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技術 充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置

出願人 日本精工株式会社
発明者 渡辺逸男東倉廣男小泉和則
出願日 2007年5月2日 (12年4ヶ月経過) 出願番号 2007-121430
公開日 2008年8月7日 (11年1ヶ月経過) 公開番号 2008-180358
状態 未査定
技術分野 軸受の取付、その他 軸受の取付、その他 軸受の他の付属品(センサ等)
主要キーワード 隙間設定 リアクタンス変化 モールド剤 ギャップ変化 クロスローラ 軸受構成 ダイレクトドライブモータ 外輪被支持体
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重要な関連分野

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図面 (6)

課題

転がり軸受装置に径方向荷重が加わった場合に、レゾルバの誤検出を防止するのに好適な転がり軸受装置を提供する。

解決手段

ダイレクトドライブモータ100は、内輪14aおよび外輪14bを有するクロスローラ軸受14と、内輪14aの内周面隙間設定で嵌合し内輪14aに支持されるハウジングインナ22と、外輪14bの外周面に隙間設定で嵌合し外輪14bに支持されるロータ12と、ハウジングインナ22とロータ12の間のリラクタンスがロータ12の位置により変化するレゾルバ30とを有して構成されている。そして、ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面に溜まり溝38aを形成し、溜まり溝38aとハウジングインナ22の内周面を接続する配管42aを形成し、組み立て後に配管42aを通じて充填剤注入し、嵌合面の隙間32aに充填剤を充填する。

概要

背景

従来、転がり軸受装置としては、転がり軸受およびレゾルバを備える転がり軸受装置が知られている。
図5は、従来の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
転がり軸受装置200は、図5に示すように、固定子であるハウジングインナ22と、回転子であるロータ12と、ロータ12とハウジングインナ22の間に介在してロータ12を回転可能に支持するクロスローラ軸受14とを有して構成されている。

クロスローラ軸受14は、内輪14aおよび外輪14bを有して構成されている。内輪14aは、ハウジングインナ22の外周面に嵌合し、内輪押え26により軸方向に押圧された状態でハウジングインナ22に固定されている。外輪14bは、ロータ12の内周面に嵌合し、外輪押え28により軸方向に押圧された状態でロータ12に固定されている。ここで、ハウジングインナ22と内輪14aの嵌め合い、およびロータ12と外輪14bの嵌め合いは、クロスローラ軸受14にストレスを加えないために隙間設定となっている。

ロータ12とハウジングインナ22の間には、ロータ12の回転角度を検出するためのレゾルバ30が設けられている。
レゾルバ30は、クロスローラ軸受14の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、レゾルバロータ18との間のリラクタンス変化を検出する位置検出器20とを有して構成されている。レゾルバロータ18はロータ12の内周面に、位置検出器20はハウジングインナ22の外周面に一体に取り付けられている。レゾルバロータ18を偏心させてレゾルバロータ18と位置検出器20の間の距離を円周方向に変化させることにより、リラクタンスがレゾルバロータ18の位置により変化するようになっている。したがって、ロータ12の1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるため、レゾルバ30は、ロータ12の回転角度位置に応じて変化するレゾルバ信号を出力する。

なお、軸方向の予圧を付与して内輪14aおよび外輪14bを固定する転がり軸受装置としては、例えば、特許文献1記載の軸受装置が知られている。
特開2005−69252号公報

概要

転がり軸受装置に径方向荷重が加わった場合に、レゾルバの誤検出を防止するのに好適な転がり軸受装置を提供する。ダイレクトドライブモータ100は、内輪14aおよび外輪14bを有するクロスローラ軸受14と、内輪14aの内周面に隙間設定で嵌合し内輪14aに支持されるハウジングインナ22と、外輪14bの外周面に隙間設定で嵌合し外輪14bに支持されるロータ12と、ハウジングインナ22とロータ12の間のリラクタンスがロータ12の位置により変化するレゾルバ30とを有して構成されている。そして、ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面に溜まり溝38aを形成し、溜まり溝38aとハウジングインナ22の内周面を接続する配管42aを形成し、組み立て後に配管42aを通じて充填剤注入し、嵌合面の隙間32aに充填剤を充填する。

目的

また、この場合、クロスローラ軸受14に内部予圧がかかっているため、焼き嵌めを行うこともできない。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わった場合に、レゾルバの誤検出を防止するのに好適な充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置を提供することを目的としている。

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪の内周面に嵌合し前記内輪に支持される中空内輪被支持体と、前記外輪の外周面に嵌合し前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間のリラクタンスがそれらの相対位置により変化するレゾルバとを備える転がり軸受装置において、前記内輪被支持体の前記内輪との嵌合面に溜まり溝を形成し、前記溜まり溝と前記内輪被支持体の内周面を接続する配管を形成したことを特徴とする充填剤注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項2

請求項1において、前記溜まり溝と前記内輪被支持体の内周面を接続する複数の配管を形成したことを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項3

請求項1および2のいずれか1項において、前記内輪被支持体の前記内輪との嵌合面に複数の前記溜まり溝を形成したことを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項4

内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪の内周面に嵌合し前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪の外周面に嵌合し前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間のリラクタンスがそれらの相対位置により変化するレゾルバとを備える転がり軸受装置において、前記外輪被支持体の前記外輪との嵌合面に溜まり溝を形成し、前記溜まり溝と前記外輪被支持体の外周面を接続する配管を形成したことを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項5

請求項4において、前記溜まり溝と前記外輪被支持体の外周面を接続する複数の配管を形成したことを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項6

請求項4および5のいずれか1項において、前記外輪被支持体の前記外輪との嵌合面に複数の前記溜まり溝を形成したことを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項7

請求項1ないし6のいずれか1項において、前記レゾルバは、内周および外周の一方を前記転がり軸受の軸心に対して偏心させた円環状の被検出体と、前記被検出体との間のリラクタンス変化を検出する検出手段とを有し、前記被検出体の内周および外周のうち偏心している側が前記検出手段に対向するように、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方に前記被検出体を、他方に前記検出手段を設けたことを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項8

請求項1および4のいずれか1項において、さらに、軸方向の予圧を付与して前記内輪被支持体に前記内輪を固定する内輪固定手段を備え、前記内輪固定手段を前記内輪被支持体よりも熱膨張率の高い材質で構成し、前記内輪被支持体が前記内輪固定手段を径方向外側から嵌合するように、前記内輪固定手段および前記内輪被支持体を、それらの軸方向の端部にインロー部を形成してインロー嵌合したことを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項9

請求項8において、前記内輪固定手段および前記内輪被支持体は、前記内輪固定手段が前記内輪に接触する状態において、前記インロー部を構成する凸段部と凹段部の間に軸方向の隙間が、前記内輪固定手段と前記内輪被支持体の間に軸方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されていることを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項10

請求項8および9のいずれか1項において、前記内輪固定手段は、前記内輪と前記内輪固定手段の間に径方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されていることを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項11

請求項1および4のいずれか1項において、さらに、軸方向の予圧を付与して前記外輪被支持体に前記外輪を固定する外輪固定手段を備え、前記外輪固定手段を前記外輪被支持体よりも熱膨張率の高い材質で構成し、前記外輪被支持体が前記外輪固定手段を径方向外側から嵌合するように、前記外輪固定手段および前記外輪被支持体を、それらの軸方向の端部にインロー部を形成してインロー嵌合したことを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項12

請求項11において、前記外輪固定手段および前記外輪被支持体は、前記外輪固定手段が前記外輪に接触する状態において、前記インロー部を構成する凸段部と凹段部の間に軸方向の隙間が、前記外輪固定手段と前記外輪被支持体の間に軸方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されていることを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

請求項13

請求項11および12のいずれか1項において、前記外輪固定手段は、前記外輪と前記外輪固定手段の間に径方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されていることを特徴とする充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置。

技術分野

0001

本発明は、転がり軸受およびレゾルバを備える転がり軸受装置に係り、特に、転がり軸受装置に径方向荷重が加わった場合に、レゾルバの誤検出を防止するのに好適な充填剤注入構造を有する転がり軸受装置に関する。

背景技術

0002

従来、転がり軸受装置としては、転がり軸受およびレゾルバを備える転がり軸受装置が知られている。
図5は、従来の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。
転がり軸受装置200は、図5に示すように、固定子であるハウジングインナ22と、回転子であるロータ12と、ロータ12とハウジングインナ22の間に介在してロータ12を回転可能に支持するクロスローラ軸受14とを有して構成されている。

0003

クロスローラ軸受14は、内輪14aおよび外輪14bを有して構成されている。内輪14aは、ハウジングインナ22の外周面に嵌合し、内輪押え26により軸方向に押圧された状態でハウジングインナ22に固定されている。外輪14bは、ロータ12の内周面に嵌合し、外輪押え28により軸方向に押圧された状態でロータ12に固定されている。ここで、ハウジングインナ22と内輪14aの嵌め合い、およびロータ12と外輪14bの嵌め合いは、クロスローラ軸受14にストレスを加えないために隙間設定となっている。

0004

ロータ12とハウジングインナ22の間には、ロータ12の回転角度を検出するためのレゾルバ30が設けられている。
レゾルバ30は、クロスローラ軸受14の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、レゾルバロータ18との間のリラクタンス変化を検出する位置検出器20とを有して構成されている。レゾルバロータ18はロータ12の内周面に、位置検出器20はハウジングインナ22の外周面に一体に取り付けられている。レゾルバロータ18を偏心させてレゾルバロータ18と位置検出器20の間の距離を円周方向に変化させることにより、リラクタンスがレゾルバロータ18の位置により変化するようになっている。したがって、ロータ12の1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるため、レゾルバ30は、ロータ12の回転角度位置に応じて変化するレゾルバ信号を出力する。

0005

なお、軸方向の予圧を付与して内輪14aおよび外輪14bを固定する転がり軸受装置としては、例えば、特許文献1記載の軸受装置が知られている。
特開2005−69252号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記従来の転がり軸受装置200にあっては、軸方向については予圧を付与して内輪14aおよび外輪14bを固定するが、径方向については隙間設定での嵌合により内輪14aおよび外輪14bを固定する構成となっているため、転がり軸受装置200に径方向の荷重が加わると、ハウジングインナ22と内輪14aの間の距離がその隙間分だけ、ロータ12と外輪14bの間の距離がその隙間分だけそれぞれ変化し、これに伴ってレゾルバ30のギャップが変化する。そのため、ロータ12の回転角度位置を正確に検出することができないという問題があった。

0007

また、この場合、クロスローラ軸受14に内部予圧がかかっているため、焼き嵌めを行うこともできない。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わった場合に、レゾルバの誤検出を防止するのに好適な充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

0008

〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪の内周面に嵌合し前記内輪に支持される中空内輪被支持体と、前記外輪の外周面に嵌合し前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間のリラクタンスがそれらの相対位置により変化するレゾルバとを備える転がり軸受装置において、前記内輪被支持体の前記内輪との嵌合面に溜まり溝を形成し、前記溜まり溝と前記内輪被支持体の内周面を接続する配管を形成した。

0009

このような構成であれば、転がり軸受により、内輪被支持体および外輪被支持体が相対的に回転可能に支持される。
溜まり溝と内輪被支持体の内周面を接続する配管が形成されているので、配管を通じて充填剤を溜まり溝に注入すると、内輪被支持体と内輪の嵌合面の隙間に充填剤が充填される。また、内輪被支持体の内輪との嵌合面に溜まり溝が形成されているので、充填剤が溜まり溝に流入し充填しやすい。そして、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わると、内輪被支持体と内輪の嵌合面の隙間に充填剤が充填されているので、内輪被支持体と内輪の間の距離が変化するのが抑制される。

0010

ここで、内輪被支持体および外輪被支持体は、転がり軸受により相対的に回転可能に支持されていればよく、内輪被支持体が固定されて外輪被支持体が回転可能に支持されていてもよいし、外輪被支持体が固定されて内輪被支持体が回転可能に支持されていてもよいし、両者が回転可能に支持されていてもよい。以下、発明4の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において同じである。

0011

また、溜まり溝は、内輪被支持体の内輪との嵌合面であれば任意の箇所に設けることができるが、充填剤の充填を容易にする観点からは、内輪被支持体の内輪の内周面との嵌合面に設けることが好ましい。
また、充填剤とは、嵌合面の隙間の距離が荷重により変化するのを防止または抑制する作用を有すればよく、例えば、モールド剤接着剤が含まれる。緩衝作用または弾性作用を有していてもよいし、緩衝作用または弾性作用を有していなくてもよい。以下、発明4の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において同じである。

0012

また、内輪被支持体の内輪との嵌合面とは、内輪被支持体および内輪を嵌合した状態において、内輪被支持体の表面のうち内輪と接触または対向する面をいう。これには、例えば、内輪被支持体の内輪の内周面との嵌合面、または内輪被支持体の内輪の下面との嵌合面が含まれる。

0013

〔発明2〕 さらに、発明2の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、前記溜まり溝と前記内輪被支持体の内周面を接続する複数の配管を形成した。
このような構成であれば、例えば、一の配管から充填剤を注入し、他の配管から充填剤の排出を確認することにより、内輪被支持体と内輪の嵌合面の隙間への充填剤の回り込みを確認することができる。

0014

〔発明3〕 さらに、発明3の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明1および2のいずれか1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、前記内輪被支持体の前記内輪との嵌合面に複数の前記溜まり溝を形成した。
このような構成であれば、内輪被支持体の内輪との嵌合面に複数の溜まり溝が形成されているので、充填剤が複数の溜まり溝に流入しさらに充填しやすい。
ここで、溜まり溝は、内輪被支持体の円周方向に断続的に複数設けてもよいし、内輪被支持体の軸方向に複数設けてもよい。

0015

〔発明4〕 さらに、発明4の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪の内周面に嵌合し前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪の外周面に嵌合し前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間のリラクタンスがそれらの相対位置により変化するレゾルバとを備える転がり軸受装置において、前記外輪被支持体の前記外輪との嵌合面に溜まり溝を形成し、前記溜まり溝と前記外輪被支持体の外周面を接続する配管を形成した。

0016

このような構成であれば、転がり軸受により、内輪被支持体および外輪被支持体が相対的に回転可能に支持される。
溜まり溝と外輪被支持体の外周面を接続する配管が形成されているので、配管を通じて充填剤を溜まり溝に注入すると、外輪被支持体と外輪の嵌合面の隙間に充填剤が充填される。また、外輪被支持体の外輪との嵌合面に溜まり溝が形成されているので、充填剤が溜まり溝に流入し充填しやすい。そして、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わると、外輪被支持体と外輪の嵌合面の隙間に充填剤が充填されているので、外輪被支持体と外輪の間の距離が変化するのが抑制される。

0017

ここで、溜まり溝は、外輪被支持体の外輪との嵌合面であれば任意の箇所に設けることができるが、充填剤の充填を容易にする観点からは、外輪被支持体の外輪の外周面との嵌合面に設けることが好ましい。
また、外輪被支持体の外輪との嵌合面とは、外輪被支持体および外輪を嵌合した状態において、外輪被支持体の表面のうち外輪と接触または対向する面をいう。これには、例えば、外輪被支持体の外輪の外周面との嵌合面、または外輪被支持体の外輪の下面との嵌合面が含まれる。

0018

〔発明5〕 さらに、発明5の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明4の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、前記溜まり溝と前記外輪被支持体の外周面を接続する複数の配管を形成した。
このような構成であれば、例えば、一の配管から充填剤を注入し、他の配管から充填剤の排出を確認することにより、外輪被支持体と外輪の嵌合面の隙間への充填剤の回り込みを確認することができる。

0019

〔発明6〕 さらに、発明6の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明4および5のいずれか1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、前記外輪被支持体の前記外輪との嵌合面に複数の前記溜まり溝を形成した。
このような構成であれば、外輪被支持体の外輪との嵌合面に複数の溜まり溝が形成されているので、充填剤が複数の溜まり溝に流入しさらに充填しやすい。
ここで、溜まり溝は、外輪被支持体の円周方向に断続的に複数設けてもよいし、外輪被支持体の軸方向に複数設けてもよい。

0020

〔発明7〕 さらに、発明7の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明1ないし6のいずれか1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、前記レゾルバは、内周および外周の一方を前記転がり軸受の軸心に対して偏心させた円環状の被検出体と、前記被検出体との間のリラクタンス変化を検出する検出手段とを有し、前記被検出体の内周および外周のうち偏心している側が前記検出手段に対向するように、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方に前記被検出体を、他方に前記検出手段を設けた。

0021

このような構成であれば、内輪被支持体および外輪被支持体が相対的に回転すると、これに伴って検出手段および被検出体も相対的に回転する。そして、被検出体の内周および外周のうち検出手段に対向する側が偏心しているので、回転によりリラクタンス変化が生じ、検出手段により、そのリラクタンス変化が検出される。
このように、1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるタイプのレゾルバでは、荷重によるギャップ変化の影響が大きいので、ギャップ変化の抑制は、誤検出防止に効果的である。

0022

ここで、被検出体および検出手段については、内輪被支持体に被検出体を、外輪被支持体に検出手段を設けてもよいし、その逆の配置で設けてもよい。前者の場合は、被検出体の外周を偏心させ、被検出体の外周を検出手段に対向させて被検出体および検出手段を設ける。後者の場合は、被検出体の内周を偏心させ、被検出体の内周を検出手段に対向させて被検出体および検出手段を設ける。

0023

〔発明8〕 さらに、発明8の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明1および4のいずれか1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、さらに、軸方向の予圧を付与して前記内輪被支持体に前記内輪を固定する内輪固定手段を備え、前記内輪固定手段を前記内輪被支持体よりも熱膨張率の高い材質で構成し、前記内輪被支持体が前記内輪固定手段を径方向外側から嵌合するように、前記内輪固定手段および前記内輪被支持体を、それらの軸方向の端部にインロー部を形成してインロー嵌合した。

0024

このような構成であれば、温度が上昇すると、内輪固定手段が内輪被支持体よりも膨張しようとするが、内輪被支持体が径方向外側に配置されているので内輪被支持体により抑制される。したがって、内輪被支持体と内輪固定手段の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。
ここで、インロー部は、内輪固定手段および内輪被支持体をインロー嵌合するための凹凸段部であって、内輪固定手段および内輪被支持体の一方に凹段部を、他方に凸段部を設ければよい。また、インロー部は、内輪固定手段および内輪被支持体の内周面側に設けてもよいし、外周面側に設けてもよい。

0025

〔発明9〕 さらに、発明9の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明8の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、前記内輪固定手段および前記内輪被支持体は、前記内輪固定手段が前記内輪に接触する状態において、前記インロー部を構成する凸段部と凹段部の間に軸方向の隙間が、前記内輪固定手段と前記内輪被支持体の間に軸方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。

0026

このような構成であれば、使用温度範囲内で内輪固定手段および内輪被支持体が軸方向に膨張しても、凸段部と凹段部、および内輪固定手段と内輪被支持体が接触することがないので、内輪固定手段および内輪被支持体の軸方向の嵌合については、常に、内輪固定手段が内輪を固定する状態を維持することができる。

0027

〔発明10〕 さらに、発明10の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明8および9のいずれか1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、前記内輪固定手段は、前記内輪と前記内輪固定手段の間に径方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。
このような構成であれば、使用温度範囲内で内輪固定手段および内輪被支持体が膨張しても、内輪と内輪固定手段が接触することがないので、内輪と内輪固定手段および内輪被支持体の径方向の嵌合については、常に、内輪被支持体が内輪を固定する状態を維持することができる。

0028

〔発明11〕 さらに、発明11の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明1および4のいずれか1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、さらに、軸方向の予圧を付与して前記外輪被支持体に前記外輪を固定する外輪固定手段を備え、前記外輪固定手段を前記外輪被支持体よりも熱膨張率の高い材質で構成し、前記外輪被支持体が前記外輪固定手段を径方向外側から嵌合するように、前記外輪固定手段および前記外輪被支持体を、それらの軸方向の端部にインロー部を形成してインロー嵌合した。

0029

このような構成であれば、温度が上昇すると、外輪固定手段が外輪被支持体よりも膨張しようとするが、外輪被支持体が径方向外側に配置されているので外輪被支持体により抑制される。したがって、外輪被支持体と外輪固定手段の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。
ここで、インロー部は、外輪固定手段および外輪被支持体をインロー嵌合するための凹凸段部であって、外輪固定手段および外輪被支持体の一方に凹段部を、他方に凸段部を設ければよい。また、インロー部は、外輪固定手段および外輪被支持体の内周面側に設けてもよいし、外周面側に設けてもよい。

0030

〔発明12〕 さらに、発明12の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明11の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、前記外輪固定手段および前記外輪被支持体は、前記外輪固定手段が前記外輪に接触する状態において、前記インロー部を構成する凸段部と凹段部の間に軸方向の隙間が、前記外輪固定手段と前記外輪被支持体の間に軸方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。

0031

このような構成であれば、使用温度範囲内で外輪固定手段および外輪被支持体が軸方向に膨張しても、凸段部と凹段部、および外輪固定手段と外輪被支持体が接触することがないので、外輪固定手段および外輪被支持体の軸方向の嵌合については、常に、外輪固定手段が外輪を固定する状態を維持することができる。

0032

〔発明13〕 さらに、発明13の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置は、発明11および12のいずれか1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置において、前記外輪固定手段は、前記外輪と前記外輪固定手段の間に径方向の隙間が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。

0033

このような構成であれば、使用温度範囲内で外輪固定手段および外輪被支持体が膨張しても、外輪と外輪固定手段が接触することがないので、外輪と外輪固定手段および外輪被支持体の径方向の嵌合については、常に、外輪被支持体が外輪を固定する状態を維持することができる。

発明の効果

0034

以上説明したように、発明1の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、配管を通じて充填剤を注入すれば、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わっても、従来に比して、内輪被支持体と内輪の間の距離が変化するのが抑制されるので、荷重によるレゾルバのギャップ変化が抑制され、レゾルバが誤検出する可能性を低減することができるという効果が得られる。また、転がり軸受装置の組み立て後に配管を通じて充填剤を注入することができるので、嵌合面の隙間に充填剤を確実に充填することができるという効果も得られる。さらに、内輪被支持体の内輪との嵌合面に溜まり溝が形成されているので、充填剤が充填しやすくなるという効果も得られる。

0035

さらに、発明2の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、内輪被支持体と内輪の嵌合面の隙間への充填剤の回り込みを確認することができるという効果が得られる。
さらに、発明3の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、内輪被支持体の内輪との嵌合面に複数の溜まり溝が形成されているので、充填剤がさらに充填しやすくなるという効果が得られる。

0036

さらに、発明4の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、配管を通じて充填剤を注入すれば、転がり軸受装置に径方向の荷重が加わっても、従来に比して、外輪被支持体と外輪の間の距離が変化するのが抑制されるので、荷重によるレゾルバのギャップ変化が抑制され、レゾルバが誤検出する可能性を低減することができるという効果が得られる。また、転がり軸受装置の組み立て後に配管を通じて充填剤を注入することができるので、嵌合面の隙間に充填剤を確実に充填することができるという効果も得られる。さらに、外輪被支持体の外輪との嵌合面に溜まり溝が形成されているので、充填剤が充填しやすくなるという効果も得られる。

0037

さらに、発明5の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、外輪被支持体と外輪の嵌合面の隙間への充填剤の回り込みを確認することができるという効果が得られる。
さらに、発明6の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、外輪被支持体の外輪との嵌合面に複数の溜まり溝が形成されているので、充填剤がさらに充填しやすくなるという効果が得られる。

0038

さらに、発明8の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、温度が上昇しても、内輪被支持体と内輪固定手段の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができるという効果が得られる。
さらに、発明9の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、内輪固定手段および内輪被支持体の軸方向の嵌合については、常に、内輪固定手段が内輪を固定する状態を維持することができるという効果が得られる。

0039

さらに、発明10の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、内輪と内輪固定手段および内輪被支持体の径方向の嵌合については、常に、内輪被支持体が内輪を固定する状態を維持することができるという効果が得られる。
さらに、発明11の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、温度が上昇しても、外輪被支持体と外輪固定手段の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができるという効果が得られる。

0040

さらに、発明12の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、外輪固定手段および外輪被支持体の軸方向の嵌合については、常に、外輪固定手段が外輪を固定する状態を維持することができるという効果が得られる。
さらに、発明13の充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置によれば、外輪と外輪固定手段および外輪被支持体の径方向の嵌合については、常に、外輪被支持体が外輪を固定する状態を維持することができるという効果が得られる。

発明を実施するための最良の形態

0041

〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置の第1の実施の形態を示す図である。
まず、本発明を適用するダイレクトドライブモータの構成を説明する。
図1は、ダイレクトドライブモータ100の軸方向の断面図である。

0042

ダイレクトドライブモータ100は、図1に示すように、固定子である中空のハウジングインナ22と、回転子であるロータ12と、ロータ12とハウジングインナ22の間に介在してロータ12を回転可能に支持するクロスローラ軸受14とを有して構成されている。
ロータ12とハウジングインナ22の間には、ロータ12に回転トルクを付与するコイル16と、ロータ12の回転角度を検出するためのレゾルバ30とが設けられている。

0043

レゾルバ30は、クロスローラ軸受14の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、レゾルバロータ18との間のリラクタンス変化を検出する位置検出器20とを有して構成されている。レゾルバロータ18は、ボルト18aによりロータ12の内周面に一体に取り付けられ、位置検出器20は、ボルト20aによりハウジングインナ22の外周面に一体に取り付けられている。レゾルバロータ18を偏心させてレゾルバロータ18と位置検出器20の間の距離を円周方向に変化させることにより、リラクタンスがレゾルバロータ18の位置により変化するようになっている。したがって、ロータ12の1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるため、レゾルバ30は、ロータ12の回転角度位置に応じて変化するレゾルバ信号を出力する。

0044

そして、コイル16に通電することにより、ロータ12およびレゾルバロータ18が一体に回転し、位置検出器20によりリアクタンス変化を検出し、制御器(不図示)により回転速度や位置決めの制御を行う構造となっている。
本実施の形態では、モータの外側が回転するアウターロータ型にて説明しているが、モータの内側が回転するインナーロータ型に採用しても何等問題はない。ダイレクトドライブモータ100は、軸受構成部分を除いて従来のダイレクトドライブモータと同一の周知構成であるため、以下、本発明の特徴的部分である軸受構成について説明する。なお、ダイレクトドライブモータ100の軸受構成部分を除いた構成にあっては、特に図示例に限定されるものではなく、他の周知構成が本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。

0045

クロスローラ軸受14は、内輪14aと、外輪14bと、内輪14aおよび外輪14bの間で転動可能に設けられた複数のクロスローラ(ころ)14cとを有して構成されている。クロスローラ14cは、直径が長さよりわずかに大きな略円筒状で、軌道偶数番目回転軸と、軌道上奇数番目の回転軸が互いに90°傾斜している。
ハウジングインナ22の外周面には、径方向外側に突出したフランジ22aが形成され、内輪14aの下面をフランジ22aに接触させてハウジングインナ22の外周面に内輪14aが嵌合されている。そして、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの上面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでハウジングインナ22に締結することにより、内輪14aは、ハウジングインナ22に軸方向に押圧された状態でハウジングインナ22に固定される。

0046

一方、ロータ12の内周面には、径方向内側に突出したフランジ12aが形成され、外輪14bの下面をフランジ12aに接触させてロータ12の内周面に外輪14bが嵌合されている。そして、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの上面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでロータ12に締結することにより、外輪14bは、ロータ12に軸方向に押圧された状態でロータ12に固定される。

0047

ハウジングインナ22と内輪14aの嵌め合い、およびロータ12と外輪14bの嵌め合いは、クロスローラ軸受14にストレスを加えないために隙間設定となっている。
ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面には、径方向内側に略コの字形状に窪んだ溜まり溝38aが形成され、さらにハウジングインナ22には、溜まり溝38aとハウジングインナ22の内周面を接続する配管42aが形成されている。

0048

一方、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面には、径方向外側に略コの字形状に窪んだ溜まり溝38bが形成され、さらにロータ12には、溜まり溝38bとロータ12の外周面を接続する配管42bが形成されている。
配管42a、42bにより、ハウジングインナ22と内輪14aの嵌合面の隙間32a、およびロータ12と外輪14bの嵌合面の隙間32bに充填剤(例えば、モールド剤、接着剤)を充填することができる。具体的には、ダイレクトドライブモータ100の組み立て後に、ハウジングインナ22の内周面に形成される配管42aの開口部から充填剤を、ロータ12の外周面に形成される配管42bの開口部から充填剤を注入装置等により注入する。充填剤は、配管42a、42bを通じて嵌合面の隙間32a、32bに充填される。内輪14aおよび外輪14bが既に嵌合された状態にあるので、嵌合面の隙間32a、32bに充填剤を確実に充填することができる。また、充填剤が溜まり溝38a、38bに流入するので充填しやすい。充填が完了した後は、配管42a、42bに栓44a、44bを介挿して充填剤を封止する。

0049

次に、本実施の形態の動作を説明する。
コイル16に通電すると、ロータ12に回転トルクが付与され、ロータ12が回転する。そして、位置検出器20により、ロータ12と一体に回転するレゾルバロータ18との間のリラクタンス変化が検出され、制御器(不図示)により回転速度や位置決めの制御が行われる。

0050

ダイレクトドライブモータ100に径方向の荷重が加わると、嵌合面の隙間32a、32bに充填剤が充填されているので、ハウジングインナ22と内輪14aの間の距離、およびロータ12と外輪14bの間の距離が変化するのが抑制される。その結果、レゾルバのギャップ変化が抑制される。
このようにして、本実施の形態では、内輪14aおよび外輪14bを有するクロスローラ軸受14と、内輪14aの内周面に嵌合し内輪14aに支持されるハウジングインナ22と、外輪14bの外周面に嵌合し外輪14bに支持されるロータ12と、ハウジングインナ22とロータ12の間のリラクタンスがロータ12の位置により変化するレゾルバ30とを備え、ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面に溜まり溝38aを形成し、溜まり溝38aとハウジングインナ22の内周面を接続する配管42aを形成した。

0051

これにより、配管42aを通じて充填剤を注入すれば、ダイレクトドライブモータ100に径方向の荷重が加わっても、従来に比して、ハウジングインナ22と内輪14aの間の距離が変化するのが抑制されるので、荷重によるレゾルバ30のギャップ変化が抑制され、レゾルバ30が誤検出する可能性を低減することができる。また、ダイレクトドライブモータ100の組み立て後に配管42aを通じて充填剤を注入することができるので、嵌合面の隙間32aに充填剤を確実に充填することができる。さらに、ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面に溜まり溝38aが形成されているので、嵌合面の隙間32aに充填剤が充填しやすくなる。

0052

さらに、本実施の形態では、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面に溜まり溝38bを形成し、溜まり溝38bとロータ12の外周面を接続する配管42bを形成した。
これにより、配管42bを通じて充填剤を注入すれば、ダイレクトドライブモータ100に径方向の荷重が加わっても、ロータ12と外輪14bの間の距離が変化するのが抑制されるので、荷重によるレゾルバ30のギャップ変化が抑制され、レゾルバ30が誤検出する可能性をさらに低減することができる。また、ダイレクトドライブモータ100の組み立て後に配管42bを通じて充填剤を注入することができるので、嵌合面の隙間32bに充填剤を確実に充填することができる。さらに、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面に溜まり溝38bが形成されているので、嵌合面の隙間32bに充填剤が充填しやすくなる。

0053

さらに、本実施の形態では、レゾルバ30は、クロスローラ軸受14の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、レゾルバロータ18との間のリラクタンス変化を検出する位置検出器20とを有して構成されている。
このように、1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるタイプのレゾルバ30では、荷重によるギャップ変化の影響が大きいので、ギャップ変化の抑制は、誤検出防止に効果的である。

0054

上記第1の実施の形態において、クロスローラ軸受14は、発明1、4または7の転がり軸受に対応し、ハウジングインナ22は、発明1、4または7の内輪被支持体に対応し、ロータ12は、発明1、4または7の外輪被支持体に対応し、レゾルバロータ18は、発明7の被検出体に対応している。また、位置検出器20は、発明7の検出手段に対応している。

0055

〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図2および図3は、本発明に係る充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置の第2の実施の形態を示す図である。

0056

本実施の形態は、上記第1の実施の形態に対して、内輪押え26とハウジングインナ22、および外輪押え28とロータ12をそれぞれ熱膨張率の異なる材質で構成し、それらをインロー嵌合した点が異なる。
まず、本発明を適用するダイレクトドライブモータの構成を説明する。
図2は、ダイレクトドライブモータ100の軸方向の部分断面図である。

0057

ロータ12およびハウジングインナ22は、内輪押え26および外輪押え28よりも熱膨張率の低い材質(例えば、鉄)で構成されている。これに対し、内輪押え26および外輪押え28は、ロータ12およびハウジングインナ22よりも熱膨張率の高い材質(例えば、アルミ)で構成されている。このように熱膨張率に差がある場合、内輪押え26および外輪押え28の熱膨張量に対してロータ12およびハウジングインナ22の熱膨張量が小さくなる。そこで、本実施の形態では、温度が上昇したときに、この熱膨張量の差を利用してインロー嵌合部に径方向の隙間が生じるのを防止する。

0058

内輪押え26の下面の内周面側には、図2に示すように、ハウジングインナ22とインロー嵌合するための凸段部34aが軸方向に突出して形成され、ハウジングインナ22の上面の内周面側には、内輪押え26とインロー嵌合するための凹段部34bが形成されている。
そして、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの上面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでハウジングインナ22に締結することにより、内輪14aは、ハウジングインナ22に軸方向に押圧された状態でハウジングインナ22に固定されるとともに、内輪押え26およびハウジングインナ22は、凸段部34aおよび凹段部34bで軸方向にインロー嵌合される。

0059

インロー嵌合部(凸段部34aおよび凹段部34bが嵌合する部分)では、熱膨張率の低いハウジングインナ22が熱膨張率の高い内輪押え26を径方向外側から嵌合する配置となっている。そのため、温度が上昇すると、内輪押え26がハウジングインナ22よりも膨張しようとするが、ハウジングインナ22が径方向外側に配置されているのでハウジングインナ22により抑制される。したがって、ハウジングインナ22と内輪押え26の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。

0060

図3は、インロー嵌合部での配置を逆にした場合を示す図である。
仮に、図3(a)に示すように、ハウジングインナ22と内輪押え26のインロー嵌合部において内輪押え26を径方向外側に配置する図2とは逆の配置を採用した場合は、温度が上昇すると、内輪押え26がハウジングインナ22よりも膨張することにより、図3(b)に示すように、ハウジングインナ22と内輪押え26の間に径方向の隙間が生じてしまう。

0061

また、内輪押え26およびハウジングインナ22は、図2に示すように、ボルト26aの締結により内輪押え26の押圧部26bが内輪14aの上面に接触して固定されている状態において、凸段部34aの下面と凹段部34bの上面の間に軸方向の隙間h1が、内輪押え26の下面とハウジングインナ22の上面の間に軸方向の隙間h2が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。これにより、使用温度範囲内で内輪押え26およびハウジングインナ22が軸方向に膨張しても、凸段部34aの下面と凹段部34bの上面、および内輪押え26の下面とハウジングインナ22の上面が接触することがないので、内輪押え26およびハウジングインナ22の軸方向の嵌合については、常に、内輪押え26が内輪14aを固定する状態を維持することができる。すなわち、当該軸方向の嵌合は、温度変化にかかわらず、内輪押え26の押圧部26bと内輪14aの上面が接触する位置を基準として行われる。

0062

また、内輪押え26は、内輪14aの側面と内輪押え26の側面の間に径方向の隙間w1が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。これにより、使用温度範囲内で内輪押え26およびハウジングインナ22が膨張しても、内輪14aの側面と内輪押え26の側面が接触することがないので、内輪14aと内輪押え26およびハウジングインナ22の径方向の嵌合については、常に、ハウジングインナ22が内輪14aを固定する状態を維持することができる。すなわち、当該径方向の嵌合は、温度変化にかかわらず、ハウジングインナ22と内輪14aが接触する位置を基準として行われる。

0063

一方、外輪押え28の下面の内周面側には、ロータ12とインロー嵌合するための凸段部36aが軸方向に突出して形成され、ロータ12の上面の内周面側には、外輪押え28とインロー嵌合するための凹段部36bが形成されている。
そして、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの上面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでロータ12に締結することにより、外輪14bは、ロータ12に軸方向に押圧された状態でロータ12に固定されるとともに、外輪押え28およびロータ12は、凸段部36aおよび凹段部36bで軸方向にインロー嵌合される。

0064

インロー嵌合部(凸段部36aおよび凹段部36bが嵌合する部分)では、熱膨張率の低いロータ12が熱膨張率の高い外輪押え28を径方向外側から嵌合する配置となっている。そのため、温度が上昇すると、外輪押え28がロータ12よりも膨張しようとするが、ロータ12が径方向外側に配置されているのでロータ12により抑制される。したがって、ロータ12と外輪押え28の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。

0065

仮に、図3(a)に示すように、ロータ12と外輪押え28のインロー嵌合部において外輪押え28を径方向外側に配置する図2とは逆の配置を採用した場合は、温度が上昇すると、外輪押え28がロータ12よりも膨張することにより、図3(b)に示すように、ロータ12と外輪押え28の間に径方向の隙間が生じてしまう。
また、外輪押え28およびロータ12は、図2に示すように、ボルト28aの締結により外輪押え28の押圧部28bが外輪14bの上面に接触して固定されている状態において、凸段部36aの下面と凹段部36bの上面の間に軸方向の隙間h3が、外輪押え28の下面とロータ12の上面の間に軸方向の隙間h4が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。これにより、使用温度範囲内で外輪押え28およびロータ12が軸方向に膨張しても、凸段部36aの下面と凹段部36bの上面、および外輪押え28の下面とロータ12の上面が接触することがないので、外輪押え28およびロータ12の軸方向の嵌合については、常に、外輪押え28が外輪14bを固定する状態を維持することができる。すなわち、当該軸方向の嵌合は、温度変化にかかわらず、外輪押え28の押圧部28bと外輪14bの上面が接触する位置を基準として行われる。

0066

また、外輪押え28は、外輪14bの側面と外輪押え28の側面の間に径方向の隙間w2が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。これにより、使用温度範囲内で外輪押え28およびロータ12が膨張しても、外輪14bの側面と外輪押え28の側面が接触することがないので、外輪14bと外輪押え28およびロータ12の径方向の嵌合については、常に、ロータ12が外輪14bを固定する状態を維持することができる。すなわち、当該径方向の嵌合は、温度変化にかかわらず、ロータ12と外輪14bが接触する位置を基準として行われる。

0067

このようにして、本実施の形態では、内輪押え26をハウジングインナ22よりも熱膨張率の高い材質で構成し、ハウジングインナ22が内輪押え26を径方向外側から嵌合するように内輪押え26およびハウジングインナ22を軸方向にインロー嵌合した。
これにより、温度が上昇しても、ハウジングインナ22と内輪押え26の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。

0068

さらに、本実施の形態では、内輪押え26およびハウジングインナ22は、内輪押え26の押圧部26bが内輪14aの上面に接触する状態において、凸段部34aの下面と凹段部34bの上面の間に軸方向の隙間h1が、内輪押え26の下面とハウジングインナ22の上面の間に軸方向の隙間h2が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。

0069

これにより、内輪押え26およびハウジングインナ22の軸方向の嵌合については、常に、内輪押え26が内輪14aを固定する状態を維持することができる。
さらに、本実施の形態では、内輪押え26は、内輪14aの側面と内輪押え26の側面の間に径方向の隙間w1が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。
これにより、内輪14aと内輪押え26およびハウジングインナ22の径方向の嵌合については、常に、ハウジングインナ22が内輪14aを固定する状態を維持することができる。

0070

さらに、本実施の形態では、外輪押え28をロータ12よりも熱膨張率の高い材質で構成し、ロータ12が外輪押え28を径方向外側から嵌合するように外輪押え28およびロータ12を軸方向にインロー嵌合した。
これにより、温度が上昇しても、ロータ12と外輪押え28の間に径方向の隙間が生じるのを防止することができる。

0071

さらに、本実施の形態では、外輪押え28およびロータ12は、外輪押え28の押圧部28bが外輪14bの上面に接触する状態において、凸段部36aの下面と凹段部36bの上面の間に軸方向の隙間h3が、外輪押え28の下面とロータ12の上面の間に軸方向の隙間h4が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。
これにより、外輪押え28およびロータ12の軸方向の嵌合については、常に、外輪押え28が外輪14bを固定する状態を維持することができる。

0072

さらに、本実施の形態では、外輪押え28は、外輪14bの側面と外輪押え28の側面の間に径方向の隙間w2が使用温度範囲内で形成されるように隙間設定されている。
これにより、外輪14bと外輪押え28およびロータ12の径方向の嵌合については、常に、ロータ12が外輪14bを固定する状態を維持することができる。
上記第2の実施の形態において、ハウジングインナ22は、発明8または9の内輪被支持体に対応し、内輪押え26は、発明8ないし10の内輪固定手段に対応し、ロータ12は、発明11または12の外輪被支持体に対応し、外輪押え28は、発明11ないし13の外輪固定手段に対応している。

0073

なお、上記第1および第2の実施の形態においては、ロータ12に配管42bを1つ形成して構成したが、これに限らず、図4に示すように構成することもできる。
図4は、ダイレクトドライブモータ100の径方向の断面図である。
ロータ12には、図4に示すように、溜まり溝38bとロータ12の外周面を接続する2つの配管42bが軸心から点対称の位置に形成されている。これにより、一方の配管42bから充填剤を注入し、他方の配管42bから充填剤の排出を確認することにより、嵌合面の隙間32bへの充填剤の回り込みを確認することができる。

0074

なお、図4の例では、配管42bを2つ形成した例であるが、3つ以上形成することもできる。また、同様に、ハウジングインナ22に複数の配管42aを形成して構成することもできる。
また、上記第1および第2の実施の形態においては、ハウジングインナ22と内輪14aの嵌合面の隙間32a、およびロータ12と外輪14bの嵌合面の隙間32bに充填剤を充填して構成したが、これに限らず、一方の隙間にのみ充填剤を充填して構成することもできる。この場合、充填剤を充填する嵌合面にのみ溜まり溝38aまたは溜まり溝38bを形成すればよい。

0075

また、上記第1および第2の実施の形態においては、ハウジングインナ22の内輪14aの内周面との嵌合面に溜まり溝38aを1つ形成して構成したが、これに限らず、同嵌合面に複数の溜まり溝38aを形成して構成することもできる。これにより、嵌合面の隙間32aに充填剤がさらに充填しやすくなる。
また、上記第1および第2の実施の形態においては、ロータ12の外輪14bの外周面との嵌合面に溜まり溝38bを1つ形成して構成したが、これに限らず、同嵌合面に複数の溜まり溝38bを形成して構成することもできる。これにより、嵌合面の隙間32bに充填剤がさらに充填しやすくなる。

0076

また、上記第1および第2の実施の形態においては、クロスローラ軸受14を適用したが、これに限定するものではなく、アンギュラ玉軸受深溝玉軸受円筒ころ軸受円錐ころ軸受などを適用してもよい。
また、上記第1および第2の実施の形態においては、本発明に係る充填剤の注入構造を有する転がり軸受装置を、ハウジングインナ22とロータ12を回転可能に支持する構造に適用したが、これに限らず、2つの部材の間に介在してそれらを相対的に回転可能に支持する構造であればどのような構造にも適用することもできる。

図面の簡単な説明

0077

ダイレクトドライブモータ100の軸方向の断面図である。
ダイレクトドライブモータ100の軸方向の部分断面図である。
インロー嵌合部での配置を逆にした場合を示す図である。
ダイレクトドライブモータ100の径方向の断面図である。
従来の転がり軸受装置の軸方向の断面図である。

符号の説明

0078

100ダイレクトドライブモータ
12ロータ
14クロスローラ軸受
14a内輪
14b外輪
14cクロスローラ
16コイル
18レゾルバロータ
20位置検出器
22ハウジングインナ
26内輪押え
28外輪押え
34a、36a凸段部
34b、36b 凹段部
h1〜h4、w1、w2、32a、32b 隙間
38a、38b 溜まり溝
42a、42b配管
44a、44b 栓
12a、22aフランジ
26b、28b押圧部
18a、20a、26a、28a ボルト

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