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技術 ラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受

出願人 日本精工株式会社
発明者 淵本和幸
出願日 2007年8月7日 (13年4ヶ月経過) 出願番号 2007-205459
公開日 2008年10月30日 (12年1ヶ月経過) 公開番号 2008-261477
状態 未査定
技術分野 ころがり軸受け ころがり軸受
主要キーワード 溝半径 高負荷化 自転方向 半径比 ポケット形状 球状凹面 回転機械装置 グリース溜
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年10月30日)のものです。
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図面 (8)

課題

保持器ポケットと玉との間に潤滑剤を充分に供給し、保持器における潤滑状態を改善して焼き付け防止及び騒音低減が可能なラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受を提供する。

解決手段

このラジアル玉軸受用保持器20は、ラジアル玉軸受の軌道面間に配置される複数の玉を転動自在に保持するために全体を円環状に形成して円周方向の複数箇所にポケット18を設け、ポケットの玉5が位置する凹面部21〜23と保持器の側面27,28とが交差する縁部に、潤滑剤が玉と凹面部との間に導かれるように潤滑剤導入部35,36を設けた。

概要

背景

ラジアル玉軸受は各種回転機械装置回転軸等を支持する軸受部に広く使用されているが、このラジアル玉軸受の従来例の概略的構成を図4に示す(下記特許文献1,2,3参照)。図4のラジアル玉軸受10は、外周面内輪軌道面1を形成した内輪2と、内周面外輪軌道面3を形成した外輪4とを同心的に配置し、内輪軌道面1と外輪軌道面3との間に複数個の玉5を転動自在に設けて構成されている。複数個の玉5は保持器6により転動自在に保持されている。図5に図4の保持器6の斜視図を示す。

図5に示すように、保持器6は、円環状の型に構成されており、樹脂から射出成形により製造され、従来の金属からプレス成形で製造された波型保持器の代わりに用いられるようになっている(下記特許文献1,2,3参照)。図5の冠型保持器6は、円環状の主部17の円周方向の複数個所に玉5(図4)を転動自在に保持するように設けられたポケット18と、ポケット18の両側に設けられた弾性変形可能な一対の弾性片16a、16bと、を複数組有する。各ポケット18は、主部17に互いに間隔をあけて配置された一対の弾性片16a、16bの片側面と、一対の弾性片16aと16bとの間に設けられた凹面部19と、からほぼ全体が球面状に構成されている。各ポケット18の図の上部には一対の弾性片16a、16b間に開口部Tが形成される。

図5の冠型保持器6を用いて図4のようなラジアル玉軸受を組み立てる場合、玉5を、ポケット18の一対の弾性片16a、16bの先端縁同士の間隔を弾性的に押し広げて弾性片16a、16bの間の開口部Tから押し込むようにして挿入する。このように、冠型保持器6は各ポケット18内に各玉5を抱き込むことで、玉5を内輪軌道面1と外輪軌道面3との間(図4)で転動自在に保持する。

上述のように、従来のラジアル玉軸受の保持器は、金属製の波型保持器やポケットが単一の球面で成形された樹脂製の円環状の冠型保持器が使われることが一般的であった。
特許第3744663号公報
特許第3035766号公報
特開2005−133893号公報

概要

保持器のポケットと玉との間に潤滑剤を充分に供給し、保持器における潤滑状態を改善して焼き付け防止及び騒音低減が可能なラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受を提供する。このラジアル玉軸受用保持器20は、ラジアル玉軸受の軌道面間に配置される複数の玉を転動自在に保持するために全体を円環状に形成して円周方向の複数箇所にポケット18を設け、ポケットの玉5が位置する凹面部21〜23と保持器の側面27,28とが交差する縁部に、潤滑剤が玉と凹面部との間に導かれるように潤滑剤導入部35,36を設けた。

目的

本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、保持器のポケットと玉との間に潤滑剤を充分に供給し、保持器における潤滑状態を改善して焼き付け防止及び騒音低減が可能なラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

ラジアル玉軸受軌道面間に配置される複数の玉を転動自在に保持するために全体を円環状に形成して円周方向の複数箇所ポケットを設けたラジアル玉軸受用保持器であって、前記ポケットの前記玉が位置する凹面部と前記保持器の側面とが交差する縁部に、潤滑剤が前記玉と前記凹面部との間に導かれるように潤滑剤導入部を設けたことを特徴とするラジアル玉軸受用保持器。

請求項2

前記潤滑剤導入部は前記縁部の面取りにより形成された面取部から構成される請求項1に記載のラジアル玉軸受用保持器。

請求項3

前記潤滑剤導入部は前記縁部に形成された球状凹部から構成される請求項1に記載のラジアル玉軸受用保持器。

請求項4

前記潤滑剤導入部は前記縁部の前記玉の転動中心軸を中心にして略半分に設けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のラジアル玉軸受用保持器。

請求項5

前記潤滑剤導入部は前記縁部の略全部に設けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のラジアル玉軸受用保持器。

請求項6

外周面内輪軌道面を有する内輪内周面外輪軌道面を有する外輪とを互いに同心に配置し、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のラジアル玉軸受用保持器を用いて複数の玉を保持し、軸受内部に潤滑剤を充填したことを特徴とするラジアル玉軸受。

請求項7

前記保持器の潤滑剤導入部は前記玉の自転方向に対応して設けられる請求項6に記載のラジアル玉軸受。

請求項8

前記潤滑剤導入部は潤滑剤保持部としても機能する請求項6または7に記載のラジアル玉軸受。

請求項9

前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面の少なくとも一方の溝半径(r’)と前記玉の直径(D)との半径比(r’/D)が52%以下である請求項6乃至8のいずれか1項に記載のラジアル玉軸受。

請求項10

前記潤滑剤としてグリースを充填し、前記グリースの調度が200乃至280の範囲内にある請求項6乃至9のいずれか1項に記載のラジアル玉軸受。

技術分野

0001

本発明は、ラジアル玉軸受軌道面間に配置される複数の玉を転動自在に保持するラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受に関する。

背景技術

0002

ラジアル玉軸受は各種回転機械装置回転軸等を支持する軸受部に広く使用されているが、このラジアル玉軸受の従来例の概略的構成を図4に示す(下記特許文献1,2,3参照)。図4のラジアル玉軸受10は、外周面内輪軌道面1を形成した内輪2と、内周面外輪軌道面3を形成した外輪4とを同心的に配置し、内輪軌道面1と外輪軌道面3との間に複数個の玉5を転動自在に設けて構成されている。複数個の玉5は保持器6により転動自在に保持されている。図5図4の保持器6の斜視図を示す。

0003

図5に示すように、保持器6は、円環状の型に構成されており、樹脂から射出成形により製造され、従来の金属からプレス成形で製造された波型保持器の代わりに用いられるようになっている(下記特許文献1,2,3参照)。図5冠型保持器6は、円環状の主部17の円周方向の複数個所に玉5(図4)を転動自在に保持するように設けられたポケット18と、ポケット18の両側に設けられた弾性変形可能な一対の弾性片16a、16bと、を複数組有する。各ポケット18は、主部17に互いに間隔をあけて配置された一対の弾性片16a、16bの片側面と、一対の弾性片16aと16bとの間に設けられた凹面部19と、からほぼ全体が球面状に構成されている。各ポケット18の図の上部には一対の弾性片16a、16b間に開口部Tが形成される。

0004

図5の冠型保持器6を用いて図4のようなラジアル玉軸受を組み立てる場合、玉5を、ポケット18の一対の弾性片16a、16bの先端縁同士の間隔を弾性的に押し広げて弾性片16a、16bの間の開口部Tから押し込むようにして挿入する。このように、冠型保持器6は各ポケット18内に各玉5を抱き込むことで、玉5を内輪軌道面1と外輪軌道面3との間(図4)で転動自在に保持する。

0005

上述のように、従来のラジアル玉軸受の保持器は、金属製の波型保持器やポケットが単一の球面で成形された樹脂製の円環状の冠型保持器が使われることが一般的であった。
特許第3744663号公報
特許第3035766号公報
特開2005−133893号公報

発明が解決しようとする課題

0006

図4のようなラジアル玉軸受は軸受内部にグリース等の潤滑剤が充填されて使用されるが、この使用中に図4図5の保持器6の各ポケット18と玉5との間に潤滑剤が供給されて潤滑剤の膜が形成される。しかし、軸受回転中にポケット18内で玉5が転動し自転すると、ポケット18の縁部で潤滑剤が掻き取られてポケット18と玉5との間に潤滑剤が充分に供給されないことに起因して、保持器においていわゆる焼き付け騒音発生等の問題が生じてしまう。

0007

本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、保持器のポケットと玉との間に潤滑剤を充分に供給し、保持器における潤滑状態を改善して焼き付け防止及び騒音低減が可能なラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記目的を達成するために、本発明によるラジアル玉軸受用保持器は、ラジアル玉軸受の軌道面間に配置される複数の玉を転動自在に保持するために全体を円環状に形成して円周方向の複数箇所にポケットを設けたラジアル玉軸受用保持器であって、前記ポケットの前記玉が位置する凹面部と前記保持器の側面とが交差する縁部に、潤滑剤が前記玉と前記凹面部との間に導かれるように潤滑剤導入部を設けたことを特徴とする。

0009

このラジアル玉軸受用保持器によれば、ラジアル玉軸受に用いられたとき、ポケットの凹面部と保持器の側面とが交差する縁部に設けた潤滑剤導入部により、玉がポケット内で転動したとき潤滑剤が玉と凹面部との間に円滑に導かれ、ポケットの縁部で掻き取られる潤滑剤の量を抑えることができ、保持器のポケットと玉との間に潤滑剤を充分に供給できるので、保持器における潤滑状態を改善でき、焼き付け防止および騒音低減が可能となる。

0010

上記ラジアル玉軸受用保持器において前記潤滑剤導入部は前記縁部の面取りにより形成された面取部から構成されることが好ましい。縁部に設けた面取部によれば、ポケットの縁部で掻き取られる潤滑剤の量を効果的に抑えるとともに、潤滑剤の保持が可能であるので、保持器のポケットと玉との間に潤滑剤を充分に供給でき、保持器における潤滑状態を改善できる。

0011

また、前記潤滑剤導入部は前記縁部に形成された球面部から構成されてもよい。縁部に設けた球状凹部によれば、ポケットの縁部で掻き取られる潤滑剤の量を効果的に抑えるとともに、潤滑剤の保持が可能であるので、保持器のポケットと玉との間に潤滑剤を充分に供給でき、保持器における潤滑状態を改善できる。

0012

また、前記潤滑剤導入部は前記縁部の前記玉の転動中心軸を中心にして略半分に設けることで、一方向回転タイプのラジアル玉軸受に好適となる。

0013

また、前記潤滑剤導入部は前記縁部の略全部に設けることで、両方向回転タイプのラジアル玉軸受に好適となる。

0014

本発明によるラジアル玉軸受は、外周面に内輪軌道面を有する内輪と内周面に外輪軌道面を有する外輪とを互いに同心に配置し、前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に、上述のラジアル玉軸受用保持器を用いて複数の玉を保持し、軸受内部に潤滑剤を充填したことを特徴とする。

0015

このラジアル玉軸受によれば、上記ラジアル玉軸受用保持器を用いることで、ポケットの凹面部と保持器の側面とが交差する縁部に設けた潤滑剤導入部により、玉がポケット内で転動したとき潤滑剤が玉と凹面部との間に円滑に導かれ、ポケットの縁部で掻き取られる潤滑剤の量を抑えることができ、保持器のポケットと玉との間に潤滑剤を充分に供給できるので、保持器における潤滑状態を改善でき、焼き付け防止および騒音低減が可能となる。

0016

上記ラジアル玉軸受において前記保持器の潤滑剤導入部は前記玉の自転方向に対応して設けられることが好ましい。すなわち、ラジアル玉軸受が一方向回転タイプの場合には、潤滑剤導入部は前記縁部の前記玉の転動中心軸を中心にして略半分に設けることが好ましく、また、両方向回転タイプの場合には、前記潤滑剤導入部は前記縁部の略全部に設けることが好ましい。

0017

また、前記潤滑剤導入部は潤滑剤保持部としても機能することで、保持器における潤滑状態の改善に寄与できる。

0018

また、前記内輪軌道面及び前記外輪軌道面の少なくとも一方の溝半径(r’)と前記玉の直径(D)との半径比(r’/D)が52%以下であることが好ましい。これにより、内輪軌道面及び/又は外輪軌道面において玉と接触する面積が大きくなり、軌道面の溝上の応力が小さくなるので、軸受の高負荷化を実現できる。

0019

また、前記潤滑剤としてグリースを充填し、前記グリースの調度(グリースの粘度を示す指標)が200乃至280の範囲内にあることが好ましい。

発明の効果

0020

本発明のラジアル玉軸受用保持器及びラジアル玉軸受によれば、保持器のポケットと玉との間に潤滑剤を充分に供給し、保持器における潤滑状態を改善して焼き付け防止および騒音低減が可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0021

以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。

0022

〈第1の実施の形態〉

0023

図1は第1の実施の形態によるラジアル玉軸受用保持器の要部を上面からみた図(a)及び同じく図1(a)の方向Bから見た図(b)である。

0024

図1(a)、(b)の本実施の形態による保持器20は、全体を円環状に形成して円周方向に複数のポケット18を設けた冠型保持器であり、全体形状図5の保持器と略同一であり、図4のようなラジアル玉軸受に用いられるので、図5と対応する部分には同じ符号を付してその説明を省略する。

0025

図1(a)、(b)に示すように、保持器20は、外周部27と内周部28との間の円環状の主部17の円周方向に等間隔に形成された複数のポケット18を備え、図1(b)のように、玉5を保持し拘束するためにポケット18の凹面部の全体形状を、図の下方の底部が玉5の中心Oを中心とした半径r1(r1>r(r:玉5の半径))を有する球状凹面部21であり、開口部Tのある上方部分が玉5の中心Oを中心とした半径r2(r2>r)を有する球状凹面部23,23であり、球状凹面部21と球状凹面部23,23との各中間部分が玉5の転動中心軸vを中心としたアキシャル円筒状凹面部22,22であるように構成したものである。

0026

なお、図1(b)の破線のように、球状凹面部21について半径r1の中心を玉5の中心OからO1にずらして半径r1を大きくするとともに、球状凹面部23について半径r2の中心を玉5の中心OからO2にずらして半径r2を大きくしてもよい。

0027

保持器20のポケット18には、ポケット18の凹面部21〜23と保持器20の外周部27の側面とが交差する縁部に、玉5の転動中心軸vを中心にして略半分の縁部の角部が除去されて面取部25が形成されている。

0028

また、ポケット18の凹面部21〜23と保持器20の内周部28の側面とが交差する縁部に、玉5の転動中心軸vを中心にして略半分の縁部の角部が除去されて面取部26が形成されている。

0029

面取部25及び面取部26は保持器20がラジアル玉軸受に用いられて玉5とポケット18の各凹面部21〜23との間に導き入れる潤滑剤導入部として機能する。

0030

図1(a)、(b)のラジアル玉軸受用保持器20によれば、図4のようなラジアル玉軸受にグリース等の潤滑剤が軸受内部に充填されて用いられたとき、ポケット18の各凹面部21〜23と保持器20の外周部27,内周部28の各側面とが交差する縁部に面取部25,26を設けたので、玉5がポケット18内で転動(自転)した際に面取部25,26から潤滑剤が玉5とポケット18の各凹面部21〜23との間に円滑に導かれ、ポケット18の縁部で掻き取られる潤滑剤の量を抑えて少なくすることができ、保持器20のポケット18と玉5との間に潤滑剤を充分に供給できるので、保持器20における潤滑状態を改善でき、ラジアル玉軸受において焼き付け防止及び騒音低減が可能となる。

0031

また、面取部25,26は縁部の玉5の転動中心軸vを中心にして略半分に設けられているので、ラジアル玉軸受が図1(a)の自転方向aに転動する一方向回転タイプに用いて好適である。なお、自転方向aと反対方向に転動するタイプの場合は、面取部25,26を、玉5の転動中心軸vを中心にした反対側に設ければよい。

0032

また、面取部25,26は、縁部の角部が除去されて潤滑剤を一定量保持可能であるので、潤滑剤保持部としても機能することで、保持器20における潤滑状態の改善に寄与できる。

0033

〈第2の実施の形態〉

0034

図2は第2の実施の形態によるラジアル玉軸受用保持器の要部を上面からみた図(a)及び同じく図2(a)の方向Bから見た図(b)である。

0035

図2(a)、(b)の本実施の形態による保持器30は、図1(a)、(b)の保持器と略同一であり、図4のようなラジアル玉軸受に用いられるので、図1(a)、(b)と対応する部分には同じ符号を付してその説明を省略する。

0036

図2(a)、(b)に示すように、保持器30のポケット18には、ポケット18の凹面部21〜23と保持器20の外周部27の側面とが交差する縁部の略全部に、その角部が除去されて面取部35が形成されている。また、ポケット18の凹面部21〜23と保持器20の内周部28の側面とが交差する縁部の略全部に、その角部が除去されて面取部36が形成されている。

0037

面取部35及び面取部36は保持器30がラジアル玉軸受に用いられて玉5とポケット18の各凹面部21〜23との間に導き入れる潤滑剤導入部として機能する。

0038

図2(a)、(b)のラジアル玉軸受用保持器30によれば、図4のようなラジアル玉軸受に軸受内部に潤滑剤が充填されて用いられたとき、ポケット18の各凹面部21〜23と保持器30の外周部27,内周部28の各側面とが交差する縁部の略全部に面取部35,36を設けたので、玉5がポケット18内で転動(自転)したとき面取部35,36から潤滑剤が玉5とポケット18の各凹面部21〜23との間に円滑に導かれ、ポケット18の縁部で掻き取られる潤滑剤の量を抑えて少なくすることができ、保持器30のポケット18と玉5との間に潤滑剤を充分に供給できるので、保持器30における潤滑状態を改善でき、ラジアル玉軸受において焼き付け防止及び騒音低減が可能となる。

0039

また、面取部35,36は縁部の略全部に設けられているので、ラジアル玉軸受が図2(a)の自転方向a及びその反対の自転方向a’に転動する両方向回転タイプに用いて好適である。

0040

また、面取部35,36は、縁部の角部が除去されて潤滑剤を一定量保持可能であるので、潤滑剤保持部としても機能することで、保持器30における潤滑状態の改善に寄与できる。

0041

〈第3の実施の形態〉

0042

図3は第3の実施の形態によるラジアル玉軸受用保持器の要部を上面からみた図(a)及び同じく図3(a)の方向Bから見た図(b)である。

0043

図3(a)、(b)の本実施の形態による保持器40は、図1(a)、(b)の保持器と略同一であり、図4のようなラジアル玉軸受に用いられるので、図1(a)、(b)と対応する部分には同じ符号を付してその説明を省略する。

0044

図3(a)、(b)に示すように、保持器40のポケット18には、ポケット18の凹面部21〜23と保持器20の外周部27の側面とが交差する縁部に、玉5の転動中心軸v上の点O4(玉5の中心Oからずれた)を中心とした半径r4(r4>r1,r4>r2)を有する球状凹部45が形成され、玉5の転動中心軸vを中心にして略半分の縁部の角部及び各凹面部21〜23の一部が除去されている。

0045

また、ポケット18の凹面部21〜23と保持器20の内周部28の側面とが交差する縁部に、玉5の転動中心軸v上の点O4を中心とした半径r4を有する球状凹部46が形成され、玉5の転動中心軸vを中心にして略半分の縁部の角部及び各凹面部21〜23の一部が除去されている。

0046

球状凹部45及び球状凹部46は保持器40がラジアル玉軸受に用いられて玉5とポケット18の各凹面部21〜23との間に導き入れる潤滑剤導入部として機能する。

0047

図3(a)、(b)のラジアル玉軸受用保持器40によれば、図4のようなラジアル玉軸受に軸受内部に潤滑剤が充填されて用いられたとき、ポケット18の各凹面部21〜23と保持器40の外周部27,内周部28の各側面とが交差する縁部に球状凹部45,46を設けたので、玉5がポケット18内で転動(自転)したとき球状凹部45,46から潤滑剤が玉5とポケット18の各凹面部21〜23との間に円滑に導かれ、ポケット18の縁部で掻き取られる潤滑剤の量を抑えて少なくすることができ、保持器40のポケット18と玉5との間に潤滑剤を充分に供給できるので、保持器40における潤滑状態を改善でき、ラジアル玉軸受において焼き付け防止及び騒音低減が可能となる。

0048

また、球状凹部45,46は縁部の玉5の転動中心軸vを中心にして略半分に設けられているので、ラジアル玉軸受が図3(a)の自転方向aに転動する一方向回転タイプに用いて好適である。

0049

なお、自転方向aと反対方向に転動するタイプの場合は、球状凹部45,46を、玉5の転動中心軸vを中心にした反対側に設ければよい。また、ラジアル玉軸受が両方向回転タイプの場合は、同様の球状凹部を、玉5の転動中心軸vを中心にした反対側にも設ければよい。

0050

また、球状凹部45,46は、縁部の角部が除去されて潤滑剤を一定量保持可能であるので、潤滑剤保持部としても機能することで、保持器40における潤滑状態の改善に寄与できる。

0051

なお、図1図3のような面取部または球状凹部が形成された保持器20,30,40は、面取部または球状凹部と対応する部分を有する成形金型を用いて樹脂から射出成形で成形することができる。

0052

〈第4の実施の形態〉

0053

図7は第4の実施の形態によるラジアル玉軸受(半径比が52%以下の場合の各軌道輪と玉を示す)の断面図(a)及び従来のラジアル玉軸受(半径比が52%を超えた場合の各軌道輪と玉を示す)の断面図(b)である。なお、図7では、説明の便宜上、保持器の図示を省略している。

0054

図1(a)、(b)の保持器20は複数の玉5を各ポケット18に保持してラジアル玉軸受に組み込まれる。すなわち、図7(a)に示すように、本実施の形態によるラジアル玉軸受50は、外輪軌道面51を有する外輪4と、内輪軌道面52を有する内輪2と、複数個の玉5と、各玉5を各ポケット18内に転動自在に均等位置に保持する保持器20と、を備え、内輪軌道面52と外輪軌道面51との間に複数個の玉5を転動自在に配置したものである。

0055

また、図7(a)のラジアル玉軸受50において、内輪2の内輪軌道面52は、溝半径r52を有する溝状となっており、溝半径r52と玉5の直径Dとの半径比(r52/D)が52%以下である。同様に、外輪4の外輪軌道面51は、溝半径r51を有する溝状となっており、溝半径r51と玉5の直径Dとの半径比 (r51/D)が52%以下である。

0056

上述のように、本実施の形態によるラジアル玉軸受50では、内輪2の内輪軌道面52の溝半径r52及び外輪4の外輪軌道面51の溝半径r51と玉5の直径との各半径比(r52/D,r51/D)を、図7(b)のような従来の場合に適用される52%よりも小さくすることで、玉5が接触する軌道面51,52の溝上の応力を小さくしている。

0057

すなわち、図7(b)の場合は内輪軌道面1の溝半径r11と玉5の直径Dとの半径比(r11/D)が52%を超え、同様に外輪軌道面3の溝半径r13と玉5の直径Dとの半径比 (r13/D)が52%を超える。このため、各軌道面1,3において玉5と接触する面積が小さくなることから、各軌道面1,3の溝上の応力が大きくなってしまうのに対し、本実施の形態の図7(a)によれば、各半径比(r52/D,r51/D)が52%以下であり、内輪軌道面52及び外輪軌道面51において玉5と接触する面積が大きくなることから、軌道面51,52の溝上の応力が小さくなる。このため、本実施の形態のラジアル玉軸受50は、適用される軸受装置において高い負荷が可能となって高負荷化を達成できる。

0058

なお、上述の各半径比(r52/D,r51/D)は、50%以上であることが好ましい。

0059

図7(a)のラジアル玉軸受50は、その軸受内部に潤滑剤が充填されて使用されるが、潤滑剤としてグリースを用いることが好ましく、この場合、グリースの調度(グリースの粘度を示す指標)が200乃至280の範囲内にあることが好ましい。このように比較的硬いグリースを潤滑剤として使用する場合、保持器のポケット形状が単一の球面状である場合、軸受使用中にグリースがポケットから一度外に押し出されると、なかなかポケット内に戻り難く、保持器において潤滑不良が発生し易くなってしまうが、本実施の形態のラジアル玉軸受50によれば、図1(b)のように保持器20のポケット18と玉5との間において、球状凹面部21と円筒状凹面部22,22との境界近傍及び円筒状凹面部22,22と球状凹面部23,23との境界近傍にグリース溜まり部A1,B1がそれぞれ形成され、グリースがグリース溜まり部A1,B1に保持され、ポケット18から外に押し出され難くなり、また、外に押し出されてもポケット18内に戻り易くなるから、グリースによる潤滑性能を発揮し維持することができる。

0060

また、図7(a)のラジアル玉軸受50において図2(a)、(b)の保持器30を用いた場合にも、ポケット18と玉5との間において、図2(b)のように球状凹面部21と円筒状凹面部22,22との境界近傍及び円筒状凹面部22,22と球状凹面部23,23との境界近傍にグリース溜まり部A2,B2がそれぞれ形成され、同様に、グリースによる潤滑性能を発揮し維持することができる。

0061

また、図3(a)、(b)の保持器40を用いた場合にも、ポケット18と玉5との間において、図3(b)のように球状凹面部21と円筒状凹面部22,22との境界近傍及び円筒状凹面部22,22と球状凹面部23,23との境界近傍にグリース溜まり部A3,B3がそれぞれ形成され、球状凹部45,46における潤滑剤の保持機能とあいまって、同様に、グリースによる潤滑性能を発揮し維持することができる。

0062

以上のように本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1(a)、(b)の保持器のポケット18の構成を、図6の保持器20Aのようにしてもよい。すなわち、図6のように、ポケット18の凹面部のほぼ全体を、半径r3(r3>r)の単一の球状凹面部29とし、この球状凹面部29と保持器20Aの外周部27の側面とが交差する縁部に、玉5の転動中心軸vを中心にして略半分に図1(a)、(b)と同様の面取部25Aを形成し、また、ポケット18の球状凹面29と保持器20Aの内周部28(図1(a))の側面とが交差する縁部に、玉5の転動中心軸vを中心にして略半分に同様の面取部を形成することで、図1(a)、(b)と同様の作用効果を得ることができる。

0063

また、図2(a)、(b)及び図3(a)、(b)の各保持器においてもポケット18の凹面部のほぼ全体を図6と同様の半径r3の単一の球状凹面としてもよいことはもちろんである。

図面の簡単な説明

0064

第1の実施の形態によるラジアル玉軸受用保持器の要部を上面からみた図(a)及び同じく図1(a)の方向Bから見た図(b)である。
第2の実施の形態によるラジアル玉軸受用保持器の要部を上面からみた図(a)及び同じく図2(a)の方向Bから見た図(b)である。
第3の実施の形態によるラジアル玉軸受用保持器の要部を上面からみた図(a)及び同じく図3(a)の方向Bから見た図(b)である。
従来のラジアル玉軸受の内部構成を概略的に示すために一部を破断した斜視図である。
図4のラジアル玉軸受に配置可能な従来の樹脂製の冠型保持器を示す斜視図である。
図1(a)、(b)のポケット形状を変えた別の保持器の要部を半径方向から見た図である。
第4の実施の形態によるラジアル玉軸受(半径比が52%以下の場合の各軌道輪と玉を示す)の断面図(a)及び従来のラジアル玉軸受(半径比が52%を超えた場合の各軌道輪と玉を示す)の断面図(b)である。

符号の説明

0065

2内輪
4外輪
5 玉
50ラジアル玉軸受
51外輪軌道面
52内輪軌道面
18ポケット
20,20Aラジアル玉軸受用保持器
21球状凹面部
22アキシャル円筒状凹面部、円筒状凹面部
23 球状凹面部
25,26,25A 面取部(潤滑剤導入部)
27 外周部
28内周部
29 球状凹面
30 ラジアル玉軸受用保持器
35,36 面取部(潤滑剤導入部)
40 ラジアル玉軸受用保持器
45,46 球状凹部(潤滑剤導入部)
T 開口部
a自転方向
a’ 方向aと反対の自転方向
v転動中心軸
D 玉5の直径
r52 内輪軌道面52の溝半径
r51 外輪軌道面51の溝半径
A1〜A3,B1〜B3グリース溜まり部

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