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技術 コモンレール式燃料噴射装置

出願人 三菱ふそうトラック・バス株式会社
発明者 松本祐介
出願日 2007年6月11日 (13年6ヶ月経過) 出願番号 2007-153876
公開日 2008年12月18日 (12年0ヶ月経過) 公開番号 2008-303852
状態 未査定
技術分野 燃料噴射装置
主要キーワード 圧力路 加圧路 混合不足 供給中止 強制閉弁 リターン路 バックプレッシャ 増圧機構
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (7)

課題

燃料噴射終了直前燃料噴射圧が低下する現象を回避し、これにより噴射終了まで高い噴射圧を維持して燃料噴霧微粒化を促進できるコモンレール式燃料噴射装置を提供する。

解決手段

強制閉鎖弁34の切換に応じて増圧機構8の加圧室11cを、燃料溜まり25と接続される加圧路28側と圧力室23と接続される補給路16側とに交互に連通させる。燃料噴射の開始時には、加圧室11cを加圧路28側と連通させて加圧室11c内で増圧された燃料を燃料溜まり25に供給し、その燃料圧により針弁22を開弁し、燃料噴射の終了時には、加圧室11cを補給路16側と連通させて加圧室11c内で増圧された燃料を圧力室23に供給し、その燃料圧により針弁22を強制的に閉弁する。

概要

背景

サプライポンプから圧送される高圧燃料コモンレール蓄圧し、エンジン運転状態に応じた所定タイミング燃料噴射弁から機関燃焼室内に噴射するコモンレール式燃料噴射装置が実用化されている。この種の燃料噴射装置車両用ディーゼルエンジンの主流となりつつあるが、例えばスモーク低減や燃費向上のために燃料噴霧微粒化する要望に関しては改善の余地があった。そこで、燃料噴霧を微粒化するための対策として、増圧式のコモンレール式燃料噴射装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。

上記特許文献1に記載されたコモンレール式燃料噴射装置の構成を図5に従って説明する。燃料タンク1に貯留された燃料は図示しないサプライポンプによる加圧後にコモンレール2に蓄圧されており、コモンレール2にはコモンレール燃料路3を介してエンジンの各気筒の燃料噴射弁4が接続されている。コモンレール燃料路3にはオリフィス5が設けられると共に、その下流側には並列接続された逆止弁6及びオリフィス7が設けられている。燃料噴射弁4は全体として、コモンレール2からの高圧燃料を増圧する増圧機構8、及び増圧後の高圧燃料をエンジンの燃焼室10内に噴射する噴射制御機構9に大別され、共に燃料噴射弁4のボディ内に設けられている。なお、図5では#1気筒の燃料噴射弁4のみ詳細を示しているが、他の燃料噴射弁も同一構成である。

まず、増圧機構8の構成を説明すると、燃料噴射弁4のボディには増圧機構8のシリンダ11が形成され、シリンダ11内には増圧ピストン12が上下方向に摺動可能に配設されている。増圧ピストン12は上側の大径部12a及び下側の小径部12bから構成され、大径部12aによりシリンダ11内は上部シリンダ室11a及び下部シリンダ室11bに区画され、小径部12bによりシリンダ11内の増圧ピストン12の下側には加圧室11cが区画されている。下部シリンダ室11b内にはばね13が配設され、このばね13により増圧ピストン12は常に上方に付勢されている。

上記コモンレール燃料路3は上部シリンダ室11aに接続されると共に、上流側シリンダ路14a及び下流側シリンダ路14bを介して下部シリンダ室11bとも接続されている。また、上部シリンダ室11aには圧力路15の一端が接続され、圧力路15の他端は後述する噴射制御機構9の圧力室23と接続されている。圧力路15の途中は補給路16を介して加圧室11cと接続され、補給路16には逆止弁17が設けられている。これにより上部シリンダ室11a内、下部シリンダ室11b内及び加圧室11c内には燃料が導入されて、それぞれレール圧(コモンレールに蓄圧された燃料圧力)に相当する燃料圧が作用している。

上流側シリンダ路14aと下流側シリンダ路14bとの間には電磁式噴射制御弁18が設けられ、噴射制御弁18は下流側シリンダ路14bを上記燃料タンク1と連通するリターン路19に対して接続するA1位置と、下流側シリンダ路14bを上流側シリンダ路14aと接続するA2位置(図示の位置)との間で切換可能となっている。
噴射制御弁18のA2位置への切換により下流側シリンダ路14bが上流側シリンダ路14aと接続された状態では、上部シリンダ室11a内で大径部12aの上面に作用する燃料圧に対して、下部シリンダ室11b内で増圧ピストン12の大径部12aの下面にバックプレッシャとして作用する燃料圧と上記ばね13の付勢力との合力が上回る。このため、増圧ピストン12は加圧室11cの容積を拡大しながら上昇して上部シリンダ室11a内の図示しないストッパに大径部12aを当接させ、これと並行して加圧室11c内には、圧力路15、補給路16及び逆止弁17を経て上部シリンダ室11a内から燃料が導入されている。

また、この状態から噴射制御弁18のA1位置への切換により下流側シリンダ路14bがリターン路19と接続されると、下部シリンダ室11b内の燃料が下流側シリンダ路14b及びリターン路19を経て燃料タンク1に戻されて、増圧ピストン12の大径部12aの下面に作用する燃料圧が急減するため、上記燃料圧の大小関係逆転する。増圧ピストン12は加圧室11cの容積を縮小しながら下降するが、このときには逆止弁17により加圧室11c内から補給路16側への燃料の流出が規制されるため、加圧室11c内の燃料圧はレール圧よりもさらに増圧される。

一方、噴射制御機構9は増圧機構8の下側に配設されている。燃料噴射弁4のボディには噴射制御機構9のシリンダ21が形成され、シリンダ21は上下方向に延設されて下端をエンジンの燃焼室10内と連通させている。シリンダ21内には上下方向に摺動可能に針弁22が配設され、シリンダ21内において針弁22の上側には圧力室23が形成されている。圧力室23内にはばね24が配設され、このばね24により針弁22は常に下方に付勢されている。また、上記のように圧力室23は圧力路15を介して上部シリンダ室11aから燃料が導入されており、針弁22の上面22aにはレール圧に相当する燃料圧が作用している。

シリンダ21の下部には針弁22の周囲を取り巻くように燃料溜まり25が形成され、この燃料溜まり25の下側には同じく針弁22の周囲を取り巻くように連通路26が形成され、連通路26の下端は噴孔部27を介して燃焼室10内と連通している。針弁22の先端(下端)は噴孔部27に位置し、針弁22の上下動に伴って先端により噴孔部27が開閉される。燃料溜まり25には加圧路28を介して上記増圧機構8の加圧室11cから燃料が導入されており、その燃料圧は針弁22の下方に面したテーパ面22bに作用している。燃料溜まり25の燃料圧は増圧ピストン12の作動に応じて変化し、増圧ピストン12の非増圧時には、燃料溜まり25の燃料圧が低下して上記圧力室23の燃料圧とばね24の付勢力との合力を下回るため、針弁22は下降して先端により噴孔部27を閉鎖して閉弁する。また、増圧ピストン12の増圧時には、燃料溜まり25の燃料圧が増加して圧力室23の燃料圧とばね24の付勢力との合力を上回るため、針弁22は上昇して噴孔部27を開放して開弁する。

特許文献1のコモンレール式燃料噴射装置は以上のように構成されており、以下、その作動状態を説明する。
コモンレールの燃料はコモンレール燃料路3により各気筒の燃料噴射弁4に供給されており、各燃料噴射弁4の噴射制御弁18が図5に示すA2位置にあるときには、コモンレール燃料路3、上流側シリンダ路14a及び下流側シリンダ路14bを経て下部シリンダ室11b内に燃料圧が作用することから、この燃料圧を受けて増圧ピストン12が上昇しており、加圧室11c内の燃料圧はレール圧相当まで低下している。これに伴って燃料溜まり25の燃料圧も低下するため、針弁22は閉弁状態に保持されて燃料噴射中止している。

この状態から噴射制御弁18がA1位置に切換えられると、下部シリンダ室11b内の燃料が下流側シリンダ路14b及びリターン路19を経て燃料タンク1に戻されることにより、下部シリンダ室11b内の燃料圧が急減するため、増圧ピストン12は上部シリンダ室11a内の燃料圧により下降しながら加圧室11cの容積を縮小する。加圧室11cから圧力路15側への燃料の流出が逆止弁17により規制されているため、増圧ピストン12により加圧室11c内の燃料はレール圧よりもさらに増圧され、増圧後の燃料が加圧路28を経て燃料溜まり25に供給される。これにより燃料溜まり25内でテーパ面22bに作用する燃料圧が増加し、その燃料圧により針弁22が上昇して開弁され、燃料溜まり25内の燃料が連通路26を経て噴孔部27からエンジンの燃焼室10内に噴射される。

燃料噴射はエンジンの運転状態に応じた目標燃料噴射量に対応する噴射時間に亘って継続され、噴射時間の終了により噴射制御弁18はA2位置に復帰する。これにより下部シリンダ室11b内には再び燃料圧が作用して増圧ピストン12を上昇させ、上部シリンダ室11a内の燃料が次回の噴射燃料として圧力路15、補給路16及び逆止弁17を経て加圧室11c内に供給されると共に、加圧室11c内の燃料圧と共に燃料溜まり25内の燃料圧も低下することから、針弁22が再び閉弁して燃料噴射を終了する。これにより燃料噴射弁4は噴射開始前の初期状態に戻る。

以上が燃料噴射の開始から終了までの燃料噴射弁4の作動状況であり、この動作が着火順序に従って各気筒の燃料噴射弁4毎に実行される。
特表2004−519613号公報

概要

燃料噴射の終了直前燃料噴射圧が低下する現象を回避し、これにより噴射終了まで高い噴射圧を維持して燃料噴霧の微粒化を促進できるコモンレール式燃料噴射装置を提供する。強制閉鎖弁34の切換に応じて増圧機構8の加圧室11cを、燃料溜まり25と接続される加圧路28側と圧力室23と接続される補給路16側とに交互に連通させる。燃料噴射の開始時には、加圧室11cを加圧路28側と連通させて加圧室11c内で増圧された燃料を燃料溜まり25に供給し、その燃料圧により針弁22を開弁し、燃料噴射の終了時には、加圧室11cを補給路16側と連通させて加圧室11c内で増圧された燃料を圧力室23に供給し、その燃料圧により針弁22を強制的に閉弁する。

目的

しかしながら、上記特許文献1に記載された燃料噴射装置では、燃料噴射終了直前で燃料噴射圧が著しく低下する噴射特性になり、結果として、増圧型のコモンレール式燃料噴射装置の本来の目的である燃料噴霧の微粒化を十分に達成できなかった。
図6はある気筒の燃料噴射時における噴射圧及び針弁リフト量の変化と噴射制御弁18の切換状態とを示すタイムチャートである。なお、噴射制御弁18の切換に対して噴射圧や針弁リフト量は燃料粘性等に起因する所定の遅れを持って変化することから、実際には図示のタイミングで噴射圧や針弁リフトを変化させるために、応答遅れを見込んでより先行するタイミングで噴射制御弁18が切換えられているが、同図では相互の因果関係を明らかにするために応答遅れを省略して示している。また、同図では、理解を容易にするために圧力室23内のばね24の付勢力を考慮せずに示している。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コモンレール蓄圧された高圧燃料が供給され、該高圧燃料をさらに増圧する増圧機構と、上記コモンレールの高圧燃料が第1の油路を介して第1の油圧室に供給され、該第1の油圧室に作用する燃料圧により閉弁保持されると共に、上記増圧機構から増圧後の燃料が第2の油路を介して第2の油圧室に供給されたときに、該第2の油圧室に作用する燃料圧により上記第1の油圧室の燃料圧に抗して開弁される針弁と、上記針弁の開弁中に、上記増圧機構からの増圧後の燃料を上記第2の油圧室側に代えて上記第1の油圧室側に供給して、該第1の油圧室に作用する燃料圧により上記針弁を強制閉弁可能な切換手段とを備えたことを特徴とするコモンレール式燃料噴射装置

請求項2

上記第1の油路には、上記針弁の開弁時に上記第1の油圧室内の燃料の上記コモンレール側への排出を許容し、上記針弁の強制閉弁時に上記第1の油圧室内の燃料の上記コモンレール側への排出を規制する排出制御手段が設けられたことを特徴とする請求項1記載のコモンレール式燃料噴射装置。

技術分野

0001

本発明はコモンレール式燃料噴射装置係り、特にコモンレールから供給される高圧燃料増圧機構でさらに増圧して噴射する増圧型のコモンレール式燃料噴射装置に関するものである。

背景技術

0002

サプライポンプから圧送される高圧燃料をコモンレールに蓄圧し、エンジン運転状態に応じた所定タイミング燃料噴射弁から機関燃焼室内に噴射するコモンレール式燃料噴射装置が実用化されている。この種の燃料噴射装置車両用ディーゼルエンジンの主流となりつつあるが、例えばスモーク低減や燃費向上のために燃料噴霧微粒化する要望に関しては改善の余地があった。そこで、燃料噴霧を微粒化するための対策として、増圧式のコモンレール式燃料噴射装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。

0003

上記特許文献1に記載されたコモンレール式燃料噴射装置の構成を図5に従って説明する。燃料タンク1に貯留された燃料は図示しないサプライポンプによる加圧後にコモンレール2に蓄圧されており、コモンレール2にはコモンレール燃料路3を介してエンジンの各気筒の燃料噴射弁4が接続されている。コモンレール燃料路3にはオリフィス5が設けられると共に、その下流側には並列接続された逆止弁6及びオリフィス7が設けられている。燃料噴射弁4は全体として、コモンレール2からの高圧燃料を増圧する増圧機構8、及び増圧後の高圧燃料をエンジンの燃焼室10内に噴射する噴射制御機構9に大別され、共に燃料噴射弁4のボディ内に設けられている。なお、図5では#1気筒の燃料噴射弁4のみ詳細を示しているが、他の燃料噴射弁も同一構成である。

0004

まず、増圧機構8の構成を説明すると、燃料噴射弁4のボディには増圧機構8のシリンダ11が形成され、シリンダ11内には増圧ピストン12が上下方向に摺動可能に配設されている。増圧ピストン12は上側の大径部12a及び下側の小径部12bから構成され、大径部12aによりシリンダ11内は上部シリンダ室11a及び下部シリンダ室11bに区画され、小径部12bによりシリンダ11内の増圧ピストン12の下側には加圧室11cが区画されている。下部シリンダ室11b内にはばね13が配設され、このばね13により増圧ピストン12は常に上方に付勢されている。

0005

上記コモンレール燃料路3は上部シリンダ室11aに接続されると共に、上流側シリンダ路14a及び下流側シリンダ路14bを介して下部シリンダ室11bとも接続されている。また、上部シリンダ室11aには圧力路15の一端が接続され、圧力路15の他端は後述する噴射制御機構9の圧力室23と接続されている。圧力路15の途中は補給路16を介して加圧室11cと接続され、補給路16には逆止弁17が設けられている。これにより上部シリンダ室11a内、下部シリンダ室11b内及び加圧室11c内には燃料が導入されて、それぞれレール圧(コモンレールに蓄圧された燃料圧力)に相当する燃料圧が作用している。

0006

上流側シリンダ路14aと下流側シリンダ路14bとの間には電磁式噴射制御弁18が設けられ、噴射制御弁18は下流側シリンダ路14bを上記燃料タンク1と連通するリターン路19に対して接続するA1位置と、下流側シリンダ路14bを上流側シリンダ路14aと接続するA2位置(図示の位置)との間で切換可能となっている。
噴射制御弁18のA2位置への切換により下流側シリンダ路14bが上流側シリンダ路14aと接続された状態では、上部シリンダ室11a内で大径部12aの上面に作用する燃料圧に対して、下部シリンダ室11b内で増圧ピストン12の大径部12aの下面にバックプレッシャとして作用する燃料圧と上記ばね13の付勢力との合力が上回る。このため、増圧ピストン12は加圧室11cの容積を拡大しながら上昇して上部シリンダ室11a内の図示しないストッパに大径部12aを当接させ、これと並行して加圧室11c内には、圧力路15、補給路16及び逆止弁17を経て上部シリンダ室11a内から燃料が導入されている。

0007

また、この状態から噴射制御弁18のA1位置への切換により下流側シリンダ路14bがリターン路19と接続されると、下部シリンダ室11b内の燃料が下流側シリンダ路14b及びリターン路19を経て燃料タンク1に戻されて、増圧ピストン12の大径部12aの下面に作用する燃料圧が急減するため、上記燃料圧の大小関係逆転する。増圧ピストン12は加圧室11cの容積を縮小しながら下降するが、このときには逆止弁17により加圧室11c内から補給路16側への燃料の流出が規制されるため、加圧室11c内の燃料圧はレール圧よりもさらに増圧される。

0008

一方、噴射制御機構9は増圧機構8の下側に配設されている。燃料噴射弁4のボディには噴射制御機構9のシリンダ21が形成され、シリンダ21は上下方向に延設されて下端をエンジンの燃焼室10内と連通させている。シリンダ21内には上下方向に摺動可能に針弁22が配設され、シリンダ21内において針弁22の上側には圧力室23が形成されている。圧力室23内にはばね24が配設され、このばね24により針弁22は常に下方に付勢されている。また、上記のように圧力室23は圧力路15を介して上部シリンダ室11aから燃料が導入されており、針弁22の上面22aにはレール圧に相当する燃料圧が作用している。

0009

シリンダ21の下部には針弁22の周囲を取り巻くように燃料溜まり25が形成され、この燃料溜まり25の下側には同じく針弁22の周囲を取り巻くように連通路26が形成され、連通路26の下端は噴孔部27を介して燃焼室10内と連通している。針弁22の先端(下端)は噴孔部27に位置し、針弁22の上下動に伴って先端により噴孔部27が開閉される。燃料溜まり25には加圧路28を介して上記増圧機構8の加圧室11cから燃料が導入されており、その燃料圧は針弁22の下方に面したテーパ面22bに作用している。燃料溜まり25の燃料圧は増圧ピストン12の作動に応じて変化し、増圧ピストン12の非増圧時には、燃料溜まり25の燃料圧が低下して上記圧力室23の燃料圧とばね24の付勢力との合力を下回るため、針弁22は下降して先端により噴孔部27を閉鎖して閉弁する。また、増圧ピストン12の増圧時には、燃料溜まり25の燃料圧が増加して圧力室23の燃料圧とばね24の付勢力との合力を上回るため、針弁22は上昇して噴孔部27を開放して開弁する。

0010

特許文献1のコモンレール式燃料噴射装置は以上のように構成されており、以下、その作動状態を説明する。
コモンレールの燃料はコモンレール燃料路3により各気筒の燃料噴射弁4に供給されており、各燃料噴射弁4の噴射制御弁18が図5に示すA2位置にあるときには、コモンレール燃料路3、上流側シリンダ路14a及び下流側シリンダ路14bを経て下部シリンダ室11b内に燃料圧が作用することから、この燃料圧を受けて増圧ピストン12が上昇しており、加圧室11c内の燃料圧はレール圧相当まで低下している。これに伴って燃料溜まり25の燃料圧も低下するため、針弁22は閉弁状態に保持されて燃料噴射中止している。

0011

この状態から噴射制御弁18がA1位置に切換えられると、下部シリンダ室11b内の燃料が下流側シリンダ路14b及びリターン路19を経て燃料タンク1に戻されることにより、下部シリンダ室11b内の燃料圧が急減するため、増圧ピストン12は上部シリンダ室11a内の燃料圧により下降しながら加圧室11cの容積を縮小する。加圧室11cから圧力路15側への燃料の流出が逆止弁17により規制されているため、増圧ピストン12により加圧室11c内の燃料はレール圧よりもさらに増圧され、増圧後の燃料が加圧路28を経て燃料溜まり25に供給される。これにより燃料溜まり25内でテーパ面22bに作用する燃料圧が増加し、その燃料圧により針弁22が上昇して開弁され、燃料溜まり25内の燃料が連通路26を経て噴孔部27からエンジンの燃焼室10内に噴射される。

0012

燃料噴射はエンジンの運転状態に応じた目標燃料噴射量に対応する噴射時間に亘って継続され、噴射時間の終了により噴射制御弁18はA2位置に復帰する。これにより下部シリンダ室11b内には再び燃料圧が作用して増圧ピストン12を上昇させ、上部シリンダ室11a内の燃料が次回の噴射燃料として圧力路15、補給路16及び逆止弁17を経て加圧室11c内に供給されると共に、加圧室11c内の燃料圧と共に燃料溜まり25内の燃料圧も低下することから、針弁22が再び閉弁して燃料噴射を終了する。これにより燃料噴射弁4は噴射開始前の初期状態に戻る。

0013

以上が燃料噴射の開始から終了までの燃料噴射弁4の作動状況であり、この動作が着火順序に従って各気筒の燃料噴射弁4毎に実行される。
特表2004−519613号公報

発明が解決しようとする課題

0014

しかしながら、上記特許文献1に記載された燃料噴射装置では、燃料噴射終了直前燃料噴射圧が著しく低下する噴射特性になり、結果として、増圧型のコモンレール式燃料噴射装置の本来の目的である燃料噴霧の微粒化を十分に達成できなかった。
図6はある気筒の燃料噴射時における噴射圧及び針弁リフト量の変化と噴射制御弁18の切換状態とを示すタイムチャートである。なお、噴射制御弁18の切換に対して噴射圧や針弁リフト量は燃料粘性等に起因する所定の遅れを持って変化することから、実際には図示のタイミングで噴射圧や針弁リフトを変化させるために、応答遅れを見込んでより先行するタイミングで噴射制御弁18が切換えられているが、同図では相互の因果関係を明らかにするために応答遅れを省略して示している。また、同図では、理解を容易にするために圧力室23内のばね24の付勢力を考慮せずに示している。

0015

噴射時間が終了して噴射制御弁18が図5に示すA2位置に復帰すると(図6ポイントe)、まず、下部シリンダ室11b内の燃料圧の増大に伴って増圧ピストン12の下降が次第に緩やかになる。これにより、噴孔部27から噴射される燃料量に対して加圧室11c内で加圧される燃料量が不足し始め、結果として燃料噴射圧はピークを越えて急激に低下し始める。増圧ピストン12が下降から上昇に転じても、加圧室11cには圧力路15、補給路16及び逆止弁17を経て上部シリンダ室11a内のレール圧に相当する燃料が補給されるため、加圧室11cの燃料圧がレール圧より大きく低下することはない。しかし、燃料溜まり25では噴孔部27からの燃料噴射が継続されることにより加圧室11cからの燃料供給が不足することから、結果として燃料溜まり25の燃料圧はレール圧を下回ることになる(図6のポイントf)。

0016

一方、圧力室23にはレール圧相当の燃料圧が常に作用しているため、この燃料圧を燃料溜まり25の燃料圧が下回らなければ、針弁22は下降を開始せず閉弁しない。よって、図6に示すように、燃料溜まり25の燃料圧がレール圧を大きく下回り、これにより圧力室23のレール圧相当の燃料圧との間に十分な差圧が発生した時点で針弁22のリフト量が減少し始め(図6のポイントg)、その後に針弁22のリフト量が0になって閉弁する(図6のポイントh)。従って、燃料溜まり25の燃料圧がレール圧を下回った時点から針弁22が閉弁するまでの期間(図6のポイントf−h)は、レール圧を下回る噴射圧での燃料噴射が継続されることになる。このため、この燃料噴射の終了直前では燃料噴霧の微粒化が不足して燃料噴霧と空気とが十分に混合されず、結果としてスモーク排出量の増加や燃費の悪化等の問題が引き起こされてしまうという問題があった。

0017

本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、燃料噴射の終了直前に燃料噴射圧が低下する現象を回避し、これにより噴射終了まで高い噴射圧を維持して燃料噴霧の微粒化を促進でき、もって、スモーク排出量の増加や燃費の悪化を未然に防止することができるコモンレール式燃料噴射装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0018

上記目的を達成するため、請求項1の発明は、コモンレールに蓄圧された高圧燃料が供給され、高圧燃料をさらに増圧する増圧機構と、コモンレールの高圧燃料が第1の油路を介して第1の油圧室に供給され、第1の油圧室に作用する燃料圧により閉弁保持されると共に、増圧機構から増圧後の燃料が第2の油路を介して第2の油圧室に供給されたときに、第2の油圧室に作用する燃料圧により第1の油圧室の燃料圧に抗して開弁される針弁と、針弁の開弁中に、増圧機構からの増圧後の燃料を第2の油圧室側に代えて第1の油圧室側に供給して、第1の油圧室に作用する燃料圧により針弁を強制閉弁可能な切換手段とを備えたものである。

0019

従って、コモンレールの高圧燃料が第1の油路を介して第1の油圧室に供給され、この燃料圧(コモンレール圧)により針弁が閉弁保持される。増圧機構から増圧後の燃料が第2の油路を介して第2の油圧室に供給されると、その燃料圧が第1の油圧室の燃料圧に抗することで針弁が開弁され、これにより燃焼室内への燃料噴射が開始される。そして、針弁の開弁中において、切換手段の切換により増圧機構からの増圧後の燃料が第2の油圧室側に代えて第1の油圧室側に供給されると、第1の油圧室に増圧後の燃料圧が作用して針弁が強制閉弁される。この強制閉弁では、切換手段による切換とほぼ同時に針弁が第1の油圧室内の燃料圧を受けて閉弁側移行し始め、且つ、増圧後の燃料圧を利用することで針弁の閉弁への切換もコモンレール圧を用いる場合に比較して迅速に行われる。

0020

このため、燃焼室内への燃料噴射圧がそれほど低下せずに未だコモンレール圧よりも高い時点で針弁が完全に閉弁され、結果として噴射終了まで高い燃料噴射圧が維持されて、噴射終了直前においても燃料噴霧を微粒化して燃料噴霧と空気とを十分に混合可能となる。
請求項2の発明は、請求項1において、第1の油路に、針弁の開弁時に第1の油圧室内の燃料のコモンレール側への排出を許容し、針弁の強制閉弁時に第1の油圧室内の燃料のコモンレール側への流出を規制する排出制御手段が設けられたものである。

0021

従って、針弁の開弁時には、排出制御手段により第1の油圧室内の燃料のコモンレール側への排出が許容されることから、針弁は支障なく開弁側に移行し、針弁の強制閉弁時には、排出制御手段により第1の油圧室内の燃料のコモンレール側への流出が規制されることから、第1の油圧室内の増圧後の燃料圧が針弁の強制閉弁に有効に利用される。

発明の効果

0022

以上説明したように請求項1,2の発明のコモンレール式燃料噴射装置によれば、燃料噴射の終了直前に燃料噴射圧が低下する現象を回避し、これにより噴射終了まで高い噴射圧を維持して燃料噴霧の微粒化を促進でき、もって、スモーク排出量の増加や燃費の悪化を未然に防止することができる。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、本発明を具体化したコモンレール式燃料噴射装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のコモンレール式燃料噴射装置を示す全体構成図である。本実施形態の燃料噴射装置の基本的な構成は、背景技術で説明した図5に示す先行技術のものと同様であり、この構成に対して油圧回路を追加することにより問題点の解消を図っている。そこで、本実施形態では、図5の先行技術と同一構成の箇所は同一部材番号を付して説明を省略し(その内容は背景技術を参照願いたい)、相違点である追加した油圧回路の構成、及びこれによる作用効果重点的に説明する。

0024

本実施形態では、増圧機構8の上部シリンダ室11aと噴射制御機構9の圧力室23とを接続する圧力路15に逆止弁31が配設されている。圧力路15には逆止弁31を迂回するようにバイパス路32が設けられ、バイパス路32にはオリフィス33が備えられている。圧力路15の逆止弁31より下流側(圧力室23側)には補給路16の一端が接続され、補給路16の他端は加圧路28と接続されている。補給路16及び加圧路28には電磁式の強制閉鎖弁34が設けられ、強制閉鎖弁34は補給路16と加圧路28とを交互に連通・遮断し得る。

0025

以下の説明では、背景技術と同じく、下流側シリンダ路14bをリターン路19と接続したときの噴射制御弁18の切換状態をA1位置とし、下流側シリンダ路14bを上流側シリンダ路14aと接続したときの切換状態をA2位置(図示の位置)とし、一方、加圧路28を連通して補給路16を遮断したときの強制閉鎖弁34の切換状態をB1位置とし、加圧路28を遮断して補給路16を連通したときの切換状態をB2位置(図示の位置)とする。

0026

そして、本実施形態では、上記強制閉鎖弁34が切換手段として機能し、圧力路15が第1の油路として機能し、圧力室23が第1の油圧室として機能し、加圧路28が第2の油路として機能し、燃料溜まり25が第2の油圧室として機能する。また、逆止弁31、バイパス路32及びオリフィス33が排出制御手段として機能する。
各気筒の燃料噴射弁4の噴射制御弁18及び強制閉鎖弁34はECU35に接続されており、ECU35はアクセル操作量やエンジン回転速度等から目標噴射量及び目標噴射開始時期を設定し、これらの目標値に基づき噴射制御弁18及び強制閉鎖弁34を駆動制御することで各気筒への燃料噴射を行っている。図2はECU35が実行する燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャート図3は燃料噴射時における噴射圧及び針弁リフト量の変化と噴射制御弁18及び強制閉鎖弁34の切換状態とを示すタイムチャートであり、以下、これらの図に従って本実施形態のコモンレール式燃料噴射装置の作動状態を説明する。なお、先行技術の図6と同じく、図3では噴射制御弁18及び強制閉鎖弁34の切換に対する噴射圧や針弁リフト量の応答遅れ、及び圧力室23内のばね24の付勢力を省略して示している。

0027

まずECU35は、図2のステップS2でエンジンの何れかの気筒が燃料噴射の開始時期に到達したか否かを判定し、判定がNo(否定)のときにはルーチンを一旦終了する。また、ステップS2の判定がYesのときには、ステップS4で該当する気筒の燃料噴射弁4の噴射制御弁18をA1位置に切換え、ステップS6で同じく該当する気筒の燃料噴射弁4の強制閉鎖弁34をB1位置に切換える(図3のポイントa)。噴射制御弁18の切換により、下部シリンダ室11b内の燃料が下流側シリンダ路14b及びリターン路19を経て燃料タンク1に戻されるため、下部シリンダ室11b内の燃料圧が急減し、増圧ピストン12の下降に伴って加圧室11c内の燃料が増圧される。

0028

このとき、強制閉鎖弁34の切換により加圧路28が連通されて補給路16が遮断されているため、増圧後の燃料は加圧路28を経て燃料溜まり25に供給され、その燃料圧を受けて針弁22が上昇する。このとき、圧力室23内に存在する燃料は針弁22の上昇を妨げることになるが、この燃料は針弁22の上昇に伴ってバイパス路32のオリフィス33を経て上部シリンダ室11a側に排出されるため(排出制御手段)、針弁22は支障なく上昇して速やかに開弁され、噴孔部27から燃焼室10内への燃料噴射が開始される。針弁22の上昇に伴って噴射圧は0から立ち上げられ、針弁22の最大リフトに達した後も増圧ピストン12による燃料の増圧が継続されることから噴射圧は増加し続ける。

0029

ECU35は、続くステップS8において噴射終了時期噴射開始時期を起点として目標噴射量に対応する開弁時間が経過した時点)に到達したか否かを判定し、Noのときにはルーチンを終了する。従って、ステップS8の判定がNoの間は、ステップS2を経てステップS4及びステップS6で噴射制御弁18及び強制閉鎖弁34が上記切換位置に保持される。そして、噴射終了時期に至ってステップS8の判定がYesになると、ECU35はステップS10に移行して強制閉鎖弁34をB2位置に切換える(図3のポイントb)。

0030

この時点では増圧ピストン12による燃料の増圧が継続されており、強制閉鎖弁34の切換により加圧路28が遮断されて補給路16が連通されるため、増圧後の燃料は加圧路28を経て燃料溜まり25に供給される代わりに、補給路16及び圧力路15を経て圧力室23に供給され、圧力室23内の燃料圧の増加により針弁22が下降を開始する。
従って、強制閉鎖弁34のB2位置への切換に伴って、燃料溜まり25への燃料供給の中止とほぼ同時に針弁22の下降が開始される。即ち、燃料溜まり25の燃料圧がレール圧を下回らなければ針弁22の下降が開始されない特許文献1の技術に比較して、遥かに早期に針弁22の下降が開始されることになる。

0031

そして、このときの針弁22の下降は、レール圧をさらに増圧した燃料圧を利用していることから、特許文献1の技術のような圧力室23内のレール圧相当の燃料圧を用いて針弁22を下降させる場合に比較して遥かに迅速に行われる。このため、図3に示すように針弁22のリフト量は急激に減少し、噴射圧がそれほど低下していない時点(未だレール圧より遥かに高い時点)で針弁22のリフト量が0まで減少して完全に閉弁され、燃料噴射が終了する(図3のポイントc)。

0032

このとき、圧力室23内の燃料の上部シリンダ室11a側への流出が逆止弁31により規制されるため(排出制御手段)、圧力室23内の増圧後の燃料圧が針弁22の閉弁に有効に利用される。なお、加圧室11cから圧力室23に供給される燃料の一部はバイパス路32のオリフィス33を経て上部シリンダ室11a側に排出されるが、その量はごく僅かであり圧力室23の燃料圧の増加を妨げる要因にはならない。

0033

その後、ECU35はステップS12で強制閉鎖弁34の切換から予め設定された遅延時間が経過したか否かを判定し、判定がNoの間はステップS12の処理を繰返す。遅延時間としては、針弁22のリフト量を0まで減少させる所要時間に若干の余裕分を加算した値が設定されている。よって、上記のように針弁22が完全に閉弁した後、遅延時間の経過によりステップS12でYesの判定が下されることになり、ECU35はステップS12からステップS14に移行して噴射制御弁18をA2位置に切換える(図3のポイントd)。これにより下部シリンダ室11b内の燃料圧が再び増加し、増圧ピストン12の上昇に伴って上部シリンダ室11a内の燃料が次回の噴射燃料として圧力路15、逆止弁31及び補給路16を経て加圧室11c内に供給されて、燃料噴射弁4は噴射開始前の初期状態に戻る。

0034

以上が燃料噴射の開始から終了までの燃料噴射弁4の作動状況であり、ECU35は図2のルーチンを着火順序に従って各気筒の燃料噴射弁4毎に実行し、これにより各気筒の燃焼室10内への燃料噴射を所定のタイミングで実行する。
このように本実施形態のコモンレール式燃料噴射装置では、燃料噴射を終了する際に、増圧後の燃料の燃料溜まり25への供給中止と同時に、その増圧後の燃料を利用して針弁22を強制的に閉弁させている。従って、特許文献1の技術に比較して遥かに早期に針弁22の下降が開始される上に、増圧後の高い燃料圧により針弁22の下降が迅速に行われる。このため、燃料噴射圧がそれほど低下せずに未だレール圧より遥かに高い時点(図3のポイントc)で針弁22を完全に閉弁でき、結果として噴射終了まで高い燃料噴射圧を維持できる。よって、噴射終了直前においても燃料噴霧を微粒化して燃料噴霧と空気とを十分に混合でき、もって、混合不足によるスモーク排出量の増加や燃費の悪化を未然に防止することができる。

0035

しかも、針弁22の閉弁を迅速化できることは燃料噴射弁4の応答性向上にも繋がり、例えばメイン噴射の前後にパイロット噴射ポスト噴射等をきめ細かく実行する要望、或いはエンジンの高速化の要望等にも十分に対応できるという利点も得られる。
ところで、上記実施形態では、増圧後の燃料圧を利用して針弁22を強制的に閉弁させるために、図1に示す油圧回路を追加したが、本発明の構成はこれに限定されることはなく、例えば図4に示すように構成することも可能である。そこで、この別例について以下に詳述する。なお、この別例の構成は、図4に示された以外の箇所は図1と同様のため説明を省略し、相違点を重点的に説明する。

0036

この別例においても、圧力路15に逆止弁31が配設されている点、及び逆止弁31の箇所にバイパス路32が設けられている点は上記実施形態と同様であるが、バイパス路32のオリフィス33は省略されている。また、強制閉鎖弁34が補給路16と加圧路28とを交互に連通・遮断する点も上記実施形態と同様であるが、この切換と連動して、強制閉鎖弁34が圧力路15とバイパス路32も交互に連通・遮断する点が相違している。具体的には強制閉鎖弁34は、加圧路28を連通して補給路16を遮断するB1位置では、同時に圧力路15を遮断してバイパス路32を連通し、一方、加圧路28を遮断して補給路16を連通するB2位置では、同時に圧力路15を連通してバイパス路32を遮断するように構成されている。

0037

以上のように構成されたこの別例においても、噴射制御弁18及び強制閉鎖弁34の切換制御は図2のフローチャートに従って行われる。噴射制御弁18のA1位置への切換と共に、噴射制御弁18がB1位置に切換えられると、加圧室11c内の燃料が増圧ピストン12により増圧されて加圧路28を経て燃料溜まり25に供給され、その燃料圧を受けて針弁22が上昇する。このときには、同時に強制閉鎖弁34により圧力路15が遮断されてバイパス路32が連通されているため、圧力室23内に存在する燃料はバイパス路32を経て上部シリンダ室11a側に排出され(排出制御手段)、針弁22の上昇は支障なく行われる。

0038

また、その後に強制閉鎖弁34がB2位置に切換えられると、加圧室11cからの燃料は補給路16及び圧力路15を経て圧力室23に供給されて、その燃料圧が針弁22の閉弁に利用される。そして、このときには、同時に強制閉鎖弁34により圧力路15が連通されてバイパス路32が遮断されているため、圧力室23内の燃料がバイパス路32を経て上部シリンダ室11a側に排出される事態が防止されると共に、圧力路15の逆止弁31により規制されることで圧力路15を経て上部シリンダ室11a側に流出する事態も防止される(排出制御手段)。よって、加圧室11cから供給されるすべての増圧燃料は針弁22を強制的に閉弁させるために有効に利用され、針弁22をより迅速に閉弁させることができる。

0039

よって、重複する説明はしないが、この別例でも上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。本実施形態では、逆止弁31、バイパス路32、圧力路15とバイパス路32とを連通・遮断するときの強制閉鎖弁34、及びECU35が排出制御手段として機能する。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、下部シリンダ室11bにバックプレッシャとして作用している燃料圧を排除することで増圧ピストン12を作動させるように増圧機構8を構成したが、燃料噴射弁4の形式はこれに限ることはなく、例えば増圧機構8の構成を変更する等、その形式を任意に変更可能である。

0040

また、上記実施形態では、エンジンの運転領域に関わらず、図2のルーチンに従って強制閉鎖弁34による針弁22の強制閉弁を実行したが、例えば、エンジン回転速度や負荷等に応じて一部の運転領域では強制閉鎖弁34による針弁22の強制閉弁を行い、それ以外の運転領域では強制閉鎖弁34による針弁22の強制閉弁を行わないようにしてもよい。

図面の簡単な説明

0041

実施形態のコモンレール式燃料噴射装置を示す全体構成図である。
ECUが実行する燃料噴射制御ルーチンを示すフローチャートである。
実施形態における燃料噴射時の噴射圧及び針弁リフト量の変化と噴射制御弁及び強制閉鎖弁の切換状態とを示すタイムチャートである。
油圧回路を変更した実施形態の別例を示す構成図である。
先行技術のコモンレール式燃料噴射装置を示す全体構成図である。
先行技術における燃料噴射時の噴射圧及び針弁リフト量の変化と噴射制御弁の切換状態とを示すタイムチャートである。

符号の説明

0042

2コモンレール
8増圧機構
15圧力路(第1の油路)
22針弁
23圧力室(第1の油圧室)
25燃料溜まり(第2の油圧室)
28加圧路(第2の油路)
31逆止弁(排出制御手段)
32バイパス路(排出制御手段)
33オリフィス(排出制御手段)
34強制閉鎖弁(切換手段、排出制御手段)
35 ECU(排出制御手段)

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