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技術 モーションセンサ及びこれを用いた加速度検出装置、傾斜角検出装置、圧力検出装置、触覚制御装置

出願人 ヤマハ株式会社国立大学法人東京工業大学
発明者 服部敦夫中村健太郎
出願日 2007年1月24日 (13年1ヶ月経過) 出願番号 2007-014334
公開日 2008年8月7日 (11年7ヶ月経過) 公開番号 2008-180604
状態 特許登録済
技術分野 力の測定一般 特定の目的に適した力の測定 平均速度の測定;速度、加速度の試験較正 加速度、衝撃の測定 ジャイロスコープ 測量一般
主要キーワード 傾斜角検知 上下対象 傾斜角検出装置 方向傾斜角 非共振周波数 触覚制御 落下検出 分極装置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

構造が簡単で、製造工程が少なく、低コスト化が容易で、しかも耐衝撃性が高いモーションセンサ及びこれを用いた加速度検出装置傾斜角検出装置圧力検出装置触覚制御装置を提供する。

解決手段

基板2と、該基板2に弾性変形可能に支持された梁と、その梁に設けられた4と、梁の上に形成された圧電膜5と、該圧電膜5の上に形成された電極6A〜6Dとを備え、前記圧電膜5は、有機圧電膜を含む。

概要

背景

モーションセンサは、加速度、角速度、傾斜などを検出するセンサで、用途としては、自動車衝突検出、HDD落下検出ゲーム機など様々ある。その方式としては、ピエゾ抵抗型、静電容量型圧電型があり、小型のもので製品化されているのは、MEMS技術を用いて製作可能なピエゾ抵抗型と静電容量型である。
ピエゾ抵抗型、静電容量型は、加速度に対してそれぞれ、抵抗値変化静電容量変化として信号を出力する。そのため、抵抗値または静電容量を電圧に変換する回路が必要となる。一方、圧電型は、加速度に対して電圧で信号を出力するため、電圧変換回路が不要である。

従来、この種の圧電型の角速度センサとして、励振コリオリ力検出用圧電セラミックスに複数の電極パターンが形成され、その圧電セラミックスが、梁である金属板接着剤にて貼り付けられた構成の2軸の角速度センサがある(例えば、特許文献1参照)。また、梁の中央部にを取り付けることにより、感度を向上させたものもある(例えば、特許文献2参照)。さらに、錘を周回運動させることにより、3軸の角速度センサを検出できるようにしたものもある(例えば、特許文献3参照)。そのほかに、梁と圧電膜を兼用させ、更に錘を圧電膜の上下対象に配置して、S/Nを改善させたものもある(例えば、特許文献4参照)。
特開平8−166243号公報
特開平8−201067号公報
特許第3585980号公報
特開2001−124562号公報

概要

構造が簡単で、製造工程が少なく、低コスト化が容易で、しかも耐衝撃性が高いモーションセンサ及びこれを用いた加速度検出装置傾斜角検出装置圧力検出装置触覚制御装置を提供する。基板2と、該基板2に弾性変形可能に支持された梁と、その梁に設けられた錘4と、梁の上に形成された圧電膜5と、該圧電膜5の上に形成された電極6A〜6Dとを備え、前記圧電膜5は、有機圧電膜を含む。

目的

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、構造が簡単で、製造工程が少なく、低コスト化が容易で、しかも耐衝撃性が高いモーションセンサ及びこれを用いた加速度検出装置、傾斜角検出装置、圧力検出装置、触覚制御装置を提供することを目的とする。

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
0件

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請求項1

基板と、該基板に弾性変形可能に支持された梁と、その梁に設けられたと、梁の上に形成された圧電膜と、該圧電膜上に形成された電極とを備え、前記圧電膜は、有機圧電膜を含むことを特徴とするモーションセンサ

請求項2

前記梁の上に、絶縁膜を介して下側電極が形成され、前記圧電膜は下側電極の上に形成されていることを特徴とする請求項1記載のモーションセンサ。

請求項3

前記梁は、導電性材料により形成され、圧電膜の下側に配置される下側電極を構成していることを特徴とする請求項1記載のモーションセンサ。

請求項4

前記有機圧電膜がポリ尿素を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のモーションセンサ。

請求項5

前記梁は、基板に片持ち状態に支持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のモーションセンサ。

請求項6

前記梁は、基板に両持ち状態に支持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のモーションセンサ。

請求項7

前記錘は、梁の中央部に固着されるとともに、前記圧電膜上の電極は、錘を中心として点対称に複数配置されていることを特徴とする請求項6記載のモーションセンサ。

請求項8

請求項7記載のモーションセンサを有する加速度検出装置であって、前記圧電膜上の電極のうちの錘を介して対峙する二つずつの電極の出力を検知する出力検知手段が設けられ、該出力検知手段は、前記錘に加速度が作用した際に発生する電極の出力から加速度を検知する加速度検知部を有することを特徴とする加速度検出装置。

請求項9

請求項7記載のモーションセンサを有する傾斜角検出装置であって、前記圧電膜上の電極のうちの少なくとも二つの電極に励振電圧印加手段が接続され、他の電極に出力検知手段が接続され、該出力検知手段は、前記錘に傾きが生じた際に発生する共振周波数の変化及び出力から傾斜角を検知する傾斜角検知部を有することを特徴とする傾斜角検出装置。

請求項10

請求項7記載のモーションセンサを有する圧力検出装置であって、前記圧電膜上の電極のうちの少なくとも二つの電極に励振電圧印加手段が接続され、他の電極に出力検知手段が接続され、該出力検知手段は、前記錘に外部圧力が作用した際に発生する共振周波数の変化及び出力から外部圧力を検知する圧力検知部を有することを特徴とする圧力検出装置。

請求項11

請求項7記載のモーションセンサを有する触覚制御装置であって、前記圧電膜上の電極のうちの少なくとも二つの電極に励振電圧印加手段が接続され、他の電極に出力検知手段が接続され、該出力検知手段と励振電圧印加手段との間に、前記錘を触った際に発生する共振周波数の変化及び出力から励振電圧を制御する触覚制御部を有することを特徴とする触覚制御装置。

技術分野

0001

本発明は、加速度、傾斜、角速度等の検出に用いられるモーションセンサ及びこれを用いた加速度検出装置傾斜角検出装置圧力検出装置触覚制御装置に関する。

背景技術

0002

モーションセンサは、加速度、角速度、傾斜などを検出するセンサで、用途としては、自動車衝突検出、HDD落下検出ゲーム機など様々ある。その方式としては、ピエゾ抵抗型、静電容量型圧電型があり、小型のもので製品化されているのは、MEMS技術を用いて製作可能なピエゾ抵抗型と静電容量型である。
ピエゾ抵抗型、静電容量型は、加速度に対してそれぞれ、抵抗値変化静電容量変化として信号を出力する。そのため、抵抗値または静電容量を電圧に変換する回路が必要となる。一方、圧電型は、加速度に対して電圧で信号を出力するため、電圧変換回路が不要である。

0003

従来、この種の圧電型の角速度センサとして、励振コリオリ力検出用圧電セラミックスに複数の電極パターンが形成され、その圧電セラミックスが、梁である金属板接着剤にて貼り付けられた構成の2軸の角速度センサがある(例えば、特許文献1参照)。また、梁の中央部にを取り付けることにより、感度を向上させたものもある(例えば、特許文献2参照)。さらに、錘を周回運動させることにより、3軸の角速度センサを検出できるようにしたものもある(例えば、特許文献3参照)。そのほかに、梁と圧電膜を兼用させ、更に錘を圧電膜の上下対象に配置して、S/Nを改善させたものもある(例えば、特許文献4参照)。
特開平8−166243号公報
特開平8−201067号公報
特許第3585980号公報
特開2001−124562号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、前記従来の構成では、圧電膜がセラミックスで構成されているので、衝撃等で大きな変形が発生すると割れるという課題を有していた。また、圧電膜の感度が低いという課題もあった。また、圧電セラミックスの微細加工や位置合わせ・組立ての精度を上げることは困難であり、これを行なう場合には、工程が複雑になったり高価な装置が必要であった。

0005

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、構造が簡単で、製造工程が少なく、低コスト化が容易で、しかも耐衝撃性が高いモーションセンサ及びこれを用いた加速度検出装置、傾斜角検出装置、圧力検出装置、触覚制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明のモーションセンサは、基板と、該基板に弾性変形可能に支持された梁と、その梁に設けられた錘と、梁の上に形成された圧電膜と、該圧電膜上に形成された電極とを備え、前記圧電膜は、少なくとも有機圧電膜を含むことを特徴とする。
すなわち、圧電膜に有機材料を用いることで、耐衝撃性に非常に優れたセンサを製作することができる。
この場合、前記梁の上に、絶縁膜を介して下側電極が形成され、前記圧電膜はその下側電極の上に形成されている構成としてもよいし、前記梁を導電性材料により形成して、圧電膜の下側に配置される下側電極とする構成としてもよい。

0007

そして、その圧電膜がポリ尿素を含む構成とするとよく、蒸着重合法と呼ばれる完全ドライプロセスで製作可能であり、薄膜化、膜厚制御任意形状への成膜が容易になり、現在のピエゾ抵抗型や静電容量型のセンサと同等のサイズのセンサを製作できる可能性がある。
この場合、梁を片持ち状態に支持することにより、1軸加速度を検出することができ、両持ち状態に支持することにより、3軸加速度を検出することができる。
また、両持ち状態の梁の場合、錘を梁の中央部に固着し、錘を中心として電極を点対称に複数配置する構成とするとよい。

0008

そして、そのような構成のモーションセンサを有する加速度検出装置は、前記圧電膜上の電極のうちの錘を介して対峙する二つずつの電極の出力を検知する出力検知手段が設けられ、該出力検知手段は、前記錘に加速度が作用した際に発生する電極の出力から加速度を検知する加速度検知部を有することを特徴とする。
また、前記のモーションセンサを有する傾斜角検出装置は、前記圧電膜上の電極のうちの少なくとも二つの電極に励振電圧印加手段が接続され、他の電極に出力検知手段が接続され、該出力検知手段は、前記錘に傾きが生じた際に発生する共振周波数の変化及び出力から傾斜角を検知する傾斜角検知部を有することを特徴とする。

0009

さらに、前記のモーションセンサを有する圧力検出装置は、前記圧電膜上の電極のうちの少なくとも二つの電極に励振電圧印加手段が接続され、他の電極に出力検知手段が接続され、該出力検知手段は、前記錘に外部圧力が作用した際に発生する共振周波数の変化及び出力から外部圧力を検知する圧力検知部を有することを特徴とする。
また、前記のモーションセンサを有する触覚制御装置として、前記圧電膜上の電極のうちの少なくとも二つの電極に励振電圧印加手段が接続され、他の電極に出力検知手段が接続され、該出力検知手段と励振電圧印加手段との間に、前記錘を触った際に発生する共振周波数の変化及び出力から励振電圧を制御する触覚制御部を有することを特徴とする。

発明の効果

0010

本発明のモーションセンサは、有機圧電膜を用いたことにより耐衝撃性が高く、これをポリ尿素を含む構成とすると、蒸着重合法と呼ばれる完全ドライプロセスで製作可能になり、薄膜化、膜厚制御、任意形状への成膜が容易になる。

発明を実施するための最良の形態

0011

以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

0012

(第1実施形態のモーションセンサ構造
この実施形態のモーションセンサ1は、3軸加速度検出装置に用いられるものであり、図1及び図2に示すように、基板2と、その基板2に支持された平板状の梁3と、この梁3の中央部に設けられた錘4と、梁3の上面のほぼ全面に形成された圧電膜5と、この圧電膜5の上に形成された4個の電極6A〜6Dとを備える構成とされている。
前記基板2は、例えば硼珪酸ガラスにより、正方形の枠状に形成され、中央部に開口部7が形成されている。
前記梁3は、基板2の外形と同じ正方形の厚さが例えば5μmの板状に形成され、基板2の上面に、その開口部7を覆うように固着されている。この梁3の材料としては、Niが用いられるが、Niの他に、NiFe等のNi合金でも良い。

0013

前記錘4は、梁3の上面に固着された上部錘4Aと、梁3の下面に固着された下部錘4Bとからなり、これら両錘4A、4Bが梁3の中央部を上下に挟持するように配置されている。この場合、上部錘4Aと下部錘4Bとで質量が異なるように設定されており、例えば、これら両錘4A、4Bを合わせた重心Gが梁2の中心から下方にずれて配置されるようになっている。その上部錘4Aは、例えば前記梁3と同じ材料であるNiやNiFe等のNi合金が用いられ、下部錘4Bは、例えば前記基板2と同じ材料である硼珪酸ガラスが用いられる。なお、上部錘4Aは平面視が正方形に形成されており、その中心を基準に図1に示すようにX軸、Y軸、Z軸とする。

0014

前記圧電膜5は、ポリ尿素からなる有機圧電膜であり、例えば1μm程度の厚さに形成されている。
前記電極6A〜6Dは、梁3の上面における錘4Aの回りに該錘4Aを中心とする点対称に4個形成されている。この場合、各電極6A〜6Dは、ほぼ方形に形成されるとともに、錘4を介して2個ずつが対峙するようにかつ正方形の梁3のX軸及びY軸上に並んで配置されている。この電極6A〜6Dは、Al、Cu、Au、Pt、Ag、AlSi等の導電材料により、圧電膜5の上面に例えば1000Åの厚さでそれぞれ形成されている。

0015

(第1実施形態のモーションセンサの製造方法)
次に、このように構成したモーションセンサ1の製造方法について説明する。
図3から図17は、その製造方法を工程順に示す断面図である。
まず図3に示すように基板2を用意する。
次に図4に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いて第1のレジスト11からなる所望のパターンを形成する。

0016

次に図5に示すように、前記第1のレジスト11をマスクにして、前記基板2をエッチングすることにより開口部7となる凹部12と下部錘4Bとなる凸部13を形成する。例えば、CF4ガスを用いて反応性イオンエッチングを用いて前記基板2に異方的にエッチングを行う。例えば200μmの深さまでエッチングするが、エッチングの深さ方向に幅が狭くなるようにエッチングする。
次に図6に示すように、前記第1のレジスト11を有機溶媒で除去する。

0017

次に図7に示すように、基板2の上面に前記凹部12及び凸部13の表面も含めて第1のメッキシード層14を成膜する。例えば前記第1のメッキシード層14として、Cuをスパッタ法にて3000Å成膜する。
次に図8に示すように、犠牲層15を前記第1のメッキシード層14上に成膜する。前記犠牲層15として例えば、Cuを厚さ300μm電解メッキを用いて成膜する。
次に図9に示すように、研削研磨のうち少なくとも一方を用いて、基板2上の前記犠牲層15及び前記第1のメッキシード層14を除去し、前記基板2の表面を露出させる。

0018

次に図10に示すように、表面に露出している前記基板2及び前記犠牲層15の上に梁3となる第2のメッキシード層(以下では梁と同じ符号3とする)を成膜する。この第2のメッキシード層3は、例えば、Niをスパッタ法を用いて5μm成膜する。Niの他に、NiFe等のNi合金でも良い。
次に図11に示すように、前記基板2の裏面から研削、研磨の少なくとも一方を行い、前記第1のメッキシード層14(又は犠牲層15)を露出する。この工程により、前記凸部13は下部錘4Bとして形成される。
そして、図12に示すように、第2のメッキシード層3の上にフォトリソグラフィー技術で前記凸部13の上方に空間を形成するように第2のレジスト16からなる所望のパターンを形成する。

0019

次に図13に示すように、前記第2のレジスト16をマスクにして、前記梁3(第2のメッキシード層)上に上部錘4Aを形成する。例えば、Niを電界メッキ法にて50μm成膜する。Niの他に、NiFe等のNi合金を用いても良い。
次に図14に示すように、前記第2のレジスト16を有機溶剤で除去する。
次に図15に示すように、前記梁3及び上部錘4Aの上に圧電膜5の層を成膜する。この圧電膜5の層としては、例えば蒸着重合法を用いて、ポリ尿素を1μmの厚さを成膜する。
このようにしてポリ尿素による圧電膜5の層を形成した後、図16に示すように、前記圧電膜5の層の上に電極の層17を成膜する。この電極の層17としては、例えば、Alを蒸着法にて1000Å成膜する。Alの代わりに、Cu、Au、Pt、Ag、AlSi等を用いても良い。

0020

次に図17に示すように、電極の層17の上にフォトリソグラフィー技術で第3のレジスト18からなる所望のパターンを形成する。
次に、この第3のレジスト18をマスクにして露出した電極の層17を除去することにより、図18に示すように、前記電極6A〜6Dを複数、この場合は4個のパターンに分離し、最後に、前記犠牲膜15、第1のメッキシード層14及び第3のレジスト18を除去すると、下部錘4Bが梁3(第2のメッキシード層)の中央に形成される。なお、図1では省略したが、この図18では圧電膜5は上部錘4Aの表面にも形成されている。
この状態で、電界と温度をかけて前記圧電膜5を分極させる。例えば、前記電極6A〜6Dに引き出し配線19を導電ペースト20等を用いて接続し、前記引き出し配線19を用いて、前記圧電膜5に電圧を80V印加するとともに、例えば180℃まで加熱することにより、分極化して圧電膜5となる。
このように本実施形態のモーションセンサであると、静電容量型に比べて、浮き電極構造を必要としないため、MEMSプロセスが簡素かつ低コストなものとなる。

0021

なお、前記梁は、Ni等の導電性材料を用いて形成することにより、圧電膜に対する下側電極として機能させたが、この梁をポリイミド樹脂等の絶縁材料を用いて形成してもよく、その場合には、梁の上に導電性材料からなる電極層を形成して、その上に圧電膜を形成すればよい。また、基板をエッチングする際に下部錘の部分をテーパー形状にせず、ストレートに形成してもよい。
さらに、この錘として、上部錘と下部錘とを梁の上下に配設した構成としたが、下部錘だけを設ける構成でもよい。

0022

(ポリ尿素圧電膜の成膜方法
この一連の製造工程中におけるポリ尿素からなる圧電膜の層を成膜する方法について詳細に説明すると、このポリ尿素の成膜には蒸着重合法を用いる。芳香族ジアミン(4,4´−ジアミノジフェニルエーテルODA))と芳香族ジイソシアナート(4,4´ジフェニルメタンジイソシアナートMDI))を真空中でそれぞれ加熱して蒸発させ、基板上に蒸着させる。
[化1]にODAとMDIの縮重合反応を示す。蒸着直後のポリ尿素はオリゴマーと呼ばれる同種の分子数個〜数十個結合した重合体である。この時に電界を印加した状態で加熱すると約80℃からオリゴマー同士が重合反応を起こし100℃で数分加熱するとほぼ重合終わり高分子膜となり、配向が固定され圧電性発現する。

0023

0024

図19にポリ尿素及び電極の蒸着のための装置を示す。この例の蒸着装置21では、ポリ尿素の成膜と電極の蒸着を一貫して行うため、ポリ尿素蒸着槽22と電極蒸着槽23とを備えた2槽式蒸着装置とされている。
ポリ尿素蒸着槽22において、ODAとMDIとそれぞれ加熱、蒸発させ、上方に配置した基板2上に蒸着する。ポリ尿素を良好な圧電膜とするためにはモル比1:1でODAとMDIを供給する必要があることが確認されている。ここで用いる蒸着装置21においては、ODA及びMDIの加熱温度はそれぞれ62℃、122℃とすることで、モル比1:1でODAとMDIを供給できることが確認されている。基板2の温度は、基板2上部に設置したペルチェ素子24により15〜18℃に制御されている。
一方、電極蒸着槽23では、電子ビームを用いてAl電極を蒸着する。

0025

ポリ尿素及びAl電極の形状は基板2下部に設置したマスク25,26により制御されている。また、蒸着速度はULVAC社製水晶発振式成膜コントローラ(CRTM−1000)でモニターした。ポリ尿素の蒸着速度は2〜3Å/s、Al電極は5〜10Å/sである。基板は搬入されてから取り出されるまで、それぞれの蒸着槽22、23を真空を保ったまま移動でき、Al電極の蒸着とポリ尿素膜の蒸着を一貫して行うことができる。
なお、図19において、符号27は蒸着金属の量を計測する水晶発振子マイクロバランス(Quartz Microbalance)、符号28は基板を搬送するベルトコンベア、符号29は搬出入室、符号30は各蒸着槽及び搬出入室を区画するためのシャッターを示す。

0026

PVDFなどの圧電性有機材料は、ウェットプロセスで作製されるため、形状制御が困難であるとともに、バッチプロセス化が困難などの問題があるが、ポリ尿素は、圧電性の有機材料のひとつであり、蒸着重合法と呼ばれる完全ドライプロセスで作製される。従って、薄膜化、膜厚制御、任意形状への成膜が容易になり、現在のピエゾ抵抗型や静電容量型のセンサと同等のサイズのセンサを製作できる可能性がある。
また、感度も高く、例えば、ポリ尿素の圧電定数g280×10−3[Vm/N]は、セラミックス圧電膜PZT−4の圧電定数gに比べて、1桁以上大きなものとなる。

0027

(加速度の検出原理
このように構成したモーションセンサ1において、梁3は、中央部に開口部7を有する基板2に支持されているので、いわゆる両持ち状態に支持されることになり、梁3の中央部を上下に変位させるようにして撓むことができる。
この梁3が下方に向けて凸となるように撓む場合、図20(a)にモデル化して示したように梁3の上面の圧電膜5には圧縮応力が作用する。この圧縮応力による圧電膜5上面の電極6の出力を+とする。一方、梁3が上方に向けて凸となるように撓む場合には、図20(b)に示すように梁3の上面の圧電膜5には引っ張り応力が作用する。この引っ張り応力による圧電膜5上面の電極6の出力を−(マイナス)とする。

0028

このような梁3の変形により3軸加速度を検出する原理について説明する。
図1に示すモーションセンサ1において、梁3の錘4を中心とするX方向、Y方向、Z方向を図のように規定する。
まず、図1のX方向に加速度が加わった場合、上下の錘4A、4Bの質量の相違により重心Gが梁3の中心よりも下方に配置されているため、梁3は図21(a)に示すように変形する。すなわち、錘4の重心位置GはX方向に対して反対の−(マイナス)方向に移動し、このX方向に沿って錘4の両側に配置される圧電膜5の一方の部分(X方向に対して+側の部分)には圧縮応力が働き、その部分に形成されている電極6Aには+の電荷が生じ、出力電圧は+となり、錘4に対して圧電膜5の他方の部分(X方向に対して−(マイナス)側の部分)には引っ張り応力が働き、その部分の上の電極6Cには−(マイナス)の電荷が生じ、出力電圧は−(マイナス)となる。なお、Y方向に沿う錘4の両側の部分には応力が働かず、その上の両電極6B,6Dの出力電圧は0となる。各電極6A〜6Dの出力電圧を図21(b)に示す。

0029

一方、Y方向に加速度が加わった場合は、そのY方向に沿って錘4の両側に配置される圧電膜5の一方の部分に圧縮応力、他方の部分に引っ張り応力、X方向に沿って錘4の両側に配置される部分には応力が働かず、したがって、各電極6A〜6Dの出力電圧は、順に、0、+、0、−となる。
また、Z方向に加速度が加わった場合は、Z軸の+方向の加速度の場合は、図22(a)に示すように、錘4がZ軸の−(マイナス)方向に移動して梁3が下方に向けて凸となるように撓むことにより、その梁3の上の圧電膜5には圧縮応力が働き、その上の各電極6A〜6Dには+の電荷が生じ、出力電圧は図22(b)に示すように全て+となる。Z軸の−(マイナス)方向の加速度の場合は、各出力電圧は全て−(マイナス)となる。
このように梁3の変形の方向と大きさを検出することにより、3軸の加速度を検出することができる。

0030

(3軸加速度検出装置)
図23には、3軸加速度を検出するための加速度検出装置を示す。
この加速度検出装置31は、図1に示すモーションセンサ1において、X軸に沿う電極6A,6C間の差動回路32を有するX軸加速度検知部33と、Y軸に沿う電極6B,6D間の差動回路34を有するY軸加速度検知部35と、すべての電極6A〜6Dの加算回路36を有するZ軸加速度検知部37とを備えた構成とされ、各軸の加速度を独立して検出することができるようになっている。すなわち、これら差動回路32,34、加算回路36、各加速度検知部33,35,37により出力検知手段38が構成される。
図24は、この加速度検出装置31において各軸の加速度による電極6A〜6Dの出力電圧を示しており、表中の「±」は上段が各軸の+方向に加速度が作用した場合、下段が−(マイナス)方向に作用した場合を示している。
このように、この加速度検出装置は、各電極の出力電圧から加速度の3軸の向き、大きさを的確に検出することができる。

0031

(第2実施形態のモーションセンサ構造)
図25及び図26は、第2実施形態のモーションセンサを示している。以下、前記第1実施形態の構成要素と同じ部分には同一符号を付して説明を簡略化する。
この実施形態のモーションセンサ41は、1軸加速度検出装置に用いられるものである。このモーションセンサ41においては、基板42と、その基板42に支持された梁43と、梁43の上面に形成された絶縁膜48と、この絶縁膜48の上に形成された下側電極49と、この下側電極49の上に形成された圧電膜44と、この圧電膜44の上に形成された電極45とを備える構成とされている。前記3軸加速度検出用の場合は梁3は両持ち状態に支持されていたのに対して、この1軸加速度検出用の場合は、梁43は基板42に片持ち状態に設けられている。
すなわち、基板42は、図示例の場合は、枠体部46の一つの辺に、中央の開口部47に延びるように前記梁43が一体に形成され、その梁43の上にポリイミドフィルムからなる絶縁膜48を介して下側電極49が形成され、この下側電極49の上にポリ尿素からなる有機圧電膜44が形成され、この有機圧電膜44の上面に上側の電極45が形成されている。
また、図26に示すように、梁43は下側電極49よりも突出していることにより、その突出端部43aが錘として機能するようになっており、この錘43aによって梁43が上下に動くことにより、梁43の基端部に歪が発生し、その基端部付近に大面積で設けられた圧電膜44によってその歪を容易に検出することができるものである。
この例のように、錘は梁の上又は下に設けてもよいし、梁の延長上に設ける構成としてもよい。

0032

(第2実施形態のモーションセンサの製造方法)
このモーションセンサ41を製造する場合は、ポリイミドのフィルム48上に電極49、圧電膜44、電極45を積層した後、そのポリイミドのフィルム48を基板42に貼り付けることにより製造される。
すなわち、厚さ25μmのポリイミドのフィルム48に下部Al電極49を0.1μmの厚さで蒸着する。その上にポリ尿素の圧電膜44を3.5μmの厚さで形成し、上部Al電極45を1μmの厚さで蒸着する。ポリ尿素が圧電膜44として機能する範囲は上部電極45と下部電極49とが重なる範囲である。製作した素子50をバネ性を持つベリリウム銅からなる片持ちの梁43の固定部付近に接着加速度センサとする。

0033

ポリ尿素の圧電膜の分極にはエレクトレット法を適用した。図27分極装置51のモデル例を示す。製作した素子50を絶縁タイル52の上に設置し、Al電極49、45間に80V/μmの直流電圧を印加した。高圧直流電源53にはAgilent Technologies社製HIGHESISTANCEMETER(4339A)を使用した。また、タイル52に熱電対54を設置して、温度コントローラ55によって分極処理時の温度を制御した。ポリ尿素の耐熱温度(200℃)とポリイミドの耐熱温度(400℃)とを考慮し、分極温度は180℃とし10分間保持する。

0034

(第2実施形態のモーションセンサの動作検証
このモーションセンサ41に加速度を付与すると、梁43の変形とともに圧電膜44が変形するので、この変形により電極45,49から電圧が出力される。その動作検証のために、以下のような実験を行った。
1軸加速度検出用モーションセンサ41を図28に示す測定装置61に固定し、衝撃を与えて衝撃加速度を印加した。
この測定装置61では、ジグ62の間にモーションセンサ41を挟み、EMIC社製加振器(512−D/A)63にNF社製発振器(WF1966)64を用いて正弦波を入力し、ポリテック社製レーザドップラ振動計(CLV1000)65を用いてセンサジグ62の振動速度を測定し、測定した値から振動加速度を算出する。印加する振動加速度が1g(9.8m/s2)で一定となるように、発振器64及びアンプ66の出力を調整した。符号67はオシロスコープを示す。

0035

図29に衝撃加速度をZ軸方向に印加した時のモーションセンサ41の出力電圧を示す。図中Aが印加した衝撃加速度を示す。この衝撃に対して電圧が出力されており、加速度が検出できていることが分かる。
図30には、この図29に示された減衰振動FFT解析結果を示す。FFT解析は、図29に示す時間波形の0.03〜0.031sの範囲に適用した。機械的共振周波数は約320Hzであった。
図31にモーションセンサ41の周波数特性を示す。共振周波数は313Hzであり、図30のFFT解析結果からの得られた共振周波数とほぼ一致している。また非共振周波数での出力電圧は約10mV/gであった。

0036

(第3実施形態のモーションセンサ構造)
図32及び図33は第3実施形態のモーションセンサを示している。
この実施形態のモーションセンサ71も、1軸加速度検出用であり、基板72と、その基板72に片持ち状態に支持された導電性材料からなる梁73と、この梁73に設けられた錘74と、梁73の上面に形成された圧電膜75と、この圧電膜75の上に形成された電極76とを備える構成とされている。

0037

具体的には、基板72は平板状に形成され、その周辺部を枠状に残して、中央部に凹部77が形成されており、その基板72の辺の一部に、メッキシード層78を有する梁73の基端部が固着され、該梁73の先端部は凹部77の上方に臨ませられている。そして、この梁73の先端部上に錘74が固着されているとともに、少なくとも梁73の上面にポリ尿素からなる有機圧電膜75が形成され、有機圧電膜75の上面に電極76が形成されている。
この場合、梁73は、その基端部がV字状に分岐されており、その分岐端部73a,73bの一方では梁73が露出され、この露出状態の梁73の分岐端部73aと、他方の分岐端部73bにおける梁73の上面の電極76とがそれぞれ外部の検出回路に接続される。
すなわち、この例では、梁73が導電性材料からなり、この梁73及びメッキシード層78が圧電膜75に対する下側電極を兼ねた構成とされている。

0038

(第3実施形態のモーションセンサの製造方法)
図34に示すように、例えばガラスセラミックスからなる基板72に凹部77を形成する。
次に、図35に示すように、第1のメッキシード層81を成膜する。この第1のメッキシード層81として、例えばCuをスパッタ法にて3000Å成膜する。また、前記第1のメッキシード層81を成膜する前に密着層として、Crを500Aを成膜しても良い。
次に、図36に示すように、犠牲層82を前記第1のメッキシード層81上に成膜する。前記犠牲層82として、例えばCuを厚さ300μmで電解メッキを用いて成膜する。
次に図37及び図38に示すように、研削、研磨のうち少なくとも一方を用いて、基板72上の前記犠牲層82及び前記第1のメッキシード層81を除去し、前記基板72の表面を露出させる。

0039

次に図39に示すように、第2のメッキシード層83を前記基板72、前記犠牲層82及び前記第1のメッキシード層81上に成膜する。この第2のメッキシード層83としては、例えばNiをスパッタ法を用いて5μm成膜する。Niの他に、NiFe等のNi合金でも良い。
次に図40に示すように、前記基板72上に第1のレジスト84を所望のパターンで形成する。
次に図41に示すように、前記第1のレジスト84をマスクにして、梁73を第2のメッキシード層83上にメッキする。この梁73としては、例えばNiを電界メッキ法にて50μm成膜する。Niの他に、NiFe等のNi合金を用いても良い。この梁73は図42に示すように、基端部がV字状に分岐して、二つの分岐端部73a,73bが形成されている。

0040

そして図43に示すように、前記第1のレジスト84を有機溶剤で除去する。
次に図44に示すように、フォトリソグラフィー技術で第2のレジスト85を梁73の先端部を除く所望のパターンに形成する。
そして図45及び図46に示すように、前記第2のレジスト85をマスクにして、前記梁73上に錘74をメッキする。この錘74としては、例えばNiを電界メッキ法にて50μm成膜する。Niの他に、NiFe等のNi合金を用いても良い。
次に図47に示すように、前記第2のレジスト85を有機溶剤で除去する。
尚、図44から図47の錘74を形成する工程を省略しても良い。
次に図48及び図49に示すように、前記梁73及び前記錘74をマスクにして、不要な第2のメッキシード層83を除去することにより、梁73の下側に形成されるメッキシード層78とする。
次に図50及び図51に示すように、前記犠牲膜82及び第1のメッキシード層81をウエットエッチングで除去すると、梁73が片持ち状態に支持された構成となる。
尚、梁73の片持ち状態が維持されるのであれば、梁73の下方の部分で基板72の一部(下部)を切断しても良く、図50鎖線で示す位置でダイサー等で切断することも可能である。

0041

次に図52及び図53に示すように、梁73の根元の分岐端部73a,73bの一方73aをマスク84で保護した後、圧電膜75を前記梁73及び錘74の上に成膜する。この圧電膜75としては、例えば蒸着重合法により、ポリ尿素を1μmの厚さで成膜する。このとき、梁73や錘74の上だけでなく、他の基板72の上にも圧電膜75が成膜される。
次に図54及び図55に示すように、前記圧電膜75上に前記電極76を成膜する。この電極76としては、例えばAlを蒸着法にて1000Å成膜する。Alの代わりに、Cu、Au、Pt、Ag、AlSi等を用いても良い。
そして、前記マスク84を除去すると図32及び図33に示すように梁73の一方の分岐端部73aが露出する。この露出した分岐端部73aと他方の分岐端部73bの上の電極76との間に、電界と温度をかけて前記圧電膜75を分極させる。例えば、前記分岐端部73aと電極76とに引き出し配線19を導電ペースト20(いずれも図32図33参照)等を用いて接続し、前記圧電膜75に電圧を80V印加するとともに、180℃まで加熱することにより、圧電膜75を分極する。

0042

このようにして製造されたモーションセンサ71は、フォトリソグラフィー等の工程が不要であるため、コストダウンを図ることができる。また、梁73に対して有機圧電膜75と電極76とが自己整合的に位置合わせされ、位置ずれが発生しない。さらに、梁73を片持ち状態に形成した後は、ドライプロセスであり、ウェットプロセス特有水流による梁の変形や毛細管現象による接着(スティッキング)がないため、梁の変形による不良が少ないというメリットがある。
また、この工程を用いると、梁を先端部から見たときに、電極の幅が最も大きく、次いで有機圧電膜の幅、梁の幅の順となり、電極幅>有機圧電膜の幅>梁の幅の関係が成立することになる。

0043

回転速度検出装置
速度Vで運動する質量Mの物体が角速度Ωで回転すると、速度Vと垂直の方向にコリオリの力Fcが働く。フーコー振り子は、振動している振り子に外部から回転を与えると、振り子は円を描きながら振れ出すが、これは振り子の振動方向に垂直な「コリオリの力」が働くからである。このコリオリの力Fcは、Fc=2MV・Ωで与えられる。
このコリオリの力を利用した回転速度検出装置が図56である。
この回転速度検出装置91は、図1及び図2に示した第1の実施形態のモーションセンサ1が用いられ、その4個の電極6A〜6Dのうち、例えばX軸に沿って並ぶ二つの電極6A,6Cの間に励振電圧印加手段として交流電源92が接続され、他の二つの電極6B,6Dの間に、出力検知手段93が接続され、この出力検知手段93には差動回路94と回転速度検出部95とが備えられている。

0044

この回転速度検出装置91において、電極6A,6C間に、図57(b)に入力S,Tで示したように交流電圧を入力すると、錘4の両側で圧電膜5が凹凸を逆にしながら図57(a)に実線と鎖線で示したように交互に変形することにより、錘4を図56実線矢印Aで示すようにX軸方向に振動させる。このとき、錘4にZ軸周りの回転速度Ωzが働くと、コリオリの力(Fc=2M・V・Ω) により、破線矢印Bで示すようにY軸方向に振動が発生する。この振動に伴う電極6B,6Dの出力を差動で検出することにより、このコリオリの力を測定でき、結果として回転速度Ωzが検出されるのである。
励振のための電極と検出のための電極をX軸、Y軸逆にして用いても、同様にコリオリの力を測定でき、Z軸周りの回転速度を検出することができる。

0045

(2方向傾斜角検出装置
図58は傾斜角検出装置の実施形態を示している。
この傾斜角検出装置101に用いられるモーションセンサ102は、4個の電極103A〜103DがいずれもX軸に沿って配置されており、錘4の両側に2個ずつ配置されている。そして、その外側の電極103A,103D間に励振電圧印加手段として交流電源92が接続され、内側の電極103B,103C間に、出力検知手段104として、差動回路105を介して傾斜角検出部106が接続されている。

0046

この傾斜角検出装置101において、対向する2つの電極103A,103Dに交流電圧を印加して生じる振動は、錘(上部錘及び下部錘)4の回転慣性と、この錘4が固着されている梁3の弾性とにより発生する。このとき、基板2にX軸方向に傾きを与えると、図59に示すように、振動中心の軸HがX軸方向にθだけ傾くことになる。この軸Hの傾きにより前記梁3にバイアス応力がかかり、梁3、圧電膜5及び電極103A,103Dの弾性が変化して図60に示すように共振周波数が例えばEからFに変化する。この共振周波数の変化、つまり前記振動中心の軸Hの傾斜角θ検出用電極103B,103C間の差動から求めるのである。
なお、図61に示す傾斜角検出装置107のようにY軸に沿って電極103A〜103Dを並べて配置することにより、Y軸方向の傾斜角を検出することができる。

0047

(圧力検出装置)
図62は圧力検出装置の実施形態を示している。
この圧力検出装置111は、検出部を除き図56の回転速度検出装置と同様な構成とされている。すなわち、モーションセンサは図1及び図2のものと同じモーションセンサ1が用いられており、錘4を介して対向する2個の電極6A,6C間に励振電圧印加手段として交流電源92が接続され、他の2個の電極6B,6D間に出力検知手段112が接続され、この出力検知手段112は、差動回路93を介して圧力検出部113が接続された構成とされている。

0048

この圧力検出装置111において、交流電圧を印加して梁3に振動を生じさせた状態としておき、その状態で上部錘4Aを触ると、共振電流図63の例えばEからJに減少したり共振周波数がEからFに変化するので、その変化を検出用の電極6B,6Dの出力の差動から求めることにより、錘4に接触した物体の圧力を検出することができる。
この場合、図64に示す圧力検出装置115のように、このモーションセンサ116は、錘4とその周りの4個の電極6A〜6Dとのユニットアレイ状に複数配置した構成とすることにより、圧力の大きさや向きだけでなく、分布も検出することができる。この図64中、励振電圧印加手段、出力検知手段の部分は図示を省略する。

0049

(触覚制御装置)
また、図62及び図64の圧力検出装置111,115において、振動している錘4を触る場合、静止している錘4を触るときとは異なった「手触り感」がある。この手触り感は、振動の周波数の変化と入力電圧の強度とにより、変化させることができる。
図65は、そのような触覚制御装置の実施形態を示しており、この触覚制御装置121は、図62等と同じモーションセンサ1を用い、錘4を介して対向する2個の電極6A,6C間に励振用の交流電源92が接続され、他の2個の電極6B,6D間に、出力検知手段112として、差動回路93を介して圧力検出部113が接続され、この圧力検出部113と交流電源92との間に、検出結果に基づき入力を制御する制御部122が設けられた構成とされている。
この場合も、図64の圧力検出装置115と同様に、錘4とその周りの4個の電極6A〜6Dとのユニットをアレイ状に複数配置したモーションセンサ116を用いることにより、点字ディスプレイ状の触覚制御装置を構成することができる。
また、X軸、Y軸の2つの振動を組み合わせて、上部錘4A先端に楕円振動軌跡となるような振動を生じさせると、その錘4に触った指に「送られる」感じを与えることができる。

0050

本発明は前記各実施形態の構造等に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、基板の材料としては、硼珪酸ガラスを用いたが、硼珪酸ガラスの代わりに、結晶化ガラス石英アルミナ窒化ケイ素(SiN)、ガラスセラミックス、ジルコニア、水晶、サファイヤ等の絶縁材料、金属、合金等の導体、Si、炭化ケイ素(SiC)、等の半導体材料を用いても良い。
また、有機圧電膜をポリ尿素によって構成しているが、ポリ尿素の代わりに、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の圧電高分子やAlNやZnO等の圧電セラミックスを用いることを除外するものではなく、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、P(VDF/TrFE)=VDF(フッ化ビニリデン)とTrFE(三フッ化エチレン)の共重合体、P(VDF/TeFE)=VDF(フッ化ビニリデン)とTeFE(四フッ化エチレン)の共重合体、P(VDCN/ VAc)=VDCN(シアン化ビニリデン)とVAc酢酸ビニル交互共重合体の少なくともいずれかを含むものとしてもよい。

0051

以上のように、本発明にかかるモーションセンサは、小型化、低コスト化及び耐衝撃性向上が可能となるので、車両、楽器携帯電話ゲーム機器リモコン等の姿勢動き検出などの用途に有用である。

図面の簡単な説明

0052

本発明の第1の実施形態のモーションセンサを示す斜視図である。
図1のX軸に沿う断面図である。
図1のモーションセンサの製造方法を図3から図18までに順に示しており、基板の断面図である。
基板にレジストを形成した状態を示す断面図である。
図4の状態から基板をエッチングした状態を示す断面図である。
図5の状態からレジストを除去した状態を示す断面図である。
図6の状態から第1のメッキシード層を形成した状態を示す断面図である。
図7の状態から犠牲層を形成した状態を示す断面図である。
図8の状態から犠牲層及びメッキシード層の上部を除去した状態を示す断面図である。
図9の状態から第2のメッキシード層を形成した状態を示す断面図である。
図10の状態から基板の一部を除去した状態を示す断面図である。
図11の状態からレジストを形成した状態を示す断面図である。
図12の状態から上部錘を形成した状態を示す断面図である。
図13の状態からレジストを除去した状態を示す断面図である。
図14の状態から圧電膜を形成した状態を示す断面図である。
図15の状態から電極の層を形成した状態を示す断面図である。
図16の状態からレジストを形成した状態を示す断面図である。
図17の状態から電極を形成し、レジストを除去した状態を示す断面図である。
圧電膜及び電極の蒸着装置を示すモデル図である。
梁の変形と圧電膜の応力との関係を示す断面図である。
錘にX方向の加速度が作用した状態を示しており、(a)が断面図、(b)が各電極の出力を示す表である。
錘にZ方向の加速度が作用した状態を示しており、(a)が断面図、(b)が各電極の出力を示す表である。
3軸加速度検出装置を示すブロック図である。
図23の各電極の出力を示す表である。
本発明の第2実施形態のモーションセンサを示す側面図である。
図25の平面図である。
分極装置のモデル図である。
図25のモーションセンサの動作検証に用いた測定装置のモデル図である。
図25のモーションセンサの出力波形図である。
図29の振動のFFT分析図である。
図25のモーションセンサの周波数特性図である。
本発明の第3実施形態のモーションセンサを示す断面図である。
図32の平面図である。
図32のモーションセンサの製造方法を図34から図55までに順に示しており、基板に凹部を形成した状態の断面図である。
図34の状態から第1のメッキシード層を形成した状態を示す断面図である。
図35の状態から犠牲層を形成した状態を示す断面図である。
図36の状態から犠牲層の上部を除去した状態を示す断面図である。
図37の平面図である。
図37の状態から第2のメッキシード層を形成した状態を示す断面図である。
図39の状態からレジストを形成した状態を示す断面図である。
図40の状態から梁を形成した状態を示す断面図である。
図41の平面図である。
図41の状態からレジストを除去した状態を示す断面図である。
図43の状態からレジストを形成した状態を示す断面図である。
図44の状態から錘を形成した状態を示す断面図である。
図45の平面図である。
図45の状態からレジストを除去した状態を示す断面図である。
図47の状態から第2のメッキシード層の一部をエッチングで除去した状態を示す断面図である。
図48の平面図である。
図48の状態から犠牲層及び第1のメッキシード層を除去した状態を示す断面図である。
図50の平面図である。
図50の状態から圧電膜を形成した状態を示す断面図である。
図52の平面図である。
図52の状態から電極を形成した状態を示す断面図である。
図54の平面図である。
本発明を利用した回転速度検出装置の実施形態を示すモデル図である。
図56における入力と梁の振動状態とを示すもので、(a)が断面図、(b)が入力関係図である。
本発明を利用した傾斜角検出装置の実施形態を示すモデル図である。
図58における錘の傾斜角を示す断面図である。
図58の傾斜角検出装置における振動周波数の変化を示すグラフである。
傾斜角検出装置の他の例を示すモデル図である。
本発明を利用した圧力検出装置の実施形態を示すモデル図である。
図62の圧力検出装置における振動周波数の変化を示すグラフである。
圧力検出装置の他の例を示すモデル図である。
本発明を利用した触覚制御装置の実施形態を示すモデル図である。

符号の説明

0053

1…モーションセンサ、2…基板、3…梁、4…錘、4A…上部錘、4B…下部錘、5…圧電膜、6A〜6D…電極、7…開口部、G…重心、31…加速度検出装置、32…差動回路、33…X軸加速度検知部、34…差動回路、35…Y軸加速度検知部、36…加算回路、37…Z軸加速度検知部、41…モーションセンサ、42…基板、43…梁、43a…錘、44…圧電膜、45…電極、47…開口部、48…絶縁膜、49…下側電極、71…モーションセンサ、72…基板、73…梁、74…錘、75…圧電膜、76…電極、77…凹部、78…メッキシード層、91…回転速度検出装置、92…交流電源(励振電圧印加手段)、93…出力検知手段、94…差動回路、95…回転速度検出部、101…傾斜角検出装置、102…モーションセンサ、103A〜103D…電極、104…出力検知手段、105…差動回路、106…傾斜角検出部、107…傾斜角検出装置、111…圧力検出装置、112…出力検知手段、113…圧力検出部、115…圧力検出装置、116…モーションセンサ、121…触覚制御装置、122…制御部

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