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技術 炭化水素油の分解方法

出願人 JXTGエネルギー株式会社
発明者 古田智史高田智至
出願日 2007年5月31日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2007-145822
公開日 2008年12月11日 (11年6ヶ月経過) 公開番号 2008-297466
状態 特許登録済
技術分野 炭化水素油の製造、分解及び精製 石油精製,液体炭化水素混合物の製造
主要キーワード かご効果 気相熱分解 非共有性 炭素数分布 精製塔 オイルサンド FCC 反応相
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この項目の情報は公開日時点(2008年12月11日)のものです。
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課題

軽質化の難しい接触分解軽油及び脱硫デカンテッドオイルを、コークスを発生させること無く分解する方法を提供する。

解決手段

接触分解軽油及び脱硫デカンテッド・オイルから選択される少なくとも一種炭化水素油と水とを、該炭化水素油の水に対するモル比原料炭化水素油/水)が0.01〜100の割合で均一に混合し、該炭化水素油と水との混合物を温度280〜580℃、圧力22.1〜50.0MPaの水の超臨界状態分解反応させることを特徴とする炭化水素油の分解方法である。

概要

背景

従来、原油に対して常圧蒸留減圧蒸留等を施すことによって、原油を各留分に分留して、各留分をそれぞれの用途に応じて使用している。これら留分の中でも、沸点の高い重質分は、接触分解装置接触分解されることで軽質化され、ガソリン等に配合されている。ここで、該接触分解で得られる留分の中でも接触分解軽油は、ライトサイクルオイル(LCO)とも呼ばれ、一旦接触分解を受けた油であるため、分解反応に対して非常に安定であり、更に軽質化することが難しい。

また、上記接触分解装置の精製塔ボトム油であるデカンテッドオイルDO)は、接触分解における未分解油主体の油である。そして、該デカンテッド・オイルを更に水素化精製し、接触分解装置の微小触媒を除去して得た脱硫デカンテッド・オイル(DS−DO)は、上記接触分解軽油よりも更に重質であるため、更に軽質化することが求められる。しかしながら、該脱硫デカンテッド・オイルも、一旦接触分解を受けた油であるため、分解反応に対して非常に安定であり、更に軽質化することが難しい。このため、これらの油の軽質化には大量に水素を必要とする水素化分解が一般的である。

また、オイルサンド等の重質油改質方法として、超臨界水を用いた改質方法(特許文献1)や、重質炭素質源と水を含む改質方法(特許文献2)が知られている。
特開平6−270763号公報
特開2002−155286号公報

概要

軽質化の難しい接触分解軽油及び脱硫デカンテッド・オイルを、コークスを発生させること無く分解する方法を提供する。接触分解軽油及び脱硫デカンテッド・オイルから選択される少なくとも一種炭化水素油と水とを、該炭化水素油の水に対するモル比原料炭化水素油/水)が0.01〜100の割合で均一に混合し、該炭化水素油と水との混合物を温度280〜580℃、圧力22.1〜50.0MPaの水の超臨界状態で分解反応させることを特徴とする炭化水素油の分解方法である。なし

目的

そこで、本発明の目的は、軽質化の難しい接触分解軽油及び脱硫デカンテッド・オイルを、コークスを発生させること無く分解する方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

接触分解軽油及び脱硫デカンテッドオイルから選択される少なくとも一種炭化水素油と水とを、該炭化水素油の水に対するモル比原料炭化水素油/水)が0.01〜100の割合で均一に混合し、前記炭化水素油と水との混合物を温度280〜580℃、圧力22.1〜50.0MPaの水の超臨界状態分解反応させることを特徴とする炭化水素油の分解方法

請求項2

前記炭化水素油と水との混合物を水の超臨界状態で30秒〜60分間分解反応させることを特徴とする請求項1に記載の炭化水素油の分解方法。

技術分野

0001

本発明は、炭化水素油分解方法、特には軽質化の難しい接触分解軽油及び脱硫デカンテッドオイルを、コークスを発生させること無く分解する方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、原油に対して常圧蒸留減圧蒸留等を施すことによって、原油を各留分に分留して、各留分をそれぞれの用途に応じて使用している。これら留分の中でも、沸点の高い重質分は、接触分解装置接触分解されることで軽質化され、ガソリン等に配合されている。ここで、該接触分解で得られる留分の中でも接触分解軽油は、ライトサイクルオイル(LCO)とも呼ばれ、一旦接触分解を受けた油であるため、分解反応に対して非常に安定であり、更に軽質化することが難しい。

0003

また、上記接触分解装置の精製塔ボトム油であるデカンテッド・オイル(DO)は、接触分解における未分解油主体の油である。そして、該デカンテッド・オイルを更に水素化精製し、接触分解装置の微小触媒を除去して得た脱硫デカンテッド・オイル(DS−DO)は、上記接触分解軽油よりも更に重質であるため、更に軽質化することが求められる。しかしながら、該脱硫デカンテッド・オイルも、一旦接触分解を受けた油であるため、分解反応に対して非常に安定であり、更に軽質化することが難しい。このため、これらの油の軽質化には大量に水素を必要とする水素化分解が一般的である。

0004

また、オイルサンド等の重質油改質方法として、超臨界水を用いた改質方法(特許文献1)や、重質炭素質源と水を含む改質方法(特許文献2)が知られている。
特開平6−270763号公報
特開2002−155286号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上述のように接触分解軽油及び脱硫デカンテッド・オイルは、分解反応に対して非常に安定であり、更に軽質化することが難しい。これに対して、反応温度を上昇させる等して分解反応の条件を厳しくすると、コークスが発生してしまう。

0006

そこで、本発明の目的は、軽質化の難しい接触分解軽油及び脱硫デカンテッド・オイルを、コークスを発生させること無く分解する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、接触分解軽油又は脱硫デカンテッド・オイルを水と特定のモル比で混合し、得られた混合物を水の超臨界状態で分解反応させることにより、コークスを発生させること無く接触分解軽油又は脱硫デカンテッド・オイルを分解して軽質化できることを見出し、本発明を完成させるに至った。

0008

即ち、本発明の炭化水素油の分解方法は、接触分解軽油及び脱硫デカンテッド・オイルから選択される少なくとも一種の炭化水素油と水とを、該炭化水素油の水に対するモル比(原料炭化水素油/水)が0.01〜100の割合で均一に混合し、該炭化水素油と水との混合物を温度280〜580℃、圧力22.1〜50.0MPaの水の超臨界状態で分解反応させることを特徴とする。

0009

本発明の炭化水素油の分解方法においては、前記炭化水素油と水との混合物を水の超臨界状態で30秒〜60分間分解反応させることが好ましい。

発明の効果

0010

本発明の炭化水素油の分解方法によれば、超臨界水がケージエフェクト(Cage Effect)により熱分解反応で発生した熱分解フラグメントかご(Cage)のように取り囲んで安定化させることにより、熱分解フラグメントの再重合を抑制するため、コークスの発生を防止しつつ、接触分解軽油及び/又は脱硫デカンテッド・オイルを分解して軽質化することができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下に、本発明を詳細に説明する。本発明で用いる原料の炭化水素油は、接触分解軽油(LCO)及び/又は脱硫デカンテッド・オイル(DS−DO)である。ここで、接触分解軽油とは、原油の常圧残油脱硫した留分又は常圧残油をさらに減圧蒸留及び脱硫して得られる重質軽油留分などの重質油を原料として、これらを接触分解装置で接触分解して得られる軽油留分であり、石油精製では、一般にライトサイクルオイル(LCO)と呼ばれる。なお、本発明で用いる接触分解軽油は、硫黄分が0〜1.5質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%であることがより好ましく、0.33〜0.75質量%であることがもっとも好ましく、密度(15℃)が0.90〜1.20g/cm3であることが好ましく、0.92〜1.10g/cm3であることがより好ましく、更には0.95〜1.05g/cm3であることがもっとも好ましく、50℃での動粘度が5.0〜16.5mm2/sであることが好ましく、6.0〜14.0mm2/sであることがより好ましく、更には7.8〜13.0mm2/sであることが好ましく、また、5容量%留出温度が260〜280℃、10容量%留出温度が290〜310℃、90容量%留出温度が385〜405℃の範囲内にあることが好ましい。

0012

一方、脱硫デカンテッド・オイルとは、上記接触分解装置の精製塔ボトム油であって、接触分解における未分解油が主体の油であるデカンテッド・オイル(DO)を更に水素化精製し、接触分解装置の微小な触媒を除去して得たものである。なお、本発明で用いる脱硫デカンテッド・オイルは、硫黄分が0.24〜0.57質量%であることが好ましく、密度(15℃)が1.00〜1.10g/cm3であることが好ましく、50℃での動粘度が64.0〜70.0mm2/sであることが好ましく、また、5容量%留出温度が275〜305℃、10容量%留出温度が310〜325℃、90容量%留出温度が440〜480℃、95容量%留出温度が490〜510℃の範囲内にあることが好ましい。

0013

本発明の炭化水素油の分解方法では、まず、上記接触分解軽油及び脱硫デカンテッド・オイルから選択される炭化水素油と水とを均一に混合して混合物を得る。ここで、炭化水素油の水に対するモル比(原料油/水)は、0.01〜100の範囲であり、0.01〜50の範囲が好ましく、0.01〜10の範囲が更に好ましく、0.1〜1の範囲が特に好ましい。炭化水素油に対して水が多過ぎると、炭化水素油の処理量が減って、生産性が低下し、一方、炭化水素油に対して水が少な過ぎると、超臨界流体かご効果が低減し、コークスを大量に発生する。

0014

本発明の炭化水素油の分解方法では、次に、上記炭化水素油と水との混合物を反応相に供給し、超臨界状態の水中で分解反応させる。該分解反応において、反応温度は、280〜580℃の範囲であり、330〜550℃の範囲が好ましく、380〜500℃の範囲が更に好ましく、430〜480℃の範囲が特に好ましい。また、反応圧力は、22.1〜50.0MPaの範囲であり、22.1〜45.0MPaの範囲が好ましく、22.1〜30.0MPaの範囲が更に好ましく、22.1〜25.0MPaの範囲が特に好ましい。反応温度が高過ぎると、超臨界状態の水中での分解反応においても固形重合物(コークス)が発生し、一方、反応温度が低過ぎると、原料の炭化水素油を十分に軽質化することができない。また、反応圧力が高過ぎると、高圧の装置を設計することが必要となり、経済的でなく、一方、反応圧力が22.1MPa未満では、水が超臨界状態にならない。

0015

本発明の炭化水素油の分解方法においては、上記炭化水素油と水との混合物を水の超臨界状態で30秒〜60分間分解反応させることが好ましい。ここで、反応時間とは、所定温度に達してからの保持時間をいう。反応時間が30秒未満では、原料の炭化水素油を十分に軽質化することができず、一方、反応時間が60分を超えると、過分解やコーキング発現し、目的とする炭化水素油の収率が大きく低下するため好ましくない。

0016

なお、上記炭化水素油/水のモル比、温度条件圧力条件及び反応時間は、回収目的である生成物中に含まれる高付加価値成分の割合により適宜選択される。また、反応は、バッチ式で行っても、流通式で行ってもよい。

0017

上記水の超臨界状態では、熱分解反応及び水素添加反応が起こる。即ち、水の超臨界状態では、原料の炭化水素油中水素結合などの非共有性結合が解離して膨張し、これにより、分解反応がより進行し易くなる。また、熱分解反応では、原料の炭化水素油が単純に熱分解して低分子化する。一方、水素添加反応では、原料炭化水素油の熱分解反応中に生成した熱分解フラグメント(ラジカル)にHが付加し、これにより熱分解種が安定化される。これは、超臨界状態の水が有するケージエフェクトにより、熱分解フラグメントが超臨界水に取り囲まれて安定化されるためである。これによって、熱分解フラグメントの再重合が抑制されるため、コークスの発生を防止することができる。このように超臨界状態の水中では、熱分解反応及び水素添加反応が複合的に行われ、コークスを発生させることなく、分解反応が進行する。

0018

なお、既存の技術(例えば、気相熱分解等)では、分解温度を上昇させて高温状態転換した場合には、熱分解フラグメントが再結合(再重合)するためコークス生成量が増加するが、上記超臨界状態の水中での分解反応はケージエフェクトにより熱分解フラグメントが安定化されるため高温状態で転換してもコークス生成量が増加することはない。但し、超臨界状態の水中での分解反応に於いても、580℃を超える反応温度では固形重合物(コークス)が生成するため、本発明においては、580℃以下で分解反応を行う。

0019

上記のようにして得られた生成物は、一般的な常圧蒸留、減圧蒸留によって、ナフサ灯油軽油A重油等の油分、ガス、水、残渣に分離することが出来る。また、油分及びガスは、有効成分として所望の用途に使用され、水は超臨界水として再度使用することができる。

0020

以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。

0021

(実施例1)
試料として、接触分解装置(FCC)の精製塔ボトム油(DO)を更に水素化精製し、接触分解装置の微小な触媒を除去して、脱硫デカンテッド・オイル(硫黄分:0.80質量%、密度(15℃):1.0502g/cm3、50℃での動粘度:68.4mm2/s、5容量%留出温度:292℃、10容量%留出温度:315℃、90容量%留出温度:460℃、95容量%留出温度:498℃)を25.0g用意した。この試料と水とを試料/水のモル比が0.03の割合で混合して混合物を調製した。次に混合物を反応器に供給して、温度365℃、圧力25MPaの水の超臨界状態で60分間反応させて、ガス、油分、水、残渣に分解反応させた。なお、試験方法はバッチ式で行った。次いで、生成物の分子量、FDMS分析における炭素数分布で、炭素数が31以上の成分の含有率、炭素数が14以上30以下の成分の含有率、U値分類でU値2及び−6のフラクションに属し且つ炭素数31以上の成分の含有率、U値分類でU値2及び−6のフラクションに属し且つ炭素数14〜30の成分の含有率、コークス生成量を測定した。

0022

なお、炭化水素油の分子量は、FD−MSにより測定された平均分子量(Mn)と等しいものと定義する。また、炭素数分布もFD−MSにより測定された炭素数から算出したものと定義する。また、生成物のU値は、下記式:
MW=14n+U
[式中、MWは分子量であり、nは自然数であり、Uは2、0、−2、−4、−6、−8又は−10である]におけるUの値であり、U値分類によれば、生成物は7種類に分類される(上田等,石油学会誌, 34(1), 62 (1991);青等,アロマティックス, vol.57,季号, 2005, p50-56参照)。処理前の脱硫デカンテッド・オイルと処理後の脱硫デカンテッド・オイルの比較を表1に示す。

0023

0024

実施例1の結果から、分子量が低下すると共に、FD−MS分析における炭素数31以上の成分が減少して、炭素数14〜30の成分が増加しており、脱硫デカンテッド・オイルが軽質化されていることが分かる。なお、U値2のフラクションにはアルカンが属し、また、U値−6のフラクションにはアルキルベンゼンが属しているため、これらアルカン及びアルキルベンゼンが分解されたものと考えられる。

0025

(比較例1)
反応温度:600℃、反応圧力;46MPa、反応時間:1分の条件とする以外は、実施例1と同様にして、脱硫デカンテッド・オイルを水の超臨界状態で分解反応させた。その結果、多量のコークスが発生し、反応生成油はコーク含浸された状態となり採取困難であった。結果を表2に示す。

0026

0027

比較例1の結果から、本発明で規定する反応条件より厳しい条件下では、コークスが多量に発生してしまうことが分かる。

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