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技術 イミダゾピリジンおよびイミダゾピリミジン化合物ならびにそれを含有する麻酔または鎮静薬組成物

出願人 丸石製薬株式会社
発明者 井辻裕金光範昌大崎敬史辻本恒増井邦晴神保敬亮
出願日 2007年3月30日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2007-094850
公開日 2008年10月16日 (11年6ヶ月経過) 公開番号 2008-247878
状態 未査定
技術分野 窒素含有縮合複素環(3) その他のN系縮合複素環2 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 電流増強 ガラスチューブオーブン 脳波電極 ヒドロキシル体 溶液状組成物 脳波測定 一置換体 ぎ酸塩
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年10月16日)のものです。
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図面 (1)

課題

水溶性もしくは水混和性であり、麻酔薬、特に静脈麻酔薬の製造に有用な新規化合物、およびそのような化合物を用いた麻酔薬組成物を提供することを目的とする。

解決手段

下記一般式(I)で表されるイミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジン化合物、あるいはそれらの医薬上許容される塩。

化1】

概要

背景

今までイミダゾピリジンおよびイミダゾピリミジン誘導体として中枢神経用薬が多数報告されており、イミダゾピリジン誘導体に関しては、睡眠導入剤として市販されている化合物も存在する。

例えば麻酔作用を有するとされるイミダゾピリジン化合物が特許文献1に記されているが、該イミダゾピリジン化合物は麻酔作用が十分とはいえず、刺激による反射作用も見られる。また、別のイミダゾピリジン化合物が非特許文献1、特許文献2などに示されているものの、いずれも麻酔作用を有するとの報告はなされていない。

一般的に、静脈麻酔薬速効性を有すること、麻酔からの回復が速やかであることが望まれている。また、注射用剤形を調製するためには、水溶性である方がより望ましい。例えば現在麻酔薬として使用されているプロポフォール(2,6−ジイソプロピルフェノール)は水にほとんど溶けないため、大豆油グリセリン、精製卵リン脂質乳濁液エマルジョン化した製剤設計が施され、静脈麻酔薬として臨床使用されている。このため、注射時の血管痛、脂質蓄積、および易感染性等の副作用も指摘されており、近年ではこれらの副作用を緩和する目的で高濃度化製剤も市販されている。

以上のことから、静脈麻酔薬として用いた場合に速効性を持ち、回復が速やかであり、副作用が少なく、しかも水に溶解させ得る、あるいは水と混和し得るという観点から、未だ満足すべき化合物は見い出されていない。
Guiseppe ら, J Med Chem, 40, 3109−3118 (1997)
特開平3−181419号公報
国際特許公開WO2005/044818号明細書

概要

水溶性もしくは水混和性であり、麻酔薬、特に静脈麻酔薬の製造に有用な新規化合物、およびそのような化合物を用いた麻酔薬組成物を提供することを目的とする。下記一般式(I)で表されるイミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジン化合物、あるいはそれらの医薬上許容される塩。なし

目的

本発明は、水溶性もしくは水混和性であり、麻酔薬、特に静脈麻酔薬の製造に有用な新規化合物、およびそのような化合物を用いた麻酔薬組成物を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

下記一般式(I)で表されるイミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジン化合物、あるいはそれらの医薬上許容される塩。[式(I)中、2個のR1は同一または相異なって水素原子炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状アルキル、2個のR1が結合して形成する置換基を有していてもよい炭素数2〜5のアルキレン基、あるいは2個のR1が結合して硫黄窒素および酸素原子からなる群から選択される1または2のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和または不飽和の5員から7員の環状基を示し、R2は(式中、nは0〜2の整数であり、R4は炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状アルキル、炭素数1〜5の1以上のフッ素置換されているアルキル、炭素数3〜5の直鎖または分岐鎖アルケニルまたはアルキニル、5から7員のシクロアルキルまたはシクロアルキルメチル、炭素数1〜5のアルコキシアルキルアルキルアミノアルキルシアノアキルあるいは置換基を有していてもよいフェニル基またはフェニルアルキル基を示す。);(式中、n’は1〜2の整数であり、R4は前記と同意義を示す。);または(式中、Aは−OCO−あるいは−O−を示し、R4は前記と同意義を示す。)で表される基を示し、R3は、炭素数1〜6のアルキル、置換基を有していてもよいフェニルベンジルピリジルシクロヘキシルチオフェニル、フラニル基から成る群より選択される基を示し、Xは炭素原子または窒素原子を示す。ただし、2個のR1がともに水素原子であることはない。]

請求項2

一般式(I)中の2個のR1がメチルエチルプロピルおよびイソプロピル基からなる群より選択される同一または相異なる2個の基である、請求項1記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩。

請求項3

一般式(I)中の2個のR1の組み合わせが6−メチル−7−エチル、6−エチル−7−メチルまたは6−イソプロピル−7−メチルである請求項2記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩。

請求項4

2個のR1がいずれもメチル基である、請求項2記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩。

請求項5

下記一般式(I−1)で表される、請求項1記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩。[式(I−1)中、Mはイミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジン環と共に、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の5員、6員または7員の環状基を形成する基を示し、X、R2およびR3は前記と同意義を示す。]

請求項6

一般式(I−1)中のMが、−CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2CH2−および−CH2CH2CH2CH2CH2−からなる群より選択される基である、請求項5記載の化合物またはその医薬上許容される塩。

請求項7

一般式(I)または(I−1)中のR2が、式−(CH2)n−CO2−Q(式中、nは0〜2の整数であり、Qは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状アルキル、炭素数1〜5の1以上のフッ素で置換されているアルキル、あるいは2−メチル−2−プロペニル、2−プロピニルシクロペンチルシクロペンチルメチルまたはフェニル基を示す。)で示される基である請求項1〜6いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩。

請求項8

一般式(I)または(I−1)中のR2が、式−CH2−CO−T(式中、Tは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)で示される基である請求項1〜6いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩。

請求項9

一般式(I)または(I−1)中のR2が、式−(CH2)2−A−Z(式中、Aは−OCO−あるいは−O−を示し、Zは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で示される基である請求項1〜6いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩。

請求項10

一般式(I)または(I−1)中のR3が、置換されていてもよいフェニル基である、請求項1〜9いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩。

請求項11

麻酔有効量の請求項1〜10いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容されるキャリアを含有する、哺乳動物のための麻酔または鎮静薬組成物

請求項12

静脈投与して用いられる、請求項11記載の麻酔または鎮静薬組成物。

請求項13

全身麻酔の導入および維持に用いられる、請求項11または12記載の麻酔または鎮静薬組成物。

請求項14

術後の鎮静管理、検査時の鎮静管理、局所麻酔時の鎮静管理または集中治療時の鎮静管理に用いられる、請求項11または12記載の麻酔または鎮静薬組成物。

請求項15

請求項1〜10いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩の、哺乳動物用麻酔または鎮静薬組成物を製造するための使用。

請求項16

麻酔有効量の請求項1〜10いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩を、麻酔または鎮静を必要とする対象の哺乳動物へ投与することを含む、哺乳動物の麻酔または鎮静方法

技術分野

0001

本発明は、新規イミダゾピリジンおよびイミダゾピリミジン化合物に関する。本発明のイミダゾピリジンおよびイミダゾピリミジン化合物は、医薬、特に麻酔薬の製造に有用である。

背景技術

0002

今までにイミダゾピリジンおよびイミダゾピリミジン誘導体として中枢神経用薬が多数報告されており、イミダゾピリジン誘導体に関しては、睡眠導入剤として市販されている化合物も存在する。

0003

例えば麻酔作用を有するとされるイミダゾピリジン化合物が特許文献1に記されているが、該イミダゾピリジン化合物は麻酔作用が十分とはいえず、刺激による反射作用も見られる。また、別のイミダゾピリジン化合物が非特許文献1、特許文献2などに示されているものの、いずれも麻酔作用を有するとの報告はなされていない。

0004

一般的に、静脈麻酔薬速効性を有すること、麻酔からの回復が速やかであることが望まれている。また、注射用剤形を調製するためには、水溶性である方がより望ましい。例えば現在麻酔薬として使用されているプロポフォール(2,6−ジイソプロピルフェノール)は水にほとんど溶けないため、大豆油グリセリン、精製卵リン脂質乳濁液エマルジョン化した製剤設計が施され、静脈麻酔薬として臨床使用されている。このため、注射時の血管痛、脂質蓄積、および易感染性等の副作用も指摘されており、近年ではこれらの副作用を緩和する目的で高濃度化製剤も市販されている。

0005

以上のことから、静脈麻酔薬として用いた場合に速効性を持ち、回復が速やかであり、副作用が少なく、しかも水に溶解させ得る、あるいは水と混和し得るという観点から、未だ満足すべき化合物は見い出されていない。
Guiseppe ら, J Med Chem, 40, 3109−3118 (1997)
特開平3−181419号公報
国際特許公開WO2005/044818号明細書

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、水溶性もしくは水混和性であり、麻酔薬、特に静脈麻酔薬の製造に有用な新規化合物、およびそのような化合物を用いた麻酔薬組成物を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、鋭意研究の結果、上記の文献には開示されていない特定の構造のイミダゾピリジンおよびイミダゾピリミジン化合物を見出し、かかる化合物が従来のイミダゾピリジン化合物の作用機序とは異なると思われる作用機序で優れた麻酔作用を示すことを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成するに至った。

0008

即ち本発明の要旨は次の通りである。
[1] 下記一般式(I)で表されるイミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジン化合物、あるいはそれらの医薬上許容される塩。



[式(I)中、2個のR1は同一または相異なって水素原子炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状アルキル、2個のR1が結合して形成する置換基を有していてもよい炭素数2〜5のアルキレン基、あるいは2個のR1が結合して硫黄窒素および酸素原子からなる群から選択される1または2のヘテロ原子を含んでいてもよい飽和または不飽和の5員から7員の環状基を示し、R2は



(式中、nは0〜2の整数であり、R4は炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状アルキル、炭素数1〜5の1以上のフッ素置換されているアルキル、炭素数3〜5の直鎖または分岐鎖アルケニルまたはアルキニル、5から7員のシクロアルキルまたはシクロアルキルメチル、炭素数1〜5のアルコキシアルキルアルキルアミノアルキルシアノアキルあるいは置換基を有していてもよいフェニル基またはフェニルアルキル基を示す。);



(式中、n’は1〜2の整数であり、R4は前記と同意義を示す。);または



(式中、Aは−OCO−あるいは−O−を示し、R4は前記と同意義を示す。)で表される基を示し、
R3は、炭素数1〜6のアルキル、置換基を有していてもよいフェニルベンジルピリジルシクロヘキシルナフチルチオフェニル、フラニル基から成る群より選択される基を示し、
Xは炭素原子または窒素原子を示す。ただし、2個のR1がともに水素原子であることはない。]
[2] 一般式(I)中の2個のR1がメチルエチルプロピルおよびイソプロピル基からなる群より選択される同一または相異なる2個の基である、前項[1]記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩。
[3] 一般式(I)中の2個のR1の組み合わせが6−メチル−7−エチル、6−エチル−7−メチルまたは6−イソプロピル−7−メチルである前項[2]記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩。
[4] 2個のR1がいずれもメチル基である、前項[2]記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩。
[5] 下記一般式(I−1)で表される、前項[1]記載の化合物あるいはその医薬上許容される塩。



[式(I−1)中、Mはイミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジン環と共に、置換基を有していてもよい飽和または不飽和の5員、6員または7員の環状基を形成する基を示し、X、R2およびR3は前記と同意義を示す。]
[6] 一般式(I−1)中のMが、
−CH2CH2CH2−、
−CH2CH(CH3)CH2−、
−CH2CH2CH2CH2−および
−CH2CH2CH2CH2CH2−
からなる群より選択される基である、前項[5]記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[7] 一般式(I)または(I−1)中のR2が、式
−(CH2)n−CO2−Q
(式中、nは0〜2の整数であり、Qは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状アルキル、炭素数1〜5の1以上のフッ素で置換されているアルキル、あるいは2−メチル−2−プロペニル、2−プロピニルシクロペンチルシクロペンチルメチルまたはフェニル基を示す。)
で示される基である前項[1]〜[6]いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[8] 一般式(I)または(I−1)中のR2が、式
−CH2−CO−T
(式中、Tは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
で示される基である前項[1]〜[6]いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[9] 一般式(I)または(I−1)中のR2が、式
−(CH2)2−A−Z
(式中、Aは−OCO−あるいは−O−を示し、Zは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
で示される基である前項[1]〜[6]いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[10] 一般式(I)または(I−1)中のR3が、置換されていてもよいフェニル基である、前項[1]〜[9]いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
[11]麻酔有効量の前項[1]〜[10]いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容されるキャリアを含有する、哺乳動物のための麻酔または鎮静薬組成物
[12]静脈投与して用いられる、前項[11]記載の麻酔または鎮静薬組成物。
[13]全身麻酔の導入および維持に用いられる、前項[11]または[12]記載の麻酔または鎮静薬組成物。
[14] 術後の鎮静管理、検査時の鎮静管理、局所麻酔時の鎮静管理または集中治療時の鎮静管理に用いられる、前項[11]または[12]記載の麻酔または鎮静薬組成物。
[15] 前項[1]〜[10]いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩の、哺乳動物用麻酔または鎮静薬組成物を製造するための使用。
[16] 麻酔有効量の前項[1]〜[10]いずれかに記載の化合物またはその医薬上許容される塩を、麻酔または鎮静を必要とする対象の哺乳動物へ投与することを含む、哺乳動物の麻酔または鎮静方法

0009

なお、本明細書および特許請求の範囲の記載において、特に断りの無い限り、イミダゾピリジンおよびイミダゾピリミジン化合物の名称は、下記のイミダゾピリジンおよびイミダゾピリミジン骨格番号付けステム



に従って記載する。

発明の効果

0010

本発明の化合物およびその医薬上許容される塩は、哺乳類に対して好適な麻酔・鎮静作用を有し、麻酔薬の製造に好適に用いることができる。

0011

本発明の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容されるキャリア(ビヒクル)を含有する麻酔または鎮静薬組成物は、哺乳動物用の麻酔または鎮静薬組成物として有用であり、特に静脈麻酔薬として全身麻酔に好適に用いられる。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明のひとつの好ましい態様においては、式(I)中、6,7−位に結合した2個のR1は同一であっても異なっていてもよい、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルからなる群より選択される基である。特に、式(I)で表される化合物のうち、2つのR1がいずれもメチルである6,7−ジメチル化合物が好適に用いられる。また、6,7−位に結合した2個のR1の組み合わせが、6−メチル−7−エチル、6−エチル−7−メチルまたは6−イソプロピル−7−メチルである化合物も好適に用いられる。なお、言うまでもないことであるが、上記の組み合わせが例えば6−メチル−7−エチルであるとは、6位に結合したR1がメチル基であり、かつ7位に結合したR1がエチル基であることを意味する。本発明の別の好ましい態様においては、6、7位に結合した2個のR1がイミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジン環と共に、5員環、6員環あるいは7員環の環状基を形成する。

0013

式(I)中、Xは炭素原子または窒素原子を示すが、特に炭素原子が好ましい。

0014

式(I)中、R2が示す基の例としては、



(式中、nは0〜2の整数であり、R4は炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖状アルキル、炭素数1〜5の1以上のフッ素で置換されているアルキル、炭素数3〜5の直鎖または分岐鎖状アルケニルまたはアルキニル、5から7員のシクロアルキルまたはシクロアルキルメチル、炭素数1〜5のアルコキシアルキル、アルキルアミノアルキル、シアノアルキルあるいは置換基を有していてもよいフェニル基またはフェニルアルキル基を示す。)
で表される基が挙げられる。

0015

式(I)中、R2が示す基の例としてはまた、



(式中、n’は1〜2の整数であり、R4は前記と同意義を示す。)
で表される基が挙げられる。

0016

式(I)中、R2が示す基の例としてはさらに、



(式中、AおよびR4は前記と同意義を示す。)
で表される基が挙げられる。

0017

上記の例のうち、式(I)中、R2が示す基としては、



(式中、n、R4は前記と同意義である。)
で表される基が好ましく、かかる好ましい態様において、式中のnが1〜2の整数であることが特に好ましく、R4は炭素数3〜5の直鎖状アルキルであるか、炭素数1〜3の1以上のフッ素で置換されているアルキルであることが特に好ましい。

0018

式(I)中、R3が示す基の例としては、置換基を有していてもよいフェニル、ベンジル、ピリジル、シクロヘキシル、チオフェニルおよびフラニル基が挙げられる。それらの中でも、R3が示す基としては、置換基を有していてもよいフェニル基が特に好ましい。

0019

上記したように、R3が示す例えばフェニル、ベンジル、ピリジル、シクロヘキシル、チオフェニルおよびフラニルなどの基は、置換基を有していてもよく、置換基を有する場合の置換基の個数としては1〜3個であり、より好ましくは1または2個である。かかるR3における置換基の例としては、ハロゲン[例:フッ素、塩素臭素ヨウ素]、ヒドロキシ、炭素数1〜5のアルキル[例:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルイソブチルペンチル、イソペンチル]、炭素数1〜4のアルコキシ[例:メトキシエトキシプロポキシイソプロポキシブトキシ)、トリフルオロメチル、炭素数1〜3の1以上のフッ素で置換されているアルコキシ[例:トリフルオロメトキシトリフルオロエトキシおよびトリフルオロプロポキシ]、アミドカルボキシ、シアノ、炭素数1〜4のアルキルチオ[例:メチルチオエチルチオプロピルチオ、ブチルチオ]、ニトロ、アミノメチルアミノジメチルアミノジメチルアミノメチルジプロピルアミノメチル、メチレンジオキシフェノキシベンジルオキシ、炭素数2〜5のアルカノイルオキシ[例:アセトキシプロピオニルオキシブチリルオキシ]、炭素数1〜3のω−ヒドロキシアルキル[例:ヒドロキシメチルヒドロキシエチル]、アルカノイルオキシ(炭素数2〜5)−アルキル(炭素数1〜3)[例:アセチルオキシメチル、アセチルオキシエチル、プロピオニルオキシメチル]、炭素数2〜5のアルカノイルアミノ[例:アセチルアミノプロピオニルアミノ]、アルコキシカルボニル[例:メトキシカルボニルエトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル]、フェノキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。

0020

R3が置換基を有する場合、該置換基はR3のいかなる位置に置換していてもよい。R3がフェニル基である場合は無置換のフェニル基か、2位または4位がフッ素原子またはメチル基で置換されたフェニル基が好ましい。なお、ここでの2位または4位とは、上記したイミダゾピリジンおよびイミダゾピリミジン骨格の番号付けシステムにより定められるものではない。

0021

また、R4が示す置換基を有していてもよいフェニル基またはアルキルフェニル基が置換基を有する場合、かかるR4における置換基の例としては、上記したR3における置換基の例と同じ例が挙げられる。

0023

合成方法
以下、本発明の化合物の合成方法について例を挙げて説明する。下記の方法は例示であり、本発明の化合物は公知のいずれの方法を応用して得てもよい。

0024

・方法(i)
本発明化合物(I)[式(I)で示される化合物をこのように称することがあり、他の番号ないし記号で特定される式で示される化合物についても同様である。]においてR2が式:



(式中、nおよびR4は前記と同意義を示す。)
で表される基である場合、例えば式(II):



(式中、R1、R3、R4、Xおよびnは前記と同意義を示す。)
で表される化合物は、例えば以下のa)およびb)に示す方法により製造し得る。

0025

a) n=1の場合
式(III)の化合物を出発物質として、下記スキームに示される反応によってnが1である化合物(II−a)を製造することができる。なお、スキームの反応式中、R1、R3、R4およびXは前記と同意義(但しR4はエチルあるいはプロピル基以外の基である)を示し、R5はエチルあるいはプロピル基を示す。

0026

上記スキームにおいて出発物質となる上記(III)で示される化合物、例えば以下に示す(III−1)〜(III−3)の化合物は、以下のごとく得ることができる。

0027

2−アミノ−4,5−ジメチルピリジン(III−1)は、J. Heterocyclic Chem., 18, 1613−1618 (1981) に従い、3,4−ジメチルピリジンおよびナトリウムアミドの混合物を加熱することにより得られる。

0028

6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−3−アミン(III−2)はJ. AM. Chem. SOC. 2003, 125, 11460−11461 、Khimiia geterotsiklicheskikh soedinenii, 1983, No 9, 1279−1282 および khimiko−farmatsevticheskii zhurnal, 1984, 18, 8, 931−935 に従って製造することができる。なお、5,6,7,8−テトラヒドロ−3−イソキノリンアミンおよび6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[c]ピリジン−3−アミンなども上記文献を参考に得ることができる。

0029

6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−2−アミン(III−3)はJ. AM. Chem. SOC. 1959, 81, 3108−3114 に従って製造することができる。4,5−ジメチル−2−ピリミジンアミンなども上記文献を参考に得ることができる。

0030

上記した(III−1)〜(III−3)の化合物を得る際のスキームを次に示す。

0031

上記のごとく出発物質として適当な化合物(III)を得、これをエタノール溶媒中、炭酸水素ナトリウム存在下で、式:R3−CO−CH2−Br (式中、R3は前記と同意義を示す。)で表わされるブロモ体と加熱下で反応させて化合物(IV)を製造することができる。なお、前記ブロモ体は式:R3−CO−CH3(式中、R3は前記と同意義)をジクロロメタンまたは酢酸溶媒中、臭素と反応させ得ることができる。

0032

上記で得られた化合物(IV)を、Aust. J. Chem., 1997, 50, 719−725 に記載されている方法に準じて、トルエンエタノール混合溶媒中、パラトルエンスルホン酸存在下で、エチルグリオキサレートと、あるいは国際特許公開WO1999/055388号明細書に記載されている方法に準じて製造したプロピルグリオキサレートと加熱下で反応させ、化合物(V)を製造することができる。

0033

次いで、国際特許公開WO2005/08021号明細書に記載されている方法に準じて、化合物(V)にクロロホルム溶媒中、塩化チオニル、N,N−ジメチルホルムアミドおよびヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム水和物を作用させ、化合物(II−a−1)を得ることができる。

0034

さらに、必要に応じ化合物(II−a−1)をアルカリ加水分解することにより化合物(II−a−2)を得、これを対応するアルコールフェノールまたはヒドロキシル体とWSC〔1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミドハイドロクロリド〕およびDMAP(4−ジメチルアミノピリジン)存在下でエステル化させることにより、化合物(II−a)を製造することができる。

0035

b) n=0または2の場合
式(III)の化合物を出発物質として、下記スキームに示される反応によってnが0または2である化合物(II−b)を製造することができる。



(反応式中、R1、R3、R4、R5およびXは前記と同意義を示し、n’’は0または2を示す。)

0036

すなわち、J. Med. Chem, 1997, 40, 3109−3118 に記載されている方法に準じて、化合物(III)をブタノール中、化合物(VI)と加熱して化合物(II−b−1)とし、前記同様の方法にて加水分解およびエステル化させることにより、nが0または2である化合物(II−b)を製造することができる。

0037

ここで化合物(VI)は式:R3−CO−CH2−(CH2)n’’−COOH (式中、R3およびn’’は前記と同意義を示す。)で表されるカルボン酸をエタノールあるいはプロパノール存在下で前記同様の方法にてエステル化させ、その後ジクロロメタン溶媒中、臭素と反応させることにより得ることができる。

0038

・方法(ii)
本発明化合物(I)においてR2が式:



[式中、n’およびR4は前記と同意義(但しR4は水素原子ではない)を示す。]
で表される基である場合、例えば式(VII):



[式中、R1、R3、R4、Xおよびn’は前記と同意義(但しR4は水素原子ではない)を示す。]
で表される化合物は、以下の方法により製造し得る。

0039

具体的には、下記スキームに示される反応によって化合物(VII)を製造することができる。



[反応式中、R1、R3、R4、R5、Xおよびn’は前記と同意義(但しR4は水素原子ではない)を示す。]

0040

上記スキームで化合物(VIII)は、前述した化合物(2−a−1)あるいは(2−a−2)の合成法と同様の合成法により製造することができる。

0041

この化合物(VIII)に対し、国際特許公開WO2005/044818号明細書に記載の合成方法を参考にし、無水テトラヒドロフラン溶媒中ヘキサメチルジシラザンナトリウム存在下、式:R4−CO−Cl (式中R4は前記と同意義を示す。)で表される酸塩化物を作用させることにより化合物(IX)を得ることができ、次いで、それを酢酸および塩酸混合溶液加熱攪拌することにより、化合物(VI)を得ることができる。

0042

・方法(iii)
本発明化合物(I)においてR2が



[式中、A、R4は前記と同意義(但しR4は水素原子ではない)を示す。]
で表される基である場合、例えば式(X):



[式中、R1、R3、R4およびXは前記と同意義(但しR4は水素原子ではない)を示す。]
で表される化合物は、例えば以下のa)およびb)に示す方法により製造し得る。

0043

a) A = −OCO−の場合
下記スキームに示される反応によって化合物(X−a)を製造することができる。



[式中、R1、R3、R4、R5およびXは前記と同意義(但しR4は水素原子ではない)を示す。]

0044

上記スキームで化合物(XI)は、前記した方法で得られた化合物(II−a−1)を出発原料とし、無水テトラヒドロフラン溶媒中テトラヒドロほう酸リチウム還元することにより得られ、次いで、化合物(XI)をカルボン酸と前記同様の方法にてエステル化することにより化合物(X−a)が得られる。

0045

b) A = −O−の場合
下記スキームに示される反応によって化合物(X−a)を製造することができる。



[式中、R1、R3、R4およびXは前記と同意義(但しR4は水素原子ではない)を示し、Msはメタンスルホニル基を示す。]

0046

上記スキームで化合物(X−b)は、化合物(XI)にジクロロメタン溶媒中、トリエチルアミン存在下メタンスルホニルクロライドを作用させて化合物(XII)とし、それを対応する対応するアルコール、フェノールまたはヒドロキシル体と加熱攪拌することにより得ることができる。

0047

[麻酔または鎮静薬組成物]
本発明の化合物およびその医薬上許容される塩は、哺乳動物のための麻酔薬または鎮静薬の有効成分として用いることができる。

0048

プロポフォールなどの現在市販されている麻酔薬は、中枢神経GABAA受容体に作用し、抑制系神経伝達の増強を促し麻酔または鎮静作用を発現するとされている。本発明のイミダゾピリジン化合物、イミダゾピリミジン化合物およびその塩も、ヒトを含む哺乳動物の中枢神経GABAA受容体に作用し、上記同様の作用を発現することから、哺乳動物のための麻酔または鎮静用薬として有用である。

0049

ゾルピデムや、上記した非特許文献1、特許文献1および2などで現在までに公表されているイミダゾピリジンおよびピリミジン誘導体は、中枢神経GABAA受容体のベンゾジアゼピンイトに作用することにより鎮静または催眠作用を発現するとされている。これらの作用はベンゾジアゼピン拮抗薬であるフルマゼニルを併用することにより拮抗することが可能である。一方、現在麻酔薬として上市されているプロポフォールやチオペンタールの鎮静または麻酔作用は同じ中枢神経GABAA受容体に作用するが、フルマゼニルでは拮抗されず、これらの麻酔鎮静用薬と鎮静催眠用薬は異なる作用機序を持つと考えられる。本発明の化合物等の鎮静または麻酔作用はフルマゼニルでは拮抗されず、公表されているイミダゾピリジンおよびピリミジン化合物とは作用機序が異なると考えられ、さらにこれらの鎮静または麻酔作用は3位置換基がエステルケトンエーテルを有する化合物に認められ、6〜8位の置換基は一置換体よりも二置換体にすることにより増強される。

0050

本発明の化合物は、市販されている静脈麻酔薬、例えばプロポフォールなどと比較して作用が強く、同等あるいはそれ以上の速やかな導入および速やかな覚醒プロファイルを有するのみならず、安全性が高い化合物である。

0051

本発明の化合物は、イミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジン骨格を有しており、母核塩基性窒素原子を有しているため、医薬上許容し得る塩にすることにより、または溶解補助剤を用いることにより容易に水溶性または水混和性とすることができる。このため、本発明の化合物は静脈麻酔薬の製造に有用であり、理想的である。医薬上許容し得る塩としては、上記した塩のいずれも好適に用いることができる。

0052

本発明の麻酔または鎮静薬組成物は、麻酔有効量の本発明の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容されるキャリアを含有する組成物であり、錠剤顆粒剤カプセル剤注射剤点眼剤軟膏パップ剤坐剤など種々の剤型で、人を含む哺乳動物に経口的、もしくは非経口的(例えば静脈内、硬膜外脊髄内、皮下、筋肉内など。)に投与して用いることができる。

0053

本発明の麻酔または鎮静薬組成物として特に好ましくは、医薬上許容されるビヒクルに直接溶解して、または溶解補助剤を用いて溶解させて得られる、静脈麻酔薬である。ここで、好適に用いられる医薬上許容されるビヒクルとしては、精製水生理食塩水注射用水リンゲル液などが挙げられ、特に生理食塩水が好ましい。

0054

本発明の式(I)で示される化合物のほとんどは、医薬上許容される塩の形とすることによって、容易に水溶性となる。また、一部の水に溶けにくい化合物の場合には、溶解補助剤を用いることによって水溶液とすることができる。かかる溶解補助剤としては、無機酸、有機酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油ジメチルスルホキシドシクロデキストリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコールポリエチレングリコールなどが挙げられる。

0055

本発明の麻酔または鎮静薬組成物は、予めビヒクルに溶解された溶液状組成物として提供されてもよく、使用直前に水もしくは生理食塩水などの適当なビヒクルと混合して用いるための粉末状組成物として提供されてもよい。

0056

本発明の麻酔または鎮静薬組成物には、上記のほか、通常の麻酔または鎮静薬組成物に添加される添加剤を含有させてもよい。かかる添加剤の例としては、以下に限定されることはないが、等張化剤(例えば塩化ナトリウムおよびブドウ糖。)、緩衝剤(例えばクエン酸カルシウムクエン酸ナトリウム酢酸カリウム酢酸ナトリウムリン酸水素ナトリウムおよびリン酸二水素カリウム。)、防腐剤(例えばベンジルアルコールおよびフェノール。)、抗酸化剤(例えばピロ亜硫酸ナトリウム亜硫酸水素ナトリウムおよびアスコルビン酸。)、保存剤(例えば塩化ベンゼトニウム塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾールクロロブタノールおよびベンジルアルコール。)およびキレート剤(例えばEDTAチオグリコール酸チオ乳酸およびチオグリセリン。)が挙げられる。

0057

本発明の麻酔または鎮静薬組成物には、本発明の目的に反しない限り、その他の薬効成分を添加してもよい。

0058

本発明の麻酔または鎮静薬組成物は、特に静脈投与による全身麻酔に好適に用いられる。例えば、外科的手術の際の麻酔の導入、麻酔の維持および術後の鎮静管理、集中治療における人工呼吸中の鎮静管理、検査時の鎮静管理ならびに局所麻酔時の鎮静管理において好適に用いられる。本発明の麻酔または鎮静薬組成物は、これら麻酔の各段階において、必要に応じてその他の鎮痛薬および/または筋弛緩薬と適宜組み合わせて使用することができる。

0059

本発明の式(I)で示される化合物もしくはその塩の麻酔有効量は特に限定されず、投与対象年齢性別、体重、健康状態など、および目的とする麻酔深度や麻酔持続時間などによって適宜選択すればよい。

0060

本発明の化合物またはその塩を静脈麻酔薬として使用する場合の目的に応じた投与量の典型例としては、全身麻酔の導入時に本発明のイミダゾピリジンまたはイミダゾピリミジン化合物あるいはそれらの塩を体重あたり約0.1〜40mg/kg、好ましくは1.0〜20.0mg/kgを投与する。麻酔維持には0.5〜25mg/kg/時、好ましくは1.0〜15mg/kg/時で連続的に静脈投与する。集中治療時の鎮静の維持または術後鎮静管理においては0.05〜10mg/kg/時、好ましくは0.1〜5.0mg/kg/時を連続的に静脈投与する態様が挙げられるが、かかる投与量は上記で例示された数値範囲に限定されるわけではない。

0061

以下に試験例、参考例とともに実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明がこれらの範囲に限定されるものではない。

0062

参考例1: 4,5−ジメチル−2−ピリジンアミンの製造例
3,4−ジメチルピリジン(20g,0.19mol)およびナトリウムアミド(7.8g,0.2mol)をN,N−ジメチルアニリン(47.4mL,0.37mol)中アルゴン置換下150℃で6.5時間加熱攪拌した。その後反応液に氷水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層減圧濃縮することにより4,5−ジメチル−2−ピリジンアミンおよび3,4−ジメチル−2−ピリジンアミンの混合物6.8gを得た(混合比率約1:2.5)

0063

参考例2: 6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−3−アミンの製造例
以下の(a)〜(e)の合成手順にて標記化合物を製造した。

0064

(a) 2−シクロペンチリデンマロノニトリルの合成
マロノニトリル(6.6g,0.1mol)、シクロペンタノン(8.4g,0.1mol)およびJ. AM. Chem. SOC. 2003, 125, 11460−11461を参考に合成したRuHAP(II)(500mg)を水(50mL)中80℃で20時間加熱攪拌した。その後、反応液吸引ろ過し、ろ液をクロロホルムで抽出した後、有機層を減圧濃縮した。得られた油状物をNH型のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製することにより、2−シクロペンチリデンマロノニトリルを13g得た。

0065

(b) 2−{2−[(E)−(ジメチルアミノ)メチリデン]シクロペンチリデン}マロノニトリルの合成
上記(a)の生成物(873mg,6.6mmol)および塩化アルミニウム(88mg,0.66mmol)を無水ベンゼン(10mL)中アルゴン置換下50℃で攪拌させ、そこにジエトキシ−N,N−ジメチルメタンアミド(1.6mL,9.9mmol)を滴下した後、30分間加熱還流した。その後反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、2−{2−[(E)−(ジメチルアミノ)メチリデン]シクロペンチリデン}マロノニトリルを363mg得た。

0066

(c) 3−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−4−カルボニトリルの合成
上記(b)の生成物(2.3g,12.3mmol)および2.0Mアンモニアエタノール溶液(18mL)をポータブルリアクター(耐圧硝子工業株式会社製)中130℃で2時間加圧下加熱攪拌した。その後析出した固体を吸引ろ過し、得られた固体を乾燥することにより、3−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−4−カルボニトリルを1.2g得た。

0067

(d) 3−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−4−カルボン酸および6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−3−アミンの合成
上記(c)の生成物(3.9g,24.5mmol)を47%臭化水素酸水溶液(20mL)中で100時間加熱還流した。その後反応溶液水酸化ナトリウムを溶液のpHが6〜7になるまで加え、析出した固体を吸引ろ過し、得られた固体を乾燥することにより、3−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−4−カルボン酸を2.0g得た。また、上記で得られたろ液に液性のpHが約9になるまで水酸化ナトリウムを追加したのち、析出した固体を吸引ろ過し、得られた固体を乾燥することにより、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−3−アミンを348mg得た。

0068

(e) 6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−3−アミンの合成
上記(d)で生成した3−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−4−カルボン酸(2.0g,11.4mmol)をガラスチューブオーブン(柴田科学器機工業株式会社製)を使用し、270℃で5分間加熱した。その後反応物にクロロホルム、メタノール混合溶媒(混合比率=1:1)を加え可溶物不溶物とを吸引ろ過にて分離させ、可溶物を減圧濃縮後、乾燥することにより、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−3−アミンを724mg得た。

0069

参考例3: 5,6,7,8−テトラヒドロ−3−イソキノリンアミンの製造例
出発原料として前記参考例2におけるシクロペンタノンに代えてシクロヘキサノンを用いて、前記参考例2の(a)〜(e)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0070

参考例4: 6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[c]ピリジン−3−アミンの製造例
出発原料として前記参考例2におけるシクロペンタノンに代えてシクロヘプタノンを用いて、前記参考例2の(a)〜(e)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0071

参考例5: 4−エチル−2−ピリジンアミンの製造例
出発原料として前記参考例2におけるシクロペンタノンに代えて2−ブタノンを用いて、前記参考例2の(a)〜(e)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0072

参考例6: 4−エチル−5−メチル−2−ピリジンアミンの製造例
出発原料として前記参考例2におけるシクロペンタノンに代えて3−ペンタノンを用いて、前記参考例2の(a)〜(e)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0073

参考例7: 5,5−ジメチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−3−アミンの製造例
(a) 2−(2,2−ジメチルシクロペンチリデン)マロノニトリルの合成
マロノニトリル(4.8g,73.2mmol)、2,2−ジメチルシクロペンタノン(5.47g,48.8mol)、酢酸アンモニウム(2.44g,31.6mmol)および酢酸4.86mLをトルエン(72mL)中、Dean−Stark器具を用いて一夜加熱還流した。その後、反応液をデカントし、水洗、Na2SO4で乾燥し減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン酢酸エチル=9:1)で精製することにより、2−(2,2−ジメチルシクロペンチリデン)マロノニトリルを6.47g得た。
(b)〜(e)
上記(a)の生成物である2−(2,2−ジメチルシクロペンチリデン)マロノニトリルを、前記参考例2における(a)の生成物の代わりに用いて、前記参考例2の(b)〜(e)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0074

参考例8: 6−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[c]ピリジン−3−アミンの製造例
出発原料として前記参考例7における2,2−ジメチルシクロペンタノンに代えて3−メチルシクロペンタノン用いて、前記参考例7の(a)〜(e)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0075

参考例9: 6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−2−アミンの製造例
以下の(a)〜(d)の合成手順にて標記化合物を製造した。

0076

(a) 2−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オールの合成
2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチルエステル(21.7g,139mmol)および炭酸グアニジン(25.0g,139mmol)を無水エタノール中アルゴン置換下で18時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去し、残渣にpHが6から7になるように酢酸を加え、析出した固体を吸引ろ過した。得られた固体を乾燥させることにより、2−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−オールを10.4g得た。

0077

(b) 4−クロロ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−2−アミンの合成
上記(a)の生成物(10.4g,68.7mmol)を塩化ホスホリル(25mL)中アルゴン置換下で45分間加熱還流した。その後反応液に氷冷下中で氷水を加え、水酸化ナトリウム水溶液中和し、析出した固体を吸引ろ過し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=19:1)で精製することにより、4−クロロ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−2−アミンを8.2g得た。

0078

(c) 2−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−チオールの合成
上記(b)の生成物(8.2g,48.1mmol)とチオ尿素(7.3g,96.2mmol)を無水エタノール(50mL)中アルゴン置換下で2.5時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去し、残渣に水を加え1Nの塩酸で液性を酸性(pH=1〜2)とした後、再び炭酸カリウムで溶液の液性をアルカリ性(pH=11〜12)とし、析出した固体を吸引ろ過する。得られた固体を乾燥することにより、2−アミノ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−4−チオールを7.9g得た。

0079

(d) 6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−2−アミンの合成
上記(c)の生成物(7.9g,47.2mmol)とラネーニッケル(23.7g:水懸濁物として)を水(100mL)中で6.5時間加熱還流した。その後懸濁液を自然ろ過し、得られたろ液を減圧留去し、残渣をNH型のシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製することにより、6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ[d]ピリミジン−2−アミンを4.5g得た。

0080

参考例10: 5,6,7,8−テトラヒドロ−2−キナゾリンアミンの製造例
出発原料として前記参考例9における2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチルエステルに代えて2−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチルエステルを用いて、前記参考例9の(a)〜(d)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0081

参考例11: 6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−シクロヘプタ[d]ピリミジン−2−アミンの製造例
出発原料として前記参考例9における2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチルエステルに代えて2−オキソシクロヘプタンカルボン酸 エチルエステルを用いて、前記参考例9の(a)〜(d)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0082

参考例12: 4,5−ジメチル−2−ピリミジンアミンの製造例
出発原料として前記参考例9における2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチルエステルに代えて2−メチル−3−オキソ酪酸エチルエステルを出発原料として用いて、前記参考例9の(a)〜(d)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0083

参考例13: 5−イソプロピル−4−メチル−2−ピリミジンアミンの製造例
出発原料として前記参考例9における2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチルエステルに代えて2−アセチル−3−メチル酪酸エチルエステルを用いて、前記参考例9の(a)〜(d)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0084

参考例14: 5−エチル−4−メチル−2−ピリミジンアミンの製造例
出発原料として前記参考例9における2−オキソシクロペンタンカルボン酸エチルエステルに代えて2−エチル−3−オキソ酪酸エチルエステルを用いて、前記参考例9の(a)〜(d)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0085

参考例15: 4−エチル−5−メチル−2−ピリミジンアミンの製造例
(a) 2−メチル−3−オキソ−ペンタンカルボン酸メチルエステルの合成
3−ケト−n−吉草酸メチル(3.0g,23.1mmol)を無水テトラヒドロフラン中アルゴン置換下0℃でナトリウムエトキシド(1.5g,27.7mmol)を加え30分間攪拌させた。その後反応液にヨウ化メチル(3.6g,25.4 mmol)を加えさらに2時間攪拌させた。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣にクロロホルムを加えた後、吸引ろ過により不溶物を分離した。得られた溶液を減圧留去して2−メチル−3−オキソ−ペンタンカルボン酸 メチルエステルを3.1g得た。
(b)〜(d)
上記(a)の生成物である2−メチル−3−オキソ−ペンタンカルボン酸 メチルエステルを、前記参考例9における(a)の生成物の代わりに用いて、前記参考例9の(b)〜(d)に示したのと同様の方法にて標記化合物を得た。

0086

参考例16: 2−ブロモ−1−(2−フルオロフェニル)−1−エタノンの製造例
2’−フルオロアセトフェノン(5g,36.2mmol)を酢酸(13mL)に溶解し、この溶液に臭素(1.86mL,36.2mmol)の酢酸(13mL)溶液を30分かけて滴下した。その後室温で一夜攪拌し、反応液を減圧濃縮した。残渣をクロロホルムに溶かし、5%NaHCO3で洗浄、水洗し、Na2SO4で乾燥して減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:クロロホルム=3:1)で精製することにより、2−ブロモ−1−(2−フルオロフェニル)−1−エタノンを得た。

0087

実施例1: 6,7−ジメチル−2−フェニル−3−(プロポキシカルボニルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
〔IUPAC名: 2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸プロピルエステル
以下の(1−a)〜(1−e)の合成手順にて、標記化合物を得た。

0088

(1−a) 6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
前記参考例1で得られた4,5−ジメチル−2−ピリジンアミンおよび3,4−ジメチル−2−ピリジンアミンの混合物(2.0g,16.4mmol)、フェナシブロミド(3.26g,16.4mmol)および炭酸水素ナトリウム(2.75g,32.7mmol)を無水エタノール(10mL)中アルゴン置換下で3時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:クロロホルム=2:1)で精製することにより、6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジンを717mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:2.20 (3H, s), 2.30 (3H, s), 7.28−7.32 (1H, m), 7.36 (1H, s), 7.39−7.43 (2H, m), 7.69 (1H, s), 7.82 (1H, s), 7.91−7.94 (2H, s)

0089

(1−b) 2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)−2−ヒドロキシ酢酸エチルエステルの合成
上記(1−a)の生成物(462mg,2.1mmol)、エチルグリオキサレート40%トルエン溶液(2.6mL,10.3mmol)およびパラトルエンスルホン酸一水和物(47mg,0.25mmol)を無水エタノール(5mL)中アルゴン置換下で3時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製することにより、2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)−2−ヒドロキシ酢酸 エチルエステルを547mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:1.16 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.24 (3H, s), 2.32 (3H, s), 3.77 (1H, brs), 4.09−4.29 (2H, m), 5.77 (1H, s), 7.36−7.44 (4H, m), 7.71−7.73 (2H, m), 7.94 (1H, s)

0090

(1−c) 2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸エチルエステルの合成
塩化チオニル(110mg,0.9mmol)のクロロホルム溶液をアルゴン置換下0 ℃で攪拌し、そこにN,N−ジメチルホルムアミド(64mg,0.9mmol)のクロロホルム溶液を滴下し、室温で50分攪拌した。その後再び反応温度を0℃とし、そこに上記(1−b)の生成物(200mg,0.6mmol)のクロロホルム溶液を滴下した。滴下後、室温で3時間攪拌した後、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム2水和物(475mg,3.1mmol)を加えた後、反応温度を40℃に上昇し、さらに4時間加熱攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を減圧濃縮したのち、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製することにより、2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸 エチルエステルを168 mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:1.29 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.29 (3H, m), 2.35 (3H, m), 4.01 (2H, s), 4.23 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.35−7.39 (1H, m), 7.41 (1H, s), 7.45−7.49 (2H, m), 7.81−7.84 (2H, m), 7.86 (1H, s)

0091

(1−d) 2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸の合成
上記(1−c)の生成物(871mg,2.8mmol)および15%炭酸カリウム水溶液(4.5mL)をメタノール(10mL)中アルゴン置換下80℃で1時間加熱攪拌した。その後溶媒を留去し、水を加えクロロホルムで抽出した。得られた水層にpHが6になるように1Nの塩酸を加え、4℃に冷却した。その後析出した固体を吸引ろ過し、得られた固体を乾燥することにより、2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸を631mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ ppm:2.25 (3H, s), 2.32 (3H, s), 4.09 (2H, s), 7.33−7.37 (1H, m), 7.38 (1H, s), 7.45−7.49 (2H, m), 7.72−7.74 (2H, m), 8.19 (1H, s)

0092

(1−e) 2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸プロピルエステルの合成
上記(1−d)の生成物(100mg,0.4mmol)、1−プロパノール(25.8mg,0.4mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロリド(73.0mg,0.4mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(5.2mg,0.4mmol)を無水ジクロロメタン(3.6mL)中アルゴン置換下、室温で22時間攪拌した。その後溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=49:1)で精製することにより、2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸 プロピルエステルを71mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:0.91 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.66 (2H, sext, J = 7.1 Hz), 2.25 (3H, s), 2.32 (3H, s), 3.99 (2H, s), 4.12 (2H, t, J = 6.6 Hz), 7.33−7.37 (1H, m), 7.39 (1H, s), 7.44−7.47 (2H, m), 7.83−7.85 (3H, m)

0093

実施例2: 3−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)プロピオン酸エチルエステル
以下の(2−a)〜(2−c)の合成手順にて、標記化合物を得た。

0094

(2−a) 5−オキソ−5−フェニル吉草酸エチルエステルの合成
5−オキソ−5−フェニル吉草酸(3.0g,15.6mmol)、エタノール(1.4g,31.2mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロリド(3.6g,18.7mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(232mg,1.9mmol)を無水ジクロロメタン(44mL)中アルゴン置換下、室温で4時間攪拌した。その後溶媒を減圧留去し、残渣をクロロホルムに溶解し、塩化アンモニウム水溶液炭酸水素ナトリウム水溶液飽和食塩水で水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、5−オキソ−5−フェニル吉草酸 エチルエステルを4.2g得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:1.26 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.08 (2H, quin, J = 7.2 Hz), 2.44 (2H, t, J = 7.2 Hz), 3.06 (2H, t, J = 7.2 Hz), 4.14 (2H, t, J = 7.1 Hz), 7.44−7.49 (2H, m), 7.54−7.58 (1H, m), 7.96−7.98 (2H, m),

0095

(2−b) 4−ブロモ−5−オキソ−5−フェニル吉草酸エチルエステルの合成
上記(2−a)の生成物(4.2g,15.6mmol)の酢酸溶液に臭素(0.8 mL,15.6mmol)の酢酸溶液を滴下し、アルゴン置換下、室温で18時間攪拌した。その後溶媒を減圧留去し、残渣に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製することにより、4−ブロモ−5−オキソ−5−フェニル吉草酸 エチルエステルを3.5g得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:1.26 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.35−2.67 (4H, m), 4.16 (2H, t, J = 7.2 Hz), 5.39 (1H, dd, J = 8.5 Hz, 5.6 Hz), 7.48−7.52 (2H, m), 7.59−7.63 (1H, m), 8.02−8.04 (2H, m)

0096

(2−c) 3−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)プロピオン酸エチルエステルの合成
前記参考例1で得られた4,5−ジメチル−2−ピリジンアミンおよび3,4−ジメチル−2−ピリジンアミンの混合物(600mg,4.9mmol)、上記(2−b)の生成物(1.5g,4.9mmol)および炭酸水素ナトリウム(825mg,9.8mmol)を無水エタノール(12.5mL)中アルゴン置換下で19時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去し、残渣に水を加え、クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜1:1)で精製することにより3−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)プロピオン酸 エチルエステルを154mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:1.23 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.29 (3H, s), 2.33 (3H, s), 2.65−2.69 (2H, m), 3.39−3.43 (2H, m), 4.14 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.32−7.47 (4H, m), 7.75−7.77 (3H, m)

0097

実施例3: 6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボン酸プロピルエステル
以下の(3−a)〜(3−d)の合成手順にて、標記化合物を得た。

0098

(3−a) 2−ブロモ−3−オキソ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの合成
3−オキソ−3−フェニルプロピオン酸 エチルエステル(8.0g,41.6mmol)の酢酸溶液に臭素(2.1mL,41.6mmol)の酢酸溶液を滴下し、アルゴン置換下、室温で22時間攪拌した。その後溶媒を減圧留去し、残渣に5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去することにより、2−ブロモ−3−オキソ−3−フェニルプロピオン酸 エチルエステルを11.1g得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:1.24 (3H, t, J = 7.1 Hz), 4.28 (2H, q, J = 7.2 Hz), 5.71 (1H, s), 7.48−7.65 (3H, m), 7.98−8.04 (2H, m)

0099

(3−b) 6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
前記参考例1で得られた4,5−ジメチル−2−ピリジンアミンおよび3,4−ジメチル−2−ピリジンアミンの混合物(2.3g,18.4mmol)、上記(3−a)の生成物(5.0g,18.4mmol)を無水プロパノール(47mL)中アルゴン置換下で16.5時間加熱還流した。その後溶媒を減圧留去し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することにより6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボン酸 エチルエステルを325mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:1.21 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.29 (3H, s), 2.35 (3H, s), 4.28 (2H, q, J = 7.1 Hz), 7.36−7.45 (4H, m), 7.72−7.77 (2H, m), 9.15 (1H, s)

0100

(3−c) 6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボン酸の合成
上記(3−b)の生成物(325mg,1.1mmol)および15%炭酸カリウム水溶液(0.9mL)をメタノール(2.3mL)中アルゴン置換下、80℃で23時間加熱攪拌した。その後溶媒を留去し、水を加え吸引濾過した。濾液に塩酸を加えて液性を酸性とし、析出固体を濾取、水洗し、乾燥させ、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0〜49:1)で精製することにより、6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボン酸を149mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:2.29 (3H, s), 2.36 (3H, s), 7.26−7.34 (3H, m), 7.52 (1H, s), 7.77−7.79 (2H, m), 9.20 (1H, s)

0101

(3−d) 6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボン酸プロピルエステルの合成
上記(3−c)の生成物(149mg,0.6mmol)、1−プロパノール(64.3mg,1.1mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロリド(128.8mg,0.7mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(8.2mg,0.07mmol)を無水ジクロロメタン(1.6mL)中アルゴン置換下、室温で6時間攪拌した。その後溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜4:1)で精製することにより、6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−カルボン酸 プロピルエステルを130mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:0.78 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.58 (2H, sext, J = 7.1 Hz), 2.33 (3H, s), 2.39 (3H, s), 4.18 (2H, t, J = 6.6 Hz), 7.37−7.44 (3H, m), 7.47 (1H, s), 7.71−7.74 (2H, m), 9.20 (1H, s)

0102

実施例(4−1)〜(4−14)
実施例1と同様にして、第1表に示すNo.1〜No.14の化合物を得た。

0103

0104

実施例(4−15)〜(4−90)
実施例1、2または3と同様にして、第2表および第3表に示すNo.15〜No.90の化合物を得た。

0105

0106

0107

0108

0109

0110

0111

実施例5: 6,7−ジメチル−2−フェニル−3−(2−オキソヘキシル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
〔IUPAC名:1−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)−2−ヘキサノン
三口フラスコに2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸エチルエステル(404mg,1.31mmol)無水テトラヒドロフラン溶液(8mL)を入れた。その三口フラスコに、吉草酸クロリド(0.17mL,1.44mmol)テトラヒドロフラン溶液(3mL)を入れた滴下ロートおよび15%ヘキサメチルジシラザンカリウム−トルエン溶液(1.92g,1.44mmol)とテトラヒドロフラン(3mL)とを入れた滴下ロートをそれぞれ設置し、アルゴン置換下、−78℃で30分攪拌した後、ヘキサメチルジシラザンカリウム溶液を反応液中に滴下させ1.5時間攪拌した。その後吉草酸クロリド溶液を滴下させ、さらに1.5時間攪拌した。反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を減圧濃縮した。残渣に酢酸(4mL)と濃塩酸(4mL)を加え、3時間加熱還流させた。反応終了後、反応液を室温付近まで冷却し、そこに溶液のpHが10から11になるように炭酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1〜0:100)で精製することにより、6,7−ジメチル−2−フェニル−3−(2−オキソヘキシル)イミダゾ[1,2−a]ピリジンを85mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:0.83 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.23 (2H, sext, J = 7.5 Hz), 1.52 (2H, quin, J = 7.5 Hz), 2.26 (3H, m), 2.34 (3H, m), 2.42 (2H, t, J = 7.5 Hz), 4.09 (2H, s), 7.37−7.39 (1H, m), 7.40 (1H, s), 7.44−7.48 (2H, m), 7.61 (1H, s), 7.66−7.69 (2H, m)

0112

実施例6: 6,7−ジメチル−2−フェニル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン
以下の(6−a)〜(6−c)の合成手順にて、標記化合物を得た。

0113

(6−a) 6,7−ジメチル−3−(2−ヒドロキシエチル)−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン〔IUPAC名: 2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)−1−エタノール〕の合成
前記(1−c)の生成物である2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)酢酸の無水テトラヒドロフラン(2mL)溶液を0℃で攪拌し、そこにボランテトラヒドロフラン錯体テトラヒドロフラン溶液(1.0mol/L)を滴下した。その後反応温度を徐々に室温まで上昇させながら、2.25時間攪拌した。反応終了後、溶液を再び0℃まで冷却し1Nの塩酸を気泡が発生しなくなるまで加え、室温で30分攪拌した。その後反応液を濃縮し、溶液の液性がアルカリ性になるように1Nの水酸化ナトリウム溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製することにより、6,7−ジメチル−3−(2−ヒドロキシエチル)−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジンを129mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:2.23−2.24 (3H, m), 2.27 (3H, m), 3.21 (2H, t, J = 6.2 Hz), 4.02 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.16 (1H, s), 7.25−7.35 (3H, m), 7.66−7.69 (2H, m), 7.82 (1H, s)

0114

(6−b) 6,7−ジメチル−2−フェニル−3−メシルオキシエチルイミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
上記(6−a)の生成物(129mg,0.48mmol)、メタンスルホニルクロリド(61mg,0.53mmol)およびトリエチルアミン(74mg,0.73mmol)をジクロロメタン(5mL)中アルゴン置換下で2.5時間室温攪拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製することにより、6,7−ジメチル−2−フェニル−3−メシルオキシエチルイミダゾ[1,2−a]ピリジンを144mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:2.30 (3H, s), 2.35 (3H, s), 2.85 (3H, s), 3.56 (2H, t, J = 7.1 Hz), 4.48 (2H, t, J = 7.2 Hz), 7.35−7.38 (1H, m), 7.40 (1H, s), 7.45−7.49 (2H, m), 7.74−7.76 (2H, m), 7.84 (1H, s)

0115

(6−c) 6,7−ジメチル−2−フェニル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
上記(6−b)の生成物(80mg,0.23mmol)を1−プロパノール(5mL)中アルゴン置換下で23時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=99:1)で精製することにより、6,7−ジメチル−2−フェニル−3−(2−プロポキシエチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジンを50mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:0.87−0.91 (3H, m), 1.54−1.59 (2H, m), 2.25 (3H, s), 2.32 (3H, s), 3.28−3.30 (2H, m), 3.36−3.40 (2H, m), 3.74−3.77 (2H, m), 7.30−7.36 (2H, m), 7.41−7.46 (2H, m), 7.78−7.80 (2H, m), 7.94 (1H, s)

0116

実施例7: 6,7−ジメチル−3−エチルカルボニルオキシエチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン
〔IUPAC名:プロピオン酸2−(6,7−ジメチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エチルエステル〕
前記(5−a)の生成物である6,7−ジメチル−3−(2−ヒドロキシエチル)−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン(170mg,0.64mmol)、プロピオン酸(57mg,0.77mmol)、WSC〔1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロリド〕(147mg,0.77mmol)およびDMAP〔4−ジメチルアミノピリジン〕(9mg,0.08mmol)をジクロロメタン中アルゴン置換下で14時間室温攪拌した。反応終了後溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=99:1)で精製することにより、6,7−ジメチル−3−エチルカルボニルオキシエチル−2−フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジンを198mg得た。その物性データを以下に示す。
1H−NMR(400MHz, CDCl3)δ ppm:1.12 (3H, t, J = 7.6 Hz), 2.30 (2H, q, J = 7.6 Hz), 2.30 (3H, m), 2.34−2.35 (3H, m), 3.40 (2H, t, J = 7.2 Hz), 4.38 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.33−7.37 (1H, m), 7.39 (1H, s), 7.44−7.48 (2H, m), 7.78−7.80 (2H, m), 7.91 (1H, s)

0117

実施例(8−1)〜(8−3)
実施例5と同様にして、第4表に示すNo.91〜93の化合物を得た。

0118

0119

実施例(8−4)〜(8−5)
実施例6または7と同様にして、第5表に示すNo.94〜95の化合物を得た。

0120

0121

実施例9−a:注射用製剤
実施例1の(1−e)で得られた化合物18.0mg、0.1N塩酸0.56mL及び塩化ナトリウム45.0mgを注射用蒸留水に溶解し、全量を5.0mLとした。この水溶液を無菌ろ過し、澄明な注射剤を得た。

0122

実施例9−b:注射用製剤
実施例1の(1−e)で得られた化合物18.0mg、0.1N塩酸0.56mL及びブドウ糖250.0mgを注射用蒸留水に溶解し、全量を5.0mLとした。この水溶液を無菌ろ過し、澄明な注射剤を得た。

0123

薬理学的試験例]
本発明化合物の麻酔作用を以下の方法で検討した。

0124

試験例1:マウスを用いた正向反射消失試験
試験溶液調製方法
上記実施例で得た化合物を塩酸塩であるものは生理食塩水に、そうでないものに関しては塩酸を用い塩酸塩とした後に生理食塩水に所定の濃度で溶解させて試験溶液とした。
なお、塩酸塩としても生理食塩水に溶解しない化合物については、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(終濃度5%)/グルコース(終濃度5%)/ジメチルスルホキシド(終濃度1%)水溶液、またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(終濃度5%)/グルコース(終濃度5%)/ジメチルスルホキシド(終濃度1%)0.1N−HCl溶液に所定の濃度で溶解させて試験溶液とした。また、プロポフォールは同重量の大豆油と混和させた後、イントラリピッド10%(テルモ株式会社製)を加え乳濁液として試験に用いた。

0125

(投与・評価方法
ICR系雄性マウス(4〜5週齢)の尾静脈に上記試験溶液を投与速度1mL/分で静脈内投与した。麻酔効果は投与後30秒以上正向反射の消失を認め、かつ耳介反射の消失している個体について効果ありと判定し、投与完了時から正向反射が消失するまでの時間(Onset)も観察した。なお、投与群は1群3例とし、40mg/kg(容量:マウス10gあたり0.1mL)からはじめ2例以上の麻酔効果があれば公比1/2で段階希釈投与した。麻酔効果はマウスの半数に正向反射を消失させる投与用量(HD50)の概算値で評価し、Onsetは半数以上のマウスが正向反射消失する最低用量での正向反射消失開始時間で、投与完了後0〜5秒後に正向反射が消失するものを++、5〜10秒後に消失するものを+、10秒以上後に消失するものを−と3段階で判定した。また安全性の評価項目として、マウスの半数が死亡する投与用量(LD50)の概算値も求めた。

0126

(結果)
第6表に、本発明化合物のHD50値、LD50値およびOnsetを示す。

0127

0128

0129

試験例2:ラットを用いた脳波試験
(投与・評価方法)
脳波電極皮質野に接地した後、4日間以上馴化したSD系雄性ラット(6〜7週齢)の尾静脈に被験液を投与速度1.0mL/分で静脈内投与し、経時的に脳波測定を行った。測定は投与開始前及び投与完了後から覚醒波(低振幅速波)が確認出来るまで継続的に行い、評価は肉眼的に脳波チャートを観察し、深麻酔時に発現する特徴的な脳波であるBurst suppressionの発現の有無および投与完了時から覚醒波に戻るまでの時間(作用時間)を指標とした。投与用量は被験薬の2HD50から開始し、2HD50ではBurst suppressionが観察されない場合は3HD50を投与し、投与容量はラット10gあたり0.1mLとした。なお、被験液の調製方法は上記試験例1と同様とした。
(結果)
検討を行ったすべての化合物で2HD50または3HD50でBSが誘発された。
また、それらの化合物でプロポフォールとほぼ同等かそれ以上に短い作用時間であった。
第7表に本発明化合物の作用時間を示す。

0130

0131

試験例3:マウスを用いたフルマゼニルによる拮抗試験
(投与・評価方法)
本発明化合物、市販薬である鎮静催眠用薬ゾルピデム、麻酔鎮静用薬プロポフォールに対し、ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であるフルマゼニルを併用することによるこれらの化合物の麻酔・鎮静催眠作用の変化をマウス(ICR系:4〜5週齢)の正向反射消失を指標とし検討した。評価方法はフルマゼニルを前投与した5分後に各被験薬を投与する方法と、被験薬を投与した後にフルマゼニルを投与する方法の二つの試験法により各被験薬におけるフルマゼニルの拮抗作用を評価した。なお、各被験薬の投与量は下記の通りであり、投与容量はラット10gあたり0.1mLとした。また、被験液の調製方法は上記試験例1と同様とした。
・本発明化合物(No.19およびNo.23):10mg/kg[溶媒:生理食塩水]
・ゾルピデム:20mg/kg[溶媒:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(終濃度5%)/グルコース(終濃度5%)/ジメチルスルホキシド(終濃度1%)0.05N−HCl溶液]
・プロポフォール:29.4mg/kg[大豆油/イントラリピッド乳濁液]
・特許文献1収載化合物:2.5mg/kg[溶媒:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(終濃度5%)/グルコース(終濃度5%)/ジメチルスルホキシド(終濃度1%)0.05N−HCl溶液]
・フルマゼニル:1または5mg/kg[溶媒:プロピレングリコール(終濃度10%)/ポリエチレングリコール(終濃度10%)/塩化ナトリウム(終濃度0.9%)水溶液]

0132

(結果)
ゾルピデム20mg/kg投与群において、フルマゼニル1mg/kgあるいは5mg/kgを前投与するといずれの投与量においても、正向反射の消失は認められなかった。また、ゾルピデムを前投与したところ、フルマゼニル5mg/kg投与後速やかに正向反射消失からの回復が認められた。更に特許文献1収載化合物2.5mg/kg投与群においてもゾルピデムと同様の傾向が認められた。
一方、本発明化合物およびプロポフォール投与群ではフルマゼニル前投与、後投与いずれの方法および投与量においても、これらの被験薬による正向反射消失時間に影響を及ぼさなかった。

0133

試験例4:GABAA受容体発現アフリカツメカエル卵母細胞を用いた2電極電位固定法
(投与・評価方法)
ヒト脳cDNAライブラリー(Takara社)をテンプレートとして、ヒトGABAA受容体サブユニットα1、β2、γ2s遺伝子特異的なプライマーを用いてPCR施行し、各々遺伝子のコーディング配列全長をTAクローンベクター(Invitrogen)に挿入した。各遺伝子特異的プライマーは以下に示す。
α1(Accession # NM_000806.3) :5’− CCCGCG ATG AGG AAA AGTCCA GGT CTG TC−3’及び5’−AAATTCCCA GTG CAG AGG ACT GAA CAA CAG−3’、
β2(Accession # NM_000813.1) : 5‘−CCA TCA AAA ACT AAA GGG ATG TGG AGA GTC−3’及び5’−GCT TCC AGT GGG AGG CCATGTTTAGTTCAC−3’、
γ2s(Accession # NM_000816.2) : 5‘−AAA GCG ATG AGT TCGCCA AAT ATA TGG AGC−3’及び5’−CATATCAGT AAAACCCAT ACC TCC TCA CAG−3’。

0134

次に、ヒトクローンGABAA受容体サブユニットα1、β2、γ2sを翻訳ベクター(modified pBluescriptMXT)にサブクローンした後、各々適当な制限酵素直線化し、T3 RNA message machine kit (Ambion社)にて、キャップ化したcRNAをin vitroにて合成した。これらcRNAをコラゲナーゼ処理したアフリカツメカエル卵母細胞を微量注入し、α1β2γ2sのリコンビナントGABAA受容体を発現させた。該注入後、18℃で48−72時間インキュベーションし、3モルKCL溶液を含むガラス電極を使用して2電極電位固定増幅器(Warner社、OC725)にて外因性GABAによって惹起されるClイオン電流を測定した。電流値は、HEKA社製ソフトウエアー(Pulse)用いてコンピューターに記録した。卵母細胞を置いた記録セルは、カエルリンゲル液で還流し、GABA、試験薬、ベンゾジアゼピン拮抗薬(フルマゼニル)等の投与薬剤は、還流液に溶解して卵母細胞に投与した。

0135

(結果)
α1β2γ2サブユニットから構成されるヒトGABAA受容体において、特許文献1化合物、ゾルピデムならびに本発明化合物(No.60)のいずれの化合物においてもGABAによって惹起される電流の増強作用が認められた。また、ベンゾジアゼピン受容体拮抗薬であるフルマゼニルを併用することにより、特許文献1化合物、ゾルピデム投与群はこれらの電流増強作用は消失したが、本発明化合物群ではこの消失は認められなかった。
図1に本発明化合物(No.60)、特許文献1化合物ならびにゾルピデムの惹起電流を示す。

0136

以上の結果が示すように、本発明化合物は、同骨格を有する鎮静催眠用薬として上市されているゾルピデムや特許文献1に収載されている化合物とは違う作用機序を持つ化合物であり、市販されている静脈麻酔薬、例えばプロポフォール、チオペンタールナトリウムなどと比較して作用が強く、同等あるいはそれ以上の速やかな導入および速やかな覚醒プロファイルを有するのみならず、安全性の高い麻酔作用を有する化合物である。

図面の簡単な説明

0137

マウスを用いたフルマゼニルによる拮抗試験の結果を示すグラフである。

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