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技術 熱間圧延における脱スケール装置の使用方法およびそれを用いた熱間圧延方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 渡部真英
出願日 2007年2月28日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2007-050344
公開日 2008年9月18日 (12年3ヶ月経過) 公開番号 2008-212956
状態 未査定
技術分野 金属圧延一般 圧延機に特に連結された素材の表面処理装置
主要キーワード 搬送履歴 加熱炉内温度 スキッドレール 時間スケジュール 冷却制御装置 経験式 到達予定時刻 酸化物スケール
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年9月18日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

加熱炉内で十分に加熱されていない加熱不足の状態で被圧延材が抽出されたり、粗圧延中に搬送に何らかの支障が生じて粗圧延所要時間が予定よりも長くかかったような場合でも、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後製品機械的品質が確保できなくなるのを防止する。

解決手段

熱間圧延ラインにて、加熱炉から抽出する時点での被圧延材の温度が、予定より低い場合に、粗圧延機及び/又は仕上圧延機脱スケール装置使用数を予定よりも減らす。又は、仕上圧延機入側に到達した時点での被圧延材の温度が、予定より低い場合に、仕上圧延機の脱スケール装置の使用数を予定よりも減らす。

概要

背景

熱間圧延とは、金属材料を数100〜千数100℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に抽出し、一対または複数対のロールで挟圧しつつそのロールを回転させることで薄く延ばすことをいう。熱間圧延ラインには、図4(a)に示す、ステッケルミルと呼ばれるタイプ、同(b)に示す半連続と呼ばれるタイプであって、粗圧延機14と仕上圧延機16が別々にあり、粗圧延機では往復圧延し、仕上圧延機では一方向圧延するタイプ、同(c)に示す3/4連続と呼ばれるタイプであって、(b)のタイプのものの粗圧延機14を複数(多くの場合4基)とし、そのうち一部(多くの場合1基)を往復圧延するものとし、残りを一方向圧延するものとするタイプ(4基中3基が一方向のタイプに限らず、例えば3基中1基が一方向のタイプ等も含め、3/4連続という)のもの、あるいは、図示していないが、6基の粗圧延機で一方向圧延を行うもの、などがある。

これら熱間圧延ラインは、被圧延材12を圧延中に被圧延材の自熱によって生成し続ける酸化物スケールを除去する目的で脱スケール装置13を設置してあるのが一般的である。この脱スケール装置は、被圧延材12の圧延の進行に伴い、次々生成してくるスケールを除去するために粗圧延機や仕上圧延機の入側に付設する形で熱間圧延ライン全体として複数設置されていることが多く、さらにその原理は、高圧水ジェットである場合が殆どである。

図4において、10A、10B、10Cは加熱炉、12は被圧延材、15はファーネスコイラ、R1〜R4は粗圧延機、F1〜F6は仕上圧延機、18A、18Bはコイラである。

ここで、本発明の契機となった問題点についての話に移るが、熱間圧延では、一般に、図5に示すように、複数の被圧延材12A、12B、・・・12I、・・・が、加熱炉10内で連続的に加熱される。一方、各被圧延材加熱温度目標は、伸び、強度などの機械的な品質表面性状として要求される品質を確保するために、各被圧延材毎に個別に設定される。

そのため、同図に示すように、例えば抽出時の加熱温度目標が1100℃の被圧延材12A〜12Dに続いて、加熱温度目標が1150℃の被圧延材12E〜12Iが加熱されるような場合が生じる。すると、加熱温度目標が急激に変更になる被圧延材(例えば12E、12F)において、炉温の設定が変更になっても、すぐに被圧延材の加熱温度実績が追随せず、加熱温度目標を下回る加熱不足状態となる。

この加熱炉抽出時の加熱不足は、粗圧延機を出た後の仕上圧延機の入側における被圧延材の温度の低め外れとなる。このように、仕上圧延機の入側における被圧延材の温度が、ある一定の温度を下回ると、そのままでは予定より低い温度で仕上圧延され、仕上圧延後の製品は、上記した機械的品質が確保できなくなる場合がある。

もちろん、被圧延材が加熱不足の場合に、昇温するまで待てばよいわけであるが、生産能率が低下するため、他の救済方法があればそれにこしたことはない。

あるいは、加熱炉抽出時の被圧延材の温度は十分確保できていたとしても、粗圧延中にある粗圧延機のサイドガイドに引っ掛かるなど、搬送に何らかの支障が生じて粗圧延所要時間が予定よりも長くかかったような場合にも、粗圧延機を出た後の仕上圧延機の入側における被圧延材の温度の低め外れとなって同様の問題が起こる。

特許文献1では、加熱不足とは逆に、過加熱の被圧延材を粗圧延する際、粗圧延機のデスケーリング装置使用数を増やすことを提案している。
特開2002−126814号公報

概要

加熱炉内で十分に加熱されていない加熱不足の状態で被圧延材が抽出されたり、粗圧延中に搬送に何らかの支障が生じて粗圧延所要時間が予定よりも長くかかったような場合でも、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後製品の機械的品質が確保できなくなるのを防止する。熱間圧延ラインにて、加熱炉から抽出する時点での被圧延材の温度が、予定より低い場合に、粗圧延機及び/又は仕上圧延機の脱スケール装置の使用数を予定よりも減らす。又は、仕上圧延機入側に到達した時点での被圧延材の温度が、予定より低い場合に、仕上圧延機の脱スケール装置の使用数を予定よりも減らす。

目的

本発明は、前記従来技術の問題を解決するべくなされたもので、加熱炉内で十分に加熱されていない加熱不足の状態で被圧延材が抽出されたり、粗圧延中に搬送に何らかの支障が生じて粗圧延所要時間が予定よりも長くかかったような場合でも、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後製品の機械的品質が確保できなくなるのを防止することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

熱間圧延ラインにて、加熱炉から抽出する時点での被圧延材の温度が、予定より低い場合に、粗圧延機及び/又は仕上圧延機脱スケール装置使用数を予定よりも減らすことを特徴とする熱間圧延における脱スケール装置の使用方法

請求項2

熱間圧延ラインにて、仕上圧延機入側に到達した時点での被圧延材の温度が、予定より低い場合に、仕上圧延機の脱スケール装置の使用数を予定よりも減らすことを特徴とする熱間圧延における脱スケール装置の使用方法。

請求項3

請求項1又は2の熱間圧延における脱スケール装置の使用方法を用いた熱間圧延方法

技術分野

0001

本発明は、熱間圧延における脱スケール装置使用方法およびそれを用いた熱間圧延方法に関する。

背景技術

0002

熱間圧延とは、金属材料を数100〜千数100℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に抽出し、一対または複数対のロールで挟圧しつつそのロールを回転させることで薄く延ばすことをいう。熱間圧延ラインには、図4(a)に示す、ステッケルミルと呼ばれるタイプ、同(b)に示す半連続と呼ばれるタイプであって、粗圧延機14と仕上圧延機16が別々にあり、粗圧延機では往復圧延し、仕上圧延機では一方向圧延するタイプ、同(c)に示す3/4連続と呼ばれるタイプであって、(b)のタイプのものの粗圧延機14を複数(多くの場合4基)とし、そのうち一部(多くの場合1基)を往復圧延するものとし、残りを一方向圧延するものとするタイプ(4基中3基が一方向のタイプに限らず、例えば3基中1基が一方向のタイプ等も含め、3/4連続という)のもの、あるいは、図示していないが、6基の粗圧延機で一方向圧延を行うもの、などがある。

0003

これら熱間圧延ラインは、被圧延材12を圧延中に被圧延材の自熱によって生成し続ける酸化物スケールを除去する目的で脱スケール装置13を設置してあるのが一般的である。この脱スケール装置は、被圧延材12の圧延の進行に伴い、次々生成してくるスケールを除去するために粗圧延機や仕上圧延機の入側に付設する形で熱間圧延ライン全体として複数設置されていることが多く、さらにその原理は、高圧水ジェットである場合が殆どである。

0004

図4において、10A、10B、10Cは加熱炉、12は被圧延材、15はファーネスコイラ、R1〜R4は粗圧延機、F1〜F6は仕上圧延機、18A、18Bはコイラである。

0005

ここで、本発明の契機となった問題点についての話に移るが、熱間圧延では、一般に、図5に示すように、複数の被圧延材12A、12B、・・・12I、・・・が、加熱炉10内で連続的に加熱される。一方、各被圧延材加熱温度目標は、伸び、強度などの機械的な品質表面性状として要求される品質を確保するために、各被圧延材毎に個別に設定される。

0006

そのため、同図に示すように、例えば抽出時の加熱温度目標が1100℃の被圧延材12A〜12Dに続いて、加熱温度目標が1150℃の被圧延材12E〜12Iが加熱されるような場合が生じる。すると、加熱温度目標が急激に変更になる被圧延材(例えば12E、12F)において、炉温の設定が変更になっても、すぐに被圧延材の加熱温度実績が追随せず、加熱温度目標を下回る加熱不足状態となる。

0007

この加熱炉抽出時の加熱不足は、粗圧延機を出た後の仕上圧延機の入側における被圧延材の温度の低め外れとなる。このように、仕上圧延機の入側における被圧延材の温度が、ある一定の温度を下回ると、そのままでは予定より低い温度で仕上圧延され、仕上圧延後の製品は、上記した機械的品質が確保できなくなる場合がある。

0008

もちろん、被圧延材が加熱不足の場合に、昇温するまで待てばよいわけであるが、生産能率が低下するため、他の救済方法があればそれにこしたことはない。

0009

あるいは、加熱炉抽出時の被圧延材の温度は十分確保できていたとしても、粗圧延中にある粗圧延機のサイドガイドに引っ掛かるなど、搬送に何らかの支障が生じて粗圧延所要時間が予定よりも長くかかったような場合にも、粗圧延機を出た後の仕上圧延機の入側における被圧延材の温度の低め外れとなって同様の問題が起こる。

0010

特許文献1では、加熱不足とは逆に、過加熱の被圧延材を粗圧延する際、粗圧延機のデスケーリング装置使用数を増やすことを提案している。
特開2002−126814号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、特許文献1の方法では、加熱不足には対処できないという問題点を有していた。

0012

本発明は、前記従来技術の問題を解決するべくなされたもので、加熱炉内で十分に加熱されていない加熱不足の状態で被圧延材が抽出されたり、粗圧延中に搬送に何らかの支障が生じて粗圧延所要時間が予定よりも長くかかったような場合でも、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後製品の機械的品質が確保できなくなるのを防止することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)熱間圧延ラインにて、加熱炉から抽出する時点での被圧延材の温度が、予定より低い場合に、粗圧延機及び/又は仕上圧延機の脱スケール装置の使用数を予定よりも減らすことを特徴とする熱間圧延における脱スケール装置の使用方法。
(2)熱間圧延ラインにて、仕上圧延機入側に到達した時点での被圧延材の温度が、予定より低い場合に、仕上圧延機の脱スケール装置の使用数を予定よりも減らすことを特徴とする熱間圧延における脱スケール装置の使用方法。
(3)(1)又は(2)の熱間圧延における脱スケール装置の使用方法を用いた熱間圧延方法。

発明の効果

0014

本発明によれば、仕上圧延機の入側における被圧延材の温度の低め外れにより、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後の製品の機械的品質が確保できなくなるのを防止できる。

発明を実施するための最良の形態

0015

(第1の実施の形態)ここでは、図1に示す如く、圧延ラインに対して直角方向に並設された、例えば3つの加熱炉10A、10B、10Cの出側に、被圧延材12の熱間圧延ライン搬送方向上流から下流に向かって、順に番号が付された3つの圧延機R1、R2、R3で構成され、例えばR1及びR2でリバース圧延を行う粗圧延機(Roughing Mill)14と、同じく被圧延材の熱間圧延ライン搬送方向上流から下流に向かって、順に番号が付けられた7つの圧延機F1〜F7から構成される仕上圧延機(Finishing Mill)16と、前記粗圧延機14の各圧延機入側及び仕上圧延機16入側に設置された脱スケール装置13を備えた熱間圧延ラインの場合を例にとって説明する。

0016

図1において、18A、18Bは、仕上圧延された被圧延材を交互に巻取るためのコイラである。

0017

本発明では、図1中に符号13で示す脱スケール装置をどのように使うか、がポイントになる。

0018

もしもいま、丁度適正温度(予定していた温度)に加熱炉にて加熱されたならば、本来、表1(1)のような脱スケール装置の使用パターン脱スケールが行われる予定の被圧延材12があるとする。表1中の○の数が、予定とする脱スケール装置の使用数に相当する。

0019

0020

表1中、HSBは、図2に示す如く、脱スケール装置13の中でも、被圧延材の加熱炉抽出後の搬送履歴からして、最初に設けられたホットスケールブレーカのことを指す。R1−1、2、3は、R1の1、2、3パス目の脱スケール装置からの水の噴射の有無、すなわち、脱スケール装置の使用、不使用を示しており、同様に、R2−1、2、3は、R2の1、2、3パス目の、R3(1パスのみ)はR3の、脱スケール装置の使用、不使用をそれぞれ示している。

0021

この脱スケール装置13の使用パターン(以下、脱スケールパターンと称する)、脱スケール装置13の使用数は、該被圧延材12の属性、主として材質、例えば金属中のCが質量%で0.01%未満の極低炭素鋼であるとか、同0.01%以上0.1%未満の低炭素鋼であるとか、同0.1%以上0.5%未満の中炭素鋼であるとか、同0.5%以上の高炭素鋼であるとか、あるいはCrが質量%で5%以上であるとか、Niが0.5%以上であるとかいった材質や、加熱炉にて加熱する際の被圧延材の厚さなどにより、予め被圧延材12の圧延前に適宜決定され、図1中に符号48で示される脱スケールパターン設定装置内に決定され、記憶されている。(ここに例として挙げる被圧延材12とは材質の異なるスケール難剥離材のような場合は、全部の脱スケール装置を使用する場合もある。)

0022

そして、該被圧延材12が熱間圧延ライン上に抽出されるごとに、個々の被圧延材12の属性データとしてその個々の被圧延材12に紐付けされ、該被圧延材12の搬送、圧延処理進展とともに該被圧延材12に伴って熱間圧延ライン上を仮想的に搬送されていく。該被圧延材12が搬送されてくると、それが到着した設備においては、図示しないホットメタルディテクタ等により、これを捉え、前述の紐付けされた属性設定データに従って処理が行われる。脱スケールもこれに従う。

0023

ここで、もしいま、表1(1)のような脱スケール装置の使用パターンで本来脱スケールが行われる被圧延材12が、加熱炉10から抽出する時点で十分に加熱されないまま抽出されたとする。本実施形態は、この加熱不足の程度に応じ、適宜、粗圧延機及び/又は仕上圧延機の脱スケール装置の使用数を減らす、というものである。

0024

例えば、脱スケール水を噴射する箇所を1箇所減らす、すなわち、脱スケール装置の使用数を1つ減らすと、仕上圧延機16の入側温度換算して10℃の被圧延材12の温度上昇が得られることが経験的にわかっていた、とすると、もしも、加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度が、仕上圧延機の入側温度に換算して、20℃低くなると予測された場合、例えば表1(2)に示すように、脱スケール水を噴射する箇所、すなわち、脱スケール装置の使用数を、本来の脱スケールパターンに対し、2箇所減らせばよい。以上の例のようにはちょうど割り切れない場合は、1の位未満の端数切り捨てるなり切り上げるなり適宜決定してよい。また、どこの箇所を減らすか、は表1(2)の例に示すものに限るものではなく、例えば、表1(3)〜(7)の例に示すように、加熱炉からの抽出からR1−1に至るまでと仕上圧延機入側のFSB(Finisher Scale Breaker)ではともに最低1箇所は水を噴射、すなわち、脱スケール装置を使用することを限度として、適宜決めれば良い。このような要領で、加熱不足の程度に応じ、適宜、脱スケール水を噴射する箇所を減らしていくように脱スケールパターンを設定するのである。

0025

一方ここで、加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度が、仕上圧延機の入側温度に換算して、どれだけになるか、も経験的な方法により、あるいは詳説しない搬送時間スケジュール予測装置32内で行われる搬送時間スケジュール予測計算ミルペーシングと当業者間で呼ばれる)の結果に基づいて、予測する。

0026

経験的な方法とは、例えば、加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度と、仕上圧延機の入側での被圧延材12の温度と、の実績的な値が、2つのケース既知であったとすると、その中間の加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度である被圧延材12がきた場合に、仕上圧延機の入側での被圧延材12の温度を線形補完して予測する、という方法である。例えば、(i)加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度が1240℃である場合に仕上圧延機の入側温度が1060℃、(ii)加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度が1100℃である場合に仕上圧延機の入側温度が1030℃であることが、経験的にわかっていた場合、もしも加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度が上記(i)(ii)の中間である1170℃の被圧延材12がきた場合には、仕上圧延機の入側温度も上記(i)(ii)の中間である1045℃と予測するようにすることである。このロジックは簡単に数式化できるので省略するが、機能的には図1中46で示される位置にくる。搬送時間スケジュール予測計算は相当複雑であるため、これの結果に基づく場合についても説明を省略する。

0027

ここで、加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度は、従来から使用されている、次に述べるような差分計算などの方法により求めるのが1つの方法である。図3に模式的に示すように、被圧延材12は複数のスキッドレール24上に該スキッドレール24と直交する方向に配置され、被圧延材12の幅方向図1における炉内搬送方向に同じ)に、加熱炉入口から出口に向かってステップ的に進行するようになっている。そして、図示しない加熱炉内温度計は常時加熱炉の炉壁温度を測定している。一方、温度分布計算装置44においては、例えば、図3に示すような仮想的なメッシュに被圧延材12を分割した場合における各格子点上の温度を差分計算によって求め、図3中、被圧延材12の中央部における各格子点26の温度を全点で平均するなどして、最初に述べた加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度とすればよい。もちろん、本実施形態に用いることのできる方法はこれに限るものではなく、メッシュ中のある代表的なある1点の温度を以って最初に述べた加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度とするなどしてもよいし、あるいは、差分法に限らず、解析的な方法や有限要素法によるなどしてもよい。

0028

以上の予測計算は、当該被圧延材の加熱炉抽出前に行われる。

0029

(第2の実施の形態)あるいは、加熱炉内の抽出口近くに図示しない被圧延材12の表面温度を実測するための温度計別途設置し、これによる被圧延材12の表面温度実測値を以って最初に述べた加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度とするなどしてもよい。

0030

(第3の実施の形態)加熱炉抽出時の被圧延材の温度は十分確保できていたとしても、粗圧延中に搬送に何らかの支障が生じて粗圧延所要時間が予定よりも長くかかったような場合には、当然ながら、仕上圧延機入側に到達した時点での被圧延材の温度が、予定より低いことになるが、仕上圧延機入側に設置したホットメタルディテクタ等により、進行してくる被圧延材12の先端を捉え、先述図1中の搬送時間スケジュール予測装置にて予定していた該被圧延材12の先端の該ホットメタルディテクタ等への到達予定時刻に対し、どれだけの時間遅れたか、を同装置にて計算し、それに応じて仕上圧延機入側の脱スケール装置FSBの使用数をどれだけ減らすかを、遅れた時間と温度降下量の関係の経験式(詳説しない)などにより計算する。

0031

(第4の実施の形態)あるいは、第3の実施の形態と同様なケースで、予定時刻よりも遅れた分を、減らすべき脱スケール装置の使用数に換算するかわりに、第2の実施の形態では加熱炉内の抽出口近くに設置した温度計を仕上圧延機入側に設置し、温度不足に応じて仕上圧延機入側の脱スケール装置の使用数をどれだけ減らすか、に換算してもよい。

0032

ここでは、本発明の第1の実施の形態の場合の方法を使用する。脱スケール水を噴射する箇所を1箇所減らす、すなわち、脱スケール装置の使用数を1つ減らすと、仕上圧延機の入側温度に換算して10℃の被圧延材12の温度上昇が得られることが経験的にわかっていたとする。

0033

ここで、いま加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度が、目標1100℃に対し実績1050℃になって抽出されたとする。

0034

すると、先述の線形の関係を外挿すると、仕上圧延機の入側温度に換算して、目標1030℃に対し予測1020℃と、10℃低くなると予測されたとする。表1(8)〜(12)のいずれの脱スケールパターンでもよいが、脱スケール水を噴射する箇所、すなわち、脱スケール装置の使用数を、本来の脱スケールパターンである表1(1)に対し、1箇所減らすように計算され、実際に1箇所の脱スケール装置からは水が噴射されないで被圧延材が仕上圧延されることになる。

0035

そのようにすることで、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後の製品の機械的品質が確保できなくなるのを防止できる。

0036

ここでは、本発明の第2の実施の形態の場合の方法を使用する。脱スケール水を噴射する箇所を1箇所減らす、すなわち、脱スケール装置の使用数を1つ減らすと、仕上圧延機の入側温度に換算して10℃の被圧延材12の温度上昇が得られることが経験的にわかっていたとする。

0037

ここで、いま加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度が、加熱炉内の抽出口近くに設置した温度計による被圧延材12の表面温度実測値が、目標1100℃に対し実績1050℃になって抽出されたとする。

0038

そして、先述の線形の関係を外挿すると、仕上圧延機の入側温度に換算して、目標1030℃に対し予測1020℃と、10℃低くなると予測されたとする。表1(8)〜(12)のいずれの脱スケールパターンでもよいが、脱スケール水を噴射する箇所、すなわち、脱スケール装置の使用数を、本来の脱スケールパターンである表1(1)に対し、1箇所減らすように計算され、実際に1箇所の脱スケール装置からは水が噴射されないで被圧延材が仕上圧延されることになる。

0039

そのようにすることで、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後の製品の機械的品質が確保できなくなるのを防止できる。

0040

ここでは、本発明の第3の実施の形態の場合の方法を使用する。脱スケール水を噴射する箇所を1箇所減らす、すなわち、脱スケール装置の使用数を1つ減らすと、仕上圧延機の入側温度に換算して10℃の被圧延材12の温度上昇が得られることが経験的にわかっていたとする。

0041

ここで、いま加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度は目標通りであったが、粗圧延中にR1のサイドガイドに被圧延材が引っ掛かって搬送に支障が生じ、粗圧延所要時間が予定よりも30秒長くかかったとする。

0042

そして、粗圧延所要時間が10秒長くかかるごとに、仕上圧延機の入側温度に換算して、3℃低くなることが経験的にわかっていたとする。

0043

この場合、30秒長くかかっているから9℃低くなると計算され、四捨五入すると10℃になるため、表1(8)に示すように、脱スケール水を噴射する箇所、すなわち、脱スケール装置の使用数を、本来の脱スケールパターンである表1(1)に対し、FSBの1箇所を減らすように計算され、実際にその1箇所の脱スケール装置からは水が噴射されないで被圧延材が仕上圧延されることになる。

0044

そのようにすることで、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後の製品の機械的品質が確保できなくなるのを防止できる。

0045

ここでは、本発明の第4の実施の形態の場合の方法を使用する。脱スケール水を噴射する箇所を1箇所減らす、すなわち、脱スケール装置の使用数を1つ減らすと、仕上圧延機の入側温度に換算して10℃の被圧延材12の温度上昇が得られることが経験的にわかっていたとする。

0046

ここで、いま加熱炉からの抽出時点における被圧延材12の温度は目標通りであったが、粗圧延中にR1のサイドガイドに被圧延材が引っ掛かって搬送に支障が生じ、粗圧延所要時間が予定よりも長くかかったとする。

0047

そして、図示しない仕上圧延機入側に設置した温度計にて測定した被圧延材12の表面温度実測値が、目標1030℃に対し予測1020℃であったとする。

0048

この場合、表1(8)に示すように、脱スケール水を噴射する箇所、すなわち、脱スケール装置の使用数を、本来の脱スケールパターンである表1(1)に対し、FSBの1箇所減らすように計算され、実際に1箇所の脱スケール装置からは水が噴射されないで被圧延材が仕上圧延されることになる。

0049

そのようにすることで、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後製品の機械的品質が確保できなくなるのを防止できる。

0050

以上の通りであるが、本発明は、以上説明した実施の形態に限るものではない。また、本発明は、最初に登場した図4(a)、(b)、(c)ほかのあらゆる熱間圧延ラインに適用可能である。本発明によれば、仕上圧延機の入側における被圧延材の温度の低め外れにより、予定より低い温度で仕上圧延されてしまって仕上圧延後の製品の機械的品質が確保できなくなるのを防止できる。しかも、被圧延材が加熱不足の場合に昇温するまで待つことで生産能率が低下するのも防止できる。このように、本発明は、熱間圧延の分野で、大きな利用可能性をもつものといえる。

図面の簡単な説明

0051

本発明の実施の形態を説明するための線図
本発明の実施の形態を説明するための線図
本発明の実施の形態を説明するための線図
従来からある熱間圧延ラインの例を説明するための線図
従来技術について説明するための線図

符号の説明

0052

10、10A〜10C加熱炉
12、12A〜12I被圧延材
13脱スケール装置
14粗圧延機
R1〜R4 粗圧延機
15ファーネスコイラ
16仕上圧延機
F1〜F7 仕上圧延機
30冷却制御装置
32 搬送時間スケジュール予測装置
38記憶装置
44温度分布計算装置
46 仕上圧延機入側温度予測装置
48脱スケールパターン設定装置

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  • 日本製鉄株式会社の「 チタン熱間圧延板の製造方法」が 公開されました。( 2020/10/22)

    【課題・解決手段】電子ビーム溶解法またはプラズマアーク溶解法を用いて直接製造したチタンスラブに、熱間圧延を行ってチタン板を製造する方法であって、前記チタンスラブが熱間圧延時に圧延される面を被圧延面、圧... 詳細

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