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技術 無段変速機

出願人 柳河精機株式会社
発明者 工藤智久保木克彦
出願日 2007年6月14日 (14年0ヶ月経過) 出願番号 2007-157363
公開日 2008年12月25日 (12年6ヶ月経過) 公開番号 2008-309241
状態 未査定
技術分野 摩擦伝動装置
主要キーワード ガス焼き 仮想基準線 摩擦円錐 姿勢制御機 傾斜角度δ サブリング 形態入力 テーパ角度α
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

構造が簡単で、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易に防止することのできる無段変速機を提供する。

解決手段

伝達用回転体5をテーパ角度αが同一に形成されている入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4により挟み込んで少なくとも3点支持するように配置するとともに、伝達用回転体5の第1摩擦面5aが入力用回転体2の摩擦面2aに当接しつつ、かつ、伝達用回転体5の第2摩擦面5bが出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aに当接しつつ支持軸9上を移動できるように構成する。

概要

背景

従来から、変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機の1種として摩擦を用いた摩擦式のものが知られている。

例えば、3輪、4輪などの車両においては、原動機としてのエンジン駆動力トランスミッション変速機)に入力してエンジンの駆動力を制御し、この制御されたエンジンの駆動力をトランスミッションの出力軸からプロペラシャフト推進軸)を介してデファレンシャル差動装置)に入力し、デファレンシャルにより原動機の駆動力を車輪駆動軸に伝達するようにしたフロントエンジンリアドライブ(FR)方式の駆動力伝達装置、あるいは、エンジンの駆動力をトランスミッションの出力軸から車輪駆動軸に伝達するようにしたフロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式の駆動力伝達装置が用いられている。そして、駆動力伝達装置のトランスミッションとして、ベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)やトロイダルCVTなどの無段変速機が実用化されている。

ベルト式CVTは、周知の如く、入力側と出力側との2つのプーリコマの付いたスチールベルト掛け回し、スチールベルトにより入力側と出力側との2つのプーリ間で回転を伝達するとともに、2つのプーリの幅(溝幅)を変化させることで変速比を変更するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。

トロイダルCVTは、周知の如く、入力側と出力側との2つのディスクの間にパワーローラを挟持し、パワーローラと2つのディスクのそれぞれとの間の摩擦により入力側と出力側との2つのディスク間で回転を伝達するとともに、パワーローラの傾斜を変化させることで変速比を変更するように構成されている(例えば、特許文献2参照)。

また、摩擦を用いた無段変速機としては、入力軸摩擦円錐車を固定し、入力軸と平行に配置した出力軸に円錐の向きを逆向きとした摩擦円錐車を固定し、両摩擦円錐車に中間伝動車を接離自在に当接し、中間伝動車と両円錐車との間の摩擦により入力側と出力側との2つの円錐車間で回転を伝達するとともに、中間伝動車を両摩擦円錐車の軸線方向に沿って移動させることで変速比を変更するように構成されているものもある(例えば、特許文献3参照)。

特開2002−054691号公報
特開2005−147258号公報
特開2005−113969号公報

概要

構造が簡単で、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易に防止することのできる無段変速機を提供する。伝達用回転体5をテーパ角度αが同一に形成されている入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4により挟み込んで少なくとも3点支持するように配置するとともに、伝達用回転体5の第1摩擦面5aが入力用回転体2の摩擦面2aに当接しつつ、かつ、伝達用回転体5の第2摩擦面5bが出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aに当接しつつ支持軸9上を移動できるように構成する。

目的

本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易に防止することのできる無段変速機を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

回転駆動される入力軸同軸的に取り付けられ外周面テーパ状の摩擦面とされている入力用回転体と、回転自在な出力軸に同軸的に取り付けられ外周面がテーパ状の摩擦面とされている出力用回転体と、ガイド軸に同軸的かつ回転自在に取り付けられ外周面がテーパ状の摩擦面とされている単数もしくは複数のガイド用回転体と、前記入力軸の回転を前記出力軸に伝達するために、支持軸に回転自在かつ支持軸の軸線方向に沿って移動可能に取り付けられ、外周面に前記入力用回転体の摩擦面に当接されるテーパ状の第1摩擦面、および、前記出力用回転体およびガイド用回転体のそれぞれの摩擦面に当接されるテーパ状の第2摩擦面を具備する伝達用回転体と、前記伝達用回転体を前記支持軸上において軸線方向に沿って移動させる伝達用回転体移動手段とを有しており、前記支持軸は、前記入力用回転体、前記出力用回転体および前記ガイド用回転体の間に配置されており、前記入力用回転体、前記出力用回転体および前記ガイド用回転体は、それぞれの摩擦面のテーパ角度が同一に形成されているとともに、前記入力用回転体の摩擦面のテーパの向きに対して、前記出力用回転体および前記ガイド用回転体のそれぞれの摩擦面のテーパの向きが逆向きに配置され、かつ、前記伝達用回転体を挟み込んで少なくとも3点支持するように配置されており、前記伝達用回転体移動手段は、前記伝達用回転体の第1摩擦面が前記入力用回転体の摩擦面に当接しつつ、かつ、前記伝達用回転体の第2摩擦面が前記出力用回転体および前記ガイド用回転体のそれぞれの摩擦面に当接しつつ前記支持軸上を移動できるように構成されていることを特徴とする無段変速機

請求項2

前記入力用回転体の摩擦面と前記伝達用回転体の第1摩擦面との当接力を増加させるために、前記入力用回転体を前記入力軸上において軸線方向に沿って移動させる入力用回転体移動手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機。

請求項3

前記入力用回転体移動手段は、前記入力回転体と前記入力軸との間に配設されたスライド機構と、前記入力軸に取り付けられたストッパと、一端が前記ストッパに当接され他端が前記入力用回転体の小径端に当接されるとともに、前記入力軸の軸線方向に沿って伸縮自在なばね部材と、前記入力用回転体の大径側に配置され前記入力用回転体を前記入力軸の長手方向に沿って移動させるアクチュエータとを有していることを特徴とする請求項2に記載の無段変速機。

請求項4

前記入力用回転体移動手段は、前記入力軸の回転を前記入力用回転体に伝達可能に形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の無段変速機。

請求項5

前記伝達用回転体は、外周面が前記第1摩擦面とされた入力側伝達リングと、前記入力側伝達リングの大径側に間隔をおいて対向配置され、外周面が前記第2摩擦面とされた出力側伝達リングと、前記両伝達リングの対向面のそれぞれに周方向に沿って配列され、前記両伝達リングの対向面間において相互に噛合される複数の連結用歯と、前記両伝達リングの対向面間に配置され前記両伝達リングの対向面により挟持され前記両伝達リングを相互に離間する方向に付勢するプリロード用ばね部材と、前記両伝達リングの対向面とは反対側の端面のそれぞれにスラスト軸受を介して当接するように配置され前記両伝達リングを相互に接近する方向に付勢するトルク受け用ばね部材と、前記両伝達リングをラジアル軸受を介して回転自在に支持するとともに、前記両トルク受け用ばね部材が保持される筒状のリングホルダとを有しており、前記リングホルダの軸線と前記支持軸の軸線とのなす角度が、前記テーパ角度と同一の角度をもって傾斜配置されており、前記連結用歯は、前記入力側伝達リングの大径端面と、相互に噛合する歯の接触接線とのなす角度が10〜45°の範囲に形成されており、前記伝達用回転体移動手段は、前記支持軸と前記リングホルダとの間に配設された送りねじ機構と、前記支持軸の一端側に配置され前記支持軸を回転駆動させるアクチュエータとを有していることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の無段変速機。

請求項6

前記送りねじ機構は、前記支持軸をねじ軸とし、前記リングホルダをナットとし、ねじ軸とナットとの間に形成されたボール循環路循環移動する複数個ボールを備えたボールねじにより構成されていることを特徴とする請求項5に記載の無段変速機。

請求項7

前記入力用回転体の摩擦面と前記伝達用回転体の第1摩擦面との当接部、前記出力用回転体の摩擦面と前記伝達用回転体の第2摩擦面との当接部、前記ガイド用回転体の摩擦面と前記伝達用回転体の第2摩擦面との当接部のそれぞれに、潤滑膜が介在されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の無段変速機。

技術分野

0001

本発明は、無段変速機係り、特に、摩擦によって変速比を連続的に変化させるのに好適な無段変速機に関する。

背景技術

0002

従来から、変速比を連続的に変化させることのできる無段変速機の1種として摩擦を用いた摩擦式のものが知られている。

0003

例えば、3輪、4輪などの車両においては、原動機としてのエンジン駆動力トランスミッション変速機)に入力してエンジンの駆動力を制御し、この制御されたエンジンの駆動力をトランスミッションの出力軸からプロペラシャフト推進軸)を介してデファレンシャル差動装置)に入力し、デファレンシャルにより原動機の駆動力を車輪駆動軸に伝達するようにしたフロントエンジンリアドライブ(FR)方式の駆動力伝達装置、あるいは、エンジンの駆動力をトランスミッションの出力軸から車輪駆動軸に伝達するようにしたフロントエンジン・フロントドライブ(FF)方式の駆動力伝達装置が用いられている。そして、駆動力伝達装置のトランスミッションとして、ベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)やトロイダルCVTなどの無段変速機が実用化されている。

0004

ベルト式CVTは、周知の如く、入力側と出力側との2つのプーリコマの付いたスチールベルト掛け回し、スチールベルトにより入力側と出力側との2つのプーリ間で回転を伝達するとともに、2つのプーリの幅(溝幅)を変化させることで変速比を変更するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。

0005

トロイダルCVTは、周知の如く、入力側と出力側との2つのディスクの間にパワーローラを挟持し、パワーローラと2つのディスクのそれぞれとの間の摩擦により入力側と出力側との2つのディスク間で回転を伝達するとともに、パワーローラの傾斜を変化させることで変速比を変更するように構成されている(例えば、特許文献2参照)。

0006

また、摩擦を用いた無段変速機としては、入力軸摩擦円錐車を固定し、入力軸と平行に配置した出力軸に円錐の向きを逆向きとした摩擦円錐車を固定し、両摩擦円錐車に中間伝動車を接離自在に当接し、中間伝動車と両円錐車との間の摩擦により入力側と出力側との2つの円錐車間で回転を伝達するとともに、中間伝動車を両摩擦円錐車の軸線方向に沿って移動させることで変速比を変更するように構成されているものもある(例えば、特許文献3参照)。

0007

特開2002−054691号公報
特開2005−147258号公報
特開2005−113969号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、従来のベルト式CVTにおいては、スチールベルトの自重に起因した遠心力により高速回転時にスリップが発生し易いという問題点があった。

0009

また、従来のトロイダルCVTにおいては、高速回転時や高トルク伝達時にスリップが起こりにくいものの、構造が複雑で、部品の精度要求が高く、製造コストが高くなり易いという問題点があった。

0010

さらに、従来の摩擦円錐車を用いた無段変速機においては、2つの摩擦円錐車に中間伝動車を両摩擦円錐車の外周面側から接離自在に当接させる構成とされているために、中間伝動車を両摩擦円錐車に対して接離させるように中間伝動車を支持する支持軸を移動させる支持軸機構を必要とし、構造が複雑で、装置が大きくなるという問題点があった。さらに、2つの摩擦円錐車に中間伝動車を両摩擦円錐車の外周面側から接離自在に当接させる構成とされているために、高速回転時や高トルク伝達時にスリップが発生し易いという問題点があった。さらにまた、回転起動時においては中間伝動車に加わる起動トルクにより、摩擦円錐車から中間伝動車を離間させる方向への力が加わり、中間伝動車を支持する支持軸が軸線方向に沿って曲がるように変形し易く、スリップがより発生し易いという問題点があった。

0011

そこで、構造が簡単で、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易に防止することのできる無段変速機が求められている。

0012

本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易に防止することのできる無段変速機を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

前述した目的を達成するため、本発明に係る無段変速機の特徴は、回転駆動される入力軸に同軸的に取り付けられ外周面がテーパ状の摩擦面とされている入力用回転体と、回転自在な出力軸に同軸的に取り付けられ外周面がテーパ状の摩擦面とされている出力用回転体と、ガイド軸に同軸的かつ回転自在に取り付けられ外周面がテーパ状の摩擦面とされている単数もしくは複数のガイド用回転体と、前記入力軸の回転を前記出力軸に伝達するために、支持軸に回転自在かつ支持軸の軸線方向に沿って移動可能に取り付けられ、外周面に前記入力用回転体の摩擦面に当接されるテーパ状の第1摩擦面、および、前記出力用回転体およびガイド用回転体のそれぞれの摩擦面に当接されるテーパ状の第2摩擦面を具備する伝達用回転体と、前記伝達用回転体を前記支持軸上において軸線方向に沿って移動させる伝達用回転体移動手段とを有しており、前記支持軸は、前記入力用回転体、前記出力用回転体および前記ガイド用回転体の間に配置されており、前記入力用回転体、前記出力用回転体および前記ガイド用回転体は、それぞれの摩擦面のテーパ角度が同一に形成されているとともに、前記入力用回転体の摩擦面のテーパの向きに対して、前記出力用回転体および前記ガイド用回転体のそれぞれの摩擦面のテーパの向きが逆向きに配置され、かつ、前記伝達用回転体を挟み込んで少なくとも3点支持するように配置されており、前記伝達用回転体移動手段は、前記伝達用回転体の第1摩擦面が前記入力用回転体の摩擦面に当接しつつ、かつ、前記伝達用回転体の第2摩擦面が前記出力用回転体および前記ガイド用回転体のそれぞれの摩擦面に当接しつつ前記支持軸上を移動できるように構成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、入力用回転体、出力用回転体、ガイド用回転体、および、これらのそれぞれに当接する伝達用回転体とを主として構成されているから簡単な構造とすることができるし、少なくとも入力用回転体、出力用回転体、ガイド用回転体の3つの回転体により伝達用回転体を挟み込んで3点支持するように構成されているので、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易に防止することができる。

0014

前記入力用回転体の摩擦面と前記伝達用回転体の第1摩擦面との当接力を増加させるために、前記入力用回転体を前記入力軸上において軸線方向に沿って移動させる入力用回転体移動手段が設けられていることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、入力用回転体の摩擦面と伝達用回転体の第1摩擦面との当接力を増加させることにより、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易かつより確実に防止することができる。

0015

前記入力用回転体移動手段は、前記入力回転体と前記入力軸との間に配設されたスライド機構と、前記入力軸に取り付けられたストッパと、一端が前記ストッパに当接され他端が前記入力用回転体の小径端に当接されるとともに、前記入力軸の軸線方向に沿って伸縮自在なばね部材と、前記入力用回転体の大径側に配置され前記入力用回転体を前記入力軸の長手方向に沿って移動させるアクチュエータとを有していることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、入力用回転体の摩擦面と伝達用回転体の第1摩擦面との当接力を増加させるために、入力用回転体を入力軸上において軸線方向に沿って移動させることが簡単な構造で容易かつ確実にできる。

0016

前記入力用回転体移動手段は、前記入力軸の回転を前記入力用回転体に伝達可能に形成されていることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、入力軸の回転と一体に入力用回転体を回転させることが容易かつ確実にできる。

0017

前記伝達用回転体は、外周面が前記第1摩擦面とされた入力側伝達リングと、前記入力側伝達リングの大径側に間隔をおいて対向配置され、外周面が前記第2摩擦面とされた出力側伝達リングと、前記両伝達リングの対向面のそれぞれに周方向に沿って配列され、前記両伝達リングの対向面間において相互に噛合される複数の連結用歯と、前記両伝達リングの対向面間に配置され前記両伝達リングの対向面により挟持され前記両伝達リングを相互に離間する方向に付勢するプリロード用ばね部材と、前記両伝達リングの対向面とは反対側の端面のそれぞれにスラスト軸受を介して当接するように配置され前記両伝達リングを相互に接近する方向に付勢するトルク受け用ばね部材と、前記両伝達リングをラジアル軸受を介して回転自在に支持するとともに、前記両トルク受け用ばね部材が保持される筒状のリングホルダとを有しており、前記リングホルダの軸線と前記支持軸の軸線とのなす角度が、前記テーパ角度と同一の角度をもって傾斜配置されており、前記連結用歯は、前記入力側伝達リングの大径端面と、相互に噛合する歯の接触接線とのなす角度が10〜45°の範囲内に形成されており、前記伝達用回転体移動手段は、前記支持軸と前記リングホルダとの間に配設された送りねじ機構と、前記支持軸の一端側に配置され前記支持軸を回転駆動させるアクチュエータとを有していることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、支持軸の軸線に対してリングホルダの軸線をテーパ角度と同一の角度をもって傾斜配置する構成により、伝達用回転体が支持軸上における位置を自己保持することができる。また、支持軸上における位置の移動による速度変化を防止することができる。さらに、第1摩擦面と入力用回転体の摩擦面との接触部における大径側と小径側との回転速度差が発生するのを防止することができるので、接触部における大径側と小径側とで微小滑りが発生しない。さらにまた、両伝達リングの対向面間を入力側伝達リングの大径端面と、相互に噛合する歯の接触接線とのなす角度を10〜45°の範囲とした複数の連結用歯を噛合させて連結する構成により、伝達用回転体と入力用回転体、出力用回転体およびガイド用回転体のそれぞれとの当接部における当接力を増加させてスリップを防止する機能を発揮でき、伝達用回転体移動手段は、伝達用回転体の第1摩擦面が入力用回転体の摩擦面に当接しつつ、かつ、伝達用回転体の第2摩擦面が出力用回転体およびガイド用回転体のそれぞれの摩擦面に当接しつつ支持軸上を移動させることが簡単な構造で容易かつ確実にできる。

0018

前記送りねじ機構は、前記支持軸をねじ軸とし、前記リングホルダをナットとし、ねじ軸とナットとの間に形成されたボール循環路循環移動する複数個ボールを備えたボールねじにより構成されていることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、伝達用回転体を支持軸上において軸線方向に沿って移動させることが簡単な構造で容易かつ確実にできる。

0019

前記入力用回転体の摩擦面と前記伝達用回転体の第1摩擦面との当接部、前記出力用回転体の摩擦面と前記伝達用回転体の第2摩擦面との当接部、前記ガイド用回転体の摩擦面と前記伝達用回転体の第2摩擦面との当接部のそれぞれが、潤滑膜を介して当接されていることが好ましい。そして、このような構成を採用したことにより、有効に回転の伝達を行い、かつ、各当接部の摩耗を低減させることができる。

発明の効果

0020

本発明に係る無段変速機によれば、入力用回転体、出力用回転体、ガイド用回転体、および、これらのそれぞれに当接する伝達用回転体とを主として構成されているから簡単な構造とすることができるなどの優れた効果を奏する。また、入力用回転体、出力用回転体、ガイド用回転体の3つの回転体により伝達用回転体の外周面を挟み込んで3点支持するように当接されているので、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易に防止することができるなどの優れた効果を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明を図面に示す実施形態により説明する。

0022

まず、本発明に係る無段変速機の実施形態の基本構成について図1から図5により説明する。

0023

図1から図5は本発明に係る無段変速機の実施形態の基本構成を示すものであり、図1は要部の模式的正面図、図2図1の模式的平面図、図3図1の模式的側面図、図4図1のガイド用回転体を除いて示す模式的側面図、図5図4のA−A線に沿った模式的断面図である。

0024

図1から図5に示すように、本実施形態の無段変速機1の基本構成は、3つの摩擦円錐車としての入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4と、入力用回転体2の回転を出力用回転体3に伝達するための摩擦円錐車としての伝達用回転体5とを主として構成されている。

0025

前記入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4は、それぞれテーパ角度α同一形状の頭を切った載頭円錐状に形成されており、それぞれの外周面は、テーパ状の摩擦面2a、3a、4aとされている。なお、入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4としては、テーパ角度αが同一であれば、大きさが異なるものであってもよい。

0026

前記入力用回転体2は、原動機からの駆動力の伝達を受けて回転される入力軸6に同軸的に取り付けられるものであり、出力用回転体3は、回転自在な出力軸7に同軸的に取り付けられるものであり、ガイド用回転体4は、ガイド軸8に図示しない軸受を介して同軸的かつ回転自在に取り付けられるものである(図5)。

0027

したがって、入力用回転体2の回転中心が入力軸6の軸線10上に同軸的に配置され、出力用回転体3の回転中心が出力軸7の軸線11上に同軸的に配置され、ガイド用回転体4の回転中心がガイド軸8の軸線12上に同軸的に配置されるようになっている(図5)。なお、ガイド用回転体4をガイド軸8に取り付けてガイド軸8を回転自在に支持する構成としてもよいし、ガイド用回転体4をガイド軸8と一体に形成して回転自在に支持する構成としてもよい。

0028

前記伝達用回転体5は、全体として軸線方向の中央が大径で両端が小径の中太円柱状に形成されており、図3の右側(図2の上側)に示す外周面は、入力用回転体2の摩擦面2aに当接されるテーパ状の第1摩擦面5aとされており、図3の左側(図2の下側)に示す外周面は、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aに当接されるテーパ状の第2摩擦面5bとされている。そして、伝達用回転体5は、入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4により挟み込まれて3点支持されるようになっている(図5)。

0029

なお、ガイド用回転体4の数としては、2つ以上の複数であってもよい。この場合、伝達用回転体5は、4点以上で支持されることになる。すなわち、伝達用回転体5は、少なくとも3点支持されていればよい。

0030

前記入力用回転体2は、大径部が図1の前側(図2の下側、図3の左側)に位置し、小径部が図1の奥側(図2の上側、図3の右側)に位置するように、その軸線10が水平に延在するようにして配置されている。そして、入力用回転体2の図1の左斜め下側に出力用回転体3が入力用回転体2と対向するように配置されており、入力用回転体2の図1の右斜め下側にガイド用回転体4が入力用回転体2と対向するように配置されている。また、入力用回転体2の摩擦面2aのテーパの向きに対して、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aのテーパの向きは逆向きに配置されている。すなわち、入力用回転体2の大径部側に出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの小径部側が配置され、入力用回転体2の小径部側に出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの大径部側が配置されている。なお、出力用回転体3とガイド用回転体4の位置を逆にしてもよい。

0031

前記出力用回転体3の軸線11は、入力用回転体2の軸線10と平行な仮想基準線14Aに対して、図4に示すように、側方から見て小径部側が下側に下角度βをもって傾斜配置されているとともに、図2に示すように、上方から見て小径部側がガイド用回転体4の小径部側に接近する内向きに横角度γをもって傾斜配置されている。すなわち、出力用回転体3の軸線11は、入力用回転体2の軸線10に対して下角度βおよび横角度γをもって傾斜配置されている。

0032

前記ガイド用回転体4の軸線12は、入力用回転体2の軸線10と平行な仮想基準線14Bに対して、図3に示すように、側方から見て小径部側が下側に下角度βをもって傾斜配置されているとともに、図2に示すように、上方から見て小径部側が出力用回転体3の小径部側に接近する内向きに横角度γをもって傾斜配置されている。すなわち、ガイド用回転体4の軸線12は、入力用回転体2の軸線10に対して下角度βおよび横角度γをもって傾斜配置されている。

0033

このように入力用回転体2の軸線10に対して、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの軸線11、12を下角度β、横角度γをもって傾斜配置することにより、伝達用回転体5は、伝達用回転体5の第1摩擦面5aが入力用回転体2の摩擦面2aに当接しつつ、かつ、伝達用回転体5の第2摩擦面5bが出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aに当接しつつ直線状に移動できるようになっている。

0034

前記伝達用回転体5の中心の移動軌跡は、図3および図4に示すように、側方から見て右上がりの移動傾斜角度δの直線状に形成されており、この移動傾斜角度δは、テーパ角度αと同一とされている。また、伝達用回転体5の中心の移動軌跡は、伝達用回転体5が取り付けられる支持軸9の軸線13とされている。すなわち、支持軸9は、移動傾斜角度δをもって傾斜配置されている。

0035

前記伝達用回転体5が入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれに当接して移動するとき、第1摩擦面5aと入力用回転体2の摩擦面2aとの当接部である第1コンタクトライン15と、第2摩擦面5bと出力用回転体3の摩擦面との当接部である第2コンタクトライン16と、第2摩擦面5bとガイド用回転体4の摩擦面との当接部である第3コンタクトライン17と、伝達用回転体5の中心の移動軌跡、すなわち、支持軸9の軸線13とは、それぞれ直線状をなし、かつ、相互に平行に配置されている。

0036

ここで、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの軸線11、12の下角度βおよび横角度γについて図6により説明する。

0037

図6は本発明に係る無段変速機の実施形態における出力用回転体およびガイド用回転体のそれぞれの軸線の下角度および横角度を説明する説明図である。

0038

前記下角度βおよび横角度γは、伝達用回転体5が入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれに当接しつつ移動させるために必要な構成要素であり、図6に示すように、出力用回転体3およびガイド用回転体4を円錐とした場合、円錐の底辺の直径をD、円錐の長さ(高さ)をL、円錐のテーパ角度をαとする。また、円錐の底辺の外周上にコンタクトポイントPを設定する。すると、コンタクトポイントPから底辺の外周までの図6の上下方向に示す距離はx、円錐の中心からコンタクトポイントPまでの図6の上下方向に示す距離はy、円錐の中心からコンタクトポイントPまでの図6の左右方向に示す距離はzとなる。また、円錐の図6中心線CLと、円錐の頂点とコンタクトポイントPとを結ぶ図6の左右方向に長い傾斜線SAとのなす角度はθとなる。

0039

したがって、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの軸線11、12を下側に傾ける下角度βは、β=(α−θ)、tanθ=y/Lとなり、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの軸線11、12を内側に傾ける横角度γは、tanγ=z/L・cos(α−θ)となる。

0040

なお、α、D、z、y、Lのそれぞれは、設計コンセプトや装置の仕様に応じて初期設計で設定されることになる。

0041

前記入力用回転体2、出力用回転体3、ガイド用回転体4および伝達用回転体5のそれぞれの材料としては、従来と同様に、摩擦に対する強度の高い耐摩耗性を有する鋼材が一般的に用いられている。なお、摩擦部分となる外周面に、侵炭、窒化、高周波焼き入れ、および、ガス焼き入れなどの硬化処理を施してもよい。

0042

また、入力用回転体2、出力用回転体3、ガイド用回転体4および伝達用回転体5としては、摩擦部分となる外周面と、その他の部分とを異なる材料により一体に形成する構成としてもよい。

0043

さらにまた、各回転体2、3、4、5の耐摩耗性、ひいては無段変速機1の耐久性を向上させるために、各回転体2、3、4、5の当接部に潤滑膜を介在させるとよい。

0044

つぎに 本実施形態の無段変速機1について図7により具体的に説明する。

0045

図7は本発明に係る無段変速機の実施形態の要部を示す概略構成図である。なお、説明の便宜上、図7は、図5のB−B線に沿って切断した状態で、かつ、実際とは異なり、出力用回転体3の軸線11と入力用回転体2の軸線12とを平行にして示してある。

0046

本実施形態の無段変速機1は、自動車のトランスミッションに用いるものを例示している。

0047

図7に示すように、本実施形態の無段変速機1は、ミッションケース21の内部に3つの摩擦円錐車としての入力用回転体2、出力用回転体3、本図には省略したガイド用回転体4(図1参照)、および、入力用回転体2の回転を出力用回転体3に伝達するための伝達用回転体5を配置することにより構成されている。

0048

なお、ミッションケース21の内部に配設される入力用回転体2、出力用回転体3、ガイド用回転体4、伝達用回転体5の配置は、前述した基本構成において説明したので、その詳しい説明については省略する。

0049

前記入力用回転体2は、ミッションケース21の内部に水平に延在するように配設されているとともに、図示しない軸受により回転自在に支持された入力軸6に同軸的に取り付けられている。また、入力用回転体2は、入力軸6上において、図7の右側に小径部が配置され、図7の左側に大径部が配置されている。さらに、入力用回転体2は、スライド機構としての入力軸6と入力用回転体2との間に配設された複数の鋼球22により入力軸6上を軸線10方向に沿って移動自在に取り付けられているとともに、駆動力伝達機構としての入力軸6と入力用回転体2との相互の対向面に形成された図示しないスプラインあるはセレーションなどの歯と溝により、軸線10を中心として周方向に沿って一体回転できるように形成されている。また、入力軸6には、図示しない原動機の駆動力が伝達されるように形成されており、原動機の駆動力が入力軸6に入力されると、入力用回転体2が入力軸6と一体になって回転するように形成されている。

0050

前記入力用回転体2の小径端である右端面は、入力軸6に装着されたばね部材23の左端面に当接されている。このばね部材23は、2つの皿ばねをそれぞれの大径部が対向するように配置することにより、全体として断面ハ字状をなす環状に形成されており、入力軸6の軸線10方向に沿って伸縮自在とされている。このばね部材23の右端面は、環状のリングプレート24を介して、支持軸9の右端側に取り付けられた止め輪などからなるストッパ25の左端面に当接されている。

0051

なお、リングプレート24は、設計コンセプトなどの必要に応じて設ければよく、必ずしも必要なものではない。

0052

すなわち、ばね部材23は、一端である右端がストッパ25に直接あるいはリングプレート24を介して当接され、他端である左端が入力用回転体2の小径端に当接されていればよい。

0053

なお、ばね部材23としては、入力軸6の軸線10方向に沿って伸縮自在なものであればよく、2つの皿ばねをそれぞれの小径部どうしが対向するように配置する構成や、支持軸9の右端側にスペースがある場合には、圧縮コイルばねを用いる構成としてもよい。また、設計コンセプトなどの必要に応じて、3つ以上の皿ばねを組み合わせてもよい。

0054

前記入力用回転体2の図7の左方に示す大径端には、摩擦面2aに平行な傾斜面26と、入力軸6の外周より大径の軸線10に沿った内周面27とにより断面3角形をなす環状凹部28が形成されており、環状凹部28の中心側に位置する部位は内側円筒部29とされている。また、内側円筒部29の左端面は、入力用回転体2の大径端より軸線10方向内側(図7の右側)に位置するように形成されており、全体として横向きの電灯のような形状とされている。そして、内側円筒部29の左端面には、複数の鋼球22の抜け止めを兼ねたスラスト玉軸受などからなる軸受30を介して、入力用回転体2を入力軸6の軸線10方向に沿って移動させるアクチュエータとしての油圧シリンダ31の出力軸に接続された軸受支持体32が当接されている。この油圧シリンダ31は、ミッションケース21の内部に入力軸6と干渉しないように配置されており、油圧シリンダ31を駆動させる油圧ポンプ33は、ミッションケース21の外部に配置されている。

0055

勿論、アクチュエータとしては、電気駆動空気圧駆動されるものであってもよい。そして、油圧ポンプ33を駆動して油圧シリンダ31の出力軸を伸長させることにより、ばね部材23のばね力に抗して、入力用回転体2を入力軸6上において軸線10方向に沿って図7の右側に向かって移動させることができるように構成されている。また、入力用回転体2を図7の右側に向かって移動させることにより、入力用回転体2の摩擦面2aと伝達用回転体5の第1摩擦面5aとの当接力を増加させることができるようになっている。なお、油圧シリンダ31の出力軸を伸長させた後に、出力軸を収縮させることにより、ばね部材23の付勢力により、増加させた当接力を復帰させることができるようになっている。

0056

前記スライド機構としての複数の鋼球22、ストッパ25、ばね部材23および油圧シリンダ31により、本実施形態の入力用回転体2の摩擦面2aと伝達用回転体5の第1摩擦面5aとの当接力を増加させるために、入力用回転体2を入力軸6上において軸線10方向に沿って移動させる入力用回転体移動手段34が構成されている。

0057

なお、本実施形態においては、複数の鋼球22がスプラインあるはセレーションの対向面間に配置されており、入力用回転体2を入力軸6上において軸線方向に沿って移動させることができるとともに、入力軸6の回転を入力用回転体2に伝達させることができるようになっている。すなわち、本実施形態入力用回転体移動手段34は、入力軸6の回転を入力用回転体2に伝達可能に形成されている。

0058

前記入力用回転体2の下方には、出力用回転体3および図7には示さないガイド用回転体4が、前述した基本構成と同様に、入力用回転体2の摩擦面2aのテーパの向きに対して、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aのテーパの向きが逆向き、すなわち出力用回転体3およびガイド用回転体4の小径部側が図7の左側に位置し、大径部側が図7の右側に位置するように配置され、かつ、伝達用回転体5を挟み込んで少なくとも3点支持するように配置されている(図1参照)。

0059

前記出力用回転体3は、出力軸7に同軸的に取り付けられて一体回転するように形成されており、出力軸7は、ミッションケース21の内部に図示しない軸受により回転自在に支持されている。また、出力軸7からの出力は、図示しない伝動機構を介して車軸に伝達されるようになっている。

0060

前記ガイド用回転体4は、ガイド軸8に同軸的かつ図示しない軸受により回転自在に取り付けられて支持されており、ガイド軸8は、ミッションケース21の内部に取り付けられて固定されている。

0061

なお、出力軸7をミッションケース21の内部に図示しない軸受により回転自在に支持させ、ガイド用回転体4をガイド軸8に固定する構成としてもよい。

0062

前記伝達用回転体5は、ミッションケース21の内部に配設されるとともに、図示しない軸受により回転自在に支持された支持軸9に取り付けられている。また、伝達用回転体5は、図7の右側に示す入力用回転体2の摩擦面2aに当接されるテーパ状の第1摩擦面5aと、図7の左側に示す出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aに当接されるテーパ状の第2摩擦面5bとを有している。さらに、支持軸9は、両端部分を除いた外周面に図示しないねじ溝が形成されたねじ軸とされており、この支持軸9は、ミッションケース21の外部に配置されたアクチュエータとしての油圧モータ36の駆動力により正回転方向および逆回転方向に回転駆動されるように形成されている。勿論、アクチュエータとしては、電気駆動や空気圧駆動されるモータであってもよい。但し、直線駆動する油圧シリンダなどのシリンダは、その出力軸のストローク変速に必要な支持軸9上を移動させる伝達用回転体5の最大移動距離となるから、出力軸7のストロークの分のスペースを必要とし、装置が大型化するので好ましくない。

0063

ここで、伝達用回転体5および支持軸9について図8および図9によりさらに説明する。

0064

図8は伝達用回転体近傍の要部を示す模式的拡大半断面図であり、図9図8の連結用歯近傍を示す模式的正面図である。

0065

図8に示すように、本実施形態の伝達用回転体5は、図8の右側に示す外周面がテーパ状をなす第1摩擦面5aとされた入力側伝達リング41と、図8の左側に示す外周面がテーパ状をなす第2摩擦面5bとされた出力側伝達リング42とを有している。そして、入力側伝達リング41と出力側伝達リング42とは、それぞれの大径側が対向するように間隔をおいて対向配置されている。すなわち、出力側伝達リング42は、その大径側が入力側伝達リング41の大径側に間隔をおいて対向配置されている。そして、両伝達リング41、42は、それぞれ針状ころ軸受などからなるラジアル軸受43を介して、ほぼ筒状に形成されたリングホルダ44の外周面に環状に凹設されたリング取付部45に配置されて回転自在に支持されている。

0066

本実施形態のリングホルダ44は、リング取付部45の図8の左側に示す左半分の部分を含むホルダ本体44aと、このホルダ本体44aに取り付けられリング取付部45の図8の右側に示す右半分の部分を含むように断面逆L字状をなす環状のサブリング44bとに2分割形成されている。

0067

前記入力側伝達リング41および出力側伝達リング42のそれぞれの大径側の端面である対向面には、相互に噛合される複数の連結用歯46(一部のみ図示)が周方向に沿って配列されている。これらの連結用歯46は、図9に示すように、両伝達リング41、42の対向面間において相互に噛合(図9に一部のみ図示)されている。また、連結用歯46は、入力側伝達リング41の大径端面と、相互に噛合する歯の接触接線とのなす角度εをもって相互に噛合されている。

0068

図8に戻って、前記両伝達リング41、42の対向面間には、プリロード用ばね部材47が配置されている。このプリロード用ばね部材47は、断面V字状をなす環状に形成されており、両伝達リング41、42のそれぞれの対向面における連結用歯46の形成領域の内側に配置されている。そして、プリロード用ばね部材47は、図8の左右方向に示す軸方向に沿って伸縮自在とされており、両伝達リング41、42の対向面により挟持されるとともに、両伝達リング41、42を相互に離間する方向に付勢することができるようになっている。

0069

前記両伝達リング41、42の対向面とは反対側の端面のそれぞれ、詳しくは入力側伝達リング41の図8の右側に示す右端面と、出力側伝達リング42の図8の左側に示す左端面とのそれぞれには、スラスト針状ころ軸受などからなるスラスト軸受48の一端面が当接されている。これらのスラスト軸受48の他端面には、環状のガイドリング49を介してほぼ皿ばね状に形成されたトルク受け用ばね部材50の外周面側の端面が当接されている。このトルク受け用ばね部材50の内周面は、リングホルダ44のリング取付部45の底部の隅に当接されて保持されており、トルク受け用ばね部材50は、両伝達リング41、42を相互に接近する方向に付勢するようにしてリングホルダ44のリング取付部45に配置されている。

0070

すなわち、トルク受け用ばね部材50は、両伝達リング41、42の対向面とは反対側の端面のそれぞれにスラスト軸受48を介して当接するように配置されて、両伝達リング41、42を相互に接近する方向に付勢することができるようになっている。

0071

したがって、伝達用回転体5は、外周面が第1摩擦面5aとされた入力側伝達リング41と、入力側伝達リング41の大径側に間隔をおいて対向配置され、外周面が第2摩擦面5bとされた出力側伝達リング42と、両伝達リング41、42の対向面のそれぞれに周方向に沿って配列され、両伝達リング41、42の対向面間において相互に噛合される予め設定された角度εを具備する複数の連結用歯46と、両伝達リング41、42の対向面間に配置され両伝達リング41、42の対向面により挟持されるとともに、両伝達リング41、42を相互に離間する方向に付勢するプリロード用ばね部材47と、両伝達リング41、42の対向面とは反対側の端面のそれぞれにスラスト軸受48を介して当接するように配置され両伝達リング41、42を相互に接近する方向に付勢するトルク受け用ばね部材50と、両伝達リング41、42をラジアル軸受43を介して回転自在に支持するとともに、両トルク受け用ばね部材50が保持される筒状のリングホルダ44とを有する構成とされている。

0072

前記両伝達リング41、42の回転中心は、リングホルダ44の内孔の中心線である軸線51と同軸に配置されており、このリングホルダ44の軸線51は、支持軸9の軸線13に対して、入力側伝達リング41側が上側になる角度ηをもって傾斜配置されている。この角度ηは、テーパ角度αと同一の角度とされている。すなわち、両伝達リング41、42の回転中心となるリングホルダ44の軸線51は、支持軸9の軸線13とのなす角度ηが、テーパ角度αと同一の角度(η=α)をもって傾斜配置されている。

0073

なお、プリロード用ばね部材47およびトルク受け用ばね部材50としては、両伝達リング41、42の回転中心に沿って伸縮自在なものであればよく、単数もしくは複数の皿ばねを用いる構成や、両伝達リング41、42の回転中心に沿った方向にスペースがある場合には、圧縮コイルばねを用いる構成としてもよい。

0074

前記リングホルダ44と支持軸9との間には、送りねじ機構52が配設されている。本実施形態の送りねじ機構52は、支持軸9をねじ軸とし、リングホルダ44をナットとし、ねじ軸とナットとの間に形成されたボール循環路を循環移動する複数個のボールを備えたボールねじにより構成されており、支持軸9を油圧モータ36の駆動力により正回転方向および逆回転方向に回転駆動させることにより、リングホルダ44、ひいては伝達用回転体5が支持軸9上を軸線13方向に沿って往復移動させることができるように構成されている。

0075

なお、ボール循環路としては、内部循環方式であっても外部循環方式であってもよい。

0076

前記支持軸9とリングホルダ44との間に配設された送りねじ機構52と、支持軸9の一端側に配置され支持軸9を回転駆動させるアクチュエータとしての油圧モータ36により、本実施形態の伝達用回転体5を、支持軸9上をその軸線13方向に沿って移動可能とするための伝達用回転体5移動手段が構成されている。

0077

なお、本実施形態の無段変速機1においては、前述したように、各回転体2、3、4、5の耐摩耗性、ひいては無段変速機1の耐久性を向上させるために、各回転体2、3、4、5の当接部に潤滑膜を介在させる構成とするとよい。

0078

すなわち、入力用回転体2の摩擦面2aと伝達用回転体5の第1摩擦面5aとの当接部、出力用回転体3の摩擦面3aと伝達用回転体5の第2摩擦面5bとの当接部、ガイド用回転体4の摩擦面4aと伝達用回転体5の第2摩擦面5bとの当接部のそれぞれに、図示しない潤滑膜を介在させる構成とするとよい。

0079

つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。

0080

本実施形態の無段変速機1によれば、原動機が駆動して原動機の駆動力が入力軸6に伝達されると、入力軸6が入力用回転体2と一体になって回転を開始する。そして、入力用回転体2の回転は、伝達用回転体5を介して出力用回転体3およびガイド用回転体4に伝達され、出力用回転体3が出力軸7と一体となって回転するとともに、ガイド用回転体4が回転する。

0081

この時、入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4が伝達用回転体5を挟み込んで少なくとも3点支持するように配置されているから、伝達用回転体5を支持する支持軸9が軸線13方向に沿って曲がるように変形するのを防止することができるし、高速回転時や高トルク伝達時にスリップが発生するのを防止することができる。

0082

ここで、伝達用回転体5が入力用回転体2の小径部側(図7の右側)に位置する場合には、伝達用回転体5の第1摩擦面5aと当接する入力用回転体2の摩擦面2aの直径が、伝達用回転体5の第2摩擦面5bと当接する出力用回転体3の摩擦面3aの直径より小さくなるので、入力用回転体2の回転に対して出力用回転体3の回転は減速される。

0083

また、伝達用回転体5が入力用回転体2の大径部側(図7の左側)に位置する場合には、伝達用回転体5の第1摩擦面5aと当接する入力用回転体2の摩擦面2aの直径が、伝達用回転体5の第2摩擦面5bと当接する出力用回転体3の摩擦面3aの直径より大きくなるので、入力用回転体2の回転に対して出力用回転体3の回転は増速される。

0084

したがって、伝達用回転体5を、伝達用回転体5の第1摩擦面5aが入力用回転体2の摩擦面2aに当接しつつ、かつ、伝達用回転体5の第2摩擦面5bが出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aに当接しつつ支持軸9の軸線13方向に沿って移動させることにより、入力側の回転を出力側において無段階で円滑に変速させることができる。

0085

なお、入力用回転体2の回転に対する出力用回転体3の回転の変速比は、入力用回転体2の回転数をN、出力用回転体3の回転数をn、伝達用回転体5の第1摩擦面5aと当接する入力用回転体2の摩擦面2aの当接部における最大直径をDmax、最小直径をDmin、伝達用回転体5の第2摩擦面5bと当接する出力用回転体3の摩擦面3aの当接部における最大直径をdmax、最小直径をdminとしたときに、n/N=((Dmax+Dmin)/2)/((dmax+dmin)/2)で表すことができる。

0086

したがって、テーパ角度αを大きくすることにより、減速装置を設けることなく、大きな変速比の設定が容易にできる。

0087

また、入力用回転体2の回転を伝達用回転体5に伝達させる場合、入力用回転体移動手段34により入力用回転体2を図7の右側に移動させることにより、入力用回転体2の摩擦面2aと伝達用回転体5の第1摩擦面5aとの当接力を増加させてスリップが発生するのを防止することができるようになっている。

0088

またさらに、伝達用回転体5に入力された回転は、両伝達リング41、42の対向面間において相互に噛合される複数の連結用歯46により入力側伝達リング41から出力側伝達リング42に伝達される。

0089

この時、ラジアル軸受43およびスラスト軸受48に、極小さな摩擦があるので、入力側伝達リング41への入力により、支持軸9に反力が発生することになる。ここで、図8において、入力側伝達リング41への入力点を黒塗り四角にて示し、入力の接線力をF1、入力点とリングホルダ44の軸線51(両伝達リング41、42の回転中心)との距離をL1、入力トルクをT1、ラジアル軸受43の摩擦係数をμ1、スラスト軸受48の摩擦係数をμ2、リングホルダ44まわりの入力に対するモーメントをM1、支持軸9に作用する反力をf1、反力点における支持軸9の軸線13とリングホルダ44の軸線51との距離をL2とすると、F1=T1/L1、M1=(μ1+μ2)・F1・L1、f1=M1/L2=(μ1+μ2)・F1・L1/L2となる。

0090

ここで、リングホルダ44の軸線51と支持軸9の軸線13とのなす角度ηが0°の場合には、支持軸9とリングホルダ44との間に送りねじ機構52が配設されているので、ラジアル軸受43およびスラスト軸受48を介してリングホルダ44に伝達する小さな力でリングホルダ44、ひいては伝達用回転体5が支持軸9上を移動してしまうという不都合が生じることになる。

0091

そこで、リングホルダ44の軸線51を支持軸9の軸線13に対して傾けることにより伝達用回転体5が支持軸9上を移動しようとするのを防止している。この傾ける角度、すなわち、リングホルダ44の軸線51と支持軸9の軸線13とのなす角度ηとしては、テーパ角度αと同一とすることが支持軸9に発生する反力を確実にキャンセル、詳しくは、支持軸9に発生する反力を伝達用回転体5が支持軸9上を移動しようとするときの摩擦により相殺することができるという意味で好ましい。

0092

また、出力側伝達リング42の第2摩擦面5bと出力用回転体3の摩擦面3aとの当接部、および、出力側伝達リング42の第2摩擦面5bとガイド用回転体4の摩擦面4aとの当接部のそれぞれにおいても、支持軸9に反力が発生することになるが、これらの反力もリングホルダ44の軸線51と支持軸9の軸線13とのなす角度ηをテーパ角度αと同一の角度とすることでキャンセルすることができるようになっている。

0093

したがって、リングホルダ44の軸線51と支持軸9の軸線13とのなす角度ηをテーパ角度αと同一の角度(η=α)とすることで、伝達用回転体5は、支持軸9上における位置を自己保持することができる。

0094

よって、高速回転時や高トルク伝達時に、スリップが発生するのをさらに確実かつ容易に防止することができる。

0095

また、リングホルダ44の軸線51と支持軸9の軸線13とのなす角度ηをテーパ角度αと同一の角度(η=α)とすることで、変速のために、支持軸9上を伝達用回転体5が移動するときに、伝達用回転体5は常に図8に示す姿勢を保持しつつ円滑に移動させることができる。

0096

すなわち、リングホルダ44の軸線51と支持軸9の軸線13とのなす角度ηをテーパ角度αと同一の角度(η=α)とする構成は、伝達用回転体移動手段53の駆動によって、伝達用回転体5が支持軸9上を移動するときの姿勢を常に同じ状態に保持する姿勢制御機能を発揮する。

0097

また、リングホルダ44の軸線51と支持軸9の軸線13とのなす角度ηをテーパ角度αと同一の角度(η=α)とすることで、支持軸9上における位置の移動による速度変化を防止することができる。さらに、第1摩擦面5aと入力用回転体2の摩擦面2aとの接触部における大径側と小径側との回転速度差が発生するのを防止することができるので、接触部における大径側と小径側とで微小滑りが発生しない。

0098

また、入力側伝達リング41に入力された回転は、両伝達リング41、42の対向面間において相互に噛合される複数の連結用歯46により出力側伝達リング42に伝達される。この場合、入力側伝達リング41への図9上方に矢印にて示す入力に対して、出力側伝達リング42に図9の下方に破線矢印にて示す反力が発生する。この反力は、入力側伝達リング41の大径端面と、相互に噛合する歯の接触接線とのなす角度εが大きいと小さくなり、角度εが小さいと大きくなる。そして、反力は、図9の右側に示す破線白抜き矢印図9の左側に示す白抜き矢印にて示すように、両伝達リング41、42を相互に離間させる方向に作用し、両伝達リング41、42は、両伝達リング41、42の対向面間の間隔を拡大するようにわずかに移動する。そして、この移動により、入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4の間に挟み込まれて3点支持されている伝達用回転体5は、入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれとの当接部における当接力を増加させてスリップを防止する機能を発揮する。

0099

よって、高速回転時や高トルク伝達時に、スリップが発生するのをより確実かつ容易に防止することができる。

0100

なお、角度εとしては、10〜45°、好ましくは15〜30°がよい。

0101

したがって、本実施形態の無段変速機1においては、入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4の間に伝達用回転体5を挟み込んで3点支持する構成による第1のスリップ防止機能と、入力用回転体2が入力軸6上をその軸線10方向に沿って移動する構成による第2のスリップ防止機能と、支持軸9の軸線13に対してリングホルダ44の軸線51をテーパ角度αと同一の角度をもって傾斜配置する構成による第3のスリップ防止機能と、両伝達リング41、42の対向面間を予め設定された角度εを具備する複数の連結用歯46を噛合させて連結する構成による第4のスリップ防止機能との4つのスリップ防止機能を備えている。そして、4つのスリップ防止機能を備えていることにより、各回転体2、3、4、5の当接部に潤滑膜を介在させた場合であっても、当接部におけるスリップの発生を防止できる。すなわち、各回転体2、3、4、5の当接部における圧力下での摩擦と潤滑とを両立させることができるし、スリップの発生の防止もできる。

0102

このように、本実施形態の無段変速機1によれば、伝達用回転体5をテーパ角度αが同一に形成されている入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4により挟み込んで少なくとも3点支持するように配置するとともに、伝達用回転体5の第1摩擦面5aが入力用回転体2の摩擦面2aに当接しつつ、かつ、伝達用回転体5の第2摩擦面5bが出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aに当接しつつ支持軸9上を移動できるように構成されているから、入力側の回転を出力側において無段階で円滑に変速させることができるとともに、構造が簡単で、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易かつ確実に防止することができる。

0103

また、本実施形態の無段変速機1によれば、入力用回転体2の摩擦面2aと伝達用回転体5の第1摩擦面5aとの当接力を増加させるために、入力用回転体2を入力軸6上において軸線10方向に沿って移動させる入力用回転体移動手段34が設けられているから、入力用回転体2の摩擦面2aと伝達用回転体5の第1摩擦面5aとの当接力を増加させることにより、高速回転時や高トルク伝達時におけるスリップの発生を容易かつより確実に防止することができる。

0104

また、本実施形態の無段変速機1によれば、入力用回転体移動手段34は、入力用回転体2と入力軸6との間に配設されたスライド機構としての入力軸6と入力用回転体2との間に配設された複数の鋼球22と、入力軸6に取り付けられたストッパ25と、一端がストッパ25に当接され他端が入力用回転体2の小径端に当接されるとともに、入力軸6の軸線10方向に沿って伸縮自在なばね部材23と、入力用回転体2の大径側に配置され入力用回転体2を入力軸6の長手方向に沿って移動させるアクチュエータとしての油圧シリンダ31とを有しているから、入力用回転体2の摩擦面2aと伝達用回転体5の第1摩擦面5aとの当接力を増加させるために、入力用回転体2を入力軸6上において軸線10方向に沿って移動させることが簡単な構造で容易かつ確実にできる。

0105

また、本実施形態の無段変速機1によれば、支持軸9の軸線13に対してリングホルダ44の軸線51をテーパ角度αと同一の角度ηをもって傾斜配置する構成により、伝達用回転体5が支持軸9上における位置を自己保持することができるとともに、支持軸9上における位置の移動による速度変化、すなわちスリップを防止する機能を発揮でき、両伝達リング41、42の対向面間を予め設定された角度εを具備する複数の連結用歯46を噛合させて連結する構成により、入力用回転体2、出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれとの当接部における当接力を増加させてスリップを防止する機能を発揮でき、伝達用回転体移動手段53は、伝達用回転体5の第1摩擦面5aが入力用回転体2の摩擦面2aに当接しつつ、かつ、伝達用回転体5の第2摩擦面5bが出力用回転体3およびガイド用回転体4のそれぞれの摩擦面3a、4aに当接しつつ支持軸9上を移動させることが簡単な構造で容易かつ確実にできる。

0106

また、本実施形態の無段変速機1によれば、送りねじ機構52は、支持軸9をねじ軸とし、リングホルダ44をナットとし、ねじ軸とナットとの間に形成されたボール循環路を循環移動する複数個のボールを備えたボールねじにより構成されているから、伝達用回転体5を支持軸9上において軸線13方向に沿って移動させることが簡単な構造で容易かつ確実にできる。

0107

また、本実施形態の無段変速機1によれば、入力用回転体2の摩擦面2aと伝達用回転体5の第1摩擦面5aとの当接部、出力用回転体3の摩擦面3aと伝達用回転体5の第2摩擦面5bとの当接部、ガイド用回転体4の摩擦面4aと伝達用回転体5の第2摩擦面5bとの当接部のそれぞれが、潤滑膜を介して当接されている構成とすることで、各回転体2、3、4、5の耐摩耗性、ひいては無段変速機1の耐久性を向上させることができる。すなわち、各回転体2、3、4、5の当接部における圧力下での摩擦と潤滑とを両立させることができるし、スリップの発生の防止もできる。

0108

したがって、本実施形態の無段変速機1によれば、構造が簡単なので、製造コストの低減や、サービスメンテナンス時における作業性の向上を図ることが容易にできるし、スリップの防止により、燃費の向上や、回転の伝達部の耐久性の向上を図ることが容易にできる。

0109

なお、本発明の無段変速機は、自動車のトランスミッションに限らず、変速機能を必要とする各種の装置に用いることができる。

0110

さらに、本発明の無段変速機は、高トルク仕様には各回転体の当接部に潤滑膜を備えたウエット仕様とし、低トルク仕様には各回転体の当接部に潤滑膜を有しないドライ仕様とするような使い分けを行うこともできる。

0111

また、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。

図面の簡単な説明

0112

本発明に係る無段変速機の実施形態の基本構成の要部を示す模式的正面図
図1の模式的平面図
図1の模式的側面図
図1のガイド用回転体を除いて示す模式的側面図
図4のA−A線に沿った模式的断面図
本発明に係る無段変速機の実施形態における出力用回転体およびガイド用回転体のそれぞれの軸線の下角度および横角度を説明する説明図
本発明に係る無段変速機の実施形態の要部を示す概略構成図
図7の伝達用回転体近傍の要部を示す模式的拡大半断面図
図8の連結用歯近傍を示す模式的正面図

符号の説明

0113

1無段変速機
2入力用回転体
2a摩擦面
3出力用回転体
3a 摩擦面
4ガイド用回転体
4a 摩擦面
5伝達用回転体
5a 第1摩擦面
5b 第2摩擦面
6入力軸
7出力軸
8ガイド軸
9支持軸
10 (入力軸の)軸線
11 (出力軸の)軸線
12 (ガイド軸の)軸線
13 (支持軸の)軸線
21ミッションケース
22鋼球
23ばね部材
25ストッパ
30軸受
31油圧シリンダ
33油圧ポンプ
34 入力用回転体移動手段
36油圧モータ
41 入力側伝達リング
42出力側伝達リング
43ラジアル軸受
44リングホルダ
46連結用歯
47プリロード用ばね部材
48スラスト軸受
50トルク受け用ばね部材
51 (リングホルダの)軸線
52送りねじ機構
53 伝達用回転体移動手段
αテーパ角度
β下角度
γ 横角度
δ 移動傾斜角度
ε (連結用歯の入力側伝達リングの大径端面と相互に噛合する歯の接触接線とのなす)角度
η (支持軸の軸線に対するリングホルダの軸線のなす)角度

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