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技術 デジタルデータ記録波面補正装置及びデジタルデータ記録波面補正方法

出願人 日本放送協会
発明者 石井紀彦木下延博室井哲彦上條晃司清水直樹
出願日 2007年1月18日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2007-009169
公開日 2008年7月31日 (12年3ヶ月経過) 公開番号 2008-176859
状態 特許登録済
技術分野 ホログラフィ 光学的記録再生1 光ヘッド
主要キーワード 二次元光センサ 二次元受光素子 光位相調整 EO変調器 補償光学 デジタルホログラム 記録段階 光学解像度
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図面 (7)

課題

デジタルデータをホログラム記録媒体に記録する際に干渉光の波面の歪みを補正できるデジタルデータ記録波面補正装置を提供する。

解決手段

デジタルデータ記録波面補正装置Tは、参照光光路上においてホログラム記録媒体Mより前段に配設され、参照光の位相を調整するピエゾミラー光位相可変手段)4と、補正用物体光を、集光レンズ物体光集光光学系)9に入射する際の物体光よりビーム径の小さい光とする集光レンズ(ビーム径縮小光学系)12と、この縮小された補正用物体光と、補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する二次元光センサ光検出手段)11と、この測定値に基づいて、波面の歪みによる位相変動量を算出するFFT演算手段(演算手段)とを備え、ピエゾミラー4が、算出された位相変動量を補償するように位相を調整することを特徴とする。

概要

背景

ホログラム記録では、一般に、画像情報を有する物体光参照光とともに光記録媒体ホログラム記録媒体)に同時に照射し、ホログラム記録媒体中に形成される当該2つの光による干渉縞をホログラム記録媒体に書き込むことによって、当該画像情報を記録する。一方、このようにして干渉縞が記録されたホログラム記録媒体に参照光を照射すると、ホログラム記録媒体中の干渉縞によって光の回折が生じて、物体光が担持していた画像情報を再生することができる。

ところで、デジタルホログラムでは、液晶等の空間光変調素子で駆動してレーザ光変調して、デジタルデータを示す画像情報を担持する物体光を生成する。次に、この物体光を参照光と干渉させて干渉光を生成し、集光レンズ集光することによりフーリエ変換を施してホログラム記録媒体上に干渉縞を記録する。再生時には再生用参照光を、当該干渉縞が記録されているホログラム記録媒体上に照射し、干渉縞からの再生光レンズで平行光に戻し、二次元受光素子[CCD(電荷結合素子)、CMOS(相補型金属酸化物半導体センサ等]で受光して、当該デジタルデータを読み取ることとなる。

ここで、図6を参照して、従来のホログラム記録装置について説明する。図6は、従来のホログラム記録装置の構成を模式的に示した模式図である。図6に示すように、ホログラム記録装置100は、デジタルデータをホログラム記録媒体110に記録するものであり、レーザ光源101と、シャッタ102と、ハーフミラー103と、ミラー104と、集光レンズ105と、1/2波長板106と、PBS偏光ビームスプリッタ)107と、反射型液晶素子108と、集光レンズ109とを備える。

ここで、レーザ光源101から出力され、シャッタ102を通過したレーザ光[ここでは縦偏光(S偏光)]は、ハーフミラー103によって2つの光に分割され、一方は参照光とされ、ミラー104及び集光レンズ105を介してホログラム記録媒体110上に照射される。また、ハーフミラー103によって2つの光に分割されたうちの他方のレーザ光は、1/2波長板106によって横偏光P偏光)に変換されて物体光としてPBS107を透過し、反射型液晶素子108上に照射される。物体光は、反射型液晶素子108の素子面に映出された白と黒のビットパターンによる画像のデジタルデータを担持し、その反射光はS偏光に変換され(実際には、白表示とされた素子からの光がS偏光に変換されたものとなる)、PBS107に戻る。このPBS107は、P偏光の光を透過しS偏光の光を反射するため、反射型液晶素子108からの物体光は、このPBS107により反射され、集光レンズ109を介してホログラム記録媒体110上に照射される。このようにしてホログラム記録媒体110上に照射された参照光と物体光はいずれもS偏光となり、このホログラム記録媒体110上で干渉して、ホログラム記録媒体110に干渉縞が記録される。

しかし、デジタルデータを記録する際において、レーザ光の波面は、光学系を構成する各光学素子の歪みによって乱れた状態となる。また、光路中には反射型液晶素子108や各種の光学素子挿入配置する必要上、特に物体光においては光路長が比較的長くなる。そして、使用光可干渉距離コヒーレンス長)は、この物体光と参照光の光路長差より大きくする必要があるため、干渉情報には、ノイズ光に伴う干渉ノイズも多く含まれる。更に、特に物体光の光路長が比較的長くなるため、波面には空気の擾乱の影響による歪みも生じる。

このように、ホログラム記録媒体上に照射される干渉光は、波面の乱れた状態となっているため、ホログラム記録においてはデジタルデータの高精度の記録を行うことが困難であった。そして、従来、ホログラム記録装置において、その光学系の収差により発生する干渉光の波面の歪みを補正する手法として、補償光学という技術を用いたものがある(特許文献1参照)。
特開平5−173468号公報

概要

デジタルデータをホログラム記録媒体に記録する際に干渉光の波面の歪みを補正できるデジタルデータ記録波面補正装置を提供する。デジタルデータ記録波面補正装置Tは、参照光の光路上においてホログラム記録媒体Mより前段に配設され、参照光の位相を調整するピエゾミラー(光位相可変手段)4と、補正用物体光を、集光レンズ(物体光集光光学系)9に入射する際の物体光よりビーム径の小さい光とする集光レンズ(ビーム径縮小光学系)12と、この縮小された補正用物体光と、補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する二次元光センサ光検出手段)11と、この測定値に基づいて、波面の歪みによる位相変動量を算出するFFT演算手段(演算手段)とを備え、ピエゾミラー4が、算出された位相変動量を補償するように位相を調整することを特徴とする。

目的

本発明は、前記従来技術の問題を解決するために成されたもので、デジタルデータをホログラム記録媒体に記録する段階において、光学素子の歪みや空気の擾乱等により生じる干渉光の波面の歪みを補正することができるデジタルデータ記録波面補正装置及びデジタルデータ記録波面補正方法を提供することを目的とするものである。

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

デジタルデータの複数のビットの情報を示す画像の光である物体光記録媒体集光する物体光集光光学系と、参照光を前記記録媒体に集光する参照光集光光学系とを備えるホログラム記録装置によって、前記物体光と前記参照光との干渉光干渉縞を前記記録媒体に記録する際に、前記干渉光の波面に生じた歪みを補正するデジタルデータ記録波面補正装置であって、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光の位相を調整する、又は、前記参照光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記参照光の位相を調整する光位相可変手段と、前記記録媒体を通過した前記物体光である補正用物体光と、前記記録媒体を通過した前記参照光である補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する光検出手段と、前記補正用物体光の光路上において、前記記録媒体と前記光検出手段との間に配設され、前記補正用物体光を、前記光検出手段の照射面において前記物体光集光光学系に入射する際の前記物体光よりビーム径縮小された光とするビーム径縮小光学系と、前記光検出手段によって測定された測定値に基づいて、前記波面の歪みによる位相変動量を算出する演算手段とを備え、前記光位相可変手段が、前記演算手段によって算出された前記位相変動量を補償するように前記位相を調整することを特徴とするデジタルデータ記録波面補正装置。

請求項2

デジタルデータの複数のビットの情報を示す画像の光である物体光を記録媒体に集光する物体光集光光学系と、参照光を前記記録媒体に集光する参照光集光光学系とを備えるホログラム記録装置によって、前記物体光と前記参照光との干渉光の干渉縞を前記記録媒体に記録する際に、前記干渉光の波面に生じた歪みを補正するデジタルデータ記録波面補正装置であって、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光の位相を調整する、又は、前記参照光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記参照光の位相を調整する光位相可変手段と、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光から一部の光を補正用物体光として分離する物体光分離手段と、前記参照光の光路上において前記光位相可変手段と前記記録媒体との間に配設され、前記参照光から一部の光を補正用参照光として分離する参照光分離手段と、前記補正用物体光と、前記補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する光検出手段と、前記補正用物体光の光路上において、前記物体光分離手段と前記光検出手段との間に配設され、前記補正用物体光を、前記光検出手段の照射面において前記物体光集光光学系に入射する際の前記物体光よりビーム径の縮小された光とするビーム径縮小光学系と、前記光検出手段によって測定された測定値に基づいて、前記波面の歪みによる位相変動量を算出する演算手段とを備え、前記光位相可変手段が、前記演算手段によって算出された前記位相変動量を補償するように前記位相を調整することを特徴とするデジタルデータ記録波面補正装置。

請求項3

前記物体光集光光学系に入射する物体光、及び、前記参照光集光光学系に入射する参照光がいずれも平行光であり、前記物体光分離手段が、前記物体光の光路上において、前記物体光集光光学系と、前記記録媒体との間に配設され、前記参照光分離手段が、前記参照光の光路上において、前記参照光集光光学系の前段に配設され、前記ビーム径縮小光学系が、前記補正用物体光を平行光に変換することを特徴とする請求項2に記載のデジタルデータ記録波面補正装置。

請求項4

デジタルデータの複数のビットの情報を示す画像の光である物体光を記録媒体に集光する物体光集光光学系と、参照光を前記記録媒体に集光する参照光集光光学系とを備えるホログラム記録装置によって、前記物体光と前記参照光との干渉光の干渉縞を前記記録媒体に記録する際に、前記干渉光の波面に生じた歪みを補正するデジタルデータ記録波面補正方法であって、前記記録媒体を通過した前記物体光である補正用物体光を、当該補正用物体光と前記記録媒体を通過した前記参照光である補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する光検出手段の照射面において前記物体光集光光学系に入射する際の前記物体光よりビーム径の縮小された光とするビーム径縮小ステップと、前記光検出手段によって、前記ビーム径縮小ステップにおいてビーム径の縮小された補正用物体光と前記補正用参照光とを照射して生成された前記干渉縞を測定する干渉縞検出ステップと、この干渉縞検出ステップにおいて測定された測定値に基づいて、前記波面の歪みによる位相変動量を算出する演算ステップと、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光の位相を調整する、又は、前記参照光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記参照光の位相を調整する光位相可変手段によって、前記演算ステップにおける演算結果に基づいて、前記位相変動量を補償するように前記位相を調整する光位相調整ステップと、を含むことを特徴とするデジタルデータ記録波面補正方法。

請求項5

デジタルデータの複数のビットの情報を示す画像の光である物体光を記録媒体に集光する物体光集光光学系と、参照光を前記記録媒体に集光する参照光集光光学系とを備えるホログラム記録装置によって、前記物体光と前記参照光との干渉光の干渉縞を前記記録媒体に記録する際に、前記干渉光の波面に生じた歪みを補正するデジタルデータ記録波面補正方法であって、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光から一部の光を補正用物体光として分離する物体光分離手段によって分離された補正用物体光を、当該補正用物体光と、前記参照光の光路上において前記記録媒体の前段に配設され、前記参照光から一部の光を補正用参照光として分離する参照光分離手段によって分離された補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する光検出手段の照射面において前記物体光集光光学系に入射する際の前記物体光よりビーム径の縮小された光とするビーム径縮小ステップと、前記光検出手段によって、前記ビーム径縮小ステップにおいてビーム径の縮小された補正用物体光と、前記補正用参照光とを照射して生成された前記干渉縞を測定する干渉縞検出ステップと、この干渉縞検出ステップにおいて測定された測定値に基づいて、前記波面の歪みによる位相変動量を算出する演算ステップと、前記物体光の光路上において前記物体光分離手段より前段に配設され、前記物体光の位相を調整する、又は、前記参照光の光路上において前記参照光分離手段より前段に配設され、前記参照光の位相を調整する光位相可変手段によって、前記演算ステップにおける演算結果に基づいて、前記位相変動量を補償するように前記位相を調整する光位相調整ステップと、を含むことを特徴とするデジタルデータ記録波面補正方法。

技術分野

0001

本発明は、ホログラム記録の際における干渉光の波面の歪みを補正するデジタルデータ記録波面補正装置及びデジタルデータ記録波面補正方法に関する。

背景技術

0002

ホログラム記録では、一般に、画像情報を有する物体光参照光とともに光記録媒体ホログラム記録媒体)に同時に照射し、ホログラム記録媒体中に形成される当該2つの光による干渉縞をホログラム記録媒体に書き込むことによって、当該画像情報を記録する。一方、このようにして干渉縞が記録されたホログラム記録媒体に参照光を照射すると、ホログラム記録媒体中の干渉縞によって光の回折が生じて、物体光が担持していた画像情報を再生することができる。

0003

ところで、デジタルホログラムでは、液晶等の空間光変調素子で駆動してレーザ光変調して、デジタルデータを示す画像情報を担持する物体光を生成する。次に、この物体光を参照光と干渉させて干渉光を生成し、集光レンズ集光することによりフーリエ変換を施してホログラム記録媒体上に干渉縞を記録する。再生時には再生用参照光を、当該干渉縞が記録されているホログラム記録媒体上に照射し、干渉縞からの再生光レンズで平行光に戻し、二次元受光素子[CCD(電荷結合素子)、CMOS(相補型金属酸化物半導体センサ等]で受光して、当該デジタルデータを読み取ることとなる。

0004

ここで、図6を参照して、従来のホログラム記録装置について説明する。図6は、従来のホログラム記録装置の構成を模式的に示した模式図である。図6に示すように、ホログラム記録装置100は、デジタルデータをホログラム記録媒体110に記録するものであり、レーザ光源101と、シャッタ102と、ハーフミラー103と、ミラー104と、集光レンズ105と、1/2波長板106と、PBS偏光ビームスプリッタ)107と、反射型液晶素子108と、集光レンズ109とを備える。

0005

ここで、レーザ光源101から出力され、シャッタ102を通過したレーザ光[ここでは縦偏光(S偏光)]は、ハーフミラー103によって2つの光に分割され、一方は参照光とされ、ミラー104及び集光レンズ105を介してホログラム記録媒体110上に照射される。また、ハーフミラー103によって2つの光に分割されたうちの他方のレーザ光は、1/2波長板106によって横偏光P偏光)に変換されて物体光としてPBS107を透過し、反射型液晶素子108上に照射される。物体光は、反射型液晶素子108の素子面に映出された白と黒のビットパターンによる画像のデジタルデータを担持し、その反射光はS偏光に変換され(実際には、白表示とされた素子からの光がS偏光に変換されたものとなる)、PBS107に戻る。このPBS107は、P偏光の光を透過しS偏光の光を反射するため、反射型液晶素子108からの物体光は、このPBS107により反射され、集光レンズ109を介してホログラム記録媒体110上に照射される。このようにしてホログラム記録媒体110上に照射された参照光と物体光はいずれもS偏光となり、このホログラム記録媒体110上で干渉して、ホログラム記録媒体110に干渉縞が記録される。

0006

しかし、デジタルデータを記録する際において、レーザ光の波面は、光学系を構成する各光学素子の歪みによって乱れた状態となる。また、光路中には反射型液晶素子108や各種の光学素子挿入配置する必要上、特に物体光においては光路長が比較的長くなる。そして、使用光可干渉距離コヒーレンス長)は、この物体光と参照光の光路長差より大きくする必要があるため、干渉情報には、ノイズ光に伴う干渉ノイズも多く含まれる。更に、特に物体光の光路長が比較的長くなるため、波面には空気の擾乱の影響による歪みも生じる。

0007

このように、ホログラム記録媒体上に照射される干渉光は、波面の乱れた状態となっているため、ホログラム記録においてはデジタルデータの高精度の記録を行うことが困難であった。そして、従来、ホログラム記録装置において、その光学系の収差により発生する干渉光の波面の歪みを補正する手法として、補償光学という技術を用いたものがある(特許文献1参照)。
特開平5−173468号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1に記載された手法は、記録データが連続である場合に限って用いることができるものであり、更にその補正操作ホログラム像再生段階において行われるものである。したがって、記録段階においてデータが離散値(デジタルデータ)である場合には波面の歪みを測定することが困難であり、そのため波面の歪みを補正することができないという問題があった。

0009

本発明は、前記従来技術の問題を解決するために成されたもので、デジタルデータをホログラム記録媒体に記録する段階において、光学素子の歪みや空気の擾乱等により生じる干渉光の波面の歪みを補正することができるデジタルデータ記録波面補正装置及びデジタルデータ記録波面補正方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0010

前記課題を解決するため、請求項1に記載のデジタルデータ記録波面補正装置は、デジタルデータの複数のビットの情報を示す画像の光である物体光を記録媒体に集光する物体光集光光学系と、参照光を前記記録媒体に集光する参照光集光光学系とを備えるホログラム記録装置によって、前記物体光と前記参照光との干渉光の干渉縞を前記記録媒体に記録する際に、前記干渉光の波面に生じた歪みを補正するデジタルデータ記録波面補正装置であって、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光の位相を調整する、又は、前記参照光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記参照光の位相を調整する光位相可変手段と、前記記録媒体を通過した前記物体光である補正用物体光と、前記記録媒体を通過した前記参照光である補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する光検出手段と、前記補正用物体光の光路上において、前記記録媒体と前記光検出手段との間に配設され、前記補正用物体光を、前記光検出手段の照射面において前記物体光集光光学系に入射する際の前記物体光よりビーム径縮小された光とするビーム径縮小光学系と、前記光検出手段によって測定された測定値に基づいて、前記波面の歪みによる位相変動量を算出する演算手段とを備え、前記光位相可変手段が、前記演算手段によって算出された前記位相変動量を補償するように前記位相を調整する構成とした。

0011

かかる構成によれば、デジタルデータ記録波面補正装置は、物体光が離散値(デジタルデータ)を示す画像の光であっても、補正用物体光のビーム径を縮小することで光検出手段によって補正用物体光を照射面において均一な光、つまり、連続した光として検出することができる。これによってデジタルデータ記録波面補正装置は、波面の歪みのみを示す干渉縞を検出でき、波面の歪みを解析して、その位相変動を抑制することができる。なお、記録媒体を通過した物体光及び参照光とは、透過型ホログラムによって記録する記録媒体を用いる場合には記録媒体を透過した物体光及び参照光、反射型ホログラムによって記録する記録媒体を用いる場合には記録媒体で反射した物体光及び参照光を示す。

0012

また、請求項2に記載のデジタルデータ記録波面補正装置は、デジタルデータの複数のビットの情報を示す画像の光である物体光を記録媒体に集光する物体光集光光学系と、参照光を前記記録媒体に集光する参照光集光光学系とを備えるホログラム記録装置によって、前記物体光と前記参照光との干渉光の干渉縞を前記記録媒体に記録する際に、前記干渉光の波面に生じた歪みを補正するデジタルデータ記録波面補正装置であって、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光の位相を調整する、又は、前記参照光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記参照光の位相を調整する光位相可変手段と、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光から一部の光を補正用物体光として分離する物体光分離手段と、前記参照光の光路上において前記光位相可変手段と前記記録媒体との間に配設され、前記参照光から一部の光を補正用参照光として分離する参照光分離手段と、前記補正用物体光と、前記補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する光検出手段と、前記補正用物体光の光路上において、前記物体光分離手段と前記光検出手段との間に配設され、前記補正用物体光を、前記光検出手段の照射面において前記物体光集光光学系に入射する際の前記物体光よりビーム径の縮小された光とするビーム径縮小光学系と、前記光検出手段によって測定された測定値に基づいて、前記波面の歪みによる位相変動量を算出する演算手段とを備え、前記光位相可変手段が、前記演算手段によって算出された前記位相変動量を補償するように前記位相を調整する構成とした。

0013

かかる構成によれば、デジタルデータ記録波面補正装置は、物体光が離散値を示す画像の光であっても、補正用物体光のビーム径を縮小することで光検出手段によって補正用物体光を照射面において均一な光、つまり、連続な光として検出することができる。これによってデジタルデータ記録波面補正装置は、波面の歪みのみを示す干渉縞を検出でき、波面の歪みを解析して、その位相変動を抑制することができる。なお、一部の光とは、分離前の物体光及び参照光と比べて波長領域や担持される画像の情報等は変化せず、光の強度のみが一部分割された光を示す。

0014

更に、請求項3に記載のデジタルデータ記録波面補正装置は、請求項2に記載のデジタルデータ記録波面補正装置において、前記物体光集光光学系に入射する物体光、及び、前記参照光集光光学系に入射する参照光がいずれも平行光であり、前記物体光分離手段が、前記物体光の光路上において、前記物体光集光光学系と、前記記録媒体との間に配設され、前記参照光分離手段が、前記参照光の光路上において、前記参照光集光光学系の前段に配設され、前記ビーム径縮小光学系が、前記補正用物体光を平行光に変換する構成とした。

0015

かかる構成によれば、デジタルデータ記録波面補正装置は、物体光分離手段によって、物体光集光光学系によって集光される物体光から補正用物体光を分離して、ビーム径縮小光学系によって物体光よりビーム径の縮小された平行光とするとともに、参照光分離手段によって、平行光の参照光から補正用参照光を分離する。そして、デジタルデータ記録波面補正装置は、これらの光を光検出手段に照射し、干渉縞を検出してその位相変動を抑制することができる。

0016

また、請求項4に記載のデジタルデータ記録波面補正方法は、デジタルデータの複数のビットの情報を示す画像の光である物体光を記録媒体に集光する物体光集光光学系と、参照光を前記記録媒体に集光する参照光集光光学系とを備えるホログラム記録装置によって、前記物体光と前記参照光との干渉光の干渉縞を前記記録媒体に記録する際に、前記干渉光の波面に生じた歪みを補正するデジタルデータ記録波面補正方法であって、前記記録媒体を通過した前記物体光である補正用物体光を、当該補正用物体光と前記記録媒体を通過した前記参照光である補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する光検出手段の照射面において前記物体光集光光学系に入射する際の前記物体光よりビーム径の縮小された光とするビーム径縮小ステップと、前記光検出手段によって、前記ビーム径縮小ステップにおいてビーム径の縮小された補正用物体光と前記補正用参照光とを照射して生成された前記干渉縞を測定する干渉縞検出ステップと、この干渉縞検出ステップにおいて測定された測定値に基づいて、前記波面の歪みによる位相変動量を算出する演算ステップと、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光の位相を調整する、又は、前記参照光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記参照光の位相を調整する光位相可変手段によって、前記演算ステップにおける演算結果に基づいて、前記位相変動量を補償するように前記位相を調整する光位相調整ステップとを含むことを特徴とする。

0017

この方法によれば、物体光が離散値を示す画像の光であっても、補正用物体光のビーム径を縮小することで干渉縞を測定する光検出手段によって補正用物体光を連続した光として検出することができる。これによって波面の歪みのみを示す干渉縞を検出でき、波面の歪みを解析して、その位相変動を抑制することができる。

0018

また、請求項5に記載のデジタルデータ記録波面補正方法は、デジタルデータの複数のビットの情報を示す画像の光である物体光を記録媒体に集光する物体光集光光学系と、参照光を前記記録媒体に集光する参照光集光光学系とを備えるホログラム記録装置によって、前記物体光と前記参照光との干渉光の干渉縞を前記記録媒体に記録する際に、前記干渉光の波面に生じた歪みを補正するデジタルデータ記録波面補正方法であって、前記物体光の光路上において前記記録媒体より前段に配設され、前記物体光から一部の光を補正用物体光として分離する物体光分離手段によって分離された補正用物体光を、当該補正用物体光と、前記参照光の光路上において前記記録媒体の前段に配設され、前記参照光から一部の光を補正用参照光として分離する参照光分離手段によって分離された補正用参照光とを照射して生成された干渉縞を測定する光検出手段の照射面において前記物体光集光光学系に入射する際の前記物体光よりビーム径の縮小された光とするビーム径縮小ステップと、前記光検出手段によって、前記ビーム径縮小ステップにおいてビーム径の縮小された補正用物体光と、前記補正用参照光とを照射して生成された前記干渉縞を測定する干渉縞検出ステップと、この干渉縞検出ステップにおいて測定された測定値に基づいて、前記波面の歪みによる位相変動量を算出する演算ステップと、前記物体光の光路上において前記物体光分離手段より前段に配設され、前記物体光の位相を調整する、又は、前記参照光の光路上において前記参照光分離手段より前段に配設され、前記参照光の位相を調整する光位相可変手段によって、前記演算ステップにおける演算結果に基づいて、前記位相変動量を補償するように前記位相を調整する光位相調整ステップとを含むことを特徴とする。

0019

この方法によれば、物体光が離散値を示す画像の光であっても、補正用物体光のビーム径を縮小することで干渉縞を測定する光検出手段によって補正用物体光を連続した光として検出することができる。これによって波面の歪みのみを示す干渉縞を検出でき、波面の歪みを解析して、その位相変動を抑制することができる。

発明の効果

0020

本発明に係るデジタルデータ記録波面補正装置及びデジタルデータ記録波面補正方法では、以下のような優れた効果を奏する。請求項1及び請求項4に記載の発明によれば、光学素子の歪みや空気の擾乱等により物体光に生じている波面の歪みを良好に測定することができ、この測定結果を用いることによって高精度な位相変動補正を行うことができる。更に、波面の歪みが抑制された干渉光により記録媒体にデジタルデータの記録を行うことが可能となるので、データ記録多重度を上げることができるとともに、信号対雑音比(SNR;Signal to Noise Ratio)を向上させることができ、高密度記録が可能となる。更に、記録媒体を通過した後の物体光及び参照光をそれぞれ補正用物体光及び補正用参照光として用いることで、記録媒体に入射する物体光及び参照光の量を減少させることなく波面の歪みを測定することができる。

0021

請求項2及び請求項5に記載の発明によれば、光学素子の歪みや空気の擾乱等により物体光に生じている波面の歪みを良好に測定することができ、この測定結果を用いることによって高精度な位相変動補正を行うことができる。更に、波面の歪みが抑制された干渉光により記録媒体にデジタルデータの記録を行うことが可能となるので、データ記録の多重度を上げることができるとともに、信号対雑音比を向上させることができ、高密度記録が可能となる。

0022

請求項3に記載の発明によれば、光検出手段によって、平行光の補正用物体光と、平行光の補正用参照光との干渉縞を測定するため、演算手段による位相変動量の算出が容易になるとともに、参照光集光光学系によって集光される前に参照光から平行光の補正用参照光を分離するため、補正用参照光を平行光に変換するための光学系が必要なくなる。

発明を実施するための最良の形態

0023

以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[ホログラム記録装置の構成(第一の実施の形態)]
まず、図1を参照して、本発明における第一の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置Tを有するホログラム記録装置Sの構成について説明する。図1は、本発明における第一の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置を有するホログラム記録装置の構成を模式的に示した構成図である。なお、図1では、レーザ光の光路を一点鎖線で模式的に示し、進行方向を矢印で示している。

0024

ホログラム記録装置Sは、干渉光の波面の歪みを補正して、ホログラム記録媒体(記録媒体)Mにデジタルデータを記録するものである。ホログラム記録装置Sは、レーザ光源1と、シャッタ2と、ハーフミラー3と、ピエゾミラー4と、集光レンズ5、9、10、12と、1/2波長板6と、PBS7と、反射型液晶素子8と、二次元光センサ11と、ミラー13と、FFT演算部14と、ピエゾミラー駆動部15とを備える。

0025

また、ホログラム記録装置Sは、内部にデジタルデータ記録波面補正装置Tを備える。このデジタルデータ記録波面補正装置Tは、デジタルデータの記録時に物体光と参照光との干渉光の波面の歪みを測定して、この測定結果に基づいて参照光の位相変動を補正することで、干渉光の波面の歪みを補正するものである。ここでは、デジタルデータ記録波面補正装置Tは、ピエゾミラー4と、集光レンズ10、12と、二次元光センサ11と、ミラー13と、FFT演算部14と、ピエゾミラー駆動部15とから構成される。以下、ホログラム記録装置S内の各構成について説明する。

0026

レーザ光源1は、物体光及び参照光となるレーザ光を出射するものであり、例えば、青紫色レーザ光を出射する半導体レーザのような、一般的なレーザによって構成することができる。レーザ光源1から出射したレーザ光は、シャッタ2に入射する。なお、ここでは、レーザ光源1からS偏光のレーザ光(平行光)が出射することとする。

0027

シャッタ2は、ホログラム記録媒体Mへのレーザ光の照射を制御するものである。このシャッタ2を通過したレーザ光は、ハーフミラー3に入射する。

0028

ハーフミラー3は、入射したレーザ光を、透過する光と反射する光との2つの光に分割するものである。ここでは、ハーフミラー3で反射したレーザ光を参照光、透過したレーザ光を物体光として用いた。ハーフミラー3で反射した参照光は、入射光の光路に対して直交する方向に光路を変えてピエゾミラー4に、透過した物体光は直進して1/2波長板6に入射する。

0029

ピエゾミラー(光位相可変手段)4は、二次元方向に配列され、表面に鏡面(図示せず)を有する複数のピエゾ素子(図示せず)から構成され、ピエゾ素子の鏡面によって参照光を反射して光路の向きを変えるとともに、各々のピエゾ素子によって鏡面の位置を当該鏡面に対して垂直方向に移動させることで参照光の光路長を変化させ、参照光の位相を調整するものである。なお、ピエゾ素子は、印加電圧によって長さが変化する素子であり、ナノメートルオーダーで長さを変化させられる素子を選択することで、波長400nmから500nm程度の光の位相を正確に制御することができる。また、二次元方向に配列された複数のピエゾ素子を有するピエゾミラー4を用いることで、参照光の照射面における各々のピエゾ素子の鏡面において、個別に位相を変化させることができる。このピエゾミラー4の各々のピエゾ素子は、後記するピエゾミラー駆動部15によって制御される。このピエゾミラー4において反射した参照光は、ホログラム記録媒体M上において物体光と交差する方向に光路を変えて集光レンズ5に入射する。

0030

集光レンズ(参照光集光光学系)5は、参照光を集光して、ホログラム記録媒体Mに照射するものである。この集光レンズ5は、例えば、凸レンズフーリエ変換レンズ等から構成される。ここで、ホログラム記録媒体Mは、レーザ光源1からのレーザ光を透過する材料で構成されており、集光レンズ5によってホログラム記録媒体Mに照射された参照光の一部は、ホログラム記録媒体Mを透過して集光レンズ10に入射する。ここでは、ホログラム記録媒体Mを透過した参照光を補正用参照光とした。なお、ホログラム記録媒体Mの感光材料としては、例えば、フォトポリマを用いることができる。

0031

1/2波長板6は、S偏光の物体光をP偏光の物体光に変換するものである。ここで1/2波長板6を通過した物体光はPBS7に入射する。

0032

PBS(偏光ビームスプリッタ)7は、P偏光の光を透過し、S偏光の光を反射するビームスプリッタである。ここでは、PBS7は、1/2波長板6を通過したP偏光の物体光を透過して反射型液晶素子8に入射させるとともに、反射型液晶素子8から入射したS偏光の物体光を反射して、入射光の光路に対して直交する方向に光路を変えて集光レンズ9に入射させる。

0033

反射型液晶素子8は、PBS7から入射されたP偏光の物体光に、当該反射型液晶素子8の素子面(図示せず)に映出された白と黒のビットパターンによる画像のデジタルデータ(ページデータ)を担持させるとともに、素子内における振動面(図示せず)の回転により、反射光をS偏光に変換するものである。ここで、反射型液晶素子8に物体光が入射すると、白表示とされた素子のみで物体光が反射してS偏光に変換され、素子面に映出された白と黒のビットパターンを有するS偏光の物体光となる。

0034

集光レンズ(物体光集光光学系)9は、物体光を集光して、ホログラム記録媒体Mに照射するものである。この集光レンズ9は、例えば、凸レンズやフーリエ変換レンズ等から構成される。なお、ここで集光レンズ9によってホログラム記録媒体Mに照射された物体光の一部は、ホログラム記録媒体Mを透過して集光レンズ12に入射する。ここでは、ホログラム記録媒体Mを透過した物体光を補正用物体光とした。

0035

なお、集光レンズ5と集光レンズ9とによってホログラム記録媒体Mに、互いに同一方向の振動面を有する直線偏光である参照光と物体光とが照射され、反射型液晶素子8上に表示されたデジタルデータを反映した干渉縞がホログラム記録媒体Mに形成される。これによって、デジタルデータが干渉縞の形態でホログラム記録媒体Mに記録される。

0036

集光レンズ10は、ホログラム記録媒体Mを透過した補正用参照光を平行光に変換するものである。この集光レンズ10は、例えば、凸レンズやフーリエ変換レンズ等から構成される。この集光レンズ10から出射した補正用参照光は、二次元光センサ11に入射する。

0037

二次元光センサ(光検出手段)11は、集光レンズ10からの補正用参照光と、ミラー13からの補正用物体光とによって形成された干渉縞(補正用干渉縞)を撮像し、その画像情報を光電変換するものである。この二次元光センサ11は、例えばCCDから構成することができる。ここで生成された画像情報は、FFT演算部14に出力される。

0038

ここで、二次元光センサ11に入射する補正用物体光は物体光の縮小光であり、補正用物体光のビットデータの白の部分(光のある部分)と黒の部分(光のない部分)の各領域が縮小されている。そうすると、二次元光センサ11の光学解像度に対して白の部分と黒の部分の各領域が小さくなり、更に、黒の部分に白の部分の光が散乱するため、二次元光センサ11によって補正用物体光は照射面においてほぼ均一な光として検出される。ここで、この補正用物体光には、物体光の波面に加えられた歪みが付与されている。そして、補正用物体光は縮小されることにより二次元光センサ11の全画面において白のレベルとされるので、物体光に離散値(デジタルデータ)が担持されていても、二次元光センサ11において純粋な波面の歪みのみを示す補正用干渉縞を検出でき、後記するFFT演算部14によって波面の歪みを測定することが可能になる。

0039

更に、二次元光センサ11を物体光及び参照光の光路上においてホログラム記録媒体Mの後段に配設し、ホログラム記録媒体Mを透過した後の物体光及び参照光をそれぞれ補正用物体光及び補正用参照光として用いることで、二次元光センサ11は、ホログラム記録媒体Mに入射する物体光及び参照光の量を減少させることなく波面の歪みを測定することができる。

0040

集光レンズ(ビーム径縮小光学系)12は、ホログラム記録媒体Mを透過した補正用物体光を平行光に変換するものである。この集光レンズ12は、例えば、凸レンズやフーリエ変換レンズ等から構成される。ここで、集光レンズ12は、集光レンズ9より短焦点であり、入射した補正用物体光を、集光レンズ9に入射した物体光よりビーム径の小さい平行光に変換する。この集光レンズ12から出射した補正用物体光は、ミラー13に入射する。

0041

ミラー13は、集光レンズ12から出射した補正用物体光の光路の向きを変更するものである。このミラー13において反射した補正用物体光は、二次元光センサ11上において補正用参照光と交差する方向に光路を変え、二次元光センサ11に入射する。

0042

FFT演算部(演算手段)14は、入力された画像情報(補正用干渉縞のグレースケール)についてのFFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換演算処理を行い、補正用干渉縞から位相変動量を算出するものである。このFFT演算部14は、コンピュータにおいてFFT演算処理を行うプログラムを動作させることとしてもよい。ここで算出された位相変動量の情報は、ピエゾミラー駆動部15に出力される。

0043

ピエゾミラー駆動部15は、FFT演算部14から入力された位相変動量の情報に基づいて、その位相変動量を補償するように、参照光の光路中に配設されたピエゾミラー4を駆動するものである。

0044

[デジタルデータ記録波面補正装置の動作(第一の実施の形態)]
次に、図2を参照(適宜図1参照)して、本発明における第一の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置Tが、デジタルデータの記録時に波面の歪みを修正する動作について説明する。図2は、本発明における第一の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置が波面の歪みを修正する動作を示したフローチャートである。なお、ここでは、集光レンズ12によって、ホログラム記録媒体Mを透過した物体光がビーム径の縮小された平行光の補正用物体光に変換される(ビーム径縮小ステップ)とともに、集光レンズ10によって、ホログラム記録媒体Mを透過した参照光が平行光の補正用参照光に変換され、この補正用物体光と補正用参照光とに基づいて、デジタルデータ記録波面補正装置Tが波面の歪みを修正する動作について説明する。

0045

まず、デジタルデータ記録波面補正装置Tは、集光レンズ12からの補正用物体光と、集光レンズ10からの補正用参照光との干渉縞である補正用干渉縞を、二次元光センサ11によって撮像する(ステップS11;干渉縞検出ステップ)。続いて、デジタルデータ記録波面補正装置Tは、FFT演算部14によって、ステップS11において撮像された補正用干渉縞のグレースケールの画像についてFFT演算処理を施し、得られた演算値から位相成分を抽出して位相変動量を算出する(ステップS12;演算ステップ)。

0046

そして、デジタルデータ記録波面補正装置Tは、ピエゾミラー駆動部15によって、ステップS12において算出された位相変動量に基づいてピエゾミラー4を駆動して、その位相変動量を補償するようにピエゾミラー4によって参照光の光路長を調整し(ステップS13;光位相調整ステップ)、ステップS11に戻る。

0047

以上の動作によって、デジタルデータ記録波面補正装置Tは、デジタルデータの記録時に位相変動を抑制し、干渉光の波面の歪みを補正することができる。そして、物体光と参照光を撮像素子(図示せず)上で干渉させ、得られた干渉縞の位相に基づいて位相変動を補償する手法では、従来は物体光がデジタルデータを担持している場合には干渉光の波面の歪みによる位相変動をデータの記録時にリアルタイムで検出することは困難であったが、集光レンズ12によって物体光をビーム径が縮小された平行光の補正用物体光に変換することで二次元光センサ11において純粋な波面の歪みのみを示す補正用干渉縞を検出できる。これによって、デジタルデータ記録波面補正装置Tは、物体光がデジタルデータを担持している場合でも干渉波に生じる波面の歪みをリアルタイムで検出して、その位相変動を抑制することができる。

0048

ここで、図3及び図4を参照(適宜図1参照)して、デジタルデータ記録波面補正装置Tによって波面の歪みの補正を行わない場合と補正を行った場合とにおける干渉光の位相変動及びSNRを、具体例を参照して説明する。図3は、デジタルデータ記録波面補正装置によって波面の歪みの補正を行わない場合と補正を行った場合とにおける干渉光の位相の時間変化を示すグラフ、(a)は、波面の歪みの補正を行わない場合の干渉光の位相の時間変化を示すグラフ、(b)は、波面の歪みの補正を行った場合の干渉光の位相の時間変化を示すグラフである。図4は、図3に示す位相変動条件のもとでホログラム記録装置によってデジタルデータ(ビットデータ)をホログラム記録媒体に記録した後に再生した再生画像階調ヒストグラム、(a)は、図3(a)の位相条件のもとで記録再生した再生画像の階調のヒストグラム、(b)は、図3(b)の位相条件のもとで記録再生した再生画像の階調のヒストグラムである。なお、ここでは、再生画像を256階調とした。

0049

図3に示すグラフは、物体光をすべて白レベルのデジタルデータとした場合の補正用干渉縞を二次元光センサ11で撮像し、そのうちの1ライン(すなわち、1次元データ)を対象として測定した場合における位相の時間変化を示すものであり、ホログラム記録時における干渉光の波面の揺らぎを示すものである。ここで、横軸位相測定の経過時間(秒)であり、縦軸は測定した位相値(°)である。図3(a)に示すように、干渉光は空気の擾乱を始めとする種々の要因により波面に歪みが生じ、干渉縞の位相が−120〜30°の範囲で大きく変動していることが分かる。一方、図3(b)に示すように、デジタルデータ記録波面補正装置Tによって波面の歪みを補正すると、位相がほぼ0°付近収束することが分かる。

0050

更に、図4(a)に示すように、波面の歪みを補正しない場合には再生光のSNRが2.6dBであった。一方、図4(b)に示すように、デジタルデータ記録波面補正装置Tによって波面の歪みを補正した場合にはSNRが7.6dBであり、補正しない場合に比べてSNRが5dB向上した。

0051

[ホログラム記録装置の構成(第二の実施の形態)]
次に、図5を参照して、本発明における第二の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置TAを有するホログラム記録装置SAの構成について説明する。図5は、本発明における第二の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置を有するホログラム記録装置の構成を模式的に示した構成図である。図5に示すように、ホログラム記録装置SAは、干渉光の波面の歪みを補正して、ホログラム記録媒体Mにデジタルデータを記録するものである。

0052

ホログラム記録装置SAは、ホログラム記録装置S(図1参照)の集光レンズ10及びミラー13を備えず、集光レンズ12に替えて集光レンズ12Aを備え、更に、ハーフミラー16A、17Aを付加して構成した。ホログラム記録装置SA内の集光レンズ12A及びハーフミラー16A、17A以外の構成は、図1に示したものと同一であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。

0053

また、ホログラム記録装置SAは、内部にデジタルデータ記録波面補正装置TAを備える。このデジタルデータ記録波面補正装置TAは、デジタルデータの記録時に物体光と参照光との干渉光の波面の歪みを測定して、この測定結果に基づいて参照光の位相変動を補正することで、干渉光の波面の歪みを補正するものである。ここでは、デジタルデータ記録波面補正装置TAは、ピエゾミラー4と、集光レンズ12Aと、二次元光センサ11と、FFT演算部14と、ピエゾミラー駆動部15と、ハーフミラー16A、17Aとから構成される。

0054

なお、デジタルデータ記録波面補正装置T(図1参照)においては、二次元光センサ11がホログラム記録媒体Mの後段に配されているのに対し、デジタルデータ記録波面補正装置TAでは、二次元光センサ11がホログラム記録媒体Mの前段に配されている点で相違している。そして、デジタルデータ記録波面補正装置TAでは、ホログラム記録媒体Mに照射される前に物体光及び参照光から一部の光を分離して補正用物体光及び補正用参照光とし、二次元光センサ11上で干渉させることとした。

0055

集光レンズ(ビーム径縮小光学系)12Aは、ハーフミラー16Aで反射した物体光である補正用物体光を平行光に変換するものである。この集光レンズ12Aは、例えば、凸レンズやフーリエ変換レンズ等から構成される。ここで、集光レンズ12Aは、集光レンズ9より短焦点であり、入射した補正用物体光を、集光レンズ9に入射した物体光よりビーム径の小さい平行光に変換する。この集光レンズ12から出射した補正用物体光は、二次元光センサ11に入射する。この集光レンズ12Aによって、物体光よりビーム径の縮小された補正用物体光に変換することで、二次元光センサ11において波面の歪みのみを示す補正用干渉縞を検出することができる。

0056

ハーフミラー(物体光分離手段)16Aは、集光レンズ9から出射した物体光を、透過する光と反射する光との2つの光に分割するものである。ここでは、ハーフミラー16Aで反射したレーザ光を補正用物体光、透過したレーザ光を物体光として用いた。ハーフミラー16Aで反射した補正用物体光は、入射光の光路に対して直交する方向に光路を変えて集光レンズ12Aに、透過した物体光は直進してホログラム記録媒体Mに入射する。

0057

ハーフミラー(参照光分離手段)17Aは、ピエゾミラー4からの参照光を、透過する光と反射する光との2つの光に分割するものである。ここでは、ハーフミラー17Aで反射したレーザ光を補正用参照光、透過したレーザ光を参照光として用いた。ハーフミラー17Aで反射した補正用参照光は、光路の方向を変えて二次元光センサ11に、透過した参照光は直進してホログラム記録媒体Mに入射する。ここで、ハーフミラー17Aは参照光の光路上において集光レンズ5の前段に配されるため、ハーフミラー17Aには参照光の平行光が入射する。そのため、ハーフミラー17Aにおいて反射した補正用参照光は平行光となり、デジタルデータ記録波面補正装置TAは、補正用参照光を平行光に変換するための集光レンズを必要とせず、そのまま二次元光センサ11に照射することができる。

0058

なお、本発明のデジタルデータ記録波面補正装置は、前記の実施形態に限定されず、種々の態様の変更が可能である。例えば、デジタルデータ記録波面補正装置TAでは、ハーフミラー17Aによって、集光前の参照光から補正用参照光を取り出すこととしたが、物体光と同様に、集光レンズ5の後段にハーフミラー(図示せず)を配し、集光後に補正用参照光を取り出して、このハーフミラーと二次元光センサ11との間に、補正用参照光を平行光に変換するための集光レンズ(図示せず)を更に配して、この集光レンズによって補正用参照光を平行光へと戻すこととしてもよい。

0059

また、ここでは、ピエゾミラー4を参照光の光路上に配設し、参照光の位相を調整することとしたが、物体光の光路上に配設し、物体光の位相を調整することとしてもよい。更に、ピエゾミラー4の代わりに部分的に光の位相を変化させることが可能な、例えば、デフォーマブルミラー液晶素子EO変調器可動回折格子を使用することとしてもよい。また、反射型液晶素子8に替えて、透過型の液晶素子等の他のSLM空間変調素子)を用いることも可能である。

0060

更に、ここでは、平行光の補正用物体光と、平行光の補正用参照光とを二次元光センサ11に照射することとしたが、発散光又は収束光の補正用物体光や補正用参照光を照射することとしてもよい。ただし、発散光や収束光と、平行光との干渉縞は同心円となるが、平行光と平行光の干渉縞は直線となり測定がより容易であるため、平行光の補正用物体光と、平行光の補正用参照光とを用いることが好ましい。

0061

また、デジタルデータ記録波面補正装置TAでは、物体光及び参照光からそれぞれ補正用物体光及び補正用参照光を分離する物体光分離手段及び参照光分離手段としてハーフミラー16A、17Aを用いることとしたが、ハーフミラー16A、17Aに代えて、例えば、ガラス等を光の進行方向に対して斜めに挿入することとしてもよい。このとき、ガラスは無反射コートをしていない場合には入射光量の4%程度を反射し、この反射光を補正用物体光及び補正用参照光とすることができる。なお、ガラスを斜めに挿入すると、屈折によりガラスを透過する光の光路がわずかに変化するため、他の光学素子もそれに合わせた配置にする必要がある。

0062

更に、ここでは、補正用干渉縞を二次元光センサ11によって測定することとしたが、一次元方向のみに光を検出できる一次元光センサ(図示せず)を用いることとしてもよい。なお、光の位相を調整する光位相可変手段(ここではピエゾミラー4)によって二次元方向に部分的に位相を調整する場合には、二次元光センサ11を用いる必要がある。一方、光位相可変手段が二次元方向に分割されておらず、面全体を動かすことしかできない場合には、一次元光センサを用いることもできる。

図面の簡単な説明

0063

本発明における第一の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置を有するホログラム記録装置の構成を模式的に示した構成図である。
本発明における第一の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置が波面の歪みを修正する動作を示したフローチャートである。
本発明における第一の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置によって波面の歪みの補正を行わない場合と補正を行った場合とにおける干渉光の位相の時間変化を示すグラフ、(a)は、波面の歪みの補正を行わない場合の干渉光の位相の時間変化を示すグラフ、(b)は、波面の歪みの補正を行った場合の干渉光の位相の時間変化を示すグラフである。
図3に示す位相変動条件のもとでホログラム記録装置によってデジタルデータをホログラム記録媒体に記録した後に再生した再生画像の階調のヒストグラム、(a)は、図3(a)の位相条件のもとで記録再生した再生画像の階調のヒストグラム、(b)は、図3(b)の位相条件のもとで記録再生した再生画像の階調のヒストグラムである。
本発明における第二の実施の形態であるデジタルデータ記録波面補正装置を有するホログラム記録装置の構成を模式的に示した構成図である。
従来のホログラム記録装置の構成を模式的に示した模式図である。

符号の説明

0064

S、SAホログラム記録装置
T、TAデジタルデータ記録波面補正装置
4ピエゾミラー(光位相可変手段)
5集光レンズ(参照光集光光学系)
9 集光レンズ(物体光集光光学系)
11二次元光センサ(光検出手段)
12、12A 集光レンズ(ビーム径縮小光学系)
14FFT演算部(演算手段)
16Aハーフミラー(物体光分離手段)
17A ハーフミラー(参照光分離手段)

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