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課題

従来よりもねじり疲労強度に優れた、インプットシャフトアウトプットシャフトに代表される、縦穴を有する機械構造用部品の提供。

解決手段

中空棒状部品2であって、中空部1を囲む外周壁を貫通して中空部1に連通する縦穴3を有する機械構造用部品において、縦穴3を中心とし縦穴直径の3倍以上の直径Lをもって展開する硬化層4を形成し、硬化層は旧オーステナイト結晶粒径が10μm以下の組織とし、かつ表層部の圧縮残留応力を1000MPa以上とする。

概要

背景

中空部に連通する縦穴を有する機械構造用部品としては、自動車用オートマティックトランスミッションインプットシャフトまたはアウトプットシャフトに代表される、潤滑油循環経路である縦穴を有するシャフトが良く知られている。従来、この種のシャフトは、肌焼鋼を所定の形状に機械加工を行った後、浸炭焼入れ焼戻し処理を行うのが一般的である。

前記部品を代表とする、縦穴を有するシャフトの重要な機械的性質として、捻り疲労強度が挙げられる。近年、環境問題から、軽量化は特に重要であり、軽量化を実現する為に、更なる高強度化が求められている。しかし、従来、その縦穴を起点とする疲労破壊において、径の小さい縦穴を強化することは困難であった。

ここで、縦穴を有するシャフトの疲労強度を高める技術として、特許文献1および2には、ショットピリング処理を施すことが提案されている。
上記の特許文献1および2に開示された技術をもってしても、近年のねじり疲労強度に対する要求には十分に応えられないところにも問題を残していた。
特許第3502744号公報
特許第3714798号公報

概要

従来よりもねじり疲労強度に優れた、インプットシャフトやアウトプットシャフトに代表される、縦穴を有する機械構造用部品の提供。中空棒状部品2であって、中空部1を囲む外周壁を貫通して中空部1に連通する縦穴3を有する機械構造用部品において、縦穴3を中心とし縦穴直径の3倍以上の直径Lをもって展開する硬化層4を形成し、硬化層は旧オーステナイト結晶粒径が10μm以下の組織とし、かつ表層部の圧縮残留応力を1000MPa以上とする。

目的

本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、従来よりもねじり疲労強度に優れた、インプットシャフトやアウトプットシャフトに代表される、縦穴を有する機械構造用部品について、提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

中空棒状部品であって、該中空部を囲む外周壁を貫通して中空部に連通する縦穴を有する機械構造用部品において、該縦穴を中心とし縦穴直径の3倍以上の直径をもって展開する硬化層を形成し、該硬化層は旧オーステナイト結晶粒径が10μm以下の組織を有し、かつ表層部の圧縮残留応力が1000MPa以上であることを特徴とする機械構造用部品。

請求項2

請求項1において、前記硬化層は高周波焼入れ焼戻し処理層であり、硬化層深さが[部品半径(mm)−中空部半径(mm)]の70〜80%である機械構造用部品。

請求項3

請求項1または2において、質量%でC:0.35〜0.7%、Si:0.30〜1.1%、Mn:0.2〜2.0%、Al:0.005〜0.25%、Ti:0.005〜0.1%、Mo:0.05〜0.6%、B:0.0003〜0.006%、S:0.06%以下、P:0.02%以下およびCr:0.2%以下を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなる成分組成を有する機械構造用部品。

請求項4

請求項1、2または3において、母材組織ベイナイト組織及びマルテンサイト組織を有し、ベイナイト組織及びマルテンサイト組織の合計面積組織分率が10%以上である機械構造用部品。

請求項5

請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記棒状部品がシャフトである機械構造用部品。

技術分野

0001

本発明は、中空部を囲む外周壁を貫通して中空部に連通する縦穴を有する機械構造用部品、特に疲労強度に優れる機械構造用部品に関するものである。

背景技術

0002

中空部に連通する縦穴を有する機械構造用部品としては、自動車用オートマティックトランスミッションインプットシャフトまたはアウトプットシャフトに代表される、潤滑油循環経路である縦穴を有するシャフトが良く知られている。従来、この種のシャフトは、肌焼鋼を所定の形状に機械加工を行った後、浸炭焼入れ焼戻し処理を行うのが一般的である。

0003

前記部品を代表とする、縦穴を有するシャフトの重要な機械的性質として、捻り疲労強度が挙げられる。近年、環境問題から、軽量化は特に重要であり、軽量化を実現する為に、更なる高強度化が求められている。しかし、従来、その縦穴を起点とする疲労破壊において、径の小さい縦穴を強化することは困難であった。

0004

ここで、縦穴を有するシャフトの疲労強度を高める技術として、特許文献1および2には、ショットピリング処理を施すことが提案されている。
上記の特許文献1および2に開示された技術をもってしても、近年のねじり疲労強度に対する要求には十分に応えられないところにも問題を残していた。
特許第3502744号公報
特許第3714798号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、従来よりもねじり疲労強度に優れた、インプットシャフトやアウトプットシャフトに代表される、縦穴を有する機械構造用部品について、提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

さて、発明者らは、縦穴を有する機械構造用部品のねじり疲労強度を効果的に向上させるべく、鋭意検討を行った。
その結果、以下に述べるように、特に縦穴周りに形成する硬化層旧オーステナイト粒径を最適化することにより、優れたねじり疲労強度を有する機械構造用部品が得られるとの知見を得て、本発明を完成するに到った。

0007

(1)中空棒状部品であって、該中空部を囲む外周壁を貫通して中空部に連通する縦穴を有する機械構造用部品において、該縦穴を中心とし縦穴直径の3倍以上の直径をもって展開する硬化層を形成し、該硬化層は旧オーステナイト結晶粒径が10μm以下の組織を有し、かつ表層部の圧縮残留応力が1000MPa以上であることを特徴とする機械構造用部品。

0008

(2)前記(1)において、前記硬化層は高周波焼入れ焼戻し処理層であり、硬化層深さが[部品半径(mm)−中空部半径(mm)]の70〜80%である機械構造用部品。

0009

(3)前記(1)または(2)において、質量%で
C:0.35〜0.7%、
Si:0.30〜1.1%、
Mn:0.2〜2.0%、
Al:0.005〜0.25%、
Ti:0.005〜0.1%、
Mo:0.05〜0.6%、
B:0.0003〜0.006%、
S:0.06%以下、
P:0.02%以下および
Cr:0.2%以下
を含有し、残部はFe及び不可避不純物からなる成分組成を有する機械構造用部品。

0010

(4)前記(1)、(2)または(3)において、母材組織ベイナイト組織及びマルテンサイト組織を有し、ベイナイト組織及びマルテンサイト組織の合計面積組織分率が10%以上である機械構造用部品。

0011

(5)前記(1)ないし(4)のいずれかにおいて、前記棒状部品がシャフトである機械構造用部品。

発明の効果

0012

本発明によれば、高いねじり疲労強度を有する機械構造用部品を安定して得ることができ、その結果、自動車用部材の軽量化の要求に対して偉功を奏する。

発明を実施するための最良の形態

0013

以下、本発明による疲労強度に優れた縦穴を有する機械構造用部品について、その構成要件毎に限定理由を説明する。
本発明の機械構造用部品は、例えば図1に示すように、中空部1を有するシャフト2であり、中空部1を囲む外周壁を貫通して中空部1に連通する縦穴3を有する。そして、該縦穴3の周辺、具体的には、図2に示すように、縦穴3を中心とし縦穴3の直径lの3倍以上の直径Lをもって展開する硬化層4を形成してなる。

0014

ここで、硬化層4の直径Lを縦穴3の直径lの3倍以上としたのは、疲労強度に影響を及ぼす、疲労き裂進展範囲が穴径の3倍程度までであるからである。

0015

さらに、前記硬化層は、旧オーステナイト結晶粒径が10μm以下の組織であることが肝要である。
旧オーステナイト結晶粒径:10μm以下
まず、焼入れ硬化層の旧オーステナイト粒径は、本発明の重要な項目であり、旧オーステナイト結晶粒径が10μmを超えると、十分な粒界強度が得られず、満足な疲労強度の向上が望めない場合があると同時に、圧縮残留応力による疲労強度の向上効果も減少してしまうため、旧オーステナイト結晶粒径は10μm以下とした。旧オーステナイト結晶粒径の微細化には、成分組成並びに高周波焼入れ条件の適正化が必要である。

0016

硬化層表層部の圧縮残留応力:1000MPa以上
高い疲労強度を得るためには、硬化層表層部に圧縮残留応力を付与することが重要であり、特に1000MPa以上とすることで顕著に疲労強度は向上する。なお、硬化層表層部に高圧縮残留応力を付与するためには、高周波焼入れ条件の適正化と適正な条件でのショットピーニング処理が有効である。ここで、表層部とは、硬化層表面から500μmの深さまでの部分を指す。

0017

硬化層深さ:[部品半径(mm)−中空部半径(mm)]の70〜80%
硬化層深さh(図2参照)が浅すぎると、焼鈍で疲労き裂が発生するため高疲労強度が得られない。また硬化層深さが深すぎると、表面の圧縮残留応力を高めることが難しくなると同時に、部品全体の靭性が低下するため、硬化層深さは、図2に示す部品半径Rおよび中空部半径rに関して、[部品半径R(mm)−中空部半径r(mm)]の70%〜80%とした。ここで、硬化層深さとは、JIS G0559にて定義された「有効硬化層深さ」である。
すなわち、70%未満では、焼境で疲労き裂が生じてしまい、表面の圧縮残留応力を有効に活かすことができない、一方、80%を超えると、靭性低下が問題になる可能性が高まる。

0018

次に、本発明の機械構造用部品の好適な成分組成について、その限定理由を説明する。なお、成分組成に関する「%」表示は特に断らない限り「質量%」を示す。
C:0.35〜0.7%
Cは、焼入れ性への影響が最も大きい元素であり、焼入れ硬化層の硬さおよび深さを高めて疲労強度の向上に有効に寄与する。しかしながら、含有量が0.35%に満たないと、必要とされるねじり強度を確保するためには焼入れ硬化深さを飛躍的に高めねばならず、その際焼割れの発生が顕著となり、またベイナイト組織も生成し難くなるため、0.35%以上を添加する。一方、0.7%を超えて含有させると粒界強度が低下し、それに伴い疲労強度が低下し、また切削性冷間鍛造性および耐焼割れ性も低下する。このためCは、0.35〜0.7%の範囲に限定した。

0019

Si:0.3〜1.1%
Siは、脱酸剤として作用するだけでなく、強度の向上にも有効に寄与するが、含有量が1.1%を超えると、被削性および鍛造性の低下を招くため、Si量は1.1%以下が好ましい。なお、強度向上のためには0.3%以上とすることが好ましい。

0020

Mn:0.2 〜2.0 %
Mnは、焼入れ性を向上させ、焼入れ時の硬化深さを確保する上で有用な成分であるため、添加できる。含有量が 0.2%未満ではその添加効果に乏しいので、0.2 %以上が好ましい。一方、Mn量が 2.0%を超えると、焼入れ後残留オーステナイトが増加し、かえって表面硬度が低下し、ひいては疲労強度の低下を招くため、Mnは2.0%以下が好ましい。

0021

Al:0.005 〜0.25%
Alは、脱酸に有効な元素である。また、焼入れ加熱時におけるオーステナイト粒成長を抑制することによって焼入れ硬化層の粒径を微細化する上でも有用な元素である。しかしながら、含有量が 0.005%に満たないとその添加効果に乏しく、一方0.25%を超えて含有させてもその効果は飽和し、むしろ成分コストの上昇を招く不利が生じるので、Alは 0.005〜0.25%の範囲で含有させることが好ましい。

0022

Ti:0.005 〜0.1 mass%
Tiは、不可避的不純物として混入するNと結合することで、BがBNとなってBの焼入れ性向上効果が消失するのを防止し、Bの焼入れ性向上効果を十分に発揮させる作用を有する。この効果を得るためには、0.005%以上で含有することが好ましいが、0.1 %を超えて含有されるとTiNが多量に形成される結果、これが疲労破壊の起点となって疲労強度の著しい低下を招くので、Tiは 0.1%以下とすることが好ましい。

0023

Mo:0.005〜0.6%
Moは、オーステナイト粒の成長を抑制する上で有用な元素であり、そのためには0.05%以上で含有することが好ましいが、0.6%を超えて添加すると、被削性の劣化を招くため、Moは0.6%以下とすることが好ましい。

0024

Ti:0.005〜0.1%
Tiは、不可避的不純物として混入するNと結合することで、BがBNとなってBの焼入れ性向上効果が消失するのを防止し、Bの焼入れ性向上効果を十分に発揮させる作用を有する。この効果を得るためには、0.005%以上で含有することが好ましいが、
0.1%を超えて含有されると、TiNが多量に形成される結果、これが疲労破壊の起点となって疲労強度の著しい低下を招くため、Tiは0.1%以下とすることが好ましい。

0025

B:0.0003〜0.006%
Bは、粒界強化により疲労特性を改善するだけでなく、強度を向上させる有用な元素であり、好ましくは0.0003%以上で添加するが、0.006%を超えて添加しても、その効果は飽和するため、0.006%以下とすることが好ましい。

0026

S:0.06%以下
Sは、鋼中でMnSを形成し、切削性を向上させる有用元素であるが、0.06%を超えて含有させると粒界に偏析して粒界強度を低下させるため、Sは0.06%以下とすることが好ましい。

0027

P:0.02%以下
Pは、オーステナイト粒界に偏析し、粒界強度を低下させることにより、疲労強度を低下させる。また、焼き割れを助長する弊害もある。従って、Pの含有は極力低減することが望ましいが、0.02%までは許容できる。

0028

Cr:0.2%以下
Crは、炭化物を安定化させて残留炭化物の生成を助長し、粒界強度を低下させて疲労強度を劣化させる。従って、Crの含有は極力低減することが望ましいが、0.2%までは許容できる。

0029

また、母材組織としては、ベイナイト組織及びマルテンサイト組織を有し、ベイナイト組織及びマルテンサイト組織の合計面積の組織分率が10%以上であることが好ましい。

0030

本発明の実施例を、以下に説明する。
表1に示す化学成分の鋼を溶製した後、熱間鍛造により、図1に示すところに従う、直径40mmの棒材とし、焼ならし後、平行部の半径R:20mm、中空部半径r:7mm、さらに2mmの縦穴を有するねじり疲労試験片に加工した。その後、表2に示す条件で高周波焼入れを行い、表3に示す条件でショットピーニング処理を行った。表4に、表面硬さおよび硬化深さの調査結果を示す。

0031

ここで、Hv450以上の硬さの領域を硬化層深さとした。また、残留応力はX線により、縦穴部近傍の表面部にて測定した。ねじり疲労試験は2Hzの正弦波トルク負荷し、繰返し破断回数105回でのトルク値をねじり疲労強度とした。

0032

表4から明らかなように、本発明法による試料はいずれも優れたねじり疲労強度を示すことがわかる。一方、比較例は、十分な疲労強度が得られない。

0033

0034

0035

0036

図面の簡単な説明

0037

本発明に従う機械構造用部品の斜視図である。
図1のII−II線に沿う断面図である。

符号の説明

0038

1中空部
2シャフト
3縦穴
4 硬化層

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