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技術 固体ポリ乳酸およびその製造方法

出願人 学校法人東京理科大学
発明者 澤井大輔金元哲夫玄丞烋
出願日 2007年2月23日 (13年9ヶ月経過) 出願番号 2007-044119
公開日 2008年9月11日 (12年2ヶ月経過) 公開番号 2008-208172
状態 未査定
技術分野 高分子物質の処理方法 高分子組成物 生分解性ポリマー
主要キーワード 減圧スピード 沈殿粉 貧溶媒溶液 析出割合 低分子量ポリ乳酸 不活性処理 良溶媒溶液 溶存水
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年9月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

ガラス転移点温度Tg程度の高温下においても十分に高い機械的強度が得られる固体ポリ乳酸およびその製造方法の提供。

解決手段

固体ポリ乳酸は、重量平均分子量(Mw)が30万〜150万であるポリ−D−乳酸とMwが30万〜150万であるポリ−L−乳酸とからなるステレオコンプレックス結晶を含有してなることを特徴とする。製造方法は、ポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸が良溶媒に溶解されてなる溶液に、良溶媒に対するポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸の溶解度が低い貧溶媒を添加して析出温度に保持することによりステレオコンプレックス結晶を析出させることを特徴とする。この方法においては、良溶媒がクロロホルム、貧溶媒がトルエンであり、良溶媒に対して添加される貧溶媒の添加量が0.65〜0.85の分率となる量であり、析出温度が20〜75℃の範囲の温度である構成とすることができる。

概要

背景

ポリL−乳酸は、植物由来のものであって生分解性を有し、環境適合性生体適合性を有するプラスチック材料として期待されている。
しかしながら、融点温度Tmが約170℃であり、ガラス転移点温度Tgが約60℃であること、また結晶化速度が遅いことなどから、耐熱性などに問題があった。

この問題を解決するために、ポリ−L−乳酸とその光学異性体であるポリ−D−乳酸とをブレンドすることにより、ポリ−L−乳酸単体より約50℃高い220℃の融点温度Tmを有し、ポリ−L−乳酸単体よりも高結晶性を示すステレオコンプレックス結晶を生成させる方法が提案されている(例えば特許文献1〜3および非特許文献1〜6参照。)。
上記の特許文献1〜3および非特許文献1〜6においては、ステレオコンプレックス結晶は、ブレンドに供されるポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸の少なくとも一方が重量平均分子量(Mw)が10万以下である低分子量のものであることや、ブレンド物高温延伸することなどによって容易に生成することが開示されており、また、低分子量のもの同士によるステレオコンプレックス結晶は高温で延伸せずとも極めて高い結晶性を示すことが開示されている。

一方、高耐熱性を得るために融点温度Tmの高い固体ポリ乳酸の作製が行われてきたが、実用に際しては、ガラス転移点温度Tg付近の高温下における機械的強度が十分に得られればよく、そして、このような観点から、ガラス転移点温度Tg前後の温度下における力学的性質の変動の小さい固体ポリ乳酸の製造を検討したものは今までになかった。

特開2006−265486号公報
特開2006−182926号公報
特公平7−81204号公報
繊維学会予稿集Vol.16,No.1,Page.66,2006.06.12
Polymer Vol.47,No.16,Page.5965−5972,2006.07.26
Polym Eng Sci Vol.45,No.5,Page.745−753,2005.05.
Polymer Vol.40,No.24,Page.6699−6708,1999.11.
Macromolecules Vol.24,No.20,Page.5651−5656,1991.09.30
高分子加工技術討論会講演要旨集 Vol.18,Page.17,2006.10.23

概要

ガラス転移点温度Tg程度の高温下においても十分に高い機械的強度が得られる固体ポリ乳酸およびその製造方法の提供。 固体ポリ乳酸は、重量平均分子量(Mw)が30万〜150万であるポリ−D−乳酸とMwが30万〜150万であるポリ−L−乳酸とからなるステレオコンプレックス結晶を含有してなることを特徴とする。製造方法は、ポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸が良溶媒に溶解されてなる溶液に、良溶媒に対するポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸の溶解度が低い貧溶媒を添加して析出温度に保持することによりステレオコンプレックス結晶を析出させることを特徴とする。この方法においては、良溶媒がクロロホルム、貧溶媒がトルエンであり、良溶媒に対して添加される貧溶媒の添加量が0.65〜0.85の分率となる量であり、析出温度が20〜75℃の範囲の温度である構成とすることができる。 なし

目的

本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、ガラス転移点温度Tg程度の高温下においても十分に高い機械的強度が得られる固体ポリ乳酸およびその製造方法を提供することにある。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

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請求項1

重量平均分子量(Mw)が30万〜150万であるポリ−D−乳酸と重量平均分子量(Mw)が30万〜150万であるポリ−L−乳酸とからなるステレオコンプレックス結晶を含有してなることを特徴とする固体ポリ乳酸

請求項2

請求項1に記載の固体ポリ乳酸の製造方法であって、ポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸が良溶媒に溶解されてなる溶液に、当該良溶媒に対するポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸の溶解度が低い貧溶媒を添加して析出温度に保持することによりステレオコンプレックス結晶を析出させることを特徴とする固体ポリ乳酸の製造方法。

請求項3

前記良溶媒がクロロホルムであり、かつ、前記貧溶媒がトルエンであり、当該良溶媒に対して添加される貧溶媒の添加量が0.65〜0.85の分率となる量であり、析出温度が20〜75℃の範囲の温度であることを特徴とする請求項2に記載の固体ポリ乳酸の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ステレオコンプレックス結晶を含有する固体ポリ乳酸およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

ポリL−乳酸は、植物由来のものであって生分解性を有し、環境適合性生体適合性を有するプラスチック材料として期待されている。
しかしながら、融点温度Tmが約170℃であり、ガラス転移点温度Tgが約60℃であること、また結晶化速度が遅いことなどから、耐熱性などに問題があった。

0003

この問題を解決するために、ポリ−L−乳酸とその光学異性体であるポリ−D−乳酸とをブレンドすることにより、ポリ−L−乳酸単体より約50℃高い220℃の融点温度Tmを有し、ポリ−L−乳酸単体よりも高結晶性を示すステレオコンプレックス結晶を生成させる方法が提案されている(例えば特許文献1〜3および非特許文献1〜6参照。)。
上記の特許文献1〜3および非特許文献1〜6においては、ステレオコンプレックス結晶は、ブレンドに供されるポリ−L−乳酸またはポリ−D−乳酸の少なくとも一方が重量平均分子量(Mw)が10万以下である低分子量のものであることや、ブレンド物高温延伸することなどによって容易に生成することが開示されており、また、低分子量のもの同士によるステレオコンプレックス結晶は高温で延伸せずとも極めて高い結晶性を示すことが開示されている。

0004

一方、高耐熱性を得るために融点温度Tmの高い固体ポリ乳酸の作製が行われてきたが、実用に際しては、ガラス転移点温度Tg付近の高温下における機械的強度が十分に得られればよく、そして、このような観点から、ガラス転移点温度Tg前後の温度下における力学的性質の変動の小さい固体ポリ乳酸の製造を検討したものは今までになかった。

0005

特開2006−265486号公報
特開2006−182926号公報
特公平7−81204号公報
繊維学会予稿集Vol.16,No.1,Page.66,2006.06.12
Polymer Vol.47,No.16,Page.5965−5972,2006.07.26
Polym Eng Sci Vol.45,No.5,Page.745−753,2005.05.
Polymer Vol.40,No.24,Page.6699−6708,1999.11.
Macromolecules Vol.24,No.20,Page.5651−5656,1991.09.30
高分子加工技術討論会講演要旨集 Vol.18,Page.17,2006.10.23

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、ガラス転移点温度Tg程度の高温下においても十分に高い機械的強度が得られる固体ポリ乳酸およびその製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明の固体ポリ乳酸は、重量平均分子量(Mw)が30万〜150万であるポリ−D−乳酸と重量平均分子量(Mw)が30万〜150万であるポリ−L−乳酸とからなるステレオコンプレックス結晶を含有してなることを特徴とする。

0008

本発明の固体ポリ乳酸の製造方法は、上記の固体ポリ乳酸の製造方法であって、
ポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸が良溶媒に溶解されてなる溶液に、当該良溶媒に対するポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸の溶解度が低い貧溶媒を添加して析出温度に保持することによりステレオコンプレックス結晶を析出させることを特徴とする。

0009

本発明の固体ポリ乳酸の製造方法においては、前記良溶媒がクロロホルムであり、かつ、前記貧溶媒がトルエンであり、当該良溶媒に対して添加される貧溶媒の添加量が0.65〜0.85の分率となる量であり、析出温度が20〜75℃の範囲の温度である構成とすることができる。

発明の効果

0010

本発明の固体ポリ乳酸の製造方法によれば、ポリ乳酸の良溶媒および貧溶媒による混合溶媒を用いて固体ポリ乳酸を析出させるので、分子運動性の低い、重量平均分子量(Mw)の大きなポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を原料として用いても接触頻度が高められているために高い割合でステレオコンプレックス結晶が含有された結晶化度の高い固体ポリ乳酸が得られ、その結果、ガラス転移点温度Tg付近の高温下における力学的性質の変動が小さく、従って高い耐熱性および高い機械的強度を有する固体ポリ乳酸を製造することができる。
本発明の固体ポリ乳酸によれば、特定の高い重量平均分子量(Mw)のポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸よりなるステレオコンプレックス結晶を有するために、高い耐熱性および高い機械的強度を有する。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明について具体的に説明する。

0012

<固体ポリ乳酸>
本発明の固体ポリ乳酸は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸からなるステレオコンプレックス結晶を含有するものである。固体ポリ乳酸のステレオコンプレックス結晶を構成するポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は、それぞれL−乳酸(L−C3 H4 O2 )、D−乳酸(D−C3H4 O2 )が重合されてなるものであり、具体的にはそれぞれL−ラクチド(L−C6 H8O4 )、D−ラクチド(D−C6 H8 O4 )の開環重合によって得ることができる。

0013

ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は、それぞれ重量平均分子量(Mw)が30万〜150万のものであり、40万〜90万のものであることが好ましい。
ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸がそれぞれ重量平均分子量(Mw)が上記の範囲にあるものであることにより、得られる固体ポリ乳酸が高い融点温度Tmを有し、さらに、ガラス転移点温度Tg付近の高温下における力学的性質の変動が小さいものとなる。
ここに、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の重量平均分子量(Mw)は、GPC測定による標準ポリスチレン換算の値とされる。

0014

ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は、それぞれの重量平均分子量(Mw)が上記の範囲にあれば、互いに同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。

0015

ポリ−L−乳酸および/またはポリ−D−乳酸が重量平均分子量(Mw)が30万未満のものである場合は、得られる固体ポリ乳酸が高温下において高い機械的強度を有するものとならないおそれがある。
一方、固体ポリ乳酸を構成するポリ−L−乳酸および/またはポリ−D−乳酸を重量平均分子量(Mw)が150万より大きなものとするために原料として重量平均分子量(Mw)が150万より大きなポリ−L−乳酸および/またはポリ−D−乳酸を用いても、製造過程において加えられる剪断力や熱によって分解反応が生じて重量平均分子量(Mw)の小さいものとなってしまい、得られる固体ポリ乳酸が所望の高い機械的強度を有するものとならず、また、例え重量平均分子量(Mw)が150万より大きなポリ−L−乳酸および/またはポリ−D−乳酸が残存してステレオコンプレックス結晶を形成した状態の固体ポリ乳酸が得られたとしても、加水分解しやすいものとなるため、原料として重量平均分子量(Mw)が150万より大きなポリ−L−乳酸および/またはポリ−D−乳酸を用いる必要はない。

0016

本発明の固体ポリ乳酸においては、当該固体ポリ乳酸の結晶化度は40〜100%であることが好ましい。
固体ポリ乳酸の結晶化度は、示差走査型熱量計DSC−220C」(セイコー電子工業社製)を用いて、窒素雰囲気下において昇温速度10℃/minで測定し、インジウムとスズを用いて較正して得られる融解温度(Tm)および融解熱量(ΔHm)に基づいて、下記式1に従って算出されるものである。
式1:固体ポリ乳酸の結晶化度χ(%)=χsc+χα
ただし、上記式1において、χscは固体ポリ乳酸中のステレオコンプレックス結晶の結晶化度(%)、χαは固体ポリ乳酸中のα型結晶の結晶化度(%)であり、固体ポリ乳酸中のステレオコンプレックス結晶の結晶化度χscおよびα型結晶の結晶化度χαは、それぞれ以下の式2および式3に従って算出されるものである。
式2:χsc=〔{ステレオコンプレックス結晶に由来する融解熱量ΔHmsc(J・g-1)}/143(J・g-1)〕×100、
式3:χα=〔{α型結晶に由来する融解熱量ΔHmα(J・g-1)}/93.6(J・g-1)〕×100

0017

そして、本発明の固体ポリ乳酸においては、当該固体ポリ乳酸中のステレオコンプレックス結晶の含有割合は、固体ポリ乳酸中40〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは60〜100質量%である。
固体ポリ乳酸中のステレオコンプレックス結晶の含有割合は、下記式4に従って求められるものである。
式4:固体ポリ乳酸中のステレオコンプレックス結晶の含有割合=(χsc÷χ)×100

0018

固体ポリ乳酸中のステレオコンプレックス結晶の割合が過少である場合は、ガラス転移点温度Tg付近の高温下における力学的性質の変動が大きいものとなって高い機械的強度が得られず、実用に適さない。

0019

本発明の固体ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は、30万〜150万であることが好ましく、より好ましくは40万〜90万である。
固体ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)は、GPC測定による標準ポリスチレン換算の値とされる。

0020

また、本発明の固体ポリ乳酸のガラス転移点温度Tgは50〜70℃であることが好ましく、融点温度Tmは210〜230℃であることが好ましい。
固体ポリ乳酸のガラス転移点温度Tgおよび融点温度Tmは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定されるものである。
固体ポリ乳酸が、そのガラス転移点温度Tgおよび融点温度Tmが上記の範囲にあるものであることにより、固体ポリ乳酸が高い耐熱性を発揮することができる。

0021

<固体ポリ乳酸の製造方法>
本発明において、上記の固体ポリ乳酸は、以下のように得ることができる。
すなわち、ポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸が良溶媒に溶解されてなる良溶媒溶液に、当該良溶媒に対するポリ−D−乳酸およびポリ−L−乳酸の溶解度が低い貧溶媒を添加してポリ乳酸/良溶媒/貧溶媒溶液を調製し、このポリ乳酸/良溶媒/貧溶媒溶液を特定の析出温度に保持することによりステレオコンプレックス結晶を析出させ、これにより、固体ポリ乳酸が得られる。

0022

ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸が重量平均分子量(Mw)の大きなものであるほど分子運動性が低くなって互いの接触頻度が低くなり、従ってステレオコンプレックス結晶の析出割合が小さくなるところ、このようなポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の良溶媒および貧溶媒による混合溶媒を用いることにより、重量平均分子量(Mw)の大きいポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸であっても良溶媒中において接触頻度が高められると共に、貧溶媒を添加したことにより全体の混合溶媒中において温度の変化によって容易にステレオコンプレックス結晶を析出させることができる。

0023

ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とは、質量比で2:8〜8:2の範囲で混合されることが好ましく、結晶性の高い良好なステレオコンプレックス結晶を高い割合で含有する固体ポリ乳酸を得るために、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とが質量比で1:1で混合されることが最も好ましい。
混合されるポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の量が質量比で1:1からずれるほど、ステレオコンプレックス結晶の含有割合が低いものとなる。

0024

また、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は、互いに重量平均分子量(Mw)が同じものを用いることが好ましい。

0025

また、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は、それぞれその光学純度が90%以上のものを用いることが好ましい。

0026

ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は、それぞれ融点温度Tmが140〜180℃のものを用いることが好ましく、より好ましくは融点温度Tmが160〜180℃のものである。
ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸が、それぞれその融点温度Tmが上記の範囲にあるものであることにより、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸それ自体が高い結晶性を有し、従って得られる固体ポリ乳酸が高融点のものとなって高い耐熱性が得られる。

0027

本発明の固体ポリ乳酸の製造方法に用いられる良溶媒は、貧溶媒との組み合わせにおいて相対的にポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の溶解度が高い溶媒であって、例えば極性の大きいものを挙げることができ、具体的には、クロロホルム、塩化メチレン、1,4−ジオキサンベンゼンなどを例示することができ、これらは1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
また、本発明の固体ポリ乳酸の製造方法に用いられる貧溶媒は、良溶媒との組み合わせにおいて相対的にポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の溶解度が低い溶媒であって、具体的には例えば、トルエン、アニソールメタノールアセトンなどを挙げることができ、これらは1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。

0028

本発明の固体ポリ乳酸の製造方法においては、良溶媒に対する貧溶媒の添加量は、良溶媒および貧溶媒の組み合わせによって異なり、例えば良溶媒をクロロホルム、貧溶媒をトルエンとした場合は、トルエンはクロロホルムに対してトルエン分率が0.65〜0.85、好ましくはトルエン分率が0.7となるよう添加されることが好ましい。

0029

良溶媒に対する貧溶媒の添加量が過多であると、相対的に良溶媒の割合が低くなって原料のポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を溶解させることができない。一方、良溶媒に対する貧溶媒の添加量が過少であると、相対的に良溶媒の割合が高くなってポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の溶解度が高くなり、ステレオコンプレックス結晶を析出させることができない。

0030

ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の良溶媒への溶解においては、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の分解反応が生じない範囲において剪断力や熱を加えて溶解速度を高めることができる。熱を加える場合の加熱温度は例えば40〜70℃、加熱時間は例えば5〜20分間とされる。

0031

ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の良溶媒への溶解においては、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の両方を同一の容器内において良溶媒に溶解させてもよく、また、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸をそれぞれ別個に良溶媒に溶解した溶液を調製して両者を混合してもよい。

0032

本発明の固体ポリ乳酸の製造方法においては、良溶媒中にポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸が溶解された良溶媒溶液に、貧溶媒を添加した後に、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の分子量低下を抑制する目的で不活性化処理を行ってもよい。
不活性化処理は、具体的には、原料の溶解前および溶解中にそれぞれ10分間以上、良溶媒・貧溶媒に対しN2ガスなどの不活性ガスパージを行って溶媒中の溶存水分の除去および新たな水分の侵入を抑止し、その後、外気が侵入しないようシーリングすることによって行われる。

0033

ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の良溶媒/貧溶媒溶液の濃度は、用いるポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の分子量などに応じて調整することができるが、例えば0.5〜5質量%とすることが好ましく、より好ましくは1質量%である。

0034

以下においては、良溶媒をクロロホルム、貧溶媒をトルエンとした例について説明する。

0035

特定の析出温度は、20〜75℃の範囲の温度であり、好ましくは24〜60℃の範囲の温度、特に好ましくは60℃である。析出温度が高いほど、ステレオコンプレックス結晶の析出は促進される。
特定の析出温度が20℃未満の温度である場合は、得られる固体ポリ乳酸が高い割合でステレオコンプレックス結晶を含有するものとならず、その結果、高い耐熱性および機械的強度を得ることができない。一方、特定の析出温度が75℃より高い温度である場合は、ステレオコンプレックス結晶の析出が得られない。

0036

特定の析出温度にて保持する保持時間は、原料として用いるポリ−L−乳酸やポリ−D−乳酸の分子量によっても異なるが、例えば3時間〜10日間とされることが好ましい。

0037

本発明の固体ポリ乳酸の製造方法においては、得られた固体ポリ乳酸に対して延伸処理を行ってもよい。
延伸処理は、例えば固相押出により行うことができ、延伸条件としては、例えば延伸温度(Te)160〜230℃、延伸倍率3〜25倍とされることが好ましい。
延伸処理を行うことにより、最終的に得られる固体ポリ乳酸をより高い融点温度Tm、およびより高い力学的性質を有するものとすることができる。

0038

<用途>
以上のように得られた固体ポリ乳酸は、プラスチック原料として種々の成形品を得ることができ、成形品としては、射出成形品押出成形品真空圧空成形品、ブロー成形品フィルムシート不織布、繊維、布、これらの他の材料との複合体、農業用資材漁業用資材土木建築用資材文具医療用品などを挙げることができる。

0039

以上のような固体ポリ乳酸の製造方法によれば、ポリ乳酸の良溶媒および貧溶媒による混合溶媒を用いて固体ポリ乳酸を析出させるので、分子運動性の低い、重量平均分子量(Mw)の大きなポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を原料として用いても接触頻度が高められているために高い割合でステレオコンプレックス結晶が含有された結晶化度の高い固体ポリ乳酸が得られ、その結果、ガラス転移点温度Tg付近の高温下における力学的性質の変動が小さく、従って高い耐熱性および高い機械的強度を有する固体ポリ乳酸を製造することができる。
この固体ポリ乳酸によれば、特定の高い重量平均分子量(Mw)のポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸よりなるステレオコンプレックス結晶を有するために、高い耐熱性および高い機械的強度を有する。

0040

以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。

0041

以下において、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸および固体ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)はGPC測定による標準ポリスチレン換算の値として測定したものであり、固体ポリ乳酸の融点温度Tm、ガラス転移点温度Tgおよび結晶化度は示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定したものである。

0042

<ポリ−L−乳酸の重合例1>
光学純度99%以上のL−ラクチド(ピューラック・ジャパン社製)を酢酸エチルによって再結晶させた乾燥物100gをステンレス重合容器に入れ、2−エチルヘキサン酸スズ塩を0.01wt%となるよう添加して均一に撹拌した後、120℃の温度条件下において、常圧で6時間、常圧から3時間かけて560mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後3時間かけて200mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後さらに24時間かけて最終圧10〜3mmHgまで減圧してこの圧力で60時間、合計120時間固相重合反応を行い、その後、冷却して結晶化させた後、得られた重合物をクロロホルムに溶解し、メタノール中へ沈殿させることにより未反応の単量体を除去することにより、単体のポリ−L−乳酸〔L1〕を得た。このポリ−L−乳酸〔L1〕の重量平均分子量(Mw)は91万であった。

0043

<ポリ−D−乳酸の重合例1>
ポリ−L−乳酸の重合例1において、L−ラクチドの代わりに光学純度99%以上のD−ラクチド(ピューラック・ジャパン社製)を用いたことの他は同様にして、単体のポリ−D−乳酸〔D1〕を得た。このポリ−D−乳酸〔D1〕の重量平均分子量(Mw)は82万であった。

0044

<実施例1>
乾燥させたポリ−L−乳酸〔L1〕のペレット0.5質量部およびポリ−D−乳酸〔D1〕のペレット0.5質量部を、予め10分間N2ガスのパージを行ったクロロホルム27.9質量部に、25℃で溶解させ、さらに10分間N2 ガスのパージを行った後シーリングし、24時間撹拌して均一にポリマーが溶解したクロロホルム溶液を調製した。その後、予め10分間N2 ガスのパージを行って不活性処理をしたトルエン69.3質量部を加え、さらに混合溶媒に対して10分間N2 ガスのパージを行った後再びシーリングして不活性処理をし、さらに均一溶液化処理として70℃で15分間撹拌し、トルエン分率が0.7であるポリ乳酸/クロロホルム/トルエン混合溶液を調製した。このポリ乳酸/クロロホルム/トルエン溶液のポリ乳酸濃度は1wt%である。
その後、恒温オイルバスを用いてこのポリ乳酸/クロロホルム/トルエン溶液を析出温度60℃に保持することにより、粉末状の固体ポリ乳酸〔A〕を析出させた。
この固体ポリ乳酸〔A〕の収率は76wt%であった。この結果を図1グラフ上に示す。
得られた固体ポリ乳酸〔A〕はステレオコンプレックス結晶を含有しているものであった。この固体ポリ乳酸〔A〕の重量平均分子量(Mw)、融点温度Tm、ガラス転移点温度Tg、結晶化度およびステレオコンプレックス結晶の含有割合を表1に示す。
また、得られた固体ポリ乳酸〔A〕の沈殿粉末をプレス処理してフィルムを作製し、このフィルムについて動的粘弾性測定(DMA)により室温(25℃)における貯蔵弾性率、および100℃における貯蔵弾性率を測定し、さらにtanδの値を算出した。室温(25℃)における貯蔵弾性率、100℃における貯蔵弾性率およびtanδピークの値を表1に示す。
また、この固体ポリ乳酸〔A〕についての貯蔵弾性率の温度依存性、およびtanδの温度依存性を測定した結果を図3に示す。

0045

<実施例2>
実施例1において、混合溶媒におけるトルエン分率を0.8としたことの他は同様にして、固体ポリ乳酸〔B〕を得た。
この固体ポリ乳酸〔B〕の収率は61wt%であった。この結果を図1のグラフ上に示す。
得られた固体ポリ乳酸〔B〕はステレオコンプレックス結晶を含有しているものであった。この固体ポリ乳酸〔B〕の重量平均分子量(Mw)、結晶化度およびステレオコンプレックス結晶の含有割合を表1に示す。

0046

<比較例1>
実施例1において、混合溶媒におけるトルエン分率を0.5としたことの他は同様にして、比較用の固体ポリ乳酸〔a〕を作製しようとしたが、沈殿(析出物)を得ることができなかった。収率を0wt%として結果を図1のグラフ上に示す。

0047

<比較例2>
実施例1において、混合溶媒におけるトルエン分率を0.6としたことの他は同様にして、比較用の固体ポリ乳酸〔b〕を作製しようとしたが、沈殿(析出物)を得ることができなかった。収率を0wt%として結果を図1のグラフ上に示す。

0048

<比較例3>
実施例1において、混合溶媒におけるトルエン分率を0.9としたことの他は同様にして、比較用の固体ポリ乳酸〔c〕を作製しようとしたが、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸がクロロホルム/トルエンの混合溶媒に溶解せず、ポリ乳酸/クロロホルム/トルエン溶液を調製することができなかった。収率を0wt%として結果を図1のグラフ上に示す。

0049

<実施例3〜5>
実施例1において、固体ポリ乳酸の析出温度をそれぞれ25℃、40℃および70℃としたことの他は同様にして、固体ポリ乳酸〔C〕〜〔E〕を得た。
これらの固体ポリ乳酸〔C〕〜〔E〕の収率は、それぞれ35wt%、44wt%および18wt%であった。この結果を図2のグラフ上に示す。
得られた固体ポリ乳酸〔C〕〜〔E〕はステレオコンプレックス結晶を含有しているものであった。この固体ポリ乳酸〔C〕〜〔E〕の重量平均分子量(Mw)、結晶化度およびステレオコンプレックス結晶の含有割合を表1に示す。

0050

<比較例4>
実施例1において、固体ポリ乳酸の析出温度を80℃にしたことの他は同様にして、比較用の固体ポリ乳酸〔d〕を作製しようとしたが、沈殿(析出物)を得ることができなかった。この結果を図2のグラフ上に示す。

0051

以上の実施例1、実施例3〜5および比較例4から、固体ポリ乳酸の析出温度が20〜75℃の範囲であると、本発明に係る固体ポリ乳酸を得ることができることが確認された。

0052

<ポリ−L−乳酸の重合例2>
ポリ−L−乳酸の重合例1において、120℃の温度条件下において、常圧で6時間、常圧から3時間かけて560mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後3時間かけて200mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後さらに24時間かけて最終圧5mmHgまで減圧してこの圧力で60時間、合計120時間固相重合反応を行ったことの他は同様にして、単体のポリ−L−乳酸〔L2〕を得た。このポリ−D−乳酸〔L2〕の重量平均分子量(Mw)は46万であった。

0053

<ポリ−L−乳酸の重合例3>
ポリ−L−乳酸の重合例1において、120℃の温度条件下において、常圧で6時間、常圧から3時間かけて560mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後3時間かけて200mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後さらに24時間かけて最終圧10まで減圧してこの圧力で60時間、合計120時間固相重合反応を行ったことの他は同様にして、単体のポリ−L−乳酸〔L3〕を得た。このポリ−L−乳酸〔L3〕の重量平均分子量(Mw)は23万であった。

0054

<ポリ−L−乳酸の重合例4>
ポリ−L−乳酸の重合例1において、120℃の温度条件下において、常圧で6時間、常圧から3時間かけて560mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後3時間かけて200mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後さらに24時間かけて最終圧20mmHgまで減圧してこの圧力で60時間、合計120時間10mmHgから5mmHgまで減圧スピード0.69mmHg/minで減圧していきながら固相重合反応を行ったことの他は同様にして比較用の単体のポリ−L−乳酸〔L4〕を得た。このポリ−L−乳酸〔L4〕の重量平均分子量(Mw)は7万であった。

0055

<ポリ−D−乳酸の重合例2>
ポリ−D−乳酸の重合例1において、L−ラクチドの代わりに光学純度99%以上のD−ラクチド(ピューラック・ジャパン社製)を用い、120℃の温度条件下において、常圧で6時間、常圧から3時間かけて560mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後3時間かけて200mmHgまで減圧してこの圧力で12時間、その後さらに24時間かけて最終圧5mmHgまで減圧してこの圧力で60時間、合計120時間固相重合反応を行ったことの他は同様にして、単体のポリ−D−乳酸〔D2〕を得た。このポリ−D−乳酸〔D2〕の重量平均分子量(Mw)は40万であった。

0056

<ポリ−D−乳酸の重合例3>
ポリ−D−乳酸の重合例1において、L−ラクチドの代わりに光学純度99%以上のD−ラクチド(ピューラック・ジャパン社製)を用い、10mmHgの減圧下で固相重合反応を行ったことの他は同様にして、単体のポリ−D−乳酸〔D3〕を得た。このポリ−D−乳酸〔D3〕の重量平均分子量(Mw)は22万であった。

0057

<実施例6>
実施例1において、ポリ−L−乳酸〔L1〕の代わりにポリ−L−乳酸〔L2〕を用いると共にポリ−D−乳酸〔D1〕の代わりにポリ−D−乳酸〔D2〕を用いたことの他は同様にして、粉末状の固体ポリ乳酸〔F〕を得た。
得られた固体ポリ乳酸〔F〕はステレオコンプレックス結晶を含有しているものであった。この固体ポリ乳酸〔F〕の重量平均分子量(Mw)、融点温度Tm、ガラス転移点温度Tg、結晶化度およびステレオコンプレックス結晶の含有割合を表1に示す。
また、得られた固体ポリ乳酸〔F〕の沈殿粉末をプレス処理してフィルムを作製し、このフィルムについて動的粘弾性測定(DMA)により室温(25℃)における貯蔵弾性率、および100℃における貯蔵弾性率を測定し、さらにtanδの値を算出した。室温(25℃)における貯蔵弾性率、100℃における貯蔵弾性率およびtanδピークの値を表1に示す。
また、この固体ポリ乳酸〔F〕についての貯蔵弾性率の温度依存性、およびtanδの温度依存性を測定した結果を図3に示す。

0058

<比較例5>
実施例1において、ポリ−D−乳酸〔D1〕の代わりにポリ−D−乳酸〔D3〕を用いたことの他は同様にして、粉末状の比較用の固体ポリ乳酸〔e〕を得た。
得られた比較用の固体ポリ乳酸〔e〕はステレオコンプレックス結晶を含有しているものであった。この比較用の固体ポリ乳酸〔e〕の重量平均分子量(Mw)、融点温度Tm、ガラス転移点温度Tg、結晶化度およびステレオコンプレックス結晶の含有割合を表1に示す。
また、得られた比較用の固体ポリ乳酸〔e〕の沈殿粉末をプレス処理してフィルムを作製し、このフィルムについて動的粘弾性測定(DMA)により室温(25℃)における貯蔵弾性率、および100℃における貯蔵弾性率を測定し、さらにtanδの値を算出した。室温(25℃)における貯蔵弾性率、100℃における貯蔵弾性率およびtanδピークの値を表1に示す。
また、この比較用の固体ポリ乳酸〔e〕についての貯蔵弾性率の温度依存性、およびtanδの温度依存性を測定した結果を図3に示す。

0059

<比較例6>
実施例1において、ポリ−L−乳酸〔L1〕の代わりにポリ−L−乳酸〔L3〕を用いると共にポリ−D−乳酸〔D1〕の代わりにポリ−D−乳酸〔D3〕を用いたことの他は同様にして、比較用の固体ポリ乳酸〔f〕を得た。
得られた比較用の固体ポリ乳酸〔f〕はステレオコンプレックス結晶を含有しているものであった。この比較用の固体ポリ乳酸〔f〕の重量平均分子量(Mw)、融点温度Tm、ガラス転移点温度Tg、結晶化度およびステレオコンプレックス結晶の含有割合を表1に示す。
また、得られた比較用の固体ポリ乳酸〔f〕の沈殿粉末をプレス処理してフィルムを作製し、このフィルムについて動的粘弾性測定(DMA)により室温(25℃)における貯蔵弾性率、および100℃における貯蔵弾性率を測定し、さらにtanδの値を算出した。室温(25℃)における貯蔵弾性率、100℃における貯蔵弾性率およびtanδピークの値を表1に示す。
また、この比較用の固体ポリ乳酸〔f〕についての貯蔵弾性率の温度依存性、およびtanδの温度依存性を測定した結果を図3に示す。

0060

<比較例7>
実施例1において、ポリ−L−乳酸〔L1〕の代わりにポリ−L−乳酸〔L4〕を用いると共にポリ−D−乳酸〔D1〕の代わりにポリ−D−乳酸〔D3〕を用いたことの他は同様にして、比較用の固体ポリ乳酸〔g〕を得た。
得られた比較用の固体ポリ乳酸〔g〕はステレオコンプレックス結晶を含有しているものであった。この比較用の固体ポリ乳酸〔g〕の重量平均分子量(Mw)、融点温度Tm、ガラス転移点温度Tg、結晶化度およびステレオコンプレックス結晶の含有割合を表1に示す。
また、得られた比較用の固体ポリ乳酸〔g〕の沈殿粉末をプレス処理してフィルムを作製し、このフィルムについて動的粘弾性測定(DMA)により室温(25℃)における貯蔵弾性率、および100℃における貯蔵弾性率を測定し、さらにtanδの値を算出した。室温(25℃)における貯蔵弾性率、100℃における貯蔵弾性率およびtanδピークの値を表1に示す。
また、この比較用の固体ポリ乳酸〔g〕についての貯蔵弾性率の温度依存性、およびtanδの温度依存性を測定した結果を図3に示す。

0061

<比較例8>
単体のポリ−L−乳酸〔L1〕をプレス処理してフィルムを作製し、このフィルムについて動的粘弾性測定(DMA)により室温(25℃)における貯蔵弾性率、および100℃における貯蔵弾性率を測定し、さらにtanδの値を算出した。室温(25℃)における貯蔵弾性率、100℃における貯蔵弾性率およびtanδピークの値を表1に示す。
また、この単体のポリ−L−乳酸〔L1〕についての貯蔵弾性率の温度依存性、およびtanδの温度依存性を測定した結果を図3に示す。

0062

0063

図3のグラフより明らかなように、実施例1,6に係る固体ポリ乳酸は、比較例5〜7に係る低分子量ポリ乳酸による固体ポリ乳酸に比して、貯蔵弾性率がガラス転移点温度Tg以上の高温下においても比較的高い値を維持しており、また非晶質部分に由来する緩和強度を示すtanδピ−クが小さく、これにより、実施例1,6に係る本発明の固体ポリ乳酸が高い耐熱性を有し、またガラス転移点温度Tg以上の高温下においても高い機械的強度を得ることができることが確認された。
ガラス転移点温度Tg以上の高温下においても高い機械的強度を得ることができる理由は、ステレオコンプレックス結晶はいわゆるα型結晶と呼ばれるポリ−L−乳酸単体の結晶と比して微細構造を有するものであり、このステレオコンプレックス結晶が分子運動を抑制する架橋点として作用することによるものであると推測される。また、ステレオコンプレックス結晶を構成するポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の分子量が大きいほど緩和時間が長くなるため、分子量が大きいものであることによって高温下において高い機械的強度を示すものと考えられる。

図面の簡単な説明

0064

実施例1,2および比較例1〜3の結果を示すグラフである。
実施例3〜5および比較例4の結果を示すグラフである。
実施例1,6および比較例5〜8の結果を示すグラフである。

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