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図面 (6)

課題

生産性を向上させるとともにコストを削減する。

解決手段

未加硫ゴムベルト加硫条件設定方法は、まず、未加硫ゴムシートゴム試料を種々の条件でプレス加硫し、その物性を評価して最適な加硫温度及び累積加硫度を設定する(S2〜S4)。次に、未加硫ゴムシートを含む積層体所定時間ごとに測定する(S6)。次に、アーレニウス反応式に、所定時間毎ゴム温度と、加硫温度とを代入して、所定時間毎の加硫度を算出するとともに、所定時間毎の累積加硫度を求める(S7)。そして、求められた所定時間毎の累積加硫度が設定された累積加硫度以上となる時間を決定する(S8)。

概要

背景

特許文献1には、モールド内部に加熱蒸気を、ジャケットの外周側に加圧蒸気をそれぞれ供給自在な加硫装置により加硫されるベルト成形体について記載されている。この未加硫ベルト成形体においては、内側ゴム外側ゴムとの間に心線材を挟んだダブルリブド型の未加硫ベルト成形体であって、心線材と外側ゴムとの間における上下両端部に、上下に短く、且つ、未加硫ベルト成形体に一周巻き付けられる長さの不織布を、未加硫ベルト成形体よりも若干軸方向に突出させた状態でリング状に介装されている。これにより、加硫装置により未加硫ベルト成形体が加硫処理されたときに、未加硫ベルト成形体の脱気不足に起因したポーラス不良や、心線ゴム接着不良による製品不良の発生を回避することができる。

特開2003−145552号公報

ところで、上記の未加硫ベルト成形体を加硫処理するときの加硫条件としては、一般的に、複数の未加硫ベルト成形体を加硫缶で種々の試験条件で加硫し、複数の加硫されたベルト成形体の引っ張り強度及び硬度などの物性を評価し、最も優れた物性を有するときのベルト成形体の加硫温度及び加硫時間を最適な加硫条件とし、製品用の未加硫ベルト成形体の加硫処理が行われる。

概要

生産性を向上させるとともにコストを削減する。未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法は、まず、未加硫ゴムシートゴム試料を種々の条件でプレス加硫し、その物性を評価して最適な加硫温度及び累積加硫度を設定する(S2〜S4)。次に、未加硫ゴムシートを含む積層体所定時間ごとに測定する(S6)。次に、アーレニウス反応式に、所定時間毎ゴム温度と、加硫温度とを代入して、所定時間毎の加硫度を算出するとともに、所定時間毎の累積加硫度を求める(S7)。そして、求められた所定時間毎の累積加硫度が設定された累積加硫度以上となる時間を決定する(S8)。

目的

そこで、本発明の目的は、生産性を向上させるとともにコストを削減することが可能な未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

未加硫ゴムベルト加硫処理するときの未加硫ゴムベルトの加硫条件設定方法において、前記未加硫ゴムベルトのゴム試料を種々の条件で加硫し、加硫された前記ゴム試料の物性から前記未加硫ゴムベルトの最適な加硫温度及び累積加硫度を設定する設定工程と、前記未加硫ゴムベルトの加熱中のゴム温度を第1の所定時間ごとに測定する第1温度測定工程と、前記設定工程において設定された前記加硫温度と、前記第1温度測定工程において測定された前記ゴム温度とを下記のアーレニウス反応式代入して加硫度を算出するとともに、前記第1の所定時間ごとの累積加硫度を求める第1算出工程と、前記第1算出工程において求められた前記第1の所定時間ごとの前記累積加硫度が前記設定工程において設定された前記累積加硫度となる加硫時間を決定する決定工程とを備えていることを特徴とする未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法。K=exp(−Ea/R(1/T−1/T0))ただし、Eaは活性化エネルギー、Rはガス定数、Tはゴム温度、T0は加硫温度、Kは加硫度。

請求項2

前記未加硫ゴムベルトを内及び外から押圧しつつ内外の少なくともいずれか一方から加熱する加硫装置を用いて前記未加硫ゴムベルトを加硫するときにおいて、複数の設定温度ごとにおける前記ゴム試料の第2の所定時間ごとのトルクを測定するトルク測定工程と、前記トルク測定工程において測定された前記ゴム試料の前記トルクが、第3の所定時間内に所定トルク以下となり、且つ、前記第3の所定時間内において順に小さくなる、前記ゴム試料の前記設定温度を選択する選択工程と、前記選択工程において選択された1以上の前記設定温度に近づくように加熱した前記ゴム試料のゴム温度を前記第2の所定時間ごとに測定する第2温度測定工程と、前記設定工程において設定された前記加硫温度と、前記第2温度測定工程において測定された前記ゴム温度とを前記アーレニウスの反応式に代入して前記ゴム試料の加硫度を算出するとともに、前記ゴム試料の前記第2の所定時間ごとの累積加硫度を求める第2算出工程と、選択された前記設定温度の前記ゴム試料の前記トルク及び前記第2算出工程において求められた前記累積加硫度の関係を示す曲線グラフから、当該設定温度における曲線近似式を求める式作成工程と、前記加硫装置によって加熱中の前記未加硫ゴムベルトのゴム温度を第4の所定時間ごとに測定する第3温度測定工程と、前記設定工程において設定された前記加硫温度と、前記第3温度測定工程において測定された前記ゴム温度を前記アーレニウスの反応式に代入して加硫度を算出するとともに、前記第4の所定時間ごとの累積加硫度を求める第3算出工程と、前記第3算出工程において求められた前記第4の所定時間ごとの累積加硫度を、前記近似式に代入し前記未加硫ゴムベルトのトルクを算出する第4算出工程と、前記第4算出工程によって算出された前記第4の所定時間ごとの前記トルクが所定のトルク以下となるまでの時間を、前記加硫装置による前記未加硫ゴムベルトに対する内圧低圧とする圧入時間に決定する圧入時間決定工程とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法。

請求項3

前記選択工程においては、前記ゴム試料の設定温度を複数選択し、前記式作成工程においては、各設定温度における曲線の近似式をそれぞれ求め、前記第4算出工程においては、前記第3算出工程において求められた前記第4の所定時間ごとの前記累積加硫度を、対応するゴム温度と近い前記設定温度における曲線の近似式に代入することを特徴とする請求項2に記載の未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法。

技術分野

0001

本発明は、未加硫ゴムベルト加硫する際の加硫条件設定方法に関する。

背景技術

0002

特許文献1には、モールド内部に加熱蒸気を、ジャケットの外周側に加圧蒸気をそれぞれ供給自在な加硫装置により加硫されるベルト成形体について記載されている。この未加硫ベルト成形体においては、内側ゴム外側ゴムとの間に心線材を挟んだダブルリブド型の未加硫ベルト成形体であって、心線材と外側ゴムとの間における上下両端部に、上下に短く、且つ、未加硫ベルト成形体に一周巻き付けられる長さの不織布を、未加硫ベルト成形体よりも若干軸方向に突出させた状態でリング状に介装されている。これにより、加硫装置により未加硫ベルト成形体が加硫処理されたときに、未加硫ベルト成形体の脱気不足に起因したポーラス不良や、心線ゴム接着不良による製品不良の発生を回避することができる。

0003

特開2003−145552号公報

0004

ところで、上記の未加硫ベルト成形体を加硫処理するときの加硫条件としては、一般的に、複数の未加硫ベルト成形体を加硫缶で種々の試験条件で加硫し、複数の加硫されたベルト成形体の引っ張り強度及び硬度などの物性を評価し、最も優れた物性を有するときのベルト成形体の加硫温度及び加硫時間を最適な加硫条件とし、製品用の未加硫ベルト成形体の加硫処理が行われる。

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、上記の加硫条件の設定方法においては、加硫中のベルト成形体の段階的な累積加硫度がどの程度か評価しておらずわからないため、上記加硫時間には、物性の変化がほとんど終了しこれ以上加硫しても特に物性が変わらないという無駄な加硫時間を含んでいることが多い。その結果、ベルト生産性が低下したり、無駄な加硫時間分だけのコストが余計に生じる。

0006

そこで、本発明の目的は、生産性を向上させるとともにコストを削減することが可能な未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法を提供することである。

課題を解決するための手段及び発明の効果

0007

本発明の未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法は、未加硫ゴムベルトを加硫処理するときの未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法において、前記未加硫ゴムベルトのゴム試料を種々の条件で加硫し、加硫された前記ゴム試料の物性から前記未加硫ゴムベルトの最適な加硫温度及び累積加硫度を設定する設定工程と、前記未加硫ゴムベルトの加熱中のゴム温度を第1の所定時間ごとに測定する第1温度測定工程と、前記設定工程において設定された前記加硫温度と、前記第1温度測定工程において測定された前記ゴム温度とを下記のアーレニウス反応式代入して加硫度を算出するとともに、前記第1の所定時間ごとの累積加硫度を求める第1算出工程と、前記第1算出工程において求められた前記第1の所定時間ごとの前記累積加硫度が前記設定工程において設定された前記累積加硫度となる加硫時間を決定する決定工程とを備えている。
K=exp(−Ea/R(1/T−1/T0))
ただし、Eaは活性化エネルギー、Rはガス定数、Tはゴム温度、T0は加硫温度、Kは加硫度。

0008

これによると、第1算出工程において求められた第1の所定時間ごとの累積加硫度が、設定工程において設定された累積加硫度となるまでの時間が加硫時間となるので、無駄な加硫時間を含まなくなる。そのため、ゴムベルトの生産性を向上させることができるとともに、コストを削減することも可能になる。

0009

本発明において、前記未加硫ゴムベルトを内及び外から押圧しつつ内外の少なくともいずれか一方から加熱する加硫装置を用いて前記未加硫ゴムベルトを加硫するときにおいて、複数の設定温度ごとにおける前記ゴム試料の第2の所定時間ごとのトルクを測定するトルク測定工程と、前記トルク測定工程において測定された前記ゴム試料の前記トルクが、第3の所定時間内に所定トルク以下となり、且つ、前記第3の所定時間内において順に小さくなる、前記ゴム試料の前記設定温度を選択する選択工程と、前記選択工程において選択された1以上の前記設定温度に近づくように加熱した前記ゴム試料のゴム温度を前記第2の所定時間ごとに測定する第2温度測定工程と、前記設定工程において設定された前記加硫温度と、前記第2温度測定工程において測定された前記ゴム温度とを前記アーレニウスの反応式に代入して前記ゴム試料の加硫度を算出するとともに、前記ゴム試料の前記第2の所定時間ごとの累積加硫度を求める第2算出工程と、選択された前記設定温度の前記ゴム試料の前記トルク及び前記第2算出工程において求められた前記累積加硫度の関係を示す曲線グラフから、当該設定温度における曲線近似式を求める式作成工程と、前記加硫装置によって加熱中の前記未加硫ゴムベルトのゴム温度を第4の所定時間ごとに測定する第3温度測定工程と、前記設定工程において設定された前記加硫温度と、前記第3温度測定工程において測定された前記ゴム温度を前記アーレニウスの反応式に代入して加硫度を算出するとともに、前記第4の所定時間ごとの累積加硫度を求める第3算出工程と、前記第3算出工程において求められた前記第4の所定時間ごとの累積加硫度を、前記近似式に代入し前記未加硫ゴムベルトのトルクを算出する第4算出工程と、前記第4算出工程によって算出された前記第4の所定時間ごとの前記トルクが所定のトルク以下となるまでの時間を、前記加硫装置による前記未加硫ゴムベルトに対する内圧低圧とする圧入時間に決定する圧入時間決定工程とをさらに備えていることが好ましい。

0010

これにより、未加硫ゴムベルトを内及び外から押圧しつつ加熱する加硫装置を用いた場合でも、加硫時における未加硫ゴムベルトの圧入時間を決定することができ、この圧入時間中の未加硫ゴムベルトにおいては、トルクが所定のトルク以下でありゴム流れが良好となる。そのため、未加硫ゴムベルトが成形金型にならった形状となって形状の品質が向上するとともに、内在する空気などによるポーラス不良や心線とゴムとの接着不良が生じるのを抑制することができる。

0011

また、このとき、前記選択工程においては、前記ゴム試料の設定温度を複数選択し、前記式作成工程においては、各設定温度における曲線の近似式をそれぞれ求め、前記第4算出工程においては、前記第3算出工程において求められた前記第4の所定時間ごとの前記累積加硫度を、対応するゴム温度と近い前記設定温度における曲線の近似式に代入していてもよい。これにより、近似式において算出されるトルクの精度が向上する。そのため、圧入時間の信頼性が向上し、未加硫ゴムベルトの成形品質がより向上するとともに、内在する空気などによるポーラス不良や心線とゴムとの接着不良が生じるのをより抑制することができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。

0013

図1は、本発明の一実施形態による未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法によって設定された加硫条件で製造された歯付きベルトの概略斜視図である。歯付きベルト1は、外周の複数の歯部を有する歯付きプーリからなる駆動プーリ及び従動プーリ(ともに図示せず)の両方に噛合されて巻き掛けられ、駆動プーリの回転力を従動プーリに伝達するものである。歯付きベルト1は、図1に示すように、長手方向に沿って所定間隔で配置したゴムを基材とした複数の歯部2と、歯部2と連続する背部3と、背部3に埋設された心線4と、歯部2の表面に被覆された歯布5とから構成されている。

0014

複数の歯部2と背部3はともにゴム組成物で形成されている。このゴム組成物としては、例えば、天然ゴムポリイソプレンゴムポリブタジエンゴムスチレンブタジエン共重合体ゴムクロロプレンゴムエチレン−プロピレンゴムのようなエチレンα−オレフィン系共重合体ゴム、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、水素化ニトリルゴムに不飽和カルボン酸金属塩を添加したもの、アルキル化クロロスルフォン化ポリエチレンゴム(CSM)等を主成分とし、これにカーボンブラックのような補強剤充填剤軟化剤老化防止剤硫黄のような加硫助剤添加混合されたものが用いられる。

0015

背部3に埋設された心線4としては、例えば、Eガラスまたは高強度ガラスフィラメント撚り合わせたものを、ゴム組成物からなる保護剤あるいは接着剤であるレゾルシンホルマリンラテックス液等で処理されたものが用いられる。あるいは、有機繊維としては応力に対して伸びが小さく、引張強度が大きいパラ系アラミド繊維のフィラメントを撚り合わせ、レゾルシン−ホルマリン−ラテックス液、エポキシ溶液イソシアネート溶液とゴム組成物との接着剤で処理された撚りコードが用いられてもよい。

0016

歯部2を被覆する歯布5としては、6ナイロン、66ナイロン、ポリエステルアラミド繊維等であって、これらが単独あるいは混合されたものであってもよい。歯布5の経糸ベルト幅方向)や緯糸ベルト長さ方向:長手方向)の構成も繊維のフィラメント糸または紡績糸であり、織構成も平織物綾織物朱子織物でいずれでもよい。尚、緯糸には伸縮性を有するウーリーナイロン糸ウレタン弾性糸、またはウレタン弾性糸とナイロンとの混撚りを一部使用するのが好ましい。

0017

続いて、歯付きベルト1の製造方法について説明する。図2は、未加硫ゴムシートが配置された加硫缶の部分断面図である。

0018

歯付きベルト1を製造するときは、図2に示すように、周方向に所定間隔空けて配置された複数の溝部10aを有する円筒状のモールド10の外周面に、歯布5、心線4、及び、未加硫ゴムシート(未加硫ゴムベルト)11をそれぞれ巻き付ける。尚、モールド10に巻き付けられる未加硫ゴムシート11は、複数の歯部2と背部3の両方を形成することができるように、複数の溝部10aの容積の総和を超えるような厚さを有するものが用いられる。そして、このモールド10にジャケット13を被せて加硫缶(加硫装置)15内に設置し、歯布5、心線4、及び、未加硫ゴムシート11からなる積層体を加硫処理する。

0019

尚、この加硫処理工程は、モールド10とその外側のジャケット13との間に積層体を挟持した状態で、モールド10の中空部10b内に所定温度低圧蒸気を後述する加硫条件の設定方法で設定された圧入時間だけ供給した後、所定温度の高圧蒸気を供給する。この低圧及び高圧蒸気を供給している間は、ジャケット13と加硫缶15との間に圧縮空気が供給されており、これによって積層体が加熱されつつ加圧され、積層体が加硫される。換言すると、加硫処理工程では、積層体が内及び外からモールド10及びジャケット13を介して押圧されモールド10側から加熱される。この積層体が押圧されつつ加熱される時間は、後述の加硫条件の設定方法で設定された圧入時間を含む加硫合計時間となる。そして、加硫処理工程が終了すると、加硫缶15からモールド10、加硫された積層体及びジャケット13を取り出し、ジャケット13を外してモールド10から加硫された積層体を取り外す。そして、加硫された積層体を複数に輪切りすることで、歯付きベルト1の製造が完了する。本実施形態においては、モールド10側から積層体を加熱しているが、ジャケット13側からも積層体を加熱してもよい。

0020

ここで、未加硫ゴムシート11を加硫処理するときの加硫条件の設定方法について、以下に説明する。図3は、本実施形態による未加硫ゴムシートの加硫条件の設定方法のフロー図である。図4は、ステップ7において算出された累積加硫度と加硫合計時間との関係を示すグラフである。なお、本実施形態においては、クロロプレンゴムを主成分としたゴム組成物からなる未加硫ゴムシート11を用いて歯付きベルト1を形成する際の加硫条件を設定する方法について以下に説明するが、他のゴム組成物からなる未加硫ゴムシートにおいても同様な設定方法で加硫条件を設定することができる。

0021

まず、加硫条件の中で上述の積層体を加圧しつつ加熱する全体の時間である加硫合計時間を設定するには、図3(a)に示すように、ステップ1(S1)において、クロロプレンゴムを主成分としたゴム組成物からなる未加硫ゴムシート11のゴム試料を準備する。次に、ステップ2(S2)において、ゴム試料を種々の条件でプレス加硫する。このときの種々の条件としては、例えば、140℃、150℃、160℃、170℃の種々の加硫温度において、10分、15分、20分、25分、30分の加硫時間でプレス加硫する。

0022

次に、ステップ3(S3)において、プレス加硫されたゴム試料の引っ張り強度及び硬度などの物性を評価して加硫条件を設定する。つまり、この物性の評価で最も優れた物性を有するときの条件を基にして、例えば、加硫温度が153℃、加硫合計時間が20分という最適な加硫条件を仮定する。

0023

次に、ステップ4(S4)において、加硫温度153℃で加硫時間1分を加硫度1とし、アーレニウスの反応式を設定する。アーレニウスの反応式は、下記の式(1)のように示される。
K=exp(−Ea/R(1/T−1/T0))・・・・式(1)
ただし、Eaは活性化エネルギー、Rはガス定数、Tはゴム温度、T0は加硫温度、Kは加硫度である。
この式(1)の加硫温度T0に153℃+273℃を、ゴム試料の活性化エネルギーEaに16.8kcal/molを、ガス定数Rに1.986cal/molを代入して下記の式(2)を設定する。
K=exp(−16.8×1000/1.986(1/T−1/426))・・・式(2)
そして、この式(2)より算出される加硫度の所定時間ごとの累積加硫度が20以上を最適な加硫の規格とする。このようなステップ3及びステップ4による設定工程により、未加硫ゴムシート11の最適な加硫温度及び累積加硫度が設定される。

0024

次に、ステップ5(S5)において、モールド10とジャケット13との間に、歯布5、心線4、及び、クロロプレンゴムを主成分としたゴム組成物からなる未加硫ゴムシート11からなる積層体を配置させ、加硫缶15内に設置する。

0025

次に、ステップ6(S6)において、モールド10の中空部10bに低圧及び高圧蒸気を段階的に供給し、ジャケット13と加硫缶15との間に圧縮空気を供給して積層体を加熱しつつ加圧する。このとき、積層体の未加硫ゴムシート11のゴム温度を所定時間(第1の所定時間)ごと、例えば、1分ごとに測定する(第1温度測定工程)。なお、中空部10bに供給する蒸気温度としては、ステップ3において設定した加硫温度153℃よりも若干高い160℃〜170℃を設定し、積層体を約20分間、加熱する。

0026

次に、ステップ7(S7)において、ステップ6で測定された所定時間ごとのゴム温度を、ステップ4において設定された式(2)のゴム温度Tに代入し、所定時間ごとの加硫度を算出するとともに、所定時間ごとの累積加硫度を求める(第1算出工程)。

0027

次に、ステップ8(S8)において、ステップ7において算出された累積加硫度がステップ4で設定された累積加硫度となる加硫合計時間(加硫時間)を決定する(決定工程)。つまり、図4に示すように、ステップ7において算出された累積加硫度が約19分となったときに、20以上となることが分かる。こうして、クロロプレンゴムを主成分としたゴム組成物からなる未加硫ゴムシート11を含む積層体の加硫合計時間を決定することができる。

0028

このように、ステップ8で決定された加硫合計時間は、ステップ7において求められた所定時間ごとの累積加硫度が、ステップ4において設定された累積加硫度となるまでの時間となっている。つまり、積層体(未加硫ゴムシート11)の累積加硫度がちょうど設定された累積加硫度に到達したときの時間となる。そのため、加硫合計時間が無駄な加硫時間を含まなくなり、歯付きベルト1の生産性を向上させることができる。加えて、加硫缶15の稼働を実質的に無駄な加硫時間を含まない加硫合計時間とすることができるので、加硫缶15の稼働時間を必要最低限に抑えることができる。そのため、歯付きベルト1の製造コストを削減することが可能になる。

0029

さらに、加硫合計時間を決定するために、加硫缶を用いて種々の条件で試験的に多くの積層体(未加硫ゴムシート11)を加硫する必要がなくなるので、加硫合計時間の設定を大幅に短縮して決定することができる。

0030

続いて、加硫缶15を用いて積層体を加硫するときの圧入時間の設定方法について以下に説明する。

0031

上述の圧入時間を設定するには、図3(b)に示すように、ステップ9(S9)において、ムーニー粘度計を用いて、ステップ1で準備されたゴム試料を設定温度ごとにおける所定時間(第2の所定時間)ごとのトルクを測定する(トルク測定工程)。具体的には、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃の5つの設定温度で、1分ごとのトルクを測定する。その結果を表1に示す。

0032

0033

次に、ステップ10(S10)において、表1に示すゴム試料のトルクが、所定時間(第3の所定時間)である、例えば10分間に、所定トルクである60Nm以下となり、且つ、測定されたトルクが10分間に順に小さくなる、ゴム試料の設定温度を選択する(選択工程)。つまり、表1より、設定温度が100℃、110℃、120℃においては、10分間で60Nm以下となっているが、設定温度が90℃においては、10分間で60Nm以下となっておらず、圧入時におけるゴムの流れが悪くなり歯付きベルト1の歯高さが出なくなる。また、設定温度が130℃においては、測定されたトルクが1分後から7分後までは順に小さくなっているが、8分後からは徐々に大きくなっている。つまり、設定温度が130℃の場合、8分後からはゴムの加硫が始まってトルクが高くなってしまう。したがって、本実施形態においては、設定温度が100℃、110℃及び120℃を選択し、設定温度が90℃及び130℃を除外する。

0034

なお、ゴム組成物の材質、形状が異なると測定されたトルクも変わるが、測定されたトルクが所定トルク以下とならず、測定されたトルクと時間との関係をグラフ化して設定温度における曲線が所定時間内に極小値を有する場合は、その設定温度を除外し、所定時間内に所定トルク以下となり、所定時間内に順にトルクが低下するゴム試料の設定温度を選択すればよい。

0035

次に、ステップ11(S11)において、ステップ10で選択された3つの設定温度(100℃、110℃、120℃)のそれぞれに近づくように加熱したゴム試料のゴム温度を、1分(第2の所定時間)ごとに測定する(第2温度測定工程)。このとき、ゴム試料は設定温度ごとに予備加熱されており、そこから1分ごとのゴム温度が測定されている。

0036

次に、ステップ12(S12)において、上述の式(2)のゴム温度Tにステップ11で測定された所定時間ごとのゴム温度を代入し、所定時間ごとの加硫度を算出するとともに、所定時間ごとの累積加硫度を求める(第2算出工程)。なお、ステップ11及びステップ12で測定及び算出された各設定温度における所定時間ごとのゴム温度、加硫度、累積加硫度を表2に示す。

0037

0038

次に、ステップ13(S13)において、ステップ9において測定されたトルクのうち選択された設定温度におけるゴム試料のトルク、及び、ステップ12において求められた累積加硫度の関係を示す曲線グラフを作成するとともに、その曲線グラフから設定温度における曲線の近似式を求める(式作成工程)。図5は、トルクと累積加硫度との関係を示す曲線グラフであって、縦軸がトルク(Nm)、横軸が累積加硫度を示す。この図5から、各設定温度の曲線の近似式が求められ、設定温度が100℃の場合、
P=35.136Ka−0.168 ・・・式(3)
となり、
設定温度が110℃の場合
P=33.5Ka−0.1772 ・・・式(4)
となり、
設定温度が120℃の場合
P=35.861Ka−0.1483 ・・・式(5)
となる。ただし、Pがトルク(Nm)、Kaが累積加硫度とする。

0039

次に、ステップ14(S14)において、ステップ5と同様に、モールド10とジャケット13との間に、歯布5、心線4、及び、クロロプレンゴムを主成分としたゴム組成物からなる未加硫ゴムシート11からなる積層体を配置させ、加硫缶15内に設置する。

0040

次に、ステップ15(S15)において、ステップ10において選択された設定温度のうち最も高い120℃に近づけるように積層体を加熱しつつ加圧する。このときの積層体の未加硫ゴムシート11のゴム温度を所定時間(第4の所定時間)ごと、例えば、1分ごとに測定する(第3温度測定工程)。また、このとき、心線4近傍及びジャケット13と接触するゴム背面のゴム温度の2箇所を測定する。

0041

次に、ステップ16(S16)において、上述の式(2)のゴム温度Tにステップ15で測定された所定時間ごとのゴム温度を代入し、所定時間ごとの加硫度を算出するとともに、所定時間ごとの累積加硫度を求める(第3算出工程)。

0042

次に、ステップ17(S17)において、ステップ16において算出された累積加硫度を、ステップ13で求められた式(3)〜式(5)の近似式に代入し、ゴムシート11のトルクを算出する(第4算出工程)。なお、ステップ15〜17で測定及び算出された所定時間ごとのゴム温度、累積加硫度、トルクを表3に示す。なお、ゴム温度を2箇所で測定しているので、表3には心線4近傍とゴム背面の両方を示している。

0043

0044

また、ステップ17においては、ステップ16において算出された所定時間ごとの累積加硫度を、ステップ15において測定された対応するゴム温度に近い設定温度における曲線の近似式に代入する。つまり、式(3)の近似式には、ステップ15において測定されたゴム温度が100℃以下に対応する累積加硫度を代入し、式(4)の近似式には、ステップ15において測定されたゴム温度が100℃を越え120℃未満に対応する累積加硫度を代入し、式(5)の近似式には、ステップ15において測定されたゴム温度が120℃以上に対応する累積加硫度を代入する。このため、各近似式において算出されるトルクの算出精度が向上する。したがって、圧入時間の信頼性が向上し、未加硫ゴムベルトの成形品質がより向上するとともに、内在する空気などによるポーラス不良や心線とゴムとの接着不良が生じるのをより抑制することができる。

0045

次に、ステップ18(S18)において、ステップ17で算出された未加硫ゴムシート11のトルクが、所定のトルク、ここでは50Nm以下となるまでの時間を決定する(圧入時間決定工程)。なお、ここでいう所定トルク50Nm以下とは、本実施形態の未加硫ゴムシート11が加熱されて加圧されたときにトルクが小さくなって十分所望の形状にゴムが流れ込むことが可能なトルクである。つまり、この50Nmよりもトルクが大きいとゴムの流れが悪くなって所望の形状に成形しにくくなる。また、未加硫ゴムシート11を構成するゴム組成物の材質が変わると、そのゴム組成物の材質に対応した所定トルクを設定すればよい。

0046

表3に示すように、積層体を加熱及び加圧してから2分後では心線4近傍におけるトルクが50Nm以下となりゴム流れが良好であるものの、ゴム背面におけるトルクは50Nmを越えているのでゴム流れが不十分となる。つまり、両者が所定トルクである50Nm以下となる4分が本実施形態における圧入時間と決定される。こうして、加硫条件の圧入時間の設定が完了する。

0047

このように、未加硫ゴムシート11を内及び外から押圧しつつ加熱する加硫装置を用いた場合でも、加硫処理工程における未加硫ゴムシート11(積層体)の圧入時間を決定することができ、この圧入時間中の未加硫ゴムシート11においては、トルクが所定のトルク以下でありゴム流れが良好となる。そのため、未加硫ゴムシート11がモールド10及びジャケット13にならった形状となって形状品質が向上するとともに、内在する空気などによるポーラス不良や心線4と背部3との接着不良が生じるのを抑制することができる。さらに、最適な圧入時間の決定が可能になると、圧入時間が長くなる及び/又は圧入温度が高すぎることで歯布5からゴムの滲み出るのを抑制することができる。

0048

以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、歯付きベルト(タイミングベルト)における加硫条件の設定方法について説明したが、ローエッジコグベルト、変速ベルトリブベルトなど種々のゴムベルトに未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法を適用することが可能である。例えば、ローエッジコグベルト、変速ベルトの場合、上述の方法で最適な圧入時間を決定すると、圧入温度が低すぎる、圧入時間が短すぎることでコグ高さが低くなるような成形不良を抑制することができる。つまり、最適な圧入時間を決定すると、未加硫ゴムシートのゴム流れが良好になるので成形不良が抑制される。また、ローエッジベルト、変速ベルト、リブベルトの場合、心線の上下に形成されるクッションゴム層が形成されているが、心線が落ち込んでクッションゴム層が薄くなることもなくなる。つまり、最適な圧入時間によりゴム流れも最適となって心線がクッションゴム層に落ち込みにくくなる。この結果、走行させたときのポップアウトも抑制することができる。

0049

また、上述の実施形態においては、ステップ10において3つの設定温度を選択しているが、少なくとも1以上の設定温度を選択すればよい。そして、その設定温度における近似式を求めてもよい。

図面の簡単な説明

0050

本発明の一実施形態による未加硫ゴムベルトの加硫条件の設定方法によって設定された加硫条件で形成された歯付きベルトの概略斜視図である。
未加硫ゴムシートが配置された加硫缶の部分断面図である。
本実施形態による未加硫ゴムシートの加硫条件の設定方法のフロー図である。
ステップ7において求められた累積加硫度と加硫合計時間との関係を示すグラフである。
トルクと累積加硫度との関係を示す曲線グラフである。

符号の説明

0051

1歯付きベルト
2歯部
3背部
4心線
10モールド
13ジャケット
11未加硫ゴムシート(未加硫ゴムベルト)
15 加硫缶

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