、1999、319、80〜91)や、米国特許第6,602,692号明細書(グルセンカンプ(Glusenkamp)ら)、米国特許第6,656,876号明細書(アバーグ(Aberg)ら)に記載されている。これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。しかしながら、本明細書に記載された方法においては、スクアリン酸を使用して、たとえばミクロスフェアの表面pKaおよび表面電荷のような表面特性を変性する。

0048

また別な実施形態においては、オキソ炭素酸を使用して、本明細書に記載された方法を実施することもできる。下記に示す一般式のオキソ炭素(R=Cl、アルキル、およびアリール)は、コール(Cole),R,J.ら、サイエンス(Science)、1973、179、1324と、シュミット(Schmidt),A.H.、シンセシス(Synthesis)、1978、1、に最初に報告されたものである。これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。



適切なリンカー基、Rを使用することにより、表1、見出し番号1に示された一般構造を含むエノール酸を用いて、ミクロスフェアの表面特性を変性することができる。

0049

3−ヒドロキシ−4−(4−スチリル)−3−シクロブテン−1,2−ジオンのようなビニル含有モノマーは、下記の文献に報告されている一般的な方法を発展させることによって調製することができる。マイアー(Meier),H.ら、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lett)、1996、37(8)、1191。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。この官能性モノマーを使用して、重合の際にミクロスフェアの表面にエノール酸基をカップリングさせることができる。ビニルエノール酸たとえば3−ヒドロキシ−4−ビニル−3−シクロブテン−l,2−ジオンは、下記に文献に報告がある。シュプレンガー(Sprenger),H.E.ら、アンゲバント・ヘミー・インターナショナル・エディション・イングリッシュ(Angew.Chem.Int.Ed.Engl.)、1968、7、530、この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0050

別の実施形態においては、本明細書に記載された方法は、トロポロンを使用して実施することができる。たとえば、本明細書に記載された方法において表面変性剤として使用可能なまた別なエノール酸は、5−置換ヒドロキシトロポロンであって、下記の化学構造を有している。

0051

ウエムラ(Uemura),T.ら、モレキュラー・クリスタルズ・アンド・リキッド・クリスタルズ(Mol.Cryst.Liq.Cryst.)、1983、95、287(この文献は、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)に記載されている方法を修正したものは、5−アミノトロポロンを製造するのに使用することが可能であり、それは、以下に示すようにしてミクロスフェアの表面に付加させることができる。



各種の置換トロポロンの合成手順は、たとえば、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ(J.Chem.Soc.)(C)、1971、878;ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ(J.Chem.Soc.)(PI)、1976、2329;ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ(J.Chem.Soc.)、1951、2352に報告がある。これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。トロポロンおよび、トロポロン表面基を有するミクロスフェアの合成については、以下において示す実施例4〜6に記述する。

0052

さらなる実施形態においては、本明細書に記載された方法において使用可能なその他のエノール酸としては、シアヌル酸とその誘導体、ボロン酸とその誘導体、ケイ酸とその誘導体、その他のエノール酸とそれらの誘導体を挙げることができる。

0053

シアヌル酸とその誘導体としては、表1、見出し番号2に示す一般式で表すことが可能な化合物が挙げられる。アミドを製造するための、塩化シアヌルを用いて活性化させた樹脂と、カルボキシル基における求核性置換のためにカルボキシル基を活性化させるのに使用される、樹脂結合トリアジンは、ベンカタラマン(Venkataraman),K.ら、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lett)、1979、32、3037に記載がある。この文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。

0054

以下において示すようなトリアジンのビニルモノマーを用いて、重合の際の組み込みによって、ミクロスフェアの表面の上にシアヌル酸またはその誘導体をカップリングさせることができる。



たとえば、先に挙げたもののようなビニルモノマーを利用して、表面にシアヌル酸とその誘導体を含むエノール酸を有するミクロスフェアを調製することができる。同様にして、バルビツール酸とその各種誘導体を、重合によるか、あるいは適切に官能化されたリンカーによるかのいずれかで、組み入れることが可能である(たとえば、表1、見出し番号3参照)。

0055

本明細書に記載された方法の実施形態において使用可能なその他のエノール酸とそれらの誘導体としては、表1、見出し番号5、6に示す一般式で表されるヘテロサイクリック化合物が挙げられるが、このものは、弱ないしは中程度の酸性を示し、種々の供給業者から市販されている。アスコルビン酸ファミリーに属するエノール酸(下記参照)は、約4.0〜4.2のpKaを有する。

0056

キノノイド」化合物(表1、見出し番号7参照)たとえばクロラニル酸もまた、市販されている。適切なリンカーを使用することによって、これらの化合物をミクロスフェア表面の上に固定化することができる。2−ヒドロキシナフトキノンは、中程度の強さの酸であって、オキソ炭素酸に類似している。この化合物は、セミスクアリン酸のビニローグとして記載されていた。2−ヒドロキシナフトキノンのヒドロキシ基をボロン酸、ケイ酸、セレン酸またはリン酸基と置き換えることによって、この化合物の酸性度、したがってそれをカップリングさせるミクロスフェア表面を変化させる。

0057

ヒドラジド誘導体たとえばルミノール(表1、見出し番号8)は、イオン化可能なOH基を示し、アミノ基を用いてミクロスフェア表面の上に固定化することが可能である。ルミノールのような化合物は、化学発光分析に使用されてきた。

0058

1,3−シクロヘキサンジオンとその誘導体(表1、見出し番号9)は、約4.8のpKa値を有している。フェノールエノンのような化合物は市販されており、適切なリンカーを用いれば、ミクロスフェアにカップリングさせることができる。そのような化合物の酸性度は、当業者公知の適切な各種の基を含めて、電子吸引性電子供与性基をそのような化合物に導入することにより調節することができる。

0059

オキシカム誘導体の「モビック(Mobic)」は、非ステロイド性抗炎症薬のエノール酸基のひとつのメンバーである。それは、1.1と4.2のpKa値を有している。この化合物の酸性度が高いのは、その構造の中にスルホン残基が存在しているからである。OH基と共役するスルホンを組み入れることによって、エノール酸の酸性度を向上させることができる(表1、見出し番号10〜13参照)。

0060

表1、見出し番号14に示した構造は、「オキソ」酸として分類される一般的な基に属する酸のタイプを表していて、このものは、オキソ炭素酸の酸性度を模倣している。

0061

他のモノマーと重合してエノール酸含有表面を有するミクロスフェアが得られる最も好適なビニルモノマーの例が、表1、見出し番号15に示されている。

0062

さらなる実施形態においては、本明細書に記載された方法を、「混合エノール酸」を用いて実施してもよい。たとえば、アニリンアニソールスクアレートを利用することによって、表1、見出し番号16〜19に示した一般構造で表される混合エノール酸の固定化が容易となる。類似の化合物の合成が、下記の文献に記載されている。ガウガー(Gauger),J.ら、ヘミッシェ・ベリヒテ(Chem.Ber.)、1970、103、2696;ベルス(Bellus),D.、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1978、100、8026;ロウ(Law),K.Y.とベイリー(Bailey),P.C.、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、1992、57、3278;および、マイアー(Meier),H.ら、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lett)、1996、37,1191。これらの文献は、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。アミノ誘導体化されたトロポロンは、スクアリン酸のようなオキソ炭素酸に付加させることができる(表1、見出し番号19)。

0063

さらに、本明細書に記載された方法を、「活性化エノール酸」を用いて実施してもよい。たとえば、本明細書に記載された、「エノール酸を用いてコーティングされた」(すなわち、そのミクロスフェア表面上に位置するエノール酸分子を有する)各種のミクロスフェアは、スクアリン酸をフッ化スクアリン酸に変換させる手順(これは、米国特許出願第2004/0039201号明細書(ルゲード(Lugade)ら)に記載されている)を用いて、そのフッ化エノール酸形に活性化させることができる。これらの新規フッ化エノール酸は、ルゲード(Lugade)らによって記載されたようにフッ化スクアリン酸基が架橋剤として使用されたのと同様にして、本特許出願においても、架橋剤として使用することができる。

0064

それらが2官能性であることから、エノール酸が付加されたミクロスフェアは、特定の金属イオン錯体を形成させるのにも使用することができる(たとえば、下記参照)。次いで、金属キレーター錯体を用いて、サイトに特有の生体分子を捕獲したり、タンパク質またはペプチドをアフィニティ精製したりすることが可能である。

0065

0066

本明細書に記載された方法の実施形態において、ミクロスフェアのための表面変性剤およびカップリング促進剤として使用することが可能なシアヌル酸誘導体の例を以下に挙げる。

0067

化合物ジメトキシトリアジンメチルモルホリン(DMTMM)を、ミクロスフェアのための表面変性剤として検討した。文献においては、DMTMMがペプチド結合活性化剤として使用されていた。アルキル置換トリアジン誘導体は、DMTMMとして市販されている。DMTMMは、下記の実施例1および2に記載したように、合成することも可能である。本願発明者らは、反応剤をミクロスフェアにカップリングさせることを可能とする表面変性剤としてのその使用を検討した(下記参照)。

0068

DMTMMのミクロスフェアへのカップリングは順調に進行したが、そのDMTMMにカップリングさせたミクロスフェアは、一般的に使用される表面変性剤、スルホ−N−ヒドロキシスクシンイミド(スルホ−NHS)を用いて活性化させたミクロスフェアよりも、疎水性が高い。別の言い方をすれば、DMTMMで変性されたミクロスフェアは、水溶液の中に分散するよりも、むしろ互いに粘着し合う傾向を示した。それとは対照的に、スルホ−NHS基を用いてそれに付加させたミクロスフェアは、スルホ−NHSをミクロスフェア上に元々存在するカルボキシル基と反応させたときに、その表面上に好水的な(すなわち、親水性の)基(スルホ)を保持している。したがってそのミクロスフェアは、水中、水溶液中、溶媒中に、良好な分散状態に保たれる。それとは対照的に、DMTMMは、四級アンモニウム塩残基を有しているために、水溶性である。ミクロスフェアの表面上のカルボキシル基と反応した後では、この陽電荷を失い、それと共に水溶性も失う。このようにして、ミクロスフェアの表面上の親水性カルボキシル基が、疎水性の芳香環に置き換えられ、そのためミクロスフェアの親水性が低下する。

0069

活性化されたミクロスフェアの親水性を向上させるために、以下の反応で示すように、DMTMMのメトキシ基をより親水性の鎖に置き換える。ジ(ポリエチレングリコール)トリアジンクロリドは、生体分子の中にポリエチレングリコール鎖を導入する目的で、すでに調製されていて、それは、日本国特許第8092294号公報(サクライ(Sakurai)ら)に記載があり、ロバーツ(Roberts)らによる総説がある(アドバンスト・ドラッグデリバリーレビュー(Adv.Drug Delivery Rev.)、2002、54,459〜476)(これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)。親水性基を含むその他のトリアジン化合物については、下記の文献に記載がある:パイゾフ(Pyzhov)ら、デポシッテッド・ドック(Deposited Doc)、1982、VINITI、1408〜82;マーチン(Martin)ら、ジャーナル・ヒュール・プラクティッシェ・ヘミー(J.Prak.Chem.),1981、323、694〜699;カシュキン(Kashkin)ら、ズルナル・オルガニチェスコイ・キミイ(Zhurnal Organichkoi Khimii)、1976、12、2030〜2033;および、アーネ(Ahne)ら、シンセシス(Synthesis)、1975、184〜186。これらの文献は、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする。したがって、一つの実施形態においては、本明細書に記載された方法において使用されるエノール酸には、親水性基を含むように変性されたDMTMMが含まれる。ミクロスフェアの表面上の官能基に表面変性剤をカップリングさせてから、親水性基たとえば、四級アンモニウムスルホン酸塩ホスホン酸塩、ポリエチレングリコール(PEG)鎖、デンドリマー構造などを使用して、DMTMMおよびその他の表面変性剤の親水性を向上させることができる。本明細書に記載された方法においては、DMTMMの親水性誘導体を、EDC/NHS表面変性および活性化剤の代わりとして使用する。



そのような親水性誘導体を用いて、(活性化)ミクロスフェアの表面特性を変化させる一例を、後の実施例3に示す。

0070

ミクロスフェアのエノール酸含有表面は、二つの方法によって生成させることができる。たとえば、ビニル基とエノール酸基との両方を含むモノマーを得え、そして、ミクロスフェアの表面の上にエノール酸基を有し、そのために変性された表面特性を有するミクロスフェアを製造するために、そのモノマーを、他のモノマーたとえばスチレンと共重合させる。その重合は、当業者公知の各種適切な方法を用いて実施すればよい。別な方法として、エノール酸をミクロスフェアにカップリングさせるということには、エノール酸をミクロスフェアの表面に付加させるということが含まれる。別の言い方をすれば、すでに形成されているミクロスフェアの表面を、エノール酸を付加させることにより変化させる。形成されているミクロスフェアにエノール酸を付加させることは、本明細書の記載のようにして実施するか、あるいは当業者の公知のその他各種の適切な方法を用いて実施することができる。

0071

一つの実施形態においては、そのエノール酸には、ミクロスフェアの異なった位置にカップリングされた1種または複数のエノール酸分子が含まれる。別の言い方をすれば、2種以上の異なったエノール酸を、1種のミクロスフェアにカップリングさせる。その異なったエノール酸のそれぞれの分子は、ミクロスフェア表面の上に存在する官能基に直接カップリングさせる。別な方法として、異なったエノール酸を含む複数のモノマーを、必要があれば他のモノマーと組み合わせて共重合させて、その表面上に位置するエノール酸を有するミクロスフェアのポリマーコアを形成させる。

0072

一つの実施形態においては、表面特性を変性することによって、反応剤をミクロスフェアにカップリングさせたときに、その反応剤の安定性が向上する。また別の実施形態においては、表面特性を変性することによってさらに、そのミクロスフェアを用いて実施するアッセイの性能が改良される。たとえば、生体分子が異なれば、最適なアッセイを実施しようとすれば(たとえば、サンプル中の分析対象物を最適に結合させたり、反応させたりするためには)、異なった表面環境(すなわち、ミクロスフェアの表面のすぐ近くの環境)が必要となることもある。そのような局所的な環境を作りだし、調節することは、提案された表面基を使用すれば可能である。本明細書に記載された表面変性剤のいくつかは、反応剤の安定性を向上させたり、アッセイの性能を改良する。本明細書に記載されたその他の表面変性剤は、生体分子をミクロスフェア表面により容易に付加できる。

0073

たとえば、上述のDMTMMベースの表面変性剤を使用することにより、生物学的物質がクロスフェアの表面へ異常なカップリングをするのを抑制することができる。この方法においては、「自己カップリング(self-coupling)」ミクロスフェア(すなわち、反応剤に選択的かつ自発的にカップリングする表面基を有するミクロスフェア)を形成させるために、表面変性剤を必ず使用しなければならない訳ではなく、それに付加された改良された表面変性剤や、改良された表面特性を有するミクロスフェアを得るために、現行の方法では使用されているEDC/スルホ−NHS架橋ペアーに代えて表面変性剤を使用することができる。

0074

それに加えて、場合によっては、標準となっているEDC/スルホ−NHSカップリング手順は、幾分かの問題を抱えている可能性がある。たとえば、EDCとスルホ−NHSは、空気中の湿分と反応する吸湿性固体であって、ビン中に保存した表面変性剤をフレッシュに保つには特別な注意を払わねばならない。表面変性剤として使用する溶液は、使用直前に作らなければならない。EDC活性化の際の尿素副生物は、場合によっては、ビーズ懸濁液から除去するのが困難であって、以後の工程のカップリング反応またはアッセイを妨害する可能性がある。

0075

本明細書に記載された方法は、ミクロスフェアに反応剤をカップリングさせるための標準的な方法に比較して、いくつかの利点を有している。たとえば、DMTMMタイプのクロスリンカーは、(2種の表面変性剤を使用する代わりに)単独で使用して、ミクロスフェアを活性化させることができる。さらに、DMTMMの水溶液は、室温で数時間は安定であるし、もし凍結保存をするならば、もっと長時間安定である。さらに、DMTMM結晶は空気中の湿分に対してより安定であり、そのため、より容易に満足のいくレベルで作用する。その上、DMTMMの合成は、EDCの場合ほどに込み入っていることはなく、そのため表面変性剤の品質とばらつきの無さが向上する可能性がある。

0076

また別な実施形態は、ミクロスフェアのポリマーコアにエノール酸をカップリングさせて、エノール酸がミクロスフェアの表面特性を変性するようにした、ミクロスフェアに関する。そのミクロスフェアのポリマーコアは、当業者に公知の各種適切なポリマーから形成されていてよい。そのエノール酸には、ミクロスフェアの異なった位置にカップリングされた1種または複数のエノール酸分子が含まれる。エノール酸を介して、反応剤をミクロスフェアにカップリングさせることができる。他の実施形態においては、エノール酸をエノール酸誘導体または混合官能基と置き換えてもよい。さらなる実施形態においては、エノール酸は、より一般的には、化学基と共役関係にあるイオン化可能な極性基として表すことができる。その化学基としては、スルホン基またはカルボニル基を挙げることができる。

0077

一つの実施形態においては、エノール酸には少なくとも1個の親水性基を含む。また別な実施形態においては、エノール酸には、デルタ酸、スクアリン酸、クロコン酸、もしくはロジゾン酸、またはその他の同族体が含まれる。別の実施形態においては、エノール酸には、5−置換ヒドロキシトロポロンが含まれる。他の実施形態においては、エノール酸には、シアヌル酸またはシアヌル酸誘導体が含まれる。さらなる実施形態においては、エノール酸には、親水性基を含むように変性されたDMTMMが含まれる。代わりの実施形態においては、エノール酸には、混合官能基が含まれる。その混合官能基には、ボロン酸またはボロン酸誘導体が含まれる。別な実施形態においては、エノール酸には、ケイ酸またはケイ酸誘導体が含まれる。

0078

一つの実施形態においては、ビニル基を含むモノマーとエノール酸を用いて、別なモノマーと共重合させることにより、エノール酸をポリマーコアにカップリングさせる。別の実施形態においては、エノール酸をポリマーコアの表面に付加させることによって、エノール酸をポリマーコアにカップリングさせる。

0079

表面特性を変性することによって、反応剤をミクロスフェアにカップリングさせたときに、その反応剤の安定性を向上させることができる。表面特性を変性させることによってさらに、そのミクロスフェアを用いて実施するアッセイの性能を改良することもできる。その反応剤は、生体分子であってもよい。表面特性には、電荷密度が含まれる。さらに、表面特性にpKaが含まれる。ミクロスフェアのそれぞれの実施形態は、本明細書の記載に従って、さらなる配置、構成、および/または形態がとられていてもよい。上述のミクロスフェアの実施形態のそれぞれは、上述の方法の利点をすべて有している。

0080

それに付加された本明細書に記載された表面変性剤を有するミクロスフェアは、「そのまま使用できる(ready to use)」ミクロスフェアとして供給することができる。さらに、1種または複数の表面変性剤を、ミクロスフェアの上の(表面基にカップリングさせる)表面基を活性化させる、分離されたキットとして供給することも可能である。

0081

一つの実施形態においては、そのキットにはミクロスフェアを含む。そのキットにはさらに、1種または複数の表面変性剤たとえばエノール酸を含む活性化反応剤も含む。その上に、キットには、1種または複数の化合物、1種または複数のデバイス、あるいはそれらのいくつかの組合せが含まれていて、それらを使用することで、エノール酸をミクロスフェアのポリマーコア(またはミクロスフェアのポリマーコアの表面上の基)にカップリングさせて、そのエノール酸がミクロスフェアの表面特性を変性できるようにする。1種または複数の反応剤を、エノール酸を介してミクロスフェアにカップリングさせることができる。(1種または複数の)反応剤が、そのキットに含まれるし、含まれていなくてもよい。

0082

そのキットとキットのそれらの要素に、本明細書の記載に従って、さらなる配置をとらせることも可能である。たとえば、いくつかの実施形態においては、エノール酸をエノール酸誘導体または混合官能基と置き換えてもよい。さらなる実施形態においては、エノール酸は、より一般的には、化学基と共役関係にあるイオン化可能な極性基として表すことができる。その化学基としては、たとえば、スルホン基またはカルボニル基を挙げることができる。本明細書に記載のキットの実施形態のそれぞれは、上述の方法の利点をすべて有している。

0083

以下の実施例は、本発明の実施形態を限定するものと考えてはならず、またそれらは説明のみを目的として本明細書の中に含まれている。

0084

実施例1、2の手順は、クニシマ(Kunishima),M.ら、テトラへドロン・レターズ(Tetrahedron Lett)、40、5327〜5330、1999と、クローニン(Cronin),J.S.ら、シンセティック・コミュニケーションズ(Syn.Commun.)、26(18)、3491〜3494、1996において記載されているDMTMMの合成をベースとしたものである(これらの文献を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)。

0085

実施例1:2−クロロ−4,6−ジ−(2−メトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジンの合成
14.43g(190mmole)の2−メトキシエタノール、6.83g(81mmole)の重炭酸ナトリウムおよび1.3mL(70mmole)の脱イオン水に、室温で、5.0g(27mmole)の塩化シアヌルを添加した。その溶液の温度を30℃に上げ、1時間撹拌すると、その時点で二酸化炭素の発生が停止した。溶液の温度を上げて45℃とし、撹拌を一夜続けた。冷却後に、その混合物濾過し、塩化メチレンを用いてその固形分を洗い流した。濾液を合わせて、真空中で濃縮すると、8gの2−クロロ−4,6−ジ−(2−メトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジンがミルク状液状物として得られ、このものは、冷凍庫の中(−18℃)で固化してワックス状固形物となった。

0086

得られた生成物プロトン核磁気共鳴(1HNMR)の結果は次の通りであった:(CDCl3、60MHz)δ 4.7〜4.4(m,4Hz)、3.8〜3.5(m,4Hz)、3.4(s,6Hz)。生成物(ニート)の赤外(IR)分光光度法から、下記の特性IR吸収周波数が得られた:1557cm-1、1417cm-1、133Ocm-1、1115cm-1、1050cm-1、1022cm-1、814cm-1。

0087

実施例2:2−クロロ−4,6−ジ−(2−(ジイソプロピルアミノエトキシ)−1,3,5−トリアジンの合成
27.6g(190mmole)の2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、6.83g(81mmole)の重炭酸ナトリウムおよび1.3mL(70mmole)の脱イオン水に、室温で、5.0g(27mmole)の塩化シアヌルを添加した。その溶液の温度を30℃に上げ、1時間撹拌すると、その時点で二酸化炭素の発生が停止した。溶液の温度を上げて45℃とし、撹拌を一夜続けた。冷却後に、その混合物を濾過し、塩化メチレンを用いてその固形分を洗い流した。濾液を合わせ、真空中で濃縮すると、6gの2−クロロ−4,6−ジ−(2−(ジイソプロピルアミノ)エトキシ)−1,3,5−トリアジンが液状物として得られた。

0088

実施例3:塩化4−(4,6−ジ−(2−メトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムの合成
3.5mLの脱水テトラヒドロフラン中の1.05g(4mmol)の2−クロロ−4,6−ジ−(2−メトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジン(実施例1の記載に従って得られたもの)に、530μLのN−メチルモルホリンを添加した。その溶液を30分間撹拌し、濾過し、アブデルハルデン(Abderhalden)装置中でアセトンを使用して12時間乾燥させると、0.5g(34%)の塩化4−(4,6−ジ−(2−メトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムが白色の粉体として得られた。その反応生成物(ニート)のIR分光光度法により、以下の特性IR吸収周波数が同定された:1605cm-1、1417cm-1、1336cm-1、1300cm-1、1118cm-1、1094cm-1、1068cm-1、1053cm-1、1028cm-1、1009cm-1、991cm-1、972cm-1、858cm-1、821cm-1。

0089

実施例2で得られた塩化物から、同様にして、塩化4−(4,6−ジ−(2−ジイソプロピルアミノ)エトキシ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムを得た。

0090

実施例4:親水性DMTMM誘導体を用いてカルボキシレート化ミクロスフェアを活性化させるための一般的手順
90μLの適切な、非求核性緩衝液(pH:5〜9)の中に懸濁させた、5.0E6のカルボキシレート化ミクロスフェアのアリコートに、同一の緩衝液中に新規に記載された親水性DMTMM誘導体(たとえば、実施例3に記載した化合物の一つ)を溶解させた、50mg/mLの溶液を10μL添加した。その懸濁液を、20〜60分間撹拌した。過剰な反応剤を、当業者公知の各種簡便な方法(たとえば、遠心分離デカンテーションの繰り返し)を用いて、分離することもできる。次いでその活性化されたミクロスフェアを、アミン含有分子(たとえば、タンパク質)と、適切な、非求核性緩衝液(pH:4〜9)の中で約2時間、自発的な反応をさせる。

0091

実施例5:5−ニトロソトロポロンの合成
6mLの脱イオン水と6mLの氷酢酸中に2.05g(16.9mmole)のトロポロンを溶解させた溶液に、撹拌しながら、5mLの脱イオン水に1.25g(18.1mmole)の亜硝酸ナトリウムを溶解させた溶液を滴下により添加した。さらに1時間撹拌してから、得られた固形物を濾過し、真空中で2時間乾燥させると、5−ニトロソ−トロポロンが黄色の固形物として得られた。その反応生成物(ニート)のIR分光光度法により、以下の特性IR吸収周波数が見出された:1603cm-1、1519cm-1、1316cm-1、1110cm-1、1015cm-1、845cm-1、812cm-1、781cm-1。

0092

実施例6:5−アミノトロポロンの合成
0.39gの5−ニトロソトロポロン(2.6mmole、先の実施例で得られたもの)と10mLの無水エタノールとの撹拌溶液に、2.92gの塩化スズ(II)(12.9mmole)を添加した。環流温度に40分間加熱してから、その溶液を冷却し、濾過し、その液状部分を、酢酸エチルと水との間に分配させた。有機フラクションを真空中で濃縮すると、35mg(10%)の5−アミノトロポロンが黄色の固形物として得られた。その反応生成物(ニート)のIR分光光度法により、以下の特性IR吸収周波数が見出された:3319cm-1、3181cm-1、2925cm-1,1511cm-1、1410cm-1、1261cm-1、837cm-1、781cm-1、739cm-1。

0093

実施例7:トロポロン表面基を有するミクロスフェアの合成
0.5mLの炭酸塩緩衝液(pH:9)中の100E6のカルボキシレート化ミクロスフェア(予めスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミドとEDCを用いて活性化しておいたもの)の溶液に、25μLのジメチルスルホキシドに溶解させた2mgの5−アミノトロポロンを添加した。その懸濁液を4時間撹拌してから、過剰の反応剤をミクロスフェアから洗い流した。

0094

ここで図面に戻ると、図1は、本明細書に記載されたミクロスフェアの実施形態を用いた実験を実施するために使用することができる測定システムの一例を示している。図1縮尺通りには描かれていないことに注意されたい。具体的には、図面の要素のいくつかの縮尺が、要素の特性を強調するために、極端に拡大されている。たとえばデジタルシグナルプロセッサー(DSP)のような、この測定システムのいくつかの要素は、簡明とするために、図面には含まれていない。

0095

図1においては、中をミクロスフェア10が流動するキュベット12の断面を通る面に沿って、測定システムが描かれている。一つの例においては、そのキュベットは、標準的な流動血球計数器において使用されているような、標準的な石英キュベットである。しかしながら、各種その他の適切なタイプの、視認または搬送チャンバーを使用して、分析のためのサンプルを搬送させるることができる。ミクロスフェア10は、本明細書に記載された実施形態に従って、形成させることができる。

0096

この測定システムには光源14が含まれる。光源14としては、たとえばレーザーなど、当業者公知の各種適切な光源を挙げることができる。光源は、1種または複数の波長を有する光、たとえば青色光または緑色光を放出するように構成させることができる。光源14を、キュベットの中を通過するミクロスフェアを照射するように構成することができる。その照射によって、ミクロスフェアが、1種または複数の波長または波長帯を有する蛍光を発するようにする。いくつかの実施形態においては、そのシステムが、光源からの光をミクロスフェアまたは流路の上に焦点を合わせるための、1個または複数のレンズ(図示せず)を含んでいてもよい。このシステムには、2種以上の光源を含んでいてもよい。一つの実施形態においては、光源が異なった波長を有する光(たとえば、青色光または緑色光)を用いてミクロスフェアを照射するように、構成されてもよい。いくつかの実施形態は、光源が、異なった方向でミクロスフェアを照射するように、構成されてもよい。

0097

ミクロスフェアから前方に散乱された光は、屈曲ミラー18または他の同様の導光成分によって、検出システム16に向ける。別な方法として、検出システム16を、前方に散乱された光の経路に直接位置させる。この方式では、システムの中に折り曲げミラーやその他の導光成分を設ける必要はない。一つの実施形態においては、図1に見られるように、前方に散乱された光は、光源14の照射方向から約180度の角度にミクロスフェアによって散乱された光である。前方に散乱された光の角度は、光源による照射方向から正確に180度でなくてもよく、そのため、光源からの入射光が検出システムの感光性表面の上に当たらなくてもよい。たとえば、前方に散乱された光は、ミクロスフェアによって照射方向から180度より小または大の角度で散乱された光(たとえば、約170度、約175度、約185度、または約190度の角度で散乱された光)である。

0098

光源による照射方向から約90度の角度に、ミクロスフェアによって散乱および/または放射された光もまた集光することができる。一つの実施形態においては、この散乱光を、1個または複数のビームスプリッターまたはダイクロイックミラーを用いて、2種以上の光ビームに分離させることができる。たとえば、照射方向に対して約90度の角度に散乱されて光を、ビームスプリッター20によって、2種の異なった光ビームに分離することができる。その2種の異なった光ビームを、ビームスプリッター22、24を用いてさらに分離させ、4種の異なった光ビームを作ることもできる。それぞれの光ビームを、別々の、1種または複数の検出器を含んでいてもよい検出システムに向かわせることができる。たとえば、4本の光ビームの一つを、検出システム26に向けることができる。検出システム26は、ミクロスフェアによって散乱された光を検出できるように構成してもよい。

0099

その他3本の光ビームも、検出システム28、30、32に向かわせることができる。検出システム28、30、32は、ミクロスフェアによって放出された蛍光を検出するように構成されている。それぞれの検出システムは、異なった波長または異なった波長範囲の蛍光を検出できるように構成されていてよい。たとえば、検出システムの一つを、緑色の蛍光を検出するように構成してもよい。また別な検出システムが、黄色〜オレンジ色の蛍光を検出するように構成し、他の検出システムが赤色の蛍光を検出するように構成してもよい。

0100

いくつかの実施形態においては、スペクトルフィルター34、36、38を、それぞれ検出システム28、30、32と組み合わせてもよい。それらのスペクトルフィルターは、検出システムが検出するように構成されているものとは異なった波長の蛍光を遮断するように構成することができる。さらに場合によっては、1個または複数のレンズ(図示せず)をそれぞれの検出システムに組み合わせることも可能である。それらのレンズは、検出器の感光性表面の上に散乱光または放射された蛍光の焦点を合わせるように構成されているのがよい。

0101

検出器から出力される電流は、それに入射された蛍光に比例し、電流パルスを発生させる。その電流パルスを変換して電圧パルスとし、低域フィルターを通し、次いで、A/D変換によりデジタル化することができる。DSPはそのパルス下の面積を積分し、その蛍光の強さを表す数値を与える。

0102

いくつかの実施形態においては、ミクロスフェアによって放出された蛍光により発生した出力信号を変換して、ミクロスフェアの素性と、ミクロスフェアの表面上で起きた、あるいは起きている反応についての情報を得ることができる。たとえば、出力信号の内の二つを用いて、ミクロスフェアの素性を求め、他の出力信号を用いて、ミクロスフェアの表面上で起きた、あるいは起きている反応を調べることができる。ミクロスフェアの素性は、異なった2個またはそれ以上の検出ウィンドウにおいて発生させられた出力信号の比をベースとして求めることができる。たとえば、検出システム30と32が異なった検出ウィンドウを有している場合、ミクロスフェアの素性は、検出システム30によって発生させられた出力信号と、検出システム32によって発生させられた出力信号との比率にそれぞれの信号の強度を組み合わせて、求めることができる。したがって、検出器とスペクトルフィルターの選択は、ミクロスフェアに組み入れるか結合させた染料のタイプ、および/または測定する反応(すなわち、反応に含まれる反応剤に組み入れるか結合させた(1種または複数の)染料)に応じて、変化させることができる。

0103

図1のシステムには、異なった染料特性を有するミクロスフェアを区別するための、2個の異なった検出ウィンドウを有する2個の検出システムが含まれているが、そのシステムには、3個以上のそのような検出ウィンドウ(すなわち、3個の検出ウィンドウ、4個の検出ウィンドウなど)が含まれるということは、理解されたい。そのような実施形態においては、そのシステムに、追加のビームスプリッターや、また別な検出ウィンドウを含む追加の検出システムが含まれる。3個以上の検出システムのための検出ウィンドウは、先に述べたようにして決めることができる。さらに、スペクトルフィルターおよび/またはレンズを、それら追加の検出システムのそれぞれに組み合わせてもよい。

0104

また別な実施形態においては、ミクロスフェアの表面の上で反応された異なった物質を区別するように構成された2個以上の検出システムが、システムに含まれる。異なった反応剤物質は、ミクロスフェアの染料特性とは異なった染料特性を有していてもよい。

0105

本明細書に記載された表面変性されたミクロスフェアの上での測定を実施するために使用可能な、測定システムのさらなる例は、以下の特許文献に説明されている:米国特許第5,981,180号明細書(チャンドラー(Chandler)ら)、米国特許第6,046,807号明細書(チャンドラー(Chandler))、米国特許第6,139,800号明細書(チャンドラー(Chandler))、米国特許第6,366,354B1号明細書(チャンドラー(Chandler))、米国特許第6,411,904B1号明細書(チャンドラー(Chandler))、米国特許第6,449,562B1号明細書(チャンドラー(Chandler)ら)、米国特許第6,524,793B1号明細書(チャンドラー(Chandler)ら)(これらの特許を、本明細書においてそのすべてについて言及したかのように引用し、組み入れたものとする)。本明細書に記載された測定システムはさらに、それらの特許に記載されているような構成とすることも可能である。さらに、その中で本明細書に記載されたミクロスフェア実施形態が使用することができるアッセイと実験は、それらの特許に記載された各種のアッセイと実験、および公知のアッセイと実験にも含まれる。

0106

本発明が、ミクロスフェアの表面特性を変化させるための方法を与えると考えられるということは、本開示の利点を有する当業者のよく認識するところであろう。本発明の各種の態様をさらに変性したり変更したりした実施形態も、本明細書を鑑みれば、当業者には自明であろう。したがって、本明細書の記述は、説明のためだけのものと受け取るべきであり、本発明を実施するための一般的な方法を当業者に教示するためのものである。本明細書に示し、記載された本発明の形態は、現時点における好ましい実施形態であると理解されたい。要素や材料は、本明細書に説明し、記載されたものと置き換えてもよく、部品やプロセスも入れ替えてもよく、本発明のある種の特徴は独立して使用してもよいが、これらはすべて、本発明についてのこの記述の便宜を得た後では、当業者には自明のことであろう。前述の特許請求項に記載されているような本発明の精神と範囲から外れることなく、本明細書に記載された要素を変更することも可能である。

図面の簡単な説明

0107

本明細書に記載したミクロスフェアの実施形態を使用して実験を実施するのに使用することが可能な、測定システムの一例を示す概略図である。

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