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技術 窒化ガリウム結晶の成長方法および窒化ガリウム結晶基板

出願人 住友電気工業株式会社
発明者 藤原伸介上村智喜宮永倫正
出願日 2007年3月16日 (14年2ヶ月経過) 出願番号 2007-069039
公開日 2008年10月2日 (12年7ヶ月経過) 公開番号 2008-230868
状態 未査定
技術分野 結晶、結晶のための後処理 CVD 発光ダイオード LED素子(パッケージ以外)
主要キーワード 切り出し面 六角錘状 液相エッチング MBE法 サファイア結晶 窒化アルミニウム結晶 結晶成長表面 高周波加熱コイル
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図面 (6)

課題

解決手段

窒化ガリウム結晶の成長方法は、窒化アルミニウム結晶の主面上に、ハイドライド気相成長法により窒化ガリウム結晶を成長させる方法であって、その主面は窒化アルミニウム結晶の(0001)Al表面であり、窒化ガリウム結晶の成長温度が1100℃より高く1400℃より低いことを特徴とする。

概要

背景

GaN結晶は、発光素子電子素子半導体センサなどの半導体デバイスを形成するための材料として非常に有用なものである。かかるGaN結晶を作製するための方法としては、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy;ハイドライド気相成長)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy;分子線エピタキシ)法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;有機金属化学気相堆積)法などの気相成長法が提案されている(たとえば、Akira Usui,他3名,“Thick GaN Epitaxial Growth with Low Dislocation Density by Hydride Vapor Phase Epitaxy”,Jpn. J. Appl. Phys.,Vol. 36,(1997),L899-L902(以下、非特許文献1という)を参照)。

上記の気相成長法においては、GaN結晶を成長させるための基板が必要となるが、GaN結晶は高価で入手が困難であるため、入手が容易で安価な炭化ケイ素基板(以下、SiC基板ともいう)、ケイ素基板(以下、Si基板ともいう)、サファイア基板などGaNと化学組成の異なる異種基板上にGaN結晶を成長させる。ここで、SiC基板、Si基板またはサファイア基板とGaN結晶とでは格子定数および線膨張係数が異なるため、結晶性の高いGaN結晶を成長させるために、SiC基板、Si基板またはサファイア基板上に非結晶窒化アルミニウム(AlN)または窒化ガリウム(GaN)のバッファ層を形成し、その後昇温してバッファ層を結晶化させた後、その上にGaN結晶を成長させることが行なわれている(たとえば、H. Amano,他3名,“Metalorganic vapor phase epitaxial growth of a high quality GaN film using an AlN buffer layer”,Appl. Phys. Lett.,Vol. 48,No. 5,(1986),353-355(以下、非特許文献2という)を参照)。

しかし、非特許文献1および非特許文献2に開示される結晶成長方法では、成長させるGaN結晶の厚さが大きくなるほど、割れクラック)が生じやすい。また、上記バッファ層は完全な単結晶ではないため、結晶性のよいGaN結晶を成長させることは困難であった。

ここで、MBE法およびMOCVD法は、結晶の成長速度が低く、厚いGaN結晶を作製するためには不利である。また、HVPE法は、MBE法およびMOCVD法に比べて結晶の成長速度が高く、厚い結晶を容易に作製できる点で有利であるが、結晶成長面凹凸が形成されやすく、成長させた結晶から得られる基板の歩留まりが低下するという問題があった。
Akira Usui,他3名,“Thick GaN Epitaxial Growth with Low Dislocation Density by Hydride Vapor Phase Epitaxy”,Jpn. J. Appl. Phys.,Vol. 36,(1997),L899-L902
H. Amano,他3名,“Metalorganic vapor phase epitaxial growth of a high quality GaN film using an AlN buffer layer”,Appl. Phys. Lett.,Vol. 48,No. 5,(1986),353-355

概要

結晶成長面が平坦結晶成長速度が高いGaN結晶の成長方法を提供する。本窒化ガリウム結晶の成長方法は、窒化アルミニウム結晶の主面上に、ハイドライド気相成長法により窒化ガリウム結晶を成長させる方法であって、その主面は窒化アルミニウム結晶の(0001)Al表面であり、窒化ガリウム結晶の成長温度が1100℃より高く1400℃より低いことを特徴とする。

目的

本発明は、上記問題点を解決するため、結晶成長面が平坦で結晶成長速度が高いGaN結晶の成長方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

窒化アルミニウム結晶の主面上に、ハイドライド気相成長法により窒化ガリウム結晶成長させる方法であって、前記主面は前記窒化アルミニウム結晶の(0001)Al表面であり、前記窒化ガリウム結晶の成長温度が1100℃より高く1400℃より低いことを特徴とする窒化ガリウム結晶の成長方法

請求項2

前記窒化ガリウム結晶の成長温度が1200℃以上1300℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム結晶の成長方法。

請求項3

前記窒化アルミニウム結晶は、炭化ケイ素基板上に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化ガリウム結晶の成長方法。

請求項4

前記窒化アルミニウム結晶は、昇華法により成長させられることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の窒化ガリウム結晶の成長方法。

請求項5

前記窒化ガリウム結晶は、3mm以上の厚さに成長させられることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の窒化ガリウム結晶の成長方法。

請求項6

請求項1から請求項5までのいずれかの成長方法により成長させた窒化ガリウム結晶を加工して得られる窒化ガリウム結晶基板

技術分野

0001

本発明は、発光素子電子素子半導体センサなどの半導体デバイス基板などに用いられる窒化ガリウム結晶(以下、GaN結晶ともいう)の成長方法に関する。さらに詳しくは、結晶性のよいGaN結晶が高い結晶成長速度歩留まりよく得られるGaN結晶の成長方法およびGaN結晶基板に関する。

背景技術

0002

GaN結晶は、発光素子、電子素子、半導体センサなどの半導体デバイスを形成するための材料として非常に有用なものである。かかるGaN結晶を作製するための方法としては、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy;ハイドライド気相成長)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy;分子線エピタキシ)法、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;有機金属化学気相堆積)法などの気相成長法が提案されている(たとえば、Akira Usui,他3名,“Thick GaN Epitaxial Growth with Low Dislocation Density by Hydride Vapor Phase Epitaxy”,Jpn. J. Appl. Phys.,Vol. 36,(1997),L899-L902(以下、非特許文献1という)を参照)。

0003

上記の気相成長法においては、GaN結晶を成長させるための基板が必要となるが、GaN結晶は高価で入手が困難であるため、入手が容易で安価な炭化ケイ素基板(以下、SiC基板ともいう)、ケイ素基板(以下、Si基板ともいう)、サファイア基板などGaNと化学組成の異なる異種基板上にGaN結晶を成長させる。ここで、SiC基板、Si基板またはサファイア基板とGaN結晶とでは格子定数および線膨張係数が異なるため、結晶性の高いGaN結晶を成長させるために、SiC基板、Si基板またはサファイア基板上に非結晶窒化アルミニウム(AlN)または窒化ガリウム(GaN)のバッファ層を形成し、その後昇温してバッファ層を結晶化させた後、その上にGaN結晶を成長させることが行なわれている(たとえば、H. Amano,他3名,“Metalorganic vapor phase epitaxial growth of a high quality GaN film using an AlN buffer layer”,Appl. Phys. Lett.,Vol. 48,No. 5,(1986),353-355(以下、非特許文献2という)を参照)。

0004

しかし、非特許文献1および非特許文献2に開示される結晶成長方法では、成長させるGaN結晶の厚さが大きくなるほど、割れクラック)が生じやすい。また、上記バッファ層は完全な単結晶ではないため、結晶性のよいGaN結晶を成長させることは困難であった。

0005

ここで、MBE法およびMOCVD法は、結晶の成長速度が低く、厚いGaN結晶を作製するためには不利である。また、HVPE法は、MBE法およびMOCVD法に比べて結晶の成長速度が高く、厚い結晶を容易に作製できる点で有利であるが、結晶成長面凹凸が形成されやすく、成長させた結晶から得られる基板の歩留まりが低下するという問題があった。
Akira Usui,他3名,“Thick GaN Epitaxial Growth with Low Dislocation Density by Hydride Vapor Phase Epitaxy”,Jpn. J. Appl. Phys.,Vol. 36,(1997),L899-L902
H. Amano,他3名,“Metalorganic vapor phase epitaxial growth of a high quality GaN film using an AlN buffer layer”,Appl. Phys. Lett.,Vol. 48,No. 5,(1986),353-355

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記問題点を解決するため、結晶成長面が平坦で結晶成長速度が高いGaN結晶の成長方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、窒化アルミニウム結晶の主面上に、ハイドライド気相成長法により窒化ガリウム結晶を成長させる方法であって、その主面は窒化アルミニウム結晶の(0001)Al表面であり、窒化ガリウム結晶の成長温度が1100℃より高く1400℃より低いことを特徴とする窒化ガリウム結晶の成長方法である。

0008

本発明にかかる窒化ガリウム結晶の成長方法は、窒化ガリウム結晶の成長温度を1200℃以上1300℃以下ですることができる。また、窒化アルミニウム結晶は、炭化ケイ素基板上に形成され得る。また、窒化アルミニウム結晶は、昇華法により成長させられ得る。また、窒化ガリウム結晶は、3mm以上の厚さに成長させられ得る。

0009

また、本発明は、上記の成長方法により成長させた窒化ガリウム結晶を加工して得られる窒化ガリウム結晶基板である。

発明の効果

0010

本発明によれば、結晶成長面が平坦で結晶成長速度が高いGaN結晶の成長方法を提供することができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

(実施形態1)
本発明にかかる窒化ガリウム結晶(GaN結晶)の成長方法の一実施形態は、図1を参照して、窒化アルミニウム結晶(AlN結晶)1の主面上に、ハイドライド気相成長法により窒化ガリウム結晶(GaN結晶)3を成長させる方法であって、その主面は窒化アルミニウム結晶(AlN結晶)1の(0001)Al表面であり、窒化ガリウム結晶(GaN結晶)3の成長温度が1100℃より高く1400℃より低いことを特徴とする。

0012

AlN結晶は、SiC結晶Si結晶またはサファイア結晶などに比べて、GaN結晶と同じ結晶構造をとり、また結晶定数も近い。このため、結晶性が高いAlN結晶であれば、その主面上に、バッファ層を形成することなく、直接結晶性の高いGaN結晶を成長させることができる。

0013

AlN結晶1において、その上にGaN結晶3を成長させる主面は、特に制限はないが、AlN結晶の主面が大きく大口径のGaN結晶が得られる観点から、(0001)表面であることが好ましい。ここで、(0001)Al表面とは、(0001)Al面に対して実質的に平行な表面を意味する。たとえば、(0001)Al表面には、その表面と(0001)面とのなすオフ角が5°以下のAl表面(Al原子が現われている表面をいう)が含まれる。なお、かかるオフ角は、X線回折により測定することができる。

0014

また、AlN結晶1において、その主面にAl原子面が現われる場合と、N原子面が現われる場合がある。ここで、Al原子が現われる表面(Al表面)には、結晶成長面がGa表面であるGaN結晶が成長し、N原子が現われる表面(N表面)には結晶成長面がN表面であるGaN結晶が成長する。ここで、GaN結晶成長においては、Ga表面を結晶成長面として成長する場合が、他の場合に比べて結晶性が高くなる。したがって、AlN結晶の主面である(0001)Al表面が、(0001)面に対して小さなオフ角(たとえば、5°以下)を有していても、GaN結晶はGa表面を結晶成長面として成長するため、結晶性の高いGaN結晶が得られる。

0015

GaN結晶は、HVPE法により成長させる。HVPE法によるGaN結晶の成長においては、たとえば、図4に示すようなHVPE装置10を用いる。このHVPE装置10は、反応容器11にAlN結晶1が主面上に形成されたSiC基板9を載せるためのサセプタ13、AlN結晶1上にガリウム原料ガス6を導入するためのガリウム原料ガス導入口11a、AlN結晶1上に窒素原料ガス7を導入するための窒素原料ガス導入口11b、反応後のガスを排気するための排気口11c、AlN結晶1を加熱するためにサセプタ13内に組み込まれたヒータ15、反応容器11を加熱するためのヒータ17が配設されている。また、サセプタ13はその上に載置される基板を回転させることができる。

0016

図4を参照して、上記HVPE装置10を用いて、たとえば、以下のようにしてGaN結晶を作製することができる。反応容器11内に設置されたサセプタ13上に、主面上にAlN結晶1が形成されたSiC基板9を配置し、ガリウム原料ガス6としてたとえばGaClガスを、窒素原料ガス7としてたとえばNH3ガスを、反応容器11内に導入して、ガリウム原料ガス6と窒素原料ガス7とを反応させて、AlN結晶1上にGaN結晶3を成長させる。ガリウム原料ガス6の分圧を50Pa〜1×104Pa程度、窒素原料ガス7の分圧を5×103Pa〜5×104Pa程度、ガリウム原料ガス6と窒素原料ガス7とのガス比モル比)を1:10〜1:1000程度、GaN結晶の成長温度は、通常は1000℃〜1100℃で、本実施形態においては1100℃より高く1400℃より低くする。

0017

ここで、ガリウム原料ガスおよび窒素原料ガスの導入に際しては、H2ガス、N2ガスまたはArガスなどのキャリアガスを用いることができる。ガリウム原料ガスまたは窒素原料ガスに上記キャリアガスを加えることにより、ガリウム原料ガスまたは窒素原料ガスの導入量を安定化させるとともに、ガリウム原料ガスと窒素原料ガスとの反応性を調節することができ、効率よく結晶性のよいGaN結晶が得られる。

0018

上記、HVPE法は、MBE法およびMOCVD法に比べて結晶の成長速度が高く、厚い結晶を容易に作製できる。しかし、図1を参照して、HVPE法において通常用いられる結晶成長温度1000℃以上1100℃以下でAlN結晶の主面上にGaN結晶を成長させると、結晶成長面3gに複数のファセット3fにより構成される六角錘状の凹部3pが形成されやすく、結晶成長面3gが凹凸面となりやすいため、成長させたGaN結晶3から得られるGaN結晶基板3sの歩留まりが低下する。

0019

上記凹部3pの形成を抑制し、結晶成長面3gを平坦化させて、成長させたGaN結晶から得られる基板の歩留まりを高めるため、GaN結晶の成長温度は、GaN結晶から1100℃よりも高くする。また、結晶成長速度を高く維持するため、GaN結晶の成長温度は1400℃よりも低くする。かかる観点から、GaN結晶の成長温度は、1100℃より高く1400℃より低いことが必要であり、1200℃以上1300℃以下であることが好ましい。

0020

なお、下地基板としてGaN基板を用いて、上記の1100℃より高く1400℃より低い結晶成長温度でGaN結晶を成長させると、GaN基板の(000−1)N面側から分解が生じやすい。特に、1250℃を超える場合には、GaN基板の分解が大きくなる。このため、GaN基板においては、本実施形態の温度領域、特に1250℃以上の高温におけるGaN結晶の成長は困難である。

0021

また、SiC基板、Si基板またはサファイア基板上にGaNまたはAlNのバッファ層を形成し、その上に1100℃より高く1400℃より低い結晶成長温度でGaN結晶を成長させる場合は、GaNまたはAlNのバッファ層の分解がSiC基板、Si基板またはサファイア基板によって抑制されるが、成長させるGaN結晶に割れ(クラック)が発生しやすい。かかる割れの発生は、バッファ層に起因する多量の転位が結晶成長面3gで発生し、これらの転位が成長によって合体消滅する際に発生する応力によるものと考えられる。

0022

本実施形態のGaN結晶の成長方法において、GaN結晶を成長させるためのAlN結晶は、自立結晶基板であっても、他の基板上に形成された結晶層であってもてもよい。自立AlN結晶基板は、他の基板上に形成されたAl結晶層に比べて、結晶性がよくまた反りが少ないため、結晶性のよいGaN結晶を成長させることができる。しかし、自立AlN結晶基板は高価であり大口径の基板の入手が困難である。これに比べて、他の基板、たとえばSiC基板は廉価であり大口径の基板の入手が容易である。かかる観点から、図1(a)を参照して、AlN結晶1は、SiC基板9の主面9m上に形成されていることが好ましい。

0023

本実施形態のGaN結晶の成長方法において、図1(a)を参照して、AlN結晶1は、昇華法により成長させられることが好ましい。ここで、本実施形態における昇華法とは、図5を参照して、AlN粉末などのAlN原料5を昇華させた後、再度固化させてAlN結晶1を得る方法をいう。昇華法による結晶成長においては、たとえば、図5に示すような高周波加熱方式の縦型の昇華炉20を用いる。この縦型の昇華炉20における反応容器21の中央部には、排気口23cを有する窒化ケイ素(BN)製の坩堝23が設けられ、坩堝23の周りに坩堝23の内部から外部への通気を確保するように加熱体25が設けられている。また、反応容器21の外側中央部には、加熱体25を加熱するための高周波加熱コイル27が設けられている。さらに、反応容器21の端部には、反応容器21の坩堝23の外部にN2ガスを流すためのN2ガス導入口21aおよびN2ガス排気口21cと、坩堝23の下面および上面の温度を測定するための放射温度計29が設けられている。

0024

図5を参照して、上記縦型の昇華炉20を用いて、たとえば、以下のようにして本実施形態で用いられるAlN結晶1を作製することができる。坩堝23の下部にAlN粉末などのAlN原料5を収納し、反応容器21内にN2ガスを流しながら、高周波加熱コイル27を用いて加熱体25を加熱することにより坩堝23内の温度を上昇させて、坩堝23のAlN原料5側の温度を、それ以外の部分の温度よりも高く保持することによって、AlN原料5からAlNを昇華させて、坩堝23の上部でAlNを再度固化させてAlN結晶1を成長させる。ここで、坩堝23の上部にAlN結晶を成長させるための下地基板(たとえば、SiC基板9)を配置することにより、この下地基板上にAlN結晶1を成長させることができる。

0025

ここで、AlN結晶1の成長中は、坩堝23のAlN原料5側の温度は1800℃〜2200℃程度とし、坩堝22の上部のSiC基板9の温度をAlN原料5側の温度より1℃〜100℃程度低くすることにより、SiC基板のような異種基板上の成長であっても、他の成長方法では得られない結晶性のよいAlN結晶1が得られる。また、結晶成長中も反応容器21内の坩堝22の外側にN2ガスを、ガス分圧が101.3hPa〜1013hPa程度になるように流し続けることにより、AlN結晶1への不純物混入を低減することができる。

0026

なお、坩堝23内部の昇温中は、坩堝23のAlN原料5側の温度よりもそれ以外の部分の温度を高くすることにより、坩堝23内部の不純物を排気口23cを通じて除去することができ、AlN結晶1への不純物の混入を低減することができる。

0027

上記昇華法によって、転位密度が1×106cm-2以下である結晶性のよいAlN結晶1が得られる。なお、昇華法の条件を最適化することによって、AlN結晶1の転位密度を1×103cm-2〜1×105cm-2程度まで低減することが可能である。

0028

上記のように、昇華法によれば、下地基板の有無にかかわらず、結晶性のよいAlN結晶が得られるからである。大口径のAlN結晶が得られる観点から、下地基板上にAlN結晶を成長させることが好ましい。下地基板としては、成長させるGaN結晶に対して格子定数が近く、またAlN昇華法での成長雰囲気下であっても分解しない観点から、SiC基板が好ましい。

0029

本実施形態のGaN結晶の成長方法において、図1(b)を参照して、GaN結晶は、その厚さTが3mm以上になるように成長させられることが好ましい。GaN結晶の厚さTを3mm以上とすることにより、GaNとAlNとの熱膨張係数の差に起因してGaN結晶成長後の冷却の際に生じる熱応力によって、GaN結晶に割れ(クラック)が発生することなく、AlN結晶(たとえば、自立AlN結晶基板またはSi基板上に形成されたAlN結晶層)からGaN結晶を剥離することができる。

0030

(実施形態2)
本発明にかかる窒化ガリウム結晶基板(以下、GaN結晶基板ともいう)は、図1(c)を参照して、実施形態1の成長方法により成長させた窒化ガリウム結晶(GaN結晶)3を加工して得られるGaN結晶基板3sである。

0031

本実施形態のGaN結晶基板は、実施形態1の成長方法により成長させたGaN結晶を加工したものであるため、結晶性の高いGaN結晶基板が効率的に歩留まりよく得られる。

0032

ここで、GaN結晶3を加工する方法には、特に制限はないが、たとえば、図1(c)を参照して、GaN結晶3を切り出すことによりGaN結晶基板3sが得られる。切り出し面は、特に制限はないが、大口径の基板を得る観点から、AlN結晶1の主面1mに平行な面であることが好ましい。また、GaN結晶基板3sは、その主面3sm上に結晶性のよい半導体層を形成させる観点から、その主面3smが研磨またはエッチングなどにより鏡面化されることが好ましい。研磨方法は、特に制限はなく、機械的研磨方法、化学機械的研磨方法(CMP)が好ましく用いられる。エッチング方法は、特に制限はなく、気相エッチング液相エッチングが好ましく用いられる。

0033

1.AlN結晶の準備
図1(a)および図2を参照して、直径4インチ(101.6mm)で厚さ0.5mmの6H−SiC基板9(主面9mが(0001)Si面に対して4°のオフ角を有する)上に、昇華法により厚さ5〜10μmのAlN結晶層(AlN結晶1)を成長させた。成長したAlN結晶層(AlN結晶1)の主面の面方位は、X線回折により測定したところ、(0001)Al面であり、すなわち、AlN結晶1の主面と(0001)面とのなすオフ角は4°であった。なお、図1(a)は、図2のIAにおける断面図に相当する。AlN結晶1の成長温度として、放射温度計によりSiC基板の裏面(000−1)C面側の温度を測定したところ、1850℃であった。図1(a)および図2を参照して、AlN結晶層(AlN結晶1)は、SiC基板9上にほぼ均一に平坦に成長していたが、光学顕微鏡により観察したところ、平均直径が100〜200μm程度の不定形ピット1p(AlN結晶1が成長していない部分をいう、以下同じ)が、20cm-2の密度で存在していた。ここで、また、このAlN結晶層(AlN結晶1)は、(0004)面についてのX線回折ピーク半値幅が30arcsecと結晶性が高く、溶融KOH/NaOHによるエッチングにより測定した平均転位密度が1×106cm-2と低かった。なお、上記AlN結晶層(AlN結晶1)のピット1pは、AlN結晶層の厚さが大きくなると消滅する場合もある。

0034

2.GaN結晶の成長
図1(b)を参照して、上記昇華法によって得られた転位密度が低く結晶性の高いAlN結晶層(AlN結晶1)上に、HVPE法によりGaN結晶3を成長させた。

0035

具体的には、図4を参照して、反応容器11内のサセプタ13上に、主面9m上にAlN結晶1が形成されたSiC基板9を配置し、反応容器11に、GaClガス(ガリウム原料ガス6)およびNH3ガス(窒素原料ガス8)を導入した。GaClガスおよびNH3ガスのキャリアガスとしてH2ガスを用いた。ここで、GaClガスの分圧を2×103Paとし、NH3ガスの分圧を2×104Paとし、GaClガス、NH3ガスおよびH2ガスの総流量を20SLM(SLMとは、standard liter per minuteの略であり、標準状態(1013hPa、0℃)における1分間当たりの流量をリットルで表した単位をいう)とした。

0036

また、GaN結晶の成長温度は、GaN結晶成長中のAlN結晶の温度を測定することができないため、サセプタ13上に熱電対を組み込んだセラミックス基板(たとえば、AlNセラミック基板)を配置し(図示せず)、上記GaN結晶の成長条件とに合わせた設定条件でHVPE装置10を運転したときのセラミックス基板の温度とした。実際は、このセラミックス基板の温度が所定温度となるようにHVPE装置10の条件設定を行ない、この条件で上記GaN結晶を成長させた。ここで、GaN結晶の成長温度を、1050℃(比較例1)、1100℃(比較例2)、1150℃(実施例1)、1200℃(実施例2)、1250℃(実施例3)、1300℃(実施例4)、1350℃(実施例5)、1400℃(比較例3)、1450℃(比較例4)として、それぞれ、GaN結晶を成長させた。GaN結晶の成長時間は、いずれの場合も50時間とした。このときの、GaN結晶の成長速度は、それぞれ、510μm/hr(比較例1)、460μm/hr(比較例2)、350μm/hr(実施例1)、330μm/hr(実施例2)、310μm/hr(実施例3)、240μm/hr(実施例4)、50μm/hr(実施例5)、15μm/hr(比較例3)であった。比較例4の場合は、GaN結晶が成長していなかった。結果を表1にまとめた。

0037

3.GaN結晶の評価
1050℃〜1300℃の温度範囲内でGaN結晶を成長させた場合は、割れ(クラック)の発生のない直径4インチ(101.6mm)のGaN結晶が得られた(比較例1,2、実施例1〜4)。また、これらの結晶は、HVPE装置から取り出た時には、AlN結晶およびSiC基板が割れてGaN結晶から剥離していた。1350℃でGaN結晶を成長させた場合は、GaN結晶、AlN結晶およびSiC基基板が、いずれも割れていた(実施例5)。また、1400℃でGaN結晶を成長させた場合は、GaN結晶が割れてAlN結晶が形成されたSiC基板から剥離していた(比較例3)。結果を表1にまとめた。

0038

図1(b)および図3を参照して、得られたGaN結晶3の結晶成長表面3gには、(0001)Ga面3cが現われた。この結晶成長面3gにおける(0001)Ga面3cの出現は、GaN結晶のX線回折により確認された。さらに、結晶成長温度が低い場合は、結晶成長表面3gに複数のファセット3fで構成される凹部3pが形成され、結晶成長面3gは凹凸面となった。結晶成長面3gの平坦性を、以下に定義する(0001)Ga面占有率(%)で評価した。以下に定義するように、(0001)Ga面占有率が高いほど結晶成長面が平坦であることを示し、(0001)Ga面占有率が低いほど結晶成長面の凹凸が大きいことを示す。なお、図1(b)は、図3のIBにおける断面図に相当する。

0039

(0001)Ga面占有率(%)は、AlN結晶の主面1mからの厚さTが10mmに成長したときのGaN結晶3の結晶成長面3gの総面積Sに対する(0001)Ga面の面積Scの百分率と定義し、次式(1)
(0001)Ga面占有率(%)=100×Sc/S (1)
で表わされる。ただし、結晶成長温度が1350℃および1400℃の場合は、GaN結晶が10mmまでの厚さまで成長していなかったため、結晶成長後の厚さにおける結晶成長面の(0001)Ga面占有率とした。なお、上記Sは、結晶成長面3gにおける凹部3pの面積Spと上記Scとの和である。

0040

ここで、(0001)Ga面占有率(%)の測定は、所定の厚さに成長させたGaN結晶の結晶成長面を蛍光顕微鏡で観察することにより行なった。蛍光顕微鏡によれば、蛍光強度の違いにより(0001)Ga面3cの部分と凹部3pの部分との判別が可能である。

0041

本実施例においては、ピット1pが存在するAlN結晶上にGaN結晶を成長させたが、ピット1pが存在しないAlN結晶上にGaN結晶を成長させた場合でも、GaN結晶の結晶成長面に(0001)Ga面3cの部分と凹部3pとが生じることが確認されている。

0042

GaN結晶の成長温度と(0001)Ga面占有率との関係は、1050℃のとき12%(比較例1)、1100℃のとき75%(比較例2)、1150℃のとき91%(実施例1)、1200℃のとき97%(実施例2)、1250℃〜1400℃の範囲内のとき100%(実施例3〜5、比較例3)であった。結果を表1にまとめた。

0043

また、GaN結晶の成長温度と(0004)面についてのX線回折ピークの半値幅との関係は、それぞれ、1050℃のとき150arcsec(比較例1)、1100℃のとき90arcsec(比較例2)、1150℃のとき40arcsec(実施例1)、1200℃のとき30arcsec(実施例2)、1250℃のとき20arcsec(実施例3)、1300℃のとき20arcsec(実施例4)、1350℃のとき40arcsec(実施例5)、1400℃のとき70arcsec(比較例3)であった。結果を表1にまとめた。

0044

0045

表1を参照して、(0001)Ga面占有率については、結晶成長温度が1050℃、1100℃と低いときは低いが(比較例1,2)、結晶成長温度が1150℃では91%に向上し(実施例1)、結晶成長温度が1200℃では97%に向上し(実施例2)、結晶成長温度が1250℃〜1400℃の範囲では100%となった(実施例3〜5、比較例3)。

0046

また、結晶成長速度については、結晶成長温度が1050℃から1200℃まで低下しているが(比較例1,2、実施例1,2)、これは結晶成長面が凹凸面から平坦面に移行することによる見かけ上の成長速度の低下と考えられる。結晶成長温度が1200℃から1300℃までは結晶成長速度の低下の割合が小さい(実施例2〜4)。結晶成長温度が1300℃より高くなると結晶成長速度が急激に低下し(実施例5、比較例3)、結晶成長温度が1450℃ではGaN結晶が成長しなかった(比較例4)。

0047

したがって、以上のことから、AlN結晶上に、HVPE法により、1100℃より高く1400℃より低い結晶成長温度で、好ましくは1200℃以上1300℃以下の結晶成長温度で、GaN結晶を成長させることにより、高い結晶成長速度で結晶成長面の平坦性が高いGaN結晶を成長させることができることがわかった。

0048

また、1100℃より高く1400℃より低い結晶成長温度で成長されたGaN結晶は、(0004)面についてのX線回折ピークの半値幅が20arcsec〜40arcsecであり、優れた結晶性を有することがわかった。

0049

今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。

図面の簡単な説明

0050

AlN結晶上にGaN結晶を成長させる方法の一実施形態を示す概略断面図である。ここで、(a)はAlN結晶を示す概略断面図であり、(b)はGaN結晶を成長させる様子を示す概略断面図であり、(c)はGaN結晶を加工する様子を示す概略断面図である。
AlN結晶を示す概略平面図である。
成長したGaN結晶を示す概略平面図である。
本発明において、GaN結晶を成長させるためのHVPE装置を示す概略断面図である。
本発明において、AlN結晶を成長させるための昇華炉を示す概略断面図である。

符号の説明

0051

1AlN結晶、1m,3sm,9m 主面、1pピット、3GaN結晶、3c (0001)Ga面、3fファセット、3g結晶成長面、3p 凹部、3sGaN結晶基板、5 AlN原料、6ガリウム原料ガス、7窒素原料ガス、9SiC基板、10HVPE装置、11,21反応容器、11a ガリウム原料ガス導入口、11b 窒素原料ガス導入口、11c,23c排気口、13サセプタ、15,17ヒータ、20昇華炉、21a N2ガス導入口、21c N2ガス排気口、23坩堝、25加熱体、27高周波加熱コイル、29放射温度計。

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