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技術 筋力評価トレーニングシステム、装置及び方法

出願人 沖電気工業株式会社
発明者 門田健志
出願日 2007年2月28日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2007-048517
公開日 2008年9月11日 (12年3ヶ月経過) 公開番号 2008-206889
状態 特許登録済
技術分野 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定
主要キーワード スティフネス特性 先端出力 協調活動 関節リンク機構 出力分布図 作業平面 バイオメカニズム アブソリュート型エンコーダ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年9月11日)のものです。
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図面 (8)

課題

ロボットアーム先端弾性を、実効筋がリンク系先端に発揮し得る力の第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従させることによって、被験者姿勢が変化しても、力を発揮する方向を被験者に対して適切に教示することができ、被験者は力を発揮する方向を確実に把握することができるようにする。

解決手段

系先端が固定されるロボットアームの先端は、方向によって異なる弾性を備え、弾性が、拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群によって系先端において発揮される力の第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従するように変化することにより、系先端において発揮させる力の方向を被験者に教示する。

概要

背景

従来、二関節アーム装置のような二関節リンク機構を利用した筋力トレーニング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、四肢に沿って配置されたロボットアームを用いて筋力を評価したりトレーニングしたりするシステムや装置において、ロボットアーム先端弾性を方向によって硬軟を付けることにより、被験者に力を発揮する方向を教示する技術も開示されている。
特開2000−210272号公報

概要

ロボットアーム先端の弾性を、実効筋がリンク系先端に発揮し得る力の第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従させることによって、被験者の姿勢が変化しても、力を発揮する方向を被験者に対して適切に教示することができ、被験者は力を発揮する方向を確実に把握することができるようにする。系先端が固定されるロボットアームの先端は、方向によって異なる弾性を備え、弾性が、拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群によって系先端において発揮される力の第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従するように変化することにより、系先端において発揮させる力の方向を被験者に教示する。

目的

本発明は、前記従来の筋力評価トレーニングシステムの問題点を解決して、ロボットアーム先端の弾性を、実効筋がリンク系先端に発揮し得る力の第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従させることによって、被験者の姿勢が変化しても、力を発揮する方向を被験者に対して適切に教示することができ、被験者は力を発揮する方向を確実に把握することができる筋力評価トレーニングシステム、装置及び方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

(a)両端に第1関節及び第2関節が接続された第1リンクと、(b)一端が前記第2関節に接続され、他端が系先端である第2リンクと、(c)前記第1関節、第2関節及び系先端を含む平面の運動に実効を及ぼす第1関節及び第2関節周り拮抗一関節筋群と、(d)前記第1関節及び第2関節に跨る拮抗二関節筋群とを備える被験者の2関節リンク機構筋力評価トレーニングシステムであって、(e)前記系先端が固定されるロボットアームの先端は、方向によって異なる弾性を備え、(f)該弾性が、前記拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群によって系先端において発揮される力の前記第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従するように変化することにより、前記系先端において発揮させる力の方向を前記被験者に教示することを特徴とする筋力評価トレーニングシステム。

請求項2

前記被験者が着座するサドルと、前記被験者の上肢又は下肢の長さに調整可能なロボットアームと、該ロボットアームを前記被験者の上肢又は下肢に沿って固定する装着具と、前記ロボットアームの第1関節及び第2関節の軸トルクを制御する制御装置と、前記ロボットアームの関節角度を測定する角度測定装置とを備える筋力評価トレーニング装置を有し、前記制御装置がロボットアームの先端のスティフネスを制御する請求項1に記載の筋力評価トレーニングシステム。

請求項3

前記スティフネスは、前記第1関節の軸トルク及び第2関節の軸トルクを2本の軸とする平面上において、前記被験者が発揮すべき力の方向及び該方向と直交する方向に関する固有値が各々一定である楕円として表現される請求項2に記載の筋力評価トレーニングシステム。

請求項4

(a)被験者が着座するサドルと、(b)前記被験者の上肢又は下肢の長さに調整可能なロボットアームと、(c)該ロボットアームを前記被験者の上肢又は下肢に沿って固定する装着具と、(d)前記ロボットアームの第1関節及び第2関節の軸トルクを制御する制御装置と、(e)前記ロボットアームの関節角度を測定する角度測定装置とを有し、(f)前記制御装置は、ロボットアームの先端が方向によって異なる弾性を備え、かつ、該弾性を、前記被験者の上肢又は下肢の姿勢の変化に追従するように変化させることにより、上肢又は下肢の先端において発揮させる力の方向を前記被験者に教示することを特徴とする筋力評価トレーニング装置。

請求項5

(a)両端に第1関節及び第2関節が接続された第1リンクと、(b)一端が前記第2関節に接続され、他端が系先端である第2リンクと、(c)前記第1関節、第2関節及び系先端を含む平面の運動に実効を及ぼす第1関節及び第2関節周りの拮抗一関節筋群と、(d)前記第1関節及び第2関節に跨る拮抗二関節筋群とを備える被験者の2関節リンク機構の筋力評価トレーニング方法であって、(e)前記系先端が固定されるロボットアームの先端の弾性を、前記拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群によって系先端において発揮される力の前記第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従するように変化させることにより、前記系先端において発揮させる力の方向を前記被験者に教示することを特徴とする筋力評価トレーニング方法。

技術分野

0001

本発明は、筋力評価トレーニングシステム、装置及び方法に関するものである。

背景技術

0002

従来、二関節アーム装置のような二関節リンク機構を利用した筋力トレーニング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、四肢に沿って配置されたロボットアームを用いて筋力を評価したりトレーニングしたりするシステムや装置において、ロボットアーム先端弾性を方向によって硬軟を付けることにより、被験者に力を発揮する方向を教示する技術も開示されている。
特開2000−210272号公報

発明が解決しようとする課題

0003

しかしながら、前記従来の筋力評価トレーニングシステムにおいては、特定の方向の弾性率が四肢の姿勢に関わらず一定であるのに対して、実際の人間の四肢の先端で発生する力は、四肢の姿勢によって大きく変化する。そのため、被験者の姿勢が変化し、使用者が四肢の先端で発揮することができる力が大きくなったり小さくなったりすると、硬軟の感じ方が変化し、硬軟の差が不明瞭となる場合があった。この場合、被験者は力を発揮する方向を把握することができなくなってしまう。

0004

本発明は、前記従来の筋力評価トレーニングシステムの問題点を解決して、ロボットアーム先端の弾性を、実効筋がリンク系先端に発揮し得る力の第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従させることによって、被験者の姿勢が変化しても、力を発揮する方向を被験者に対して適切に教示することができ、被験者は力を発揮する方向を確実に把握することができる筋力評価トレーニングシステム、装置及び方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

そのために、本発明の筋力評価トレーニングシステムにおいては、両端に第1関節及び第2関節が接続された第1リンクと、一端が前記第2関節に接続され、他端が系先端である第2リンクと、前記第1関節、第2関節及び系先端を含む平面の運動に実効を及ぼす第1関節及び第2関節周りの拮(きっ)抗一関節筋群と、前記第1関節及び第2関節に跨(またが)る拮抗二関節筋群とを備える被験者の2関節リンク機構の筋力評価トレーニングシステムであって、前記系先端が固定されるロボットアームの先端は、方向によって異なる弾性を備え、該弾性が、前記拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群によって系先端において発揮される力の前記第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従するように変化することにより、前記系先端において発揮させる力の方向を前記被験者に教示する。

0006

本発明の他の筋力評価トレーニングシステムにおいては、さらに、前記被験者が着座するサドルと、前記被験者の上肢又は下肢の長さに調整可能なロボットアームと、該ロボットアームを前記被験者の上肢又は下肢に沿って固定する装着具と、前記ロボットアームの第1関節及び第2関節の軸トルクを制御する制御装置と、前記ロボットアームの関節角度を測定する角度測定装置とを備える筋力評価トレーニング装置を有し、前記制御装置がロボットアームの先端のスティフネスを制御する。

0007

本発明の更に他の筋力評価トレーニングシステムにおいては、さらに、前記スティフネスは、前記第1関節の軸トルク及び第2関節の軸トルクを2本の軸とする平面上において、前記被験者が発揮すべき力の方向及び該方向と直交する方向に関する固有値が各々一定である楕(だ)円として表現される。

0008

本発明の筋力評価トレーニング装置においては、被験者が着座するサドルと、前記被験者の上肢又は下肢の長さに調整可能なロボットアームと、該ロボットアームを前記被験者の上肢又は下肢に沿って固定する装着具と、前記ロボットアームの第1関節及び第2関節の軸トルクを制御する制御装置と、前記ロボットアームの関節角度を測定する角度測定装置とを有し、前記制御装置は、ロボットアームの先端が方向によって異なる弾性を備え、かつ、該弾性を、前記被験者の上肢又は下肢の姿勢の変化に追従するように変化させることにより、上肢又は下肢の先端において発揮させる力の方向を前記被験者に教示する。

0009

本発明の筋力評価トレーニング方法においては、両端に第1関節及び第2関節が接続された第1リンクと、一端が前記第2関節に接続され、他端が系先端である第2リンクと、前記第1関節、第2関節及び系先端を含む平面の運動に実効を及ぼす第1関節及び第2関節周りの拮抗一関節筋群と、前記第1関節及び第2関節に跨る拮抗二関節筋群とを備える被験者の2関節リンク機構の筋力評価トレーニング方法であって、前記系先端が固定されるロボットアームの先端の弾性を、前記拮抗一関節筋群及び拮抗二関節筋群によって系先端において発揮される力の前記第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従するように変化させることにより、前記系先端において発揮させる力の方向を前記被験者に教示する。

発明の効果

0010

本発明によれば、筋力評価トレーニングシステムは、ロボットアーム先端の弾性を、実効筋がリンク系先端に発揮し得る力の第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従させるようになっている。これにより、被験者の姿勢が変化しても、力を発揮する方向を被験者に対して適切に教示することができ、被験者は力を発揮する方向を確実に把握することができる。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。

0012

図2は本発明の第1の実施の形態における使用者の体肢筋群を模式的に示す図、図3は本発明の第1の実施の形態における使用者の体肢の筋の活動パターンを示すグラフ図4は本発明の第1の実施の形態における使用者の体肢の筋の出力分布特性を示す図である。

0013

図2において、20は本実施の形態における被験者としての使用者であり、筋力評価トレーニングシステムを使用して筋力の評価及びトレーニングを行う者である。まず、筋力評価トレーニングシステムの背景となる人間の体肢の2関節リンク機構について、本発明の理解に必要な範囲で説明する。

0014

人間の体肢、すなわち、四肢には二関節筋が存在し、該二関節筋は、1つの関節に作用する一関節筋と協調して先端の出力を制御しており、その先端出力は、図4に示されるような六角形出力分布で表されることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。そして、六角形の出力分布特性に基づいて機能別実行筋力を評価する方法も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
川智彦、大島徹、熊本水頼、山本倫久、「上肢における拮抗する一関節筋及び二関節筋群の協調活動とその機械モデルによる制御機能解析」、バイオメカニズム13、バイオメカニズム学会、(1996)181.。

0015

次に、本発明の理解に必要な範囲で、非特許文献1及び特許文献1に記載された四肢の先端出力特性について説明する。

0016

人間の上肢及び下肢ともに、第1関節、第2関節及び系先端を含む二次元平面内の運動において、第1関節及び第2関節に作用する筋群は、その機能を考慮すると、図2に示されるように、第1関節周りの一対の拮抗一関節筋ペア(f1、e1)、第2関節周りの一対の拮抗一関節筋ペア(f2、e2)、及び、第1関節と第2関節とに跨る一対の拮抗一関節筋ペア(f3、e3)の3対6筋で代表させることが可能であり、これを機能別実行筋と呼ぶ。なお、図2に示される例は、使用者20の下肢の股(こ)関節及びひざ)関節に作用する筋群である。

0017

一関節筋は1つの関節にのみ作用する筋で、上肢では肩関節三角筋前部や三角筋後部、ひじ)関節の上腕筋上腕三頭筋外側頭が相当し、下肢では股関節大殿筋大腰筋膝関節大腿(たい)二頭筋短頭外側広筋が相当する。そして、二関節筋は、2つの関節に跨って作用する筋で、上肢では上腕二頭筋上腕三頭筋長頭が相当し、下肢ではハムストリングス大腿直筋が相当する。

0018

人間の上肢及び下肢の2関節リンクの系先端、すなわち、上肢では手根関節部、下肢では足関節部、において発揮される力及びその出力方向は、3対6筋の機能別実行筋の協調活動で制御される。前記系先端で各方向に最大努力で力を発揮すると、力の出力方向に応じて3対6筋の機能別実行筋が、図3に示されるように交代的に収縮する。なお、図3において、Fは添え字で示される関節筋の力を表している。

0019

また、3対6筋の機能別実行筋が発揮する収縮力によって体肢先端に発生する力の方向は、図4に示されるとおりであり、図3に示されるような交代パターンに従った協調制御による力の合成によって、六角形の最大出力分布特性を示す。

0020

この最大出力分布特性の六角形の各辺は、第1リンク、第2リンク、第1関節と系先端とを結ぶ直線に平行であるという特徴がある。したがって、六角形の形状は体肢の姿勢によって異なる。そして、筋の収縮力が一定で各関節に発生しているトルクが変化しなくても、関節軸トルクによって、人間の体肢の先端に発生する力は、上肢又は下肢の姿勢によってその方向も大きさも変化する。

0021

次に、本実施の形態における筋力評価トレーニングシステムで使用される筋力評価トレーニング装置10の構成について説明する。

0022

図1は本発明の第1の実施の形態における筋力評価トレーニング装置の構造を模式的に示す図である。なお、図1において、(a)は側面を示す図であり、(b)は正面を示す図である。

0023

本実施の形態における筋力評価トレーニング装置10は、前述のような人間の体肢の先端における出力特性を考慮し、効果的な筋力評価及び筋力トレーニングを実現するものである。そして、前記筋力評価トレーニング装置10は、図1に示されるように、使用者20が着座するサドル11、使用者20の体肢に沿って装着されるロボットアーム12、該ロボットアーム12を制御する図示されない制御装置、及び、使用者20が筋力評価及び筋力トレーニングの意図を入力する図示されない入力操作装置を有する。なお、ここでは説明の都合上、下肢の例についてのみ説明するが、上肢についても同様である。

0024

そして、前記ロボットアーム12は、大腿部に対応する第1リンク14aと、下腿部に対応する第2リンク14bとの2つのリンクから成る2自由度のロボットアームである。また、第1リンク14a及び第2リンク14bは、リンク長を調節することができるスライド機構を備え、筋力評価及び筋力トレーニングを行うときには、それぞれ、使用者20の大腿部及び下腿部の長さと同じになるように調整され、第1装着具15a及び第2装着具15bによって使用者20の大腿部及び下腿部に固定されて装着される。なお、第1リンク14a及び第2リンク14b並びに第1装着具15a及び第2装着具15bを統合的に説明する場合には、各々、リンク14及び装着具15として説明する。

0025

なお、前記ロボットアーム12は、使用者20がサドル11に着座した状態で、使用者20に装着されるが、このとき、ロボットアーム12の第1関節軸16aを使用者20の股関節に一致させ、ロボットアーム12の第2関節軸16bを使用者20の膝関節軸に一致させる。また、前記第1関節軸16a及び第2関節軸16bには、第1サーボモータ17a及び第2サーボモータ17bが連結され、さらに、関節角度を測定するための角度検出装置としてアブソリュート型エンコーダ装備されている。なお、前記第1関節軸16a及び第2関節軸16b並びに第1サーボモータ17a及び第2サーボモータ17bを統合的に説明する場合には、各々、関節軸16及びサーボモータ17として説明する。ここで、該サーボモータ17は、関節駆動源として機能し、関節軸を回転させるための軸トルクを発生する。そして、サーボモータ17の発生するトルクは、前記制御装置によって制御される。また、該制御装置に接続された記録装置によって、ロボットアーム12の関節軸が発生しているトルクを記録することができる。

0026

さらに、前記制御装置には、図示されないCRT液晶ディスプレイ等を備える表示装置プリンタ等の印刷装置等の出力手段が接続されている。該出力手段は、後述される六角形の出力分布図を作成して表示又は印刷したり、使用者20に対して発揮すべき力の方向等に関する教示を行う。

0027

次に、前記構成の筋力評価トレーニング装置10の動作について説明する。

0028

図5は本発明の第1の実施の形態におけるリンク系先端の力の出力分布図と関節軸トルクの出力分布図との対比を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるスティフネス楕円の変化を示す図である。なお、図5において、(a)はリンク系先端の力の出力分布図を示し、(b)は関節軸トルクの出力分布図を示し、図6において、(a)〜(d)は第2関節の伸展状態に対応するスティフネス楕円の変化を示している。

0029

上肢では手根関節部、また、下肢では足関節部に該当するリンク系先端において発揮される力の出力分布図は、リンク系の関節角度によって変化する。そこで、本実施の形態においては、図5(b)に示されるように、横軸に第1関節の軸トルク(τ1)を採り、縦軸に第2関節の軸トルク(τ2)を採った図であって、第1関節と第2関節とで同時に発生し得る軸トルクをプロットした関節軸トルクの出力分布図を考える。

0030

機能別実効筋の理論によれば、関節軸トルクの出力分布図も、図5(a)に示されるようなリンク系先端の力の出力分布図と同様に、六角形となる。図5には、関節軸トルクの出力分布図とリンク系先端における力の出力分布図とが対応するように示されている。

0031

ここで、図5(a)及び(b)に示される2つの六角形の対応について説明する。

0032

図5(a)は特許文献1の出力分布特性に対応するものであるが、図5(a)に示される六角形において、第2かん)、すなわち、第2リンクに平行な2辺は、第2関節に対するモーメントが変化しないので、関節軸トルクの出力分布図では、τ2=一定、すなわち、τ1軸に平行な直線と等価である。同様に、図5(a)に示される六角形において、第1関節とリンク系先端とを結ぶ直線に平行な2辺は、第1関節に対するモーメントが変化しないので、関節軸トルクの出力分布図では、τ1=一定、すなわち、τ2軸に平行な直線と等価である。

0033

また、図5(a)に示される六角形の辺のうち、第1杆、すなわち、第1リンクに平行な2辺については、該辺のいずれか一方の頂点から他方の頂点への力の変化を考えれば、その方向は第1リンクの方向に等しく、第1関節と第2関節とに等しいトルク変化を与えると考えられるので、τ1=τ2の直線に平行な直線と等価である。

0034

そして、図5(b)に示されるような関節軸トルクの出力分布図を測定することができれば、任意の関節角度におけるリンク先端の出力分布図を得ることも可能である。

0035

また、各機能別実効筋の個別の筋力を評価するには、特許文献1に示されるように、一対の拮抗二関節筋の除脂肪断面積を特定することによって推定することができる。

0036

前記筋力評価トレーニング装置10において、関節軸トルクの出力分布図を得るには、使用者20の下肢にロボットアーム12を沿うように装着した状態で、使用者20が最大努力で様々な方向に出した力を関節軸トルクとして記録する。この場合、使用者20に力の方向を、図示などの手段によって指示しながら、力を発揮させる。また、ロボットアーム12は、関節角度が変化しないように関節軸トルクを制御することによって、使用者20に対して反力を発生するので、関節角度が変化しないときの関節軸トルクを、使用者20が発揮した関節軸トルクとして記録する。

0037

そして、記録された関節軸トルクを2つの関節軸が同時に発生し得るトルクとして、図5(b)に示されるようなτ1−τ2座標平面にプロットする。続いて、プロット全体の集合を内部に含み、2辺がτ1軸に平行であり、2辺がτ2軸に平行であり、他の2辺がτ2=τ1の直線に平行であるような六角形であって最小の六角形を描画し、該六角形を関節軸トルクの出力分布図とする。そして、使用者20がトレーニングを行う前に筋力評価トレーニング装置10を使用して作成した六角形と、同じ使用者20がトレーニングを行った後に筋力評価トレーニング装置10を使用して作成した六角形とを、同一画面上に示すことによって、トレーニング前後の筋力の変化を把握することができる。

0038

次に、トレーニングを行う場合、使用者20は、まず、筋力評価トレーニング装置10の入力操作装置を操作して、トレーニングメニューを入力する。該トレーニングメニューの入力は、例えば、図4に示されるような最大出力分布特性の六角形に基づいて、自身の体肢先端で増強したい出力方向とトレーニング負荷の大きさとを入力することである。

0039

例えば、立ち幅跳びの跳躍距離を伸ばしたいという意図で、図4に示されるような六角形におけるb方向の先端出力を増強したい場合、使用者20は、トレーニングする出力方向としてb方向を選択し、トレーニング負荷の大きさを入力する。そして、図3に示されるような3対6筋の交代パターンから、b方向に力を発揮する場合に活動する筋は、f1(股関節一関節屈筋群)、e2(膝関節一関節屈筋群)及びf3(大腿部二関節筋屈筋群)であることが分かる。

0040

b方向の先端出力を増強するには、前記f1、e2及びf3の3筋群を鍛えればよいので、筋力評価トレーニング装置10は、前記3筋群が活動したときに股関節及び膝関節に対応する第1サーボモータ17a及び第2サーボモータ17bが発生するトルクを反対方向で、使用者20が入力したトレーニング負荷の大きさまで徐々に、又は、段階的に増加させる。そして、使用者20は、筋力評価トレーニング装置10が発生するトルクに対抗するように力を入れることによって、所定の筋出力の状態を維持し、筋力をトレーニングすることができる。

0041

前記筋力評価トレーニング装置10は、使用者20に対して一定のトルクを負荷としてかけているので、使用者20が、体肢先端(前記の例の場合、足首)の位置を変化させないように努力することで、等尺性のトレーニングをすることも可能である。また、トレーニング中に使用者20の姿勢が変化しても筋に対する負荷が変化しないので、等張性のトレーニングをすることも可能である。

0042

さらに、前記筋力評価トレーニング装置10は、使用者20が筋力の評価及びトレーニングを行う場合、使用者20の上肢又は下肢に沿って配置されたロボットアーム12先端のスティフネス特性によって、力を発揮すべき方向を前記使用者20に対して教示する。すなわち、ロボットアーム12の先端におけるある方向の弾性率と、前記方向に垂直な方向の弾性率とに差を付けることによって、例えば、弾性率が低く柔らかい方向が力を出すべき方向であると、使用者20に対して、方向を教示する。また、使用者20の上肢又は下肢の姿勢が変化したときに上肢又は下肢の先端出力が大きくなる方向には弾性率が大きくなるように変化し、逆に先端出力が小さくなる方向には弾性率が小さくなるように変化させる。

0043

図5に示されるように、作業空間内での方向を、aベクトル(股関節を始点とし、足関節終点とするベクトル)及びbベクトル(膝関節を始点とし、足関節を終点とするベクトル)を基底ベクトルとして、力を出すべき方向pベクトルをaベクトルとbベクトルとの一次結合で、次の式(1)のように表す。

0044

そして、α及びβの値を一定にすると、機能別実効筋における各実効筋の収縮力の比が一定になる。

0045

また、pベクトルと垂直な方向のベクトルをqベクトルとすると、該qベクトルは、二関節アーム機構先端のヤコビ行列をJとして、次の式(2)で表すことができる。

0046

さらに、次の式(3)が成立する。

0047

したがって、関節軸トルクと二関節アーム機構先端の変位との関係は、次の式(4)で表される。

0048

そして、二関節アーム機構先端の変位と関節角度変位との関係を使って、関節軸トルクと関節角度変位との関係(関節軸のスティフネス)に直すと、次の式(5)となる。

0049

Jはヤコビ行列であるので、関節角度の関数となる。そのため、Jの行列の成分を求めるために、ロボットアーム12の関節に配設された関節角度検出装置によって実際の関節角度を測定する。

0050

さらに、Gについて式の変形を進めていくと、次の式(6)を得ることができる。

0051

そして、該式(6)における第1項の行列の固有値と固有ベクトルとを計算すると、次の式(7)となる。

0052

すなわち、第1項はp方向に変位するときのτ1−τ2平面における応答である。

0053

また、前記式(6)における第2項の行列の固有値と固有ベクトルとを計算すると、次の式(8)となる。

0054

すなわち、第2項はq方向に変位するときのτ1−τ2平面における応答である。

0055

そして、前記式(6)〜(8)から、Gは次の式(9)で表される。

0056

Gを前記式(9)のように表すと、λ’1 とλ’2 に様々な式を当て嵌(は)めることによって、p方向及びq方向に対して多様な応答を作り出すことができる。例えば、前記式(6)で表されるGは、作業平面におけるp方向及びq方向の弾性率が変化しない状態である。

0057

関節軸が発生するトルクと、関節軸が発生するトルクとによってリンク系先端に発生する力の関係を、力の方向と関節角度による変化を考慮して、前記式(9)において

0058

とすると、リンク系先端において、先端出力の六角形の変化に応じてスティフネス楕円が変化する。

0059

図6に、p方向をaベクトル(図6において下方向)と一致させた場合の先端出力の六角形とスティフネス楕円の変化を示す。第2関節が伸展するに従って、aベクトルの方向に先端出力の六角形及びスティフネス楕円がともに伸び、aベクトルと垂直な方向に先端出力の六角形及びスティフネス楕円がともに縮んでいることが分かる。p方向がどの方向であっても同様に変化する。

0060

このように、本実施の形態においては、ロボットアーム12先端の弾性を、3対6筋の実効筋が2関節リンク系先端に発揮し得る力の第1関節及び第2関節の角度変化に伴う変化に追従させることができる。すなわち、使用者20の上肢又は下肢に沿って配置されたロボットアーム12先端のスティフネス特性を、使用者20の上肢又は下肢の姿勢変化に対応して変化させることができる。そのため、使用者20の上肢又は下肢が大きな力が出せる姿勢のときは弾性率が高く、使用者20の上肢又は下肢が小さな力しか出せない姿勢のときは弾性率が低くなる。これにより、筋力の評価又はトレーニングを行う使用者20に対して、力を発揮すべき方向を明確に教示することができる。

0061

次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。

0062

図7は本発明の第2の実施の形態におけるスティフネス楕円の変化を示す図である。なお、図7において、(a)〜(d)は第2関節の伸展状態に対応するスティフネス楕円の変化を示している。

0063

ここでは、τ1−τ2平面においてスティフネス楕円の大きさがほぼ一定となるように、前記式(9)における第1項及び第2項の固有値を一定とする。すなわち、前記式(9)における第1項及び第2項のスカラーが次の式(11)で表されるものとする。

0064

機能別実効筋が第1関節と第2関節とにおいて同時に発生することができる最大のトルクは変わらないので、τ1−τ2平面におけるスティフネス楕円の大きさの変化が少ないように固有値を一定にすることによって、作業平面内におけるリンク系のスティフネス楕円は、リンク系の先端出力を示す六角形に近い変化をする。

0065

図7には、本実施の形態において、p方向をaベクトル(図4における下向のベクトル)と一致させた場合の先端出力の六角形及びスティフネス楕円の変化が示されている。図7(a)〜(d)から、スティフネス楕円の変化が先端出力の六角形の変化よりも大きいものの、第2関節が伸展するに従って、aベクトルの方向に先端出力の六角形及びスティフネス楕円がともに伸張し、aべクトルと垂直な方向に先端出力の六角形及びスティフネス楕円がともに収縮していることが分かる。なお、p方向がいかなる方向であっても、同様に変化する。

0066

このように、本実施の形態においては、Gのスカラーを前記式(11)で表されるものとしたので、筋力評価トレーニング装置10の制御装置の演算処理負担を低減することができる。すなわち、前記第1の実施の形態では、Gのスカラーを先端出力の六角形の変化に追従する式で表されるものとしたので、計算の過程平方根の計算が必要となり、制御装置の演算処理負担が大きい。これに対し、本実施の形態においては、先端出力の変化とスティフネス楕円の変化の方向とを揃(そろ)えながら、より簡単な加減乗除だけで計算を済ますことができるので、制御装置の演算処理負担が低減される。したがって、演算処理能力の低い制御装置を採用することができる。

0067

なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。

図面の簡単な説明

0068

本発明の第1の実施の形態における筋力評価トレーニング装置の構造を模式的に示す図である。
本発明の第1の実施の形態における使用者の体肢の筋群を模式的に示す図である。
本発明の第1の実施の形態における使用者の体肢の筋の活動パターンを示すグラフである。
本発明の第1の実施の形態における使用者の体肢の筋の出力分布特性を示す図である。
本発明の第1の実施の形態におけるリンク系先端の力の出力分布図と関節軸トルクの出力分布図との対比を示す図である。
本発明の第1の実施の形態におけるスティフネス楕円の変化を示す図である。
本発明の第2の実施の形態におけるスティフネス楕円の変化を示す図である。

符号の説明

0069

10筋力評価トレーニング装置
11サドル
12ロボットアーム
14a 第1リンク
14b 第2リンク
15a 第1装着具
15b 第2装着具
20 使用者

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