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技術 演算回路およびそれを用いた無線通信装置

出願人 三菱電機株式会社国立大学法人東北大学
発明者 藤村明憲高木直中瀬博之石津文雄曽我部靖志坪内和夫亀田卓
出願日 2007年1月9日 (13年10ヶ月経過) 出願番号 2007-001760
公開日 2008年7月24日 (12年4ヶ月経過) 公開番号 2008-172360
状態 特許登録済
技術分野 複合演算 交流方式デジタル伝送
主要キーワード 最小二乗演算 ベクトル点 初期位相φ 位相オフセット値 演算遅延 割り算回路 周波数偏差量 低消費化
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

回路規模の軽減とともに演算高速化を図る。

解決手段

複数のサンプルデータを用いて、最小二乗法による近似直線を求めるための演算回路であって、メモリ3に記憶されたサンプルデータの中から所定のデータを間引データ間引き手段と、間引きされたデータを用いて、最小二乗法による近似直線を求める演算部4と、演算部4における除算演算分母の値を2のべき乗に近似する演算手段7とを備えた演算回路であるので、回路規模の軽減とともに演算の高速化を図ることができる。

概要

背景

無線通信では、共に移動体であり得る、送信側と受信側とが互いに離れた位置に存在し、かつ、お互いに無線以外の手段では情報をやり取りできないため、受信側は、送信側に関する様々な情報を、送信側から送られてきた受信信号を基にして推定・抽出することが必要となる。

例えば、送信側が用いている発信装置周波数は、受信側が用いている発信装置の周波数と異なるため、送信側から送信されてきた受信信号と受信側の発信装置の信号とを比較して、その周波数偏差を推定する必要がある。

最小二乗法は、複数のサンプルデータから、もっとも確からしい近似曲線、もしくは、近似直線を求める方法であり、さまざまな分野に応用されている(例えば、特許文献1参照)。

送受信装置間の周波数偏差の推定に最小二乗法を用いると、精度のよい推定が可能となる。特に、信号が間欠的に送信されるインターネットパケットバースト通信においては、その信号が受信された時に得られる短い基準参照信号であるプリアンブルから、周波数偏差の推定を高速にかつ正確に行う必要がある。なお、プリアンブルとは、フレームを送信するときに、当該フレームの送信を通知するために、フレームの先頭に付加して送信する、「1」と「0」の繰り返しのデータのことである。但し、プリアンブルの最後の2ビットは「1」が連続しているため、受信側を、それをもって、フレームの始まりを認識することができる。

プリアンブルには、送信側が情報変調を行わない、もしくは、既知パターンによる繰り返し変調信号が用いられる。従って、受信側ではプリアンブル信号が既知であるため、受信したプリアンブルに含まれる位相情報から、送信装置受信装置の間の位相差と周波数偏差とを最小二乗法を用いて推定し、復調処理に使用することが可能である。

受信装置は、受信したプリアンブル信号から、複数のサンプリング点を抽出し、その信号の位相情報を算出する。例えば、図8では、受信装置で、時間的に等間隔の5箇所の位相情報を抽出し、この抽出したサンプリング点の位相情報から、最小二乗法を用いて、初期位相偏差と周波数偏差を求める処理を示している。この場合、パイロット送信回数nは5となる。

サンプル点からは、位相θと時間tが得られるが、この得られた各値を、最小二乗法の次式(1.1)に代入することによりδ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)を求めることができる。

但し、nはサンプル数パイロット信号送信回数)、uiは雑音による位相オフセット値、tiはパイロット信号送信タイミング、θiはパイロット信号位相、である。

上式(1.1)の分子は、いずれも、得られたサンプリング点の位相情報を用いて、数値加算をすることで得られる。上式(1.1)の分母は、加算するサンプリング点の数と、時間間隔tから決定される。

図9は、上記の演算を16個の受信ベースバンドプリアンブル信号のサンプリング点を用いて演算する回路の具体例である。ここで、プリアンブルでは、送信側が情報変調を行わず、送信信号に受信側で既知である信号を用いるため、プリアンブルに含まれる位相情報から、送信装置と受信装置の間の位相差と周波数偏差を推定することが可能である。

受信ベースバンドプリアンブル信号は、ADCアナログディジタル変換器)100でサンプリング後、位相データ(θ)101に変換される。位相データに変換された連続する16個のデータは、サンプリングされた順番に16個のメモリ(♯1〜♯16)102に順次記憶される。受信装置の演算部103では、これら16個のメモリ102に格納された位相データ101を用いて、上式(1.1)に基づく最小二乗演算ディジタル回路による演算で行う。

ディジタル回路で構成する際、上式(1.1)のような式における分子の数値の加算、および、分母を求める加算に関しては、容易に高速な回路を構成することが可能である。これは、図中、演算1〜3(符号104〜106)に該当する。すなわち、演算1(符号104)が式(1.1)のφを求める式の分子の演算であり、演算2(符号105)が式(1.1)のδを求める式の分子の演算である。また、サンプリングの間隔tと、点数nが既知であれば、式(1.1)のφおよびδを求める式の分母を求める演算である、演算3(符号106)は、サンプリングデータを必要としないので、事前に演算することができる。しかしながら、分数の演算をする割り算回路は、回路を簡略化する方法がほとんど存在せず、繰り返し演算による収束演算を用いる必要があるため、回路規模・演算規模とも大きくあり、受信機回路の増大・演算遅延時間の増大の大きな要因となっている。図中、演算4,5(符号107,108)がこれに該当し、位相・周波数推定で二度の割り算が必要となる。

特表平10−512417号公報

概要

回路規模の軽減とともに演算の高速化をる。複数のサンプルデータを用いて、最小二乗法による近似直線を求めるための演算回路であって、メモリ3に記憶されたサンプルデータの中から所定のデータを間引データ間引き手段と、間引きされたデータを用いて、最小二乗法による近似直線を求める演算部4と、演算部4における除算演算の分母の値を2のべき乗に近似する演算手段7とを備えた演算回路であるので、回路規模の軽減とともに演算の高速化をることができる。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

複数のサンプルデータを用いて、最小二乗法による近似直線を求めるための演算回路であって、上記サンプルデータの中から所定のデータを間引データ間引き手段と、間引きされた上記データを用いて、最小二乗法による近似直線を求める演算手段と、上記演算手段における除算演算分母の値を2のべき乗に近似する近似手段とを備えたことを特徴とする演算回路。

請求項2

サンプルデータの間引きの組み合わせを1以上記憶している記憶手段と、予め設定された条件に基づいて、各組み合わせの中から最も確からしいものを選択する選択手段とをさらに備え、上記演算手段は、選択手段によって選択された間引きされたデータを用いて演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の演算回路。

請求項3

上記演算手段は2以上設けられていて、2以上の演算手段による演算結果の平均値を求める合成手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の演算回路。

請求項4

請求項1ないし3に記載の演算回路を有する無線通信装置であって、前記サンプルデータは、無線通信における受信プリアンブル位相データであって、間引きされた受信プリアンブル位相データを用いて、最小二乗法により、受信信号周波数偏差と受信信号の初期位相とを推定し、復調処理に用いることを特徴とする無線通信装置。

技術分野

0001

本発明は演算回路およびそれを用いた無線通信装置に関し、特に、最小二乗法を用いて、例えば、受信信号位相偏差周波数偏差推定を行う際に、特性の劣化を最小限に抑圧した状態で、構成を飛躍的に簡略化するための演算回路およびそれを用いた無線通信装置に関する。

背景技術

0002

無線通信では、共に移動体であり得る、送信側と受信側とが互いに離れた位置に存在し、かつ、お互いに無線以外の手段では情報をやり取りできないため、受信側は、送信側に関する様々な情報を、送信側から送られてきた受信信号を基にして推定・抽出することが必要となる。

0003

例えば、送信側が用いている発信装置周波数は、受信側が用いている発信装置の周波数と異なるため、送信側から送信されてきた受信信号と受信側の発信装置の信号とを比較して、その周波数偏差を推定する必要がある。

0004

最小二乗法は、複数のサンプルデータから、もっとも確からしい近似曲線、もしくは、近似直線を求める方法であり、さまざまな分野に応用されている(例えば、特許文献1参照)。

0005

送受信装置間の周波数偏差の推定に最小二乗法を用いると、精度のよい推定が可能となる。特に、信号が間欠的に送信されるインターネットパケットバースト通信においては、その信号が受信された時に得られる短い基準参照信号であるプリアンブルから、周波数偏差の推定を高速にかつ正確に行う必要がある。なお、プリアンブルとは、フレームを送信するときに、当該フレームの送信を通知するために、フレームの先頭に付加して送信する、「1」と「0」の繰り返しのデータのことである。但し、プリアンブルの最後の2ビットは「1」が連続しているため、受信側を、それをもって、フレームの始まりを認識することができる。

0006

プリアンブルには、送信側が情報変調を行わない、もしくは、既知パターンによる繰り返し変調信号が用いられる。従って、受信側ではプリアンブル信号が既知であるため、受信したプリアンブルに含まれる位相情報から、送信装置受信装置の間の位相差と周波数偏差とを最小二乗法を用いて推定し、復調処理に使用することが可能である。

0007

受信装置は、受信したプリアンブル信号から、複数のサンプリング点を抽出し、その信号の位相情報を算出する。例えば、図8では、受信装置で、時間的に等間隔の5箇所の位相情報を抽出し、この抽出したサンプリング点の位相情報から、最小二乗法を用いて、初期位相偏差と周波数偏差を求める処理を示している。この場合、パイロット送信回数nは5となる。

0008

サンプル点からは、位相θと時間tが得られるが、この得られた各値を、最小二乗法の次式(1.1)に代入することによりδ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)を求めることができる。

0009

0010

但し、nはサンプル数パイロット信号送信回数)、uiは雑音による位相オフセット値、tiはパイロット信号送信タイミング、θiはパイロット信号位相、である。

0011

上式(1.1)の分子は、いずれも、得られたサンプリング点の位相情報を用いて、数値加算をすることで得られる。上式(1.1)の分母は、加算するサンプリング点の数と、時間間隔tから決定される。

0012

図9は、上記の演算を16個の受信ベースバンドプリアンブル信号のサンプリング点を用いて演算する回路の具体例である。ここで、プリアンブルでは、送信側が情報変調を行わず、送信信号に受信側で既知である信号を用いるため、プリアンブルに含まれる位相情報から、送信装置と受信装置の間の位相差と周波数偏差を推定することが可能である。

0013

受信ベースバンドプリアンブル信号は、ADCアナログディジタル変換器)100でサンプリング後、位相データ(θ)101に変換される。位相データに変換された連続する16個のデータは、サンプリングされた順番に16個のメモリ(♯1〜♯16)102に順次記憶される。受信装置の演算部103では、これら16個のメモリ102に格納された位相データ101を用いて、上式(1.1)に基づく最小二乗演算ディジタル回路による演算で行う。

0014

ディジタル回路で構成する際、上式(1.1)のような式における分子の数値の加算、および、分母を求める加算に関しては、容易に高速な回路を構成することが可能である。これは、図中、演算1〜3(符号104〜106)に該当する。すなわち、演算1(符号104)が式(1.1)のφを求める式の分子の演算であり、演算2(符号105)が式(1.1)のδを求める式の分子の演算である。また、サンプリングの間隔tと、点数nが既知であれば、式(1.1)のφおよびδを求める式の分母を求める演算である、演算3(符号106)は、サンプリングデータを必要としないので、事前に演算することができる。しかしながら、分数の演算をする割り算回路は、回路を簡略化する方法がほとんど存在せず、繰り返し演算による収束演算を用いる必要があるため、回路規模・演算規模とも大きくあり、受信機回路の増大・演算遅延時間の増大の大きな要因となっている。図中、演算4,5(符号107,108)がこれに該当し、位相・周波数推定で二度の割り算が必要となる。

0015

特表平10−512417号公報

発明が解決しようとする課題

0016

以上のように、最小二乗法を用いることで、受信信号の位相・周波数偏差の精度の高い推定が可能となるが、回路規模・演算規模が増大してしまうという問題点があった。

0017

この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、回路規模の軽減とともに演算の高速化を図ることが可能な演算回路およびそれを用いた無線通信装置を得ることを目的としている。

課題を解決するための手段

0018

この発明は、複数のサンプルデータを用いて、最小二乗法による近似直線を求めるための演算回路であって、上記サンプルデータの中から所定のデータを間引データ間引き手段と、間引きされた上記データを用いて、最小二乗法による近似直線を求める演算手段と、上記演算手段における除算演算の分母の値を2のべき乗に近似する近似手段とを備えたことを特徴とする演算回路である。

発明の効果

0019

この発明は、複数のサンプルデータを用いて、最小二乗法による近似直線を求めるための演算回路であって、上記サンプルデータの中から所定のデータを間引くデータ間引き手段と、間引きされた上記データを用いて、最小二乗法による近似直線を求める演算手段と、上記演算手段における除算演算の分母の値を2のべき乗に近似する近似手段とを備えたことを特徴とする演算回路であるので、回路規模の軽減とともに演算の高速化を図ることができる。

発明を実施するための最良の形態

0020

実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る演算回路の具体的な回路構成の例である。本実施の形態1においては、図1に示すように、所定の位置に存在する複数の送信側から送信されてくる受信信号(受信ベースバンドプリアンブル信号)をサンプリングして、それを位相データ(θ)2に変換するための1個以上のADC(アナログディジタル変換器)1Aおよび1Bが設けられている。また、位相に変換された連続する16個のデータを、サンプリングされた順番に順次記憶するための16個のメモリ3(#1〜#16)が設けられている。また、演算部4内には、5つの演算手段1〜5(符号5〜9)が設けられている。また、演算に必要なデータや、演算結果を記憶するためのRAMやROMから構成された記憶装置(図示せず)も設けられている。

0021

演算手段5(演算1)は、式(1.1)のφを求める式の分子の演算を行う回路であり、演算手段6(演算2)は、式(1.1)のδを求める式の分子の演算を行う回路である。これらの回路は、上述したように、ディジタル回路で構成する場合、容易に高速な回路を構成することが可能である。また、演算手段7(演算3)は、式(1.1)のφおよびδを求める式の分母を求める演算を行う回路である。当該演算は、受信信号を用いることなく決定できるため、データの個数nとサンプリングの間隔tが既知であれば、事前に演算することも可能である。したがって、事前に演算して、記憶装置(図示せず)に記憶しておいてもよい。なお、本実施の形態においては、当該分母の値を、2のべき乗に近似して、後段の演算を行うため、演算した結果を2のべき乗に近似させた値を記憶しておくようにしてもよい。あるいは、記憶しておかずに、その都度、演算し、演算後にもっとも近い値の2のべき乗を検索してもよい。また、演算手段8(演算4)は、レジスタ(14ビットシフト)から構成されており、間引きされたデータからδ(:受信信号の周波数偏差量)を求めるものである。また、演算手段9(演算5)は、レジスタ(14ビットシフト)から構成されており、間引きされたデータからφ(:受信信号の初期位相)を求めるものである。

0022

動作について説明する。図1では、図9と同様、受信ベースバンドプリアンブル信号から、δ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)の検出を行う。受信信号をADC1A,1Bでサンプリングしてから、メモリ3(♯1〜♯16)に格納するまでの動作は、図9記載の従来例と同様である。但し、本実施の形態では、それ以降の、δ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)を算出する方法が従来例と異なり、本実施の形態では、間引きしたデータを用いて算出する。以下にそれについて説明する。

0023

着目点は、上述した式(1.1)の分母の項である。分母の項をDとすると、Dは、式(1.2)により表される。

0024

0025

このように、分母の項Dは、式(1.2)から明らかなように、データの個数nとサンプリングの間隔tとが既知であれば、受信信号を用いることなく決定できる。

0026

一方、ディジタル回路の分数演算は、2のべき乗が分母の場合、レジスタのnビット右シフトで容易に実現可能である。例えば、図2に示すように、入力20ビットに対し、出力を、それの上位16ビットとして取ると(=下位4ビットを削除すると)、2の4乗、つまり16で除算を行い、切捨て演算を行ったことになる。図2では、“156”を16で除算する場合の例を示している。このように、2のn乗が分母の場合、除算処理が非常に簡単に実現できる。

0027

よって、式(1.2)の値Dを、2のn乗値に近い値に近似出来れば、式(1.1)の分数演算(除算)を簡単に実現することができる。そこで、本実施の形態1では、等間隔でサンプリングされた連続データを用いるのではなく、幾つかのサンプル番号のデータを最小二乗法の計算である式(1.1)に用いず、データを間引くことで、式(1.2)の値を2のn乗値に近い値にする。

0028

図3は、一例として、上記式(1.1)を使った最小二乗法の計算をする際に、16個の全てのデータを用いず、そのうちの13個のデータを用いて、式(1.1)の演算をする場合の、式(1.2)(=分母D)の値を示している。本実施の形態においては、どのデータを用いないかは、予め設定されているものとし、演算に用いられるデータを記憶しているメモリが、当該データを演算部4に出力することとする。図3の例では、16個のサンプル点を用いた場合のサンプル点の時刻tiをti=0〜15、サンプル数nをn=13として、サンプルデータのうちの#3、#6、#8を式(1.1)の演算に利用しない場合を示している。このように間引きして、式(1.2)で示される分母の値D(=nΣti2−(Σti)2)を演算した処理を示している。この場合、Dの値はD=4094である。このDの値(4094)は、2の12乗の4096に近い値であるため、本実施の形態では、式(1.1)の分母の項をD=4094ではなくD≒4096として、演算手段8および9により、δ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)を計算し、これらδ、φを復調処理に用いることとする。このように、分母の数値を2のべき乗に近い数値とすることにより、演算手段8,9をレジスタで構成することができ、当該レジスタのビットシフトにより分数演算を行うことができるようになる。これにより、最小二乗法の演算回路規模を大幅に小さくすることができる。なお、ここでの数値の差の2(=4096−4094)は誤差成分となるが、この差による演算誤差許容範囲である。

0029

このように上記例では、本来16個の連続するサンプリングデータから、13個分のデータだけを間引いて、他を削除し、最小二乗の演算を行う場合の処理を示したが、サンプルデータの間引きの数および間隔は、必ずしもこの例だけでなく、割算を行う数値の誤差が±20程度であれば、誤差の範囲内となり、他のパターンを用いることも可能である。

0030

以上のように、本実施の形態では、最小二乗法の演算回路規模を小さくするために、サンプル時間tを最適に選択し、分母の数値を2のべき乗に近い数値とすることで、演算手段8,9の演算レジスタのビットシフトにより分数演算を行うことができるようにしたので、分数演算の回路が事実上必要なくなるため、回路規模の劇的な軽減が実現できるとともに、回路における低消費化を享受することが可能である。また、演算を高速に行うことが可能となり、高速データ通信装置を構成可能となる。また、サンプル時間を選択し、所定の位置に存在する複数のデータを間引いて演算に使用するようにしたので、特性の劣化を最小限に抑えながら、演算の高速化を図ることができる。

0031

実施の形態2.
上述した実施の形態1では、16個の連続するサンプリングデータから、サンプルデータ#3、#6、#8を用いない場合、最小二乗の計算が容易に実現できることを示したが、本実施の形態2では、実施の形態1よりも更に、δ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)の推定精度を向上させることを目的としており、16個のデータから13個のデータだけを間引く際に、最も確からしいデータ系列を選択して、最小二乗の計算に適用する。

0032

上述の実施の形態1では、16個の連続するサンプリングデータから、サンプルデータ#3、#6、#8を用いない場合を例として示したが、他の組み合わせでも、分母の値Dを4096に近い数値に合わせることが出来ることを、図4(表1.1)に示す。

0033

図4(表1.1)において、サンプリングNo.は、サンプル点番号を示しており、図1の各メモリ3(♯1〜♯16)のメモリ番号に相当する。また、各色付マスは、そのメモリ番号のデータを使うことを、各無色付のマスは、そのメモリ番号のデータを使わないことを示している。更に、図4(表1.1)に記載のDは、その時の分母Dの値である。分母Dは、上述したように、受信信号を用いることなく決定できるため、データの個数nとサンプリングの間隔tが既知であれば、事前に演算することも可能である。したがって、事前に演算して、記憶装置(図示せず)に記憶しておいてもよい。なお、本実施の形態においては、当該分母の値を、2のべき乗に近似して、後段の演算を行うため、演算した結果を2のべき乗に近似させた値を記憶しておくようにしてもよい。なお、前記サンプルデータ#3、#6、#8を用いない場合の実施の形態1は、図4ケース1に相当する。

0034

その他に、分母の値Dを4096に近い数値に合わせる組み合わせを、ケース2からケース6に示している。ケース1〜4の場合の実際の分母Dの値は4094であり、ケース5〜6の場合は4098である。

0035

このとき、ケース1からケース6のうちのいずれの場合も、Dを{4094、4098}ではなく、4096(=212)として扱うことで、分数演算を簡単に実現することが出来る。

0036

そこで、このケース1〜6を、その時々の受信信号の状態を元に、適応的に選択して、最小二乗の演算に使用すれば、更に、δ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)の推定精度を向上させることが出来る。

0037

図5に、本実施の形態における構成例を示す。本実施の形態においては、図5に示すように、ADC1A,1Bと、16個のメモリ3と、それらのメモリ3に接続されて、間引きしたデータを出力するセレクタ20と、セレクタ20に接続されて、間引きされたデータが入力されて、それによりδ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)の演算を行う演算部4と、ADC1A,1Bから受信信号が入力されて、それに基づいて、どの受信信号を間引くかを示す制御信号をセレクタ20に出力する受信レベル測定部21とが設けられている。また、記憶部(図示せず)が設けられており、図4(表1.1)のケース1〜6の各データ系列が予め記憶されている。

0038

受信レベル測定部21は、ADC1A,1Bから受信信号が入力されて、それらの受信信号のサンプル番号1〜16までの各信号電力を求め、更に、記憶部に記憶されている図4のケース1からケース6までの各データ系列(青色のマスのデータ)の電力和を算出し、それらの6つの電力和の内で最大値を示すケースの番号(∈{1,2,3,…,6})を出力する。

0039

セレクタ20は、受信レベル測定部21からの電力和の最大値を示すケースの番号が制御信号として入力されるので、それを元に、16個のメモリ3(#1〜#16)に格納されたデータから13個のデータを、記憶部に記憶されている図4(表1.1)に示す対応表を元に、選択して出力する。

0040

演算部4の処理については、上記の実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。

0041

このように、本実施の形態においては、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、最も確からしいものとして、最も電力和が大きくなるデータ系列を選択して、最小二乗法による演算を行うようにしたので、実施の形態1よりも更に、δ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)の推定精度を向上させることが出来る。

0042

実施の形態3.
上述した実施の形態2では、ケース1〜6の各電力和のうち、最大値を示すものを選択する構成としたが、干渉波主波に加算されるようなケースまで想定すると、必ずしも最大値を示す電力和となるデータ系列が、最も確からしいデータ系列になるとは限らない。

0043

そこで、本実施の形態3では、干渉波が主波に加算されるようなケースまで想定し、受信レベルではなく、受信信号のSINR(信号電力対干渉電力雑音電力密度比)を求めた結果から、最も確からしい13個のデータを選択し、最小二乗の演算に適用することで、干渉波が存在するような伝送路でも良好な推定精度を実現する。

0044

図6に構成例を示す。図6では、図5の受信レベル測定部21が、SINR推定部22に置き換わっている。それ以外の構成および動作は、図5と同じであるため、同一符号を付して示し、ここではその説明を省略する。

0045

図6のSINR推定部22では、受信プリアンブルが既知パターンであることを利用してSINRを求める。例えば、以下の(1)〜(5)の手順で求めることが可能である。この方法は、キャリア周波数偏差残留している場合でも、SINRを推定できる利点があり、特にキャリア周波数同期確立していない場合におけるSINR推定に有効である。なお、欠点としては、遅延検波に基づく方法であるため、遅延検波によるSN低下分を補正する必要がある。

0046

(1)受信プリアンブル系列とこの系列複数サンプル遅延した系列との複素共役(複数サンプル遅延検波)を行う。
(2)複素共役後の固定位相オフセットを有する無変調データ系列Piの平均電力Sと、その時の振幅ベクトルAを求める。
(3)算出した振幅ベクトルAの複素平面上の点と、無変調データ系列Piの各ベクトル点との距離の2乗値を瞬時雑音電力Nとして求める。
(4)上記(2)で求めた平均電力Sと上記(3)で求めた瞬時雑音電力Nの比を求める。
(5)上記(4)で求めた比に、遅延検波によるSN低下分を補正した結果を、推定SINRとする。

0047

SINR推定部22では、このようにして求めたSINR情報を元に、最大のSINRを示すケースの番号(∈{1,2,3,…,6})を出力する。

0048

図6に示すセレクタ20は、図5の場合と同様、SINR推定部22から入力される最大SINRを示すケースの番号を元に、16個のメモリ3に格納されたデータから13個のデータを、記憶部(図示せず)に記憶されている図4(表1.1)に示す対応表を元に、選択して出力する。

0049

演算部4の処理については、上記の実施の形態1と同じであるため、ここでは説明を省略する。

0050

以上のように、本実施の形態においては、実施の形態1および2と同様の効果が得られるとともに、さらに、最も確からしいものとして、上述したように最もSINRが大きくなるデータ系列を選択して、最小二乗法による演算を行うことで、実施の形態2より更に、δ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)の推定精度を向上させることが出来る。

0051

なお、実施の形態2ならびに実施の形態3では、16個の連続するサンプリングデータから、推定精度が最も高くなるような13個のデータ系列を選択して、最小二乗の演算を行う処理を例として示したが、サンプルデータの間引きの数、間隔は、必ずしもこの例だけでなく、分母の値Dが2のべき乗に近い値となる組み合わせとなる場合なら、どのような間引きの数、組み合わせ、間隔であってもよい。

0052

実施の形態4.
実施の形態2または実施の形態3では、16個のデータから13個のデータを間引く際に、最も確からしいデータ系列を選択して、最小二乗の計算に適用していたが、本実施の形態4では、複数のデータ系列を合成して、最小二乗の計算に適用するものである。

0053

図4(表1.1)に示す通り、ケース1に示す系列を用いる場合、サンプル番号♯3,♯6,♯8を使わない。一方、ケース2では、サンプル番号♯3,♯6,♯8を全て使うが、逆に、サンプル番号♯7,♯9,♯12を使わない。ケース1では、サンプル番号♯7,♯9,♯12を使用する。

0054

よって、ケース1を用いた最小二乗の計算結果と、ケース2を用いた最小二乗の計算結果の平均を求める合成処理を行えば、16個の全てのデータ系列を余すことなく用いた最小二乗の計算が実現できるため、実施の形態1よりも更に、良好なδ(:受信信号の周波数偏差量)とφ(:受信信号の初期位相)の推定が実現できる。

0055

図7に構成例を示す。図7に示すように、本実施の形態においては、図1の演算部4に相当する2つの演算部23,24が設けられ、さらに、それらの演算部23,24における演算結果の平均値を求めるための合成部25が設けられている。他の構成については、図1と同様であるため、ここでは説明を省略する。

0056

動作について説明する。ベースバンドプリアンブル受信信号がADC1A,1Bでサンプリングされてから、メモリ3(♯1〜♯16)に位相データが格納されるまでの処理は、実施の形態1と同様である。次に、図7の演算部I(符号23)は、図4(表1.1)記載のケース1の組み合わせによる最小二乗の計算を行い、δ1(:第一の受信信号の周波数偏差量)とφ1(:第一の受信信号の初期位相)を出力する。このとき、演算部I(符号23)の最小二乗の計算に使用する分母Dは4096とし、演算を容易とする。

0057

図7の演算部II(符号24)は、図4(表1.1)記載のケース2の組み合わせによる最小二乗の計算を行い、δ2(:第二の受信信号の周波数偏差量)とφ2(:第二の受信信号の初期位相)を出力する。このとき、演算部II(符号24)の最小二乗の計算に使用する分母Dも4096とし、演算を容易とする。

0058

図7の合成部25は、φ1とφ2の平均値を求め、その結果を最終的な初期位相φTとして出力する。また、合成部25は、δ1とδ2の平均値を求め、その結果を最終的な周波数偏差量δTとして出力する。

0059

以上のように、本実施の形態においては、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、このように、13個のデータから構成されるデータ系列を2つ用いて最小二乗の計算を行い、その2つの結果の平均を出力し、かつ、それぞれの最小二乗の計算を、Dを2のべき乗にして計算を行うことで、実施の形態1よりも更に精度の高い周波数偏差と初期位相の推定を、簡単な回路構成、軽い計算処理で実現することができる。

0060

なお、本実施の形態では、2つのデータ系列を用いた合成を例としたが、2つである必要はなく、3つ以上のデータ系列を用いた合成であってもよい。また、各データ系列を用いた最小二乗計算において、サンプルデータの間引きの数、データの組み合わせは、必ずしもこの例だけでなく、分母の値Dが2のべき乗に近い値となる組み合わせとなる場合なら、どのような間引きの数、組み合わせ、間隔であってもよい。また、本実施の形態は、実施の形態1の構成に適用した例を示したが、実施の形態2および3に記載のように、セレクタ20によりその都度選択されたデータで演算を行うようにしてもよい。

図面の簡単な説明

0061

この発明の実施の形態1に係る無線通信装置の回路構成を示した構成図である。
この発明の実施の形態1に係る無線通信装置において、156を16で除算する場合の例について示した説明図である。
この発明の実施の形態1に係る無線通信装置において、受信信号を間引きする例を示した説明図である。
この発明の実施の形態2に係る無線通信装置における間引きの組み合わせを記憶した対応表を示した説明図である。
この発明の実施の形態2に係る無線通信装置の回路構成を示した構成図である。
この発明の実施の形態3に係る無線通信装置の回路構成を示した構成図である。
この発明の実施の形態4に係る無線通信装置の回路構成を示した構成図である。
従来の最小二乗法による初期位相偏差と周波数偏差を求める処理を示した説明図である。
従来の無線通信装置の回路構成を示した構成図である。

符号の説明

0062

1A,1BADC、2位相データ、3メモリ、4演算部、5,6,7,8,9 演算手段、20セレクタ、21受信レベル測定部、22 SINR推定部、100 ADC、101 位相データ、102 メモリ、103 演算部。

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