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技術 無機結晶を含有する医用カテーテル

出願人 株式会社カネカ
発明者 下川稔深谷浩平西出拓司三木章伍鈴木紀之
出願日 2008年4月14日 (11年5ヶ月経過) 出願番号 2008-104854
公開日 2008年10月23日 (10年11ヶ月経過) 公開番号 2008-253786
状態 特許登録済
技術分野 医療用材料 媒体導出入付与装置
主要キーワード ダミーバ 軟質ポリアミド 最低含有量 アルキルトルエンスルホン酸 層間挿入法 延伸限界 コンプライアンス特性 エラストマー複合材料
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (3)

課題

耐圧性、及び寸法安定性に影響を及ぼす引張強度伸びを十分に制御された医用カテーテルの提供。

解決手段

ポリマー中無機結晶を含有させた無機結晶複合材料からなる医用カテーテル。該無機結晶としては、特に層状結晶であることが好ましく、例えば、モンモリロナイト合成マイカサポナイトヘクトライト、ゼピオライト等であることが好ましい。該ポリマーとしては、ポリアミド等であることが好ましい。該医用カテーテルとしては、バルーンを有するバルーンカテーテルであることが好ましい。

概要

背景

バルーンを備えたバルーンカテーテル医療において有用性が増すと共に機能向上のための改良が盛んに行われている。

バルーンカテーテルを用いる治療法としては、冠動脈などの血管の狭窄部を拡張する経皮的冠動脈血管形成術PTCA)や末梢血管などの狭窄部を拡張する経皮的血管形成術PTA)また、大動脈バルーンポンピング(IABP)などがある。

PTCAやPTAにおけるバルーンカテーテルでは、シャフト部でトラッカビリティー追従性)やプッシャビリティー力伝達性)、及び細径が求められ、バルーン部で高い耐圧性及びノンコンプライアント性(寸法安定性)と同時に、柔軟性やロープロファイル薄膜化)が求められている。

ポリマー材質としては、アクリルニトリルブタジエンスチレン共重合体アクリロニトリル−スチレンアクリレート共重合体塩素化ポリウレタンエチレンプロピレンゴムエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体ハイインパクトポリスチレンアイオノマーメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリルブタジエンゴムポリアミドポリブタジエンポリブチレンテレフタレートポリカーボネートポリエーテルイミドポリエチレンテレフタレートポリメタクリル酸メチルポリアセタールポリフェニレンエーテルポリフェニレンサルファイドポリウレタンポリ塩化ビニルスチレンアクリロニトリル共重合体スチレンブタジエンゴムシリコン樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合体ポリスチレンポリエチレンポリプロピレンポリイミド等が挙げられる。

バルーン部分に用いられる材料の例として、まず、ポリアミド(ナイロン)を挙げる。ナイロンはその分子構造の1ユニット炭素数から分類され、炭素鎖の長さにより性質が異なる。例えば、ナイロン12の場合、融点が179℃であり他のナイロンに比べ柔軟性に富む特性を有する。このナイロン12から作成されたバルーンは、柔軟性はあるものの他のナイロンに比べ耐圧性及び寸法安定性において劣ったバルーンとなる。また、ナイロン66の場合では、融点が223℃と高く他のナイロンに比べ高弾性率を有するが、柔軟性に乏しいバルーンとなる。

これらの欠点を補う従来の技術として、特開平5−95996、特表平9−509860が挙げられる。前者の技術は、脂肪族ポリアミドではなく脂肪族芳香族ポリアミドベースのポリマーに用い、さらにハードセグメントとして脂肪族ポリアミドをポリマーアロイ化したバルーンである。

また、後者の技術はポリアミドにソフトセグメントとしてポリエーテルを共重合させたポリアミド系エラストマーのバルーンである。

概要

耐圧性、及び寸法安定性に影響を及ぼす引張強度伸びを十分に制御された医用カテーテルの提供。ポリマー中無機結晶を含有させた無機結晶複合材料からなる医用カテーテル。該無機結晶としては、特に層状結晶であることが好ましく、例えば、モンモリロナイト合成マイカサポナイトヘクトライト、ゼピオライト等であることが好ましい。該ポリマーとしては、ポリアミド等であることが好ましい。該医用カテーテルとしては、バルーンを有するバルーンカテーテルであることが好ましい。なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

請求項2

無機結晶が層状結晶であることを特徴とする請求項1に記載の無機結晶複合材料からなる医用カテーテル。

請求項3

医用カテーテルがバルーンを有するバルーンカテーテルであることを特徴とする請求項1、あるいは2に記載の医用カテーテル。

技術分野

0001

本発明は、カテーテルバルーンを有するバルーンカテーテルなどの医用カテーテルに関するものである。

背景技術

0002

バルーンを備えたバルーンカテーテルは医療において有用性が増すと共に機能向上のための改良が盛んに行われている。

0003

バルーンカテーテルを用いる治療法としては、冠動脈などの血管の狭窄部を拡張する経皮的冠動脈血管形成術PTCA)や末梢血管などの狭窄部を拡張する経皮的血管形成術PTA)また、大動脈バルーンポンピング(IABP)などがある。

0004

PTCAやPTAにおけるバルーンカテーテルでは、シャフト部でトラッカビリティー追従性)やプッシャビリティー力伝達性)、及び細径が求められ、バルーン部で高い耐圧性及びノンコンプライアント性(寸法安定性)と同時に、柔軟性やロープロファイル薄膜化)が求められている。

0006

バルーン部分に用いられる材料の例として、まず、ポリアミド(ナイロン)を挙げる。ナイロンはその分子構造の1ユニット炭素数から分類され、炭素鎖の長さにより性質が異なる。例えば、ナイロン12の場合、融点が179℃であり他のナイロンに比べ柔軟性に富む特性を有する。このナイロン12から作成されたバルーンは、柔軟性はあるものの他のナイロンに比べ耐圧性及び寸法安定性において劣ったバルーンとなる。また、ナイロン66の場合では、融点が223℃と高く他のナイロンに比べ高弾性率を有するが、柔軟性に乏しいバルーンとなる。

0007

これらの欠点を補う従来の技術として、特開平5−95996、特表平9−509860が挙げられる。前者の技術は、脂肪族ポリアミドではなく脂肪族芳香族ポリアミドベースのポリマーに用い、さらにハードセグメントとして脂肪族ポリアミドをポリマーアロイ化したバルーンである。

0008

また、後者の技術はポリアミドにソフトセグメントとしてポリエーテルを共重合させたポリアミド系エラストマーのバルーンである。

発明が解決しようとする課題

0009

しかし、従来の技術では耐圧性、寸法安定性に影響を及ぼす引張強度及び伸びを十分に制御されたバルーンを得るには至っていない。

0010

具体的には、ベースのポリマーに脂肪族−芳香族ポリアミドを選択し、さらに寸法安定性や強度特性を向上させるために炭素鎖の短い脂肪族ポリアミドをポリマーアロイ化している従来技術では、主鎖中に芳香族環を有するため耐圧性及び寸法安定性で向上が見られるもののポリエチレンテレフタレート(PET)によるバルーンには及ばない、また、柔軟性において脂肪族ポリアミドより悪い。

0011

さらに、上記従来技術ではハードセグメントとして脂肪族ポリアミドをアロイ化しているが、配合率を増やしすぎるとベースのポリマーの特性が大幅に損なわれてしまうし、また、配合率が少ないと有機物高分子であるがため十分な補強効果が得られない問題を有している。

0012

ベースのポリマーに比較的炭素鎖の短いポリイミドを選択し、それに柔軟性を付与させるためにポリエーテルを共重合させる方法で柔軟性を有するバルーンを得ている従来技術では、ベースのポリマーに柔軟性を付加させることはできてもベースのポリマーが有する特性以上の耐圧性及び寸法安定性に改質することは不可能である。すなわち、ベースのポリマーであるポリアミドの特性を損なう方向でしか作用せず、耐圧性及び寸法安定性においてPETによるバルーンには及ばない。

0013

さらに、ソフトセグメントの配合率を増加しすぎると、耐圧性と寸法安定性が急激に悪化するため、配合率を増加してポリエチレン相当の柔軟性を得てもバルーンが求める耐圧性及び寸法安定性が得られない問題を有している。

課題を解決するための手段

0014

このようなバルーン部分に関わる問題点は、本発明による、ポリマー中無機結晶を含有させた無機結晶複合材料からなる医用カテーテルにより解決される。

0015

さらに詳述すると無機結晶は層状結晶であるほうが本発明の効果を発現しやすい。

発明の効果

0016

脂肪族−芳香族ポリアミドに寸法安定性や強度特性を向上させるために脂肪族ポリアミドをポリマーアロイ化する従来技術では、柔軟性が脂肪族ポリアミドより劣り、また、有機物高分子によるハードセグメントのため補強効果が小さく、かたや、配合率を増やしすぎるとベースのポリマーの特性が大幅に損なわれる問題があった。本発明では、有機物高分子によるハードセグメントに比べはるかに高い剛性を有する無機結晶を用いるため高い補強効果を得られる。

0017

脂肪族ポリイミドに柔軟性を付与させるためにポリエーテルを共重合させる従来技術では、柔軟性を付加させることは出来ても耐圧性や寸法安定性を向上させることは不可能で、また、柔軟性向上のためにソフトセグメントを増やしすぎるとバルーンが求める耐圧性及び寸法安定性が得られなくなる問題があった。本発明では、十分な柔軟性を有する樹脂と含有による伸びの低下が少ない無機結晶の組合わせからなるポリアミド系エラストマーの無機結晶複合材料を用いたバルーンにより、従来バルーンに比べ柔軟性を維持したまま1.3〜3.0倍、引っ張り強さが向上する。

0018

特に、インターカレーションにより有機化した無機結晶を含有した無機結晶複合材料は、補強効果が高く、無機結晶を含有しないポリアミド系バルーン(従来技術のバルーン)に比べ1.3〜3.0倍、引っ張り強度が向上し、無機結晶の選択により延びも保持することができる。

0019

すなわち、本発明では種々の無機結晶と種々のポリマーを種々の配合率で、また、それらに適した含有方法で合成した無機結晶複合材料を用いてバルーンやシャフトを作成することで、従来の技術の延長上では達成し得なかった引張強度、伸びの特性を持つバルーンやシャフトが得られる。また、バルーンの場合、耐圧性及び寸法安定性、柔軟性を制御したバルーンを得るだけに止まらず、バルーン成形時の延伸条件によりバルーンの拡張圧力とバルーンの寸法変化の挙動コンプライアント特性)をも制御したバルーンを得ることが可能である。

発明を実施するための最良の形態

0020

まず、本発明に用いられる無機結晶を表1に組成別に分類して例示する。また、無機結晶の内、層状構造を有する層状結晶を表2に、さらに層間にイオンを含むイオン交換性層状結晶を表3に、その他で層間化合物を形成する層状結晶を表4に、それぞれの代表的な無機結晶を一例として示す。

0021

0022

0023

0024

0025

無機結晶にはさまざまな形状、サイズのものが存在するが、バルーン部分には表2、表3、表4に示す無機結晶を含有させた無機結晶複合材料を用いるのが好ましい。

0026

特に、層状結晶をインターカレーションによりイオン交換(有機化)して得た無機結晶複合材料、例えば、モンモリロナイトとポリアミドの無機結晶複合材料では、0.5ナノメートルから100ナノメートルのナノオーダーで無機結晶が単分散しており、その全表面積の増大と粒子間距離の減少により無機結晶とポリマー分子、さらには無機結晶どうしのイオン結合等による相互作用が増大され、優れた補強効果が得られることから、インタカレーションが容易に行え無機結晶が単分散しうるイオン交換性層状結晶、特にケイ酸塩などが本発明に用いられる無機結晶としてはより好ましい。

0027

無機結晶複合材料の無機結晶含有量は、ベースとなるポリマー種および含有させる無機結晶の組み合わせにより上限が異なる。ポリマーとしてポリアミドエラストマー、無機結晶としてゼピオライトを用いた場合、無機結晶含有量と引っ張り強度との関係を図1に示す。この場合は、ポリマー中の無機結晶の含有量は、約60%が引っ張り強度補強の点で上限であり、それ以上含有させても補強効果はほとんど向上せず、含有させる無機結晶によっては引っ張り強度が低下する場合もある。シャフト用途の場合は、シャフトの成形方法、例えば押し出し成形で行う場合は40%が概ね成形上の限界である。ただし、ディッピングによる成形では80%でもシャフト成形は可能である。

0028

ポリマー中の無機結晶の含有率で60%が概ね補強効果の上限ではあるもののこれにより含有量の上限を規制するものではなく60%以上無機結晶を含有させてもかまわない。なお、目標の引っ張り強度、伸びを満たした範囲内で無機結晶の含有量は少ないほうがコスト的にも、安全上でも好ましい。したがって、無機結晶の最低含有量の下限を規制するものではないが、通常、無機結晶の含有量は1%以上、好ましくは2%以上である。無機結晶の含有量が1%未満では、本発明の引っ張り強度への効果が十分ではない傾向がある。

0029

バルーン用途においては、シャフトと異なり肉厚が薄く医療行為により拡張、収縮の繰り返し操作が行われるため可動性である必要がある。したがって、無機結晶複合材料の無機結晶含有量は概ね30%が上限で、それ以上含有させると可動性が悪くなる。ただし、30%が可動性上の上限ではあるもののこれにより含有量の上限を規制するものではなく30%以上無機結晶を含有させてもかまわない。なお、目標の引っ張り強度、伸びを満たした範囲内で無機結晶の含有量は少ないほうがコスト的にも、安全上でも好ましい。

0030

無機結晶複合材料の無機結晶の含有量における下限域については、ベースとなるポリマー種および含有させる無機結晶の組み合わせにより異なるが、含有量と補強効果は図1に示すように概ね比例関係にあり少量からでも補強効果が得られ始める。

0031

例えば、ケイ酸塩を用いた無機結晶複合材料の場合、5〜15%の範囲内で引っ張り強度および伸びの概ねは達成できる。

0032

例えば、高耐圧性と優れた寸法安定性を有したノンコンプライアントバルーンを得る場合は、耐圧性および寸法安定性に有利なポリマーに無機結晶を単分散させた無機結晶複合材料を用いて、例えば、ナイロン66にセピオライトを十数%含有させた無機結晶複合材料(PA66−S)を用いてバルーンを作成すれば無機結晶の補強効果により優れた耐圧性及び寸法安定性性を有するバルーンを得ることができる。

0033

同様に、伸びや柔軟性を維持したまま引っ張り強さを向上させたバルーンを得る場合は、十分な柔軟性を有するポリマーと含有による伸びの低下が少ない無機結晶を選択し作成した無機結晶複合材料を用いて、例えば、ナイロン12にソフトセグメントの配合率を増やした組成比ヘクトライトを数%含有させたナイロン12エラストマー系の無機結晶複合材料(TPEPA12−H)を用いて、バルーンを作成すれば伸びや柔軟性を維持したまま引張り強さを向上させたバルーンを得ることができる。

0034

さらに、バルーン成形時の延伸条件との無機結晶複合材料の組み合わせによりバルーンの拡張圧力とバルーンの寸法変化の挙動(コンプライアント特性)をも制御したバルーンを得ることも可能である。

0035

具体的には、バルーン作成時の延伸倍率下げ故意に寸法安定性を低下させる。なお、その寸法変化は、無機結晶の選択、配合率等の調整により一般的なコンプライアントバルーンのコンプライアント特性になるようにし、例えば、ステントを用いる最終径で最高配向された状態(延伸限界)になるように設計することで実現可能である。

0036

また、同様な考え方によりノンコンプライアントバルーンからコンプライアントバルーンまで、さまざまなコンプライアント特性を有するバルーンが無機結晶複合材料により設計できる。

0037

無機結晶複合材料の合成方法しては、溶融混練し含有させる方法、例えば、二軸押し出し機混練する方法やプラストミルで混練する方法など、また、反応過程で無機結晶を含有させる方法、例えば、In−Situフィラー形成法ゾルゲル法)、In−Situ重合法など、また、ポリマーと無機結晶を溶媒系内で分散させる方法などがあり、これら無機結晶の分散に適した方法を選択し用いれば良い。

0038

また、無機結晶の分散性を容易にする方法としては、シラン処理を行う方法やカップリング剤を用いる方法、さらに、層間挿入法(インターカレーションやデインターカレーション)による方法、例えば、モノマー挿入後重合法やポリマー挿入法などを選択し用いれば良い。特に、イオン交換性層状結晶の場合、インターカレーションを用いるとナノオーダーの無機結晶が単分散した補強効果の良好な無機結晶複合材料が得られる。

0039

インターカレーションについてポリアミドとイオン交換性層状結晶による無機結晶複合材料の合成方法について一例を挙げて説明すると、モンモリロナイトにナイロンの出発原料であるε−カプロラクタムや12−アミノラウリン酸(ALA)などのモノマーをインターカレーションさせ、その有機化した無機結晶のまま反応を行うことで無機結晶が単分散し補強効果の良好な無機結晶複合材料を得ることができる。

0040

そのインターカレーションにおいてイオン交換性層状結晶のイオン交換容量は、20〜200ミリ当量/100gのものが適当で、例えば、スメクタイトは60〜120ミリ当量/100gであり、バーミキュライトは100〜165ミリ当量/100gである。これらは、n−アルキルアミン塩酸塩水溶液と接触させるだけでイオン化したアンモニウムイオンとイオン交換(有機化)できる。

0041

また、電荷密度が高く層間の結合力が強い無機結晶に対しては、例えば、電荷密度が1.0価である白雲母塩化バリウム溶液と120℃で反応させることでイオンの交換が容易になるなど、各層状結晶の特徴、性質に合わせた前処理を選択し有機化を行えば良い。

0042

層間にイオンを含まない層状結晶の場合でも、例えば、ヘキサン溶液中でn−ブチルリチウムを反応させる方法、あるいは、強い還元剤を用いて結晶層内の還元アルカリイオンのインターカレーションを同時に行う方法など、各層状結晶に適した方法を選択しイオン交換性層状結晶に、あるいは有機化すれば良い。

0043

続いて、本発明に用いるポリマーは、例えば脂肪族ポリアミドであっても、脂肪族−芳香族ポリアミドであっても、さらにポリアミド系エラストマーや軟質ポリアミド非結晶ポリアミドであってもよい。

0044

また、上記ポリマーは、ポリアミドが二種以上のポリマーからなるポリアミド系ブレンド、あるいはポリアミド系ポリマーアロイ、あるいはポリアミド系モレキュラーコンポジット、あるいは共重合ポリアミドであっても良い。

0045

さらに補足すると、ポリマーアロイとは、例えば、ナイロン/ビニルポリマー系アロイやナイロン/ポリオレフィン系アロイ、ナイロン/ポリフェニレンオキシド(PPO)系アロイ、また、非晶性ナイロン系アロイやナイロン/ポリエステル系アロイ、ナイロン/ナイロン系アロイなどを示す。

0046

また、モレキュラーコンポジットとは、例えば、ナイロン/p−フェニレンテレフタレート(PPTA)などを示す。

0047

共重合ポリアミドとは、ナイロン塩の二元以上の共重合体を示し、例えば、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ナイロン610(PA610)、ナイロン12(PA12)、ナイロン69(PA69)、ナイロン612(PA612)などのナイロン塩を少なくとも二種以上の組み合わせ及びその配合比の組み合わせからなるランダム共重合や、例えば、カプロラクタム/アミノメチル臭香酸やカプロラクタム/4−アミノメチルシクロヘキサカルボン酸などの同型置換共重合体などを示す。

0048

また、本発明で用いるポリアミド系エラストマーとは、ソフトセグメントにポリエーテルアミド構造となる、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)やポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、脂肪族ポリエーテルジオールなどや、ポリエステルアミド構造となる、例えば、脂肪族ポリエステルなどを用いた共重合体を示す。

0049

軟質ポリアミドとは、芳香族スルホン酸アミドやp−オキシ安臭香酸エステル、N−アルキルトルエンスルホン酸アミドなどの可塑剤を配合し改質したポリアミドを示す。

0050

また、非結晶ポリアミドとは、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートアジピン酸アゼライン酸イソフタル酸の反応から得られる透明ナイロンなどを示す。

0051

本発明では、以上に示す種々の無機結晶と種々のポリマーを種々の配合率で、また、それらに適した含有方法で合成した無機結晶複合材料を用いてバルーンやシャフトを作成することで、従来の技術の延長上では達成し得なかった性能及び特性を持つバルーンやシャフトを得ることを見出した。

0052

(実施例1)
モンモリロナイトを酸性水溶液及び12−アミノラウリン酸の混合液に中に分散させ80℃に加温し2時間攪拌した後、水洗し有機化したモンモリロナイトを得た。続いて、12−アミノラウリン酸を加え、縮合反応によりモンモリロナイトを5%含有したポリアミド12複合材料(PA12−M5)を得た。

0053

PA12−M5を一軸押し出し機によりフィルムを作成し、それを二軸延伸した評価用サンプルダミーバルーン)作成した。なお、延伸条件はフィルム長手方向(MD)に4倍、幅方向(TD)に4倍、同時二軸延伸処理で行った。そのダミーバルーンの引っ張り強さは1578kg/cm2であった。また、その引っ張り応力ひずみ曲線図2に示すように、寸法安定性が優れたノンコンプライアンス特性を示すことが確認された。

0054

(実施例2)
有機化したモンモリロナイト、ラウリルラクタム、PTMG、ドデカン二酸を加え、ラクタム開環条件で反応、縮合反応によりモンモリロナイトを3%含有したポリアミド12エラストマー複合材料(TPEPA12−M3)を得た。

0055

TPEPA12−M3を一軸押し出し機によりフィルムを作成し、それを二軸延伸して評価用サンプル(ダミーバルーン)を作成した。なお、延伸条件はMDに4倍、TDに4倍、同時二軸延伸処理とした。そのダミーバルーンの引っ張り強さは1200kg/cm2であった。また、その引っ張り応力−ひずみ曲線を図2に示すように、コンプライアント特性を示すことが確認された。

0056

(実施例3)
有機化したモンモリロナイト、ラウリルラクタム、PTMG、ドデカン二酸を加え、ラクタムの開環条件で反応、縮合反応によりモンモリロナイトを5%含有したポリアミド12エラストマー複合材料(TPEPA12−M5)を得た。

0057

TPEPA12−M5を一軸押し出し機によりフィルムを作成し、それを二軸延伸した評価用サンプル(ダミーバルーン)を作成した。なお、延伸条件はMDに3.5倍、TDに2.5倍、同時二軸延伸処理とした。そのダミーバルーンの引っ張り強さは1250kg/cm2であった。また、その引っ張り応力−ひずみ曲線を図2に示すように、コンプライアント特性からノンコンプライアント特性へと移行する特性を示すことが確認された。

0058

(実施例4)
合成マイカサポナイト、ヘクトライト、ゼピオライトについてポリアミド6複合材料(PA6−ME、PA6−SP、PA6−HC、PA6−S5、PA6−S10)を合成した。

0059

各々の引っ張り強さ及び伸びを表5に一括して表す。その結果、非含有PA6に対し、1.3から1.8倍の引っ張り強さの向上が確認された。また、無機結晶の選定により伸びを変えられることが確認された。なお、引っ張り強さは同時二軸延伸により得たダミーバルーンの値を示し、伸びについては延伸前の樹脂特性をそれぞれ記載した。

0060

0061

(実施例5)
シリカについて配合量を変えてポリアミド6複合材料(PA6−5C、PA6−10C、PA6−15C、PA6−20C、PA6−25C、PA6−30C)を合成した。

0062

各々の引っ張り強さ及び伸びを表6に一括して表す。その結果、非含有PA6に対し、1.3から3倍の引っ張り強さの向上が確認された。なお、引っ張り強さは同時二軸延伸により得たダミーバルーンの値を示し、伸びについては延伸前の樹脂特性をそれぞれ記載した。また、PA6-15Cについてはバルーンを作成しコンプライアント特性を調べた。その結果を図3に示すが、非常に寸法安定性に優れたノンコンプライアンス特性を示すことが確認された。

0063

図面の簡単な説明

0064

本発明に係る無機結晶含有量と引っ張り強度との関係を示すグラフである。
実施例1〜3の引っ張り応力−ひずみ曲線を示すグラフである。
実施例5のコンプライアント特性に関するグラフである。

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