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技術 張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法

出願人 オリエンタル白石株式会社
発明者 正司明夫坂西馨
出願日 2007年6月18日 (12年8ヶ月経過) 出願番号 2007-160537
公開日 2008年12月25日 (11年2ヶ月経過) 公開番号 2008-308962
状態 特許登録済
技術分野 橋または陸橋
主要キーワード 温度降下勾配 縦ねじ 温度履歴曲線 雄ねじ棒 押圧金具 移動設置 牽引移動 後部支持部材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

既設コンクリートブロックにおける急激な温度低下に起因するひび割れを防止することが可能なコンクリートブロック後養生方法を提供すること。

解決手段

桁用コンクリート打設する橋桁張出し施工方法において、型枠脱型後、その型枠2を脱型した部分の既設コンクリートブロック4の外面を断熱養生材5で覆って、断熱養生するコンクリートブロックの後養生方法とする。断熱養生材5は、その厚さが2cm〜20cmの発泡合成樹脂材である張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法。

概要

背景

コンクリート構造物ひび割れにはいくつかの原因があり、例えば、乾燥収縮クリープ温度応力によるもの等々がある。これらの中でも、コンクリート打設後に発生しやすいものとして、乾燥収縮と温度応力によるひび割れが考えられる。前記のコンクリート構造物としての橋梁構築方法の1つとして張出し施工があるが、移動式作業車ワーゲン)で施工する場合、移動式作業車を使って少なくとも1ブロック毎に、コンクリートを打設し、そのブロックのコンクリートが所定強度発現後、型枠脱型(脱枠)し、前記ブロックにプレストレス導入後、移動式作業車を前方(新設側)に移動する。

前記の移動式作業車で前方に移動し、型枠を新設側に移動設置して、新設ブロックのコンクリートを打設し養生し、移動式作業車をさらに新設側に移動させる前までの間、既設コンクリートブロックは養生されていない状態になる。

この間、既設コンクリートブロックの乾燥収縮が進むと共に温度低下等温度変化が生じる。他方、新設のコンクリートブロックでは、水和反応あるいは蒸気養生等による温度上昇を伴う硬化状態が進行していることになる。

新設のコンクリートブロックの部分については、型枠の外側あるいは内側に設置される断熱材により断熱養生されているが、型枠脱型後の既設コンクリートブロックは、通常、大気下における自然養生することが知られている。

なお従来、コンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れを抑制または防止する技術として、低発熱形セメントと、低添加型膨張材と、骨材とを含み、低添加型膨張材の単位量を所定の値になるようにして、乾燥収縮に起因するひび割れを抑制または防止することは知られている(例えば、特許文献1参照)。

また従来、セメント配合物収縮低減効果が大きく、同時にセメント配合物の強度低下が少ないセメント配合物用収縮低減剤も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−217514号公報
特開2005−139053号公報
特開2006−8431号公報

概要

既設コンクリートブロックにおける急激な温度低下に起因するひび割れを防止することが可能なコンクリートブロックの後養生方法を提供すること。桁用コンクリートを打設する橋桁の張出し施工方法において、型枠脱型後、その型枠2を脱型した部分の既設コンクリートブロック4の外面を断熱養生材5で覆って、断熱養生するコンクリートブロックの後養生方法とする。断熱養生材5は、その厚さが2cm〜20cmの発泡合成樹脂材である張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法。

目的

前記のように、既設のコンクリートブロックの乾燥収縮が進むと共に温度低下等の温度変化が生じ、他方、新設のコンクリートブロックでは、水和反応あるいは蒸気養生等による温度上昇を伴う硬化が進行しているため、新設のコンクリートブロックと既設コンクリートブロックの境界付近では、極力なだらかに既設コンクリートブロックの乾燥収縮あるいは既設コンクリートブロックを温度低下させることにより、既設コンクリートブロックにおける乾燥収縮に起因するひび割れ、あるいは急激な温度低下によるひび割れを防止することが望まれる。
また、既設コンクリートブロックの部分は、コンクリート打設後、型枠の脱枠までの間は、乾燥は比較的抑えられるが、脱型(脱枠)後、乾燥収縮が始まり、また隣接する新設コンクリートブロック部分のコンクリートの水和反応による体積変化の急激な影響で、既設コンクリートブロックの新設側部分はひび割れが起きやすくなる。
本発明は、既設コンクリートブロックにおける急激な温度低下に起因するひび割れを防止することが可能なコンクリートブロックの後養生方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

桁用コンクリート打設する橋桁張出し施工方法において、型枠脱型後、その型枠脱型した部分の既設コンクリートブロックの外面に断熱養生材を設けて、断熱養生することを特徴とする張出し施工におけるコンクリートブロック後養生方法。

請求項2

断熱養生材は、その厚さが2cm〜20cmの発泡合成樹脂材であることを特徴とする請求項1に記載の張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法。

請求項3

断熱養生材が、前記既設コンクリートブロックにおける内空側の内側面を除く上床版および下床版並びにウェブの外面の一部または全部に設けられていることを特徴とする請求項1および2に記載の張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法。

請求項4

断熱養生材が、前記既設コンクリートブロックにおける上床版の下面および下床版の下面、並びにウェブの内外面に設けられていることを特徴とする張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法。

請求項5

既設コンクリートブロックの型枠脱型後から、新設のコンクリートブロックの前記型枠の脱型後で移動式作業車がさらに新設側に移動する前までの間、既設コンクリートブロックを断熱養生材で養生することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法。

技術分野

0001

本発明は、橋梁コンクリート製箱桁等の張出し施工におけるコンクリートブロック後養生方法に関する。

背景技術

0002

コンクリート構造物ひび割れにはいくつかの原因があり、例えば、乾燥収縮クリープ温度応力によるもの等々がある。これらの中でも、コンクリートの打設後に発生しやすいものとして、乾燥収縮と温度応力によるひび割れが考えられる。前記のコンクリート構造物としての橋梁の構築方法の1つとして張出し施工があるが、移動式作業車ワーゲン)で施工する場合、移動式作業車を使って少なくとも1ブロック毎に、コンクリートを打設し、そのブロックのコンクリートが所定強度発現後、型枠脱型(脱枠)し、前記ブロックにプレストレス導入後、移動式作業車を前方(新設側)に移動する。

0003

前記の移動式作業車で前方に移動し、型枠を新設側に移動設置して、新設ブロックのコンクリートを打設し養生し、移動式作業車をさらに新設側に移動させる前までの間、既設コンクリートブロックは養生されていない状態になる。

0004

この間、既設のコンクリートブロックの乾燥収縮が進むと共に温度低下等温度変化が生じる。他方、新設のコンクリートブロックでは、水和反応あるいは蒸気養生等による温度上昇を伴う硬化状態が進行していることになる。

0005

新設のコンクリートブロックの部分については、型枠の外側あるいは内側に設置される断熱材により断熱養生されているが、型枠脱型後の既設コンクリートブロックは、通常、大気下における自然養生することが知られている。

0006

なお従来、コンクリートの乾燥収縮に起因するひび割れを抑制または防止する技術として、低発熱形セメントと、低添加型膨張材と、骨材とを含み、低添加型膨張材の単位量を所定の値になるようにして、乾燥収縮に起因するひび割れを抑制または防止することは知られている(例えば、特許文献1参照)。

0007

また従来、セメント配合物収縮低減効果が大きく、同時にセメント配合物の強度低下が少ないセメント配合物用収縮低減剤も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−217514号公報
特開2005−139053号公報
特開2006−8431号公報

発明が解決しようとする課題

0008

前記のように、既設のコンクリートブロックの乾燥収縮が進むと共に温度低下等の温度変化が生じ、他方、新設のコンクリートブロックでは、水和反応あるいは蒸気養生等による温度上昇を伴う硬化が進行しているため、新設のコンクリートブロックと既設コンクリートブロックの境界付近では、極力なだらかに既設コンクリートブロックの乾燥収縮あるいは既設コンクリートブロックを温度低下させることにより、既設コンクリートブロックにおける乾燥収縮に起因するひび割れ、あるいは急激な温度低下によるひび割れを防止することが望まれる。
また、既設コンクリートブロックの部分は、コンクリート打設後、型枠の脱枠までの間は、乾燥は比較的抑えられるが、脱型(脱枠)後、乾燥収縮が始まり、また隣接する新設コンクリートブロック部分のコンクリートの水和反応による体積変化の急激な影響で、既設コンクリートブロックの新設側部分はひび割れが起きやすくなる。
本発明は、既設コンクリートブロックにおける急激な温度低下に起因するひび割れを防止することが可能なコンクリートブロックの後養生方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

前記の課題を有利に解決するために、第1発明の張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法においては、桁用コンクリートを打設する橋桁の張出し施工方法において、型枠脱型後、その型枠を脱型した部分の既設コンクリートブロックの外面に断熱養生材を設けて、断熱養生することを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明の張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法において、断熱養生材は、その厚さが2cm〜20cmの発泡合成樹脂材であることを特徴とする。
第3発明では、第1発明または第2発明の張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法において、断熱養生材が、前記既設コンクリートブロックにおける内空側の内側面を除く上床版および下床版並びにウェブの外面の一部または全部に設けられていることを特徴とする。
第4発明では、第1発明または第2発明の張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法において、断熱養生材が、前記既設コンクリートブロックにおける上床版の下面および下床版の下面、並びにウェブの内外面に設けられていることを特徴とする。
第5発明では、第1発明〜第4発明のいずれかの張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法において、既設コンクリートブロックの型枠脱型後から、新設のコンクリートブロックの前記型枠の脱型後で移動式作業車がさらに新設側に移動する前までの間、既設コンクリートブロックを断熱養生材で養生することを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明によると、既設コンクリートブロックの外面に断熱養生材を設けて断熱養生するので、既設コンクリートブロックが急激に温度低下しないと共に十分断熱した状態で養生させることができるので、既設コンクリートブロックのひび割れを防止することができる。
また、既設コンクリートブロックにける新設側端部は、新設側コンクリートブロックの水和反応(水和発熱)による温度上昇の影響を受けるが、既設コンクリートブロックは断熱養生材により断熱養生されているので、既設コンクリートブロックの新設側端部付近の温度の降下勾配を緩やかにすることができ、また温度低下等の温度による既設コンクリートブロック側の応力を低減することができ、そのため既設コンクリートブロック側のひび割れを防止することができる等の効果が得られる。
また、脱型後の既設コンクリートブロックの外面に後養生用の断熱養生材を設ければよいので施工が容易であり、また、後養生用に使用する断熱養生材は、厚さが2cm〜20cmの発泡合成樹脂材であるので、施工も容易である。
また、後養生する期間が、移動式作業車が橋軸方向の新設側に移動する前まで行えばよいので、後養生期間を十分長く設定することができ、また、後養生用の断熱養生材の反復使用も可能になる。

発明を実施するための最良の形態

0011

次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。

0012

図1および図2に示すように、橋梁用コンクリート桁1Aを張り出し施工する場合に、移動式作業車(ワーゲン)1により前進移動され、所定の位置に設置された型枠2内にコンクリートを打設して、新設ブロックを構築している部分(新設コンクリートブロック3)については、型枠2の外側あるいは内側に設置される断熱材(図示を省略した)等により、断熱養生あるいは散水養生が適宜行われるが、本発明においては、前記の新設コンクリートブロック3の型枠の脱型後(脱枠後)については既設コンクリートブロック4とし、次に橋軸方向に張り出すように築造される新設コンクリートブロック3と区別している。既に脱型されている既設コンクリートブロック4の部分についての後養生の発明であるので、この部分について主に説明する。

0013

なお、図面上では、新設ブロック用の型枠2と後養生用の断熱養生材5とが重複すると理解しづらいので、移動式作業車1が1ブロック橋軸方向に前進移動した状態が示されており、後養生用の断熱養生材5は、例えば、移動式作業車1が移動する前に設置される。

0014

例えば、図1あるいは図2に示すように、箱桁等の桁1Aの側面を、現場打ちコンクリートウェブ6とする場合は、その部分と、コンクリート製の上床版7および下床版8とが、後養生の対象となる。また、図4および図5に示すように、波形鋼板ウェブ9(図示の場合)、あるいはプレキャストコンクリート製ウェブのあるいは鋼管製のウェブの場合(いずれも図示を省略した)には、ウェブの主要部分について後養生の必要がなく、このような場合には、波形鋼板ウェブ9等を支承する突部22等のウェブ部分の一部を除く上床版7あるいは下床版8が後養生の対象となる。

0015

図1および図2に示す形態では、既設コンクリートブロック4における上床版7の下面および下床版8の下面全体およびこれらの橋軸直角方向の外側面あるいはコンクリートウェブ6の橋軸直角方向の外面に、発泡スチロールなどの発泡合成樹脂による断熱養生材5を圧着させて、既設コンクリートブロック4の断熱養生(脱型後の後養生)を図っている。

0016

前記の断熱養生材5は、例えば、図3にウェブ部分を後養生するための断熱養生材5を示すように、板状の断熱養生材5の片面に、その外周縁部および中央部に、それぞれ木製等の縦枠材10および横枠材11からなる枠型フレーム12を設けて、断熱養生材5を枠型フレーム12に適宜固定し、2点鎖線で示す領域まで延びる大型のフレーム付き断熱養生材5Aを製作して、桁高あるいは橋軸方向のブロック幅に応じて、適宜切断して利用するようにすればよい。また、前記と同様なフレーム付き断熱養生材5Aを製作して、桁幅、上床版7の張り出しフランジ13の幅に応じて、適宜切断して、上床版下面、下床版下面あるいは、上床版7の張り出しフランジ13下面等に配置するようにすればよい。例えば、既設コンクリートブロック4の橋軸方向の端面を除く外面の一部または全部を覆うように断熱養生材5を設けて断熱養生する。

0017

板状の断熱養生材5を既設コンクリートブロック4に取り付け方法としては、移動式作業車1から押し当て部材(図示を省略)を使って押し当てる方法でもよく、既設コンクリートブロック4に一端側を係止たねじ棒(セパレーター)等の連結金具の他端側を断熱養生材5またはそのフレーム部分に挿通すると共に、角形鋼管製で間隔をおいて平行に配置された一対の横端太材14およびこれらの長手方向に間隔をおいて配置される押圧金具15を介在させて、ねじ棒(セパレーター)に装着されるナット等を締め込むことにより、断熱養生材5を既設コンクリートブロック4の外面に密着させてもよく、また、粘着力の比較的弱い接着剤を既設コンクリートブロック4あるいは断熱養生材5に塗布して、断熱養生材5を剥離可能に接着させるようにしてもよい。

0018

型枠を脱型した既設コンクリートブロック4の外面に断熱養生材5を設ける場合の箇所としては、既設コンクリートブロック4の外面の一部でもよく、全部でもよい。例えば、フレーム付き断熱養生材5Aあるいは断熱養生材5(以下、これらを単に断熱養生材5とも言う)を、前記既設コンクリートブロック4における内空側の内側面を除く上床版7および下床版8並びにウェブ6の外面の一部または全部に設けてもよい。あるいは、断熱養生材5を、前記既設コンクリートブロック4における上床版7の下面および下床版8の下面、並びにウェブ6の内外面に設けてもよい。

0019

前記の断熱養生材5を、脱型後の既設コンクリートブロック4に設けられている期間としては、既設コンクリートブロック4の温度低下を極力緩やかにし、十分養生するために、例えば、既設コンクリートブロック4の型枠脱型から、新設のコンクリートブロックの前記型枠の脱型後で移動式作業車がさらに新設側に移動する前までの間、既設コンクリートブロックを断熱養生材で養生すると、最も長く後養生をすることができ、急激な温度変化を防止し、ひび割れを確実に防止できる。

0020

また、上床版部の上面あるいは下面、および下床版部の下面あるいは上面、ブロックの内空側に適宜、セパレータ等の連結金具により設けるようにして断熱養生材を保持するようにしてもよい。

0021

図1に示す形態では、断熱養生するウェブ部分に、新設コンクリートブロック3用の型枠2における横端太材14を後方延長してフレーム付き断熱養生材押し付け部16を形成し、一端側を既設コンクリートブロック4のウェブ側に支承させたセパレータ等の連結金具(雄ねじ棒)の他端にナットを設けて押圧金具15を介してフレーム付き断熱養生材押し付け部16を押圧することにより、既設コンクリートブロック4にフレーム付き断熱養生材5Aを押圧するようにしている。なお、セパレータ等の連結金具(雄ねじ棒)の一端側を係止するために、既設コンクリートブロック4には、予めインサートあるいは貫通孔が設けられて、インサートに連結される支承金具あるいは貫通孔に挿通配置されるねじ棒に装着される支承金具が設置されて断熱養生材5を保持可能にされる(図示を省略した)。
また、既設コンクリートブロック4における下床版の下側では、移動式作業車1あるいは既設コンクリートブロック4に盛り替え可能に支持された下部支持部材17の後部に、直列に一体に後部支持部材18が設けられて、後部支持部材18の後端部を既設コンクリートブロック4に、PC鋼材等の縦ねじ棒23およびこれに装着される支承金具等の着脱可能な支承装置により、既設コンクリートブロック4に盛り替え可能にされている。したがって、後部支持部材18を含む下部支持部材17は、傾斜調整可能に支持されている。

0022

また、図4および図5に示す形態では、既設コンクリートブロック4における上床版7の下面および下床版8の下面全体およびこれらの橋軸直角方向の側面あるいは波形鋼板ウェブ9との境界付近などの外面に、発泡スチロールなどの発泡合成樹脂による断熱養生材5を圧着させて、既設コンクリートブロック4の断熱養生(脱型後の後養生)を図っている。波形鋼板ウェブ9に断熱養生材5の端部を配置して、断熱養生材5の端部外側に磁石を設けて磁力により断熱養生材5の端部を波形鋼板ウェブ9に押圧させるようにして保持させることができる。

0023

なお、既設コンクリートブロック4に対する脱型後、既設コンクリートブロック4に配置されているPC鋼材の緊張定着によりプレストレスを導入して既設側の橋体一体化した後、移動式作業車1は、既設コンクリートブロック4の新設側端部まで前進移動する(図1あるいは図3に示す状態)。また、移動式作業車1の前進移動に伴い、上床版あるいは下床版用の型枠を脱型して、移動式作業車1に付属する設備により昇降可能に支持されたレール兼用の上部支持部材19を牽引移動させることにより前進移動させるようにしている。また、前記上部支持部材19の後部に直列に一体化に設けられたレール兼用の後部支持部材20に、既設コンクリートブロック4における上床版7の張り出しフランジ13下側のフレーム付き断熱養生材5Aを離反させた後、これを支持した状態で、フレーム付き断熱養生材5Aを前進移動させることができる。なお、レール兼用の上部支持部材19あるいは後部支持部材20は、前進移動時に既設コンクリートブロック4に支持させた吊車を備えた吊金具21に盛り替えられる。移動後は、適宜ねじ付き縦PC鋼材およびナット並びに支承金具等により、新たに築造された既設コンクリートブロック4に断熱養生材5を支持させるようにする。なお、移動式作業車1に付属し昇降可能に支持されている作業足場24により下床版用の型枠等は昇降可能に支持される。

0024

前記のように、既設コンクリートブロック4を断熱養生するようにすると、図6数値解析した結果を示すように、鋼製型枠あるいは外気熱伝達率(W/m2℃)よりも、発泡スチロールなどの断熱養生材5の熱伝達率が小さいため、図7に示すように、既設コンクリートブロック4における新設側端部(図11(b)に示す(2)の部分)と橋軸直角方向の端部(図11(b)に示す(1)の部分)について、本発明のように断熱養生材5を設けて後養生した場合と、断熱養生材5を設けることなく後養生をしない場合(通常の大気養生場合)とで、既設コンクリートブロック4部分の材齢(日)による温度(℃)変化が生じる。
なお、解析に用いた熱伝達率(W/m2℃)として、外気は13W/m2℃、鋼製型枠は14W/m2℃、断熱養生材5の木枠は8W/m2℃、発泡スチロールからなる断熱養生材5は2W/m2℃、養生マットは5W/m2℃とした場合である。

0025

図7における通常—1は、既設コンクリートブロック4における橋軸直角方向の端部(図11(b)に示す(1)の部分)で後養生をしない場合の温度変化を、通常—2は、既設コンクリートブロックにおける橋軸直角方向の端部(図11(b)に示す(2)の部分)で後養生をしない場合を、後養生—1は、既設コンクリートブロックにおける橋軸直角方向の端部(図11(b)に示す(1)の部分)で発泡スチロールによる断熱養生材5により後養生をした場合の温度変化を、後養生—2は、既設コンクリートブロックにおける橋軸直角方向の端部(図11(b)に示す(2)の部分)で発泡スチロールによる断熱養生材5により後養生をした場合の温度変化をそれぞれ示している。

0026

図7からわかるように、既設コンクリートブロック4について、断熱養生材5により後養生をしない場合は、材齢15日前後付近までに急冷されているが、脱型後2日で断熱養生材5を設けて後養生した場合には、材齢20日を超えて23日付近まで、温度降下勾配が緩やかになっていることがわかる。

0027

図8は、コンクリートブロックについて、材齢(日)と乾燥収縮ひずみ(μ)との関係を示したもので、コンクリート打設後3日目に脱型した乾燥開始材齢3日のコンクリートブロックの場合の曲線1と、コンクリート打設後12日目に脱型した乾燥開始材齢12日のコンクリートブロックの場合の曲線2と、コンクリート打設後3日目に脱型すると共に本発明の方法の断熱養生材5により後養生を12日目まで行ったコンクリートブロックの場合の曲線3とでは、本発明の方法により断熱養生した曲線3の場合は、12日目以降に乾燥収縮が起こることになるため、曲線2の場合に近い状態で、乾燥収縮ひずみ(μ)が低減されていることがわかる。前記のような乾燥収縮ひずみが生じることを、後記の最大主応力を数値解析により求める上で考慮するようにしている。また、本発明の方法により後養生されたコンクリートブロックの場合には、ひび割れが生じないことがわかった。

0028

図9は、発泡スチロール(EPS型物)からなる断熱養生材5の厚さ(mm)と、熱伝達率との関係を示したもので、通常、市販されている厚さ50mmの発泡スチロールの熱伝達率が2.0(W/m2℃)を基準にして、厚みを変化させた場合の熱伝達率を数値解析により求めたものであり、発泡スチロールの厚さが100mmの場合には、1.0(W/m2℃)であり、発泡スチロールの厚さが10mmの場合には、9.0(W/m2℃)であった。この関係を厚さ(mm)を横軸に、熱伝達率を縦軸にしてプロットしたグラフである。

0029

なお、前記の発泡スチロールの厚みにより異なる熱伝達率の数値解析にあたり、発泡スチロール(EPS:型物)の熱伝導率未知であるため、養生するコンクリート(熱伝導率2.8W/m℃)表面に厚さ50mmの発泡スチロールを設けた場合(A)の温度履歴曲線A´と設けない場合(B)の温度履歴曲線B´の2つのモデルの温度履歴曲線A´、B´を一致させるように、発泡スチロールを設けない場合(B)の履歴曲線(B´)に発泡スチロールの仮定した熱伝導率1(W/m℃)を数値解析式に代入して曲線を一致させた時の値して求めた。

0030

また、前記から、発泡スチロールの厚さを10mmと変化させた場合(C)の温度履歴曲線(C´)、発泡スチロールの厚さを100mmとした場合(D)の温度履歴曲線(D´)に、そのような厚みの発泡スチロールの設けない場合(E、F)のそれぞれの温度履歴曲線E´とF´とについて、温度履歴曲線(E´)を温度履歴曲線(C´)に一致させるように、発泡スチロールを設けない場合(E)の履歴曲線(E´)に発泡スチロールの仮定した熱伝達率1.0(W/m2℃)を数式に代入して温度履歴曲線C´に一致させた時の熱伝達率の値して求めた。同様に、発泡スチロールを設けない場合(F)の履歴曲線(F´)に発泡スチロールの仮定した熱伝達率9.0(W/m2℃)を数値解析式に代入して温度履歴曲線D´に一致させた時の熱伝達率の値して求めた。

0031

図9からわかるように、発泡スチロールからなる断熱養生材では、厚さ10mm〜50mmまでの熱伝達率と、厚さ50mmを超え、100mmまでの熱伝達率の勾配に明らかな違いがあるのを知見できる。

0032

なお、基準にした厚さ50mmの発泡スチロールの熱伝達率が2.0(W/m2℃)の発泡スチロール板は、発泡剤を含んだポリスチレンビーズ蒸気により発泡させ、そのビーズ金型に入れ蒸気により成形したもの(EPS:型物)で、原材料2%で98%が空気とされている空隙率の高い独立気泡性の材料を使用している。また、基準とした発泡スチロールの密度は33kg/m3で、比熱は1.15kJ/kg℃で、熱伝導率は1W/m℃である。

0033

また、図9から、既設コンクリートブロック4の外面を後断熱養生するための発泡合成樹脂(例えば、ビーズ法発泡スチロール)による断熱養生材5の厚み寸法は、断熱養生作用を発揮させるには、20mm以上であればよく、より好ましくは、30mm以上、さらに好ましくは、50mm程度以上の厚さ寸法であれば確実であることがわかった。また、断熱養生材を設置する場合、施工現場における取り扱い性および設置できるか否かの観点から、200mm以上では、設置困難になる可能性があるため、200mm以下であること、より好ましくは150mm以下、さらに好ましくは、100mm以下が好ましいことがわかった。

0034

したがって、発泡合成樹脂(発泡スチロール)からなる断熱養生材5の厚み寸法の好ましい範囲は、20mm以上200mm以下、より好ましくは、30mm以上150mm以下、最も好ましくは、50mm以上100mm以下がよいことがわかった。

0035

次に、既設コンクリートブロック4に作用する橋軸方向の引張主応力について解析したので、図10および図11(a)を参照して説明する。

0036

図11(a)に示すように、既設コンクリートブロック4に対して新設コンクリートブロック3aを、その新設コンクリートブロック3aに、さらに新設コンクリートブロック3b,3cを橋軸方向に順次構築して、4ブロックを構築した場合に、材齢(日)の経過に伴い、最初に築造した既設コンクリートブロック4に作用する最大主応力度(N/mm2)の履歴について、本発明の方法により新設コンクリートブロックに隣接する既設コンクリートブロックに対して断熱養生材により断熱養生(後養生)した場合(後養生)と、既設コンクリートブロックに対して断熱養生材を設けることなく大気下における自然養生した場合とを、解析比較したグラフを図10に示す。

0037

図10についてさらに説明すると、図10における通常—1(曲線A)は、既設コンクリートブロックにおける橋軸直角方向の端部(図11(a)に示す(1)の部分の測定値)で本発明の後養生をしない大気下における自然養生の場合の橋軸方向の最大主応力履歴を、通常—2(曲線B)は、既設コンクリートブロックにおける橋軸直角方向の端部(図11(a)に示す(2)の部分の測定値)で大気下における自然養生の場合の橋軸方向の最大主応力履歴を、後養生—1(乾燥変更)(曲線C)は、既設コンクリートブロックにおける橋軸直角方向の端部(図11(a)に示す(1)の部分の測定値)で発泡スチロールによる断熱養生材により後養生をした場合の橋軸方向の最大主応力履歴を、後養生—2(乾燥変更)(曲線D)は、既設コンクリートブロックにおける橋軸直角方向の端部(図11(a)に示す(2)の部分の測定値)で発泡スチロールによる断熱養生材5により後養生をした場合の橋軸方向の最大主応力履歴をそれぞれ示している。

0038

また、図10には、最初に構築された既設コンクリートブロック4に材齢経過に伴い発現している引張強度曲線(曲線E)についても表示した。
橋軸方向に順次コンクリートブロックを築造していくと、各コンクリートブロックの乾燥収縮等が完全に行われていないので、最初の既設コンクリートブロック4に対して橋軸方向の主応力は逐次累積されるようになり最大主応力が作用するようになる。

0039

図10において、既設コンクリートブロックについて、本発明のような断熱養生材による断熱養生をしない曲線Aの場合では、材齢40日を経過した時点で、曲線Eよりも最大主応力が上昇しており、既設コンクリートブロック4における橋軸直角方向の側端部では、ひび割れが生じるおそれが高いことがわかる。
一方、本発明のように、既設コンクリートブロック4に対して、断熱養生材による断熱材養生(後養生)を行った場合には、曲線Aよりも、0.89N/mm2低下していると共に、曲線Eよりも0.5N/mm2程度低下していることがわかる。このことから、コンクリートの強度発現よりも、最大主応力を小さく押さえ込むことができることがわかると共に、コンクリートのひび割れが発生する恐れのないことがわかる。

0040

なお、張り出し施工によりコンクリートブロックを順次橋軸方向に築造していく場合の施工工程について簡単に説明すると、以下のようになる。
(1)既設コンクリートブロックをPC鋼材によりプレストレスを導入し緊張定着した後、脱型した型枠等を移動式作業車(ワーゲン)に付属する吊り下げ装置等の付帯設備により支持した状態で、移動式作業車を橋軸方向の移動し、既設コンクリートブロックの先端部の所定の位置に設置する。
(2)新設ブロック築造するために型枠をセットする。
(3)上床版用および下床版用鉄筋(およびコンクリートウェブを築造する場合にはウェブ用鉄筋)、PC鋼材等を組み立て
(4)新設ブロック用のコンクリートを打設する
(5)コンクリートを打設した新設コンクリートブロックにおける床版上面に養生マットを敷く。必要に応じて散水養生を行う。
(6)打設したコンクリートの強度が所定の強度に達したら型枠を脱型(脱枠)し、必要に応じ移動式作業車に付帯する設備に支持させる。
(7)脱枠終了後、断熱養生材5を既に築造された前記新設コンクリートブロック(すなわち、この時点では、既設コンクリートブロック4となっている)の外面に貼り付け等により設置する。
(8)コンクリート強度が所定の強度に達したら、前記既設コンクリートブロック4にPC鋼材を配置して緊張定着しプレストレスを導入する。
(9)移動式作業車(ワーゲン)の移動前に、既設コンクリートブロック外面の断熱養生材を撤去する。なお、断熱養生材は、適宜移動式作業車に配置しておく。
(10)前記(1)〜(9)の工程を繰り返す。

0041

前記の(1)〜(9)の工程は、およそ12日サイクルで施工する。新設ブロック区間のコンクリート打設後、「コンクリート標準示方書」(土木学会)によると、早強コンクリートを使用しても3日間の養生期間が定められている。その後、型枠の脱枠に半日を要し、移動式作業車の移動までのおよそ12日後まで、断熱養生材5による後養生を行うように設定されている。

0042

後養生用の断熱養生材5としては、発泡合成樹脂材が考えられ、例えば、ビーズ法発泡スチロールによる発泡スチロールを考えると熱伝達率が2W/m2℃の場合は、断熱養生材5の厚さは5cmで程度でよく、また、断熱作用あるいは断熱養生作用を発揮する上では、2cm〜20cmの範囲が考えられ、断熱養生材5の厚みが、5cm〜20cmではコンクリートの硬化に変化は少ないと思われる。

0043

本発明を実施する場合、波形鋼板ウェブあるいはプレキャスト製ウェブが、橋軸方向に2ブロック等の複数ブロックの長さを有する場合等においては、2ブロックあるいは複数ブロックの長さの既設コンクリートブロックの上床版あるいは下床版を、断熱養生の対象とすればよい。

図面の簡単な説明

0044

本発明の張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法により既設張り出しブロックを養生している他の形態の状態を示す側面図である。
既設張り出しブロックに断熱養生材を設置して養生する外面部位を説明するための一部縦断正面図である。
本発明の張出し施工におけるコンクリートブロックの後養生方法により既設張り出しブロックを養生している状態を示す側面図である。
既設張り出しブロックに断熱養生材を設置して養生する外面部位を説明するための一部縦断正面図である。
本発明において使用する発泡合成樹脂養生材の一形態を示す側面図である。
コンクリートブロックのコンクリート打設時点から後養生後まで、コンクリートブロックに接する部材と材齢(日)との関係を示すグラフである。
既設コンクリートブロックについて後養生する場合としない場合の材齢と温度との関係を示すグラフである。
コンクリートブロックについて、材齢と嵌乾燥収縮ひずみとの関係を示すグラフである。
発泡スチロールからなる発泡合成樹脂の厚み寸法とその熱伝達率との関係を示すグラフである。
既設コンクリート桁ブロックの橋軸方向の新設側端部とその橋軸直角方向の張り出し端部における最大主応力との関係を示すグラフである。
(a)は図10に示すグラフの測定箇所を示すコンクリート箱桁を示す斜視図である。

符号の説明

0045

1移動式作業車
2型枠
3新設コンクリートブロック
4既設コンクリートブロック
5断熱養生材
5Aフレーム付き断熱養生材
6コンクリートウェブ
7上床版
8 下床版
9波形鋼板ウェブ
10縦枠材
11横枠材
12枠型フレーム
13 上床版の張り出しフランジ
14横端太材
15押圧金具
16 フレーム付き断熱養生材押し付け部
17 下部支持部材
18後部支持部材
19 上部支持部材
20 後部支持部材
21 吊金具
22 突部
23縦ねじ棒
24 作業足場

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