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技術 細胞活性化のための方法および組成物

出願人 ザボードオブトラスティーズオブザリランドスタンフォードジュニアユニヴァーシティ
発明者 アルタンディスティーブンイー.サリンカヴィータワイ.アルタンディマジャケイ.
出願日 2005年8月4日 (14年6ヶ月経過) 出願番号 2007-525055
公開日 2008年3月27日 (11年10ヶ月経過) 公開番号 2008-508888
状態 不明
技術分野
  • -
主要キーワード 非静止状態 同期化期間 衝突装置 非対称パターン 反対語 対称分 下位部分 標的状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題・解決手段

細胞活性化するための方法および組成物が提供される。本方法の実施において、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)かまたはテロメラーゼRNA成分(TERC)のいずれかのコード配列を含む細胞が、そのコード配列の発現条件的に増加させることにより活性化される。本方法を実施するためのトランスジェニック動物および系もまた提供される。

概要

背景

相互参照
本出願は、2004年8月5日に出願された米国仮特許出願第60/599,604号の恩典を主張し、その出願は、全体として参照により本明細書に組み入れられている。

政府権利
本発明は、National Cancer Institute of the National Institutes of Healthにより授与された連邦政府認可番号5KO8 CA082176-04における政府支援でなされた。米国政府は、本発明において一定の権利を有しうる。

発明の背景
染色体末端を定義するテロメアは、真核生物において大まかに保存された、短い、直列型反復DNA配列からなる。ヒトテロメアは、様々な関連タンパク質と共に何キロベースという(TTAGGG)Nからなる。これらの末端配列またはテロメアDNAの少量が、不完全DNA複製のために、細胞周期のS期中に染色体の先端から失われる。多くのヒト細胞は、細胞分裂と共に末端配列を徐々に喪失し、これはこれらの細胞におけるテロメラーゼの明らかな欠如相関している喪失である。結果として生じるテロメア短小化は、細胞の寿命を制限し、それにより、結果として、細胞の老化および不活性化を生じることが実証されている。

テロメラーゼは、テロメアDNA合成のための鋳型としてそれのRNA部分の一部を用いるリボ核タンパク質(RNP)である。テロメラーゼの触媒性コアは、以下の2つの必須の成分で構成される:テロメラーゼ逆転写酵素であるTERT、およびテロメラーゼRNA成分であるTERC。テロメラーゼは、TERCにおいてコードされた鋳型配列逆転写を通して、およびテロメア結合を促進するタンパク質相互作用を通して、テロメアを合成する。酵母マウスおよびヒト細胞における遺伝的研究は、TERTおよびTERCがテロメア合成における絶対のパートナーであること;いずれかのサブユニットの不活性化が酵素活性を抑止し、かつテロメア追加を阻止し、最終的複製問題の結果として進行性テロメア短小化へと導くことを確立している。テロメア短小化は、最終的に、テロメア無キャップ、結果としてチェックポイント活性化および染色体の末端間融合の両方を生じる末端保護の喪失に関連したテロメア構造における変化へ導く。

この十分確証されたパラダイムにより、テロメラーゼは、主として、テロメアの酵素的伸長を通してテロメア無キャップを防ぐように機能する。テロメラーゼは、腫瘍発生中に類似した機能を果たすと考えられており、テロメアが短小化および無キャップ化し、それに従って、癌細胞が無制限様式で増殖可能にするのを防ぐ。

細胞周期段階の制御および調節、例えば、静止状態から活性状態への細胞の進行の調節、非増殖状態から増殖状態への細胞の進行の調節など、について一般的な必要性が存在する。細胞周期段階、例えば、静止状態から活性状態へ、の制御および調節は、細胞増殖能力および老化に関連したいくつかの疾患または障害にとって有益であり、その障害が細胞の静止状態に入っている(すなわち、増殖能力欠損)ことに起因する、および活性化(すなわち、増殖状態)が障害の処置に貢献すると思われる。従って、そのような方法の開発の必要性があり続けている。

関連文献
対象となる米国特許は以下を含む:第6,166,178号(特許文献1);第6,337,200号(特許文献2);および第6,309,867号(特許文献3)。以下もまた対象となる:Cheong et al., 2003, Exp. Mol. Med., 35(3):141-153(非特許文献1); Gonzalez-Suarez et al., 2001,EMBO J., 20(11):2619-2630(非特許文献2); Ramirez et al., 1997, J. Invest. Dermatol., 108(1):113-117(非特許文献3); Harle-Bachor et al., 1996, PNAS, 93(13):6476-6481(非特許文献4);およびRochet et al., 1994, Cell, 76(6):1063-1073(非特許文献5)。

米国特許第6,166,178号
米国特許第6,337,200号
米国特許第6,309,867号
Cheong et al., 2003, Exp. Mol. Med., 35(3):141-153
Gonzalez-Suarez et al., 2001,EMBO J., 20(11):2619-2630
Ramirez et al., 1997, J. Invest. Dermatol., 108(1):113-117
Harle-Bachor et al., 1996, PNAS, 93(13):6476-6481
Rochet et al., 1994, Cell, 76(6):1063-1073

概要

細胞を活性化するための方法および組成物が提供される。本方法の実施において、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)かまたはテロメラーゼRNA成分(TERC)のいずれかのコード配列を含む細胞が、そのコード配列の発現条件的に増加させることにより活性化される。本方法を実施するためのトランスジェニック動物および系もまた提供される。

目的

本発明の特徴は、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)かまたはテロメラーゼRNA成分(TERC)のいずれか(例えば、そのうちの1つのみ)のコード配列の転写を細胞において細胞を活性化するのに十分な様式で条件的に増加させることにより、細胞を活性化するための方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

以下の段階を含む、細胞活性化するための方法:以下のうちの1つのみのコード配列転写を該細胞において該細胞を活性化するのに十分な様式で条件的に増加させる段階:(a)テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)、または(b)テロメラーゼRNA成分(TERC)。

請求項2

TERTコード配列の転写を条件的に増加させる、請求項1記載の方法。

請求項3

TERCコード配列の転写を条件的に増加させる、請求項1記載の方法。

請求項4

コード配列の転写を条件的に増加させる作用物質を細胞へ導入する段階を含む、請求項1記載の方法。

請求項5

作用物質が、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を活性化する、請求項4記載の方法。

請求項6

コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を有する発現系を含む核酸ベクターを細胞へ導入する段階を含む、請求項1記載の方法。

請求項7

条件的プロモーター系がテトラサイクリン誘導性プロモーターを含む、請求項6記載の方法。

請求項8

インビトロである、請求項1記載の方法。

請求項9

インビボである、請求項1記載の方法。

請求項10

細胞が哺乳動物に存在する、請求項8記載の方法。

請求項11

哺乳動物がヒトである、請求項9記載の方法。

請求項12

細胞が毛包細胞である、請求項1記載の方法。

請求項13

細胞が膵島細胞である、請求項1記載の方法。

請求項14

細胞がニューロン細胞である、請求項1記載の方法。

請求項15

細胞が骨髄細胞である、請求項1記載の方法。

請求項16

以下の段階を含む、宿主において細胞を活性化するための方法:該細胞を活性化するために、以下のうちの1つのみのコード配列の転写を条件的に増加させる作用物質の有効量を該宿主へ投与する段階:(a)テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)、または(b)テロメラーゼRNA成分(TERC)。

請求項17

TERTコード配列の転写を条件的に増加させる、請求項16記載の方法。

請求項18

TERCコード配列の転写を条件的に増加させる、請求項16記載の方法。

請求項19

作用物質が、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を活性化する、請求項16記載の方法。

請求項20

条件的プロモーター系がテトラサイクリン誘導性プロモーターを含む、請求項19記載の方法。

請求項21

宿主が哺乳動物である、請求項16記載の方法。

請求項22

哺乳動物がヒトである、請求項21記載の方法。

請求項23

細胞が毛包細胞である、請求項16記載の方法。

請求項24

細胞が膵島細胞である、請求項16記載の方法。

請求項25

細胞がニューロン細胞である、請求項16記載の方法。

請求項26

細胞が骨髄細胞である、請求項16記載の方法。

請求項27

以下の段階を含む、インビボで宿主において毛包細胞を活性化するための方法:該毛包細胞を活性化するために、以下のうちの1つのみのコード配列の転写を条件的に増加させる作用物質の有効量を該宿主へ投与する段階:(a)テロメラーゼ逆転写酵素(TERT);または(b)テロメラーゼRNA成分(TERC)。

請求項28

TERTコード配列の転写を条件的に増加させる、請求項27記載の方法。

請求項29

TERCコード配列の転写を条件的に増加させる、請求項27記載の方法。

請求項30

作用物質が、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を活性化する、請求項27記載の方法。

請求項31

条件的プロモーター系がテトラサイクリン誘導性プロモーターを含む、請求項30記載の方法。

請求項32

宿主が哺乳動物である、請求項27記載の方法。

請求項33

哺乳動物がヒトである、請求項32記載の方法。

請求項34

毛包細胞の活性化が結果として発毛を生じる、請求項27記載の方法。

請求項35

以下のうちの1つのみを条件的に転写する、トランスジェニック動物:(a)テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)導入遺伝子;または(b)テロメラーゼRNA成分(TERC)導入遺伝子。

請求項36

TERT導入遺伝子を含む、請求項35記載のトランスジェニック動物。

請求項37

TERC導入遺伝子を含む、請求項35記載のトランスジェニック動物。

請求項38

哺乳動物である、請求項35記載のトランスジェニック動物。

請求項39

哺乳動物が齧歯類である、請求項38記載のトランスジェニック動物。

請求項40

条件的転写が、TERT導入遺伝子またはTERC導入遺伝子へ機能的に連結した条件的プロモーター系により提供される、請求項38記載のトランスジェニック動物。

請求項41

条件的プロモーター系がテトラサイクリン誘導性プロモーター系である、請求項40記載のトランスジェニック動物。

請求項42

テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)またはテロメラーゼRNA成分(TERC)のうちの1つの活性を調整する能力がある化合物を同定するための方法であって、以下の段階を含む方法:(a)以下のうちの1つのみのコード配列の転写を条件的に増加させることにより細胞を活性化する段階:(i)該TERT;または(ii)該TERC;(b)該化合物を該細胞に接触させる段階;および(c)該化合物の該細胞への効果を観察する段階。

請求項43

活性化段階がTERTコード配列の転写を条件的に増加させる段階を含む、請求項42記載の方法。

請求項44

活性化段階がTERCコード配列の転写を条件的に増加させる段階を含む、請求項42記載の方法。

請求項45

活性化段階が、コード配列の転写を条件的に増加させる作用物質を細胞へ投与する段階を含む、請求項42記載の方法。

請求項46

活性化段階が、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を活性化する作用物質を投与する段階を含む、請求項45記載の方法。

請求項47

コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を有する発現系を含む核酸ベクターを細胞へ導入する段階をさらに含む、請求項42記載の方法。

請求項48

条件的プロモーター系がテトラサイクリン誘導性プロモーターを含む、請求項47記載の方法。

請求項49

細胞が哺乳動物にある、請求項42記載の方法。

請求項50

哺乳動物が齧歯類である、請求項49記載の方法。

請求項51

化合物がポリペプチドである、請求項42記載の方法。

請求項52

化合物が核酸である、請求項42記載の方法。

請求項53

化合物が小分子である、請求項42記載の方法。

請求項54

調整することが活性を増強することである、請求項42記載の方法。

請求項55

調整することが活性を抑圧することである、請求項42記載の方法。

請求項56

テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)かまたはテロメラーゼRNA成分(TERC)のいずれかの活性化を調整する能力がある化合物の同定において使用する系であって、該方法が以下を含む系:(a)以下のうちの1つのみを条件的に転写するトランスジェニック動物:(i)該TERT導入遺伝子、または(ii)該TERC導入遺伝子;および(b)該導入遺伝子の条件的転写を活性化する作用物質。

請求項57

条件的転写が、TERT導入遺伝子またはTERC導入遺伝子へ機能的に連結した条件的プロモーター系により提供される、請求項56記載の系。

請求項58

条件的プロモーター系がテトラサイクリン誘導性プロモーター系である、請求項57記載の系。

請求項59

動物が哺乳動物である、請求項56記載の系。

請求項60

哺乳動物がマウスである、請求項56記載の系。

請求項61

作用物質がドキシサイクリンまたはその類似体である、請求項56記載の系。

請求項62

以下のうちの1つのみのコード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を含む、条件的発現ベクター:(a)テロメラーゼ逆転写酵素(TERT);または(b)テロメラーゼRNA成分(TERC)。

請求項63

条件的プロモーター系がテトラサイクリン誘導性プロモーター系である、請求項62記載の条件的発現ベクター。

請求項64

以下を含む、条件的発現動物モデルの作製において使用する系:(a)以下のうちの1つのみのコード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を含む条件的発現ベクター:(a)テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)、または(b)テロメラーゼRNA成分(TERC);および(b)動物。

請求項65

条件的プロモーター系がテトラサイクリン誘導性プロモーター系である、請求項64記載の系。

請求項66

動物が哺乳動物である、請求項64記載の系。

請求項67

哺乳動物が齧歯類である、請求項66記載の系。

背景技術

0001

相互参照
本出願は、2004年8月5日に出願された米国仮特許出願第60/599,604号の恩典を主張し、その出願は、全体として参照により本明細書に組み入れられている。

0002

政府権利
本発明は、National Cancer Institute of the National Institutes of Healthにより授与された連邦政府認可番号5KO8 CA082176-04における政府支援でなされた。米国政府は、本発明において一定の権利を有しうる。

0003

発明の背景
染色体末端を定義するテロメアは、真核生物において大まかに保存された、短い、直列型反復DNA配列からなる。ヒトテロメアは、様々な関連タンパク質と共に何キロベースという(TTAGGG)Nからなる。これらの末端配列またはテロメアDNAの少量が、不完全DNA複製のために、細胞周期のS期中に染色体の先端から失われる。多くのヒト細胞は、細胞分裂と共に末端配列を徐々に喪失し、これはこれらの細胞におけるテロメラーゼの明らかな欠如相関している喪失である。結果として生じるテロメア短小化は、細胞の寿命を制限し、それにより、結果として、細胞の老化および不活性化を生じることが実証されている。

0004

テロメラーゼは、テロメアDNA合成のための鋳型としてそれのRNA部分の一部を用いるリボ核タンパク質(RNP)である。テロメラーゼの触媒性コアは、以下の2つの必須の成分で構成される:テロメラーゼ逆転写酵素であるTERT、およびテロメラーゼRNA成分であるTERC。テロメラーゼは、TERCにおいてコードされた鋳型配列逆転写を通して、およびテロメア結合を促進するタンパク質相互作用を通して、テロメアを合成する。酵母マウスおよびヒト細胞における遺伝的研究は、TERTおよびTERCがテロメア合成における絶対のパートナーであること;いずれかのサブユニットの不活性化が酵素活性を抑止し、かつテロメア追加を阻止し、最終的複製問題の結果として進行性テロメア短小化へと導くことを確立している。テロメア短小化は、最終的に、テロメア無キャップ、結果としてチェックポイント活性化および染色体の末端間融合の両方を生じる末端保護の喪失に関連したテロメア構造における変化へ導く。

0005

この十分確証されたパラダイムにより、テロメラーゼは、主として、テロメアの酵素的伸長を通してテロメア無キャップを防ぐように機能する。テロメラーゼは、腫瘍発生中に類似した機能を果たすと考えられており、テロメアが短小化および無キャップ化し、それに従って、癌細胞が無制限様式で増殖可能にするのを防ぐ。

0006

細胞周期段階の制御および調節、例えば、静止状態から活性状態への細胞の進行の調節、非増殖状態から増殖状態への細胞の進行の調節など、について一般的な必要性が存在する。細胞周期段階、例えば、静止状態から活性状態へ、の制御および調節は、細胞増殖能力および老化に関連したいくつかの疾患または障害にとって有益であり、その障害が細胞の静止状態に入っている(すなわち、増殖能力欠損)ことに起因する、および活性化(すなわち、増殖状態)が障害の処置に貢献すると思われる。従って、そのような方法の開発の必要性があり続けている。

0007

関連文献
対象となる米国特許は以下を含む:第6,166,178号(特許文献1);第6,337,200号(特許文献2);および第6,309,867号(特許文献3)。以下もまた対象となる:Cheong et al., 2003, Exp. Mol. Med., 35(3):141-153(非特許文献1); Gonzalez-Suarez et al., 2001,EMBO J., 20(11):2619-2630(非特許文献2); Ramirez et al., 1997, J. Invest. Dermatol., 108(1):113-117(非特許文献3); Harle-Bachor et al., 1996, PNAS, 93(13):6476-6481(非特許文献4);およびRochet et al., 1994, Cell, 76(6):1063-1073(非特許文献5)。

0008

米国特許第6,166,178号
米国特許第6,337,200号
米国特許第6,309,867号
Cheong et al., 2003, Exp. Mol. Med., 35(3):141-153
Gonzalez-Suarez et al., 2001,EMBO J., 20(11):2619-2630
Ramirez et al., 1997, J. Invest. Dermatol., 108(1):113-117
Harle-Bachor et al., 1996, PNAS, 93(13):6476-6481
Rochet et al., 1994, Cell, 76(6):1063-1073

0009

発明の概要
細胞活性化のための方法および組成物が提供される。本方法を実施するにおいて、細胞活性化は、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)かまたはテロメラーゼRNA成分(TERC)のいずれかの発現条件的に増加させることにより達成される。本方法を実施するためのトランスジェニック動物および系もまた提供される。

0010

発明の特徴
本発明の特徴は、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)かまたはテロメラーゼRNA成分(TERC)のいずれか(例えば、そのうちの1つのみ)のコード配列転写を細胞において細胞を活性化するのに十分な様式で条件的に増加させることにより、細胞を活性化するための方法を提供する。いくつかの態様において、本方法は、TERTコード配列の転写を条件的に増加させる。他の態様において、本方法は、TERCコード配列の転写を条件的に増加させる。そのような細胞は、毛包細胞膵島細胞ニューロン細胞骨髄細胞;などを含む。そのような細胞はまた、毛包骨髄膵臓中枢神経系、骨および軟骨肝臓などにおける幹細胞または前駆細胞を含む。方法は、インビトロまたはインビボで行われうる。いくつかの態様において、細胞は、ヒトのような哺乳動物に存在する。

0011

いくつかの態様において、方法は、コード配列の転写を条件的に増加させる作用物質を細胞へ導入する段階を含む。いくつかの態様において、作用物質は、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を活性化する。他の態様において、方法は、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を有する発現系を含む核酸ベクターを、細胞へ導入する段階を含む。さらなる態様において、条件的プロモーター系は、テトラサイクリン誘導性プロモーターを含む。

0012

本発明のもう一つの特徴は、細胞を活性化するためにTERTかまたはTERCのいずれかのコード配列の転写を条件的に増加させる作用物質の有効量を宿主投与することによる、宿主において細胞を活性化するための方法を提供する。いくつかの態様において、本方法は、TERTコード配列の転写を条件的に増加させる。他の態様において、本方法は、TERCコード配列の転写を条件的に増加させる。そのような細胞は、毛包細胞;膵島細胞;ニューロン細胞;骨髄細胞;などを含む。方法は、インビトロまたはインビボで行われうる。いくつかの態様において、細胞は、ヒトのような哺乳動物に存在する。

0013

いくつかの態様において、方法は、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を有する発現系を含む核酸ベクターを細胞へ導入する段階を含む。さらなる態様において、条件的プロモーター系は、テトラサイクリン誘導性プロモーターを含む。

0014

本発明のさらにもう一つの特徴は、毛包細胞を活性化するためにTERTかまたはTERCのいずれかのコード配列の転写を条件的に増加させる作用物質の有効量を宿主に投与することによる、インビボで宿主において毛包細胞を活性化するための方法を提供する。いくつかの態様において、毛包細胞の活性化は、結果として発毛を生じる。

0015

いくつかの態様において、本方法は、TERTコード配列の転写を条件的に増加させる。他の態様において、本方法は、TERCコード配列の転写を条件的に増加させる。方法は、インビトロまたはインビボで行われうる。いくつかの態様において、細胞は、ヒトのような哺乳動物に存在する。いくつかの態様において、方法は、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を有する発現系を含む核酸ベクターを細胞へ導入する段階を含む。さらなる態様において、条件的プロモーター系は、テトラサイクリン誘導性プロモーターを含む。

0016

本発明のさらにもう一つの特徴は、トランスジェニック動物を提供し、トランスジェニック動物はTERTかまたはTERCのいずれかを条件的に転写する。いくつかの態様において、トランスジェニック動物はTERT導入遺伝子を含む。他の態様において、トランスジェニック動物はTERC導入遺伝子を含む。そのような態様において、トランスジェニック動物は齧歯類のような哺乳動物である。

0017

いくつかの態様において、条件的転写は、TERT導入遺伝子またはTERC導入遺伝子へ機能的に連結した条件的プロモーター系により与えられる。さらなる態様において、条件的プロモーター系は、テトラサイクリン誘導性プロモーター系である。

0018

本発明のさらにもう一つの特徴は、TERTかまたはTERCのいずれかのコード配列の転写を条件的に増加させることで細胞を活性化することにより、TERTまたはTERCの1つの活性を調整する能力がある化合物を同定する;化合物を細胞に投与する;および化合物の細胞への効果を観察するための方法を提供する。いくつかの態様において、活性化することは、TERTコード配列の転写を条件的に増加させることを含む。他の態様において、活性化することは、TERCコード配列の転写を条件的に増加させることを含む。そのような方法において、細胞は、哺乳動物、例えば齧歯類、例えばマウス、に存在しうる。そのような方法において、化合物は、ポリペプチド核酸、または小分子でありうる。そのような方法において、調整することは、活性を増強すること、または活性を抑圧することでありうる。そのような態様において、そのような活性は、染色体の末端におけるテロメア反復配列活発な伸長を含む場合もあるし、または染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含まない場合もある。

0019

いくつかの態様において、活性化することは、コード配列の転写を条件的に増加させる作用物質を細胞に投与する段階を含む。さらなる態様において、活性化することは、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を活性化する作用物質を投与する段階を含む。他の態様において、方法はさらに、コード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を有する発現系を含む核酸ベクターを、細胞へ導入する段階を含む。さらなる態様において、条件的プロモーター系は、テトラサイクリン誘導性プロモーターを含む。

0020

本発明のさらにもう一つの特徴は、TERTかまたはTERCのいずれかを条件的に転写するトランスジェニック動物、およびその導入遺伝子の条件的転写を活性化する作用物質を含む、TERTかまたはTERCのいずれかの活性化を調整する能力がある化合物の同定において使用する系を提供する。いくつかの態様において、条件的転写は、TERT導入遺伝子またはTERC導入遺伝子へ機能的に連結した条件的プロモーター系により与えられる。さらなる態様において、条件的プロモーター系は、テトラサイクリン誘導性プロモーター系である。そのような系において、動物は哺乳動物、例えば齧歯類、例えばマウスでありうる。加えて、そのような系において、作用物質はドキシサイクリンまたはその類似体でありうる。

0021

本発明のさらにもう一つの特徴は、TERTかまたはTERCのいずれかのコード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を含む条件的発現ベクターを提供する。いくつかの態様において、条件的プロモーター系は、テトラサイクリン誘導性プロモーター系である。

0022

本発明のさらにもう一つの特徴は、TERTかまたはTERCのいずれかのコード配列へ機能的に連結した条件的プロモーター系を含む条件的発現ベクターを含む条件的発現動物モデルの作製において使用する系、および動物を提供する。いくつかの態様において、条件的プロモーター系は、テトラサイクリン誘導性プロモーター系である。さらなる態様において、動物は、齧歯類のような哺乳動物である。

0023

発明の詳細な説明
細胞活性化のための方法および組成物が提供される。本方法の実施において、テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)かまたはテロメラーゼRNA成分(TERC)のいずれか(すなわち、そのうちの1つ)についてのコード配列の転写が条件的に増加させられる。本方法を実施するための、トランスジェニック動物および系もまた提供される。

0024

本発明をさらに説明する前に、本発明が記載された特定の態様に限定されず、そのようなものとして、もちろん、変わりうることが、理解されるべきである。本明細書に用いられる用語は、特定の態様のみを記載することを目的とし、本発明の範囲は添付された特許請求の範囲によってのみ限定されるものであるため、限定することを意図されないこともまた理解されるべきである。

0025

値の範囲が提供されている場合、その範囲の上限と下限の間にある、文脈が明らかに他に規定しない限り下限値の単位の10分の1までの、各値もまた、具体的に開示されていることは理解されている。提示された範囲における任意の提示された値または間にある値と、その提示された範囲における任意の他の提示されたまたは間にある値との間の、より小さい範囲のそれぞれは本発明内に含まれる。これらのより小さい範囲の上限値および下限値は独立してその範囲に含まれうるかまたは除外されうり、およびより小さい範囲にいずれかの限界値が含まれる、いずれの限界値も含まれない、または両方の限界値が含まれる各範囲もまた、提示された範囲における任意の特に除外された限界値に制約されて本発明内に含まれる。提示された範囲が限界値の1つまたは両方を含む場合、それらの含まれる限界値の一方または両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。

0026

他に規定がない限り、本明細書に用いられるすべての技術的および科学的用語は、当業者により一般に理解されているのと同じ意味を持つ。本明細書に記載されたものと類似または等価の任意の方法および材料は、本発明の実施または試験に用いられうるが、好ましい方法および材料をここから記載する。本明細書に挙げられたすべての刊行物は、その刊行物が引用されているものと共に、方法および/または材料を、開示および記載するために参照により本明細書に組み入れられている。

0027

本明細書および添付された特許請求の範囲に用いられる場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明らかに他に規定しない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「1つの(a)細胞」への言及は、複数のそのような細胞を含み、「その(the)作用物質」への言及は、1つまたは複数の作用物質および当業者に公知のその等価物を含む。

0028

本明細書で考察された刊行物は、単に、本出願の出願日の前のそれらの開示として提供される。本明細書のいかなるものも、本発明に先行発明に基づいてそのような刊行物に先立つ権利を与えられないことの承認として解釈されるべきではない。さらになお、提供された刊行物の日付は、独立して確認される必要がありうる実際の刊行日とは異なる可能性がある。

0029

本発明の実施は、他に規定がない限り、当技術分野の技術内で、化学生化学組換えDNA技術、およびウイルス学の通常の方法を用いる。そのような技術は、文献に完全に説明されている。例えば、Fundamental Virology, 第2版, vol. I&II (B.N. Fieldsand D.M. Knipe, eds.); A.L. Lehninger, Biochemistry (Worth Publishers, Inc.,最新追加); Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (第3版, 2001); Methods in Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan eds., Academic Press, Inc.); Oligonucleotide Synthesis (N. Gait, ed., 1984); A Practical Guide to Molecular Cloning (1984)を参照されたい。

0030

方法
上で要約されているように、本発明は、細胞を活性化するための方法を提供する。「活性化すること」とは、その細胞の細胞状態が第一の静止状態から第二の非静止状態へ進行または移行させられることを意味する。本明細書に用いられる場合、「静止状態」は、非増殖状態および転写が活発でない状態、すなわち1つまたは複数の細胞の細胞数が、細胞分裂により増加していない、または活発に増殖している状態のレベルよりも低いレベルで増加している状態を意味する。本明細書に用いられる場合、「非静止状態」は増殖状態、すなわち1つもしくは複数の細胞の細胞数が細胞分裂により増加している状態、または非増殖状態および転写が活発な状態、すなわち細胞内の核酸コード配列転写速度がその第一の転写が活発でない状態と比較して例えば少なくとも約2倍増加しており、かつ1つもしくは複数の細胞の細胞数が、細胞分裂により増加していないもしくは活発に増殖している状態のレベルより低いレベルで増加している状態のいずれかを意味する。「非静止状態」は、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含む場合もあるし、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含まない場合もある。換言すれば、本方法により第二の「非静止状態」へ細胞を「活性化すること」は、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長がその第二の「非静止状態」の間中に起こることを必要としない。

0031

いくつかの態様において、本方法は、非増殖の第一状態から増殖の第二状態へ細胞を進行または移行させることにより細胞を活性化することを提供し、増殖の第二状態とは、細胞数が、非増殖の第一状態と比較して細胞分裂により増加していることを意味する。さらなる態様において、増殖の第二状態はまた、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含む。他の態様において、増殖の第二状態は、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含まない。

0032

加えて、非専用型(undedicated)前駆細胞(すなわち、未分化な幹細胞)に関して、活性化することとは、前駆細胞が第一の静止状態から第二の非静止状態へ移動されることを意味し、その第一の静止状態は、細胞数が細胞分裂により増加していない、または活発に増殖している状態のレベルより低いレベルで増加している状態に特徴づけられ、およびその第二の非静止状態は、細胞数が第一の静止状態と比較して細胞分裂により増加している状態に特徴付けられ、細胞分裂によってもたらされる細胞の子孫は、非専用型前駆細胞と比較して特有の特性をもつ特定の細胞型へさらに分化する細胞へ発達する。本明細書に用いられる場合、「増殖すること」とは、細胞分裂を起こす標的細胞の能力を指し、そのような分裂娘細胞形質転換されていない、すなわち、それらは成長および細胞周期制御への正常な応答を維持している。そのような態様において、第二の非静止状態は、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含む場合もあるし、または染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含まない場合もある。

0033

さらなる態様において、非専用型前駆細胞(すなわち、未分化な幹細胞)に関して、活性化することとは、前駆細胞が第一の静止状態から第二の非静止状態へ移動されることを意味し、その第一の静止状態は、細胞数が細胞分裂により増加していない、または活発に増殖している状態のレベルより低いレベルで増加している状態に特徴づけられ、およびその第二の非静止状態は、自己再生の状態に特徴づけられる。「自己再生」とは、前駆細胞の細胞数が第一の静止状態と比較して細胞分裂により増加していることを意味し、細胞分裂によってもたらされる細胞の子孫が親の非専用型前駆細胞と比較してそれ以上発達しない、すなわち、特有の特性をもつ特定の細胞型へさらに分化している。そのような態様において、第二の非静止状態は、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含む場合もあるし、または、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含まない場合もある。

0034

他の態様において、本方法は、第一の転写が活発でない状態から第二の転写が活発な状態へ細胞を進行または移行させることにより、細胞を活性化することを提供し、第二の転写が活発な状態とは、細胞内の核酸コード配列の転写速度がその第一の転写が活発でない状態と比較して増加しており、かつ1つもしくは複数の細胞の細胞数が細胞分裂により増加していない、または活発に増殖している状態のレベルより低いレベルで増加していることを意味する。そのような態様において、第二の転写が活発な状態は、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長も含む場合もあるし、または、染色体の末端におけるテロメア反復配列の活発な伸長を含まない場合もある。

0035

本方法が第一の非増殖状態から第二の増殖状態へ細胞を進行または移行させることにより細胞を活性化することを提供する特定の態様において、標的細胞の活性化は、標的細胞の増殖能力における増加を検出することにより決定されうる。本明細書に用いられる場合、用語「増殖能力」は、細胞が刺激に応答して起こすことができる細胞分裂の数を指す。そのような態様において、標的細胞の増殖能力における増加とは、対照と比較して、少なくとも約1.2〜約2倍、通常には少なくとも約5倍、およびしばしば、少なくとも約10、20、50倍またはそれよりいっそう高い増加を意味する。そのような方法に用いる適切な対照は、処理されていないまたは処理された標的細胞であって、偽処理された細胞は、処理された標的細胞と同じ条件に曝される。細胞増殖を測定するための方法は、当技術分野において周知であり、本方法に応答しての標的細胞の活性化を評価するために、本方法と共に用いられうる。

0036

対照細胞と比較して、処理された標的細胞で、標的細胞の実際の娘細胞における増加が検出されるように、細胞の活性化を測定するための方法は直接的でありうる。加えて、例えば対照細胞と比較して、処理された標的細胞で、細胞分裂を媒介するタンパク質の増加が検出される、または細胞周期阻害タンパク質の減少が検出されるように、細胞の活性化を測定するための方法は間接的でもよい。

0037

いくつかの態様において、標的細胞の増殖能力における増加は、細胞分裂中に娘細胞の新しく合成されたDNAへの標識ヌクレオチドの取り込みを測定することにより決定されうる。細胞は、新しく合成されるDNAへ標識DNA前駆体を取り込むので、対照細胞と比較した、処理された標的細胞における取り込みの量が細胞増殖の相対的測度である。そのようなアッセイ法と用いるのに適した標識ヌクレオチドは、限定されるわけではないが、[3H]-チミジンまたは[14C]-チミジンのような放射性標識ヌクレオチドを含み、放射性標識ヌクレオチドの取り込みは、液体シンチレーション計数により測定されうる。

0038

他の態様において、標的細胞の増殖能力における増加は、処理された標的細胞の娘細胞の膜への蛍光色素の取り込みを測定することにより決定されうる。例えば、原形質膜色素として働き、複製細胞のの原形質膜へ取り込まれる脂肪族レポーター分子は、対照細胞と比較した、処理された標的細胞の娘細胞の相対数を測定するために用いられうる。そのような細胞増殖アッセイ法の例は、参照により本明細書に組み入れられている、米国特許第4,783,401号;第4,762,701号;第4,859,584号に記載されているようなCell Census Plus(商標)System(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)である。

0039

さらに他の態様において、標的細胞の増殖能力における増加は、対照細胞と比較して、処理された標的細胞において、細胞分裂を媒介するタンパク質の活性もしくは発現における増加、またはサイクリン依存性キナーゼ(CDK)のような細胞周期制御タンパク質の活性もしくは発現における減少を測定することにより、決定されうる。例えば、サイクリン依存性キナーゼアッセイ法は、対照細胞と比較して、処理された標的細胞の活性における変化を測定するために用いられうる。加えて、ウェスタンブロットELISA、または免疫細胞化学のような方法が、標的細胞の増殖能力を決定するためにそのようなタンパク質の発現レベル定量化するのに用いられうる。

0040

本方法が第一の転写が活発でない状態から第二の転写が活発な状態へ細胞を進行または移行させることにより、細胞を活性化することを提供する特定の態様において、細胞活性化は、例えば、限定されるわけではないが、対照細胞と比較して、処理された標的細胞において、転写因子の活性における増加、標的核酸の転写における増加、または転写リプレッサーの活性における減少を測定することにより決定されうる。

0041

いくつかの態様において、標的細胞の転写活性における増加は、処理された標的細胞において標的核酸の転写における増加を検出することでありうる。例えば、緑色蛍光タンパク質またはルシフェラーゼのような検出可能なタンパク質についてのコード配列が、対照細胞と比較して処理された標的細胞の活性化を検出するために用いられうる。そのような態様において、転写における増加とは、対照細胞と比較して、少なくとも約1.2〜約2倍、通常には少なくとも約5倍、およびしばしば、少なくとも約10、20、50倍またはそれよりいっそう高い増加を意味する。そのような方法に用いる適切な対照は、処理されていないまたは偽処理された標的細胞であって、偽処理された細胞は、処理された標的細胞と同じ条件に曝される。

0042

いくつかの態様において、標的細胞の転写活性における増加は、処理された標的細胞における転写因子の転位置のレベルを検出することでありうる。例えば、細胞質から核への、NF-κBのような転写因子の転位置のレベルが、対照細胞と比較した標的処理細胞の細胞活性化を検出するために用いられうる。そのような態様において、細胞質から核への転写因子の転位置のレベルにおける増加とは、対照細胞と比較して、少なくとも約1.2〜約2倍、通常には少なくとも約5倍、およびしばしば、少なくとも約10、20、50倍またはそれよりいっそう高い増加を意味する。そのような方法に用いる適切な対照は、処理されていないまたは偽処理された標的細胞であって、偽処理された細胞は、処理された標的細胞と同じ条件に曝される。

0043

そのように、特定の態様において、本方法は、第一の静止の非増殖状態から第二の非静止の増殖状態への特定の専用型(dedicated)細胞(すなわち、非前駆細胞)の活性化を提供し、その第二の非静止の増殖状態は、第一の静止の非増殖状態と比較した、細胞分裂に起因する細胞数における増加により特徴付けられる。

0044

他の態様において、本方法は、第一の静止の非増殖状態から第二の非静止の増殖状態への前駆細胞(すなわち、非専用型細胞)の活性化を提供し、その第二の非静止の増殖状態は、第一の静止状態と比較した、細胞分裂に起因する細胞数における増加により特徴付けられ、細胞分裂によってもたらされる細胞の子孫は、非専用型前駆細胞と比較して特有の特性をもつ特定の細胞型へさらに分化する細胞へ発達する。

0045

そのような方法において、細胞は、その細胞を活性化するのに十分な様式で、テロメラーゼ逆転写酵素成分(TERT)かまたはテロメラーゼRNA成分(TERC)のいずれか(例えば、そのうちの1つのみ)のコード配列の転写(例えば、発現)を条件的に増加させることにより活性化される。本発明の本方法はインビトロで行われうり、そこで細胞の活性化は、エクスビボ、例えば組織培養において達成される、または方法はインビボで行われうり、細胞の活性化は生物体において達成される。

0046

従って、一つの局面において、本発明の本方法は、TERTコード配列の転写(例えば、発現)を条件的に増加させることによる細胞活性化を提供する。TERTは、テロメラーゼの触媒性タンパク質成分である。いくつかの態様において、本方法に用いるのに適したTERTコード配列は、ヒトTERT(hTERT)である。hTERTについてのコード配列は、GenBankアクセッション番号AF114847およびAF128893に提供され、参照により本明細書に組み入れられている、米国特許第6,166,178号にさらに記載されている。

0047

もう一つの局面において、本発明の本方法は、TERCコード配列の転写(例えば、発現)を条件的に増加させることによる細胞活性化を提供する。TERCは、テロメラーゼによる染色体の末端におけるテロメア反復配列の追加のための鋳型として働く。いくつかの態様において、本方法に用いるのに適したTERCコード配列は、ヒトTERC(hTERC)である。hTERCについてのコード配列は、GenBankアクセッション番号AF7544491に提供され、Feng et al., 1995, Science 269:1236-1241にさらに記載されている。

0048

細胞を活性化する本方法は、TERTかまたはTERCのいずれかのコード配列の転写を条件的に増加させる作用物質を細胞へ導入することにより行われうる。そのように、いくつかの態様において、本方法は、本細胞のゲノムに存在するTERTもしくはその断片か、またはTERCもしくはその断片のいずれかについての内因性コード配列の転写を条件的に増加させる作用物質の有効量と細胞を接触させる(例えば、細胞を含む宿主または被験体への投与を通して)ことにより達成される。そのような態様において、条件的に発現されるTERTまたはTERCは、テロメア末端の伸長ができる場合もあるし、テロメア末端の伸長ができない場合もある。

0049

他の態様において、本方法は、条件的プロモーター系へ機能的に連結したTERTもしくはその断片か、またはTERCもしくはその断片のいずれかのコード配列をコードする核酸組成物を細胞へ導入する(例えば、細胞を含む宿主または被験体への投与を通して)ことにより達成される。そのような態様において、条件的に発現されるTERTまたはTERCは、テロメア末端の伸長ができる場合もあるし、テロメア末端の伸長ができない場合もある。

0050

「条件的な」とは、コード配列の転写のレベルが活性のある制御性物質の存在により調整されることを意味し、活性のある制御性物質の存在は、活性のある制御性物質の非存在下におけるコード配列の転写のレベルと比較して、コード配列の転写のレベルを増加させるかまたは減少させるかのいずれかである。換言すれば、コード配列の転写は、活性のある制御性物質の存在を条件とし、作用物質自身は、直接的に転写を増加させるか、または、例えば、コード配列の転写を減少させるもしくは抑圧することにより作用する抑圧性物質相互作用して抑えることにより、間接的に転写を増加させるかのいずれかである。そのように、条件的なとは、その用語が当技術分野において用いられる場合の、すなわち、何の制御もなしに(転写は抑制も促進もされえない)持続的に発現されている遺伝子に言及するための、「恒常的な」の反対語である。

0051

「コード配列の転写を増加させること」とは、コード配列の転写のレベルが、対照、すなわち、本発明の方法にかけられていない発現系からの転写と比較して、または活性のある制御性物質の非存在下におけるコード配列の転写レベルと比較して、少なくとも約2倍、通常には少なくとも約5倍、および時に、少なくとも約25、50、100、150、200倍、および特に約300倍高く増加していることを意味する。または、活性のある制御性物質の非存在下におけるコード配列の転写が低いのでそれが検出できない場合、コード配列の転写は、転写が容易に検出されるレベルまで増加している場合には、活性のある制御性物質の存在下において増加しているとみなされる。

0052

上記のように、本方法は、TERTまたはTERCのうちの1つについての内因性コード配列の転写を条件的に増加させる作用物質を標的細胞へ導入することにより達成されうる。内因性とは、標的細胞のゲノムDNAに存在した、本来存在するコード配列を意味する。そのように、いくつかの態様において、作用物質は、TERTまたはTERCのうちの1つのコード配列からの転写の抑圧を阻害することにより作用する。抑圧の阻害とは、TERTもしくはTERCのコード配列リプレッサー結合部位の抑圧活性、またはTERTもしくはTERCの転写に関するリプレッサータンパク質相互作用が、少なくとも、上記のように、TERTまたはTERCの転写の所望の増強されたレベルを与えるのに十分な因子により減少させられることを意味する。転写抑圧の阻害は、いくつかの方法で達成されうり、TERTまたはTERCの転写抑圧を阻害するための代表的なプロコールは下に提供されている。

0053

転写の抑圧を阻害する1つの代表的な方法は、リプレッサータンパク質についての二本鎖、すなわち二重鎖オリゴヌクレオチドデコイを用いることであり、デコイはリプレッサータンパク質に結合し、それにより、リプレッサータンパク質がTERTプロモーターまたはTERCプロモーターにおけるその標的部位へ結合するのを阻止する。そのような二重鎖オリゴヌクレオチドデコイは、リプレッサータンパク質に結合するのに必要とされるリプレッサー部位の配列の少なくとも一部を有し、それにより、リプレッサータンパク質のリプレッサー部位への結合を阻止する。多くの態様において、そのような二重鎖オリゴヌクレオチドデコイの長さは、約5塩基から約5000塩基まで、通常には約5塩基から約500塩基まで、およびより通常には約10塩基から約50塩基までの範囲である。そのようなオリゴヌクレオチドデコイの使用において、デコイは、リプレッサー部位およびそれのリプレッサータンパク質の環境へ置かれ、結果として、TERTまたはTERCのコード配列の転写の抑圧解除を生じる。オリゴヌクレオチドデコイならびにそれらの使用および投与のための方法は、Morishita et al.,Circ Res (1998) 82(10):1023-8に一般論としてさらに記載されている。

0054

上記のデコイの代わりとして、リプレッサータンパク質の標的リプレッサー結合部位への結合を乱し、そのことによりそれの転写抑圧活性を阻害する他の作用物質が用いられうる。対象となる他の作用物質は、作用物質の数ある型の中でも、リプレッサータンパク質に結合し、リプレッサー領域へのそれの結合を阻害する小分子を含む。または、リプレッサー配列に結合し、リプレッサータンパク質へのそれの結合を阻害する作用物質が対象となる。または、リプレッサーの他の補助因子とのタンパク質-タンパク質相互作用、例えば補助因子結合を乱し、それにより、抑圧を阻害する作用物質が対象となる。

0055

対象となる、天然に存在するまたは合成の小分子化合物は、多数の化学的クラスを含むが、典型的には、それらは有機分子、好ましくは、50ダルトンより大きく、かつ約2,500ダルトン未満の分子量をもつ有機小分子化合物である。候補作用物質は、タンパク質との構造的相互作用に必要な官能基、特に水素結合を含み、典型的には、少なくともアミン基カルボニル基ヒドロキシル基、またはカルボキシル基、特に官能化学基の少なくとも2つを含む。候補作用物質は、しばしば、環式炭素もしくは複素環式構造、および/または上記の官能基の1つもしくは複数で置換された芳香族もしくは多環芳香族構造を含む。候補作用物質はまた、ペプチド、糖類、脂肪酸ステロイドプリンピリミジン、それらの誘導体構造類似体、または組み合わせを含む生体分子中に見出される。そのような分子は、とりわけ、下記のスクリーニングプロトコールを用いることにより、同定されうる。特に対象となる小分子作用物質は、Dickinson et al., Biochemistry 1999 Aug17;38(33):10801-7に記載されたものと類似した、ピロール-イミダゾールポリアミドを含む。他の作用物質は、リプレッサー部位と結合し(抑圧を引き起こすことなく)、リプレッサータンパク質が結合するのを防ぐ「デザイナーDNA結合タンパク質を含む。

0056

さらに他の態様において、リプレッサータンパク質の発現が阻害される。リプレッサータンパク質発現の阻害は、リプレッサータンパク質発現を阻害する作用物質(例えば、アンチセンス作用物質)の投与、リプレッサータンパク質遺伝子の、例えば組換え技術を通しての不活性化などを含む、任意の都合の良い手段を用いて達成されうる。

0057

アンチセンス試薬は、アンチセンスオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)、特に、天然の核酸からの化学修飾をもつ合成ODN、またはRNAのようなアンチセンス分子を発現させる核酸構築物でありうる。アンチセンス配列は、標的にされたリプレッサータンパク質のmRNA相補的であり、標的にされたリプレッサータンパク質の発現を阻害する。アンチセンス分子は、様々な機構を通して、例えば、リボヌクレアーゼHの活性化または立体障害を通して翻訳利用可能なmRNAの量を低下させることにより、遺伝子発現を阻害する。アンチセンス分子の1つまたは組み合わせが投与されてもよく、組み合わせは複数の異なる配列を含みうる。

0058

アンチセンス分子は、適切なベクターにおいて標的遺伝子配列の全部または一部の発現により産生されうり、転写開始は、アンチセンス鎖RNA分子として産生されるように指向される。または、アンチセンス分子は、合成オリゴヌクレオチドである。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、一般的に、少なくとも約7ヌクレオチド長、通常には少なくとも約12ヌクレオチド長、より通常には少なくとも約20ヌクレオチド長であり、かつ約500ヌクレオチド長より多くない、通常には約50ヌクレオチド長より多くない、より通常には約35ヌクレオチド長より多くなく、長さは、阻害の効率、交差反応性の欠如を含む特異性などにより支配される。7塩基長から8塩基長までの短いオリゴヌクレオチドが、遺伝子発現の強くかつ選択的なインヒビターでありうることが見出されている(Wagner et al. (1996), Nature Biotechnol. 14:840-844参照)。

0059

内因性センス鎖mRNA配列特異的領域は、アンチセンス配列により補完されるように選択される。オリゴヌクレオチドに特異的な配列の選択は、経験的な方法を用いてもよく、いくつかの候補配列は、インビトロまたは動物モデルにおいて標的遺伝子の発現の阻害についてアッセイされる。配列の組み合わせもまた用いられてもよく、mRNA配列のいくつかの領域は、アンチセンス相補性について選択される。

0060

アンチセンスオリゴヌクレオチドは、当技術分野において公知の方法により化学合成されうる(Wagner et al. (1993), 前記、およびMilligan et al., 前記を参照)。好ましいオリゴヌクレオチドは、それらの細胞内安定性および結合親和性を増加させるために、天然のホスホジエステル構造から化学修飾される。バックボーン、糖、または複素環式塩基の化学的性質を変化させる、いくつかのそのような修飾は、文献に記載されている。

0061

バックボーン化学的性質における有用な変化の中に、ホスホロチオエート非架橋酸素の両方がイオウと置換されているホスホジチオエート;ホスホロアミダイトアルキルホスホトリエステルおよびボラノホスフェートがある。アキラルホスフェート誘導体は、3'-O'-5'-S-ホスホロチオエート、3'-S-5'-O-ホスホロチオエート、3'-CH2-5'-O-ホスホロネート、および3'-NH-5'-O-ホスホロアデートを含む。ペプチド核酸は、リボースホスホジエステルバックボーン全体をペプチド結合と置換している。糖修飾もまた、安定性および親和性を増強するために用いられる。デオキシリボースのa-アノマーが用いられてもよく、ここで塩基は天然のb-アノマーに対して反転している。リボース糖の2'-OHは、親和性を含むことなく、分解に対する耐性を与える、2'-O-メチルまたは2'-O-アリル糖を形成するように変化しうる。複素環式塩基の修飾は、本来の塩基対形成を維持しなければならない。いくつかの有用な置換は、デオキシチミジンの代わりにデオキシウリジンデオキシシチジンの代わりに5-メチル-2'-デオキシシチジンおよび5-ブロモ-2'-デオキシシチジンを含む。5-プロピニル-2'-デオキシウリジンおよび5-プロピニル-2'-デオキシシチジンは、それぞれ、デオキシチミジンおよびデオキシシチジンの代わりに置換された場合、親和性および生物活性を増加させることが示されている。

0062

アンチセンスインヒビター代替として、触媒性核酸化合物、例えばリボザイム、アンチセンス結合体などが遺伝子発現を阻害するために用いられうる。リボザイムは、インビトロで合成され、患者に投与されてもよく、または発現ベクター上にコードされてもよく、それからリボザイムが標的細胞において合成される(例えば、国際特許出願 WO 9523225 およびBeigelman et al. (1995), Nucl. AcidsRes. 23:4434-42参照)。触媒活性のあるオリゴヌクレオチドの例は、WO 9506764に記載されている。mRNA加水分解を媒介する能力がある、アンチセンスODNの金属複合体との結合体、例えばテルピリジルCu(II)、はBashkin et al. (1995), Appl. Biochem. Biotechnol. 54:43-56に記載されている。

0063

また上記のように、本方法は核酸組成物、例えば発現系を含む核酸ベクターを標的細胞へ導入することにより達成することができ、核酸組成物は、TERTまたはTERCのうちの1つについてのコード配列を含む。コード配列の条件的制御は、条件的プロモーター系を通してコード配列の転写を制御する活性のある制御性物質(例えば、分子)の非存在下において、コード配列の転写がない、または検出不可能なレベルの転写があるように、条件的プロモーター系の条件的制御下にコード配列を置くことにより達成されうる。そのように、活性のある制御性物質は、条件的プロモーター系を通してコード配列の転写を制御する。

0064

本発明の本方法と用いるのに適切な条件的プロモーター系は、関連したコード配列の転写を変化させるように制御されうる任意の配列である。条件的プロモーター系は、例えば、転写開始、転写伸長、転写終結、mRNA安定性、RNAスプライシング、および翻訳を含む任意の段階において遺伝子転写を制御する能力がありうる。

0065

遺伝子転写を制御する制御性の物質および分子は、当技術分野において周知である。制御可能な遺伝子転写インヒビターエレメントは、一般的に、対応する制御性の物質または化合物による制御の標的である。例えば、制御可能な遺伝子転写インヒビターエレメントは、転写終結配列転写因子結合部位、リボザイム標的部位、スプライス受容部位、dsRNAi標的配列、短い干渉RNA(siRNA)標的配列、短いヘアピンRNA(shRNA)標的配列、およびアンチセンスRNA標的を含む。本発明の制御可能な遺伝子転写インヒビターエレメントは、対応する制御性の物質または化合物の存在下において、関連したコード配列の転写における低下を媒介しうる。または、本発明の遺伝子転写インヒビターエレメントは、制御性化合物の除去で、関連した遺伝子の発現における低下を媒介する。

0066

制御性の物質および化合物は、直接的にまたは間接的にのいずれかで、制御可能な遺伝子転写インヒビターエレメントを介して遺伝子発現を制御する能力がある任意の分子または化合物を含む。特定の態様において、活性のある制御性物質は、条件的プロモーター系と直接的に相互作用し、それにより転写を増加させることで、コード配列の転写を条件的に増加させる。他の態様において、活性のある制御性物質は、条件的プロモーター系と間接的に相互作用することによりコード配列の転写を条件的に増加させるのであって、条件的プロモーター系との間接的相互作用が、条件的プロモーター系からの転写を抑圧(例えば、阻害)している作用物質と直接的に相互作用することによる。そのような態様において、活性のある制御性物質は、抑圧性物質と相互作用し、それにより、抑圧性物質を条件的プロモーター系から解離し、コード配列の転写を可能にすることにより、コード配列の転写を増加させる。例えば、制御性物質は、制御可能な遺伝子転写インヒビターエレメントと相互作用する分子に対する結合パートナーでありうり、または制御性物質は、制御可能な遺伝子転写インヒビターエレメントを結合する分子から阻害性分子の放出を促進しうる。制御性物質はまた、例えば、制御可能な遺伝子転写インヒビターエレメントに作用する第二の分子を活性化することにより、または制御可能な遺伝子転写インヒビターエレメントへ直接的に作用する分子の細胞下局在性を変化させることにより作用しうる。

0067

特定の態様において、本発明の本方法と用いるのに適した条件的プロモーター系は、Ecdysone-Inducible Expression System (Invitrogen)である。Ecdysone-Inducible Expression Systemは、ヘテロ二量体核受容体を介して機能的に連結したコード配列の発現を活性化するために、ステロイドホルモンエクジソン類似体、ムリステロンA(muristerone A)、を用いる(No et al., 1996, PNAS, 93:3346)。そのような態様において、TERTポリペプチドまたはTERCポリペプチドのうちの1つについてのコード配列は発現ベクターへクローニングされ、発現ベクターは、最小の熱ショックプロモーターの上流に5つの改変エクジソン応答エレメント(E/GRE)および多重クローニング部位を含む。発現ベクターからの条件的転写は、その後、標的細胞への活性化剤の投与で誘導される。そのような態様において、エクジソン誘導性発現系と用いるのに適した活性化剤は、ムリステロンAであり、ムリステロンAの投与は、結果としてコード配列の転写における条件的増加を生じる。

0068

他の態様において、本方法と用いるのに適した条件的プロモーター系は、ClontechからのTet-OnおよびTet-offテトラサイクリン制御型系のようなテトラサイクリン誘導性プロモーター系である。本発明のそのような態様において、TERTポリペプチドまたはTERCポリペプチドのうちの1つについてのコード配列は、制御された高レベルな遺伝子発現を与えるために、Tet-onおよびTet-off発現系(Clontech)のようなテトラサイクリン誘導性プロモーター系を用いて条件的に転写される(Gossen et al., 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5547; Gossen et al., 1995, Science 268:1766)。さらなる態様において、条件的プロモーター系が、Tet-OnおよびTet-offテトラサイクリン制御型系のようなテトラサイクリン誘導性プロモーター系である場合、活性のある制御性物質は、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、またはそれらの類似体である。Tet-onおよびTet-off発現系は、例えば、開示が参照により本明細書に組み入れられている、米国特許第5,464,758号、第5,650,298号、および第6,133,027号にさらに記載されている。

0069

さらなる他の態様において、本方法は、TERCリボ核酸、またはその断片もしくは模倣体を細胞へ導入する(例えば、細胞を含む宿主または被験体への投与を通して)ことにより達成される。そのような態様において、TERCリボ核酸、またはその断片もしくは模倣体の導入はまた、さらに上記されているように、TERCについての内因性コード配列の条件的発現を伴いうる。さらに他の態様において、本方法は、TERTまたはその断片をコードするポリペプチドを細胞へ導入する(例えば、細胞を含む宿主または被験体への投与を通して)ことにより達成される。

0070

本発明の本方法に用いる核酸(例えば、発現ベクター)は、様々な方法により細胞、組織器官、患者または動物へ導入されうる。核酸発現ベクター(典型的にはdsDNA)は、塩化カルシウム形質転換(細菌系について)、電気穿孔法リン酸カルシウム処理、リポソーム媒介型形転換注入および微量注入弾道的方法、ビロソーム免疫リポソームポリカチオン核酸結合体のDNA(naked DNA)、人工ビリオンヘルペスウイルス構造タンパク質VP22への融合(Elliot and O'Hare, Cell 88:223)、DNAの作用物質増強取り込み、およびエクスビボ形質転換のような周知の方法により選択された宿主細胞移入されうる。有用なリポソーム媒介型DNA移入方法は、米国特許第5,049,386号、第4,946,787号;および第4,897,355号;PCT公報 WO 91/17424、WO 91/16024;Wang and Huang, 1987, Biochem. Biophys. Res. Commun. 147:980; Wang and Huang, 1989, Biochemistry 28:9508; Litzinger and Huang, 1992, Biochem. Biophys. Acta 1113:201; Gao and Huang, 1991, Biochem. Biophys. Res. Commun. 179:280に記載されている。免疫リポソームは、外因性ポリヌクレオチド担体として記載されており(Wang and Huang, 1987, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84:7851; Trubetskoy et al., 1992, Biochem. Biophys. Acta 1131:311)、特定の細胞型上の表面抗原おそらく結合する特異的抗体封入によって、リポソームと比較して細胞型特異性を向上させた可能性がある(Behr et al., 1989, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86:6982はリポソーム形成のために何の追加のリン脂質の必要性もなく、トランスフェクション自身を媒介する試薬としてリポポリアミンを用いることを報告している)。適した送達方法は、許容される実施および規制基準(例えば、遺伝子治療または組換えタンパク質の発現のための細胞系の作製について)を考慮して、医師により選択される。前述で列挙された送達方法は、遺伝子治療、組織培養細胞への移入などを目的として細胞への核酸の移入のために用いられうる。

0071

本核酸は、合成プロトコール、例えば、核酸が逐次単量体アプローチ(例えば、ホスホラミダイト化学を介して)により合成されるもの;核酸の下位部分がそのように合成され、その後、最終核酸へと集合して構築されるまたはコンカテマー化されるものを含む任意の都合の良いプロトコールを用いて作製されうる。対象となる核酸が天然に存在する配列を有する場合、核酸は、通常の分子生物学プロトコールを用いて天然源から、回収、単離、増幅などされうる。

0072

本核酸組成物を含む構築物、例えば、条件的プロモーター系へ機能的に連結したTERTまたはTERCのうちの1つのコード配列を含み、ベクターへ挿入されたものもまた提供され、そのような構築物は、本明細書に記載されているような細胞活性化を含む、いくつかの異なる適用に用いられうる。ウイルスおよび非ウイルスベクター配列から構成される構築物は、要望どおり、プラスミドを含め、調製され、かつ用いられうる。ベクターの選択は、核酸が用いられることになっている特定の適用に依存するものである。特定のベクターは、大量の所望のDNA配列を増幅かつ作製するために有用である。他のベクターは、例えば、スクリーニングアッセイに用いる、培養中の細胞における発現に適している。さらに他のベクターは、動物または人全体においての細胞における移入および発現に適している。適切なベクターの選択は、十分、当分野の技術で対応できる範囲である。多くのそのようなベクターは市販されている。構築物を調製するために、部分的または完全長の核酸が、典型的には、ベクターにおける切断された制限酵素部位へのDNAリガーゼ付着を用いて、ベクターへ挿入される。または、所望のヌクレオチド配列は、インビボで相同組換えにより挿入されうる。典型的には、これは、所望のヌクレオチド配列の隣接部でベクターに相同性の領域を付着させることにより達成される。相同性の領域は、例えば、オリゴヌクレオチドのライゲーションにより、または相同性の領域および所望のヌクレオチド配列の一部の両方を含むプライマーを用いてポリメラーゼ連鎖反応により、付加される。

0073

本方法において、活性のある作用物質は、結果として、TERTまたはTERCのうちの1つのコード配列の転写の所望の条件的増強を生じることができる任意の都合の良い手段を用いて標的にされた細胞へ導入されうる。従って、作用物質は、治療的投与のための様々な製剤へ組み入れられうる。より具体的には、本発明の作用物質は、適切な、薬学的に許容される担体または希釈剤との組み合わせにより薬学的組成物へ製剤化されうり、錠剤カプセル粉末顆粒軟膏(例えば、スキンクリーム)、溶液坐剤注射剤吸入剤、およびエアゾールのような固体半固体液体またはガスの形をとる調製物へ製剤化されうる。そのように、作用物質の投与は、経口、直腸非経口腹腔内、皮内、経皮気管内(intracheal)などの投与を含む様々な方法で達成されうる。

0074

薬学的剤形において、作用物質は、それらの薬学的に許容される塩の形をとって投与されてもよく、またはそれらはまた、単独で、もしくは他の薬学的活性化合物と、適切に会合して、および組み合わせて用いられてもよい。以下の方法および賦形剤は、単に例示的であり、決して制限するものではない。

0075

口調製物について、作用物質は、単独で、または錠剤、粉末、顆粒、もしくはカプセルを作製するために適切な添加剤と、例えば、乳糖マンニトールコーンスターチ、もしくはジャガイモデンプンのような通常の添加剤と;結晶性セルロースセルロース誘導体アラビアゴム、コーンスターチ、もしくはゼラチンのような結合剤と;コーンスターチ、ジャガイモデンプン、もしくはカルボキシメチルセルロースナトリウムのような崩壊剤と;タルクもしくはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤と;ならびに必要に応じて、希釈剤、緩衝剤湿潤剤保存剤、および着香料と組み合わせて、用いられうる。

0076

作用物質は、植物性もしくは他の類似した油、合成脂肪酸グリセリド高級脂肪酸もしくはプロピレングリコールのような水性または非水性溶媒に;ならびに必要に応じて、可溶化剤等張剤、懸濁剤乳化剤、安定剤、および保存剤のような通常の添加剤と共に、それらを溶解、懸濁、または乳化することにより注射用調製物へ製剤化されうる。

0077

作用物質は、吸入を介して投与されるようにエアゾール製剤で利用されうる。本発明の化合物は、ジクロロジフルオロメタンプロパン窒素などのような加圧された許容される噴射剤へ製剤化されうる。

0078

さらになお、作用物質は、乳化基剤または水溶性基剤のような様々な基剤と混合することにより坐剤へ作製されうる。本発明の化合物は、坐剤を介して直腸へ投与されうる。坐剤は、体温溶けるが、室温では固まっている、カカオバターカーボワックス、およびポリエチレングリコールのような媒体を含みうる。

0079

シロップエリキシル、および懸濁液のような経口または直腸投与のための単位剤形が提供され、各用量単位、例えば、ティースプーン1、テーブルスプーン1杯、錠剤または坐剤が1つまたは複数のインヒビターを含む組成物のあらかじめ決められた量を含む。同様に、注射または静脈内投与のための単位剤形は、滅菌水生理食塩水、またはもう一つの薬学的に許容される担体における溶液としての組成物にインヒビターを含みうる。

0080

本明細書に用いられる場合、用語「単位剤形」は、ヒトおよび動物被験体のための単位用量として適した物理的に別々の単位を指し、各単位は、薬学的に許容される希釈剤、担体または媒体に付随して所望の効果を生じるのに十分な量で計算された本発明の化合物のあらかじめ決められた量を含む。本発明の新規な単位剤形についての仕様は、用いられる特定の化合物および達成されるべき効果、ならびに宿主における各化合物と関連した薬動力学に依存する。

0081

媒体、アジュバント、担体、または希釈剤のような薬学的に許容される賦形剤は、一般に容易に入手できる。さらに、pH調整剤および緩衝剤、張性調整剤、安定剤、湿潤剤などのような薬学的に許容される補助剤は、一般に容易に入手できる。

0082

作用物質が、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、それらの類似体または模倣体、例えばオリゴヌクレオチドデコイ、である場合、それは、ウイルス感染、微量注入、または小胞の融合を含むいくつもの経路によっても、組織または宿主細胞へ導入されうる。ジェット式注射もまた、Furth et al. (1992), Anal Biochem 205:365-368により記載されているように、筋肉内投与のために用いられうる。DNAは、金微小発射体がDNAでコーティングされ、その後、皮膚細胞衝突させている文献(例えば、Tang et al. (1992), Nature 356:152-154)に記載されているように、金微小粒子上にコーティングされ、粒子衝突装置、すなわち「遺伝子銃」、により皮内に送達されうる。核酸治療剤に対し、当技術分野において公知であるように、いくつかの異なる送達媒体に用途を見出し、これにはウイルスおよび非ウイルスベクター系が含まれる。

0083

当業者は、用量レベルが、特定の化合物の機能、送達媒体の性質などによって変化しうることを容易に認識しているものと思われる。所定の化合物についての好ましい用量は、様々な手段によって当業者により容易に決定できる。

0084

例えば、限定されるわけではないが、毛包細胞、膵島細胞、ニューロン、ならびに、例えば、限定されるわけではないが、胚性幹細胞胚性生殖細胞成体幹細胞胎児幹細胞、骨髄幹細胞、およびニューロンの幹細胞のような幹細胞といった様々な細胞が本発明の本方法で活性化されうる。

0085

様々な宿主は、本方法に従って処理できる。一般的に、そのような宿主は、「哺乳動物」または「哺乳類の動物」であり、これらの用語は、食肉目(例えば、イヌおよびネコ)、齧歯目(例えば、マウス、モルモットおよびラット)、および霊長目(例えば、ヒト、チンパンジー、およびサル)を含む哺乳綱内にある生物体を記載するために広く用いられる。多くの態様において、宿主はヒトである。

0086

上記のように、本方法の実施は、結果として、標的細胞の活性化を生じる。本方法は、様々な異なる適用、適用の以下の項でこれから概説されている代表的な適用に用途を見出す

0087

有用性
本発明の本方法は、標的細胞の活性化が望まれる様々な適用において用途を見出す。前記のとおり、本発明の本方法による標的細胞の活性化は、標的細胞を第一の静止状態から第二の非静止状態へ進行させることが有益である障害の処置において用途を見出す。処置とは、宿主を苦しめる疾患状態(または媒介されうる他の標的状態)に関連した症状の少なくとも寛解を意味し、寛解は、処置されることになっている状態と関連したパラメーター、例えば症状、の大きさにおける少なくとも低下を指すような広い意味で用いられる。そのように、処置はまた、病的状態、または少なくともそれと関連した症状が、完全に阻害される、例えば発生するのを防ぐ、または宿主がもはやその状態、もしくは少なくともその状態を特徴付ける症状を患っていないように、停止される、例えば終わる状況を含む。対象となる障害または状態は、限定されるわけではないが、細胞が疾患または早発性細胞周期老化の結果として不活性(すなわち、静止状態)になって、それにより結果として異常な状態を生じる状況を含む。そのような状態は、限定されるわけではないが、毛包細胞老化の結果としての脱毛、膵島細胞によるインスリンの産生の減少の結果としての糖尿病状態神経変性障害貧血再生不良性貧血白血病および骨髄腫のような癌、肝硬変変性関節疾患アルツハイマー病、皮膚やけど創傷治癒などを含む。

0088

特定の態様において、本発明の本方法は、毛包細胞を第一の静止状態から第二の非静止状態へ進行させるための毛包細胞の活性化において用途を見出し、その第二の非静止状態は、成長期(anagen growth phase)において特徴付けられ、その成長期(anagen growth phase)は毛成長を生じる。そのような態様において、毛包細胞の活性化は、典型的には、結果として、対照と比較して、発毛において少なくとも1.2倍〜約2倍、通常には少なくとも約5倍、およびしばしば、少なくとも約10倍、約20倍、約50倍またはさらに大きい増加を生じる。

0089

他の態様において、本発明の本方法は、膵島細胞を第一の静止状態から第二の非静止状態へ進行させるための膵島細胞の活性化において用途を見出し、その第二の非静止状態は、インスリンのような膵臓のポリペプチドの細胞転写活性における増加において特徴付けられる。そのような態様において、膵島細胞の活性化は、典型的には、本発明の本方法による活性化を受けていない標的膵島細胞のような対照と比較して、発毛において少なくとも1.2倍〜約2倍、通常には少なくとも約5倍、およびしばしば、少なくとも約10倍、約20倍、約50倍またはさらに大きい増加を生じる。

0090

他の態様において、本発明の本方法は、幹細胞の活性化において用途を見出す。そのような態様において、本方法は、幹細胞を第一の静止状態から第二の非静止状態へ進行させるための幹細胞の活性化において用途を見出し、その第二の非静止状態は、細胞増殖能力における増加において特徴付けられる。いくつかの態様において、結果として細胞増殖能力を生じる活性化は、幹細胞の細胞分裂を起こす能力を指し、そのような分裂の娘細胞は、特定の細胞型へさらに分化する細胞へ発達し、かつそのような娘細胞は形質転換されていない、すなわちそれらは成長および細胞周期制御に対する正常な応答を維持している。他の態様において、結果として細胞増殖能力を生じる活性化とは、幹細胞の自己再生を起こす能力を指し、自己再生は、第一の静止状態と比較して細胞分裂による細胞の細胞数における増加であり、細胞分裂によってもたらされる細胞の子孫は、親の非専用型前駆細胞と比較して、それ以上発達しない、すなわち特有の特性をもつ特定の細胞型へさらに分化している。

0091

そのような態様において、増殖能力における増加は、結果として、本発明の本方法による活性化を受けなかった標的ニューロン幹細胞のような対照と比較して、細胞分裂において少なくとも1.2倍〜約2倍、通常には少なくとも約5倍、およびしばしば、少なくとも約10倍、約20倍、約50倍またはさらに大きい増加を生じる。

0092

他の態様において、本発明の本方法は、ニューロン幹細胞の活性化において用途を見出す。そのような態様において、本方法は、ニューロンを第一の静止状態から第二の非静止状態へ進行させるためのニューロン幹細胞の活性化において用途を見出し、第二の非静止状態は、細胞増殖能力における増加において特徴付けられる。いくつかの態様において、結果として細胞増殖能力を生じる活性化は、細胞分裂を起こすニューロン幹細胞の能力を指し、そのような分裂の娘細胞は特定の細胞型へさらに分化する細胞へ発達し、そのような娘細胞は形質転換されていない、すなわちそれらは成長および細胞周期制御に対する正常な応答を維持している。他の態様において、結果として細胞増殖能力を生じる活性化は、自己再生を起こすニューロン幹細胞の能力を指し、自己再生は、第一の静止状態と比較した細胞分裂による細胞の細胞数における増加であり、細胞分裂によってもたらされる細胞の子孫は、親の非専用型前駆細胞と比較して、それ以上発達しない、すなわち特有の特性をもつ特定の細胞型へさらに分化している。

0093

そのような態様において、増殖能力における増加は、結果として、本発明の本方法による活性化を受けなかった標的ニューロン幹細胞のような対照と比較して、細胞分裂において少なくとも1.2倍〜約2倍、通常には少なくとも約5倍、およびしばしば、少なくとも約10倍、約20倍、約50倍またはさらに大きい増加を生じる。

0094

他の態様において、本発明の本方法は、骨髄幹細胞の活性化において用途を見出す。そのような態様において、本方法は、骨髄幹細胞を第一の静止状態から第二の非静止状態へ進行させるための骨髄幹細胞の活性化において用途を見出し、第二の非静止状態は、細胞増殖能力における増加において特徴付けられる。いくつかの態様において、結果として細胞増殖能力を生じる活性化は、細胞分裂を起こす骨髄幹細胞の能力を指し、そのような分裂の娘細胞は、特定の細胞型へさらに分化する細胞へ発達し、そのような娘細胞は形質転換されていない、すなわちそれらは成長および細胞周期制御に対する正常な応答を維持している。他の態様において、結果として細胞増殖能力を生じる活性化は、自己再生を起こす骨髄幹細胞の能力を指し、自己再生は、第一の静止状態と比較した細胞分裂による細胞の細胞数における増加であり、細胞分裂によってもたらされる細胞の子孫は、親の非専用型前駆細胞と比較して、それ以上発達しない、すなわち特有の特性をもつ特定の細胞型へさらに分化している。

0095

そのような態様において、増殖能力における増加は、結果として、本発明の本方法による活性化を受けなかった標的骨髄幹細胞のような対照と比較して、細胞分裂において少なくとも1.2倍〜約2倍、通常には少なくとも約5倍、およびしばしば、少なくとも約10倍、約20倍、約50倍またはさらに大きい増加を生じる。

0096

上記のとおり、多細胞動物の代わりに、標的は細胞または細胞集団でもよく、それらは本方法により処理され、その後治療効果のために多細胞生物へ導入される。標的細胞の非限定的例として、本方法は、貧血ならびに白血病および骨髄腫のような癌の処置のための骨髄幹細胞移植に用いられてもよい。これらの場合、細胞はヒトドナーから単離され、その後、ヒトレシピエントへ戻す移植のために培養される。細胞培養中、細胞は正常には加齢かつ老化し、それらの有用な寿命を減少させる。例えば、骨髄細胞は、培養中それらの複製能力の約40%を損失する。この問題は、細胞が最初に遺伝子操作される場合、さらに悪化する(Decary, Mouly et al. Hum. Gene Ther. 7(11):1347-50, 1996)。そのような場合、治療細胞は、単一の操作された細胞から増殖されなければならない。移植のために十分な細胞が存在するまでには、細胞は、50年の老化と等価のものを受けている(Decary, Mouly et al. Hum Gene Ther 8(12):1429-38, 1997)。本方法の使用は、培養中および増殖中の骨髄細胞の複製能力を残し、それに従って、骨髄移植片の生存および効果を有意に向上させる。そのような態様において、骨髄幹細胞の活性化はまた、テロメアの伸長を含む場合があるか、またはそのような活性化は、テロメアの伸長を含まない。態様において、骨髄幹細胞の活性化がテロメアの伸長を含まない場合、そのような活性化は、幹細胞の自己再生により特徴付けられる。細胞培養を必要とする任意の移植技術は、本方法から恩恵を受けることができ、開示が参照により本明細書に組み入れられている、米国特許第6,068,837号;第6,027,488号;第5,824,655号;第5,821,235号;第5,770,580号;第5,756,283号;第5,665,350号に記載されているような、細胞が動物の外側で培養され、その後、動物へ投与されるエクスビボ遺伝子治療適用を含む。

0097

スクリーニングアッセイ
TERTまたはTERCのうちの1つの活性を調節する、例えば、TERTまたはTERCのうちの1つの活性を増強するまたは抑圧する能力がある化合物を同定するためのスクリーニング方法およびアッセイ法もまた、本発明により提供される。条件は、以下でさらに記載されているように、インビトロで、例えばTERTもしくはTERCのうちの1つのコード配列を条件的に発現させる細胞において、またはインビボで、TERTもしくはTERCのうちの1つのコード配列を条件的に発現させる動物モデルにおいて、設定されうる。スクリーニング方法は、インビトロまたはインビボの形式であってもよく、両方の形式は、当業者により容易に開発される。

0098

形式がインビボであろうとインビトロであろうと、標的細胞は、まず、TERTまたはTERCのいずれかのコード配列の転写を条件的に増加させることにより活性化され、その後候補作用物質が標的細胞へ投与され、候補作用物質の標的細胞への効果が観察される。そのような態様において、細胞は、上記のように、コード配列の転写の阻害を減少させることによりTERTまたはTERCのいずれかの内因性コード配列の転写を条件的に調整する(すなわち、増加させるまたは減少させる)作用物質を標的細胞へ導入することにより活性化される。

0099

いくつかの態様において、細胞は、上記のように、条件的プロモーター系へ機能的に連結したTERTまたはTERCのうちの1つのコード配列を含む核酸発現系、例えばプラスミド、を標的細胞へ導入することにより活性化される。前述で要約されているとおり、核酸発現系の導入後、TERTまたはTERCの転写は、活性のある制御性物質を標的細胞へ投与することにより条件的に増加させられる。いったん、TERTまたはTERC転写が条件的に増加させられたならば、候補作用物質は、細胞へ投与され、候補作用物質の投与の効果は、候補作用物質を投与されなかった対照細胞と比較して、標的細胞において観察される。

0100

様々な異なる候補作用物質は、前述の方法によりスクリーニングされうる。候補作用物質は多数の有機化合物を含むが、典型的にはそれらは有機分子、好ましくは50ダルトンより大きくかつ約2,500ダルトン未満の分子量をもつ小分子有機化合物である。候補作用物質は、タンパク質との構造的相互作用に必要な官能基、特に水素結合を含み、典型的には少なくともアミン基、カルボニル基、ヒドロキシル基、またはカルボキシル基、好ましくは官能化学基のうちの少なくとも2つを含む。候補作用物質は、しばしば環式炭素もしくは複素環式構造、および/または上記の官能基の1つもしくは複数で置換された芳香族もしくは多環芳香族構造を含む。候補作用物質はまた、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、それらの誘導体、構造類似体、または組み合わせを含む生体分子中に見出される。

0101

候補作用物質は、合成のまたは天然の化合物のライブラリーを含む幅広い種類の源から得られる。例えば、ランダム化した、オリゴヌクレオチドおよびオリゴペプチドの発現を含む様々な種類の有機化合物および生体分子の、不規則な合成ならびに定方向の合成に多数の手段が利用できる。あるいは、細菌、真菌、植物、および動物の抽出物の形をとる天然化合物のライブラリーが入手できる、または容易に作製される。さらに、天然のまたは合成的に作製された、ライブラリーおよび化合物は、通常の化学的、物理的、および生化学的手段を通して容易に改変され、コンビナトリアルライブラリーを作製するために用いられうる。既知薬理学的作用物質は、構造類似体を作製するために、アシル化アルキル化エステル化アミド化などのような定方向または不規則な化学的改変に曝されうる。

0102

TERTまたはTERCの転写の抑圧を阻害することによりTERTまたはTERCのうちの1つの活性を増強する上記のスクリーニングアッセイにおいて同定された作用物質は、上記の方法において、例えば、TERTまたはTERCの転写の増強において、用途を見出す。または、TERTまたはTERCのうちの1つの活性を増強する上記のスクリーニングアッセイにおいて同定された作用物質は、TERTまたはTERCの転写における増加および標的細胞の活性化が望まれる適用において、例えば、上記のように標的細胞の老化により特徴付けられる疾患状態の処置において、用途を見出す。

0103

動物モデル
上記の本スクリーニング方法で用いる動物モデルもまた、本発明により提供される。本スクリーニング方法で用いるそのような動物モデルは、TERTまたはTERCのいずれかのコード配列の条件的転写による標的細胞の活性化の能力がある。

0104

いくつかの態様において、条件的転写動物モデルは、導入遺伝子の条件的転写の能力があり、導入遺伝子は、TERTかまたはTERCのいずれかのコード配列を含む。さらなる態様において、本発明の条件的動物モデルは、TERTまたはTERcの条件的転写を与える核酸発現系、例えばプラスミドを含み、核酸ベクターは、上記のように、条件的プロモーター系へ機能的に連結したTERTかまたはTERCのいずれかのコード配列を含む。本条件的転写動物モデルと共に用いるのに適した条件的プロモーター系の例は、Tet-OnおよびTet-offテトラサイクリン制御性系のようなテトラサイクリン誘導性プロモーター系であり、活性のある制御性物質は、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、またはそれらの類似体である。

0105

他の態様において、条件的転写動物モデルは、TERTまたはTERCのいずれかの内因性コード配列の条件的転写の能力がある。さらに上で記載されているように、本条件的転写動物モデルは、TERTまたはTERCのうちの1つの内因性コード配列の転写を条件的に増加させる作用物質を本動物の標的細胞へ導入することにより達成されうる。そのように、いくつかの態様において、作用物質は、TERTまたはTERCのうちの1つのコード配列からの転写の抑圧を阻害することにより働く。抑圧の阻害とは、TERTまたはTERCの転写に関する、TERTもしくはTERCのコード配列リプレッサー結合部位またはリプレッサータンパク質相互作用の抑圧活性が、少なくとも、上記のように、TERTまたはTERCの転写の所望の増強されたレベルを与えるのに十分な因子により減少させられることを意味する。転写抑圧の阻害は、いくつかの方法において達成されてもよく、TERTまたはTERCの転写抑圧を阻害するための代表的なプロトコールは上記の方法に提供されている。

0106

使用に適した動物の例は、尾の短いサル、尾の長いサル、ブタ、ならびにラット、マウス、およびモルモットのような齧歯類のような非ヒト動物を含む。

0107


上記の本スクリーニング方法で用いる系もまた、本発明により提供される。そのような系は、上記のように、少なくとも、TERTかまたはTERCのいずれかのコード配列の条件的転写による標的細胞の活性化の能力がある条件的転写動物モデル、およびそのコード配列の条件的転写を活性化する作用物質を含む。本系と共に用いるのに適した動物の例は、ラット、マウス、モルモットなどのような非ヒト動物である。

0108

いくつかの態様において、条件的転写動物モデルは、導入遺伝子の条件的転写の能力があり、導入遺伝子は、TERTかまたはTERCのいずれかのコード配列を含む。本条件的発現ベクターと共に用いるのに適した条件的プロモーター系の例は、Tet-OnおよびTet-Offテトラサイクリン制御性系のようなテトラサイクリン誘導性プロモーター系であり、活性のある制御性物質は、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、またはそれらの類似体である。

0109

他の態様において、条件的転写動物モデルは、TERTかまたはTERCのいずれかの内因性コード配列の条件的転写の能力がある。前述でさらに記載されているように、 本条件的転写動物モデルは、TERTまたはTERCのうちの1つの内因性コード配列の転写を条件的に増加させる作用物質を本動物の標的細胞へ導入することにより達成されうる。そのように、いくつかの態様において、コード配列の条件的転写を活性化する作用物質は、TERTまたはTERCのうちの1つのコード配列からの転写の抑圧を阻害することにより働く。抑圧の阻害とは、TERTまたはTERCの転写に関する、TERTもしくはTERCのコード配列リプレッサー結合部位またはリプレッサータンパク質相互作用の抑圧活性が、少なくとも上記のように、TERTまたはTERCの転写の所望の増強されたレベルを与えるのに十分な因子により減少させられることを意味する。転写抑圧の阻害は、いくつかの方法において達成されうり、TERTまたはTERCの転写抑圧を阻害するための代表的なプロコールは上記の方法に提供されている。

0110

上記のような条件的発現動物モデルの作製において用途を見出す系もまた提供される。本方法を実施するための系は、少なくとも、条件的プロモーター系へ機能的に連結した、TERTかまたはTERCのいずれかのコード配列を含む条件的発現ベクター、例えばプラスミド;条件的発現動物モデルを作製する本方法を行うにおいて用いる様々な緩衝剤;動物などを含む。本条件的発現ベクターと共に用いるのに適した条件的プロモーター系の例は、Tet-OnおよびTet-Offテトラサイクリン制御性系のようなテトラサイクリン誘導性プロモーター系であり、活性のある制御性物質は、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、またはそれらの類似体である。本系と共に用いるのに適した動物の例は、ラット、マウス、モルモットなどのような非ヒト動物である。

0111

さらに、系構成要素で実施されるべきプロトコールにおいて必要とされるまたは望まれる追加の項目が存在する場合があり、追加の項目は、限定されるわけではないが、以下を含む:発現ベクターを動物へ送達するための手段、例えば、注射器;発現ベクターの動物への導入に必要な試薬のような、条件的発現動物モデルの調製に必要な1つまたは複数の試薬など;および本方法を行うための使用説明書

0112

実施例
以下の実施例は、本発明を行いかつ用いる方法の完全な開示および説明を当業者に提供するために出され、本発明者らがそれらの発明とみなすものの範囲を限定することを意図されないし、またそれらは、下記の実験が、すべてまたは唯一の行われる実験であることを表すことも意図されない。用いられる数(例えば、量、温度など)に関して正確さを保証するように努力がなされているが、いくらか実験誤差および偏差が考慮されるべきである。他に規定がない限り、部分は、重量での部分であり、分子量は、重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気または大気近くにおいてである。

0113

以下の材料および方法は、下の実施例に用いられる。

0114

トランスジェニックマウス
TERTは、マウスTERTcDNAの3.5kbEcoRI断片をpUHD10-3のEcoRI部位へサブクローニングすることによりテトラサイクリン誘導性プロモーターの制御下に置かれた。アクチン-rtTAを作製するために、rtTA cDNAのEcoRI-BamHI断片は、平滑末端化ライゲーションによりpCAGGSのEcoR1部位へサブクローニングされた。原核生物配列は、各プラスミドから切除され、ゲル単離されたDNA断片は、FVB/N受精接合体前核へ別々に注入された。創始マウスは、PCRおよびサザンブロットによりスクリーニングされた。アクチン-rtTA導入遺伝子陽性マウスは、特徴付けとしてアクチン-rtTAおよびtetop-TERT二重トランスジェニックマウスを作製するためにtetop-TERT導入遺伝子陽性マウスと交雑された(図1A)。

0115

TERCは、マウスTERC遺伝子の4kbゲノム断片をpUHD10-3のStuI/ApaLI部位へサブクローニングすることによりテトラサイクリン誘導性プロモーターの制御下に置かれた。アクチン-rtTAを作製するために、rtTAcDNAのEcoRI-BamHI断片は、平滑末端化ライゲーションによりpCAGGSのEcoRI部位へサブクローニングされた。原核生物配列は、各プラスミドから切除され、ゲル単離されたDNA断片は、FVB/N受精接合体の前核へ別々に注入された。創始マウスは、PCRおよびサザンブロットによりスクリーニングされた。アクチン-rtTA導入遺伝子陽性マウスは、特徴付けとしてアクチン-rtTAおよびtetop-TERC二重トランスジェニックマウスを作製するためにtetop-TERC導入遺伝子陽性マウスと交雑された(図1A)。

0116

これらの交雑種由来の子は、以下のオリゴヌクレオチド対を用いるPCRにより遺伝子型を特定された。

0117

組織学
皮膚生検は、麻酔下のマウスの背側皮膚から採取された。ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色のための試料は、10%ホルマリンに一晩固定され、その後、パラフィン包埋された。免疫組織化学およびインサイチューのための試料は、4%パラホルムアルデヒドに一晩固定され、続いて、30%ショ糖中で一晩インキュベーションされた。組織は、その後、OCT寒剤に包埋され、イソプロパノール-ドライアイススラリー上で凍結された。

0118

RNAインサイチュー分析
ジゴキシゲニン標識センスRNAプローブは、ジゴキシゲニン-UTP(Roche Applied Science)を用いてインビトロで合成された。インサイチュー分析は、10μM凍結切片または5μMパラフィン切片上で行われた。RNAインサイチューは、ストレプトアビジン-Cy3を用いる間接的蛍光(NENIndirect Fluorescence)によるかまたはストレプトアビジン-西ワサビペルオキシダーゼおよびDAB(NEN Indirect Chromogenic Kit)を用いる色素生産性(chromagenic)アッセイによるかのいずれかで発色された。

0119

免疫組織化学的検査
すべてのアッセイは、5μMパラフィン切片上で行われた。抗原は、Vector Unmasking Kit(Vector Laboratories)を用いて製造会社の使用説明書に従って切片から回収された。マウスモノクローナル一次抗体は、ビオチン化抗マウスIgG(MOM, Vector Laboratories)を用いて製造会社のプロトコールに従って検出された。ウサギ抗体は、TBS-Tに希釈された10%NGSでブロックされ、一次抗体において4℃で一晩、インキュベートされ、FITC結合抗ウサギ二次抗体(Vector Laboratories, 1:200)で検出された。用いられた一次抗体は、マウス抗AE13(Sun, 1:3)、マウス抗Ki-67(Pharmingen, 1:100)、およびウサギ抗K14(Covance, 1:500)、ウサギ抗K6(Covance, 1:500)、ラット抗CD34(Pharmingen)、およびラット抗BrdU(BD)を含んだ。BrdU検出について、スライドは、1N HCL中で37℃で1時間、処理された。

0120

標識保持細胞の分析
毛包幹細胞を標識するために、生まれて10日のマウスが、増殖性上皮ケラチノサイトを標識するように250μgのBrdUを4回の注入として12時間ごとに注入された。皮膚試料は、45〜90日間の延長された追跡期間後、マウスから採取された。BrdU免疫蛍光は、標識保持細胞を可視化するために凍結切片上で行われ、続いて、CD34について共染色された。

0121

ホールマウント免疫標識
表皮のホールマウントが、Braun et al., Development 130:5241-5255 (2003)に記載されているように、調製され、BrdUおよびK14について染色された。

0122

ノーザンブロットおよびテロメラーゼ活性アッセイ
組織は、液体窒素中で急速凍結され、その後、すりとすりこぎで粉砕された。RNAは、Trizol中でのホモジナイゼーションを用いて器官または細胞から単離された。5μgの全RNAは、8%ホルムアルデヒドゲル上で分画化され、Hybond-N膜へ転写され、TERTまたはGAPDH 32P標識DNAプローブハイブリダイズされた。テロメラーゼ反復増幅プロトコール(TRAP)アッセイについて、タンパク質は、CHAPS溶解緩衝液中で50〜100mgの組織から抽出され、標準TRAP反応が行われた(TRAPeze)。

0123

実施例1
テロメラーゼ活性はマウス出生後発生および毛包サイクリング中で厳重に制御されている
テロメラーゼは、マウス幹細胞および癌細胞において発現され、分化と共に下方制御される(Caporaso et al., 2003, Mol. Cell. Neurosci., 23:693-702; Armstrong et al., 2000, Mech. Dev., 97:109-116; Holt et al., 1996, Mol. Cell. Bio., 16:2932-2939; Allsopp et al., 2003, Blood, 102:517-520)。テロメラーゼが組織全体においてそのような制御を受けやすいかどうかを測定するために、TRAPアッセイが、出生後発生中の器官において行われた。発生のこの期間中、増殖速度は、形態形成が完了するにつれて、減少する。テロメラーゼ活性は、マウス腎臓、脳、および皮膚において出生後4日目に直ちに検出された。酵素活性は、10日目〜21日目にかけて著しく減少し、3週間時点までに成体組織の典型的なレベルに達した。

0124

いったん下方制御されたならば、テロメラーゼは、特定の細胞状況において再活性化されうる、リンパ球において十分研究された現象(Hodes et al., 2002, Nat. rev. Immunol. 2:699-706)。例えば、B細胞およびT細胞の両方は、抗原で刺激された場合、テロメラーゼレベルの上昇を示す(Weng et al., 1996, J. Exp. Med. 183:2471-2479; Ogoshi et al., 1997, J. Immunol., 158:622-628; Hathcock et al., 1998, J. Immunolo., 160:5702-5706; Weng et al., 1997, PNAS, 94:10827-10832; Hu et al., 1997, J. Immunol. 159:1068-1071)。毛包上皮が休止期(telogen)から成長期(anagen)へ移行するにつれて、テロメラーゼ活性は、毛球マトリックス細胞において上昇する(Ramirez et al., 1997, J Invest. Dermatol., 108:113-117)。この領域は、毛および内毛根鞘の細胞を生じる高増殖性多能性前駆体を有する。対照的に、バルジにおける幹細胞を含む上皮は、測定可能であるが有意により低いレベルのテロメラーゼを示した。これらのデータは、テロメラーゼレベルが、幹細胞が前駆細胞へ分化するにつれて、増加することを示している。

0125

テロメラーゼがマウスにおける毛包において同様に制御されるかどうかを測定するために、本発明者らは、皮膚抽出物でTRAPアッセイを行った。マウスにおける毛包サイクリングは、一生の最初の60〜80日間、皮膚全体を通して同期し、これらの周期のタイミングは十分研究されている(Muller-Rover et al., 2001, J. Invest. Dermatol., 117:3-15)。皮膚生検は、野生型マウスから採取され、これらの生検標本由来のタンパク質抽出物は、TRAP反応のプログラムを作成するために用いられた。マウス皮膚におけるテロメラーゼ活性は、毛包周期の成長期(anagen)と密接に合った(図1E)。テロメラーゼ活性は、第一成長期(anagen)中、毛包形態形成が完了するにつれて、4日目および10日目において高かったが、中間期中(16日目)の毛包の退行で突然、減少した。テロメラーゼは、第一休止期(telogen)(19日目)、休んでおり、第二成長期(anagen)(28日目)まで再活性化されなかった。成長期(anagen)毛包が退行するにつれて、テロメラーゼ活性は再び、減退し(34日目)、第二休止期(telogen)の長引く休止期中、休んだ(50日目;図1G)。それゆえに、結果は、テロメラーゼ活性が、毛包成長期(anagen)周期、激しい前駆細胞増殖および分化の期間にしっかりと連鎖していることを示している。

0126

実施例2
TERTはインビボでドキシサイクリン依存性様式で条件的に活性化される
これらの観察は、増殖により特徴付けられる特定の発生状態とテロメラーゼの関連を反映する;または、テロメラーゼは、テロメア合成におけるそれの機能と無関係にこれらの発生過程において機能的役割を果たしている。テロメラーゼが幹細胞/前駆細胞プログラムを調整することができるかどうかを測定するために、本発明者らは、テロメラーゼが、テトラサイクリン誘導性アプローチを用いて成体組織において条件的に活性化されうるトランスジェニック系を設計した(Gossen et al., 1992, PNAS, 89:5547-5551; Furth et al., 1994, PNAS, 91:9302-9306)。この条件的系は、2つの導入遺伝子、TERTcDNAがテトラサイクリン応答性プロモーター(tetop)の制御下に置かれているもの、および逆性テトラサイクリントランス活性化因子(rtTA)の発現を作動させる第二の導入遺伝子、で構成されている。この配置は、導入遺伝子が、テトラサイクリン類似体、ドキシサイクリン、での処理により誘導されるまでサイレンシングされているtet-onアプローチを表す。rtTAの発現を作動させるために、本発明者らは、CMVエンハンサー/β-アクチンプロモーターを選択したが、このエレメントが幹細胞(Wright et al., 2001, Blood, 97:2278-2285)および幅広い種類の上皮組織(Ventela et al., 2000, Int. J. Androl., 23:236-242; Okabe et al., 1997, FEBSLett., 407:313-319; Sawicki et al., 1998, Exp. Cell Res., 244:367-369; Akagi et al., 1997, Kidney Int., 51:1265-1269)において活性があることが以前に示されていたからである。

0127

Tetop-TERT+マウスは、Tetop-TERT+;アクチン-rtTA(二重Tg)マウスを作製するためにアクチン-rtTA+マウスと交雑された。二重Tgマウスは、発育へのテロメラーゼ誘導の可能性のある悪影響を避けるためにドキシサイクリンのオフ飼育された。テロメラーゼ発現の成体パターン生後21日目までに確立されることを示す本発明者らの結果に基づいて(図1A)、本発明者らは、TERT導入遺伝子の発現を特徴付けるために、生後21日目においてドキシサイクリン飲料水でのケージへと二重Tgマウスおよび対照を離乳させた。

0128

二重TgマウスにおいてTERTの制御を評価するために、RNAは、非トランスジェニックマウス由来、およびドキシサイクリンでの処理有りまたは無しの年齢マッチングした二重Tgマウス由来の組織から単離された。ノーザンブロット分析により、TERTmRNAは、皮膚を含むいくつかの組織において(図1B)、加えて腎臓、肝臓、睾丸および肺において、ドキシサイクリン依存性様式で誘導されたことが明らかにされた。TERT mRNAは、ドキシサイクリンのオフでの年齢をマッチングした二重Tgマウスおよび非トランスジェニック同腹仔対照の両方の由来の器官において検出できなかった。内因性TERTは、非常に低いレベルで発現され、非分画化RNAを用いるノーザンブロット上では見られなかった。誘導されたTERTが酵素的に活性があるかどうかを測定するために、皮膚からのタンパク質抽出物が、TRAPによりテロメラーゼ活性について評価された。テロメラーゼ活性は、ドキシサイクリンのオフの二重Tgマウスおよび非トランスジェニック対照と比較して、二重Tgマウス由来の皮膚においてドキシサイクリンにより強く誘導された(図1C)。それゆえに、結果は、TERT mRNAおよび活性テロメラーゼ酵素の両方が、二重Tgマウスにおいてインビボでドキシサイクリン依存性様式で誘導されることを示している。

0129

実施例3
皮膚におけるTERTの誘導は正常な毛包サイクリングを変化させる
TERTmRNAがドキシサイクリン依存性様式で誘導されることを実証されたので、本発明者らは、成体マウスにおいてTERT発現を活性化するという表現型結果を測定するために追加の二重Tgマウスを飼育した。二重Tgマウスは、生後21日目においてドキシサイクリン飲料水でのケージへと離乳させられた。ドキシサイクリン処理の3〜4週間内において、二重Tgマウスの外被が変化した。毛が、対照より長くかつ整っていないようにみえた(図1F)。対照的に、ドキシサイクリンのオフの二重Tgマウス、ドキシサイクリンのオンでの単一Tgマウスおよび非トランスジェニック同腹仔は、影響を及ぼされないままであった。二重Tgマウスの外観が、毛包サイクリングに影響を及ぼした自然突然変異または操作された突然変異をもつマウスのそれと似ていたことに本発明者らは注目した(Hebert et al., 1994, Cell, 78:1017-1025; Gat et al., 1998, Cell, 95:605-614; Nakamura et al., 2001, Exp. Dermatol., 10:369-390)。この表現型をさらに研究するために、本発明者らは、TERTの誘導後の毛包組織像を調べた。マウスは、出生後、生後約40日目における長い休止期(telogen)に入る前に、毛包成長の2つの同期化期間を経験する。毛包サイクリングにおける変化を評価するために、本発明者らは、ドキシサイクリンのオンおよびオフでの二重Tgマウス由来、単一トランスジェニックマウス由来、ならびに非トランスジェニック同腹仔由来の皮膚生検を分析した。生後28日目において、TERTの誘導は、毛包を変化させなかった;すべてのコホートにおける毛包は、成長期(anagen)にあり、これらの成長期(anagen)毛包は、組織学的に正常であった。顕著に対照的には、生後50日目までに、ドキシサイクリンのオンでの二重Tgマウス由来の毛包は、一貫して成長期(anagen)にあった(図1G)。この効果は、ドキシサイクリン依存性で、100%表現率(18/18)で生じ、ドキシサイクリンのオフでの二重Tgマウス(0/6)、ドキシサイクリンのオンもしくはオフでのアクチン-rtTA+単一Tgマウス(0/6)、非トランスジェニック同腹仔(0/2)、またはtetop-TERT+単一Tgマウス(0/3)において見られなかった(カイ二乗解析による二重Tgのドキシサイクリンのオン対オフについてp=1.3x10-5)。(表1参照)。

0130

(表1)50日目でI-tertTgマウスにおけるTERtの活性化は成長期(anagen)を促進する

すべてのマウスは21日目に開始するドキシサイクリンを投与された。
統計解析はカイ二乗解析を用いて行われた。

0131

皮膚におけるトランスジェニックTERTの発現パターンを測定するために、本発明者らは、TERTについてRNAインサイチューハイブリダイゼーションおよびケラチン-14、毛包外毛根鞘マーカー、について免疫組織化学の組み合わせを行った。TERTmRNAは、ドキシサイクリンのオンでの二重Tgマウスにおいて、毛包上皮および表皮で特異的に検出された。TERT mRNAは、ドキシサイクリンのオフでの二重Tgマウスにおいても非トランスジェニック同腹仔においても検出されなかった(図1H)。二重TgマウスにおけるTERT mRNAの分布は、ケラチン-14のそれと密接に合っており、TERTがドキシサイクリン処理で毛包上皮において発現されていることを示した。総合して、これらのデータは、毛包上皮におけるTERTの条件的誘導が毛包周期の成長期(anagen)段階を支持することを示している。それゆえに、結果は、TERTが、休止期(telogen)から成長期(anagen)への移行を惹起することによるかまたは成長期(anagen)からの退出を阻止することによるかのいずれかでこの効果を引き起こすことを示している。

0132

実施例4
皮膚におけるTERCの誘導は正常な毛包サイクリングを変化させる
皮膚におけるTERTの誘導が正常な毛包サイクリングを変化させることを実証したことに加えて、本発明者らは、成体マウスにおいてTERC発現を活性化するという表現型結果を測定するために追加の二重Tgマウスを飼育した。二重Tgマウスは、生後21日目においてドキシサイクリン飲料水でのケージへと離乳させられた。この表現型変化を研究するために、本発明者らは、TERCの誘導後の毛包組織像を調べた。上で述べたように、マウスは、出生後、生後約40日目における長い休止期(telogen)に入る前に、毛包成長の2つの同期化期間を経験する。毛包サイクリングにおける変化を評価するために、本発明者らは、ドキシサイクリンのオンおよびオフでの二重Tgマウス由来、単一トランスジェニックマウス由来、ならびに非トランスジェニック同腹仔由来の皮膚生検を分析した。生後50日目において、ドキシサイクリンのオンでの二重Tgマウス由来の毛包は、一貫して成長期(anagen)にあった(図7B)。これらの結果は、皮膚におけるテロメラーゼのTERC成分のみの誘導が、正常な毛包幹細胞を活性化することができることを実証している。

0133

実施例5
TERTまたはTERCの誘導が成長期(anagen)周期を開始し、発毛を促進することができる
休止期(telogen)から成長期(anagen)への移行を惹起するかまたは成長期(anagen)からの退出を阻止するかのいずれかのTERTの可能性の間を識別するために、TERTが、毛包が長い第二の休止期(telogen)に入った(40日目)後に、二重Tgマウスにおいて誘導された。二重Tgマウスおよび非トランスジェニック対照は、40日目に開始するドキシサイクリンで処理された。皮膚生検は、組織学により毛包周期を、ノーザンによりTERT発現を、およびTRAPによりテロメラーゼ活性を評価するために定期的に採取された。組織学は、二重Tgおよび非トランスジェニックマウスにおける毛包が、ドキシサイクリン処理を開始した時点において一貫して休止期(telogen)にあった(図3B)。TERTmRNAは、二重Tgマウスにおいてドキシサイクリン処理の開始後3日目に早くもノーザンブロットにより検出できた(図3A)。TERTレベルは、3日目から9日目まで増加的に上昇し、テロメラーゼ活性は、類似した動力学でこの過程中、増加した。組織学的分析により、二重Tgマウスにおける毛包は、6日目まで休止期(telogen)のままであったが、9日目までに成長期(anagen)プログラムの開始が明白であったことが、明らかにされた。毛包は、成長期(anagen)周期の中間成長期に入った(図3B)(カイ二乗解析によりp=0.005、表2参照)。12日目までに、二重Tgマウスにおける毛包は、脂肪細胞層を貫通し、皮筋層(panniculus carnosus)、薄い皮下の筋層、に近く隣接した長い毛包の存在により実証されているように、ピークの成長期(anagen)にあった。

0134

(表2)i-TERTTgマウスにおける40日目でのTERTの活性化は、毛包を誘発して50日目までに成長期(anagen)に入らせる

3匹のマウスは、毛包が休止期(telogen)にある40日目においてドキシサイクリンを投与された。連続的な生検は、ドキシサイクリン投与後時間間隔で採取された。
成長期(anagen)誘導は、50日目までにすべての3匹のマウスにおいて生じた。
統計解析は、カイ二乗解析により行われた。

0135

毛合成は、もっぱら、毛球における活発に増殖中のマトリックス細胞が高度に分化して、毛幹を含む角化細胞を形成する成長期(anagen)にのみ、生じる。発毛は、皮膚を通ってさらに突き出る毛幹を漸進的に押す毛包基盤におけるこの毛形成の結果として生じる。

0136

TERTまたはTERCの条件的活性化が発毛を促進することができるかどうかを測定するために、TERTおよびTERC二重Tgマウスは、休止期(telogen)(45日目)に開始するドキシサイクリンで処理された。処理の10日後、ドキシサイクリンのオンでのTERT二重Tgマウス、ドキシサイクリンのオンでのTERC二重Tgマウス、およびドキシサイクリンのオフでの年齢をマッチングした二重Tgマウス、および加えて非トランスジェニック同腹仔は、背部の毛を剃られた。これらのマウスは、発毛率を評価するために剪毛後14日間、モニターされた。ドキシサイクリンのオフでのTERC二重Tgマウスも非トランスジェニック同腹仔も、この期間は延長された第二の休止期(telogen)を含むため、案の定、この間隔中、有意な発毛を示さなかった。顕著に対照的には、毛周期の成長期(anagen)の誘導が、ドキシサイクリンのオンでの二重Tgマウスにおいて剃られた毛の活発な再構成と関連していた。2つの群間の差は、剪毛の7日以内に明らかであり、14日までに、ドキシサイクリンのオンでのTERC二重Tgマウスにおける毛は、剃られていないマウスと長さが同じくらいであった(図3C)。さらに、14日までに、ドキシサイクリンのオンでのTERT二重Tgマウスにおける毛は、ドキシサイクリンのオンでのTERC二重Tgマウスにおいて目撃された発毛と類似した(図8)。それゆえに、これらの結果は、成体マウスにおける毛包でのTERTまたはTERCのいずれか1つの誘導が、毛包周期の休止期(telogen)から成長期(anagen)への迅速な移行を惹起し、発毛を促進することを示している。

0137

TERCは、休止幹細胞を活性化し、新しい発毛周期を開始する。RNAインサイチューハイブリダイゼーションは、どんな細胞型がi-TERCトランスジェニックマウスにおいてTERCを発現させるかを測定するために用いられた。ドキシサイクリンのオンでのi-TERCマウス(右パネル)および野生型対照(左パネル)からの組織切片は、アンチセンスTERCプローブとハイブリダイズされた。図9に示されているように、トランスジェニックTERC(赤色)は、皮膚上皮において、ケラチン-14(緑色)、表皮の基底層および毛包の外毛根鞘のマーカー、と重複するパターンで検出された。これは、上皮幹細胞を有する層である。この層におけるTERCの誘導は、休止期(telogen)、毛包周期の休止期、から成長期(anagen)、活動期、への迅速な移行へと導いた。i-TERC+ドキシサイクリン試料におけるより長くかつよりずっと深い毛包に注目されたい。野生型マウスおよびドキシサイクリンのオフでのi-TERCマウスを含むすべての対照は、これらの実験中、休止期(telogen)のままであった。TERCの活性化が発毛を促進することができるかどうかを測定するために、マウスは、第二の出生後休止期(telogen)期間中に剪毛され、発毛率が評価された。i-TERCマウスにおけるTERCの誘導は、迅速な発毛を引き起こした。対照的に、対照マウスは、この期間中、発毛を示さなかった。これらの効果は、TERTのそれらと類似した。それゆえに、結果は、TERCの発現が静止幹細胞を活性化し、休止期(telogen)から成長期(anagen)への迅速な移行を引き起こし、発毛を促進することを示している。TERCの発毛への効果は、上記のように、TERTのそれらと類似している。

0138

実施例6
TERTの誘導は毛包における正常な細胞分化を干渉しない
毛包サイクリングは、自己再生、増殖、多系統分化およびアポトーシス性退行を含む複雑なシグナル伝達プログラムである。毛包形態形成およびサイクリングを制御する古典的経路の多くもまた、毛包ケラチノサイトの適切な分化に寄与する。例えば、Wnt/β-カテニン経路の活性化は、成長期(anagen)の誘導へ導くことができるが、内毛根鞘の分化を変化させる。長い活性化はまた、過形成性毛包を切断し、新たな毛包形成に導くことができる(Gat et al., 1998; Van Mater et al., 2003, Genes Dev., 17:1219-1224)。実際、細胞分化から毛包サイクリングのタイミングを分離することは、困難であった。持続性のTERT発現がTERT誘導された成長期(anagen)毛包において分化を変化させたかどうかを測定するために、本発明者らは、毛包の特定の細胞区画を同定する十分確立されたマーカーの使用を通してこれらの毛包においてケラチノサイト分化を評価した。生後50日の二重TgマウスにおけるTERT誘導された成長期(anagen)毛包は、非トランスジェニックマウスにおける第二の出生後成長期(28日目)、および休止期にある年齢をマッチングした生後50日の非トランスジェニックマウスと比較された。ケラチン-14の発現のパターンは、TERT誘導された成長期(anagen)毛包および非トランスジェニック成長期(anagen)毛包において同一であり、外毛根鞘の正常な分化を示した(図2A)。同様に、ケラチン-6(外毛根鞘の内層)、AE-13(毛ケラチン)、およびAE-15(外毛根鞘)についての発現パターンは、TERT誘導された成長期(anagen)および正常な非トランスジェニック成長期(anagen)毛包の両方において同一であった(図2B、2Cおよび2D)。皮膚乳頭は、アルカリホスファターゼ染色により検出され、TERT誘導された成長期(anagen)および非トランスジェニック成長期(anagen)毛包において類似した位置および構造をもつことが示された。最後に、TERT誘導された成長期(anagen)毛包における細胞増殖は、細胞周期の活動期における細胞を同定するKi-67マーカーを用いて評価された(図2E)。移行増幅するマトリックス細胞は、正常な成長期(anagen)およびTERT誘導された成長期(anagen)毛包の両方においてKi-67+細胞の大部分を含んだ。毛包の上皮全体に渡るトランスジェニックTERTmRNAの発現にもかかわらず、活性増殖は、毛球領域における前駆細胞集団に限定された。TERT誘導された成長期(anagen)毛包における異常な分化または異常な増殖の非存在は、毛包サイクリングのタイミングを変えることによるこの設定でTERTが働くことを示している。

0139

実施例7
TERTの効果は幹細胞区画により媒介される
バルジ幹細胞の活性化は、新しい成長期(anagen)周期の開始に不可欠であるから(Cotsarelis, et al. Cell 61, 1329-37 (1990); Taylor, et al. Cell 102, 451-61 (2000);およびTumbar, et al. Science 303, 359-63 (2004))、毛包周期へのTERTの効果は、幹細胞区画を通して媒介されうると仮定された。この仮説に取り組むために、BrdUの繰り返される注入、続いて長い追跡期間により毛包バルジ幹細胞を標識するのに用いられて成功した標識保持技術が用いられた(Cotsarelis, et al. Cell 61, 1329-37 (1990))。i-TERTマウスおよび非トランスジェニック対照のコホートは、生後10日目においてBrdUを注入された。第二の休止期(telogen)中、各群におけるマウスは、生検を行われ、ドキシサイクリン飲料水へ切り換えられ、80日目と100日目の間に再び、生検を行われた。標識保持細胞(LRC)は、BrdUおよびCD34に対する抗体での二重免疫染色により可視化された(Trempus, et al. J Invest Dermatol 120, 501-11 (2003); Blanpain, et al. Cell 118, 635-48 (2004))。LRCは、ドキシサイクリン水への切り換えの前、生後55日目でのi-TERTおよび非トランスジェニックマウスの両方において、類似した数で存在していた(約0.6 BrdU+細胞/CD34+細胞)。ドキシサイクリン処理の5週間後、CD34+幹細胞におけるBrdU標識は、非トランスジェニックマウスにおいて同程度のレベルで保持され、BrdU標識が、6ヶ月より多い間、静止バルジ細胞において存続するという以前の観察と一致した。顕著に対照的には、BrdU標識は、i-TERTマウスにおけるTERTの誘導により、バルジにおいてCD34+細胞集団で大いに枯渇した(BrdU+細胞/CD34+細胞において76%低下、p<0.0001)(図9Aおよび9B)。BrdU標識の損失にもかかわらず、バルジにおけるCD34+細胞は、類似した数のままであり、TERTの影響下で、幹細胞は分裂したが、CD34+集団を維持するために自己再生する可能性が高いことを示している。i-TERTマウスにおけるLRCの同様の低下は、表皮のホールマウントに見られ、背側皮膚切片に見られた効果を確証している(図10C)。これらの結果は、TERTが毛包バルジ細胞を増殖させ、この静止幹細胞集団からBrdU標識を希釈することを示している。

0140

TERTがケラチノサイト増殖をより広く増強するかどうかを測定するために、毛包間表皮の基底層における増殖指標が測定された(図10D)。この区画におけるトランスジェニックTERTmRNAの発現にもかかわらず、増殖は、成長期にある非トランスジェニック同腹仔と比較して、i-TERTマウスにおいて基底層で実質的には変化しなかった(28日目の非トランスジェニックについて4.3 Ki-67+細胞/100μmと比較して50日目のi-TERTについて4.2 Ki-67+細胞/100μm)(図10E)。さらに、i-TERTマウスにおける毛包または毛包間表皮のいずれにおいても構造、分化またはシグナル伝達での変化は観察されなかった。それゆえに、結果は、この系におけるTERTの原理効果が、静止毛包幹細胞の活性化を通して生じることを示している。

0141

これらの結果がTERTの幹細胞への直接的効果と一致しているかどうかを測定するために、幹細胞区画におけるトランスジェニックTERTの発現が評価された。rtTA発現を指揮するために用いられるプロモーターエレメントは、アクチン-GFPマウスにおけるCD34+バルジ細胞において強く活性があることが見出された(図10F)。さらに、TERTmRNAは、i-TERTマウスにおけるバルジ領域においてLRCのBrdUと共発現された(図10G)。成長期(anagen)の誘導は皮膚乳頭からのシグナルを通して生じることができるが(Sato, et al., J Clin Invest 104, 855-64 (1999))、皮膚乳頭におけるTERT mRNAの検出可能なレベルの欠如が、この場合、それを起こりそうにないものにしている。TERTは上皮を通してそれの効果を発揮することを確認するために、tetop-TERTマウスは、ケラチン-5プロモーターが基底層および外毛根鞘においてテトラサイクリントランス活性化因子(tTA)の発現を作動させる(K5-tTA、tetオフ配置)トランスジェニックマウスと交雑された。複合K5-tTA+;tetop-TERT+マウスは、ドキシサイクリンのオンで飼育され、TERT導入遺伝子を誘導するために21日目においてドキシサイクリン飲料水をやめさせられた。皮膚上皮におけるTERT mRNAの発現(データ示さず)は、5/5 K5-tTA+;tetop-TERT+マウスにおいて成長期(anagen)を誘導したが、すべての同腹仔対照生検は、休止期(telogen)にあった(6/6、カイ二乗解析によりp=0.0009)(図10H)。これらの結果は、成長期(anagen)を促進するにおけるTERTの効果が、皮膚上皮のK5区画、毛包幹細胞が存在する層、に内因性であることを示している。

0142

実施例8
古典的成長期(anagen)シグナル伝達経路はTERT誘導された成長期(anagen)毛包において活性がある
成長期(anagen)の誘導を支配するシグナルは完全には理解されていないが、皮膚乳頭と上皮の間の相互誘導的相互作用は、重要な役割を果たしている。Wnts、Shhおよびnogginタンパク質を含む分泌されるモルフォゲンは、毛包形態形成および毛包サイクリングの両方に寄与する。TERTが休止期(telogen)から成長期(anagen)への移行を誘導したため、本発明者らは、条件的TERT活性化がこれらの経路のいずれかの代わりをすることができるのではないかと思った。Shhは、毛包形態形成に必要とされ、毛包の基盤において成長期(anagen)中のみ発現される(Oro et al., 2003, Dev. Biol., 255:238-248)。Shhは、TERT誘導された成長期(anagen)毛包の非対称分布でRNAインサイチューにより適切に発現された(図2F)。Wnt/β-カテニンシグナル伝達もまた、毛包形態形成および毛包サイクリングにとって重要な意味をもつ。β-カテニンまたはそれのパートナー、転写因子LEF-1の損失は、毛包発生を損なう(Huelsken et al., 2001, Cell, 105:533-545)。対照的に、β-カテニンの過剰発現は、成長期(anagen)および新たな毛包形態形成を誘導することができる(Gat et al., 1998; Van Meter et al., 2003; Van Genderen et al., Genes Dev., 8:2691-2703)。本発明者らは、それゆえに、LEF-1の発現をアッセイすることによりβ-カテニン経路の完全性を評価した。Lef-1は、TERT誘導された成長期(anagen)毛包の毛球領域において発現され、このパターンは、正常な成長期(anagen)におけるそれの分布と区別できなかった(図2G)。

0143

最後に、本発明者らは、2つの阻害性経路、FGF5およびBMP4、を調べた。FGF5は、発毛周期の成長期VI期中、外毛根鞘に発現される分泌タンパク質である。研究により、FGF5が、成長期(anagen)から出るように毛包に指示するシグナルに寄与することにより、毛伸長の阻害剤として機能することが示されている(Hebert et al., 1994; Sundberg et al., 1997, Vet. Pathol., 34:171-179)。BMP4は、多くの外胚葉誘導体の誘導を阻害することに関与しており、nogginの陽性効果拮抗することにより出生後皮膚において成長期(anagen)開始および進行の阻害剤であると考えられている(Oro et al., 1998, Cell, 95:575-578)。本発明者らは、TERTが、正常な阻害性シグナルを下方制御し、それに従って、毛包が成長期(anagen)中に捕らえられるように導くことができるという可能性を考えた。しかしながら、TERT誘導された成長期(anagen)におけるBMP4およびFGF5の両方の発現レベルおよびパターンは、正常な成長期(anagen)におけるそれらと類似していた(図2H)。総合して、これらのデータは、TERTの条件的活性化が成長期(anagen)プログラムを開始することができること、しかし、このプログラムがWntおよびShhを含む類似した一組のモルフォゲンの影響下で展開することを示している。

0144

実施例9
条件的TERT活性化はテロメア無キャップを引き起こさない
テロメア無キャップは、テロメアが漸進的に短くなるにつれて起こりうり、最も短いテロメアはもはや、染色体末端における保護された構造を支持することができない。長いテロメアもまた、いくつかのテロメア結合タンパク質およびテロメラーゼ成分の過剰発現との関連において、無キャップ化を受けやすい。Est1AおよびドミナントネガティブなTRF2は、それぞれ、ヒト細胞において発現される場合、急速なテロメア無キャップへ導く(Reichenbach et al., 2003, Curr. Biol., 13:568-574; Smogorzewska et al.,EMBO J., 21:4338-4348)。対照的に、培養中のTERTの発現は、結果として、テロメア合成および不死化を生じる(Counter et al., 1992, EMBO J., 11:1921-1929)。それにもかかわらず、本発明者らは、TERTのテロメア安定性への予期せぬ効果を除外したいと思った。テロメア無キャップの特徴は、染色体の末端と末端の融合である(Mathieu et al., 2004, Cell. Mol. Life Sci., 61:641-656)。どのようにして条件的TERT活性化がテロメア機能に影響を及ぼすかを測定するために、本発明者らは、二重Tgマウスおよび非トランスジェニック対照からマウス胚線維芽細胞および脾細胞を引き出した。TERTmRNAは、MEFおよび脾細胞培養物の両方においてドキシサイクリン依存性様式で誘導された(図5A)。MEFおよび脾細胞からの分裂中期調製物の分析は、TERT誘導での染色体の末端と末端の融合の増加を示さなかった(図5B)。TERT誘導が毛包の上皮においてテロメア無キャップを引き起こしたかどうかを測定するために、二重Tgマウスおよび非トランスジェニック対照由来の成長期(anagen)毛包におけるアポトーシス率を測定した。後期産生テロメラーゼ欠損マウスにおけるテロメア機能障害は、組織を再生するにおいてアポトーシス率の有意な上昇を引き起こす(Wong et al., 2003, Nature, 421:643-648; Hemann et al., Mol. Biol. Cell, 12:2023-2030)。アポトーシスは、それゆえに、TERT誘導された成長期(anagen)毛包において、および非トランスジェニック成長期(anagen)毛包において、TUNELアッセイ法により測定された。両方の群におけるアポトーシス性核の頻度は、毛包あたり0.5未満であった。対照的に、後期産生TERT-/-マウス由来の成長期(anagen)毛包は、毛包あたり8個のアポトーシス性核の率を示した(図5Aおよび図5B)。有糸分裂像は、マトリックス細胞集団における高率の細胞分裂のために、成長期(anagen)毛包において豊富である。融合した染色体は、二動原体染色体が反対側の紡錘体極へ引かれるため、結果として、有糸分裂中に分裂後期橋を生じる。成長期(anagen)毛包における分裂後期橋形成の率を、この区画におけるテロメア機能障害の独立した測定として測定した。後期産生TERT-/-マウス由来の成長期(anagen)毛包は、頻繁な分裂後期橋を示した。対照的に、分裂後期橋は、TERT誘導された成長期(anagen)毛包においても、非トランスジェニック成長期(anagen)毛包においても見られなかった(図5A、5C、および5D)。それゆえに、結果は、TERTの条件的活性化が、結果として、細胞遺伝学、アポトーシス率、および分裂後期橋形成の頻度により測定される場合、テロメア無キャップを生じないことを示している。

0145

実施例10
TERTはテロメラーゼRNA成分非依存性機構を通して成長期(anagen)を誘導する
本発明者らは、TERTの毛包への効果が2つの機構のうちの1つを通して生じることができると仮定した。TERT活性化は、テロメア末端への新たなヌクレオチド付加を通してテロメアを伸長しうる。テロメアにおける酵素作用、または増加したテロメア長さ自身は、結果として、成長期(anagen)プログラムの活性化へ導くシグナルを生じうる。または、TERTタンパク質は、テロメア合成におけるそれの役割とは無関係に毛包活性化のシグナル伝達をする可能性がある。これらの2つのモデル遺伝学的に区別する一つの方法は、毛包におけるTERTの機能がテロメラーゼRNA成分を必要とするかどうかを測定することである。テロメア合成は、TERTおよびTERCの両方を必要とし、それゆえに、TERTの効果がTERC-/-バックグラウンドにおいて保持されている場合には、テロメア伸長は要求されることができない。このような目的で、混合された遺伝的バックグラウンドにおけるTERC+/-マウスは、6世代に渡ってFVB/Nへ戻し交雑された。純粋なバックグラウンドでの1世代だけ、TERC+/-マウスは、TERC+/+、TERC+/-、およびTERC-/-である二重Tgマウスのコホートを導くために誘導性TERT対立遺伝子と交雑された。各群におけるマウスは、生後21日目においてドキシサイクリンで処理され、表現型的に、および皮膚生検を通して、モニターされた。ドキシサイクリンでの4週間後、二重Tg T TERC-/-マウスは、より長く、整っていない毛を示し、それらの二重Tg TERC+/+または二重Tg TERC+/-同腹仔と区別できなかった。50日目における組織学的分析により、TERTの条件的活性化は5/5二重Tg TERC-/-マウスにおいてさえも成長期(anagen)を誘導することが、明らかにされた(図4A)(ドキシサイクリンを加えたi-TERT Tg; TERC-/-対ドキシサイクリンを加えないi-TERT Tgマウス(成長期(anagen)において0/8)についてp=0.0003、表3参照)。これらの結果は、TERC+/+またはTERC+/-バックグラウンドのいずれかでの二重Tgマウス(成長期(anagen)において6/6)と同一であり、TERCがTERTが成長期(anagen)を誘導するのに必要とされないことを示した。i-TERT Tg TERC-/-マウス由来の皮膚生検は、TRAP活性およびTERC RNAを欠損していることを示した(図4B)。これらのデータは、毛包を活性化して休止期(telogen)から成長期(anagen)へ移行させるにおけるTERTの効果が、テロメア合成におけるTERTの機能と無関係であることを証明している。

0146

(表3)TERTはTERCの非存在下において成長期(anagen)を誘導することができる

TERC-/-、TERC+/-またはTERC+/+バックグラウンドにおいて分析されたマウスの数
マウスは、21日目に開始するドキシサイクリンを投与され、50日目において生検を行われた。各生検は、組織学に基づいた成長期(anagen)または休止期(telogen)として分類された。
統計解析は、対照に対するカイ二乗解析を用いて行われた。

0147

これらの観察は、テロメア末端における酵素作用を含まない新しい一組のTERT活性を定義している。毛包における結果は、TERTのこれらの非正準の機能が、毛包バルジ領域において休止幹細胞を活性化するように働くことを示している。この設定におけるTERT誘導が、休止幹細胞から活発に増殖する前駆細胞への移行を促進する。このようにして、TERTは、毛包において成長期(anagen)プログラムを開始する。データはまた、いったん開始されたならば、毛包は、ShhおよびWnt/β-カテニンを含む毛包発生を導く複雑なシグナル伝達プログラムの同じセットに頼る。それゆえに、結果は、TERTが、正確な完了のために複雑な一組のモルフォゲンに頼る器官発生のプログラムを開始することができることを示している。

0148

本発明が、細胞を活性化するための効率の高い方法および組成物を提供していることは、上記の結果および考察から明らかであり、それらは、標的細胞を第一の静止状態から第二の非静止状態へ進行させることが有益である障害の処置において用いられうる。そのように、本発明は、当技術分野への有意義な貢献を示している。

0149

前記は、単に、本発明の原理例証するにすぎない。当業者が、はっきりと本明細書に記載または示されていないが、本発明の原理を具体化し、かつそれの真意および範囲内に含まれる様々なアレンジを工夫することができることは、認識されているものと思われる。さらに、本明細書に列挙されたすべての例および条件言語は、基本的には、本発明の原理および本発明者らにより本技術分野を促進することに貢献する概念を理解するにおいて読者を助けることを意図され、そのように具体的に列挙された例および条件への限定はないとして解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、局面および態様、加えてそれらの具体的な例を列挙する本明細書におけるすべての記述は、それらの構造的および機能的等価物の両方を含むことを意図される。加えて、そのような等価物は、現在既知の等価物および将来、開発される等価物、すなわち、構造を問わず、同じ機能を実行する開発される任意の要素、の両方を含む。それゆえに、本発明の範囲は、本明細書に示され、および記載された例示的な態様に限定されることを意図されない。むしろ、本発明の範囲および真意は、添付された特許請求の範囲により具体的に表現される。

図面の簡単な説明

0150

本発明は、添付の図面と共に読む場合、詳細な説明から最も良く理解される。慣行に従って、図面の様々な特徴が尺度どおりではない場合があることは強調される。それどころか、様々な特徴の寸法が、明快さのために任意に拡大または縮小されうる。以下の図が図面に含まれる。
アクチン-rtTAおよびtetop-TERT導入遺伝子構築物の概略図である。
50日目における、ドキシサイクリン(dox)で処理されたi-TERTTgマウスの皮膚でのTERTmRNAの発現を示すが、i-TERT Tg(-dox)マウスまたは非トランスジェニック同腹仔(WT)において示さない、ノーザンブロットの画像である。
50日目における、i-TERT Tgマウス(-dox)またはWTマウスと比較した、i-TERT Tg(+dox)マウスの皮膚でのテロメラーゼ活性の誘導を示す画像である。
成長期(anagen)および休止期(telogen)毛包周期の図である。
テロメラーゼ活性が、毛包サイクリングにおいて、毛包の成長期(anagen)中に高く、中間期および休止期(telogen)中に沈黙することを示す画像である。抽出物は、出生後4日および10日目(成長期(anagen))、16日目(中間期)、19日および21日目(休止期(telogen))、28日目(成長期(anagen))、34日目(中間期)、ならびに52日目(休止期(telogen))に皮膚から採取された。
50日目における、i-TERT Tgマウス(+dox)(遠景)およびi-TERT Tg(-dox)(前景)の写真であり、+doxマウスの整っていない毛および垂れ下がったひげを示す。
21日目に開始したTERT活性化が、50日目での休止期(telogen)から成長期(anagen)への毛包の状態における変化を促進することを示す組織学的分析である。毛包は、両方の群において、28日目で適切に成長期(anagen)にあった。i-TERT Tg(-dox)マウスは、非トランスジェニックマウスと区別できなかった。
ドキシサイクリン処理によるTERT mRNAの誘導後50日目からのi-TERT Tgマウスの毛包上皮皮膚の免疫蛍光切片を示す。免疫蛍光画像の併合は、TERTの分布パターンにおけるケラチン-14タンパク質との重複を示す。
図2A〜2Hは、TERT誘導された毛包における無傷の分化および発生を示す。各パネルにおいて、Tg(+dox)で示される、TERT誘導された成長期(anagen)(50日目)は、非トランスジェニック成長期(anagen)(28日目)および年齢をマッチングした休止期(telogen)における非トランスジェニックマウス(50日目)と比較される。免疫蛍光は、以下の正常なパターンを示した:ケラチン-14染色による外毛根鞘分化(図2A);ケラチン-6により標識される外毛根鞘分化の内層(図2B);AE13染色による毛分化(図2C);AE15により標識される正常な内毛根鞘分化(図2D)Ki-67染色によるマトリックス細胞における増殖(図2E)。インサイチューハイブリダイゼーション分析は以下を示した:WT(28日目)およびi-TERT Tg(50日目)の両方における陥入している成長期(anagen)毛包でのShh発現の正常な、非対称パターン(図2F);Lef1は、WTおよびi-TERT Tg誘導された成長期(anagen)毛包の両方においてマトリックス細胞に発現されるが、休止期(telogen)毛包には存在しない(図2G);ならびに、Shhは正常な休止期(telogen)(50日目のWT)には存在しない(図2H)。
図3A〜3Cは、TERTが、休止期(telogen)から成長期(anagen)への迅速な移行を誘発することを示す。i-TERT Tgマウスおよび非トランスジェニック同腹仔(WT)は、40日目に開始するドキシサイクリンで処理され、その後、連続的生検0、3、9および12日目を通してモニターされた(0、3、9、12日目)。図3Aは、TERTmRNA発現が、ノーザンブロットにより、最初に3日目に検出されたが、9日目までには実質的に増加した(左)。GAPDHは、負荷対照として用いられた。テロメラーゼ活性は、TRAPアッセイ法により見られる類似した動力学で増加した(右)。図3Bは、WTおよびiTERT TG群からの組織学的データであり、両方の群が、実験の開始時点、生後40日(0日目)において休止期(telogen)にあったことを示している。ドキシサイクリンのオンでの9日後、i-TERT Tgマウスにおける毛包が、初期成長期(anagen)に入ったが(矢印)、対照は、休止期(telogne)のままであった(アスタリスク)。完全な成長期(anagen)は、i-TERTマウスにおけるドキシサイクリンのオンでの12日目までに生じた。H&E、20x。図3Cは、生後45日目における休止期(telogen)にドキシサイクリンを投与され、生後55日目に剪毛され、14日間、モニターされたマウスの写真である。剃られた毛は、i-TERT Tgマウス(+dox)(右)においてのみ活発に成長したが、i-TERT Tgマウス(-dox)(中央)または非トランスジェニック同腹仔(左)においては成長しなかった。
図4A〜4Bは、TERTが、テロメア合成におけるそれの機能とは無関係に毛包幹細胞を活性化することを示している。TERC+/-マウスは、FVB/N系へ戻し交雑され、その後、i-TERT Tgマウスと交雑されて、TERC+/+、TERC+/-またはTERC-/-バックグラウンドでのi-TERT Tgマウスのコホートを作製した。各群におけるマウスは、21日目に開始するドキシサイクリンで処理され、50日目に分析された。図4Aは、TERTの誘導が、TERC+/+、TERC+/-およびTERC-/-を含むすべてのTERCバックグラウンドにおいて休止期(telogen)から成長期(anagen)への移行を促進したことを示す組織学的分析である。i-TERT(-dox)、単一トランスジェニックマウス、ならびにTERC+/+、TERC+/-およびTERC-/-バックグラウンドでの非トランスジェニックマウスを含む陰性対照は休止期(telogen)のままであった。図4Bは、i-TERT TgかつTERC-/-マウスからの皮膚試料が、TRAPによるテロメラーゼ活性およびRTPCRによるTERC発現を欠損したことを示している。TERT導入遺伝子は、TERC遺伝子型に関係なく、i-TERT Tgマウスにおいて同様に誘導された。
図5A〜5Cは、テロメアが、i-TERT Tgマウスにおいて安定かつキャップされたままであることを示している。図5Aは、対照と比較した、ドキシサイクリンで72時間処理されたi-Tert Tg MEFS(左)またはドキシサイクリンで48時間処理された脾細胞(右)におけるTertの誘導を示すノーザン分析である。図5Bは、MEF(左)および脾細胞(右)からの分裂中期調製物の画像を示し、TERTの誘導で、染色体の末端と末端の融合における増加を示さなかった。図5Cは、WT、i-TERT Tg(-dox)およびi-Tert Tg(+dox)試料に見出される、染色体の平均数および分裂中期ごとの融合の数を描く表である。いずれの分裂中期においても融合は見出されなかった。
図6A〜6Dは、TERTの誘導がアポトーシスまたは分裂後期橋形成の増加へ導かないことを示している。図6Aは、50日目におけるi-Tert Tg(+dox)マウス、加えて対照として、50日目におけるWT、28日目におけるWT、および28日目における後期産生Tert-/-からの皮膚切片上で行われたTUNELアッセイ法の結果を示す。TUNEL+細胞の数の増加は、後期産生Tert-/-切片においてのみ検出された。分裂後期橋は、後期産生Tert-/-皮膚切片において検出されたが、i-Tert Tg(+dox)皮膚切片またはWT対照において検出されなかった。図6Bは、毛包あたりのTUNEL陽性細胞の平均数を描く棒グラフである。図6Cは、調べられた分裂後期の総数あたりの分裂後期橋の数を描く棒グラフである。図6Dは、調べられた分裂後期の数および各遺伝子型において橋であった画分を示す表である。分裂後期橋は、後期産生Tert-/-皮膚切片においてのみ見出された。
図7A〜7Bは、TERCの条件的活性化および毛包の分析を示す。図7Aは、アクチン-rtTAおよびtetop-TERC導入遺伝子構築物の概略図である。図7Bは、TERC活性化が、TERC Tg(-dox)(中央)および非トランスジェニック同腹仔(上部)と比較して、TERC Tgマウス(+dox)(下部)において休止期(telogen)から成長期(anagen)への毛包の状態での変化を促進することを示す、生後50日目のマウスからの組織学的分析の結果を示す。
生後45日目での休止期(telogen)においてドキシサイクリンを投与され、生後55日目において剪毛され、14日間、モニターされたマウスの写真である。剃られた毛は、iTERT Tgマウス(+dox)(右)およびiTERC Tgマウス(+dox)(中央)において活発に成長したが、野生型(非トランスジェニック)同腹仔(左)においては成長しなかった。
ドキシサイクリンのオンでのi-TERCマウス(右パネル)および野生型対照(左パネル)からの組織切片がアンチセンスTERCプローブとハイブリダイズしたことを示している。図9に示されているように、トランスジェニックTERC(赤色)は、皮膚上皮において、ケラチン-14(緑色)、表皮の基底層および毛包の外毛根鞘のマーカー、と重複するパターンで検出された。
図10A〜10Fは、TERTが幹細胞を活性化し、LRCからBrdU標識を枯渇させることを示している。図10Aは、非Tg群におけるLRCのBrdU(赤色)およびCD34(緑色)についての免疫蛍光の維持を示すが、doxy処理後のi-TERTマウスにおいてBrdU標識の劇的な損失を示している(doxy前=55日目、doxy後=90日目)。図10Bは、図10AからのLRCデータの定量化を示すグラフである。グラフは、BrdU+細胞/CD34+細胞の数を示す。i-TERT(黒色棒、n=4マウス)、非Tg(白抜き棒、n=3マウス)、(-)はdoxy前を示す、(+)はdoxy後を示す。図10Cは、10日目においてBrdUで標識され、40日目においてdoxyへ切り換えられ、65日目において分析されたマウスの尾由来の表皮のホールマウントからのLRC分析である(BrdU=赤色、K14=緑色)。図10Dは、増殖性細胞を標識するためにKi-67(赤色)、皮膚の基底層を同定するためにK14(緑色)を用いる免疫蛍光を示す。図10Eは、Ki-67+細胞/基底層の100μmの長さとして、図10Dにおける増殖指標の定量化を示すグラフである(各比較のためにn=2マウス)。図10Fは、アクチン-GFPマウス由来の皮膚切片におけるCD34と共染色されたGFP落射蛍光(挿入図、共焦点顕微鏡法)を示す。図10Gは、i-TERT(+doxy)マウス皮膚におけるTERT mRNAについてのRNAインサイチュー分析を示す。挿入図は、TERT mRNA発現(細胞質)が、バルジにおいてBrdU(核)により標識されたLRCと重複することを示している。図10Hは、K5tTA+;tetop-TERT+(-doxy)(下部)および非Tg(上部)マウス由来のH&E切片、20Xを示す。誤差バーは、標準偏差を示す。p値はt検定に基づく。*=毛の自己蛍光

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