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技術 圧縮着火内燃機関の燃料噴射システム

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 小山崇佐藤康夫伊藤寿記堀越修大木久藤原清山田貴文小倉靖司
出願日 2007年4月27日 (13年7ヶ月経過) 出願番号 2007-118498
公開日 2008年11月13日 (12年1ヶ月経過) 公開番号 2008-274829
状態 未査定
技術分野 内燃機関燃焼法 内燃機関に供給する空気・燃料の電気的制御 内燃機関の複合的制御
主要キーワード 冷炎反応 所定水温 一燃焼サイクル 回転速度ω 低温始動 所定圧力 副燃料噴射 圧縮着火内燃機関
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年11月13日)のものです。
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図面 (7)

課題

圧縮着火内燃機関において、燃料着火性を向上させることを目的とする。

解決手段

内燃機関気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、気筒内にスワールを発生させるスワール発生手段と、を備え、燃料噴射弁によって主燃料噴射と共に該主燃料噴射よりも早い時期に複数回の副燃料噴射を実行する圧縮着火内燃機関の燃料噴射システムにおいて、大気圧が低いほど、内燃機関の冷却水温が低いほど、または、内燃機関の吸気温度が低いほど、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くする(S103、S104)。

概要

背景

圧縮着火内燃機関(以下、単に内燃機関と称する)においては、主燃料噴射よりも前の時期に副燃料噴射を複数回実行する場合がある。また、内燃機関の始動時において、冷却水温が低いほど副燃料噴射の実行回数を増加させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、内燃機関の始動時において、大気圧が低いほどコモンレール圧を低くする技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平6−129296号公報
特開2001−12277号公報
特開2001−82232号公報

概要

圧縮着火内燃機関において、燃料着火性を向上させることを目的とする。内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、気筒内にスワールを発生させるスワール発生手段と、を備え、燃料噴射弁によって主燃料噴射と共に該主燃料噴射よりも早い時期に複数回の副燃料噴射を実行する圧縮着火内燃機関の燃料噴射システムにおいて、大気圧が低いほど、内燃機関の冷却水温が低いほど、または、内燃機関の吸気温度が低いほど、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くする(S103、S104)。

目的

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、内燃機関において、燃料の着火性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

周方向に配置された複数の噴孔が先端部に形成されており各噴孔から内燃機関気筒内に燃料直接噴射する燃料噴射弁と、前記気筒内にスワールを発生させるスワール発生手段と、を備え、前記燃料噴射弁によって主燃料噴射と共に該主燃料噴射よりも早い時期に複数回の副燃料噴射を実行する圧縮着火内燃機関燃料噴射システムであって、大気圧が低いほど、前記内燃機関の冷却水温が低いほど、または、前記内燃機関の吸気温度が低いほど、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くすることを特徴とする圧縮着火内燃機関の燃料噴射システム。

請求項2

前記気筒内のスワールの回転速度が所定速度以上の場合において、大気圧が所定圧力以下のとき、前記内燃機関の冷却水温が所定水温以下のとき、または、前記内燃機関の吸気温度が所定吸気温度以下のときは、副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧がスワールによって移動して次回の副燃料噴射時に他の噴孔から噴射された燃料の噴霧と重なるように各副燃料噴射間の間隔を制御し、且つ、最後の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧がスワールによって移動して主燃料噴射時に他の噴孔から噴射された燃料の噴霧と重なるように最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を制御することを特徴とする請求項1記載の圧縮着火内燃機関の燃料噴射システム。

技術分野

0001

本発明は圧縮着火内燃機関燃料噴射システムに関する。

背景技術

0002

圧縮着火内燃機関(以下、単に内燃機関と称する)においては、主燃料噴射よりも前の時期に副燃料噴射を複数回実行する場合がある。また、内燃機関の始動時において、冷却水温が低いほど副燃料噴射の実行回数を増加させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、内燃機関の始動時において、大気圧が低いほどコモンレール圧を低くする技術が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平6−129296号公報
特開2001−12277号公報
特開2001−82232号公報

発明が解決しようとする課題

0003

内燃機関においては、大気圧が低い場合、内燃機関の温度が低い場合、または、内燃機関の吸気温度が低い場合、気筒内に噴射された燃料着火し難い。そのため、排気中の未燃燃料成分が増加したり、失火が発生したりする虞がある。内燃機関の圧縮比が低くなるほど、このような問題が生じ易い。

0004

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、内燃機関において、燃料の着火性を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明に係る内燃機関の燃料噴射システムでは、気筒内にスワールが発生している場合において、該気筒内における燃料の着火性が低いほど、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くする。

0006

より詳しくは、本発明に係る圧縮着火内燃機関の燃料噴射システムは、
周方向に配置された複数の噴孔が先端部に形成されており各噴孔から内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁と、
前記気筒内にスワールを発生させるスワール発生手段と、を備え、
前記燃料噴射弁によって主燃料噴射と共に該主燃料噴射よりも早い時期に複数回の副燃料噴射を実行する圧縮着火内燃機関の燃料噴射システムであって、
大気圧が低いほど、前記内燃機関の冷却水温が低いほど、または、前記内燃機関の吸気温度が低いほど、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くすることを特徴とする。

0007

本発明においては、スワール発生手段によって気筒内にスワールが発生する。そして、燃料噴射弁の各噴孔から噴射された燃料の噴霧はスワールにより該スワールの回転方向に移動する。そのため、各副燃料噴射間の間隔が長いほど、n回目の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とn+1回目の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とが重なり難くなる。また、最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔が長いほど、最後の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧と主燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とが重なり難くなる。

0008

また、大気圧が低いほど、内燃機関の冷却水温が低いほど、または、内燃機関の吸気温
度が低いほど、気筒内に噴射された燃料は着火し難くなる。

0009

本発明によれば、気筒内に噴射された燃料が着火し難くいほど、n回目の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とn+1回目の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士がより重なり易くなる。また、気筒内に噴射された燃料が着火し難くいほど、最後の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧と主燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とがより重なり易くなる。燃料の噴霧が重なると気筒内に比較的空燃比の低い混合気局所的に形成される。また、本発明によれば、気筒内に噴射された燃料が着火し難くいほど、最初の副燃料噴射から主燃料噴射までの期間が短くなる。そのため、混合気の拡散が抑制される。

0010

従って、本発明によれば、大気圧が低い場合、内燃機関の温度が低い場合、または、内燃機関の吸気温度が低い場合における燃料の着火性を向上させることが出来る。

0011

本発明では、気筒内のスワールの回転速度が所定速度以上の場合において、大気圧が所定圧力以下のとき、内燃機関の冷却水温が所定水温以下のとき、または、内燃機関の吸気温度が所定温度以下のときは、副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧がスワールによって移動して次回の副燃料噴射時に他の噴孔から噴射された燃料の噴霧と重なるように各副燃料噴射間の間隔を制御してもよい。さらに、気筒内のスワールの回転速度が所定速度以上の場合において、大気圧が所定圧力以下のとき、内燃機関の冷却水温が所定水温以下のとき、または、内燃機関の吸気温度が所定温度以下のときは、最後の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧がスワールによって移動して主燃料噴射時に他の噴孔から噴射された燃料の噴霧と重なるように最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を制御してもよい。

0012

ここで、所定速度は、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を可及的に短くしても、n回目の副燃料噴射時とn+1回目の副燃料噴射時とにおいて同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士が重なり、また、最後の副燃料噴射時と主燃料噴射時とにおいて同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士が重なるようにすることは困難と判断出来る閾値である。また、所定圧力および所定水温、所定吸気温度は、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を予め定められた基準の間隔とすると、気筒内に噴射された燃料が着火し難いと判断出来る閾値としてもよい。

0013

一の噴孔から噴射された燃料の噴霧と他の噴孔から噴射された燃料の噴霧とが重なった場合も、一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士が重なった場合と同様、気筒内に比較的空燃比の低い混合気が局所的に形成される。従って、上記によれば、気筒内のスワールの回転速度が高いときであっても、大気圧が低い場合、内燃機関の温度が低い場合、または、内燃機関の吸気温度が低い場合における燃料の着火性を向上させることが出来る。

発明の効果

0014

本発明によれば、大気圧が低い場合、内燃機関の温度が低い場合、または、内燃機関の吸気温度が低い場合における燃料の着火性を向上させることが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0015

以下、本発明に係る圧縮着火内燃機関の燃料噴射システムの具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。

0016

<実施例1>
<内燃機関とのその吸排気系概略構成
図1は、本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成を示す図である。内燃機関1は車両駆動用の圧縮着火内燃機関である。尚、本実施例に係る内燃機関1は圧縮比が比較的低い値(例えば、ε=14)に設定されている。

0017

内燃機関1の気筒2内にはピストン3が摺動自在に設けられている。また、気筒2には該気筒2内上部の燃焼室に燃料(軽油)を直接噴射する燃料噴射弁10が設けられている。図2は、燃料噴射弁10の先端部の概略構成を示す図である。図2に示すように、燃料噴射弁10の先端部には、周方向に等間隔に並んで配置された複数の噴孔10aが形成されている。燃料噴射実行時には各噴孔10aから燃料が噴射される。

0018

気筒2の燃焼室には、2つの吸気ポート4a、4bと2つの排気ポート5a、5bとが接続されている。図3は、吸気ポート4a、4bと排気ポート5a、5bとの概略構成を示す図である。図3に示すように、一方の吸気ポート4aは気筒2内にスワールを生じさせるためにヘリカルポートとなっており、他方の吸気ポート4bはストレートポートとなっている。そして、吸気ポート4bにスワールコントロールバルブ(SCV)11が設けられている。吸気ポート4a、4bがこのように構成されていることにより、気筒2内に該気筒2の中心軸を中心として旋回するスワールが生じる。本実施例においては、吸気ポート4a、4bおよびSCV11が、本発明に係るスワール発生手段に相当する。

0019

吸気ポート4a、4bおよび排気ポート5a、5bの燃焼室への開口部は、それぞれ吸気弁6および排気弁7によって開閉される。吸気ポート4a、4bおよび排気ポート5a、5bは、それぞれ吸気通路8および排気通路9に接続されている。

0020

内燃機関1には、冷却水温を検出する冷却水温センサ12および吸気温度を検出する吸気温度センサ13、クランク角を検出するクランクポジションセンサ14が設けられている。また、内燃機関1を搭載した車両には大気圧を検出する大気圧センサ15が設けられている。

0021

以上述べたように構成された内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。ECU20には、冷却水温センサ12および吸気温度センサ13、クランクポジションセンサ14、大気圧センサ15が電気的に接続されている。これらの出力値がECU20に入力される。ECU20はクランクポジションセンサ14の検出値に基づいて内燃機関1の機関回転数を算出する。

0022

また、ECU20には、燃料噴射弁10およびSCV11が電気的に接続されている。ECU20によってこれらが制御される。ECU20は、内燃機関1の運転状態に基づいてSCV11の開度を制御し、それによって気筒2内に生じるスワールのスワール比を制御する。

0023

燃料噴射制御
本実施例においては、燃料噴射弁10によって主燃料噴射と共に該主燃料噴射よりも早い時期に副燃料噴射が複数回行われる。主燃料噴射は圧縮行程上死点近傍の時期に実行され、副燃料噴射は圧縮行程中に行われる。副燃料噴射が実行されると、該副燃料噴射によって噴射された燃料の冷炎反応によって気筒2内の温度が上昇すると共に気筒2内に火種が生じる。そのため、主燃料噴射が実行されたときの燃料の着火性が向上する。尚、一燃焼サイクル中における副燃料噴射の実行回数は、予め定められた一定の回数でもよく、内燃機関1の運転状態等に応じて変更してもよい。

0024

次に、各副燃料噴射間の間隔(即ち、n回目の副燃料噴射とn+1回目の副燃料噴射と
の間の間隔)及び最後の副燃料噴射(即ち、主燃料噴射の実行タイミングに最も近いタイ
ミングで実行される副燃料噴射)と主燃料噴射との間の間隔について図4に基づいて説明する。図4は、燃料噴射弁10の各噴孔10aから噴射された燃料の噴霧の状態を示す図である。図4において、実線は燃料噴射弁10から燃料が噴射された時点の燃料の噴霧を表しており、破線は燃料噴射弁10から燃料が噴射された時点からある期間が経過した時点の燃料の噴霧を表している。また、図4において、矢印は気筒2内のスワールの回転方向を表している。

0025

上述したように、気筒2内においては該気筒2の中心軸を中心として旋回するスワールが生じている。そのため、図4に示すように、燃料噴射弁10の各噴孔10aから噴射された燃料の噴霧は、スワールによって該スワールの回転方向に移動する。

0026

各副燃料噴射間の間隔が長くなるほど、n回目の副燃料噴射時に噴射された燃料の噴霧がn+1回目の副燃料噴射が実行されるまでにスワールによって移動する距離は長くなる。その結果、n回目の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とn+1回目の副燃料噴射時に同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とが重なり難くなる。換言すれば、各副燃料噴射間の間隔が短くなるほど、n回目の副燃料噴射時にある一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とn+1回目の副燃料噴射時に同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とが重なり易くなる。

0027

同様に、最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔が短くなるほど、最後の副燃料噴射時にある一の噴孔から噴射された燃料の噴霧と主燃料噴射時に同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とが重なり易くなる。

0028

内燃機関1の低温始動時等のように内燃機関1の温度が低い場合、気筒2内に噴射された燃料は着火し難い。そこで、本実施例においては、内燃機関1の冷却水温が低いほど、各副燃料噴射間の間隔及び最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くする。

0029

これによれば、内燃機関1の冷却水温が低いほど、n回目の副燃料噴射時にある一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とn+1回目の副燃料噴射時に同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とが重なり易くなり、最後の副燃料噴射時にある一の噴孔から噴射された燃料の噴霧と主燃料噴射時に同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧とが重なり易くなる。このように、各燃料噴射時に同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士が重なると、気筒2内に比較的空燃比の低い混合気が局所的に形成される。

0030

さらに、各副燃料噴射間の間隔及び最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔が短いほど、最初の副燃料噴射から主燃料噴射までの期間は短くなる。その結果、混合気の拡散が抑制される。

0031

従って、本実施例によれば、内燃機関の温度が低い場合における燃料の着火性を向上させることが出来る。

0032

尚、一般に、各副燃料噴射間の間隔及び最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くするとスモーク発生量が増加する虞がある。しかしながら、内燃機関の冷却水温が低いほど、着火遅れ期間が長くなるためにスモークの発生量は減少する傾向にある。従って、本実施例のように、内燃機関1の冷却水温が低いほど、各副燃料噴射間の間隔及び最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くする場合は、スモークの発生量の増加を抑制することが可能である。

0033

ここで、本実施例に係る燃料噴射制御のルーチンについて、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。本ルーチンは、ECU20に予め記憶されており、内燃機関1の運
転中、所定の間隔で繰り返し実行される。

0034

本ルーチンでは、ECU20は、先ずS101において、内燃機関1の冷却水温Tewを読み込む。

0035

次に、ECU20は、S102に進み、気筒2内のスワールの回転速度ωsを算出する。スワールの回転速度ωsは、吸気ポート4a、4bの形状およびSCV11の開度によって定められるスワール比および内燃機関1の機関回転数に基づいて算出することが出来る。

0036

次に、ECU20は、S103に進み、各副燃料噴射間の間隔Δtssを、内燃機関1の冷却水温Tewおよびスワールの回転速度ωsに基づいて定められる期間Δtss1に設定する。内燃機関1の冷却水温Tewおよびスワールの回転速度ωsと期間Δtss1との関係は予め定められておりマップとしてECU20に記憶されている。このマップにおいて、期間Δtss1は、内燃機関1の冷却水温Tewが低いほど、また、スワールの回転速度ωsが高いほど、短くなっている。

0037

次に、ECU20は、S104に進み、最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔Δtsmを、内燃機関1の冷却水温Tewおよびスワールの回転速度ωsに基づいて定められる期間Δtsm1に設定する。内燃機関1の冷却水温Tewおよびスワールの回転速度ωsと期間Δtsm1との関係は予め定められておりマップとしてECU20に記憶されている。このマップにおいて、期間Δtsm1は、内燃機関1の冷却水温Tewが低いほど、また、スワールの回転速度ωsが高いほど、短くなっている。

0038

次に、ECU20は、S105に進み、複数回の副燃料噴射および主燃料噴射を実行する。

0039

尚、内燃機関1を搭載した車両が高地走行しているときのように大気圧が低い場合や、気温が低いために内燃機関1の吸気温度が低い場合も、内燃機関1の温度が低い場合と同様、気筒2内に噴射された燃料は着火し難い。そこで、本実施例においては、大気圧が低いほど、または、内燃機関1の吸気温度が低いほど、各副燃料噴射間の間隔及び最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くしてもよい。

0040

これによれば、大気圧が低い場合または内燃機関1の吸気温度が低い場合における燃料の着火性を向上させることが出来る。

0041

<実施例2>
本実施例に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成は実施例1と同様である。また、本実施例においても、実施例1と同様、燃料噴射弁10によって一燃焼サイクル中に主燃料噴射および複数回の副燃料噴射が実行される。

0042

<燃料噴射制御>
ここで、本実施例に係る燃料噴射制御について説明する。燃料噴射弁10による各燃料噴射間の間隔の最小値は燃料噴射弁10の性能によって規制される。そのため、気筒2内のスワールの回転速度が高くなると、n回目の副燃料噴射時とn+1回目の副燃料噴射時とにおいて同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士が重なるほど各副燃料噴射間の間隔を短くすることが困難となる場合がある。同様に、気筒2内のスワールの回転速度が高くなると、最後の副燃料噴射時と主燃料噴射時とにおいて同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士が重なるほど最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を短くすることが困難となる場合がある。

0043

また、燃料噴射弁10の一の噴孔から噴射された燃料の噴霧がスワールによって移動すると、ある期間が経過したときに、その噴霧が一の噴孔の隣に配置された他の噴孔から噴射された燃料の噴霧が形成される位置に到達する。

0044

そこで、本実施例では、気筒2内のスワールの回転速度が所定速度以上の場合において、内燃機関1の冷却水温が所定水温以下のときは、n回目の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧がスワールによって移動してn+1回目の副燃料噴射時に一の噴孔の隣に配置された他の噴孔から噴射された燃料の噴霧と重なるように各副燃料噴射間の間隔を制御する。さらに、気筒2内のスワールの回転速度が所定速度以上の場合において、内燃機関1の冷却水温が所定水温以下のときは、最後の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧がスワールによって移動して主燃料噴射時に一の噴孔の隣に配置された他の噴孔から噴射された燃料の噴霧と重なるように最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を制御する。

0045

ここで、所定速度は、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を可及的に短くしても、n回目の副燃料噴射時とn+1回目の副燃料噴射時とにおいて同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士が重なり、また、最後の副燃料噴射時と主燃料噴射時とにおいて同一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士が重なるようにすることは困難と判断出来る閾値である。

0046

また、所定水温は、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を予め定められた基準の間隔とすると、気筒2内に噴射された燃料が着火し難いと判断出来る閾値である。

0047

一の噴孔から噴射された燃料の噴霧と該一の噴孔の隣に配置された他の噴孔から噴射された燃料の噴霧とが重なった場合も、一の噴孔から噴射された燃料の噴霧同士が重なった場合と同様、気筒2内に比較的空燃比の低い混合気が局所的に形成される。従って、本実施例によれば、気筒2内のスワールの回転速度が高いときであっても、内燃機関1の温度が低い場合における燃料の着火性を向上させることが出来る。

0048

ここで、本実施例に係る燃料噴射制御のルーチンについて、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。本ルーチンは、ECU20に予め記憶されており、内燃機関1の運転中、所定の間隔で繰り返し実行される。尚、本ルーチンは、図5に示すルーチンにS201からS205を追加したものである。そのため、S101からS105についての説明は省略し、S201からS205についてのみ説明する。

0049

本ルーチンでは、ECU20は、S102の次にS201に進む。S201において、ECU20は、スワールの回転速度ωsが所定速度ω0以上である否かを判別する。S102において、肯定判定された場合、ECU20はS202に進み、否定判定された場合、ECU20はS103に進む。

0050

S202において、ECU20は、内燃機関1の冷却水温Tewが所定水温T0以下であるか否かを判別する。S202において、肯定判定された場合、ECU20はS203に進み、否定判定された場合、ECU20はS205に進む。

0051

S203に進んだECU20は、各副燃料噴射間の間隔Δtssおよび最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔Δtsmを期間Δtαに設定する。期間Δtαは、n回目の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧がスワールによって移動してn+1回目の副燃料噴射時に一の噴孔の隣に配置された他の噴孔から噴射された燃料の噴霧と重な
り、最後の副燃料噴射時に一の噴孔から噴射された燃料の噴霧がスワールによって移動して主燃料噴射時に一の噴孔の隣に配置された他の噴孔から噴射された燃料の噴霧と重なるような期間である。このような期間Δtαは、スワールの回転速度ωs、および、燃料噴射弁10における各噴孔間の弧の中心角に基づいて算出することが出来る。その後、ECU20はS105に進む。

0052

一方、S204に進んだECU20は、各副燃料噴射間の間隔Δtssを予め定められた基準の間隔である期間Δtss0に設定する。期間Δtss0は内燃機関1の運転状態に基づいて定められる期間でもよい。

0053

次に、S205に進んだECU20は、最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔Δtsmを予め定められた基準の間隔である期間Δtsm0に設定する。期間Δtsm0は内燃機関1の運転状態に基づいて定められる期間でもよい。その後、ECU20はS105に進む。

0054

尚、本実施例では、気筒2内のスワールの回転速度ωsが所定速度ω0以上の場合において、大気圧が所定圧力以下のとき、または、内燃機関1の吸気温度が所定吸気温度以下のときに、各副燃料噴射間の間隔Δtssおよび最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔Δtsmを期間Δtαに設定してもよい。

0055

この場合、所定圧力または所定吸気温度が、各副燃料噴射間の間隔および最後の副燃料噴射と主燃料噴射との間の間隔を予め定められた基準の間隔とすると、気筒2内に噴射された燃料が着火し難いと判断出来る閾値である。

0056

これによれば、気筒2内のスワールの回転速度が高いときであっても、大気圧が低い場合または内燃機関1の吸気温度が低い場合における燃料の着火性を向上させることが出来る。

0057

また、本実施例においては、期間Δtαを、一の噴孔から噴射された燃料の噴霧が、スワールによって移動することで、一の噴孔の隣に配置された他の噴孔から噴射された燃料の噴霧が形成される位置に到達するまでの期間とした。しかしながら、この場合の他の噴孔は一の噴孔の隣に配置された噴孔以外の噴孔であってもよい。つまり、期間Δtαは、一の噴孔から噴射された燃料の噴霧が、スワールによって移動することで、一の噴孔以外の噴孔から噴射された燃料の噴霧が形成される位置に到達するまでの期間であればよい。

0058

上記実施例1および2においては、吸気ポート4aをヘリカルポートとし吸気ポート4bをストレートポートとすると共に、吸気ポート4bにSCV11を設ける構成としたが、内燃機関1の構成は、気筒2内にスワールが発生する構成であればこのような構成に限定されるものではない。

図面の簡単な説明

0059

実施例1に係る内燃機関およびその吸排気系の概略構成を示す図。
実施例1に係る燃料噴射弁の先端部の概略構成を示す図。
実施例1に係る吸気ポートと排気ポートとの概略構成を示す図。
燃料噴射弁の各噴孔から噴射された燃料の噴霧の状態を示す図。
実施例1に係る燃料噴射制御のルーチンを示すフローチャート。
実施例2に係る燃料噴射制御のルーチンを示すフローチャート。

符号の説明

0060

1・・・内燃機関
2・・・気筒
4a、4b・・・吸気ポート
5a、5b・・・排気ポート
6・・・吸気弁
7・・・排気弁
10・・燃料噴射弁
10a・・噴孔
11・・スワールコントロールバルブ(SCV)
12・・冷却水温センサ
13・・吸気温度センサ
14・・クランクポジションセンサ
15・・大気圧センサ
20・・ECU

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