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技術 レンズの調芯及び固定方法

出願人 HOYA株式会社
発明者 飯川誠清水邦彦小森一範
出願日 2007年5月8日 (13年3ヶ月経過) 出願番号 2007-122930
公開日 2008年11月20日 (11年8ヶ月経過) 公開番号 2008-281590
状態 未査定
技術分野 レンズ鏡筒
主要キーワード 当接ステップ 調整用貫通孔 溶着ステップ 環状曲面 照射孔 レンズ外周縁 調整用ボルト 前後逆向き
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年11月20日)のものです。
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図面 (20)

課題

レンズ押さえ枠を用いない場合も用いる場合も、レンズレンズ枠調芯しながら高い位置精度で固定できるレンズの調芯及び固定方法を得る。

解決手段

非晶質ポリオレフィン製のレンズ30に当接部31を形成し、非晶質ポリオレフィン製のレンズ枠10に当接部と当接すると共にレーザ光を吸収する当接受光部15を形成し、当接部を当接受光部に接触させつつレンズをレンズ枠に調芯しながら支持させ、レーザ光LRをレンズの当接部を通してレンズ枠の当接受光部に照射して、当接部と当接受光部をレーザ溶着する。

概要

背景

近年、携帯電話等のモバイル機器にはカメラが搭載されることが多い。このようなカメラにおいて、レンズレンズ鏡枠調芯しながら固定することがある。この場合、レンズをレンズ枠に対して所望の位置に調芯した後に、レンズとレンズ鏡枠の間に塗布したUV接着剤紫外線照射しUV接着剤を硬化させていた。
しかし、UV接着剤は硬化する際に収縮してしまうため、レンズのレンズ枠に対する位置がずれてしまう。位置がずれると、レンズに要求される位置精度が満たされなくなるので、レンズが所望の光学性能を発揮することができなくなる。特にモバイル機器のカメラは小型で画素ピッチが小さいため、レンズの位置がずれた場合に大きな影響を受けてしまう。

UV接着剤による固定方法にはこのような欠点があるため、特許文献1では同一の樹脂材料からなる樹脂レンズ13と鏡筒14をレーザー光を利用して溶着している。
特開2006-11234号公報

概要

レンズ押さえ枠を用いない場合も用いる場合も、レンズをレンズ枠に調芯しながら高い位置精度で固定できるレンズの調芯及び固定方法を得る。非晶質ポリオレフィン製のレンズ30に当接部31を形成し、非晶質ポリオレフィン製のレンズ枠10に当接部と当接すると共にレーザ光を吸収する当接受光部15を形成し、当接部を当接受光部に接触させつつレンズをレンズ枠に調芯しながら支持させ、レーザ光LRをレンズの当接部を通してレンズ枠の当接受光部に照射して、当接部と当接受光部をレーザ溶着する。

目的

本発明は、レンズ押さえ枠を用いない場合も用いる場合もレーザー溶着による利点が損なわれることがないレンズの調芯及び固定方法を得ることを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

レンズレンズ枠調芯しながら固定するレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズを非晶質ポリオレフィン製とし、該レンズに上記レンズ枠と当接する当接部を形成するレンズ成形ステップ、上記レンズ枠を構成する樹脂材料を非晶質ポリオレフィンとし、該レンズ枠に上記当接部と当接すると共にレーザ光を吸収する当接受光部を形成するレンズ枠成形ステップ、上記当接部を上記当接受光部に接触させつつ上記レンズを上記レンズ枠に調芯しながら支持させる調芯ステップ、及びレーザ光を上記レンズの上記当接部を通して上記レンズ枠の当接受光部に照射して、該当接部と当接受光部をレーザ溶着する溶着ステップ、を有することを特徴とするレンズの調芯及び固定方法。

請求項2

請求項1記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記調芯は上記レンズのディセンタ調整であるレンズの調芯及び固定方法。

請求項3

請求項2記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの径が上記レンズ枠の内径より小さく、上記レンズの当接部と上記レンズ枠の当接受光部が光軸に対して直交する平面であるレンズの調芯及び固定方法。

請求項4

請求項1記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記調芯は上記レンズのチルト調整であるレンズの調芯及び固定方法。

請求項5

請求項4記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの当接部が、該レンズのコバ面に形成した該レンズの中心点を中心とする球面の一部であり、上記レンズの外径と上記レンズ枠の内径が略同一であるレンズの調芯及び固定方法。

請求項6

請求項1記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記調芯は、上記レンズのディセンタとチルト調整の双方の調整であるレンズの調芯及び固定方法。

請求項7

請求項6記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの径が上記レンズ枠の内径より小さく、上記レンズの上記当接部が、曲面からなる該レンズの前面または後面の外周縁部であり、上記当接受光部及び上記当接部が同じ球面の一部をなす曲面であるレンズの調芯及び固定方法。

請求項8

請求項6記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの径が上記レンズ枠の内径より小さく、上記レンズの上記当接部が、特定の球面の一部をなす該レンズの前面または後面の外周縁部であり、上記レンズ枠の上記当接受光部が、該レンズ枠の中心軸を中心としかつ上記レンズの上記球面の一部をなす前面または後面と接触する円形接触部であるレンズの調芯及び固定方法。

請求項9

請求項6記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの径が上記レンズ枠の内径より小さく、上記レンズの上記当接部が、特定の球面の一部をなす該レンズの前面または後面の外周縁部であり、上記レンズ枠の上記当接受光部が、上記レンズの上記球面の一部をなす前面または後面と点接触する曲面状突部であるレンズの調芯及び固定方法。

請求項10

請求項1から9のいずれか1項記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの前面と後面の少なくとも一方の有効光線透過範囲の外周側にレーザ光を遮光する遮光部を形成し、該前面及び後面の該遮光部を除く部分にレーザ光が透過可能な透光部を形成したレンズの調芯及び固定方法。

請求項11

請求項1から10のいずれか1項記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズ及びレンズ枠は光軸を中心とする回転対称形状をなしているレンズの調芯及び固定方法。

請求項12

請求項1から11のいずれか1項記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの調芯は、上記レンズ枠に穿設した調整用貫通孔に挿入され、その先端が上記レンズのコバ面に当接する、該レンズの径方向延出する調整用治具によって行うレンズの調芯及び固定方法。

請求項13

レンズをレンズ押さえ枠を用いてレンズ枠に調芯しながら固定するレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズ押さえ枠を構成する樹脂材料を非晶質ポリオレフィンとし、該レンズ押さえ枠に上記レンズ枠と当接する当接面を形成するレンズ押さえ枠成形ステップ、上記レンズ枠を構成する樹脂材料を非晶質ポリオレフィンとし、該レンズ枠に上記当接面と当接すると共にレーザ光を吸収する当接受光面を形成するレンズ枠成形ステップ、上記レンズを上記レンズ枠に調芯しながら支持させる調芯ステップ、調芯された上記レンズを上記レンズ押さえ枠で押さえ、該レンズ押さえ枠の当接面とレンズ枠の当接受光面を当接させる当接ステップ、及びレーザ光を上記レンズ押さえ枠の上記当接面を通して上記レンズ枠の当接受光面に照射して、該当接面と当接受光面をレーザ溶着する溶着ステップ、を有することを特徴とするレンズの調芯及び固定方法。

請求項14

請求項13記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズ押さえ枠の上記当接面が、該レンズ押さえ枠の前面または後面に形成した光軸と直交する方向の面であり、上記レンズ枠の上記当接受光面が、該レンズ枠の内面に形成した光軸と直交する方向の面であり、上記レンズ押さえ枠及び上記当接面を通して上記当接受光面にレーザ光が照射されるレンズの調芯及び固定方法。

請求項15

請求項14記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記調芯ステップが、複数の上記レンズを光軸方向に並べて配置し、各レンズを上記レンズ枠に調芯しながら支持するステップであり、上記当接ステップが、調芯された各レンズを対応する上記レンズ押さえ枠で押さえ、各レンズ押さえ枠の当接面とレンズ枠の対応する当接受光面をそれぞれ当接させるステップであり、上記溶着ステップが、レーザ光源からレーザ光を発射し、該レーザー光を、最もレーザ光源側に位置するレンズ押さえ枠及びその上記当接面を通して該当接面と当接する上記当接受光面に照射して最もレーザ光源側に位置するレンズ押さえ枠を上記レンズ枠に溶着し、かつ、該レーザー光を、最もレーザ光源側に位置するレンズ押さえ枠、奥側のレンズ押さえ枠、及び該奥側のレンズ押さえ枠の上記当接面を通して該当接面と当接する上記当接受光面に照射し、該奥側のレンズ押さえ枠を上記レンズ枠に溶着するステップであるレンズの調芯及び固定方法。

請求項16

請求項14または15記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズ押さえ枠の前面と後面の少なくとも一方の有効光線透過範囲の外周側にレーザ光を遮光する遮光部を形成し、該前面及び後面の該遮光部を除く部分にレーザ光が透過可能な透光部を形成したレンズの調芯及び固定方法。

請求項17

請求項13記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズ押さえ枠の上記当接面が、該レンズ外周縁に形成した光軸と平行な面であり、上記レンズ枠の上記当接受光面が、該レンズ枠の内面に形成した光軸と平行な面であり、上記レンズ枠に穿設した照射孔、上記レンズ押さえ枠及び上記当接面を通して上記当接受光面にレーザ光が照射されるレンズの調芯及び固定方法。

請求項18

請求項17記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズ枠の照射孔は、光軸を中心とする円周方向に離間させて複数が形成されているレンズの調芯及び固定方法。

請求項19

請求項17または18記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズ押さえ枠の前面と後面の少なくとも一方の有効光線透過範囲の外周側を遮光部としたレンズの調芯及び固定方法。

請求項20

請求項14、15、17及び18のいずれか1項記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの上記レンズ押さえ枠との対向面に、該レンズの有効光線透過範囲の外周側に位置する環状の遮光部材を設けたレンズの調芯及び固定方法。

請求項21

請求項13から20のいずれか1項記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズ、レンズ枠及びレンズ押さえ枠は光軸を中心とする回転対称形状をなしているレンズの調芯及び固定方法。

請求項22

請求項13から21のいずれか1項記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの調芯は、上記レンズ枠に穿設した調整用貫通孔に挿入され、その先端が上記レンズのコバ面に当接する、該レンズの径方向に延出する調整用治具によって行うレンズの調芯及び固定方法。

請求項23

請求項22記載のレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズの調芯は、上記レンズ枠を該レンズ枠の外周側に位置する保持用筒部材で保持し、該保持用筒部材を貫通し上記レンズ枠の上記調整用貫通孔と同軸をなす雌ねじ孔に上記調整用治具に形成した雄ねじ溝螺合させ、該雌ねじ孔と雄ねじ溝の螺合量を調整することによって行うレンズの調芯及び固定方法。

請求項24

請求項1から23のいずれか1項記載のレンズの調芯及び固定方法において、レーザ光源は、YAGレーザ、LDレーザ、またはCO2レーザ光源であるレンズの調芯及び固定方法。

技術分野

0001

本発明は、レンズ調芯及び固定方法に関する。

背景技術

0002

近年、携帯電話等のモバイル機器にはカメラが搭載されることが多い。このようなカメラにおいて、レンズをレンズ鏡枠に調芯しながら固定することがある。この場合、レンズをレンズ枠に対して所望の位置に調芯した後に、レンズとレンズ鏡枠の間に塗布したUV接着剤紫外線照射しUV接着剤を硬化させていた。
しかし、UV接着剤は硬化する際に収縮してしまうため、レンズのレンズ枠に対する位置がずれてしまう。位置がずれると、レンズに要求される位置精度が満たされなくなるので、レンズが所望の光学性能を発揮することができなくなる。特にモバイル機器のカメラは小型で画素ピッチが小さいため、レンズの位置がずれた場合に大きな影響を受けてしまう。

0003

UV接着剤による固定方法にはこのような欠点があるため、特許文献1では同一の樹脂材料からなる樹脂レンズ13と鏡筒14をレーザー光を利用して溶着している。
特開2006-11234号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1のように、同一の樹脂材料からなるレンズと鏡筒をレーザー溶着すれば、UV接着剤を利用する場合に比べて、レンズが所望のレンズ性能を発揮できる可能性は高くなる。
しかし、レンズを構成する樹脂材料が高い吸水性を有する場合は、湿度変化に伴ってレンズの光学性能が変化してしまう。そのため、レーザー溶着をしようとするレンズの材料を慎重に選択しないと、レーザー溶着を採用する意義が失われてしまう。

0005

本発明は、レンズ押さえ枠を用いない場合も用いる場合もレーザー溶着による利点が損なわれることがないレンズの調芯及び固定方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明は第1の形態によると、レンズをレンズ枠に調芯しながら固定するレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズを非晶質ポリオレフィン製とし、該レンズに上記レンズ枠と当接する当接部を形成するレンズ成形ステップ、上記レンズ枠を構成する樹脂材料を非晶質ポリオレフィンとし、該レンズ枠に上記当接部と当接すると共にレーザ光を吸収する当接受光部を形成するレンズ枠成形ステップ、上記当接部を上記当接受光部に接触させつつ上記レンズを上記レンズ枠に調芯しながら支持させる調芯ステップ、及びレーザ光を上記レンズの上記当接部を通して上記レンズ枠の当接受光部に照射して、該当接部と当接受光部をレーザ溶着する溶着ステップ、を有することを特徴としている。

0007

上記調芯を、例えば上記レンズのディセンタ調整とすることが可能である。
このディセンタ調整は、例えば、上記レンズの径が上記レンズ枠の内径より小さく、上記レンズの当接部と上記レンズ枠の当接受光部が光軸に対して直交する平面であることにより実現できる。

0008

また上記調芯を、上記レンズのチルト調整とすることも可能である。
このチルト調整は、上記レンズの当接部が、該レンズのコバ面に形成した該レンズの中心点を中心とする球面の一部であり、上記レンズの外径と上記レンズ枠の内径が略同一であることにより実現できる。

0009

さらに、上記調芯を、上記レンズのディセンタとチルト調整の双方の調整とすることも可能である。
この場合は、上記レンズの径が上記レンズ枠の内径より小さく、上記レンズの上記当接部が、曲面からなる該レンズの前面または後面の外周縁部であり、上記当接受光部及び上記当接部が同じ球面の一部をなす曲面であることにより実現できる。
また、上記レンズの径が上記レンズ枠の内径より小さく、上記レンズの上記当接部が、特定の球面の一部をなす該レンズの前面または後面の外周縁部であり、上記レンズ枠の上記当接受光部が、該レンズ枠の中心軸を中心としかつ上記レンズの上記球面の一部をなす前面または後面と接触する円形接触部であることによっても実現可能である。
さらに、上記レンズの径が上記レンズ枠の内径より小さく、上記レンズの上記当接部が、特定の球面の一部をなす該レンズの前面または後面の外周縁部であり、上記レンズ枠の上記当接受光部が、上記レンズの上記球面の一部をなす前面または後面と点接触する曲面状突部であることによっても実現できる。

0010

さらに、上記レンズの前面と後面の少なくとも一方の有効光線透過範囲の外周側にレーザ光を遮光する遮光部を形成し、該前面及び後面の該遮光部を除く部分にレーザ光が透過可能な透光部を形成してもよい。

0011

いずれの場合も、上記レンズ及びレンズ枠は光軸を中心とする回転対称形状をなしているのが好ましい。
また、上記レンズの調芯は、上記レンズ枠に穿設した調整用貫通孔に挿入され、その先端が上記レンズのコバ面に当接する、該レンズの径方向延出する調整用治具によって行うのが実際的である。

0012

本発明は、別の態様によると、レンズをレンズ押さえ枠を用いてレンズ枠に調芯しながら固定するレンズの調芯及び固定方法において、上記レンズ押さえ枠を構成する樹脂材料を非晶質ポリオレフィンとし、該レンズ押さえ枠に上記レンズ枠と当接する当接面を形成するレンズ押さえ枠成形ステップ、上記レンズ枠を構成する樹脂材料を非晶質ポリオレフィンとし、該レンズ枠に上記当接面と当接すると共にレーザ光を吸収する当接受光面を形成するレンズ枠成形ステップ、上記レンズを上記レンズ枠に調芯しながら支持させる調芯ステップ、調芯された上記レンズを上記レンズ押さえ枠で押さえ、該レンズ押さえ枠の当接面とレンズ枠の当接受光面を当接させる当接ステップ、及びレーザ光を上記レンズ押さえ枠の上記当接面を通して上記レンズ枠の当接受光面に照射して、該当接面と当接受光面をレーザ溶着する溶着ステップ、を有することを特徴としている。

0013

上記レンズ押さえ枠の上記当接面が、該レンズ押さえ枠の前面または後面に形成した光軸と直交する方向の面であり、上記レンズ枠の上記当接受光面が、該レンズ枠の内面に形成した光軸と直交する方向の面であり、上記レンズ押さえ枠及び上記当接面を通して上記当接受光面にレーザ光が照射される態様で実施可能である。

0014

上記調芯ステップが、複数の上記レンズを光軸方向に並べて配置し、各レンズを上記レンズ枠に調芯しながら支持するステップであり、上記当接ステップが、調芯された各レンズを対応する上記レンズ押さえ枠で押さえ、各レンズ押さえ枠の当接面とレンズ枠の対応する当接受光面をそれぞれ当接させるステップであり、上記溶着ステップが、レーザ光源からレーザ光を発射し、該レーザー光を、最もレーザ光源側に位置するレンズ押さえ枠及びその上記当接面を通して該当接面と当接する上記当接受光面に照射して最もレーザ光源側に位置するレンズ押さえ枠を上記レンズ枠に溶着し、かつ、該レーザー光を、最もレーザ光源側に位置するレンズ押さえ枠、奥側のレンズ押さえ枠、及び該奥側のレンズ押さえ枠の上記当接面を通して該当接面と当接する上記当接受光面に照射し、該奥側のレンズ押さえ枠を上記レンズ枠に溶着するステップであってもよい。

0015

上記レンズ押さえ枠の前面と後面の少なくとも一方の有効光線透過範囲の外周側にレーザ光を遮光する遮光部を形成し、該前面及び後面の該遮光部を除く部分にレーザ光が透過可能な透光部を形成するのが好ましい。

0016

さらに、上記レンズ押さえ枠の上記当接面が、該レンズ外周縁に形成した光軸と平行な面であり、上記レンズ枠の上記当接受光面が、該レンズ枠の内面に形成した光軸と平行な面であり、上記レンズ枠に穿設した照射孔、上記レンズ押さえ枠及び上記当接面を通して上記当接受光面にレーザ光が照射されるのが好ましい。
この場合、上記レンズ枠の照射孔は、光軸を中心とする円周方向に離間させて複数が形成されているのが好ましい。
さらに、上記レンズ押さえ枠の前面と後面の少なくとも一方の有効光線透過範囲の外周側を遮光部とするのが好ましい。

0017

また、上記レンズの上記レンズ押さえ枠との対向面に、該レンズの有効光線透過範囲の外周側に位置する環状の遮光部材を設けてもよい。

0018

この態様においても、上記レンズ、レンズ枠及びレンズ押さえ枠は光軸を中心とする回転対称形状をなしているのが好ましい。
また、上記レンズの調芯は、上記レンズ枠に穿設した調整用貫通孔に挿入され、その先端が上記レンズのコバ面に当接する、該レンズの径方向に延出する調整用治具によって行うのが実際的である。
さらに、上記レンズ枠を該レンズ枠の外周側に位置する保持用筒部材で保持し、該保持用筒部材を貫通し上記レンズ枠の上記調整用貫通孔と同軸をなす雌ねじ孔に上記調整用治具に形成した雄ねじ溝螺合させ、該雌ねじ孔と雄ねじ溝の螺合量を調整することによって行うのが好ましい。

0019

いずれの態様においても、レーザ光源として、例えばYAGレーザ、LDレーザ、またはCO2レーザ光源利用可能である。

発明の効果

0020

本発明の第1の態様、即ちレンズ押さえ枠を用いない態様によれば、非晶質ポリオレフィンからなるレンズを非晶質ポリオレフィン製のレンズ枠にレーザ溶着するので、UV接着剤を用いる場合のようにレンズがレンズ枠に対して位置ずれすることがない。従って、レンズを高い位置精度でレンズ枠に固定できる。しかも、非晶質ポリオレフィンは吸水性が殆どないため、非晶質ポリオレフィン製レンズには湿度変化に伴う光学性能の変化が少ない。従って、レーザー溶着によって所定の位置に正確に固定されたレンズは、その後に湿度変化が生じても所望の光学性能を発揮できるので、レーザー溶着による利点が損なわれることがない。
また、レンズ押さえ枠とレンズ枠に接着剤スペースを設ける必要がないため、小型化が図れ、レンズ枠の強度を高めることができる。また、固定強度UV樹脂接着に比べて高めることができる。

0021

また、本発明の第2の態様、即ちレンズ押さえ枠を用いる態様によれば、樹脂材料を非晶質ポリオレフィンによって構成したレンズ押さえ枠を、樹脂材料を非晶質ポリオレフィンによって構成したレンズ枠にレーザ溶着するので、UV接着剤を用いる場合のようにレンズ押さえ枠がレンズ枠に対して位置ずれすることがない。しかも、非晶質ポリオレフィンは吸水性が殆どないため、非晶質ポリオレフィン製レンズには湿度変化に伴う光学性能の変化が少ないので、第1の態様と同様に、レーザー溶着による利点が損なわれることがない。
また、レンズ押さえ枠とレンズ枠に接着剤スペースを設ける必要がないため、小型化が図れ、レンズ枠の強度を高めることができる。また、固定強度もUV樹脂接着に比べて高めることができる。

発明を実施するための最良の形態

0022

図1から図3は、本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第1の実施形態を示している。以下の各実施形態の説明では図1図4図9図11図14図16図18図19図20図23図24図25図27の左側を「前方」とし、右側を「後方」としている。
樹脂製レンズ枠10は非晶質ポリオレフィンにカーボンを加えて成形したものであり、その軸線を中心とする回転対称形状(筒形状)をしている。樹脂製レンズ枠10の内周面は自身の軸線を中心とする円筒面であり、その前後方向の略中央部に環状突部11が突設されている。樹脂製レンズ枠10の内周面における環状突部11の前方部分と後方部分はそれぞれ互いに同径の1群用嵌合部12と2群用嵌合部13となっている。さらに、2群用嵌合部13の直後には2群用嵌合部13より大径の後端嵌合部14が凹設されている。環状突部11の前面は、樹脂製レンズ枠10の軸線を中心としかつ該軸線に対して直交する環状平面である当接受光面15となっている。さらに樹脂製レンズ枠10の前端部には、樹脂製レンズ枠10を径方向に貫通する3つの調整用貫通孔16が周方向等角度間隔(120゜間隔)で穿設してある。
群レンズ20及び1群レンズ30は共に自身の光軸を中心とする回転対称形状をしており、1群レンズ30は非晶質ポリオレフィン製である。2群レンズ20の外径は2群用嵌合部13の径と同一である。1群レンズ30の外径は1群用嵌合部12より小さく、かつ、1群レンズ30の後面の外周縁部には自身の光軸に対して直交する環状当接面(当接部)31が形成してある。

0023

次に、2群レンズ20と1群レンズ30を樹脂製レンズ枠10に組み付ける要領について説明する。
まず、樹脂製レンズ枠10の後方から2群レンズ20を樹脂製レンズ枠10内に挿入し2群用嵌合部13に嵌合固定する。さらに、樹脂製レンズ枠10の後方から後端嵌合部14と同径の環状部材であるレンズ押さえ枠35を後端嵌合部14に嵌合固定し、レンズ押さえ枠35の前面内周縁部を2群レンズ20の後面に当接させ、レンズ押さえ枠35によって2群レンズ20を抜け止めする。
次いで、樹脂製レンズ枠10の前方から1群レンズ30を1群用嵌合部12の内側に挿入する。そして1群レンズ30の環状当接面31を当接受光面15に当接させる。
1群レンズ30の外径は1群用嵌合部12の径より小さいので、1群レンズ30は樹脂製レンズ枠10に対する径方向位置を調整可能である(ディセンタ調整が可能になる)。1群レンズ30の位置を調整するには、3つの調整用貫通孔16にそれぞれ調整用治具38を挿入し、各調整用治具38の内端面を1群レンズ30の外周面(コバ面)に接触させる。そして、1群レンズ30の環状当接面31が当接受光面15に接触する状態を維持したまま、各調整用治具38によって1群レンズ30を径方向に移動させる。
そして、1群レンズ30が所望の位置に移動したら、樹脂製レンズ枠10の直前に配置したレーザ光源40の後面から1群レンズ30の前面外周縁部にYAGレーザ光(レーザー光)LRを発射する。このYAGレーザ光LRは1群レンズ30を透過して樹脂製レンズ枠10の環状突部11の当接受光面15に照射される。樹脂製レンズ枠10はカーボンを含んでいるため、YAGレーザ光LRが当接受光面15に照射すると、このYAGレーザ光LRは当接受光面15で一部が反射され残りが吸収される。すると、当接受光面15が発熱して溶融しその熱が環状当接面31に伝わる。その結果、環状当接面31側も溶融して溶融プールが形成され透過側(1群レンズ30)と吸収側(樹脂製レンズ枠10)の樹脂材料が混ざり合い、YAGレーザ光LRの照射を止めると冷却されて互いに溶着される。
YAGレーザ光LRの照射位置は、1群レンズ30と樹脂製レンズ枠10との固定を確実にするため円周方向の複数箇所とし、好ましくは図2符合Aで示すように、等角度間隔で3カ所(120゜間隔)とするのがよい。YAGレーザ光LRのエネルギ(強度、径、照射時間等)は、以上の溶着作用が得られるように定める。

0024

この第1の実施形態では、YAGレーザ光LRを用いて1群レンズ30を樹脂製レンズ枠10に固定しているので、UV接着剤を用いるときのように、UV接着剤の硬化時の収縮により1群レンズ30の位置が変化してしまい、その結果、1群レンズ30が調芯した位置から僅かにずれてしまうことはない。しかも、非晶質ポリオレフィンは吸水性が殆どないため、非晶質ポリオレフィン製の1群レンズ30は樹脂製レンズ枠10に固定された後に湿度変化が生じても光学性能は殆ど変化しない。そのため、非晶質ポリオレフィン以外の樹脂材料によって成形したレンズとレンズ枠をレーザー溶着した場合のように、レーザー溶着によりレンズとレンズ枠を所望の位置に固定したにも拘わらず、その後の湿度変化によってレンズが所望の光学性能を発揮できなくなるおそれは小さい。

0025

また、UV接着剤の硬化に比べてYAGレーザ光LRによる1群レンズ30と樹脂製レンズ枠10の溶着は短時間に行うことができるので、調芯作業に要するコストを従来より抑えることが可能である。
さらに、樹脂製レンズ枠10と1群レンズ30に接着剤スペースを設ける必要がないため、小型化が図れ、レンズ枠の強度を高めることができる。また、固定強度もUV樹脂接着に比べて高めることができる。

0026

図4及び図5は、本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第2の実施形態を示している。なお、第1の実施形態と同じ部材には同じ符合を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の樹脂製レンズ枠50の基本構造は樹脂製レンズ枠10と同じであるが、環状突部11の前面が自身の軸線に対して直交する環状平面ではない点が異なる。樹脂製レンズ枠50の環状突部11の前面は、樹脂製レンズ枠50の軸線上に位置する特定の中心点(図示略)を中心とする特定の球面の一部をなす環状曲面(当接受光部)51である。
1群レンズ60は非晶質ポリオレフィン製であり、自身の軸線を中心とする回転対称形状をなしている。1群レンズ60の後面(当接部)61も特定の中心点を中心とする特定の球面の一部をなす曲面であり、後面61と環状曲面51の曲率は同一である。1群レンズ60の外径は1群用嵌合部12の径より小さいので、1群レンズ60の後面61の外周縁部を環状突部11の環状曲面51に当接させると、1群レンズ60は樹脂製レンズ枠50に対して樹脂製レンズ枠50の上記中心点を中心に回転可能となる。従って、環状曲面51と後面61の接触状態を維持したまま、3つの調整用貫通孔16にそれぞれ調整用治具38を挿入し、各調整用治具38の内側端面を1群レンズ60の外周面(コバ面)に接触させ、各調整用治具38によって1群レンズ60を前後方向に揺動させれば、1群レンズ60のチルト調整(及びディセンタ調整)を行うことができる。
このように1群レンズ60のチルト調整を行った後に、第1の実施形態と同じ要領でレーザ光源40の後面からYAGレーザ光LRを1群レンズ1群レンズ60の外周縁部及び環状突部11の環状曲面51に照射すれば、第1の実施形態と同様に環状曲面51と後面61がそれぞれ溶着するので、1群レンズ60を調芯した位置に固定できる。

0027

図6から図8は第2の実施形態の変形例を示している。
図6では樹脂製レンズ枠50の環状突部11の前側の内周縁部全体を面取りすることにより、環状突部11の前面に樹脂製レンズ枠50の軸線を中心とする円形(線状)の円形接触部(当接受光部)52を形成している。
従って、1群レンズ60の後面61の外周縁部を円形接触部52に接触させれば、1群レンズ60を樹脂製レンズ枠50に対して回転可能となる。よって、この変形例においても1群レンズ60のチルト調整(及びディセンタ調整)が可能である。そして、チルト調整後にYAGレーザ光LRを1群レンズ1群レンズ60の外周縁部及び円形接触部52に照射すれば、第1の実施形態と同様に円形接触部52と後面61がそれぞれ溶着するので、1群レンズ60を調芯した位置に固定できる。
図7及び図8の変形例では、環状突部11の前面に複数(例えば周方向に等角度間隔で3つ)の曲面状突部(当接受光部)53を突設している。この曲面状突部53の前面は曲面をなしており、この曲面部に1群レンズ60の後面61を接触させると(点接触になる)、1群レンズ60は樹脂製レンズ枠10に対して樹脂製レンズ枠50の上記中心点を中心に回転可能となる。従って、この変形例においても1群レンズ60のチルト調整(及びディセンタ調整)が可能である。そして、チルト調整後にYAGレーザ光LRを1群レンズ1群レンズ60の外周縁部及び曲面状突部53に照射すれば、第1の実施形態と同様に曲面状突部53と後面61がそれぞれ溶着するので、1群レンズ60を調芯した位置に固定できる。

0028

図9及び図10は、第1及び第2の実施形態のいずれにも適用可能な変形例を示している。
この変形例では、1群レンズ30の前面の外周縁部及び環状当接面31に、1群レンズ30の光軸を中心とする環状部材である遮光部材80と遮光部材81を固着している。この遮光部材80及び遮光部材81には、図10に示すように周方向に等角度間隔(120゜間隔)で3つの照射孔(透光部)82が穿設してある。さらに遮光部材80と遮光部材81は両者の照射孔82が同じ周方向位置に位置するように(光軸と平行な方向に見たときに重なるように)1群レンズ30の前面外周縁部及び環状当接面31に固着してある。従って、本実施形態では1群レンズ30を樹脂製レンズ枠10に取り付けると、遮光部材81が樹脂製レンズ枠10の当接受光面15に当接する。遮光部材80及び遮光部材81の内周縁(孔)の位置は2群レンズ20及び1群レンズ1群レンズ30の有効光線透過範囲(外周縁部より内側の部分)と一致しているので(遮光部材80及び遮光部材81が有効光線透過範囲の外周側に位置している)、遮光部材80及び遮光部材81によって有効光線以外の光線はカットされる。
この変形例では、レーザ光源40の後面からYAGレーザ光LRを発射すると、YAGレーザ光LRの一部は遮光部材80の3つの照射孔82、1群レンズ30及び遮光部材81の3つの照射孔82を透過して当接受光面15の3カ所に照射されるので、1群レンズ30の環状当接面31と環状突部11の当接受光面15の3カ所同士が互いに溶着し、1群レンズ30が樹脂製レンズ枠10に固定される。一方、その他のYAGレーザ光LRは遮光部材80によってカットされる。

0029

図11の変形例では、遮光部材80、遮光部材81を用いる代わりに、1群レンズ30の前面外周縁部及び環状当接面31(即ち、有効光線透過範囲の外周側)にシボ加工微小凹凸加工)(遮光部)30Aを施して、YAGレーザ光LRが1群レンズ30を透過しないようにしている。但し、この場合1群レンズ30の前面外周縁部及び環状当接面31全体を完全なシボ面30Aとするのではなく、遮光部材80及び遮光部材81の照射孔82に対応する3カ所はシボ面とはせず(透光部とする。図13の符合30Bを参照)、この3カ所を透過したYAGレーザ光LRによって樹脂製レンズ枠10の当接受光面15を照射できるようにする。

0030

図12及び図13は、本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第3の実施形態を示している。なお、第1の実施形態と同じ部材には同じ符合を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の1群レンズ70は非晶質ポリオレフィン製であり、自身の光軸を中心とする回転対称形状をしている。1群レンズ70の前後両面は球面であり、さらに1群レンズ70の外周面(コバ面)(当接部)71は1群レンズ70の中心点70Cを中心とする球面(図9仮想線で示した符号AC)の一部をなす曲面となっている。1群レンズ70の径は1群用嵌合部12と略同一である。
また、本実施形態の10における3つの調整用貫通孔16と同じ光軸O方向位置には、3つの照射孔17が周方向に並べて穿設してある。
1群レンズ70を1群用嵌合部12の内部に挿入すると、1群レンズ70のコバ面71が1群用嵌合部12に接触し、1群レンズ70は中心点70Cを中心にして樹脂製レンズ枠10に対して回転可能となる。さらに本実施形態では1群レンズ70は樹脂製レンズ枠10に対して光軸方向(前後方向)に相対移動可能である。従って、3つの調整用貫通孔16にそれぞれ調整用治具38を挿入し、各調整用治具38の内側端部を1群レンズ70のコバ面71に接触させ、各調整用治具38によって1群レンズ70を前後方向に揺動させれば、1群レンズ70のチルト調整を行うことができる。さらに、各調整用治具38を前後方向に平行移動させれば、1群レンズ70の樹脂製レンズ枠10に対する前後位置を調整できる。

0031

このように1群レンズ70の前後方向位置調整とチルト調整が完了したら、樹脂製レンズ枠10の外周側に配置した環状のレーザ光源18(図12では仮想線で示している)の内周面全体からYAGレーザ光LRを発射する。発射されたYAGレーザ光LRの一部は3つの照射孔17、及び1群レンズ70を透過して、1群用嵌合部12の内周面に形成した3つの被照射部19(当接受光部。コバ面71と対向する部分)に照射される。樹脂製レンズ枠10はカーボンを含んでいるため、YAGレーザ光LRが各被照射部19を照射すると、このYAGレーザ光LRは被照射部19で一部が反射され残りが吸収される。すると、被照射部19が発熱して溶融しその熱が1群レンズ70ののコバ面71の被照射部19と接触する部分に伝わる。その結果、1群レンズ70側も溶融して溶融プールが形成され透過側(1群レンズ70)と吸収側(樹脂製レンズ枠10)の樹脂材料が混ざり合い、YAGレーザ光LRの照射を止めると冷却されて互いに溶着される。
なお、本実施形態においても1群レンズ70に図9から図11の遮光部材80や遮光部材81を設けたり、シボ部30Aを形成してもよい。

0032

以上説明した第1から第3の実施形態では、樹脂製レンズ枠10、1群レンズ30、1群レンズ60、1群レンズ70を総て非晶質ポリオレフィンから構成したが、非晶質ポリオレフィンの具体的な材料としては、例えばシクロオレフィンポリマCOP)が利用可能である。
また、第1から第3の実施形態ではレンズ20、1群レンズ30を2つ並べたが、調芯を行う一つのレンズのみを樹脂製レンズ枠に支持したり、3つ以上のレンズを樹脂製レンズ枠に支持して実施してもよい(調芯を行うレンズは一つでも複数でもよい)。なお、2群レンズや3群レンズ等の調芯を行う場合は、これらのレンズの前面に当接部を形成し、環状突部11の後面に当接受光部を設けて実施してもよい。
さらに、調整用貫通孔16、照射孔82、照射位置Aの数は3つには限定されない。
さらに図11から図13の変形例では1群レンズ30(1群レンズ60、1群レンズ70)の前後両面に遮光部材80、遮光部材81を設けた(あるいはシボ面を形成した)が、1群レンズ30(1群レンズ60、1群レンズ70)の前面と後面の一方のみに遮光部材80、遮光部材81を設けて(あるいはシボ面を形成して)もよい。
なお、操作者は、レーザ光の波長を調整することによって、樹脂製レンズ枠を透過し、樹脂製レンズに吸収されるようなレーザ光を設定することができる。このようにレーザ光を設定すると、樹脂製レンズ枠に照射孔を形成することなく、またレーザ光の照射方向に関係なく、樹脂製レンズと樹脂製レンズ枠を溶着させることができる。
また、各実施形態ではレーザ光源40をYAGレーザの発射光源としたが、レーザ光源40をLDレーザまたはCO2レーザを発射する光源として実施してもよい。

0033

図14及び図15は、本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第4の実施形態を示している。
樹脂製レンズ枠110は非晶質ポリオレフィンにカーボン材料混入したものであり、カーボン材料の影響で黒みがかっている。樹脂製レンズ枠110は、自身の軸線を中心とする回転対称形状をしている。樹脂製レンズ枠110はその内径が前方から後方に向かうに連れて3段階に縮径している。樹脂製レンズ枠110の内周面には、共に自身の軸線を中心とする環状面である円筒面111と円筒面112、さらに該軸線に対して直交する環状面である当接面113と当接受光面114が形成してある。また樹脂製レンズ枠110の前端面にも樹脂製レンズ枠110の軸線に対して直交する環状面である当接受光面115が形成してある。さらに樹脂製レンズ枠110の前端部には、樹脂製レンズ枠110を径方向に貫通する3つの調整用貫通孔116が周方向に等角度間隔(120゜間隔)で穿設してある。樹脂製レンズ枠110の後端面には正面視円形の撮像素子支持板117が固着してあり、撮像素子支持板117の前面の中央部に撮像素子118が固着してある。

0034

2群レンズ120及び1群レンズ130は樹脂製であり、共に自身の光軸を中心とする回転対称形状をしている。2群レンズ120の外径は円筒面111の径と同一であり、さらに2群レンズ120の前後両面の外周縁部には共に2群レンズ120の光軸Oに対して直交する環状当接面121と環状当接面122が形成してある。円筒面112の内側に配置される1群レンズ130の外径は円筒面112より小さい。さらに、1群レンズ130の後面の外周縁部には自身の光軸に対して直交する環状当接面131が形成してある。

0035

次に、2群レンズ120と1群レンズ130を樹脂製レンズ枠110に組み付ける要領について説明する。
まず、樹脂製レンズ枠110の前方から2群レンズ120を樹脂製レンズ枠110内に挿入し、2群レンズ120の環状当接面121を当接面113に当接させ、かつ2群レンズ120の外周面を円筒面111に接触させる。さらに、2群レンズ120の環状当接面122を樹脂製レンズ枠110の当接受光面114と同一平面上に並べる。2群レンズ120の外径と円筒面111の径は同一なので、このように2群レンズ120を樹脂製レンズ枠110に支持すると2群レンズ120は樹脂製レンズ枠110に対して移動不能になり、2群レンズ120の光軸Oと樹脂製レンズ枠110の中心軸が一致する。
次いで、樹脂製レンズ枠110の前方から樹脂製レンズ枠110内にレンズ押さえ枠125を挿入する。このレンズ押さえ枠125は非晶質ポリオレフィン製であり、自身の軸を中心とする回転対称形状をしている。このレンズ押さえ枠125の外径は円筒面112の内径と略同一である。レンズ押さえ枠125の前後両面には共に図14の状態において2群レンズ120の光軸Oに対して直交する環状当接面(当接面)126と環状当接面127が形成してある。そして、レンズ押さえ枠125の外周面を円筒面112に接触させ、かつ環状当接面126を2群レンズ120の環状当接面122と当接受光面114に当接させ、レンズ押さえ枠125によって2群レンズ120を押さえる(抜け止めする)。

0036

続いて、1群レンズ130を樹脂製レンズ枠110の前方から樹脂製レンズ枠110内に挿入し、1群レンズ130の環状当接面131をレンズ押さえ枠125の環状当接面127に当接させる。
次いで、自身の軸を中心とする回転対称形状である非晶質ポリオレフィン製のレンズ押さえ枠135を樹脂製レンズ枠110の前端部に取り付ける。レンズ押さえ枠135の後面には図14の状態において共に2群レンズ120の光軸Oに対して直交する環状当接面136と環状当接面(当接面)137が段差を設けて形成してある。そして、樹脂製レンズ枠110の前端面である当接受光面115に環状当接面137を当接し、かつ、環状当接面136の内側縁部を1群レンズ130の前面である曲面に接触することにより、1群レンズ130をレンズ押さえ枠135で押さえる(抜け止めする)。

0037

1群レンズ130の外径は円筒面112の径より小さいので、レンズ押さえ枠125とレンズ押さえ枠135によって1群レンズ130を支持したとき、1群レンズ130は調芯(径方向のディセンタ調整)が可能な状態になる。1群レンズ130の位置を調整するには、3つの調整用貫通孔116にそれぞれ棒状の調整用治具138を挿入し(図14実線及び図15の仮想線参照)、各調整用治具138の内側端面を1群レンズ130の外周面(コバ面)に接触させる。そして、1群レンズ130の環状当接面131がレンズ押さえ枠125(環状当接面127)に接触し、かつ1群レンズ130の前面外周部にレンズ押さえ枠135(環状当接面136)が接触する状態を維持したまま、各調整用治具138によって1群レンズ130の調芯を行う(1群レンズ130が径方向に移動調整されたとき、1群レンズ130の前面のレンズ押え枠135と接触する部分の位置が変わるが、変位は微小なので、1群レンズ130の調整上実質的に問題はない)。そして、1群レンズ130が所望の位置に移動したら、樹脂製レンズ枠110の直前に配置したレーザ光源140の後面からYAGレーザ光(レーザー光)LRを発射する。このYAGレーザ光LRの一部はレンズ押さえ枠135及びその環状当接面137を透過して樹脂製レンズ枠110の当接受光面115に照射される。樹脂製レンズ枠110はカーボンを含んでいるため、YAGレーザ光LRが当接受光面115に照射すると、このYAGレーザ光LRは当接受光面115で一部が反射され残りが吸収される。すると、当接受光面115が発熱して溶融しその熱が環状当接面137に伝わる。その結果、環状当接面137側も溶融して溶融プールが形成され透過側(レンズ押さえ枠135)と吸収側(樹脂製レンズ枠110)の樹脂材料が混ざり合い、YAGレーザ光LRの照射を止めると冷却されて互いに溶着される。

0038

レーザ光源140から発射したYAGレーザ光LRの別の一部は、レンズ押さえ枠135及びその環状当接面136を透過した後、レンズ押さえ枠125及びその環状当接面126を透過し当接受光面114に照射される。すると、このYAGレーザ光LRは当接受光面114で一部が反射され残りが吸収される。すると、当接受光面114が発熱して溶融しその熱が環状当接面126に伝わる。その結果、環状当接面126側も溶融して溶融プールが形成され透過側(レンズ押さえ枠125)と吸収側(樹脂製レンズ枠110)の樹脂材料が混ざり合い、YAGレーザ光LRの照射を止めると冷却されて互いに溶着される。
YAGレーザ光LRの照射位置は、1群レンズ130と樹脂製レンズ枠110との固定を確実にするため円周方向の複数箇所とし、好ましくは図15に示すXを付して示すように、等角度間隔で6カ所(120゜間隔)とするのがよい。YAGレーザ光LRのエネルギ(強度、径、照射時間等)は、以上の溶着作用が得られるように定める。

0039

この第4の実施形態では、YAGレーザ光LRを用いてレンズ押さえ枠125及びレンズ押さえ枠135を樹脂製レンズ枠110に固定している。従って、共に樹脂製レンズ枠110に対して径方向及び光軸方向Oに移動可能なレンズ押さえ枠125とレンズ押さえ枠135が、UV接着剤を用いるときのようにUV接着剤の硬化時の収縮により樹脂製レンズ枠110に対して移動することはない。しかも、非晶質ポリオレフィンは吸水性が殆どないため、非晶質ポリオレフィン製のレンズ押さえ枠125及びレンズ押さえ枠135は樹脂製レンズ枠110に固定された後に湿度変化が生じても殆ど変形しない。そのため、非晶質ポリオレフィン以外の樹脂材料によって成形したレンズ押さえ枠とレンズ枠をレーザー溶着した場合のように、レーザー溶着によりレンズ押さえ枠とレンズ枠を所望の位置に固定したにも拘わらず、その後の湿度変化によってレンズ押さえ枠が変形し、その結果レンズの位置がずれるおそれは小さい。

0040

さらに、小型のレンズを小型の樹脂製レンズ枠110に確実かつ短時間で固定できるという利点がある。
また、樹脂製レンズ枠110に接着剤スペースを設ける必要がないため、樹脂製レンズ枠110の小型化が図れ、樹脂製レンズ枠110の強度を高めることができる。また、固定強度もUV樹脂接着に比べて高めることができる。
さらに、UV接着剤を用いる場合はレンズ押さえ枠125とレンズ押さえ枠135の接着作業を同時に行うことは出来ず、まずレンズ押さえ枠125の接着を行ってからレンズ押さえ枠135の接着を行っていたが、YAGレーザ光LRを用いればレンズ押さえ枠125とレンズ押さえ枠135を樹脂製レンズ枠110に対して同時に溶着できるので、作業時間を大幅に短縮できる。

0041

図16及び図17は、本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第5の実施形態を示している。なお、第4の実施形態と同じ部材には同じ符合を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の樹脂製レンズ枠110の後端部近傍には、樹脂製レンズ枠110を径方向に貫通する3つの調整用貫通孔119が周方向に等角度間隔(120゜間隔)で穿設してある。さらに本実施形態では、円筒面111の径は2群レンズ120の外径に比べて僅かに大きく設定してある。
このような構成の第5の実施形態では、図16に示すようにレンズ押さえ枠125の環状当接面126が当接受光面114及び環状当接面122に当接した状態で3つの調整用貫通孔119にそれぞれ調整用治具139を挿入し、各調整用治具139の内側端面を2群レンズ120の外周面(コバ面)に接触させれば、各調整用治具139によって2群レンズ120の調芯を行うことができる。
このように2群レンズ120の調芯を行い、さらに第4の実施形態と同じ要領で1群レンズ130の調芯を行った後に、樹脂製レンズ枠110の直前に配置したレーザ光源140の後面からYAGレーザ光LRを発射すれば、第4の実施形態と同様に環状当接面126と当接受光面114及び環状当接面137と当接受光面115がそれぞれ溶着するので、2群レンズ120と1群レンズ130を調芯した位置に固定できる。

0042

図18は、本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第6の実施形態を示している。なお、第4の実施形態と同じ部材には同じ符合を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の樹脂製レンズ枠150は非晶質ポリオレフィンにカーボン材料を加えて成形したものであり、自身の軸線を中心とする回転対称形状をしている。樹脂製レンズ枠150はその内径が前方から後方に向かうに連れて3段階に縮径している。樹脂製レンズ枠150の内周面には、共に自身の軸線を中心とする環状面(図18の状態で2群レンズ120の光軸と平行)である円筒面151と支持用環状面(当接受光面)152、さらに樹脂製レンズ枠150の軸線に対して直交する環状面である当接受光面153と当接受光面154が形成してある。さらに樹脂製レンズ枠150の前端部と長手方向の略中央部には、樹脂製レンズ枠150を径方向に貫通する3つの照射孔155と照射孔156が周方向に等角度間隔(120゜間隔)で穿設してある。また、樹脂製レンズ枠150の照射孔155と照射孔156の間には3つの調整用貫通孔157が周方向に等角度間隔(120゜間隔)で穿設してある。樹脂製レンズ枠150の後端面には撮像素子118を具備する撮像素子支持板117が固着してある。

0043

次に、2群レンズ120と1群レンズ130を樹脂製レンズ枠150に組み付ける要領について説明する。
まず、樹脂製レンズ枠150の前方から2群レンズ120を樹脂製レンズ枠150内に挿入し、2群レンズ120の環状当接面121を当接受光面153に当接させ、かつ2群レンズ120の外周面を円筒面151に当接させる。2群レンズ120の外径と円筒面151の径は同一なので、このように2群レンズ120を樹脂製レンズ枠150に取り付けると、2群レンズ120は樹脂製レンズ枠150に対して移動不能になり、2群レンズ120の光軸Oと樹脂製レンズ枠150の中心軸が一致する。
次いで、樹脂製レンズ枠150の前方から樹脂製レンズ枠150内にレンズ押さえ枠160を挿入する。このレンズ押さえ枠160は非晶質ポリオレフィン製であり、自身の軸線を中心とする回転対称形状をしている。レンズ押さえ枠160の前後両面には共に自身の軸線に対して直交する環状当接面161と環状当接受光面162が形成してある。そして、レンズ押さえ枠160の外周面(当接面)を円筒面(当接受光面)151に当接させ(レンズ押さえ枠160の外周面と円筒面151は共に図18の状態で2群レンズ120の光軸Oと平行)、かつ環状当接面161を2群レンズ120の環状当接面122に当接させ、レンズ押さえ枠160によって2群レンズ120を押さえる(抜け止めする)。
続いて、1群レンズ130を樹脂製レンズ枠150の前方から樹脂製レンズ枠150内に挿入し、その環状当接面131をレンズ押さえ枠160の前面である環状当接受光面162に当接させる。
次いで、樹脂製レンズ枠150の支持用環状面152に非晶質ポリオレフィン製のレンズ押さえ枠165を嵌合する。レンズ押さえ枠165の後面は図18の状態で光軸Oに対して直交する環状当接面166となっており、レンズ押さえ枠165の外周面は図18の状態で光軸Oと平行な当接面となっているので、支持用環状面152にレンズ押さえ枠165を嵌合すると、レンズ押さえ枠165の外周面(当接面)が支持用環状面152と接触し、環状当接面166の内周縁部が当接受光面154と1群レンズ130の前面の外周縁部に接触する。

0044

このようにレンズ押さえ枠160とレンズ押さえ枠165によって1群レンズ130を支持した状態で、各調整用貫通孔157に調整用治具138を挿入し、各調整用治具138の内側端面を1群レンズ130の外周面(コバ面)にそれぞれ接触させ、各調整用治具138によって1群レンズ130の調芯を行う(1群レンズ130が径方向に移動調整されたとき、1群レンズ130の前面のレンズ押え枠165と接触する部分の位置が変わるが、変位は微小なので、1群レンズ130の調整上実質的に問題はない)。1群レンズ130が所望の位置に移動したら、樹脂製レンズ枠150の外周側に配置した環状のレーザ光源170(図18では仮想線で示している)の内周面全体からYAGレーザ光LRを発射する。発射されたYAGレーザ光LRの一部は3つの照射孔156、レンズ押さえ枠160の各照射孔156と対向する部分を透過して、樹脂製レンズ枠150の内面に形成した3つの被照射部158(レンズ押さえ枠160の外周面と対向する部分)に照射される。樹脂製レンズ枠150はカーボンを含んでいるため、YAGレーザ光LRが各被照射部158を照射すると、このYAGレーザ光LRは被照射部158で一部が反射され残りが吸収される。すると、被照射部158が発熱して溶融しその熱がレンズ押さえ枠160の被照射部158と接触する部分に伝わる。その結果、レンズ押さえ枠160側も溶融して溶融プールが形成され透過側(レンズ押さえ枠160)と吸収側(樹脂製レンズ枠150)の樹脂材料が混ざり合い、YAGレーザ光LRの照射を止めると冷却されて互いに溶着される。

0045

さらにレーザ光源170から発射されたYAGレーザ光LRの別の一部は3つの照射孔155、レンズ押さえ枠165の各照射孔155と対向する部分を透過して、樹脂製レンズ枠150の内面に形成された3つの被照射部159(レンズ押さえ枠165の外周面と対向する部分)に照射される。樹脂製レンズ枠150はカーボンを含んでいるため、YAGレーザ光LRが各被照射部159を照射すると、このYAGレーザ光LRは被照射部159で一部が反射され残りが吸収される。すると、被照射部159が発熱して溶融しその熱がレンズ押さえ枠165の被照射部159と当接する部分に伝わる。その結果、レンズ押さえ枠165側も溶融して溶融プールが形成され透過側(レンズ押さえ枠165)と吸収側(樹脂製レンズ枠150)の樹脂材料が混ざり合い、YAGレーザ光LRの照射を止めると冷却されて互いに溶着される。

0046

このような本実施形態においても、第4の実施形態と同様の効果が得られる。
さらにレーザ光源170から各照射孔155、照射孔156に向けてYAGレーザ光LRを発射することにより、レンズ押さえ枠160とレンズ押さえ枠165を同時に固定することが可能なので、レンズ押さえ枠160とレンズ押さえ枠165の溶着作業を短時間のうちに行なえる。

0047

図19は、本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第7の実施形態を示している。なお、第6の実施形態と同じ部材には同じ符合を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の樹脂製レンズ枠150の後端部近傍には、樹脂製レンズ枠150を径方向に貫通する3つの調整用貫通孔168が周方向に等角度間隔(120゜間隔)で穿設してある。さらに本実施形態では、2群レンズ120の外径は円筒面151の径に比べて僅かに小さく設定してある。
このような構成の第7の実施形態では、2群レンズ120の外径が円筒面151の径より小さいので、図19に示すようにレンズ押さえ枠160の環状当接面161が2群レンズ120の環状当接面122に当接した状態で3つの調整用貫通孔168にそれぞれ調整用治具139を挿入し、各調整用治具139の内側端面を2群レンズ120の外周面(コバ面)に接触させれば、各調整用治具139によって2群レンズ120の調芯を行える。
このように2群レンズ120の調芯を行い、さらに第6の実施形態と同じ要領で1群レンズ130の調芯を行った後に、樹脂製レンズ枠150の外周側に配置したレーザ光源170(図19では図示略)の内周面からYAGレーザ光LRを発射すれば、第6の実施形態と同様にレンズ押さえ枠160とレンズ押さえ枠165が樹脂製レンズ枠150とそれぞれ溶着するので、2群レンズ120と1群レンズ130を調芯した位置に固定できる。

0048

図20から図22は、本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第8の実施形態を示している。なお、第4の実施形態と同じ部材には同じ符合を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の基本構造は第4の実施形態と同じであるが、レンズ押さえ枠125の前面及び後面に遮光部材(遮光部)180と遮光部材(遮光部)181を固着した点が異なる。この遮光部材180及び遮光部材181はレンズ押さえ枠125の軸線を中心とする環状部材であり、かつ遮光部材180及び遮光部材181には周方向に等角度間隔(120゜間隔)で3つの照射孔(透光部)182が穿設してある。さらに遮光部材180と遮光部材181は両者の照射孔182が同じ周方向位置に位置するように(光軸Oと平行な方向に見たときに重なるように)レンズ押さえ枠125の前面と後面に固着してある。従って、本実施形態では2群レンズ120、レンズ押さえ枠125、1群レンズ130及びレンズ押さえ枠135を樹脂製レンズ枠110に取り付けると、遮光部材181が樹脂製レンズ枠110の当接受光面114及び2群レンズ120の環状当接面122に当接し、遮光部材180が1群レンズ130の環状当接面131に当接する。正面から視たときに遮光部材180及び遮光部材181の内周縁(孔)の位置は2群レンズ120及び1群レンズ130の有効光線透過範囲(外周縁部より内側の部分)の外縁と一致しているので(遮光部材180及び遮光部材181が有効光線透過範囲の外周側に位置しているので)、遮光部材180及び遮光部材181によって有効光線以外の光線はカットされる。

0049

次に、YAGレーザ光LRを用いたレンズ押さえ枠125とレンズ押さえ枠135の固定要領について説明する。
調整用治具138を用いて1群レンズ130の調芯作業を行った後、樹脂製レンズ枠110の前方に配置したレーザ光源140の後面全体からYAGレーザ光LRを発射すると、YAGレーザ光LRの一部は第4の実施形態と同様にレンズ押さえ枠135及び環状当接面137を透過して樹脂製レンズ枠110の当接受光面115に照射されるので、樹脂製レンズ枠110の当接受光面115とレンズ押さえ枠135の環状当接面137が互いに溶着する。
レーザ光源140から発射されたYAGレーザ光LRの別の一部はレンズ押さえ枠135及び環状当接面136を透過した後、その殆どが遮光部材180によってカットされる。しかし、このYAGレーザ光LRの一部は遮光部材180の3つの照射孔182、レンズ押さえ枠125及び遮光部材181の3つの照射孔182を透過して当接受光面114に照射される。従って、レンズ押さえ枠125の環状当接面126と樹脂製レンズ枠110の当接受光面114の3カ所同士が互いに溶着し、レンズ押さえ枠125が樹脂製レンズ枠110に固定される。

0050

図23に示す第9の実施形態は図16に示した第5の実施形態の変形例であり、第8の実施形態と同様に、レンズ押さえ枠125の前後両面に遮光部材180と遮光部材181を固着した例である。
図24に示す第10の実施形態と図25に示す第11の実施形態はそれぞれ第6と第7の実施形態の変更例であり、レンズ押さえ枠160の前後両面に光軸Oを中心とする環状部材である遮光部材190と遮光部材191を固着した例である。但し、この遮光部材190と遮光部材191には照射孔182のような孔は穿設されていない。

0051

なお、第8から第11の実施形態では遮光部材180、遮光部材181、遮光部材190、遮光部材191を用いて遮光を行っているが、遮光部材180、遮光部材181、遮光部材190、遮光部材191を用いる代わりに、図26に示すようにレンズ押さえ枠125及びレンズ押さえ枠160の前後両面にシボ加工(微小な凹凸加工。図26網線部分)(遮光部)を施して、YAGレーザ光LRがレンズ押さえ枠125とレンズ押さえ枠160の内部を透過しないようにしてもよい。但し、第4の実施形態のように樹脂製レンズ枠110の前方に配置したレーザ光源140によってレーザ溶着を行う場合は、図26に示すようにレンズ押さえ枠125の前後両面は完全なシボ面とするのではなく、遮光部材180及び遮光部材181の照射孔182に対応する3カ所はシボ面とはせずに透光部Bとし、この3カ所を透過したYAGレーザ光LRによって樹脂製レンズ枠110の当接受光面114を照射できるようにする。

0052

図27及び図28は第12の実施形態を示している。
本実施形態の特徴はレンズ鏡筒保持可能な保持用筒部材200を備える点にある。
この保持用筒部材200の内周面は前方から後方にに向かうに連れて径が3段階に小径化しており、最も前方に位置する最大径部201と、これに連なる中間径部202と、中間径部202に連なり最も径が小さい最小径部(符合なし)とを有している。さらに、保持用筒部材200の前端部近傍には保持用筒部材200を径方向に貫通する雌ねじ孔203が周方向に等角度間隔で3つ穿設されており、かつ保持用筒部材200の雌ねじ孔203の後方には同様に保持用筒部材200を径方向に貫通する雌ねじ孔204が周方向に等角度間隔で3つ穿設されている。
3つの雌ねじ孔203には頭部207を有する調整用ボルト(調整用治具)206の雄ねじ溝がそれぞれ螺合しており、かつ3つの雌ねじ孔204には頭部209を有する調整用ボルト(調整用治具)208の雄ねじ溝がそれぞれ螺合している。

0053

この実施形態では、頭部207と頭部209を摘んで調整用ボルト206と調整用ボルト208を回転させることにより、調整用ボルト206の内側端面と調整用ボルト208の内側端面を共に中間径部202より外周側に位置させておく。さらに、保持用筒部材200の前面開口部からレンズ鏡筒(図示するものは第6の実施形態と同じ構成であり樹脂製レンズ枠150、レンズ押さえ枠160、レンズ押さえ枠165等を備えるが、他の実施形態の構成のレンズ鏡筒であっても構わない)を保持用筒部材200内部に挿入し、樹脂製レンズ枠150の後端部及び撮像素子支持板117を保持用筒部材200の中間径部202に嵌合し、かつ3つの調整用貫通孔157と3つの雌ねじ孔203の周方向位置及び3つの調整用貫通孔168と3つの雌ねじ孔204の周方向位置をそれぞれ一致させる。
この状態で各頭部207と各頭部209を掴んで各調整用ボルト206と各調整用ボルト208を回転させて、各調整用ボルト206、調整用ボルト208の内側端面を対応する調整用貫通孔157と調整用貫通孔168の内部に挿入し、各調整用ボルト206と各調整用ボルト208の内側端面を1群レンズ130の外周面と2群レンズ120の外周面にそれぞれ当接させて、1群レンズ130と2群レンズ120の調芯を行う。
調芯作業が完了したら、各調整用ボルト206、調整用ボルト208をその位置に保持したまま、樹脂製レンズ枠150の外周面と保持用筒部材200の内周面の間の環状空間にレーザ光源170を挿入し、レーザ光源170(図27及び図28では図示略)の内周面全体からYAGレーザ光LRを発射しレンズ押さえ枠160とレンズ押さえ枠165を樹脂製レンズ枠150に溶着する。

0054

このような本実施形態によれば、保持用筒部材200の雌ねじ孔203と螺合する調整用ボルト206及び雌ねじ孔204と螺合する調整用ボルト208を回転させることにより、調整用ボルト206及び調整用ボルト208の軸線方向位置を簡単に微調整できるので、2群レンズ120及び1群レンズ130の調芯作業をより簡単かつ正確に行うことが可能である。

0055

以上説明した第4から第12の実施形態では、樹脂製レンズ枠110、レンズ押さえ枠125、レンズ押さえ枠135、樹脂製レンズ枠150、レンズ押さえ枠160及びレンズ押さえ枠165を総て非晶質ポリオレフィンから構成したが、非晶質ポリオレフィンの具体的な材料としては、例えばシクロオレフィンポリマ(COP)が利用可能である。

0056

また、図29に示す第4の実施形態の変形例のように、後部に環状突部211を具備しかつ円筒面112より小径の1群レンズ210(自身の光軸を中心とする回転対称形状である)を樹脂製レンズ枠110に挿入し、環状突部211の後端面212を2群レンズ120の環状当接面122に当接させ、かつレンズ押さえ枠135の環状当接面136の内周側縁部を1群レンズ210の前面である曲面に接触することにより、1群レンズ210及び2群レンズ120をレンズ押さえ枠135で押さえてもよい。
同様に、図30に示す第6の実施形態の変形例のように、後部に環状突部221を具備しかつ円筒面151より小径の1群レンズ220(自身の光軸を中心とする回転対称形状である)を樹脂製レンズ枠150に挿入し、環状突部221の後端面212を2群レンズ120の環状当接面122に当接させ、かつレンズ押さえ枠165の環状当接面166の内周側縁部を1群レンズ220の前面である曲面に接触することにより、1群レンズ220及び2群レンズ120をレンズ押さえ枠165で押さえてもよい。

0057

また、第4から第12の実施形態ではレンズ120、130を2つ並べたが、調芯を行う1つのレンズのみを樹脂製レンズ枠110や樹脂製レンズ枠150に支持したり、3つ以上のレンズ(調芯を行うレンズは一つでも複数でもよい)を樹脂製レンズ枠110や樹脂製レンズ枠150に支持して実施してもよい。
さらに各照射孔155、156、182は3つとしたが、1つであっても3つ以外の複数であってもよい。さらに、調整用貫通孔116、調整用貫通孔119、調整用貫通孔157、調整用貫通孔168、照射孔182、透光部Bの数も3つには限定されない。
また、レンズ押さえ枠(例えばレンズ押さえ枠125)の前面に当接面を形成し、樹脂製レンズ枠の内周面に突設した環状突部(図示略)の後面に当接受光面を形成し、樹脂製レンズ枠から撮像素子支持板117を取り外した状態で樹脂製レンズ枠の直後にレーザ光源140を配設し(図14の状態と前後逆向きにする)、該レーザ光源140の前面から前方に向けてレーザ光LRを照射して、この環状突部の当接受光面とレンズ押さえ枠の前面の当接面をレーザ溶着してもよい。
さらに、第8から第11の実施形態ではレンズ押さえ枠125及びレンズ押さえ枠160の前後両面に遮光部材180、遮光部材181、遮光部材190、遮光部材191を設けた(あるいはシボ面を形成した)、レンズ押さえ枠125及びレンズ押さえ枠160の前面と後面の一方のみに遮光部材180、遮光部材181、遮光部材190、遮光部材191を設けて(あるいはシボ面を形成して)もよい。
なお、第4から第12の実施形態においても、操作者は、レーザ光の波長を調整することによって、樹脂製レンズ枠を透過し、レンズ押さえ枠に吸収されるようなレーザ光を設定することができる。このようにレーザ光を設定すると、樹脂製レンズ枠に照射孔を形成することなく、またレーザ光の照射方向に関係なく、レンズ押さえ枠と樹脂製レンズ枠を溶着させることができる。
また、第4から第12の実施形態においても、レーザ光源140、170をLDレーザまたはCO2レーザを発射する光源として実施してもよい。

図面の簡単な説明

0058

本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第1の実施形態を説明するためのレンズ枠及びレンズの縦断側面図である。
レンズ枠及びレンズの正面図である。
図1のIII−III線に沿う断面図である。
本発明の第2の実施形態の図1と同様の縦断側面図である。
図4のレンズ及びレンズ枠の要部の拡大縦断図である。
第2の実施形態の変形例の図5と同様の拡大縦断図である。
第2の実施形態の別の変形例の図5と同様の拡大縦断図である。
図7のVIII矢線方向に見た正面図である。
遮光部材を設けた変形例の図1と同様の縦断側面図である。
遮光部材の正面図である。
レンズに遮光部(シボ部)を形成した変形例の正面図である。
本発明の第3の実施形態の図1と同様の縦断側面図である。
図12のレンズ及びレンズ枠の要部の拡大縦断図である。
本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第4の実施形態を説明するためのレンズ枠、レンズ及びレンズ押さえ枠の縦断側面図である。
図14のXV−XV線に沿う断面図である。
本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第5の実施形態の図14と同様の縦断側面図である。
図16のXVII−XVII線に沿う断面図である。
本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第6の実施形態の図14と同様の縦断側面図である。
本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第7の実施形態の図14と同様の縦断側面図である。
本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第8の実施形態の図14と同様の縦断側面図である。
図20のXXI−XXI線に沿う断面図である。
遮光部材の正面図である。
本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第9の実施形態の図14と同様の縦断側面図である。
本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第10の実施形態の図14と同様の縦断側面図である。
本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第11の実施形態の図14と同様の縦断側面図である。
レンズ押さえ枠の変形例の正面図である。
本発明によるレンズの調芯及び固定方法の第12の実施形態の図14と同様の縦断側面図である。
図27のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。
本発明の第4の実施形態の変形例の図14と同様の縦断側面図である。
本発明の第6の実施形態の変形例の図14と同様の縦断側面図である。

符号の説明

0059

10樹脂製レンズ枠
11 環状突部
12 1群用嵌合部
13 2群用嵌合部
14後端嵌合部
15 当接受光面(当接受光部)
16調整用貫通孔
17照射孔
18レーザ光源
19 被照射部(当接受光部)
20 2群レンズ
30 1群レンズ
30Aシボ部(遮光部)
30B透光部
31 環状当接面(当接部)
38調整用治具
40 レーザ光源
50 樹脂製レンズ枠
51環状曲面(当接受光部)
52円形接触部(当接受光部)
53曲面状突部(当接受光部)
60 1群レンズ
61 後面(当接部)
70 1群レンズ
71コバ面(当接部)(当接部)
80 81遮光部材(遮光部)
82 照射孔(透光部)
110 樹脂製レンズ枠
111 112円筒面
113 当接面
114 115 当接受光面
116 調整用貫通孔
117撮像素子支持板
118撮像素子
119 調整用貫通孔
120 2群レンズ
121 122 環状当接面
125レンズ押さえ枠
126 127 環状当接面(当接面)
130 1群レンズ
131 環状当接面
135 レンズ押さえ枠
136 37 環状当接面(当接面)
138 139 調整用治具
140 レーザ光源
150 樹脂製レンズ枠
151 円筒面
152 支持用環状面
153 154 当接受光面
155 156 照射孔
157 調整用貫通孔
158 159 被照射部
160 レンズ押さえ枠
161 環状当接面
162 環状当接受光面
165 レンズ押さえ枠
166 環状当接面
168 調整用貫通孔
170 レーザ光源
180 181 遮光部材
182 照射孔(透光部)
190 191 遮光部材
200保持用筒部材
201最大径部
202 中間径部
203 204雌ねじ孔
206 208調整用ボルト(調整用治具)
207 209 頭部
210 220 1群レンズ
211 221 環状突部
212 222 後端面
B 透光部
LRYAGレーザ光(レーザー光)

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