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技術 電気炊飯器用の内鍋

出願人 タイガー魔法瓶株式会社
発明者 田窪博典
出願日 2007年2月5日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2007-025625
公開日 2008年8月21日 (12年4ヶ月経過) 公開番号 2008-188219
状態 特許登録済
技術分野 加熱調理器
主要キーワード フッ素樹脂コーティング加工 セラミックコート層 釉薬処理 茶色系統 保熱性 各加熱部材 粘土材 素焼状
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2008年8月21日)のものです。
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図面 (5)

課題

誘導加熱式電気炊飯器に適したご飯のこびりつき、焦げつきの生じにくい土鍋を提供する。

解決手段

内鍋を、コーディエライト系焼き物よりなる内鍋本体と、この内鍋本体の内周面および外周面に塗布された非通水性釉薬層と、上記内鍋内周面の上記釉薬層の表面にコーティングされたセラミック層とから形成し、該内鍋の外周面に誘導加熱用加熱部材を設けた。

概要

背景

内鍋収納される炊飯器本体と、上記内鍋の外面に対向するように配置され、上記内鍋を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備えた電気炊飯器であって、上記内鍋を蓄熱性の高いセラミック材又はセラミックガラスとの混合材で構成し、少なくとも上記内鍋外面の上記誘導加熱コイルに対向した部分に磁性材からなる内鍋加熱部材接合したものがある。

そして、このような内鍋では、その内周面側には、光沢を出して滑らかにするとともに、ご飯のこびりつき、焦げつきを生じさせないために、例えばリチウム系結晶化ガラスなどからなるガラス質釉薬を施すか、フッ素樹脂コーティング加工を施すようにしていた(例えば特許文献1参照)。

このような構成の内鍋では、炊飯開始スイッチON操作によって炊飯動作が開始されると、所定の手順に従って上記誘導加熱コイルに高周波電流が供給される。そして、上記誘導加熱コイルに発生する交番磁界により、同誘導加熱コイルと対向した部分の内鍋の外底面に配設された磁性材からなる加熱部材が磁気結合して渦電流が流れる。

そして、同加熱部材は、この渦電流によるジュール熱により発熱し、その熱が加熱部材の内側の内鍋へ伝達され、上記内鍋の内周面側に施されたガラス質の釉薬層、又は上記フッ素樹脂コーティング層を介して米と水を加熱する。このとき、熱の一部は上記内鍋基材を通して内鍋の底面部から側壁部へと伝わり、内鍋全体が温められて米と水が均一に加熱される。

そして、上記内鍋基材をセラミック材又はセラミックとガラスとの混合材で構成したことにより、ご飯の味が向上するとともに蓄熱性がよくなり保温時の加熱通電時間を短かくすることができ、電気エネルギーの節約が図られる。

また、内鍋の内周面にガラス質の釉薬又はフッ素樹脂コーティングが施されていることから、ある程度の発水性が確保されるので、一応ご飯の付着しにくい内鍋が得られるであろうことが推測される。

特開2005−413号公報(明細書第2−4頁、図3,図4)

概要

誘導加熱式電気炊飯器に適したご飯のこびりつき、焦げつきの生じにくい土鍋を提供する。内鍋を、コーディエライト系焼き物よりなる内鍋本体と、この内鍋本体の内周面および外周面に塗布された非通水性の釉薬層と、上記内鍋内周面の上記釉薬層の表面にコーティングされたセラミック層とから形成し、該内鍋の外周面に誘導加熱用の加熱部材を設けた。

目的

そこで、本願発明は、このような問題を解決するために、一般に土鍋を代表する耐熱性の高いコーディエライト系の焼物によって内鍋本体を形成するとともに、同内鍋への非通水性は維持しながら、しかも、こびりつき、焦げつきを防止する方法として、先ず素焼状態の内鍋の内周面に所定の釉薬処理を施した上で、さらに、その上に非粘着性処理としてのセラミックコート処理を施すことにより、可及的にご飯のこびりつき、焦げつきを防止するようにした電気炊飯器用の内鍋を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

内鍋を、コーディエライト系焼き物よりなる内鍋本体と、この内鍋本体の内周面および外周面に塗布された非通水性釉薬層と、上記内鍋内周面の上記釉薬層の表面にコーティングされたセラミック層とから形成し、該内鍋の外周面に誘導加熱用加熱部材を設けたことを特徴とする電気炊飯器用の内鍋。

請求項2

セラミック層がクリア系のセラミック材料からなり、釉薬層とセラミック層との間には、水目盛表示部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の電気炊飯器用の内鍋。

請求項3

セラミック層は、釉薬層の表面にコーティングされた1重層からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電気炊飯器用の内鍋。

請求項4

セラミック層は、釉薬層の表面にコーティングされたプライマーコート層と、このプライマーコート層の上にコーティングされたトップコート層との2重層からなることを特徴とする請求項1又は2記載の電気炊飯器用の内鍋。

請求項5

セラミック材料は、アクリル成分を含んだシリカSiを主成分とするものであることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の電気炊飯器用の内鍋。

請求項6

プライマーコート層とトップコート層の2重層部分を、加熱部材による加熱力が大きい部分に限定して形成したことを特徴とする請求項4又は5記載の電気炊飯器用の内鍋。

技術分野

0001

本願発明は、電気炊飯器用内鍋、特に一般に土鍋と呼ばれるタイプの電気炊飯器用の内鍋の構成に関するものである。

背景技術

0002

内鍋が収納される炊飯器本体と、上記内鍋の外面に対向するように配置され、上記内鍋を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備えた電気炊飯器であって、上記内鍋を蓄熱性の高いセラミック材又はセラミックガラスとの混合材で構成し、少なくとも上記内鍋外面の上記誘導加熱コイルに対向した部分に磁性材からなる内鍋加熱部材接合したものがある。

0003

そして、このような内鍋では、その内周面側には、光沢を出して滑らかにするとともに、ご飯のこびりつき、焦げつきを生じさせないために、例えばリチウム系結晶化ガラスなどからなるガラス質釉薬を施すか、フッ素樹脂コーティング加工を施すようにしていた(例えば特許文献1参照)。

0004

このような構成の内鍋では、炊飯開始スイッチON操作によって炊飯動作が開始されると、所定の手順に従って上記誘導加熱コイルに高周波電流が供給される。そして、上記誘導加熱コイルに発生する交番磁界により、同誘導加熱コイルと対向した部分の内鍋の外底面に配設された磁性材からなる加熱部材が磁気結合して渦電流が流れる。

0005

そして、同加熱部材は、この渦電流によるジュール熱により発熱し、その熱が加熱部材の内側の内鍋へ伝達され、上記内鍋の内周面側に施されたガラス質の釉薬層、又は上記フッ素樹脂コーティング層を介して米と水を加熱する。このとき、熱の一部は上記内鍋基材を通して内鍋の底面部から側壁部へと伝わり、内鍋全体が温められて米と水が均一に加熱される。

0006

そして、上記内鍋基材をセラミック材又はセラミックとガラスとの混合材で構成したことにより、ご飯の味が向上するとともに蓄熱性がよくなり保温時の加熱通電時間を短かくすることができ、電気エネルギーの節約が図られる。

0007

また、内鍋の内周面にガラス質の釉薬又はフッ素樹脂コーティングが施されていることから、ある程度の発水性が確保されるので、一応ご飯の付着しにくい内鍋が得られるであろうことが推測される。

0008

特開2005−413号公報(明細書第2−4頁、図3図4

発明が解決しようとする課題

0009

以上のように、現行の釉薬又はフッ素樹脂コーティング等の内鍋内トップコートには、セラミック系基材よりなる内鍋への吸水を押さえる目的と、ご飯のこびりつき、焦げつきを押さえる2つの目的があるが、非通水機能はともかくとして、ご飯のこびりつき、焦げつきの回避に対しては、まだ満足の行くものではない。

0010

また、セラミック基材素焼面部に釉薬を塗布し、フッ素樹脂コーティングしただけの場合、上記特許文献中にも記載されているように、基材表面から釉薬やフッ素樹脂が剥がれる恐れがある。

0011

これらの問題は、例えば耐熱温度の高い焼物形成材料として知られるコーディエライト系粘土材を用いて内鍋本体を形成した場合にも同様である。

0012

そこで、本願発明は、このような問題を解決するために、一般に土鍋を代表する耐熱性の高いコーディエライト系の焼物によって内鍋本体を形成するとともに、同内鍋への非通水性は維持しながら、しかも、こびりつき、焦げつきを防止する方法として、先ず素焼状態の内鍋の内周面に所定の釉薬処理を施した上で、さらに、その上に非粘着性処理としてのセラミックコート処理を施すことにより、可及的にご飯のこびりつき、焦げつきを防止するようにした電気炊飯器用の内鍋を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0013

本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。

0014

(1) 請求項1の発明
この発明は、内鍋を、コーディエライト系の焼き物よりなる内鍋本体と、この内鍋本体の内周面および外周面に塗布された非通水性の釉薬層と、上記内鍋内周面の上記釉薬層の表面にコーティングされたセラミック層とから形成し、該内鍋の外周面に誘導加熱用の加熱部材を設けたことを特徴とする。

0015

このような構成によれば、従来の釉薬層の表面に、さらに発水性の高いセラミック層が形成されているので、釉薬層だけの場合に比べて遥かに内鍋内周面の非粘着性が高くなり、ご飯のこびりつき、焦げつきが生じにくくなる。

0016

また、セラミック層の付加により、従来のような釉薬層の剥がれが生じなくなり、釉薬層単体フッ素コーティング層だけの場合に比べて、遥かに信頼性の高いものとなる。

0017

(2) 請求項2の発明
この発明は、上記請求項1の発明の構成におけるセラミック層がクリア系のセラミック材料からなり、釉薬層とセラミック層との間には、水目盛表示部が設けられている。

0018

炊飯器では、内鍋が土鍋等極めて耐熱性の高いコーディエライト系の基材よりなるものであっても、適切な水量を示すために炊飯量に応じた水目盛が必要である。

0019

この水目盛は、従来だと当然ながら釉薬層の表面に印刷等の方法で設けられているが、その場合長年の使用(摩耗)によって消えやすい難点があった。

0020

そこで、釉薬層の表面にコーティングするセラミック層をクリア系のセラミック材料とし、釉薬層とセラミック層との間に、水目盛表示部を設けるようにする。

0021

このようにすると、水目盛部が摩耗強度の高いセラミック層によってカバーされるので、長年に亘って使用しても決して消えることがなく、しかも透明のセラミック層を介した光の回析により浮き上がった状態で外部から良く見えるようになる。

0022

(3) 請求項3の発明
この発明では、上記請求項1又は2の発明の構成におけるセラミック層が、釉薬層の表面にコーティングされた1重層からなっている。

0023

耐久性があり、かつご飯のこびりつき、焦げつきの防止に有効なセラミック層を形成するためには、それ自体の発水性の高さとともに、内鍋の内周面における熱の伝わり方や熱の分布を考慮した所定値以上の膜厚、最適な膜断面構造が必要である。

0024

しかし、実験の結果、耐熱性の高いセラミック塗料は、膜厚を厚くすると膜破壊起りやすくなって耐久性に欠け、また発泡して見映えも悪くなる。かと言って、膜厚を薄くすると、こびりつきや焦げつき防止機能が低下し、実用的でない。

0025

そこで、これらの各課題に対応するために、上記セラミック層は釉薬層との付着性の良さ、さらに焼結耐久、非粘着性、非発泡性を考慮したコーティング工程で、上記のような各種問題のない所望の厚さの1重層構造のセラミック層を形成する。

0026

(4) 請求項4の発明
この発明では、上記請求項1又は2の発明の構成におけるセラミック層が、釉薬層の表面にコーティングされたプライマーコート層と、このプライマーコート層の上にコーティングされたトップコート層との2重層からなっている。

0027

耐久性があり、かつご飯のこびりつき、焦げつきの防止に有効なセラミック層を形成するためには、それ自体の発水性の高さとともに、内鍋の内周面における熱の伝わり方や熱の分布を考慮した所定値以上の膜厚、最適な膜断面構造が必要である。

0028

しかし、実験の結果、耐熱性の高いセラミック塗料は、膜厚を厚くすると膜破壊が起りやすくなって耐久性に欠け、また発泡して見映えも悪くなる。かと言って、膜厚を薄くすると、こびりつきや焦げつき防止機能が低下し、実用的でない。

0029

そこで、これらの各課題に対応するために、上記セラミック層は釉薬層との付着性の良さをも考慮したプライマーコートベースコート)とそれにつづく焼結、耐久、非粘着性、非発泡性を考慮したトップコートとの2つのコーティング工程で、上記のような各種問題のない所望の厚さの2重層構造のセラミック層を形成する。

0030

(5) 請求項5の発明
この発明は、上記請求項1,2,3又は4の発明の構成において、セラミック材料は、アクリル成分を含んだシリカSiを主成分とするものである。

0031

上記各セラミック層を形成するセラミック材料には、種々のものが考えられるが、焼結に適した耐熱温度、発水性、焼結後のクリア性入手容易性等の観点からアクリル成分を含んだシリカSiが適している。そして、アクリル成分は、発水性の向上に有効に寄与する。

0032

(6) 請求項6の発明
この発明は、上記請求項4又は5の発明の構成において、プライマーコート層とトップコート層の2重層部分を、加熱部材による加熱力が大きい部分に限定して形成している。

0033

種々の試験として見ると、こびりつき、焦げつきは内鍋への加熱力の大きい部分で生じている。

0034

したがって、プライマーコート層とトップコート層のコストのかかる2重層部分は、加熱部材による加熱力が大きい部分に限定するのが、合理的である。

発明の効果

0035

以上の結果、本願発明によると、従来の土鍋等のコーディエライト系の内鍋に比べて、遥かにこびりつき、焦げつきの生じない美味しいご飯の炊き上げ性能を実現することができるようになる。

発明を実施するための最良の形態

0036

図1図4は、本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器用の内鍋の構成を示している。

0037

この内鍋1は、すでに述べたような一般に土鍋と呼ばれるタイプの内鍋であって、例えば中心となる内鍋本体1a〜1d部分は、焼結時の耐熱温度が高く、保温時の蓄熱性の良いコーディエライト系の焼物材料により形成されている。

0038

そして、その底部1aの内周側には第1の加熱部材2a、外周側には第2の加熱部材2b、底部1aから側壁部1cに連結するアール面状のコーナー部1bの外周側には第3の加熱部材2cが各々接合一体化されている。

0039

これら第1〜第3の各加熱部材2a〜2cは、例えば後述する炊飯器本体側の誘導加熱コイルによって内部に誘起される渦電流によって自己発熱が可能な、例えば銀ペースト等の金属製の誘導発熱シートよりなっている。

0040

そして、この内鍋1は、同内鍋1が収納される図示しない炊飯器本体と、上記内鍋1の外周面に対向するように配置され、上記内鍋1を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備えた電気炊飯器の上記炊飯器本体内にセットして使用される。

0041

セット状態においては、例えば炊飯開始スイッチのON操作によって炊飯動作が開始されると、所定の手順に従って上記誘導加熱コイルに高周波電流が供給され、上記誘導加熱コイルに発生する交番磁界により、同誘導加熱コイルと対向する上記第1〜第3の各加熱部材2a〜2cが磁気結合して渦電流が流れる。

0042

そして、同第1〜第3の加熱部材2a〜2cは、この渦電流によるジュール熱によって発熱し、その熱が同第1〜第3の加熱部材2a〜2cの内側の内鍋1へ伝達され、同内鍋1内の米と水を加熱する。このとき、熱の一部は上記内鍋1基材を通して内鍋1の底部1aからコーナー部1b、側壁部1cへと伝わり、内鍋1全体が温められて米と水が均一に加熱される。

0043

なお、上記側壁部1c外周には、必要に応じて保温ヒータが設けられる。そして、この側壁部1cは、上記底部1aおよびコーナー部1bよりも壁厚が厚くなっており、保熱性が高くなっている
ところで、すでに述べたように、現行の内鍋の場合には、上記内鍋の内周面に釉薬の塗布又はフッ素樹脂コーティング等の表面処理が施されており、これは各種セラミック系基材よりなる内鍋への吸水を押さえる目的と、ご飯のこびりつき、焦げつきを押さえる2つの目的でなされているものであるが、これまでの表面処理の場合、非通水機能はともかくとして、ご飯のこびりつきや焦げつきの回避に対しては、まだまだ満足の行くものではなかった。

0044

また、セラミック基材の素焼面部に釉薬を塗布したり、フッ素樹脂をコーティングしただけの構成の場合、基材表面から釉薬やフッ素樹脂が剥がれる恐れがあり、信頼性に欠ける。

0045

そこで、本願発明は、このような問題を解決するために、図1のごとく一般に土鍋を代表する耐熱性の高いコーディエライト系の焼物によって内鍋本体1a〜1dを形成するとともに、同内鍋本体1a〜1dへの非通水性は維持しながら、しかも、ご飯のこびりつき、焦げつきを防止する方法として、例えば図2図4に示すように、先ず素焼状態の内鍋1の内周面に所定の釉薬処理4a,4bを施した上で、さらに、その上に非粘着性処理5a,5bとしてのセラミックコート処理を施すことにより、可及的にご飯のこびりつきと、焦げつきを防止するようにした電気炊飯器用の内鍋を提供することを目的としている。

0046

すなわち、本実施の形態の内鍋1では、例えば図1のA〜Cに示される底部から側壁部に亘る内鍋本体1a〜1cの各部(加熱部材2a〜2cのある部分もない部分も含めて)の内周面と外周面の両面に、先ずリチア系の第1,第2の釉薬層4a,4bを形成し、さらに少なくとも内周面側には、その上にシリカSiを主成分とし、かつアクリル成分を含む第1,第2のセラミック層5a,5bを形成して構成されている。

0047

この場合、上記第1の釉薬層4aは、例えば茶色系統の釉薬を用い、好ましくは素焼状態の内鍋本体1a〜1dの内外周面全体に付着性が良好となるブラスト処理等を行った上で塗布乾燥され、その後、第2の釉薬層4bと共に焼き付け処理される。上記ブラスト処理は、してもしなくてもいいが、ブラストすると、より密着強度が増す。

0048

上記第2の釉薬層4bは、焼き付け後は透明になるクリア系の釉薬であり、上記第1の釉薬層4aの塗布乾燥が終わった後に上記第1の釉薬層4aの上に塗布され、その後乾燥された後に一緒に焼き付け処理される。

0049

この結果、内鍋本体1a〜1dの内外周面全体が、ベース色系統で、その上に透明なクリアコートが施された見映えの良い色合いのものとなる。

0050

そして、それによって素焼状態の内鍋本体1a〜1dが、硬く、かつ強度の高いものに補強され、割れにくいものとなる。

0051

さらに、同状態において、上記内鍋本体1a〜1dの内周面全体には、例えば図2図4に示されるように、良好な発水性を実現するための例えばアクリル成分を含むシリカSiを主成分とする第1,第2のセラミック層5a,5bが順次積層状態にコーティングされる。

0052

第1のセラミック層5aは、プライマリー層(ベース層)として上記第2の釉薬層4bの表面に直接コーティングされる一方、第2のセラミック層5bは、トップコート層として、このプライマーコート層である第1の釉薬層1aの上に積層する形でコーティングされる。

0053

耐久性があり、かつご飯のこびりつき、焦げつきの防止に有効なセラミック層を形成するためには、それ自体の発水性の高さとともに、内鍋本体1a〜1dの内周面における熱の伝わり方や熱の分布を考慮した所定値以上の膜厚、最適な膜断面構造が必要である。

0054

しかし、実験の結果、耐熱性の高いセラミック塗料は、膜厚を厚くすると、破壊されやすくなって耐久性に欠け、また発泡を生じて見映えも悪くなる。かと言って、膜厚を薄くすると、こびりつきや焦げつき防止機能が低下するので、実用的でない。

0055

そこで、これらの各課題に対応するために、上記セラミック層は釉薬層との付着性の良さをも考慮したプライマーコート(ベースコート)としての第1のセラミック層5aの形成とそれにつづく焼結、耐久、非粘着性、非発泡性を考慮したトップコートとしての第2のセラミック層5bの形成との2つのコーティング工程を採用して、上記のような各種の問題を解決した所望の厚さの2重層構造のセラミック層を形成するようにしている。

0056

この場合、セラミック材は、上記のように耐熱温度が高いものは発泡を招き、薄くしか塗れない。したがって、コーティングの仕方として、第1のセラミック層5aは耐熱温度の高い材料を薄く塗り、第2のセラミック層5bは耐熱温度の低い材料を採用して上記第1のセラミック層5aよりも厚く塗るようにし、それによって全体として可能な限り膜厚の厚いものとする方法が採用される。このように重ね塗りは有効であるが、他方厚すぎると、上述のように破壊する恐れもあるので厚すぎない膜厚にする。

0057

ところで、上記セラミック材料は、プライマーコート層およびトップコート層共にアクリル成分を含んだシリカSiを主成分とするものである。

0058

上記2重層構造のセラミック層を形成するセラミック材料には、種々のものが考えられるが、焼結に適した耐熱温度、発水性、焼結後のクリア性、入手の容易性等の観点からアクリル成分を含んだシリカSiが適している。そして、アクリル成分は、発水性の向上に有効に寄与する。

0059

また、第1,第2の各セラミック層5a,5bは共にクリア系のセラミック材料からなっており、例えば上記第2の釉薬層4bと第1,第2のセラミック層5a,5bとの間には、水目盛表示部Wが設けられる。

0060

炊飯器では、内鍋1が土鍋等極めて耐熱性の高いコーディエライト系の基材よりなるものであっても、適切な水量を示すために炊飯量に応じた水目盛が必要である。

0061

この水目盛は、従来だと当然ながら上記第2の釉薬層4bの表面に印刷等の方法で設けられているが、その場合長年の使用(摩耗)によって消えやすい難点があった。

0062

そこで、同第2の釉薬層4bの表面にコーティングする第1,第2のセラミック層5a,5bを共にクリア系のセラミック材料とし、第2の釉薬層と第1,第2のセラミック層5a,5bとの間に、水目盛表示部Wを設けるようにする。

0063

このようにすると、水目盛表示部Wが摩耗強度の高いセラミック層5a,5bによってカバーされるので、長年に亘って使用しても決して消えることがなく、しかも透明のセラミック層5a,5bを介した光の回析により浮き上がった状態で外部から良く見えるようになる。

0064

以上のように、本実施の形態では、内鍋1を、コーディエライト系の焼き物よりなる内鍋本体1a〜1cと、この内鍋本体の内周面および外周面に塗布された非通水性の第1,第2の釉薬層4a,4bと、上記内鍋1内周面の上記第1,第2の釉薬層4a,4bの表面にコーティングされた第1,第2のセラミック層5a,5bとから形成し、該内鍋1の底部外周面に誘導加熱用の加熱部材を設けたことを特徴としている。

0065

このような構成によれば、釉薬層4a,4bの表面に、さらに発水性の高いセラミック層5a,5bが形成されているので、釉薬層4a,4bだけの場合に比べて遥かに内鍋1内周面の非粘着性が高くなり、ご飯のこびりつき、焦げつきが生じにくくなる。

0066

また、第1,第2のセラミック層5a,5bの付加により、従来のような釉薬層の剥がれが生じなくなり、釉薬層単体やフッ素コーティン層だけの場合に比べて、遥かに信頼性の高いものとなる。

0067

(変形例)
(1) 第1,第2のセラミック層5a,5bの設置領域について
以上の構成では、内鍋1の内鍋本体1a〜1dの底部1aから側壁部1cに亘る部分の内周面全体に均一に第1,第2のセラミック層5a,5bを形成するようにした。

0068

しかし、例えば種々の試験をして見ると、ご飯のこびりつき、焦げつきは内鍋1への加熱力の大きい図1の底部1aからコーナー部1b上端までの部分で生じていることがわかる。

0069

したがって、上記第1のセラミック層(プライマーコート層)5aと第2のセラミック層(トップコート層)5bのコストのかかるセラミック2重層部分は、同加熱部材2a〜2cによる加熱力が大きい図1D領域部分に限定するようにしてもよい。

0070

そして、そのような設置領域を限定する構成を採用する場合には、さらに同セラミックコート層を第1〜第3の加熱部材2a〜2cに個別に対応した部分のみとすることも可能である。

0071

さらに、以上の場合において、例えば内鍋本体1a〜1cの内周面全体には第1のセラミック層5aのみとする一方、第1〜第3の加熱部材2a〜2cの対向部には第2のセラミック層5bを追加するようにしてもよい。

0072

(2) 第1,第2のセラミック層5a,5bの形成方法に関して
すでに述べたように、耐熱温度の高いセラミック層の膜厚を厚くすることはコーティング技術上も中々に難しく、また2層以上のコーティング工程を採用することはコスト面からも困難である。

0073

そこで、例えば同セラミック材に、熱伝導性の高い工業用ダイヤモンドカーボン木炭等の微粒子を混合し、膜厚をかせぐようにしてもよい。上記カーボンや木炭の場合には、さらに加熱時に遠赤外線を発生するようになる。

0074

(3)内鍋1焼成時の各工程における焼成温度について
以上のように、本実施の形態の内鍋1の焼成工程は、内鍋1の素焼き工程、内鍋1の基材強化用の表面処理工程(釉薬層4a,4b)、炊飯用水目盛表示部Wの印刷工程、さらにご飯との非粘着性を高める表面処理工程(セラミック層5a,5bのコーティング)等よりなるが、この場合に、それら各工程の焼成温度を段階的に下げていくようにする。

0075

例えば素焼き工程は約1300℃、基材強化表面処理工程は約1200℃、水目盛表示部印刷後の焼き付け処理工程は約900℃、非粘着性の表面処理工程は約200℃とする。

0076

(4)内鍋1の基材強化用の第1,第2の釉薬層4a,4bの表面厚みとご飯との非粘着性を高める第1,第2のセラミック層5a,5bの表面厚みとの比較について
これは、例えば第1,第2の釉薬層4a,4bの厚みの方を大きくするのが好ましい。

0077

(5)セラミック層の層数について
上記の構成におけるセラミック層は上記2層の場合に限らず、例えば釉薬層の表面にコーティングされた1重層からなるものでもよい。

0078

耐久性があり、かつご飯のこびりつき、焦げつきの防止に有効なセラミック層を形成するためには、それ自体の発水性の高さとともに、内鍋の内周面における熱の伝わり方や熱の分布を考慮した所定値以上の膜厚、最適な膜断面構造が必要である。

0079

しかし、実験の結果、耐熱性の高いセラミック塗料は、膜厚を厚くすると膜破壊が起りやすくなって耐久性に欠け、また発泡して見映えも悪くなる。かと言って、膜厚を薄くすると、こびりつきや焦げつき防止機能が低下し、実用的でない。

0080

そこで、これらの各課題に対応するために、上記セラミック層は釉薬層との付着性の良さ、さらに焼結、耐久、非粘着性、非発泡性を考慮した1つのコーティング工程で、上記のような各種問題のない所望の厚さの1重層構造のセラミック層を形成する。

図面の簡単な説明

0081

本願発明の最良の実施の形態に係る電気炊飯器用の内鍋の全体的な断熱面構造を示す図である。
同内鍋の底部の断熱面構造を拡大して示す図である。
同内鍋の底部から側壁部に到るコーナ部の断熱面構造を拡大して示す図である。
同内鍋の側壁部の断熱構造を拡大して示す図である。

符号の説明

0082

1は内鍋、1aは内鍋底部、1bは内鍋コーナ部、1cは内鍋側壁部、1dは内鍋開口部、1a〜1dは内鍋本体、2a〜2cは第1〜第3の加熱部材、4a,4bは第1,第2の釉薬層、5a,5bは第1,第2のセラミック層である。

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