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技術 呼吸器感作性を評価する方法

出願人 国立大学法人鹿児島大学
発明者 上森健至山岸学青山公治
出願日 2007年3月28日 (13年3ヶ月経過) 出願番号 2007-085784
公開日 2008年10月9日 (11年8ヶ月経過) 公開番号 2008-237750
状態 特許登録済
技術分野 その他の診断装置
主要キーワード 質的評価 開口器 小型実験動物 アレル物質 吸入試験 小型動物 皮膚感作性試験 直接サンプル
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年10月9日)のものです。
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図面 (1)

課題

化学物質天然物が直接気管に到達して誘発される呼吸器感作性の強度を、客観的にしかも簡便な手法で評価する方法を提供する。

解決手段

本発明は、呼吸器感作症状定量化することにより呼吸器感作性の強度を相対的に評価する方法であって、既知呼吸器感作物質及び被検物質を種々の濃度で小動物の気管内に直接投与した後、 小動物の気管又は肺に誘発された呼吸器感作症状を、組織学所見スコア化アレルギー性炎症細胞数の計測サイトカインの定量、及び抗体の定量から選択される少なくとも一つの方法で定量的に測定し、次いで 得られた測定結果を被検物質と標準物質との間で相対的に比較することにより被検物質の呼吸器感作強度を判定することを特徴とする呼吸器感作性を評価する方法に関する。

概要

背景

近年、天然物化学物質に起因するアレルギー疾患が増加している。特に、呼吸器における感作は、時に深刻な喘息過敏性肺臓炎等を引き起こし、健康に大きな影響を与える。このような背景の下、個々の天然物や化学物質が、呼吸器感作性を有するか否かについて検証する手法が提案されてきている(例えば、特開2006−136432号公報、Toxicology (2003),184(1), 51-68等)。しかし、上記文献は、ヒトにおいて呼吸器感作性が報告されている物質小動物投与して呼吸器感作性を検出することにより呼吸器感作性を確認することや、皮膚感作性が知られている物質を小動物に投与して呼吸器感作性を区別することを目的とするなど、いずれも呼吸器感作性の有無という定性的な評価に留まり、呼吸器感作性の強度などの定量的な評価を行うことについては報告されていない。しかも、これらの手法で、呼吸器感作性が科学的かつ実験的に証明されている物質はわずかしかない。

また、これまでの報告では、呼吸器感作性の試験系提唱していながら、感作の第一段階であるサンプルの生体への侵入経路経皮経鼻であるモデルが用いられているため、呼吸器特異的な吸収性や生体作用などの呼吸器感作発現における重要な要素を正確に反映しない試験系である場合が多いという問題があった。

サンプルの投与経路に起因する上記の問題を解決する手法として、本願出願人らは、サンプルを気管内に直接投与する方法を報告している(特開2006−136432号公報、特開2006−136348号公報)。これらの方法によれば、被験物質を定量的に投与することができるため、呼吸器感作性の有無を検出するという質的評価が可能であるが、上記文献には、定量的評価に対する具体的な示唆はされていない。一方、ある被験物質の呼吸器感作性強度を決定したり、ヒトにとってどれぐらいの有害性を示すかという呼吸器感作性リスクを判断することができる方法が求められている。

特開2006−136432号公報
特開2006−136348号公報
Toxicology (2003),184(1), 51-68

概要

化学物質や天然物が直接気管やに到達して誘発される呼吸器感作性の強度を、客観的にしかも簡便な手法で評価する方法を提供する。 本発明は、呼吸器感作症状定量化することにより呼吸器感作性の強度を相対的に評価する方法であって、既知呼吸器感作物質及び被検物質を種々の濃度で小動物の気管内に直接投与した後、 小動物の気管又は肺に誘発された呼吸器感作症状を、組織学所見スコア化アレルギー性炎症細胞数の計測サイトカインの定量、及び抗体の定量から選択される少なくとも一つの方法で定量的に測定し、次いで 得られた測定結果を被検物質と標準物質との間で相対的に比較することにより被検物質の呼吸器感作強度を判定することを特徴とする呼吸器感作性を評価する方法に関する。 なし

目的

しかし、上記文献は、ヒトにおいて呼吸器感作性が報告されている物質を小動物に投与して呼吸器感作性を検出することにより呼吸器感作性を確認することや、皮膚感作性が知られている物質を小動物に投与して呼吸器感作性を区別することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

呼吸器感作症状定量化することにより呼吸器感作性の強度を相対的に評価する方法であって、既知呼吸器感作物質及び被検物質を種々の濃度で小動物気管内に直接投与した後、小動物の気管又はに誘発された呼吸器感作症状を、組織学所見スコア化アレルギー性炎症細胞数の計測サイトカインの定量、及び抗体の定量から選択される少なくとも一つの方法で定量的に測定し、次いで得られた測定結果を被検物質と標準物質との間で相対的に比較することにより被検物質の呼吸器感作強度を判定することを特徴とする呼吸器感作性を評価する方法。

請求項2

小動物がマウスである請求項1記載の方法。

請求項3

既知の呼吸器感作性物質が、イソシアネート類酸無水物類、及び蛋白質類から選択される少なくとも一つである請求項1記載の方法。

請求項4

既知の呼吸器感作性物質が、トルエンジイソシアネート無水トリメリット酸、及び卵白アルブミンから選択される少なくとも一つである請求項1記載の方法。

請求項5

呼吸器感作症状の定量化を、気管支又は肺の病理組織学的所見のスコア化、気管支肺胞洗浄液中のアレルギー性炎症細胞の数の計測、気管支肺胞洗浄液中のサイトカインの定量、及び血清中免疫グロブリンの定量から選択される少なくとも一つの方法で行う請求項1記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、呼吸器感作性が不明な天然物化学物質の呼吸器感作性強度を、小動物を用いて簡便かつより正確に評価する呼吸器感作性評価方法に関する。

背景技術

0002

近年、天然物や化学物質に起因するアレルギー疾患が増加している。特に、呼吸器における感作は、時に深刻な喘息過敏性肺臓炎等を引き起こし、健康に大きな影響を与える。このような背景の下、個々の天然物や化学物質が、呼吸器感作性を有するか否かについて検証する手法が提案されてきている(例えば、特開2006−136432号公報、Toxicology (2003),184(1), 51-68等)。しかし、上記文献は、ヒトにおいて呼吸器感作性が報告されている物質を小動物に投与して呼吸器感作性を検出することにより呼吸器感作性を確認することや、皮膚感作性が知られている物質を小動物に投与して呼吸器感作性を区別することを目的とするなど、いずれも呼吸器感作性の有無という定性的な評価に留まり、呼吸器感作性の強度などの定量的な評価を行うことについては報告されていない。しかも、これらの手法で、呼吸器感作性が科学的かつ実験的に証明されている物質はわずかしかない。

0003

また、これまでの報告では、呼吸器感作性の試験系提唱していながら、感作の第一段階であるサンプルの生体への侵入経路経皮経鼻であるモデルが用いられているため、呼吸器特異的な吸収性や生体作用などの呼吸器感作発現における重要な要素を正確に反映しない試験系である場合が多いという問題があった。

0004

サンプルの投与経路に起因する上記の問題を解決する手法として、本願出願人らは、サンプルを気管内に直接投与する方法を報告している(特開2006−136432号公報、特開2006−136348号公報)。これらの方法によれば、被験物質を定量的に投与することができるため、呼吸器感作性の有無を検出するという質的評価が可能であるが、上記文献には、定量的評価に対する具体的な示唆はされていない。一方、ある被験物質の呼吸器感作性強度を決定したり、ヒトにとってどれぐらいの有害性を示すかという呼吸器感作性リスクを判断することができる方法が求められている。

0005

特開2006−136432号公報
特開2006−136348号公報
Toxicology (2003),184(1), 51-68

発明が解決しようとする課題

0006

本発明の目的は、化学物質や天然物が直接気管やに到達して誘発される呼吸器感作性の強度を、客観的にしかも簡便な手法で評価する方法に関する。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、既知呼吸器感作性物質標準物質として用い、小動物に誘発させた呼吸器感作の症状を定量化して作成した標準検量線を利用することにより、呼吸器感作性が未知の物質について、呼吸器感作性の強度を客観的に評価することができること、しかも気管内に直接サンプルを投与するため高い定量性に基づき感作性強度を相対的に評価することを見いだし、本発明を完成した。

0008

すなわち、本発明は、呼吸器感作症状を定量化することにより呼吸器感作性の強度を相対的に評価する方法であって、
既知の呼吸器感作物質及び被検物質を種々の濃度で小動物の気管内に直接投与した後、
小動物の気管又は肺に誘発された呼吸器感作症状を、組織学所見スコア化アレルギー性炎症細胞数の計測サイトカインの定量、及び抗体の定量から選択される少なくとも一つの方法で定量的に測定し、次いで
得られた測定結果を被検物質と標準物質との間で相対的に比較することにより被検物質の呼吸器感作強度を判定することを特徴とする呼吸器感作性を評価する方法を提供する。前記小動物としては、例えば、マウスなどが利用される。

0009

本発明における既知の呼吸器感作性物質としては、例えば、トルエンジイソシアネートなどのイソシアネート類無水トリメリット酸などの酸無水物類;及び卵白アルブミンなどの蛋白質類等を利用できる。

0010

本発明における呼吸器感作症状の定量化は、例えば、気管支又は肺の病理組織学的所見のスコア化、気管支肺胞洗浄液中のアレルギー性炎症細胞の数の計測、気管支肺胞洗浄液中の液性成分又は細胞におけるサイトカインの定量、及び血清中免疫グロブリンの定量等の手法で行うことが可能である。

発明の効果

0011

本発明によれば、小型実験動物の気管内にサンプルを直接投与するため、サンプルが皮膚等に接触することがなく、定量性に優れた評価を行うことができる。また、小動物に誘発させた呼吸器感作の症状を定量的に測定する方法を用いて指標値を得、標準物質の指標値と比較することにより、呼吸器感作性が未知の物質について、呼吸器感作性の強度を客観的に、しかも簡便な方法で評価することができる。

発明を実施するための最良の形態

0012

本発明は、呼吸器感作症状を定量化することにより呼吸器感作性の強度を相対的に評価する方法に関する。本発明の特徴の一つは、既知の呼吸器感作物質及び被検物質を種々の濃度で小動物の気管内に直接投与することにある。

0013

小動物としては、飼育装置飼料等のコストの点から体重が70g以下(例えば15〜70g程度)である動物を用いることができ、例えば、マウス、ハムスタースナネズミなどの実験用小型動物が挙げられる。なかでも、実験動物として一般的に利用され、個体差の少ない群が入手可能であり、遺伝的解析が進んでいるマウスが好ましい。

0014

本発明における既知の呼吸器感作物質及び被検物質は、液体の他、粉体などの固体であってもよく、無機物有機物低分子化合物高分子化合物、天然物/合成物のいずれであっても良い。

0015

既知の呼吸器感作物質は、被検物質と比較するための標準物質として用いられる(以下、単に「標準物質」として称する場合がある)。このような既知の呼吸器感作物質としては、呼吸器感作性を具備することが明らかである物質であれば特に限定されず、液体の他、粉体などの固体であってもよく、例えば、卵白アルブミンなどのアレルギー誘因性の評価用サンプル、アレルギータイプの評価用サンプル、コピートナー粉塵などの異物の肺吸入試験用サンプルなどの呼吸器感作性の評価を目的とする種々の物質を用いることができる。これらの中から、被検物質の呼吸感作性強度評価をどの程度の精度で行うかという目的に応じて、既知の呼吸器感作性物質の種類や数を決定すればよい。また、試験系には、少なくとも一つの既知の呼吸器感作性物質が含まれていればよく、必ずしも複数の物質を用いることを要しない。

0016

既知の呼吸器感作物質としては、呼吸器感作を容易に誘発でき、ヒトにおける呼吸器感作性が明らかであって、且つ取扱性に優れる点で、イソシアネート類、酸無水物類、及び蛋白質類等が好ましく用いられる。

0017

イソシアネート類には、呼吸器感作を誘発しうる公知のイソシアネート系化合物を利用できるが、ジイソシアネート類が用いられる場合が多く、具体的には、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネートMDI)、メチレンビス(4,1−シクロヘキシレン)ジイソシアネート等が例示できる。なかでも、トルエンジイソシアネート(TDI)が好ましく用いられる。

0018

酸無水物類には、呼吸器感作性を誘発しうる公知の酸無水物を利用でき、例えば、無水トリメリット酸(TMA)、無水フタル酸無水マレイン酸無水ピロメリット酸(PMDA)等が含まれる。
特に、無水トリメリット酸が好ましく用いられる。

0019

蛋白質類等には、アレルギー誘因性を有する蛋白質や当該蛋白質を含む物質(アレルゲンアレル物質)として公知のものを用いることができる。本発明において、呼吸器感作物質に含まれる蛋白質類等の具体例としては、例えば、卵白アルブミン(OVA)、ラテックスクラスIエンドキチナーゼバナナクリアボガドなどに含まれる)等の他、スギヒノキ花粉ダニ真菌等の生物由来蛋白質等などが含まれる。なかでも、卵白アルブミンが好ましく用いられる。

0020

なお、本発明においては、既知の呼吸器感作物質として用いるものの種類に応じて、被検物質を、上記既知の呼吸器感作物質として例示の物質から選択して用いることもできる。具体的には、例えば、標準物質として既知のアレルゲンタンパクを用い、被検物質として無水トリメリット酸(TMA)の強度を評価し、次いで、前記TMAを標準物質として用い、被検物質として無水ピロメリット酸(PMDA)の強度を評価するなどの態様が挙げられる。

0021

本発明では、1回当たりのサンプル(標準物質や被検物質)投与量は通常100μl以下(例えば0.01〜100μl)である。前記投与量が100μlを越えると、小型動物の肺の容積(通常1ml以下)に対するサンプル量が多すぎるため、呼吸を妨げてしまう。1回当たりのサンプル投与量は、好ましくは0.01〜80μl、より好ましくは0.05〜70μl程度であり、特に0.1〜50μl程度とすることが望ましい。

0022

サンプルの投与回数は、呼吸器感作を誘発可能であれば特に限定されず、一回でも良いが、一定時間をおいて複数回投与される場合が多く、感作の段階、及び惹起の段階の少なくとも2回に分けてサンプル投与されることが好ましい。

0023

サンプルの投与期間は、呼吸器感作を誘発可能であれば特に限定されないが、通常は、サンプルの最初の投与(感作の段階での最初のサンプル投与)から最後の投与(惹起の段階での最後のサンプル投与)までの期間を短くすることが好ましく、例えば、前記期間を1ヶ月以内で行うことが好ましい。

0024

なお、感作の成立の確認は、慣用の方法で行うことができ、例えば、気管支肺胞洗浄液(BALF)の分析、肺及びその周辺組織へのアレルギー性炎症細胞の浸潤気管支周辺リンパ球及び好酸球の浸潤などを含む)、気管支上皮細胞杯細胞の増数、サイトカイン産生パターンの比較などの既知の方法を用いることができる。

0025

なお、「感作の成立の確認」は、感作性の強度を評価する方法と同一又は類似の手法を用いて行うことができ、また、同時に行うこともできる。

0026

投与方法としては、物質を小動物の気管に直接且つ定量的に投与することが可能な方法であれば特に限定されず、例えば、小動物を開口させ、小動物の口から、シリンジスポイト等のサンプル投与手段を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する方法等を用いることができる。好ましくは、特開2001−276231号公報や特開2006−136348号公報等に記載の器具を用いる方法、及び特開2006−136432号公報等に記載の手法などを利用できる。本発明では、動物の個体差の影響を考えて、一群を3体以上用意することが望ましい。

0027

本発明の他の特徴は、小動物の気管又は肺に誘発された呼吸器感作症状を定量的に測定することにある。呼吸器感作症状を定量的に測定する方法とは、呼吸器感作の症状の強度を数値換算可能な方法であって、組織学的所見のスコア化、アレルギー性炎症細胞数の計測、サイトカインの定量、及び抗体の定量からから選択される少なくとも一つの方法を用いることができる。

0028

組織学的所見のスコア化とは、呼吸器感作を誘発させた気管又は肺における感作部位やその周辺を観察し、組織学的判断に基づいて症状を点数化(所見のスコア化)する方法を意味しており、例えば、気管支又は肺の病理組織学的所見のスコア化などを利用できる。気管支又は肺の病理組織学的所見のスコア化の具体例としては、例えば、細気管支や血管周辺のアレルギー性炎症細胞の浸潤程度や、細気管支上皮粘膜粘液亢進像などを、数段階にランク付けし、強度に応じた点数を付与する方法が挙げられる。こうして定量化した後、例えば、被検物質の投与濃度ごとに合計し、測定結果として相対評価に用いることができる。

0029

前記アレルギー性炎症細胞とは、呼吸器感作を直接的又は間接的に受ける細胞であって、呼吸器感作により産生、増殖、浸潤等が亢進する細胞を示す意味に用いる。すなわち、局所におけるアレルギー性炎症細胞の数が、呼吸器感作の強度と比例している。このようなアレルギー性炎症細胞の代表例としては、好酸球、好中球好塩基球などの顆粒球Tリンパ球などの血球系細胞肥満細胞マスト細胞)などが挙げられ、好ましくは、好酸球、リンパ球、肥満細胞(マスト細胞)などが用いられ、特にリンパ球、好酸球等を利用する場合が多い。これらは、例えば、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の濃度や上皮中の存在比率等として数値化して強度の指標値として利用することができる。

0030

本発明では、また、サイトカインや抗体を定量して指標値として利用することができる。前記サイトカインとしては、呼吸器感作により発現誘導若しくは抑制される公知のものから適宜選択でき、例えば、IL−2、IL−12、IFN−γなどのTh1タイプ;IL−4、IL−5、IL−6、IL−10、IL−13などのTh2タイプ;IL−8、GMCSFなどの前炎症性サイトカインなどを利用できる。サイトカインの定量は、例えば、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の液性成分やBALFに含まれる細胞、上皮より採取された細胞中蛋白質濃度遺伝子発現量等を測定する方法で行うことができる。なお、これらのサイトカインは、産生量の変化を強度に反映できればよく、呼吸器感作により産生が促進されるもの、抑制されるもののいずれであってもよい。前記抗体としては、公知の免疫グロブリン等を利用でき、なかでもアレルギー反応において重要なIgEが好適である。抗体の定量は、例えば、血液や血清中の抗体濃度等として測定可能である。

0031

測定結果(点数、スコア等)を相対評価する方法としては、特に限定されないが、例えば、投与濃度群ごとの被検物質の測定結果と、同標準物質の測定結果とを比較し、同程度の測定結果が得られる投与濃度を比較し、同濃度が低い方がより感作性強度が高いと判断する方法が挙げられる。

0032

本発明の呼吸器感作性評価方法によれば、サンプルが気管や肺に直接到達するため、サンプルの呼吸器への感作性をより正確に評価することができ、さらに、呼吸器感作症状を定量化することにより、呼吸器感作症状の強度を簡便な方法で客観的に評価することができる。

0033

以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。

0034

(材料)
小型実験動物:
マウスBALB/c、雌、8〜11週齢を用い
サンプル(標準物質及び被検物質)の投与器具
円錐台形状の開口器唾液除去手段、及び光源を備えた小動物用サンプル投与補助器具
既知の呼吸器感作性物質(標準物質):
卵白アルブミン(OVA)
トルエンジイソシアネート(TDI)
無水トリメリット酸(TMA)
被検物質:
無水ピロメリット酸(PMDA)
ジニトロクロルベンゼンDNCB)
(手法)
感作の成立の確認は、気管支周辺の免疫担当細胞(リンパ球及び好酸球)の浸潤の有無、気管支上皮細胞の杯細胞の増数を観察することにより行った。

0035

実施例
0〜1重量%濃度の標準物質及び被検物質を100μl用い、小動物を仰向けにして開口させ、小動物の口から、小動物用サンプル投与補助器具を挿入し、咽頭部を越えて気管内に直接サンプルを投与する方法でサンプルを投与した。サンプル投与期間は、感作投与を週5回3週間、惹起投与を第4週目から3日間連続で行った。次いで48時間経過後に肺を摘出し病理組織学的所見を得、後述する方法に従ってスコア化し、呼吸器感作症状の強度を相対的評価により決定した。次いで、スコアを投与濃度と所見のスコアを表1及び図1に示す。

0036

評価方法
病理組織学的所見のスコア化
実施例において摘出した肺の病理組織学的所見に基づき、細気管支及び血管周囲の症状ついて、リンパ球の浸潤程度を0.5点、1点、2点の3段階に、好酸球の浸潤程度を1点、2点、4点の3段階にスコア化し、さらに、細気管支上皮粘膜の粘液亢進像を1点、2点の2段階にスコア化した。標準物質及び被検物質の投与濃度群につき、これらの点数の合計を算出し、平均した値をその群の点数(スコア、指標値)とした。

0037

呼吸器感作症状の強度の相対的評価
図1に示されるように、標準物質として用いたOVA、TDI、TMAについて、いずれも濃度依存的なスコアの上昇が認められた。より詳細には、スコアが4〜5である濃度は、OVAが0.01%、TDIが0.05%、TMAが0.5%であった。ここで、皮膚感作性試験法として知られている局所リンパ節試験LLNA)の改変法であるLLNA−DAで評価した際のEC3値(感作性の強度の指標値)は、TDIが0.05%、TMAが0.20%であり、本実施例の結果と相対的強度がほぼ一致していた。一方水溶性タンパク質抗原であるOVAは、その分子量から皮膚感作性を有さないと予想されるが、呼吸器感作性強度はTDI以上であると判明した。
PMDAは、従来、呼吸器感作性が疑われているが正確な評価が実施されていなかった物質である。このPMDAを被検物質に用いたところ、スコア4〜5を示す濃度は1%であった。従って、PMDAの呼吸器感作性強度は、TMAよりはやや弱いかほぼ同等であると評価できる。一方、DNCBは、皮膚感作性物質として知られ、LLNAの評価では、TDIに匹敵する皮膚感作性を示すが、本評価方法によれば、濃度0.5%で投与してもスコアの有意な上昇を認めず、呼吸器感作性が極めて弱いことが証明された。

0038

以上の結果から、本発明に寄れば、既知の呼吸器感作性物質を標準物質として用いた試験系において、呼吸器感作症状を定量化した結果を相対的に比較することで、呼吸器感作性及びその強度が未知な被験物質についてその呼吸器感作性強度を客観的に評価できることが示された。

0039

図面の簡単な説明

0040

実施例で得た所見のスコアを感作濃度に対してプロットしたグラフである。

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