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技術 導電性材料の製造方法及び製造装置

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 岡崎賢太郎山崎高康
出願日 2008年2月8日 (12年10ヶ月経過) 出願番号 2008-029502
公開日 2008年11月6日 (12年1ヶ月経過) 公開番号 2008-266779
状態 特許登録済
技術分野 電場又は磁場に対する装置又は部品の遮蔽 化学的被覆 電解清浄、電解エッチング その他の表面処理 電気メッキ方法,物品
主要キーワード 単位材 通電処理装置 バッファー作用 元素組み合わせ 搬送支持ローラ 噴出部材 粗面仕上げ 通常使用条件
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年11月6日)のものです。
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図面 (9)

課題

金属銀部のめっき活性を高めることができ、高速のめっき処理が可能となる導電性材料の製造方法及び製造装置を提供する。

解決手段

透明支持体12上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルム露光して現像し、金属銀部16を形成する。その後、めっき物質を含まない電解液中で金属銀部16をカソードとして被めっき材料32を通電する。その後、通電後の被めっき材料32に対して無電解めっき処理を行って、金属銀部16のみに第1めっき層20を担持させる。その後、電気めっき処理を行って、第1めっき層20上に第2めっき層22を、第2めっき層22上に第3めっき層23を担持させる。

概要

背景

フラットパネルディスプレイFPD)はディスプレイの大型化、CRTからの買替需要等の要因でその市場は急速に拡大しており、フラットパネルディスプレイの製造能力は急ピッチで増強されている。それに伴い、FPDに使用される材料も生産能力の増強が要請され、特に透光性電磁波遮蔽材料生産性向上が望まれている。

電磁波遮蔽材料生産方式としては、銀塩乳剤層を有する感光フィルム露光現像し、その後、現像銀にめっき処理を施して導電性を付与する、あるいは導電性を高める技術が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この生産方式に対しても高速大量生産、特に、めっき反応の高速化についての要望が高まっている。

めっき反応の高速化の手段としては、無電解めっきの前処理として、活性化のための活性化液(Pd等の貴金属を含有する)に被めっき材料を浸漬したり、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤溶液に浸漬する化学的活性化処理方法が知られている。(特許文献4〜6)。

特開2004−221564号公報
特開2004−221565号公報
特開2006−12935号公報
特開2006−228836号公報
特開2006−228474号公報
特開2006−228480号公報

概要

金属銀部のめっき活性を高めることができ、高速のめっき処理が可能となる導電性材料の製造方法及び製造装置を提供する。透明支持体12上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像し、金属銀部16を形成する。その後、めっき物質を含まない電解液中で金属銀部16をカソードとして被めっき材料32を通電する。その後、通電後の被めっき材料32に対して無電解めっき処理を行って、金属銀部16のみに第1めっき層20を担持させる。その後、電気めっき処理を行って、第1めっき層20上に第2めっき層22を、第2めっき層22上に第3めっき層23を担持させる。

目的

本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、導電性金属部のめっき活性を高めることができ、めっきかぶりがなく、高速のめっき処理が可能となる導電性材料の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

導電性金属部を有する被めっき材料にめっき処理を施して導電層を形成する導電性材料の製造方法であって、前記めっき処理の前段に、実質的にめっき物質を含まない電解液中で前記導電性金属部をカソードとして前記被めっき材料を通電する通電工程を有することを特徴とする導電性材料の製造方法。

請求項2

支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルム露光して現像し、金属銀部を形成する金属銀部形成工程と、実質的にめっき物質を含まない電解液中で前記金属銀部をカソードとして通電する通電工程と、前記通電された金属銀部にめっき処理を施して導電層を形成するめっき工程と、を有することを特徴とする導電性材料の製造方法。

請求項3

請求項1又は2記載の導電性材料の製造方法において、前記電解液が、電解質及び溶媒を含むことを特徴とする導電性材料の製造方法。

請求項4

請求項3記載の導電性材料の製造方法において、前記電解質が、アルカリ金属塩アンモニウム塩過塩素酸塩及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする導電性材料の製造方法。

請求項5

請求項3記載の導電性材料の製造方法において、前記溶媒が、水及び/又は非水溶媒であることを特徴とする導電性材料の製造方法。

請求項6

請求項5記載の導電性材料の製造方法において、前記非水溶媒が、アミドピロリドン、二トリルケトン及びテトラヒドロフランからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする導電性材料の製造方法。

請求項7

請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性材料の製造方法において、前記めっき処理が、無電解めっき処理及び/又は電気めっき処理であることを特徴とする導電性材料の製造方法。

請求項8

請求項7記載の導電性材料の製造方法において、前記電気めっき処理が、電気銅めっき処理及び/又は電気黒化めっき処理であることを特徴とする導電性材料の製造方法。

請求項9

導電性金属部を有する被めっき材料にめっき処理を施して導電層を形成する導電性材料の製造装置であって、前記導電性金属部に接触して給電する給電ローラと、前記給電ローラより前記被めっき材料の搬送方向下流側に配置され、前記導電性金属部を電解液内で通電処理する通電処理槽とを備える通電処理装置と、前記通電処理装置の後段に配置され、前記導電性金属部にめっき処理するめっき処理槽を備えるめっき装置と、を有する導電性材料の製造装置。

請求項10

請求項9記載の導電性材料の製造装置において、前記給電ローラの水素過電圧が前記導電性金属部の水素過電圧より大きいことを特徴とする導電性材料の製造装置。

請求項11

請求項9又は10記載の導電性材料の製造装置において、前記めっき処理槽が、無電解めっき槽及び/又は電気めっき槽を有することを特徴とする導電性材料の製造装置。

請求項12

請求項9又は10記載の導電性材料の製造装置において、前記めっき処理槽が無電解めっき槽及び電気めっき槽を有し、前記被めっき材料の搬送方向下流側に向かって無電解めっき槽、電気めっき槽の順に配置されていることを特徴とする導電性材料の製造装置。

請求項13

請求項9又は10記載の導電性材料の製造装置において、前記めっき処理槽が無電解めっき槽、電気めっき槽及び電気黒化めっき槽を有し、前記被めっき材料の搬送方向下流側に向かって無電解めっき槽、電気銅めっき槽、電気黒化めっき槽の順に配置されていることを特徴とする導電性材料の製造装置。

技術分野

0001

本発明は、導電性材料の製造方法及び製造装置に関する。より詳細には、本発明に係る導電性材料は、CRT陰極線管)、PDPプラズマディスプレイパネル)、液晶、EL(エレクトロルミネッセンス)、FED(フィールドエミッションディスプレイ)等のディスプレイ電子レンジ電子機器プリント配線板等から発生する電磁波を遮蔽し、かつ、透光性を有するものである。

背景技術

0002

フラットパネルディスプレイFPD)はディスプレイの大型化、CRTからの買替需要等の要因でその市場は急速に拡大しており、フラットパネルディスプレイの製造能力は急ピッチで増強されている。それに伴い、FPDに使用される材料も生産能力の増強が要請され、特に透光性電磁波遮蔽材料生産性向上が望まれている。

0003

電磁波遮蔽材料生産方式としては、銀塩乳剤層を有する感光フィルム露光現像し、その後、現像銀にめっき処理を施して導電性を付与する、あるいは導電性を高める技術が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。この生産方式に対しても高速大量生産、特に、めっき反応の高速化についての要望が高まっている。

0004

めっき反応の高速化の手段としては、無電解めっきの前処理として、活性化のための活性化液(Pd等の貴金属を含有する)に被めっき材料を浸漬したり、水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤溶液に浸漬する化学的活性化処理方法が知られている。(特許文献4〜6)。

0005

特開2004−221564号公報
特開2004−221565号公報
特開2006−12935号公報
特開2006−228836号公報
特開2006−228474号公報
特開2006−228480号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、この貴金属溶液に浸漬する化学的活性化処理方法では、現像銀が存在しない部分や現像かぶりで生じた銀(導電性膜メッシュ型の透光性電磁波遮蔽材料では開口部分に相当)にも化学的活性化が行われるため、その部分にも余分なめっき膜が付着してしまい(以下、「めっきかぶり」と記載)、透光率下げる弊害があった。また、このめっきかぶりは活性化液の無電解めっきへの持込みや無電解めっき液中での活性核脱落によっても引き起こされるうえ、無電解めっき液の劣化にも繋がり問題であった。

0007

また、還元剤含有溶液浸漬法も現像かぶりで生じた銀に対しては同様のめっきかぶりを引き起こすこと、還元剤自体の酸化劣化、多量の水素発生等の問題があり、導電性材料の高速製造方式としては不適切であった。

0008

本発明は、かかる事情に鑑みなされたものであり、導電性金属部のめっき活性を高めることができ、めっきかぶりがなく、高速のめっき処理が可能となる導電性材料の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上述した課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。

0010

[1] 第1の本発明に係る導電性材料の製造方法は、導電性金属部(例えば、金属微粒子部)を有する被めっき材料にめっき処理を施して導電層を形成する導電性材料の製造方法であって、前記めっき処理の前段に、めっき物質を含まない電解液中で導電性金属部をカソードとして通電する通電工程を有することを特徴とする。

0011

この本発明に係る導電性材料の製造方法においては、めっき処理の前段で導電性金属部を通電処理することで、導電性金属部上に生成した酸化物又は硫化物等を除去し導電性金属の表面を活性化することができる。これにより、後段で行われるめっき処理では化学的活性化処理方法を用いずともめっき処理の速度を向上させることができ、さらにはめっきムラを抑制させることができる。従って、被めっき材料への高速のめっき処理が可能となり、均一な導電性材料の大量生産が可能となる。

0012

[2] また、第2の本発明に係る導電性材料の製造方法は、支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像し、金属銀部を形成する金属銀部形成工程と、実質的にめっき物質を含まない電解液中で前記金属銀部をカソードとして通電する通電工程と、前記通電された金属銀部にめっき処理を施して導電層を形成するめっき工程とを有することを特徴とする。

0013

この第2の本発明に係る導電性材料の製造方法においては、感光フィルムを用いて形成された金属銀部に通電することで、第1の本発明に係る製造方法と同様にめっき処理の速度を向上させることができ、めっきムラを抑制することができる。従って、被めっき材料への高速のめっき処理が可能となり、均一な導電性材料の大量生産が可能となる。

0014

さらに、上述した第1及び第2の本発明に係る導電性材料の製造方法においては、化学的活性化処理において生じていためっきかぶりは発生せず、その結果、透光率を下げることがなく、後段のめっき液の劣化も生じない。前述した還元剤含有液浸漬による化学的活性化処理では、還元剤の補充又は発生水素の除去等の必要があるが、本発明ではこれらを必要としないため、生産設備の簡略化、製造コストの低廉化を効率よく図ることができる。

0015

[3] [1]又は[2]において、前記電解液が、電解質及び溶媒を含むことを特徴とする。

0016

[4] [3]において、前記電解質が、アルカリ金属塩アンモニウム塩過塩素酸塩及びホウ酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。

0017

[5] [3]において、前記溶媒が、水及び/又は非水溶媒であることを特徴とする。

0018

[6] [5]において、前記非水溶媒が、アミドピロリドン、二トリルケトン及びテトラヒドロフランからなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。

0019

[7] [1]〜[6]のいずれかにおいて、前記めっき処理が、無電解めっき処理及び/又は電気めっき処理であることを特徴とする。

0020

[8] [7]において、前記電気めっき処理が、電気銅めっき及び/又は電気黒化めっき処理であることを特徴とする。

0021

[9] 第3の本発明に係る導電性材料の製造装置は、導電性金属部を有する被めっき材料にめっき処理を施して導電層を形成する導電性材料の製造装置であって、前記導電性金属部に接触して給電する給電ローラと、前記給電ローラより前記被めっき材料の搬送方向下流側に配置され、前記導電性金属部を電解液内で通電処理する通電処理槽とを備える通電処理装置と、前記通電処理装置の後段に配置され、前記導電性金属部にめっき処理するめっき処理槽を備えるめっき装置とを有することを特徴とする。

0022

[10] [9]において、前記給電ローラの水素過電圧が前記導電性金属部の水素過電圧より大きいことを特徴とする。

0023

[11] [9]又は[10]において、前記めっき処理槽が、無電解めっき槽及び/又は電気めっき槽を有することを特徴とする。

0024

[12] [9]又は[10]において、前記めっき処理槽が無電解めっき槽及び電気めっき槽を有し、前記被めっき材料の搬送方向下流側に向かって無電解めっき槽、電気めっき槽の順に配置されていることを特徴とする。

0025

[13] [9]又は[10]において、前記めっき処理槽が無電解めっき槽、電気めっき槽及び電気黒化めっき槽を有し、前記被めっき材料の搬送方向下流側に向かって無電解めっき槽、電気銅めっき槽、電気黒化めっき槽の順に配置されていることを特徴とする。

発明の効果

0026

以上説明したように、本発明によれば、導電性金属部(金属微粒子部等)のめっき活性を高め、高速のめっき処理が可能となる導電性材料の製造方法及び製造装置を提供することができる。

0027

また、化学的活性化処理では、現像銀が存在しない部分や現像かぶりで生じた銀(導電性膜メッシュ型の透光性電磁波遮蔽材料では開口部分に相当)にもめっきかぶりが起こり透光率を下げる弊害がある。まためっきかぶりは活性化液の無電解めっきへの持込みや無電解めっき液中での活性核の脱落によって引き起こされるうえ、無電解めっき液の劣化も生じるが、本発明ではこのような弊害が生じない。

0028

なお、金属微粒子部の活性化は水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて行うこともできるが、還元剤自体の酸化劣化、多量の水素発生等の問題があり、高速製造方式としては不適切であった。

発明を実施するための最良の形態

0029

以下に、本発明の導電性材料の製造方法及び製造装置について詳細に説明する。

0030

なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含むことを意味している。

0031

<導電性材料の製造方法>
本発明は、導電性金属部(例えば、金属微粒子部)を有する被めっき材料(被めっき素材)にめっき処理を施して導電層を形成する導電性材料の製造方法であって、めっき処理の前段に、実質的にめっき物質を含まない電解液中で導電性金属部をカソードとして通電する通電工程を有する。

0032

本発明の製造方法では、被めっき材料としては、支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像することで金属銀部を形成されたものが好ましい。

0033

以下、前記第1の製造方法及び第2の製造方法(以下、適宜、「本発明の製造方法」と称する)を工程順に詳述する。

0034

〔被めっき材料〕
本発明の製造方法に使用される被めっき材料は、支持体上に導電性金属部を有している。導電性金属部を構成する単位材質はめっき処理の前段として通電可能となるものであればどのようなものでもよい。また、本発明の作用効果を奏する場合には、金属箔でもよい。特に、前記導電性金属部が現像銀、銀微粒子インク又は銀微粒子ペースト等の銀含有微粒子により形成されていると、めっき活性を高め、めっきかぶりがなく、高速めっきが可能になるため好ましい。この時、金属微粒子部は金属の全質量に対して銀を50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがさらに好ましい。銀を50質量%以上含有させることで、物理現像及び/又はめっき処理に要する時間を短縮し、生産性を向上させ、かつ低コストとすることができる。

0035

導電性金属部の形成方法についても微粒子部形成後に通電可能であれば制約を受けないが、例えば感光フィルムを用いて形成した導電性金属部、導電性金属微粒子インク又は導電性ペースト印刷方式により印刷して形成した導電性金属部、導電性金属微粒子インクをインクジェットプリンタにより描画して形成した導電性金属部等を用いることができる。

0036

特に、高透光性メッシュ型電磁波遮蔽材料のための導電性金属部としては、メッシュを形成するための細線パターニングをする必要があり、このためメッシュパターン部の均一性に優れた感光フィルムを用いた形成方式が好ましく用いられる。この形成方式は、支持体上に銀塩を含有する銀塩乳剤層を有する感光フィルムを露光して現像したものであり、露光部には導電性金属部である金属銀部を形成し、未露光部には光透過性部を形成し、被めっき材料が得られる。

0037

また、前述の導電性インク又はペーストとしては、配線パターン等の印刷に用いられる導電性インク又は導電性ペースト等を用いることができる。それらに含まれる金属種としては、銀、パラジウム、金、白金等の無電解めっき活性を示す金属が好ましく、特に銀が好ましい。粒子径には特に制限がないが、100nm以下が好ましく、さらに好ましくは50nm以下である。ペーストのバインダにはエポキシ樹脂ウレタン樹脂ポリエステル樹脂フェノール樹脂等が好ましく、溶媒としてはシンナー類トルエン類が好ましい。

0038

なお、後述する本発明の導電性材料とは、導電性金属部上にめっきにより導電層が形成されたものを指す。

0039

以下、被めっき材料として、感光フィルムを用いて材料形成したものについて詳細を説明する。

0040

感光フィルム(感光材料)は、支持体上に銀塩乳剤層を有している。この感光材料を露光して現像すると、露光部には導電性金属部である金属銀部を形成し、未露光部には光透過性部を形成し、被めっき材料が得られる。

0041

前記被めっき材料の形成方法は、具体的には、前記感光材料と現像処理の形態によって次の3通りの形態が含まれる。

0042

(1)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。

0043

(2)物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。

0044

(3)物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。

0045

上記(1)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に金属銀部が形成される。得られる現像銀は化学現像銀であり、高比表面フィラメントである点で後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。

0046

上記(2)の態様は、露光部では、物理現像各近縁ハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に金属銀部が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面が小さい球形である。

0047

上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に金属銀部が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。

0048

いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。

0049

ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、及び拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語通りの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば地真一著「写真化学」(共立出版社、1955刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977刊行)に解説されている。本件は液処理であるが、その他の出願については現像方式として、熱現像方式も適用される。例えば、特開2004−184693号公報、同2004−334077号公報、同2005−010752号公報記載の技術、特願2004−244080号明細書、同2004−085655号明細書記載の技術が適用できる。

0050

以下に導電性材料の製造に用い得る感光材料及び感光材料の製造方法について説明する。

0051

(I)感光材料
(支持体)
本発明の製造方法に用いられる感光材料の支持体としては、プラスチックフィルムプラスチック板、及びガラス板等を用いることができる。

0052

上記プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル類ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレンEVA等のポリオレフィン類ポリ塩化ビニルポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;その他、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミドポリイミドアクリル樹脂トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。

0053

本発明においては、透明性、耐熱性、取り扱いの容易さ及び価格の点から、上記プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。

0054

ディスプレイ用の電磁波シールド材では透明性が要求されるため、支持体の透明性は高いことが望ましい。この場合におけるプラスチックフィルム又はプラスチック板の全可視光透過率は70〜100%が好ましく、さらに好ましくは85〜100%であり、特に好ましくは90〜100%である。また、本発明では、前記プラスチックフィルム及びプラスチック板として本発明の目的を妨げない程度に着色したものを用いることもできる。

0055

本発明におけるプラスチックフィルム及びプラスチック板は、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。

0056

透明支持体は、可撓性を有する材料からなることが好ましい。また、支持体の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。記載の範囲であれば所望の可視光透過率が得られ、かつ取り扱いも容易である。また、透明支持体は、幅が2cm以上かつ長さが3m以上であるフィルムであることが好ましく、幅が20cm以上かつ長さが30m以上であるフィルムであることがより好ましい。

0057

(保護層)
感光材料は、後述する乳剤層上に保護層を設けてもよい。本発明において「保護層」とは、ゼラチン高分子ポリマーといったバインダからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する乳剤層上に形成される。保護層の厚みは0.02〜20μmであり、好ましくは0.1〜10μmであり、さらに好ましくは0.3〜3μmである。上記保護層の形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法を適宜選択することができる。

0058

なお、本発明の製造方法に用いられる感光材料は、乳剤層に染色用乳剤添加に公知の染料を含んでもよい。

0059

(乳剤層)
本発明の製造方法に用いられる感光材料は、支持体上に、光センサとして銀塩を含む乳剤層(銀塩含有層)を有する。本発明における乳剤層は、銀塩のほか、必要に応じて、染料、バインダ、溶媒等を含有する。

0060

−銀塩−
本発明の製造方法で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本発明においては、光センサとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。

0061

本発明で好ましく用いられるハロゲン化銀について説明する。

0062

本発明では、光センサとして機能させるためにハロゲン化銀を使用することが好ましく、ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルム印画紙印刷製版用フィルム、フォトマスクエマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においても用いることができる。

0063

上記ハロゲン化銀に含有されるハロゲン元素は、塩素臭素ヨウ素及びフッ素のいずれであってもよく、これらを組み合わせでもよい。例えば、AgCl、AgBr、AgIを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられ、さらにAgBrやAgClを主体としたハロゲン化銀が好ましく用いられる。塩臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀もまた好ましく用いられる。より好ましくは、塩臭化銀、臭化銀、沃塩臭化銀、沃臭化銀であり、最も好ましくは、塩化銀50モル%以上を含有する塩臭化銀、沃塩臭化銀が用いられる。

0064

なお、ここで、「AgBr(臭化銀)を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。このAgBrを主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン塩化物イオンを含有していてもよい。

0065

ハロゲン化銀は固体粒子状であり、露光、現像処理後に形成されるパターン金属銀層画像品質の観点からは、ハロゲン化銀の平均粒子サイズは、球相当径で0.1〜1000nm(1μm)であることが好ましく、0.1〜100nmであることがより好ましく、1〜50nmであることがさらに好ましい。

0066

なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。

0067

ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(六角平板状、三角形平板状、四角形平板状等)、八面体状、14面体状等、様々な形状であることができ、立方体、14面体が好ましい。

0068

ハロゲン化銀粒子は内部と表層が均一な相からなっていても異なっていてもよい。また、粒子内部あるいは表面にハロゲン組成の異なる局在層を有していてもよい。

0069

本発明に用いられる乳剤層用塗布液であるハロゲン化銀乳剤は、P.Glafkides著 Chimie et Physique Photographique(PaulMontel社刊、1967年)、G.F.Dufin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Forcal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman et al著 Making and Coating Photographic Emulsion(The ForcalPress 刊、1964年)等に記載された方法を用いて調製することができる。

0070

すなわち、上記ハロゲン化銀乳剤の調製方法としては、酸性法中性法等のいずれでもよく、又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩とを反応させる方法としては、片側混合法、同時混合法、それらの組み合わせ等のいずれを用いてもよい。

0071

また、銀粒子の形成方法としては、粒子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆる逆混合法)を用いることもできる。さらに、同時混合法の一つの形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAgを一定に保つ方法、すなわち、いわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることもできる。

0072

また、アンモニアチオエーテル、四置換チオ尿素等のいわゆるハロゲン化銀溶剤を使用して粒子形成させることも好ましい。これらの方法としてより好ましくは四置換チオ尿素化合物であり、特開昭53−82408号公報、同55−77737号公報に記載されている。好ましいチオ尿素化合物テトラメチルチオ尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジンチオンが挙げられる。ハロゲン化銀溶剤の添加量は用いる化合物の種類及び目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成により異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5〜10-2モルが好ましい。

0073

上記コントロールド・ダブルジェット法及びハロゲン化銀溶剤を使用した粒子形成方法では、結晶型規則的で粒子サイズ分布の狭いハロゲン化銀乳剤を作るのが容易であり、本発明に好ましく用いることができる。

0074

また、粒子サイズを均一にするためには、英国特許第1,535,016号明細書、特公昭48−36890号公報、同52−16364号公報に記載されているように、硝酸銀ハロゲン化アルカリの添加速度粒子成長速度に応じて変化させる方法や、英国特許第4,242,445号明細書、特開昭55−158124号公報に記載されているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、臨界飽和度を越えない範囲において早く銀を成長させることが好ましい。本発明における乳剤層の形成に用いられるハロゲン化銀乳剤は単分散乳剤が好ましく、{(粒子サイズの標準偏差)/(平均粒子サイズ)}×100で表される変動係数が20%以下、より好ましくは15%以下、最も好ましくは10%以下であることが好ましい。

0075

本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、粒子サイズの異なる複数種類のハロゲン化銀乳剤を混合してもよい。

0076

本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、VIII族、VIIB族に属する金属を含有してもよい。特に、高コントラスト及び低カブリを達成するために、ロジウム化合物イリジウム化合物ルテニウム化合物鉄化合物オスミウム化合物等を含有することが好ましい。これら化合物は、各種の配位子を有する化合物であってよく、配位子として例えば、シアン化物イオンハロゲンイオンチオシアナートイオンニトロシルイオン、水、水酸化物イオン等や、こうした擬ハロゲン、アンモニアのほか、アミン類メチルアミンエチレンジアミン等)、ヘテロ環化合物イミダゾールチアゾール、5−メチルチアゾールメルカプトイミダゾール等)、尿素、チオ尿素等の、有機分子を挙げることができる。

0077

また、高感度化のためにはK4〔Fe(CN)6〕やK4〔Ru(CN)6〕、K3〔Cr(CN)6〕のような六シアノ化金属錯体のドープが有利に行われる。

0078

上記ロジウム化合物としては、水溶性ロジウム化合物を用いることができる。水溶性ロジウム化合物としては、例えば、ハロゲン化ロジウム(III)化合物、ヘキサクロロロジウム(III)錯塩ペンタクロロアコロジウム錯塩、テトラクロロジアコロジウム錯塩、ヘキサブロモロジウム(III)錯塩、ヘキサアミンロジウム(III)錯塩、トリザラトロジウム(III)錯塩、K3Rh2Br9等が挙げられる。

0079

これらのロジウム化合物は、水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、ロジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行われる方法、すなわち、ハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例えばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する方法を用いることができる。水溶性ロジウムを用いる代わりにハロゲン化銀調製時に、予めロジウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させることも可能である。

0080

上記イリジウム化合物としては、K2IrCl6、K3IrCl6等のヘキサクロロイリジウム錯塩、ヘキサブロモイリジウム錯塩、ヘキサアンミンイリジウム錯塩、ペンタクロロニトロシルイリジウム錯塩等が挙げられる。

0081

上記ルテニウム化合物としては、ヘキサクロロルテニウム、ペンタクロロニトロシルルテニウム、K4〔Ru(CN)6〕等が挙げられる。

0082

上記鉄化合物としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムチオシアン酸第一鉄が挙げられる。

0083

上記ルテニウム、オスミニウムは特開昭63−2042号公報、特開平1−285941号公報、同2−20852号公報、同2−20855号公報等に記載された水溶性錯塩の形で添加され、特に好ましいものとして、以下の式で示される六配位錯体が挙げられる。
〔ML6〕-n
(MはRu又はOsを表し、nは0、1、2、3又は4を表し、Lは、配位子を表す。)

0084

ここで、Lは重要性を持たず、例えば、アンモニウムもしくはアルカリ金属イオンが用いられる。また、好ましい配位子としてはハロゲン化物配位子、シアン化物配位子、シアン酸化物配位子、ニトロシル配位子チオニトロシル配位子等が挙げられる。以下に本発明に用いられる具体的錯体の例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。

0085

〔RuCl6〕-3、〔RuCl4(H2O)2〕-1、〔RuCl5(NO)〕-2、〔RuBr5(NS)〕-2、〔Ru(CO)3Cl3〕-2、〔Ru(CO)Cl5〕-2、〔Ru(CO)Br5〕-2、〔OsCl6〕-3、〔OsCl5(NO)〕-2、〔Os(NO)(CN)5〕-2、〔Os(NS)Br5〕-2、〔Os(CN)6〕-4、〔Os(O)2(CN)5〕-4

0086

これらの化合物の添加量はハロゲン化銀1モル当り10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。

0087

その他、本発明では、Pd(II)イオン及び/又はPd金属を含有するハロゲン化銀も好ましく用いることができる。Pdはハロゲン化銀粒子内に均一に分布していてもよいが、ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有させることが好ましい。ここで、Pdが「ハロゲン化銀粒子の表層近傍に含有する」とは、ハロゲン化銀粒子の表面から深さ方向に50nm以内において、他層よりもパラジウムの含有率が高い層を有することを意味する。

0088

このようなハロゲン化銀粒子は、ハロゲン化銀粒子を形成する途中でPdを添加することにより作製することができ、銀イオンとハロゲンイオンとをそれぞれ総添加量の50%以上添加した後に、Pdを添加することが好ましい。またPd(II)イオンを後熟時に添加する等の方法でハロゲン化銀表層に存在させることも好ましい。

0089

このPd含有ハロゲン化銀粒子は、物理現像や無電解めっきの速度を速め、所望の電磁波シールド材の生産効率を上げ、生産コストの低減に寄与する。Pdは、無電解めっき触媒としてよく知られて用いられているが、本発明では、ハロゲン化銀粒子の表層にPdを偏在させることが可能なため、極めて高価なPdを節約することが可能である。

0090

本発明において、ハロゲン化銀に含まれるPdイオン及び/又はPd金属の含有率は、ハロゲン化銀の、銀のモル数に対して10-4〜0.5モル/モルAgであることが好ましく、0.01〜0.3モル/モルAgであることがさらに好ましい。

0091

使用するPd化合物の例としては、PdCl4や、Na2PdCl4等が挙げられる。

0092

本発明では、さらに光センサとしての感度を向上させるため、写真乳剤で行われる化学増感を施すこともできる。化学増感の方法としては、硫黄増感セレン増感、テルル増感等カルコゲン増感、金増感等の貴金属増感、還元増感等を用いることができる。これらは、単独又は組み合わせて用いられる。上記化学増感の方法を組み合わせて使用する場合には、例えば、硫黄増感法と金増感法、硫黄増感法とセレン増感法と金増感法、硫黄増感法とテルル増感法と金増感法等の組み合わせが好ましい。

0093

上記硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加して、40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。上記硫黄増感剤としては公知の化合物を使用することができ、例えば、ゼラチン中に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えば、チオ硫酸塩チオ尿素類チアゾール類ローダニン類等を用いることができる。好ましい硫黄化合物は、チオ硫酸塩、チオ尿素化合物である。硫黄増感剤の添加量は、化学熟成時のpH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさ等の種々の条件の下で変化し、ハロゲン化銀1モル当り10-7〜10-2モルが好ましく、より好ましくは10-5〜10-3モルである。

0094

上記セレン増感に用いられるセレン増感剤としては、公知のセレン化合物を用いることができる。すなわち、上記セレン増感は、通常、不安定型及び/又は非不安定型セレン化合物を添加して40℃以上の高温で乳剤を一定時間攪拌することにより行われる。上記不安定型セレン化合物としては特公昭44−15748号公報、同43−13489号公報、特開平4−109240号公報、同4−324855号公報等に記載の化合物を用いることができる。特に特開平4−324855号公報中の一般式(VIII)及び(IX)で示される化合物を用いることが好ましい。

0095

上記テルル増感剤に用いられるテルル増感剤は、ハロゲン化銀粒子表面又は内部に、増感核になると推定されるテルル化銀を生成せしめる化合物である。ハロゲン化銀乳剤中のテルル化銀生成速度については特開平5−313284号公報に記載の方法で試験することができる。具体的には、米国特許US第1,623,499号明細書、同第3,320,069号明細書、同第3,772,031号明細書、英国特許第235,211号明細書、同第1,121,496号明細書、同第1,295,462号明細書、同第1,396,696号明細書、カナダ特許第800,958号明細書、特開平4−204640号公報、同4−271341号公報、同4−333043号公報、同5−303157号公報、ジャーナルオブケミカル・ソサイアティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635(1980)、 ibid 1102(1979)、 ibid 645(1979)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティー・パーキントランザクション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.)1,2191(1980)、S.パタイ(S.Patai)編、ザ・ケミストリー・オブ・オーガニックセレニウムアンドテルリウムカンパウンズ(The Chemistry of Organic Selenium and Tellunium Compounds)、Vol.1(1986)、同 Vol.2(1987)に記載の化合物を用いることができる。特に特開平5−313284号公報中の一般式(II)(III)(IV)で示される化合物が好ましい。

0096

本発明で用いることのできるセレン増感剤及びテルル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等によって変わるが、一般にハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-2モル、好ましくは10-7〜10-3モル程度を用いる。本発明における化学増感の条件としては特に制限はないが、pHとしては5〜8、pAgとしては6〜11、好ましくは7〜10であり、温度としては40〜95℃、好ましくは45〜85℃である。

0097

また、上記貴金属増感剤としては、金、白金、パラジウム、イリジウム等が挙げられ、特に金増感が好ましい。金増感に用いられる金増感剤としては、具体的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート硫化金、チオグルコース金(I)、チオマンノース金(I)等が挙げられ、ハロゲン化銀1モル当たり10-7〜10-2モル程度を用いることができる。本発明に用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀粒子の形成又は物理熟成の過程においてカドミウム塩亜硫酸塩鉛塩タリウム塩等を共存させてもよい。

0098

また、本発明においては、還元増感を用いることができる。還元増感剤としては第一スズ塩、アミン類、ホルムアミジンスルフィン酸シラン化合物等を用いることができる。上記ハロゲン化銀乳剤は、欧州公開特許(EP)293917に示される方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよい。本発明に用いられる感光材料の作製に用いられるハロゲン化銀乳剤は、1種だけでもよいし、2種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの、感度の異なるもの)の併用であってもよい。中でも高コントラストを得るためには、特開平6−324426号公報に記載されているように、支持体に近いほど高感度な乳剤を塗布することが好ましい。

0099

−染料−
感光材料には、少なくとも乳剤層に染料が含まれる。該染料は、フィルタ染料としてもしくはイラジエーション防止その他種々の目的で乳剤層に含まれる。上記染料としては、固体分散染料を含有してよい。本発明に好ましく用いられる染料としては、特開平9−179243号公報記載の一般式(FA)、一般式(FA1)、一般式(FA2)、一般式(FA3)で表される染料が挙げられ、具体的には同公報記載の化合物F1〜F34が好ましい。また、特開平7−152112号公報記載の(II−2)〜(II−24)、特開平7−152112号公報記載の(III−5)〜(III−18)、特開平7−152112号公報記載の(IV−2)〜(IV−7)等も好ましく用いられる。

0100

このほか、本発明に使用することができる染料としては、現像又は定着の処理時に脱色させる固体微粒子分散状の染料としては、特開平3−138640号公報記載のシアニン染料ピリリウム染料及びアミニウム染料が挙げられる。また、処理時に脱色しない染料として、特開平9−96891号公報記載のカルボキシル基を有するシアニン染料、特開平8−245902号公報記載の酸性基を含まないシアニン染料及び同8−333519号公報記載のレーキ型シアニン染料、特開平1−266536号公報記載のシアニン染料、特開平3−136038号公報記載のホロポーラ型シアニン染料、特開昭62−299959号公報記載のピリリウム染料、特開平7−253639号公報記載のポリマー型シアニン染料、特開平2−282244号公報記載のオキソノール染料固体微粒子分散物、特開昭63−131135号公報記載の光散乱粒子、特開平9−5913号公報記載のYb3+化合物及び特開平7−113072号公報記載のITO粉末等が挙げられる。また、特開平9−179243号公報記載の一般式(F1)、一般式(F2)で表される染料で、具体的には同公報記載の化合物F35〜F112も用いることができる。

0101

また、上記染料としては、水溶性染料を含有することができる。このような水溶性染料としては、オキソノール染料、ベンジリデン染料、メロシアニン染料、シアニン染料及びアゾ染料が挙げられる。中でも本発明においては、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料及びベンジリデン染料が有用である。本発明に用い得る水溶性染料の具体例としては、英国特許584,609号明細書、同1,177,429号明細書、特開昭48−85130号公報、同49−99620号公報、同49−114420号公報、同52−20822号公報、同59−154439号公報、同59−208548号公報、米国特許2,274,782号明細書、同2,533,472号明細書、同2,956,879号明細書、同3,148,187号明細書、同3,177,078号明細書、同3,247,127号明細書、同3,540,887号明細書、同3,575,704号明細書、同3,653,905号明細書、同3,718,427号明細書に記載されたものが挙げられる。

0102

上記乳剤層中における染料の含有量は、イラジエーション防止等の効果と、添加量増加による感度低下の観点から、全固形分に対して0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。

0103

−バインダ−
乳剤層には、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ乳剤層と支持体との密着補助する目的でバインダを用いることができる。本発明において上記バインダとしては、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。

0104

上記バインダとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコールPVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類セルロース及びその誘導体ポリエチレンオキサイドポリサッカライドポリビニルアミンキトサンポリリジンポリアクリル酸ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基イオン性によって中性、陰イオン性陽イオン性性質を有する。

0105

乳剤層中に含有されるバインダの含有量は、特に限定されず、分散性密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。

0106

−溶媒−
上記乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類アセトン等のケトン類ホルムアミド等のアミド類ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類酢酸エチル等のエステル類エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。

0107

本発明の乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、前記乳剤層に含まれる銀塩、バインダ等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。

0108

(II)被めっき材料の製造工程
(露光)
まず、上記感光材料への露光を行う。この感光材料は透明支持体上に乳剤層が設けられた構成となっている。

0109

本発明の製造方法は、前記銀塩乳剤層にレーザ光照射することが好ましい。露光は、上述の感光材料を搬送しながら光ビーム走査することにより行う。光ビームとしては、種々のレーザビームを用いて行うことができる。

0110

銀塩含有層をパターン状に露光する方法は、レーザービームによる走査露光が好ましい。例えば、特開2000−39677号公報記載のキャプスタン方式のレーザー走査露光装置、該キャプスタン方式においてポリゴンミラーの回転によるビーム走査の代わりに特開2004−1244号公報記載のDMDデジタルミラーデバイス)を光ビーム走査系に用いた装置、該キャプスタン方式において直接レーザー露光の代わりに特開2007−72171公報記載のプロキシミティー露光を用いた装置等が好適に用いられる。

0111

(現像処理)
本発明では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フィルム社製のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社製のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。リス現像液としては、KODAK社製のD85等を用いることができる。本発明では、上記の露光及び現像処理を行うことにより露光部に金属銀部、好ましくはパターン状金属銀部が形成されると共に、未露光部に後述する光透過性部が形成される。

0112

本発明の製造方法においては、上記現像液としてジヒドロキシベンゼン現像主薬を用いることができる。ジヒドロキシベンゼン系現像主薬としてはハイドロキノン、クロロハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホン酸塩等が挙げられるが、特にハイドロキノンが好ましい。上記ジヒドロキシベンゼン系現像主薬と超加成性を示す補助現像主薬としては、1−フェニル−3−ピラゾリドン類やp−アミノフェノール類が挙げられる。本発明の製造方法において用いる現像液としては、ジヒドロキシベンゼン系現像主薬と1−フェニル−3−ピラゾリドン類との組合せ;又はジヒドロキシベンゼン系現像主薬とp−アミノフェノール類との組合せが好ましく用いられる。

0113

補助現像主薬として用いられる1−フェニル−3−ピラゾリドン又はその誘導体と組み合わせられる現像主薬としては、具体的に、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン等がある。

0114

上記p−アミノフェノール系補助現像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニルグリシン等があるが、なかでもN−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は、通常0.05〜0.8モル/リットルの量で用いられるのが好ましいが、本発明においては、0.23モル/リットル以上で使用するのが特に好ましい。さらに好ましくは、0.23〜0.6モル/リットルの範囲である。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合には、前者を0.23〜0.6モル/リットル、さらに好ましくは0.23〜0.5モル/リットル、後者を0.06モル/リットル以下、さらに好ましくは0.03モル/リットル〜0.003モル/リットルの量で用いるのが好ましい。

0115

本発明においては、現像開始液及び現像補充液の双方が、「該液1リットルに0.1モルの水酸化ナトリウムを加えたときのpH上昇が0.5以下」である性質を有することが好ましい。使用する現像開始液ないし現像補充液がこの性質を有することを確かめる方法としては、試験対象の現像開始液ないし現像補充液のpHを10.5に合わせ、次いで、この液1リットルに水酸化ナトリウムを0.1モル添加し、この際の液のpH値を測定し、pH値の上昇が0.5以下であれば上記に規定した性質を有すると判定する。本発明の製造方法では、特に、上記試験を行った時のpH値の上昇が0.4以下である現像開始液及び現像補充液を用いることが好ましい。

0116

現像開始液及び現像補充液に上記の性質を与える方法としては、緩衝剤を使用した方法によることが好ましい。上記緩衝剤としては、炭酸塩、特開昭62−186259号公報に記載のホウ酸、特開昭60−93433号公報に記載の糖類(例えばサッカロース)、オキシム類(例えばアセトオキシム)、フェノール類(例えば5−スルホサリチル酸)、第3リン酸塩(例えばナトリウム塩カリウム塩)等を用いることができ、好ましくは炭酸塩、ホウ酸が用いられる。上記緩衝剤(特に炭酸塩)の使用量は、好ましくは、0.25モル/リットル以上であり、0.25〜1.5モル/リットルが特に好ましい。

0117

本発明においては、上記現像開始液のpHが9.0〜11.0であることが好ましく、9.5〜10.7の範囲であることが特に好ましい。上記現像補充液のpH及び連続処理時現像タンク内現像液のpHもこの範囲である。pH設定のために用いるアルカリ剤には通常の水溶性無機アルカリ金属塩(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム炭酸ナトリウム炭酸カリウム)を用いることができる。

0118

本発明の製造方法において、感光材料1平方メートルを処理する際に、現像液中の現像補充液の含有量は323ミリリットル以下、好ましくは323〜30ミリリットル、特に225〜50ミリリットルである。現像補充液は、現像開始液と同一の組成を有していてもよいし、現像で消費される成分について開始液よりも高い濃度を有していてもよい。

0119

本発明で感光材料を現像処理する際の現像液(以下、現像開始液及び現像補充液の双方をまとめて単に「現像液」という場合がある)には、通常用いられる添加剤(例えば、保恒剤キレート剤)を含有することができる。上記保恒剤としては亜硫酸ナトリウム亜硫酸カリウム亜硫酸リチウム亜硫酸アンモニウム重亜硫酸ナトリウムメタ重亜硫酸カリウムホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩が挙げられる。該亜硫酸塩は、0.20モル/リットル以上用いられることが好ましく、さらに好ましくは0.3モル/リットル以上用いられるが、余りに多量添加すると現像液中の銀汚れの原因になるので、上限は1.2モル/リットルとするのが望ましい。特に好ましくは、0.35〜0.7モル/リットルである。また、ジヒドロキシベンゼン系現像主薬の保恒剤として、亜硫酸塩と併用してアスコルビン酸誘導体を少量使用してもよい。ここでアスコルビン酸誘導体とは、アスコルビン酸、及びその立体異性体であるエリソルビン酸やそのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム塩)等を包含する。上記アスコルビン酸誘導体としては、エリソルビン酸ナトリウムを用いることが素材コストの点で好ましい。上記アスコルビン酸誘導体の添加量はジヒドロキシベンゼン系現像主薬に対して、モル比で0.03〜0.12の範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.10の範囲である。上記保恒剤としてアスコルビン酸誘導体を使用する場合には現像液中にホウ素化合物を含まないことが好ましい。

0120

上記以外に現像材に用いることのできる添加剤としては、臭化ナトリウム臭化カリウムのような現像抑制剤エチレングリコールジエチレングリコールトリエチレングリコールジメチルホルムアミドのような有機溶剤ジエタノールアミントリエタノールアミン等のアルカノールアミン、イミダゾール又はその誘導体等の現像促進剤や、メルカプト系化合物インダゾール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物ベンゾイミダゾール系化合物カブリ防止剤又は黒ポツ(black pepper)防止剤として含んでもよい。上記ベンゾイミダゾール系化合物としては、具体的に、5−ニトロインダゾール、5−p−ニトロベンゾイルアミノインダゾール、1−メチル−5−ニトロインダゾール、6−ニトロインダゾール、3−メチル−5−ニトロインダゾール、5−ニトロベンズイミダゾール、2−イソプロピル−5−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロベンズトリアゾール、4−〔(2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)チオ〕ブタンスルホン酸ナトリウム、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオールメチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、2−メルカプトベンゾトリアゾール等を挙げることができる。これらベンゾイミダゾール系化合物の含有量は、通常、現像液1リットル当り0.01〜10mmolであり、より好ましくは、0.1〜2mmolである。

0121

さらに上記現像液中には、各種の有機無機のキレート剤を併用することができる。上記無機キレート剤としては、テトラポリリン酸ナトリウムヘキサメタリン酸ナトリウム等を用いることができる。一方、上記有機キレート剤としては、主に有機カルボン酸アミノポリカルボン酸有機ホスホン酸アミノホスホン酸及び有機ホスホノカルボン酸を用いることができる。

0122

上記有機カルボン酸としては、アクリル酸シュウ酸マロン酸コハク酸グルタル酸アジピン酸ピメリン酸、コハク酸、アシエライン酸、セバチン酸、ノナンジカルボン酸デカンジカルボン酸ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸イタコン酸リンゴ酸クエン酸酒石酸等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。

0123

上記アミノポリカルボン酸としては、イミノ二酢酸ニトリロ三酢酸ニトリロ三プロピオン酸、エチレンジアミンモノヒドロキシエチル三酢酸エチレンジアミン四酢酸グリコールエーテル四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸トリエチレンテトラミン酢酸、1,3−ジアミノ2−プロパノール四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、その他特開昭52−25632号公報、同55−67747号公報、同57−102624号公報、及び特公昭53−40900号公報等に記載の化合物を挙げることができる。

0124

有機ホスホン酸としては、米国特許US第3214454号明細書、同3794591号明細書、及び西独特許公開2227639号公報等に記載のヒドロキシアルキリデンジホスホン酸リサーチディスクロージャー(Research Disclosure)第181巻、Item 18170(1979年5月号)等に記載の化合物が挙げられる。

0125

上記アミノホスホン酸としては、アミノトリスメチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸アミノトリメチレンホスホン酸等が挙げられるが、その他上記リサーチ・ディスクロージャー18170号、特開昭57−208554号、同54−61125号、同55−29883号の各公報及び同56−97347号公報等に記載の化合物を挙げることができる。

0126

有機ホスホノカルボン酸としては、特開昭52−102726号公報、同53−42730号公報、同54−121127号公報、同55−4024号公報、同55−4025号公報、同55−126241号公報、同55−65955号公報、同55−65956号公報等、及び前述のリサーチ・ディスクロージャー18170号等に記載の化合物を挙げることができる。これらのキレート剤はアルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用してもよい。

0127

これらキレート剤の添加量としては、現像液1リットル当り好ましくは、1×10-4〜1×10-1モル、より好ましくは1×10-3〜1×10-2モルである。

0128

さらに、現像液中に銀汚れ防止剤として、特開昭56−24347号公報、特公昭56−46585号公報、特公昭62−2849号公報、特開平4−362942号公報記載の化合物を用いることができる。また、溶解助剤として特開昭61−267759号公報記載の化合物を用いることができる。さらに現像液には、必要に応じて色調剤界面活性剤消泡剤硬膜剤等を含んでもよい。現像処理温度及び時間は相互に関係し、全処理時間との関係において決定されるが、一般に現像温度は約20℃〜約50℃が好ましく、25〜45℃がさらに好ましい。また、現像時間は5秒〜2分が好ましく、7秒〜1分30秒がさらに好ましい。

0129

現像液の搬送コスト包装材料コスト、省スペース等の目的から、現像液を濃縮化し、使用時に希釈して用いるようにする態様も好ましい。現像液の濃縮化のためには、現像液に含まれる塩成分をカリウム塩化することが有効である。

0130

本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。

0131

上記定着工程で使用する定着液の好ましい成分としては、以下が挙げられる。

0132

すなわち、チオ硫酸ナトリウムチオ硫酸アンモニウム、必要により酒石酸、クエン酸、グルコン酸、ホウ酸、イミノジ酢酸、5−スルホサリチル酸、グルコヘプタン酸タイロン、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ三酢酸これらの塩等を含むことが好ましい。近年の環境保護の観点からは、ホウ酸は含まれない方が好ましい。本発明に用いられる定着液の定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム等が挙げられ、定着速度の点からはチオ硫酸アンモニウムが好ましいが、近年の環境保護の観点からチオ硫酸ナトリウムが使われてもよい。これら既知の定着剤の使用量は適宜変えることができ、一般には約0.1〜約2モル/リットルである。特に好ましくは、0.2〜1.5モル/リットルである。定着液には所望により、硬膜剤(例えば水溶性アルミニウム化合物)、保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸)、pH調整剤(例えば、アンモニア、硫酸)、キレート剤、界面活性剤、湿潤剤、定着促進剤を含むことができる。

0133

上記界面活性剤としては、例えば硫酸化物スルホン化物等のアニオン界面活性剤、ポリエチレン系界面活性剤、特開昭57−6740号公報記載の両性界面活性剤等が挙げられる。また、上記定着液には、公知の消泡剤を添加してもよい。

0134

上記湿潤剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルキレングリコール等が挙げられる。また、上記定着促進剤としては、例えば特公昭45−35754号公報、同58−122535号公報、同58−122536号公報に記載のチオ尿素誘導体分子内に3重結合を持つアルコール;米国特許US第4126459号明細書記載のチオエーテル化合物;特開平4−229860号公報記載のメソイオン化合物等が挙げられ、特開平2−44355号公報記載の化合物を用いてもよい。また、上記pH緩衝剤としては、例えば酢酸、リンゴ酸、こはく酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、マレイン酸、グリコール酸、アジピン酸等の有機酸や、ホウ酸、リン酸塩、亜硫酸塩等の無機緩衝剤が使用できる。上記pH緩衝剤として好ましくは、酢酸、酒石酸、亜硫酸塩が用いられる。ここでpH緩衝剤は、現像液の持ち込みによる定着剤のpH上昇を防ぐ目的で使用され、好ましくは0.01〜1.0モル/リットル、より好ましくは0.02〜0.6モル/リットル程度用いる。定着液のpHは4.0〜6.5が好ましく、特に好ましくは4.5〜6.0の範囲である。また、上記色素溶出促進剤として、特開昭64−4739号公報記載の化合物を用いることもできる。

0135

本発明の定着液中の硬膜剤としては、水溶性アルミニウム塩クロム塩が挙げられる。上記硬膜剤として好ましい化合物は、水溶性アルミニウム塩であり、例えば塩化アルミニウム硫酸アルミニウムカリバン等が挙げられる。上記硬膜剤の好ましい添加量は0.01モル〜0.2モル/リットルであり、さらに好ましくは0.03〜0.08モル/リットルである。

0136

上記定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、さらに好ましくは25〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、さらに好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料の処理量に対して600ml/m2以下が好ましく、500ml/m2以下がさらに好ましく、300ml/m2以下が特に好ましい。

0137

現像、定着処理を施した感光材料は、水洗処理安定化処理を施されるのが好ましい。上記水洗処理又は安定化処理においては、水洗水量は通常感光材料1m2当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。このため、節水処理が可能となるのみならず、自現機設置の配管を不要とすることができる。水洗水の補充量を少なくする方法としては、古くから多段向流方式(例えば2段、3段等)が知られている。この多段向流方式を本発明の製造方法に適用した場合、定着後の感光材料は徐々に正常な方向、即ち定着液で汚れていない処理液の方向に順次接触して処理されていくので、さらに効率のよい水洗がなされる。また、水洗を少量の水で行う場合は、特開昭63−18350号公報、同62−287252号公報等に記載のスクイズローラクロスオーバーローラ洗浄槽を設けることがより好ましい。また、少量水洗時に問題となる公害負荷低減のためには、種々の酸化剤添加やフィルタ濾過を組み合わせてもよい。さらに、上記方法においては、水洗浴又は安定化浴に防黴手段を施した水を、処理に応じて補充することによって生じた水洗浴又は安定化浴からのオーバーフロー液の一部又は全部を、特開昭60−235133号公報に記載されているようにその前の処理工程である定着能を有する処理液に利用することもできる。また、少量水洗時に発生し易い水泡ムラ防止及び/又はスクイズローラに付着する処理剤成分が処理されたフィルムに転写することを防止するために、水溶性界面活性剤や消泡剤を添加してもよい。

0138

また、上記水洗処理又は安定化処理においては、感光材料から溶出した染料による汚染防止に、特開昭63−163456号公報に記載の色素吸着剤水洗槽に設置してもよい。また、水洗処理に続いて安定化処理においては、特開平2−201357号公報、同2−132435号公報、同1−102553号公報、特開昭46−44446号公報に記載の化合物を含有した浴を、感光材料の最終浴として使用してもよい。この際、必要に応じてアンモニウム化合物、Bi、Al等の金属化合物蛍光増白剤、各種キレート剤、膜pH調節剤、硬膜剤、殺菌剤、防かび剤、アルカノールアミンや界面活性剤を加えることもできる。水洗工程又は安定化工程に用いられる水としては水道水のほか脱イオン処理した水やハロゲン、紫外線殺菌灯や各種酸化剤(オゾン、過酸化水素塩素酸塩等)等によって殺菌された水を使用することが好ましい。また、特開平4−39652号公報、特開平5−241309公報記載の化合物を含む水洗水を使用してもよい。水洗処理又は安定化温度における浴温度及び時間は0〜50℃、5秒〜2分であることが好ましい。

0139

本発明に用いられる現像液や定着液等の処理液は、特開昭61−73147号公報に記載された酸素透過性の低い包材保管することが好ましい。また、補充量を低減する場合には処理槽の空気との接触面積を小さくすることによって液の蒸発空気酸化を防止することが好ましい。ローラ搬送型の自動現像機については米国特許US第3025779号明細書、同第3545971号明細書等に記載されており、本明細書においては単にローラ搬送型プロセッサとして言及する。また、ローラ搬送型プロセッサは現像、定着、水洗及び乾燥の四工程からことが好ましく、本発明においても、他の工程(例えば、停止工程)を除外しないが、この四工程を踏襲するのが最も好ましい。また、水洗工程の代わりに安定工程による四工程でも構わない。

0140

上記各工程においては、現像液や定着液の組成から水を除いた成分を固形にして供給し、使用に当たって所定量の水で溶解して現像液や定着液として使用してもよい。このような形態の処理剤固形処理剤と呼ばれる。固形処理剤は、粉末錠剤顆粒、粉末、塊状又はペースト状のものが用いられる。上記処理剤の、好ましい形態は、特開昭61−259921号公報記載の形態あるいは錠剤である。該錠剤の製造方法は、例えば特開昭51−61837号公報、同54−155038号公報、同52−88025号公報、英国特許1,213,808号明細書等に記載される一般的な方法で製造できる。さらに顆粒の処理剤は、例えば特開平2−109042号公報、同2−109043号公報、同3−39735号公報及び同3−39739号公報等に記載される一般的な方法で製造できる。また、粉末の処理剤は、例えば特開昭54−133332号公報、英国特許725,892号明細書、同729,862号明細書及びドイツ特許3,733,861号明細書等に記載される一般的な方法で製造できる。

0141

上記固形処理剤の嵩密度は、その溶解性の観点と、0.5g/cm3〜6.0g/cm3のものが好ましく、特に1.0g/cm3〜5.0g/cm3のものが好ましい。

0142

上記固形処理剤を調製するに当たっては、処理剤を構成する物質の中の、少なくとも2種の相互に反応性粒状物質を、反応性物質に対して不活性な物質による少なくとも一つの介在分離層によって分離された層になるように層状に反応性物質を置き、真空包装可能な袋を包材とし、袋内から排気シールする方法を採用してもよい。ここにおいて、「不活性」とは、物質が互いに物理的に接触されたときにパッケージ内の通常の状態下で反応しないこともしくは何らかの反応があっても著しくないことを意味する。不活性物質は、二つの相互に反応性の物質に対して不活性であることは別にして、二つの反応性の物質が意図される使用において不活発であればよい。さらに不活性物質は二つの反応性物質と同時に用いられる物質である。例えば、現像液においてハイドロキノンと水酸化ナトリウムは直接接触すると反応してしまうので、真空包装においてハイドロキノンと水酸化ナトリウムの間に分別層として亜硫酸ナトリウム等を使うことで、長期間パッケージ中に保存できる。また、ハイドロキノン等をブリケット化して水酸化ナトリウムとの接触面積を減らす事により保存性が向上し混合して用いることもできる。これらの真空包装材料の包材として用いられるのは不活性なプラスチックフィルム、プラスチック物質と金属箔のラミネートから作られたバッグである。

0143

現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。

0144

本発明における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透明性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオンイリジウムイオンのドープが挙げられる。

0145

物理現像処理
本発明では、形成された金属銀部の導電性をさらに高めるために、物理現像を行うことも好ましい。

0146

本発明における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフィルム、インスタントスライドフィルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。

0147

また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。

0148

酸化処理
本発明では、現像処理後の金属微粒子部、並びに、物理現像及び/又はめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。

0149

酸化処理としては、例えば、Fe(III)イオン処理等、種々の酸化剤を用いた公知の方法が挙げられる。上述の通り、酸化処理は、乳剤層の露光及び現像処理後、あるいは物理現像又はめっき処理後に行うことができ、さらに現像処理後と物理現像又はめっき処理後のそれぞれで行ってもよい。

0150

本発明では、さらに露光及び現像処理後の金属銀部を、Pdを含有する溶液で処理することもできる。Pdは、2価のパラジウムイオンであっても金属パラジウムであってもよい。この処理により無電解めっき又は物理現像速度を促進させることができる。

0151

透光性電磁波シールド材料の用途において、メッシュパターン部の線幅は1μm以上40μm以下にする必要があり、好ましくは1μm以上30μm以下、最も好ましくは10μm以上25μm以下である。線間隔は50μm以上500μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは200μm以上400μm以下、最も好ましくは250μm以上350μm以下である。また、メッシュパターン部は、アース接続等の目的においては、線幅は20μmより広い部分を有していてもよい。

0152

また、枠縁部は、導電性金属が透光性導電性膜の周囲に沿って額縁状に形成された部分であり、上記のメッシュパターン部と電気的に接触している。枠縁部の幅は、1mm〜10cmが好ましく、5mm〜5cmであることがより好ましい。

0153

本発明における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、メッシュをなす細線のない部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅15μm、ピッチ300μmの正方形格子状メッシュの開口率は、90%である。

0154

可視光透過性部−
本発明における「可視光透過性部」とは、透光性導電性膜のうち導電性金属部以外の透明性を有する部分を意味する。可視光透過性部における透過率は、前述のとおり、支持体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。

0155

本発明におけるメッシュパターンは3m以上連続していることが好ましいが、メッシュパターンの連続数が多いほど、前記光学フィルタ材料を生産する場合のロスが低減できるためより好ましい態様であるといえる。一方、連続数が多いとロール状にした場合にロール径が大きくなる、ロールの重量が重くなる、ロールの中心部の圧力が強くなり接着や変形等の問題を生じ安くなる等の理由で2000m以下であることが好ましい。好ましくは100m以上1000m以下、さらに好ましくは200m以上800m以下、最も好ましくは300m以上500m以下である。

0156

同様の理由により支持体の厚みは200μm以下が好ましく、さらに好ましくは20μm以上180μm以下、最も好ましくは50μm以上120μm以下である。

0157

本発明においてメッシュが実質的に平行である直線状細線の交差するパターンとは、いわゆる格子模様を意味し、格子を構成しかつ隣り合う直線が平行又は平行±2°以内の場合を言う。

0158

該光ビームの走査方法としては、搬送方向に対して実質的に垂直な方向に配列したライン状の光源又は回転ポリゴンミラーによって露光する方法が好ましい。この場合、光ビームは2値以上の強度変調を行う必要があり、直線はドットの連続としてパターニングされる。ドットの連続であるため1ドットの細線の縁は階段状になるが、細線の太さはくびれた部分の一番狭い長さを意味する。

0159

メッシュ部分を描画する該光ビーム走査方法の一つの方式として、格子パターンの傾きに合わせて搬送方向に対して走査方向を傾かせたビームを走査することも好ましい。この場合、2つの走査光ビームを直交するように配列することが好ましく、光ビームは露光面上では実質的に1値の強度をとる。この場合枠縁部分を露光するために、スリット露光マスク露光を組合せてもよい。

0160

本発明においてメッシュパターンは搬送方向に対して30°〜60°傾かせることが好ましい。より好ましくは40°〜50°であり、最も好ましくは43°〜47°である。これはメッシュパターンが枠に対して45°程度の傾きとなるマスクの作成が一般的に難しく、ムラが出やすいあるいは価格が高い等の問題を生じやすいのに対して、本方式はむしろ45°付近にてムラが出にくいため、本発明の効果がマスク密着露光方式フォトリソグラフィスクリーン印刷によるパターニング対してより顕著な効果がある。

0161

以上の実施形態では、ハロゲン化銀を含む銀塩乳剤層が設けられた感光材料を露光及び現像して形成される導電性金属部について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、導電性金属部がエッチングを用いたフォトリソグラフィ法により形成されるものであってもよい。例えば、感光材料を全面露光して均一な現像銀を形成後、フォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工して露光し、エッチングすることにより導電性金属部を形成してもよい。これらの形成方法については特開2003−46293号公報、特開2003−23290号公報、特開平5−16281号公報、特開平10−338848号公報等に記載の技術を適用することができる。

0162

(III)被めっき材料の通電工程
〔通電工程〕
本発明の製造方法は、めっき物質を含まない電解液中で導電性金属部をカソード(陰極)として被めっき材料を通電する通電工程を含んでいる。

0163

この通電工程は、前記導電性金属部を還元するために行う工程であり、これにより導電性金属部のめっき活性を高めることができる。特に、前記導電性金属が現像銀、銀微粒子インク又は銀微粒子ペースト等由来の銀含有微粒子の場合、めっき活性を高め、めっきかぶりがなく、高速めっきが可能になる。

0164

以下、通電方法、めっき物質を含まない電解液について詳述する。

0165

〔通電方法〕
本発明における通電工程は、支持体上の導電性金属部に金属電極を接触させて通電する。

0166

前記金属電極は、被めっき材料の搬送の観点から、金属製の給電ローラであることが好ましく、給電ローラの直径は1cm〜20cmが好ましい。また、金属製の給電ローラは被めっき材料の水素過電圧に対して大きい材質を用いることが好ましい。水素化電圧は0Vvs.NHEからの絶対値で表される。

0167

給電ローラを経た被めっき材料は後述の電解質溶液中で通電されるが、給電ローラから電解質溶液液面までの距離は被めっき材料の抵抗値等を考慮して調整してもよい。被めっき材料の抵抗が高い場合は、給電ローラと電解質液面は近いほうが好ましく、金属ローラから電解液面までの距離は0.5cm〜30cmであることが好ましい。

0168

被めっき材料の抵抗が非常に高い場合やパターンが連続していない場合、液面上のローラからの給電では、電解液中で十分に通電できない場合が生じる。このような場合には給電ローラを電解液に没することで本発明の効果を得ることができる。電解液中に給電ローラを没する場合の給電ローラの材質も、被めっき材料の金属部よりも大きい水素化電圧を有する材質とすることで水素発生による電流ロスを避けることができる。導電性金属部が銀の場合、給電ローラの材質はニッケル、銅、カドミウム、錫、鉛、亜鉛が好ましく、水素過電圧を大きくするために合金を用いてもよい。

0169

また、電解質液中の被めっき材料と対極アノード)との距離が幅方向で一定であると、より面内均一なめっき活性化が可能となる。

0170

通電時における電流は、小さすぎるとめっき活性が得られず、大きすぎると失活するため、0.001A/dm2〜10A/dm2であることが好ましく、0.005A/dm2〜5A/dm2であることがより好ましく、0.01A/dm2〜1A/dm2であることが特に好ましい。

0171

通電時間は、短すぎると無電解活性が得られず、長すぎると失活するため、0.1秒〜360秒が好ましく、0.5秒〜120秒がさらに好ましく、最も好ましくは1秒〜60秒である。

0172

〔実質的にめっき物質を含まない電解液〕
本発明における「めっき物質を含まない電解液」の「めっき物質を含まない」とは、実質的にめっき反応により被めっき材料に所定膜厚めっき層が生じない液を意味する。具体的には、1A/dm2の電流を60秒間通電した際に電解液から電極上に析出する物質が10mg/dm2以下であり、好ましくは1mg/dm2以下であることを表す。

0173

本発明における電解液は、陽極と陰極の間の溶液抵抗を下げる観点から、電解質を含むことが好ましい。

0174

電解質としては、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩等である。好ましくは硫酸ナトリウム硝酸カリウム硫酸アンモニウム,ホウ酸、過塩素酸ナトリウムパラトルエンスルホン酸ナトリウム等であり、特に好ましい電解質としては硫酸ナトリウムが挙げられる。

0175

溶媒としては水、非水溶媒(非水系有機溶媒)いずれでもよいが、水(純水)が最も優れている。非水系有機溶媒としては、アミド、ピロリドン、二トリル、ケトン及びテトラヒドロフランが挙げられる。アミドとして、具体的には、ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミドがあり、ピロリドンとして具体的にはN−メチルピロリドンがあり、ニトリルとして具体的にはアセトニトリルプロピオニトリルベンゾニトリルがあり、ケトンとして具体的にはアセトン、メチルエチルケトンメチルイソブチルケトンアセチルアセトンがある。

0176

溶媒中での電解質濃度は、10-3mol〜3mol/Lが好ましく、10-3mol〜1mol/Lがより好ましく、10-2mol〜0.5mol/Lが最も好ましい。なお、電解質濃度は、被めっき材料の表面抵抗値、通電時間、対極との電極間距離(被めっき材料と対極アノードとの距離)等により適宜調整して構わない。但し、電解質濃度を10-3mol/Lよりも下げると陽極と陰極の間の溶液抵抗が高くなり、設定電流値を通電するための印加電圧が上昇すると共に、本発明の効果が得られ難くなる。電解質濃度が3molよりも高い場合は、被めっき材料膜面上に電解質の析出が起こる場合があり注意が必要である。

0177

〔めっき工程〕
本発明の製造方法は、金属微粒子部にめっき処理を行うめっき工程を含んでいる。これは金属微粒子部の導電性を向上させ、本発明の導電性材料を形成させるためである。

0178

また、めっき工程は、無電解めっき工程、及び電気めっき工程を含むことが好ましく、無電解めっき工程の後に電気めっき工程を行うことがより好ましく、無電解めっき工程の後に電気銅めっき工程を行い、さらにその後に電気黒化めっき工程を行うことが特に好ましい。

0179

以下に、無電解めっき工程、及び電気めっき工程について詳述する。

0180

〔無電解めっき工程〕
本発明における無電解めっき工程において、無電解めっきとして用いることができる金属としては、銅、ニッケル、クロム、亜鉛、錫、金、白金、銀が挙げられ、導電性、めっき安定性の観点から銅であることが好ましい。

0181

電解めっき時間は、15秒〜10分が好ましく、30秒〜8分がより好ましく、1〜7分がさらに好ましい。10分より長いと、高アルカリ浴に長時間浸漬されることによるゼラチン膜変質が原因と思われる光透過性部の透明性の著しい劣化が見られる。また、30秒より短いと導電性が不足するか又はめっきの厚みムラが生じ易くなってしまう。

0182

無電解めっき温度は、10〜50℃が好ましく、15〜40℃がより好ましい。

0183

連続でも断続でもよいが、無電解めっき液にはエアレーションをすることが好ましい。エアーの量は、0.01〜10L/L溶液/分が好ましく、0.05〜3L/L溶液/分がより好ましく、0.2〜0.5L/L溶液/分がさらに好ましい。エアーは多いほうが液中攪拌能力上がり均一性等の面で好ましいが、多過ぎると吹き込まれるCO2によって、液のpHが下がり、その補正のため大量のアルカリを補充しなければならなくなる。

0184

以下に、無電解銅めっき液について説明する。

0185

〔無電解銅めっき液〕
無電解銅めっきに含まれる化学種としては、硫酸銅塩化銅、還元剤としてホルマリングリオキシル酸銅イオン錯化剤としてEDTA、酒石酸、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミンやニトリロトリ酢酸等、その他浴の安定化やめっき皮膜平滑性を向上させるための添加剤としてポリエチレングリコール黄血塩ビピリジンチオ尿素系化合物等が挙げられる。高速めっきのための銅イオン錯化剤としてはトリエタノールアミンが好ましい。

0186

浴の安定化剤としては、硫黄含有化合物がより好ましい。浴の安定化剤の添加量は、1×10-9〜1×10-4mol/Lが好ましく、1×10-8〜1×10-6mol/Lがより好ましい。銅イオンの濃度は、0.001〜0.3mol/Lが好ましく、0.005〜0.1mol/Lがより好ましく、0.01〜0.1mol/Lがさらに好ましい。銅イオン錯化剤の濃度は、銅イオン濃度に対して0.5〜10倍molが好ましく、0.7〜7倍molがより好ましく、0.8〜4倍molがさらに好ましい。還元剤濃度は、0.001〜1mol/Lが好ましく、0.01〜1mol/Lがより好ましく、0.1〜0.7mol/Lが液の安定性とめっき速度との両立という点でさらに好ましい。

0187

〔電気めっき工程〕
本発明の製造方法は、電気めっき工程を含むことが好ましく、さらに電気めっき工程は電気銅めっきと電気黒化めっき工程を含むことがより好ましい。めっき処理時間はめっきする金属、厚み、めっき品質によって様々な場合があるが、通常各々のめっき工程に対して10秒〜120分が好ましく、1分〜60分が特に好ましい。印加電圧は、0.1V〜100Vが好ましく、0.5V〜30Vが特に好ましく、0.5V〜20Vが最も好ましい。

0188

電気めっき工程で用いる電気めっき液としては、市販もしくは公知の電気めっき液を使用することができる。以下に電気銅めっき液と電気黒化めっき液について説明する。

0189

〔電気銅めっき液〕
電気銅めっき液の銅供給源化合物として、硫酸銅、シアン化銅ホウフッ化銅、塩化銅、ピロリン酸銅炭酸銅等が挙げられ、これらの1つ以上の化合物を含む銅めっき液が用いられる。建浴費が安く、管理が容易等の点から硫酸銅を含むめっき液を用いることが好ましく、硫酸銅五5水和塩あるいは予め水に溶解した硫酸銅水溶液を用いることがより好ましい。

0190

銅めっき液中での銅イオン濃度としては、硫酸銅五水塩質量換算で、150〜300g/Lの範囲とすることが好ましく、より好ましい範囲は150〜250g/Lであり、さらにより好ましい範囲は180〜220g/Lである。

0191

電気銅めっき液の好ましい温度は15〜35℃で、より好ましくは20〜30℃である。液の攪拌は通常よく知られたエアー攪拌、液を小さいノズルから噴出ジェット攪拌、タンク液循環させて攪拌する方法が好ましい。

0192

電気銅めっき液には酸を加えてもよい。めっき液に加える酸としては、めっき液のpHが十分低く保たれる限り特に限定されず、例えば硫酸、硝酸、塩酸等が挙げられ、中でも硫酸がより好ましく用いられる。pHは酸の濃度によって変わるが、pH3以下が好ましく、さらに好ましくはpH1以下である。なお、酸性銅めっき液がpH3を超えると、銅が析出し易くなるため好ましくない。

0193

電気銅めっき液に種々の添加剤を加えることで、例えば、めっき反応の促進によるめっき時間縮化や、めっき反応抑制又は形成されるめっき層の平坦化によるめっきの均一化等を図ることができる。電気銅めっき液の代表的な添加剤としては、塩素イオンポリアルキレングリコール類含硫黄有機化合物含窒素化合物等が挙げられ、これら化合物類を組み合わせて使用できる。塩素イオンの添加剤濃度は、20〜150mg/Lであることが好ましく、30〜100mg/Lがより好ましい。

0194

ポリアルキレングリコール類としては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールブロック共重合型プルロニック型)界面活性剤、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールグラフト共重合型(テトロニック型)界面活性剤、グリセリンエーテルジアルキルエーテルからなる群から選ばれる化合物を用いることができ、好ましくは分子量10000〜10000、より好ましくは2000〜6000のポリエチレングリコール、分子量100〜5000、より好ましくは200〜2000のポリプロピレングリコール、分子量1000〜10000、より好ましくは1500〜4000のポリエチレングリコールのポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールブロック共重合体が挙げられ、2000〜6000のポリエチレングリコールが最も好ましい。なお、これらの化合物は単独又は2種以上の組み合わせであってもよい。ポリアルキレングリコール類の合計量としての使用濃度は、10〜5000mg/Lが好ましく、50〜2000mg/Lがより好ましい。

0195

含硫黄有機化合物の具体例としては、例えばビス(3−スルホプロピルジスルフィドSPS)、メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム(MPS)等が挙げられる。またその他、特開平7−316875号の段落[0012]に挙げられている化合物やメチオニン等の含硫黄アミノ酸を用いることも好ましい。なお、硫黄系有機化合物は1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。含硫黄有機化合物の濃度としては、0.01〜5000mg/Lが好ましく、0.02〜2000mg/Lがより好ましく、0.1〜300mg/Lがさらにより好ましい。

0196

また、含窒素化合物としては、ポリアルキレンイミン、1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン塩、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート級塩ポリビニルピリジン4級塩、ポリビニルアミジンポリアリルアミンポリアミンスルホン酸、オーラミン及びその誘導体、メチルバイオレット及びその誘導体、クリスタルバイオレット及びその誘導体、ヤヌスブラック及びその誘導体、ヤヌスグリーンからなる群から選ばれる化合物を用いることができる。なお、窒素化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。含窒素化合物の濃度としては、0.1〜1000mg/Lが好ましく、0.5〜150mg/Lがより好ましい。

0197

〔電気黒化めっき液〕
電気黒化めっき液は、一般的には少なくとも2種以上の金属元素を含む電気めっき液であり、含有される金属としてはニッケル、亜鉛、錫、銅、コバルト等が挙げられる。電気めっき工程での電着性及び/又はめっきサンプルの色味等の観点で、これらめっき液中の金属元素の組み合わせとしては、ニッケル−亜鉛、ニッケル−錫の組み合わせが好ましく用いられる。また、同じ2種金属元素組み合わせのめっき液であっても、例えばニッケル化合物及び/又は亜鉛化合物処方量比を変更して使用する、あるいは違う2種金属元素組み合わせのめっき液を使用することでめっき層を多層構成にすることもできる。このような層構成を形成する場合は、後述するめっき装置も2槽以上の多段装置とすればよい。

0198

各種金属の供給源化合物としては、硫酸塩、硝酸塩塩化物硫酸アンモニウム塩スルファミン酸塩ピロリン酸塩等が挙げられ、これら化合物の濃度は硫酸ニッケル水塩の質量換算で、50〜250g/Lの範囲とすることが好ましく、より好ましくは80〜180g/Lである。また、各種金属供給源化合物の溶解を補助する、あるいはめっき液安定性を高める目的の種々の錯化剤、電気銅めっき液の欄で述べためっき性コントロールのための種々の添加剤、めっき液pHの変動を抑えるコハク酸、クエン酸等の緩衝剤等も添加することができる。

0199

電気黒色ニッケルめっき液の好ましい温度は30〜60℃で、より好ましくは35〜50℃である。液の攪拌については、電気銅めっき液の場合と同様にエアー攪拌、ジェット攪拌、タンク循環等の方法を用いることができる。

0200

〔導電性金属部、無電解めっき部、電気めっき部からなる導電性機能層
上記のようにして形成された導電性金属部、無電解めっき部及び電気めっき部からなる導電性機能層は、線幅が1μmから40μmの細線からなるメッシュパターン部と、枠縁部とからなる。メッシュパターン部は、透光性電磁波シールド材料としての用途である場合、正三角形二等辺三角形直角三角形等の三角形、正方形長方形菱形平行四辺形台形等の四角形、(正)六角形、(正)八角形等の(正)n角形、円、楕円星形等を組み合わせた幾何学図形であることが好ましく、これらの幾何学図形からなるメッシュ状であることがさらに好ましい。電磁波遮蔽性の観点からは三角形の形状が最も有効であるが、可視光透過性の観点からは同一のライン幅なら(正)n角形のn数が大きいほど開口率が上がり可視光透過性が大きくなるので有利である。モアレを生じにくくする観点ではこれらの幾何学模様ランダムに配置したり、ライン幅を周期性なしに変化させることも好ましい。また、実質的に平行である直線状細線の交差するパターンからなることが好ましい。

0201

導電性金属部の表面抵抗は、通電処理前で10オーム/sq〜10000オーム/sqであり、導電性機能層積層部の表面抵抗が0.01オーム/sq〜1オーム/sqであることが好ましい。

0202

なお、導電性配線材料の用途である場合、メッシュパターン部の形状は特に限定されず、目的に応じて任意の形状を適宜決定することができる。

0203

このようにして製造した本実施の形態に係る導電性材料10の一例を図1に示す。図1に示す導電性材料10は、透明支持体12上に導電性機能層14と光透過部18(例えばゼラチン)とを有する。また、導電性機能層14は、ハロゲン化銀塩乳剤層を露光・現像して形成された導電性金属部16上に形成された第1めっき層20と、該第1めっき層20上に形成された第2めっき層22と、該第2めっき層22上に形成された第3めっき層23とを有する。第1めっき層20は、例えばCu(銅)による無電解めっき処理を施すことで形成することができ、第2めっき層22は、例えばCu(銅)による電解めっき処理(電気めっき処理)を施すことで形成することができ、第3めっき層23は、Ni(ニッケル)−亜鉛系電解黒化めっき処理を施すことで形成することができる。

0204

ここで、導電性材料10を製造する方法について図2A〜図3Dを参照しながら説明する。

0205

先ず、図2Aに示すように、ハロゲン化銀24(例えば臭化銀粒子、塩臭化銀粒子や沃臭化銀粒子)をゼラチン26に混ぜてなるハロゲン化銀塩乳剤層28を透明支持体12上に塗布する。なお、図2A〜図2Cでは、ハロゲン化銀24を「粒々」として表記してあるが、あくまでも本発明の理解を助けるために誇張して示したものであって、大きさや濃度等を示したものではない。

0206

その後、図2Bに示すように、ハロゲン化銀塩乳剤層28に対して例えばメッシュパターンの形成に必要な露光を行う。ハロゲン化銀24は、光エネルギを受けると感光して「潜像」と称される肉眼では観察できない微小な銀核を生成する。

0207

その後、潜像を肉眼で観察できる可視化された画像に増幅するために、図2Cに示すように、現像処理を行う。具体的には、潜像が形成されたハロゲン化銀塩乳剤層28を現像液(アルカリ性溶液酸性溶液のどちらもあるが通常はアルカリ性溶液が多い)にて現像処理する。この現像処理とは、ハロゲン化銀ないし現像液から供給された銀イオンが現像液中の現像主薬と呼ばれる還元剤により潜像銀核を触媒核として金属銀に還元されて、その結果として潜像銀核が増幅されて可視化された銀画像(現像銀30)を形成する。

0208

現像処理を終えたあとにハロゲン化銀塩乳剤層28中には光に感光できるハロゲン化銀24が残存するのでこれを除去するために図2Dに示すように定着処理液(酸性溶液とアルカリ性溶液のどちらもあるが通常は酸性溶液が多い)により定着を行う。

0209

この定着処理を行うことによって、露光された部位には導電性金属部(金属銀部16)が形成され、露光されていない部位にはゼラチン26のみが残存し、光透過部18となる。すなわち、透明支持体12上に金属銀部16と光透過部18との組み合わせが形成されることになる。この段階で、金属銀部16を有する被めっき材料32が完成する。

0210

ハロゲン化銀24として臭化銀を用い、チオ硫酸塩で定着処理した場合の定着処理の反応式は以下のようである。
AgBr(固体)+2個のS2O3イオン→ Ag(S2O3)2
易水溶性錯体)

0211

すなわち、2個のチオ硫酸イオンS2O3とゼラチン26中の銀イオン(AgBrからの銀イオン)が、チオ硫酸銀錯体を生成する。チオ硫酸銀錯体は水溶性が高いのでゼラチン26中から溶出されることになる。その結果、現像銀30が金属銀部16として定着されて残ることになる。

0212

従って、現像工程は、潜像に対し還元剤を反応させて現像銀30を析出させる工程であり、定着工程は、現像銀30にならなかったハロゲン化銀24を水に溶出させる工程である。詳細は、T.H.James, The Theory of the Photographic Process, 4th ed., Macmillian Publishing Co.,Inc, NY,Chapter15, pp.438−442. 1977を参照されたい。

0213

なお、現像処理は多くの場合アルカリ性溶液で行われることから、現像処理工程から定着処理工程に入る際に、現像処理にて付着したアルカリ溶液が定着処理溶液(多くの場合は酸性溶液である)に持ち込まれるため、定着処理液の活性が変わるといった問題がある。また、現像処理槽を出た後、膜に残留した現像液により意図しない現像反応がさらに進行する懸念もある。そこで、現像処理後で、定着処理工程に入る前に、酢酸(酢)溶液等の停止液でハロゲン化銀塩乳剤層28を中和もしくは酸性化することも好適に用いられる。

0214

そして、図3Aに示すように、めっき物質を含まない電解液中で金属銀部16をカソードとして被めっき材料32を通電する。

0215

その後、図3Bに示すように、通電後の被めっき材料32に対して無電解めっき処理を行って、金属銀部16のみに第1めっき層20を担持させる。

0216

その後、図3Cに示すように、電気銅めっき処理を行って、第1めっき層20上に第2めっき層22を担持させる。

0217

その後、図3Dに示すように、電気黒化めっき処理を行って、第2めっき層22上に第3めっき層23を担持させる。これによって、図1に示すように、透明支持体12上に導電性機能層が形成されることになる。なお、透明支持体12の他方の面に易接着層を設けるようにしてもよい。

0218

ここで、上述したハロゲン化銀塩乳剤層28を用いた方法(銀塩写真技術)と、フォトレジストを用いた方法(レジスト技術)との違いを説明する。

0219

レジスト技術では、露光処理により光重合開始剤が光を吸収して反応が始まりフォトレジスト膜樹脂)自体が重合反応して現像液に対する溶解性の増大又は減少させ、現像処理により露光部分又は未露光部分の樹脂を除去する。なおレジスト技術で現像液とよばれる液は還元剤を含まず、未反応の樹脂成分を溶解する例えばアルカリ性溶液である。一方、本発明の銀塩写真技術の露光処理では上記に記載したように、光を受けた部位のハロゲン化銀24内において発生した光電子と銀イオンからいわゆる「潜像」と呼ばれる微小な銀核が形成され、その潜像銀核が現像処理(この場合の現像液は必ず現像主薬と呼ばれる還元剤を含む)により増幅されて可視化された銀画像になる。このように、レジスト技術と銀塩写真技術とでは、露光処理から現像処理での反応が全く異なる。

0220

レジスト技術の現像処理では露光部分又は未露光部分の重合反応しなかった樹脂部分が除去される。一方、銀塩写真技術の現像処理では、潜像を触媒核にして現像液に含まれる現像主薬と呼ばれる還元剤により還元反応がおこり、目に見える大きさまで現像銀30が成長するものであって、未露光部分のゼラチン26の除去は行われない。このように、レジスト技術と銀塩写真技術とでは、現像処理での反応も全く異なる。

0221

なお、未露光部分のゼラチン26に含まれるハロゲン化銀24は、その後の定着処理によって溶出されるものであって、ゼラチン26自体の除去は行われない(図2D参照)。

0222

このように、銀塩写真技術では反応(感光)主体がハロゲン化銀24であるのに対し、レジスト技術では光重合開始剤である。また、現像処理では、銀塩写真技術ではバインダ(ゼラチン26)は残存するが(図2D参照)、レジスト技術ではバインダがなくなる。このような点で、銀塩写真技術とフォトレジスト技術は大きく相違する。

0223

<導電性材料の製造装置>
本発明の導電性材料の製造装置は、めっき物質を含まない電解液中で金属銀部16が陰極(カソード)として作用する被めっき材料を通電する通電処理槽とめっき槽とを有する。めっき槽は、無電解めっき槽、電気銅めっき槽及び電気黒化めっき槽を有することが好ましい。

0224

本実施の形態に係る製造装置100は、通電処理、無電解めっき処理、電気銅めっき処理及び電気黒化めっき処理の順に被めっき材料32の表面を処理することができるように、図4に示すように、被めっき材料32の搬送方向に沿って、金属製の給電ローラ(第1給電ローラ102)及び電極(アノード電極104)を備えた通電処理装置106、無電解めっき処理装置108、電気銅めっき処理装置110、電気黒化めっき処理装置111、の順に配置されている態様が挙げられる。なお、図4では処理構成を説明するために各々の処理槽を1槽づつ図示しているが、もちろん目的等に応じて各々の処理槽を複数槽としてもよい。

0225

以下に、通電処理装置106、無電解めっき処理装置108、電気銅めっき処理装置110及び電気黒化めっき処理装置111について詳述する。

0226

〔通電処理装置106〕
本実施の形態に係る通電処理装置106は、露光・現像を施され、細線状の金属銀部16が形成された被めっき材料32に対し、通電処理を施し、金属銀部16を還元処理することにより活性化するものである。

0227

具体的には、通電処理装置106は、例えば図5に示すように、被めっき材料32の金属銀部16に接触しながら給電を行う第1給電ローラ102を有する。被めっき材料32を挟んで第1給電ローラ102と対向する位置には、被めっき材料32の金属銀部16を第1給電ローラ102に押圧する弾性ローラ112が第1給電ローラ102に対してほぼ水平方向に配設されている。

0228

弾性ローラ112は、回転可能に支持されたシャフト114と、表面の弾性体層116とを備えている。弾性体層116としてウレタンゴム等が用いられる。弾性ローラ112を構成するシャフト114の両端部には、シャフト114の回転を阻害しないように押圧装置118が配設されている。押圧装置118には、筐体120の内部にバネ材122が配設されており、バネ材122がシャフト114に当接する当接部材124をシャフト114側に押圧している。また、バネ材122の背面側には、筐体120に設けられた調整ねじ126が当接しており、この調整ねじ126の螺合位置を調整することで、被めっき材料32を第1給電ローラ102に押圧する押圧力が調整されるようになっている。

0229

また、通電処理装置106は、第1給電ローラ102よりも被めっき材料32の搬送方向下流側に、電解液128で満たされた通電処理槽130を備えている。

0230

電解液128として、めっき物質を含まない電解液が用いられる。めっき物質を含まないとは、実質的にめっき反応が生じない液を意味し、好ましくは1A/dm2の電流を60秒間通電した際に電解液から電極上に析出する物質が10mg/dm2以下であり、さらに好ましくは1mg/dm2以下である。

0231

通電処理装置106では、第1給電ローラ102に接触させた被めっき材料32の金属銀部16を通電処理槽130の電解液128中で液中ローラ132により搬送する。通電処理槽130内の電解液128中には、アノード電極104が配設されており、カソード電極を給電ローラ302として、直流電源134により給電する。これによって、被めっき材料32の金属銀部16を還元するための通電処理が行われる。すなわち、この通電処理により、被めっき材料32の金属銀部16に形成された酸化物等が除去され(例えばAg2O、Ag2Sが還元されてAgとなり)、金属銀部16が活性化される。この通電処理により、後の工程の無電解めっきでのめっき速度を促進させることができる。

0232

第1給電ローラ102は金属電極を設けていることが好ましい。また、第1給電ローラ102の直径は1cm以上20cm以下であることが好ましく、2cm以上10cm以下であることが特に好ましい。さらには、第1給電ローラ102を電解液128の液面から5mm以上30cm以下の距離に配置することが好ましく、1cm以上5cm以下であることが特に好ましい。これらの範囲にあると、被めっき材料32と第1給電ローラ102との接点から電解液128の液面までの距離Laを小さくすることができるため、電解液128に浸漬されるまでの間に被めっき材料32の金属銀部16の酸化等を抑制することができる。特に好ましい態様としては、第1給電ローラ102の位置が液面から1cm未満であってもよく、電解液128の液面中に配置してもよく、電解液128の液中に配置するものでもよい。この場合、被めっき材料32に給電した後、被めっき材料32の金属銀部16の酸化をさらに抑制することができる。

0233

第1給電ローラ102の表面粗さは、被めっき材料32の保持力キズ付きの観点から、1μm〜50μmであることが好ましく、2μm〜20μmであることが特に好ましい。

0234

このように、通電処理装置106で通電処理された被めっき材料32上に形成された金属銀部16は被めっき面がめっき活性され、その後のめっき処理において、めっきかぶりなく高速のめっきが可能となり、大量生産することが可能となる。

0235

さらに、通電処理装置106は、被めっき材料32に付着した処理後の電解液128等を洗浄するため、洗浄装置を有していてもよい。

0236

第1給電ローラ102は、材質をSUS316、SUS316J1、SUS317、もしくはSUS317Lとしたもの、又はこれらの材質表面に銅材被覆したものを用いている。また、第1給電ローラ102は、表面が放電加工されている。第1給電ローラ102の表面粗さRyは5μm以上、30μm未満が好ましく、10〜25μm未満がより好ましい。また、表面粗さRaは0.5〜5μmが好ましく、1〜2.5μmがより好ましい。ここで、Ry、Raは、JIS B 0601−1994に規定される表面粗さである。上記の表面粗さRy、Raの測定は、ミツトヨ製SJ−400で行った。

0237

弾性ローラ112の弾性体層116は、硬度が10〜70度、肉厚が約5mmの導電性ゴムからなる。弾性体層116の硬度は、高分子計器株式会社製ASKERC型で測定した。

0238

弾性ローラ112のバネ材122の背面側に取り付けられた調整ねじ126の螺合位置を調整することで、被めっき材料32を第1給電ローラ102に押圧する圧力を所定の値に設定することができる。第1給電ローラ102と弾性ローラ112とのニップ部の圧力は、0.2〜0.6MPaが好ましく、0.3〜0.5MPaがより好ましい。この圧力は、ツーシートタイプの極超低圧用の富士プレスケール(富士フイルム株式会社製)を用いて測定した。この富士プレスケールは、2種類のフィルムから構成されており、一方のフィルムには支持体に発色剤マイクロカプセル)が塗布され、他方のフィルムには顕色剤が塗布されており、発色剤層のマイクロカプセルがニップ部の圧力によって破壊され、その中の発色剤が顕色剤に吸着され、化学反応で赤く発色するものである。

0239

弾性ローラ112を第1給電ローラ102側に押圧することで、被めっき材料32と第1給電ローラ102とをほぼ均一に接触させることができる。第1給電ローラ102と弾性ローラ112とのニップ部の圧力が0.2MPaより小さいと、被めっき材料32と第1給電ローラ102とをほぼ均一に接触させることが困難となる。また、ニップ部の圧力が0.6MPaより大きいと、第1給電ローラ102と弾性ローラ112との間の被めっき材料32の搬送抵抗が大きくなり、被めっき材料32を安定して搬送させることが困難となる。

0240

〔無電解めっき処理装置108〕
無電解めっき処理装置108は、細線状の金属銀部16が形成された被めっき材料32に対し、無電解めっき処理を施し、金属銀部16に導電性微粒子を担持させて第1めっき層20を形成する装置である。

0241

具体的に、無電解めっき処理装置108は、第1めっき液136が満たされた第1めっき浴槽138と、この第1めっき浴槽138内に配置された複数(本実施の形態では2本)の支持ローラ140とを備え、第1めっき浴槽138内に被めっき材料32を水平搬送する方式の装置である。また、無電解めっき処理装置108には、第1めっき浴槽138への入液前及び入液後の被めっき材料32を支持・搬送する複数の搬送支持ローラ142、144が配設されている。

0242

第1めっき浴槽138内の支持ローラ140、140の間で水平搬送される被めっき材料32の下部には、被めっき材料32の搬送路に沿って、被めっき材料32に微細気泡気液混合流体を噴出させる複数の噴出部材146が設けられている。この微細気泡気液混合流体(微細気泡含有のめっき液)は第1めっき液136と空気との混合流体であり、この微細気泡気液混合流体を噴出部材146へ供給するための気液混合供給装置148が配設されている。

0243

気液混合供給装置148は、第1めっき浴槽138と仕切板150で仕切られた供給部152の底部と複数の噴出部材146とを連結するパイプ154を備えており、パイプ154に循環ポンプ156、フィルタ158が配設されている。また、気液混合供給装置148は、第1めっき浴槽138の上部に気泡分離槽160を備えており、第1めっき浴槽138の底部を気泡分離槽160を介して供給部152と連結するパイプ162、164を備えている。パイプ162には循環ポンプ166、気液混合器168が配設されている。

0244

そして、気液混合器168を通過した微細気泡気液混合流体がパイプ162を通って気泡分離槽160に供給される。パイプ162は気泡分離槽160の底部に連結されており、気泡分離槽160内には液面から出ない位置に堰板170が配設されている。堰板170を挟んで気泡分離槽160の底部に連結されたパイプ164が、上方から供給部152内に挿入されている。微細気泡気液混合流体がパイプ162を通って気泡分離槽160に底部から供給されることで、微細気泡気液混合流体に含まれる気泡が液面に浮き上がる。これによって、微細気泡気液混合流体から気泡が分離され、気泡が分離された微細気泡気液混合流体が堰板170を越えて気泡分離槽160の底部に連結されたパイプ164を通って供給部152に供給される。

0245

供給部152に供給された微細気泡気液混合流体は、供給部152の底部に連結されたパイプ154を通ってフィルタ158を通過し、複数の噴出部材146に供給される。そして、複数の噴出部材146から被めっき材料32に微細気泡気液混合流体が噴出される。被めっき材料32が第1めっき浴槽138の第1めっき液136中を搬送される際に被めっき材料32の金属銀部16に無電解めっき処理が施される。また、微細気泡混合液体を噴出することで、第1めっき浴槽138内の第1めっき液136が攪拌混合され、液の均一化が図れる。

0246

〔電気めっき処理装置110〕
次に、電気めっき処理装置110は、図7に示すように、長尺の被めっき材料32(第1めっき層20が施されたもの)に連続して電気銅めっき処理を施すことができるものである。図中の矢印は、被めっき材料32の搬送方向を示している。

0247

電気めっき処理装置110は、第2めっき液172を貯留する第2めっき浴槽174を備えている。第2めっき浴槽174内には、一対の銅アノード板176a及び176bが平行に配設され、各銅アノード板176a及び176bの内側には、一対のガイドローラ178a及び178bが一対の銅アノード板176a及び176bと平行に回動可能に配設されている。一対のガイドローラ178a及び178bは垂直方向に移動可能で、これにより被めっき材料32のめっき処理時間を調整できる。

0248

第2めっき浴槽174の上方には、被めっき材料32を第2めっき浴槽174に案内すると共に被めっき材料32に電流を供給する一対の第2給電ローラ180a及び180b(カソード)がそれぞれ回転自在に配設されている。また、第2めっき浴槽174の上方には、出口側の第2給電ローラ180bの下方に液切りローラ182が回動可能に配設されており、この液切りローラ182と出口側の第2給電ローラ180bとの間には、被めっき材料32からめっき液を除去するための水洗用スプレー(図示せず)が設置されている。

0249

一対の銅アノード板176a及び176bは、電線(図示せず)を介して電源装置(図示せず)のプラス端子に接続され、一対の第2給電ローラ180a及び180bは、電源装置(図示せず)のマイナス端子に接続されている。

0250

そして、被めっき材料32をその第1めっき層20側の面(メッシュ面)が下向きとなるように(銀メッシュ面が一対の第2給電ローラ180a及び180bと接するように)、電気めっき処理装置110に取り付けてある。

0251

なお、一対の第2給電ローラ180a及び180bとして、鏡面仕上げしたステンレス製ローラ(10cmφ、長さ70cm)の表面に0.1mm厚の電気銅めっきを施したものを使用し、一対のガイドローラ178a及び178b並びにその他の搬送ローラとしては、銅めっきしていない5cmφ、長さ70cmのローラを使用している。また、一対のガイドローラ178a及び178bの高さを調製することで、ライン速度が違っても一定の液中処理時間が確保されるようにしてある。

0252

また、入り口側の第2給電ローラ180aと被めっき材料32のメッシュ面とが接している面の最下部とめっき液面との距離(図7に示す距離Lb)を、10cmとした。出口側の第2給電ローラ180bと被めっき材料32のメッシュ面が接している面の最上部とめっき液面との距離(図7に示す距離Lc)を、20cmとしてある。

0253

〔電気めっき処理装置111〕
次に、電気めっき処理装置111は、図8に示すように、長尺の被めっき材料32(第2めっき層22までが施されたもの)に連続して電気黒化めっき処理を施すことができるものであり、基本構成としては図7に示す電気めっき処理装置110と同一である。従って、図7と対応する部材については、同符号を付してその重複説明を省略する。図8では処理装置110からの変更点のみを示しており、めっき浴槽174に第3めっき液192を貯留していること及びめっき浴槽174内の一対のアノード板186a及び186bの材質が黒化めっきに用いられる材質の金属板になっていることが挙げられる。例えば、ニッケル−亜鉛系電解黒化めっきを行う際は、一対のアノード板186a及び186bの材質を溶出性金属ニッケル板とし、第3めっき液192中の金属組成比補充液により一定に管理して電解めっきすることも好適である。

0254

以上のように電気銅めっき及び電気黒化めっき処理を施された被めっき材料32は、乾燥処理を施された後、巻取られる。このようにして、本実施の形態に係る導電性材料10を得ることができる。

0255

上述のように、被めっき材料32の金属銀部16には第1めっき層20、第2めっき層22及び第3めっき層23が形成される。金属銀部16は該導電性金属部に含まれる金属の全質量に対して、銀を50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することがさらに好ましい。

0256

また、金属銀部16、第1めっき層20、第2めっき層22及び第3めっき層(導電性金属部)の金属総質量は、該導電性金属部の全質量に対して80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。

0257

以上説明した本実施形態に係る導電性材料の製造装置では、被めっき材料32として、透明支持体上にハロゲン化銀塩乳剤層28が設けられたものを用い、該ハロゲン化銀塩乳剤層28に露光・現像を行って所望形状の金属銀部16を形成させる。この金属銀部16は、ハロゲン化銀塩乳剤層28に露光・現像して形成されるため、非常に細い細線でパターン化された金属銀部16となる。このような被めっき材料32に対し、めっき処理を施すと、金属銀部16上に導電性粒子が担持され、これが導電性金属部となる。このため、得られる電磁波遮蔽材料は、非常に細い細線でパターン化された細線状金属部と大面積の光透過部18とを有することとなる。

0258

透光性電磁波シールド膜
以上のようにして製造した導電性材料を用い、本発明の透光性電磁波シールド膜における支持体の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜200μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、かつ取り扱いも容易である。

0259

物理現像及び/又はめっき処理前の支持体上に設けられる金属銀部の厚さは、支持体上に塗布される銀塩含有層用塗料塗布厚みに応じて適宜決定することができる。金属銀部の厚さは、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.01〜9μmであることがさらに好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。また、金属銀部はパターン状であることが好ましい。金属銀部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。金属銀部がパターン状であり、かつ2層以上の重層構成である場合、異なる波長に感光できるように、異なる感色性を付与することができる。これにより、露光波長を変えて露光すると、各層において異なるパターンを形成することができる。このようにして形成された多層構造のパターン状金属銀部を含む透光性電磁波シールド膜は、高密度なプリント配線板として利用することができる。

0260

導電性金属部の厚さは、ディスプレイの電磁波シールド材の用途としては、薄いほどディスプレイの視野角が広がるため好ましい。さらに、導電性配線材料の用途としては、高密度化の要請から薄膜化が要求される。このような観点から、導電性金属部に担持された導電性金属からなる層の厚さは、9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上3μm未満であることがさらに好ましい。

0261

本発明では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、さらに物理現像及び/又はめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する透光性電磁波シールド膜であっても容易に形成することができる。

0262

なお、エッチングを用いたフォトリソグラフィ方法では、金属薄膜の大部分をエッチングで除去、廃棄する必要があったが、本発明では必要な量だけの導電性金属を含むパターンを支持体上に設けることができるため、必要最低限の金属量だけを用いればよく、製造コストの削減及び金属廃棄物の量の削減という両面から利点がある。

0263

接着剤層
本発明に係る導電性材料による電磁波シールド膜は、光学フィルタや、液晶表示板、プラズマディスプレイパネル、その他の画像表示グラットパネル、あるいはCCDに代表される撮像用半導体集積回路等に組み込まれる際には、接着層を介して接合される。

0264

接着剤層における接着剤屈折率は1.40〜1.70のものを使用することが好ましい。これは本発明で使用するプラスチックフィルム等の透明基材と接着剤の屈折率との関係で、その差を小さくして、可視光透過率が低下するのを防ぐためであり、屈折率が1.40〜1.70であると可視光透過率の低下が少なく良好である。

0265

また、接着剤は、加熱又は加圧により流動する接着剤であることが好ましく、特に、200℃以下の加熱又は1Kgf/cm2以上の加圧により流動性を示す接着剤であることが好ましい。このような接着剤を用いることにより、この接着剤層に導電層が埋設されている本発明おける電磁波シールド膜を被着体であるディスプレイやプラスチック板に接着剤層を流動させて接着することができる。流動できるので電磁波シールド膜を被着体にラミネートや加圧成形、特に加圧成形により、また曲面、複雑形状を有する被着体にも容易に接着することができる。このためには、接着剤の軟化温度が200℃以下であると好ましい。電磁波シールド膜の用途から、使用される環境が通常80℃未満であるので接着剤層の軟化温度は、80℃以上が好ましく、加工性から80〜120℃が最も好ましい。軟化温度は、粘度が1012ポイズ以下になる温度のことで、通常その温度では1〜10秒程度の時間のうちに流動が認められる。

0266

上記のような加熱又は加圧により流動する接着剤としては、主に以下に示す熱可塑性樹脂が代表的なものとしてあげられる。たとえば天然ゴム屈折率n=1.52)、ポリイソプレン(n=1.521)、ポリ−1,2−ブタジエン(n=1.50)、ポリイソブテン(n=1.505〜1.51)、ポリブテン(n=1.513)、ポリ−2−ヘプチル−1,3−ブタジエン(n=1.50)、ポリ−2−t−ブチル−1,3−ブタジエン(n=1.506)、ポリ−1,3−ブタジエン(n=1.515)等の(ジ)エン類ポリオキシエチレン(n=1.456)、ポリオキシプロピレン(n=1.450)、ポリビニルエチルエーテル(n=1.454)、ポリビニルヘキシルエーテル(n=1.459)、ポリビニルブチルエーテル(n=1.456)等のポリエーテル類ポリビニルアセテート(n=1.467)、ポリビニルプロピオネート(n=1.467)等のポリエステル類、ポリウレタン(n=1.5〜1.6)、エチルセルロース(n=1.479)、ポリ塩化ビニル(n=1.54〜1.55)、ポリアクリロニトリル(n=1.52)、ポリメタクリロニトリル(n=1.52)、ポリスルホン(n=1.633)、ポリスルフィド(n=1.6)、フェノキシ樹脂(n=1.5〜1.6)、ポリエチルアクリレート(n=1.469)、ポリブチルアクリレート(n=1.466)、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレート(n=1.463)、ポリ−t−ブチルアクリレート(n=1.464)、ポリ−3−エトキシプロピルアクリレート(n=1.465)、ポリオキシカルボニルテトラメチレン(n=1.465)、ポリメチルアクリレート(n=1.472〜1.480)、ポリイソプロピルメタクリレート(n=1.473)、ポリドデシルメタクリレート(n=1.474)、ポリテトラデシルメタクリレート(n=1.475)、ポリ−n−プロピルメタクリレート(n=1.484)、ポリ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(n=1.484)、ポリエチルメタクリレート(n=1.485)、ポリ−2−ニトロ−2−メチルプロピルメタクリレート(n=1.487)、ポリ−1,1−ジエチルプロピルメタクリレート(n=1.489)、ポリメチルメタクリレート(n=1.489)等のポリ(メタアクリル酸エステル使用可能である。これらのアクリルポリマーは必要に応じて、2種以上共重合してもよいし、2種類以上をブレンドして使用することも可能である。

0267

さらにアクリル樹脂とアクリル以外との共重合樹脂としては、エポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)等も使うこともできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテルアジピン酸ジグリシジルエステルフタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルグリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレート等のように分子内に水酸基を有するポリマーは接着性向上に有効である。これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。これらの接着剤となるポリマーの軟化温度は、取扱い性から200℃以下が好適で、150℃以下がさらに好ましい。透光性電磁波シールド膜の用途から、使用される環境が通常80℃以下であるので接着剤層の軟化温度は、加工性から80〜120℃が最も好ましい。一方、ポリマーの重量平均分子量ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したもの、以下同様)は、500以上のものを使用することが好ましい。分子量が500以下では接着剤組成物凝集力が低すぎるために被着体への密着性が低下するおそれがある。本発明で使用する接着剤には必要に応じて、希釈剤可塑剤酸化防止剤充填剤着色剤紫外線吸収剤粘着付与剤等の添加剤を配合してもよい。接着剤の層の厚さは、10〜80μmであることが好ましく、導電層の厚さ以上で20〜50μmとすることが特に好ましい。

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