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課題

セメント焼成設備操業に与える影響が小さく、セメント焼成能力を維持しつつセメント焼成設備にて効率的に処理し、しかも多量の高含水率廃棄物を処理することができる高含水率廃棄物の処理方法及び処理装置を提供する。

解決手段

本発明の高含水率廃棄物の処理方法は、サスペンションプレヒータ8と、仮焼炉7と、セメントキルン4と、クリンカクーラ5とを備えたセメント焼成設備を用い、酸素製造供給装置31から発生した酸素を、セメントキルン4の燃料燃焼空気、仮焼炉7の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に混入させて燃料燃焼を行うとともに、高含水率廃棄物をサスペンションプレヒータ8、仮焼炉7及びセメントキルン4のうちいずれか一個所以上に直接投入し、その後焼却処理を行う。

概要

背景

従来、水分を多く含む高含水率廃棄物の例として下水処理場から排出される脱水汚泥があり、この脱水汚泥は、これまでは焼却溶融等の処理がなされてきたが、近年、資源として有効利用するための再利用処理が進められ、セメント焼成設備においても再利用処理が順次増加する傾向にある。また、同様に、焼却場から発生する焼却灰飛灰等もセメント原料として再利用処理されている。
例えば、脱水汚泥を、乾燥することなく、また、添加剤を用いて前処理することなく、直接セメントキルン窯尻部または仮焼炉にパイプライン輸送にて導入して焼却する方法(特許文献1等参照)がある。また、焼却飛灰等も、一旦水洗を行ってセメント焼成設備の操業に有害な塩素分を取り除いた後、高含水率の状態のままセメント焼成設備の高温部直接投入し処理をおこなう方法(特許文献2等参照)がある。

一般に、脱水汚泥は殆どが水と有機物であるから、セメントキルンや仮焼炉で焼却する際に残分となる灰分はごく微量である。したがって、セメントクリンカの成分に影響を及ぼすこともなく、セメントキルン内での焼却処理が可能であり、しかも、焼却灰等の新たな廃棄物を出さないため、有効な処理方法である。また、水洗した焼却飛灰は、洗浄によってもダイオキシン等の有機塩素化合物が残存しているが、この残存している有機塩素化合物を高温処理無害化することにより、含まれる有害成分を確実に焼却処理することができ、残る無機成分をセメント原料として有効利用することができる。
特開2002−52397号公報
特開2001−25731号公報

概要

セメント焼成設備の操業に与える影響が小さく、セメント焼成能力を維持しつつセメント焼成設備にて効率的に処理し、しかも多量の高含水率廃棄物を処理することができる高含水率廃棄物の処理方法及び処理装置を提供する。本発明の高含水率廃棄物の処理方法は、サスペンションプレヒータ8と、仮焼炉7と、セメントキルン4と、クリンカクーラ5とを備えたセメント焼成設備を用い、酸素製造供給装置31から発生した酸素を、セメントキルン4の燃料燃焼空気、仮焼炉7の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に混入させて燃料燃焼を行うとともに、高含水率廃棄物をサスペンションプレヒータ8、仮焼炉7及びセメントキルン4のうちいずれか一個所以上に直接投入し、その後焼却処理を行う。

目的

また、セメントクリンカ焼成能力極端に低下させた場合、所要量セメント製造を行うことが不可能となる等の虞がある。
このため、セメント焼成設備では、高含水率廃棄物の投入量を制限する必要があり、クリンカ焼成量に対して、せいぜい1〜3%程度までの処理がおこなわれているのが実状である。
さらに、セメント焼成設備で処理されている高含水率廃棄物は、下水汚泥や水洗焼却飛灰等の他、工場汚泥廃水中和水有機性スラッジ等もあり、性状や取り扱い方も多様である。したがって、これらの高含水率廃棄物を全て同一のセメント焼成設備で処理することが望まれているが、これらの多様な高含水率廃棄物を従来のセメント焼成設備に同時に直接投入して焼却処理を行うと、セメント焼成設備に与える影響がより一層大きくなり、必要なセメント生産を行うことが不可能になるという問題点があった。

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

セメント原料予熱するサスペンションプレヒータと、予熱された前記セメント原料を仮焼する仮焼炉と、この仮焼されたセメント原料を焼成クリンカとするセメントキルンと、このクリンカを冷却するクリンカクーラとを備えたセメント焼成設備を用いて高含水率廃棄物焼却処理する方法であって、酸素供給手段から発生した酸素を、前記セメントキルンの燃料燃焼空気、前記仮焼炉の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に混入させて燃料燃焼を行うとともに、前記高含水率廃棄物を、前記サスペンションプレヒータ、前記仮焼炉及び前記セメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入し、その後焼却処理を行うことを特徴とする高含水率廃棄物の処理方法

請求項2

前記酸素供給手段から発生した酸素を、前記クリンカクーラの冷却用空気に混入させることを特徴とする請求項1記載の高含水率廃棄物の処理方法。

請求項3

前記高含水率廃棄物の前記仮焼炉または前記セメントキルンへの投入量は、前記セメント焼成設備における前記クリンカの焼成量に対して4重量%以上、前記高含水率廃棄物に含まれる合計含水量に換算して3重量%以上、のいずれかであることを特徴とする請求項1または2記載の高含水率廃棄物の処理方法。

請求項4

前記高含水率廃棄物は、下水汚泥工場汚泥廃水中和水有機性スラッジ洗浄焼却灰、洗浄飛灰の群から選択される1種または2種以上であり、かつ、高温にて焼却処理を行う廃棄物であることを特徴とする請求項1、2または3記載の高含水率廃棄物の処理方法。

請求項5

前記高含水率廃棄物の投入位置は、前記セメントキルンの窯尻部、前記仮焼炉の二次空気ダクト、前記仮焼炉の上半分から前記サスペンションプレヒータの最下段のサイクロンまでの間、のうち二個所以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の高含水率廃棄物の処理方法。

請求項6

前記クリンカクーラは、高効率型クリンカクーラであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の高含水率廃棄物の処理方法。

請求項7

セメント原料を予熱するサスペンションプレヒータと、予熱された前記セメント原料を仮焼する仮焼炉と、この仮焼されたセメント原料を焼成しクリンカとするセメントキルンと、このクリンカを冷却するクリンカクーラとを備えたセメント焼成設備を用いて高含水率廃棄物を焼却処理する装置であって、前記セメントキルンの燃料燃焼空気、前記仮焼炉の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に酸素を供給する酸素供給手段と、前記高含水率廃棄物を、前記サスペンションプレヒータ、前記仮焼炉及び前記セメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入する高含水率廃棄物の供給手段と、を備えてなることを特徴とする高含水率廃棄物の処理装置

技術分野

0001

本発明は、高含水率廃棄物処理方法及び処理装置に関し、更に詳しくは、セメント焼成設備を用いて高含水率廃棄物を焼却処理する際に、セメント焼成設備の設備容量を変更することなくクリンカ焼成能力を向上させることによって、この高含水率廃棄物の焼却処理に伴うセメント焼成設備への影響を防止するとともに、この高含水率廃棄物を多量に処理することが可能な高含水率廃棄物の処理方法及び処理装置に関するものである。

背景技術

0002

従来、水分を多く含む高含水率廃棄物の例として下水処理場から排出される脱水汚泥があり、この脱水汚泥は、これまでは焼却溶融等の処理がなされてきたが、近年、資源として有効利用するための再利用処理が進められ、セメント焼成設備においても再利用処理が順次増加する傾向にある。また、同様に、焼却場から発生する焼却灰飛灰等もセメント原料として再利用処理されている。
例えば、脱水汚泥を、乾燥することなく、また、添加剤を用いて前処理することなく、直接セメントキルン窯尻部または仮焼炉にパイプライン輸送にて導入して焼却する方法(特許文献1等参照)がある。また、焼却飛灰等も、一旦水洗を行ってセメント焼成設備の操業に有害な塩素分を取り除いた後、高含水率の状態のままセメント焼成設備の高温部直接投入し処理をおこなう方法(特許文献2等参照)がある。

0003

一般に、脱水汚泥は殆どが水と有機物であるから、セメントキルンや仮焼炉で焼却する際に残分となる灰分はごく微量である。したがって、セメントクリンカの成分に影響を及ぼすこともなく、セメントキルン内での焼却処理が可能であり、しかも、焼却灰等の新たな廃棄物を出さないため、有効な処理方法である。また、水洗した焼却飛灰は、洗浄によってもダイオキシン等の有機塩素化合物が残存しているが、この残存している有機塩素化合物を高温処理無害化することにより、含まれる有害成分を確実に焼却処理することができ、残る無機成分をセメント原料として有効利用することができる。
特開2002−52397号公報
特開2001−25731号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、前述の高含水率廃棄物をセメントキルンの窯尻部に直接投入する方法では、高含水率廃棄物に含まれる多量の水分の蒸発が、セメントキルンの窯尻部における原料の温度の低下、サスペンションプレヒータや仮焼炉にて加熱および脱炭酸された原料の有する顕熱の低下、セメント原料がクリンカ状に焼結する帯域キルン焼成帯)の温度の低下等の原因となり、したがって、セメントクリンカが十分焼成されなくなる虞があるという問題点があった。
このような温度や顕熱の低下を生じさせないためには、セメント焼成設備のセメントクリンカ焼成量を極端に低下させる操業が必要となるが、この場合、単位クリンカを焼成するためのガス原単位が高くなり、窯尻温度やサスペンションプレヒータ排ガス温度の上昇が起こり、これに伴って焼成用熱量や電力使用量が高くなり、経済的な操業が不可能になるという問題点があった。

0005

また、セメントクリンカ焼成能力を極端に低下させた場合、所要量セメント製造を行うことが不可能となる等の虞がある。
このため、セメント焼成設備では、高含水率廃棄物の投入量を制限する必要があり、クリンカ焼成量に対して、せいぜい1〜3%程度までの処理がおこなわれているのが実状である。
さらに、セメント焼成設備で処理されている高含水率廃棄物は、下水汚泥や水洗焼却飛灰等の他、工場汚泥廃水中和水有機性スラッジ等もあり、性状や取り扱い方も多様である。したがって、これらの高含水率廃棄物を全て同一のセメント焼成設備で処理することが望まれているが、これらの多様な高含水率廃棄物を従来のセメント焼成設備に同時に直接投入して焼却処理を行うと、セメント焼成設備に与える影響がより一層大きくなり、必要なセメント生産を行うことが不可能になるという問題点があった。

0006

本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、セメント焼成設備を用いて廃棄物を焼却処理するに際して、水分が多く含まれている高含水率廃棄物であっても、セメント焼成設備の操業に与える影響が小さく、セメント焼成能力を維持しつつセメント焼成設備にて効率的に処理することが可能であり、しかも多量の高含水率廃棄物を処理することが可能な高含水率廃棄物の処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、セメント焼成設備におけるクリンカの焼成度を維持するための焼成許容範囲を広くすることと、クリンカ焼成のためのガス原単位を少なくすることにより、水分が多量に含まれる高含水率廃棄物をセメント焼成装置に直接投入した場合においても、セメントクリンカ焼成工程が高含水率廃棄物中の単位水分量の蒸発による影響が小さく、セメントクリンカ焼成能力を維持することが容易になることを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち、本発明の高含水率廃棄物の処理方法は、セメント原料を予熱するサスペンションプレヒータと、予熱された前記セメント原料を仮焼する仮焼炉と、この仮焼されたセメント原料を焼成しクリンカとするセメントキルンと、このクリンカを冷却するクリンカクーラとを備えたセメント焼成設備を用いて高含水率廃棄物を焼却処理する方法であって、酸素供給手段から発生した酸素を、前記セメントキルンの燃料燃焼空気、前記仮焼炉の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に混入させて燃料燃焼を行うとともに、前記高含水率廃棄物を、前記サスペンションプレヒータ、前記仮焼炉及び前記セメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入し、その後焼却処理を行うことを特徴とする。

0009

この高含水率廃棄物の処理方法では、セメント焼成設備のセメントキルンの燃料燃焼空気、仮焼炉の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に酸素を混入させることにより、焼成される単位セメントクリンカ当たりのガス原単位が少なくなり、また、クリンカクーラから回収する二次空気量も少なくなり、しかも高温領域の二次空気を回収することとなるので、セメントキルンでのクリンカ焼成帯域の温度が容易に高まり、よって、セメントクリンカの焼成能力を高めることが可能となる。
これにより、水分が多量に含まれる高含水率廃棄物を、サスペンションプレヒータ、仮焼炉及びセメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入し、その後焼却処理を行うこととしても、セメント焼成設備におけるクリンカ焼成量とクリンカ焼成度を維持することが可能となる。
また、セメントクリンカ焼成工程が高含水率廃棄物中の水分の蒸発による影響を受け難くなることにより、セメントの品質を低下させることなく、安定したセメント焼成設備の操業が可能になる。

0010

本発明の高含水率廃棄物の処理方法では、前記酸素供給手段から発生した酸素を、前記クリンカクーラの冷却用空気に混入させることが好ましい。
この高含水率廃棄物の処理方法では、酸素供給手段から発生した酸素をクリンカクーラの冷却用空気に混入させることにより、クリンカクーラから回収する二次空気量がさらに少なくなる。しかも、酸素濃度を調整することによって、クリンカ焼成帯域を適正な温度とすることが可能となり、セメントクリンカの焼成能力をさらに高めることが可能となる。

0011

本発明の高含水率廃棄物の処理方法では、前記高含水率廃棄物の前記仮焼炉または前記セメントキルンへの投入量は、前記セメント焼成設備における前記クリンカの焼成量に対して4重量%以上、前記高含水率廃棄物に含まれる合計含水量に換算して3重量%以上、のいずれかであることが好ましい。

0012

この高含水率廃棄物の処理方法では、高含水率廃棄物の仮焼炉またはセメントキルンへの投入量を上記のように多量に設定した場合であっても、セメントクリンカ単位当たりの焼成に必要なガス量が減少し、セメントクリンカ焼成能力を維持しつつクリンカ焼成帯域の温度も容易に上昇し、よって、セメントクリンカの焼成度も維持されることとなる。
これにより、従来のセメント焼成設備と比較して、セメントキルン内でのクリンカ焼成度を保つための多量の燃焼ガスを必要としなくなり、セメント焼成設備における各所の温度を上昇させずに焼成することが可能となり、従来のセメント焼成設備で生じていた温度上昇に伴うセメント焼成設備の操業に対する悪影響や、セメントキルンにおけるクリンカの焼成度が不足する等の不具合も小さくなる。よって、セメント焼成設備における高含水率廃棄物の処理量を増加させることが可能となる。

0013

本発明の高含水率廃棄物の処理方法では、前記高含水率廃棄物は、下水汚泥、工場汚泥、廃水、中和水、有機性スラッジ、洗浄焼却灰、洗浄飛灰の群から選択される1種または2種以上であり、かつ、高温にて焼却処理を行う廃棄物であることが好ましい。
前記高含水率廃棄物の投入位置は、前記セメントキルンの窯尻部、前記仮焼炉の二次空気ダクト、前記仮焼炉の上半分から前記サスペンションプレヒータの最下段のサイクロンまでの間、のうち二個所以上であることが好ましい。

0014

この高含水率廃棄物の処理方法では、高含水率廃棄物を多様とすることにより、また、この高含水率廃棄物の投入位置を、セメントキルンの窯尻部、仮焼炉の二次空気ダクト、仮焼炉の上半分からサスペンションプレヒータの最下段のサイクロンまでの間、のうち二個所以上とすることにより、高含水率廃棄物の性状に応じて投入箇所選定することが可能となる。これにより、高含水率廃棄物を多量に投入した場合であっても、セメントクリンカ焼成工程の特定の部分に該高含水率廃棄物の処理による影響が集中することがなく、高含水率廃棄物中の水分の蒸発による影響を分散することとなる。さらに、セメントキルンおよび仮焼炉のそれぞれの燃料燃焼用空気の酸素濃度を個々に設定することによって、高含水率廃棄物が投入される箇所に与える影響を小さくし、セメントの品質を低下させることなく、安定したセメント焼成設備の操業が可能になる。

0015

本発明の高含水率廃棄物の処理方法では、前記クリンカクーラは、高効率型クリンカクーラであることが好ましい。
この高含水率廃棄物の処理方法では、クリンカクーラを高効率型クリンカクーラとすることにより、セメントキルンおよび仮焼炉それぞれの燃料燃焼用空気の酸素濃度を高く設定し、セメント焼成炉のクリンカ生産能力を上げた場合であっても、クリンカクーラでのクリンカ冷却能力が高められ、生産されるクリンカを十分冷却することが可能になる。

0016

本発明の高含水率廃棄物の処理装置は、セメント原料を予熱するサスペンションプレヒータと、予熱された前記セメント原料を仮焼する仮焼炉と、この仮焼されたセメント原料を焼成しクリンカとするセメントキルンと、このクリンカを冷却するクリンカクーラとを備えたセメント焼成設備を用いて高含水率廃棄物を焼却処理する装置であって、前記セメントキルンの燃料燃焼空気、前記仮焼炉の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に酸素を供給する酸素供給手段と、前記高含水率廃棄物を、前記サスペンションプレヒータ、前記仮焼炉及び前記セメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入する高含水率廃棄物の供給手段と、を備えてなることを特徴とする。

0017

本発明の高含水率廃棄物の処理装置では、セメントキルンの燃料燃焼空気、仮焼炉の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に酸素を供給する酸素供給手段と、高含水率廃棄物を、サスペンションプレヒータ、仮焼炉及びセメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入する高含水率廃棄物の供給手段とを備えたことにより、焼成される単位セメントクリンカ当たりのガス原単位が少なくなり、クリンカクーラから回収する二次空気量も少なく、しかも高温領域の二次空気を回収することとなり、セメントキルンでのクリンカ焼成帯域の温度が容易に高まり、セメントクリンカの焼成能力が高まる。
これにより、水分が多量に含まれる高含水率廃棄物をサスペンションプレヒータ、仮焼炉及びセメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入し、その後焼却処理を行うこととしても、セメント焼成設備におけるクリンカ焼成量とクリンカ焼成度を維持することが可能になる。
また、セメントクリンカ焼成工程が高含水率廃棄物中の水分の蒸発による影響を受け難くなり、セメントの品質を低下させることなく、安定したセメント焼成設備の操業が可能になる。

発明の効果

0018

本発明の高含水率廃棄物の処理方法によれば、セメント焼成設備のセメントキルンの燃料燃焼空気、仮焼炉の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に酸素を混入させて燃料燃焼を行うので、焼成される単位セメントクリンカ当たりのガス原単位を少なくすることができる。
また、クリンカクーラから回収する二次空気量も少なくなり、しかも高温領域の二次空気を回収することとなるので、セメントキルンでのクリンカ焼成帯域の温度を容易に高めることができ、その結果、セメントクリンカの焼成能力を高めることができる。
したがって、水分が多量に含まれる高含水率廃棄物を、サスペンションプレヒータ、仮焼炉及びセメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入し、その後焼却処理を行うこととしても、セメント焼成設備におけるクリンカ焼成量とクリンカ焼成度を容易に維持することができる。
また、セメントクリンカ焼成工程が、高含水率廃棄物中の水分の蒸発による影響を受け難くなるので、セメントの品質を低下させることなく、安定したセメント焼成設備の操業を行うことができる。

0019

本発明の高含水率廃棄物の処理装置によれば、セメントキルンの燃料燃焼空気、仮焼炉の燃料燃焼空気のうちいずれかまたは双方に酸素を供給する酸素供給手段と、高含水率廃棄物を、サスペンションプレヒータ、仮焼炉及びセメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入する高含水率廃棄物の供給手段とを備えたので、焼成される単位セメントクリンカ当たりのガス原単位を少なくすることができる。
また、クリンカクーラから回収する二次空気量も少なくなり、しかも高温領域の二次空気を回収することとなるので、セメントキルンでのクリンカ焼成帯域の温度を容易に高めることができ、その結果、セメントクリンカの焼成能力を高めることができる。

0020

したがって、水分が多量に含まれる高含水率廃棄物をサスペンションプレヒータ、仮焼炉及びセメントキルンのうちいずれか一個所以上に直接投入し、その後焼却処理を行うこととしても、セメント焼成設備におけるクリンカ焼成量とクリンカ焼成度を容易に維持することができる。
また、セメントクリンカ焼成工程が、高含水率廃棄物中の水分の蒸発による影響を受け難くなるので、セメントの品質を低下させることなく、一定の品質のセメントを安定して製造することができ、セメント焼成設備の安定操業を長期間に亘って行うことができる。

発明を実施するための最良の形態

0021

本発明の高含水率廃棄物の処理方法及び処理装置の最良の形態について、図面に基づき説明する。
なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。

0022

図1は、本発明一実施形態のセメント製造設備を示す模式図であり、セメントキルンの窯尻部に高含水率廃棄物の処理装置を設けることにより、高含水率廃棄物を直接セメントキルンの窯尻部に投入して焼却処理を行い、さらに、クリンカクーラの冷却空気や燃料燃焼用一次空気に酸素を供給する酸素発生装置を設けることにより、多量の高含水率廃棄物を焼却処理し、しかも所定のセメント製造を行うセメント製造設備の例である。

0023

図において、1はセメント原料を乾燥・粉砕する原料ミル、2はセメント原料粉を分離するサイクロン、3はセメント原料貯蔵庫、4はセメントキルン、5はクリンカクーラ、6a〜6cはクリンカクーラ5の冷却ファン、6dはセメントキルン4の燃料燃焼用一次空気ファン、7は仮焼炉、8は複数段のサイクロン8a〜8dからなるサスペンションプレヒータ、9は仮焼炉7の二次空気ダクト、10は電気集塵機、11は排気煙突、12はバーナー、13はクーラ排気ライン、14はセメント原料供給ライン、15はセメント原料粉供給ライン、16はセメントクリンカ搬送ラインである。

0024

21は水分を多量に含む有機系の汚泥である高含水率有機汚泥(高含水率廃棄物)をセメントキルン4の窯尻部4aへ直接投入する高含水率有機汚泥の直接投入処理装置(高含水率廃棄物の供給手段)であり、高含水率有機汚泥を貯留する貯留槽22と、高含水率有機汚泥のセメントキルン4の窯尻部4aへの投入量を調整するポンプ23と、高含水率有機汚泥をセメントキルン4の窯尻部4aへ搬送し投入する高含水率有機汚泥供給ライン24とにより構成されている。
このポンプ23は、セメント焼成設備におけるクリンカの焼成量に対して合計4重量%以上の処理能力を有する。

0025

31は酸素製造供給装置(酸素供給手段)であり、酸素製造装置32と、一次空気酸素供給ライン33と、クリンカクーラ冷却空気酸素供給ライン34とにより構成されている。
この酸素製造装置32としては、PSA式酸素発生装置膜分離法による酸素製造装置、深冷分離法による酸素発生装置等が好適に用いられる。
本実施形態では、酸素の生産量が大規模であること、連続して製造することが必要であり、一方、酸素の製造を瞬時に大きく変動させる必要性はない。したがって、これらの条件に合致する酸素製造装置としては、深冷分離法による酸素発生装置が好適である。この深冷分離法の酸素製造装置は、空気を圧縮、冷却して液化させ、酸素、窒素沸点差を利用して分離するものであり、得られる酸素は比較的純度の高いものである。

0026

本発明においては、セメント焼成に使用される燃料燃焼用空気の酸素濃度を高める目的のみであるので、必ずしも高純度の酸素は必要ではないが、この酸素製造装置32では、その消費動力とセメント焼成設備での高含水率廃棄物の処理量およびセメントクリンカの生産可能量などを考慮して最適となる条件の酸素純度で操業することとなる。すなわち、この酸素製造装置32で製造される酸素の純度は、90%程度以上あれば、本発明を実施する上でセメント焼成設備が要求する酸素を無駄なく供給することができる。

0027

次に、酸素の製造量とセメント焼成設備のクリンカ生産量および高含水率廃棄物の処理量との関連について説明する。
高含水率廃棄物をセメント焼成設備で処理しない場合には、セメントクリンカの増産可能量は酸素供給量によって一義的に決定されるものであり、上記の酸素の純度が90%以上であれば、増産可能なセメントクリンカ単位当たりの酸素供給量は180〜200Nm3/t程度と算出される。

0028

一方、高含水率廃棄物をセメント焼成設備で処理する場合の、この高含水率廃棄物の処理量と供給される酸素量との関係は、例えば、セメントクリンカ生産能力を同等とし、100%水分とした高含水率廃棄物を処理すると仮定した場合には、単位高含水率廃棄物当たりの酸素供給量は500〜550Nm3/t程度と算出される。
換言すれば、このセメント焼成設備においては、高含水率廃棄物の処理にはセメントクリンカ生産量の約2.5〜3倍程度のエネルギーが必要になる。

0029

この酸素製造供給装置31により発生した酸素は、クリンカクーラ5の上流チャンバに流入するクリンカ冷却空気ファン6a、または一次空気ファン6d、あるいはクリンカ冷却空気ファン6a及び一次空気ファン6dそれぞれに、導入される。

0030

次に、本実施形態のクリンカクーラ5として使用されることが好ましい高効率型クリンカクーラについて説明する。
本実施形態においては、従来型クリンカクーラであっても、その目的を十分に果たし得るものであるが、ここでは、高効率型クリンカクーラを例にとり、セメントクリンカの冷却機構と、冷却空気への酸素供給方法について説明する。

0031

高効率型クリンカクーラは、高温のセメントクリンカの冷却効率が高く、少ない冷却面積で、しかも少ない冷却風量で所定の温度にまで冷却することができるものである。
本実施形態のセメント焼成設備は、セメントキルンや仮焼炉にて富酸素燃焼を行うことに特徴があるので、富酸素燃焼によりセメント焼成能力を容易に向上させることが可能になる。
一般に、セメント焼成能力を上昇させた場合、クリンカクーラでのクリンカ冷却能力が必ずしも対応できない場合がある。本実施形態では、従来型クリンカクーラを高効率型クリンカクーラに替えることにより、増産をおこなった場合であっても、クリンカクーラでのクリンカ冷却能力を十分に対応することができるようにしている。

0032

図2は高効率型クリンカクーラ5の縦断面図、図3図2のA−A線に沿う断面図であり、図において、41はセメントキルン4の前部4bに接続された長尺箱状のクーラ本体、42はクーラプレート、43はクーラプレート42の下面に設けられたグレートサポート、44は仕切板、45は冷却空気用配管、46は配管45の途中に設けられた屈曲可能なフレキシブル継手、47a〜47d及び47a1、47a2、47b1、47b2は冷却空気ファン、48はエアビーム風箱)である。

0033

クーラプレート42は、矩形状の板体であり、その表面には横幅方向にスリット状の冷却空気の噴出孔が数本形成されており、このスリット状の噴出孔からは冷却空気が板体表面に沿ってクリンカの進行方向に噴出するものであり、この冷却機構によって、プレート42の表面が冷却空気により保護されるため、高温クリンカによるプレート表面の熔損を防止することができるものであり、いわゆる波形プレート構造と称されるものである。
このクーラプレート42は、グレートサポート43と一体になることで、クーラプレート42とグレートサポート43とで囲まれた空間をエアビーム(風箱)48としている。

0034

このエアビーム48は、図3に示すように、クーラ本体41の幅方向に仕切板44により2分割されており、それぞれの区画送風する冷却空気ファン47a1、47a2、47b1、47b2によって一定の冷却空気がエアビーム48を経由してクーラプレート42の表面のスリット状の噴出孔からクリンカ層に対してクリンカの進行方向(図2中矢印方向)に噴出される。
この冷却空気によって、クリンカの冷却がクーラ本体41の幅方向に均一にしかも効率よく行われるようになっている。しかも、噴出する空気量を減少させた場合であっても、上述した冷却機構によりプレート42の表面の熔損を防止することができる。さらに、少ない空気量でクリンカを冷却した後の冷却空気は、高温度となるので、2次空気熱回収率を高めることができる。

0035

この高効率型の冷却機構は、セメントキルン4及び仮焼炉7での燃料燃焼用2次空気の回収領域に設けられており、クリンカクーラ5の全冷却面積に対して25〜35%の面積に設置することで十分な高温二次空気を回収することができるとともに、良好なクリンカ冷却が得られるものである。

0036

上記の酸素製造供給装置31により供給される酸素は、上記の高効率型の冷却機構を有する領域に冷却空気を送風している冷却空気ファン47a1、47a2、47b1、47b2にのみ供給されるものであり、これら冷却空気ファン47a1、47a2、47b1、47b2の空気取り入れ側のダクトに導入して、冷却空気に混入される。セメントキルン4の二次空気中の酸素濃度を高めた操業を行う場合には、冷却空気ファン47a1、47a2により多くの酸素を供給することとなり、また、仮焼炉7の二次空気の酸素濃度を高めた操業を行う場合には、冷却空気ファン47b1、47b2により多くの酸素を供給することとなる。

0037

一方、セメントキルン4のバーナー12によって形成されるフレーム中の燃料燃焼速度をより高くする必要がある場合には、一次空気ファン6dにより多くの酸素を供給することとなる。これらの酸素の導入箇所への分配供給量は、要求されるクリンカ生産量や高含水率廃棄物の処理量、および使用燃料等によって、セメント操業状態を確認しつつ決定されるものであるが、それぞれの箇所への酸素供給量を調整することによって、容易に所定の操業状態を保つことが出来る。

0038

次に、上記のセメント焼成設備を用いて高含水率廃棄物を焼却処理する方法について説明する。
ここで焼却処理される高含水率廃棄物は、下水汚泥、工場汚泥、廃水、中和水、有機性スラッジ、洗浄焼却灰、洗浄飛灰の群から選択される1種または2種以上であり、かつ、高温にて焼却処理を行う廃棄物であり、多様な廃棄物である。
このように多様な高含水率廃棄物のうち、粘性の高い高含水率汚泥や洗浄飛灰の投入位置は、セメントキルン4、仮焼炉7、サスペンションプレヒータ8のうちいずれかとすることができるが、特に、セメントキルン4の窯尻部4aが好ましい。

0039

一方、廃水などのほぼ100重量%が液体である低粘性の高含水率廃棄物の投入位置は、セメントキルン4の窯尻部4aの他、仮焼炉7の二次空気ダクト9、仮焼炉7の上半部からサスペンションプレヒータ8の最下段のサイクロン8dまでの間、のうち一個所以上が可能であるが、特に、仮焼炉7の上半部からサスペンションプレヒータ8の最下段のサイクロン8dまでの間であると、この投入によるセメント焼成装置に与える影響が小さいので好ましい。

0040

高含水率廃棄物の投入位置を上記のように選択した理由は、投入された高含水率有機汚泥、廃水、洗浄飛灰などに含まれる臭気成分や有機成分が完全に燃焼分解され、しかも新たな臭気成分などを発生させる虞のない温度領域である必要があるからであり、最下段のサイクロン8dより燃焼ガスで上流側の位置であれば良い。
また、高含水汚泥の場合は、投入箇所を仮焼炉7とすると、含まれる水分が急激に蒸発することにより、仮焼炉7の燃料燃焼フレームの形成に対して悪影響を及ぼすので好ましくない。

0041

また、前述の廃水の投入処理の場合にもあるように、セメントキルン4の窯尻部4a、仮焼炉7の二次空気ダクト9、仮焼炉7の上半部からサスペンションプレヒータ8の最下段のサイクロン8dまでの間では、それぞれの個所によって高含水率廃棄物のセメント焼成設備に与える影響が変化する。
例えば、セメントキルン4の窯尻部4aの場合では、投入された高含水率汚泥は直ちにセメントキルン4に導入され蒸発によって主にセメント原料の温度を低下させることとなり、セメントキルン4でのクリンカ焼成が難しくなるが、特にセメントキルン4に導入される二次空気中の酸素濃度を高めることにより、クリンカ焼成温度を確保することで容易に対応することができる。

0042

ただし、過剰な酸素濃度はセメントキルン4の内部温度を急激に高めることとなるので、高含水率廃棄物をセメントキルン4の窯尻部に集中することは避けることが好ましい。
一方、仮焼炉7の二次空気ダクト9に投入する場合には、この二次空気ダクト9内での急激な水分蒸発により二次空気温度が低下することとなる。よって、セメント原料の脱炭酸を維持するために仮焼炉7の二次空気の酸素濃度を高め、また燃料を増加することによって容易に必要な脱炭酸を得ることが可能となる。

0043

このように、高含水率有機汚泥や廃水などの投入個所、および、その後の水分の蒸発挙動によって、セメント焼成設備内の各所に与える影響が変化する。したがって、多量の高含水率廃棄物を投入する場合には、特定の個所に集中投入することを避け、例えば、セメントキルン4の窯尻部4a及び仮焼炉7の二次空気ダクト9、仮焼炉7の上半部から最下段サイクロン8dまでの間等、2箇所以上に分散して投入し、それぞれの箇所への投入量に応じてセメントキルン4および仮焼炉7の二次空気の酸素濃度を設定して燃料燃焼を行うことにより、より安定した高含水率廃棄物の処理が可能となる。

0044

本発明のセメント焼成設備においては、富酸素燃焼をおこなうことにより、クリンカクーラ5から回収する二次空気の原単位が低下するので、回収する二次空気は高温度領域に移動することとなる。また、燃焼ガス原単位の低下により回収する二次空気全体の顕熱は低下するが、一方、セメント焼成設備におけるガスと原料の熱交換が進み、サスペンションプレヒータ8からの排ガスの温度低下および排ガス原単位が低下することとなる。よって、富酸素燃焼によるセメントクリンカの焼成のための熱量原単位はほとんど変化しないが、セメントクリンカ焼成能力は増加することとなる。

0045

このような状態にて、高含水率廃棄物を上記の箇所のいずれか1箇所以上に投入処理した場合、セメントクリンカの生産能力の低下と熱量原単位の増加に伴う回収二次空気の原単位の増加が起こる。しかしながら、従来例と比較して熱量原単位の増加に伴う新たな回収二次空気は高温度となるので、熱量原単位の増加は大きくならない。この熱量原単位の増加は、概ね従来例の熱量原単位の増加の約60%程度の増加に留まる。

0046

本実施形態のセメント製造設備によれば、酸素製造供給装置31と、高含水率有機汚泥の直接投入処理装置21とを備えたので、酸素の供給による富酸素燃焼を行うことにより、ガス原単位の減少によるセメント焼成能力の増加を図ることができ、セメントキルン4内のクリンカ焼成帯域の温度を容易に高めることができる。
したがって、より効率のよい二次空気を回収することにより、過剰な燃焼ガスを必要としなくなり、高含水率有機汚泥を多量に処理する場合であっても、所定のセメント生産量を確保しつつセメントクリンカの焼成のための熱量原単位の増加を小さくし、得られるクリンカの品質を保つことができる。

0047

以下、実施例及び比較例にて本発明をより詳しく説明する。
比較例は、従来のセメント焼成設備において、高含水率廃棄物を処理した操業値より、その影響を確認したものであり、また、実施例は、同様のセメント焼成設備において、クリンカクーラにて冷却空気に酸素を付加した場合について、その操業値を予測したものである。

0048

「比較例1〜6」
比較例1〜6として、従来型クリンカクーラを付設した下記のセメント焼成設備を用い、下水汚泥(高含水率汚泥)および水分がほぼ100重量%の廃液(廃水)の投入量および投入位置を変化させ処理試験を行った。
なお、これらの下水汚泥、廃水、セメント焼成設備等の概要は下記の通りである。

0049

(1)下水汚泥
含水率82%(固形分 18%)
固形分の性状
組成:灰分14.2%、揮発分70%、固形炭素8.3%
元素分析炭素37.4%、水素5.7%、窒素4.4%、酸素36.3%
発熱量(高位):3500Kcal/kg
真発熱量3100Kcal/kg)
理論燃焼空気量:3.8Nm3/kg
理論燃焼ガス量:4.4Nm3/kg
(2)廃水
水分ほぼ100重量%の中和等の処理廃液

0050

(3)セメント焼成設備A
従来のセメント焼成設備である。
a.サスペンションプレヒータおよび仮焼炉
5段サイクロン型サスペンションプレヒータ及び流動炉式仮焼炉(N−SF型)
b.セメントキルン
セメントキルンサイズ 100mL×5.3mφ
c.クリンカクーラ
従来型クリンカクーラ(バブ日立社製)

0051

ここでは、従来のセメント焼成設備Aについて下水汚泥もしくは廃水の投入処理量および投入位置を選定し、下水汚泥または廃水の投入の無いセメントクリンカ生産量(クリンカ生産能力)に対して1重量%、4重量%、7重量%、の3水準で変更させた場合について、セメント焼成設備のクリンカ生産能力、クリンカ品質(焼成度)およびクリンカ焼成熱量原単位等の操業における変化を調べた。
なお、投入位置については、下水汚泥はセメントキルン窯尻部を、また廃水は仮焼炉を選定した。
また、操業条件は、サスペンションプレヒータ8の排ガス温度が380℃以上になった場合に、最上段のサイクロン8aのガスの入り口から水の噴霧を行い、最上段のサイクロン8aの排ガス温度を380℃に維持した。
これらの結果を表1に示す。

0052

また、下水汚泥を全く投入しない場合を「基準」とし、下水汚泥または廃水の処理を増加させた場合について、セメント焼成設備の操業値の変化について調べた。各操業条件における燃料焚比、セメント焼成設備の各部温度、操業状況の評価結果を表2に示す。
なお、表2中の「温度変化量」とは、基準値からの温度変化量(温度差)のことである。
なお、表2中の操業状況の判断基準は下記の通りである。
○:クリンカの焼成度の維持及び長時間の連続操業に支障が無い場合。
△:セメントキルンの燃焼ガス量が確保できない等により、頻繁にクリンカ焼成量をより低下させて対応する等の場合。
×:クリンカ焼成度の維持が難しく、連続操業が困難である場合。

0053

0054

0055

表1及び表2によれば、約4%の下水汚泥の処理時には、セメント焼成設備の操業の継続が可能であったものの、セメントキルン窯尻温度の上昇に伴うアンザツ付着が増加した場合にはクリンカ焼成度を維持することが難しく、著しくクリンカ焼き出し量を低下させる必要があるなどの問題点があった。
また、約6%の下水汚泥の処理時には、セメント焼成設備の操業、が不安定となり、クリンカ焼成度を確保することが困難であった。

0056

特に、約6%の水準では、セメントキルンの窯尻部の温度の上昇に伴う急激なアンザツ付着の増加や、燃焼ガス量が低下することにより、クリンカ焼成帯のクリンカ温度を維持することが難しく、操業に対する悪化要因が多くなり、長時間の連続操業は困難な状況であった。
クリンカ焼成能力の変化については、セメント焼成設備(A)においては、下水汚泥の処理量に対して約3重量倍のクリンカ焼成量が低下する。また、クリンカ焼成の熱量原単位は、3〜4%の処理範囲において下水汚泥1重量%添加当たり熱量原単位は2.0%程度悪化することが確認された。
したがって、セメント焼成設備Aにおける下水汚泥の処理可能量は、セメント焼成設備の安定操業が可能な範囲のみにて行われるとすると、無添加時のクリンカ焼成能力に対して約3〜4%以下となる。

0057

「実施例1〜7」
従来のセメント焼成設備Aに本発明の酸素製造供給装置を付設し、一部は従来のクリンカクーラを高効率型クリンカクーラに変更した下記のセメント焼成設備B、Cを用い、比較例と同様にしてセメント焼成設備のクリンカ生産能力、クリンカ品質(焼成度)およびクリンカ焼成熱量原単位等の操業における変化を予測計算により調べた。
予測の条件は、酸素の付加をクリンカクーラの冷却空気に導入するものとし、セメントキルンの一次空気等を含む燃料燃焼用空気の酸素濃度を23%、仮焼炉用の燃料燃焼用空気の酸素濃度を25%とした場合について、セメント焼成能力の増加、および高含水率廃棄物の処理の可能量について行った。

0058

(1)セメント焼成設備B
従来のセメント焼成設備(セメント焼成設備A)+酸素製造供給装置
(2)セメント焼成設備C
従来のセメント焼成設備(セメント焼成設備A)のクリンカクーラを高効率型クリンカクーラに変更+酸素製造供給装置
高効率型クリンカクーラ:IKN社製ペンジュラムクリンカクーラ

0059

実施例1〜7それぞれの想定条件は下記のとおりである。
・実施例1(操業想定例1);セメント焼成設備Bにおいて、上記の富酸素燃焼条件にて高含水率廃棄物の処理を行わない場合で、クリンカ焼成能力の増加とその操業を想定。
・実施例2(操業想定例2);セメント焼成設備Bにおいて、上記の富酸素燃焼条件にて高含水率廃棄物の処理を比較例3と同等量処理を行った場合の操業想定。
・実施例3(操業想定例3);セメント焼成設備Bにおいて、上記の富酸素燃焼条件にて高含水率廃棄物の処理を行い、クリンカ焼成能力を基準値と同じとする操業において、高含水率廃棄物の処理可能量とその操業を想定。
・実施例4(操業想定例4);セメント焼成設備Bにおいて、上記の富酸素燃焼条件にて高含水率廃棄物の処理を行い、より高含水率廃棄物の処理量を増加した場合の操業想定。

0060

・実施例5(操業想定例5);セメント焼成設備Bにおいて、上記の富酸素燃焼条件にて高含水率廃棄物の処理を行い、高含水率廃棄物の投入箇所を二箇所とした場合の操業想定。
・実施例6(操業想定例6);セメント焼成設備Cにおいて、上記の富酸素燃焼条件にて高含水率廃棄物の処理を行わない場合で、クリンカ焼成能力の増加とその操業を想定。
・実施例7(操業想定例7);セメント焼成設備Cにおいて、上記の富酸素燃焼条件にて高含水率廃棄物の処理を行い、より高含水率廃棄物の処理量を増加した場合の操業想定。
これらの結果を表3及び表4に示す。

0061

0062

0063

表3及び表4によれば、富酸素燃焼を行ったセメント焼成設備Bおよびセメント焼成設備Cによる高含水率廃棄物の処理においては、想定計算結果から次の操業状態の変化が現れることが分かった。
(1) 富酸素燃焼により、セメント焼成設備のクリンカ焼成能力の向上が可能となる。
(2) 富酸素燃焼により回収する二次空気原単位が低下するので、該二次空気は高温度領域のみの回収となり、特に仮焼炉二次空気において顕著に温度が上昇する。

0064

(3)富酸素燃焼により、ガス原単位の減少により、燃料燃焼ガス温度の上昇およびサスペンションプレヒータの上段領域熱交換後のガス温度の低下が起こる。また、窯尻温度の低下に繋がると予想できる。
(4) 従って、富酸素燃焼では、セメントクリンカの焼成のための熱量原単位は、ほとんど変化しない。
(5) 富酸素燃焼下での、高含水率廃棄物の処理は、上記の(2)、(3)の現象により、特に熱量原単位に与える影響が緩和され、小さくなる。

0065

実施例1では、セメントキルンの一次空気等を含む燃料燃焼用空気の酸素濃度を23%、仮焼炉用の燃料燃焼用空気の酸素濃度を25%としたので、燃焼用空気原単位の低下に伴って回収する二次空気温度が高温領域のみに移動することにより、特に仮焼炉の二次空気の温度上昇が顕著になる一方、サスペンションプレヒータの2段目サイクロン出口温度等が低下することにより、クリンカ焼成能力が約22%向上する他、熱量原単位が若干低下した。

0066

実施例2〜5は、クリンカクーラを従来型としたセメント焼成設備Bにおける高含水率廃棄物の処理量を順次増加していった操業状態を予測したものであるが、高含水率廃棄物の処理が操業に及ぼす影響は、高含水率廃棄物の添加量1重量%当たりクリンカ焼成熱量原単位で1〜1.3%の増加に留まる。これにより、サスペンションプレヒータの上段領域のガス温度が低下し、窯尻部の温度が上昇することのない操業が可能になった。
以上により、高含水率廃棄物の処理可能量は、クリンカ焼成量に対して5重量%以上となった。したがって、高含水率廃棄物の処理量を10重量%以上としても、操業が十分可能であることが予想される結果となった。

0067

実施例6、7は、クリンカクーラを高効率型としたセメント焼成設備Cにおける操業状態を予測したものであるが、高効率型クリンカクーラの導入によりクリンカクーラの熱交換の向上を図ることができるので、より多くのクリンカの生産が可能になる。さらに、クリンカ焼成熱量原単位の低減が可能になり、クリンカ焼成量を維持しつつより多量の高含水率廃棄物の処理が可能になる。

0068

以上のように、従来型のセメント焼成設備Aと比較すると、実施例のセメント焼成設備B、Cは、富酸素燃焼を行うことにより、高含水率廃棄物のセメント焼成設備に及ぼす影響をクリンカ焼成熱量原単位で約50〜60%に低減することができ、クリンカ焼成能力を向上させることができることが分かった。
さらに、高含水率廃棄物の処理量の増加に伴う操業への影響を緩和または減少させることができるので、所定量のクリンカ焼成量を確保しつつ多量の高含水率廃棄物を処理することが十分可能であることが分かった。

図面の簡単な説明

0069

本発明の一実施形態のセメント製造設備を示す模式図である。
本発明の一実施形態のセメント製造設備の高効率型クリンカクーラを示す縦断面図である。
図2のA−A線に沿う断面図である。

符号の説明

0070

1原料ミル
2サイクロン
3セメント原料貯蔵庫
4セメントキルン
4a窯尻部
4b窯前部
5クリンカクーラ
6a〜6c クリンカクーラ冷却ファン
7仮焼炉
8サスペンションプレヒータ
8a〜8d サイクロン
9二次空気ダクト
10電気集塵機
11排気煙突
12バーナー
13クーラ排気ライン
14 セメント原料供給ライン
15セメント原料粉供給ライン
16セメントクリンカ搬送ライン
21高含水率有機汚泥の直接投入処理装置
22貯留槽
23ポンプ
24 高含水率有機汚泥供給ライン
31酸素製造供給装置
32酸素製造装置
33一次空気酸素供給ライン
34 クリンカクーラ冷却空気酸素供給ライン
41 クーラ本体
42 クーラプレート
43グレートサポート
44仕切板
45冷却空気用配管
46フレキシブル継手
47a〜47d、47a1、47a2、47b1、47b2冷却空気ファン
48 エアビーム

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