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技術 紙又はシート状基材の濃淡模様の定量的評価方法

出願人 独立行政法人国立印刷局
発明者 長田学
出願日 2007年4月19日 (10年7ヶ月経過) 出願番号 2007-109993
公開日 2008年11月6日 (9年1ヶ月経過) 公開番号 2008-271066
状態 未査定
技術分野 ファクシミリ一般 イメージ分析
主要キーワード 角度方向θ 局所エリア 主成分分析結果 直交射影 評価見本 ガボール関数 低次元化 線形回帰式

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図面 (8)

課題

官能評価結果に沿う表現可能な画像の特徴量を選択して用いることで、より官能評価との相関を高めることが可能な、濃淡模様が施された紙又はシート状基材定量的評価方法を提供する。

解決手段

複数の紙又はシート状基材に対し一対比較法による官能評価結果から平均嗜好度推定値算出し、算出した推定値から差分値を算出し、統計的画像処理を用いて画像特徴抽出した特徴量を新たな特徴量に変換を行い、平均嗜好度の推定値の差分値と、統計的画像処理から得られた特徴量からのユークリッド距離による相対値とから線回帰式を算出し、線形回帰式から平均嗜好度の推定値の差分値の予測値を算出し、平均嗜好度の推定値の差分値と平均嗜好度の推定値の差分値の予測値から相関係数を算出し、交差検定から平均相関係数を算出し、算出した平均相関係数により線形回帰式を決定し、濃淡模様を評価する。

背景

従来、紙又はシート状基材に施された濃淡模様評価する場合は、一般的に人間の感覚によって評価される官能評価によって行われていた。つまり、人間の目視による官能評価によって濃淡模様の評価がなされていた。

目視による官能評価を行う方法としては、評価者主観によって評価する方法と、評価者が限度見本評価見本となる基準濃淡模様とを比較して評価する方法があり、いずれの方法においても、異なる評価者によって評価に違いが生じ、同じ評価者でも再現よく評価することが難しいという問題があった。官能的に濃淡模様を評価する場合、人間の最も知的で鋭敏な感覚である視覚を用いて目視比較しているため、何を濃淡模様の中に見ているかは、評価者の主観によって結果が異なり、明確な数値による評価ではなく、官能評価に基づく定量的な評価結果に対する信頼性が低いという問題があった。

このような官能評価を行う方法では、正しい評価結果を得るためには、評価者にある程度の熟練が必要となり、ある一定の評価熟練度に至るまでには、時間がかかるという問題があった。

また、大量の紙又はシート状基材に施された濃淡模様を評価する場合には、評価者による官能評価では、時間がかかるという問題もあった。

目視検査と同等な結果が得られる手法として、紙じわの外観について、画像解析により求めた角二次モーメントコントラストなどのテクスチャ特徴量入力し、学習アルゴリズムであるニューラルネットワークによる定量的評価を行う方法がある。

また、画像データを二値又は多値の画像データに変換し、二値又は多値の画像データから、フラクタル次元算出した後、学習アルゴリズムから視覚特性を考慮して求めたフラクタル特徴量による定量的評価を行う方法があり、このフラクタル特徴量の算出は、学習アルゴリズムであるニューラルネットワークを用いて行われる。

パターンマッチング技術を利用したアルゴリズムで評価する場合は、評価対象画像取り込む際に、基材形状の変化や基材の回転等による変動要因により、評価結果に誤差が生じるという問題もあった。また、学習アルゴリズムを用いて評価した場合は、逐次的な学習や誤判定によるパラメータ調整修正作業等が必要であるという問題があった。

これらの問題点を解決するため、本発明者は紙又はシート状基材の濃淡画像に対する画素濃度から濃度ヒストグラム作成し、作成された濃度ヒストグラムを図形と認識し、図形と認識した濃度ヒストグラムの図形の重心座標を求め、この求めた重心座標をあらかじめ官能評価した紙又はシート状基材の濃淡画像の重心座標と比較することによって、官能評価と相関がある紙又はシート状基材の濃淡画像の定量的評価方法を提案した(例えば、特許文献1参照。)。

また、定量的評価に対して官能評価との相関を高めるため、紙又はシート状基材に施された濃淡画像に対して比較的厳密な官能評価を実施して、官能評価結果の数値化を行い、紙又はシート状基材に施された濃淡画像を透過光画像として取り込み、取り込んだ画像の局所エリア画像処理結果とを用いて統計的手法で数値化した評価による、紙又はシート状基材の濃淡画像の定量的評価方法を提案した(例えば、特許文献2参照。)。

特開2006−17591号公報
特開2006−254330号公報

概要

官能評価結果に沿う表現可能な画像の特徴量を選択して用いることで、より官能評価との相関を高めることが可能な、濃淡模様が施された紙又はシート状基材の定量的評価方法を提供する。複数の紙又はシート状基材に対し一対比較法による官能評価結果から平均嗜好度推定値を算出し、算出した推定値から差分値を算出し、統計的画像処理を用いて画像特徴抽出した特徴量を新たな特徴量に変換を行い、平均嗜好度の推定値の差分値と、統計的画像処理から得られた特徴量からのユークリッド距離による相対値とから線回帰式を算出し、線形回帰式から平均嗜好度の推定値の差分値の予測値を算出し、平均嗜好度の推定値の差分値と平均嗜好度の推定値の差分値の予測値から相関係数を算出し、交差検定から平均相関係数を算出し、算出した平均相関係数により線形回帰式を決定し、濃淡模様を評価する。

目的

本発明は、前述した問題を解決するため、統計的画像処理を用いたアルゴリズムを構築することで、紙又はシート状基材に施された濃淡模様の評価方法を提案するものであり、官能評価結果に沿う表現可能な画像の特徴量を選択して用いることで、より官能評価との相関を高めることが可能な紙又はシート状基材の濃淡模様の定量的評価方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

濃淡模様が施された紙又はシート状基材定量的評価方法であって、複数の前記紙又はシート状基材に施された濃淡模様に対し一対比較法による結果から平均嗜好度推定値算出し、前記算出した推定値から差分値を算出し、複数の前記紙又はシート状基材に施された濃淡模様に対し統計的画像処理から特徴量を抽出し、前記抽出した特徴量を用いてユークリッド距離による相対値を算出し、前記平均嗜好度の推定値の差分値と、前記ユークリッド距離による相対値とから線回帰式を算出し、前記線形回帰式から平均嗜好度の推定値の差分値の予測値を算出し、前記平均嗜好度の推定値の差分値と前記平均嗜好度の推定値の差分値の予測値から相関係数を算出し複数の前記相係数から平均相関係数を算出することにより、濃淡模様を評価することを特徴とする紙又はシート状基材の定量的評価方法。

請求項2

前記統計的画像処理による特徴抽出は、ガボール関数を用いる濃淡模様のエッジ抽出であることを特徴とする請求項1に記載の紙又はシート状基材の定量的評価方法。

請求項3

前記統計的画像処理は、前記濃淡模様のエッジ成分を特徴抽出し、前記特徴抽出から得られた特徴量を用いて主成分分析を行い、累積寄与率に従って求める主成分までの固有ベクトルを用いて直交射影行列を算出し、前記算出した直交射影行列と前記特徴量とを用いて部分空間射影して得られる特徴選択された特徴量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の紙又はシート状基材の定量的評価方法。

請求項4

濃淡模様が施された紙又はシート状基材の定量的評価方法であって、官能評価からの平均嗜好度の推定値の差分値である従属変数と、統計的画像処理からの特徴量を用いたユークリッド距離による相対値である独立変数と、からなる学習用データを用いて線形回帰式を算出し、テスト用データである相対値を前記線形回帰式に代入して平均嗜好度の推定値の差分値の予測値を算出し、前記平均嗜好度の推定値の差分値と前記平均嗜好度の推定値の差分値の予測値との相関係数を算出し、交差検定から平均相関係数を算出し、前記線形回帰式を決定することにより濃淡模様を評価することを特徴とする紙又はシート状基材の定量的評価方法。

技術分野

0001

本発明は、紙又はシート状基材に施された濃淡模様定量的評価方法に関するものであり、特に、濃淡模様が施された紙又はシート状基材を、官能評価相関がある統計的画像処理を用いた定量的評価方法に関する。

背景技術

0002

従来、紙又はシート状基材に施された濃淡模様を評価する場合は、一般的に人間の感覚によって評価される官能評価によって行われていた。つまり、人間の目視による官能評価によって濃淡模様の評価がなされていた。

0003

目視による官能評価を行う方法としては、評価者主観によって評価する方法と、評価者が限度見本評価見本となる基準濃淡模様とを比較して評価する方法があり、いずれの方法においても、異なる評価者によって評価に違いが生じ、同じ評価者でも再現よく評価することが難しいという問題があった。官能的に濃淡模様を評価する場合、人間の最も知的で鋭敏な感覚である視覚を用いて目視比較しているため、何を濃淡模様の中に見ているかは、評価者の主観によって結果が異なり、明確な数値による評価ではなく、官能評価に基づく定量的な評価結果に対する信頼性が低いという問題があった。

0004

このような官能評価を行う方法では、正しい評価結果を得るためには、評価者にある程度の熟練が必要となり、ある一定の評価熟練度に至るまでには、時間がかかるという問題があった。

0005

また、大量の紙又はシート状基材に施された濃淡模様を評価する場合には、評価者による官能評価では、時間がかかるという問題もあった。

0006

目視検査と同等な結果が得られる手法として、紙じわの外観について、画像解析により求めた角二次モーメントコントラストなどのテクスチャ特徴量入力し、学習アルゴリズムであるニューラルネットワークによる定量的評価を行う方法がある。

0007

また、画像データを二値又は多値の画像データに変換し、二値又は多値の画像データから、フラクタル次元算出した後、学習アルゴリズムから視覚特性を考慮して求めたフラクタル特徴量による定量的評価を行う方法があり、このフラクタル特徴量の算出は、学習アルゴリズムであるニューラルネットワークを用いて行われる。

0008

パターンマッチング技術を利用したアルゴリズムで評価する場合は、評価対象画像取り込む際に、基材形状の変化や基材の回転等による変動要因により、評価結果に誤差が生じるという問題もあった。また、学習アルゴリズムを用いて評価した場合は、逐次的な学習や誤判定によるパラメータ調整修正作業等が必要であるという問題があった。

0009

これらの問題点を解決するため、本発明者は紙又はシート状基材の濃淡画像に対する画素濃度から濃度ヒストグラム作成し、作成された濃度ヒストグラムを図形と認識し、図形と認識した濃度ヒストグラムの図形の重心座標を求め、この求めた重心座標をあらかじめ官能評価した紙又はシート状基材の濃淡画像の重心座標と比較することによって、官能評価と相関がある紙又はシート状基材の濃淡画像の定量的評価方法を提案した(例えば、特許文献1参照。)。

0010

また、定量的評価に対して官能評価との相関を高めるため、紙又はシート状基材に施された濃淡画像に対して比較的厳密な官能評価を実施して、官能評価結果の数値化を行い、紙又はシート状基材に施された濃淡画像を透過光画像として取り込み、取り込んだ画像の局所エリア画像処理結果とを用いて統計的手法で数値化した評価による、紙又はシート状基材の濃淡画像の定量的評価方法を提案した(例えば、特許文献2参照。)。

0011

特開2006−17591号公報
特開2006−254330号公報

発明が解決しようとする課題

0012

一般的な学習アルゴリズムの場合、学習には繰り返し計算が必要であるとともに、多次元の特徴量が多数必要となるため膨大な計算時間を要し、また、精度上の問題として、任意画像である学習していないカテゴリに属する特徴量を有する画像を認識させると、学習したカテゴリのどれかであると誤判定出力する場合がしばしば存在し、任意画像の特徴量の追加による学習及びパラメータの調整が必要となる。

0013

特許文献1は、紙又はシート状基材に施された濃淡画像に対して重心法を用いた評価法であり、特許文献2は局所エリアの画像処理結果を用いた統計的手法による評価法であり、それぞれの評価法で官能評価との一定の相関を見出している。

0014

本発明は、前述した問題を解決するため、統計的画像処理を用いたアルゴリズムを構築することで、紙又はシート状基材に施された濃淡模様の評価方法を提案するものであり、官能評価結果に沿う表現可能な画像の特徴量を選択して用いることで、より官能評価との相関を高めることが可能な紙又はシート状基材の濃淡模様の定量的評価方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

本発明の紙又はシート状基材の定量的評価方法は、濃淡模様が施された紙又はシート状基材の定量的評価方法であって、複数の紙又はシート状基材に施された濃淡模様に対し一対比較法による結果から、平均嗜好度における推定値を算出し、平均嗜好度における推定値から、平均嗜好度における推定値の差分値を算出し、複数の紙又はシート状基材に施された濃淡模様に対し統計的画像処理から特徴量を抽出し、平均嗜好度における推定値の差分値と、統計的画像処理から得られた特徴量を用いてユークリッド距離による相対値とから線回帰式を算出し、線形回帰式から平均嗜好度における推定値の差分値の予測値を算出し、平均嗜好度における推定値の差分値と平均嗜好度における推定値の差分値の予測値から相関係数を算出し、複数の関係数から平均相関係数を算出することにより、濃淡模様を評価することを特徴としている。

0016

また、本発明の紙又はシート状基材の定量的評価方法における特徴抽出は、ガボール関数を用いる濃淡模様のエッジ抽出であることを特徴としている。

0017

また、本発明の紙又はシート状基材の定量的評価方法における統計的画像処理は、濃淡模様のエッジ成分を特徴抽出し、特徴抽出から得られた特徴量を用いて主成分分析を行い、累積寄与率に従って求める主成分までの固有ベクトルを用いて直交射影行列を算出し、算出した直交射影行列と特徴量を用いて部分空間射影して得られる特徴選択された特徴量を算出することを特徴とする。

0018

本発明の濃淡模様が施された紙又はシート状基材の定量的評価方法は、官能評価からの平均嗜好度における推定値の差分値である従属変数と、統計的画像処理からの特徴量を用いたユークリッド距離による相対値である独立変数からなる学習用データを用いて線形回帰式を算出し、テスト用データである相対値を、線形回帰式に代入して平均嗜好度における推定値の差分値の予測値を算出し、平均嗜好度における推定値の差分値と、平均嗜好度における推定値の差分値の予測値との相関係数を算出し、交差検定から平均相関係数を算出し、線形回帰式を決定することにより濃淡模様を評価することを特徴とする。

発明の効果

0019

本発明における紙又はシート状基材に施された濃淡模様の定量的評価方法によれば、統計的画像処理を用いたアルゴリズムを構築することができ、官能評価結果に沿う表現可能な画像の特徴量を選択して用いることで、より官能評価との相関を高めることが可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0020

以下に、本発明の実施の形態による紙又はシート状基材に施された濃淡模様の定量的評価方法について、図面を用いて説明する。本発明は以下に述べる実施のための最良の形態に限定されるものではなく、特許請求範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、他の種々の形態が実施可能である。
本実施の形態において、紙又はシート状基材に施される濃淡模様とは、紙の繊維により構成される、客観的評価が難しい対象物をいう。

0021

本実施の形態の紙又はシート状基材に施された濃淡模様の定量的評価方法においては、試料に対して、人による官能評価と統計的画像処理による評価とを行う。人による官能評価においては、一対比較法による官能評価結果を数値化する。また、統計的画像処理による評価においては、官能評価と相関を有するアルゴリズムの構築を行うことで、濃淡模様を画像として取り込み、官能評価結果に沿うように選択された画像の特徴量による数値結果とを用いて、線形回帰式を算出するものである。
未知試料の評価においては、あらかじめ決定された線形回帰式により予測値を算出し、その予測値を官能評価値とするもので、実際に官能評価を行う必要がない。

0022

本実施の形態の統計的画像処理による濃淡模様の特徴抽出手法としては、濃淡模様を透過光画像として取り込み、ガボール関数による濃淡画像のエッジ抽出手法を適用するものである。
脳の第一視野覚には、対象物のエッジ検出する神経細胞があることが知られており、ガボール関数は、視覚刺激に対する応答特性近似的に表現した関数である。ガボール変換画像は、原画像とガボール関数による畳み込み演算から得られる。ガボール関数は2次元ガウス曲面と2次元平面上を一方的に伝わる平面波とを掛け合わせたものである。

0023

透過光画像を対象にガボール関数を用いて、濃淡画像のエッジ成分を特徴抽出し、その特徴量を用いて統計的手法から官能評価結果に沿う表現可能な画像特徴を選択して、新たな特徴量を構成する。

0024

ガボール関数ψは、ガウス関数正弦関数及び余弦関数からなる関数であり、数1で表される。図1は、数1で定義されるガボール関数の概形であり、実空間でのガボールフィルタである。

0025

0026

ここで、(x0,y0)はガウス分布の中心位置、σはガウス分布の標準偏差、ωは正弦平面波の周波数、θは正弦平面波の方向角度及びρは平面波の位相変換である。

0027

原画像の特徴量に対して、ガボール関数(ガボールフィルタ)を畳み込む。即ち特徴量に対してガボールウェーブレット変換(Gabor・Wavelet・Transform)を実施する。この変換は、画像の特徴を際立たせるような変換処理である。ガボールウェーブレット変換画像οは、入力画像Iとガボール関数ψとの畳み込み演算で求まる。

0028

0029

統計的画像処理方法としては、紙又はシート状基材に施された濃淡模様を、複数の方向成分を有する形状と適合する成分について複数の方向ごとに抽出する。また、複数の周波数成分を有する形状と適合する成分を複数の周波数ごとに抽出する。特徴抽出した複数の特徴量を用いて主成分分析を施し、固有値、固有ベクトル及び寄与率を得る。主成分分析の結果に基づき、有意な特徴を選択することにより、特徴の次元圧縮が図られる。元空間から部分空間に射影するために、主成分分析結果である累積寄与率に従って、第m主成分までの固有ベクトルPiを用いて直交射影行列Eを導出する。

0030

0031

また、特徴空間で濃淡画像の固有な特徴を抽出し、他の濃淡画像との違いを評価するために、特徴抽出による特徴ベクトルを部分空間に正射影し、特徴ベクトルに対する射影ベクトルの差分から残差ベクトルを求める。ここで、試料番号i={1,2,…,k}、特徴ベクトルXi、直交射影行列E及び残差ベクトルRiである。

0032

0033

特徴空間に生成される複数の残差ベクトルに対して、二つの特徴の非類似度を求めるために相対評価する。そこで、二つの特徴の差異尺度で評価するため、ユークリッド距離を用いた相対値によって非類似度を定義する。ここで、二つの特徴は、ベクトルa、b及びユークリッド距離dである。なお、hはベクトルの次元数である。

0034

0035

例えば、一つの試料集団に対して学習とテストを実施する際、試料数が少ない場合の精度は、誤差の影響を受けることが想定されるため、交差検定を行う。交差検定はデータ集合に対してpブロックに分割し、(p‐1)ブロックを学習用データ、1ブロックをテスト用データとし、精度を求める。ブロックの入れ替えを繰り返し、p個の精度を求める。精度の総和に対する平均をモデル推定精度とする。精度Aiとし、推定精度EAは次のようになる。

0036

0037

さらに、精度を算出する方法としては、学習用データから最小二乗法を用いて線形回帰式を求める。導出した線形回帰式の独立変数に、テスト用データである相対値を代入して、従属変数である平均嗜好度における推定値の差分値の予測値を求める。テスト用データである平均嗜好度における推定値の差分値と平均嗜好度における推定値の差分値の予測値との相関係数が精度となる。

0038

図2は、本実施の形態による紙又はシート状基材に施された濃淡模様の定量的評価方法について、平均嗜好度における推定値の差分値の予測値を求める、線形回帰式の算出手段を示すフロー図である。

0039

まず、目視による官能評価を行う手順について説明する。複数の試料に対して複数の被験者が、各々一対比較を行う(ステップ1)。この一対比較は、紙の官能評価において実績があり、比較結果が数値で得られるシェッフェの方法(「中屋の変法ともいう」以降省略)により行う。

0040

次に、ステップ1の一対比較結果について、被験者一人を選んで、試料に対して一意に定まるか否か、即ち正しい判断がなされているか否かを検定するため、一意性の検定を実施する(ステップ2)。該検定は、被験者全員を対象とする。

0041

さらに、被験者全員の判断結果が、どの程度一致しているかを検定するため、一致性の検定を実施する(ステップ3)。この検定では、一意性の検定で問題となった被験者の評価は含まない。

0042

次に、一致性の検定に問題がなければ、被験者の判断については、有意性が明らかであるため、一対比較結果から平均嗜好度における推定値を求め、試料に対する官能評価結果の数値化を行う(ステップ4)。一致性の検定に問題があった場合は、被験者全員としての官能評価結果が有意でないことを示す。

0043

官能評価結果で数値が一番高い試料を基準となる試料と定め、他の試料との差分値を算出する(ステップ5)。

0044

次に、統計的画像処理による評価を行う手順について説明する。前述の試料について透過光画像を取り込み(ステップ6)、この取り込んだ透過光画像に対して、ガボール関数を用いた濃淡画像におけるエッジ成分の特徴抽出を行う(ステップ7)。

0045

次に、特徴抽出から得られた特徴量を用いて主成分分析を行う。累積寄与率に従って、求める主成分までの固有ベクトルを用いて、直交射影行列を求める(ステップ8)。
主成分分析は、高次元な特徴量を低次元に圧縮するものであり、損失する情報量を最小化する条件の下で、線形座標変換する手法である。
低次元化された情報量が、元の情報量をどの程度吸収しているかを示す指標として寄与率があり、累積寄与率をもって情報の損失を判断できる。

0046

次に、直交射影行列を用いて、特徴抽出から得られた特徴量を部分空間に正射影し、特徴ベクトルに対する射影ベクトルの差分から、残差ベクトルによる特徴量を求める(ステップ9)。

0047

次に、特徴空間に生成される残差ベクトルに対して、二つの特徴の非類似度を求めるために、距離測度であるユークリッド距離を用いた相対値を求める (ステップ10)。

0048

次に、官能評価による平均嗜好度における推定値の差分値と、統計的画像処理によるユークリッド距離による相対値とからなるデータ集合に対して、学習及びテストを実施する。学習用データを用いて線形回帰式を算出する。
テスト用データの相対値を線形回帰式に代入して、平均嗜好度における推定値の差分値の予測値を求める。テスト用データの平均嗜好度における推定値の差分値と平均嗜好度における推定値の差分値の予測値との相関係数を求める(ステップ11)。

0049

次に、ステップ11を繰り返す交差検定を行い(ステップ12)、平均相関係数を求める。

0050

前述のステップで、一定以上の相関に至れば、学習用データから算出した線形回帰式による定量的評価方法は、官能評価と相関があるものと言え、良好な結果が得られる線形回帰式を選択して決定する(ステップ13)。

0051

図3は、定量的評価方法による未知試料の平均嗜好度における推定値の差分値の予測値を算出するフロー図である。
未知試料の透過光画像を取り込み(ステップ14)、この取り込んだ透過光画像に対してガボール関数により濃淡画像の特徴抽出を行う(ステップ15)。特徴抽出から得られた特徴量と、あらかじめ導出した直交射影行列を用いて、部分空間に射影して残差ベクトルを求め(ステップ16)、基準となる試料の残差ベクトルと、未知試料における残差ベクトルから非類似度を表す相対値の算出を行い(ステップ17)、相対値をあらかじめ決定した線形回帰式の独立変数に代入して(ステップ18)、予測値を算出(ステップ19)すれば、予測値は、官能評価結果と相関があるものと言える。
このことから、評価者による官能評価を行わずに、官能評価と相関が得られる定量的評価が可能となる。

0052

(実施例)図4図7及び表1に、上記実施の形態における実施例を、紙又はシート状基材に施された濃淡模様の一例として、用紙に施された顔画像の濃淡模様を評価する方法を示す。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。

0053

試料としては、顔画像の濃淡模様が施された用紙を27枚で1セットとしたものを2セット用意する。
前述の試料を用いて、目視による官能評価である、一対比較を実施した。
2セットの試料のうち、一方のセットのVを除いたAからX、A1及びB1とした試料を標本1、他方のセットのvを除いたaからx、a1及びb1とした試料を標本2とした。
一対比較法は、シェッフェの方法を用いた。
判定は、模様鮮明度について、良い(+1)、同じ(0点)、悪い(−1点)の3段階評価である。
被験者は、評価する際の専門の知識や能力を持った10名の専門パネルである。

0054

官能評価した際に、被験者の判断のばらつきから、被験者の官能評価結果が有意であるかを検定するため、全被験者について一意性の検定を行った。この検定で不合格になった被験者の官能評価結果は、採用しないものとした。

0055

一意性の検定で問題とならなかった被験者の判断を対象として、被験者全員の判断がどの程度一致しているかを調べる一致性の検定を行った。この検定で、有意性が認められたため、被験者全員の一対比較結果の有意性が明らかになった。この検定で有意性が認められない場合は、被験者全員としての評価は有意でなく、次のステップで実施する平均嗜好度における推定値を算出しても意味がない。

0056

各試料の一対比較結果と、被験者数及び試料数から各試料の平均嗜好度における推定値を算出した。
図4に全被験者による試料の一対比較結果を示す。例えば、非評価側試料B1と評価側試料Cとで評価した場合、被験者全員は、試料Cが良いと答えている。合計点から試料Cは、一番評価が高い試料であることが分かる。

0057

各試料の平均嗜好度における推定値の算出方法は、各試料における全被験者の一対比較の合計点を、被験者数と試料数とで掛算した値で割算する。例えば、試料Aの一対比較の合計203点を、被験者10名と試料27枚とで掛算した値270で、割算すると0.75であり、この0.75が試料Aの平均嗜好度における推定値となる。このようにして全試料の平均嗜好度における推定値を算出した。

0058

図5は、各試料の平均嗜好度における推定値を数直線上に表したものである。
横軸の−1から1の範囲に、前述の平均嗜好度における推定値を用いて試料の官能評価結果を表すことができる。なお、標本1及び標本2を一つの標本として評価する。これは、あらかじめ54枚の試料から基準となる試料1枚を限定して定め、基準となる試料と他の試料との差分値を、平均嗜好度における推定値の差分値とするためである。

0059

次に、統計的画像処理による評価を行う。
被験者が濃淡模様を評価するとき、濃淡模様における細部の再現性を重視していることから、濃淡模様のエッジ成分を特徴抽出するために、ガボール関数を適用して、濃淡模様が有する方向成分及び周波数成分を特徴抽出する。

0060

次に、試料を透過光画像として取り込んだ、256×256画素の透過光画像に対し、ガボール関数を用いて、画像上の画素ごとに特徴抽出する。ガボール関数のパラメータはそれぞれ、マスクサイズを11×11画素、標準偏差σを2、正弦平面波の周波数ωを{0.5、1.0、1.5}、正弦平面波の角度方向θを{0、1/8、2/8、3/8、4/8、5/8、6/8、7/8}及び、平面波の位相変換ρを{0、1/2}とした。一つの画像から24次元の特徴を抽出した。特徴の次元数を増やすには、正弦平面波の周波数及び正弦平面波の角度方向のパラメータを増やすことで可能となる。

0061

24次元の特徴を持つ試料54枚を用いて主成分分析を行った。表1に第10主成分までの寄与率及び累積寄与率の結果を示す。

0062

0063

前述の実験により、良好な結果が得られた累積寄与率95%である、第7主成分までの固有ベクトルを用いて、部分空間に射影するための直交射影行列を求めた後、各画像の特徴ベクトルを用いて残差ベクトルを求める。256×256画素の画像サイズから一つの有効な特徴の抽出は困難であるため、画像を32×32画素の画像サイズに分割し、64個のブロックごとに残差ベクトルの平均値を算出した。
なお、一つのブロックは24次元の特徴を持つ。
官能評価が一番高い試料を基準となる試料と定め、他の試料との非類似度を評価するため、基準となる試料との相対値を求めた。これは、ブロックごとに算出した平均値を用いて、対応するブロックごとにユークリッド距離を求めて、その平均値を相対値とした。

0064

学習においては、平均嗜好度における推定値の差分値を従属変数、相対値を独立変数とし、最小二乗法から線形回帰式を導出した。テストでは、ガボール関数による24次元の特徴量を算出し、導出した直交射影行列を用いて部分空間に射影した。射影して得られる残差ベクトルの特徴量を用いて相対値を算出し、導出した線形回帰式の独立変数に相対値を代入し、平均嗜好度における推定値の差分値の予測値を算出した。図6に一例として、学習用データにおける相対値と平均嗜好度における推定値の差分値との散布図を示す。

0065

学習用データから算出した線形回帰式の一例を示す。

0066

0067

データ集合を6ブロックに分割し、5ブロックを学習、1ブロックをテストとする6分割交差検定を行った。学習用データから線形回帰式を算出し、算出した線形回帰式にテスト用データの相対値を代入して平均嗜好度における推定値の差分値の予測値を算出した。ブロックの入れ替えを合計6回繰り返し、ブロックごとの相関係数を算出した。六つの相関係数の平均値である平均相関係数は0.82であることから、相関が高い結果を得られた。

0068

図7に、官能評価から得られた平均嗜好度における推定値の差分値と統計的画像処理から得られた平均嗜好度における推定値の差分値の予測値との散布図を示す。

0069

前述の平均相関係数により、相関が高い結果であることから、線形回帰式による評価方法は、官能評価と相関が高い定量的評価方法であることが確認できた。

図面の簡単な説明

0070

ガボールフィルタの一例を表した図
本実施の形態による定量的評価方法における線形回帰式を算出するフロー図
未知試料の平均嗜好度における推定値の差分値の予測値を算出するフロー図
試料による一対比較の評価結果を示す図
試料の平均嗜好度における推定値を表した図
実施例の学習用データにおける相対値と平均嗜好度における推定値の差分値との散布図を示す図
官能評価から得られた平均嗜好度における推定値の差分値と統計的画像処理から得られた平均嗜好度における推定値の差分値の予測値との散布図を示す図

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