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技術 耐摩耗性を向上した非粘着性塗膜物およびその非粘着性塗膜物にてコーティングされた調理器具

出願人 セブソシエテアノニム
発明者 ビュッファルド,ジャン−ピエールギャルダ,クロディーヌヴォワザン,ロラン
出願日 2005年5月31日 (14年1ヶ月経過) 出願番号 2007-514024
公開日 2008年1月24日 (11年6ヶ月経過) 公開番号 2008-501501
状態 拒絶査定
技術分野 食品調製器具 加熱調理器 流動性材料の適用方法、塗布方法
主要キーワード 塗膜物 工業用添加剤 食卓用食器 工業設備 一次膜 雲母薄片 磨耗サイクル 調理サイクル
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課題・解決手段

本発明は、耐磨耗性を向上した非粘着性塗膜物に関し、支持体に形成され、かつフッ素樹脂を主成分とする1層または多層外側膜にて覆われた少なくとも1層の基礎となる膜を含んでいる。以下に、基礎となる膜に含まれる組成物および全組成物に対する乾燥重量の割合を示す:9〜15重量%のフッ素樹脂、4〜5重量%のポリアミドイミド樹脂(PAI)、0.12〜1.1重量%のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、残りは工業用添加剤不活性充填剤および分散媒体である。本発明は、上記非粘着性塗膜物にてコーティングされた調理器具にも関する。

概要

背景

概要

本発明は、耐磨耗性を向上した非粘着性塗膜物に関し、支持体に形成され、かつフッ素樹脂を主成分とする1層または多層外側膜にて覆われた少なくとも1層の基礎となる膜を含んでいる。以下に、基礎となる膜に含まれる組成物および全組成物に対する乾燥重量の割合を示す:9〜15重量%のフッ素樹脂、4〜5重量%のポリアミドイミド樹脂(PAI)、0.12〜1.1重量%のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、残りは工業用添加剤不活性充填剤および分散媒体である。本発明は、上記非粘着性塗膜物にてコーティングされた調理器具にも関する。

目的

効果

実績

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1件
牽制数
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請求項1

金属基材に形成され、かつフッ素樹脂を主成分とする少なくとも1層の外側膜にて覆われた少なくとも1層の第1の一次膜を含み、上記第1の一次膜は、全組成物に対する乾燥重量の割合が、9〜15重量%のフッ素樹脂と、4〜5重量%のポリアミドイミド(PAI樹脂と、0.12〜1.1重量%のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂とを含み、残りは工業用添加剤と、顔料などの不活性充填剤と、分散媒体とを含んでなることを特徴とする耐磨耗性を向上した非粘着性塗膜物

請求項2

上記第1の一次膜は、上記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂を0.12〜1.0重量%、好ましくは0.12〜0.9重量%の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の非粘着性塗膜物。

請求項3

上記ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂の粒径は、5〜35μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の非粘着性塗膜物。

請求項4

フッ素樹脂およびポリアミドイミド(PAI)樹脂を含む第2の一次膜をさらに含み、上記第2の一次膜は、上記外側膜の形成前に、上記第1の一次膜上に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の非粘着性塗膜物。

請求項5

上記第2の一次膜は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の非粘着性塗膜物。

請求項6

上記第1の一次膜および上記第2の一次膜は、同一の組成であることを特徴とする請求項5に記載の非粘着性塗膜物。

請求項7

上記第2の一次膜は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂を含まないことを特徴とする請求項4に記載の非粘着性塗膜物。

請求項8

上記第1の一次膜、および形成されている場合には上記第2の一次膜に含まれるフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)、テトラフルオロエチレンぺルフルオロプロピルビニルエーテル共重合体(PFA)、またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)より選択される少なくとも1種類の化合物を含んでいることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の非粘着性塗膜物。

請求項9

請求項1から8のいずれか1項に記載の非粘着性塗膜物によりコーティングされた調理器具

発明の詳細な説明

0001

本発明は、耐磨耗性を向上した非粘着性塗膜物に関する。

0002

一般的に、調理器具コーティングする非粘着性塗膜物は、フッ素樹脂を主成分とした組成物(例えば、ポリテトラフルオロエチレンPTFE)を含む組成物)を含む組成物からなり、金属基材上に形成される。

0003

しかし、耐化学性および耐熱性だけでなく非粘着性が知られている上記PTFEを主成分とする塗膜物は、特に磨耗を受け易いという欠点を有している。また、繰り返し使用することにより上記PTFEを主成分とする塗膜物の非粘着性が低減してしまうため、これらの非粘着性などの特性を有する調理器具が、すぐに損傷してしまう。

0004

この重大な欠点を改善し、かつ耐磨耗性を向上した非粘着性塗膜物を形成するために、多様な技術が生み出されている。

0005

ハード」と呼ばれる下地層を、金属基材に対して直接形成する技術が広く用いられている。「ハード」と呼ばれる下地層は、少なくとも1層のフッ素樹脂を主成分とする第1の一次膜、およびフッ素樹脂を主成分とする1層または多層外側膜を形成する前に形成される。この「ハード」と呼ばれる下地層は、金属基材に達するような磨耗を防ぐ障壁を形成する。

0006

上記下地層としては、例えば、アルミナエナメルステンレス鋼、またはポリアミドイミド(PAI樹脂により構成されている下地層を挙げることができる。

0007

ごく最近では、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を用いた下地層が、EP1 169 141およびEP1 169 142にそれぞれ開示されている。

0008

EP1 169 141には、硬化後、PEEKのみにより構成される下地層組成物が開示されている。

0009

EP1 169 142に開示されている下地層組成物は、少なくとも50重量%のPEEKが含まれており、残りの50重量%は、耐熱性ポリマーと、例えば、ポリフェニレン硫化物(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミドポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルスルホン(PES)またはポリアミドイミド(PAI)の純品または混合物と、例えば、金属酸化物シリカ雲母粒子または層状の充填剤のような不活性充填剤とを含んでいる。

0010

PEEKのみ、またはPEEKを主成分とする下地層を含む非粘着性塗膜物では、耐磨耗性の点に関して、非常に好適な結果が得られている。

0011

しかし、上述の下地層の形成は、非粘着性塗膜物を備えた物品の製造プロセスおよび価格に明らかな影響を及ぼしている。

0012

実際、上述の下地層は、金属基材と1層以上からなる一次膜との間に挿入される新たな形成物である。したがって、上述の非粘着性塗膜物を備えた物品の製造には、さらなる原料または工業設備を必要とするような、さらなる製造工程を必要とする。

0013

下地層の種類にもよるが、一般的なフッ素樹脂を主成分とする塗膜物の形成に用いる技術以外の形成技術を用いる必要があることもある。ここで述べた、一般的な技術とは、噴霧法ロール塗布スクリーン印刷、およびパッド印刷である。

0014

下地層がPEEKのみ、またはPEEKを主成分として作製されるような特殊な場合においては、PEEKが特に高価な樹脂であるため、製造コストが高くなることもまた明らかである。

0015

このように、耐磨耗性に関して非常に好適であり、非粘着性を長時間維持でき、製造プロセスの適用に関する上記の欠点を全て修正し、安価に作製できる原料を使用し、安価な原料を使用することによる経済的効果を有するような非粘着性塗膜物を形成することが問題となっている。

0016

上記の問題を解決する非粘着性塗膜物は、金属基材に対して形成され、かつフッ素樹脂を主成分とする1層または多層の外側膜にて覆われた少なくとも1層からなる第1の一次膜を含む非粘着性塗膜物である。

0017

上記非粘着性塗膜物は、少なくとも1層の第1の一次膜を基材に対して直接形成し、いかなる下地層の形成も行わない。これによって、原料を節約することができるだけでなく、製造プロセスの簡便化も実現することができる。安価な原料を用いることによる経済性の向上については以下で説明する。

0018

本発明に関して、第1の一次膜は、全組成物に対する乾燥重量の割合が、9〜15重量%のフッ素樹脂と、4〜5重量%のポリアミドイミド(PAI)樹脂と、0.12〜1.1重量%のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂とを含み、残りは工業用添加剤と、顔料のような不活性充填剤と、分散媒体とを含んでなる。

0019

出願人は、非常に少量のPEEK(重量百分率において選択される範囲を取り得る)によって形成した第1の一次膜が、優れた耐磨耗性を有する非粘着性塗膜物を作製できるという驚くべき、また予測できない効果に注目した。一方、従来技術では、少なくとも50重量%のPEEKを含む下地層を用いることを提言している。

0020

実際に行った試験では、PEEKの含有量が0.06重量%以下であると、満足な結果を達成することができないことが示されている。

0021

同様に、PEEKの含有量が1.2重量%以上であっても、好適な結果を達成することができないことも示されている。

0022

本発明は、上述の非粘着性塗膜物によってコーティングされた調理器具にも関する。非粘着性塗膜物に関して、以下にさらに詳細に説明する。

0023

いくつかの金属基材上に形成した本発明に係る非粘着性塗膜物は、400℃以上の温度に対する耐熱性を有する。このような金属基材としては、例えば、アルミニウムアルミニウム合金、ステンレス鋼またはチタンが挙げられる。

0024

脱脂後、特にサンドブラスト法を用いることにより平滑性が取り除かれた金属基材には、わずかな起伏が形成される。

0025

このように処理した金属基材に対して、本発明の第1の一次膜が形成される。第1の一次膜は、上述の第1の一次膜の全組成物に対する乾燥重量の割合が、9〜15重量%のフッ素樹脂と、4〜5重量%のポリアミドイミド(PAI)樹脂と、0.12〜1.1重量%のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂とを含み、残りは工業用添加剤と、顔料のような不活性充填剤と、分散媒体とを含んでなる。

0026

フッ素樹脂、PAI樹脂およびPEEK樹脂が、100%乾燥抽出物で第1の一次膜の構成に用いられているという条件下で、純品のフッ素樹脂、PAI樹脂およびPEEK樹脂におけるそれぞれの含有率が、上述の含有率と一致する。

0027

現実には、上記の樹脂の多くは、例えば、水分散液のように分散した形で用いられることが一般的である。

0028

ここで、本発明に係る第1の一次膜の特定の組成物Aについて以下に示す:
PTFE水分散液
(60%乾燥抽出物) 15〜25%
PAI水分散液
(10%乾燥抽出物) 40〜55%
PEEK(純品) 0.12〜1.10%
コロイド状シリカ水分散液
(30%乾燥抽出物) 15〜25%
カーボンブラック水分散液
(20%乾燥抽出物) 3.0〜4.5%
工業用添加剤10〜24%
分散媒体54〜80%
好適な粒径を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂は、第1の一次膜を均一なものとすることができるため、好適に用いられる。PEEK樹脂の粒径は、5〜35μmの範囲であることがより好ましい。

0029

第1の一次膜の組成は、フッ素樹脂、PAI樹脂およびPEEK樹脂に加えて、固着剤を含むことが上述されている。この場合、コロイド状シリカだけでなく、顔料、カーボンブラックも固着剤として用いられている。

0030

さらに、第1の一次膜の組成は、分散媒体だけでなく、工業用添加剤も含まれている。これらは、塗膜物の形成方法によって、その組成を適宜変更させることができる。

0031

通常、分散媒体には、水性分散体が用いられる。例えば、塩基および/または水、有機溶媒、または水性分散体と有機溶媒との混合溶液である。

0032

上述の第1の一次膜の組成に対して、上述のカーボンブラック分散液以外の充填剤および/または顔料のような他の化合物を添加するという考えが妨げられることはない。

0033

第1の一次膜は、フッ素樹脂を主成分とする塗膜物の形成に通常用いられる従来の処理によって形成することができる。

0034

本発明の好適な実施形態は、噴霧法による形成を用いることである。これによって、膜表面に問題がみられない第1の連続的な一次膜を提供することができる。

0035

本明細書において説明した第1の一次膜における全ての組成物は、上記の噴霧法による形成に好適であることを明記する。

0036

原料を節約するという問題に対して、スクリーン印刷による形成方法も用いられている。上記の形成方法を用いるためには、第1の一次膜の組成物に対して、特定の工業用添加剤を添加する必要がある。

0037

スクリーン印刷による形成のための工業用添加剤は、少なくとも1種類の以下に示した化合物を含んでいる:溶媒増粘剤および/またはゲル化剤、平滑かつ均一の膜を形成するための消泡剤

0038

溶媒の具体例、およびゲル化剤および/または増粘剤の具体例については、特にEP 0 188 958に開示されているため、参考にしてもよい。

0039

消泡剤は、例えば、鉱物油またはシリコンより選択される。

0040

一般的に、第1の一次膜の膜厚は、4〜12μmの範囲であり、4〜8μmの範囲であることが好ましい。

0041

第1の一次膜を形成し、乾燥した後、第1の一次膜上にフッ素樹脂を主成分とする少なくとも1層の外側膜を形成することができる。

0042

しかし、粘着性の理由から、本発明の非粘着性塗膜物は、第2の一次膜を含んでいる。第2の一次膜は、フッ素樹脂を主成分とする外側膜の形成前に、第1の一次膜上に形成される。

0043

本発明に係る好適な実施形態にでは、この第2の一次膜は、フッ素樹脂およびポリアミドイミド(PAI)樹脂を含んでいる。

0044

さらに、第2の一次膜は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂を含んでいてもよい。

0045

第1および第2の一次膜は、同一の組成としてもよい。

0046

しかし、多様な種類の膜同士の最適な接着のため、特に、次に形成する第1の外側膜に対する第1の一次膜の接着のために、第1の外側膜の形成前に第1の一次膜に形成する第2の一次膜は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含まないことが好ましい。

0047

本発明に係る好適な実施形態にでは、第2の一次膜は以下の組成を有している(なお、上述の第1の一次膜の組成の場合と同様に、樹脂の含有率に関しては純品での割合を示している):
フッ素樹脂22〜30%
PAI樹脂1.5〜2.0%
コロイド状シリカ水分散液3〜6%
カーボンブラック水分散液0.6〜1.0%
工業用添加剤12〜22%
分散媒体39〜58%
工業用添加剤および分散媒体として用いるために好適な化合物は、それぞれの役割だけでなく、上述の第1の一次膜の組成に示した種類と同様の化合物である。

0048

PEEKを含まない第2の一次膜の特定の組成物Bおよび樹脂の水分散液からの調製について、以下に示す:
PTFE水分散液
(60%乾燥抽出物) 30〜40%
FA水分散液
(50%乾燥抽出物) 8〜12%
PAI水分散液
(10%乾燥抽出物) 15〜20%
コロイド状シリカ水分散液
(30%乾燥抽出物) 10〜20%
カーボンブラック水分散液
(20%乾燥抽出物) 3.0〜5.0%
工業用添加剤12〜22%
分散媒体39〜58%
PEEKを含まない第2の一次膜の他の組成として、EP 1,169,141およびEP 1,169,142において開示されている一次膜の組成に基づいて本発明の非粘着性塗膜物を形成することができる。

0049

第2の一次膜もまた、フッ素樹脂を主成分とする塗膜物の形成に通常用いられる従来の処理、例えば、噴霧法によって形成することができる。

0050

一般的に、第2の一次膜の膜厚は、4〜12μmの範囲であり、4〜8μmの範囲であることが好ましい。

0051

第2の一次膜を形成し、乾燥した後、第2の一次膜上にフッ素樹脂を主成分とした少なくとも1層の外側膜を形成した。

0052

フッ素樹脂は、外側膜に対しても好適に用いることができるだけでなく、第1の一次膜および第2の一次膜に対して好適に用いることができる。このことは、特にUS5,536,583において記載されている。

0053

第1の一次膜、および形成されているときには第2の一次膜のフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンペルフルオロプロピルビニルエーテル共重合体(PFA)、またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)より選択される少なくとも1種類の化合物からなることが好ましい。

0054

本発明の好適な実施形態において、外側膜を2層としてもよい。すなわち、中間の外側膜の上にさらに最外部の外側膜を形成してもよい。

0055

1層のみの外側膜または2層以上の外側膜を形成することが妨げられることはない。

0056

本発明の非粘着性塗膜物の構成に用いられる中間および最外部の外側膜の好適な組成の一例を以下に示す:
(中間の外側膜の組成物C)
PTFE水分散液
(60%乾燥抽出物) 70〜85%
PFA水分散液
(50%乾燥抽出物) 0.1〜1.0%
カーボンブラック水分散液
(20%乾燥抽出物) 0.01〜0.05%
工業用添加剤+分散媒体11〜28%
TiO2で覆った雲母薄片0.1〜0.4%
(最外部の外側膜の組成物D)
PTFE水分散液
(60%乾燥抽出物) 70〜85%
工業用添加剤+分散媒体 11〜28%
TiO2で覆った雲母薄片 0.1〜0.4%
EP 1 169 141およびEP 1 169 142においては、本発明の構成を形成するために好適な中間のおよび最外部の外側膜の他の組成が、開示されている。

0057

これら外側膜の形成の後、第1および第2の一次膜ならびに外側膜の集合体は、例えば、400〜420℃で3〜7分間焼結される。

0058

中間の外側膜および最外部の外側膜の2層を合わせた膜厚は、12〜25μmである。

0059

非粘着性塗膜物が、金属基材に対して完全な接着性を有することが認められる。

0060

次に、本発明に基づく非粘着性塗膜物の耐磨耗性および非粘着性を測定するための試験を行った。

0061

(試験1)
試験1では、1〜2年間使用した場合に相当するように集約した調理サイクルを実行した。用いた調理器具は、調理品をひっくり返すために用いる金属製の調理用へら、または金属製の調理用泡立て器のどちらかである。

0062

試験1は、3種類の非粘着性塗膜物を用いて行った:
第1の非粘着性塗膜物は、PEEKのみからなる「ハード」下地層、および上述の組成物Bと同じ組成の組成物からなる第1および第2の一次膜を含む非粘着性塗膜物であり、
第2の非粘着性塗膜物は、PAIを主成分とする「ハード」下地層、および上述の組成物Bと同じ組成の組成物からなる第1および第2の一次膜を含む非粘着性塗膜物であり、
第3の非粘着性塗膜物は、「ハード」下地層は含まず、上述の組成物Aと同じ組成の組成物からなる第1の一次膜および組成物Bと同じ組成の組成物からなる第2の一次膜を含む非粘着性塗膜物である。

0063

中間のおよび最外部の外側膜は、これら3種類の非粘着性塗膜物において同一であり、それぞれ上述の組成物Cおよび組成物Dと同じ組成の組成物である。

0064

これら3種類の非粘着性塗膜物それぞれの作用は、非粘着性に関して同等であり、そして非常に好適な作用を示した。

0065

さらに、これら3種類の非粘着性塗膜物それぞれにおいて、試験1の実行中に傷がつかなかったことも言及する。

0066

(試験2)
試験2は、非粘着性塗膜物を形成した調理器具の耐磨耗性を測定するための試験である。

0067

この試験には、調理器具の非粘着性表面に対する作用、例えば、食卓用食器のような金属製調理器具による作用をシミュレートすることができる装置を使用する。

0068

実際、この試験では、3つのステンレス鋼製のボールを用いて、試験する非粘着性塗膜物の表面を擦り減らすことができる。また、3つのステンレス鋼製のボールは、二元的な軸方向の回転の影響によって、上述の塗膜物上にランダム軌跡を描く。

0069

ボールを支持する回転軸は、2分36秒間に100回転し、その間に上記回転軸を支持するアームは、8分10秒間に100回転する。

0070

試験の条件において、表面の温度は、約180℃の温度を維持し、3つのボールを含めた磨耗装置の重量は、310±5gである。

0071

試験する非粘着性塗膜物の表面におけるボールの連続的な運動および回転は、非粘着性塗膜物表面の磨耗を引き起こす。すなわち、試験が進むにつれて、塗膜物表面が次第に明白、かつ顕著となる。

0072

これらの磨耗は、非粘着性塗膜物の非粘着性を低減させる。

0073

非粘着性塗膜物における非粘着性の低下は、フランス共和国標準NF21−511に登録されている「燃焼ミルク(burned milk)」法と呼ばれる方法によって測定される。

0074

非粘着性は、調理器具表面から完全に分離されない燃焼したミルクの薄膜を初めて測定した時間帯によって割り出す。

0075

試験2は、本発明における非粘着性塗膜物を備えているアルミニウム基板により構成されるさまざまなフライパンを用いて行った。非粘着性塗膜物は、組成物Aからなる第1の一次膜、組成物Bからなる第2の一次膜、組成物Cからなる中間の外側膜、および組成物Dからなる最外部の外側膜からなる。組成物B、CおよびDについては、全ての非粘着性塗膜物において同一の組成であり、第1の一次膜の組成物Aについては、PEEKの含有率のみ変更した。

0076

耐磨耗時間の測定は、最初の磨耗サイクルを2時間続けた後に行った。その後の連続的な磨耗サイクルは、15分毎である。

0077

各磨耗サイクル後、調理器具を水洗することにより冷却し、非粘着性をフランス共和国規格NF21−511の「燃焼ミルク(burned milk)」法と呼ばれる方法によって測定した。

0078

25cm3のミルクを試験するフライパンに注ぎ込み、均一な燃焼したミルクの薄膜がフライパンの底面全体を覆うまで加熱する。

0079

次に、冷水により冷却しつつ、フライパンを135°傾け、燃焼したミルクの薄膜の動作を観測した。

0080

以下に結果を示す。結果には、調理器具の表面から完全に分離されない燃焼したミルクの薄膜を初めて観測したときの、磨耗サイクルを行った合計時間を表示している。

0081

0082

このように、第1の一次膜がPEEKを0.12〜1.2%の範囲で含むとき、好ましくは0.12〜1.0%の範囲で含むとき、より好ましくは0.12〜0.9%の範囲で含むとき、非粘着性は明らかに向上する。劣化するまでの時間は、最小でも3時間15分であり、4時間、または4時間15分となることさえある。

0083

さらに、第1の一次膜におけるPEEKの含有率は、非常に少ない。しかし、特に0.06重量%以下のPEEK含有率では、非粘着性塗膜物の耐磨耗性を向上させることはできない。これは、非粘着性が2時間30分から2時間45分で失われてしまうためであり、これはPEEKを含まない組成物Aからなる非粘着性塗膜物の場合と同様である。

0084

最後に、PEEKの含有率が1.2%を超える場合、耐摩耗性は明らかに低減する。これは、非粘着性が2時間30分から2時間45分で失われてしまうからである。

0085

組成物AにおけるPEEKの含有率が1.68%の場合、組成物Aの塗布が困難であり、作製した塗膜物が非常に粗くなってしまうことが発明者らによって認められたことも言及する。これによって、この組成による使用は困難であることが示された(表1において結果は(*)で示した)。

0086

このように、本発明は、明らかな選択発明である。すなわち、第1の一次膜の組成におけるPEEKの含有率が、0.12〜1.1%の範囲の低い含有率である場合、耐磨耗性を明らかに向上させることができ、かつこれらの好適な結果を得るために使用するPEEKは少量であるため、コストの増加を抑制することができる。

0087

本質的には試験2において行ったものと類似のさらなる別の試験を行った。さらなる試験は、少量の充填剤を用いて行った。充填剤は、第1の一次膜を形成する組成物AにおけるPEEKの代わりに用いることにより、非粘着性塗膜物の耐摩耗性を増強することが広く知られている。

0088

充填剤としては、例えば、シリコアルミン酸ナトリウムまたは群青色の顔料などの顔料、エナメルフリットおよびクオーツフリットのような無機充填剤だけでなく、例えば、少量のポリフェニレン硫化物(PPS)のような有機充填剤も用いた。

0089

第2の一次膜ならびに中間のおよび最外部の外側膜を形成する組成物B、CおよびDは、試験2において行った最初の系の組成物と同一である。

0090

結果を以下に示す。

0091

0092

このように、フッ素樹脂を主成分とする塗膜組成物の耐摩耗性を増強することが知られている無機または有機充填剤は、本試験の構成においても最大で2時間45分の耐摩耗時間を達成している。しかし、この試験では、0.12〜1.1%の範囲のPEEK含有率を有する第1の一次膜を含む非粘着性塗膜物において得られた結果よりもかなり悪い結果となっている。

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