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技術 蛍光X線分析法及び装置

出願人 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明者 平田浩一小島勇夫
出願日 2007年2月6日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2007-027099
公開日 2008年8月21日 (12年4ヶ月経過) 公開番号 2008-191050
状態 特許登録済
技術分野 放射線を利用した材料分析
主要キーワード 基板種類 測定対象元素 X線入射角度 蛍光X線強度 元素分布 侵入深さ ラザフォード 蛍光X線分析法
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年8月21日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (4)

課題

従来の深さ方向の元素分布測定方法においては、照射による損傷が試料に生じ、測定した試料は別の用途に使用することができないものであった。したがって、物質表面からの深さ方向の元素分布情報を非破壊的に測定する測定法が必要とされていた。

解決手段

本願発明においては、斜入蛍光X線分析法において、入射X線入射角度を変えた一連の深さ分布を持つ測定対象元素からの蛍光X線強度を測定し、その強度変化から、測定対象元素の物質表面からの深さ方向の元素分布情報を、非破壊的に測定するものである。

概要

背景

物質表面からの深さ方向元素分布を測定する方法として、2次イオン質量分析法ラザフォード後方散乱法が広く用いられている(下記非特許文献1参照)。

この2次イオン質量分析法は、加速したイオン試料照射すると、試料を構成する原子の一部が、中性粒子やイオンとなって試料表面より飛び出す現象を利用するものである。

すなわち、試料へのイオン照射は、原子の試料表面からの離脱と2次イオンの発生を起すため、イオン照射しながら2次イオンを分析し、深さ方向の2次イオン強度を測定することで、深さ方向の元素分布測定を行うものである。

また、ラザフォード後方散乱法は、加速したイオンを試料に入射し、試料原子とのラザフォード散乱により散乱された入射イオンを分析する方法で、散乱された入射イオンのエネルギーを分析することで、試料中の深さ方向の元素分布情報を得るものである。

:大西孝治他2名著、「固体表面分析」、1997年8月10日発行、講談社サイエンティフィク社、p196−257及びp433−456

概要

従来の深さ方向の元素分布測定方法においては、照射による損傷が試料に生じ、測定した試料は別の用途に使用することができないものであった。したがって、物質表面からの深さ方向の元素分布情報を非破壊的に測定する測定法が必要とされていた。本願発明においては、斜入蛍光X線分析法において、入射X線入射角度を変えた一連の深さ分布を持つ測定対象元素からの蛍光X線強度を測定し、その強度変化から、測定対象元素の物質表面からの深さ方向の元素分布情報を、非破壊的に測定するものである。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

試料X線入射し試料中の元素から放出される蛍光X線分析する蛍光X線分析法において、入射X線入射角度を変えて蛍光X線強度を測定し、該強度の変化から測定対象元素物質表面からの深さ方向元素分布を測定することを特徴とする蛍光X線分析法。

請求項2

試料にX線を入射し試料中の元素から放出される蛍光X線を分析する蛍光X線分析法において、異なる2つの入射角度において蛍光X線強度を測定することにより、試料中の元素の深さ分布に関する情報及び元素の存在量に関する情報を得ることを特徴とする蛍光X線分析法。

請求項3

請求項2に記載の蛍光X線分析法において、上記異なる2つの入射角度は、臨界角の1.5倍より小さい領域及び臨界角の1.5倍より大きい領域であることを特徴とする蛍光X線分析法。

請求項4

試料にX線を入射し試料中の元素から放出される蛍光X線を分析する蛍光X線分析法において、入射角度が臨界角の1.5倍より小さい領域における測定対象元素の蛍光X線強度を測定することにより試料中の元素の深さ分布に関する情報を得ることを特徴とする蛍光X線分析法。

請求項5

試料にX線を入射し試料中の元素から放出される蛍光X線を分析する蛍光X線分析法において、入射角度が臨界角の1.5倍より大きい領域における測定対象元素の蛍光X線強度を測定することにより試料中の元素の存在量に関する情報を得ることを特徴とする蛍光X線分析法。

請求項6

試料にX線を入射し試料中の元素から放出される蛍光X線を分析する蛍光X線分析装置において、入射X線の入射角度を変化させる装置を有し、入射角度を変えた一連の蛍光X線強度を測定し、その強度変化から測定対象元素の物質表面からの深さ方向元素分布を測定することを特徴とする蛍光X線分析装置。

技術分野

0001

本願発明は、非破壊的に深さ方向の元素分布を測定する方法及び装置に関する。物質表面からの深さ方向の元素分布を測定することは、材料開発、半導体デバイス開発等の産業分野において非常に重要である。

背景技術

0002

物質表面からの深さ方向元素分布を測定する方法として、2次イオン質量分析法ラザフォード後方散乱法が広く用いられている(下記非特許文献1参照)。

0003

この2次イオン質量分析法は、加速したイオン試料照射すると、試料を構成する原子の一部が、中性粒子やイオンとなって試料表面より飛び出す現象を利用するものである。

0004

すなわち、試料へのイオン照射は、原子の試料表面からの離脱と2次イオンの発生を起すため、イオン照射しながら2次イオンを分析し、深さ方向の2次イオン強度を測定することで、深さ方向の元素分布測定を行うものである。

0005

また、ラザフォード後方散乱法は、加速したイオンを試料に入射し、試料原子とのラザフォード散乱により散乱された入射イオンを分析する方法で、散乱された入射イオンのエネルギーを分析することで、試料中の深さ方向の元素分布情報を得るものである。

0006

:大西孝治他2名著、「固体表面分析」、1997年8月10日発行、講談社サイエンティフィク社、p196−257及びp433−456

発明が解決しようとする課題

0007

2次イオン質量分析法は、加速したイオンを試料に照射すると、試料を構成する原子の一部が中性粒子やイオンとなって試料表面より飛び出す現象を利用するものである。すなわち、試料へのイオン照射が起す、原子の試料表面からの離脱と2次イオンの発生を利用し、イオン照射することで原子を弾き飛ばしながら2次イオン強度を測定することで、深さ方向の元素分布測定を行うものである。したがって、測定した試料は再使用することのできない破壊的分析法である。

0008

ラザフォード後方散乱法は、試料に入射したイオンが、試料原子とのラザフォード散乱により散乱される現象を利用したものである。散乱された入射イオンのエネルギーを分析することにより、試料中の深さ方向の元素分布情報を得るものである。試料にイオンを照射するため、試料には照射による損傷が生じる破壊的分析法である。測定した試料は別の用途に使用することができない。

0009

したがって、物質表面からの深さ方向の元素分布情報を非破壊的に測定する測定法が必要とされていた。

課題を解決するための手段

0010

本発明では、斜入蛍光X線分析法において、入射X線入射角度を変えた一連の深さ分布を持つ測定対象元素からの蛍光X線強度を測定し、その強度変化から、測定対象元素の物質表面からの深さ方向の元素分布情報を、非破壊的に測定するものである。

0011

斜入射蛍光X線分析法は、入射X線により試料中元素から放出される蛍光X線を分析する方法であり、非破壊分析法である。図1に示すように、斜入射蛍光X線分析法は、入射X線(a)を入射角度(b)で試料に入射し、試料中の測定対象元素からの蛍光X線(c)を検出器で測定する分析法である。

0012

本発明では、斜入射蛍光X線分析において、測定対象元素の蛍光X線強度を入射X線角度(b)を変化させて測定し、その測定結果より測定対象元素の深さ分布をもとめるものである。

0013

すなわち、試料に入射したX線強度は、試料内部で次第に減衰し、試料表面からの距離が大きくなる程、試料表面に比べて強度が弱くなる。入射X線の強度が表面に比べて1/eになる深さを入射X線の侵入深さとする時、入射X線の角度が大きくなると、X線の侵入深さは大きくなる。

0014

このため、元素Xで表面からの距離Aにある原子XAと、XAより表面から深い位置B(A<B)にある原子XBに照射される入射X線強度、IXAとIXBの比IXB/IXAは、入射角度が大きくなると次第に大きくなり1に近づく。

0015

したがって、原子XA、XBから放射される蛍光X線強度FXA、FXBの比、FXB/FXAは、入射角度が大きくなるにつれて大きくなり、入射角度が十分大きくなると、1に近づき、その差がほとんどなくなる。

0016

このように、測定対象元素Xからの単位原子あたりの蛍光X線強度が、入射X線角度と元素Xが存在する深さにより変わることを用いて、入射X線の入射角度を変えた一連の深さ分布を持つ測定対象元素からの蛍光X線強度を測定し、その強度変化情報を得ることができる。

0017

この蛍光X線強度の入射角度依存性解析することで、物質表面からの深さ方向の元素分布情報を、非破壊的に測定することが可能となる。

0018

なお、入射X線の波長と試料の種類で決まる臨界角以下では、X線入射角度を大きくしても、X線の侵入深さは数nm程度で、わずかしか増加しないが、臨界角前後で、侵入深さは急激に大きくなる。FXB/FXAは、入射角度が臨界角の1.5倍以下の場合、測定原子からの蛍光X強度は、その原子が存在する深さに強く影響されるが、入射角度が臨界角の1.5倍より大きい場合は、蛍光X線強度は、その原子が存在する深さにほとんど影響されない。

0019

したがって、入射角度が臨界角の1.5倍より小さい領域では、元素の深さ分布に関する情報を、入射角度が臨界角の1.5倍より大きい領域では、元素の存在量に関する情報を得ることができる。

0020

したがって、入射角度が臨界角の1.5倍より小さい領域と臨界角の1.5倍より大きい領域での測定対象元素の蛍光X線強度を測定することで、元素の深さに関する情報と元素の存在量に関する情報を得ることができる。

発明の効果

0021

本願発明は、斜入射蛍光X線分析法において、入射X線の入射角度を変えた一連の深さ分布を持つ測定対象元素からの蛍光X線強度を測定し、その強度変化から、測定対象元素の物質表面からの深さ方向の元素分布情報を非破壊的に測定することができるものである。

発明を実施するための最良の形態

0022

本願発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。

0023

図1に示すように、斜入射蛍光X線分析法では、入射X線(a)をある角度で照射し、試料の表面あるいは内部にX線を入射する。その際、入射X線の一部は、X線が当たった部分に存在する元素を励起し、蛍光X線(c)を放出し、その蛍光X線を検出器で検出する。

0024

入射X線の入射角度(b)を大きくしていくと、X線の侵入深さは次第に大きくなる。

0025

このため、例えば、表面近くにAs元素をドープした試料において、As元素からの蛍光X線を測定する場合、As元素で表面からの距離AにあるAs元素と、距離Aより表面から深い位置B(A<B)にあるAs元素から単位原子当たりに放射される蛍光X線強度FAs(A)、FAs(B)の比、FAs(B)/FAs(A)は、入射角度が大きくなるにつれて大きくなり、入射角度が十分大きくなると1に近づき、すなわち、その差がほとんどなくなる。

0026

図2に、表面近くにAsをイオン注入法でドープした3つのシリコンウエハー(Asイオン注入エネルギー:10、20、100keV、試料表面の単位面積当りのAs原子の数は同じ)において、入射X線の入射角度を変えた一連の深さ分布を持つ測定対象元素であるAsからの蛍光X線強度を測定した例を示す。

0027

図2の蛍光X線強度のX線入射角度依存性は、X線入射角度により変化する試料内の入射X線の深さ分布と測定対象元素の深さ分布を反映したものであり、図2曲線を解析することで、図3のようにAs元素の深さ分布をもとめることができる。

0028

なお、FAs(B)/FAs(A)は、入射角度が臨界角の1.5倍以下の場合、測定原子からの蛍光X強度は、その原子が存在する深さに強く影響されるが、入射角度が臨界角の1.5倍より大きい場合は、蛍光X線強度は、その原子が存在する深さにほとんど影響されない。

0029

したがって、入射角度が臨界角の1.5倍より小さい領域では、元素の深さ分布に関する情報を、入射角度が臨界角の1.5倍より大きい領域では、元素の存在量に関する情報を得ることができる。

0030

したがって、入射角度が臨界角の1.5倍より小さい領域と臨界角の1.5倍より大きい領域での測定対象元素の蛍光X線強度を測定することで、試料中の元素の深さ分布に関する情報と元素の存在量に関する情報を簡便に得ることができる。

0031

なお、図2の場合、入射X線としてMo光源、試料がシリコン基板を用いているので、臨界角は0.1度である。

0032

なお、実施例では、結晶性シリコンウエハーにイオン注入法でAsをドープした試料を用いたが、対象試料注入イオン種や基板種類を限るものではなく、原理的にどのような注入イオン種や基板でもよい。

図面の簡単な説明

0033

斜入射蛍光X線分析法の概念図。入射X線(a)を入射角度(b)で試料に入射し、試料中の測定対象元素からの蛍光X線(c)を検出器で測定する分析法である。
シリコンウエハー試料表面近くにAsをイオン注入法でドープしてある試料において、入射X線の入射角度を変えた一連の蛍光X線強度(測定対象元素のAs元素の蛍光X線強度)を測定した例。
シリコンウエハー試料表面近くにAsをイオン注入法でドープしてある試料において、〔図2〕を利用して求めたAs元素の深さ分布。

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