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技術 多接合型光電変換装置

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 呉屋真之坂井智嗣佐竹宏次笹川英四郎小林靖之
出願日 2007年3月30日 (12年3ヶ月経過) 出願番号 2007-092513
公開日 2008年10月16日 (10年9ヶ月経過) 公開番号 2008-251914
状態 拒絶査定
技術分野 光起電力装置 光起電力装置
主要キーワード コーナー面 貫通窓 防水防 ミドル層 ZnO系膜 ボトム層 各変換素子 端子箱内
関連する未来課題
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この項目の情報は公開日時点(2008年10月16日)のものです。
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図面 (9)

課題

光による劣化を防止しつつ、変換効率の高い多接合型光電変換装置を提供することを目的とする。

解決手段

p型シリコン系半導体の層、i型シリコン系半導体の層及びn型シリコン系半導体の層を積層したpin接合を有する光電変換層を複数積層した多接合型光電変換装置であって、光の入射側に設けられた入射部の光電変換層は、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーボン、およびアモルファスシリコンゲルマニウムからなる群より選択されるいずれかを有し、光の入射側に対して反対側に設けられた底部の光電変換層は、微結晶シリコンゲルマニウムを有する。

概要

背景

太陽光エネルギー電気エネルギーに変換する太陽電池に用いられる光電変換装置としては、p型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜プラズマCVD法等で製膜して形成したpin接合を有する光電変換層を備えた薄膜シリコン系光電変換装置が知られている。

薄膜シリコン系光電変換装置の長所としては、結晶系光電変換装置に比べて大面積化が容易であり、また、光電変換層の膜厚が結晶系光電変換装置の1/100程度であるために少量の材料にて生産可能な点が挙げられる。したがって、結晶系光電変換装置に比べ、光電変換層の生産に要する時間およびコストを低減させることが可能となる。
一方、薄膜シリコン系光電変換装置の短所としては、結晶系光電変換装置に比べて変換効率が低い点が挙げられる。ここで、変換効率を上げる手法としては、光電変換素子として用いられる薄膜シリコン材料(非晶質シリコン、非晶質シリコンゲルマニウム微結晶シリコン等)の膜の品質を向上させることの他、バンドギャップの異なる光電変換層を複数積層した多接合型光電変換装置の採用が知られている。バンドギャップの異なる光電変換層を組み合わせることで、波長範囲の広い太陽光エネルギーの有効利用を図れるとともに、各変換素子におけるフォトンエネルギーの変換効率の向上が可能なことが主な理由である。

従来技術において、2層の光電変換層を積層して接合した2接合型光電変換装置タンデム型光電変換装置)や3層の光電変換層を積層して接合した3接合型光電変換装置(トリプル型光変換装置)が開示されている。2接合型光電変換装置としては、アモルファスシリコンの光電変換層とアモルファスシリコンゲルマニウムの光電変換層とを積層した構造や、アモルファスシリコンの光電変換層と微結晶シリコンの光電変換層とを積層した構造が採用されている。
また、3接合型光電変換装置としては、アモルファスシリコンの光電変換層と微結晶シリコンの光電変換層とアモルファスシリコンゲルマニウムまたは微結晶シリコンゲルマニウムの光電変換層とを積層した構造(例えば、特許文献1参照)や、アモルファスシリコンの光電変換層と2層のアモルファスシリコンゲルマニウムの光電変換層とを積層した構造(例えば、特許文献2参照)や、3層のアモルファスシリコンの光電変換層を積層した構造が採用されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−12594号公報
特開平7−297420号公報
特開平4−188774号公報

概要

光による劣化を防止しつつ、変換効率の高い多接合型光電変換装置を提供することを目的とする。p型シリコン系半導体の層、i型シリコン系半導体の層及びn型シリコン系半導体の層を積層したpin接合を有する光電変換層を複数積層した多接合型光電変換装置であって、光の入射側に設けられた入射部の光電変換層は、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーボン、およびアモルファスシリコンゲルマニウムからなる群より選択されるいずれかを有し、光の入射側に対して反対側に設けられた底部の光電変換層は、微結晶シリコンゲルマニウムを有する。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、光による劣化を防止しつつ、変換効率の高い多接合型光電変換装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

p型シリコン系半導体の層、i型シリコン系半導体の層及びn型シリコン系半導体の層を積層したpin接合を有する光電変換層を複数積層した多接合型光電変換装置であって、光の入射側に設けられた入射部の光電変換層は、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーボン、およびアモルファスシリコンゲルマニウムからなる群より選択されるいずれかを有し、光の入射側に対して反対側に設けられた底部の光電変換層は、微結晶シリコンゲルマニウムを有する多接合型光電変換装置。

請求項2

前記底部の光電変換層のゲルマニウム濃度は0.5atom%から50atom%である請求項1に記載の多接合型光電変換装置。

請求項3

記入射部の光電変換層の膜厚は0.05μmから0.25μmである請求項1または2に記載の多接合型光電変換装置。

請求項4

前記底部の光電変換層の膜厚は0.5μmから2μmである請求項1から3のいずれかに記載の多接合型光電変換装置。

請求項5

前記入射部の光電変換層と前記底部の光電変換層との間に設けられた中間部の光電変換層が、微結晶シリコンゲルマニウムを有する請求項1に記載の多接合型光電変換装置。

請求項6

前記中間部の光電変換層のゲルマニウム濃度は、前記底部の光電変換層のゲルマニウム濃度より低い請求項5に記載の多接合型光電変換装置。

請求項7

前記中間部の光電変換層のゲルマニウム濃度は0.5atom%から20atom%である請求項5または6に記載の多接合型光電変換装置。

請求項8

前記底部の光電変換層のゲルマニウム濃度は5atom%から50atom%である請求項5から7のいずれかに記載の多接合型光電変換装置。

請求項9

前記入射部の光電変換層の膜厚は0.05μmから0.2μmである請求項5から8のいずれかに記載の多接合型光電変換装置。

請求項10

前記中間部の光電変換層の膜厚は0.2μmから1.5μmである請求項5から9のいずれかに記載の多接合型光電変換装置。

請求項11

前記底部の光電変換層の膜厚は0.5μmから2μmである請求項5から10のいずれかに記載の多接合型光電変換装置。

技術分野

0001

本発明は、多接合型光電変換装置に関するものであり、特に太陽電池として使用される光電変換装置に関する。

背景技術

0002

太陽光エネルギー電気エネルギーに変換する太陽電池に用いられる光電変換装置としては、p型シリコン系半導体(p層)、i型シリコン系半導体i層)及びn型シリコン系半導体(n層)の薄膜プラズマCVD法等で製膜して形成したpin接合を有する光電変換層を備えた薄膜シリコン系光電変換装置が知られている。

0003

薄膜シリコン系光電変換装置の長所としては、結晶系光電変換装置に比べて大面積化が容易であり、また、光電変換層の膜厚が結晶系光電変換装置の1/100程度であるために少量の材料にて生産可能な点が挙げられる。したがって、結晶系光電変換装置に比べ、光電変換層の生産に要する時間およびコストを低減させることが可能となる。
一方、薄膜シリコン系光電変換装置の短所としては、結晶系光電変換装置に比べて変換効率が低い点が挙げられる。ここで、変換効率を上げる手法としては、光電変換素子として用いられる薄膜シリコン材料(非晶質シリコン、非晶質シリコンゲルマニウム微結晶シリコン等)の膜の品質を向上させることの他、バンドギャップの異なる光電変換層を複数積層した多接合型光電変換装置の採用が知られている。バンドギャップの異なる光電変換層を組み合わせることで、波長範囲の広い太陽光エネルギーの有効利用を図れるとともに、各変換素子におけるフォトンエネルギーの変換効率の向上が可能なことが主な理由である。

0004

従来技術において、2層の光電変換層を積層して接合した2接合型光電変換装置タンデム型光電変換装置)や3層の光電変換層を積層して接合した3接合型光電変換装置(トリプル型光変換装置)が開示されている。2接合型光電変換装置としては、アモルファスシリコンの光電変換層とアモルファスシリコンゲルマニウムの光電変換層とを積層した構造や、アモルファスシリコンの光電変換層と微結晶シリコンの光電変換層とを積層した構造が採用されている。
また、3接合型光電変換装置としては、アモルファスシリコンの光電変換層と微結晶シリコンの光電変換層とアモルファスシリコンゲルマニウムまたは微結晶シリコンゲルマニウムの光電変換層とを積層した構造(例えば、特許文献1参照)や、アモルファスシリコンの光電変換層と2層のアモルファスシリコンゲルマニウムの光電変換層とを積層した構造(例えば、特許文献2参照)や、3層のアモルファスシリコンの光電変換層を積層した構造が採用されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平10−12594号公報
特開平7−297420号公報
特開平4−188774号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、非晶質材料のみを用いた多接合型光電変換装置は、強い光の照射によって劣化するという問題がある。この問題を改善するために、上述の特許文献1では、非晶質のナローギャップ材料であるアモルファスシリコンゲルマニウムに代えて、微結晶シリコンを用いている。しかし、上記対策により光電変換装置の劣化は抑制できるものの、微結晶シリコンは間接遷移であるために変換効率が低いという特徴がある。そのため、光電変換装置の変換効率を向上させるためには光電変換層の膜厚を厚くする必要がある。その結果、光電変換装置の生産性を低下させ、また、材料費が高くなるという問題があった。

0006

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、光による劣化を防止しつつ、変換効率の高い多接合型光電変換装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明に係る多接合型光電変換装置は、p型シリコン系半導体の層、i型シリコン系半導体の層及びn型シリコン系半導体の層を積層したpin接合を有する光電変換層を複数積層した多接合型光電変換装置であって、光の入射側に設けられた入射部の光電変換層は、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーボン、およびアモルファスシリコンゲルマニウムからなる群より選択されるいずれかを有し、光の入射側に対して反対側に設けられた底部の光電変換層は、微結晶シリコンゲルマニウムを有することを特徴とする。

0008

このような多接合型光電変換装置によれば、微結晶材料を用いることにより光電変換層の劣化を抑制することができる。また、底部の光電変換層に用いた微結晶シリコンゲルマニウムは直接遷移であるため、太陽光エネルギーの吸収効率を向上させることができる。その結果、光電変換装置の薄膜化を図ることができ、生産性の向上および製造コストの抑制が可能となる。

0009

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記底部の光電変換層のゲルマニウム濃度は0.5atom%から50atom%であることを特徴とする。

0010

このような多接合型光電変換装置によれば、太陽光エネルギーの吸収効率の向上が可能となる。

0011

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記入射部の光電変換層の膜厚は0.05μmから0.25μmであることを特徴とする。

0012

このような多接合型光電変換装置によれば、光電変換装置の薄膜化を図ることができるので、光電変換装置の生産性の向上および製造コストの抑制が可能となる。

0013

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記底部の光電変換層の膜厚は0.5μmから2μmであることを特徴とする。

0014

このような多接合型光電変換装置によれば、光電変換装置をより薄膜化することができるので、光電変換装置の生産性の向上および製造コストの抑制をさらに図ることが可能となる。

0015

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記入射部の光電変換層と前記底部の光電変換層との間に設けられた中間部の光電変換層が、微結晶シリコンゲルマニウムを有することを特徴とする。

0016

このような多接合型光電変換装置によれば、中間部および底部の半導体に用いた微結晶シリコンゲルマニウムは直接遷移であるため、太陽光エネルギーの吸収率の効率をさらに向上させることができる。

0017

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記中間部の光電変換層のゲルマニウム濃度は、前記底部の光電変換層のゲルマニウム濃度より低いことを特徴とする。

0018

このような多接合型光電変換装置によれば、太陽光エネルギーの吸収効率の向上が可能となる。

0019

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記中間部の光電変換層のゲルマニウム濃度は0.5atom%から20atom%であることを特徴とする。

0020

このような多接合型光電変換装置によれば、太陽光エネルギーの吸収効率の向上が可能となる。

0021

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記底部の光電変換層のゲルマニウム濃度は5atom%から50atom%であることを特徴とする。

0022

このような多接合型光電変換装置によれば、太陽光エネルギーの吸収効率をさらに向上させることが可能となる。

0023

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記入射部の光電変換層の膜厚は0.05μmから0.2μmであることを特徴とする。

0024

このような多接合型光電変換装置によれば、光電変換装置の薄膜化を図ることができるので、光電変換装置の生産性の向上および製造コストの抑制が可能となる。

0025

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記中間部の光電変換層の膜厚は0.2μmから1.5μmであることを特徴とする。

0026

このような多接合型光電変換装置によれば、光電変換装置の薄膜化を図ることができるので、光電変換装置の生産性の向上および製造コストの抑制が可能となる。

0027

本発明に係る多接合型光電変換装置は、前記底部の光電変換層の膜厚は0.5μmから2μmであることを特徴とする。

0028

このような多接合型光電変換装置によれば、光電変換装置をより薄膜化することができるので、光電変換装置の生産性の向上および製造コストの抑制をさらに図ることが可能となる。

発明の効果

0029

本発明によれば、光電変換装置の薄膜化を図ることができ、生産性の向上および製造コストの抑制が可能となる。

発明を実施するための最良の形態

0030

[第1の実施形態]
以下に、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置100は、シリコン系太陽電池であり、2層の光電変換層を積層して接合した2接合型光電変換装置である。
光電変換装置100は、太陽光の入射方向から順に、基板1と、透明導電層2と、光電変換部3としての第1光電変換層(入射部の光電変換層)103ならびに第2光電変換層(底部の光電変換層)104と、透明導電層105と、裏面電極層4とを具備する。本実施形態において、第1光電変換層103はアモルファスシリコンを有する光電変換層であり、第2光電変換層104は微結晶シリコンゲルマニウムを有する光電変換層である。

0031

次に、本実施形態による太陽電池パネルの製造方法について説明する。ここでは、基板1としてのガラス基板上に光電変換部3としてアモルファスシリコンを有する光電変換層及び微結晶シリコンゲルマニウムを有する光電変換層を順次積層する例について説明する。図2図5は、本実施形態による太陽電池パネルの製造方法を示す概略図である。

0032

(1)図2(a)
基板1としてソーダフロートガラス基板(1.4m×1.1m×板厚:4mm)を使用する。基板端面破損防止コーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。

0033

(2)図2(b)
前記実施形態に基づき、基板1上に透明導電層2を製膜し、透明電極付き基板を形成する。透明導電層2として、透明電極膜に加えて、基板1と透明電極膜との間にアルカリバリア膜(図示されず)を形成しても良い。アルカリバリア膜は、酸化シリコン膜(SiO2)を50nm以上150nm以下、熱CVD装置にて約500℃で製膜処理する。

0034

(3)図2(c)
その後、基板1をX−Yテーブルに設置して、YAGレーザーの第1高調波(1064nm)を、図の矢印に示すように、透明電極膜の膜面側から入射する。加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明電極膜を発電セル直列接続方向に対して垂直な方向へ、基板1とレーザー光相対移動して、溝10を形成するように幅約6mm以上10mm以下の短冊状にレーザーエッチングする。

0035

(4)図2(d)
プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:30Pa以上150Pa以下、基板温度:約200℃にて光電変換部3の第1光電変換層(トップ層)103として、アモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜する。第1光電変換層103は、SiH4ガスH2ガスとを主原料に、透明導電層2の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層、i層、n層がこの順で積層される。
本実施形態において、第1光電変換層103のp層は、SiH4,H2,CH4,B2H6ガスをRFプラズマ反応生成させた、非晶質のBドープSiC膜であり、膜厚は4nm以上6nm以下とすることが好ましい。第1光電変換層103のi層は、SiH4とH2をRFプラズマで反応生成させた、非晶質Si膜であり、膜厚は50nm以上250nm以下とすることが好ましい。第1光電変換層103のn層は、SiH4,H2,PH3ガスをRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSi膜であり、n層単膜のラマン比は2以上であり、膜厚は10nm以上80nm以下とすることが好ましい。なお、ここで「ラマン比」とはラマン分光評価で520cm−1の結晶Siの強度と480cm−1のa−Siの強度の比(結晶Siの強度/a−Siの強度)をいう(以下同じ)。前記p層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層(図示略)を設けても良い。
以上のように形成された第1光電変換層103の膜厚は50nm以上250nm以下とすることが好ましい。また、より好ましくは100nm以上150nm以下の膜厚とすることが望ましい。

0036

次に、第1光電変換層103の上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第2光電変換層(ボトム層)104としての微結晶シリコンからなるp層膜、微結晶シリコンゲルマニウム薄膜からなるi層膜、微結晶シリコンからなるn層膜を順次製膜する。
本実施形態において、第2光電変換層104のp層は、SiH4,H2ガスをRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSi膜であり、p層単膜のラマン比は2以上であり、膜厚は10nm以上60nm以下とすることが好ましい。第2光電変換層104のi層は、SiH4,GeH4,H2をRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSiGe膜であり、膜厚は500nm以上2000nm以下とすることが好ましい。第2光電変換層104のn層は、SiH4,H2ガスをRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSi膜であり、n層単膜のラマン比は2以上であり、膜厚は10nm以上80nm以下とすることが好ましい。
以上のように形成された第2光電変換層104の膜厚は500nm以上2000nm以下とすることが好ましい。また、より好ましくは500nm以上1500nm以下の膜厚とすることが望ましい。

0037

微結晶シリコンゲルマニウム薄膜、特に微結晶i層膜をプラズマCVD法で形成するにあたり、プラズマ放電電極と基板1の表面との距離dは、3mm以上10mm以下にすることが好ましい。3mmより小さい場合、大型基板に対応する製膜室内各構成機器精度から距離dを一定に保つことが難しくなるとともに、近過ぎて放電が不安定になる恐れがある。10mmより大きい場合、十分な製膜速度(0.5nm/s以上)を得難くなるとともに、プラズマ均一性が低下しイオン衝撃により膜質が低下する。第2光電変換層104のi層は、RF周波数40MHz以上200MHz以下、ガス圧力0.5kPa以上3kPa以下、製膜速度0.5nm/s以上3nm/s以下で製膜されることが好ましい。

0038

第2光電変換層104のゲルマニウム濃度は0.5atom%から50atom%であることが好ましい。また、より好ましくは5atom%から40atom%のゲルマニウム濃度とすることが望ましい。

0039

第1光電変換層103と第2光電変換層104の間に電流整合性を取るために半反射膜となることを目的に、膜厚20nm以上100nm以下のZnO系膜(例えばGZO(GaドープZnO)膜)をスパッタリング装置により製膜して設けてもよい。

0040

(5)図2(e)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、光電変換部3の膜面側から入射する。パルス発振:10kHz以上20kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明導電層2のレーザーエッチングラインの約100μm以上150μm以下の横側を狙い、溝11を形成するようにレーザーエッチングする。レーザーエッチングラインの位置は、逆転していなければ問題ないものであるが、位置決めの公差を考慮して、前記数値を狙ったものである。

0041

(6)図3(a)
裏面電極層4としてAg膜をスパッタリング装置により減圧雰囲気、約150℃にて順次製膜する。裏面電極層4は本実施形態では、Ag膜を膜厚200nm以上500nm以下で製膜し、さらにn層と裏面電極層4との接触抵抗低減光反射向上を目的に、光電変換部3と裏面電極層4との間に膜厚50nm以上100nm以下のZnO系膜(例えばGZO(GaドープZnO)膜)をスパッタリング装置により製膜して設ける。

0042

(7)図3(b)
基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、図の矢印に示すように、基板1側から入射する。レーザー光が光電変換部3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、透明導電層2のレーザーエッチングラインの約250μm以上400μm以下の横側を狙い、溝12を形成するようにレーザーエッチングする。レーザーエッチングラインの位置は、逆転していなければ問題ないものであるが、位置決めの公差を考慮して、前記数値を狙ったものである。

0043

(8)図3(c)
発電領域区分して、基板端周辺膜端部においてレーザーエッチングによる直列接続部分が短絡し易い影響を除去する。基板1をX−Yテーブルに設置して、レーザーダイオード励起YAGレーザーの第2高調波(532nm)を、基板1側から入射する。レーザー光が透明導電層2と光電変換部3で吸収され、このとき発生する高いガス蒸気圧を利用して裏面電極層4が爆裂して、裏面電極層4/光電変換部3/透明導電層2が除去される。パルス発振:1kHz以上10kHz以下として加工速度に適切となるようにレーザーパワーを調整して、基板1の端部から5mm以上15mm以下の位置を、X方向絶縁溝15を形成するようにレーザーエッチングする。このとき、Y方向絶縁溝は後工程で基板1周囲領域の膜面研磨除去処理を行うので、設ける必要がない。
絶縁溝15は基板1の端より5mm以上10mm以下の位置にてエッチングを終了させることにより、太陽電池パネル端部からの太陽電池モジュール6内部への外部湿分浸入の抑制に、有効な効果を呈するので好ましい。

0044

(9)図4(a)
後工程のEVA等を介したバックシートとの健在な接着シール面を確保するために、基板1周辺(周囲領域14)の積層膜は、段差があるとともに剥離し易いため、この膜を除去する。まず、基板の端から5mm以上15mm以下で、前述の図3(c)工程で設けた絶縁溝15よりも基板端側における裏面電極層4/光電変換部3/透明導電層2において、砥石研磨ブラスト研磨などを用いて除去を行う。
研磨屑砥粒は基板1を洗浄処理して除去した。

0045

(10)図4(b)
端子箱取付け部分はバックシートに開口貫通窓を設けて集電板取出す。この開口貫通窓部分には絶縁材を複数層設置して外部からの湿分などの浸入を抑制する。
直列に並んだ一方端の太陽電池発電セルと、他方端部の太陽電池発電セルとから銅箔を用いて集電して太陽電池パネル裏側の端子箱部分から電力取出せるように処理する。銅箔は各部との短絡を防止するために銅箔幅より広い絶縁シートを配置する。
集電用銅箔などが所定位置に配置された後に、太陽電池モジュール6の全体を覆い、基板1からはみ出さないようにEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)等による充填材シートを配置する。
EVAの上に、防水効果の高いバックシート21を設置する。バックシート21は本実施形態では防水防湿効果が高いようにPTEシート/AL箔/PETシートの3層構造よりなる。
バックシート21までを所定位置に配置したものを、ラミネータにより減圧雰囲気で内部の脱気を行い約150℃以上160℃以下でプレスしながら、EVAを架橋させて密着させる。

0046

(11)図5(a)
太陽電池モジュール6の裏側24に端子箱を接着剤取付ける。

0047

(12)図5(b)
銅箔と端子箱の出力ケーブル23とをハンダ等で接続し、端子箱内部を封止剤ポッティング剤)で充填して密閉する。これで太陽電池パネル50が完成する。

0048

(13)図5(c)
図5(b)までの工程で形成された太陽電池パネル50について発電検査ならびに、所定の性能試験を行う。発電検査は、AM1.5、全天日射基準太陽光(1000W/m2)のソーラシミュレータを用いて行う。

0049

(14)図5(d)
発電検査(図5(c))に前後して、外観検査をはじめ所定の性能検査を行う。

0050

以下に、微結晶シリコンゲルマニウムを有する光電変換層を備えた光電変換装置の変換効率について説明する。
図6は、微結晶シリコンゲルマニウムを有する光電変換層を備えた光電変換装置において、微結晶シリコンゲルマニウムの組成比を変化させた場合のi層の膜厚と短絡電流密度との関係を示している。図6において、例えば約35mA/cm2の短絡電流密度を得るために必要なi層の膜厚は、微結晶シリコンゲルマニウムの組成比が10%の場合には約1.9μm、20%の場合には約1.2μm、30%の場合には約0.8μmである。これより、光電変換層における微結晶シリコンゲルマニウムの組成比を高くすることにより、所定の短絡電流密度を得るために必要となるi層の膜厚を薄くすることが可能であることがわかる。
図7は、微結晶シリコンゲルマニウムを有する光電変換層を備えた光電変換装置において、i層の膜厚が1μmである場合の微結晶シリコンゲルマニウムの組成比と短絡電流密度との関係を示している。図7において、微結晶シリコンゲルマニウムの組成比を0%から30%まで10%ずつ上昇させるにつれて短絡電流密度の値は、約22mA/cm2から約36mA/cm2に上昇する。また、微結晶シリコンゲルマニウムの組成比を100%とした場合、短絡電流密度の値は約40mA/cm2まで上昇する。これより、微結晶シリコンゲルマニウムの組成比を上昇させることによって、光電変換装置の変換効率の向上が可能であることがわかる。
なお、上記は1層の微結晶シリコンゲルマニウムを有する光電変換層を備えた光電変換装置についての実験結果であるが、複数の光電変換層を積層して接合した多接合型光電変換装置についても同様の効果が得られる。

0051

以上のように、本実施形態の光電変換装置100によれば、微結晶材料を用いることにより光電変換層の劣化を抑制することができる。また、第2光電変換層104に用いた微結晶シリコンゲルマニウムは直接遷移であるため、太陽光エネルギーの吸収効率を向上させることができる。その結果、光電変換装置100の薄膜化を図ることができ、生産性の向上および製造コストの抑制が可能となる。
なお、本実施形態において、第1光電変換層103は、アモルファスシリコンを有する光電変換層として説明したが、アモルファスシリコンカーボンまたはアモルファスシリコンゲルマニウムを有する光電変換層としても同様の効果が得られる。

0052

以下、上記実施形態による太陽電池の製造例について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
pin構造を単位とする2接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、2接合型光電変換装置として12mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度である。また、a−Si光電変換層とはi層がa−Si層からなるものを意味し、微結晶SiGe光電変換層とはi層が微結晶SiGeからなるものを意味する。
(トップ層)a−Si、i層膜厚180nm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比0.5%)、i層膜厚1.0μm
pin構造では光を吸収するi層が最も厚くなるため、i層の厚みが光電変換装置の生産性を決める大きな要因となるが、ボトム層にGe組成比0.5%の微結晶SiGeを用いることにより、トップ層とボトム層との膜厚の合計を1.18μmとすることができた。

0053

〔実施例2〕
pin構造を単位とする2接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、2接合型光電変換装置として12mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度である。
(トップ層)a−Si、i層膜厚180nm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比20%)、i層膜厚0.4μm
以上のように、ボトム層にGe組成比20%の微結晶SiGeを用いることにより、トップ層とボトム層との膜厚の合計を0.58μmとすることができた。

0054

〔比較例1〕
pin構造を単位とする2接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ボトム層)を微結晶Siとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、2接合型光電変換装置として12mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶Si光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度である。
(トップ層)a−Si、i層膜厚180nm
(ボトム層)微結晶Si、i層膜厚1.5μm
以上のように、ボトム層に微結晶Siを用いた場合、トップ層とボトム層との膜厚の合計は1.68μmとなり、特にボトム層の膜厚が少なくとも1.5μmは必要であった。

0055

〔実施例3〕
pin構造を単位とする2接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、2接合型光電変換装置として14mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度である。
(トップ層)a−Si、i層膜厚250nm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比10%)、i層膜厚1.0μm
以上のように、ボトム層にGe組成比10%の微結晶SiGeを用いることにより、トップ層とボトム層との膜厚の合計を1.25μmとすることができた。

0056

〔実施例4〕
pin構造を単位とする2接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、2接合型光電変換装置として14mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度である。
(トップ層)a−Si、i層膜厚250nm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比20%)、i層膜厚0.5μm
以上のように、ボトム層にGe組成比20%の微結晶SiGeを用いることにより、トップ層とボトム層との膜厚の合計を0.75μmとすることができた。

0057

〔比較例2〕
pin構造を単位とする2接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ボトム層)を微結晶Siとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、2接合型光電変換装置として14mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶Si光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度である。
(トップ層)a−Si、i層膜厚250nm
(ボトム層)微結晶Si、i層膜厚2.5μm
以上のように、ボトム層に微結晶Siを用いた場合、トップ層とボトム層との膜厚の合計は2.75μmとなり、特にボトム層の膜厚が少なくとも2.5μmは必要であった。

0058

[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成について説明する。
図8は、本実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成を示す概略図である。光電変換装置200は、シリコン系太陽電池であり、3層の光電変換層を積層して接合した3接合型光電変換装置である。
光電変換装置200は、太陽光の入射方向から順に、基板201と、透明導電層202と、光電変換部210としての第1光電変換層(入射部の光電変換層)203、第2光電変換層(中間部の光電変換層)205、および第3光電変換層(底部の光電変換層)204と、透明導電層206と、裏面電極層207とを具備する。本実施形態において、第1光電変換層203はアモルファスシリコンを有する光電変換層であり、第2光電変換層205および第3光電変換層204は微結晶シリコンゲルマニウムを有する光電変換層である。

0059

本実施形態による太陽電池パネルの製造方法については、前記第1の実施形態と共通の工程はその詳しい説明を省略する。

0060

プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:30Pa以上150Pa以下、基板温度:約200℃にて光電変換部3の第1光電変換層(トップ層)203として、アモルファスシリコン薄膜からなるp層膜/i層膜/n層膜を順次製膜する。第1光電変換層203は、SiH4ガスとH2ガスとを主原料に、透明導電層202の上に製膜される。太陽光の入射する側からp層、i層、n層がこの順で積層される。
本実施形態において、第1光電変換層203のp層は、SiH4,H2,CH4,B2H6ガスをRFプラズマで反応生成させた、非晶質のBドープSiC膜であり、膜厚は4nm以上16nm以下とすることが好ましい。第1光電変換層203のi層は、SiH4とH2をRFプラズマで反応生成させた、非晶質Si膜であり、膜厚は50nm以上200nm以下とすることが好ましい。第1光電変換層203のn層は、SiH4,H2,PH3ガスをRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSi膜であり、n層単膜のラマン比は2以上であり、膜厚は10nm以上60nm以下とすることが好ましい。なお、ここで「ラマン比」とはラマン分光評価で520cm−1の結晶Siの強度と480cm−1のa−Siの強度の比(結晶Siの強度/a−Siの強度)をいう(以下同じ)。前記p層膜とi層膜の間には界面特性の向上のためにバッファー層(図示略)を設けても良い。
以上のように形成された第1光電変換層203の膜厚は50nm以上200nm以下とすることが好ましい。また、より好ましくは80nm以上150nm以下の膜厚とすることが望ましい。

0061

次に、第1光電変換層203の上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第2光電変換層(ミドル層)205としての微結晶シリコンからなるp層膜、微結晶シリコンゲルマニウム薄膜からなるi層膜、微結晶シリコンからなるn層膜を順次製膜する。
本実施形態において、第2光電変換層205のp層は、SiH4,H2ガスをRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSi膜であり、p層単膜のラマン比は2以上であり、膜厚は10nm以上60nm以下とすることが好ましい。第2光電変換層205のi層は、SiH4,GeH4,H2をRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSiGe膜であり、膜厚は200nm以上1500nm以下とすることが好ましい。第2光電変換層205のn層は、SiH4,H2ガスをRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSi膜であり、n層単膜のラマン比は2以上であり、膜厚は10nm以上60nm以下とすることが好ましい。
以上のように形成された第2光電変換層205の膜厚は200nm以上1500nm以下とすることが好ましい。また、より好ましくは500nm以上1000nm以下の膜厚とすることが望ましい。

0062

次に、第2光電変換層205の上に、プラズマCVD装置により、減圧雰囲気:3000Pa以下、基板温度:約200℃、プラズマ発生周波数:40MHz以上100MHz以下にて、第3光電変換層(ボトム層)204としての微結晶シリコンからなるp層膜、微結晶シリコンゲルマニウム薄膜からなるi層膜、微結晶シリコンからなるn層膜を順次製膜する。
本実施形態において、第3光電変換層204のp層は、SiH4,H2ガスをRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSi膜であり、p層単膜のラマン比は2以上であり、膜厚は10nm以上60nm以下とすることが好ましい。第3光電変換層204のi層は、SiH4,GeH4,H2をRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSiGe膜であり、膜厚は500nm以上2000nm以下とすることが好ましい。第3光電変換層204のn層は、SiH4,H2ガスをRFプラズマで反応生成させた、結晶成分を含むSi膜であり、n層単膜のラマン比は2以上であり、膜厚は10nm以上60nm以下とすることが好ましい。
以上のように形成された第3光電変換層204の膜厚は500nm以上2000nm以下とすることが好ましい。また、より好ましくは500nm以上1500nm以下の膜厚とすることが望ましい。

0063

第2光電変換層205のゲルマニウム濃度は0.5atom%から20atom%であることが好ましい。また、より好ましくは1atom%から10atom%のゲルマニウム濃度とすることが望ましい。
第3光電変換層204のゲルマニウム濃度は5atom%から50atom%であることが好ましい。また、より好ましくは10atom%から40atom%のゲルマニウム濃度とすることが望ましい。
また、第2光電変換層205のゲルマニウム濃度は、第3光電変換層204のゲルマニウム濃度より低く設定されている。

0064

第1光電変換層203と第2光電変換層205の間および第2光電変換層205と第3光電変換層204の間には、電流整合性を取るために半反射膜となることを目的に、膜厚20nm以上100nm以下のZnO系膜(例えばGZO(GaドープZnO)膜)をスパッタリング装置により製膜して設けてもよい。

0065

本実施形態の光電変換装置200によれば、微結晶材料を用いることにより光電変換層の劣化を抑制することができる。また、第2光電変換層205および第3光電変換層204に用いた微結晶シリコンゲルマニウムは直接遷移であるため、太陽光エネルギーの吸収率の効率をさらに向上させることができる。その結果、光電変換装置200の薄膜化を図ることができ、生産性の向上および製造コストの抑制が可能となる。
なお、本実施形態において、第1光電変換層203は、アモルファスシリコンを有する光電変換層として説明したが、アモルファスシリコンカーボンまたはアモルファスシリコンゲルマニウムを有する光電変換層としても同様の効果が得られる。

0066

以下、上記実施形態による太陽電池の製造例について説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例5〕
pin構造を単位とする3接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ミドル層)を微結晶SiGe、第3光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、3接合型光電変換装置として10mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度であり、シード抵抗は12Ωである。
(トップ層)a−Si、i層膜厚150nm
(ミドル層)微結晶SiGe(Ge組成比0.5%)、i層膜厚0.8μm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比10%)、i層膜厚1.0μm
以上のように、ミドル層にGe組成比0.5%の微結晶SiGeを、ボトム層にGe組成比10%の微結晶SiGeを用いることにより、各層の膜厚の合計を1.95μmとすることができた。

0067

〔実施例6〕
pin構造を単位とする3接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ミドル層)を微結晶SiGe、第3光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、3接合型光電変換装置として10mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度であり、シード抵抗は12Ωである。
(トップ層)a−Si、i層膜厚150nm
(ミドル層)微結晶SiGe(Ge組成比10%)、i層膜厚0.4μm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比20%)、i層膜厚0.5μm
以上のように、ミドル層にGe組成比10%の微結晶SiGeを、ボトム層にGe組成比20%の微結晶SiGeを用いることにより、各層の膜厚の合計を1.05μmとすることができた。

0068

〔実施例7〕
pin構造を単位とする3接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ミドル層)を微結晶SiGe、第3光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、3接合型光電変換装置として10mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度であり、シード抵抗は12Ωである。
(トップ層)a−Si、i層膜厚150nm
(ミドル層)微結晶SiGe(Ge組成比20%)、i層膜厚0.2μm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比25%)、i層膜厚0.5μm
以上のように、ミドル層にGe組成比20%の微結晶SiGeを、ボトム層にGe組成比25%の微結晶SiGeを用いることにより、各層の膜厚の合計を0.85μmとすることができた。

0069

〔比較例3〕
pin構造を単位とする3接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ミドル層)を微結晶Si、第3光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、3接合型光電変換装置として10mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度であり、シード抵抗は12Ωである。
(トップ層)a−Si、i層膜厚150nm
(ミドル層)微結晶Si、i層膜厚1.5μm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比10%)、i層膜厚1.0μm
以上のように、ミドル層に微結晶Siを、ボトム層にGe組成比10%の微結晶SiGeを用いた場合、各層の膜厚の合計は2.65μmとなり、特にミドル層の膜厚が少なくとも1.5μmは必要であった。

0070

〔実施例8〕
pin構造を単位とする3接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ミドル層)を微結晶SiGe、第3光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、3接合型光電変換装置として13mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度である。
(トップ層)a−Si、i層膜厚200nm
(ミドル層)微結晶SiGe(Ge組成比10%)、i層膜厚1.0μm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比30%)、i層膜厚2.0μm
以上のように、ミドル層にGe組成比10%の微結晶SiGeを、ボトム層にGe組成比30%の微結晶SiGeを用いることにより、各層の膜厚の合計を3.2μmとすることができた。

0071

〔実施例9〕
pin構造を単位とする3接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ミドル層)を微結晶SiGe、第3光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、3接合型光電変換装置として13mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度である。
(トップ層)a−Si、i層膜厚200nm
(ミドル層)微結晶SiGe(Ge組成比20%)、i層膜厚0.5μm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比50%)、i層膜厚1.5μm
以上のように、ミドル層にGe組成比20%の微結晶SiGeを、ボトム層にGe組成比50%の微結晶SiGeを用いることにより、各層の膜厚の合計を2.2μmとすることができた。

0072

〔比較例4〕
pin構造を単位とする3接合型太陽電池において第1光電変換層(トップ層)をa−Si、第2光電変換層(ミドル層)を微結晶Si、第3光電変換層(ボトム層)を微結晶SiGeとする太陽電池を製作した。各層の膜厚を以下の通りとしたときに、3接合型光電変換装置として13mA/cm2の短絡電流密度が得られた。
なお、太陽電池の構造は以下のとおりである。
ガラス/TCO/a−Si光電変換層/微結晶Si光電変換層/微結晶SiGe光電変換層/GZO/Ag
ここでTCO(透明導電酸化物)において光の散乱の度合いを表すヘイズ率は、16%から20%程度である。
(トップ層)a−Si、i層膜厚200nm
(ミドル層)微結晶Si、i層膜厚2.5μm
(ボトム層)微結晶SiGe(Ge組成比30%)、i層膜厚2.0μm
以上のように、ミドル層に微結晶Siを、ボトム層にGe組成比30%の微結晶SiGeを用いた場合、各層の膜厚の合計は4.7μmとなり、特にミドル層の膜厚が少なくとも2.5μmは必要であった。

図面の簡単な説明

0073

本発明の第1実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成を示す概略図である。
同光電変換装置の製造方法の一部を示す概略図である。
同光電変換装置の製造方法の一部を示す概略図である。
同光電変換装置の製造方法の一部を示す概略図である。
同光電変換装置の製造方法の一部を示す概略図である。
i層の膜厚と短絡電流密度との関係を示すグラフ図である。
微結晶シリコンゲルマニウムの組成比と短絡電流密度との関係を示すグラフ図である。
本発明の第2実施形態に係る多接合型光電変換装置の構成を示す概略図である。

符号の説明

0074

1,201基板
2,202 透明導電層
3,210光電変換部
4,207裏面電極層
100,200光電変換装置
103,203入射部の光電変換層
104,204 底部の光電変換層
105,206 透明導電層
205 中間部の光電変換層

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