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技術 鉛蓄電池の製造方法

出願人 パナソニック株式会社
発明者 浅野稔宮城力男稲野辺昭
出願日 2007年1月19日 (14年1ヶ月経過) 出願番号 2007-009743
公開日 2008年7月31日 (12年6ヶ月経過) 公開番号 2008-177067
状態 未査定
技術分野 電池の電槽・外装及び封口 二次電池(鉛及びアルカリ蓄電池)
主要キーワード 点検業者 最低液面 減圧度合い 白色化現象 液面変化 液面調整 在庫期間 干渉部分
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

液式鉛蓄電池の、液面高さの時間変化を抑制し、安定した電解液面高さを有した鉛蓄電池を得ること。

解決手段

通電化成した鉛蓄電池4を減圧チャンバー16内で大気圧より20〜50kPa、特に好ましくは、大気圧より20〜40kPa減圧した後、鉛蓄電池に補液あるいは電解液を除去して、電解液面高さを液面線位置に調整する。これにより、電解液面の経時変化が見られず、安定した電解液面を有した液式鉛蓄電池が得られる。また、減圧によっても、電槽の白色化が発生せず、電池外観を良好に保つことが可能となる。

概要

背景

鉛蓄電池は、一部を除き、未化成極板で組み立てられた電池希硫酸電解液注液し、電池端子間に通電することによって、電池内部の極板を化成充電する。その際、特許文献1に示されたように、正極板及び負極板から発生した酸素ガス水素ガスが、極板とセパレータの間や、極板と電槽内壁との間に気泡として電池内に滞留する。

特許文献1には、このような気泡は、電池の化成効率を低下させるため、充電中減圧し、気泡を除去することが示されている。

一方、液式の鉛蓄電池では、電槽化成終了後電解液面高さを所定の位置に調整する工程が存在する。鉛蓄電池の電解液面高さは、電解液の溢液が生じないよう、その上限を定める最高液面線と、ストラップ部や極板面が電解液より露出しないよう、その下限を定める最低液面線の間で管理される。

このような液面線を有した鉛蓄電池は、製造工程において、電解液面を最高液面線に調整して市場に出荷される。鉛蓄電池は、使用頻度や、期間に応じて電解液中の水分が減少するため、電池ユーザや、点検業者は、電解液面が最低液面線を下回らないよう、水を補充し、電解液面高さを最高液面線に調整することとなる。

鉛蓄電池の電解液面高さを調整する工程以前には、鉛蓄電池に通電化成する工程が存在するが、この通電化成の際に、前記したように、極板から発生したガスが気泡として電解液内に滞留し、電解液高さが見掛け上高くなる。また、通電化成後に、電解液中の希硫酸濃度を所定の濃度に調整するため、水や、より濃厚な希硫酸を補充し、電解液を攪拌する場合もあり、このような攪拌作業によって、電解液内に空気が巻き込まれ、気泡として電解液内に滞留することとなる。

電解液内に、気泡が滞留し、電解液面が見掛け上、上昇した状態で電解液面を最高液面線に調整した場合、鉛蓄電池の電解液量は、当初設定した量よりも少ないものになってしまう。また、鉛蓄電池の在庫期間中に、電解液内部に滞留した気泡が、電解液面から離脱することによって、電解液面が低下する。これによって、電解液面は、最高液面線を下回る。

特に、液式鉛蓄電池では、鉛蓄電池メーカーと、鉛蓄電池を購入する自動車メーカーや鉛蓄電池販売業者との間で、許容しうる電解液面のばらつき量を規格として取り交わすが、最高液面線から、規格内のばらつきを越えた電解液面の低下が生じた鉛蓄電池は、不良品として扱われていた。

電解液中の気泡の滞留によって発生する電解液面位置のずれとばらつきを抑制するために、液面調整工程の直前に、電池内部を減圧し、滞留した気泡を強制的に電池外に排出する手法が検討された。

電池内部を減圧する手法として、特許文献2には、液口に減圧ポンプを装着し、電池内のみを減圧する手法が示されている。
特開昭58−57260号公報
特開2001−23610号公報

概要

液式鉛蓄電池の、液面高さの時間変化を抑制し、安定した電解液面高さを有した鉛蓄電池を得ること。通電化成した鉛蓄電池4を減圧チャンバー16内で大気圧より20〜50kPa、特に好ましくは、大気圧より20〜40kPa減圧した後、鉛蓄電池に補液あるいは電解液を除去して、電解液面高さを液面線位置に調整する。これにより、電解液面の経時変化が見られず、安定した電解液面を有した液式鉛蓄電池が得られる。また、減圧によっても、電槽の白色化が発生せず、電池外観を良好に保つことが可能となる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

通電化成した鉛蓄電池減圧チャンバー内大気圧より20〜50kPa減圧後、鉛蓄電池に補液あるいは電解液を除去して、電解液面高さを液面線位置に調整する鉛蓄電池の製造方法。

請求項2

前記鉛蓄電池は、内部の電解液面高さが、電池外部より透視できうる透明性を有したポリプロピレン樹脂電槽を備えた請求項1に記載の鉛蓄電池の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、鉛蓄電池の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

鉛蓄電池は、一部を除き、未化成極板で組み立てられた電池希硫酸電解液注液し、電池端子間に通電することによって、電池内部の極板を化成充電する。その際、特許文献1に示されたように、正極板及び負極板から発生した酸素ガス水素ガスが、極板とセパレータの間や、極板と電槽内壁との間に気泡として電池内に滞留する。

0003

特許文献1には、このような気泡は、電池の化成効率を低下させるため、充電中減圧し、気泡を除去することが示されている。

0004

一方、液式の鉛蓄電池では、電槽化成終了後電解液面高さを所定の位置に調整する工程が存在する。鉛蓄電池の電解液面高さは、電解液の溢液が生じないよう、その上限を定める最高液面線と、ストラップ部や極板面が電解液より露出しないよう、その下限を定める最低液面線の間で管理される。

0005

このような液面線を有した鉛蓄電池は、製造工程において、電解液面を最高液面線に調整して市場に出荷される。鉛蓄電池は、使用頻度や、期間に応じて電解液中の水分が減少するため、電池ユーザや、点検業者は、電解液面が最低液面線を下回らないよう、水を補充し、電解液面高さを最高液面線に調整することとなる。

0006

鉛蓄電池の電解液面高さを調整する工程以前には、鉛蓄電池に通電化成する工程が存在するが、この通電化成の際に、前記したように、極板から発生したガスが気泡として電解液内に滞留し、電解液高さが見掛け上高くなる。また、通電化成後に、電解液中の希硫酸濃度を所定の濃度に調整するため、水や、より濃厚な希硫酸を補充し、電解液を攪拌する場合もあり、このような攪拌作業によって、電解液内に空気が巻き込まれ、気泡として電解液内に滞留することとなる。

0007

電解液内に、気泡が滞留し、電解液面が見掛け上、上昇した状態で電解液面を最高液面線に調整した場合、鉛蓄電池の電解液量は、当初設定した量よりも少ないものになってしまう。また、鉛蓄電池の在庫期間中に、電解液内部に滞留した気泡が、電解液面から離脱することによって、電解液面が低下する。これによって、電解液面は、最高液面線を下回る。

0008

特に、液式鉛蓄電池では、鉛蓄電池メーカーと、鉛蓄電池を購入する自動車メーカーや鉛蓄電池販売業者との間で、許容しうる電解液面のばらつき量を規格として取り交わすが、最高液面線から、規格内のばらつきを越えた電解液面の低下が生じた鉛蓄電池は、不良品として扱われていた。

0009

電解液中の気泡の滞留によって発生する電解液面位置のずれとばらつきを抑制するために、液面調整工程の直前に、電池内部を減圧し、滞留した気泡を強制的に電池外に排出する手法が検討された。

0010

電池内部を減圧する手法として、特許文献2には、液口に減圧ポンプを装着し、電池内のみを減圧する手法が示されている。
特開昭58−57260号公報
特開2001−23610号公報

発明が解決しようとする課題

0011

電解液中に滞留した気泡を減圧によって電池外に強制的に排出する際、特許文献2のように、電池内部のみを減圧状態とし、電池外部は大気圧とした場合、気圧差によって電槽壁が電槽内側に変形するという課題があった。

0012

その際、電槽内において、同極性の極板耳同士を集合溶接するストラップと、電槽壁とが干渉しあい、電槽壁が変形・損傷する場合があった。このような現象は、図1に示したような、電槽1内部が、隔壁2によってセル室3に区画され、かつ、セル室3の短辺xに平行にストラップ3aが配置された電池に顕著である。なお、図1においては、極板群を構成する正極板、セパレータ及び負極板は省略し、ストラップ3aのみを示している。

0013

このような構成において、セル室3内部を減圧状態とし、セル室3外を大気圧とした場合、セル室3の長辺yとなる電槽壁1aが、セル室3の短辺xとなる電槽壁1bよりもセル室3内側への変形量がより大となり、この電槽壁1aの変形により、容易に電槽壁1aとストラップ3aとが干渉するためである。

0014

そして、特に、電槽1が、内部の電解液面高さが、電池外部より透視できうる透明性を有したポリプロピレン樹脂製電槽である場合、電槽1aとストラップ3aが干渉しあい、互いに圧接された状態となることによって、電槽1a内にミクロボイドと呼ばれる微小空孔(多くの場合、径1μm以下の空孔)が生じる。このミクロボイドは、外部からの光を乱反射するため、電槽壁1aのストラップ3aと干渉した部分が白色化し、鉛蓄電池が外観不良になるという課題があった。

0015

さらには、セル室3内の内圧を低くしすぎることによって、セル室3内を過度に減圧した場合、電解液内に滞留した気泡を除去後、電解液面が徐々に上昇することがわかってきた。通常、電解液中に浸漬した極板面からは、鉛蓄電池の自己放電に基いて、常時、酸素ガスと水素ガスが発生している。また、通電化成直後には、未化成活物質(PbO、PbOx(1<x<2)、(PbO)nPbSO4(n=3,4))が一部残存しており、未化成活物質と電解液中の硫酸分と反応することによってもガスが生じる。これらのガスは、気泡として極板面上で成長するが、気泡が成長し、気泡の浮力が気泡と極板面との付着力を上回ると、気泡は極板面から離脱し、電解液面へと上昇し、最終的には、電解液から放出される。

0016

通常の鉛蓄電池の使用状態においては、このような自己放電等によって生じたガスは、その一部が極板面に常に付着した状態となっている。

0017

前記したように、セル室3内を過度に減圧した場合、このような、常に極板面に付着した気泡の殆どが除去されることになる。この状態で電解液面を最高液面線に調整した場合、以下のような現象が進行する。

0018

すなわち、極板面に気泡が殆どない状態から、鉛蓄電池の自己放電や残存した未化成活物質と硫酸との反応により、極板面上には酸素ガス及び水素ガスの気泡が成長する。ある程度まで成長した気泡は、順次電解液内を上昇し、電解液からガスとして放出される。しかしながら、発生したすべてのガスが電解液より離脱することはなく、その一部が気泡として極板面に付着した状態で電解液内に滞留する。これにより、この極板面に付着し、電解液内に常時滞留する気泡の体積に相当する分、電解液面が上昇し、最高液面線を越えてしまうという課題があった。

0019

また、減圧の程度が低い場合、前記したように、充電や攪拌によって生じた気泡の除去が十分に行われず、液面調整後に、充電や攪拌によって生じた気泡が徐々に電解液から離脱し、この離脱した気泡体積に応じて、電解液面が低下し、最高液面線を下回るという課題があった。

課題を解決するための手段

0020

前記した課題を解決するために、通電化成した鉛蓄電池を減圧チャンバー内で大気圧より20〜50kPa減圧後、鉛蓄電池に補液あるいは電解液を除去して、電解液面高さを液面線位置に調整する鉛蓄電池の製造方法を示すものである。

0021

また、前記した鉛蓄電池は、特に、その内部の電解液面高さが、電池外部より透視できうる透明性を有したポリプロピレン樹脂電槽を備えたものであることが好ましい。

発明の効果

0022

本発明によれば、鉛蓄電池全体を減圧チャンバー内で減圧するために、電池内外が同一気圧下となるため、前記したような、電池内外の気圧差による電槽壁の変形が生じない。特に、このような電槽壁の変形による、電池内部のストラップと電槽壁との干渉が生じないため、ストラップによる電槽壁の変形・損傷を防止することができる。

0023

従来、電槽が、電池内部の電解液面が電池外部から透視できうる程度の透明性を有したポリプロピレン樹脂製である場合、電槽壁とストラップとの干渉によって、電槽壁が白色化し、電池の外観不良となっていたが、本発明によれば、このような電槽壁とストラップとの干渉が防止され、電槽壁の白色化も防止できるため、このようなポリプロピレン樹脂製電槽を用いた鉛蓄電池に好適である。

0024

また、本発明では、減圧によって、セル室内圧を大気圧より20〜50kPa低下させることにより、その後の電解液面高さの経時変化が顕著に抑制される。この状態で電解液面高さを調整することにより、その後の電解液面高さの変化と、これによる電解液面高さのばらつきが抑制された鉛蓄電池を得ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0025

図2は、本発明を適用する鉛蓄電池4の一例を示す図である。

0026

鉛蓄電池4は、電池内部の電解液5を電池外部から透視しうる程度の透明性を有した、ポリプロピレン樹脂製の電槽14内が隔壁6によってセル室7に区画される。セル室7内には、正極板8、セパレータ9及び負極板10が収納され、同極性の極板を集合溶接するストラップ11を有する。

0027

電槽14の上部は、液口12aが形成された蓋12で閉じられている。図3は、液口12aから電解液5を注液後、通電化成を行い、その後、電解液5の一部を除去し、電解液5よりも高濃度の希硫酸を注液して、液口12aを治具(図示せず)で閉じた状態とし、鉛蓄電池4の上下反転を数回繰り返すことによって、電解液5を攪拌し、かつ電解液5の硫酸濃度を所定の値(例えば、20℃の比重換算値で1.29)に調整した状態を示している。

0028

電解液5内には、攪拌時に電解液5内に巻き込まれた大気が気泡として滞留している。この状態で、図3に示したように、鉛蓄電池4を減圧チャンバー16内に配置し、減圧チャンバー16内を、減圧ポンプ17により減圧する。本発明では、減圧チャンバー16内の内圧を大気圧より20〜50kPa、特に好ましくは、20〜40kPa低下させた状態とする。

0029

なお、減圧時間は、鉛蓄電池4内に滞留した気泡の電解液5外へ離脱するのに必要な時間とすればよい。この時間は、極板とセパレータ間の距離、あるいは極板と電槽間間隙寸法等によって大きく影響を受ける。したがって、鉛蓄電池4の機種毎に、減圧時間を設定するが、通常10〜20秒程度とすれば、ほぼ大半の機種の鉛蓄電池に適用可能である。

0030

前記した時間で鉛蓄電池4を減圧し、減圧チャンバー16内を大気圧とする。減圧チャンバー16より鉛蓄電池4を取り出し、液口12aより、電解液5を補給もしくは除去することによって、電解液5の液面5aを電槽14の外壁に表示された最高液面線14aに一致するよう調整すればよい。

0031

液面5aの調整方法としては、例えば、以下の方法によればよい。すなわち、注液ノズル(図示せず)の先端部を最高液面線14aと同一高さまで挿入し、注液ノズルから電解液5を補充し、一端、液面5aを最高液面線14aよりも高い位置とし、注液ノズルから電解液5を吸引し、電池外に排出することにより、液面5aと最高液面線14aに調節できる。

0032

その後、液口12aに液口栓(図示せず)を装着することによって、本発明の製造方法による鉛蓄電池を得ることができる。

0033

本発明によれば、鉛蓄電池全体を減圧するため、鉛蓄電池内部のみを減圧する方法と異なり、電槽14の壁14bが、電槽内側に変形することがない。したがって、従来、電槽14の壁14bが電池内側に変形することによって生じていた、電槽14の壁14bと、ストラップ11との干渉と、これによる電槽14の壁14bの変形・損傷が防止される。また、電槽14として、電池内部の電解液が透視可能な程度の透明性を有したポリプロピレン樹脂製のものを用いた場合、電槽14の壁14bとストラップ11との干渉部分が白色化し、電池の外観不良が発生していたが、本発明では、このような電槽14の白色化現象を未然に抑制することできる。

0034

本発明では、セル室7内圧を、大気圧より20〜50kPa、好ましくは20〜40kPa低下させることによって、電解液5の液面5aの位置が安定するため、液面5aを最高液面線14aに調整した後、液面5aと最高液面線14aとの不一致を防止することができる。

0035

大気圧と減圧時の圧力が50kPaを越えた場合、充電や攪拌によって生じた気泡は電解液5内に滞留しているため、この状態から液面5aの調整を行うと、調整後数時間から数日で気泡が徐々に電解液5から離脱するため、調整後の液面5aは低下し、最高液面線14aよりも下方にずれ、液面高さ不良となる。

0036

大気圧と減圧時の圧力が20kPa未満である場合、鉛蓄電池4において、常時に極板面に付着している程度の、自己放電等によって生じる酸素ガスや水素ガスの気泡まで除去される。この状態で液面5aを調整した場合、極板面に酸素ガスや水素ガスの気泡が再び成長し、ある一定量は、電解液5内に滞留し続けるため、この滞留した気泡の体積分、液面5aが上昇する。結果として、液面5aは当初調整した最高液面線14aよりも上方にずれ、液面高さ不良となる。

0037

したがって、本発明においては、液面5aを調節する直前の減圧処理を、大気圧よりも20〜50kPa減圧した状態で行うことにより、液面5aの最高液面線14aからの位置ずれを防止することができる。

0038

なお、本実施形態においては、通電化成後、電解液を攪拌する例について述べたが、本発明は、通電化成後、液面5aを調整する工程にももちろん適用できる。すなわち、液面調整工程以前に、通電や攪拌等、電池内に気泡が残存しうる工程を有するのであれば、本発明を適用することにより、電解液面の安定化という、本発明の効果を得ることができる。

0039

55D23形の始動用鉛蓄電池(以下、電池)の未化成の電池を用意し、液口から電解液を注液したのち、通電化成を行った。通電化成後、電池を反転して内部の電解液の一部を抜き取った。その後、密度1.28g/cm3の希硫酸電解液を電池内に一定量注液した。そして、電池内部に残留した電解液と、後から注液した希硫酸電解液を攪拌するために、電池を上下に反転し、ただちに復元する操作を5回連続して行った。

0040

その後、以下で述べる本発明例および比較例の製造方法により、電池を減圧した。電池を減圧後、さらに電池に電解液を注液し、最高液面線よりおおよそ10〜20mm程度下方にある電解液面を、最高液面線の位置に調整した。

0041

なお、本実施例での各試験電池は、ポリプロピレン樹脂製の電槽を有し、この電槽は、電池内部の電解液面が、電池外部より透視できる程度の透明性を有した白色の電槽である。

0042

(本発明例A1)
本発明例A1は、電池全体を減圧チャンバーに収納し、電池内外を大気圧より20kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0043

(本発明例A2)
本発明例A2は、電池全体を減圧チャンバーに収納し、電池内外を大気圧より30kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0044

(本発明例A3)
本発明例A3は、電池全体を減圧チャンバーに収納し、電池内外を大気圧より40kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0045

(本発明例A4)
本発明例A4は、電池全体を減圧チャンバーに収納し、電池内外を大気圧より50kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0046

(比較例A5)
比較例A5は、電池全体を減圧チャンバーに収納し、電池内外を大気圧より10kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0047

(比較例A6)
比較例A6は、電池全体を減圧チャンバーに収納し、電池内外を大気圧より80kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0048

(比較例B1)
比較例B1は、電池は大気圧下におき、電池内部のみを大気圧より10kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0049

(比較例B2)
比較例B2は、電池は大気圧下におき、電池内部のみを大気圧より20kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0050

(比較例B3)
比較例B3は、電池は大気圧下におき、電池内部のみを大気圧より30kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0051

(比較例B4)
比較例B4は、電池は大気圧下におき、電池内部のみを大気圧より40kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0052

(比較例B5)
比較例B5は、電池は大気圧下におき、電池内部のみを大気圧より50kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0053

(比較例B6)
比較例B6は、電池は大気圧下におき、電池内部のみを大気圧より80kPa減圧したのち、電解液面を最高液面線に調整した電池である。

0054

上記したA1〜A6及びB1〜B6での減圧処理時間は全て20秒で同一とした。液面調整後、各電池を1日及び10日放置したときの電解液面の液面変化と、電槽の白色化の有無を確認した。なお、電槽の白色化に関しては、各条件について電池個数100個について、その有無を確認し、その発生率を求めた。これらの結果を表1に示す。

0055

0056

表1に示した結果から、電池は大気圧下とし、電池内部のみ減圧処理したB1〜B6については、大気圧からの減圧度合いが10kPaのものは、電槽白色化が生じなかったが、減圧度合いを20kPa以上としたものついては、減圧度合いが増すにつれて、電槽白色化の発生率が増大した。これは、電槽壁が電池内側に変形し、電槽壁とストラップが圧接した状態となることによって発生したものであり、このような電槽白色化は、電池の外観を著しく損なうものであり、避けるべきものである。

0057

電解液面の変化について、B1については、減圧処理で、攪拌時に発生した気泡の除去が十分に行われず、放置期間中にこの気泡が電解液より離脱したため、その分、電解液面が最高液面線から低下した。

0058

減圧度合いを20〜40kPaとした、B2〜B4については、放置を経ても電解液面は最高液面線と一致していた。

0059

減圧度合いを50kPaとしたB5については、放置期間中に電解液面は最高液面線より0.5mm上昇したが、溢液が問題となるようなレベルではなかった。

0060

減圧度合いを80kPaとしたB6については、放置期間中に電解液面は最高液面線より6.0mm上昇した。このような電解液面の上昇は、溢液の原因となるレベルであり、望ましくないものである。減圧度合いを50〜80kPaとしたB5及びB6については、減圧処理後の放置期間における自己放電等によって極板面に気泡が滞留したことによると考えられる。

0061

一方、減圧度合いを20〜40kPaとしたものについては、液面の変化が見られず、好ましいものであった。これは、減圧処理後においても、自己放電等によって鉛蓄電池内に常時極板に付着している程度の気泡が電解液中に残留したためと考えられる。この場合でも、自己放電等によって新たに気泡が生じるが、この気泡が成長して、もとから残存していた気泡を極板面から離脱させる作用があり、放置中における気泡成長と、減圧時に残存していた気泡の離脱とがバランスよく行われるためと考えられる。

0062

このような液面高さの変化の挙動は、電池全体を減圧したA1〜A6も、電池内部のみを減圧したB1〜B6と全く同様に現れる。但し、本発明の電槽白色化を抑制する効果を得るために電池全体を減圧することが必要である。

0063

本発明の、電解液面位置を安定させる効果を得るために、特に、大気圧から減圧度合いを20〜40kPaとしたA1〜A3が好ましい。この範囲では、実施例における液面高さ変化が全く生じなかった。減圧度合いを50kPaとしたA4については、放置期間中において液面高さが上昇したが、その上昇量は少なく、溢液等の他の問題を生じさせないレベルであり、液面高さのばらつきとして、許容できる範囲内のものであった。

0064

本実施例において、通電化成後に電池から電解液を排出し、その後、電池内に電解液を補充した後、電池内の電解液を攪拌する構成について適用した例を述べたが、本発明はこれに限定するものではなく、通電終了後、ただちに減圧を行って、電解液面調整を行う場合においても、本実施例と全く同様の効果が得られることが確認できた。

0065

なお、若干の電槽の白色化は、電槽の強度を損なわないため、外観以外に問題とならない場合がある。したがって、本発明は、電槽の白色化が外観に影響する構成、すなわち、電槽が黒色等、白色化が目立たないものよりも、乳白色等の、電解液面が透視できる程度の透明性を有した電槽を用いた電池に適用することが特に好ましい。

0066

本発明は、電解液面のばらつきが抑制され、かつ電槽の白色化を抑制する効果を奏することから、始動用鉛蓄電池をはじめとする、液式鉛蓄電池に好適である。

図面の簡単な説明

0067

電槽内におけるセル室の配置例を示す図
本発明を適用する鉛蓄電池の一部の断面を示す図
鉛蓄電池を減圧チャンバー内に配置した状態を示す図

符号の説明

0068

1電槽
1a 電槽壁
1b 電槽壁
2隔壁
3セル室
3aストラップ
4鉛蓄電池
5電解液
5a 液面
6 隔壁
7 セル室
8正極板
9セパレータ
10 負極板
11 ストラップ
12 蓋
12a 液口
14 電槽
14a最高液面線
14b 壁
16減圧チャンバー
17減圧ポンプ
x 短辺
y 長辺

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