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技術 トナー、トナーの製造方法及び画像形成装置

出願人 パナソニック株式会社
発明者 湯浅安仁曽我眞守藤本裕之
出願日 2007年12月19日 (14年0ヶ月経過) 出願番号 2007-326910
公開日 2008年8月21日 (13年4ヶ月経過) 公開番号 2008-191648
状態 未査定
技術分野 電子写真における現像剤 電子写真における現像剤
主要キーワード pHメータ スプリング張力 冷却水注入口 位置構成 遷移域 配合重量割合 立上り部分 SOHO
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図面 (16)

課題

シャープな粒度分布を有する小粒径トナー分級工程不要で作成でき、長寿命化ができ、転写時の中抜けや飛び散りを防止できるトナー又は二成分現像剤を提供する。

解決手段

水系媒体中において、少なくとも、樹脂粒子着色剤粒子及びワックス粒子凝集して生成される芯粒子を含むトナーであって、前記樹脂粒子が、第一の樹脂粒子とトナーの形状を調整するための形状調整用樹脂粒子を含み、かつ、前記着色剤粒子分散液に用いる分散剤ポリマー系分散剤を含む構成。

概要

背景

近年、プリンタなどの画像形成装置オフィスユースの目的からパーソナルユースへと移行しつつあり、小型化、高速化、高画質化カラー化を実現する技術が求められている。そのためカラー画像の高速出力を可能とするタンデムカラープロセス、また定着時にオフセット防止のための定着オイルを使用せずとも高光沢性高透光性を有する鮮明なカラー画像と非オフセット性両立させるオイルレス定着が良メンテナンス性、低オゾン排気などの条件とともに要求されている。そしてこれらの機能は同時に両立させる必要があり、プロセスのみならずトナーの特性向上が重要なファクターである。

カラープリンタでは、定着プロセスにおいては、カラー画像ではカラートナー溶融混色させ透光性を上げる必要がある。トナーの溶融不良が起こるとトナー画像表面又は内部に於いて光の散乱が生じて、トナー色素本来の色調が損なわれると共に、重なった部分では下層まで光が入射せず、色再現性が低下する。従って、トナーには完全溶融特性を有し、色調を妨げないような透光性を有することが必要条件である。また定着時にシリコーンオイル等を使用しないオイルレス定着の実現が要求される。これを可能とするため、シャーメルト特性を有する結着樹脂中にワックス等の離型剤を添加する構成が実用化されつつある。

しかし、このようなトナーの構成での課題は、トナーの凝集性が強い特質を有するため、転写時のトナー像乱れ、転写不良の傾向がより顕著に生じ、転写と定着の両立が困難となる。また二成分現像として使用する際に、粒子間の衝突摩擦、又は粒子と現像器との衝突、摩擦等の機械的な衝突、摩擦による発熱により、キャリア表面にトナーの低融点成分が付着するスペントが生じ易く、キャリア帯電能力を低下させ現像剤の長寿命化の妨げとなる。

トナーは、一般的に結着樹脂である樹脂成分、顔料電荷制御剤、更に必要に応じて離型剤などの添加成分によって構成され、適当な割合で予備混合し、熱溶融によって加熱混練し、気流式衝突板方式により微粉砕し、微粉分級されてトナー母体粒子が完成する。また化学重合的な方法によりトナー母体粒子が作成される方法もある。その後、このトナー母体粒子に例えば疎水性シリカなどの外添剤外添処理してトナーが完成する。一成分現像では、トナーのみで構成されるが、トナーと磁性粒子からなるキャリアと混合することによって二成分現像剤が得られる。

従来の混練粉砕法における粉砕分級操作では、小粒径化といっても経済的、性能的に現実に提供できる粒子径には限界がある。そこで、混練粉砕法とは異なる種々の重合法を用いたトナーの製造方法が検討されている。

下記特許文献1では、重合によって形成された粒子と、該粒子表面に乳化重合によって形成された微小粒子からなる被覆層とよりなるトナーであって、水溶性無機塩を加えて、粒子表面に微小粒子による被覆層を生成する構成、溶液のpHを変化させることにより、粒子表面に微小粒子による被覆層を生成する構成が開示されている。

下記特許文献2では、少なくとも樹脂粒子を分散させてなる分散液中凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程、凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子を分散させてなる樹脂微粒子分散液添加混合して凝集粒子に樹脂微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程、及び付着粒子を加熱して融合する工程を含むトナーの製造方法が開示され、その添加混合の方法としては、例えば、徐々に連続的に行ってもよく、また複数回に分割して段階的に行ってもよい旨が開示されている。そして前記樹脂微粒子(追加粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、粒度分布がシャープな帯電性能に優れた効果が記載されている。

下記特許文献3では、離型剤が、炭素数が12〜30の高級アルコール及び炭素数12〜30の高級脂肪酸の少なくとも一方からなるエステルを少なくとも1種含み、かつ、該樹脂粒子が、分子量が異なる少なくとも2種の樹脂粒子を含むことで、定着性発色性、透明性、混色性等に優れることが開示されている。

下記特許文献4では、トナー粒子中界面活性剤含有量が3重量%以下で、かつ2価以上の電荷を有する無機金属塩例えば塩化亜鉛を10ppm以上で1重量%以下含有し、イオン架橋により形成して耐吸湿性を向上させる構成が開示されている。樹脂微粒子分散液と、着色剤分散液とを混合し、無機金属塩を用いて凝集体分散液を調整した後、樹脂のガラス転移点以上に加熱し、凝集体を融合してトナーが形成されている。優れた帯電特性及び環境依存性クリーニング性転写性を有し、かつシャープな粒度分布を有する小粒子径のトナーが記載されている。

下記特許文献5では、形状係数が100ないし137のトナーが開示され、樹脂微粒子と着色剤凝集体粒子分散液を形成し、得られた凝集体粒子分散液を、樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)以上、好ましくはTgないしTg+10℃の温度範囲昇温して、例えば、2時間以上かけて目的とするトナー粒子径になるまで凝集体粒子を成長させた後、凝集を停止してさらに同温度に加熱し、10時間以内に凝集体粒子の表面を融合・合一させて、形状係数:100〜137の範囲のトナー粒子を形成させる構成が開示されている。

下記特許文献6では、形状指数SF1=125〜140、(ただし、SF1=(π/4)×(L2 /A)×100、Lは最大長、Aは投影面積を表す)、累積体積平均粒径D50V =3〜7μmのトナーが開示され、少なくとも1種の樹脂粒子分散液と、少なくとも1種の着色剤分散液とを混合し、凝集剤を添加して凝集粒子を形成した後、前記樹脂粒子のガラス点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合してトナー粒子を製造する製造法が開示されている。

下記特許文献7では、樹脂および着色剤を含有する着色粒子コア粒子)の表面に、塩析融着法によって樹脂粒子を融着させてなる樹脂層シェル)が形成されたトナー粒子が開示され、着色粒子を得るための塩析/融着工程に連続して、着色粒子の分散液に樹脂粒子の分散液を添加し、ガラス転移温度以上の温度を保持する構成が開示され、粒子表面における着色剤の存在量が少なく、高湿度環境下において長期にわたる画像形成に供されても、帯電性現像性の変化に起因する画像濃度の変化、カブリ色味の変化を発生させない効果が記載されている。

下記特許文献8では、少なくとも樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、該トナー粒子が、樹脂Aを含有するコアと該コアを被覆する少なくとも1層の、樹脂Bを含有するシェルを有し、該シェルの最表面層膜厚が50nm〜500nmであるトナーが開示され、耐オフセット性に優れ、且つ、良好な保存性を示す静電荷像現像用トナーの効果が記載されている。

下記特許文献9では、少なくとも結着樹脂およびDBP吸油量70〜120ml/100gのカーボンブラックを含有してなるトナー粒子を含むブラックトナーが開示されている。カーボンブラックが微分散され、その分散粒径分布がシャープであるため、比較的低付着量であっても所望の画像濃度を達成でき、さらには所定の帯電量まで帯電され易い。そのため、逆帯電トナーによる電気的転写不良としての中抜けの問題を十分に防止できる。また帯電環境安定性および耐ストレス性にも優れている効果が記載されている。カーボンブラックのDBP吸油量が小さ過ぎると、カーボンブラックが結着樹脂と絡み難くなって、トナー粒子中においてカーボンブラックがトナー表層に移行し易くなり微分散されないため、所望の画像濃度および所望の帯電量が達成されない。一方、カーボンブラックのDBP吸油量が大き過ぎると、トナー粒子製造時の形状制御性悪化を原因とする円形度低下の問題がある。また、DBP吸油量の値が大きすぎると、カーボンブラックが水に濡れにくくなるためカーボンブラック水分散液の分散安定性が低下する。そのような分散安定性の低いカーボンブラックを用いてトナーを製造すると、凝集が起こりやすく粒子成長がうまく制御できなくなり、トナー中のカーボンブラック分散性が悪化し、その結果、中抜けや帯電量が悪化する効果が記載されている。

これらの乳化された樹脂粒子、ワックス粒子及び顔料粒子を凝集させて粒子を形成する構成において、凝集剤、温度,pH等の条件についての開示はなされている。しかしこれらの各粒子の凝集速度バランス乱れる場合、例えば顔料の凝集速度が速くなると、樹脂粒子と顔料粒子との凝集が早く進行し、ワックスが取り残されて、液が白濁のままの状態なったり、また顔料のみの凝集した粒子が残存する状態となる場合がある。また樹脂粒子、ワックス粒子及び顔料粒子が凝集した芯粒子にさらに樹脂層を付着してコアシェル構造とする場合、芯粒子表面にワックスがリッチの構成となったりするとシェル樹脂の付着が進行しない場合や、顔料リッチとなると帯電性に影響を与える場合がある。その結果、トナー粒子の形状の制御性が悪化したり、粒度分布がブロードになり小粒径粒子の生成が困難になる。また帯電性の低下は、転写時の中抜けやカブリ等の画質低下を招く傾向にある。つまり、樹脂粒子、顔料粒子およびワックス粒子の凝集速度のバランスを整えて芯粒子を形成することが重要であるが、凝集速度のバランスを整えて芯粒子を凝集させる手段について十分に開示されていない。
特開昭57−45558号公報
特開平10−073955号公報
特開平10−301332号公報
特開平11−311877号公報
特開2000−131876号公報
特開2000−267331号公報
特開2002−116574号公報
特開2004−191618号公報
特開2005−221836号公報

概要

シャープな粒度分布を有する小粒径のトナーを分級工程不要で作成でき、長寿命化ができ、転写時の中抜けや飛び散りを防止できるトナー又は二成分現像剤を提供する。水系媒体中において、少なくとも、樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子凝集して生成される芯粒子を含むトナーであって、前記樹脂粒子が、第一の樹脂粒子とトナーの形状を調整するための形状調整用樹脂粒子を含み、かつ、前記着色剤粒子分散液に用いる分散剤ポリマー系分散剤を含む構成。

目的

本発明は、シャープな粒度分布を有する小粒径のトナーを、分級工程不要で作成できるトナー及びトナーの製造方法を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

少なくとも、樹脂粒子着色剤粒子及びワックス粒子凝集して生成される芯粒子を含むトナーであって、前記樹脂粒子が、第一の樹脂粒子とトナーの形状を調整するための形状調整用樹脂粒子を含み、かつ、前記着色剤粒子分散液に用いる分散剤ポリマー系分散剤を含むことを特徴とするトナー。

請求項2

前記着色剤粒子分散液用分散剤が、さらに、非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも一つの界面活性剤を含む請求項1に記載のトナー。

請求項3

ポリマー系分散剤は、マレイン酸系分散剤又はアクリル酸系分散剤を含み、前記ポリマー系分散剤のガラス転移点が40〜150℃である請求項1記載のトナー。

請求項4

ポリマー系分散剤が、スチレンアクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体若しくはアクリル酸エステル−マレイン酸共重合体及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つの物質を含む請求項1又は3記載のトナー。

請求項5

請求項6

ポリマー系分散剤が着色剤粒子100重量部に対し3〜20重量部、及び非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤が着色剤粒子100重量部に対し1〜15重量部である請求項2記載のトナー。

請求項7

ポリマー系分散剤の配合量が、非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤の配合量以上であり、その配合比率がポリマー系分散剤と非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤の配合比率が、1:1〜10:1である請求項2記載のトナー。

請求項8

非イオン系界面活性剤のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が13.3〜18.6である請求項2記載のトナー。

請求項9

着色剤粒子がDBP吸油量45〜70(ml/100g)のカーボンブラックを含む請求項1記載のトナー。

請求項10

形状調整用樹脂粒子の溶融粘度特性における軟化点をTmr3(℃)、第一の樹脂粒子の溶融粘度特性における軟化点をTmr1(℃)とすると、(数1) を満足する請求項1記載のトナー。

請求項11

形状調整用樹脂粒子のゲルパーミエーションクロマトグラムにおける重量平均分子量をMwr3、第一の樹脂粒子の重量平均分子量をMwr1とすると、(数2) を満足する請求項1記載のトナー。

請求項12

芯粒子にさらにシェル樹脂粒子融着した構成である請求項1記載のトナー。

請求項13

ワックスが、少なくとも第一のワックス及び第二のワックスを含む構成であり、第一のワックスのDSC法による吸熱ピーク温度融点Tmw1(℃)と称す)が50〜90℃で、かつ第二のワックスのDSC法による吸熱ピーク温度(融点Tmw2(℃))が80〜120℃である請求項1記載のトナー。

請求項14

ワックスが少なくとも第一のワックス及び第二のワックスを含む構成で、第一のワックスが、炭素数が16〜24の高級アルコール及び炭素数16〜24の高級脂肪酸の少なくとも一方からなるエステルワックスを含み、かつ第二のワックスが、脂肪族炭化水素系ワックスを含む構成である請求項1又は13記載のトナー。

請求項15

ワックスが少なくとも第一のワックス及び第二のワックスを含み、第一のワックスが、ヨウ素価が25以下、けん化価が30〜300からなるワックスを含み、第二のワックスが、脂肪族炭化水素系ワックスを含む構成である請求項1、13又は14記載のトナー。

請求項16

第二のワックスの融点が第一のワックスの融点よりも5〜50℃高温である請求項13〜15いずれか記載のトナー。

請求項17

樹脂粒子分散液に用いる界面活性剤が、非イオン界面活性剤イオン型界面活性剤の混合であり、前記非イオン界面活性剤が界面活性剤全体に対して、50〜95wt%有する請求項1記載のトナー。

請求項18

水系媒体中において、少なくとも、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びワックス粒子を分散させたワックス粒子分散液を混合して混合液を生成する工程と、前記混合液に、凝集剤を添加し、前記樹脂粒子、前記着色剤粒子及び前記ワックス粒子を凝集して芯粒子を生成する工程とを有し、前記樹脂粒子が、第一の樹脂粒子とトナーの形状を調整するための形状調整用樹脂粒子を含み、かつ、前記着色剤粒子分散液に用いる分散剤にポリマー系分散剤を含むことを特徴とするトナーの製造方法。

請求項19

第一の樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びワックス粒子を分散させたワックス粒子分散液を混合して混合液を生成し、加熱処理後に凝集剤を添加する工程により、前記芯粒子を生成する請求項18記載のトナーの製造方法。

請求項20

第一の樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びワックス粒子を分散させたワックス粒子分散液を混合した混合分散液水温が前記ワックスの融点以上に到達後に凝集剤を添加する構成である請求項18又は19記載のトナーの製造方法。

請求項21

さらに、芯粒子を含む芯粒子分散液に、シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液を添加し、加熱して、前記シェル樹脂粒子を前記芯粒子に融着させる工程を有する請求項18記載のトナーの製造方法。

請求項22

pH値アルカリ状態に調整したシェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液を、pH値が7以下、2以上の範囲の芯粒子が分散した芯粒子分散液に添加する工程を有する請求項21記載のトナーの製造方法。

請求項23

アルカリ状態に調整したシェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液のpH値が7.5〜10.5の範囲である請求項21又は22記載のトナーの製造方法。

請求項24

シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液のpH値を、芯粒子が分散した芯粒子分散液のpH値以上のアルカリ状態に調整して添加する請求項21〜23いずれか記載のトナーの製造方法。

請求項25

前記着色剤粒子分散液用分散剤が、さらに、非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤から選ばれる少なくとも一つの界面活性剤を含む請求項18記載のトナーの製造方法。

請求項26

ポリマー系分散剤は、マレイン酸系分散剤又はアクリル酸系分散剤を含み、前記ポリマー系分散剤のガラス転移点が40〜150℃である請求項18記載のトナーの製造方法。

請求項27

ポリマー系分散剤が、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体若しくはアクリル酸エステル−マレイン酸共重合体及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つの物質を含む請求項18又は26記載のトナーの製造方法。

請求項28

非イオン系界面活性剤のHLB(Hydrophile-Lipophile Balance)が13.3〜18.6である請求項25記載のトナーの製造方法。

請求項29

ポリマー系分散剤が着色剤粒子100重量部に対し3〜20重量部、及び非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤が着色剤粒子100重量部に対し1〜15重量部である請求項25記載のトナーの製造方法。

請求項30

ポリマー系分散剤の配合量が、非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤の配合量以上であり、その配合比率がポリマー系分散剤と非イオン系界面活性剤又はアニオン系界面活性剤の配合比率が、1:1〜10:1である請求項25記載のトナーの製造方法。

請求項31

着色剤粒子がDBP吸油量45〜70(ml/100g)のカーボンブラックを含む請求項18記載のトナーの製造方法。

請求項32

形状調整用樹脂粒子の溶融粘度特性における軟化点をTmr3(℃)、第一の樹脂粒子の溶融粘度特性における軟化点をTmr1(℃)とすると、(数3) を満足する請求項18記載のトナーの製造方法。

請求項33

形状調整用樹脂粒子のゲルパーミエーションクロマトグラムにおける重量平均分子量をMwr3、第一の樹脂粒子の重量平均分子量をMwr1とすると、(数4) を満足する請求項18記載のトナーの製造方法。

請求項34

ワックスが、少なくとも第一のワックス及び第二のワックスを含む構成であり、第一のワックスのDSC法による吸熱ピーク温度(融点Tmw1(℃)と称す)が50〜90℃で、かつ第二のワックスのDSC法による吸熱ピーク温度(融点Tmw2(℃))が80〜120℃である請求項18記載のトナーの製造方法。

請求項35

ワックスが少なくとも第一のワックス及び第二のワックスを含む構成で、第一のワックスが、炭素数が16〜24の高級アルコール及び炭素数16〜24の高級脂肪酸の少なくとも一方からなるエステルワックスを含み、かつ第二のワックスが、脂肪族炭化水素系ワックスを含む構成である請求項18又は34記載のトナーの製造方法。

請求項36

ワックスが少なくとも第一のワックス及び第二のワックスを含み、第一のワックスが、ヨウ素価が25以下、けん化価が30〜300からなるワックスを含み、第二のワックスが、脂肪族炭化水素系ワックスを含む構成である請求項18、34又は35記載のトナーの製造方法。

請求項37

第二のワックスの融点が第一のワックスの融点よりも5〜50℃高温である請求項34〜36いずれか記載のトナーの製造方法。

請求項38

樹脂粒子分散液に用いる界面活性剤が、非イオン界面活性剤とイオン型界面活性剤の混合であり、前記非イオン界面活性剤が界面活性剤全体に対して、50〜95wt%有する構成である請求項18記載のトナーの製造方法。

請求項39

磁場発生手段と、電磁誘導により発熱する発熱層及び離型層を少なくとも有する回転作用を有する加熱部材と、前記加熱部材と一定のニップを形成している回転作用を有する加圧部材とを少なくとも有する加熱加圧手段を具備し、前記加熱部材と前記加圧部材間に請求項1〜17いずれか記載のトナーが転写された転写媒体を通過させて定着させる定着プロセスを有することを特徴とする画像形成装置

請求項40

磁場発生手段と、電磁誘導により発熱する発熱層及び離型層を少なくとも有する回転作用を有する加熱部材と、前記加熱部材と一定のニップを形成している回転作用を有する加圧部材とを少なくとも有する加熱加圧手段を具備し、前記加熱部材と前記加圧部材間に請求項18〜38いずれか記載の方法で製造されたトナーが転写された転写媒体を通過させて定着させる定着プロセスを有することを特徴とする画像形成装置。

技術分野

0001

本発明は複写機レーザプリンタ、普通紙FAXカラーPPCカラーレーザプリンタ、カラーFAX及びこれらの複合機に用いられるトナー、トナーの製造方法及び画像形成装置に関するものである。

背景技術

0002

近年、プリンタなどの画像形成装置はオフィスユースの目的からパーソナルユースへと移行しつつあり、小型化、高速化、高画質化カラー化を実現する技術が求められている。そのためカラー画像の高速出力を可能とするタンデムカラープロセス、また定着時にオフセット防止のための定着オイルを使用せずとも高光沢性高透光性を有する鮮明なカラー画像と非オフセット性両立させるオイルレス定着が良メンテナンス性、低オゾン排気などの条件とともに要求されている。そしてこれらの機能は同時に両立させる必要があり、プロセスのみならずトナーの特性向上が重要なファクターである。

0003

カラープリンタでは、定着プロセスにおいては、カラー画像ではカラートナー溶融混色させ透光性を上げる必要がある。トナーの溶融不良が起こるとトナー画像表面又は内部に於いて光の散乱が生じて、トナー色素本来の色調が損なわれると共に、重なった部分では下層まで光が入射せず、色再現性が低下する。従って、トナーには完全溶融特性を有し、色調を妨げないような透光性を有することが必要条件である。また定着時にシリコーンオイル等を使用しないオイルレス定着の実現が要求される。これを可能とするため、シャーメルト特性を有する結着樹脂中にワックス等の離型剤を添加する構成が実用化されつつある。

0004

しかし、このようなトナーの構成での課題は、トナーの凝集性が強い特質を有するため、転写時のトナー像乱れ、転写不良の傾向がより顕著に生じ、転写と定着の両立が困難となる。また二成分現像として使用する際に、粒子間の衝突摩擦、又は粒子と現像器との衝突、摩擦等の機械的な衝突、摩擦による発熱により、キャリア表面にトナーの低融点成分が付着するスペントが生じ易く、キャリア帯電能力を低下させ現像剤の長寿命化の妨げとなる。

0005

トナーは、一般的に結着樹脂である樹脂成分、顔料電荷制御剤、更に必要に応じて離型剤などの添加成分によって構成され、適当な割合で予備混合し、熱溶融によって加熱混練し、気流式衝突板方式により微粉砕し、微粉分級されてトナー母体粒子が完成する。また化学重合的な方法によりトナー母体粒子が作成される方法もある。その後、このトナー母体粒子に例えば疎水性シリカなどの外添剤外添処理してトナーが完成する。一成分現像では、トナーのみで構成されるが、トナーと磁性粒子からなるキャリアと混合することによって二成分現像剤が得られる。

0006

従来の混練粉砕法における粉砕分級操作では、小粒径化といっても経済的、性能的に現実に提供できる粒子径には限界がある。そこで、混練粉砕法とは異なる種々の重合法を用いたトナーの製造方法が検討されている。

0007

下記特許文献1では、重合によって形成された粒子と、該粒子表面に乳化重合によって形成された微小粒子からなる被覆層とよりなるトナーであって、水溶性無機塩を加えて、粒子表面に微小粒子による被覆層を生成する構成、溶液のpHを変化させることにより、粒子表面に微小粒子による被覆層を生成する構成が開示されている。

0008

下記特許文献2では、少なくとも樹脂粒子を分散させてなる分散液中凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程、凝集粒子分散液中に、樹脂微粒子を分散させてなる樹脂微粒子分散液添加混合して凝集粒子に樹脂微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程、及び付着粒子を加熱して融合する工程を含むトナーの製造方法が開示され、その添加混合の方法としては、例えば、徐々に連続的に行ってもよく、また複数回に分割して段階的に行ってもよい旨が開示されている。そして前記樹脂微粒子(追加粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、粒度分布がシャープな帯電性能に優れた効果が記載されている。

0009

下記特許文献3では、離型剤が、炭素数が12〜30の高級アルコール及び炭素数12〜30の高級脂肪酸の少なくとも一方からなるエステルを少なくとも1種含み、かつ、該樹脂粒子が、分子量が異なる少なくとも2種の樹脂粒子を含むことで、定着性発色性、透明性、混色性等に優れることが開示されている。

0010

下記特許文献4では、トナー粒子中界面活性剤含有量が3重量%以下で、かつ2価以上の電荷を有する無機金属塩例えば塩化亜鉛を10ppm以上で1重量%以下含有し、イオン架橋により形成して耐吸湿性を向上させる構成が開示されている。樹脂微粒子分散液と、着色剤分散液とを混合し、無機金属塩を用いて凝集体分散液を調整した後、樹脂のガラス転移点以上に加熱し、凝集体を融合してトナーが形成されている。優れた帯電特性及び環境依存性クリーニング性転写性を有し、かつシャープな粒度分布を有する小粒子径のトナーが記載されている。

0011

下記特許文献5では、形状係数が100ないし137のトナーが開示され、樹脂微粒子と着色剤凝集体粒子分散液を形成し、得られた凝集体粒子分散液を、樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)以上、好ましくはTgないしTg+10℃の温度範囲昇温して、例えば、2時間以上かけて目的とするトナー粒子径になるまで凝集体粒子を成長させた後、凝集を停止してさらに同温度に加熱し、10時間以内に凝集体粒子の表面を融合・合一させて、形状係数:100〜137の範囲のトナー粒子を形成させる構成が開示されている。

0012

下記特許文献6では、形状指数SF1=125〜140、(ただし、SF1=(π/4)×(L2 /A)×100、Lは最大長、Aは投影面積を表す)、累積体積平均粒径D50V =3〜7μmのトナーが開示され、少なくとも1種の樹脂粒子分散液と、少なくとも1種の着色剤分散液とを混合し、凝集剤を添加して凝集粒子を形成した後、前記樹脂粒子のガラス点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合してトナー粒子を製造する製造法が開示されている。

0013

下記特許文献7では、樹脂および着色剤を含有する着色粒子コア粒子)の表面に、塩析融着法によって樹脂粒子を融着させてなる樹脂層シェル)が形成されたトナー粒子が開示され、着色粒子を得るための塩析/融着工程に連続して、着色粒子の分散液に樹脂粒子の分散液を添加し、ガラス転移温度以上の温度を保持する構成が開示され、粒子表面における着色剤の存在量が少なく、高湿度環境下において長期にわたる画像形成に供されても、帯電性現像性の変化に起因する画像濃度の変化、カブリ色味の変化を発生させない効果が記載されている。

0014

下記特許文献8では、少なくとも樹脂と着色剤を含有するトナー粒子を含む静電荷像現像用トナーにおいて、該トナー粒子が、樹脂Aを含有するコアと該コアを被覆する少なくとも1層の、樹脂Bを含有するシェルを有し、該シェルの最表面層膜厚が50nm〜500nmであるトナーが開示され、耐オフセット性に優れ、且つ、良好な保存性を示す静電荷像現像用トナーの効果が記載されている。

0015

下記特許文献9では、少なくとも結着樹脂およびDBP吸油量70〜120ml/100gのカーボンブラックを含有してなるトナー粒子を含むブラックトナーが開示されている。カーボンブラックが微分散され、その分散粒径分布がシャープであるため、比較的低付着量であっても所望の画像濃度を達成でき、さらには所定の帯電量まで帯電され易い。そのため、逆帯電トナーによる電気的転写不良としての中抜けの問題を十分に防止できる。また帯電環境安定性および耐ストレス性にも優れている効果が記載されている。カーボンブラックのDBP吸油量が小さ過ぎると、カーボンブラックが結着樹脂と絡み難くなって、トナー粒子中においてカーボンブラックがトナー表層に移行し易くなり微分散されないため、所望の画像濃度および所望の帯電量が達成されない。一方、カーボンブラックのDBP吸油量が大き過ぎると、トナー粒子製造時の形状制御性悪化を原因とする円形度低下の問題がある。また、DBP吸油量の値が大きすぎると、カーボンブラックが水に濡れにくくなるためカーボンブラック水分散液の分散安定性が低下する。そのような分散安定性の低いカーボンブラックを用いてトナーを製造すると、凝集が起こりやすく粒子成長がうまく制御できなくなり、トナー中のカーボンブラック分散性が悪化し、その結果、中抜けや帯電量が悪化する効果が記載されている。

0016

これらの乳化された樹脂粒子、ワックス粒子及び顔料粒子を凝集させて粒子を形成する構成において、凝集剤、温度,pH等の条件についての開示はなされている。しかしこれらの各粒子の凝集速度バランス乱れる場合、例えば顔料の凝集速度が速くなると、樹脂粒子と顔料粒子との凝集が早く進行し、ワックスが取り残されて、液が白濁のままの状態なったり、また顔料のみの凝集した粒子が残存する状態となる場合がある。また樹脂粒子、ワックス粒子及び顔料粒子が凝集した芯粒子にさらに樹脂層を付着してコアシェル構造とする場合、芯粒子表面にワックスがリッチの構成となったりするとシェル樹脂の付着が進行しない場合や、顔料リッチとなると帯電性に影響を与える場合がある。その結果、トナー粒子の形状の制御性が悪化したり、粒度分布がブロードになり小粒径粒子の生成が困難になる。また帯電性の低下は、転写時の中抜けやカブリ等の画質低下を招く傾向にある。つまり、樹脂粒子、顔料粒子およびワックス粒子の凝集速度のバランスを整えて芯粒子を形成することが重要であるが、凝集速度のバランスを整えて芯粒子を凝集させる手段について十分に開示されていない。
特開昭57−45558号公報
特開平10−073955号公報
特開平10−301332号公報
特開平11−311877号公報
特開2000−131876号公報
特開2000−267331号公報
特開2002−116574号公報
特開2004−191618号公報
特開2005−221836号公報

発明が解決しようとする課題

0017

トナーの形状は、現像、転写、クリーニングプロセス等の画像形成プロセスとの関係から定められる傾向があり、感光体転写ベルトクリニング性を重視する場合にはトナー形状は形状指数が大きめポテト状としたほうがクリーニング余裕度が広がる。また転写性を重視する場合にはトナー形状を形状係数の小さい球形に近づけ、転写効率を上げる構成がとられる。従って、この形状指数を任意に制御できることが画像形成プロセスの設計の余裕度を確保するためにも重要である。

0018

従来では凝集粒子生成時の温度や時間の調整により形状を調整することが開示されているが、温度の調整では粒度分布に変動を生じやすく、形状調整と粒度分布との調整が困難となる。また処理の時間により調整することも粒度分布に変動を生じやすく、また粒子の表面平滑性に影響を与え、さらには生産性にも影響を与える場合がある。このように形状係数を設定値内に納めることに関して、具体的手法の記載が十分でなく、またその手法の条件と形状指数との相関関係が十分に得られているとはいえない。

0019

また、オイルレス定着の実現等の定着性改良のために低融点のワックスを一定量以上添加する方法が開示されているが、そのワックスを水系媒体中で凝集して樹脂粒子等と凝集させて芯粒子を生成する際、加熱処理時間とともに粒子径が粗大化し、狭い粒度分布で小粒径粒子の生成が困難となる傾向にある。

0020

また、粒子径が粗大化を回避するため、水系温度や攪拌速度を変更する方法では、逆に水系中での樹脂粒子、ワックス粒子及び顔料粒子との均一な混合凝集が妨げられ、水系中で芯粒子中に取り込まれず、凝集にかかわらない浮遊したワックス粒子や、顔料粒子の残留が生じやすくなる傾向にある。

0021

また、顔料にカーボンブラックを使用した際にその傾向が顕著に現れる。カーボンブラック粒子は他のフタロシアニン系、キナクリドン系、アゾ系等の有機系顔料に比べ、無機系に近い特性を示し、また、カーボンブラック粒子は一定のDBP吸油量特性を有する。水系媒体中で加熱処理して、樹脂粒子、ワックス粒子と凝集させて芯粒子を生成する際、加熱温度をワックスの融点以上として凝集反応を進行させる際、ワックスは溶融した状態となり、カーボンブラック粒子は粉の状態である。そして一定のDBP吸油量特性を有するカーボンブラック粒子はその吸油性により、溶融したワックスを吸油(吸着)する。その結果カーボンブラック粒子とワックスが凝集溶融した灰色の粒子が生成されやすい傾向となる。また一部粗大化しやすく、水系中の粒子のバランスが崩れることで凝集にかかわらない浮遊したワックス粒子や、顔料粒子の残留が生じやすくなる傾向にある。またこれらの凝集反応を均一に進行しない場合、その粒子を凝集させる条件によっては、トナーの形状を一定の形に任意に調整することが困難となる場合がある。凝集性の安定化と形状調整が安定に行われることは画像形成の面で重要な要素である。

0022

またカーボンブラック粒子に溶融したワックスが吸油(吸着)されると本来のワックスの低温定着性や耐オフセット性の定着性の機能が低下し、定着可能温度域が減少する傾向にある。

0023

粉の状態である一定のDBP吸油量特性を有するカーボンブラック粒子と溶融したワックスとの凝集反応は、水系中での凝集反応時の芯粒子形成に影響を及ぼすとともに、ワックスの定着性機能へも影響を及ぼす傾向がある。

0024

浮遊したワックス粒子や、カーボンブラック粒子が残留すると、帯電量の低下、非画像部へのトナー付着の増大、感光体や転写体ヘのフィルミングを発生させてしまう。また、芯粒子中でのワックス粒子や顔料粒子、特にカーボンブラックの分散性が悪化すると、定着時に溶融したトナー画像において色濁りが生じ易く、トナーの発色性が不十分になってしまう。

0025

また、芯粒子(コア粒子と称することもある)の表面にシェル樹脂粒子を融着させてトナー粒子を得るコアシェル構成が開示されているが、コア粒子の分散液にシェル樹脂粒子が分散したシェル樹脂分散液を混合し、加熱してシェル化する方法において、前述したワックスを配合したコア粒子にシェル樹脂粒子を融着させる場合、ワックスの存在がシェル樹脂粒子の付着を不安定なものとさせ、付着がなかなか進行しない場合や、一旦コア粒子にシェル樹脂粒子が付着してもその後の加熱処理の工程でワックスが溶融するとワックスの離型作用によりシェル樹脂粒子がコア粒子から脱離する場合がある。

0026

本発明は、シャープな粒度分布を有する小粒径のトナーを、分級工程不要で作成できるトナー及びトナーの製造方法を提供することを目的とする。

0027

本発明は、粒度分布や粒子の表面平滑性に影響を与えることなく、粒子の形状を適当に制御することができ、狭い粒度分布を有する小粒径のトナーを、分級工程不要で作成できるトナー及びトナーの製造方法を提供することを目的とする。

0028

また、定着ローラオイルを使用しないオイルレス定着において、トナー中にワックス等の離型剤を使用して低温定着性と、高温非オフセット性、定着ローラ等との紙の分離性及び高温状態に保存時の貯蔵安定性の両立を実現するトナー、トナーの製造方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。

0029

また、転写時の中抜けや飛び散りを防止し、高転写効率が得られるトナー及びトナーの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0030

本発明の構成は、少なくとも、樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子を凝集して生成される芯粒子を含むトナーであって、前記樹脂粒子が、第一の樹脂粒子とトナーの形状を調整するための形状調整用樹脂粒子を含み、前記着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液に用いる分散剤ポリマー系分散剤を含むトナーである。

0031

また、本発明の構成は、水系媒体中において、少なくとも、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びワックス粒子を分散させたワックス粒子分散液を混合して混合液を生成する工程と、前記混合液に、凝集剤を添加し、前記樹脂粒子、前記着色剤粒子及び前記ワックス粒子を凝集して芯粒子を生成する工程とを有し、前記樹脂粒子が、第一の樹脂粒子とトナーの形状を調整するための形状調整用樹脂粒子を含み、かつ、前記着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液に用いる分散剤にポリマー系分散剤を含むトナーの製造方法である。

発明の効果

0032

樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子を分散させた各粒子分散液を混合し、凝集して生成される芯粒子を含むトナーの構成において、着色剤粒子分散液に用いる分散剤が、ポリマー系分散剤を含むことにより、水系中で芯粒子中に取り込まれずに凝集にかかわらない浮遊したワックスや着色剤粒子の残留する課題を解消し、狭い粒度分布で小粒径粒子の生成を可能できる。

0033

また、ワックスの有する定着性の機能を低下させることなく、定着性、耐オフセット性及び貯蔵安定性向上に効果が得られる。

0034

また、樹脂中でのワックスや着色剤の分散性を向上させることで、現像特性における、耐久性、帯電安定性向上に効果が得られる。

0035

また、複数の感光体及び現像部を有する像形成ステーションを並べて配置し、転写体に順次各色のトナーを連続して転写プロセスを実行するタンデムカラープロセスにおいて、転写時の中抜けや逆転写を防止し、高転写効率を得ることが出来る。

発明を実施するための最良の形態

0036

(1)重合及び凝集工程
樹脂粒子分散液の調製は、ビニル系単量体を界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体ビニル系樹脂)の樹脂粒子を界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。その手段としては、例えば、高速回転型乳化装置高圧乳化装置コロイド型乳化装置、メデイアを有するボールミルサンドミル、ダイノミルなどのそれ自体公知分散装置が挙げられる。

0037

樹脂粒子における樹脂が、前記ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体以外の樹脂である場合には、該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いて界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより、ビニル系樹脂以外の樹脂製の樹脂粒子を界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。

0038

着色剤粒子分散液は、水系中で着色剤粒子を添加し、前記した適当な分散手段を用いて分散させることにより調製される。

0039

ワックス粒子分散液は、水系中でワックス粒子を添加し、前記した適当な分散手段を用いて分散させることにより調製される。

0040

トナーにはさらなる低温定着化と、オイルレス定着における高温非オフセット性、離型性、カラー画像の高透光性、一定の高温度下での貯蔵安定性が要求され、それらを同時に満足しなければならない。

0041

本発明に係るトナー又はトナーの製造方法は、水系媒体中において、少なくとも、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びワックス粒子を分散させたワックス粒子分散液を混合し、凝集して得られる芯粒子を含むトナーである。この樹脂粒子は第一の樹脂粒子とトナーの形状を調整するための形状調整用樹脂粒子を含み、かつ、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液に用いる分散剤としてポリマー系分散剤を含む構成である。

0042

芯粒子に粒子の形状制御する目的で形状調整用樹脂粒子を配合する。第一の樹脂粒子の特性と一定の関連性を有する形状調整用樹脂粒子を添加することにより、芯粒子の凝集反応性を変えることで形状を変化させる目的である。

0043

ここで、第一の樹脂粒子と形状調整用樹脂粒子とは、軟化点又は分子量等の溶融粘度特性が異なる組成としているため、加熱処理する時の凝集の過程において、凝集の集まり状態が異なり、芯粒子生成の処理時間が遅くなったり、生成された芯粒子の粒度分布がブロードに広がってしまう場合がある。

0044

さらには、芯粒子形成には、樹脂粒子とともに一定の融点を有するワックスと、着色剤粒子と混合される。凝集して芯粒子を生成するとき、低温度から溶融を開始するワックスと、粉状態の着色剤とではその凝集速度が相違し、一方では溶融により粒子の凝集が進行しやすいものと、一方では凝集の進行が遅いものとによって、粒子形成が不均一になり灰色の粒子の生成や、芯粒子間でワックスや顔料が偏在した芯粒子の生成を生じる傾向にあり、また芯粒子が粗大化して小粒径で狭い粒度分布の粒子生成が困難となる傾向にある。

0045

そこで、凝集の進行が遅い傾向にある着色剤の分散剤にポリマー系分散剤を含むことにより、樹脂粒子、ワックス粒子との凝集速度のバランスを取ることができることで前述した小粒径で粒度分布の狭い粒子生成を得ることができるものと考えられる。分散剤にポリマー系分散剤を含むことにより着色剤の凝集の進行を早める効果があるとともに、樹脂粒子と一部骨格が類似することにより相溶性の効果が得られることで、溶融粘度特性が異なる樹脂粒子間との凝集反応を良化させる効果が得られる。

0046

従来使用するアニオン系又はノニオン系の界面活性剤を使用する構成に比べて、樹脂粒子やワックス粒子との凝集反応が早く進行し、室温から90℃付近までの昇温過程において、溶融するワックス粒子、樹脂粒子と粉状の着色剤粒子とが均一な速度で凝集することで、水系中に凝集に加わらずに浮遊して残留するワックス粒子や着色剤粒子の発生を抑えられる。また小粒径で粒度分布の狭い粒子生成を得ることができる。

0047

着色剤粒子に対するポリマー分散剤及の量は着色剤粒子100重量部に対し3〜20重量部とすることが好ましい。

0048

ポリマー系分散剤としては、ポリビニルアルコール、又は部分ケン化ポリビニルアルコールアルコール類が好ましい。

0049

また、親水性部分と疎水性部分とを分子中に有する共重合体樹脂、例えば、スチレンアクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体又はスチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のアクリル酸系分散剤、
例えば、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体、又はスチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体等のマレイン酸系分散剤、
例えば、アクリル酸エステル−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−メタクリルスルホン酸共重合体、又はアクリル酸エステル−アリルスルホン酸共重合体等のスルホン酸系分散剤、あるいはこれらの塩を挙げることができる。

0050

あるいは、水酸基を含有するアクリル系単量体としては、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸βーヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γーヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステルグリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど等の水溶性高分子が好ましい。

0052

あるいは、ビニルメチルエーテルビニルエチルエーテルビニルプロピルエーテル等の水溶性高分子が好ましい。

0054

あるいは、ビニルピリジンビニルピロリドンビニルイミダゾールエチレンイミンなどの窒素原子又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体等の水溶性高分子が好ましい。

0055

あるいは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミンポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフエニルエステルなどのポリオキシエチレン系等の水溶性高分子が好ましい。

0056

あるいは、アルキルセルロースヒドロキシ−アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、例えばメチルセルロースカルボキシメチルセルロースヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類等の水溶性高分子が好ましい。これらのセルロース類は、水に対し25℃で0.5%以上溶解させることの出来、エーテル化度が0.6〜1.5で、平均重合度が50〜3000のものが好ましい。

0057

これらの中で、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体若しくはスチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のアクリル酸系分散剤、
スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体若しくはスチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸共重合体等のマレイン酸系分散剤、
アクリル酸エステル−スチレンスルホン酸共重合体、スチレン−メタクリルスルホン酸共重合体若しくはアクリル酸エステル−アリルスルホン酸共重合体等のスルホン酸系分散剤又はこれらの塩が好ましい。

0058

より好ましくは、マレイン酸系分散剤又はアクリル酸系分散剤で、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体若しくはアクリル酸エステル−マレイン酸共重合体又はこれらの塩が特に好ましい。

0059

ポリマー系分散剤内のマレイン酸又はアクリル酸部分で塩を形成させることにより、そのポリマー系分散剤を溶解させるのが好ましい。アルカリ中和剤としては、例えば、アミノメチルプロパノール、2−アミノイソプロパノールトリエタノールアミン又はアンモニア水等を挙げることができる。

0060

または、水酸化ナトリウム水酸化リチウム又は水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸物等の無機アルカリ剤等を挙げることができる。

0061

アルカリ中和剤の含有量は、カウンターイオンとしてポリマー系分散剤を中和することのできる量(中和当量)又はそれ以上であることができ、中和当量のほぼ1.2〜1.5倍の量で含有すると、凝集性等の点から好ましい。

0062

分散液の分散状態、芯粒子の凝集反応温度に対する凝集性、現像性、定着性の観点からポリマー系分散剤のガラス転移点は40〜150℃、軟化点は90〜220℃、重量平均分子量は3000〜5万、酸価が50〜250mgKOH/gが好ましい。

0063

より好ましくは、ガラス転移点は50〜130℃、軟化点は100〜180℃、重量平均分子量は3000〜3万、酸価が80〜200、さらに好ましくは、ガラス転移点は80〜120℃、軟化点は120〜180℃、重量平均分子量は7000〜3万、酸価が100〜200が好ましい。

0064

ガラス転移点は40℃よりも低いと凝集反応が早くなり、生成される芯粒子が粗大化する傾向にある。ガラス転移点は150℃よりも高いと凝集反応が遅れて、凝集に加わらない水系中に残留する着色剤粒子が増加する傾向にある。軟化点が90℃よりも低いと凝集反応が早くなり、生成される芯粒子が粗大化する傾向にある。軟化点が220℃よりも高いと凝集反応が遅れて、凝集に加わらない水系中に残留する着色剤粒子が増加する傾向にある。重量平均分子量が3000よりも小さいと凝集反応が早くなり、生成される芯粒子が粗大化する傾向にある。重量平均分子量が5万よりも大きいと凝集反応が遅れて、凝集に加わらない水系中に残留する着色剤粒子が増加する傾向にある。酸価が50より小さいとワックス分散液の分散安定性が低下しやすい傾向にある。酸価が350よりも大きいと、凝集の進行が早まり生成される芯粒子が粗大化しやすい傾向にある。

0065

特に、ポリマー系分散剤のガラス転移点は、芯粒子を凝集させる温度以上であることが好ましい。望ましくは、そのガラス転移点は90℃以上である。この理由としては、水系中の温度が上昇する過程において、ポリマー分散剤のガラス転移点を超える温度領域から、カーボンブラック粒子同士で凝集が生じやすくなり、それがワックスをも取り込んで、水系中に浮遊した大きな残渣物となりやすい傾向にある。ポリマー分散剤のガラス転移点が芯粒子の凝集温度以上であるときは、水系中に浮遊した大きな残渣物が発生しにくい傾向にある。

0066

酸価は試料1g中に含まれる酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。試料をアルコールーエーテルに溶かして、これにフェノールフタレイン指示薬として0.5Nの水酸化カリウムで滴定する。JIS−K−0070に準拠して行う。

0067

本発明に係るトナー又はトナーの製造方法において、着色剤粒子分散液に用いる分散剤として、前述したポリマー系分散剤に加えて、さらに非イオン系界面活性剤を混合して使用することも好ましい。

0068

ポリマー系分散剤のみでも早く凝集する傾向にある溶融するワックス粒子、樹脂粒子との凝集速度をあわせることができるが、早く凝集が進行することにより着色剤単独での凝集が生じる場合がある。そこで、非イオン系界面活性剤を含むことにより、その凝集速度をマイルドに徐々に進行させることができ、芯粒子中で顔料の粒子同士が固まって凝集した状態で分散することを緩和でき、芯粒子中で顔料の分散を均一に散りばめられる。それによる効果思われる現像での非画像部へのトナー付着であるカブリの低減、耐久性が向上、転写性の改善につながる。またワックスの分散性への効果もあり、定着性の改善の効果が得られる。

0069

着色剤の分散剤として好ましく使用できる非イオン界面活性剤HLBの範囲を13.3〜18.6とすることが好ましい。

0070

非イオン界面活性剤のHLBが18.6よりも大きいと、非イオン系界面活性剤を含むことによる凝集速度をマイルドに徐々に進行させる効果が現れにくく、芯粒子中で顔料の粒子同士が固まって凝集した状態で分散する傾向にある。非イオン界面活性剤のHLBが13.3よりも小さいと、顔料の凝集速度が遅くなり、顔料粒子が取り残され、生成される粒子がブロードな粒度分布となる傾向にある。また溶融粘度特性が異なる第一の樹脂粒子と形状調整用樹脂粒子との凝集性が均一に進まず、形状調整用樹脂粒子が凝集に加わらずに浮遊する粒子が残りやすい傾向にある。

0071

好ましくは、15.2〜17.6、より好ましくは16〜17.6の範囲とすることが好ましい。

0072

ここで、HLB値とは、界面活性剤の水と油(水に不溶性有機化合物)への親和性の程度を表す値である。
特に、非イオン界面活性剤のHLB値(Hydrophile-Lipophile Balance)は界面活性剤の親油性部分の分子量をML、親水性部分の分子量をMHとすると、HLB=(MH×20)/(MH+ML)で表すことができる(グリフィン法)。

0073

ポリマー系分散剤が、着色剤粒子100重量部に対し3〜20重量部、非イオン系界面活性剤が着色剤粒子100重量部に対し1〜15重量部とすることが好ましい。

0074

より好ましくはポリマー系分散剤が着色剤粒子100重量部に対し5〜15重量部、非イオン系界面活性剤が着色剤粒子100重量部に対し1〜10重量部、さらに好ましくはポリマー系分散剤が着色剤粒子100重量部に対し5〜12重量部、非イオン系界面活性剤が着色剤粒子100重量部に対し3〜10重量部、とすることが好ましい。

0075

また、ポリマー系分散剤の配合量を非イオン系界面活性剤の配合量以上とすることが好ましく、さらには、その配合比率としてポリマー系分散剤と非イオン系界面活性剤の重量配合比率が、1:1〜10:1とすることが好ましい。一定量の非イオン系界面活性剤を含むことにより、その凝集速度をマイルドに徐々に進行させることができ、芯粒子中で顔料の粒子同士が固まって凝集した状態で分散することを緩和でき、芯粒子中で顔料の分散を均一に散りばめられる効果が発揮できる比率と思われる。

0076

より好ましくはポリマー系分散剤と非イオン系界面活性剤の重量配合比率が、2:1〜10:1、さらに好ましくはポリマー系分散剤と非イオン系界面活性剤の重量配合比率が、5:1〜10:1である。

0077

本発明に係るトナー又はトナーの製造方法において、着色剤粒子分散液に用いる分散剤として、前述したポリマー系分散剤に加えて、さらにアニオン系分散剤とを一定割合で配合する構成も好ましい。

0078

着色剤粒子分散液にポリマー系分散剤とアニオン系分散剤とを一定割合で配合させることにより、ワックス粒子、樹脂粒子及び着色剤粒子との凝集速度を調整でき、凝集過程において粗大粒子の発生を抑えることができる。従って、狭い粒度分布の粒子生成が可能となり、また生成される粒子の形状、粒径を制御することができる。アニオン系分散剤比率を高めていくと、凝集の進行がやや遅くなり、形状が球状に近い粒子が生成されやすくなる。

0079

ポリマー系分散剤は、着色剤粒子100重量部に対し3〜20重量部、アニオン系分散剤が着色剤粒子100重量部に対し1〜15重量部とすることが好ましい。着色粒子分散液ポットライフ(分散安定性)を維持し、かつ小粒径で狭い均一な粒度分布の芯粒子を生成できる適正な範囲である。

0080

より好ましくは、ポリマー系分散剤は、着色剤粒子100重量部に対し5〜15重量部、アニオン系分散剤が着色剤粒子100重量部に対し1〜10重量部が好ましい。さらに好ましいくは、ポリマー系分散剤は、着色剤粒子100重量部に対し5〜12重量部、アニオン系分散剤が着色剤粒子100重量部に対し3〜10重量部である。

0081

また、ポリマー系分散剤とアニオン系分散剤の重量配合比率が、1:1〜10:1とすることが好ましい。より好ましくは2:1〜10:1とすることが好ましい。さらに好ましくは5:1〜10:1とすることが好ましい。樹脂粒子やワックス粒子との凝集速度が適正な範囲とすることができ、芯粒子中に取り込まれずに残留する着色剤粒子やワックス粒子の生成を抑えられ、小粒径で粒度分布の狭い粒子生成を得ることができる範囲である。

0083

その中で、高級アルコール硫酸エステル塩であるラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩であるラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩である炭素数12〜16のアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム) 、又はアルキルナフタレンスルホン酸塩が特に好ましい材料である。

0084

本発明に係るトナー又はトナーの製造方法において、ブラックトナーにおいて、着色剤としてカーボンブラックを使用する場合、カーボンブラックのDBP吸油量が45〜70(ml/100g)のカーボンブラックを含むことが好ましい。好ましくは45〜63、より好ましくは45〜60、さらに好ましくは45〜53である。

0085

70より大きいカーボンブラックでは、カーボンブラックの凝集が早く起こりやすく、カーボンブラック粒子が芯粒子中に取り込まれにくいためと推測する。また、後述する芯粒子にシェル樹脂粒子を付着させたシェル構造とした場合、生成粒子窒素吸着によるBET比表面積値が大きくなる傾向にある。結果、現像時での非画像部へのトナー付着であるカブリが増大する傾向にある。カーボンブラックの凝集不良による分散状態の偏在により表面状態に影響を与えているものと思われる。

0086

また溶融したワックスとの吸油(吸着)される現象が急速に進行し、灰色の粒子を生成させる結果になるものと推測する。またワックスの定着性の機能も低下してしまうものと推測する。45よりも小さいカーボンブラックは適当なサンプルが生産されていない。

0087

カーボンブラックは他のフタロシアニン系、キナクリドン系、アゾ系等の有機系顔料に比べ、無機系に近い特性を示し、ワックス粒子、樹脂粒子との凝集反応において、その凝集性(凝集剤添加時の粒子の凝集速度)が相違する傾向にある。そのため、カーボンブラックにおいて一定の吸油量特性を有するカーボンブラックの使用が好ましいものと思われる。

0088

また、一定の融点を有するワックスとの使用においてその効果がより発揮される傾向にある。凝集反応を進行させる際、ワックスは溶融した状態となり、カーボンブラック粒子は粉の状態である。そして一定のDBP吸油量特性を有するカーボンブラック粒子はその吸油性により、溶融したワックスを吸油(吸着)する。その結果カーボンブラック粒子とワックスが溶融付着した灰色の粒子が生成されやすい傾向となる。また一部粗大化しやすく、水系中の粒子のバランスが崩れることで凝集にかかわらない浮遊したワックスや、顔料粒子の残留が生じやすくなる傾向にある。またカーボンブラック粒子に溶融したワックスが吸油(吸着)されると本来のワックスの低温定着性や耐オフセット性の定着性の機能が低下し、定着可能温度域が減少する傾向にある。

0089

そこで、一定の融点を有する溶融状態のワックスと粉の状態のカーボンブラック粒子の凝集反応において、カーボンブラック粒子のDBP吸油量特性を規定することにより、カーボンブラック粒子が先に粒子成長する現象を抑えられ、芯粒子を小粒径化しても、カーボンブラック粒子が芯粒子中に取り込まれて、芯粒子分散液中に凝集に加わらずに残留するカーボンブラック粒子を解消できる効果が得られることを見出した。また、本来のワックスの定着性の機能が低下する現象を抑えられる効果を見出した。また溶融粘度特性が異なる第一の樹脂粒子と形状調整用樹脂粒子との凝集を均一に進行させることに対しても効果的で、凝集に加わらずに浮遊する形状調整用樹脂粒子の残留を低減できる傾向にある。理由がはっきりわかっていないが、一定以上のDBP吸油量特性を有するカーボンブラック粒子が溶融したワックスとの吸油(吸着)される現象の影響と思われる。

0090

本発明に係るトナー又はトナーの製造方法において、樹脂粒子分散液を作成する際に用いる界面活性剤の主成分が非イオン界面活性剤であり、ワックス粒子分散液に用いる界面活性剤の主成分が非イオン界面活性剤とする構成が好ましい。

0091

これは、樹脂粒子分散液及びワックス粒子分散液に用いる界面活性剤のうち、非イオン界面活性剤が界面活性剤全体に対して50〜100wt%有することが好ましいことを表す。より好ましくは60〜100wt%、さらに好ましくは60〜90wt%有することが好ましい。

0092

本発明に係るトナー又はトナーの製造方法において、樹脂粒子分散液に用いる界面活性剤が非イオン界面活性剤とイオン型界面活性剤の混合であり、かつワックス粒子分散液に用いる界面活性剤の主成分を非イオン界面活性剤とする構成が好ましい。樹脂粒子分散液に用いる界面活性剤のうち、非イオン界面活性剤が界面活性剤全体に対して50〜95wt%有することが好ましい。より好ましくは55〜90wt%、さらに好ましくは60〜85wt%である。

0093

このような構成の樹脂粒子、ワックス粒子及び前述した着色剤粒子を用いて、水系媒体中で凝集剤を作用させると、まず樹脂粒子が凝集を開始して核ができる。次に、着色剤粒子が樹脂粒子の核の周りに凝集を始める。最後にワックス粒子が凝集して着色剤粒子を樹脂粒子とともに挟んだようにして包み込む。樹脂粒子は着色剤粒子やワックス粒子に比べて、重量濃度として、通常数倍以上添加するので、さらにワックス粒子の上にも樹脂粒子のみの核が凝集し、最表面が樹脂で覆われたトナーが形成されると推定される。このようなメカニズムで水系中で凝集にかかわらない浮遊した着色剤粒子やワックス粒子の存在をなくし、小粒径でかつ均一で狭い範囲でシャープな粒度分布を有する芯粒子を形成できるものと考えられる。

0094

本発明に係るトナー又はトナーの製造方法において、形状調整用樹脂粒子の好ましい特性として、形状調整用樹脂粒子の溶融粘度特性における軟化点をTmr3(℃)、第一の樹脂粒子の溶融粘度特性における軟化点をTmr1(℃)とすると、(数1)の関係を満たす構成が好ましい。

0095

0096

Tmr1+30℃≦Tmr3≦Tmr1+80℃
一定の軟化点を有する形状調整用樹脂粒子の存在により、加熱処理の過程での凝集反応において、溶融状態の異なる樹脂粒子の存在により凝集粒子の溶融が進行する状態を遅らせ、粒子の溶融による表面張力の効果を変えることで、形状を真球状からポテト形状不定形とすることが可能となる。

0097

形状調整用樹脂粒子と第一の樹脂粒子の軟化点の差が30℃よりも小さいと、芯粒子の溶融が進行する状態を遅らせることができにくくなり、形状調整がうまく進まない傾向にある。逆に形状調整用樹脂粒子と第一の樹脂粒子の軟化点の差が80℃よりも大きくなると、芯粒子の凝集が進行しずらくなり、形状調整用樹脂粒子が芯粒子に取り込まれにくく、形状調整用樹脂粒子が水系中に残留して水系中の白濁が残る場合がある。

0098

また、形状調整用樹脂粒子の好ましい第二の特性として、形状調整用樹脂粒子のゲルパーミエーションクロマトグラムにおける重量平均分子量をMwr3、第一の樹脂粒子の重量平均分子量をMwr1とすると、(数2)の関係を満たす構成が好ましい。

0099

0100

Mwr1×1.5≦Mwr3≦Mwr1×12
一定の重量平均分子量を有する形状調整用樹脂粒子の存在により、加熱処理の過程での凝集反応において、溶融状態の異なる樹脂粒子の存在により芯粒子の溶融が進行する状態を遅らせることで、形状を真球状からポテト形状や不定形とすることが可能となる。

0101

形状調整用樹脂粒子重量平均分子量が第一の樹脂粒子の重量平均分子量の1.5倍よりも小さいと、芯粒子の溶融が進行する状態を遅らせることができにくくなり、形状調整がうまく進まない傾向にある。逆に形状調整用樹脂粒子重量平均分子量が第一の樹脂粒子の重量平均分子量の12倍よりも大きくなると、芯粒子の凝集が進行しずらくなり、形状調整用樹脂粒子が芯粒子に取り込まれにくく、形状調整用樹脂粒子が水系中に残留して水系中の白濁が残る傾向になる。

0102

また、形状調整用樹脂粒子の配合割合は、第一の樹脂粒子100重量部に対し、2〜30重量部の範囲とする構成が好ましい。2重量部よりも少ないと、形状調整の効果が得にくい。30重量部よりも多くなると、芯粒子の凝集性が悪化し、形状調整用樹脂粒子が芯粒子に取り込まれにくく、形状調整用樹脂粒子が水系中に残留して水系中の白濁が残る傾向になる。

0103

また、形状調整用樹脂粒子の配合割合は、形状調整用樹脂粒子の軟化点又は重量平均分子量とも関連し、軟化点又は重量平均分子量が高くなるほど配合量は少量で効果を発揮できる。

0104

Tmr3がTmr1+30℃〜Tmr1+45℃のときは、形状調整用樹脂粒子の配合割合としては、第一の樹脂粒子100重量部に対し、22〜30重量部の範囲、Tmr3がTmr1+45℃〜Tmr1+65℃のときは、形状調整用樹脂粒子の配合割合は、第一の樹脂粒子100重量部に対し、12〜22重量部の範囲、Tmr3がTmr1+65℃〜Tmr1+80℃のときは、形状調整用樹脂粒子の配合割合は、第一の樹脂粒子100重量部に対し、2〜12重量部の範囲とすることが目安となるが、狙いの形状によって量は増減する必要がある。

0105

Mwr3が、Mwr1×1.5〜Mwr1×4のときは、形状調整用樹脂粒子の配合割合としては、第一の樹脂粒子100重量部に対し、22〜30重量部の範囲、Mwr3が、Mwr1×4〜Mwr1×8のときは、形状調整用樹脂粒子の配合割合は、第一の樹脂粒子100重量部に対し、12〜22重量部の範囲、Mwr3が、Mwr1×8〜Mwr1×12のときは、形状調整用樹脂粒子の配合割合は、第一の樹脂粒子100重量部に対し、2〜12重量部の範囲とすることが目安となるが、狙いの形状によって量は増減する必要がある。

0106

この形状調整を目的として軟化点等の熱特性の異なる形状調整用樹脂粒子を配合する構成において、前述したポリマー系分散剤を使用することにより、軟化点等の熱特性が異なる樹脂粒子を使用し凝集進行性が変わることによる浮遊粒子生成を防止し、軟化点等の熱特性が異なる状況でも、芯粒子の凝集反応を均一に進め、着色剤やワックスの分散性を向上させる効果が発揮できる傾向にある。ポリマー系分散剤を使用した着色剤粒子が接着性のような機能を発揮される結果とも推測される。

0107

本発明に係るトナー又はトナーの製造方法において、樹脂粒子が水系媒体中において重合開始剤を用いて単量体を乳化重合することにより得られるものであり、その重合開始剤の添加量が、単量体100重量部に対し、0.5〜2.5重量部、重合開始剤が、水温20℃の水100gに対する溶解度が4g以上の過硫酸塩類、及び単量体がスチレン系単量体、(メタアクリル酸エステル単量体及び酸基を有するビニル系単量体を含み、酸基を有するビニル化合物の配合量が、単量体中0.1〜5.0重量%の構成とすることが好ましい。

0108

重合開始剤の添加量について、重合開始剤由来親水基の存在量により樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子の凝集に影響を与える傾向にある。つまり重合開始剤の添加量が多いと凝集反応が遅く進行する傾向にあり、重合開始剤の添加量が少ないと凝集反応が早く進行する傾向にあり、その重合開始剤の添加量の適正量が、単量体100重量部あたり0.5〜2.5重量部である。好ましくは、0.7〜2.0重量部、より好ましくは、1.0〜1.5重量部である。樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子それぞれの凝集を適正なものとなる範囲である。

0109

0.5重量部よりも少ないと、樹脂粒子の凝集が早く進行し、ワックス、顔料と凝集した芯粒子生成にいたらず、樹脂粒子同士が凝集した樹脂の粗大粒子が生成されやすい傾向にある。

0110

2.5重量部よりも多いと、芯粒子生成の凝集が遅くなる傾向にあり、生産性に時間を要することになる。また、高温非オフセット性が悪化し、定着可能温度領域が狭まる傾向にある。これは重合開始剤由来の親水基の存在量により、凝集反応が遅く進行することで、ワックスの分散性に影響を及ぼすものと考えられる。

0111

重合開始剤は、水温20℃の水100gに対する溶解度が4g以上の過硫酸塩類を使用することが好ましい。重合開始剤由来の親水基の存在量の適正化による芯粒子の凝集性と定着性を適切なものとすることができる。溶解度が少ないと、乳化重合反応時の過硫酸塩類の溶解に時間を要し生産性が遅くなる。乳化する際の過硫酸塩類の分散状態が変化しやすく、凝集反応時の凝集性が不安定なものとなる傾向にある。

0112

酸基を有するビニル化合物の配合量が、単量体中0.1〜5.0重量%であることが好ましい。好ましくは、0.2〜4.5重量%、より好ましくは、0.5〜2.0重量%である。第一の樹脂粒子、形状調整用樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子それぞれの凝集を適正なものとできる範囲である。

0113

0.1重量%よりも少ないと、第一の樹脂粒子の凝集が早くなり、ワックス、顔料と凝集した芯粒子生成にいたらず、樹脂粒子単独が凝集した粗大化した樹脂粒子の発生や、芯粒子が粗大化する傾向にある。

0114

5.0重量%よりも多いと、芯粒子生成の凝集が遅くなる傾向にあり、これは酸基由来の親水基の存在量により、凝集反応が遅く進行することで、樹脂粒子とのワックスの凝集に影響を及ぼす傾向にある。それによりワックスの分散状態が変動し、高温非オフセット性が悪化し、定着可能温度領域が狭まる傾向となるものと考えられる。

0115

本発明に係るトナーの製造方法は、水系媒体中において、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液、着色剤粒子を分散させた着色剤粒子分散液及びワックス粒子を分散させたワックス粒子分散液とを混合して混合液を生成し、その混合液に凝集剤を添加して、樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子が凝集した芯粒子を生成する方法である。そして樹脂粒子が第一の樹脂粒子とトナーの形状を調整するための形状調整用樹脂粒子を含み、かつ、着色剤粒子分散液に用いる分散剤がポリマー系分散剤を含む構成である。

0116

本発明のトナーの製造方法において、水系媒体中で、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及びワックス粒子分散液とを混合した混合分散液のpHは9.5〜12.2の範囲に調整することが好ましい。好ましくはpHは10〜11.5、さらに好ましくはpHは10.5〜11の範囲に調整することが好ましい。1NのNaOHを添加することでpHの調整が可能である。

0117

pH値を9.5以上とすることで、形成された芯粒子が粗大化する現象を抑制する効果がある。pH値が12.2以下とすることで、凝集に加わらずに遊離する形状調整用樹脂粒子や着色剤粒子の発生を抑え、各粒子が均一に分散した芯粒子が得られる効果がある。

0118

このとき、樹脂粒子分散液及びワックス粒子分散液とを混合した混合液のpHを9.5〜12.2の範囲に調整した後に、ポリマー系分散剤を使用した着色剤粒子分散液を添加することが好ましい。樹脂粒子分散液又はワックス粒子分散液のpHは酸性になっている場合があり、樹脂粒子分散液およびワックス粒子分散液とともにポリマー系分散剤を使用した着色剤粒子分散液を添加して混合すると着色剤粒子が一部単独で凝集が進行する場合があるためである。つまり、樹脂粒子分散液及びワックス粒子分散液とを混合し、その混合液のpHを9.5〜12.2の範囲に調整した後に、ポリマー系分散剤を使用した着色剤粒子分散液を添加し、水溶性無機塩を添加した後に加熱処理を行うことが好ましい。

0119

その後、混合分散液に水溶性無機塩を添加し、樹脂粒子のガラス転移点温度(Tg)以上及び/又はワックスの融点以上に加熱処理することにより、少なくとも樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子が少なくとも一部が溶融し凝集した所定の体積平均粒径の芯粒子が形成される。

0120

この所定の体積平均粒径の芯粒子が形成されたときの液のpHが7.0〜9.5の範囲に保持されることが好ましく、これにより形状調整用樹脂粒子やワックスの遊離が少なく、各粒子が均一に分散した芯粒子が得られる効果がある。

0121

添加するNaOH量、凝集剤種や量、乳化重合樹脂分散液のpH、着色剤分散液のpH、ワックス分散液のpHの設定値や、加熱温度、時間は適宜選択される。粒子が形成されたときの液のpHが7.0未満であると、芯粒子が粗大化する傾向になる。pHが9.5を超えると、凝集不良で遊離した形状調整用樹脂粒子やワックスが多くなる傾向になる。

0122

また樹脂粒子分散液は、乳化重合樹脂を重合生成する際に重合開始剤として過硫酸カリウム等の過硫酸塩を使用した際、その残留分が加熱凝集工程時の熱により分解してpHを変動(下げる)させてしまうことがあるため、乳化重合した後に一定温度以上(残留分を十分に分散させておくために80℃以上が好ましい)で、一定時間(1〜5時間程度が好ましい)加熱処理を施すことが好ましい。樹脂粒子分散液のpHは好ましくは4以下、更に好ましくは1.8以下である。

0123

pH(水素イオン濃度)の測定は、被測定液液槽内からピペットを用いてサンプルを10ml採取し、同容量程度のビーカーに入れる。このビーカーを冷水に浸漬し、サンプルを室温(30℃以下)まで冷却する。pHメータセブンマルチメトラートレド社製)を用い、室温まで冷やしたサンプルに測定プローブ浸すメータの表示が安定したらその数値読み取り、pHの値とする。

0124

混合分散液の昇温速度は0.1〜10℃/minが好ましい。0.1℃/minよりも遅いと生産性が低くなる。10℃/minよりも早いと粒子表面が平滑にならないうちに形状が球形に進みすぎる傾向にある。

0125

本発明のトナー製造方法において、芯粒子生成の好ましい一実施形態として、水系媒体中において、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及びワックス粒子分散液とを混合して混合分散液を生成する。そしてこの混合分散液を加熱し、混合分散液の液温度が一定の温度に達した後に、この混合分散液に凝集剤として水溶性無機塩を添加する方法も好ましい。

0126

混合分散液の温度が一定以上に達した状態で凝集剤を添加することにより、凝集が昇温時間とともに緩慢に起こる現象をさけられ、凝集剤の添加と共に凝集反応が一気に進行し、短時間に芯粒子の生成が可能となる。また、各粒子が均一に分散した小粒径で狭い粒径分布の芯粒子形成が可能となる。

0127

また、後述するように融点の異なるワックスを併用して使用する場合、昇温の過程で、低融点のワックスが先に溶融が開始され、昇温が進行すると、次には高融点のワックスの溶融が開始され、凝集が開始されるため、低融点ワックス粒子同士や、高融点粒子ワックス同士の凝集体の生成を防ぐためにも有効な方法である。芯粒子中でワックスの偏在を防止して、芯粒子の粒度分布が広くなったり形状の分布が不均一になることを防ぐことができる。

0128

また、溶融粘度特性が異なる第一の樹脂粒子と形状調整用樹脂粒子との凝集を均一に進行させることに対しても効果的で、凝集に加わらずに浮遊する形状調整用樹脂粒子の残留を低減できる傾向にある。

0129

添加する凝集剤は一定の水濃度を有する水溶性無機塩を含有した水溶液を使用するが、その水溶液のpH値を調整した後に、少なくとも第一の樹脂粒子分散液、形状調整用樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及びワックス粒子分散液を混合した混合分散液中に添加する構成をとることも好ましい。

0130

凝集剤を含んだ水溶液のpH値を一定値に調整することにより、凝集剤としての粒子の凝集作用をより高めることができるものと考えられる。混合分散液のpH値と一定の関係を持たせることが好ましく、混合分散液にpH値が離れた凝集剤水溶液を添加すると、液のpHのバランスが急に乱されるため、凝集粒子が粗大化したり、ワックスの分散が不均一になりやすい。このような現象を抑えるために、凝集剤水溶液のpHを調整することが効果的である。

0131

樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及びワックス粒子分散液を混合した混合分散液を加熱処理し、凝集剤を含む水溶液の添加前の混合分散液のpH値をHGとすると、凝集剤を含む水溶液のpH値は、HG+2〜HG−4の範囲に調整して添加する構成が好ましい。好ましくはHG+2〜HG−3の範囲、より好ましくはHG+1.5〜HG−2の範囲、さらに好ましくはHG+1〜HG−2の範囲とする構成である。

0132

混合分散液にpH値が離れた凝集剤水溶液を添加すると、液のpHのバランスが急に乱されるため、凝集反応が遅れて進行しずらくなったり、凝集粒子が粗大化しやすくなりやすい。このような現象を抑えるために、凝集剤水溶液のpHを調整することが効果的である。原因は不明であるが凝集剤を含む水溶液のpH値を混合分散液のpH値よりも低くする構成がより好ましい構成と思われる。

0133

HG−4以上とすることで、凝集剤としての粒子の凝集作用をより高められ、凝集反応を加速できる。HG+2以下とすることで、凝集粒子が粗大化したり、粒度分布がブロードになる現象を抑える効果がある。

0134

凝集剤を添加する時期としては、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液及びワックス粒子分散液とを混合した混合分散液の温度が、後述するDSC法により測定されるワックスの融点以上に到達後に凝集剤を添加する構成が好ましい。ワックスの溶融が開始されている状態で、凝集剤を添加することにより、溶融するワックス粒子と、樹脂粒子及び前述した構成の着色剤粒子の凝集が一気に進行し、さらに加熱処理続けることでワックス粒子、樹脂粒子の溶融が進行して粒子形成されるものと思われる。

0135

このとき、混合分散液の温度がワックスの特定温度に達した時点で凝集剤を添加することにより粒子の凝集が進行し、その後0.5〜5時間、好ましくは0.5〜3時間、より好ましくは1〜2時間加熱処理することにより所定の粒度分布の芯粒子が生成される。加熱処理はワックスの特定温度をキープしたままでも良いが、好ましくは80〜95℃、より好ましくは90〜95℃で加熱することが好ましい。凝集反応を加速でき、処理時間の短縮につながる。

0136

さらに、後述するようにワックスを2種類以上含む場合には、低い方の融点を有するワックスの方の特定温度に調整することが好ましい。より好ましくは高い方の融点を有するワックスの特定温度に調整することが好ましい。ワックス粒子の溶融が開始されている温度状態で凝集剤を添加することが効果的である。

0137

凝集剤の添加は、全量一括して添加する構成もよいが、凝集剤の滴下を1〜120minの時間を要して滴下するのも好ましい。分割しながらでもよいが、好ましくは連続した滴下が好ましい。加熱された混合分散液に凝集剤を一定速度で滴下することにより、反応釜内にある混合分散液全体に凝集剤が徐々に均一に混ざりあうことになり、偏在により粒度分布がブロードになったり、ワックスや着色剤の浮遊粒子の発生を抑制する効果がある。また混合分散液の液温度の急激な低下を抑えることができる。好ましくは5〜60min、より好ましくは10〜40min、さらに好ましくは15〜35minである。1min以上により芯粒子の形状が過度に不定形に進まず、安定した形状が得られる。120min以下とすることで、着色剤やワックス粒子の凝集に加わらずに単独で浮遊する粒子の存在を抑える効果が得られる。

0138

樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子の総和100重量部に対し、凝集剤は1〜50重量部滴下する構成が好ましい。好ましくは5〜25重量部、より好ましくは5〜20重量部、さらに好ましくは10〜15重量部である。少ないと凝集反応が進行せず、多すぎると生成粒子が粗大化する傾向にある。

0139

混合分散液は、樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及びワックス粒子分散液以外に液中の固体濃度を調整するために、イオン交換水を添加してもかまわない。液中の固体濃度は5〜40wt%が好ましい。

0140

また凝集剤としては、水溶性無機塩をイオン交換水等で一定濃度に調整して使用することも好ましい。凝集剤水溶液の濃度は5〜50wt%が好ましい。

0141

本発明のトナー又はトナー製造方法において、芯粒子が分散した芯粒子分散液に、シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液を添加混合し、加熱処理して芯粒子に、シェル樹脂粒子を芯粒子に融着させてトナー母体粒子を生成する構成も好ましい。芯粒子に使用する樹脂粒子を第一の樹脂粒子と称する場合がある。

0142

本発明のトナーでは、顔料およびワックスはトナーの内部に取り込まれているが、最表面に微量の顔料およびワックスが存在する可能性もあり、芯粒子表面上にシェル樹脂粒子の融着層を形成することで帯電の安定化に対する効果を得ることできる(シェル層と称することもある)。また、トナーの高温状態での貯蔵安定性を高める観点から、ガラス転移点(Tg(℃))の高い樹脂粒子を、高温での耐オフセット性を確保する観点から、高分子量乳化樹脂微粒子を、帯電安定性の観点から電荷調整剤を含有した樹脂粒子をシェル層として形成しても望ましい。

0143

芯粒子分散液にシェル樹脂粒子分散液を滴下する条件として、生成された芯粒子量100重量部に対し、シェル樹脂粒子の滴下速度が、0.14重量部/min〜2重量部/minの滴下条件で滴下して生成する構成が好ましい。好ましくは0.15重量部/min〜1重量部/min、さらに好ましくは、0.2重量部/min〜0.8重量部/minである。

0144

シェル樹脂粒子分散液の添加時期は、芯粒子が所定の粒径に達したら、そのまま添加される。添加は順次滴下が好ましい。所定全量を一気に添加したり、2重量部/minを超えるとシェル樹脂粒子のみ同士の凝集が生じやすく、粒度分布がブロードになりやすい。また、投入量が多くなると、液温度が急激に低下し凝集反応の進行が止まることになり、シェル樹脂粒子の一部が芯粒子への付着に加わらずに水系中で浮遊した状態で残ってしまう場合がある。

0145

また、0.14重量部/minよりも少ないと、シェル樹脂粒子の一部が芯粒子への付着する量が減量し、加熱を続けていく際に、芯粒子同士の凝集が生じて、粒子が粗大化、粒度分布がブロードになりやすい。

0146

シェル樹脂粒子分散液の滴下条件を適正化することで、芯粒子同士の凝集やシェル樹脂粒子のみ同士の凝集を防いで、小粒径で粒度分布の狭い粒子の生成を可能とする。

0147

生成された芯粒子が分散された芯粒子分散液の液温度の変動を10%以内に抑えるように、シェル樹脂粒子分散液を滴下するような構成が好ましい。

0148

シェル樹脂粒子を芯粒子に融着させる構成において、芯粒子分散液に、シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液を添加し、加熱処理して芯粒子に、シェル樹脂粒子を芯粒子に融着させる樹脂融着層を形成する際の条件として、シェル樹脂粒子分散液のpH値を一定範囲に調整した後に添加する構成が好ましい。

0149

シェル樹脂粒子分散液のpH値を一定範囲に調整してシェル樹脂粒子分散液を添加することにより、融着に加わらない浮遊するシェル樹脂粒子の発生を抑え、芯粒子へのシェル樹脂粒子の付着を良好なものとし、あるいは芯粒子同士の二次凝集の発生を抑えることが狙いである。

0150

シェル樹脂粒子分散液のpH値を一定範囲に調整する構成において、アルカリ状態に調整したシェル樹脂粒子分散液のpH値は7.5〜10.5の範囲とする構成が好ましい。好ましくは8.5〜10、より好ましくは9〜9.5である。

0151

シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液のpH値は、芯粒子が分散した芯粒子分散液のpH値よりも高い値、つまり、よりアルカリ状態に調整して添加する構成とすることが好ましい。

0152

pH値をアルカリ状態に調整したシェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液を、pH値が7以下2以上の範囲にある芯粒子分散液に添加する構成とすることが好ましい。

0153

芯粒子へのシェル樹脂粒子の付着を促進させる効果と共に、芯粒子分散液のpH値を7以下として酸性状態とすることにより、凝集剤として例えば硫酸マグネシウムを使用した場合、残存する水酸化マグネシウムを除去する効果が得られる。水酸化マグネシウムが残留すると、トナーが高湿度下に放置した時に水分を吸湿する傾向にあるため、吸収を抑えることが狙いでもある。

0154

シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液のpH値は、芯粒子が分散した芯粒子分散液のpH値よりも0.5以上高い構成とすることが好ましい。より好ましくは1以上、さらに好ましくは2以上である。0.5よりも小さいとき、融着に加わらない浮遊するシェル樹脂粒子の発生が増える傾向にある。逆に差が5を超えると、融着に加わらない浮遊するシェル樹脂粒子が発生するとともに、芯粒子同士の二次凝集が発生し、生成される粒子が粗大化する傾向にある。

0155

シェル樹脂粒子分散液のpH値と、芯粒子分散液のpH値とを一定の関係を持させることで、水系中のpHのバランスを一部乱すことで、芯粒子へのシェル樹脂粒子の付着を促進させ、融着に加わらない浮遊するシェル樹脂粒子の発生を抑え、さらには芯粒子同士の二次凝集の発生を抑えることが狙いである。

0156

シェル樹脂粒子を分散させたシェル樹脂粒子分散液のpH値が、芯粒子が分散した芯粒子分散液のpH値よりも低い値のときも、シェル樹脂粒子の発生が増える傾向にあり、液は白濁したままの状態が続く。

0157

芯粒子分散液のpH値は7以下2以上の範囲とし、かつシェル樹脂粒子分散液のpH値を7.5〜10.5に調整した後に添加することで、芯粒子へのシェル樹脂粒子の付着を促進させ、融着に加わらない浮遊するシェル樹脂粒子の発生を抑え、芯粒子同士の二次凝集の発生を抑えて、小粒径で狭い粒度分布を形成することが可能となる。

0158

芯粒子分散液のpH値が2より小さく、かつシェル樹脂粒子分散液のpH値が7.5より小さいとき、芯粒子へのシェル樹脂粒子の付着が進行せず、シェル樹脂粒子は芯粒子への融着に加わらず、浮遊したままの状態となる傾向にある。芯粒子分散液のpH値が7よりも大きく、かつシェル樹脂粒子分散液のpH値が10.5よりも大きいとき、芯粒子へのシェル樹脂粒子の付着が進行せず、生成される粒子が粗大化する傾向にある。pH値の調整には水酸化ナトリウムや塩酸溶液を添加することで調整することができる。

0159

また、芯粒子表面にシェル樹脂粒子が付着させた後、さらに水系中のpHを3.2〜6.8の範囲に調整した後、シェル樹脂粒子のガラス転移点温度以上の温度で0.5〜5時間加熱処理する方法を採ることも好ましい。このpH値の範囲とすることにより、芯粒子相互の二次凝集を抑制しながら、かつ粒子形状の表面平滑性をより進めることができる。また凝集剤として添加する水溶性無機塩である硫酸マグネシウムを使用した系において、一部アルカリ性で凝集反応が進行することで生成される水酸化マグネシウムを酸状態酸化し、水溶性として除去させることでトナーが水を吸収しやすくなる現象である吸湿を下げる効果も得られる。

0160

トナーの耐久性、貯蔵安定性、高温非オフセット性を良好なものとするため、シェル樹脂粒子の融着した樹脂層の厚さは0.5μm〜2μmが好ましい。これよりも薄いと貯蔵安定性、高温非オフセット性の効果が発揮せず、厚いと低温定着性が阻害される。

0161

シェル樹脂粒子分散液に用いる界面活性剤の主成分を非イオン界面活性剤とする構成が好ましく、さらには、シェル樹脂粒子分散液に用いる界面活性剤が非イオン界面活性剤とイオン型界面活性剤の混合とする構成も好ましく、このときの構成は非イオン界面活性剤が界面活性剤全体に対して、50〜95wt%有することが好ましい。より好ましくは55〜90wt%、さらに好ましくは、60〜85wt%有することが好ましい。50wt%以上とすることで、芯粒子に対するシェル樹脂粒子微粒子の付着を促進させることができる。95wt%以下とすることにより、で樹脂粒子分散液中の樹脂粒子自体の分散を安定させる効果がある。

0162

凝集反応に使用する好ましい反応釜としてガラスライニング処理したSUS製ので、分散液を攪拌するための攪拌羽根としては特に限定はしないが、深さ方向に幅の広い翼形状平板翼)が有効である。その平板翼としては、住友重機製商品マックスブレンド翼や神鋼パンテック社製商品名フルゾーン翼などが有効である。

0163

マックスブレンド翼の構成を図7に概略図、図8に上から見た平面図を示す。また、フルゾーン翼の構成を図9に概略図、図10に上から見た平面図を示す。301は軸で図示しない攪拌モータにつながれている。302は攪拌槽、303は液の水面、304は平面マックスブレンド翼で内に305の孔が設けられて、液の攪拌強度の調整の役目をしている。306は平面の長方形翼、その下部に攪拌翼307が設けられ、先端部において約130度程度屈曲されている。308は攪拌翼の長さを示している。

0164

攪拌翼の回転速度は、分散液中の粒子濃度や、狙いの粒径により変動するが、好ましくは0.5〜2.0m/sである。より好ましくは0.7〜1.8m/s、さらに好ましくは1.0〜1.6m/sである。低速になりすぎると生成される粒子の粒径が大きく、かつ粒度分布が広がる傾向にある。高速になりすぎると、粒子の凝集が阻害され、形状が不定形になりやすく、粒子生成ができにくくなる。

0165

コアとシェルの着色粒子が形成された後、任意の洗浄工程、固液分離工程、及び乾燥工程を経て、トナー母体粒子を得ることができる。この洗浄工程においては、帯電性を向上させる観点より、イオン交換水による洗浄を行うのが好ましい。また、酸とアルカリを使用して洗浄する方法も好ましい。

0166

固液分離工程における分離方法としては、特に制限はなく、生産性の観点から、吸引濾過法加圧濾過法などの公知のろ過方法が好ましく挙げられる。

0167

乾燥工程における乾燥方法としては、特に制限はなく、生産性の観点から、フラッシュジェット乾燥方法、流動乾燥方法、及び振動型流動乾燥方法などの公知の乾燥方法が好ましく挙げられる。

0168

凝集剤としては、水溶性無機塩が選択され、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩を挙げることができる。アルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムバリウム等が挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属又はアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン臭化物イオンヨウ化物イオン炭酸イオン硫酸イオン等が挙げられる。イオン交換水等で一定濃度に調整して使用することも好ましい。

0169

非イオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型の非イオン界面活性剤、グリセロール脂肪酸エステルペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、他価アルコールのアルキルエーテルアルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール型の非イオン界面活性剤などが挙げられる。

0170

高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型の非イオン界面活性剤が特に好ましく使用できる。

0171

水系媒体としては、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記極性を有する分散剤における前記極性界面活性剤の含有量としては、一概に規定することはできず、目的に応じて適宜選択することができる。

0172

また非イオン界面活性剤と、イオン型界面活性剤とを併用する場合には、極性界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤などが挙げられる。

0173

前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。

0174

前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライドアルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(2)ワックス
定着ローラにオイルを使用しないオイルレス定着において、低温定着性、高温非オフセット性、又は定着時に複写用紙等の加熱ローラ等との分離性改良のため、さらには低温定着高温耐オフセット性及び高温下での貯蔵安定性の相矛盾する定着特性マージンを拡大し、その機能性向上のため、ワックスを添加する構成が好ましく、さらには複数のワックスを添加することが好ましい。

0175

本発明のトナー又はトナーの製造方法において、ワックスは少なくとも、吸熱ピーク温度が50〜90℃のワックスを含む構成である。低温定着実現のため低融点のワックスを使用することが好ましい。好ましくは55〜85℃、より好ましくは58〜85℃、さらに好ましくは、68〜74℃である。50℃以上とすることで貯蔵安定性を向上させ、90℃以下とすることで、低温定着性、カラー光沢性を向上させる。

0176

低融点のワックスを使用する構成は低温定着実現のために有利な構成であるが、前述したように特にカーボンブラック粒子を使用すると溶融状態のワックスとカーボンブラック粒子の吸油(吸着)により小粒径の粒子形成や定着性に影響を与える傾向がある。そこで、一定のDBP吸油量特性を有するカーボンブラックとの使用が好ましい。

0177

また、本発明のトナー又はトナーの製造方法において、ワックスの好ましい実施形態として、複数のワックスを添加する構成が好ましい。その好ましい第一のワックス形態として、ワックスが少なくとも第一のワックス及び第二のワックスを含み、第一のワックスのDSC法による吸熱ピーク温度(融点Tmw1(℃)と称す)が50〜90℃で、かつ第二のワックスのDSC法による吸熱ピーク温度(融点Tmw2(℃))が80〜120℃とすることが好ましい。Tmw1は好ましくは55〜85℃、より好ましくは58〜85℃、さらに好ましくは、68〜74℃である。Tmw2はより好ましくは85〜100℃、さらに好ましくは90〜100℃であることが好ましい。

0178

融点の異なるワックスの使用により、ワックスの機能を分離することで、低温定着及び高温耐オフセット性を両立し定着温度領域の広い特性を得ることができる。

0179

また、前述した特定の分散剤を使用した着色剤及び溶融粘度特性が異なる第一の樹脂粒子と形状調整用樹脂粒子と凝集して芯粒子を生成する場合においても、凝集を均一に進行させ、凝集に加わらずに浮遊する形状調整用樹脂粒子の低減することに対しても効果的である。

0180

さらには特定のカーボンブラック粒子との併用により、芯粒子分散液中に凝集に加わらない着色剤粒子やワックス粒子の残留を抑制し、小粒径で狭い粒度分布の芯粒子の生成を可能とすることができる。

0181

Tmw1が50℃よりも小さいと、生成する芯粒子が粗大化しやすく、また貯蔵安定性が悪化する傾向にある。90℃よりも高いとき、低温定着性、カラー光沢性が向上しない傾向にある。

0182

Tmw2が80℃より小さくなると、高温非オフセット性及び紙の分離性が弱くなる傾向にある。120℃を超えると、ワックスの凝集性が低下し、水系中に凝集しない遊離粒子が増加し、形状が不均一になりやすい傾向にある。

0183

また、ワックスの好ましい第ニの形態として、ワックスが少なくとも第一のワックス及び第二のワックスを含み、第一のワックスが、炭素数が16〜24の高級アルコール及び炭素数16〜24の高級脂肪酸の少なくとも一方からなるエステルワックスを含み、かつ第二のワックスが、脂肪族炭化水素系ワックスを含むことが好ましい。

0184

また、ワックスの好ましい第三の形態として、ワックスが少なくとも第一のワックス及び第二のワックスを含み、第一のワックスが、ヨウ素価が25以下、けん化価が30〜300からなるワックスを含み、第二のワックスが、脂肪族炭化水素系ワックスを含むことが好ましい。

0185

ワックスの好ましい第二の形態又は第三の形態において、第一のワックスのDSC法による吸熱ピーク温度(融点Tmw1(℃))が50〜90℃であり、55〜85℃、より好ましくは58〜85℃、さらに好ましくは、68〜74℃である。

0186

50℃より小さくなると、トナーの貯蔵安定性、耐熱性が悪化する傾向にある。90℃を超えるとワックスの凝集性が低下し、水系中に凝集に加わらない遊離粒子が増加し、また低温定着性、光沢性が向上しない傾向にある。

0187

また、第二のワックスのDSC法による吸熱ピーク温度(融点Tmw2(℃))が80〜120℃であり、好ましくは85〜100℃、さらに好ましくは90〜100℃であることが好ましい。80℃より小さくなると、貯蔵安定性が悪化、高温非オフセット性及び複写用紙の定着ローラとの分離性が弱くなる傾向にある。120℃を超えると、ワックスの凝集性が低下し、水系中に凝集に加わらない遊離粒子が増加し、また、低温定着性、カラー透光性が阻害される傾向にある。

0188

ワックスの好ましい第二又は第三の形態において、水系中で樹脂、着色剤及び脂肪族炭化水素系ワックスとともに芯粒子を形成する際、脂肪族炭化水素系のワックスは樹脂とのなじみ性から樹脂との凝集が起こりにくい傾向にあり、ワックスが芯粒子中に凝集されずに浮遊する粒子や、芯粒子の凝集が進まずに粒度分布がブロードになりやすい傾向にある。

0189

また、その浮遊粒子の抑制や、粒度分布のブロード化を防止するために、加熱処理の温度や、時間を変えることを行うと粒子径が粗大化してしまう。またシェル化する際に、芯粒子が急激に粗大化する現象が発生する。

0190

そこで、ワックスとして、特定の脂肪族炭化水素系ワックスを含む第二のワックスとともに、特定のワックスを含む第一のワックスを含むワックスを使用することにより、脂肪族炭化水素系ワックスが芯粒子中に凝集されずに浮遊する粒子の存在を抑え、また芯粒子の粒度分布がブロードになることを抑え、さらにはシェル化する際に芯粒子が急激に粗大化する現象を抑制することができる。

0191

加熱凝集の際、第一のワックスが樹脂と相溶化が進むことで、脂肪族炭化水素系ワックスの樹脂との凝集が助長され、均一に取り込まれ、凝集に加わらずに浮遊する粒子の発生を防止することが出来るものと思われる。さらには、第一のワックスは樹脂と相溶化が一部進むことで、低温定着性がより向上する傾向にある。そして、脂肪族炭化水素系ワックスは樹脂との相溶化は進みにくいため、このワックスは高温オフセット性や複写用紙の定着ローラとの分離性を良化する機能を発揮させることが出来る。つまり、この第一のワックスは脂肪族炭化水素系ワックスの乳化分散処理時の分散助剤としての機能、更には低温定着助剤としての機能を有することになる。

0192

複数のワックスを添加する形態において、融点の異なるワックス粒子を水系中にて樹脂粒子、着色剤粒子と凝集させて芯粒子を形成する際に、第一のワックス、第二のワックスそれぞれ別々に乳化分散処理した分散液を、樹脂分散液及び着色剤分散液と混合して、加熱凝集させると、ワックスの溶融速度の差から、ワックスが芯粒子中に取り込まれずに浮遊する粒子の存在や、芯粒子の凝集が進まずに粒度分布がブロードになる傾向にある。ワックスがトナー中に均一に取り込まれ、小粒径で狭い粒度分布の芯粒子形成が困難になる傾向にある。また、芯粒子にシェル樹脂粒子を溶融付着させる(以下シェル化と称する場合もある)際に、生成粒子が急激に粗大化する傾向にある。

0193

そこで、ワックス粒子分散液生成において、第一のワックスと第二のワックスを混合乳化分散処理して作成することが好ましい。乳化分散装置内に第一のワックスと第二のワックスを一定配合比加熱乳化分散処理する方法である。投入は別々でも同時でもかまわないが、最終得られる分散液には第一のワックスと第二のワックスが混合した状態で含まれていることが好ましい。

0194

また、ワックスとして好ましい第一、第二又は第三の形態において、ワックス粒子分散液中のワックス100重量部に対する第一のワックス重量割合ES1、第二のワックスの重量割合をFT2とすると、FT2/ES1が0.2〜10が好ましい。より好ましくは1〜9、更に好ましくは1.5〜3の範囲である。0.2よりも小さい、すなわち第一のワックス重量割合が多くなりすぎると、高温非オフセット性の効果が得られず、また貯蔵安定性が悪化する傾向となる。10よりも大きい、すなわち第二のワックス重量割合が多くなりすぎると、低温定着が実現できず、また上記した芯粒子が粗大化しやすい傾向となる。さらにFT2の配合割合をES1に対して1.5倍以上3倍以下とすることは、低温定着性、高温貯蔵安定性及び定着高温非オフセット性の両立できるバランスの良い割合である。

0195

また、ワックスの好ましい第一、第二又は第三の形態において、ワックス、特に脂肪族炭化水素系ワックスを、陰イオン界面活性剤により処理すると分散安定性は向上するが、芯粒子の凝集の際、芯粒子が粗大化してシャープな粒度分布の粒子が得にくい。

0196

そこで、ワックス粒子分散液が、非イオン界面活性剤を主成分とする界面活性剤により、第一のワックスと第二のワックスを混合乳化分散処理して作成することが好ましい。非イオン界面活性剤を主成分とする界面活性剤により混合して分散処理して乳化分散液を作成することにより、ワックス自体の凝集が抑制され分散安定性が向上する。そしてこれらのワックスを樹脂、着色剤分散液との凝集粒子作成において、ワックスの遊離がなく、小粒径でかつ狭い粒度分布の芯粒子を形成することが出来る。

0197

主成分とする界面活性剤は、ワックス粒子分散液に用いる界面活性剤のうち、非イオン界面活性剤が界面活性剤全体に対して50〜100wt%有することが好ましい。

0198

ワックスとして好ましい第一、第二又は第三の形態において、全ワックス添加量は結着樹脂100重量部に対して、5〜30重量部が好ましい。好ましくは8〜25重量部、より好ましくは10〜20重量部が好ましい。5重量部より少ないと、低温定着性、高温非オフセット性及び複写用紙の定着ローラとの分離性が悪化する傾向となる。30重量部よりも多くなると小粒径の粒子制御が困難になる傾向となる。

0199

ワックスの好ましい第一、第二又は第三の形態において、Tmw2が、Tmw1よりも5℃以上高温であり、50℃以下とする構成が好ましい。より好ましくは10℃以上高温であり、40℃以下、さらに好ましくは、15℃以上高温であり、35℃以下とすることが好ましい。複数のワックスの機能を効率よく分離でき、低温定着性、高温非オフセット性及び紙の分離性を両立させる効果がある。5℃よりも低温度になると低温定着性、高温非オフセット性及び複写用紙の定着ローラとの分離性を両立させる効果が出にくくなる傾向となる。50℃よりも高温度になると、第一のワックスと第二のワックスが相分離し、トナー粒子中に均一に取り込まれにくくなる傾向となる。

0200

好ましい第一のワックスとしては、炭素数が16〜24の高級アルコール及び炭素数16〜24の高級脂肪酸の少なくとも一方からなるエステルを少なくとも1種含む。このワックスを使用することにより、脂肪族炭化水素系ワックスが芯粒子中に取り込まれずに浮遊する粒子の存在を抑え、また芯粒子の粒度分布がブロードになることを抑え、さらにはシェル化する際に芯粒子が急激に粗大化する現象を緩和することができる。また低温定着化を進めることが出来る。第二のワックスとの併用により、高温非オフセット性や複写用紙の定着ローラとの分離性の改善とともに粒度の粗大化を防ぎ、小粒径で狭い粒度分布の芯粒子の生成が可能となる。

0201

アルコール成分としては、メチルエチル、プロピル又はブチル等のモノアルコールの外、エチレングリコール又はプロピレングリコール等のグリコール類又はその多量体グリセリン等のトリオール類又はその多量体、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、ソルビタン又はコレステロール等が好適である。これらのアルコール成分が多価アルコールである場合の前記高級脂肪酸は、モノ置換体であってもよいし、多価置換体であってもよい。

0202

具体的には、ステアリン酸ステアリルパルミチン酸パルミチルベヘン酸ベヘニル又はモンタン酸ステアリル等の炭素数16〜24の高級アルコールと炭素数16〜24の高級脂肪酸とからなるエステル類、
ステアリン酸ブチル、ベヘン酸イソブチル、モンタン酸プロピル又はオレイン酸2−エチルヘキシル等の炭素数16〜24の高級脂肪酸と低級モノアルコールとからなるエステル類、
モンタン酸モノエチレングリコールエステル、エチレングリコールジステアレート、モノステアリン酸グリセリド、モノベヘン酸グリセリド、トリパルミチン酸グリセリド、ペンタエリスリトールモノベヘネート、ペンタエリスリトールジリノレート、ペンタエリスリトールトリオレエート又はペンタエリスリトールテトラステアレート等の炭素数16〜24の高級脂肪酸と多価アルコールとからなるエステル類、若しくは、
ジエチレングリコールモノベヘネート、ジエチレングリコールジベヘネート、ジプロピレングリコールモノステアレート、ジステアリン酸ジグリセリドテトラステアリン酸トリグリセリドヘキサベヘン酸テトラグリセリド又はデカステアリン酸デカグリセリド等の炭素数16〜24の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステル類などが好適に挙げられる。これらのワックスは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0203

アルコール成分及び/又は酸成分の炭素数は16未満であると分散助剤としての機能が発揮しにくく、24を越えると低温定着助剤としての機能が発揮しにくくなる。

0204

また、好ましい第一のワックスとして、ヨウ素価が25以下、けん化価が30〜300からなるワックスを含む。第二のワックスとの併用により、芯粒子が粗大化することを防ぎ、小粒径で狭い粒度分布の芯粒子の生成が可能となる。ヨウ素価を規定することで、ワックスの分散安定性を向上させる効果が得られ、樹脂粒子、着色剤粒子との芯粒子形成が均一にでき、小粒径で狭い粒度分布の芯粒子形成を可能とする。好ましくはヨウ素価が20以下、けん化価が30〜200、より好ましくはヨウ素価が10以下、けん化価が30〜150である。

0205

ヨウ素価が25より大きいと、逆に樹脂粒子、着色剤粒子との芯粒子形成が均一に行えず、凝集に加わらないワックスの浮遊粒子が増え、芯粒子の粗大化、ブロードな粒度分布になりやすい傾向となる。浮遊粒子がトナーに残留してしまうと、感光体等のフィルミングを生じさせる。一次転写でのトナー多層転写時にトナーの電荷作用による反発が緩和されにくくなる。けん化価が30より小さくなると、小粒径の均一な芯粒子形成が困難となり、またトナーの帯電性が低下し、連続使用時の帯電性の低下を招く傾向となる。300より大きくなると水系中での浮遊物が増大し、またカブリやトナー飛散の増大を招く傾向となる。

0206

ヨウ素価、けん化価を規定したワックスの220℃における加熱減量は8重量%以下であることが好ましい。加熱減量が8重量%より大きくなると、トナーのガラス転移点を低下させ、トナーの貯蔵安定性を損なう傾向となる。また現像特性に悪影響を与え、カブリや感光体フィルミングを生じさせる傾向となる。生成されるトナーの粒度分布がブロードになってしまう傾向となる。

0207

ヨウ素価、けん化価を規定したワックスのゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)における分子量特性、数平均分子量が100〜5000、重量平均分子量が200〜10000、重量平均分子量と数平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)が1.01〜8、Z平均分子量と数平均分子量の比(Z平均分子量/数平均分子量)が1.02〜10、分子量5×102〜1×104の領域に少なくとも一つの分子量極大ピークを有していることが好ましい。より好ましくは数平均分子量が500〜4500、重量平均分子量が600〜9000、重量平均分子量と数平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)が1.01〜7、Z平均分子量と数平均分子量の比(Z平均分子量/数平均分子量)が1.02〜9、さらに好ましくは数平均分子量が700〜4000、重量平均分子量が800〜8000、重量平均分子量と数平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)が1.01〜6、Z平均分子量と数平均分子量の比(Z平均分子量/数平均分子量)が1.02〜8である。

0208

数平均分子量が100より小さく、重量平均分子量が200より小さく、分子量極大ピークが5×102よりも小さい範囲に位置しているとなると貯蔵安定性が悪化し、また感光体フィルミングを生じやすくなる傾向となる。生成されるトナーの粒度分布がブロードになりやすい傾向となる。

0209

数平均分子量が5000より大きく、重量平均分子量が10000より大きく、重量平均分子量と数平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)が8より大きく、Z平均分子量と数平均分子量の比(Z平均分子量/数平均分子量)が10より大きく、分子量極大ピークが1×104の領域よりも大きい範囲に位置していると、低温定着性が低下する傾向となる。ワックスの乳化分散粒子生成時の粒径を小さくできにくくなる傾向となる。

0210

第一のワックスとしては、メドウフォーム油誘導体カルナウバワックス誘導体、ホホバ油誘導体、木ロウミツロウオゾケライト、カルナウバワックス、キャンリアワックス、セレシンワックス又はライスワックス等の材料も好ましく、またこれらの誘導体も好適に使用される。そして一種類又は二種類以上組み合わせての使用も可能である。

0211

メドウフォーム油誘導体としては、メドウフォーム油脂肪酸、メドウフォーム油脂肪酸の金属塩、メドウフォーム油脂肪酸エステル、水素添加メドウフォーム油又はメドウフォーム油トリエステルも好ましく使用できる。小粒径の均一な粒度分布の乳化分散液を作成することができる。オイルレス定着における低温定着性と現像剤の長寿命化、転写性改良に効果が得られる好ましい材料である。これらは1種又は2種以上組み合せての使用が可能である。

0212

メドウフォーム油をけん化分解して得られるメドウフォーム油脂肪酸は4〜30個の炭素原子を有する脂肪酸からなるものが好ましい。その金属塩はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛マンガン又はアルミニウムなどの金属塩が使用することが出来る。高温非オフセット性が良好である。

0213

メドウフォーム油脂肪酸エステルとしては例えば、メチル、エチル、ブチル、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリプロピレングリコール又はトリメチロールプロパンなどのエステルであり、特に、メドウフォーム油脂肪酸ペンタエリスリトールモノエステル、メドウフォーム油脂肪酸ペンタエリスリトールトリエステル又はメドウフォーム油脂肪酸トリメチロールプロパンエステルなどが好ましい。低温定着性に効果がある。

0214

水素添加メドウフォーム油はメドウフォーム油に水素添加して不飽和結合飽和結合としたものである。低温定着性、光沢性を向上できる。

0215

さらには、メドウフォーム油脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化反応物とを、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートMDI)等のイソシアネート架橋して得られるメドウフォーム油脂肪酸多価アルコールエステルのイソシアネート重合物も好ましく使用できる。二成分現像剤の長寿命化に効果がある。

0216

ホホバ油誘導体としては、ホホバ油脂肪酸、ホホバ油脂肪酸の金属塩、ホホバ油脂肪酸エステル、水素添加ホホバ油、ホホバ油トリエステル、エポキシ化ホホバ油のマレイン酸誘導体、ホホバ油脂肪酸多価アルコールエステルのイソシアネート重合物、ハロゲン化変性ホホバ油も好ましく使用できる。小粒径の均一な粒度分布の乳化分散液を作成することができる。樹脂とワックスの均一混合分散が行いやすい。オイルレス定着における低温定着性と現像剤の長寿命化、転写性改良に効果が得られる好ましい材料である。これらは1種又は2種以上組み合せての使用が可能である。

0217

ホホバ油をけん化分解して得られるホホバ油脂肪酸は4〜30個の炭素原子を有する脂肪酸からなる。その金属塩はナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛又はアルミニウムなどの金属塩が使用することが出来る。高温非オフセット性が良好である。

0218

ホホバ油脂肪酸エステルとしては例えば、メチル、エチル、ブチル、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパンなどのエステルであり、特に、ホホバ油脂肪酸ペンタエリスリトールモノエステル、ホホバ油脂肪酸ペンタエリスリトールトリエステル、ホホバ油脂肪酸トリメチロールプロパンエステルなどが好ましい。低温定着性に効果がある。

0219

水素添加ホホバ油はホホバ油に水素添加して不飽和結合を飽和結合としたものである。低温定着性、光沢性を向上に効果がある。

0220

さらには、ホホバ油脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化反応物を、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4'−ジシシアネート(MDI) 、等のイソシアネートで架橋して得られるホホバ油脂肪酸多価アルコールエステルのイソシアネート重合物も好ましく使用できる。二成分現像剤の長寿命化に効果がある。

0221

ケン化価は、試料1gをけん化するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数をいう。ワックスの場合、そのエステル結合を切断するために必要なアルカリ量がケン化価であり、ケン化価が高いワックスは、エステル結合の数が多いことを意味し、低い場合は、不ケン化物炭化水素などの存在が多いことが考えられる。ケン化価値を測定するには約0.5Nの水酸化カリウムのアルコール溶液中で試料をケン化する。

0222

ヨウ素価は試料にハロゲンを作用させたときに、吸収されるハロゲンの量をヨウ素に換算し、試料100gに対するg数で表したものをいう。吸収されるヨウ素のグラム数であり、この値が大きいほど試料中の脂肪酸の不飽和度が高いことを示す。試料のクロロホルム又は四塩化炭素溶液にヨウ素と塩化水銀(II)のアルコール溶液又は塩化ヨウ素の氷酢酸溶液を加えて、放置後反応しないで残ったヨウ素をチオ硫酸ナトリウム標準液で滴定して吸収ヨウ素量を算出する。

0223

加熱減量の測定は試料セルの重量を0.1mgまで精(W1mg)し、これに試料10〜15mgを入れ、0.1mgまで精秤する(W2mg)。試料セルを示差熱天秤にセットし、秤量感度を5mgにして測定開始する。測定後、チャートにより試料温度が220℃になった時点での重量減を0.1mgまで読み取る(W3mg)。装置は、真空理工製TGD−3000、昇温速度は10℃/min、最高温度は220℃、保持時間は1minで、加熱減量(%)=W3/(W2−W1)×100、で求められる。

0224

ワックスのDSCによる吸熱ピーク温度(融点℃)、オンセット温度の測定は、TAインスツルメンツ社製、Q100型(冷却には純正の電気冷凍機を使用)を使用し、測定モードを「標準」、パージガス(N2)流量を50ml/minで、電源投入後、測定セル内の温度を30℃に設定し、その状態で1時間放置した後,純正のアルミパンに被測定試料をサンプル量として10mg±2mg入れ、試料が入ったアルミパンを測定機器内に投入した。その後5℃で5min間保持し、昇温速度1℃/minで150℃まで昇温した。解析は、装置に付属の「Universal Analysis Version 4.0」を使用した。グラフにおいて、横軸槽内温度縦軸ヒートフローを取り、ベースラインから吸熱曲線立ち上がり始める温度をオンセット温度、吸熱曲線のピーク値を吸熱ピーク温度(融点)とした。

0226

ワックス粒子分散液は、界面活性剤を添加した水系媒体中にワックスをイオン交換水中で加熱し、溶融させ分散させることにより調製される。

0227

ワックスの分散粒子径は小粒径側から積算したときの体積粒径積算分布において16%径(PR16)が20〜200nm、50%径(PR50)が40〜300nm、84%径(PR84)が400nm以下、PR84/PR16が1.2〜2.0の大きさにまで乳化分散し、200nm以下の粒子が65体積%以上、500nmを越える粒子が10体積%以下であることが好ましい。

0228

好ましくは、16%径(PR16)が20〜100nm、50%径(PR50)が40〜160nm、84%径(PR84)が260nm以下、PR84/PR16が1.2〜1.8である。150nm以下の粒子が65体積%以上、400nmを越える粒子が10体積%以下であることが好ましい。

0229

さらに好ましくは、16%径(PR16)が20〜60nm、50%径(PR50)が40〜120nm、84%径(PR84)が220nm以下、PR84/PR16が1.2〜1.8である。130nm以下の粒子が65体積%以上、300nmを越える粒子が10体積%以下であることが好ましい。

0230

樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液及びワックス粒子分散液とを混合凝集して芯粒子を形成するとき、第一の樹脂粒子、形状調整用樹脂粒子及び着色剤粒子との凝集を均一に行える。芯粒子に取り込まれずに、水中に浮遊する粒子を低減する効果がある。

0231

PR16が200nmより大きく、50%径(PR50)が300nmより大きく、PR84が400nmよりも大きく、PR84/PR16が2.0よりも大きく、200nm以下の粒子が65体積%未満、500nmを越える粒子が10体積%より多くなると、芯粒子に取り込まれず、水中に浮遊するワックス粒子が増大する傾向にある。さらに芯粒子にシェル樹脂粒子を融着させて得られたトナー母体表面に露出遊離するワックス量が多くなり、感光体へのフィルミング、キャリアへのスペントの増加、現像でのハンドリング性が低下しやすくなる傾向にある。

0232

PR16が20nmより小さく、50%径(PR50)が40nmより小さく、PR84/PR16が1.2よりも小さくすることは、乳化分散時に負荷が大きくなり、発熱が大きくなり、生産性が低下する傾向となる。ワックス粒子の分散状態を維持しづらく、放置時にワックスの再凝集が発生しやすい傾向となる。

0233

ワックスの融点以上の温度に保持された分散剤を添加した媒体中に、前記ワックスをワックス濃度40wt%以下で溶融させたワックス溶融液を、固定体と一定のギャップを介して高速回転する回転体により生じる高せん断力作用により乳化分散させることにより、ワックス粒子を微細に分散できる。

0234

図3、4に示す一定容量の槽内の槽壁に、0.1mm〜10mm程度のギャップを設けて、回転体を30m/s以上、好ましくは40m/s以上、より好ましくは50m/s以上の高速で回転することにより、水系に強力なずりせん断力が作用し、微細な粒径の乳化分散液が得られる。水温度はワックスの融点以上に加熱する。処理時間は30s〜5min程度の処理で分散液が形成できる。

0235

また図5、6に示すような固定した固定体に対し、1〜100μm程度のギャップを設けて30m/s以上、好ましくは40m/s以上、より好ましくは50m/s以上で回転する回転体との強いせん断力作用を付加することにより、微細な分散液を作成することができる。

0236

ホモジナイザーのような分散機よりも微細な粒子の粒度分布をより狭小化シャープに形成できる。また長時間の放置でも分散液を形成した微粒子が再凝集することなく、安定した分散状態を保つことができ、粒度分布の放置安定性が向上する。

0237

ワックスの融点が95℃以上の高い場合は、高圧状態とすることで加熱温度をワックスの融点以上とすることにより溶融した液を作成する。又はワックスを油性溶剤に溶解させる。この溶液を図3、4、5、6に示した分散機を用いて界面活性剤や高分子電解質と共に水中で微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより得られる。

0238

粒度測定は堀場製作レーザ回折粒度測定器(LA920)、島津製作所レーザ回折粒度測定器(SALD2100)などを用いて測定することができる。
(3)樹脂
本実施形態のトナーの樹脂微粒子としては、例えば熱可塑性結着樹脂が挙げられる。具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類アクリル酸メチルアクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体、メタクリル酸メチルメタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基を解離基として有する不飽和多価カルボン酸系単量体などの単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、又はそれらの混合物等を挙げることができる。

0239

重合開始剤としては、2,2’−アゾビスー(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンー1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビスー4−メトキシー2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、や過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シア吉草酸及びその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等)、パーオキシド化合物等が挙げられる。

0240

樹脂粒子分散液における樹脂粒子の含有量としては、通常5〜50重量%であり、好ましくは10〜40重量%である。

0241

ワックス、着色剤との凝集反応により芯粒子生成において凝集に加わらずに浮遊する粒子の存在をなくし、シャープな粒度分布の粒子を形成するために、芯粒子を構成する第一の樹脂粒子のガラス転移点は45℃〜60℃、軟化点が90℃〜140℃である構成が好ましい。より好ましくは、ガラス転移点が45℃〜55℃、軟化点が90℃〜135℃、さらに好ましくは、ガラス転移点が45℃〜52℃、軟化点が90℃〜130℃、である構成が好ましい。

0242

また、第一の樹脂粒子の好ましい構成として、重量平均分子量(Mw)が1万〜6万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5〜6である構成が好ましい。好ましくは重量平均分子量(Mw)が1万〜5万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5〜3.9である構成が好ましい。さらに好ましくは重量平均分子量(Mw)が1万〜3万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.5〜3である構成が好ましい。芯粒子の粗大化を防ぎ、狭い粒度分布の粒子を効率よく生成することができる。また、低温定着性を可能とし、さらに画像光沢度定着温度に対する変化を少なくし、画像光沢を一定に出来る効果がある。通常は定着温度上昇すると画像の光沢度が上昇するため、定着の温度変動により画像の光沢が変動して定着の温度制御シビアにする必要があった。しかし本構成により定着温度の変動によっても画像光沢性の変動が少ない効果が得られる。

0243

第一の樹脂粒子のガラス転移点が45℃よりも小さいと、芯粒子が粗大化する。貯蔵安定性や耐熱性が低下する。60℃よりも大きいと低温定着性が悪化する。Mwが1万よりも小さいと芯粒子が粗大化する。貯蔵安定性や耐熱性が低下する。6万よりも大きいと低温定着性が悪化する。Mw/Mnが6よりも大きいと、芯粒子の形状が安定せず、不定形になりやすく、粒子表面に凹凸が残り、表面平滑性の劣るものとなる。

0244

また、芯粒子にシェル樹脂粒子を芯粒子に融着して樹脂融着層を形成する構成において、そのシェル樹脂粒子の特性としては、ガラス転移点が55℃〜75℃、軟化点が140℃〜180℃、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定された重量平均分子量(Mw)が5万〜50万、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜10である構成が好ましい。より好ましくは、ガラス転移点が60℃〜70℃、軟化点が145℃〜180℃、Mwが8万〜50万、Mw/Mnが2〜7である構成が好ましい。さらに好ましくは、ガラス転移点が65℃〜70℃、軟化点が150℃〜180℃、Mwが12万〜50万、Mw/Mnが2〜5である構成が好ましい。

0245

芯粒子表面のへの融着を促進し、軟化点を高め設定とすることにより、耐久性、耐高温オフセット性、複写用紙と定着ローラとの分離性を向上させることが狙いである。シェル樹脂粒子のガラス転移点が55℃よりも低いと二次凝集を生じやすい。また貯蔵安定性が悪化する。75℃よりも高いと、芯粒子表面への熱融着性が低下し、均一付着性が低下する。シェル樹脂粒子の軟化点が140℃よりも小さいと耐久性、耐高温オフセット性、分離性が低下する。180℃よりも大きいと光沢性、透光性が低下する。Mw/Mnを小さくして分子量分布単分散に近づける構成により、芯粒子表面へのシェル樹脂粒子の熱融着が均一に行うことが出来きる。シェル樹脂粒子のMwが5万よりも小さいと耐久性、高温非オフセット性、複写用紙と定着ローラとの分離性が低下する。50万よりも大きいと低温定着性、光沢性、透光性が低下する。

0246

また、第一の樹脂粒子はトナー全樹脂に対して60wt%以上であることが好ましく、より好ましくは70wt%以上、さらに好ましくは80wt%以上が好ましい。

0247

ポリマー分散剤、樹脂、ワックス及びトナーの分子量は、数種の単分散ポリスチレン標準サンプルとするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定された値である。

0248

装置は、東ソー社製HLC8120GPCシリーズカラムはTSKgel superHM−H H4000/H3000/H2000(6.0mmI.D.−150mm×3)、溶離液THF(テトラヒドロフラン)、流量0.6mL/min、試料濃度0.1%、注入量20μL、検出器RI測定温度40℃、測定前処理は試料をTHFに溶解後一晩放置後、0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、シリカ等の添加剤を除去した樹脂成分を測定する。測定条件は、対象試料の分子量分布が、数種の単分散ポリスチレン標準試料により得られる検量線における分子量の対数カウント数が直線となる範囲内に包含される条件である。

0249

ポリマー分散剤、結着樹脂の軟化点は、島津製作所の定荷重押出し形細管式レオメータフローテスタ(CFT500)により測定する。

0250

まず、試料をシリンダ充てんし、周囲から熱して溶融させ、上部からピストンによって一定の圧力を加える。溶融した試料は細い穴(直径1mm、長さ1mm)を持ったダイを通して押し出され、フローレート(cm3/g)から試料の流動性、すなわち溶融粘度が求められる。

0251

まず、シリンダ、ダイを取り囲む加熱炉を設け、50℃に設定する。1gの試料をシリンダに充てんする。荷重をかけずに50℃で2.5min保持する。試料中の空気を抜くために荷重をかける。このとき加熱炉から出ているピストンの長さが12〜15mm程度になるようにする。総保持時間が5minになったら昇温を開始する。

0252

ピストンに9.8×105N/m2の荷重を与え、昇温速度6℃/分で加熱する。試料が溶融を始めるとピストンの下方への移動が始まる。ピストンの移動が停止した時点で昇温、および加圧を停止する。

0253

このとき、下降するピストンの移動量と温度との関係において、昇温温度特性との関係から、各温度における粘度を測定することができる。

0254

図11流動曲線を示す。横軸に温度、縦軸に押し出されるピストンの移動量のイメージを示す。Aの時点では試料の固体の状態の領域であり、その後の昇温ともに、AからBは遷移域で、試料が圧縮荷重を受けて変形し、内部空隙が次第に減少していく段階である。Bは内部空隙が消失し、不均一な応力の分布を持ったまま外観上均一な1個の透明体となる温度である。

0255

BからCは、有限な時間内ではピストンの位置に明瞭な変化はなく、かつ試料のダイからの流出は認めがたい領域で、この領域は試料のゴム状弾性域を含む。

0256

Cは、試料が流動を開始し始め、ピストンが降下しはじめる温度で、試料が流れ出す温度(流出開始温度(Tfb))と定義する。

0257

CからDを経てEにいたる領域は、試料が明らかにダイより流出する流動領域で、Eが試料の流出が終了した点である。

0258

結着樹脂の軟化点は、1/2法における溶融温度(軟化点Ts℃)で定義する。具体的には流出開始温度から流出終了温度までのピストンの総移動距離に対し、流出開始温度からピストンが50%移動した時点での温度を軟化点と定義する。

0259

図11に示す昇温温度とピストン移動量と関係において、まずピストンが降下しはじめる温度(試料が流れ出す温度)を測定する。これが流出開始温度(Tfb)である。このときのピストン位置を読み取り、それを最低値(Smin)とする。

0260

その後、昇温とともに、試料がダイから流出しつづけ、試料の流出が終了した流出終了点Eでの温度と、ピストンの位置を読み取り、それを流出終了点(Smax)とする。

0261

流出終了点(Smax)と、最低値(Smin)の差の1/2を求め(X=(Smax−Smin)/2)、Xと曲線の最低値Sminを加えた点Dの位置における温度を算出する。これが1/2法における溶融温度(軟化点Ts℃)となる。

0262

ポリマー分散剤、結着樹脂のガラス転移点は示差走査熱量計(TAインスツルメンツ社製、Q100型(冷却には純正の電気冷凍機を使用))を使用し、測定モードを「標準」、パージガス(N2)流量を50ml/minで、電源投入後、測定セル内の温度を30℃に設定し、その状態で1時間放置した後,純正のアルミパンに被測定試料をサンプル量として10mg±2mg入れ、試料が入ったアルミパンを測定機器内に投入した。その後5℃で5min間保持し、昇温速度1℃/minで150℃まで昇温した。解析は、装置に付属の「Universal Analysis Version 4.0」を使用した。グラフにおいて、ガラス転移点以下のベースラインの延長線ピーク立上り部分からピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温度を言う。

0263

これらの樹脂の熱特性の測定においては、乳化重合で得られたエマルジョンから樹脂粒子の固形分を抽出する必要がある。このエマルジョンから樹脂粒子の固形分を抽出する方法としては、トナーの凝集工程に沿った構成で行う。まず、乳液20gに対し1N NaOH2ml添加し、硫酸マグネシウム6gとイオン交換水20gを添加した後、85℃に昇温して、1時間加熱する。そのあと冷却し,1N HCl 0.5ml添加し、濾過し、沈殿したサンプルを乾燥し、得られたポリマーの分子量、軟化点、ガラス転移点等の測定を実施する。
(4)顔料
本実施形態に使用される着色剤(顔料)の黒顔料としては、カーボンブラックを使用する。前述したようにカーボンブラックのDBP吸油量(ml/100g)は45〜70が好ましい。例えば、三菱化学社製の#52(粒径27nm,DBP吸油量63ml/100g),#50(同28nm,同65ml/100g),#47(同23nm,同64ml/100g),#45(同24nm,同53ml/100g)、#45L(同24nm,同45ml/100g)、キャボット社製のREGAL250R(同35nm、同46ml/100g)、REGAL330R(同25nm、同65ml/100g)、MOGULL(同24nm、同60ml/100g)がこのましい材料である。より好ましくは#45、#45、LREGAL250Rである。

0264

DBP吸油量は粒子の鎖状集合状態(ストラクチャー)を定量的に表したもので、化学的結合による一次ストラクチャーと、ファンデルワールス力による物理的結合の2次的ストラクチャーから表される。

0265

DBP吸油量の測定(JISK6217)は、150℃±1℃で1時間乾燥した試料20g(Ag)をアブソープトメータ(Brabender社製、スプリング張力2.68kg/cm)の混合室に投入し、予めリミットスイッチを最大トルクの約70%に設定した後、混合機を回転する。同時に自動ビューレットからDBP(比重1.045〜1.050g/cm3)を4ml/minの割合で添加する。終点近くになるとトルクが急速に増加してリミットスイッチが切れる。それまでに添加したDBP量(Bml)と試料重量から試料100gあたりのDBP吸油量(=Bx100/A)(ml/100g)が求められる。

0266

また、カラートナーとして使用する顔料の例としては、イエロー顔料は、C.I.ピグメントイエロー1,3,74,97又は98等のアセト酢酸アリールアミドモノアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー12,13,14,17等のアセト酢酸アリールアミド系ジスアゾ黄色顔料、C.I.ソルベンイエロー19,77,79又はC.I.ディスパース・イエロー164が配合され、特に好ましくはC.I.ピグメント・イエロー93,180,185のベンズイミダゾロン系顔料が好適である。

0267

マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメント・レッド48,49:1,53:1,57,57:1,81,122,5等の赤色顔料、C.I.ソルベント・レッド49,52,58,8等の赤色染料が好ましく使用できる。

0268

シアン顔料としては、C.I.ピグネント・ブルー15:3等のフタロシアニン及びその誘導体の青色染顔料が好ましく使用できる。添加量は結着樹脂100重量部に対し、3〜8重量部が好ましい。

0269

なお、粒径はSEM電子顕微鏡による算術平均径を取っている。カーボンブラックの粒子径は20〜40nmのもが好ましい。好ましくは粒子径は20〜35nmである。粒子径が大きいと着色力が低下する傾向となる。粒子径が小さいと、液中での分散が困難になる傾向となる。
(5)外添剤
本実施形態では外添剤として無機微粉末混合添加される。外添剤としては、シリカ、アルミナ酸化チタンジルコニアマグネシアフェライトマグネタイト等の金属酸化物微粉末チタン酸バリウムチタン酸カルシウムチタン酸ストロンチウム等のチタン酸塩ジルコン酸バリウムジルコン酸カルシウムジルコン酸ストロンチウム等のジルコン酸塩あるいはこれらの混合物が用いられる。外添剤は必要に応じて疎水化処理される。

0270

外添剤に処理されるシリコーンオイル系の材料としては、例えばジメチルシリコーンオイルメチルハイドロジェンシリコーンオイルメチルフェニルシリコーンオイルエポキシ変性シリコーンオイルカルボキシル変性シリコーンオイルメタクリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルフッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル及びクロルフェニル変成シリコーンオイルのうちの少なくとも1種類以上で処理される外添剤が好適に使用される。例えば東レダウコーニングシリコーン社のSH200、SH510、SF230、SH203、BY16—823又はBY16—855B等が挙げられる。

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