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技術 無線近接センサ、ワーククランプ装置および加工装置

出願人 光洋電子工業株式会社
発明者 中谷克彦橋本克博河西正貴
出願日 2007年1月29日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2007-017567
公開日 2008年8月14日 (12年4ヶ月経過) 公開番号 2008-183646
状態 拒絶査定
技術分野 工作機械の治具 工作機械の検出装置 研削盤の構成部分、駆動、検出、制御
主要キーワード エアー流出口 非回転部位 光電方式 偏心カム軸 台座面 分割配線 非接触検出 取り付け形態
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課題

被加工ワーククランプ状態エアー配管信号配線を用いずに検出可能とすること。

解決手段

無線近接センサ22は、被加工ワーク14を回転させながら加工する加工装置に配設されて該被加工ワーク14を所要位置でクランプするためのワーククランプ装置に設置することが可能な筐体構造を備え、かつ、上記筐体42に、被加工ワーク14に接触しないで該被加工ワーク14のクランプ状態を検出する非接触検出部44と、上記検出に係るセンサデータ無線で送信するための信号形態に処理するデータ処理部46と、上記データ処理部46から出力されるセンサデータを無線送信する送信アンテナ48と、を内蔵している。

概要

背景

被加工ワーク研削切削加工装置等の加工装置で加工する場合、被加工ワークをその加工装置の加工基準適合した位置にクランプする必要がある。そのクランプのためにワーククランプ装置が用いられる。

被加工ワークには、自動車用レシプロエンジンを一例にとれば、カム軸カム、そのジャーナルピストンピンクランクジャーナルクランクピン等、種々の部分がある。このような被加工ワークに研削加工を、数値データやプログラムに従い加工制御する加工装置が提案されている。(特許文献1参照)。

このような加工装置を用いて被加工ワークを加工する場合、被加工ワークをクランプする上記ワーククランプ装置には、被加工ワークの着座位置エアー流出口を設け、このエアー流出口にエアー配管の一端側を連通接続すると共にエアー配管の他端側をエアー供給源に連通接続し、このエアー配管を介してエアー供給源から所定圧力エアーをエアー流出口に流し込んで、エアー流出口からエアーの漏れが生じているか否かを圧力センサで検出することにより、被加工ワークのクランプ状態を判定するようにしたものがある。(特許文献2参照)。

しかしながら、加工装置での機械加工で生じた加工屑が、ワーククランプ装置に付着したり堆積したりして、被加工ワークをワーククランプ装置から取り外した後、加工屑がエアー流出口からエアー配管内に侵入しやすく、エアー流出口を塞ぐ可能性がある。このような可能性は被加工ワークの加工不良率アップさせてしまう。また、エアー配管を塞いでいる加工屑を清掃する作業が頻繁に要求されてしまい、作業コストが高くつく。さらに、エアー配管を上記ワーククランプ装置内に引き回し設置する必要があるから配管コストが高くつく上、そのエアー配管のメンテナンスのためのコストも高くつく。さらには、ワーククランプ装置を被加工ワークと共に一体回転させる必要があるので、加工前はエアーを供給(オン)して被加工ワークの着座状態を検出し、加工中はエアー供給を停止(オフ)する必要があり、エアー供給のオンオフ制御が複雑となる。さらには、加工中はエアーの供給をオフすると、被加工ワークが正常な着座位置に存在しているはずであるのに実際は正常な着座位置からずれた位置でクランプされた状態で加工されてしまう可能性があり、このことも被加工ワークの加工不良率をアップさせてしまう。

そこで、本出願人は、鋭意研究した結果、ワーククランプ装置に従来一般の近接センサを設置することを考えた。近接センサは、被加工ワークに非接触の状態で被加工ワークの着座状態を検出することができるものと考えられる。

しかしながら、従来一般の近接センサではその検出出力を出力するために信号配線が必要であり、被加工ワークと共に一体回転するワーククランプ装置に近接センサを取り付けたのでは、上記信号配線が難しい。例えば、信号配線をワーククランプ装置側と近接センサ出力を受信処理して加工装置のサーボモータ制御を行う制御側とで分割配線し、分割した信号配線間スリップリング摺接させる方式がある。

このような方式は、加工装置が多数台数になると、加工装置設置床面上に多数の信号配線が引き回されてしまう、等により好ましくない。
特開2002−103219(2002年4月9日公開
特開平7−40169(1995年2月10日公開)

概要

被加工ワークのクランプ状態をエアー配管や信号配線を用いずに検出可能とすること。本無線近接センサ22は、被加工ワーク14を回転させながら加工する加工装置に配設されて該被加工ワーク14を所要位置でクランプするためのワーククランプ装置に設置することが可能な筐体構造を備え、かつ、上記筐体42に、被加工ワーク14に接触しないで該被加工ワーク14のクランプ状態を検出する非接触検出部44と、上記検出に係るセンサデータ無線で送信するための信号形態に処理するデータ処理部46と、上記データ処理部46から出力されるセンサデータを無線送信する送信アンテナ48と、を内蔵している。

目的

本発明により解決すべき課題は、被加工ワークのクランプ状態をエアー配管や信号配線を用いずに検出可能とした近接センサならびにその近接センサを用いたワーククランプ装置等を提供することである。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被加工ワークを所定の加工位置にクランプして加工する加工装置が備えるセンサ取り付け部に取り付け可能でかつ密封された筐体構造を備え、その筐体内部に、被加工ワークに接触しないで該被加工ワークの近接状態を検出する非接触検出部と、上記検出に係るセンサデータ無線で送信するための信号形態に処理するデータ処理部と、上記データ処理部から出力されるセンサデータを無線で筐体外に送信する送信アンテナと、を内蔵したことを特徴とする無線近接センサ

請求項2

上記データ処理部は、送信IDコードを含めた形態にセンサデータを処理する、ことを特徴とする請求項1に記載の無線近接センサ。

請求項3

上記データ処理部を構成する部品基板の一方側表面に配置し、上記送信アンテナを基板の他方側表面の全体または一部に平坦な面部分を設け、この平坦な面部分上に形成したループアンテナで構成した、ことを特徴とする請求項1または2に記載の無線近接センサ。

請求項4

被加工ワークを回転させながら加工する加工装置に配設されて該被加工ワークを所要位置でクランプするためのワーククランプ装置であって、上記被加工ワークの加工基準位置に対応した位置にセンサ取り付け部を備え、このセンサ取り付け部に請求項1ないし3のいずれかに記載の無線近接センサを一体的に設置した、ことを特徴とするワーククランプ装置。

請求項5

ワーク台座と、上記ワーク台座上に被加工ワークをクランプするワーククランプと、を備え、上記ワーク台座およびワーククランプのいずれか一方に上記センサ取り付け部を設けた、ことを特徴とする請求項4に記載のワーククランプ装置。

請求項6

上記センサ取り付け部を、無線近接センサの収納が可能な寸法の凹部により構成した、ことを特徴とする請求項4または5に記載のワーククランプ装置。

請求項7

被加工ワークをワーククランプ装置でクランプさせた状態で回転させつつ該被加工ワークに所定の加工を施す加工装置において、 請求項4ないし6のいずれかに記載のワーククランプ装置と、上記ワーククランプ装置が備える無線近接センサから無線で送信されるセンサデータを無線で受信する無線受信機と、を備え、上記無線受信機で受信したセンサデータに基づいて被加工ワークに対する加工制御を行う、ことを特徴とする加工装置。

請求項8

被加工ワークを加工基準位置に配置してこの加工基準位置に従い加工工具数値制御して被加工ワークを加工する加工装置において、上記加工基準位置の近傍にセンサ取り付け部を設け、このセンサ取り付け部に、被加工ワークの加工基準位置からの位置ずれを当該被加工ワークに非接触で検出すると共にその検出に係るセンサデータを無線送信することができる無線近接センサを設けた、ことを特徴とする加工装置。

請求項9

上記被加工ワークをクランプするワーククランプ装置を備え、このワーククランプ装置のワーク台座の台座面に加工基準位置を設定すると共に、ワーク台座における上記加工基準位置の近傍に上記無線近接センサを配置した、ことを特徴とする請求項10に記載の加工装置。

技術分野

0001

本発明に係る無線近接センサは、被加工ワーク加工基準位置に配置してこの加工基準位置に従い加工工具数値制御して被加工ワークを加工する加工装置等に適用することができる。また、本発明に係る無線近接センサは、被加工ワークを回転させながら加工する加工装置に配設されて該被加工ワークを所要位置でクランプするためのワーククランプ装置等に適用することができる。

背景技術

0002

被加工ワークを研削切削加工装置等の加工装置で加工する場合、被加工ワークをその加工装置の加工基準適合した位置にクランプする必要がある。そのクランプのためにワーククランプ装置が用いられる。

0003

被加工ワークには、自動車用レシプロエンジンを一例にとれば、カム軸カム、そのジャーナルピストンピンクランクジャーナルクランクピン等、種々の部分がある。このような被加工ワークに研削加工を、数値データやプログラムに従い加工制御する加工装置が提案されている。(特許文献1参照)。

0004

このような加工装置を用いて被加工ワークを加工する場合、被加工ワークをクランプする上記ワーククランプ装置には、被加工ワークの着座位置エアー流出口を設け、このエアー流出口にエアー配管の一端側を連通接続すると共にエアー配管の他端側をエアー供給源に連通接続し、このエアー配管を介してエアー供給源から所定圧力エアーをエアー流出口に流し込んで、エアー流出口からエアーの漏れが生じているか否かを圧力センサで検出することにより、被加工ワークのクランプ状態を判定するようにしたものがある。(特許文献2参照)。

0005

しかしながら、加工装置での機械加工で生じた加工屑が、ワーククランプ装置に付着したり堆積したりして、被加工ワークをワーククランプ装置から取り外した後、加工屑がエアー流出口からエアー配管内に侵入しやすく、エアー流出口を塞ぐ可能性がある。このような可能性は被加工ワークの加工不良率アップさせてしまう。また、エアー配管を塞いでいる加工屑を清掃する作業が頻繁に要求されてしまい、作業コストが高くつく。さらに、エアー配管を上記ワーククランプ装置内に引き回し設置する必要があるから配管コストが高くつく上、そのエアー配管のメンテナンスのためのコストも高くつく。さらには、ワーククランプ装置を被加工ワークと共に一体回転させる必要があるので、加工前はエアーを供給(オン)して被加工ワークの着座状態を検出し、加工中はエアー供給を停止(オフ)する必要があり、エアー供給のオンオフ制御が複雑となる。さらには、加工中はエアーの供給をオフすると、被加工ワークが正常な着座位置に存在しているはずであるのに実際は正常な着座位置からずれた位置でクランプされた状態で加工されてしまう可能性があり、このことも被加工ワークの加工不良率をアップさせてしまう。

0006

そこで、本出願人は、鋭意研究した結果、ワーククランプ装置に従来一般の近接センサを設置することを考えた。近接センサは、被加工ワークに非接触の状態で被加工ワークの着座状態を検出することができるものと考えられる。

0007

しかしながら、従来一般の近接センサではその検出出力を出力するために信号配線が必要であり、被加工ワークと共に一体回転するワーククランプ装置に近接センサを取り付けたのでは、上記信号配線が難しい。例えば、信号配線をワーククランプ装置側と近接センサ出力を受信処理して加工装置のサーボモータ制御を行う制御側とで分割配線し、分割した信号配線間スリップリング摺接させる方式がある。

0008

このような方式は、加工装置が多数台数になると、加工装置設置床面上に多数の信号配線が引き回されてしまう、等により好ましくない。
特開2002−103219(2002年4月9日公開
特開平7−40169(1995年2月10日公開)

発明が解決しようとする課題

0009

本発明により解決すべき課題は、被加工ワークのクランプ状態をエアー配管や信号配線を用いずに検出可能とした近接センサならびにその近接センサを用いたワーククランプ装置等を提供することである。

課題を解決するための手段

0010

(1)本発明による無線近接センサは、被加工ワークを所定の加工位置にクランプして加工する加工装置が備えるセンサ取り付け部に取り付け可能でかつ密封された筐体構造を備え、その筐体内部に、被加工ワークに接触しないで該被加工ワークの近接状態を検出する非接触検出部と、上記検出に係るセンサデータ無線で送信するための信号形態に処理するデータ処理部と、上記データ処理部から出力されるセンサデータを無線で筐体外に送信する送信アンテナと、を内蔵したことを特徴とするものである。

0011

上記加工装置にはワーククランプ装置を含むことができる。

0012

上記筐体は、筐体全体または一部がセンサデータを筐体内から筐体外に放射できる材料例えば樹脂材から構成されていることが好ましい。

0013

送信アンテナを内蔵するとは、センサ取り付け部における無線近接センサの取り付け形態によっては、送信アンテナの一部または送信アンテナに接続されてアンテナ機能を持つ線材等が筐体外に延長されている場合を含むことができる。

0014

非接触検出部は、その検出方式に限定されるものではなく、電磁誘導方式型、静電容量方式磁気方式、超音波方式光電方式、その他の検出方式を含むことができる。

0015

無線近接センサには、物体の存在位置を連続的に検出することができるセンサだけでなく、物体がある距離内に近づいたときにオンまたはオフするセンサも含むことができる。

0016

上記センサデータの送信形態は、特に限定しないが、例えば特定小電力無線で送信することができる。

0017

本発明では、非接触検出部やデータ処理部に電源を供給する形態は特に限定しないが、例えば筐体内に電池搭載室を設け、この電池搭載室に搭載した電池無線送信部等に電源を供給するようにして電源供給のための電源ケーブル配線を省略可能としてもよい。

0018

本発明の無線近接センサを、加工装置のワーククランプ装置等に設けたセンサ取り付け部に組み込んで使用すると、その無線近接センサの筐体内部の非接触検出部により被加工ワークのクランプ状態を被加工ワークに接触することなく検出することができる。そして、その検出に係るセンサデータを無線近接センサのデータ処理部により無線で送信することができる形態に処理した後、無線近接センサの送信アンテナから送信することができる。そのため、被加工ワークのクランプ状態を検出するために、従来のようにワーク台座にエアー流出口を設けると共にワーク台座にエアー流出口に連通するエアー配管一端側を配管しそのエアー配管他端側にエアー供給源を接続し、エアー配管途中に配置した圧力センサでエアーの圧力状態を検出するシステムをとる必要がなくなる。そのため本発明の無線近接センサをワーククランプ装置に組み込んだ場合、上記従来システムによる被加工ワークの加工不良率のアップとか、加工屑の清掃作業とか、エアー配管の引き回し設置とか、等を無くすことができる。

0019

また、本発明の無線近接センサは、無線でセンサデータを送信することができるので、センサデータを出力させる信号配線が必要で無くなる。

0020

本発明の無線近接センサの好適な一態様は、上記筐体を、内部が密封された樹脂製ケースで構成することである。

0021

本発明の無線近接センサのさらに好適な一態様は、上記データ処理部により、送信IDコードを含めた形態にセンサデータを送信処理することである。

0022

本発明の無線近接センサのさらに好適な一態様は、上記送信アンテナを、筐体内部の基板平坦な基板表面に形成したループアンテナで構成することである。

0023

(2)本発明によるワーククランプ装置は、被加工ワークを回転させながら加工する加工装置に配設されて該被加工ワークを所要位置でクランプするためのワーククランプ装置であって、センサ取り付け部を備え、このセンサ取り付け部に上記(1)の無線近接センサを一体的に設置した、ことを特徴とするものである。

0024

本発明の好適な一態様は、ワーク台座と、上記ワーク台座上に被加工ワークをクランプするワーククランプと、を備え、上記ワーク台座またはワーククランプに上記センサ取り付け部を設けることである。

0025

本発明の好適な一態様は、上記ワーク台座の被加工ワークが着座する台座面に無線近接センサの収納が可能な寸法の凹部をセンサ取り付け部として設け、この凹部内に無線近接センサを収納することである。

0026

本発明のワーククランプ装置を組み込んだ加工装置では、該加工装置が多数になって各加工装置ごとのワーククランプ装置が多数となっても、設置床面上に多数の信号配線等を引き回すようなことがなくなり、多数の加工装置からなる加工システムを安価で高い信頼性のシステムに構築することができるようになる。

0027

(3)本発明による加工装置は、被加工ワークをワーククランプ装置でクランプさせた状態で回転させつつ該被加工ワークに所定の加工を施す加工装置において、上記(2)のワーククランプ装置と、上記ワーククランプ装置が備える無線近接センサから無線で送信されるセンサデータを無線で受信する無線受信機と、を備え、上記無線受信機で受信したセンサデータに基づいて被加工ワークに対する加工制御を行う、ことを特徴とするものである。

0028

(4)本発明による加工装置は、被加工ワークを加工基準位置に配置してこの加工基準位置に従い加工工具を数値制御して被加工ワークを加工する加工装置において、上記加工基準位置の近傍にセンサ取り付け部を設け、このセンサ取り付け部に、被加工ワークの加工基準位置からの位置ずれを当該被加工ワークに非接触で検出すると共にその検出に係るセンサデータを無線送信することができる無線近接センサを設けた、ことを特徴とするものである。

0029

本発明の好適な一態様は、上記被加工ワークをクランプするワーククランプ装置を備え、このワーククランプ装置のワーク台座の台座面に加工基準位置を設定すると共に、ワーク台座における上記加工基準位置の近傍に上記無線近接センサを配置することである。

発明の効果

0030

本発明の無線近接センサは、被加工ワークの検出に係るセンサデータを無線で筐体外に送信することができるセンサであるので、その無線近接センサを加工装置のセンサ取り付け部に取り付けるだけで、被加工ワークのクランプ状態等をエアー配管を配管したり、信号配線を用いたりせずに、しかも安価な方式で検出することができる。そのため、エアー配管を例えばワーク台座内に配管する必要が無くなることにより配管コストを削減でき、また、被加工ワークの検出に係るセンサデータを信号配線を引き回して制御装置等に出力する必要がなくなる等、多数の加工装置が集約配置された工場等では特に好ましい。

0031

本発明の無線近接センサでは、被加工ワークを回転させつつ回転工具等で加工中でも被加工ワークのクランプ状態等を検出することができるので、従来のように正常なクランプ位置からずれた状態で被加工ワークを加工してしまう可能性が大きく軽減される結果、被加工ワークの加工不良率を飛躍的に低下させることができるようになる。

発明を実施するための最良の形態

0032

以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1に実施の形態の加工装置の概略構成を示す。同図を参照して、この加工装置では、図示略のベッド上に配置されたテーブル2が駆動モータ4によりx方向に摺動可能に配置されている。テーブル2上に回転主軸6,8が対向配置されている。両回転主軸6,8の対向面からワーククランプ装置10,12が突設されている。被加工ワーク14はその被加工面がx方向に直径が一定である長い円筒面状をなす丸棒である。この被加工ワーク14はその両軸端両ワーククランプ装置10,12にそれぞれクランプされて軸線c1回りに回転主軸6,8と一体回転可能になっている。回転主軸6は主軸モータ15により回転駆動させられる。実施の形態の被加工ワーク14は理解の都合で被加工ワーク14を上記で説明するが、本発明が対象とする被加工ワーク14は上記形状に限定されず、外周面プロフィール偏心カム軸のような非円形であったり、長手方向に凹凸、あるいは円錐形状、等を含む。例えば自動車用レシプロエンジンにおけるカム軸のカム、そのジャーナル、ピストンピン、クランクジャーナル、クランクピン等、種々の形状を有するものを被加工ワーク14に適用することができる。

0033

加工工具の一例である回転砥石16はモータ18により軸線c2回りに回転駆動される。回転砥石16の外周部分に砥石が装着されており、この砥石により被加工ワーク14の外周面である被加工面に研削等の加工が施される。テーブル20は図示略の上記ベッドに配置されモータ21によりy方向に駆動されるようになっている。回転砥石16は、このテーブル20によりy方向に進退自在し被加工ワーク14を加工することが可能になっている。

0034

被加工ワーク14の両軸端それぞれのワーククランプ装置10,12には無線近接センサ22,24が内蔵されている。無線近接センサ22,24を被加工ワーク14の両軸端側に配置する必要は必ずしもなく一方の軸端側にのみ無線近接センサ22または24を配置してもよい。

0035

両無線近接センサ22,24は、被加工ワーク14に接触しないで被加工ワーク14の軸端におけるクランプ状態をそれぞれ検出してその検出に係るそれぞれのセンサデータを後述する内蔵送信アンテナにより無線で無線受信機26,28に送信する構成になっている。この被加工ワーク14は、ワーククランプ装置10,12により加工装置における加工基準位置に適合した位置で加工中はそのクランプ状態を維持されることが必要である。そのため、被加工ワーク14の両軸端がワーククランプ装置10,12で加工基準位置に適合した位置でクランプされているか否かのセンサデータが加工開始前において無線近接センサ22,24それぞれから無線受信機26,28に送信されるようになっている。無線近接センサ22,24それぞれのセンサデータは両無線受信機26,28で受信させる必要は必ずしもなく、一方の無線受信機26,28に受信させてもよい。これは無線近接センサ22,24それぞれのセンサデータには送信IDコードが含まれているので、いずれの無線近接センサ22,24からのセンサデータであるかを判定することができるからである。

0036

また、無線受信機26,28は、一旦、加工開始前に無線近接センサ22,24それぞれのセンサデータから被加工ワーク14のクランプ状態に関するセンサデータを得る以外に、加工中でも無線近接センサ22,24それぞれのセンサデータから被加工ワーク14のクランプ状態に関するセンサデータを得ることができるようになっている。従来では、加工中はエアー供給源からのエアー供給は停止されているため、ワーク台座のエアー流出口のエアー流出によるエアー配管内圧力の変化を圧力センサで検出することはできず、被加工ワーク14に対する加工中では被加工ワーク14はワーククランプ装置10,12で正しい位置にクランプされているものとして被加工ワーク14に加工を施さざるを得なかった。あるいは、エアー流出口を被加工ワーク14が位置ずれする方向に複数配置し、被加工ワーク14のクランプ位置の位置ずれに応じたエアー配管内の圧力変化から被加工ワーク14のクランプ状態を判定することも可能であるが、連続的な位置ずれの検出はできず、また、複数のエアー流出口を設ける必要があるので、ワーク台座の加工コストが高くつく。これに対して実施の形態では、無線近接センサ22,24からクランプ位置の位置ずれを連続的に検出することが可能であり、また、ワーク台座も単に無線近接センサ22,24を内蔵させるだけでよく、ワーク台座の加工コストはさほど高くつくものとはならない。

0037

こうして両無線受信機26,28それぞれが受信したセンサデータは制御装置30に入力される。この制御装置30はプログラマブルロジックコントローラPLC)により構成することができる。制御装置30は、CPU、メモリ等を有し、CPUは、無線受信機26,28からのセンサデータを監視しつつ、メモリに記憶されている制御プログラムに従いモータ等の駆動回路32を駆動して被加工ワーク14に対する加工を制御するようになっている。この制御プログラムはシーケンスプログラムで構成し、被加工ワーク14に対して種々の加工を実施する場合、PLCは無線受信機26,28からのセンサデータ以外に、図外のセンサ、アクチュエータ等からなる各種の入出力機器31に接続されて、予め格納されたシーケンスプログラムを実行しながら加工装置内の被加工ワーク14の加工に対するシーケンス制御を行うようにしてもよい。

0038

また、上記メモリに例えば被加工ワーク14の加工プロフィールデータを記憶させ、CPUをこの加工プロフィールデータに従い、テーブル2,20の移動を制御させ、被加工ワーク14に対して任意の加工を施すと共に、ワーククランプ装置10,12に内蔵した無線近接センサ22,24からのセンサデータに基づいて被加工ワーク14が加工プロフィールの加工基準位置にクランプされているかを検出しつつ被加工ワーク14に対する加工を施すようにしてもよい。

0039

図2を参照してワーククランプ装置10,12内における無線近接センサ22,24の設置を説明する。図2図1のA−A線断面構成を示す。ただし、図2中に示す無線近接センサ22の内部構造の詳細は略し、回路ブロックを模式的に示している。

0040

まず、無線近接センサ22の設置について説明する。ワーククランプ装置10は、ワーククランプ34と、ワーク台座36とを備える。ワーク台座36にはセンサ取り付け部として無線近接センサ22の設置用凹部38が形成されている。無線近接センサ22は凹部38に内蔵される。凹部38にはセンサデータを無線信号の形態で送信するための連通穴40が形成されている。この連通穴40の穴出口に上記無線受信機26,28を配置してもよい。この場合、無線受信機26,28は加工装置の非回転部位に配置するので、センサデータの送信とこのセンサデータの受信との関係を調整するとよい。

0041

実施の形態では連通穴40はワーク台座36に下向きの穴形状に形成したが、ワーク台座16の側面向きに形成してもよい。無線近接センサ22内の送信アンテナ48が送信する電波発射方向に合わせて上記連通穴40を形成することが好ましい。なお、無線近接センサ22からの電波は凹部38内面でワーククランプ装置10の回転中心上の特定1箇所に向けて反射させ、その特定箇所に無線受信機26,28を配置した場合、常に無線近接センサ22からのセンサデータを無線受信機26,28で受信することができると共に、無線近接センサ22の電力消費も低減することができ、また、周囲の加工装置やその他の機器機械等に対して悪影響を及ぼさずに済むので好ましい。

0042

上記無線近接センサ22は、内部が密封された樹脂製筐体42を有し、この筐体42内部に、被加工ワーク14に非接触で該被加工ワーク14のクランプ状態を検出する非接触検出部44と、上記検出に係るセンサデータを無線で送信するためのデータ形態に処理するデータ処理部46と、上記データ処理部46からのセンサデータを無線送信する送信アンテナ48と、を内蔵して構成されている。筐体42の樹脂材は、耐熱性を有し強度も高い樹脂が好ましく、この樹脂には例えば、ポリイミド系、ポリアミドイミド系、ポリアミド系、エポキシ系、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート系ポリエチレンナフタレート系等含む)、ポリスルホン系、ポリカーボネート系、ナイロン系、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの樹脂がある。

0043

図3を参照してワーク台座36上での被加工ワーク14のクランプ状態を説明する。図3(a)に被加工ワーク14がその回転中心点O1がワーク台座36上の設置点O1から図示左側にずれてワーククランプ34でクランプされている場合を示し、図3(b)に一致してクランプされている場合を示し、図3(c)に図示右側にずれてクランプされている場合を示す。

0044

図4にワーク台座36上での被加工ワーク14のクランプ位置での無線近接センサ22の非接触検出部44の検出レベルを示す。図4横軸に被加工ワーク14のワーク台座36上におけるクランプ位置をとり、縦軸に無線近接センサ22の非接触検出部44の検出レベルをとり、図中に検出レベル波形を示す。無線近接センサ22の非接触検出部44は、被加工ワーク14が図3(a)の位置でクランプされている場合は図4の検出レベル波形でレベルaのセンサデータを出力し、図3(b)の位置でクランプされている場合は図4の検出レベル波形で最大のレベルbのセンサデータを出力し、図3(c)の位置でクランプされている場合は図4の検出レベル波形でレベルcのセンサデータを出力する。

0045

以上の検出レベルのデータを含むセンサデータが無線近接センサ22の送信アンテナ48から送信される。このセンサデータは無線受信機26により受信され、制御装置30に入力される。制御装置30はそのセンサデータから被加工ワーク14がワーク台座36に対して図3(a)や図3(c)で示す位置に位置ずれしている場合では、例えば、テーブル20の移動量や、あるいは回転砥石16による加工速度、加工時間等を制御したり、あるいは、テーブル2を図示略のテーブル移動モータでy方向に移動制御したりする。これによって、被加工ワーク14に対して回転砥石16により正常に加工することができるようになる。

0046

図5を参照して無線近接センサ22の構成をさらに詳しく説明する。無線近接センサ22の筐体42は一例として円筒形状であり、その一端側開口には、コップ形状キャップ50が装着され、このキャップ50の中に、フェライトコア52が配置されている。フェライトコア52には検出コイル54が巻回されている。これらは無線近接センサ22のセンサヘッドを構成することができる。検出コイル54はその近傍に被加工ワーク14が存在すると、検出コイル54と被加工ワーク14との電磁誘導作用により検出コイル54の抵抗成分やインダクタンス成分が変化(検出コイル54のQ値が変化)する。これにより検出コイルは非接触検出部の一部を構成する。キャップ50の開口側には基板56が配置されている。この基板56の裏面側には回路部品58が搭載されている。基板56は、フェライトコア52の背面側と内装支持基板60とで支持されている。

0047

基板56の平坦表面に送信アンテナ48が図6で示すようにループアンテナ形状で形成されている。

0048

筐体42の他端側内周面は電池搭載室64とされ、この電池搭載室64に一次電池二次電池等の各種の電池66が搭載可能になっている。ワーククランプ装置10から電源が供給される場合はこの電池搭載室64は設ける必要がない。

0049

筐体42の他端側は開口しており、この開口はねじ込み式等キャップ68により閉塞されるようになっている。キャップ68の内面には電池66の接点を与えるスプリング70が設けられている。電池66は、交換可能であると共に、このキャップ68の締め付け装着により、そのプラスマイナス側両接点が非接触検出部44やデータ処理部46を構成する回路部品58に対する電源供給ラインに接続され、電池電源を回路部品58に供給することができるようになっている。

0050

筐体42はキャップ68によりその開口を閉塞された状態でその内部が気密封止される構造になっている。この場合、キャップ68に図示略のOリングを装着してもよい。また筐体42の内部には好ましくは耐クーラント性のため樹脂が充填されてもよい。

0051

図7を参照して、無線近接センサ22の回路構成を説明する。無線近接センサ22は、回路として、上記した非接触検出部44と、データ処理部46と、送信アンテナ48と、を備える。上記非接触検出部44とデータ処理部46には電池66電源が供給される。

0052

非接触検出部44は、上記した検出コイル54と、発振部72と、検波部74と、出力部76とを有する。発振部72は検出コイル54のQの変化により発振振幅発振周波数が変化する。高周波型にあっては、発振部72の発振振幅を検波部74で検出し、この検波部74の検出出力に応じて被加工ワーク14の存在や近接を検出することができる。この検出の結果であるセンサデータを出力部76からデータ処理部46に出力する。

0053

データ処理部46は、センサデータの演算やその他の制御をするCPU78と、他の無線近接センサを識別するIDコードやその他のデータを記憶しているRAM80と、制御プログラムを記憶しているROM82とからなるマイクロコンピュータ84と、マイクロコンピュータ84からのセンサデータ(送信周波数キャリア)、IDコード(識別コード)、非接触検出部44の検出出力)を入力し、IDコードと検出出力を上記キャリアで変調して送信信号を生成して出力する送信出力部86と、を備える。

0054

データ処理部46からのセンサデータは、ループアンテナ形状の送信アンテナ48から空中へ電波の形で放射される。この場合、筐体42は樹脂製であるので、この電波は筐体42外へ放射することができる。

0055

なお、データ処理部46のCPU78は、電池66の寿命を長くするため、非接触検出部44からセンサデータを入力した場合、無線通信を0.5秒間だけワンショット送信し、上記以外は待機状態ストップモード)にして電池66の消費を抑制するようになっている。

0056

なお、被加工ワーク14が例えば図8で示すように一端側がクランプされるような円盤状あるいは短円筒状でもよい。例えば、鋳造成形されたアルミニウム合金製のホイール等でもよい。このような被加工ワーク14ではその両端をワーククランプ装置10,12でクランプせず図示するように一端側をワーククランプ装置10のワーククランプ34とワーク台座36とでクランプし、図中軸線c4回りに被加工ワーク14を回転させつつy方向に移動制御する一方で、図中軸線c3回りに回転しx方向に移動自在な回転砥石16で上記被加工ワーク14を加工する形態とすることができる。この場合、無線近接センサ22は、ワーク台座36のセンサ取り付け部である凹部38に内蔵するとよい。

0057

以上説明したように本実施の形態では、無線近接センサ22,24を、ワーククランプ装置10,12に組み込んで使用すると、その無線近接センサ22,24の筐体42内部の非接触検出部44により被加工ワーク14のクランプ状態を被加工ワーク14に接触することなく検出することができる。そして、その検出に係るセンサデータを無線近接センサ22,24のデータ処理部46により無線で送信することができる形態に処理した後、無線近接センサ22,24の送信アンテナ48から送信することができる。そのため、被加工ワーク14のクランプ状態を従来のようにワーク台座にエアー流出口を設けると共にワーク台座にエアー流出口に連通するエアー配管一端側を配管しそのエアー配管他端側にエアー供給源を接続し、エアー配管途中に配置した圧力センサでエアーの圧力状態を検出するシステムをとる必要がなくなる。

0058

以上から実施の形態の無線近接センサ22,24をワーククランプ装置10,12に組み込んだ場合、上記従来システムによる被加工ワークの加工不良率のアップとか、加工屑の清掃作業とか、エアー配管の引き回し設置とか、等を無くすことができる。

0059

また、本発明の無線近接センサ22,24は、無線でセンサデータを送信することができるので、センサデータを出力させる信号配線が必要で無くなる。

0060

本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。

図面の簡単な説明

0061

図1は本発明の実施の形態に係る加工装置の概略構成を示す図である。
図2図1のA−A線断面図である。
図3はワーク台座に対する被加工ワークのクランプ位置の位置ずれを示す図である。
図4はワーク台座上での被加工ワークのクランプ位置での無線近接センサからの検出レベルを示す図である。
図5図1で示す無線近接センサの構成を示す断面図である。
図6図1の無線近接センサが備えるループアンテナの構成を示す図である。
図7は無線近接センサの電気的な概略構成を示す図である。
図8は加工装置の他の例を示す図である。

符号の説明

0062

2 テーブル
4テーブル移動モータ
6,8主軸
10,12ワーククランプ装置
15主軸モータ
16回転砥石
18砥石モータ
20 テーブル
22,24無線近接センサ
26,28無線受信機
30制御装置
32駆動回路
42筐体
44非接触検出部
46データ処理部
48 送信アンテナ

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