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技術 ブラシレスDCモータの駆動装置およびそれを搭載した換気送風装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 白石松夫伊藤温元
出願日 2007年3月6日 (14年2ヶ月経過) 出願番号 2007-055598
公開日 2008年9月18日 (12年7ヶ月経過) 公開番号 2008-220077
状態 特許登録済
技術分野 無整流子電動機の制御
主要キーワード 同駆動装置 高速増幅器 誘起電圧検出回路 通電切替 センサレス駆動回路 換気送風装置 誘起電圧検出 大モータ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

ブラシレスDCモータを搭載した換気送風装置において、微風量で長時間安定して換気することや、ブラシレスDCモータが脱調して停止した場合においても、確実に脱調を検出し安全に停止すること及び小型化、低コスト化を目的とする。

解決手段

1相の誘起電圧手段12と電流検出手段7を備え、回転子位置推定手段8はモータ電流値が大きい場合、電流検出手段7、小さい場合誘起電圧検出手段12より回転子の位置を推定することによって、低速回転の場合でも安定して駆動し、異常検出手段11は誘起電圧検出手段12と電流検出手段7より推定された位相差より脱調を検出して停止させる。

概要

背景

従来、この種のブラシレスDCモータやその駆動装置は効率が良く(省電力)耐久性に勝れていることから長時間に渡り駆動される換気送風装置、例えばレンジフード天井埋込形換気扇に搭載されている。また、換気送風装置の小型化や低コスト化の要求から、ブラシレスDCモータやその駆動装置の小型化や低コスト化が求められている。更に、快適性の向上のために微風量で長時間安定して換気することや大風量で短時間に換気することと共に、ブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、確実に脱調を検出し安全に停止することが求められている。

図5は従来の天井埋込形換気扇にブラシレスDCモータ及びその駆動装置を搭載し、実際に天井に設置された例を示している。図5(a)は天井埋込形換気扇の説明図であり、天井埋込換気扇118はケーシング115にブラシレスDCモータ102及びブラシレスDCの駆動装置112を取り付け、回転子104に送風ファン116を取り付けた構造であり、この天井埋込形換気扇を天井に取り付け、ブラシレスDCモータ102をその駆動装置112によって駆動して室内から室外に換気を行う。図5(b)は天井埋込形換気扇の設置状態を示し、天井埋込形換気扇118は天井120に埋め込まれ、室内の空気はダクト119を通して外壁121に隔てられた室外に排出することによって換気を行う。

図6、図7及び図8は従来の回転子の位置を固定子コイルに発生する誘起電圧を検出することによって、ブラシレスDCモータの固定子巻線誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加するモータ電圧との位相から回転子の位置を推定し、目標位相追従するように通電を制御するものが知られている。(例えば特許文献1参照)また、ブラシレスDCモータの脱調による異常過大モータ電流値を検出して停止するブラシレスDCモータの駆動装置が知られている。以下、そのブラシレスDCモータの駆動装置の動作について説明する。

図6に示すように、直流電源105は、インバータ回路101に直流電圧を供給する。インバータ回路101は3相インバータブリッジの構成であり、Q1,Q2,Q3はそれぞれU,V,W相の上アームスイッチング素子であり、同様にQ4,Q5,Q6はそれぞれU,V,W相の下アームスイッチング素子である。各スイッチング素子には、それぞれ並列還流ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6を接続する。ブラシレスDCモータ102は固定子103と回転子104から構成され、固定子103には電気角で120度の位相差を持つように3相固定子巻線LU,LV,LWが配置される。また、固定子巻線には誘起電圧検出手段114であるPU,PV,PWが接続され、直流電源105の1/2電圧113と比較して回転子の位置を推定する位置検出信号を出力し、ブラシレスDCモータの駆動装置112のマイクロコンピュータ110に内蔵された回転子位置検出手段118に出力される。回転子位置推定手段118は位置検出信号より、あらかじめ記憶しておいた固定子巻線LU,LV,LWに誘起される誘起電圧と固定子巻線LU,LV,LWに印加するモータ電圧の位相関係から回転子の位置を推定し、通電手段108に出力する。誘起電圧検出手段114の電子部品の一例としてコンパレータがある。通電手段108は入力した位置検出信号より目標位相に追従するように通電信号を決定し、異常検出手段109に出力する。

直流電源105とスイッチング素子の間には、図示するように電流検出抵抗106を配置する。マイクロコンピュータ110に内蔵された電流検出手段107は電流検出抵抗106より出力されたモータ電流値の電圧をA/D変換器ディジタル値に変換し、モータ電流値を認識する。異常検出手段109は電流検出手段107より出力されるモータ電流値と予め定められたしきい値と比較し、モータ電流値が小さい場合、通電手段108から出力される通電信号をドライブ回路111に出力する。

ドライブ回路111は通電手段108から出力される通電信号に基づいてモータ電圧U+,U−,V+,V−,W+,W−をインバータ回路101のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6に出力する。インバータ回路101はドライブ回路111の通電信号に基づいて実際にブラシレスDCモータ102を駆動する。

また、異常検出手段109は電流検出手段107より出力されるモータ電流値と予め定められたしきい値と比較し、モータ電流値が大きい場合、通電手段108からの通電信号にかかわらず、異常として停止させる信号をドライブ回路111に出力する。

ドライブ回路111はモータ電圧の通電信号を停止しインバータ回路101のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6に出力し、インバータ回路101はブラシレスDCモータ102を実際に停止させる。

図7は各部の波形を示し、図7(a)は誘起電圧検出手段114のPU,PV,PWの入力信号で、固定子巻線に加えられるモータ電圧と直流電源105の1/2電圧113の波形を入力する。モータ電圧はいわゆるPWMの波形となっている。図7(b)は位置検出信号の出力信号で、1/2電圧113より大きい場合はH、小さい場合はLの信号を位置検出信号として出力する。回転子位置検出手段118は通電した後、誘起電圧が徐々に大きくなってHの信号になるまでの時間TAと、逆に徐々に下がってLの信号が続くまでの時間TBより、固定子巻線に誘起される誘起電圧と固定子巻線に印加するモータ電圧の位相より回転子の位置を推定する。目標の時間をTM=1m秒、TA=TB=0.3m秒とすると(1)式から位相を検出する。

TA/TM = TB/TM =0.3/1=0.3 ・・・(1)
となり、位相は−20度と指定される。

図7(c)は実際に回転子位置推定手段が予め記憶しておいたTA、TBより固定子巻線に誘起される誘起電圧と固定子巻線に印加するモータ電圧との位相の関係を示す表である。

図8はドライブ回路111の出力波形で、モータ電圧U+,U−,V+,V−,W+,W−の信号の組み合わせを出力する。目標位相を0度とすると、TA/TM=TB/TM=1になる様に、常に制御される。

図9の図9(a)は電流検出手段107の検出したモータ電流値である。実際にはPWM波形となるので、電流が流れている期間にA/D変換器がモータ電流値を検出する。図9(b)は異常検出手段109の予め定められたしきい値に対し、電流検出手段107が検出するモータ電流値が高くなった場合、ドライブ回路111の出力が停止し、モータ電流が流れなくなった波形を示す。

ここで、換気送風装置の小型化や低コスト化の要求から、ブラシレスDCモータやその駆動回路の小型化や低コスト化が求められている。従来のブラシレスDCモータの駆動装置は、センサレスで駆動できるのでモータ位置検出用センサやそれを実装するための回路基板は必要無く、ブラシレスDCモータの小型化や低コスト化に役立っていた。しかし、誘起電圧検出手段は3個のコンパレータが必要となり、ブラシレスDCモータの駆動装置が大きくなりコストも高くなるため、小型化や低コスト化が更に必要となっていた。そこで、本願出願人は矩形波通電でモータ電流を検出して回転させるブラシレスDCモータのセンサレス駆動回路を発明した。

直流電源からインバータ回路に供給されるモータ電流値に基づいて、ブラシレスDCモータの固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加するモータ電圧との位相より回転子の位置を推定し、目標位相に追従するように通電を制御するものである。誘起電圧検出手段PU,PV,PWを無くすことにより、ブラシレスDCモータやその駆動装置の低コストと小型化を実現するものである。

以下、特願2005−275732のその動作について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10に示すように、直流電源105からインバータ回路101に供給されるモータ電流値を検出する電流検出抵抗106を配置する。電流検出抵抗106の電圧をマイクロコンピュータ110に内蔵されている電流検出手段107に入力する。電流検出手段107はA/D変換器である。回転子位置推定手段118は電流検出手段107でディジタル化したモータ電流値から時間経過に対する電流変化率演算し、あらかじめ記憶しておいた電流変化率と比較して、回転子の位置を推定する。

異常検出手段109は電流検出手段107より出力されるモータ電流値と予め定められたしきい値と比較し、モータ電流値が小さい場合、通電手段108から出力される通電信号をドライブ回路111に出力する。ドライブ回路111は通電手段108から出力される通電信号に基づいてモータ電圧信号U+,U−,V+,V−,W+,W−をインバータ回路101のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6に出力する。インバータ回路101はドライブ回路111の通電信号に基づいて実際にブラシレスDCモータ102を駆動する。

また、異常検出手段109は電流検出手段107より出力されるモータ電流値と予め定められたしきい値と比較し、モータ電流値が大きい場合、通電手段108からの信号にかかわらず、異常として停止させる信号をドライブ回路111に出力する。その他の部分については前記従来のブラシレスDCモータの駆動装置と同様なため説明を省略する。

図11は各部の波形を示し、図11(a)は電流検出手段107が電流波形よりモータ電流値を検出する説明図である。図11(b)は回転子位置推定手段が予め記憶しているモータ電流値の電流変化率と固定子巻線LU,LV,LWに誘起される誘起電圧に対する固定子巻線LU,LV,LWに印加するモータ電圧との位相関係を示す表である。

例えばI1=0.5A,I2=0.6Aとすると、電流変化率は(2)式となる。

電流変化率=I2/I1=0.6/0.5=1.2 ・・・(2)式
となり、位相は−20度と推定される。図11(c)は実際に電流変化率が変化した時の電流波形の例を示す。位相が0度からずれると電流変化率が変わるので、いつも同じ電流変化率になるように通電を制御することになる。例えば目標位相を0度とすると、I2/I1=1.24になる様に常に制御される。位相がずれるとモータ電流値が大きくなる。これは、回転子104の誘起電圧の大きさが小さくなるためである。

この様な構成にすることにより、誘起電圧検出手段は必要無くなり、電流検出抵抗106より出力されるモータ電流値を検出して駆動することができるので、ブラシレスDCモータ駆動装置が小さくでき、小型化や低コスト化が可能になった。
特開平6−253588号公報

概要

ブラシレスDCモータを搭載した換気送風装置において、微風量で長時間安定して換気することや、ブラシレスDCモータが脱調して停止した場合においても、確実に脱調を検出し安全に停止すること及び小型化、低コスト化を目的とする。1相の誘起電圧手段12と電流検出手段7を備え、回転子位置推定手段8はモータ電流値が大きい場合、電流検出手段7、小さい場合誘起電圧検出手段12より回転子の位置を推定することによって、低速回転の場合でも安定して駆動し、異常検出手段11は誘起電圧検出手段12と電流検出手段7より推定された位相差より脱調を検出して停止させる。

目的

本発明は、このような従来の課題を解決するものでありモータ電流値が極小になっても位相が推定できるブラシレスDCモータの駆動装置の提供を目的とし、また、微風量で長時間安定して換気する事や、誘起電圧検出手段を1相で検出しることから小型化や低コスト化することができ、また、長時間に渡り駆動して換気されることからブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、確実に脱調を検出することができるブラシレスDCモータの駆動装置およびそれを搭載した換気送風装置を提供を目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
2件

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請求項1

直流電源に複数のスイッチング素子ブリッジ接続してなるインバータ回路を介して接続された3相固定子巻線回転子を有するブラシレスDCモータを前記インバータ回路のスイッチング素子をオンオフさせて回転させるブラシレスDCモータ駆動装置において、前記直流電源からインバータ回路に供給されるモータ電流値を検出する電流検出抵抗と、モータ電流値より電流波形を検出する電流検出手段と、固定子巻線に発生する誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段と、電流波形と誘起電圧より回転子の位置を推定する回転子位置推定手段と、前記回転子位置検出手段より推定された電流波形と誘起電圧による回転子の位置から実際の回転子の位置を判断する位置検出判断手段と、回転子の位置に基づいて通電する通電手段を備え、電流波形及び誘起電圧による回転子の位置から実際の回転子の位置を判断することを特徴とするブラシレスDCモータの駆動装置

請求項2

位置検出判断手段はモータ電流値に対し予め定められたしきい値を設け、モータ電流値のしきい値に対する大きさにより回転子の位置を推定する方法を切替ることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスDCモータの駆動装置。

請求項3

位置検出判断手段はモータ電流値に対し予め定められたしきい値を設け、そのしきい値よりモータ電流値が小さい時は前記誘起電圧検出手段より回転子の位置を検出し、そのしきい値よりモータ電流値が大きい時は電流検出手段から回転子の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載のブラシレスDCモータの駆動装置。

請求項4

誘起電圧検出手段は3相の固定子巻線の内のいずれか1相の誘起電圧で検出し、電流波形及び誘起電圧による回転子の位置から実際の回転子の位置を判断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のブラシレスDCモータの駆動装置。

請求項5

異常検出手段は電流検出手段と誘起電圧検出手段より推定した回転子の位置が予め定められた値以上の差がある場合に異常を検出し、その異常検出に基づき通電手段がインバータ回路の通電を停止させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のブラシレスDCモータの駆動装置。

請求項6

請求項1乃至5のいずれかに記載のブラシレスDCモータ駆動装置を搭載した換気送風装置

技術分野

0001

本発明は、換気送風装置、例えば、天井に埋め込まれて使用される天井埋込形換気扇に使用されるブラシレスDCモータ駆動装置係り矩形波通電位置センサを用いることなくインバータ回路に供給される電流波形を検出して回転子の位置を推定し、センサレス制御により通電位相を制御するブラシレスDCモータの駆動装置において、低速回転等でモータ電流値が小さくなって検出できない場合、固定子巻線に発生する誘起電圧を検出し回転子の位置を推定して駆動すると共に、ブラシレスDCモータが脱調して異常な状態になっても、その状態を検出し安全に停止させる駆動装置に関する。

背景技術

0002

従来、この種のブラシレスDCモータやその駆動装置は効率が良く(省電力)耐久性に勝れていることから長時間に渡り駆動される換気送風装置、例えばレンジフードや天井埋込形換気扇に搭載されている。また、換気送風装置の小型化や低コスト化の要求から、ブラシレスDCモータやその駆動装置の小型化や低コスト化が求められている。更に、快適性の向上のために微風量で長時間安定して換気することや大風量で短時間に換気することと共に、ブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、確実に脱調を検出し安全に停止することが求められている。

0003

図5は従来の天井埋込形換気扇にブラシレスDCモータ及びその駆動装置を搭載し、実際に天井に設置された例を示している。図5(a)は天井埋込形換気扇の説明図であり、天井埋込換気扇118はケーシング115にブラシレスDCモータ102及びブラシレスDCの駆動装置112を取り付け、回転子104に送風ファン116を取り付けた構造であり、この天井埋込形換気扇を天井に取り付け、ブラシレスDCモータ102をその駆動装置112によって駆動して室内から室外に換気を行う。図5(b)は天井埋込形換気扇の設置状態を示し、天井埋込形換気扇118は天井120に埋め込まれ、室内の空気はダクト119を通して外壁121に隔てられた室外に排出することによって換気を行う。

0004

図6図7及び図8は従来の回転子の位置を固定子コイルに発生する誘起電圧を検出することによって、ブラシレスDCモータの固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加するモータ電圧との位相から回転子の位置を推定し、目標位相追従するように通電を制御するものが知られている。(例えば特許文献1参照)また、ブラシレスDCモータの脱調による異常過大モータ電流値を検出して停止するブラシレスDCモータの駆動装置が知られている。以下、そのブラシレスDCモータの駆動装置の動作について説明する。

0005

図6に示すように、直流電源105は、インバータ回路101に直流電圧を供給する。インバータ回路101は3相インバータブリッジの構成であり、Q1,Q2,Q3はそれぞれU,V,W相の上アームスイッチング素子であり、同様にQ4,Q5,Q6はそれぞれU,V,W相の下アームスイッチング素子である。各スイッチング素子には、それぞれ並列還流ダイオードD1,D2,D3,D4,D5,D6を接続する。ブラシレスDCモータ102は固定子103と回転子104から構成され、固定子103には電気角で120度の位相差を持つように3相固定子巻線LU,LV,LWが配置される。また、固定子巻線には誘起電圧検出手段114であるPU,PV,PWが接続され、直流電源105の1/2電圧113と比較して回転子の位置を推定する位置検出信号を出力し、ブラシレスDCモータの駆動装置112のマイクロコンピュータ110に内蔵された回転子位置検出手段118に出力される。回転子位置推定手段118は位置検出信号より、あらかじめ記憶しておいた固定子巻線LU,LV,LWに誘起される誘起電圧と固定子巻線LU,LV,LWに印加するモータ電圧の位相関係から回転子の位置を推定し、通電手段108に出力する。誘起電圧検出手段114の電子部品の一例としてコンパレータがある。通電手段108は入力した位置検出信号より目標位相に追従するように通電信号を決定し、異常検出手段109に出力する。

0006

直流電源105とスイッチング素子の間には、図示するように電流検出抵抗106を配置する。マイクロコンピュータ110に内蔵された電流検出手段107は電流検出抵抗106より出力されたモータ電流値の電圧をA/D変換器ディジタル値に変換し、モータ電流値を認識する。異常検出手段109は電流検出手段107より出力されるモータ電流値と予め定められたしきい値と比較し、モータ電流値が小さい場合、通電手段108から出力される通電信号をドライブ回路111に出力する。

0007

ドライブ回路111は通電手段108から出力される通電信号に基づいてモータ電圧U+,U−,V+,V−,W+,W−をインバータ回路101のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6に出力する。インバータ回路101はドライブ回路111の通電信号に基づいて実際にブラシレスDCモータ102を駆動する。

0008

また、異常検出手段109は電流検出手段107より出力されるモータ電流値と予め定められたしきい値と比較し、モータ電流値が大きい場合、通電手段108からの通電信号にかかわらず、異常として停止させる信号をドライブ回路111に出力する。

0009

ドライブ回路111はモータ電圧の通電信号を停止しインバータ回路101のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6に出力し、インバータ回路101はブラシレスDCモータ102を実際に停止させる。

0010

図7は各部の波形を示し、図7(a)は誘起電圧検出手段114のPU,PV,PWの入力信号で、固定子巻線に加えられるモータ電圧と直流電源105の1/2電圧113の波形を入力する。モータ電圧はいわゆるPWMの波形となっている。図7(b)は位置検出信号の出力信号で、1/2電圧113より大きい場合はH、小さい場合はLの信号を位置検出信号として出力する。回転子位置検出手段118は通電した後、誘起電圧が徐々に大きくなってHの信号になるまでの時間TAと、逆に徐々に下がってLの信号が続くまでの時間TBより、固定子巻線に誘起される誘起電圧と固定子巻線に印加するモータ電圧の位相より回転子の位置を推定する。目標の時間をTM=1m秒、TA=TB=0.3m秒とすると(1)式から位相を検出する。

0011

TA/TM = TB/TM =0.3/1=0.3 ・・・(1)
となり、位相は−20度と指定される。

0012

図7(c)は実際に回転子位置推定手段が予め記憶しておいたTA、TBより固定子巻線に誘起される誘起電圧と固定子巻線に印加するモータ電圧との位相の関係を示す表である。

0013

図8はドライブ回路111の出力波形で、モータ電圧U+,U−,V+,V−,W+,W−の信号の組み合わせを出力する。目標位相を0度とすると、TA/TM=TB/TM=1になる様に、常に制御される。

0014

図9図9(a)は電流検出手段107の検出したモータ電流値である。実際にはPWM波形となるので、電流が流れている期間にA/D変換器がモータ電流値を検出する。図9(b)は異常検出手段109の予め定められたしきい値に対し、電流検出手段107が検出するモータ電流値が高くなった場合、ドライブ回路111の出力が停止し、モータ電流が流れなくなった波形を示す。

0015

ここで、換気送風装置の小型化や低コスト化の要求から、ブラシレスDCモータやその駆動回路の小型化や低コスト化が求められている。従来のブラシレスDCモータの駆動装置は、センサレスで駆動できるのでモータ位置検出用センサやそれを実装するための回路基板は必要無く、ブラシレスDCモータの小型化や低コスト化に役立っていた。しかし、誘起電圧検出手段は3個のコンパレータが必要となり、ブラシレスDCモータの駆動装置が大きくなりコストも高くなるため、小型化や低コスト化が更に必要となっていた。そこで、本願出願人は矩形波通電でモータ電流を検出して回転させるブラシレスDCモータのセンサレス駆動回路を発明した。

0016

直流電源からインバータ回路に供給されるモータ電流値に基づいて、ブラシレスDCモータの固定子巻線に誘起される誘起電圧に対する固定子巻線に印加するモータ電圧との位相より回転子の位置を推定し、目標位相に追従するように通電を制御するものである。誘起電圧検出手段PU,PV,PWを無くすことにより、ブラシレスDCモータやその駆動装置の低コストと小型化を実現するものである。

0017

以下、特願2005−275732のその動作について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10に示すように、直流電源105からインバータ回路101に供給されるモータ電流値を検出する電流検出抵抗106を配置する。電流検出抵抗106の電圧をマイクロコンピュータ110に内蔵されている電流検出手段107に入力する。電流検出手段107はA/D変換器である。回転子位置推定手段118は電流検出手段107でディジタル化したモータ電流値から時間経過に対する電流変化率演算し、あらかじめ記憶しておいた電流変化率と比較して、回転子の位置を推定する。

0018

異常検出手段109は電流検出手段107より出力されるモータ電流値と予め定められたしきい値と比較し、モータ電流値が小さい場合、通電手段108から出力される通電信号をドライブ回路111に出力する。ドライブ回路111は通電手段108から出力される通電信号に基づいてモータ電圧信号U+,U−,V+,V−,W+,W−をインバータ回路101のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6に出力する。インバータ回路101はドライブ回路111の通電信号に基づいて実際にブラシレスDCモータ102を駆動する。

0019

また、異常検出手段109は電流検出手段107より出力されるモータ電流値と予め定められたしきい値と比較し、モータ電流値が大きい場合、通電手段108からの信号にかかわらず、異常として停止させる信号をドライブ回路111に出力する。その他の部分については前記従来のブラシレスDCモータの駆動装置と同様なため説明を省略する。

0020

図11は各部の波形を示し、図11(a)は電流検出手段107が電流波形よりモータ電流値を検出する説明図である。図11(b)は回転子位置推定手段が予め記憶しているモータ電流値の電流変化率と固定子巻線LU,LV,LWに誘起される誘起電圧に対する固定子巻線LU,LV,LWに印加するモータ電圧との位相関係を示す表である。

0021

例えばI1=0.5A,I2=0.6Aとすると、電流変化率は(2)式となる。

0022

電流変化率=I2/I1=0.6/0.5=1.2 ・・・(2)式
となり、位相は−20度と推定される。図11(c)は実際に電流変化率が変化した時の電流波形の例を示す。位相が0度からずれると電流変化率が変わるので、いつも同じ電流変化率になるように通電を制御することになる。例えば目標位相を0度とすると、I2/I1=1.24になる様に常に制御される。位相がずれるとモータ電流値が大きくなる。これは、回転子104の誘起電圧の大きさが小さくなるためである。

0023

この様な構成にすることにより、誘起電圧検出手段は必要無くなり、電流検出抵抗106より出力されるモータ電流値を検出して駆動することができるので、ブラシレスDCモータ駆動装置が小さくでき、小型化や低コスト化が可能になった。
特開平6−253588号公報

発明が解決しようとする課題

0024

しかしながら、この様な従来の構成では近年の快適性の向上のために、微風量で長時間安定して換気することが要求されているため、特に微風量で長時間換気した場合、モータ電流が極小になるため、電流検出手段107のモータ電流値が検出できず、位相が推定できないという課題があった。また、天井埋込形換気扇が換気を行っている場合、室外の風により室内から室外に空気が流れ送風ファン116に外力が加わると、ブラシレスDCモータのモータ電流が無くなり、電流検出手段107がモータ電流値を検出できなくなるため、同様に位相が推定できないという課題があった。

0025

図12は、天井埋込形換気扇の送風ファン116に外力が加わった場合のモータ電流の状態を示す。図12(a)は天上埋込形換気扇の室外の風により送風ファン116が外力を受ける状態を示している。天井埋込換気扇118は室内の空気が矢印で示す様にダクト119を通して室外に排出され送風ファン116に外力を与える。(送風ファン116は図5を参照)図12(b)は室内から室外に空気が流れ送風ファン116に外力が加わった場合の電流検出手段107の検出する電流の例を示しす。

0026

そこで、電流検出手段107に電流波形を増幅する増幅器122を接続して、小さくなった電流を増幅して電流波形を検出することが考えられる。(c)は電流検出手段に増幅器122を接続した例を示す。増幅器は電流波形が高速に変化するため高価な高速増幅器を使用する必要があるためコストアップにとなり、低コスト化が実現できないという課題があった。増幅器は一例として高速オペアンプがある。

0027

また、同様にブラシレスDCモータがロックセンサレス駆動のため脱調して停止した場合、確実に脱調を検出し安全に停止することが求められているため、特に大風量で換気した場合、モータ電流が極大になるため、電流検出手段107のモータ電流値が極大になり、異常検出手段109の予め定められたしきい値と大差がなくなり、異常検出が働き、再起動しなければならないという課題があった。また、天井埋込形換気扇が換気を行っている場合、室外の風により室外から室内に空気が流れ送風ファン116に外力が加わると、ブラシレスDCモータのモータ電流が増加し、電流検出手段107のモータ電流値が更に大きくなり、異常検出手段109の予め定められたしきい値を超え、異常検出が正常に働かないという課題があった。

0028

図13は同様に天井埋込形換気扇の送風ファン116に外力が加わった場合のモータ電流の状態を示す。図13(a)は天上埋込形換気扇の室外の風により送風ファン116が外力を受ける状態を示している。天井埋込換気扇118は室外の空気が矢印で示す様にダクト119を通して室内に送風され送風ファン116に外力を与える。(送風ファン116は図5を参照)図13(b)は室外から室内に空気が流れ送風ファン116に外力が加わり、モータ電流が大きくなった場合の電流検出手段107の検出する電流と予め定められたしきい値の例を示す。

0029

本発明は、このような従来の課題を解決するものでありモータ電流値が極小になっても位相が推定できるブラシレスDCモータの駆動装置の提供を目的とし、また、微風量で長時間安定して換気する事や、誘起電圧検出手段を1相で検出しることから小型化や低コスト化することができ、また、長時間に渡り駆動して換気されることからブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、確実に脱調を検出することができるブラシレスDCモータの駆動装置およびそれを搭載した換気送風装置を提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0030

本発明のブラシレスDCモータの駆動装置は、上記目的を達成するために、直流電源に複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるインバータ回路を介して接続された3相の固定子巻線と回転子を有するブラシレスDCモータを前記インバータ回路のスイッチング素子をオンオフさせて回転させるブラシレスDCモータ駆動装置において、前記直流電源からインバータ回路に供給されるモータ電流値を検出する電流検出抵抗とモータ電流値より電流波形を検出する電流検出手段と固定子巻線に発生する誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段と電流波形と誘起電圧より回転子の位置を推定する回転子位置推定手段と前記回転子位置検出手段より推定された電流波形と誘起電圧による回転子の位置から実際の回転子の位置を判断する位置検出判断手段と回転子の位置に基づいて通電切替する通電手段を備えたものである。

0031

この手段により、電流波形と誘起電圧による回転子の位置から実際の回転子の位置を推定することができ、モータ電流値が極小になって電流波形が検出できなくなっても誘起電圧により位相が推定できるブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。

0032

また、他の手段は、位置検出判断手段について、モータ電流値が小さく電流波形が検出できない時は前記誘起電圧検出手段より回転子の位置を検出し、モータ電流値が大きい時は前記電流検出手段から回転子の位置を検出するようにしたもので、すなわち、位置検出判断手段はモータ電流値に対し予め定められたしきい値を設け、モータ電流値のしきい値に対する大きさにより回転子の位置を推定する方法を切替るものである。

0033

この手段により、モータ電流値の大きさにより回転子の位置を推定する方法を切替ることができるブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。

0034

また、他の手段は、位置検出判断手段について、モータ電流値が小さく電流波形が検出できない時は前記誘起電圧検出手段より回転子の位置を検出し、モータ電流値が大きい時は前記電流検出手段から回転子の位置を検出するようにしたもので、すなわち、位置検出判断手段はモータ電流値に対し予め定められたしきい値を設け、そのしきい値よりモータ電流値が小さい時は前記誘起電圧検出手段より回転子の位置を検出し、そのしきい値よりモータ電流値が大きい時は電流検出手段から回転子の位置を検出するようにしたものである。

0035

この手段により、モータ電流値の大きさにより回転子の位置を推定する方法を切替ることができるブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。

0036

また、他の手段は、誘起電圧検出手段は3相の固定子巻線の内のいずれか1相の誘起電圧で検出し、電流波形及び誘起電圧による回転子の位置から実際の回転子の位置を判断するようにしたものである。

0037

この手段により、誘起電圧検出手段はいずれか1相の誘起電圧検出回路で実現でき、低コストで小型化できるブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。

0038

また、他の手段は、異常検出手段は電流検出手段と誘起電圧検出手段より推定した回転子の位置が予め定められた値以上の差がある場合、前記ブラシレスDCモータを停止させるようにしたものである。

0039

この手段により、ブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、回転子の位置の推定に差ができるため、確実に脱調を検出し安全に停止することができるブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。

0040

また、他の手段は、請求項1乃至5のいずれかに記載のブラシレスDCモータの駆動装置を搭載した換気送風装置である。

0041

この手段により、微風量で長時間安定して換気することや、ブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、確実に脱調を検出し安全に停止することができる換気送風装置が得られる。

発明の効果

0042

本発明によれば、モータ電流値が極小になっても位相が推定できることから、微風量で長時間安定して換気する事や、誘起電圧検出手段を1相で検出しることから小型化や低コスト化することができ、また、長時間に渡り駆動して換気されることからブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、確実に脱調を検出することができるブラシレスDCモータの駆動装置およびそれを搭載した換気送風装置を提供できる。

発明を実施するための最良の形態

0043

本発明の請求項1記載の発明は、直流電源に複数のスイッチング素子をブリッジ接続してなるインバータ回路を介して接続された3相の固定子巻線と回転子を有するブラシレスDCモータを前記インバータ回路のスイッチング素子をオン・オフさせて回転させるブラシレスDCモータ駆動装置において、前記直流電源からインバータ回路に供給されるモータ電流値を検出する電流検出抵抗とモータ電流値より電流波形を検出する電流検出手段と固定子巻線に発生する誘起電圧を検出する誘起電圧検出手段と電流波形と誘起電圧より回転子の位置を推定する回転子位置推定手段と前記回転子位置検出手段より推定された電流波形と誘起電圧による位相から実際位相を判断する位置検出判断手段と位相に基づいて通電切替する通電手段を備えたブラシレスDCモータの駆動装置である。

0044

本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載のブラシレスDCモータの駆動装置において、位置検出判断手段はモータ電流値に対し予め定められたしきい値を設け、モータ電流値のしきい値に対する大きさにより回転子の位置を推定する方法を切替ることを特徴とするブラシレスDCモータの駆動装置である。

0045

このことにより、モータ電流値が極小になって電流波形が検出できなくなっても誘起電圧により位置が推定できる。

0046

本発明の請求項3記載の発明は、請求項1記載のブラシレスDCモータの駆動装置において、位置検出判断手段はモータ電流値に対し予め定められたしきい値を設け、そのしきい値よりモータ電流値が小さい時は前記誘起電圧検出手段より回転子の位置を検出し、そのしきい値よりモータ電流値が大きい時は電流検出手段から回転子の位置を検出することを特徴とするブラシレスDCモータの駆動装置である。

0047

このことにより、モータ電流値が極小になって電流波形が検出できなくなっても誘起電圧により位置が推定できる。

0048

本発明の請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のブラシレスDCモータの駆動装置において、誘起電圧検出手段は3相の固定子巻線の内のいずれか1相の誘起電圧で検出し、電流波形及び誘起電圧による回転子の位置から実際の回転子の位置を判断するようにしたブラシレスDCモータの駆動装置である。

0049

このことにより、ブラシレスDCモータの駆動装置が低コストで小型化できる。

0050

本発明の請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のブラシレスDCモータの駆動装置において、異常検出手段は電流検出手段と誘起電圧検出手段より推定した回転子の位置が予め定められた値以上の差がある場合、前記ブラシレスDCモータを停止させるようにしたブラシレスDCモータの駆動装置である。

0051

このことにより、ブラシレスDCモータの駆動装置が確実に停止を検出し安全に停止することができる。

0052

請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のブラシレスDCモータの制御装置を搭載した換気送風装置である。

0053

このことにより、換気送風装置が快適性の向上のために微風量で長時間安定して換気することや、ブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、確実に脱調を検出し安全に停止することができる。

0054

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

0055

(実施の形態1)
図1に示すように、直流電源5からインバータ回路1に供給されるモータ電流値を検出する電流検出抵抗6を配置する。電流検出抵抗6の電圧をマイクロコンピュータ15に内蔵されている電流検出手段7に入力する。電流検出手段7はA/D変換器である。回転子位置推定手段8は電流検出手段7でデジタル化したモータ電流値から電流値の時間に対する電流変化率を演算し、あらかじめ記憶しておいた固定子巻線LU,LV,LWに誘起される誘起電圧に対する固定子巻線LU,LV,LWに印加するモータ電圧の位相関係から定められた電流変化率を比較し、回転子の位置である位相を推定する。

0056

一方、固定子巻線には誘起電圧検出手段12が接続され、直流電源5の1/2電圧13と比較し、回転子位置推定手段8に出力する。誘起電圧検出手段12の電子部品の一例としてコンパレータがある。回転子位置推定手段8は入力された信号より、固定子巻線3のLUに誘起される誘起電圧に対する固定子巻線3に印加するモータ電圧との位相を推定する。位置検出判断手段9は回転子位置推定手段8より出力される電流検出手段と誘起電圧検出手段より推定された2つの位相に対し、電流検出手段7から出力されるモータ電流値と予め定められたしきい値を比較し、モータ電流値の方が大きい場合、電流検出手段7より推定した位相を採用し、逆に小さい場合、誘起電圧検出手段12より推定した位相を採用し、通電手段10に出力する。通電手段10は入力した位置検出信号より常に同じ位相になる様に制御する。

0057

異常検出手段11は電流検出手段7より出力されるモータ電流値と予め定められた電流値と比較し、モータ電流値の方が小さい場合、通電手段10から出力される通電信号をドライブ回路14に出力する。ドライブ回路14は通電手段10から出力される通電信号に基づいてモータ電圧信号U+,U−,V+,V−,W+,W−をインバータ回路1のスイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6に出力する。インバータ回路1はドライブ回路14のモータ電圧信号に基づいて実際にブラシレスDCモータ2を駆動する。

0058

また、異常検出手段11は電流検出手段107より出力されるモータ電流値と予め定められた電流値と比較し、モータ電流値が大きい場合、通電手段10からの信号にかかわらず、異常として停止させる信号をドライブ回路14に出力する。

0059

図2は各部の波形を示し、図2(a)は誘起電圧検出手段12の入力波形で1相の固定子巻線LUの波形である。図2(b)は誘起電圧検出手段12と電流検出手段7の出力波形である。誘起電圧検出手段12はH,Lの波形となっており、電流検出手段7はデジタル値となっている。図2(c)は実際の誘起電圧検出手段12と電流検出手段7の出力波形と位置検出判断手段9の判断の例を示す。予め定められたモータ電流値のしきい値より大きい場合、例えば、0.3Aをしきい値として、0.3Aより大きい場合、各通電NoイからNoルにおける推定された位相を示している。誘起電圧検出手段12及び電流検出手段7により推定された位相は各通電毎に行われる。しかし、しきい値が0.3Aより小さい場合はモータ電流値が極小で検出できないため、値を算出しない。表中のNoハからNoチの−の部分は算出されていないことを示す。誘起電圧検出手段12により推定された位相はTAまたはTBを測定しているタイミングでしか推定できないため、推定できない場合は前回の値が採用される。例えば表中Noイで推定された位相はNoロ、ハでも同じ値とする。Noハからはモータ電流値が0.3Aより小さくなるので、誘起電圧検出手段12の値が採用される。Noチからモータ電流値が増加しているが、推定された位相はNoトを使用するので位相が遅れ、更にモータ電流値が増える。Noリではモータ電流値がしきい値より大きくなり、電流検出手段7で推定された位相に切替られ、毎回位相の推定が行われるため、素早く目標の位相となる。位相がずれると誘起電圧が小さくなるため逆にモータ電流値が大きくなるため、誘起電圧検出手段12から電流検出手段7に切替わり、位相の追従が安定して出来る事がわかる。

0060

これによって、モータ電流値が極小になって電流波形が検出できなくなっても誘起電圧により位相が推定できるので、低回転でも安定して駆動どうでき、また、誘起電圧検出手段は1相の誘起電圧検出回路で実現できるので、低コストで小型化できるブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。

0061

なお、本実施例においては、モータ電流値のしきい値の具体的な例を示したが、この数値はモータの特性や電流検出手段の精度に合わせて決めれば良く、その作用効果差異は生じない。

0062

(実施の形態2)
異常検出手段11は回転子位置推定手段8が電流検出手段7及び誘起電圧検出手段12より推定した位相の差を求め、予め定められた位相差と比較し、小さい場合、通電手段10から出力される通電信号をドライブ回路14に出力し、実際にブラシレスDCモータ2を駆動する。逆に大きい場合、通電手段10からの信号にかかわらず、異常として停止させる信号をドライブ回路14に出力し、実際にブラシレスDCモータ2を停止させる。

0063

図3はブラシレスDCモータ2が脱調した場合の各部の波形を示す。図3(a)は誘起電圧検出手段12の入力波形である。ブラシレスDCモータ2は停止しているので、誘起電圧の発生無く、図示したような波形になる。図3(b)は実際の誘起電圧検出手段12と電流検出手段7の出力波形と異常検出手段11が位相差を検出して停止する説明図である。誘起電圧検出手段12は、ブラシレスDCモータ2は停止しているがドライブ回路14は動作しているため、回転子4は通電毎に微振動を繰り返し、一例として図に示す様に−30度や30度の位相を交互に繰り返す動作になる。これに対し、電流検出手段7は誘起電圧の発生が無いので、ブラシレスDCモータ2の固定子巻線のインダクタンスに従って変化する電圧となり、一例として図に示す様な波形となる。この場合の電流検出手段7が推定する位相は−30度となる。モータ電流値は固定子巻線の抵抗のみとなるため大きなモータ電流値となり、位置検出判断手段9の予め定めたしきい値は常に超えた状態になる。

0064

回転子位置推定手段8は誘起電圧検出手段12より推定した位相をφY、電流検出手段7より検出した位相をφDとすると、異常検出手段11は位相差を式(3)より検出する。

0065

位相差=φY−φD ・・・式(3)
予め定めたしきい値を、例えば±40度とすると、例えばNoイの場合、位相差は0度となり異常とはならない。一方、例えばNoヌの場合、位相差は60度となり、異常検出と判断して、ブラシレスDCモータ2を停止させる。

0066

これによって、ブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、回転子の位置の推定に差ができるため、確実に脱調を検出し安全に停止することができるブラシレスDCモータの駆動装置が得られる。

0067

なお、本実施例においては、位相差のしきい値の具体的な例を示したが、この数値はモータの特性に合わせて決めれば良く、その作用効果に差異は生じない。

0068

(実施の形態3)
図4は従来の天井埋込換気扇に本発明のブラシレスDCモータの駆動装置を搭載したものである。

0069

これによって、換気送風装置が快適性の向上のために微風量で長時間安定して換気することや、ブラシレスDCモータが脱調して停止した場合、確実に過電流を検出し安全に停止することができる。

図面の簡単な説明

0070

本発明の実施例1のブラシレスDCモータの駆動装置を示す図
同、ブラシレスDCモータの駆動装置の各部の波形を示す図((a)同誘起電圧検出手段の入力波形を示す図、(b)同誘起電圧検出手段と電流検出手段の出力波形を示す図、(c)同実際の誘起電圧検出手段と電流検出手段の出力波形と位置検出判断手段の判断を示す図)
同、ブラシレスDCモータが脱調した場合の各部の波形を示す図((a)同誘起電圧検出手段の入力波形を示す図、(b)同誘起電圧検出手段実際の誘起電圧検出手段と電流検出手段の出力波形と位置検出判断手段の判断を示す図)
本発明のブラシレスDCモータの駆動装置を搭載した天井埋込型換気扇を示す図((a)同正面図、(b)同側面図、(c)同平面図)
従来の天井埋込形換気扇を示す図((a)同正面図、(b)同側面図、(c)同平面図、(d)天井埋込形換気扇を実際に天井に設置された例を示す図)
同、回転子位置を誘起電圧より検出するブラシレスDCモータの駆動装置を示す図
同、ブラシレスDCモータの駆動装置の各部の波形を示す図
同、ブラシレスDCモータの駆動装置のドライブ回路の出力波形を示す図
同、ブラシレスDCモータの駆動装置の波形を示す図((a)同駆動装置の電流検出手段の検出する波形を示す図、(b)同駆動装置の異常検出手段が異常を検出しドライブ手段が停止する場合の波形を示す図)
同、回転子位置をモータ電流値より検出するブラシレスDCモータの駆動装置を示す図
同、ブラシレスDCモータの駆動装置の各部の波形を示す図((a)電流検出手段がモータ電流値を検出する説明図、(b)位相を推定する図、(c)実際に電流変化率が変った時の電流波形を示す図)
天井埋込形換気扇に外力が室内から室外に加わった場合の説明図((a)同送風ファン116が外力を受ける様子を示す図、(b)同送風ファンに外力が加わった場合の電流検出手段の検出する電流波形図、(c)電流検出手段に増幅器を接続した例を示す図)
天井埋込形換気扇に外力が室外から室内に加わった場合の説明図((a)同送風ファン116が外力を受ける様子を示す図、(b)同送風ファンに外力が加わった場合の電流検出手段の検出する電流波形図)

符号の説明

0071

1インバータ回路
2ブラシレスDCモータ
3固定子巻線
4回転子
5直流電源
6電流検出抵抗
7電流検出手段
8回転子位置推定手段
9位置検出判断手段
10通電手段
11異常検出手段
12誘起電圧検出手段
13 1/2電圧
14ドライブ回路
15マイクロコンピュータ
16 駆動装置

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