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技術 凝集槽の槽内滞留時間調整方法および装置

出願人 株式会社クボタ
発明者 松井寛幸
出願日 2007年3月30日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2007-089986
公開日 2008年10月16日 (12年4ヶ月経過) 公開番号 2008-246358
状態 特許登録済
技術分野 汚泥処理
主要キーワード 総量測定 調整用水 キャリアローラー 注水流量 ケーキ厚 増減操作 越流量 ベルト走行速度
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

原汚泥供給汚泥濃度の変化に対して、凝集槽へ供給する原汚泥の供給量を一定に維持しつつ、凝集槽における凝集時間を最適槽内滞留時間に調整制御することを実現する凝集槽の槽内滞留時間調整方法および装置を提供する。

解決手段

原汚泥の性状によって定まる凝集に必要な最適槽内滞留時間と原汚泥の汚泥濃度との相関により、凝集槽55に流入する原汚泥の汚泥濃度に相応する最適槽内滞留時間を求め、凝集槽55における槽内流入総流量と槽内滞留時間との相関により、最適槽内滞留時間に相応する最適槽内流入総流量を求め、凝集槽55に注水する調整用水注水流量増減操作により凝集剤と調整用水と原汚泥からなる槽内流入総流量を最適槽内流入総流量に調整して槽内滞留時間を最適槽内滞留時間に制御する。

概要

背景

従来、この種の濃縮機としては、例えば図5に示すものがある。これは、重力脱水式ベルト型濃縮機1であり、終端駆動スプロケット2と始端従動スプロケット3の間に無端ベルト4を掛け渡しており、双方のスプロケット2、3の間に上方の往路軌道と下方の復路軌道を形成している。

往路軌道上には複数のキャリアローラー5を配置しており、復路軌道上にはリターンプーリー6を配置し、無端ベルト4の復路の裏面から表面もしくは表面から裏面に向けて洗浄水噴射する洗浄ノズル7を配置している。軌道の終端側には濃縮汚泥を排出するシューター8を配置している。

あるいは、脱水機として、例えば図6に示すものがある。これは、ベルトプレス型脱水機11であり、複数のロール12の間に掛け渡して上下一対帯状濾布ベルト13を無端状に設けている。ベルトプレス型脱水機11の上方には汚泥14を凝集剤15と混合して供給するロータリー混和機16が設けてある。

ベルトプレス型脱水機11には圧縮脱水ゾーンと剪断脱水ゾーンが形成されており、圧縮脱水ゾーンの前方位置にはケーキ厚調整ロール17が設けてある。
ロータリー混和機16で凝集剤15と混合されたスラッジ18は、濾布ベルト13の間に供給され、濾布ベルト13が複数のロール12の間を移動する間にロール12による輾圧と面圧を受けて脱水される。ロール12による輾圧と面圧を受けて濾布13の間のスラッジ18から分離された脱離液19は、自重によって濾布13から落下する。

ケーキ厚調整ロール17の前方位置にはスラッジ厚測定手段としてレベルセンサ20が配置してあり、レベルセンサ20は瀘布ベルト13上のスラッジ厚を測定する。演算装置21は、脱水機の運転制御ならびに前工程における汚泥の調質作業プロセス制御するものであり、前工程における汚泥調質のための薬剤薬注量、前工程の凝集槽における攪拌強度を規定する攪拌機回転数、脱水機への給量、脱水部におけるケーキの滞留時間を規定する濾布走行速度等の種々の運転条件を変更する。
特開2004−24963号公報
特開平9−19607号公報

概要

原汚泥供給汚泥濃度の変化に対して、凝集槽へ供給する原汚泥の供給量を一定に維持しつつ、凝集槽における凝集時間を最適槽内滞留時間に調整制御することを実現する凝集槽の槽内滞留時間調整方法および装置を提供する。原汚泥の性状によって定まる凝集に必要な最適槽内滞留時間と原汚泥の汚泥濃度との相関により、凝集槽55に流入する原汚泥の汚泥濃度に相応する最適槽内滞留時間を求め、凝集槽55における槽内流入総流量と槽内滞留時間との相関により、最適槽内滞留時間に相応する最適槽内流入総流量を求め、凝集槽55に注水する調整用水注水流量増減操作により凝集剤と調整用水と原汚泥からなる槽内流入総流量を最適槽内流入総流量に調整して槽内滞留時間を最適槽内滞留時間に制御する。

目的

本発明は上記した課題を解決するものであり、原汚泥の供給汚泥濃度の変化に対して、凝集槽へ供給する原汚泥の供給量を一定に維持しつつ、凝集槽における凝集時間を最適槽内滞留時間に調整制御することを実現する凝集槽の槽内滞留時間調整方法および装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

凝集槽原汚泥を供給し、凝集槽もしくは凝集槽に流入する原汚泥に凝集剤を添加するとともに、凝集槽に調整用水注水して攪拌し、凝集フロックを含む調質汚泥濃縮工程もしくは脱水工程へ供給する凝集工程において、原汚泥の性状によって定まる凝集に必要な最適槽内滞留時間と原汚泥の汚泥濃度との相関により、凝集槽に流入する原汚泥の汚泥濃度に相応する最適槽内滞留時間を求め、凝集槽における槽内流入総流量と槽内滞留時間との相関により、最適槽内滞留時間に相応する最適槽内流入総流量を求め、凝集槽に注水する調整用水の注水流量増減操作により凝集剤と調整用水と原汚泥からなる槽内流入総流量を最適槽内流入総流量に調整して槽内滞留時間を最適槽内滞留時間に制御することを特徴とする凝集槽の槽内滞留時間調整方法

請求項2

調整用水として濃縮工程もしくは脱水工程における洗浄排水あるいは濃縮工程のろ過液もしくは脱水工程の脱離液を注水することを特徴とする請求項1に記載の凝集槽の槽内滞留時間調整方法。

請求項3

原汚泥を受け入れて攪拌する凝集槽と、凝集槽もしくは凝集槽に流入する原汚泥に凝集剤を添加する凝集剤供給系とを備え、凝集フロックを含む調質汚泥を濃縮工程もしくは脱水工程へ供給する凝集装置において、凝集槽に流入する原汚泥の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定手段と、凝集槽に調整用水を注水する調整用水供給系と、調整用水の注水流量を増減操作する注水流量操作手段と、凝集槽における槽内流入総流量を測定する流入総量測定手段と、制御手段とを設けてなり、制御手段は、原汚泥の性状によって定まる凝集に必要な最適槽内滞留時間と原汚泥の汚泥濃度との相関により、汚泥濃度測定手段で測定した汚泥濃度に相応する最適槽内滞留時間を求め、凝集槽における槽内流入総流量と槽内滞留時間との相関により、最適槽内滞留時間に相応する最適槽内流入総流量を求め、流入総量測定手段で測定する槽内流入総流量が最適槽内流入総流量に一致するように、注水流量操作手段により調整用水の注水流量を増減操作して槽内滞留時間を最適槽内滞留時間に制御することを特徴とする凝集槽の槽内滞留時間調整装置

請求項4

調整用水供給系が調整用水として濃縮工程もしくは脱水工程における洗浄排水あるいは濃縮工程のろ過液もしくは脱水工程の脱離液を注水することを特徴とする請求項3に記載の凝集槽の槽内滞留時間調整装置。

技術分野

0001

本発明は、凝集槽の槽内滞留時間調整方法および装置に関し、特にベルト濃縮機における汚泥濃縮性を安定させる技術に係るものである。

背景技術

0002

従来、この種の濃縮機としては、例えば図5に示すものがある。これは、重力脱水式ベルト型濃縮機1であり、終端駆動スプロケット2と始端従動スプロケット3の間に無端ベルト4を掛け渡しており、双方のスプロケット2、3の間に上方の往路軌道と下方の復路軌道を形成している。

0003

往路軌道上には複数のキャリアローラー5を配置しており、復路軌道上にはリターンプーリー6を配置し、無端ベルト4の復路の裏面から表面もしくは表面から裏面に向けて洗浄水噴射する洗浄ノズル7を配置している。軌道の終端側には濃縮汚泥を排出するシューター8を配置している。

0004

あるいは、脱水機として、例えば図6に示すものがある。これは、ベルトプレス型脱水機11であり、複数のロール12の間に掛け渡して上下一対帯状濾布ベルト13を無端状に設けている。ベルトプレス型脱水機11の上方には汚泥14を凝集剤15と混合して供給するロータリー混和機16が設けてある。

0005

ベルトプレス型脱水機11には圧縮脱水ゾーンと剪断脱水ゾーンが形成されており、圧縮脱水ゾーンの前方位置にはケーキ厚調整ロール17が設けてある。
ロータリー混和機16で凝集剤15と混合されたスラッジ18は、濾布ベルト13の間に供給され、濾布ベルト13が複数のロール12の間を移動する間にロール12による輾圧と面圧を受けて脱水される。ロール12による輾圧と面圧を受けて濾布13の間のスラッジ18から分離された脱離液19は、自重によって濾布13から落下する。

0006

ケーキ厚調整ロール17の前方位置にはスラッジ厚測定手段としてレベルセンサ20が配置してあり、レベルセンサ20は瀘布ベルト13上のスラッジ厚を測定する。演算装置21は、脱水機の運転制御ならびに前工程における汚泥の調質作業プロセス制御するものであり、前工程における汚泥調質のための薬剤薬注量、前工程の凝集槽における攪拌強度を規定する攪拌機回転数、脱水機への給量、脱水部におけるケーキの滞留時間を規定する濾布走行速度等の種々の運転条件を変更する。
特開2004−24963号公報
特開平9−19607号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところで、上述したような濃縮機などにおいては、一般的に濃縮工程の前工程として凝集装置(上述したロータリー混和機等)により汚泥を調質し、調質した調質汚泥を濃縮工程や脱水工程へ供給している。この凝集装置においては、汚泥供給源から供給する原汚泥を凝集槽へ受け入れ、原汚泥の汚泥濃度に比例して、あるいは汚泥濃度とは無関係に一定量の凝集剤を注入して攪拌機で攪拌し汚泥を調質している。

0008

このような、汚泥に凝集剤を添加して凝集フロックを形成し、凝集フロックをろ過濃縮して濃縮汚泥を得る場合に、凝集フロックの形成状況によって濃縮性能が大きく異なる。凝集フロックを形成するためには、上述したように汚泥と凝集剤を攪拌混合するが、この攪拌時間、つまり凝集槽で必要な槽内滞留時間には汚泥性状毎に最適な値が存在することが知られている。

0009

すなわち、槽内滞留時間が短すぎると凝集フロックの形成が不十分で、濃縮性能が低くなる。逆に槽内滞留時間が長すぎると一旦形成された凝集フロックが解体微細化し、かえって濃縮性能が低くなる。したがって、安定した濃縮性能を得るためには、汚泥性状に応じた最適槽内滞留時間で汚泥と凝集剤を攪拌混合することが重要である。

0010

しかし、従来の凝集装置においては、運転中に原汚泥の供給汚泥濃度が変化した場合でも、凝集槽における槽内滞留時間は一定であったので、原汚泥の供給汚泥濃度が高くなった場合は、凝集剤の凝集作用が適切に働くのに必要な最適槽内滞留時間に対して槽内滞留時間が過剰となり、凝集剤の凝集作用により形成された凝集フロックが攪拌によって解体・微細化される傾向が強まり、濃縮工程における汚泥の濃縮性が悪化する事態が生じていた。

0011

逆に、原汚泥の供給汚泥濃度が低くなった場合は、凝集剤の凝集作用が十分に働くのに必要な最適槽内滞留時間に対して槽内滞留時間が不足し、凝集フロックが十分に形成される前に調質汚泥が凝集槽から流出する傾向が強まり、濃縮工程における汚泥の濃縮性が悪化する事態が生じていた。

0012

ところで、凝集槽は槽容量が一定であり、槽容量を超える余剰分が越流して流出する構造をなすので、凝集槽へ流入する原汚泥量が増加すると必然的に排出量が増加し、結果として槽内滞留時間が減少する。逆に、凝集槽へ流入する原汚泥量が減少すると必然的に排出量が減少し、結果として槽内滞留時間が増加する。

0013

このため、原汚泥の供給汚泥濃度が高くなった場合は、凝集槽へ供給する原汚泥の供給量を増加させて槽内滞留時間を減少させ、原汚泥の供給汚泥濃度が低くなった場合は、凝集槽へ供給する原汚泥の供給量を減少させて槽内滞留時間を増加させることで、原汚泥の供給汚泥濃度に応じて槽内滞留時間を調整することが可能である。

0014

しかし、原汚泥の供給量を増減させると単位時間当たりの原汚泥の処理量が増減して運転効率の安定が阻害され、所定期間に供給される原汚泥の総量を処理するのに必要な運転時間が変化して装置稼働効率の安定が阻害される。

0015

本発明は上記した課題を解決するものであり、原汚泥の供給汚泥濃度の変化に対して、凝集槽へ供給する原汚泥の供給量を一定に維持しつつ、凝集槽における凝集時間を最適槽内滞留時間に調整制御することを実現する凝集槽の槽内滞留時間調整方法および装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0016

上記課題を解決するために、本発明の凝集槽の槽内滞留時間調整方法は、凝集槽に原汚泥を供給し、凝集槽もしくは凝集槽に流入する原汚泥に凝集剤を添加するとともに、凝集槽に調整用水注水して攪拌し、凝集フロックを含む調質汚泥を濃縮工程もしくは脱水工程へ供給する凝集工程において、原汚泥の性状によって定まる凝集に必要な最適槽内滞留時間と原汚泥の汚泥濃度との相関により、凝集槽に流入する原汚泥の汚泥濃度に相応する最適槽内滞留時間を求め、凝集槽における槽内流入総流量と槽内滞留時間との相関により、最適槽内滞留時間に相応する最適槽内流入総流量を求め、凝集槽に注水する調整用水の注水流量増減操作により凝集剤と調整用水と原汚泥からなる槽内流入総流量を最適槽内流入総流量に調整して槽内滞留時間を最適槽内滞留時間に制御することを特徴とする。

0017

また、調整用水として濃縮工程もしくは脱水工程における洗浄排水あるいは濃縮工程のろ過液もしくは脱水工程の脱離液を注水することを特徴とする。
本発明の凝集槽の槽内滞留時間調整装置は、原汚泥を受け入れて攪拌する凝集槽と、凝集槽もしくは凝集槽に流入する原汚泥に凝集剤を添加する凝集剤供給系とを備え、凝集フロックを含む調質汚泥を濃縮工程もしくは脱水工程へ供給する凝集装置において、凝集槽に流入する原汚泥の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定手段と、凝集槽に調整用水を注水する調整用水供給系と、調整用水の注水流量を増減操作する注水流量操作手段と、凝集槽における槽内流入総流量を測定する流入総量測定手段と、制御手段とを設けてなり、制御手段は、原汚泥の性状によって定まる凝集に必要な最適槽内滞留時間と原汚泥の汚泥濃度との相関により、汚泥濃度測定手段で測定した汚泥濃度に相応する最適槽内滞留時間を求め、凝集槽における槽内流入総流量と槽内滞留時間との相関により、最適槽内滞留時間に相応する最適槽内流入総流量を求め、流入総量測定手段で測定する槽内流入総流量が最適槽内流入総流量に一致するように、注水流量操作手段により調整用水の注水流量を増減操作して槽内滞留時間を最適槽内滞留時間に制御することを特徴とする。

0018

また、調整用水供給系が調整用水として濃縮工程もしくは脱水工程における洗浄排水あるいは濃縮工程のろ過液もしくは脱水工程の脱離液を注水することを特徴とする。

発明の効果

0019

上述した本発明においては、凝集工程を経て濃縮工程や脱水工程に供給する調質汚泥の性状が、凝集工程時には既に決定していることに着目したものである。
つまり、生物処理嫌気性消化処理などの水処理中で行う沈降工程を経て凝集工程に流入する汚泥濃度が高い原汚泥は、元来沈降性に優れた性状の汚泥であり、このような沈降性に優れた性状を有する汚泥は、凝集時の汚泥濃度によって汚泥粒子自体の性状が変化するわけではなく、凝集時に十分な凝集フロックを形成するのに必要な最適槽内滞留時間が短くなる傾向を示す。逆に、凝集工程に流入する段階で汚泥濃度が低い原汚泥は、元来沈降性に劣る性状の汚泥であり、このような沈降性に劣る性状を有する汚泥は凝集時の汚泥濃度によって汚泥粒子自体の性状が変化するわけではなく、凝集時に十分な凝集フロックを形成するのに必要な最適槽内滞留時間が長くなる傾向を示す。

0020

この最適槽内滞留時間は元来の汚泥性状によって定まっているので、凝集槽への調整用水の注水流量を増減操作することで凝集槽における凝集剤と調整用水を含む見掛け上の原汚泥量が変化し、現象として原汚泥濃度の変化が見られても、最適槽内滞留時間は変化しない。

0021

最適槽内滞留時間を把握する手法の一例としては、ビーカーテストで形成した凝集汚泥重力ろ過性能、例えば単位時間当たりのろ液量を、攪拌時間(槽内滞留時間に相当)を変化させながら評価することで求めることができる。しかし、リアルタイムに最適槽内滞留時間を求めることは困難である。

0022

ところで、上述したように、汚泥濃度が高い原汚泥は、元来沈降性に優れた性状の汚泥であり、最適槽内滞留時間が短くなる傾向を示し、逆に、汚泥濃度が低い原汚泥は、元来沈降性に劣る性状の汚泥であり、最適槽内滞留時間が長くなる傾向を示し、最適槽内滞留時間と原汚泥の汚泥濃度との間には相関がある。

0023

よって、予め汚泥濃度が異なる原汚泥をサンプリングし、各汚泥濃度毎にビーカーテスト等で最適槽内滞留時間を求めることで、最適槽内滞留時間と汚泥濃度との相関式、もしくは相関曲線を求め、この相関において原汚泥の汚泥濃度を指標として最適槽内滞留時間をリアルタイムに求めることができる。

0024

一方、凝集槽における原汚泥の槽内滞留時間は、凝集剤の供給量、調整用水の注水流量、原汚泥の流入量からなる槽内流入総流量によって定まる。凝集槽の槽容量は一定であり、槽内流入総流量が増加すると越流量が増加し、結果として原汚泥の槽内滞留時間が短くなり、槽内流入総流量が減少すると越流量が減少し、結果として原汚泥の槽内滞留時間が長くなる。原汚泥の流入量は基本的に一定であるので、調整用水の増減によって槽内流入総流量が増減する。

0025

このため、凝集槽への調整用水の注水流量を増加もしくは減少させて凝集槽における見掛け上の原汚泥量を増減させて槽内滞留時間を調整することで、凝集槽において汚泥の性状に応じた最適槽内滞留時間を実現できる。

0026

また、調整用水として濃縮工程もしくは脱水工程における洗浄排水あるいは濃縮工程のろ過液もしくは脱水工程の脱離液を注水する場合には、調整用水が原汚泥と近い性状を有し、かつ余剰凝集剤成分を有効活用できるので高い凝集効果を得ることができる。

0027

本発明においては、原汚泥の供給量を増減させることなく濃縮工程もしくは脱水工程の運転を行うことができ、凝集槽から濃縮工程もしくは脱水工程へ供給する最適槽内滞留時間で調質した調質汚泥は、調整用水を伴うことで原汚泥の供給量より増加し、原汚泥の汚泥濃度より低くなるが、固形物負荷は注水を行なわず原汚泥を単独で処理する場合とほぼ同一である。よって、濃縮工程もしくは脱水工程においてベルト走行速度を変更する必要がなく、ろ過時間も変化しないので、濃縮工程もしくは脱水工程における本来の濃縮性能は悪化することがなく、むしろ良好な凝集フロックの形成を実現することで濃縮性能が向上する。

発明を実施するための最良の形態

0028

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では濃縮機について説明するが、本発明は脱水機に適用することも可能である。
図1に示すように、重力脱水式のベルト型濃縮機51は、終端の駆動スプロケット52と始端の従動スプロケット53の間に無端ベルト54を掛け渡しており、双方のスプロケット52、53の間に上方の往路軌道と下方の復路軌道を形成している。

0029

往路軌道の始端には凝集槽55を配置しており、往路軌道の途中には複数のキャリアローラーもしくは板状の支持材等を配置しており、復路軌道には無端ベルト54の復路の裏面から表面(表面から裏面も可能)に向けて洗浄水を噴射する洗浄ノズル56を配置している。

0030

無端ベルト54の往路軌道の下方にはろ過液受け部57を配置しており、ろ過液受け部57はろ過液集水管58を介してろ過液貯留槽59に連通している。ろ過液貯留槽59は洗浄水管60および洗浄水ポンプ61を介して洗浄ノズル56に連通し、また排水管62に連通している。

0031

無端ベルト54の復路軌道の下方には洗浄排水受け部63を配置しており、洗浄排水受け部63は洗浄排水集水管64を介して洗浄排水貯留槽65に連通している。洗浄排水貯留槽65は調整用水管66を介して凝集槽55に連通している。

0032

凝集槽55aは、原汚泥を受け入れて調質し、凝集フロックを含む調質汚泥を無端ベルト54の往路軌道上へ供給するものであり、攪拌機(図示省略)を備えている。凝集槽55aは越流堰を備えた開放型の槽構造をなし、槽内流入総流量の増減に伴って越流量が増減する。

0033

凝集槽55aに原汚泥を定量供給する原汚泥供給系68はインバータ制御ポンプ68aおよび流量計68bを有しており、原汚泥供給系68には凝集槽55aへ供給する原汚泥に凝集剤を定量供給する凝集剤供給系69が接続しており、凝集剤供給系69はインバータ制御ポンプ69aおよび流量計69bを有している。

0034

原汚泥供給系68および凝集剤供給系69はバルブ(図示省略)の開度調整により原汚泥または凝集剤を流量調整可能に供給する構成とすることも可能である。原汚泥供給系68には原汚泥の汚泥濃度を測定する汚泥濃度測定手段をなす汚泥濃度計70を設けている。凝集剤供給系69は凝集槽55に接続しても良い。

0035

凝集槽55aに調整用水を注水する調整用水供給系をなす調整用水管66には、凝集槽55への調整用水の注水流量を増減操作する注水流量操作手段としてインバータ制御ポンプ71aおよび流量計71bを設けている。インバータ制御ポンプ71aによる流量制御替えてバルブ(図示省略)の開度調整を行うことも可能である。また、調整用水管66は外部用水を供給する外部用水供給管とすることも可能である。

0036

凝集槽55aの堰高さまでの槽容量は一定であり、原汚泥と凝集剤を定量供給する下で調整用水の注水流量を増加させると、原汚泥量と調整用水量および凝集剤量からなる槽内流入総流量が増加し、凝集槽55から越流して供給する調質汚泥の供給量が増加し、調質汚泥の供給量が槽内流入総流量に等しくなる。

0037

凝集槽55aにおける槽内流入総流量を測定する流入総量測定手段は制御装置73に設定しており、原汚泥と凝集剤を定量供給する下で調整用水の注水流量を流量計71bで測定し、この注水流量の測定値と定量供給する原汚泥量と凝集剤量を加算することで槽内流入総流量を求める。流入総量測定手段は凝集槽55aに水位計を設けても実現できる。

0038

制御装置73は、原汚泥の性状によって定まる凝集に必要な最適槽内滞留時間と原汚泥の汚泥濃度との相関により、汚泥濃度計70で測定した汚泥濃度に相応する最適槽内滞留時間を求め、凝集槽55aにおける槽内流入総流量と槽内滞留時間との相関により、最適槽内滞留時間に相応する最適槽内流入総流量を求める。

0039

そして、原汚泥と凝集剤を定量供給する下で調整用水の注水流量を流量計71bで測定し、この注水流量の測定値と定量供給する原汚泥量と凝集剤量を加算することで槽内流入総流量を求め、槽内流入総流量が最適槽内流入総流量に一致するのに必要な調整用水の注水流量を求め、インバータ制御ポンプ71aを制御して調整用水の注水流量を増減操作して槽内滞留時間を最適槽内滞留時間に制御する。ここで凝集剤は原汚泥の汚泥濃度により供給量を増減することも可能である。

0040

以下に最適槽内滞留時間について説明する。凝集槽55aに流入する段階において汚泥濃度が高い原汚泥は、元来沈降性に優れた性状の汚泥であり、このような沈降性に優れた性状を有する汚泥は凝集時の汚泥濃度によって汚泥粒子自体の性状が変化するわけではなく、最適槽内滞留時間、つまり凝集時に十分な凝集フロックを形成するのに必要で、かつ攪拌作用が過剰とならない槽内滞留時間は、原汚泥の汚泥性状によって定まり、上述した沈降性に優れた性状の汚泥の最適槽内滞留時間は短くなる傾向を示す。

0041

逆に、凝集槽55aに流入する段階で汚泥濃度が低い原汚泥は、元来沈降性に劣る性状の汚泥であり、このような沈降性に劣る性状を有する汚泥は凝集時の汚泥濃度によって汚泥粒子自体の性状が変化するわけではなく、最適槽内滞留時間が長くなる傾向を示す。

0042

このため、凝集槽55aへ流入する段階において元来沈降性に優れた性状の汚泥は当然に汚泥濃度が高くなり、逆に、元来沈降性に劣る性状の汚泥は当然に汚泥濃度が低くなるので、汚泥濃度から汚泥の性状を推し量ることは可能である。

0043

よって、主に汚泥の性状で規定される最適槽内滞留時間と原汚泥の汚泥濃度との間の相関が定まれば、原汚泥の汚泥濃度を指標として最適槽内滞留時間をリアルタイムに求めることができる。尚、注水により凝集槽内での見掛けの汚泥濃度は変化するが、汚泥粒子自体の性状が変化するわけではないため、最適槽内滞留時間は原汚泥濃度(性状)によって決定される値に維持される。

0044

このため、一例として、予め汚泥濃度が異なる原汚泥をビーカーテストし、試料凝集汚泥の重力ろ過性能、例えば単位時間当たりのろ液量を、攪拌時間(槽内滞留時間に相当)を変化させながら評価することで求め、最適槽内滞留時間と汚泥濃度との相関式、もしくは相関曲線を求める。

0045

図4は最適槽内滞留時間と汚泥濃度との相関を示すグラフ図である。図4に示すように、前述したテスト結果をプロットして最適槽内滞留時間曲線(相関曲線)が求まる。最適槽内滞留時間曲線において原汚泥濃度が高くなるほどに最適槽内滞留時間は短くなり、原汚泥濃度が低くなるほどに最適槽内滞留時間は長くなる。

0046

ところで、凝集槽55における原汚泥の槽内滞留時間は、凝集剤の供給量、調整用水の注水流量、原汚泥の流入量からなる槽内流入総流量によって定まる。
槽内滞留時間=槽容量/槽内流入総流量
ここで、凝集槽55aの堰高さまでの槽容量は一定であり、槽内流入総流量が増加すると越流量が増加し、結果として原汚泥の槽内滞留時間が短くなり、槽内流入総流量が減少すると越流量が減少し、結果として原汚泥の槽内滞留時間が長くなる。

0047

このため、凝集槽55aの設計時には、最適槽内滞留時間曲線において、設定する原汚泥の最低濃度CMIN時の槽内滞留時間を最長槽内滞留時間TMAXとして求め、最高濃度CMAX時の槽内滞留時間を最短槽内滞留時間TMINと求め、最長槽内滞留時間TMAXと最短槽内滞留時間TMINの条件を満たす凝集槽55aの槽容量および最長槽内滞留時間TMAXの槽内流入総流量の最小量と最短槽内滞留時間TMINの槽内流入総流量の最大量とを定める。

0048

原汚泥を定量供給する場合には、槽内流入総流量は調整用水量の増減によってのみ変化するので、槽内流入総流量の最小量に見合う調整用水の最小注水流量と槽内流入総流量の最大量に見合う最大注水流量を定め、原汚泥の各汚泥濃度における最適槽内滞留時間と調整用水の注水流量との相関を定める。最小注水流量は0として調整用水を供給しない制御することも可能である。原汚泥の流入量が変化する場合には、槽内流入総流量内において原汚泥量と調整用水の注水流量の割合いを定める。

0049

そして、設計汚泥濃度CDにおける最適槽内滞留時間TDを求め、最適槽内滞留時間TDを満たす設計槽内流入総流量および調整用水の設計注水流量を定める。
上述した構成により、運転時には、原汚泥供給系68より凝集槽55aへ原汚泥を定量供給し、原汚泥の汚泥濃度は汚泥濃度計70で測定し、凝集剤供給系69から所定量の凝集剤を原汚泥供給系68に供給し、調整用水管66から凝集槽55aに供給する所定量の調整用水と原汚泥と凝集剤を凝集槽55aで攪拌して調質する。

0050

制御装置73は汚泥濃度計70で測定した汚泥濃度を指標として最適槽内滞留時間曲線において定まる最適槽内滞留時間およびこの最適槽内滞留時間に対応する槽内流入総流量と調整用水の注水流量を求める。

0051

汚泥濃度の測定値が設計汚泥濃度CDに相応する場合には、設計注水流量に見合う注水流量で調整用水を凝集槽55aに供給し、原汚泥の実質槽内滞留時間を設計時の最適槽内滞留時間TDに制御する。調整用水は、洗浄排水貯留槽65の洗浄排水をインバータ制御ポンプ71aにより調整用水管66を通して供給する。

0052

汚泥濃度の測定値が設計汚泥濃度CDよりも高い場合あるいは低い場合には、原汚泥の実質槽内滞留時間を最適槽内滞留時間曲線において定まる最適槽内滞留時間に調整する。この最適槽内滞留時間に対応する槽内流入総流量を実現するために、インバータ制御ポンプ71aの回転数調整を行って調整用水の注水流量を増減する。

0053

この操作により、凝集槽55aへの調整用水の注水流量を増加もしくは減少させて凝集槽55aにおける槽内流入総流量を増減させて槽内滞留時間を調整することで、凝集槽55aにおいて汚泥の性状に応じた最適槽内滞留時間を実現する。

0054

すなわち、図2に示すように、従来においては原汚泥濃度が変化しても凝集槽55aにおける凝集装置内滞留時間HRTは変化しないが、本実施の形態では原汚泥濃度が高くなるのにしたがって凝集装置内滞留時間HRTを短くし、原汚泥濃度が低くなるのにしたがって凝集装置内滞留時間HRTを長くする。このため、図3に示すように、原汚泥濃度が高くなるのにしたがって調整用水の注水流量を多くし、原汚泥濃度が低くなるのにしたがって調整用水の注水流量を少なくする。

0055

この際に、凝集槽55aへの調整用水の注水流量を増減操作することで凝集槽55aにおける凝集剤と調整用水を含む見掛け上の原汚泥濃度が変化しても、元来の汚泥性状によって定まっている最適槽内滞留時間は変化しない。

0056

凝集槽55aにおいて調質した凝集フロックを含む調質汚泥は往路軌道の無端ベルト54の上に越流させ、無端ベルト54で搬送しつつ無端ベルト54でろ過して調質汚泥を濃縮する。無端ベルト54を透過したろ過液はろ過液受け部57およびろ過液集水管58を通してろ過液貯留槽59に流入する。

0057

ろ過液貯留槽59のろ過液は洗浄水ポンプ61により洗浄水管60を通して洗浄ノズル56に供給し、洗浄ノズル56から復路軌道の無端ベルト54にその裏面から表面に向けて噴射し、無端ベルト54に残留する原汚泥を洗い流す。洗浄排水は洗浄排水受け部63および洗浄排水集水管64を通して洗浄排水貯留槽65へ流入する。

0058

この洗浄排水貯留槽65の洗浄排水をインバータ制御ポンプ71aにより調整用水管66を通して凝集槽55aに供給する。このため、調整用水が原汚泥と近い性状を有し、かつ余剰凝集剤成分を有効活用できるため、より高い凝集効果を得ることができる。

0059

したがって、本実施の形態では、原汚泥濃度が変化しても原汚泥の供給量を増減させることなく濃縮運転を行うことができ、凝集槽55aで最適槽内滞留時間で調質した調質汚泥は、調整用水の注水流量に拘らず、固形物負荷は原汚泥を単独で処理する場合とほぼ同一となる。よって、無端ベルト4のベルト走行速度を変更する必要がなく、ろ過時間も変化しないので、無端ベルト4上における調質汚泥の本来の濃縮性能は悪化することがなく、むしろ良好な凝集フロックの形成を実現することで凝集性能が向上する。

0060

本発明の他の実施の形態として、スクリュープレス脱水機ロータリープレス脱水機といった原汚泥を圧入して供給する脱水機に適用する場合は、バルブ72を設ける構成としても同様の作用効果を実現できる。

図面の簡単な説明

0061

本発明の実施の形態におけるベルト濃縮機の構成を示す模式図
同実施の形態における原汚泥濃度と凝集装置内HRTの関係を示すグラフ図
同実施の形態における原汚泥濃度と注水流量の関係を示すグラフ図
同実施の形態における原汚泥濃度と最適槽内滞留時間の関係を示すグラフ図
従来のベルト型濃縮機を示す模式図
従来のベルトプレス型脱水機を示す模式図

符号の説明

0062

51ベルト型濃縮機
52駆動スプロケット
53従動スプロケット
54無端ベルト
55a、55b凝集槽
56洗浄ノズル
57ろ過液受け部
58 ろ過液集水管
59 ろ過液貯留槽
60洗浄水管
61洗浄水ポンプ
62排水管
63洗浄排水受け部
64 洗浄排水集水管
65洗浄排水貯留槽
66調整用水管
68原汚泥供給系
68aインバータ制御ポンプ
68b流量計
69凝集剤供給系
69a インバータ制御ポンプ
69b 流量計
70汚泥濃度計
71a インバータ制御ポンプ
71b 流量計
73 制御装置

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