図面 (/)

技術 工程パラメータの平均値の所望値への段階的制御

出願人 ゼネラルエレクトリックテクノロジーゲゼルシャフトミットベシュレンクテルハフツング
発明者 ボイデンスコットエーピーチェスティーブン
出願日 2005年8月3日 (16年6ヶ月経過) 出願番号 2007-529893
公開日 2008年4月24日 (13年9ヶ月経過) 公開番号 2008-512748
状態 拒絶査定
技術分野 触媒による排ガス処理 フィードバック制御一般 廃ガス処理
主要キーワード 的入力値 最高限界 電算装置 製造区域 資金コスト パラメータ入力値 状態数値 制御方法論
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年4月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題・解決手段

多段階制御機(610)は、工程を行うシステム(620)の稼動を指示する。前記工程は、複数の工程パラメータ(MPP)(625)を有するが、MPP(625)の1つ以上が制御可能な工程パラメータ(CTPP)(615)であり、MPP(625)の1つが目標設定工程パラメータ(TPP)(625)である。前記工程は、長さTPLAAV2の定義された時間におけるTPP(625)の実際平均値(AAV)に対する第1の限界を示す定義された目標値(DTV)を有する。前記AAVは、定義された期間におけるTPPの実際数値(AV)に基づいて計算される。第1論理制御器(630)は、少なくとも長さがTPLAAV2であり、現在時点T0から未来時点TAAV2まで延長される第1未来時間(FFTP)においてTPPの未来平均値(FAV)を予測し、このとき、前記TAAV2以前にTPP(625)が定常状態に移動する。FAVは、(i)長さがTPLAAV2以上であり、過去時点T−AAV2から現在時点T0まで延長される第1過去時間(FPTP)における様々な時点でのTPP(625)のAAV、(ii)MPP(625)の現在値、及び(iii)DTVを基にして予測される。第2論理制御器は、TPLAAV2の長さより短くTPLAAV1と等しい長さを有し、現在時点T0から未来時点TAAV1まで延長される第2未来時間(SFTP)の間にTTP(625)のAAVに対する第2の限界を示す追加的目標値(FTV)を確立する。FTVは、FFTPにおいて予測されたTPP(625)のFAVのうちの1つ以上に基づいて確立される。また、第2論理制御器は、(i)TPLAAV1の長さを有し、過去時点T−AAV1から現在時点T0まで延長される第2過去時間(SPTP)における様々な時点でのTPP(625)のAAV、(ii)MMP(625)の現在値、及び(iii)FTVに基づき、CTPP(615)各々に対する目標設定点を決める。第2論理制御機は、前記CTPP(615)に対して決められた目標設定点に従ってCTPP(615)各々の制御を指示する論理をさらに有する。

概要

背景

湿式排煙脱硫
既に言及したように、論議の基をなす幾つかの大気汚染制御工程が存在するが、WFGD工程が特に注目されている。WFGD工程は、電力業界において排煙からSO2を除去するために最も一般的に用いられる工程である。図1は、例えば石炭化燃料火力発電システムにより生成されるような汚染された排煙からSO2を除去し、商業レベル副産物、例えば最小の廃棄コストにより廃棄することができる特性を有するもの、もしくは商業用途において販売可能な特性を有するものなどを生成するための、湿式排煙脱硫(WFGD)サブシステムの概略を示すブロック線図である。

現在、米国で良く使われているWFGDの副産物は、住宅及びオフィス建物に使用される人造壁板としての使用に適した比較的高品質(95%以上の純度)の商業レベルの石膏である。高品質(約92%)の商業レベルの石膏は、ヨーロッパ連合アジアでも現在よく使われているWFGDの副産物であるが、一般的には、セメント及び肥料として使用するために生産される。一方、高品質の石膏市場縮小する場合には、WFGDの副産物として生産される商業レベルの石膏の品質を最小のコストでの廃棄に必要な程度のより低い品質仕様を満たすまで低下させることも可能である。これに関して、例えば石膏の品質が住宅地埋立や、電力発電に使われる石炭掘り出した場所の埋め用として適している場合には、廃棄コストを最小化することができる。

図1に示すように、汚染されたSO2が含まれた排煙112は、石炭火力発電システム110のボイラー又は節約装置(図示されない)から大気汚染制御システムAPC)120に排出される。一般に、APC120に流入する汚染された排煙112には、SO2のみならず、NOx及び粒子状物質等の、所謂その他の汚染物質も含まれている。WFGDサブシステムにより処理される前に、APC120に流入する汚染された排煙112は、まず汚染された排煙112からNOx及び粒子状物質を取り除くために、他のAPCサブシステム122に送られる。例えば、汚染された排煙は、選択的接触還元SCR)サブシステム(図示されない)を用いてNOxを除去し、電気集塵サブシステム(EPS)(図示されない)又はフィルター(図示されない)を用いて粒子状物質を除去するように処理することができる。

他のAPCサブシステム122から排出されたSO2含有排煙114は、WFGDサブシステム130に送られる。SO2含有排煙114は、吸収塔132により処理される。当業者に理解されるように、排煙114中のSO2は酸濃度が高い。従って、吸収塔132は、SO2含有の排煙114を、排煙114よりpHレベルの高い液状スラリー148と接触するように動作する。

従来のWFGDサブシステムの大半は、図1に示すような種類のWFGD処理装置を含んで構成されている。これには様々な理由がある。例えば、当該分野で理解されるように、噴霧吸収塔を有するWFGD処理装置は、WFGD工程に対してある一定の好適な工程特性を有している。しかし、所望の場合、他の吸収/酸化機器構成を有するWFGD処理装置を図1に示すようなものの代りに用いてもよく、その場合、類似の排煙脱硫機能が提供され、本発明に提示されるより進化した工程制御の向上により同様の効果を達成することができる。明確性及び簡潔性を図るために、本発明における議論は、図1に示すような一般的な噴霧塔を参照して行われるが、提示される概念は、他のWFGDの構成にも適用可能である。

逆流吸収塔132の処理においては、排煙114中のSO2が炭酸カルシウム豊富スラリー石灰石及び水)148と反応して亜硫酸カルシウムを形成するが、これは基本的に塩であり、これにより排煙114からSO2を取り除く。SO2が除去された排煙116は、吸収塔132から排出されて排気煙突117、もしくは下流処理機器(図示されない)に排出される。得られた変質スラリー144は、結晶化器134に導入され、ここで塩が結晶される。結晶化器134及び吸収器132は、通常、単一内にその間の何ら物理的分離を生じずに存在する一方、互いに異なる作用(気体状での吸収及び液体状での結晶化)が進行するが、この2つの作用は、同一工程の容器内で行われる。これから結晶化された塩を含む石膏スラリー146は、結晶化器134から脱水機136に送られる。さらに、石膏スラリー146と同一濃度結晶化塩を含んでもよく、含まなくともよい再循環のスラリー148は、ポンプ133により結晶化器134から吸収塔132に戻され、吸収サイクルが継続して行われる。

送風機150は、周囲空気152を加圧して結晶化器134のための酸化空気154を生成する。酸化空気154は、結晶化器134内でスラリーと混合して亜硫酸カルシウムを酸化させ硫酸カルシウムにする。硫酸カルシウムの各分子は、水分子の2つと結合して通常、石膏160と呼ばれる化合物を形成する。このように、石膏160は、WFGD処理装置130から除去され、例えば建築レベルの人造壁板の製造業者に販売される。

脱水機136から回収された水167は、ミキサー/ポンプ140に導入され、ここで粉砕機170から送られた新たに粉砕された石灰石174と混合されて石灰石スラリーを生成する。一部の工程水は石膏160及び廃棄水流169の両方で損失するため、清水供給源164から清水162がさらに添加され、石灰石スラリーの密度を維持する。また、灰等の廃棄物は、WFGD処理装置130から廃棄水流169を介して除去される。この廃棄水は、例えば灰沈殿池に送られるか、あるいはまた別の方式で廃棄される。

要約すると、SO2含有の排煙114内のSO2は、吸収塔132のスラリー接触区域内でスラリー148により吸収された後、結晶化器134内で結晶化及び酸化され、脱水機136内で脱水されることにより、所望の工程副産物、この例では、商業レベルの石膏160を形成する。SO2含有の排煙114は、数秒単位で吸収塔132を通過する。結晶化器134により変換されたスラリー144内での塩の完全な結晶化には8時間〜20時間以上が必要な場合もある。従って、結晶化器134は、記憶、結晶化の役割をするために大容量である。再循環スラリー148は、付加的なSO2の回収のために吸収器の最上部に再びポンプ注入される。

このように、スラリー148は、吸収塔132の上部に供給される。前記塔132は、通常スラリー148を塔132内に供給するための複数の水位噴霧ノズルを含む。吸収器132は逆流構造で動作しており、スラリースプレーは、吸収器内で下方に流れ、吸収塔の下部に供給された、上方に流れるSO2含有の排煙114と接触するようになる。

石灰石供給源176から送られた新規の石灰石172は、まず粉砕機170(通常ボールミール)で粉砕された後、ミキサー14内で回収された水167及び清水/補充水162と混合されて石灰石スラリー141を形成する。バルブ163を通じたミキサー/タンク140への粉砕石灰石174及び水162の流れは、ミキサー/タンク140内に新規の石灰石スラリー141が十分に在庫として残るように調節される。新規の石灰石スラリー141の結晶化器134への流れは、スラリー148の適切なpHを維持するように調整され、これは次に排煙114から除去されるSO2の量を調節する。WFGD処理は、通常排煙から92〜97%のSO2除去率を示すが、当業者は、特定の技法を使用して有機酸をスラリーに添加することにより、SO2の除去率が97%以上とすることが可能であることが理解できる。

上記のように、従来のWFGDサブシステムは、スラリーを再循環させる。通常一部の廃水及びその他の廃棄物が石膏生産中に生成されても、水は可能な範囲で再利用され、新規の石灰石スラリーを補充するのに使われるため、工程水を処理するときに発生する廃棄物及びコストを最小化することができる。

石灰石は大半のところで容易に大量に入手可能であることから、石炭ガス脱硫処理における反応物として一般に使われている。しかし、他の反応物、例えば生石灰又はナトリウム化合物を石灰石の代りに使用してもよい。このような他の反応物は、通常、高価であるため現在の石灰石反応物と価格競争力がない。しかし、ミキサー140及び上流反応物の供給源に少しの変更を加えれば、既存の石灰石WFGDシステムが生石灰又はナトリウム化合物により動作させることができる。実際に、大半のWFGDシステムは、石灰バックアップシステムを有しており、石灰石の送達に問題が生じたり、そして/あるいは粉砕機170の保守整の延長の問題がある場合に動作する。

図2は、図1に示すようなWFGDサブシステムのある一定の側面をより詳細に示している。図示するように、脱水機136は、第1次脱水機136A及び第2次脱水機136Bの両方を含んでもよい。第1次脱水機136Aは、好ましくは、石膏及び水を分離させるハイドロサイクロンを含む。第2次脱水機136Bは、好ましくは、石膏を乾燥させるベルト乾燥機を含む。既に述べたように、排煙114は、通常、側面から吸収器132に流入し、吸収塔の上部内に噴霧された石灰石スラリーミストを通過して上方に流れる。吸収器から抜け出る前に、排煙は、吸収器132の最上部に位置するミスト分離器(ME)(図示されない)を通過し、ミスト分離器は、排煙の流れから流入した液体及び固形物を除去する。ミスト分離器を固形物なしに維持するために、ME洗浄水200がミスト分離器に適用される。理解されるように、ME洗浄水200は、清水の供給源164からの水を使用して吸収塔132内のMEを清浄に維持する。ME洗浄水200は、WFGDサブシステム130に供給される最も純粋な水である。

上記のように、石灰石スラリーミストは、吸収塔132を介して流れる排煙から高い割合のSO2(例えば、92〜97%)を吸収する。SO2を吸収した後、スラリー噴霧が結晶化器134に落下する。現実実装形態では、吸収塔132及び結晶化器134がしばしば単一の一体構造で設置され、構造内において吸収塔が結晶化器のすぐ上に位置する。その場合には、スラリー噴霧が簡単に一体構造の基底に落下して結晶化される。

石灰石スラリーは、結晶化器134内でSO2と反応して石膏(硫酸カルシウム二水和物)を生成する。既に言及したように、強制圧縮酸化空気154が酸化を促すために使われ、酸化は以下の反応により行われる。

SO2+CaCO3+1/2O2+2H2O→CaSO4・2H2O+CO2 (1)
酸化空気154は、送風機150により結晶化器134内に強制流入する。酸化空気は、亜硫酸カルシウムの硫酸カルシウムへの転換に必要な付加的酸素を提供する。

吸収塔132は、環境規制に基づいて要求される高い除去効率を達成するために必要な排煙と液状スラリーの密接な接触を実現するのに使われる。逆流開放噴霧吸収塔は、石灰石−石膏WFGD処理に特に好適な特性を提供する。これは本質的に確実な方法であり、他の塔方式のWFGD処理装置の構成要素に比べて閉塞の可能性が低く、圧力低下が少なく、資金及び運営コストのすべての面で有利である。

図2に示すように、水供給源164は、通常、十分な量の清水を保存するための水タンク164Aを有する。また、通常、吸収塔132に送られるME洗浄水200を加圧するための1つ以上のポンプ164B、及びミキサー140に送られる清水の流れ162を加圧するための1つ以上のポンプ164Cを有する。ミキサー140は、混合タンク140A、及び新規の石灰石スラリー141を結晶化器134に移動させるための少なくとも1つのスラリーポンプ140Bを有する。1つ以上の付加的な極めて大容量のスラリーポンプ133(図1参照)は、スラリー148を結晶化器134から吸収塔132の最上部にある複数のスプレーレベルに引き上げるために必要である。

以下に説明するように、通常、石灰石スラリー148は、吸収塔132の様々なレベルに位置する噴霧ノズル(図示せず)を介して吸収塔132に流入する。完全負荷の場合、大半のWFGDサブシステムは、1つ以上の予備スラリーポンプ133を用いて動作する。負荷が減少した場合には、しばしば減少した数のスラリーポンプ133により、所要のSO2除去効率を達成することができる。これは、スラリーポンプ133のポンプ注入負荷を減少させ、顕著な経済的効果をもたらす。前記ポンプは、世界で最も大きなポンプのうちの1つであり、電力グリッド寄生電力負荷)として直接販売できる電気で駆動される。

石膏160は、第1次脱水機136A内で、通常、ハイドロサイクロンにより石膏スラリー146中の液体から分離される。ハイドロサイクル、及び/又は第1次脱水機136Aの1つ以上のその他の構成要素の上層流は少量の固形物を含む。図2に示すように、この上層流のスラリー146Aは、結晶化器134に戻される。回収された水167は、ミキサー140に戻されて新規の石灰石スラリーを製造する。他の廃棄物168は、通常、第1次脱水機136Aから灰沈澱池210に導入される。下層流のスラリー202は、第2次脱水機136Bに導入されるが、前記脱水機は、ベルトしばしばフィルターの形態を有し、ここで、スラリーが乾燥されて石膏の副産物160が生成される。同様に、第2次脱水機136Bから回収された水167は、ミキサー/ポンプ167に戻される。図1に示すように、持っているものや、他の石膏サンプル(161)を一般的に数時間ごとに採集して分析し、石膏160の純度を測定する。石膏の純度の直接的なオンライン測定は不可能である。

図1に示すように、比例積分微分(PID)制御器180が通常、フィードフォワード制御器FF)190とともにWFGDサブシステムの動作を制御するために用いられる。旧来よりPID制御器は、空気圧アナログ制御機能を志向したものである。今日では、PID制御器は、数学公式を使用してデジタル制御機能を志向したものになっている。FF190/PID制御器180の最終目標は、確立している連結関係に基づいてスラリーpHを制御することである。例えば、図1のバルブ199の調整と、結晶化器134から吸収塔132へ流れるスラリー148の測定されたpH値の間に構築された連結関係がある場合、バルブ199は、スラリー148のpHが設定点(SP)と呼ばれる所望の値186に相応するように制御される。

FF190/PID制御器180は、pH設定点に基づいてバルブ199を介して石灰石スラリー141のフローを調整し、pHセンサー182により測定されたスラリー148のpH値を高めたり低下させたりする。理解されるように、これは、それぞれの制御信号(181及び191)を送るFF/PID制御器により達成され、これは、フロー制御SP196により示されるバルブ調整命令を、好ましくは、バルブ199の一部であるフロー制御器に伝達する。フロー制御SP196に反応し、フロー制御器は次にバルブ199の調整を誘導し、ミキサー/ポンプ140から結晶化器134への石灰石スラリー141の流れを変更する。

この例では、FF制御器190及びPID制御器180の組合わせによるpH制御を示している。一部の設備は、FF制御器190を含まない場合もある。

この例において、PID制御器180は、pHセンサー182から受信した測定されたスラリーpH値183を、結晶化器134から吸収塔132へ流れるスラリー148の測定されたpH値183の間に構築された連結関係を示す石灰石フロー制御アルゴリズム従って処理してPID制御信号181を生成する。前記アルゴリズムは、通常PID制御器180に保存されるが、これは必須ではない。制御信号181は、例えばバルブ199のためのバルブ設定点(VSP)、又はバルブ199を抜け出る粉砕された石灰石スラリー141の流れのための測定値設定点(MVSP)を示すことができる。

該当分野で理解されるように、PID制御器180で使用されるアルゴリズムは、比例要素積分要素及び微分要素を含む。PID制御器180は、まず、所望のSPと測定値との間の差を計算して誤差を求める。次に、PID制御器は、その誤差をアルゴリズムの比例要素に適用するが、これはそのPID制御器、又は複数のPID制御器がWFGDサブシステムに使用される場合には、それぞれのPID制御器のために調整可能な定数である。PID制御器は、通常、調整係数又は処理利得(process gain)を前記誤差と乗算し、バルブ199の調整のための比例関数を求める。

しかし、PID制御器180が調整係数又は処理利得に対する正確な値を持たない場合や、工程条件が変化する場合には、比例関数が不正確になる。この精度の低さのため、PID制御器180により生成されるVSP又はMVSPは、実際に所望のSPに相応する値を相殺するようになる。従って、PID制御器180は、積分要素を用いて経時的に蓄積された誤差を適用する。積分要素は時間係数である。ここで、再びPID制御器180は、調整係数又は処理利得を蓄積された誤差と乗算し、差減要素を除去する。

次に、微分要素を調整する。微分要素は加速係数であって、継続的に変化が起こる。実際に、微分要素は、WFGD工程制御に使われるPID制御器にはあまり適用されない。これは、微分要素の適用がこの種の制御応用分野では特別に有効ではないためである。従って、WFGDサブシステムに使用される大半の制御器は、実際にはPI制御器である。しかし、当業者は、必要な場合、PID制御器180を従来の方式で微分要素を適用するのに必要な論理として容易に設定できることが理解できる。

要約すると、3つの調整定数が存在するが、これは、工程値、例えば吸収塔132に流入する再循環スラリー148のpHを設定点、例えば新規の石灰石スラリー141の結晶化器134への流れで制御するために、通常のPID制御器により適用することができる。いずれの設定点が使われても、これは常に工程値の側面から構築され、所望の結果、例えば吸収塔132から排出された排煙116に残存するSO2の値の側面から構築されない。言い換えれば、設定点は工程の側面から扱われており、制御された工程値は、PID制御器がその値を制御できるようにするために直接測定可能である必要がある。アルゴリズムの正確な形態は、装置の販売者ごとに異なるが、基本的なPID制御アルゴリズムは装置産業で75年以上過ぎても使用されている。

再び図1及び図2を参照すれば、PID制御器180及びFF制御器190から受信した命令を基にフロー制御器は信号を生成するが、これはバルブ199を開閉することにより粉砕された石灰石スラリー141の流れを増加又は減少させる。フロー制御器は、バルブ199がVSPと一致するように開いたり閉まるまで、又はバルブ199に流れる石灰石スラリー141量の測定値がMVSPと一致するまでバルブの調整を引き続き制御する。

上記のような例示的な従来のWFGD制御においては、スラリー148のpHが所望のpH設定点186に基づいて制御される。制御を行うために、PID180は、センサー182から工程値、つまりスラリー148のpH183の測定値を受信する。PID制御器180は、前記工程値を処理してバルブ199に対する命令181を生成し、ミキサー/タンク140からの結晶化器のスラリー144よりpHが高い新規の石灰石スラリー141の流れを調整し、これにより、スラリー148のpHを調整する。前記命令181によりバルブ199をさらに開く場合は、より多くの石灰石スラリー141がミキサー140から結晶化器134内に流れ、スラリー148のpHを増加させる。一方、命令181に従ってバルブ199を閉める場合は、ミキサー140から結晶化器134内への石灰石スラリー141の流れがより小さくなり、スラリー148のpHを低下させる。

さらに、WFGDサブシステムでは、安定した動作を保障するためにフィードフォワード装置190を用いてフィードフォワードループを導入してもよい。図1に示すように、吸収塔132に流入する排煙114中のSO2の濃度値はセンサー188により測定され、フィードフォワード装置190に入力される。FF制御要素を含む複数のWFGDシステムは、流入する排煙SO2の濃度189を電力発電システム110からの発電機負荷計測と組み合わせて、単に濃度ではなく、むしろ流入SO2の量を測定し、次いでこの流入SO2の量をFF190に対する入力値として使用してもよい。フィードフォワード装置190は、時間遅延に伴う比例要素の役割をする。

このような例示的な実装形態において、フィードフォワード装置190は、センサー188から一連のSO2測定値189を受信する。フィードフォワード装置190は、現在受信した濃度値を、直前に受信した濃度値と比較する。フィードフォワード装置190がSO2の測定濃度に対して、例えば百万分の1000〜1200の変化が発生したと判断する場合には、階段関数平滑化する論理として設定され、動作における急激な変化を避けるようになる。

フィードフォワードループは、正常な動作の安定性飛躍的に向上させるが、その理由は、スラリー148のpH値と結晶化器134へ流れる石灰石スラリー141の量との間の関係が極めて非線形的であり、PID制御器180は、效果的な線形制御器であるためである。従って、フィードフォワードループなしでは、PID180が同一の調整定数として広範囲なpHに対する適切な制御を行うことは非常に難しい。

スラリー148のpHを制御することにより、PID制御器180は、SO2含有の排煙114からSO2の除去、及びWFGDサブシステムにより生成される石膏副産物160の量の両方に影響を及ぼす。新規の石灰石スラリー141の流れを増加させてスラリーのpHを増加させる場合、SO2含有の排煙114から除去されるSO2の量が増加する。一方、石灰石スラリー141の流れを増加させ、これによりスラリー148のpHを増加させる場合には、吸収以降のSO2酸化が遅れ、そのため亜硫酸カルシウムの硫酸塩への変換も遅れるようになり、その結果、生産される石膏160の量が低下するようになる。

このため、SO2含有の排煙114からSO2を除去し、石膏副産物160の必要量を維持するなど、対峙する制御目的が存在する。すなわち、SO2排出の要件と、石膏量の要件との間に対峙がある。

図3には、図1及び図2を参照して記載したWFGDサブシステムの他の側面について示されている。図示するように、SO2含有の排煙114は、開口310を介して吸収塔132の基低部分に流入し、SO2非含有排煙116は、開口312を介して吸収塔132の上部に流出する。このような通常の実装形態では、逆流吸収塔が複数のスラリースプレーレベルを有するものとして示される。このように、ME洗浄水200が吸収塔132に流入し、洗浄水の噴霧器(図示されない)により分散される。

さらに、多重吸収塔スラリーノズル(306A、306B及び306C)が示されており、これらはそれぞれスラリー噴霧器(308A、308B又は308C)を有するが、これはスラリーを排煙内に噴霧してSO2を吸収する。スラリー148は、図1に示されるような結晶化器134から複数のポンプ(133A、133B及び133C)によりポンプ注入されるが、これらはそれぞれスラリーを互いに異なるレベルのスラリーノズル(306A、306B又は306C)のうちの1つにまでポンプ注入する。3つの互いに異なるレベルのスラリーノズル及び噴霧器を示しているが、ノズル及び噴霧器の個数は、各々の実装形態により変化する。

吸収器132から出る排煙116の流速に対する吸収器132に流入する液状スラリー148の流速の比率は、通常、L/Gで特徴付けられる。L/Gは、WFGDサブシステムの主要設計パラメータの1つである。

Gで示される排煙116(蒸気飽和したもの)の流速は、WFGD処理装置130の上流にある電力発電システム110から出る流入排煙112の関数である。従って、Gは制御されず、制御することもできないが、WFGD処理中に指定されなければならない。このため、L/Gに影響を及ぼすためには「L」を調整する必要がある。動作中のスラリーポンプの個数、及びこれらスラリーポンプの配列(line-up)を調整する場合、Lで示されるWFGD吸収塔132に流れる液状スラリー148の流速が制御される。例えば、単に2つのポンプのみ動作する場合には、ポンプを上部の2つのスプレーレベルで動作させるのに対して、ポンプを最上部及び基底部のスプレーレベルで動作させることは、異なる「L」を生成することになる。

スラリーポンプ(133A、133B及び133C)の動作を制御することにより「L」を調整することができる。ポンプを個別にオンオフすることにより吸収塔132に流れる液状スラリー148の流速、及び液状スラリー148が吸収塔に導入される有効の高さを調整することができる。スラリーが塔に導入される高さが高いほど、排煙との接触時間がより長くなり、より多くのSO2が除去されるが、このような付加的なSO2の除去は、スラリーをさらに高いスプレーレベルまでポンプ注入するための電力消費の増加が伴う。ポンプの個数が多くなるほど、そのような制御の粒度(granularity)が大きくなることが分かる。

極めて大きな部分を占める回転装置であるポンプ(133A〜133C)は、自動又は手動で開始又は停止することができる。米国では、しばしばこのようなポンプがサブシステムの操作者により手動で制御されることがある。ヨーロッパでは、ポンプ(13A〜133C)等の回転装置の開始又は停止を自動化するのが一般的である。

WFGD処理装置130に流入する排煙114の流速が電力発電システム110の動作における変化により変更される場合、WFGDサブシステムの操作者は、前記ポンプ(133A〜133C)のうちの1つ以上の動作を調整することができる。例えば、排煙の流速が設計負荷の50%に低下した場合、操作者又は制御システムにおける特殊論理は、1つ以上のスプレーレベルでスプレーレベルのノズルでスラリーをポンプ注入するポンプのうちの1つ以上を閉鎖してもよい。

図3には示されていないが、ポンプ及びスラリーノズルを有する余分のスプレーレベルが、もう1つのポンプ、又は第1のスプレーレベルに伴うその他のスラリーノズル及び/又はスラリー噴霧器の保守整備の間に使用されるように提供されることが分かる。このような余分のスプレーレベルは、吸収塔、及びそれに伴うサブシステムのコストを増加させる。このため、一部のWFGDの所有者は、余分のスプレーレベルを排除し、このような追加コストが生じないようにし、その代りにスラリーに有機酸を添加して吸収能を高め、これにより保守整備期間中に排煙からSO2を除去するようにしている。しかし、このような添加剤は高価なため、それの使用は製造コストを増加させ、これは時間が経つにつれて資本コストの削減分を相殺することもあり得る。

前記式1に示すように、SO2を吸収するためには、排煙中のSO2とスラリー中の石灰石との間に化学的反応が要求される。吸収器内の化学的反応の結果は亜硫酸カルシウムの生成である。結晶化器134内では、亜硫酸カルシウムが酸化して硫酸カルシウム(石膏)を形成する。このような化学的反応の間に酸素が消費される。十分な酸素を提供して反応速度を速めるため、圧縮空気154を結晶化器134内の液状スラリー内に送風する方法で付加的なO2を添加する。

より詳細には、図1に示すように、周囲空気152が圧縮されて圧縮空気154を形成し、再循環スラリー148中の亜硫酸カルシウムを酸化させるために送風機150、例えば扇風機を使用して結晶化器134内に強制流入し、前記再循環スラリーは、結晶化器134から吸収器132に戻され、石膏スラリー146は、追加処理のために脱水システム136に送られる。酸化空気154の流れの調整を容易に行うために、送風機150は、速度又は負荷制御機構を有してもよい。

好ましくは、結晶化器134内のスラリーは過剰量の酸素を有する。しかし、スラリーにより吸収されたり、あるいは収容される酸素の量には上限がある。スラリー内のO2レベルが低すぎる場合には、スラリー中のCaSO3のCaSO4に対する化学的酸化が停止する。これを石灰石の沈床という。石灰石の沈床が発生すれば、石灰石がスラリー溶液中に溶解することが止まり、SO2の除去が著しく低下する。微量の一部のミネラルの存在も亜硫酸カルシウムの酸化及び/又は石灰石の溶解を遅らせ、石灰石の沈床を発生させる場合がある。

スラリーに溶解するO2の量は測定可能パラメータでないため、通常のWFGDサブシステムでは適切な注意を払わなければ、スラリーのO2欠乏が生じる可能性もある。これは特にによく発生するが、周囲空気温度が高いほど、周囲空気152の密度が低くなり、送風機150により結晶化器134内に最高の速度又は負荷で強制流入される酸化空気154の量が減少する。さらに、排煙から除去されるSO2の量が著しく増加する場合には、相応する量の追加のO2がSO2の酸化に必要である。従って、WFGD処理装置へのSO2の流れの増加に伴い、スラリーは事実上O2が欠乏する可能性がある。

設計の割合内で吸収されたSO2を酸化するのに十分な圧縮空気154を注入する必要がある。送風機150の速度又は負荷が調整可能である場合は、送風機150をより低いSO2負荷で、及び/又は周囲空気温度を冷却させる間に低下させることがエネルギーの節約のために好ましい。

送風機150が最大負荷に逹したり、あるいは調整不可能な送風機150のすべてのO2が使用される場合には、SO2を漸増させる酸化を生じさせることができない。負荷のピーク時、又はSO2除去率を正確に追跡する送風機150の速度制御がない場合、結晶化器134内のO2不足が発生する可能性がある。

しかし、スラリー中のO2を測定することが不可能なため、スラリー中のO2のレベルは、従来のWFGDサブシステムの動作に対する制約として使用されない。従って、結晶化器134内のスラリーにO2欠乏が発生した場合、正確にモニタリングする方法がない。このため、せいぜい操作者は、石膏副産物160の品質が著しく低下したときにスラリーにO2欠乏が発生したと推定し、スラリー内に強制流入するO2と、酸化すべき吸収されたSO2のバランスをとるために、送風機150の速度又は負荷を制御、そして/あるいはSO2の吸収効率を低下させるための最善の判断を行うようにする。このように、従来のWFGDサブシステムでは、スラリー内に強制流入するO2と、排煙から吸収される必要があるSO2のバランスをとることが操作者の判断によって行われる。

要約すると、公共設備分野で使用される大型のWFGDサブシステムの一般的な制御は、通常、分散制御システム(DCS)内で行われ、一般的にオン/オフ制御論理及びFF/PIDフィードバック制御ループで構成される。制御されるパラメータは、スラリーのpHレベル、L/Gの割合及び強制流入する酸化空気の流れに限定されている。

pHは、SO2の高い溶解度(つまりSO2除去効率)、高品質(純度)石膏、及びスケール沈積の防止を保障するためにある一定の範囲内に維持されなければならない。動作pHの範囲は、機器及び動作条件の関数である。pHは、新規の石灰石スラリー141の結晶化器134への流れを調整することにより制御される。石灰石スラリーのフロー調整は、センサーで検出されるスラリーの測定されたpHに基づいて行われる。1つの実装形態では、PID制御器及び場合により、DCSに含まれたFF制御器が石灰石スラリーのフロー制御器に従属接続されている。標準デフォルトPIDアルゴリズムがpH制御応用分野で使用される。

液体に対するガスの割合(L/G)は、吸収塔132に流れる液状スラリー148に対する排煙フロー114の割合である。所与のサブシステム変数のセットに対して、液状スラリー148中のSO2の溶解度を基準として所望のSO2吸収を達成するための最低限のL/Gの割合が要求される。L/Gの割合は、排煙114の流れが変わるときや、スラリーポンプ133がオン/オフする際に通常発生する液状スラリー148の流れが変わるときに変化する。

亜硫酸カルシウムの酸化による硫酸カルシウム、つまり石膏の形成は、結晶化器134の反応タンク内の付加的酸素を用いた強制酸化により促進される。付加的酸素は、結晶化器134内のスラリー溶液内に空気を送風することにより導入される。酸化が不十分な場合には、亜硫酸塩−石灰石の沈床が発生し、石膏品質の低下、及びSO2除去効率の低下の可能性、及び廃水の高い化学的酸素要求量COD)をもたらす可能性がある。

一般的なWFGD工程の制御スキームは、統合された目的よりは個別の目的を有する標準制御ブロックで構成される。現在は、操作者がエンジニアリングスタッフ相談し、工程の全体的な最適制御を提供するために努力しなければならない。このような制御を提供するために、操作者は様々な目標及び制約を考慮する必要がある。

WFGD動作コスト−電力プラントの最小化は、所有者に利益をもたらすためにのみ実施されるものである。従って、WFGDサブシステムを、工程、規制及び副産物の品質的制約、及び経営環境を考慮して最低の適正コストで動作させることが有益である。

SO2除去効率の最大化清浄空気規制は、SO2除去の要件をなす。WFGDサブシステムは、工程、規制及び副産物の品質的制約及び経営環境の観点からSO2を效率的に、かつ、適切に除去できるように動作させる必要がある。

石膏品質の規定を充足−副産物である石膏の販売は、WFGD動作コストを軽減し、所望の規定を充足する副産物の純度に大きく依存している。WFGDサブシステムは、工程、規制及び副産物の品質的制約及び経営環境の観点から石膏副産物を良好な品質で生産できるように動作させる必要がある。

石灰石の沈床の防止−燃料の硫含有量負荷変動及び変化は、排煙114中のSO2の偏位を起こす可能性がある。適切な補償の調整が行われない場合、スラリー内に高濃度の亜硫酸塩を発生させるおそれがあり、これは次に石灰石の沈床、吸収塔132のSO2除去効率の低下、石膏品質の劣化、及び廃水の高い化学的酸素要求量(COD)をもたらす。WFGDサブシステムは、工程制約の観点から石灰石の沈床を防止できるように動作させる必要がある。

通常の動作の手順においては、WFGDサブシステムの操作者がWFGD工程に対する従来の動作手順及び知識に基づき、このような相反する目標及び制約のバランスをとることができるようにWFGD工程の設定点を決める。設定点には、通常、pH、スラリーポンプ133、及び酸化空気送風機150の動作状態が含まれる。WFGD工程には、複雑な相互作用及び動力学が存在する。従って、操作者は、WFGDサブシステムがSO2除去及び石膏純度に対する厳しい制約を充足/解消できるように控え目な動作パラメータを選択する。このような控え目な選択を行うことにより、操作者は、常に又はしばしば、最小コストでの動作を犠牲にしている。

例えば、図4は、SO2除去効率及び石膏純度をpH関数として示したものである。pHが増加すれば、SO2除去効率が向上するが、石膏純度は低下する。操作者は、SO2除去効率及び石膏純度の両方の改善が目的であるため、操作者は、このような相反する目標における妥協点となるpHの設定点を決めなければならない。

また、大半の場合、操作者には、保障された石膏の純度レベル、例えば95%の純度を満足させるようにすることが要求される。図4に示すような関係の複雑性、石膏純度の直接的なオンライン測定の欠如石膏結晶化の長期動力学、及び動作の無秩序な変化のため、操作者はしばしば、石膏純度のレベルがいかなる状況でも明示された制約より高くなるように保障できるpHの設定点を入力するように選択する。しかし、石膏純度を保障するために、操作者は、SO2除去効率を犠牲にしている。例えば、図4のグラフのように、操作者は95%の石膏純度の制約に対し、さらに1%の備え分を保障するために、5.4pHを選択してもよい。しかし、このpH設定点を選択する場合、操作者は3%のSO2除去効率を放棄することになる。

操作者は、SO2負荷、つまり排煙114の流れが最高レベルから中間レベルに低下する場合、類似の犠牲を伴うことになる。このような転移中のいくつかの時点では、ポンプの連続動作が単に少しだけ高いSO2除去効率を提供することもあるため、エネルギー節約のために1つ以上のスラリーポンプ133を停止することが効果的な場合がある。しかし、電力コストとSO2除去効率の関係について大半の操作者があまり理解していないため、操作者は控え目なアクセス方法を選択する。このようなアクセス方法により、操作者は1つ以上のスラリーポンプ133を消すことがより効果的であるにもかかわらず、スラリーポンプ133の配列を調整しない場合もある。

また、複数の規制放出の許容値モーメント放出の限界及び一部形態の連続平均放出の限界の両方を提供することは周知である。連続平均放出の限界とは、移動する又は経過する一定時間窓におけるモーメント放出値の平均である。前記時間窓は、1時間程度だけ短いか、1年程度だけ長い場合もある。一部の典型的な時間窓は、1時間、3時間、8時間、24時間、1ヶ月、及び1年である。動的な工程脱離を許容するために、モーメント放出の限界は通常、連続平均の限界よりさらに高い。しかし、モーメント放出限界での持続した動作は、連続平均限界の違反をもたらす。

従来、PID180は、比較的簡単なモーメント限界までの放出を制御する。そのために、工程に対する動作制約、つまり瞬時値を実際の規制放出限界内に設定して安全的な範囲を提供する。

一方、連続平均限界までの放出を制御することはより複雑である。連続平均のための時間窓は継続的に進む。従って、任意の所与の時点では幾つかの時間窓がアクティブであり、1つの時間窓が所与の時点から一定の時間後に跨っており、また他の時間窓が所与の時点から一定の時間前に跨っていることになる。

一般的に、操作者は、モーメント限界のために、単純にPID180に設定されている動作制約と実際の規制放出限界との間で十分な余裕を維持することにより、又は連続平均限界の観点から動作制約を設定するために操作者の判断を働かせることにより、連続平均限界の放出を調節する試みをする。この2つの場合において、連続平均放出の明らかな制御は行われておらず、結果的に、連続平均限界の遵守を保障するか、もしくはコストがかかる過度の遵守(over-compliance)を防止するための方法はない。

選択的接触還元システム:
簡単に、他の大気汚染制御工程であるNOx除去用選択的接触還元(SCR)システムを見れば、類似の動作上の問題を確認することができる。SCR工程の概要を図20に示す。

以下の工程概要は、「酸化窒素放出の制御:選択的接触還元(SCR)(Control of Nitrogen Oxide Emissions:Selective Catalytic Reduction(SCR))、主題報告書第9号、Clean Coal Technology、米国エネルギー省、1997」に開示されている:

工程の概要
一次的に、NO及びより少量のNO2で構成されるNOxは、酸素の存在下で触媒上でNH3との反応により窒素に変換される。石炭内の硫黄の酸化によりボイラーで生成される少量のSO2は、SCR触媒により酸化して三酸化硫黄(SO3)にされる。また、副反応は、好ましくない副産物である硫酸アンモニウム(NH4)2SO4及び硫酸水素アンモニウムNH4HSO4を生成することがある。これらの副産物の形成を支配する複雑な関係があるが、これは工程条件の適切な制御により最小化することができる。

アンモニアスリップ
SCR反応器の下流の排煙中の未反応NH3をNH3スリップ(slip)という。下流装置の閉塞及び腐蝕を起こす可能性のある(NH4)2SO4及びNH4HSO4の形成を最小化するためには、NH3スリップを5ppm未満、好ましくは2〜3ppmに維持することが必須である。これは、高い硫含量の石炭ではより大きな問題になるが、燃料の硫含量及びSCR反応器でのSO2の酸化により、初期高レベルのSO3からもたらされる高レベルのSO3により発生する問題である。

作動温度
触媒コストは、SCR装置資金コストの15〜20%を占めている。従って、空間速度を最大化にし、触媒の体積を最小化することができる程度の高温で動作することが必須である。同時に、SCR反応よりさらに温度敏感性であるSO2のSO3への酸化率を最小化する必要がある。チタン及びバナジウム酸化物触媒を使用するSCR工程の最適な動作温度は、約650〜750°Fである。大半の設備は、排煙温度の低い期間、例えば低負荷操作中に排煙を所望の温度で反応器に提供するために迂回の節約装置を使用する。

触媒
SCR触媒は、担持体酸化チタン)及び活性成分バナジウム及び一部の場合にタングステン酸化物)の混合物であるセラミック材料からなっている。現在使用されるSCR触媒の2つの主な形状は、蜂巣状及び板状である。蜂巣状は、一般的に触媒が構造全体混入されたり、あるいは(均質基材上にコートされた押出セラミックである。板状は、支持体材料が一般的に触媒でコートされている。塵を含む排煙を処理する場合には、反応器は通常垂直で、排煙は下方に流れる。触媒は、通常一連の2〜4個のベッド又は層で配列されている。より良好な触媒の使用方法では、3層又は4層を使用することが良く、さらに1つの層を予備とするが、初期には設置されない。

触媒活性が低下する場合には、付加的触媒が反応器内の利用可能な空間に設置される。不活性化が続く場合には、触媒はローテーションにより最上部から始めて1度に1層ずつ交替される。このような方法は、触媒の使用における最大の効果をもたらす。触媒は、蒸気を洗浄剤として沈着物を除去するために周期的に除去処理を行う。

化学
SCR工程の化学反応は、以下のとおりである:
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O
2NO2+4NH3+O2→3N2+6H2O
副反応は、以下のとおりである:
SO2+1/2 O2→SO3
2NH3+SO3+H2O→(NH4)2SO4
NH3+SO3+H2O→NH4HSO4

工程説明
図20に示すように、汚染された排煙112は、電力発電システム110から排出される。この排煙は、選択的接触還元(SCR)サブシステム2170に流入する前に、他の大気汚染制御(APC)サブシステム122により処理されてもよい。さらに、排煙は、SCRから排出された後、又は煙突117から排出される前に、他のAPCサブシステム(図示されず)により処理されてもよい。流入する排煙中のNOxは、1つ以上の分析器2003により測定される。NOxが含まれた排煙2008は、アンモニア(NH3)注入グリッド2050を通過する。アンモニア2061は、アンモニア/希釈空気ミキサー2070により希釈空気2081と混合される。混合物2071は、注入グリッド2050により排煙内に投入される。希釈空気送風機2080は、周囲空気152をミキサー2070に供給し、アンモニア保存及び供給のサブシステム2060は、アンモニアをミキサー2070に供給する。Noxを含む排煙、アンモニア及び希釈空気2055は、SCR反応器2002内を通ってSCR触媒の上を通過する。SCR触媒は、NOxとアンモニアが窒素及び水に還元される反応を促進する。NOxが含まれていない排煙2008は、SCR反応器2002から排出され、潜在的に他のAPCサブシステム(図示されない)及び煙突117を通じてプラントから排出される。

SCR反応器2002から排出されるNOxが含まれていない排煙の流れ2008、又は煙突117には付加的なNox分析器2004がある。測定されたNOx流出口値2111も、測定されたNOx流入口値2112と合計してNoxの除去効率2110を計算する。Noxの除去効率は、排煙から除去される流入NOxの割合で定義される。

計算されたNoxの除去効率2022は、アンモニア/希釈空気ミキサー2070及び最終的にはアンモニア注入グリッド2050に対するアンモニア流速設定点2021Aをリセットする調節制御システムに入力される。

SCR工程制御
通常のSCR制御システムは、図20に示されるような段階的制御システムに依存している。内部PID制御器ループ2010は、ミキサー2070内に流れるアンモニア流れ2014を制御するのに使われる。外部のPID制御器ループ2020は、NOx排出を制御するのに使われる。操作者は、NOx排出除去効率設定点2031を外部ループ2020に入力することを担当する。図21に示すように、セレクター2030は、操作者が入力する設定点2031に対する上限制約2032を設定するのに使われる。また、制御器が負荷転換を適切に行うことができるようにするため、負荷用フィードフォワード信号2221(図21には示されていない)がしばしば使用される。このような実装形態では、負荷センサー2009が電力発電システム110の測定された負荷2809を生成する。この測定された負荷2809は、信号2221を生成する制御器2220に送られる。信号2221は、アンモニア流れ設定点2021Aを合計して調整されたアンモニア流れの設定点2021Bを形成し、これは、PID制御器2010に送られる。PID2010は、設定点2021Bを測定されたアンモニア流れ2012と合計して、ミキサー2070に供給されるアンモニアの量を制御するアンモニア流れVP2011を形成する。

この制御器のメリットは、次のとおりである:
1.標準制御器:SCRの製造業者及び触媒販売者により明示される要件を実施するために使われる単純な標準制御器の設計である。
2.DCS基盤の制御器:構造は比較的単純で、装置のDCSで実行されることができ、機器及び触媒操作の要件を施行する最も安価な制御仕様である。

SCR操作の問題点:
多数の操作パラメータがSCR操作に影響を及ぼす:
・流入NOx負荷、
・NOx:アンモニアの局所モル比
・排煙温度、及び
触媒品質、利用可能性及び活性

図20の制御機器に関わる操作上の問題点には、以下のようなものがある:
1.アンモニアスリップの測定:アンモニアスリップを明示された制約内に維持することは、SCRの操作において非常に重要である。しかし、アンモニアスリップを計算しなかったり、あるいはオンライン測定を行わないこともしばしばである。アンモニアスリップの測定が利用可能であっても、制御ループに直接含まれない場合がある。このため、SCR操作に最も重要な変数の1つが測定されない。

SCR操作の目的は、最小のアンモニア「スリップ」と、所望のレベルのNOx除去率を得ることである。アンモニアスリップは、Noxの含まれていない排煙流れの中で未反応アンモニアの量により定義される。アンモニアスリップのうちアンモニアの実際の量に関わる経済的コストは少ないが、アンモニアスリップの否定的な影響は大きい:
・アンモニアは、排煙中のSO3と反応して塩を形成することができる。これは、空気予備加熱器熱伝達の表面上に沈着する。この塩が空気予備加熱器による熱伝達を低下させるだけでなく、灰を付着させて熱伝達をさらに低下させる。一定時点で空気予備加熱器の熱伝達は、予備加熱器が掃除洗浄)のために作業から除去される時点まで低下する。最小限に、空気予備加熱器の水洗は、装置速度を低下させる結果となる。
・アンモニアもまた、触媒に吸収される(触媒はアンモニアスポンジであってもよい)。排煙/NOx負荷の急激な減少は、異常に高い短期アンモニアスリップをもたらすことがある。これは、単に一時的な状態であり、通常の制御システムの範囲外である。特性上、一時的ではあるが、このスリップされたアンモニアは依然としてSO3と結合し、塩が空気予備加熱器に沈着する;短期間ではあっても、動的な一時現象は、空気予備加熱器上に塩層を多く蓄積(及び飛散灰の付着を促進)する可能性がある。
・アンモニアは、大気汚染物質として定義される。アンモニアスリップが非常に少量であっても、アンモニアは臭いが非常に強いため、比較的微量でも地域社会で臭いの問題を発生させることがある。
・アンモニアは、飛散灰に吸収される。飛散灰中のアンモニア濃度が大きすぎる場合、飛散灰の廃棄にかかるコストが増加する。

2.NOx除去効率の設定点:アンモニアスリップの測定を行わない場合、NOx除去効率の設定点2031は、アンモニアスリップをスリップ制限よりはるかに下に維持するために、操作者/エンジニアリングスタッフによりしばしば控え目に設定される。NOxの設定点を控え目に選択することで、操作者/エンジニアらは、SCR全体の除去効率を低下させる。NOx除去効率のための控え目な設定点は、アンモニアスリップ制限を犯さないことを保障することはできるものの、システムがアンモニアスリップ制限いっぱいで動作する場合、可能な効率範囲よりも効率が低くなることもある。

3.SCRに対する温度効果:標準制御システムでは、SCR流入ガス温度を制御する試みが行われないことが明らかである。一般的に、気体の温度を保障する一部の方法は、施行される許容可能な限界内であり、温度が最小限度未満であればアンモニア注入を防止する。大半の場合、温度を実際に制御したり、あるいは最適化しようとする試みはない。また、温度を基にしたり、あるいは温度プロファイルを基にするNOx設定点の変更は行われない。

4.NOx及び速度プロファイル:ボイラー動作及び配管は、SCRの表面を通じたNOxの非均一分布に寄与する。最小のアンモニアスリップのために、NOx:アンモニアの割合を制御する必要があり、均一な混合がない場合、この制御は高いアンモニアスリップ部分を避けるための局所的なものでなければならない。残念ながら、NOx分布プロファイルは、配管だけの関数ではなく、ボイラー操作の関数でもある。従って、ボイラー操作の変更は、Noxの分布に影響を及ぼす。標準制御器は、SCRに対するNOx流入及び速度プロファイルが大半均一でなかったり、あるいは安定しないことを考慮しない。これは、他の区域試薬量を適切に保障するために、配管断面の一部で試薬の過量注入をもたらす。その結果、所与のNOx除去効率に対してアンモニアスリップが増加するようになる。同様に、操作者/エンジニアスタッフは、しばしばNOx設定点を下げることにより分布異常に対応する。

NOx流入口及び流出口分析器(2003及び2004)は、単一分析器であってもよく、分析隊列の一部形態であってもよいことが理解できる。平均NOx濃度の他にも、複数の分析値がNOx分布/プロファイルに対する情報を提供する。付加的NOx分布情報のメリットを取るためには、アンモニア流れを局所的NOx濃度により近接させるように一致させるため注入グリッドの相異する領域中の総アンモニア流れを動的に分布させるには、複数のアンモニア流れ制御器2010及び少しの工夫が必要である。

5.動的制御:さらに標準制御器は、效果的な動的制御の提供に失敗する。すなわち、SCRに対する流入口の条件が変化してアンモニア注入速度の調整が必要な場合、NOx還元効率フィードバック制御がこの工程変数における著しい逸脱を防止できる可能性は低い。速い負荷の一時的変化及び工程時間の遅延は、動的なイベントとして相当の工程逸脱を起こす場合がある。

6.触媒の衰退:触媒は時間が経つにつれて衰退し、SCRの除去効率を低下させ、アンモニアスリップを増加させる。制御システムは、NOx除去率を最大化するために、このような低下を考慮しなければならない。

7.連続平均排出:複数の規制排出許容値は、瞬間的、そして連続平均排出限界の一部形態の両方を提供する。動的工程の逸脱を許容するためには、モーメント排出限界が連続平均限界より高い;モーメント排出限界における持続した稼動は、連続平均限界の違反をもたらす。連続平均排出限界は、ある移動する、又は経過する時間窓に対するモーメント排出値の平均である。時間窓は、1時間程度短かったり、1年程度長くともよい。一部の典型的な時間窓は、1時間、3時間、24時間、1ヶ月及び1年である。連続平均の自動制御は、標準制御器内で考慮されない。大半のNOx排出許容値は、領域別の8時間連続平均の周囲空気NOx濃度限界で制限されている。

操作者は、通常、SCRに対する所望のNOx除去効率の設定点2031を設定し、飛散灰からの稀なサンプル情報を基にして少しの調整を行う。負荷の一時的変化におけるSCRの動的制御を改善したり、SCRの操作を最適化するための努力は少ない。最適なモーメント、及び可能であれば連続平均NOx除去効率を選択することもまたWFGDの最適操作に関わりのあるものと類似の営業、規制/クレジット、及び工程問題のため解決が難しい問題である。

その他のAPC工程は、以下のようなものと関連した問題点を有する:
・工程の動的操作の制御/最適化、
・副産物/共生成物の品質の制御、
・連続平均排出の制御、及び
・APC資産の最適化。

他の工程におけるこのような問題点は、WFGD及びSCRに対する上記で詳述したものと同様である。

概要

多段階制御機(610)は、工程を行うシステム(620)の稼動を指示する。前記工程は、複数の工程パラメータ(MPP)(625)を有するが、MPP(625)の1つ以上が制御可能な工程パラメータ(CTPP)(615)であり、MPP(625)の1つが目標設定工程パラメータ(TPP)(625)である。前記工程は、長さTPLAAV2の定義された時間におけるTPP(625)の実際平均値(AAV)に対する第1の限界を示す定義された目標値(DTV)を有する。前記AAVは、定義された期間におけるTPPの実際数値(AV)に基づいて計算される。第1論理制御器(630)は、少なくとも長さがTPLAAV2であり、現在時点T0から未来時点TAAV2まで延長される第1未来時間(FFTP)においてTPPの未来平均値(FAV)を予測し、このとき、前記TAAV2以前にTPP(625)が定常状態に移動する。FAVは、(i)長さがTPLAAV2以上であり、過去時点T−AAV2から現在時点T0まで延長される第1過去時間(FPTP)における様々な時点でのTPP(625)のAAV、(ii)MPP(625)の現在値、及び(iii)DTVを基にして予測される。第2論理制御器は、TPLAAV2の長さより短くTPLAAV1と等しい長さを有し、現在時点T0から未来時点TAAV1まで延長される第2未来時間(SFTP)の間にTTP(625)のAAVに対する第2の限界を示す追加的目標値(FTV)を確立する。FTVは、FFTPにおいて予測されたTPP(625)のFAVのうちの1つ以上に基づいて確立される。また、第2論理制御器は、(i)TPLAAV1の長さを有し、過去時点T−AAV1から現在時点T0まで延長される第2過去時間(SPTP)における様々な時点でのTPP(625)のAAV、(ii)MMP(625)の現在値、及び(iii)FTVに基づき、CTPP(615)各々に対する目標設定点を決める。第2論理制御機は、前記CTPP(615)に対して決められた目標設定点に従ってCTPP(615)各々の制御を指示する論理をさらに有する。

目的

酸化空気は、亜硫酸カルシウムの硫酸カルシウムへの転換に必要な付加的酸素を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

工程を行うシステム稼動を指示するための多段階制御機であって、前記工程は、複数の工程パラメータ(MPP)を有するが、前記MPPの少なくとも1つが制御可能な工程パラメータ(CTPP)であり、前記MPPの1つが目標とする工程パラメータ(TPP)であり、前記工程は、定義された時間長さTPLAAV2における前記TPPの実際平均値(AAV)に対する第1の限界を示す定義された目標値(DTV)を有するが、前記AAVは、定義された期間における前記TPPの実際数値(AV)を基にして計算されるものであり、少なくとも長さがTPLAAV2であり、現在時点T0から未来時点TAAV2まで延長される第1未来時間(FFTP)において前記TPPの未来平均値(FAV)を予測する論理を備え、このとき、前記TAAV2又はその前に前記TPPが定常状態に移動し、FAVは、(i)長さがTPLAAV2以上であり、過去時点T−AAV2から現在時点T0まで延長される第1過去時間(FPTP)における様々な時点での前記TPPの前記AAV、(ii)前記MPPの現在値、及び(iii)DTVを基にして予測される第1論理制御器;及び(a)第2未来時間(SFTP)の間の前記TPPの前記AAVに対する第2の限界を示す追加的目標値(FTV)を確立する論理を有し、このとき、前記SFTPは、前記TPLAAV2の長さより短く、前記現在時点T0から未来時点TAAV1まで延長されるTPLAAV1と等しい長さを有し、前記FTVは、前記FFTPにおいて予測された前記TPPの前記FAVのうちの1つ以上を基にして確立される論理;(b)(i)前記TPLAAV1の長さを有して過去時点前記T−AAV1から現在時点T0まで延長される第2過去時間(SPTP)における様々な時点での前記TPPの前記AAV、(ii)前記MPPの現在値、及び(iii)前記FTVを基にする論理、及び(c)前記CTPPのために決められた目標設定点に従ってCTPP各々の制御を指示する論理を有する第2論理制御器、を備える多段階制御機。

請求項2

CTPP各々のための前記目標設定点が(a)(i)前記SPTPにおける様々な時点での前記TPPの前記AAV、及び(ii)前記MPPの現在値に基づいて前記SFTPにおける前記TPPのFAVを予測し;(b)もまた(i)前記MPPの現在値、及び(ii)CTPP各々のための前記目標設定点に従って、前記SFTPにおける様々な時点で前記TPPの前記FAVを予測することにより決められる、請求項1に記載の多段階制御機。

請求項3

前記FPTPにおける前記TPPの前記AAVを示す履歴データを保存するように設定された記憶媒体をさらに有する、請求項1に記載の多段階制御機。

請求項4

前記FTVは、SFTP全体に対して確立される、請求項1に記載の多段階制御機。

請求項5

第2論理制御器は、それぞれ異なる開始時点を有し、それぞれ前記現在時点T0の後に終了時点を有する複数の移動時間MTP)の各々に対してTPPのAAVがDTVに従うようにCTPP各々のための目標設定点を決めるようにさらに設定される、請求項1に記載の多段階制御機。

請求項6

前記多段階制御機は、前記現在時点T0又はその前に、前記現在時点T0又はその後に発生するイベントを入力するように設定された入力装置をさらに有し、前記第1論理制御器は、前記入力されたイベントに基づいて前記FFTPにおける前記TPPの前記FAVを予測する追加的論理を有し、前記第2論理制御器は、前記入力されたイベントに基づいてCTPP各々のための前記目標設定点を決める前記追加的論理を有する、請求項1に記載の多段階制御機。

請求項7

前記入力されたイベントは、MPPのうちの1つ以上の変化、又は前記工程を行う前記システムの稼動に関わる少なくとも1つの前記非工程パラメータ(NPP)の変化を示す、請求項6に記載の多段階制御機。

請求項8

前記MPPのうちの1つ以上は、前記システムに対する負荷を含み、前記少なくとも1つのNPPは、電力コスト、規制クレジットの価値、及び前記工程の副産物の価値中のうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の多段階制御機。

請求項9

前記システムは、SO2含有湿潤排煙を受容し、石灰石スラリーを適用して前記受容されたSO2含有湿潤排煙からSO2を除去し、脱硫された排煙を排出する湿潤排煙脱硫(WFGD)システムであって、前記少なくとも1つのCTPPは、前記適用された石灰石スラリーのpHレベル相応するパラメータ、及び前記適用された石灰石スラリーの分布に相応するパラメータのうちの1つ以上を有し、前記TPPは、排出された脱硫排煙中のSO2の量に相応するパラメータである、請求項1に記載の多段階制御機。

請求項10

前記システムは、NOx含有排煙を受容し、アンモニアを適用して前記受容されたNOx含有排煙からNOxを除去することによりNOxの排出を制御し、NOx排煙の排出を減少させる選択的接触還元SCR)システムであって、前記少なくとも1つのCTPPは、前記適用されたアンモニアの量に相応するパラメータを有し、前記TPPは、前記排出された排煙中のNOxの量である、請求項1に記載の多段階制御機。

請求項11

前記多段階制御機は、神経回路網工程モデル及び非神経回路網工程モデルのうちの1つをさらに備え、前記1つのモデルは、前記TPPと前記1つ以上のCTPP間の関係を示し、前記第1論理制御器は、前記1つのモデルに従ってFAVを予測し、前記第2論理制御器は、前記1つのモデルに従ってCTPP各々のための前記目標設定点を決める、請求項1に記載の多段階制御機。

請求項12

前記1つのモデルは、第1原理モデルハイブリッドモデル、及び回帰モデルのうちの1つを含む、請求項11に記載の多段階制御機。

請求項13

工程を行うシステムの稼動を指示する制御機であって、前記工程は、1つ以上の制御可能な工程パラメータ(CTPP)及び少なくとも1つの目標設定工程パラメータ(TPP)を含む複数の工程パラメータを有し、前記時間(TP)における前記TPPの実際平均値(AAV)に対する第1の限界を示す定義された目標値(DTV)を有し、神経回路網工程モデル及び非神経回路網工程モデルのうちの1つであって、前記TPPと前記少なくとも1つのCTPP間の関係を示すモデル;現在時点T0から未来時点TF1まで延長され(ここで、前記TF1以前に前記TPPが定常状態条件に移動する)少なくともTPの長さを有する第1時間(FTP)におけるTPPの未来平均値(FAV)に相応する経路を、(i)少なくともTPの長さを有して過去時点T−F1から前記現在時点T0まで延長される第1過去時間における様々な時点での前記TPPの前記AAV、(ii)前記現在のMPP、(iii)前記DTV、及び(iv)前記1つのモデルに従って予測する第1の論理;及び前記FTV及び前記1つのモデルに基づいてCTPP各々のための目標設定点を決め、前記CTPP各々のための目標設定点に従ってシステム稼動の制御を指示するため、前記予測された経路に基づき、現在時点T0から未来時点TF2まで延長され、FTP未満の長さを有する第2時間(STP)の間の前記TPPの前記AAVに対する第2の限界を示す追加的目標値(FTV)を確立する第2の論理、を備える制御機。

請求項14

工程の実施を指示する方法であって、前記工程は、複数の工程パラメータ(MPP)を有し、前記MPPの少なくとも1つは制御可能な工程パラメータ(CTPP)であり、MPPの1つは目標設定工程パラメータ(TPP)であり、前記工程はまた定義された時間の長さTPLAAV2における前記TPPの実際平均値(AAV)に対する第1の限界を示す定義された目標値(DTV)を有するが、前記AAVは前記定義された期間における前記TPPの実際数値(AV)を基にして計算されたものであり、少なくとも長さがTPLAAV2であり、現在時点T0から未来時点TAAV2まで延長される第1未来時間(FFTP)において前記TPPの未来平均値(FAV)を予測する段階として、ここで、前記TAAV2又はその前に前記TPPが定常状態に移動し、前記FAVは、(i)長さが少なくともTPLAAV2であり、過去時点T−AAV2から前記現在時点T0まで延長される第1過去時間(FPTP)における様々な時点での前記TPPの前記AAV、(ii)前記MPPの現在値、及び(iii)前記DTVを基にして予測される段階;前記第2未来時間(SFTP)の終了時に前記TPPの前記AAVに対する第2の限界を示す追加的目標値(FTV)を確立する段階として、前記SFTPは、前記TPLAAV2の長さより短く、前記現在時点T0から未来時点TAAV1まで延長されるTPLAAV1と等しい長さを有するものであり、前記FTVは、前記FFTPにおいて前記予測されたTPPの前記FAVのうちの1つ以上を基にして確立される段階;(i)前記TPLAAV1の長さを有して過去時点T−AAV1から前記現在時点T0まで延長される第2過去時間(SPTP)における様々な時点での前記TPPの前記AAV、(ii)前記MPPの現在値、及び(iii)前記FTVを基にして各々のCTTPのための目標設定点を決める段階;及び前記CTTPのために決められた目標設定点に従ってCTPP各々の制御を指示する段階、を備える方法。

請求項15

CTPP各々のための目標設定点が、(a)(i)前記SPTPにおける様々な時点での前記TPPの前記AAV、及び(ii)前記MPPの現在値に基づき、SFTPにおけるTPPのFAVを予測し;(b)(i)前記MPPの現在値、及び(ii)CTPP各々のための前記目標設定点に従って前記SFTPにおける様々な時点でTPPのFAVをまた予測することにより決まる、請求項14に記載の方法。

請求項16

前記FPTPにおける前記TPPの前記AAVを示す履歴データを保存する段階をさらに備える、請求項14に記載の方法。

請求項17

CTPP各々のための目標設定点は、それぞれ異なる開始時点を有し、前記現在時点T0の各々の後に終了時点を有する複数の移動時間(MTP)の各々において前記TPPの前記AAVが前記DTVに従うように決まる、請求項14に記載の方法。

請求項18

前記現在時点T0又はその前に、前記現在時点T0又はその後に発生するイベントに相応する入力値を受容する段階をさらに備える方法であって、前記入力されたイベントに基づき、FFTPにおけるTPPのFAVが予測され、前記入力されたイベントに基づき、CTPP各々のための目標設定点が決まる、請求項15に記載の方法。

請求項19

前記入力値は、前記MPPのうちの少なくとも1つ又は前記工程の実施に関わる少なくとも1つの非工程パラメータ(NPP)の変化を示す、請求項18に記載の方法。

請求項20

前記工程は、SO2含有湿潤排煙を受容し、石灰石スラリーを適用して前記受容されたSO2含有湿潤排煙からSO2を除去し、脱硫された排煙を排出する湿式排煙脱硫(WFGD)工程であって、前記少なくとも1つのCTPPは、前記適用された石灰石スラリーのpHレベルに相応するパラメータ、及び適用された石灰石スラリーの量に相応するパラメータのうちの1つ以上を含み、前記TPPは、排出された脱硫排煙中のSO2の量に相応するパラメータである、請求項14に記載の方法。

請求項21

前記工程は、アンモニアを適用してNOx含有排煙からNOxを除去することによりNOxの排出を制御し、NOx排煙の排出を減少させる選択的接触還元(SCR)工程であって、前記少なくとも1つのCTPPは、前記適用されたアンモニアの量に相応するパラメータを有し、前記TPPは、前記排出された排煙中のNOxの量である、請求項14に記載の方法。

請求項22

神経回路網工程モデル及び非神経回路網工程モデルのうちの1つに従ってFAVが予測され、CTPP各々のための目標設定点が決まり、前記1つのモデルは、前記TPPと前記少なくとも1つのCTPPとの間の関係を示す、請求項14に記載の方法。

請求項23

前記1つのモデルは、第1原理モデル、ハイブリッドモデル、及び回帰モデルのうちの1つを含む、請求項22に記載の方法。

請求項24

工程の実施の制御を指示する方法であって、前記工程は、少なくとも1つの制御可能な工程パラメータ(CTPP)及び少なくとも1つの目標設定工程パラメータ(TPP)を含む複数の工程パラメータ(MPP)を有し、時間(TP)における前記TPPの実際平均値(AAV)に対する第1の限界を示す定義された目標値(DTV)を有し、現在時点T0から未来時点TF1まで延長され(ここで、前記TF1以前にTPPが定常状態条件に移動する)少なくともTPの長さを有する第1時間(FTP)における前記TPPの未来平均値(FAV)に相応する経路を、(i)少なくともTPの長さを有して過去時点T−F1から前記現在時点T0まで延長される第1過去時間における様々な時点での前記TPPの前記AAV、(ii)前記現在のMPP、(iii)前記DTV、及び(iv)神経回路網工程モデル及び非神経回路網工程モデルのうちの1つであって、前記TPPと少なくとも1つのCTPPとの間の関係を示すモデルに従って予測する段階;前記予測された経路に基づき、現在時点T0から未来時点TF2まで延長され、前記FTP未満の長さを有する第2時間(STP)の間の前記TPPの前記AAVに対する第2の限界を示す追加的目標値(FTV)を確立する段階;前記確立されたFTV及び前記1つのモデルに基づき、CTPP各々のための目標設定点を決める段階;及び前記CTPP各々のための目標設定点に従って前記工程の実施の制御を指示する段階、を備える方法。

関連出願

0001

本発明の出願明細書は、本願発明と同時に出願された、米国特許出願整理番号第_____号[代理人整理番号3156−046]「大気汚染制御工程のモデル予測制御」と、本願発明と同時に出願された米国特許出願整理番号第_____号[代理人整理番号3156−046A]「最適化された大気汚染制御」と、本願発明と同時に出願された米国特許出願整理番号第_____号[代理人整理番号3156−046E]「大気汚染制御のコストに基づく制御」と、本願発明と同時に出願された米国特許出願整理番号第_____号[代理人整理番号3156−046H]「大気汚染制御放出の平均値所望値への移転に対する制御」と、本願発明と同時に出願された米国特許出願整理番号第_____号[代理人整理番号3156−046J]の「大気汚染制御における利益の最大化及び損失の最小化」と、本願発明と同時に出願された米国特許出願整理番号第_____号[代理人整理番号3156−046K]の「大気汚染制御における規制クレジットの最大化」と関連がある。

技術分野

0002

本発明は、工程制御に関するものである。より詳細には、大気汚染制御に用いられるような工程の向上した制御のための技法に関する。このような工程の例としては、湿式及び乾式排煙脱硫(WFGDDFGD)、選択的接触還元SCR)による酸化窒素除去、及び電気集塵ESP)による粒子除去処理が含まれるが、これに限定されない。

背景技術

0003

湿式排煙脱硫:
既に言及したように、論議の基をなす幾つかの大気汚染制御工程が存在するが、WFGD工程が特に注目されている。WFGD工程は、電力業界において排煙からSO2を除去するために最も一般的に用いられる工程である。図1は、例えば石炭化燃料火力発電システムにより生成されるような汚染された排煙からSO2を除去し、商業レベル副産物、例えば最小の廃棄コストにより廃棄することができる特性を有するもの、もしくは商業用途において販売可能な特性を有するものなどを生成するための、湿式排煙脱硫(WFGD)サブシステムの概略を示すブロック線図である。

0004

現在、米国で良く使われているWFGDの副産物は、住宅及びオフィス建物に使用される人造壁板としての使用に適した比較的高品質(95%以上の純度)の商業レベルの石膏である。高品質(約92%)の商業レベルの石膏は、ヨーロッパ連合アジアでも現在よく使われているWFGDの副産物であるが、一般的には、セメント及び肥料として使用するために生産される。一方、高品質の石膏市場縮小する場合には、WFGDの副産物として生産される商業レベルの石膏の品質を最小のコストでの廃棄に必要な程度のより低い品質仕様を満たすまで低下させることも可能である。これに関して、例えば石膏の品質が住宅地埋立や、電力発電に使われる石炭掘り出した場所の埋め用として適している場合には、廃棄コストを最小化することができる。

0005

図1に示すように、汚染されたSO2が含まれた排煙112は、石炭火力発電システム110のボイラー又は節約装置(図示されない)から大気汚染制御システムAPC)120に排出される。一般に、APC120に流入する汚染された排煙112には、SO2のみならず、NOx及び粒子状物質等の、所謂その他の汚染物質も含まれている。WFGDサブシステムにより処理される前に、APC120に流入する汚染された排煙112は、まず汚染された排煙112からNOx及び粒子状物質を取り除くために、他のAPCサブシステム122に送られる。例えば、汚染された排煙は、選択的接触還元(SCR)サブシステム(図示されない)を用いてNOxを除去し、電気集塵サブシステム(EPS)(図示されない)又はフィルター(図示されない)を用いて粒子状物質を除去するように処理することができる。

0006

他のAPCサブシステム122から排出されたSO2含有排煙114は、WFGDサブシステム130に送られる。SO2含有排煙114は、吸収塔132により処理される。当業者に理解されるように、排煙114中のSO2は酸濃度が高い。従って、吸収塔132は、SO2含有の排煙114を、排煙114よりpHレベルの高い液状スラリー148と接触するように動作する。

0007

従来のWFGDサブシステムの大半は、図1に示すような種類のWFGD処理装置を含んで構成されている。これには様々な理由がある。例えば、当該分野で理解されるように、噴霧吸収塔を有するWFGD処理装置は、WFGD工程に対してある一定の好適な工程特性を有している。しかし、所望の場合、他の吸収/酸化機器構成を有するWFGD処理装置を図1に示すようなものの代りに用いてもよく、その場合、類似の排煙脱硫機能が提供され、本発明に提示されるより進化した工程制御の向上により同様の効果を達成することができる。明確性及び簡潔性を図るために、本発明における議論は、図1に示すような一般的な噴霧塔を参照して行われるが、提示される概念は、他のWFGDの構成にも適用可能である。

0008

逆流吸収塔132の処理においては、排煙114中のSO2が炭酸カルシウム豊富スラリー石灰石及び水)148と反応して亜硫酸カルシウムを形成するが、これは基本的に塩であり、これにより排煙114からSO2を取り除く。SO2が除去された排煙116は、吸収塔132から排出されて排気煙突117、もしくは下流処理機器(図示されない)に排出される。得られた変質スラリー144は、結晶化器134に導入され、ここで塩が結晶される。結晶化器134及び吸収器132は、通常、単一内にその間の何ら物理的分離を生じずに存在する一方、互いに異なる作用(気体状での吸収及び液体状での結晶化)が進行するが、この2つの作用は、同一工程の容器内で行われる。これから結晶化された塩を含む石膏スラリー146は、結晶化器134から脱水機136に送られる。さらに、石膏スラリー146と同一濃度結晶化塩を含んでもよく、含まなくともよい再循環のスラリー148は、ポンプ133により結晶化器134から吸収塔132に戻され、吸収サイクルが継続して行われる。

0009

送風機150は、周囲空気152を加圧して結晶化器134のための酸化空気154を生成する。酸化空気154は、結晶化器134内でスラリーと混合して亜硫酸カルシウムを酸化させ硫酸カルシウムにする。硫酸カルシウムの各分子は、水分子の2つと結合して通常、石膏160と呼ばれる化合物を形成する。このように、石膏160は、WFGD処理装置130から除去され、例えば建築レベルの人造壁板の製造業者に販売される。

0010

脱水機136から回収された水167は、ミキサー/ポンプ140に導入され、ここで粉砕機170から送られた新たに粉砕された石灰石174と混合されて石灰石スラリーを生成する。一部の工程水は石膏160及び廃棄水流169の両方で損失するため、清水供給源164から清水162がさらに添加され、石灰石スラリーの密度を維持する。また、灰等の廃棄物は、WFGD処理装置130から廃棄水流169を介して除去される。この廃棄水は、例えば灰沈殿池に送られるか、あるいはまた別の方式で廃棄される。

0011

要約すると、SO2含有の排煙114内のSO2は、吸収塔132のスラリー接触区域内でスラリー148により吸収された後、結晶化器134内で結晶化及び酸化され、脱水機136内で脱水されることにより、所望の工程副産物、この例では、商業レベルの石膏160を形成する。SO2含有の排煙114は、数秒単位で吸収塔132を通過する。結晶化器134により変換されたスラリー144内での塩の完全な結晶化には8時間〜20時間以上が必要な場合もある。従って、結晶化器134は、記憶、結晶化の役割をするために大容量である。再循環スラリー148は、付加的なSO2の回収のために吸収器の最上部に再びポンプ注入される。

0012

このように、スラリー148は、吸収塔132の上部に供給される。前記塔132は、通常スラリー148を塔132内に供給するための複数の水位噴霧ノズルを含む。吸収器132は逆流構造で動作しており、スラリースプレーは、吸収器内で下方に流れ、吸収塔の下部に供給された、上方に流れるSO2含有の排煙114と接触するようになる。

0013

石灰石供給源176から送られた新規の石灰石172は、まず粉砕機170(通常ボールミール)で粉砕された後、ミキサー14内で回収された水167及び清水/補充水162と混合されて石灰石スラリー141を形成する。バルブ163を通じたミキサー/タンク140への粉砕石灰石174及び水162の流れは、ミキサー/タンク140内に新規の石灰石スラリー141が十分に在庫として残るように調節される。新規の石灰石スラリー141の結晶化器134への流れは、スラリー148の適切なpHを維持するように調整され、これは次に排煙114から除去されるSO2の量を調節する。WFGD処理は、通常排煙から92〜97%のSO2除去率を示すが、当業者は、特定の技法を使用して有機酸をスラリーに添加することにより、SO2の除去率が97%以上とすることが可能であることが理解できる。

0014

上記のように、従来のWFGDサブシステムは、スラリーを再循環させる。通常一部の廃水及びその他の廃棄物が石膏生産中に生成されても、水は可能な範囲で再利用され、新規の石灰石スラリーを補充するのに使われるため、工程水を処理するときに発生する廃棄物及びコストを最小化することができる。

0015

石灰石は大半のところで容易に大量に入手可能であることから、石炭ガス脱硫処理における反応物として一般に使われている。しかし、他の反応物、例えば生石灰又はナトリウム化合物を石灰石の代りに使用してもよい。このような他の反応物は、通常、高価であるため現在の石灰石反応物と価格競争力がない。しかし、ミキサー140及び上流反応物の供給源に少しの変更を加えれば、既存の石灰石WFGDシステムが生石灰又はナトリウム化合物により動作させることができる。実際に、大半のWFGDシステムは、石灰バックアップシステムを有しており、石灰石の送達に問題が生じたり、そして/あるいは粉砕機170の保守整の延長の問題がある場合に動作する。

0016

図2は、図1に示すようなWFGDサブシステムのある一定の側面をより詳細に示している。図示するように、脱水機136は、第1次脱水機136A及び第2次脱水機136Bの両方を含んでもよい。第1次脱水機136Aは、好ましくは、石膏及び水を分離させるハイドロサイクロンを含む。第2次脱水機136Bは、好ましくは、石膏を乾燥させるベルト乾燥機を含む。既に述べたように、排煙114は、通常、側面から吸収器132に流入し、吸収塔の上部内に噴霧された石灰石スラリーミストを通過して上方に流れる。吸収器から抜け出る前に、排煙は、吸収器132の最上部に位置するミスト分離器(ME)(図示されない)を通過し、ミスト分離器は、排煙の流れから流入した液体及び固形物を除去する。ミスト分離器を固形物なしに維持するために、ME洗浄水200がミスト分離器に適用される。理解されるように、ME洗浄水200は、清水の供給源164からの水を使用して吸収塔132内のMEを清浄に維持する。ME洗浄水200は、WFGDサブシステム130に供給される最も純粋な水である。

0017

上記のように、石灰石スラリーミストは、吸収塔132を介して流れる排煙から高い割合のSO2(例えば、92〜97%)を吸収する。SO2を吸収した後、スラリー噴霧が結晶化器134に落下する。現実実装形態では、吸収塔132及び結晶化器134がしばしば単一の一体構造で設置され、構造内において吸収塔が結晶化器のすぐ上に位置する。その場合には、スラリー噴霧が簡単に一体構造の基底に落下して結晶化される。

0018

石灰石スラリーは、結晶化器134内でSO2と反応して石膏(硫酸カルシウム二水和物)を生成する。既に言及したように、強制圧縮酸化空気154が酸化を促すために使われ、酸化は以下の反応により行われる。

0019

SO2+CaCO3+1/2O2+2H2O→CaSO4・2H2O+CO2 (1)
酸化空気154は、送風機150により結晶化器134内に強制流入する。酸化空気は、亜硫酸カルシウムの硫酸カルシウムへの転換に必要な付加的酸素を提供する。

0020

吸収塔132は、環境規制に基づいて要求される高い除去効率を達成するために必要な排煙と液状スラリーの密接な接触を実現するのに使われる。逆流開放噴霧吸収塔は、石灰石−石膏WFGD処理に特に好適な特性を提供する。これは本質的に確実な方法であり、他の塔方式のWFGD処理装置の構成要素に比べて閉塞の可能性が低く、圧力低下が少なく、資金及び運営コストのすべての面で有利である。

0021

図2に示すように、水供給源164は、通常、十分な量の清水を保存するための水タンク164Aを有する。また、通常、吸収塔132に送られるME洗浄水200を加圧するための1つ以上のポンプ164B、及びミキサー140に送られる清水の流れ162を加圧するための1つ以上のポンプ164Cを有する。ミキサー140は、混合タンク140A、及び新規の石灰石スラリー141を結晶化器134に移動させるための少なくとも1つのスラリーポンプ140Bを有する。1つ以上の付加的な極めて大容量のスラリーポンプ133(図1参照)は、スラリー148を結晶化器134から吸収塔132の最上部にある複数のスプレーレベルに引き上げるために必要である。

0022

以下に説明するように、通常、石灰石スラリー148は、吸収塔132の様々なレベルに位置する噴霧ノズル(図示せず)を介して吸収塔132に流入する。完全負荷の場合、大半のWFGDサブシステムは、1つ以上の予備スラリーポンプ133を用いて動作する。負荷が減少した場合には、しばしば減少した数のスラリーポンプ133により、所要のSO2除去効率を達成することができる。これは、スラリーポンプ133のポンプ注入負荷を減少させ、顕著な経済的効果をもたらす。前記ポンプは、世界で最も大きなポンプのうちの1つであり、電力グリッド寄生電力負荷)として直接販売できる電気で駆動される。

0023

石膏160は、第1次脱水機136A内で、通常、ハイドロサイクロンにより石膏スラリー146中の液体から分離される。ハイドロサイクル、及び/又は第1次脱水機136Aの1つ以上のその他の構成要素の上層流は少量の固形物を含む。図2に示すように、この上層流のスラリー146Aは、結晶化器134に戻される。回収された水167は、ミキサー140に戻されて新規の石灰石スラリーを製造する。他の廃棄物168は、通常、第1次脱水機136Aから灰沈澱池210に導入される。下層流のスラリー202は、第2次脱水機136Bに導入されるが、前記脱水機は、ベルトしばしばフィルターの形態を有し、ここで、スラリーが乾燥されて石膏の副産物160が生成される。同様に、第2次脱水機136Bから回収された水167は、ミキサー/ポンプ167に戻される。図1に示すように、持っているものや、他の石膏サンプル(161)を一般的に数時間ごとに採集して分析し、石膏160の純度を測定する。石膏の純度の直接的なオンライン測定は不可能である。

0024

図1に示すように、比例積分微分(PID)制御器180が通常、フィードフォワード制御器FF)190とともにWFGDサブシステムの動作を制御するために用いられる。旧来よりPID制御器は、空気圧アナログ制御機能を志向したものである。今日では、PID制御器は、数学公式を使用してデジタル制御機能を志向したものになっている。FF190/PID制御器180の最終目標は、確立している連結関係に基づいてスラリーpHを制御することである。例えば、図1のバルブ199の調整と、結晶化器134から吸収塔132へ流れるスラリー148の測定されたpH値の間に構築された連結関係がある場合、バルブ199は、スラリー148のpHが設定点(SP)と呼ばれる所望の値186に相応するように制御される。

0025

FF190/PID制御器180は、pH設定点に基づいてバルブ199を介して石灰石スラリー141のフローを調整し、pHセンサー182により測定されたスラリー148のpH値を高めたり低下させたりする。理解されるように、これは、それぞれの制御信号(181及び191)を送るFF/PID制御器により達成され、これは、フロー制御SP196により示されるバルブ調整命令を、好ましくは、バルブ199の一部であるフロー制御器に伝達する。フロー制御SP196に反応し、フロー制御器は次にバルブ199の調整を誘導し、ミキサー/ポンプ140から結晶化器134への石灰石スラリー141の流れを変更する。

0026

この例では、FF制御器190及びPID制御器180の組合わせによるpH制御を示している。一部の設備は、FF制御器190を含まない場合もある。

0027

この例において、PID制御器180は、pHセンサー182から受信した測定されたスラリーpH値183を、結晶化器134から吸収塔132へ流れるスラリー148の測定されたpH値183の間に構築された連結関係を示す石灰石フロー制御アルゴリズム従って処理してPID制御信号181を生成する。前記アルゴリズムは、通常PID制御器180に保存されるが、これは必須ではない。制御信号181は、例えばバルブ199のためのバルブ設定点(VSP)、又はバルブ199を抜け出る粉砕された石灰石スラリー141の流れのための測定値設定点(MVSP)を示すことができる。

0028

該当分野で理解されるように、PID制御器180で使用されるアルゴリズムは、比例要素積分要素及び微分要素を含む。PID制御器180は、まず、所望のSPと測定値との間の差を計算して誤差を求める。次に、PID制御器は、その誤差をアルゴリズムの比例要素に適用するが、これはそのPID制御器、又は複数のPID制御器がWFGDサブシステムに使用される場合には、それぞれのPID制御器のために調整可能な定数である。PID制御器は、通常、調整係数又は処理利得(process gain)を前記誤差と乗算し、バルブ199の調整のための比例関数を求める。

0029

しかし、PID制御器180が調整係数又は処理利得に対する正確な値を持たない場合や、工程条件が変化する場合には、比例関数が不正確になる。この精度の低さのため、PID制御器180により生成されるVSP又はMVSPは、実際に所望のSPに相応する値を相殺するようになる。従って、PID制御器180は、積分要素を用いて経時的に蓄積された誤差を適用する。積分要素は時間係数である。ここで、再びPID制御器180は、調整係数又は処理利得を蓄積された誤差と乗算し、差減要素を除去する。

0030

次に、微分要素を調整する。微分要素は加速係数であって、継続的に変化が起こる。実際に、微分要素は、WFGD工程制御に使われるPID制御器にはあまり適用されない。これは、微分要素の適用がこの種の制御応用分野では特別に有効ではないためである。従って、WFGDサブシステムに使用される大半の制御器は、実際にはPI制御器である。しかし、当業者は、必要な場合、PID制御器180を従来の方式で微分要素を適用するのに必要な論理として容易に設定できることが理解できる。

0031

要約すると、3つの調整定数が存在するが、これは、工程値、例えば吸収塔132に流入する再循環スラリー148のpHを設定点、例えば新規の石灰石スラリー141の結晶化器134への流れで制御するために、通常のPID制御器により適用することができる。いずれの設定点が使われても、これは常に工程値の側面から構築され、所望の結果、例えば吸収塔132から排出された排煙116に残存するSO2の値の側面から構築されない。言い換えれば、設定点は工程の側面から扱われており、制御された工程値は、PID制御器がその値を制御できるようにするために直接測定可能である必要がある。アルゴリズムの正確な形態は、装置の販売者ごとに異なるが、基本的なPID制御アルゴリズムは装置産業で75年以上過ぎても使用されている。

0032

再び図1及び図2を参照すれば、PID制御器180及びFF制御器190から受信した命令を基にフロー制御器は信号を生成するが、これはバルブ199を開閉することにより粉砕された石灰石スラリー141の流れを増加又は減少させる。フロー制御器は、バルブ199がVSPと一致するように開いたり閉まるまで、又はバルブ199に流れる石灰石スラリー141量の測定値がMVSPと一致するまでバルブの調整を引き続き制御する。

0033

上記のような例示的な従来のWFGD制御においては、スラリー148のpHが所望のpH設定点186に基づいて制御される。制御を行うために、PID180は、センサー182から工程値、つまりスラリー148のpH183の測定値を受信する。PID制御器180は、前記工程値を処理してバルブ199に対する命令181を生成し、ミキサー/タンク140からの結晶化器のスラリー144よりpHが高い新規の石灰石スラリー141の流れを調整し、これにより、スラリー148のpHを調整する。前記命令181によりバルブ199をさらに開く場合は、より多くの石灰石スラリー141がミキサー140から結晶化器134内に流れ、スラリー148のpHを増加させる。一方、命令181に従ってバルブ199を閉める場合は、ミキサー140から結晶化器134内への石灰石スラリー141の流れがより小さくなり、スラリー148のpHを低下させる。

0034

さらに、WFGDサブシステムでは、安定した動作を保障するためにフィードフォワード装置190を用いてフィードフォワードループを導入してもよい。図1に示すように、吸収塔132に流入する排煙114中のSO2の濃度値はセンサー188により測定され、フィードフォワード装置190に入力される。FF制御要素を含む複数のWFGDシステムは、流入する排煙SO2の濃度189を電力発電システム110からの発電機負荷計測と組み合わせて、単に濃度ではなく、むしろ流入SO2の量を測定し、次いでこの流入SO2の量をFF190に対する入力値として使用してもよい。フィードフォワード装置190は、時間遅延に伴う比例要素の役割をする。

0035

このような例示的な実装形態において、フィードフォワード装置190は、センサー188から一連のSO2測定値189を受信する。フィードフォワード装置190は、現在受信した濃度値を、直前に受信した濃度値と比較する。フィードフォワード装置190がSO2の測定濃度に対して、例えば百万分の1000〜1200の変化が発生したと判断する場合には、階段関数平滑化する論理として設定され、動作における急激な変化を避けるようになる。

0036

フィードフォワードループは、正常な動作の安定性飛躍的に向上させるが、その理由は、スラリー148のpH値と結晶化器134へ流れる石灰石スラリー141の量との間の関係が極めて非線形的であり、PID制御器180は、效果的な線形制御器であるためである。従って、フィードフォワードループなしでは、PID180が同一の調整定数として広範囲なpHに対する適切な制御を行うことは非常に難しい。

0037

スラリー148のpHを制御することにより、PID制御器180は、SO2含有の排煙114からSO2の除去、及びWFGDサブシステムにより生成される石膏副産物160の量の両方に影響を及ぼす。新規の石灰石スラリー141の流れを増加させてスラリーのpHを増加させる場合、SO2含有の排煙114から除去されるSO2の量が増加する。一方、石灰石スラリー141の流れを増加させ、これによりスラリー148のpHを増加させる場合には、吸収以降のSO2酸化が遅れ、そのため亜硫酸カルシウムの硫酸塩への変換も遅れるようになり、その結果、生産される石膏160の量が低下するようになる。

0038

このため、SO2含有の排煙114からSO2を除去し、石膏副産物160の必要量を維持するなど、対峙する制御目的が存在する。すなわち、SO2排出の要件と、石膏量の要件との間に対峙がある。

0039

図3には、図1及び図2を参照して記載したWFGDサブシステムの他の側面について示されている。図示するように、SO2含有の排煙114は、開口310を介して吸収塔132の基低部分に流入し、SO2非含有排煙116は、開口312を介して吸収塔132の上部に流出する。このような通常の実装形態では、逆流吸収塔が複数のスラリースプレーレベルを有するものとして示される。このように、ME洗浄水200が吸収塔132に流入し、洗浄水の噴霧器(図示されない)により分散される。

0040

さらに、多重吸収塔スラリーノズル(306A、306B及び306C)が示されており、これらはそれぞれスラリー噴霧器(308A、308B又は308C)を有するが、これはスラリーを排煙内に噴霧してSO2を吸収する。スラリー148は、図1に示されるような結晶化器134から複数のポンプ(133A、133B及び133C)によりポンプ注入されるが、これらはそれぞれスラリーを互いに異なるレベルのスラリーノズル(306A、306B又は306C)のうちの1つにまでポンプ注入する。3つの互いに異なるレベルのスラリーノズル及び噴霧器を示しているが、ノズル及び噴霧器の個数は、各々の実装形態により変化する。

0041

吸収器132から出る排煙116の流速に対する吸収器132に流入する液状スラリー148の流速の比率は、通常、L/Gで特徴付けられる。L/Gは、WFGDサブシステムの主要設計パラメータの1つである。

0042

Gで示される排煙116(蒸気飽和したもの)の流速は、WFGD処理装置130の上流にある電力発電システム110から出る流入排煙112の関数である。従って、Gは制御されず、制御することもできないが、WFGD処理中に指定されなければならない。このため、L/Gに影響を及ぼすためには「L」を調整する必要がある。動作中のスラリーポンプの個数、及びこれらスラリーポンプの配列(line-up)を調整する場合、Lで示されるWFGD吸収塔132に流れる液状スラリー148の流速が制御される。例えば、単に2つのポンプのみ動作する場合には、ポンプを上部の2つのスプレーレベルで動作させるのに対して、ポンプを最上部及び基底部のスプレーレベルで動作させることは、異なる「L」を生成することになる。

0043

スラリーポンプ(133A、133B及び133C)の動作を制御することにより「L」を調整することができる。ポンプを個別にオンオフすることにより吸収塔132に流れる液状スラリー148の流速、及び液状スラリー148が吸収塔に導入される有効の高さを調整することができる。スラリーが塔に導入される高さが高いほど、排煙との接触時間がより長くなり、より多くのSO2が除去されるが、このような付加的なSO2の除去は、スラリーをさらに高いスプレーレベルまでポンプ注入するための電力消費の増加が伴う。ポンプの個数が多くなるほど、そのような制御の粒度(granularity)が大きくなることが分かる。

0044

極めて大きな部分を占める回転装置であるポンプ(133A〜133C)は、自動又は手動で開始又は停止することができる。米国では、しばしばこのようなポンプがサブシステムの操作者により手動で制御されることがある。ヨーロッパでは、ポンプ(13A〜133C)等の回転装置の開始又は停止を自動化するのが一般的である。

0045

WFGD処理装置130に流入する排煙114の流速が電力発電システム110の動作における変化により変更される場合、WFGDサブシステムの操作者は、前記ポンプ(133A〜133C)のうちの1つ以上の動作を調整することができる。例えば、排煙の流速が設計負荷の50%に低下した場合、操作者又は制御システムにおける特殊論理は、1つ以上のスプレーレベルでスプレーレベルのノズルでスラリーをポンプ注入するポンプのうちの1つ以上を閉鎖してもよい。

0046

図3には示されていないが、ポンプ及びスラリーノズルを有する余分のスプレーレベルが、もう1つのポンプ、又は第1のスプレーレベルに伴うその他のスラリーノズル及び/又はスラリー噴霧器の保守整備の間に使用されるように提供されることが分かる。このような余分のスプレーレベルは、吸収塔、及びそれに伴うサブシステムのコストを増加させる。このため、一部のWFGDの所有者は、余分のスプレーレベルを排除し、このような追加コストが生じないようにし、その代りにスラリーに有機酸を添加して吸収能を高め、これにより保守整備期間中に排煙からSO2を除去するようにしている。しかし、このような添加剤は高価なため、それの使用は製造コストを増加させ、これは時間が経つにつれて資本コストの削減分を相殺することもあり得る。

0047

前記式1に示すように、SO2を吸収するためには、排煙中のSO2とスラリー中の石灰石との間に化学的反応が要求される。吸収器内の化学的反応の結果は亜硫酸カルシウムの生成である。結晶化器134内では、亜硫酸カルシウムが酸化して硫酸カルシウム(石膏)を形成する。このような化学的反応の間に酸素が消費される。十分な酸素を提供して反応速度を速めるため、圧縮空気154を結晶化器134内の液状スラリー内に送風する方法で付加的なO2を添加する。

0048

より詳細には、図1に示すように、周囲空気152が圧縮されて圧縮空気154を形成し、再循環スラリー148中の亜硫酸カルシウムを酸化させるために送風機150、例えば扇風機を使用して結晶化器134内に強制流入し、前記再循環スラリーは、結晶化器134から吸収器132に戻され、石膏スラリー146は、追加処理のために脱水システム136に送られる。酸化空気154の流れの調整を容易に行うために、送風機150は、速度又は負荷制御機構を有してもよい。

0049

好ましくは、結晶化器134内のスラリーは過剰量の酸素を有する。しかし、スラリーにより吸収されたり、あるいは収容される酸素の量には上限がある。スラリー内のO2レベルが低すぎる場合には、スラリー中のCaSO3のCaSO4に対する化学的酸化が停止する。これを石灰石の沈床という。石灰石の沈床が発生すれば、石灰石がスラリー溶液中に溶解することが止まり、SO2の除去が著しく低下する。微量の一部のミネラルの存在も亜硫酸カルシウムの酸化及び/又は石灰石の溶解を遅らせ、石灰石の沈床を発生させる場合がある。

0050

スラリーに溶解するO2の量は測定可能パラメータでないため、通常のWFGDサブシステムでは適切な注意を払わなければ、スラリーのO2欠乏が生じる可能性もある。これは特にによく発生するが、周囲空気温度が高いほど、周囲空気152の密度が低くなり、送風機150により結晶化器134内に最高の速度又は負荷で強制流入される酸化空気154の量が減少する。さらに、排煙から除去されるSO2の量が著しく増加する場合には、相応する量の追加のO2がSO2の酸化に必要である。従って、WFGD処理装置へのSO2の流れの増加に伴い、スラリーは事実上O2が欠乏する可能性がある。

0051

設計の割合内で吸収されたSO2を酸化するのに十分な圧縮空気154を注入する必要がある。送風機150の速度又は負荷が調整可能である場合は、送風機150をより低いSO2負荷で、及び/又は周囲空気温度を冷却させる間に低下させることがエネルギーの節約のために好ましい。

0052

送風機150が最大負荷に逹したり、あるいは調整不可能な送風機150のすべてのO2が使用される場合には、SO2を漸増させる酸化を生じさせることができない。負荷のピーク時、又はSO2除去率を正確に追跡する送風機150の速度制御がない場合、結晶化器134内のO2不足が発生する可能性がある。

0053

しかし、スラリー中のO2を測定することが不可能なため、スラリー中のO2のレベルは、従来のWFGDサブシステムの動作に対する制約として使用されない。従って、結晶化器134内のスラリーにO2欠乏が発生した場合、正確にモニタリングする方法がない。このため、せいぜい操作者は、石膏副産物160の品質が著しく低下したときにスラリーにO2欠乏が発生したと推定し、スラリー内に強制流入するO2と、酸化すべき吸収されたSO2のバランスをとるために、送風機150の速度又は負荷を制御、そして/あるいはSO2の吸収効率を低下させるための最善の判断を行うようにする。このように、従来のWFGDサブシステムでは、スラリー内に強制流入するO2と、排煙から吸収される必要があるSO2のバランスをとることが操作者の判断によって行われる。

0054

要約すると、公共設備分野で使用される大型のWFGDサブシステムの一般的な制御は、通常、分散制御システム(DCS)内で行われ、一般的にオン/オフ制御論理及びFF/PIDフィードバック制御ループで構成される。制御されるパラメータは、スラリーのpHレベル、L/Gの割合及び強制流入する酸化空気の流れに限定されている。

0055

pHは、SO2の高い溶解度(つまりSO2除去効率)、高品質(純度)石膏、及びスケール沈積の防止を保障するためにある一定の範囲内に維持されなければならない。動作pHの範囲は、機器及び動作条件の関数である。pHは、新規の石灰石スラリー141の結晶化器134への流れを調整することにより制御される。石灰石スラリーのフロー調整は、センサーで検出されるスラリーの測定されたpHに基づいて行われる。1つの実装形態では、PID制御器及び場合により、DCSに含まれたFF制御器が石灰石スラリーのフロー制御器に従属接続されている。標準デフォルトPIDアルゴリズムがpH制御応用分野で使用される。

0056

液体に対するガスの割合(L/G)は、吸収塔132に流れる液状スラリー148に対する排煙フロー114の割合である。所与のサブシステム変数のセットに対して、液状スラリー148中のSO2の溶解度を基準として所望のSO2吸収を達成するための最低限のL/Gの割合が要求される。L/Gの割合は、排煙114の流れが変わるときや、スラリーポンプ133がオン/オフする際に通常発生する液状スラリー148の流れが変わるときに変化する。

0057

亜硫酸カルシウムの酸化による硫酸カルシウム、つまり石膏の形成は、結晶化器134の反応タンク内の付加的酸素を用いた強制酸化により促進される。付加的酸素は、結晶化器134内のスラリー溶液内に空気を送風することにより導入される。酸化が不十分な場合には、亜硫酸塩−石灰石の沈床が発生し、石膏品質の低下、及びSO2除去効率の低下の可能性、及び廃水の高い化学的酸素要求量COD)をもたらす可能性がある。

0058

一般的なWFGD工程の制御スキームは、統合された目的よりは個別の目的を有する標準制御ブロックで構成される。現在は、操作者がエンジニアリングスタッフ相談し、工程の全体的な最適制御を提供するために努力しなければならない。このような制御を提供するために、操作者は様々な目標及び制約を考慮する必要がある。

0059

WFGD動作コスト−電力プラントの最小化は、所有者に利益をもたらすためにのみ実施されるものである。従って、WFGDサブシステムを、工程、規制及び副産物の品質的制約、及び経営環境を考慮して最低の適正コストで動作させることが有益である。

0060

SO2除去効率の最大化−清浄空気規制は、SO2除去の要件をなす。WFGDサブシステムは、工程、規制及び副産物の品質的制約及び経営環境の観点からSO2を效率的に、かつ、適切に除去できるように動作させる必要がある。

0061

石膏品質の規定を充足−副産物である石膏の販売は、WFGD動作コストを軽減し、所望の規定を充足する副産物の純度に大きく依存している。WFGDサブシステムは、工程、規制及び副産物の品質的制約及び経営環境の観点から石膏副産物を良好な品質で生産できるように動作させる必要がある。

0062

石灰石の沈床の防止−燃料の硫含有量負荷変動及び変化は、排煙114中のSO2の偏位を起こす可能性がある。適切な補償の調整が行われない場合、スラリー内に高濃度の亜硫酸塩を発生させるおそれがあり、これは次に石灰石の沈床、吸収塔132のSO2除去効率の低下、石膏品質の劣化、及び廃水の高い化学的酸素要求量(COD)をもたらす。WFGDサブシステムは、工程制約の観点から石灰石の沈床を防止できるように動作させる必要がある。

0063

通常の動作の手順においては、WFGDサブシステムの操作者がWFGD工程に対する従来の動作手順及び知識に基づき、このような相反する目標及び制約のバランスをとることができるようにWFGD工程の設定点を決める。設定点には、通常、pH、スラリーポンプ133、及び酸化空気送風機150の動作状態が含まれる。WFGD工程には、複雑な相互作用及び動力学が存在する。従って、操作者は、WFGDサブシステムがSO2除去及び石膏純度に対する厳しい制約を充足/解消できるように控え目な動作パラメータを選択する。このような控え目な選択を行うことにより、操作者は、常に又はしばしば、最小コストでの動作を犠牲にしている。

0064

例えば、図4は、SO2除去効率及び石膏純度をpH関数として示したものである。pHが増加すれば、SO2除去効率が向上するが、石膏純度は低下する。操作者は、SO2除去効率及び石膏純度の両方の改善が目的であるため、操作者は、このような相反する目標における妥協点となるpHの設定点を決めなければならない。

0065

また、大半の場合、操作者には、保障された石膏の純度レベル、例えば95%の純度を満足させるようにすることが要求される。図4に示すような関係の複雑性、石膏純度の直接的なオンライン測定の欠如石膏結晶化の長期動力学、及び動作の無秩序な変化のため、操作者はしばしば、石膏純度のレベルがいかなる状況でも明示された制約より高くなるように保障できるpHの設定点を入力するように選択する。しかし、石膏純度を保障するために、操作者は、SO2除去効率を犠牲にしている。例えば、図4グラフのように、操作者は95%の石膏純度の制約に対し、さらに1%の備え分を保障するために、5.4pHを選択してもよい。しかし、このpH設定点を選択する場合、操作者は3%のSO2除去効率を放棄することになる。

0066

操作者は、SO2負荷、つまり排煙114の流れが最高レベルから中間レベルに低下する場合、類似の犠牲を伴うことになる。このような転移中のいくつかの時点では、ポンプの連続動作が単に少しだけ高いSO2除去効率を提供することもあるため、エネルギー節約のために1つ以上のスラリーポンプ133を停止することが効果的な場合がある。しかし、電力コストとSO2除去効率の関係について大半の操作者があまり理解していないため、操作者は控え目なアクセス方法を選択する。このようなアクセス方法により、操作者は1つ以上のスラリーポンプ133を消すことがより効果的であるにもかかわらず、スラリーポンプ133の配列を調整しない場合もある。

0067

また、複数の規制放出の許容値モーメント放出の限界及び一部形態の連続平均放出の限界の両方を提供することは周知である。連続平均放出の限界とは、移動する又は経過する一定時間窓におけるモーメント放出値の平均である。前記時間窓は、1時間程度だけ短いか、1年程度だけ長い場合もある。一部の典型的な時間窓は、1時間、3時間、8時間、24時間、1ヶ月、及び1年である。動的な工程脱離を許容するために、モーメント放出の限界は通常、連続平均の限界よりさらに高い。しかし、モーメント放出限界での持続した動作は、連続平均限界の違反をもたらす。

0068

従来、PID180は、比較的簡単なモーメント限界までの放出を制御する。そのために、工程に対する動作制約、つまり瞬時値を実際の規制放出限界内に設定して安全的な範囲を提供する。

0069

一方、連続平均限界までの放出を制御することはより複雑である。連続平均のための時間窓は継続的に進む。従って、任意の所与の時点では幾つかの時間窓がアクティブであり、1つの時間窓が所与の時点から一定の時間後に跨っており、また他の時間窓が所与の時点から一定の時間前に跨っていることになる。

0070

一般的に、操作者は、モーメント限界のために、単純にPID180に設定されている動作制約と実際の規制放出限界との間で十分な余裕を維持することにより、又は連続平均限界の観点から動作制約を設定するために操作者の判断を働かせることにより、連続平均限界の放出を調節する試みをする。この2つの場合において、連続平均放出の明らかな制御は行われておらず、結果的に、連続平均限界の遵守を保障するか、もしくはコストがかかる過度の遵守(over-compliance)を防止するための方法はない。

0071

選択的接触還元システム:
簡単に、他の大気汚染制御工程であるNOx除去用選択的接触還元(SCR)システムを見れば、類似の動作上の問題を確認することができる。SCR工程の概要図20に示す。

0072

以下の工程概要は、「酸化窒素放出の制御:選択的接触還元(SCR)(Control of Nitrogen Oxide Emissions:Selective Catalytic Reduction(SCR))、主題報告書第9号、Clean Coal Technology、米国エネルギー省、1997」に開示されている:

0073

工程の概要
一次的に、NO及びより少量のNO2で構成されるNOxは、酸素の存在下で触媒上でNH3との反応により窒素に変換される。石炭内の硫黄の酸化によりボイラーで生成される少量のSO2は、SCR触媒により酸化して三酸化硫黄(SO3)にされる。また、副反応は、好ましくない副産物である硫酸アンモニウム(NH4)2SO4及び硫酸水素アンモニウムNH4HSO4を生成することがある。これらの副産物の形成を支配する複雑な関係があるが、これは工程条件の適切な制御により最小化することができる。

0074

アンモニアスリップ
SCR反応器の下流の排煙中の未反応NH3をNH3スリップ(slip)という。下流装置の閉塞及び腐蝕を起こす可能性のある(NH4)2SO4及びNH4HSO4の形成を最小化するためには、NH3スリップを5ppm未満、好ましくは2〜3ppmに維持することが必須である。これは、高い硫含量の石炭ではより大きな問題になるが、燃料の硫含量及びSCR反応器でのSO2の酸化により、初期高レベルのSO3からもたらされる高レベルのSO3により発生する問題である。

0075

作動温度
触媒コストは、SCR装置資金コストの15〜20%を占めている。従って、空間速度を最大化にし、触媒の体積を最小化することができる程度の高温で動作することが必須である。同時に、SCR反応よりさらに温度敏感性であるSO2のSO3への酸化率を最小化する必要がある。チタン及びバナジウム酸化物触媒を使用するSCR工程の最適な動作温度は、約650〜750°Fである。大半の設備は、排煙温度の低い期間、例えば低負荷操作中に排煙を所望の温度で反応器に提供するために迂回の節約装置を使用する。

0076

触媒
SCR触媒は、担持体酸化チタン)及び活性成分バナジウム及び一部の場合にタングステン酸化物)の混合物であるセラミック材料からなっている。現在使用されるSCR触媒の2つの主な形状は、蜂巣状及び板状である。蜂巣状は、一般的に触媒が構造全体混入されたり、あるいは(均質基材上にコートされた押出セラミックである。板状は、支持体材料が一般的に触媒でコートされている。塵を含む排煙を処理する場合には、反応器は通常垂直で、排煙は下方に流れる。触媒は、通常一連の2〜4個のベッド又は層で配列されている。より良好な触媒の使用方法では、3層又は4層を使用することが良く、さらに1つの層を予備とするが、初期には設置されない。

0077

触媒活性が低下する場合には、付加的触媒が反応器内の利用可能な空間に設置される。不活性化が続く場合には、触媒はローテーションにより最上部から始めて1度に1層ずつ交替される。このような方法は、触媒の使用における最大の効果をもたらす。触媒は、蒸気を洗浄剤として沈着物を除去するために周期的にの除去処理を行う。

0078

化学
SCR工程の化学反応は、以下のとおりである:
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O
2NO2+4NH3+O2→3N2+6H2O
副反応は、以下のとおりである:
SO2+1/2 O2→SO3
2NH3+SO3+H2O→(NH4)2SO4
NH3+SO3+H2O→NH4HSO4

0079

工程説明
図20に示すように、汚染された排煙112は、電力発電システム110から排出される。この排煙は、選択的接触還元(SCR)サブシステム2170に流入する前に、他の大気汚染制御(APC)サブシステム122により処理されてもよい。さらに、排煙は、SCRから排出された後、又は煙突117から排出される前に、他のAPCサブシステム(図示されず)により処理されてもよい。流入する排煙中のNOxは、1つ以上の分析器2003により測定される。NOxが含まれた排煙2008は、アンモニア(NH3)注入グリッド2050を通過する。アンモニア2061は、アンモニア/希釈空気ミキサー2070により希釈空気2081と混合される。混合物2071は、注入グリッド2050により排煙内に投入される。希釈空気送風機2080は、周囲空気152をミキサー2070に供給し、アンモニア保存及び供給のサブシステム2060は、アンモニアをミキサー2070に供給する。Noxを含む排煙、アンモニア及び希釈空気2055は、SCR反応器2002内を通ってSCR触媒の上を通過する。SCR触媒は、NOxとアンモニアが窒素及び水に還元される反応を促進する。NOxが含まれていない排煙2008は、SCR反応器2002から排出され、潜在的に他のAPCサブシステム(図示されない)及び煙突117を通じてプラントから排出される。

0080

SCR反応器2002から排出されるNOxが含まれていない排煙の流れ2008、又は煙突117には付加的なNox分析器2004がある。測定されたNOx流出口値2111も、測定されたNOx流入口値2112と合計してNoxの除去効率2110を計算する。Noxの除去効率は、排煙から除去される流入NOxの割合で定義される。

0081

計算されたNoxの除去効率2022は、アンモニア/希釈空気ミキサー2070及び最終的にはアンモニア注入グリッド2050に対するアンモニア流速設定点2021Aをリセットする調節制御システムに入力される。

0082

SCR工程制御
通常のSCR制御システムは、図20に示されるような段階的制御システムに依存している。内部PID制御器ループ2010は、ミキサー2070内に流れるアンモニア流れ2014を制御するのに使われる。外部のPID制御器ループ2020は、NOx排出を制御するのに使われる。操作者は、NOx排出除去効率設定点2031を外部ループ2020に入力することを担当する。図21に示すように、セレクター2030は、操作者が入力する設定点2031に対する上限制約2032を設定するのに使われる。また、制御器が負荷転換を適切に行うことができるようにするため、負荷用フィードフォワード信号2221(図21には示されていない)がしばしば使用される。このような実装形態では、負荷センサー2009が電力発電システム110の測定された負荷2809を生成する。この測定された負荷2809は、信号2221を生成する制御器2220に送られる。信号2221は、アンモニア流れ設定点2021Aを合計して調整されたアンモニア流れの設定点2021Bを形成し、これは、PID制御器2010に送られる。PID2010は、設定点2021Bを測定されたアンモニア流れ2012と合計して、ミキサー2070に供給されるアンモニアの量を制御するアンモニア流れVP2011を形成する。

0083

この制御器のメリットは、次のとおりである:
1.標準制御器:SCRの製造業者及び触媒販売者により明示される要件を実施するために使われる単純な標準制御器の設計である。
2.DCS基盤の制御器:構造は比較的単純で、装置のDCSで実行されることができ、機器及び触媒操作の要件を施行する最も安価な制御仕様である。

0084

SCR操作の問題点:
多数の操作パラメータがSCR操作に影響を及ぼす:
・流入NOx負荷、
・NOx:アンモニアの局所モル比
・排煙温度、及び
触媒品質、利用可能性及び活性

0085

図20制御機器に関わる操作上の問題点には、以下のようなものがある:
1.アンモニアスリップの測定:アンモニアスリップを明示された制約内に維持することは、SCRの操作において非常に重要である。しかし、アンモニアスリップを計算しなかったり、あるいはオンライン測定を行わないこともしばしばである。アンモニアスリップの測定が利用可能であっても、制御ループに直接含まれない場合がある。このため、SCR操作に最も重要な変数の1つが測定されない。

0086

SCR操作の目的は、最小のアンモニア「スリップ」と、所望のレベルのNOx除去率を得ることである。アンモニアスリップは、Noxの含まれていない排煙流れの中で未反応アンモニアの量により定義される。アンモニアスリップのうちアンモニアの実際の量に関わる経済的コストは少ないが、アンモニアスリップの否定的な影響は大きい:
・アンモニアは、排煙中のSO3と反応して塩を形成することができる。これは、空気予備加熱器熱伝達の表面上に沈着する。この塩が空気予備加熱器による熱伝達を低下させるだけでなく、灰を付着させて熱伝達をさらに低下させる。一定時点で空気予備加熱器の熱伝達は、予備加熱器が掃除洗浄)のために作業から除去される時点まで低下する。最小限に、空気予備加熱器の水洗は、装置速度を低下させる結果となる。
・アンモニアもまた、触媒に吸収される(触媒はアンモニアスポンジであってもよい)。排煙/NOx負荷の急激な減少は、異常に高い短期アンモニアスリップをもたらすことがある。これは、単に一時的な状態であり、通常の制御システムの範囲外である。特性上、一時的ではあるが、このスリップされたアンモニアは依然としてSO3と結合し、塩が空気予備加熱器に沈着する;短期間ではあっても、動的な一時現象は、空気予備加熱器上に塩層を多く蓄積(及び飛散灰の付着を促進)する可能性がある。
・アンモニアは、大気汚染物質として定義される。アンモニアスリップが非常に少量であっても、アンモニアは臭いが非常に強いため、比較的微量でも地域社会で臭いの問題を発生させることがある。
・アンモニアは、飛散灰に吸収される。飛散灰中のアンモニア濃度が大きすぎる場合、飛散灰の廃棄にかかるコストが増加する。

0087

2.NOx除去効率の設定点:アンモニアスリップの測定を行わない場合、NOx除去効率の設定点2031は、アンモニアスリップをスリップ制限よりはるかに下に維持するために、操作者/エンジニアリングスタッフによりしばしば控え目に設定される。NOxの設定点を控え目に選択することで、操作者/エンジニアらは、SCR全体の除去効率を低下させる。NOx除去効率のための控え目な設定点は、アンモニアスリップ制限を犯さないことを保障することはできるものの、システムがアンモニアスリップ制限いっぱいで動作する場合、可能な効率範囲よりも効率が低くなることもある。

0088

3.SCRに対する温度効果:標準制御システムでは、SCR流入ガス温度を制御する試みが行われないことが明らかである。一般的に、気体の温度を保障する一部の方法は、施行される許容可能な限界内であり、温度が最小限度未満であればアンモニア注入を防止する。大半の場合、温度を実際に制御したり、あるいは最適化しようとする試みはない。また、温度を基にしたり、あるいは温度プロファイルを基にするNOx設定点の変更は行われない。

0089

4.NOx及び速度プロファイル:ボイラー動作及び配管は、SCRの表面を通じたNOxの非均一分布に寄与する。最小のアンモニアスリップのために、NOx:アンモニアの割合を制御する必要があり、均一な混合がない場合、この制御は高いアンモニアスリップ部分を避けるための局所的なものでなければならない。残念ながら、NOx分布プロファイルは、配管だけの関数ではなく、ボイラー操作の関数でもある。従って、ボイラー操作の変更は、Noxの分布に影響を及ぼす。標準制御器は、SCRに対するNOx流入及び速度プロファイルが大半均一でなかったり、あるいは安定しないことを考慮しない。これは、他の区域試薬量を適切に保障するために、配管断面の一部で試薬の過量注入をもたらす。その結果、所与のNOx除去効率に対してアンモニアスリップが増加するようになる。同様に、操作者/エンジニアスタッフは、しばしばNOx設定点を下げることにより分布異常に対応する。

0090

NOx流入口及び流出口分析器(2003及び2004)は、単一分析器であってもよく、分析隊列の一部形態であってもよいことが理解できる。平均NOx濃度の他にも、複数の分析値がNOx分布/プロファイルに対する情報を提供する。付加的NOx分布情報のメリットを取るためには、アンモニア流れを局所的NOx濃度により近接させるように一致させるため注入グリッドの相異する領域中の総アンモニア流れを動的に分布させるには、複数のアンモニア流れ制御器2010及び少しの工夫が必要である。

0091

5.動的制御:さらに標準制御器は、效果的な動的制御の提供に失敗する。すなわち、SCRに対する流入口の条件が変化してアンモニア注入速度の調整が必要な場合、NOx還元効率フィードバック制御がこの工程変数における著しい逸脱を防止できる可能性は低い。速い負荷の一時的変化及び工程時間の遅延は、動的なイベントとして相当の工程逸脱を起こす場合がある。

0092

6.触媒の衰退:触媒は時間が経つにつれて衰退し、SCRの除去効率を低下させ、アンモニアスリップを増加させる。制御システムは、NOx除去率を最大化するために、このような低下を考慮しなければならない。

0093

7.連続平均排出:複数の規制排出許容値は、瞬間的、そして連続平均排出限界の一部形態の両方を提供する。動的工程の逸脱を許容するためには、モーメント排出限界が連続平均限界より高い;モーメント排出限界における持続した稼動は、連続平均限界の違反をもたらす。連続平均排出限界は、ある移動する、又は経過する時間窓に対するモーメント排出値の平均である。時間窓は、1時間程度短かったり、1年程度長くともよい。一部の典型的な時間窓は、1時間、3時間、24時間、1ヶ月及び1年である。連続平均の自動制御は、標準制御器内で考慮されない。大半のNOx排出許容値は、領域別の8時間連続平均の周囲空気NOx濃度限界で制限されている。

0094

操作者は、通常、SCRに対する所望のNOx除去効率の設定点2031を設定し、飛散灰からの稀なサンプル情報を基にして少しの調整を行う。負荷の一時的変化におけるSCRの動的制御を改善したり、SCRの操作を最適化するための努力は少ない。最適なモーメント、及び可能であれば連続平均NOx除去効率を選択することもまたWFGDの最適操作に関わりのあるものと類似の営業、規制/クレジット、及び工程問題のため解決が難しい問題である。

0095

その他のAPC工程は、以下のようなものと関連した問題点を有する:
・工程の動的操作の制御/最適化、
・副産物/共生成物の品質の制御、
・連続平均排出の制御、及び
・APC資産の最適化。

0096

他の工程におけるこのような問題点は、WFGD及びSCRに対する上記で詳述したものと同様である。

0097

本発明によれば、多段階(multi-tier)制御器が、工程を行うためのシステム、例えば大気汚染制御(APC)又はその他のシステムの操作を指示する。前記工程は、多重工程パラメータ(MPP)を有し、少なくとも1つのMPPは、制御可能な工程パラメータ(CTPP)であり、MPPのうちの1つは、目標設定の工程パラメータ(TPP)である。例えば、MPPは吸収塔に供給される石灰石スラリーのpH、結晶化器に供給される酸化空気の量、及び湿式排煙脱硫(WFGD)システムから排出される排煙中のSO2の量を含むことができる。

0098

また、工程は、定義された時間の長さTPLAAV2におけるTPPの実際平均値(AAV)に対して、明白な限界又は目的又は目標であり得る第1の限界を示す定義された目標値(DTV)を有する。例えば、DTVは、一定の定義された時間、例えば12時間、1日、30日、3ヶ月又は1年におけるTPPのAAV、例えばWFGDシステムから排出される排煙中のSO2の量に対する規制限界であってもよい。AAVは、定義された期間中のTPPの実測値(AV)を基にして計算される。しばしばAVは、定義された頻度で測定された実測値になる。しかし、一部の実装形態では、例えばその他の測定された工程データからTPPのAVを計算することが好ましい場合がある。通常、定義された期間中のTPPのAAVは、多段階制御器の外部のAVから計算される。

0099

また、上部又は2段階制御器と呼ばれ、パーソナルコンピューター(PC)又はその他の種類の電算装置の形態を有することができる第1論理制御器は、長さが少なくともTPLAAV2であり、現在の時点T0から未来の時点TAAV2まで延長される第1未来時間(FFTP)においてTPPの未来平均値(FAV)を予測する論理、例えばソフトウエアプログラミング又は他の種類のプログラム論理を有する。時点TAAV2又はその以前には、工程は定常状態に戻る。FAVは、(i)長さが少なくともTPLAAV2あり、過去時点T−AAV2から現在時点T0まで延長される第1過去時間(FPTP)における様々な時点での前記TPPの前記AAV、例えばWFGDシステムから排出された排煙中のSO2の実際平均値、(ii)MPPの現在値、例えばWFGD吸収器に供給される石灰石スラリーの現在のpHレベル、WFGD吸収器に供給される石灰石スラリーの現在分布、例えば現在のスラリーポンプ配列、WFGD結晶化器に供給される酸化空気の現在量及び/又はWFGDシステムにより排出される排煙中のSO2の現在量、及び(iii)DTV、例えばTPLAAV2において排出されるSO2量のAAVに対する規制限界を基に予測される。

0100

従って、第1論理制御器は、FPTPにおけるTPPの過去AAVを回考し、これらAAV及びMPPの現在値を用いてFFTPにおけるTPPのFAVを初期予測する。一般的に、予測されたFAVは、FFTPにおいて予測されたTPPの経路を示す。有利なことに、FPTPにおけるTPPのAAVを示す履歴データは、記憶媒体、例えば電子光学又はその他の種類の記憶媒体に記憶され、第1論理制御器により検索可能になる。このような場合、FPTPにおけるTPPのAAVは、制御器外部のAVから計算することができる。

0101

第1論理制御器は、初期予測されたFAVを制御可能な工程パラメータとして扱い、DTVを基にして初期予測されたFAVを調整する。調整された値は、最終予測されたFAVとして特徴付けられる。好ましくは、FFTPにおける予測されたFAVは、FFTPにおけるすべてのFAVが予測に基づいてDTVに従うように調整される。しばしば、予測されたFAVの全部又は大半が調整される。しかし、特定の場合には、限定された数の予測されたFAVだけが調整されることもある。第1論理制御器は、すべての調整された、又は単に一部の予測されたFAVがDTVに従うように、又はFFTPの終了時に調整された予測されたFAVだけがDTVに従うように、予測されたFAVを調整できることを認識しなければならない。

0102

下部又は第1段階制御器と呼ばれ、同様にPC又はその他の種類の電算装置の形態を有することができる第2論理制御器は、第2未来時間(SFTP)の間のTPPのAAV、例えばWFGDシステムから排出される排煙中のSO2の実際平均値に対する第2の限界を示す追加的目標値(FTV)を定める論理を有する。SFTPは、TPLAAV2の長さより短く、現在時点T0から未来時点TAAV1まで延長されたTPLAAV1と等しい長さを有する。すなわち、SFTPはFFTPよりさらに短い。工程は、SFTPの終了時、又はその以前に、すなわちSFTP以内に定常状態に到逹することができるが、これが必須ではない。

0103

FTVは、FFTPにおける調整された予測されたTPPのFAVの1つ以上を基にして決まる。好ましくは、FTVは、現在時点T0から開始して時点TAAV1に終了する時点に相応する調整された予測されたFAVを基にして決まる。すなわち、第2論理制御器は、好ましくはSFTPにおける第1論理制御器により予測されたTPPの調整されたFAVを基にしてFTVを決める。しかし、必要な場合、未来時点TAAV1で、つまり短くなった時間TPLAAV1の終了時、又はあるその他の区別された時点で調整された予測されたTPPのFAVを用いてFTVを決めてもよい。

0104

また、第2論理制御器は、(i)TPLAAV1の長さを有し、過去時点T−AAV1から現在時点T0まで延長された第2過去時間(SPTP)における様々な時点での前記TPPの前記AAV、例えばWFGDシステムから排出された排煙中のSO2のAAV、(ii)MPPの現在値、例えばWFGD吸収器に供給される石灰石スラリーの現在分布、WFGD結晶化器に供給される酸化空気の現在量及び/又はWFGDシステムにより排出される排煙中のSO2の現在量、及び(iii)FTVを基にするCTPP各々に対する目標設定点、例えばWFGD吸収器に供給される石灰石スラリーのpHレベル、WFGD吸収器に供給される石灰石スラリーの分布、及び/又はWFGD結晶化器に供給される酸化空気の量に対する目標設定点を決める論理を有する。第2論理制御器は、CTPPに対する定められた目標設定点に従ってCTPP各々の制御を指示する論理を付加的に有する。

0105

有利なことに、第2論理制御器は、(i)SPTPにおける様々な時点での前記TPPの前記AAV、(ii)MPPの現在値、及び(iii)FTVを基にするSFTPにおけるTPPのFAVを予測する追加的論理を有する。このような場合、CTPP各々に対する目標設定点もSFTPにおけるTPPの予測されたFAVを基にして、例えば定められた目標設定点が予測されたFAVに対して有する影響に基づいて決まる。

0106

第2論理制御器が(i)SPTPにおける様々な時点での前記TPPの前記AAV、すなわちWFGDシステムから排出される排煙中のSO2のAAV、(ii)MPPの現在値、例えばWFGD吸収器に供給される石灰石スラリーの現在pHレベル、WFGD吸収器に供給される石灰石スラリーの現在分布、WFGD結晶化器に供給される酸化空気の現在量、及び/又はWFGDシステムにより排出される排煙中のSO2の現在量、及び(iii)CTPP各々に対して定められた目標設定点に従ってSFTPにおける様々な時点でのTPPのFAV、例えばWFGDシステムから排出される排煙中のSO2のFAVを予測するための付加的な論理を有することがまた好ましい場合もある。すなわち、第2論理制御器は、さらにTPPの未来平均値、例えば排煙ガス中のSO2の未来平均値の経路を、CTPP各々に対して定められた目標設定点の観点から予測することも可能である。

0107

本発明は、それぞれ同一の長さを有するが、開始時点及び終了時点が異なる複数の移動する、例えば経過する時間(MTP)(このとき、各MTPの終了時点は現在時点又は現在時点以降である)がDTVに従わなければならない実装形態において特に有用である。このような場合には、第1論理制御器がFFTPにおける予測されたFAVを有利に調整し、第2論理制御器は、それぞれのMTPにおけるTPPのAAVがDTVに従うようにCTPP各々に対して目標設定点を決めるようにする。

0108

好ましくは、入力機器、例えばマウスキーボード又は通信ポートを使用して現在時点T0又はその以前に、現在時点T0又はその以降に生じ得るイベントを入力してもよい。このようなイベントは、FFTP及び/又はSFTP以内又はそれ以外の時点で開始するように計画されてもよい。前記イベントは、例えばMPP、例えばシステムに対する負荷のうちのの少なくとも1つにおける変化、例えばWFGDシステムに供給されるSO2含有の湿式排煙量の変化、又は工程を行うシステムの操作に関わる少なくとも1つの非工程パラメータ(NPP)、例えば電力コスト、規制クレジットの価値及び/又は工程の副産物の価値、例えばWFGD工程により生産される石膏の価値に対して変化を与えることがある。この場合、第1論理制御器も同様に有利に、前記入力イベントに基づくFFTPにおけるTPPのFAV、例えばWFGDシステムにより排出される排煙中のSO2のFAVを予測する追加的論理を有することができる。第2論理制御器も同様に有利に、適切な場合、前記入力イベントに基づくCTPP各々に対する目標設定点、例えばWFGD吸収器に供給される石灰石スラリーのpHレベル、WFGD吸収器に供給される石灰石スラリーの分布、及び/又はWFGD結晶化器に供給される酸化空気の量に対する目標設定点を決める追加的論理を有する。

0109

好ましくは、制御器はさらに神経回路網又は非神経回路網の工程モデルを有する。この場合、工程モデルにより、第1論理制御器、及び適用可能な場合、第2論理制御器はTPPのFAVを予測し、第2論理制御器は、CTPP各々に対する目標設定点を決める。いずれのモデルを使用しても、TPP、例えばWFGDシステムから排出された脱硫排煙中のSO2の量と1つ以上のCTPP、例えば適用される石灰石スラリーのpHに相応する1つ以上のパラメータ、適用される石灰石スラリーの分布に相応するパラメータ、及びWFGDシステムに適用される酸化空気の量に相応するパラメータの間の関係を表すようになる。使用されるモデルは、第1原理モデルハイブリッドモデル、又は回帰モデルを含んでもよい。

0110

実際に、本発明は、同時に段階的に行われる2つの多変数工程制御器(MPC)をさらに有する。下部レベルのMPC、又は下部段階のMPC(LTMPC)は工程を制御し、TPPに対して短期AAVである付加的MPPを含む。この下部段階制御器におけるAAVの経過する時間窓又は期間は、下部段階制御器により制御される工程のTssより短いか同じである。

0111

上部レベルのMPC、又は上部段階のMPC(UTMPC)は、TPPの連続平均時間窓に関わる時間より長いか等しいTssを有する。例えば、DTVが30日時間窓の連続平均値である場合、UTMPCのTssは、前記TPPに関わる30日時間窓よりも長いか同じである。UTMPCは、TPPの時間窓、Ttargetにおいて計算されるTPPに対するDTVを含む。大半の場合には、UTMPCのTssは、TPPの連続平均時間窓と等しいか、それを基にするが、その理由は、UTMPCの主要目的は長期連続平均を維持することであり、ここで「長期」とは、問題となる工程の反応時間よりさらに長いものと定義される。従って、残りは2段階のMPCアプローチ、そして、調整明細事項と組合わせられた連続平均の明確な長期制御を提供するための上部段階の使用である。

0112

また、UTMPCは、適切なセットのMPPを含むが、このうちの1つは、目標として、つまりFTVとして、LTMPCによりTPPに対するAVVのために使用される。UTMPCにおける工程モデル及び論理は、TPPのAVV/Ttargetに対してTPPのAVV/Tssを関連づける。UTMPCは、TPPのAVV/Tss目標を調整した後、このような調整値を前記制御器内のLTMPCに限界、例えば制約として送ることにより、TPPのAVV/Ttargetを制御する。

0113

制御器LTMPCの両方では短期的に、ULMPCでは長期的に、制御器の定常状態の時間を通じてTPPに対する未来平均値を予測する少なくとも1つの完全連続平均時間窓にかけて回考する。予測はベクターであるか、複数の未来値である。

0114

AAVの明確な制御は、TPPのために完全な複数の未来値、例えばFAVを制御するため、前記値の所望の目標値DTVと同じであるか、より小さいか、より大きくなるようにMPCを調整することにより達成される。

0115

最も単純な形態では、UTMPCがLTMPCにおけるTPP/AAVに対する現在の限界/制約を調整する。このような構成は、適切な連続平均制御を提供する。一部のMPCシステムは、限界、例えば制約に対するベクター又は複数の未来値の負荷を許容する。このような場合、UTMPCに対する現在の移動のみならず現在の価値及び未来の価値を含み、T0(現在時点)からTprocess(LTMPCに対するTss)までの移動計画の全部分が、UTMPCからLTMPC内の適切な未来限界ベクターにダウンロードされる。このような機能がMPCツールに与えられて利用される場合は、LTMPCが現在及び未来の制御作用をよりうまく計画することができるため、制御実行が向上されることができる。

発明を実施するための最良の形態

0116

証明されるように、WFGD及び類似のサブシステムの效率的かつ效果的な操作は、以前よりさらに複雑になった。また、このような複雑性は、付加的な競争圧力及び付加的な汚染物質規制とともにこれからも増加していくことが予想される。一般的な工程制御計画及び技法は、このような複雑性を取り扱うことができないため、前記のような操作の最適制御は不可能である。

0117

サブシステムの有用な作動寿命過程力動的に変化して来たビジネス環境において、任意の所与の時点におけるサブシステム操作商業的価値を最大化することが好ましい。このような資産の最適化は、通常の工程制御戦略では考慮されない要因に基づいて行われる。例えば、規制クレジットを売買するためのマーケットが存在するビジネス環境では、效率的なサブシステムの操作は、付加的な規制クレジットが生成され、サブシステムの価値を最大化して販売できるように、しかし、このようなクレジットを生成するのにかかる付加的な稼動コストは許容しないように指示することができる。

0118

従って、SO2吸収の最大化、稼動コストの最小化、及び副産物の品質規定の充足という単純な計画よりは、より複雑な計画を用いて、SO2吸収が最大化したか、稼動コストが最小化したか、又は副産物の品質規定が満たされたかに関係なく、サブシステム操作を最適化することができる。また、サブシステムの制御を実質的に向上させるために、ツールのみ提供されるのではなく、例えば向上したサブシステムの制御は完全自動化することができる。従って、操作を自動化し、操作パラメータ及び制約に対してのみ最適化するのではなく、ビジネス環境に対しても最適化することができる。生成された規制クレジットのマーケット価値がそのようなクレジットを発生させるためのサブシステムの付加的稼動コストより少ない場合には、サブシステムは、規制許容レベルに非常に近接するように、又は正確にそのレベルで動作するように自動的に制御されてもよい。しかし、発生した規制クレジットのマーケット価値がそのようなクレジットを発生させるためのサブシステムの付加的稼動コストよりも大きい場合には、そのような操作を調整して規制許容レベル以下で動作し、これにより規制クレジットを発生するように前記のような操作を調整するために自動的に制御されてもよい。実際に、自動化された制御は、サブシステムが限界ドルの価値以下、つまり排出クレジットの価値がそのようなクレジットを生成するための処理コストと等しくなる価値まで、可能な限り多くのSO2を除去する動作を行うように指示することができる。

0119

要約すると、WFGD及び類似のサブシステムの最適化された動作は、複雑な工程及び規制要素のみならず、複雑なビジネス要素、及びこのような様々な種類の要素中の動的変化についても考慮する必要がある。最適化は局所的、例えば複数のWFGD処理装置のうちの1つがオフラインになること、及び/又は領域的、例えばWFGD処理装置のまた他の個体が前記オフラインになる領域内で作動すること、又はさらに全般的なビジネス要素を考慮することが必要である。例えば、長期及び短期SO2規制クレジットの広範囲で動的に変化するマーケット価格もまた操作を最適化するときに考慮する必要がある場合もある。

0120

従って、制御は、好ましくはSO2除去を最小化したり、規制許容値に符合したり、又は最大のSO2除去率に符合するように操作を調整できなければならない。このような調整を果たす能力は、サブシステムの所有者に対して、規制クレジットでの動的変化のメリットを取り、1つのサブシステムを使用してまた他のサブシステムによる許容外範囲の操作から脱離させるクレジットを発生させたり、また他のサブシステム所有者の、そのサブシステムの許容外範囲の操作から脱離させる規制クレジットを購買することのメリットを取るようにする。また、前記制御は、好ましくは、追加的規制クレジットの発生がもはや有益ではなくなった場合には、すぐに操作を再び調整できなければならない。すなわち、制御システムは、機器、工程、規制及びビジネス制約の支配下にあるAPC資産の稼動を持続的に最適化する必要がある。

0121

石膏副産物の所要の純度を超過しなければならない動機がないため、制御は好ましくは、石膏副産物の品質を石膏品質の仕様又は他の販売制約と一致させる操作の最適化を容易にしなければならない。最適化された制御は、所望のSO2吸収レベル、及び石膏生産の要件の観点からO2レベルを調整する作用を予想して指示することにより、石灰石の沈床の防止を容易にしなければならない。

0122

上記のように、排出を連続平均値で制御することは複雑な問題である。これは、少なくとも部分的には、連続平均の時間窓が常に前に移動し、任意の所与の時点では複数個の時間窓がアクティブになるからである。一般的に、アクティブな時間窓は、所与の時点から過去の時間まで延長され、その他の活アクティブな時間窓は、所与の時点から未来の時点まで延長される。

0123

連続平均排出の管理は、連続平均の時間窓の間のすべての排出の統合を要求する。従って、排出を連続平均目標に対して最適化することは、実際過去排出及び予想される未来排出又は稼動計画をアクティブな時間窓すべてに対して考慮するモーメント排出目標が選択されなければならないことを要求する。

0124

例えば、4時間の連続平均の最適化は、複数の時間窓の検査を必要とするが、その第1は、過去に3時間59分に開始して現在時点で終了し、その中で最後は、現在時点で開始し、未来の4時間後に終了する。各時間窓の1分解像度としては、このような比較的短い4時間連続平均の最適化が479時間窓の制約を満たすモーメント目標を選択することを含む。

0125

単一の統合時間窓のために連続平均排出目標を決めることは、まず前記統合された時間窓における過去排出の合計を計算した後、例えば前記単一統合時間窓の間に平均排出をもたらす、前記単一統合時間窓の残りに対する未来排出速度が連続平均限界であるか、その未満になると予測することを含む。未来排出は現在時点で開始する。しかし、正確にするためには、未来排出はさらに前記単一統合時間窓の残りの時間の間の稼動からの排出の予測を含まなければならない。

0126

時間窓が長くなるほど、未来排出を予測することはさらに難しくなる。例えば、次の数時間における稼動からの排出は、相当正確に予測されることができるが、次の11ヶ月間における稼動からの排出は予測することがさらに難しくなる。その理由は、季節的変動及び計画された稼動停止等の要因が考慮されなければならないためである。さらに、計画されない稼動停止又はサブシステムにかかる用量限界に対する安全マージンを付加する必要がある場合もある。

0127

従って、WFGD工程を最適化するためには、例えば工程を操作制約内に維持しながら、稼動コストを最小化し、かつ、SO2除去率を最大化するためには、WFGD工程に対する最適な設定点を自動的に決めなければならない。

0128

次の本発明の実施形態では、モデルベース多変数予測制御(MPC)アプローチを用いてWFGD工程の最適な制御を提供する。一般に、MPC技術は、工程の多重入力、多重出力の動的制御を提供する。当業者に理解されるように、MPC技術は、1970年代の後半に開発された。前記分野の技術的進歩は今日まで続いている。MPCは、複数のモデルベースの制御技法又は方法を含む。このような方法は、制御エンジニアが複雑で相互作用的な動的工程を、従来のPIDタイプフィードバック制御システムに対して可能なよりも一段と效果的に取り扱うことができるようにする。

0129

MPC技法は、線形及び非線形工程の両方を制御することができる。すべてのMPCシステムは、明らかに未来に対する工程の動きを予測するために動的モデルを用いる。これにより、特定制御作用が目的関数の最小化のために計算される。最終的に、各時間増分区間が未来に向けて1回増分だけ移動する移動区間(receding horizon)が実行される。また、各増分では、その段階で計算される順序の制御作用に相応する第1制御信号の適用が行われる。一般化予測制御(GPC)、動的マトリックス制御(DMC)及びペガサスパワーパーフェクタ(Pegasus' Power Perfector(登録商標))等の、制御エンジニアが入手できる複数の商用プログラムがある。Comancho及びBordonsは、モデル予測制御(ロンドンスプリンガ発行、1999)でMPCの主題に対する立派な概観を提供する一方、Lennart Ljundのシステム識別ユーザーのための理論(Prentice-Hall出版社、第2版、1999)は、MPCを実際に実施する必要のある工程の動的モデリングに関する最高の著書である。

0130

MPC技術は大半、DCSにより実施される基本的な土台になる調整管理(regulatory control)を代替するよりは、操作者により普通行われる稼動の実行を監督する方式で使用される。MPC技術は、工程に対して最適な設定点を提供するために、数学的技法を用いて競争的な目標及び工程制約のバランスを自動的にとることができる。

0131

一般的にMPCは、次のような特徴を有する。

0132

動的モデル:予測のための動的モデル、例えば非線形動的モデル。このモデルは、工程のパラメトリック及び段階的試験を用いて簡単に展開される。動的モデルの高品質が優れた最適化及び制御実行のためのカギになる。

0133

動的判断:工程動力学、又は工程が経時的にどのように変化するかはプラントの段階的試験を用いて判断される。このような段階的試験を基にして、最適化−基盤アルゴリズムを使用してプラントの動力学を判断する。

0134

定常状態の最適化:定常状態の最適化により工程のための最適な作動起点を検出する。

0135

動的制御:動的制御器を使用して定常状態の解決策を起点とする最適な制御手段を計算する。制御手段は、最適化により計算される。前記最適化は、1セットの制約の支配を受けるユーザー明示のコスト関数を最小化するために使われる。コスト関数は、工程の動的モデルを用いて計算される。前記モデル、コスト関数及び制約を基にして、工程の最適な制御手段が計算されることができる。

0136

動的フィードバックMPC制御器は、動的フィードバックを用いてモデルをアップデートする。フィードバックを用いることで、干渉効果モデル不一致及びセンサーノイズが著しく低減することができる。

0137

発展した調整の特徴:MPC制御器は、完璧なセットの調整能力を提供する。操作変数に対しては、ユーザーが所望する値及び係数、移動ペナルティー係数、下限値及び上限値、制約変化率、及び上限及び下限の遵守制約(hard constraint)を設定することができる。また、ユーザーは、定常状態の最適化の出力値を用いて操作変数の所望値を設定することができる。制御変数に対しては、ユーザーが所望値及び係数、誤差加重、限界、優先化された遵守及び軌跡集中制約(trajectory funnel constraint)を設定することができる。

0138

シミュレーション環境:オフラインのシミュレーション環境が制御器の初期試験及び調整のために提供される。シミュレーション環境は、モデル不一致及び干渉拒否能力の捜査を可能にする。

0139

オンラインシステム:MPC制御アルゴリズムは、好ましくは、標準商用オペレーティングシステム上で実行できる標準化ソフトウエアのサーバーで行われる。前記サーバーは、標準化インタフェースを介してDCSに接続する。エンジニア及び操作者は、グラフィックユーザーインタフェースGUI)を使用してMPCアルゴリズムの出力値の予測を有利に行うことができる。

0140

堅固な誤差の取り扱い:ユーザーは、MPCアルゴリズムが入力値及び出力値における誤差にどのように対応すべきかを明示する。制御器は、主要変数に誤差が発生した場合、動作が止められたり、過去の最新の良好な値が非重要変数として使用されることがある。誤差を適切に取り扱うことにより、制御器の実時間動作が最大化されることができる。

0141

仮想オンライン分析器:工程変数の直接的な測定が利用できない場合には、環境がソフトウエア基盤の仮想オンライン分析器(VOA)を行うためのインフラを提供する。このようなMPCツールを使用して、所望の工程変数のモデルが、適切な場合、実験室データを含むプラントの履歴データを用いて展開することができる。前記モデルは、次いでリアルタイムの工程変数として供給され、リアルタイムで測定されない工程変数を予測することができる。このような予測は、モデル予測制御器に使用されてもよい。

0142

WFGD工程の最適化
以下で説明するように、本発明によれば、SO2除去効率を向上させることができる。すなわち、要求されたり望まれる制約、例えば石膏純度制約、モーメント排出限界及び連続排出限界を満たすとともに、装置からのSO2除去率が最大化及び/又は最適化されることができる。また、稼動コストも代替的に最小化及び最適化されることができる。例えば、WFGDに対する排煙負荷が減少する場合、スラリーポンプを自動的にオフさせることができる。さらに、酸化空気流れ及びSO2除去率も、代替的に石灰石の沈床条件を防止するために動的に調整されてもよい。本願発明に示されるMPC制御器を用いて、WFGD工程が制約にさらに近接するように管理することが可能であり、一般的に制御されるWFGD工程に比べて向上した性能を達成することができる。

0143

図5A及び図5Bでは、WFGDの制約ボックスを500及び550で示す。図示するように、工程及び装置制約(505〜520)を判断し、複数の独立的な変数(MV)と判断された制約間の工程基盤の定常状態の関係、つまり独立的/制御された変数を用いることにより、前記制約をMVの側面から共通の「空間」に位置させることができる。この空間は、実際に、nが問題内の自由度の個数又は操作されたMVの個数と同じn−次元の空間である。しかし、例示の目的として2つの自由度、つまり2つのMVがあると仮定する場合には、システム制約及び関係を2次元(X−Y)プロットを用いて表すことができる。

0144

好ましくは、前記工程及び装置制約は、実行可能な稼動525の領域で示された、空ではない解決空間の境界を形成する。この空間内の任意の解決策は、WFGDサブシステム上の制約を満足することになる。

0145

すべてのWFGDサブシステムは、ある程度の可変性を示す。図5Aを参照すれば、典型的な通常の運営計画は、正常のWFGDサブシステムの可変性を実行可能な解決空間525の安全域530内に安全に位置させることであって、これは一般的に安全な操作を保障する。操作を安全域530内に維持することは、操作を実行不可能/好ましくない稼動区域から遠く、つまり実行可能な領域525以外の区域から遠くに維持することである。通常、分布制御システム(DCS)のアラームは、作動者に当該問題を知らせるために測定可能な制約の限界として、又はその近傍として設定する。

0146

実行可能な空間525内のいずれの地点でもシステム制約(505〜520)を満足させることは事実であるが、実行可能な空間525内の互いに相異する地点が、同一の稼動コスト、SO2吸収効率又は石膏副産物の生産能力を有するものではない。利益、SO2吸収効率又は石膏副産物の生産/品質の最大化、又はコストを最小化のためには、実行可能な空間525内の稼動のため経済的に最適な地点を判別することが必要である。

0147

本発明によれば、工程変数、及びこれら変数の値を維持したり変更させるコスト又は利益は、例えば利益を示す目的関数を生成するのに使用されてもよいが、この目的関数は、一部の場合にはマイナスコストとして認められてもよい。図5Bに示すように、線形の2次、又は非線形プログラミング解決技法を用いれば、以下にさらに記載されるような最適な実行可能な解決点555、例えば実行可能な稼動525の区域内の最小コスト又は最大利益の解決点を判別することができる。制約及び/又はコストはいつでも変わることができるため、リアルタイムで、例えばMPC制御器が実行される度に、最適な実行可能な解決点555を再度判別することが好ましい。

0148

従って、本発明は、安全域530内の通常の稼動地点から最適な稼動地点555に、及びコストの制約に変化が発生する場合には最適な稼動地点555からまた他の最適な稼動地点に工程操作自動目標の再設定を容易にする。一旦最適な地点が決まれば、工程を最適な稼動地点に移動させるMV値に必要な変更を計算する。これらの新しいMV値が目標値になる。目標値は、定常状態値であり、工程動力学を考慮しない。しかし、工程を安全に移動させるためには、工程動力学を制御し、かつ管理する必要があり、これは次のテーマになる。

0149

工程を以前の稼動地点から新しい最適な稼動地点に移動させるためには、予測工程モデル、フィードバック及び高頻度の実行が適用される。MPC技法を用いて、動的経路又は制御変数(CV)の軌跡を予測する。この予測を使用し、操作されたMV調整値を現時点のみならず未来、例えば短期的未来に対しても管理することで、CVの動的経路を管理することができる。CVに対する新しい目標値は計算されることができる。これにより、所望の計画対象期間における動的誤差も、CVに対する予測された経路と新しいCV目標値の間の差として計算されることができる。再度、最適化理論を用いて誤差を最小化する最適経路が計算されることができる。実際にエンジニアは、好ましくは、一部のCVが他のものよりさらに厳しく制御されるように誤差に加重値を与えることができる。また、予測工程のモデルは、1つの稼動地点から次の地点への経路又は軌跡の制御を許容し、これにより新しい最適稼動地点に移動する間の動的問題を避けることができる。

0150

要約すると、本発明は、所望の結果はほぼいずれでも得ることができるように工程を最適化する必要があり、実行可能な稼動区域525内のほぼいずれの地点でも稼動が行われるようにする。すなわち、目的が最低可能な排出、副産物の最高品質又は最大量、最低の稼動コストなど、どのような結果をもたらすものであっても工程を最適化することができる。

0151

最適に稼動地点555に密接に接近するために、MPCは好ましくは、小さな偏差制約違反を起こさないように工程可変性を低下させる。例えば、予測工程モデル、フィードバック、及び高頻度の実行の使用を通じて、MPCは制御された工程の工程可変性を著しく低下させることができる。

0152

定常状態及び動的モデル
上述したように、MPC制御器のために定常状態及び動的モデルが使用される。以下ではこれらのモデルについてより詳細に説明する。

0153

定常状態モデル特定セットの入力値のための工程の定常状態は、関連する工程値のセットにより説明されるものであって、入力値の以前値は、状態にそれ以上影響を及ぼさないようにすべての入力値が長期間一定に維持される場合に工程が達成する状態である。WFGDに関しては、工程装置の結晶化器内での大容量、そして比較的遅い反応により定常状態まで行く時間が通常48時間程度である。定常状態モデルは、工程入力値のセットに対する定常状態に関わる工程値を予測するときに使われる。

0154

第1原理の定常状態のモデル:定常状態モデルを展開するための1つのアプローチは、工程のエンジニアリング知識を基にして誘導される一連の等式を利用するのである。この等式は、工程入力値と出力値との間の既知根本的な関係を示すことができる。既知の物理的、化学的、電気的及びエンジニアリング等式を用いてこの一連の等式を誘導することができる。このモデルは、既知の原理を基にしているため第1原理モデルと呼ぶ。

0155

大半の工程は、本来第1原理技法及びモデルを使用して考案されている。このモデルは一般に、図5Aを参照して上述したような安全域内の安全な稼動を提供するのに十分な精度がある。しかし、非常に正確な第1原理基本モデルを提供することは、しばしば時間が長くかかり、コストが多くかかる。また、知られていない影響が第1原理モデルの精度に相当な影響を与える。従って、非常に正確な定常状態モデルを展開するために、代替としてアプローチがしばしば使用されている。

0156

経験的モデル:経験的モデルは、工程で収集された実際データを基にする。経験的モデルは、モデル入力値と出力値との間の関係を決めるために、データ回帰法を用いて展開される。しばしばデータは、個別入力値が出力値に対するそれの影響を記録するために移動される一連のプラント試験で収集される。このようなプラント試験は、経験的モデルのために十分なデータを収集するために、数日又は数週間がかかることもある。

0157

線形経験的モデル:線形経験的モデルは、線又は高次元では面を一定セットの入力及び出力データに適合させることにより生成される。このようなモデルを適合させるためのアルゴリズムは容易に入手低可能であり、例えばエクセル(Excel)は、線を経験的データセットに適合させるための回帰法アルゴリズムを提供する。

0158

神経回路網モデル:神経回路網モデルは、また他の形態の経験的モデルである。神経回路網は、線より複雑な曲線が経験的データセットに適合するようにする。神経回路網モデルに対する構造及び訓練アルゴリズムに対する生物学的アイディアを基にする。神経回路網は、ニューロンの基本的機能性をモデルとするノードで構成される。前記ノードは、脳内のニューロン間の基本的相互作用をモデルとする加重値により連結される。前記加重値は、脳内の学習能力真似た訓練アルゴリズムを使用して設定される。神経回路網基盤モデルを用いる場合、線形経験的モデルを使用して達成できるものよりはるかに豊富で複雑なモデルを展開することができる。入力値(X)と出力値(Y)との間の工程関係は、神経回路網モデルを用いて表すことができる。ここでの神経回路網又は神経回路網モデルに関する記載は、神経回路網基盤の工程モデルとして理解されなければならない。

0159

ハイブリッドモデル:ハイブリッドモデルは、第1原理又は公知の関係及び経験的関係からの要素の組合わせを含む。例えば、XとY間の関係の形態は知られてもよい(第1原理要素)。前記関係又は等式は、いくつの定数を含む。これら定数の一部は、第1原理知識を用いて求めることができる。その他の定数は、第1原理から求めることが非常に難しいか、コストが多くかかる。しかし、X及びYに対する実際の工程データ及び第1原理知識を用いて未知定数のための値を求める回帰法問題を構築するのは比較的簡単で安価である。これら未知定数は、ハイブリッドモデルで経験的/回帰要素を示す。回帰法は、経験的モデルより規模がはるかに小さく、ハイブリッドモデルの経験的性質ははるかに少ないが、その理由は、前記モデル形態及び定数の一部が物理的関係を支配する第1原理を基にして固定されているためである。

0160

動的モデル:動的モデルは、出力値に対する入力値の経時的変化の効果を示す。定常状態のモデルは、単に工程の最終休止状態を予測するために使われる一方、動的モデルは、1つの定常状態からまた他の定常状態に移動する経路を予測するときに使われる。動的モデルは、第1原理知識、経験的データ又はこの2つの組合わせにより展開されてもよい。しかし、大半の場合、モデルは工程の状態に影響を及ぼす重要変数の一連の段階的試験から収集された経験的データにより展開される。

0161

ペガサスパワーパーフェクトモデル:大半のMPC制御器は、線形経験的モデルの使用を許容するのみである。すなわち、前記モデルは、線形経験的定常状態モデル及び線形経験的動的モデルで構成される。ペガサスパワーパーフェクト(登録商標)は、線形、非線形、経験的及び第1原理モデルが組合わせされて制御器で使用される最終モデルを生成するようにし、従ってMPCを行うときに好ましく使われる。ペガサスパワーパーフェクトのための最終モデルを生成するために、異なる種類のモデルを組み合わせる1つのアルゴリズムが米国特許第5,933,345号に開示されている。

0162

WFGDのサブシステム構造
図6は、モデル予測制御が伴うWFGDのサブシステム構造の機能的ブロック線図である。制御器610は、WFGD工程620の操作されたMV615、例えばpH及び酸化空気のためのリアルタイム設定点を計算するのに必要な論理を組み込んでいる。制御器610は、このような計算値根拠を観察された工程変数(OPV)625、例えばMVの状態、干渉変数(DV)及び制御された変数(CV)に置く。また、通常1つ以上の調整パラメータを有する基準値RV)640のセットも操作されたMV615の設定点を計算するときに使われる。

0163

好ましくは、仮想のオンライン分析器(VOA)である推定機630は、推定された工程変数(EPV)635を生成するのに必要な論理を含んでいる。EPVは、通常、正確に測定されることができない工程変数である。

0164

推定機630は、前記論理を実行し、OPVの現在及び過去値を基にするWFGD工程のEPVの稼動状態をリアルタイムで推定する。OVPは、DCS工程測定値及び/又は実験室の測定値の両方を含むことができることが分かる。例えば、言及されたように、石膏の純度は、実験室の測定値に基づいて測定されてもよい。推定機630は、様々な種類のWFGDの工程問題に対するアラームを好適に提供する。

0165

制御器610及び推定機630の論理はソフトウエアにより、もしくは他の方式で実行されることができる。当業者に公知であるが、必要な場合には、制御器及び推定機が単一コンピューター工程内で容易に実行されることが可能である。

0166

モデル予測制御の制御器(MPCC)
図6の制御器610は、好ましくは、モデル予測制御器(MPCC)を用いて実行される。MPCCは、WFGD工程のリアルタイムの多重入力、多重出力の動的制御を提供する。MPCCは、観察されて推定されたPV値(625及び635)を基にするMVセットに対する設定点を計算する。WFGD MPCCは、以下により測定されるそのような値のうち、任意値、もしくは任意値又はすべての組合わせを使用することができる:
・pHプローブ
スラリー密度センサー
温度センサー
酸化還元可能性(ORP)センサー
・吸収器レベルセンサー
・SO2流入口及び流出口/連通センサー
・流入口排煙速度センサー
・吸収器の化学(Cl、Mg、Fl)の実験室分析
・石膏純度の実験室分析
石灰石粉砕物及び純度の実験室分析

0167

さらに、WFGDMPCCは、下記のものを制御するために計算された設定点のうちの任意のもの、もしくは、任意のもの又はすべての組合わせを使用することができる:
・石灰石供給器
・石灰石粉砕機
・石灰石スラリーの流れ
化学的添加剤/反応物供給器/バルブ
・酸化空気フロー制御バルブ又はダンパー又は送風機
・pHバルブ又は設定点
再循環ポンプ
補充用水添加及び除去バルブ/ポンプ
・吸収器の化学(Cl、Mg、Fl)

0168

従って、WFGDMPCCは、下記のCVのうちの任意のもの、もしくは任意のもの又はすべての組合わせを制御することができる:
・SO2除去効率
・石膏純度
・pH
・スラリーの密度
・吸収器のレベル
・石灰石粉砕物及び石膏
・稼動コスト

0169

MPCアプローチは、WFGD工程のすべての側面を1つの統一された制御器で最適に計算する柔軟性を提供する。WFGDを動作することによる第1の問題は、下記の相反する目標のバランスをとることにより稼動利益を最大化し、操作損失を最小化することである:
・SO2除去率を、所望の制約限界、例えば許容値限界又は適切な場合SO2除去クレジットを最大化する限界に対して適切な割合で維持する。
・石膏純度を、所望の制約限界、例えば石膏純度も仕入管理限界に対して適切な値で維持する。
・稼動コストを、所望の制約限界、例えば最小電力消費コストに対して適切なレベルで維持する。

0170

図7は、図6を参照して説明したものと類似の制御器及び推定機の両方を含む例示的MPCC700を示す。後に説明するが、MPCC700は、上述の相反する目標のバランスをとることができる。好適な実装形態では、MPCC700にペガサスパワーパーフェクト(登録商標)MPC論理及び神経基盤回路網モデルが含まれているが、その他の論理及び非神経基盤モデルが上記のように所望の場合に代わりに用いられてもよく、これは当業者であれば理解することができる。

0171

図7に示すように、MPCC700は、複数のI/Oポート715、及びディスク記憶装置710とともに処理装置705を含む。前記ディスク記憶装置710は、任意の適当な種類又は種類のうちの1つ以上の装置であってもよく、電子的、磁気的、光学的又は一部その他の形態又は形態の記憶媒体を活用してもよい。比較的少ない数のI/Oポートが示されているが、前記処理装置は、特定の実装形態に適するように多い又は少ないI/Oポートを含んでもよい。また、DCSからの工程データ及びDCSに戻される設定点は、標準コンピューター間の通信プロトコルを用いて単一メッセージとしてともにパッケージされて伝送されることができる。ここで、土台になるデータ通信機能性は、MPCCの動作に必須である一方、実施の詳細事項は、当業者によく知られており、本発明において提起される制御問題とは関係がない。処理装置705は、ディスク記憶装置710と通信し、通信リンク712を介してデータを保存し検索する。

0172

また、MPCC700は、ユーザーの入力値、例えば操作者の入力値を受けるための1つ以上の入力装置を含む。図7に示すように、キーボード720及びマウス725は、通信リンク(722及び727)及びI/Oポート715を介して処理装置705への命令又はデータの手動入力を容易にする。さらに、MPCC700は、ユーザーに対して情報を表示するためのディスプレイ730を有する。処理装置705は、通信リンク733を介してユーザーに表示される情報をディスプレイ730と通信する。ユーザー入力値の通信を容易にすることに加えて、I/Oポート715はさらに、通信リンク(732及び734)を介する処理装置705への非ユーザー入力値の通信、及び通信リンク(734及び736)を介する処理装置715からの命令、例えば生成された制御命令の通信を容易にする。

0173

処理装置、論理及び動的モデル
図8に示すように、処理装置705は、演算装置810、記憶装置820、及び図7の通信リンク(732〜736)を介するI/O信号805の収容及び伝送を容易にするためのインタフェース830を有する。記憶装置820は、任意のランダムアクセスメモリー(RAM)の一種である。インタフェース830は、キーボード720及び/又はマウス725を通じた演算装置810とユーザーとの間の相互作用のみならず、演算装置810と以下に説明するようなその他の装置との間の相互作用を容易にする。

0174

図8のように、ディスク記憶装置710は、推定論理840、予測論理850、制御発生器論理860、動的制御モデル870、及び動的推定モデル880を保存する。記憶された論理は、以下に説明されるように、操作を最適化するようにWFGDサブシステムを制御する記憶されたモデルにより実行される。さらに、ディスク記憶装置710は、受容されたり計算されたデータを保存するためのデータ記憶装置885、及びSO2排出履歴を保管するためのデータベース890を有する。

0175

上記のような3つの目標のバランスをとるために、MPCC700により使用される入力値及び出力値の制御マトリックスリストを以下の表1に示す。

0176

0177

本発明による実装形態では、MPCC700は、SO2除去率、石膏純度及び稼動コストで構成されたCVを制御するときに使用される。pHレベル、酸化空気の送風機にかかる負荷及び再循環ポンプにかかる負荷で構成されたMVの設定点を操作してCVを制御する。さらに、MPCC700は、複数のDVを考慮する。

0178

MPCC700は、一連の制約を観察しながら、CVに関わる前記3つの相反する目標のバランスをとらなければならない。前記相反する目標は、MPCC論理にコードされた非線形プログラミングの最適化技法を用いて最小化された1つの目的関数で公式化される。例えば、キーボード720又はマウス725を使用して前記目標の各々に対して加重係数を入力することにより、WFGDサブシステムの操作者又はその他のユーザーは、特定の状況による前記目標の各々の相対的重要性を明示することができる。

0179

例えば、特定の状況では、SO2除去率が石膏純度及び稼動コストに比べてより重く加重される場合もあれば、稼動コストが石膏純度に比べてより重く加重される場合もある。また他の状況では、稼動コストが石膏純度及びSO2除去率より重く加重される場合もあり、石膏純度がSO2除去率より重く加重される場合もある。また他の状況では、石膏純度がSO2除去率及び稼動コストより重く加重される場合もある。任意な数の加重の組合わせが明示されてもよい。

0180

MPCC700は、適用可能なセットの制約、例えば図5Bに示すような制約(505〜520)を依然観察しながら、前記明示された加重値を基にして、サブシステムが最適地点で、例えば図5Bの最適地点555で動作するようにWFGDサブシステムの作動を制御する。

0181

この特定例において、制約は以下の表2に示されている。これらの制約は、典型的に、上記のCV及びMVに関わる種類である。

0182

0183

動的制御モデル
上述したように、MPCC700は、表1の制御マトリックスに示される入力−出力構造を有する動的制御モデル870を必要とする。このような動的モデルを展開するためには、第1原理モデル及び/又はWFGD工程のプラント試験を基にした経験的モデルを展開する。第1原理モデル及び/又は経験的モデルは、上記の技法を用いて展開することができる。

0184

このような例示的WFGDサブシステムの場合、好ましくは、SO2除去率及び石膏純度に対するWFGD工程の定常状態モデル(第1原理又は経験的)を展開する。第1原理アプローチを用いて、WFGD工程入力値と出力値との間の既知の基本関係を基にして定常状態モデルを展開する。神経回路網アプローチを用いて、様々な操作状態で実際の工程から経験的データを収集することにより、定常状態のSO2除去率及び石膏純度のモデルを展開する。工程の非線形性を捉えることができる神経回路網基盤モデルは、この経験的データにより訓練される。さらに言えば、神経回路網基盤モデルが特定の実装形態では好ましい場合もあるが、そのようなモデルの使用は必須ではない。むしろ、非神経回路網基盤モデルを必要な場合には使用してもよく、さらに、特定の実装形態ではかえって好ましい場合もある。

0185

また、稼動コストに対する定常状態のモデルを第1原理により展開する。簡単に、コスト係数を用いて総コストモデルを展開する。取り上げている例示的実装形態では、石灰石等の各種原料のコスト及び電力コストにそれぞれの使用量を乗算して総コストモデルを展開する。収入モデルは、SO2除去クレジット価格をSO2除去トン数に乗算し、石膏の価格を石膏トン数に乗算して求める。稼動利益(又は損失)は、収入からコストを差し引くことにより求めることができる。ポンプ駆動機(固定に対する可変速度)により、ポンプ配列の最適化は、二元のオフ/オン決定を含むことができる。これは、異なるポンプ配列の仕様を完全に評価するために、2次最適化段階を必要とする場合もある。

0186

正確な定常状態モデルを展開することができ、定常状態の最適化基盤の解決策として適していても、そのようなモデルは工程動力学を含まないため、MPCC700での使用に適していない。従って、実際の動的工程データを収集するために、段階的試験をWFGDサブシステムが行う。その後、段階的試験反応データを用いて、前記WFGDサブシステムに対する経験的動的制御モデル870を展開し、前記データは、図8に示すようなディスク記憶装置710上の演算装置810に保存する。

0187

動的推定モデル及び仮想のオンライン分析器
図6は、MPCC700に含まれているような推定機がWFGD工程の全体的な進歩された制御にどのように使用されるかを示す。MPCC700では、推定機が、好ましくは、仮想オンライン分析器(VOA)である。図9は、MPCC700に含まれている推定機をより詳細に示している。

0188

図9に示すように、観察されたMV及びDVは、演算装置810で推定論理840を実行するときに使用される、WFGDサブシステムのための経験的動的推定モデル880に入力される。これに対して、演算装置810は、動的推定モデル880により推定論理840を実行する。この場合、推定論理840はCV、例えばSO2除去効率、石膏純度及び稼動コストの現在値を計算する。

0189

表3は、動的推定モデル880に対する構造を示す。MPCC700で使われる制御マトリックス及び動的推定モデル880は、同様の構造を有していることに注目する必要がある。

0190

0191

推定論理840の実行の出力は、SO2除去及び石膏純度に対して開放ループ値である。VOAに対する動的推定モデル880は、動的制御モデルを展開するための、上記の同一のアプローチを用いて展開する。動的推定モデル880及び動的制御モデル870が本質的に同一であっても、モデルは非常に異なる目的のために使用されることを注目する必要がある。動的推定モデル880は、演算装置810により、工程変数(PV)、例えば推定されたCV940の現在値の正確な予測を行うために推定論理840を実行するときに適用される。動的制御モデル870は、演算装置810により、図6に示すような操作されたMV設定点615を最適に計算するための予測論理850を実行するときに適用される。

0192

図9に示すように、フィードバックループ930は、推定ブロック920から提供されるが、これは推定論理840の実行の結果として演算装置810により生成される推定されたCVを示す。従って、CVの最良推定値は、フィードバックループ930を介して動的推定モデル880にフィードバックされる。推定機の以前の反復から出たCVの最良の推定値は、現在の反復に対して動的推定モデル880にバイアスを与えるための開始時点として使用される。

0193

確認ブロック910は、演算装置810により、例えばセンサー測定及び実験式の分析から、動的推定モデル880により推定論理840の実行の結果により観察されたCV950、及び観察されたMV及びDV960値の確認を示す。ブロック910で表示される確認は、さらに潜在的石灰石の沈床条件の判断に使用される。例えば、観察されたMVがpHセンサーの1つにより測定されたpH値の場合、動的推定モデル880により推定されたpH値を基にして測定されたpHの確認910は、前記pHセンサーが故障していることを示すことができる。観察されたSO2除去、石膏純度又はpHに誤りがあると判断される場合には、演算装置810が推定920で前記値を使用しない。むしろ、代替値、好ましくは、動的推定モデルを基にした推定から得られた出力値をその代わり使用するようになる。また、アラームがDCSに送られることもある。

0194

前記推定920を計算するために、演算装置810は、動的推定モデル880を基にした推定論理840の実行結果を、観察されて確認されたCVと組み合わせる。Kalmanフィルターアプローチは、推定結果を観察されて確認されたデータと組み合わせるときに好適に使用される。この場合、流入口及び流出口のSO2センサーから計算された、確認されたSO2除去率が生成された除去率値と組合わせられ、実際のSO2除去の推定値を生成する。SO2センサーの精度により、推定論理840は好ましくは、生成された値に比べて観察されたデータのフィルターされたバージョンに向けて加重されたバイアスをかける。

0195

石膏純度は、最大数時間ごとにのみ測定される。また、演算装置810は、石膏純度の新しい観測結果を生成された推定された石膏純度値と組み合わせるようになる。石膏サンプルの測定期間の間、演算装置810は、動的推定モデル880により、観察されたMV及びMV960の変化を基にした石膏純度のアップデートされた推定を開放ループで行う。従って、演算装置810は、さらに石膏純度に対するリアルタイム推定を行う。

0196

最終的に、演算装置810は、推定論理840を動的推定モデル880により行い、WFGDの稼動コストを計算する。コストに対する直接的なオンライン測定は行われないため、演算装置810は、稼動コストのリアルタイム推定を行う必要がある。

0197

排出管
上記のように、米国で許可される稼動許容値は、一般にモーメント排出及び連続平均排出の両方に対して限界を設定する。WFGDサブシステムの制御において、MPCC700により有益に提起される連続平均排出の問題には2種類がある。その第1種類の問題は、連続平均の時間窓がMPCC700の演算装置810により実行される予測論理850の計画対象期間(time−horizon)より短いか等しい場合に発生する問題である。第2種類の問題は、連続平均の時間窓が予測論理850の計画対象期間より長い場合に発生する問題である。

0198

一段階のMPCC構造
第1種類の問題、つまり短い時間窓の問題は、MPCC700の正常構造を適用して、MPCC700により実行される制御において排出連続平均を付加的CVとして統合することにより解決される。より詳細には、予測論理850及び制御発生器論理860が定常状態の条件を、経済的な制約としてよりも許容値の限界以下で維持されるべき工程制約として取り扱うようにし、さらに、許容値の限界以下で適用可能な時間窓の連続平均の現在及び未来値を維持する動的制御経路を実行するようにする。このような方法で、MPCC700に排出連続平均のための調整構成が提供される。

0199

干渉変数への考慮
また、適用可能な区間内で排出に影響を及ぼす計画された稼動イベント、例えば負荷変化等の要因に対するDVは予測論理850で考慮され、これによりMPCC700では、WFGD工程の制御が考慮される。実際に、ディスク記憶装置710にデータ885の一部として記憶される実際のDVは、WFGDサブシステムの種類により変わるようになり、特定の稼動方針、例えば基礎負荷に対する変動などが前記サブシステムのために導入される。しばしばDVは、操作者によるキーボード720及びマウス725を通じて入力された入力値により、又は制御発生器論理860自体により、又は外部計画システム(図示されない)によりインタフェース830を通じて調整されることが可能である。

0200

しかし、DVは、通常、操作者又は他のユーザーにより簡単に調整されるような形態ではない。よって、好ましくは、操作者又は他のユーザーがDVを設定し維持することを助けるため、稼動計画インタフェースツールが予測論理850の一部として提供される。

0201

図11A及び図11Bは、計画された稼動停止を入力するために、ディスプレイ730に表示されたインタフェースを示す。図11Aに示すように、操作者又は他のユーザーに投影された電力発電システムの稼動係数及びWFGDサブシステムの稼動係数を表示するスクリーン1100が設けられている。また、ユーザーが1回以上、新たに計画された稼動停止を入力し、検討又は変更のために以前に入力された計画された稼動停止を表示するためのボタンが設けられている。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ